JP2019080856A - コンパクト容器 - Google Patents

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【課題】安定した量の内容物を吐出させることができるコンパクト容器を提供する。【解決手段】コンパクト容器1Aは、内容器2と、連通孔21aが形成された内蓋3と、連絡空間S1を画成するとともに吐出孔34aが形成された中蓋4と、連通孔と連絡空間との連通およびその遮断を切り替える第1弁体5と、吐出孔を開放可能に閉塞する第2弁体6と、を備える。中蓋は、弾性変形可能に形成され、弾性変形することで連絡空間の内圧を増減させる操作部33を備え、操作部が下方移動して連絡空間の内圧が上昇したときに、第1弁体は連通孔と連絡空間との連通を遮断し、かつ、第2弁体は吐出孔を開放し、操作部が上方移動して連絡空間の内圧が下降したときに、第2弁体は吐出孔を閉塞し、かつ、第1弁体は連通孔と連絡空間とを連通させ、操作部の下面33aが、上方に向けて凸の形状に形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、コンパクト容器に関する。
従来から、内容物が収容される内容器を備えたコンパクト容器が用いられている。例えば下記特許文献1では、内容器の上面をネットで覆い、このネットをパフ等の塗布具で押圧することで、ネットの網目を通して滲み出た内容物を塗布具に付着させる構成を開示している。
特開2003−93145号公報
上記特許文献1の構成では、塗布具でネットを押し付ける際の力加減によって、網目を通して滲み出る内容物の量が大きく変化してしまう。このため、安定した量の内容物を塗布具に付着させることが容易ではなかった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、安定した量の内容物を吐出させることができるコンパクト容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のコンパクト容器は、内容物が収容される内容器と、前記内容器の内部を封止し、前記内容器内に連通する連通孔が形成された内蓋と、前記内蓋の上方に設けられ、前記内蓋との間に前記連通孔に連通する連絡空間を画成するとともに、前記連絡空間に連通して前記内容物を吐出させる吐出孔が形成された中蓋と、前記連通孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第1弁体と、前記吐出孔を開放可能に閉塞する第2弁体と、を備え、前記中蓋は、弾性変形可能に形成されるとともに弾性変形することで前記連絡空間の内圧を増減させる操作部を備え、前記操作部が下方移動して前記連絡空間の内圧が上昇したときに、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第2弁体は前記吐出孔を開放し、前記操作部が上方移動して前記連絡空間の内圧が下降したときに、前記第2弁体は前記吐出孔を閉塞し、かつ、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間とを連通させ、前記操作部の下面が、上方に向けて凸の形状に形成されている。
本発明のコンパクト容器によれば、操作部が下方移動して連絡空間の内圧を上昇させたときに、第1弁体は連通孔と連絡空間との連通を遮断し、かつ、第2弁体は吐出孔を開放する。また、操作部が上方移動して連絡空間の内圧を下降させたときに、第2弁体は吐出孔を閉塞し、かつ、第1弁体は連通孔と連絡空間とを連通させる。このため、使用者は、操作部を押し下げたりその押し下げを解除したりして操作部を弾性変形させることで、連絡空間の内圧を増減させて、連絡空間内を負圧にして内容器内の内容物を連絡空間内に流入させ、連絡空間内に内容物を充填することができる。この状態で、操作部を押下して連絡空間の内圧を上昇させると、連絡空間の内圧の上昇に対応した量だけ、内容物を吐出孔から吐出させることができる。
