JP2019083787A - うなぎ加工品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、うなぎの加工食品として、うなぎハンバーグが紹介されているが、温かい状態で食することが前提となっている。
原料とするうなぎは、食用であれば特に限定されず、ニホンうなぎでも、ヨーロッパうなぎでもよい。
また、天然もの、養殖ものがあり、天然のうなぎは脂質分が少なく、身肉がギュッとしまってさっぱりとした味わいと、うなぎが育った地域の特有の香りが楽しめると言われており、一方、養殖のうなぎは安定した環境下で育成されているため、天然のうなぎよりも脂がのった安定した美味しさで常時提供されている。以前は、天然うなぎが高級扱いであったが、最近では養殖うなぎのブランド化が進んでおり、中には天然うなぎよりも高値が付けられた養殖うなぎも存在する。天然のうなぎは、5年以上成長させて初めて食することができるようになるのに対して、養殖のうなぎは、1年程度で食することができるようになる。本発明では、天然もの、養殖もののいずれも使用することができるが、養殖ものが比較的安価で入手できること、また、脂質分を利用してしっとりとした食感をもたせていることから、養殖ものの使用が推奨される。
このうなぎを開裂して、白焼きする。
開裂の仕方としては、背開きと腹開きがあり、関東風は背開き、関西風は腹開きになっているが、いずれでもよい。この際、骨・頭・肝等を除去する。
その後、長焼きの要領で、カットや串打ちをせずにそのまま白焼きする。
白焼きは、従来の方法をそのまま踏襲すればよいが、背開き、腹開きいずれの場合でも皮から焼いて、途中で裏返す。コンベアに載せて工場生産的に作業する場合には、芯温が70〜80℃になるように調整し、皮と身肉をそれぞれ4分程度を目安として焼き、手作業の場合には、強火の遠火であぶって、表面に脂質分が出てきて、皮の表面に小さな斑点状の焦げ跡が形成されたら、終了する。途中、脂質分などが滴下しやすいので、頻繁に裏返しをする。
白焼きの後には、カットする。
熱燻した後にカットしようとすると、皮の部分が硬くなっており、カット面が綺麗に出ないので、この段階でカットする。
カットするサイズは特に限定されないが、おつまみ用には、一口サイズにカットするのが好ましい。
なお、カット工程を経ないで、すなわちカットしないで次工程へ移行することも可能である。
カットの後に、熱燻する。
燻製は、スモークするときの温度で、熱燻、温燻、冷燻があり、このうち熱燻は80〜150℃程度の高温で数十分から1時間程度かけて行うものであり、素材に燻煙をかけて蒸し焼きのような状態にして風味付けをすることが主な目的となっている。
本発明では、この熱燻を利用して特殊加工を施している。
燻材として使用される樹木には、ナラ、サクラ、ブナ等が知られているが、うなぎには、ナラの香味が合っており、ナラの使用が推奨される。
「手火山式」で製造した鰹節には、カツオの臭みが消え、食欲に通じる独特の風味と香りが生み出されており、最高品質のものとなっているが、非常に手間と時間がかかるため、現在では数社のみが行っている。
「手火山式」で熱燻を行えば、残った脂質分が保持されつつ、水分が適度に減らされ、身肉にしっとりとした食感が確実に付与される。また、独特の香味も付与される。更に、身肉に旨み成分が閉じ込められた状態となる。
熱燻は、150℃前後で30分程度かけるのが目安になっており、色目を見ながら実際の時間を調整することになる。火力が弱い場合には時間がやや長めになる。この熱燻の微妙な調整により、水分量が適度に調整される。
熱燻の後に、自然放熱により熱を冷ませば、本発明のうなぎ加工品が完成する。
冷めた後にも、上記したしっとりとした食感や香味は失われない。また、白焼には無かった脂質味が残されている。脂質味は甘味、塩味、酸味、苦味、旨味に続く第6の味覚と言われており、この脂質味が本発明のうなぎ加工品に独特の味わいを与えている。
従って、冷めたものをそのまま食しても美味しい。また、山椒塩をまぶせば、旨味が一層引き出される。
養殖のうなぎは養殖の期間が長くなったものほど皮が厚くなっており、白焼や蒲焼が冷めたときにはゴムゴムした感じが強まるため、不味いと嫌われがちであるが、本発明では、養殖のうなぎを使用すると、皮の厚さがある分だけ、歯ごたえをより積極的に楽しめる。
その後は、パッケージングをする。品質を保持するために、真空包装が推奨される。このパッケージングにより、他のおつまみ類と同様に取り扱うことができる。
また、比較用に、同じ種類のうなぎを使用し、白焼きを施した。白焼き後には、蒸し器で蒸し(100℃、20分)と、乾燥焼き(500℃、1.5分)を施し、適度な柔らかさにして、完成品とした。
また、それぞれを冷ました後にモニターに食して、しっとりとした食感、ナラ材由来の香味、脂質味の味わいを堪能して貰えた。更に、皮の歯ごたえも楽しんで貰えた。
Claims (5)
- 開裂したうなぎを白焼きする白焼き工程と、得られた白焼を熱燻する熱燻工程とを含む、うなぎ加工品の製造方法。
- 請求項1に記載したうなぎ加工品の製造方法において、
熱燻工程では、ナラを燻材として使用することを特徴とする製造方法。 - 請求項1または2に記載したうなぎ加工品の製造方法において、
熱燻工程では、手火山式で熱燻を行うことを特徴とする製造方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載したうなぎ加工品の製造方法において、
白焼き工程後に、白焼をカットするカット工程を設けたことを特徴とする製造方法。 - 請求項4に記載したうなぎ加工品の製造方法において、
カット工程では一口サイズにカットすることを特徴とする製造方法。
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JP2017216686A JP6964874B2 (ja) | 2017-11-09 | 2017-11-09 | うなぎ加工品の製造方法 |
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JP2019083787A true JP2019083787A (ja) | 2019-06-06 |
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