JP2019095276A - 電子機器の異常検出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図6には、異常の検査対象のプリント板として、第1プリント板12a、第2プリント板12b、第3プリント板12c、第4プリント板12dが示されている。これらプリント板12a〜12dは、それぞれ異常信号ALM1、異常信号ALM2、異常信号ALM3、異常信号ALM4を出力している。これら異常信号ALM1、異常信号ALM2、異常信号ALM3、異常信号ALM4は、デジタル信号である。
異常通知プリント板20は、これら4本の異常信号(ALM1、ALM2、ALM3、ALM4)を入力している。いずれかの異常信号がアサートされることによって、異常通知プリント板20は、いずれのプリント板で異常が検出されたのか(どこで異常が検出されたのか)検出することができる。そして、異常通知プリント板20は、種々の手法で異常を外部に(例えばユーザや、管理者に)通知する。
図6から明らかなように、異常の検出対象であるプリント板の個数の分、異常信号を伝達するための信号線が必要である。その結果、検出対象であるプリント板の数が増えれば、それに応じて信号線の数も増えてしまうという課題があった。
下記特許文献2には、複数の冷却用のファンの回転速度を単一の検出信号で検出できる技術、及び、故障したファンを特定することができる技術が開示されている。
下記特許文献3には、電源システムの異常を通知する監視システム、特に、通知内容の確認の煩わしさを解消できるシステムが開示されている。
下記特許文献4には、モニタ対象装置を停止させる原因となる、一番最初に検出した異常を抽出できる技術が開示されている。
第2に、本発明者は、複数の異常が発生したときに、最初の異常に基づく異常信号を異常発生から所定期間の経過後にラッチし、ラッチ後に発生した異常をマスクする手段を設ける技術的思想を、見い出した。
また、このような技術的思想によれば、最初の異常が発生し、最初の異常が発生した後の異常(2番目、3番目に発生する異常(の異常信号))をマスクすることによって、特に、最初に発生した異常の発生箇所などの記録手段を用いずに、最初の異常信号の特定が可能になると考えたものである。
このような技術的思想を考案することによって、本発明者は、本発明を完成するに至った。以下、本発明の具体的な構成を説明する。
〔実施形態1〕
〔第1.原理〕
図1には、本実施形態1の異常検出装置100の原理を示す構成図が示されている。まず、異常の検査対象において異常が検出された場合に、異常信号が出力されることは従来と同様である。図1にも、図6と同様に、異常信号ALM1、異常信号ALM2、異常信号ALM3、異常信号ALM4の4種の信号が利用される例が示されている。これらの信号は、例えば、図6と同様に、4枚のプリント板のそれぞれで発生する異常を表していてもよいが、任意の箇所の異常を表す信号としてもよい。
図1に示すように、異常検出装置100は、主な構成として、異常検出部110と、異常状態ラッチ部200と、異常通知部300と、を備えている。
異常検出部110は、異常信号ALM1、異常信号ALM2、異常信号ALM3、異常信号ALM4を受信し、異常箇所信号を出力する。異常検出部110は、異常電圧信号生成回路114と、電圧モニタ回路116とから構成される。
異常状態ラッチ部200は、異常箇所信号をラッチする。異常箇所信号をラッチするのは、異常が発生した箇所を保持することによって、異常が発生した要因を調査しやすくするためである。異常信号ALM1〜ALM4は、異常が発生すればアサート(ON動作)されるが、異常が生じている関係上、その信号は不安定となりやすい。また、次の異常が連鎖的には発生する場合も多く、その場合、何が原因となったのかわかりにくくなる。そこで、最初に発生した異常(の箇所)を保持して(ラッチして)おけば、どの異常が根本的な原因になったのかを調査しやすい。そのため、一番最初に発生した異常によって作られた異常箇所信号をラッチしている。
異常通知部300は、ラッチされた異常箇所信号に基づき、異常をその箇所と共に通知する。通知する相手方は任意の相手方でよい。異常通知部300は、ユーザや管理者に通知してもよいし、インターネット等のネットワークを介して外部に通知を送信してもよい。異常通知部300は、例えば、その電子機器の遠隔管理サーバに送信してもよい。