そして、操作部の下面は、上方に向けて凸の形状に形成されている。このため、操作部を押下したときの操作部の下面の変形量が大きくなり、押下を解除したときに操作部に作用する上方に向けた復元変形力も大きくなる。従って、操作部が弾性変形前の形状に復元変形しやすくなり、内容器から連絡空間へと吸い上げられる内容物の量が安定し、次に操作部が押下されたときの内容物の吐出量を安定させることができる。
ここで、前記操作部の前記下面が、上方に向けて凸の曲面状に形成されていてもよい。
この場合、操作部が弾性変形した際に、操作部の下面に局所的に大きな応力が作用することが抑えられ、コンパクト容器の耐久性を向上させることができる。
また、前記操作部は、平面視で環状に形成されていてもよい。
この場合、操作部が押下された時に、環状に形成された操作部の内周縁部および外周縁部を固定端とするように、この操作部が下方に弾性変形する。これにより、操作部に作用する上方に向けた復元変形力がより大きくなり、押下を解除した際により安定して操作部を元の形状に復帰させることができる。
また、前記操作部の上面が、上方に向けて凸の形状に形成されていてもよい。
この場合、操作部が押下されたときの上面の変形量が大きくなるため、操作部に作用する上方に向けた復元変形力をさらに大きくすることができる。また、使用者が操作部の位置を視認しやすくなり、より操作性を向上させたコンパクト容器を提供することができる。
また、前記操作部の前記上面が、上方に向けて凸の曲面状に形成されていてもよい。
この場合、操作部が弾性変形した際に、操作部の上面に局所的に大きな応力が作用することが抑えられるとともに、操作部の上面をなだらかな形状にして、例えば吐出孔から吐出された内容物が部分的に溜まってしまうことが抑えられる。
本発明によれば、安定した量の内容物を吐出させることが可能なコンパクト容器を提供することができる。
第1実施形態に係るコンパクト容器の平面図である。 図1のII-II断面矢視図である。 図1のIII-III部分断面矢視図である。 第2実施形態に係るコンパクト容器の縦断面図である。
(第1実施形態)
以下、本実施形態のコンパクト容器について図面に基づいて説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、本発明は以下の実施形態に限定されない。
図1および図2に示すように、コンパクト容器1Aは、内容物が収容される内容器2と、内容器2の内部を封止する内蓋3と、内容物を吐出させる吐出孔34aが形成された中蓋4と、第1弁体5と、第2弁体6と、外容器7と、を備えている。内容器2、内蓋3、中蓋4、第1弁体5、および第2弁体6は、外容器7の内部に収容されている。外容器7は、回転軸R回りに相対的に回転可能な蓋部材50および底部材60を備えている。
(方向定義)
本実施形態では、外容器7の中心軸線(コンパクト容器1Aの中心軸線)を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う方向を上下方向という。また、蓋部材50が閉じられた状態において、上下方向に沿って底部材60から蓋部材50へ向かう方向を上方といい、蓋部材50から底部材60へ向かう方向を下方という。また、容器軸Oに沿う断面を縦断面という。
上下方向から見た平面視で、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。径方向に沿って容器軸Oに接近する方向を径方向内側といい、容器軸Oから離間する方向を径方向外側という。径方向のうち、回転軸Rに平行な方向を左右方向と呼び、回転軸Rに直交する方向を前後方向という。前後方向に沿って、容器軸Oから回転軸Rへ向かう方向を後方と呼び、回転軸Rから容器軸Oへ向かう方向を前方という。
(外容器)
図2に示すように、底部材60は、容器軸Oと同軸に配置された円板状の底板部61と、底板部61の外周縁から上方に延びる円筒状の筒状壁部62と、を備え、有底筒状に形成されている。底部材60の後端部には、前方に向けて窪む凹部63が設けられている。底部材60の前端部には、プッシュピース8およびロック部材9が設けられている。プッシュピース8は、ロック部材9よりも前方に位置しており、少なくとも一部が筒状壁部62から前方に向けて突出している。プッシュピース8は、前方付勢状態で、底部材60に対して後方移動可能に設けられている。ロック部材9には、後方に向けて窪むロック孔9aが形成されている。本実施形態では、ロック孔9aがロック部材9を前後方向に貫通している。
図3に示すように、底部材60には、底板部61から上方に向けて延びる係止片64が形成されている。係止片64の上端部には、径方向内側に向けて突出する係止部64aが形成されている。図1に示すように、係止片64は、周方向に等間隔を空けて複数形成されている。各係止片64は、周方向に延びるとともに、表裏面が径方向を向く板状に形成されている。
図2に示すように、蓋部材50は、容器軸Oと同軸に配置された円板状の天板部51と、天板部51の外周縁から下方に延びる円筒状の筒部52と、を備える。蓋部材50の後端部には、筒部52から下方に向けて突出する連結部54が形成されている。連結部54は、底部材60の凹部63内に位置しており、凹部63内で回転軸R回りに回動可能となっている。この構成により、蓋部材50は、底部材60に対して回転軸R回りに回動可能であり、底部材60の上端開口を開閉可能に閉塞する。
筒部52における前端部の下端には、後方に向けて突出するとともに、ロック部材9に対して離脱可能にアンダーカット嵌合される係止突起53が形成されている。ロック部材9のロック孔9a内に係止突起53が位置することで、蓋部材50は閉状態でロックされる。使用者によりプッシュピース8が後方に押されると、ロック部材9がプッシュピース8とともに後方移動し、ロック部材9と係止突起53との係合が解除される。これにより、蓋部材50を開操作可能な状態とすることができる。なお、プッシュピース8の後方に向けた押し込みを解除すると、プッシュピース8およびロック部材9は、前方に向けて復元移動する。
なお、コンパクト容器1Aは、上述したプッシュピース8を備えていなくてもよい。例えば指先等によって、係止突起53を上方に押し上げることで、係止突起53とロック孔9aとの係合が解除され、蓋部材50の閉状態のロックが解除されるように構成してもよい。
蓋部材50の天板部51の下面には、鏡Mが固定される。蓋部材50と内蓋3との間には、パフP(塗布具)が配置されている。パフPは、中蓋4の後述する操作部33上に載置されている。
(内容器)
内容器2は、底部材60の筒状壁部62の径方向内側に配置されている。内容器2は、容器軸Oと同軸に配置され、上方に開口する扁平円筒状の容器である。内容器2は、可撓性を有し減容可能(減容変形可能)である。内容器2は、例えば、積層のフィルムや薄肉の樹脂成形品などで構成されている。内容器2は、可撓性に富む内側容器が、内側容器よりも硬質な外側容器の内面に積層されてなる、いわゆるデラミ容器などであってもよい。あるいは、内容器2内の収容空間S3が減容可能なその他の構成を採用してもよい。
内容器2の内部である収容空間S3には、流動性を有する内容物が収容されている。内容物は、液状であっても、ゲル状であっても、ゼリー状であってもよい。内容物は、例えば、リキッドファンデーション等の化粧品である。
内容器2の上端部には、内容器2の上端部を径方向外側から囲む環状の取付リング81が固定されている。取付リング81は、上方に突出する取付筒部82を有する。取付リング81は、内容器2を中蓋4に取り付ける役割を有する。取付リング81を内容器2に固定する方法としては、例えば内容器2をインサート品として取付リング81を射出成形してもよい。あるいは、内容器2と取付リング81とを接着若しくは溶着してもよいし、内容器2の成形および取付リング81の内容器2への固定を同時に行ってもよい。
(内蓋)
内蓋3は、内容器2の上方に配設されている。内蓋3は、内容器2の上方の開口を塞ぎ、内容器2の内部を封止している。内蓋3は、内容器2に取付リング81を介して装着された下部材10と、下部材10を介して内容器2に装着された上部材20と、を備えている。なお、下部材10は、取付リング81と一体に形成されていてもよい。