例えば、ユーザに通知する場合には、異常通知部300は、LED等を点灯させることによって通知してもよく、異常の箇所に応じて点灯するLEDを変えてもよいし、発光色彩を変化させてもよい。また、異常通知部300が警報音や音声で異常をユーザに通知することも好ましい。また、異常通知部300は、所定のディスプレイに異常箇所等を表示させてもよい。
この場合、例えば、LEDは、本発明における「発光部」の好適な一例に相当し、ディスプレイは、本発明における「表示部」の好適な一例に相当する。
〔電子機器との関係〕
図1で示した異常検出装置100の構成は、検査対象である電子機器の内部に配置することも好適であるし、一部の構成を、電子機器の外部に設けてもよい。つまり、実施形態1に係る異常検出装置100は、検査される電子機器に内蔵してもよいし、外部に配置し、両者を所定の信号線で接続するように構成してもよい。また。例えば、異常状態ラッチ部200や、異常通知部300のみを電子機器の外部に取り付けるように構成してもよい。これに対して、異常検出部110は、異常信号を発生する電子機器の内部の近傍に配置しておくことが好ましい。
また、図1で示した異常検出装置100の構成も、検査対象である電子機器のプリント板の任意の位置に配置されていてもよい。
しかし、異常信号ALM1〜ALM4を受信する異常検出部110(特にその中の異常電圧信号生成回路114)は、異常を検出して異常信号ALM1〜ALM4を送信するプリント板の近くに配置しておくことが好ましい場合が多いと考えられる。
図2に、図1に示した異常検出装置100の各構成と、電子機器のプリント板との関係の好ましい一例を示す。図2に示す例は、電子機器が、その機能を実現するための第1プリント板112a、第2プリント板112b、第3プリント板112c、第4プリント板112dと、異常通知のための異常通知プリント板120と、を備えている例である。
図2の例では、異常検出部110の異常電圧信号生成回路114は、電子機器の本来の機能を実現する第1プリント板112a、第2プリント板112b、第3プリント板112c、第4プリント板112dと、異常通知プリント板120と、に跨がって配置されている。
図2に示すように、検査対象である第1プリント板112a上には、異常信号によってON動作し得るトランジスタ150aと、そのトランジスタ150aの一方端に接続している出力抵抗152aと、が配置されている。また、トランジスタ150aの他方端は、接地に接続している。これにより、出力抵抗152aと接地とは導通している。すなわち、トランジスタ150aは、本発明における「スイッチ回路」の好適な一例に相当し、出力抵抗152aは、本発明における「出力抵抗」の好適な一例に相当する(以下同様)。
また、前述のトランジスタ150a、150b、150c、150dと、出力抵抗152a、152b、152c、152dとは、本発明における「検査対象プリント板部」の好適な一例に相当する。
図2に示すように、異常通知を行うためのプリント板である異常通知プリント板120の上には、一方端が電源に接続するプルアップ抵抗154が設けられている。このプルアップ抵抗154の他方端は、上述した出力抵抗152a、152b、152c、152dに接続している(図2参照)。
このような構成によって、いずれかの異常信号がアサートされると、その異常信号に接続する出力抵抗152a〜152dと、プルアップ抵抗154との抵抗値の比によって決定される電圧の信号を生成することができる。この信号が異常電圧信号である(図2参照)。
図2に示す例では、電圧モニタ回路116は、異常通知プリント板120上に配置されている。電圧モニタ回路116は、異常電圧信号を、異常が検出された箇所を示す異常箇所信号に変換する。
図2に示す例では、異常状態ラッチ部200は、異常通知プリント板120上に配置されている。図2に示すように、異常状態ラッチ部200は、異常箇所信号をマスクする異常状態検出回路202と、タイマー回路が出力するリセット信号に基づき異常箇所信号をラッチするラッチ回路204と、異常箇所信号が出力されて異常の発生を表した時点から動作を開始し、所定期間の経過後に動作を完了すると共にリセット信号を出力する(ON動作する)タイマー回路206と、を備えている。
ラッチ回路204は、このように所定期間の経過後にラッチを行い、ラッチした異常箇所信号を異常通知部300に供給している。
また、所定期間は、適用する電子機器に応じて種々の期間を採用することができる。例えば、所定期間は、50μsec〜200μsec程度が好ましいが、これよりも短くてもよいし、これによりも長くてもよい。