下部材10は、内容器2の上方の開口を覆う下側環状部11と、下側環状部11から上方に向けて延びる装着筒部12および内側筒部13と、内側筒部13の上端部から径方向外側に向けて延びる環状の連結部14と、連結部14の外周縁から下方に向けて延びる外側筒部15と、を有している。下側環状部11、装着筒部12、内側筒部13、連結部14、および外側筒部15は、容器軸Oと同軸上に配置されている。
装着筒部12は、下側環状部11の内周縁から上方に突設されている。装着筒部12の下端部は、内容器2に向けて開口している。内側筒部13は、下側環状部11の外周縁から上方に向けて延びている。外側筒部15は、内側筒部13よりも径方向外側に位置している。径方向において、内側筒部13は内容器2の外周部と略同等の位置に配置され、外側筒部15は内容器2の外周部よりも外側に位置している。外側筒部15と内側筒部13との間には、取付リング81の取付筒部82が嵌合されている。これにより、取付リング81を介して、内容器2と内蓋3とが固定されている。
上部材20は、平面視で環状の第1弁座部21と、第1弁座部21の外周縁から上方に向けて延びる内筒部22と、内筒部22の上端部から径方向外側に向けて延びる上側環状部23と、上側環状部23の外周縁から下方に向けて延びる外周筒部24と、外周筒部24の下端部から径方向外側に向けて延びる下フランジ部25と、を備える。第1弁座部21、内筒部22、上側環状部23、外周筒部24、および下フランジ部25は、容器軸Oと同軸上に配置されている。
第1弁座部21の内周面は、後述する連絡空間S1と内容器2内とを連通させる連通孔21aとされている。連通孔21aは、容器軸Oと同軸の円孔状に形成されている。連通孔21aの上端開口縁には、第1弁座部21から上方に向けて突出する環状の弁座台21bが形成されている。内筒部22は、下部材10の装着筒部12内に嵌合している。内筒部22の上端部には、径方向内側に突出する規制突起22aが形成されている。
外周筒部24は、径方向において、下部材10の装着筒部12と内側筒部13との間に位置している。下フランジ部25は、下側環状部11の径方向外側の端部に対して、その上方から対向している。
上側環状部23は、平面視で環状かつ表裏面が上下方向を向く板状に形成されている。上側環状部23は、後述する操作部33と上下方向で対向している。上側環状部23の内径および外径は、操作部33の内径および外径と略同等である。上側環状部23の内周縁部には、上方に向けて突出する内側支持部23aが形成されている。内側支持部23aは、周方向に間隔を空けて複数形成されている。上側環状部23の外周部には、上方に向けて突出する環状の外側支持部23bが形成されている。
(中蓋)
中蓋4は、有頂筒状に形成されており、頂壁部に位置する頂壁部材30と、周壁部に位置する装着リング40と、を備えている。中蓋4は、内蓋3の上方に設けられて、内蓋3との間に、連通孔21aに連通する連絡空間S1を画成する。本実施形態の中蓋4は、装着リング40をインサート品として、頂壁部材30を射出成形することで一体に形成されている。なお、頂壁部材30および装着リング40をそれぞれ別体に成形した後、これらを組み合わせることで中蓋4を形成してもよい。
装着リング40は、上端部同士が連結された内筒41および外筒42を有する二重円筒状に形成されている。外筒42の内周面の下部には、径方向内側に向けて突出する嵌合部42aが形成されている。嵌合部42aが取付リング81にアンダーカット嵌合することで、取付リング81および内容器2の装着リング40に対する下方移動が規制されている。外筒42の外周面の下部には、径方向内側に向けて窪み、かつ周方向に延びる周溝42bが形成されている。周溝42bには、底部材60の係止部64aが係合する(図3参照)。これにより、装着リング40が底部材60から外れることが抑制されるとともに、内容器2の底部材60に対する上方移動が規制されている。
装着リング40の外周面には、径方向外側に向けて延びる環状の載置部44が設けられている。載置部44は、装着リング40の外周面に、全周にわたって設けられている。載置部44の下面は、底部材60の筒状壁部62の上面に対して、その上方から接触する。載置部44は、中蓋4のうち、底部材60に載置される部分である。
以上の構成により、内容器2または後述のリフィル容器2Aは、装着リング40を介して底部材60に装着されている。
本実施形態では、内容器2、内蓋3、および中蓋4が、リフィル容器2Aを構成している。リフィル容器2Aは、外容器7に対して着脱自在に設けられている。これにより、使用者は、内容器2内の内容物を使い切った後に、リフィル容器2Aを、内容物が充填された新しいリフィル容器2Aと交換することができる。
なお、使用者は、底部材60の係止部64aと装着リング40の周溝42bとの係合を解除することで、外容器7からリフィル容器2Aを取り外すことができる。
装着リング40の上面には、上方に突出する環状の隆起部43が形成されている。隆起部43の内周面は、上方に向かうにしたがい径方向外側へ向けて延びる曲面状に形成されている。隆起部43により、後述する吐出孔34aから吐出された内容物をパフPで掬う操作が容易となる。また、隆起部43は、吐出された内容物を堰き止めて、例えばこの内容物が装着リング40の外側に垂れることを抑止したり、中蓋4上に載置されたパフPの位置を安定させたりする役割なども有する。
頂壁部材30は、平面視で環状の操作部33と、操作部33の外周縁から下方に向けて延びる係止筒部31と、係止筒部31の上端部から径方向外側に向けて延びる上フランジ部32と、操作部33の径方向内側に位置する弁保持筒35と、弁保持筒35を操作部33に接続する環状の接続部34と、を有している。係止筒部31、上フランジ部32、操作部33、接続部34、および弁保持筒35は、容器軸Oと同軸上に配置されている。
係止筒部31は、装着リング40の内筒41内に係止されている。なお、頂壁部材30と装着リング40とを別体に形成した後、係止筒部31を内筒41内に嵌合することで、係止筒部31を内筒41内に係止してもよい。係止筒部31は、内蓋3の外周筒部24に外嵌されている。弁保持筒35は、第2弁体6を保持している。弁保持筒35の上端開口部には、上方に向かうに従って漸次拡径するテーパ面が形成されている。
接続部34は、内蓋3の第1弁座部21および内筒部22との間で、連絡空間S1を画成している。連絡空間S1は、平面視で容器軸Oと同軸の円形状に形成されている。接続部34には、内容物を吐出させる吐出孔34aが形成されている。吐出孔34aは、接続部34を上下方向に貫通し、連絡空間S1に連通している。
本実施形態では、吐出孔34aは、連絡空間S1に向けて開口する下孔部と、後述する第2弁本体6aと上下方向で対向する上孔部と、を有している。図1に示すように、上面視において、下孔部は円形状に形成され、上孔部は径方向に延びる楕円形状に形成されている。図2に示すように、上孔部の径方向外端部は下孔部の径方向外端部よりも径方向外側に位置し、下孔部の径方向内端部は上孔部の径方向内端部よりも径方向内側に位置している。
吐出孔34aは、周方向に等間隔を空けて複数形成されている。複数の吐出孔34aは、容器軸Oを囲うように環状に配置されている。なお、吐出孔34aの数および形状は適宜変更可能である。
操作部33は、内蓋3の上側環状部23と上下方向で対向しており、上側環状部23との間に作動空間S2を画成している。作動空間S2は、上面視で環状に形成されている。作動空間S2は、周方向に間隔を空けて配置された複数の内側支持部23a同士の間の隙間を通じて、連絡空間S1に連通している。縦断面視において、操作部33の下面33aおよび上面33bは、上方に向けて凸となる形状に形成されている。本実施形態では、下面33aおよび上面33bが、縦断面視で上方に向けて凸となる曲面状に形成されている。上面33bは、上フランジ部32よりも上方に位置している。なお、操作部33の下面33a若しくは上面33bの形状として、例えば縦断面視で上方に向けて凸の台形状などを採用してもよい。
操作部33は、上下方向に弾性変形可能に形成されている。操作部33は、弾性変形することで作動空間S2および連絡空間S1の内圧を増減させる。操作部33の材質は、例えばエラストマー、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、軟質ポリエチレンおよびウレタン等(以下、単に「エラストマー等」という)の軟材質である。操作部33は、装着リング40よりも軟質であり、装着リング40は、操作部33より硬質である。