また例えば、異常信号に生じるノイズを除去するための入力フィルタ回路が挿入されている場合には、所定期間は、入力フィルタの時定数よりも長い期間であることが好ましい。
また例えば、異常信号に基づき電子機器の電源をOFFする場合、所定期間は、異常信号がONになってから電子機器の電源をOFFするまでの期間よりも短い期間であることが好ましい。
図2に示す例では、異常通知部300は、異常通知プリント板120上に配置されている。図2に示すように、異常通知部300は、異常状態ラッチ部200のラッチ回路204がラッチする異常箇所信号に基づき、異常を通知する。通知対象は誰でもよく、またどこに対して通知してもよい。また通知方法も種々の方法を利用することができる。例えば各種の異常に対応したLEDを点灯させてもよいし、インターネットを通じて異常を遠隔管理装置に送信してもよい。音で通知してもよいし、ディスプレイに表示してもよい。
なお、図2で示した配置の例は、好ましい一例であり、他のプリント板の配置を採用してもよい。例えば、プリント板を共通化して1枚にまとめてもよいし、分割して数を増やしてもよい。
異常検出装置100の回路の例が図3に示されている。この図3の例は、説明をわかりやすくするために、2種の異常信号、すなわち、異常信号ALM1と、異常信号ALM2に関する部分のみを描いたものである。実際には、より多くの異常信号ALM3、異常信号ALM4・・・・が含まれてよい。また、図3の回路の動作例が図4及び図5のタイムチャートに示されている。
まず、図3に示すように、異常検出部110の異常電圧信号生成回路114は、異常信号ALM1によってON動作するトランジスタ150aと、出力抵抗152aとを含んでいる。また、異常電圧信号生成回路114は、異常信号ALM2によってON動作するトランジスタ150bと、出力抵抗152bとを含んでいる。また、異常電圧信号生成回路114は、プルアップ抵抗154を備えている。これらは図2で説明した通りである。なお、図3において、V1は電源電圧を表す。プルアップ抵抗154と出力抵抗152a、152bとの接続点に表れる信号が異常電圧信号であることは、図2で示した通りである。
次に、図3に示すように、異常検出部110の電圧モニタ回路116は、異常電圧信号の電圧を弁別し、異常信号ALM1がアサートされた(LレベルからHレベルになった)のか、それとも、異常信号ALM2がアサートされた(LレベルからHレベルになった)のかを識別する。
なお、本実施形態では、異常信号ALM1がアサートされたことは、第1プリント板112aに異常が発生したことを表しており、異常信号ALM2がアサートされたことは、第2プリント板112bに異常が発生したことを表している。なお、別の箇所の異常を表していてもよい。
このような回路の結果、コンパレータComp1、コンパレータComp2の出力信号は、下記のようになる。
コンパレータComp1の出力信号=H
コンパレータComp2の出力信号=L
(2)異常信号ALM2がアサートされた(異常が発生し、出力信号がHとなった)場合
コンパレータComp1の出力信号=H
コンパレータComp2の出力信号=H
なお、異常信号ALM1と異常信号ALM2とが同時にアサートされることは想定していない。異常が生じる場合には、2種の異常が完全に同一タイミングで発生することは希であるからである。
なお、本実施形態では、2個のコンパレータComp1、Copmp2を用いる例を説明するが、異常信号の数が増えた場合には、さらにコンパレータを増やし、比較する基準電圧として、例えば、V1×0.5、V1×0.4・・・・等を用いてもよい。
〔タイマー回路206〕
タイマー回路206には、コンパレータComp1の出力信号が供給されており、この結果、異常が発生したか否かを検出することができる。コンパレータComp1の出力信号は、まずNORゲートNOR1に供給される。NORゲートNOR1には、ラッチ回路204の出力信号も供給されており、ラッチ回路204が異常箇所信号をラッチしていない場合であって異常が発生した場合に、NORゲートNOR1の出力はHとなり、トランジスタ160がON動作する。すると、定電流源158の電流で充電されていたキャパシタ162の電荷が徐々に放電され、キャパシタ162の電位が徐々に低下していく。コンパレータComp3は、このキャパシタ162の電位とVrefとを比較し、キャパシタ162の電位が徐々に下がり、Vrefより下回ると、その出力をLとする。なお、コンパレータComp3の出力端子はプルアップ抵抗164によって電源電位にプルアップされている。