環状に形成された操作部33の内周縁部および外周縁部には、上部材20の内側支持部23aおよび外側支持部23bが、操作部33の下方からそれぞれ当接している。操作部33は、内側支持部23aおよび外側支持部23bによって支持されている。これにより、操作部33が押下されると、操作部33はその内周縁部および外周縁部を固定端とするように上下方向に弾性変形する。
(第1弁体)
第1弁体5は、内蓋3に取り付けられており、連絡空間S1内に位置している。第1弁体5は、内蓋3の連通孔21aと連絡空間S1との連通、およびその遮断を切り替える役割を有する。本実施形態の例では、第1弁体5として、三点弁を用いている。なお、内容器2に収容する内容物の性状などに応じて、例えば、三点弁の形状を適宜変更したり、三点弁とは異なる構成の逆止弁を第1弁体5として採用したりすることができる。
第1弁体5は、弁筒5bと、第1弁本体5aと、を備えている。弁筒5bは、内蓋3の内筒部22内に嵌合しており、内筒部22の規制突起22aよりも下方に位置している。これにより、第1弁体5は内蓋3に固定されている。弁筒5bの下端は、第1弁座部21に対して、その上方から当接する。
第1弁本体5aは、弁筒5bの下端部に連結されている。第1弁本体5aは、弁筒5b内に配置される。第1弁本体5aは、円板状の弁板と、弁板と弁筒5bとを連結する複数の弾性脚と、を備える。弾性脚が弾性変形することで、第1弁本体5aは、弁筒5bに対して上下方向に移動可能である。
第1弁本体5aは、弁座台21bにその上方から当接しており、連通孔21aの上方を覆っている。第1弁体5は、内容器2の収容空間S3から連絡空間S1への内容物の流れを許容し、連絡空間S1から収容空間S3への内容物の流れを遮断する逆止弁である。
(第2弁体)
第2弁体6は、中蓋4に取り付けられており、吐出孔34aを開放可能に閉塞する。第2弁体6は、上下方向に延びる軸部6bと、軸部6bの上端部から径方向外側に向けて延びる第2弁本体6aと、軸部6bの下端部から径方向外側に突出する抜け止め部6cと、を有している。軸部6bは、弁保持筒35内に嵌合している。抜け止め部6cは、弁保持筒35の下方に位置している。これにより、第2弁体6が弁保持筒35から上方に抜けてしまうことが抑えられる。第2弁本体6aは、上面視で円形状を呈するとともに、上方に向けて凸となる曲面状(傘状)に形成されている。第2弁本体6aは吐出孔34aをその上方から覆っており、第2弁本体6aの外周縁は、接続部34の上面に接している。
操作部33が押下されて連絡空間S1の内圧が高まると、第2弁本体6aは、軸部6bを固定端として上方にめくれるように弾性変形する。この構成により、第2弁体6は、吐出孔34aを開放可能に閉塞している。また、連絡空間S1内の内圧が大気圧と同等になると、第2弁本体6aは復元変形して再び吐出孔34aを閉塞する。従って、第2弁体6は、吐出孔34aから吐出された内容物または外気が連絡空間S1内に逆流することを抑える逆止弁としても機能する。すなわち、第2弁体6は、連絡空間S1から外部への吐出孔34aを通じた内容物または空気の流れを許容し、外部から連絡空間S1への内容物および空気の流れを遮断する。
次に、本実施形態におけるコンパクト容器1Aの作用について説明する。
コンパクト容器1Aが未使用状態の場合、内容物は、収容空間S3内にのみ収容されており、連絡空間S1および作動空間S2には、例えば空気が充填されている。
使用者は、プッシュピース8を操作して、外容器7の蓋部材50を開く。次に、操作部33を上方から押圧して、下方に窪ませるように弾性変形させる。このとき、操作部33は、内側支持部23aおよび外側支持部23bによって支持されているため、内周縁部および外周縁部を固定端とするように下方に弾性変形する。操作部33が下方に弾性変形すると作動空間S2の容積が小さくなるため、作動空間S2およびこれに連通する連絡空間S1の内圧が上昇する。すると、連絡空間S1の内圧によって第2弁本体6aが上方に向けて弾性変形し、吐出孔34aが開放され、連絡空間S1内の空気の一部が吐出孔34aから外部へと排出される。その後、第2弁本体6aが復元変形して接続部34に着座し、吐出孔34aを再び閉塞する。