コンパレータComp3の出力がLとなると、トランジスタ166がON動作し、リセット信号がHとなる。トランジスタ166には、接地と接続している出力抵抗168が接続されている。
上述したように、タイマー回路206は、異常が発生してから所定期間の経過後に、リセット信号(図3参照)をHとする。このリセット信号はラッチ回路204に供給されており、ラッチ回路204は、リセット信号がHとなったときの異常箇所信号をラッチする。ここで、ラッチする異常箇所信号は、異常状態検出回路202によってマスクされてから、ラッチ回路204に供給される。この異常箇所信号は、異常が発生した箇所を示しており、異常通知部300はこの異常箇所信号を用いて、異常をユーザ等に通知することができる。
異常状態検出回路202が出力する異常箇所信号は、異常箇所を表す異常箇所信号であるが、電圧モニタ回路116が出力する(第1の)異常箇所信号とはフォーマットが異なるので、便宜上、第2の異常箇所信号と称する。異常箇所を表していることは同様であり、フォーマットのみが異なる。
第1の異常箇所信号と第2の異常箇所信号との変換は、異常状態検出回路202が実行する。
ラッチ回路204が、異常が発生した場合であって第2の異常箇所信号をラッチしていない場合には、マスク信号はHとなり、異常状態検出回路202は、マスクされていない(第2の)異常箇所信号を出力している。
NANDゲートNAND1の出力信号は、NANDゲートNAND2とNANDゲートNAND3とからなるフリップフロップに加えられ、このフリップフロップでその値が反転されて保持される。保持された信号が図3におけるLatch1である。このLatch1は、異常信号ALM1がアサートされた場合にHとなる信号である。
これらのLatch1とLatch2とは、異常通知部300に供給され、異常通知部300における通知に用いられる。Lacth1と、Latch2は、このように第2の異常箇所信号である。
この出力は、タイマー回路206の入力に加えられ(NORゲートNOR1)、異常を表す異常箇所信号をラッチしていない場合に、タイマー回路206の動作の開始を許可する働きをしている。すなわち、ラッチ回路204が一旦異常を表す異常箇所信号をラッチすると、タイマー回路206は動作を開始しない。電子機器において異常が一旦検出された場合(一旦ラッチされた場合)には、基本的に検査や修理の対象となる。したがって、検査等を経ていない状態で、異常を何度もラッチするということは原則として想定されてはいない。
また、ORゲートOR1の出力信号は、インバーターINV1を経て反転されてから、異常状態検出回路のマスク信号として用いられる。詳細は後述する。
異常状態検出回路202は、(第1の)異常箇所信号をマスクしてから、ラッチ回路204に供給する。第1の異常箇所信号は、XORゲートXOR1と、XORゲートXOR2とに供給される。
XORゲートXOR1には、第1の異常箇所信号が2本(コンパレータComp1とコンパレータComp2の出力信号)供給されており、コンパレータComp1の出力信号がHであり、コンパレータComp2の出力信号がLである場合に、出力信号はHとなる。すなわち、異常信号ALM1がアサートされた場合に、XORゲートXOR1の出力信号はHとなる。
XORゲートXOR2には、第1の異常箇所信号のうちコンパレータComp2の出力信号と、接地(L)と、が供給されている。コンパレータComp2の出力信号がHの場合のみ、XORゲートXOR2の出力信号がHとなる。すなわち、異常信号ALM2がアサートされた場合に、XORゲートXOR2の出力信号はHとなる。
マスク信号は、図3に示すように、ラッチ回路204において、所定の異常信号がラッチされた場合にLとなり、異常状態検出回路202の出力信号(第2の異常箇所信号)を無効にする。ここで、無効とは、強制的に、第2の異常箇所信号をLにすることを言う。
ANDゲートAND1及びANDゲートAND2の出力信号は、前述したように第2の異常箇所信号であり、これらの信号は、ラッチ回路204においてラッチされる対象となる。
異常通知部300は、ラッチ回路204がラッチした第2の異常箇所信号を利用して、異常が見い出された箇所(異常を検出した異常信号ALM1又はALM2)を通知する。図3に示す例では、異常信号ALM1又はALM2に応じて、それぞれを表すLED1、LED2を点灯させる。
第2の異常箇所信号の1本であるLatch1がHの場合、トランジスタ170がON動作し、抵抗172を介してLED1に電流が流れる。その結果、LED1が点灯して、ユーザ等に、異常信号ALM1がアサートされるような異常が発生したことを知らせることができる。
図3の例ではLED1を用いたが、ブザーやスピーカ等で通知してもよい。また、ディスプレイに異常が検出された箇所を表示してもよい。
図4、図5に、異常が検出された場合の動作を説明する状態遷移図(タイムチャート)が示されている。図4、図5には、図3の回路の各部の信号の名称と、その値の変化とが示されている。時間は、左から右に経過していくものとする。なお、図4、図5における異常電圧信号とは、異常信号ALM1と異常信号ALM2とをワイアードオアして電圧に変換した信号である。
ステップ1:
第1プリント板112aにおいて異常が発生し、異常信号ALM1がアサートされる。
ステップ2:
ワイアードオアされた異常信号の電圧が低下する。図4の例では、V1×0.7を下回り且つV1×0.6を下回らない例が示されている。
ステップ3:
ワイアードオアされた異常信号が、最初の検出閾値(V1×0.7)を下回った時点でコンパレータComp1の出力がHとなり、タイマー回路206が動作を開始する。
ステップ4:
タイマー回路206が動作を完了した後、その完了時点での状態(異常状態検出回路202の出力)を、ラッチ回路204がラッチする。
ラッチ回路204がラッチを完了すると、タイマー回路206の入力がマスクされ(トランジスタ160がOFF動作する)、異常状態検出回路202の出力が無効化される(出力がLに強制される)。
ステップ6:
その後、他の異常(又は主電源の遮断)が発生することよって、ワイアードオアされた異常信号の電圧が変動しても、ラッチ回路204のラッチした状態は変わらない(維持される)。
ステップ7:
ラッチされた異常箇所信号の内容に基づき、LED1が点灯する。
以上のような動作を実行する。したがって、最初の異常の発生に引き続き、他の異常が発生してもその影響を受けることがない。
ステップ1:
第2プリント板112bにおいて異常が発生し、異常信号ALM2がアサートされる。
ステップ2:
ワイアードオアされた異常信号の電圧が低下する。図5の例では、V1×0.6を下回る例が示されている。
ステップ3:
ワイアードオアされた異常信号が、最初の検出閾値(V1×0.7)を下回った時点でコンパレータComp1の出力がHとなり、タイマー回路206が動作を開始する。ワイアードオアされた異常信号が次の検出閾値(V1×0.6)も下回り、コンパレータComp2の出力もHとなる。
ステップ4:
タイマー回路206が動作を完了した後、その完了時点での状態(異常状態検出回路202の出力)を、ラッチ回路204がラッチする。
ラッチ回路204がラッチを完了すると、タイマー回路206の入力がマスクされ(トランジスタ160がOFF動作する)、異常状態検出回路202の出力が無効化される(出力がLに強制される)。
ステップ6:
その後、他の異常(又は主電源の遮断)が発生することよって、ワイアードオアされた異常信号の電圧が変動しても、ラッチ回路204によりラッチされた状態は変わらない(維持される)。
ステップ7:
ラッチされた異常箇所信号の内容に基づき、LED2が点灯する。
以上のような動作を実行する。したがって、最初の異常の発生に引き続き、他の異常が発生してもその影響を受けることがない。
(1)以上述べたように、本実施形態においては、各異常箇所の異常信号(デジタル信号)をワイヤードオアしてアナログ信号、特に電圧信号に変換した。これを実現するために、本実施形態は、異常箇所ごとに異なる抵抗値の抵抗(出力抵抗)と、異常発生時に抵抗を介してローレベル(接地に接続する)にする手段(トランジスタ)を備えている。
したがって、本実施形態は、電圧を弁別することによって、異常箇所を特定することが可能である。信号線が1本でよいので、いわゆる省配線化を実現することができる。
ここでは、アナログ信号として電圧信号に変換する例を説明したが、他のパラメータ、例えば、電流、周波数、位相、振幅等に変換して利用してもよい。
したがって、異常が発生してから所定期間が経過した後で異常信号(又は異常箇所信号など)をラッチすることによって、ノイズによる誤検出や、その後に第2、第3の異常が発生したことによるワイアードオアされた異常信号の電圧が変動している途中で、変動中の電圧値を検出(誤検出)してしまうことを防ぐことができる。
さらに、最初の異常が発生し、その後に第2、第3の異常が発生しても、その第2、第3の異常をマスクすることができるので、異常の箇所を記録する手段を特に設けることなく、最初の異常信号のみを特定することが可能である。