操作部33に加えられた押圧力が解除されると、弾性変形していた操作部33が元の状態に復元変形する。これにより、作動空間S2の容積が増加して、作動空間S2および連絡空間S1内が負圧となる。このとき、吐出孔34aは第2弁体6によって閉塞されているため、外部から連絡空間S1へ空気が入ることが抑制される。その一方で、連絡空間S1が負圧となると、この負圧によって第1弁本体5aに上方に向けた力が作用する。この結果、第1弁本体5aが上方に弾性変位して連通孔21aと連絡空間S1とが連通し、収容空間S3内の内容物が、連通孔21aを通じて連絡空間S1および作動空間S2内に吸い上げられる。このように、操作部33が上方移動して連絡空間S1および作動空間S2の内圧が下降したときに、第2弁体6は吐出孔34aと連絡空間S1との連通を遮断し、かつ、第1弁体5は連通孔21aと連絡空間S1とを連通させる。
上述した操作部33の弾性変形および復元変形が複数行われると、連絡空間S1内および作動空間S2内の空気が外部に排出されるとともに、連絡空間S1内および作動空間S2内に内容物が充填される。なお、内容器2は可撓性を有しているため、内容物が連通孔21aを通して連絡空間S1等に流出することにともない減容変形する。これにより、内容物が連絡空間S1等に流入して収容空間S3内の内容物の総量が減った場合であっても、収容空間S3から連絡空間S1および作動空間S2へと安定して内容物を送ることが可能である。
連絡空間S1に内容物が充填された状態で、操作部33を下方に弾性変形させると、連絡空間S1内の内容物が吐出孔34aを通じて第2弁本体6aに向かい、第2弁本体6aを上方に押し上げる。これにより、第2弁本体6aによる吐出孔34aの閉塞が解除されるとともに、内容物が吐出孔34aから吐出される。以上の作用により、使用者は、操作部33の押下およびその解除を繰り返すことで、内容物を吐出させることができる。なお、内容物は隆起部43の内側に吐出されるため、隆起部43によって中蓋4の上面から垂れることが抑制される。使用者は、パフP等によって中蓋4の上面を拭い、内容物をパフP等に付着させて、これを使用することができる。
以上説明したように、本実施形態のコンパクト容器1Aによれば、操作部33を押下して連絡空間S1の内圧を上昇させると、操作部33の変形量に対応した量だけ、内容物を吐出孔34aから吐出させることができる。そして本実施形態では、操作部33の下面33aが、上方に向けて凸となる形状に形成されている。このため、操作部33を押下したときの下面33aの変形量が大きくなり、この下面33aに作用する面内の張力も大きくなる。従って、押下を解除したときに操作部33に作用する上方に向けた復元変形力が大きくなり、操作部33が弾性変形前の形状に復元変形しやすくなり、内容器2から連絡空間S1へと吸い上げられる内容物の量が安定し、次に操作部33を押し下げたときの内容物の吐出量を安定させることができる。
また、本実施形態では、操作部33の下面33aが、上方に向けて凸となる曲面状に形成されている。これにより、操作部33が弾性変形した際に、下面33aに局所的に大きな応力が作用することが抑えられ、コンパクト容器1Aの耐久性を向上させることができる。
また、操作部33が平面視で環状に形成されているため、操作部33が押下された時に、操作部33の内周縁部および外周縁部を固定端とするように、この操作部33が下方に弾性変形する。これにより、操作部33に作用する上方に向けた弾性力がより大きくなり、より安定して操作部33を元の形状に復元変形させることができる。