(4)以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
12a、112a 第1プリント板
12b、112b 第2プリント板
12c、112c 第3プリント板
12d、112d 第4プリント板
20、120 異常通知プリント板
22、200 異常状態ラッチ部
24、300 異常通知部
100 異常検出装置
114 異常電圧信号生成回路
116 電圧モニタ回路
150a、150b、150c、150d トランジスタ
152a、152b、152c、152d 抵抗
154 プルアップ抵抗
156a、156b プルアップ抵抗
158 定電流源
160、166、170、174 トランジスタ
162 キャパシタ
164 プルアップ抵抗
168、172、176 抵抗
202 異常状態検出回路
204 ラッチ回路
206 タイマー回路
AND1、AND2 ANDゲート
Comp1、Comp2、Comp3 コンパレータ
INV1 インバータ
LED1、LED2 LED
NAND1、NAND2、NAND3、NAND4、NAND5、NAND6 NANDゲート
NOR1 NORゲート
OR1 ORゲート
XOR1、XOR2 XORゲート
Claims (6)
- 電子機器に異常が発生した場合に異常箇所を特定する異常箇所信号を出力する異常検出部と、前記異常箇所信号をラッチする異常状態ラッチ部と、ラッチされた前記異常箇所信号に基づき異常を通知する異常通知部と、を備える、電子機器の異常検出装置であって、
前記異常検出部は、
所定の異常箇所に異常が発生したことを示す異常信号を、前記異常箇所毎に応じて異なる電圧に変換して、前記異常箇所毎の異常電圧信号を生成する異常電圧信号生成回路と、
前記異常電圧信号生成回路が生成した前記異常電圧信号をモニタして、前記異常電圧信号に対応する電圧に基づき、前記異常箇所を特定する前記異常箇所信号を出力する電圧モニタ回路と、を備え、
前記異常状態ラッチ部は、
前記異常箇所信号をマスクする異常状態検出回路と、
前記異常箇所信号に基づき、前記異常箇所信号が異常の発生を表す時点で動作を開始し、所定期間の経過後に動作を完了すると共にリセット信号を出力するタイマー回路と、
前記リセット信号が出力された時点で、前記異常状態検出回路が出力している前記異常箇所信号をラッチするラッチ回路と、を備え、
前記異常状態検出回路は、前記ラッチ回路がラッチ動作を実行したときに、前記異常箇所信号をマスクして、前記異常状態検出回路の出力を無効にし、
前記タイマー回路は、前記ラッチ回路がラッチ動作を実行したときに、前記タイマー回路の入力をマスクすることによって動作完了の状態を維持し、
前記異常電圧信号生成回路が生成する前記異常箇所毎の前記異常電圧信号は、ワイヤードオアされ、単一の信号線を介して、前記電圧モニタ回路に供給されている、
電子機器の異常検出装置。 - 前記異常電圧信号生成回路は、
異常の検査対象であるプリント板に設けられた検査対象プリント板部と、
異常を通知する異常通知プリント板に設けられた異常通知プリント板部と、を備え、
前記検査対象プリント板部は、
対応する前記異常信号ごとに異なる抵抗値の出力抵抗と、
前記異常信号がONの場合に前記出力抵抗と接地とを導通するスイッチ回路と、を備え、
前記異常通知プリント板部は、前記検査対象であるプリント板に配置される複数の前記出力抵抗と、電源電圧との間に接続されたプルアップ抵抗を備える、請求項1記載の電子機器の異常検出装置。 - 前記所定期間は、前記異常信号に生じるノイズを除去するために入力フィルタを挿入する場合、前記入力フィルタの時定数よりも長い期間である、
請求項1又は2記載の電子機器の異常検出装置。 - 前記所定期間は、前記異常信号に基づき前記電子機器の電源をOFFする場合、前記異常信号がONになってから前記電子機器の電源をOFFするまでの期間よりも短い期間である、
請求項1又は2記載の電子機器の異常検出装置。 - 前記異常通知部は、ラッチされた前記異常箇所信号に基づき、異常箇所毎に点灯する発光部を備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器の異常検出装置。 - 前記異常通知部は、ラッチされた前記異常箇所信号に基づき、異常箇所を表示する表示部を備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器の異常検出装置。
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