また、操作部33の上面33bが、上方に向けて凸の形状に形成されているため、操作部33が押下されたときの上面33bの変形量および面内の張力が大きくなる。これにより、操作部33に作用する上方に向けた弾性力をさらに大きくすることができる。また、使用者が操作部33の位置を視認しやすくなり、より操作性を向上させたコンパクト容器1Aとすることができる。さらに、上面33bが上方に向けて凸の曲面状に形成されていることで、操作部33が弾性変形した際に、上面33bに局所的に大きな応力が作用することが抑えられるとともに、上面33bをなだらかな形状にして、例えば吐出孔34aから吐出された内容物が部分的に溜まってしまうのを抑止することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図4に示すように、本実施形態のコンパクト容器1Bでは、操作部33の上面33bが平坦面となっている。
本実施形態によれば、操作部33の上面33bが平坦面であることにより、吐出孔34aから吐出された内容物をパフPで掬い取り易くなる。また、中蓋4の上面に凹凸形状が形成されていないことで、蓋部材50を開いたときのコンパクト容器1Bの外観が良好になるとともに、中蓋4の上にパフPを安定して載置させることなどが可能となる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、吐出孔34aが径方向の中央付近(容器軸O近傍)に配置されていたが、例えば吐出孔34aが容器軸Oから径方向に離れて配置されていてもよい。この場合、操作部33は、吐出孔34aを避けるように、平面視でC字状に形成されていてもよい。
また、第2弁体6の構成は、上記第1、第2実施形態に限定されない。例えば、頂壁部材30のうち吐出孔34aの近傍の部分が弾性変形し、当該弾性変形した部分が内蓋3の一部に当接若しくは離間することで、吐出孔34aが開閉される構成を採用してもよい。
あるいは、吐出孔34aそのものが開閉して第2弁体として機能してもよい。
また、コンパクト容器1A、1Bは、蓋部材50および底部材60が螺合されており、容器軸O回りに相対回転することで、蓋部材50が底部材60から取り外される容器であってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
1A、1B…コンパクト容器 2…内容器 3…内蓋 4…中蓋 5…第1弁体 6…第2弁体 7…外容器 21a…連通孔 33…操作部 33a…下面 33b…上面 34a…吐出孔 S1…連絡空間 S2…作動空間 S3…収容空間

Claims (5)

  1. 内容物が収容される内容器と、
    前記内容器の内部を封止し、前記内容器内に連通する連通孔が形成された内蓋と、
    前記内蓋の上方に設けられ、前記内蓋との間に前記連通孔に連通する連絡空間を画成するとともに、前記連絡空間に連通して前記内容物を吐出させる吐出孔が形成された中蓋と、
    前記連通孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第1弁体と、
    前記吐出孔を開放可能に閉塞する第2弁体と、を備え、
    前記中蓋は、弾性変形可能に形成されるとともに弾性変形することで前記連絡空間の内圧を増減させる操作部を備え、
    前記操作部が下方移動して前記連絡空間の内圧が上昇したときに、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第2弁体は前記吐出孔を開放し、
    前記操作部が上方移動して前記連絡空間の内圧が下降したときに、前記第2弁体は前記吐出孔を閉塞し、かつ、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間とを連通させ、
    前記操作部の下面が、上方に向けて凸の形状に形成されている、コンパクト容器。
  2. 前記操作部の前記下面が、上方に向けて凸の曲面状に形成されている、請求項1に記載のコンパクト容器。
  3. 前記操作部は、平面視で環状に形成されている、請求項1または2に記載のコンパクト容器。
  4. 前記操作部の上面が、上方に向けて凸の形状に形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のコンパクト容器。
  5. 前記操作部の前記上面が、上方に向けて凸の曲面状に形成されている、請求項4に記載のコンパクト容器。
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