JP2019067421A - 自動運転車 - Google Patents

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Abstract

【課題】事故を回避して安全な運転を確保しつつ、運転者や同乗者に関する異変や問題についても適切に対応することができるようした自動運転車を提供する。【解決手段】手動運転モードと、自律走行が可能である自動運転モードとを備える自動運転車である。運転者の居眠りを判定する居眠り判定手段と、居眠り判定手段で、運転者の居眠りを判定したときに、自車を自動運転モードとすると共に、運転者を覚醒させるように働きかけをする手段と、働きかけに対して運転者が覚醒したか否かを判別する判別手段と、判別手段で、運転者が覚醒しないと判別したときに、自動運転モードにおいて予め定めた運転制御を行う制御手段とを備える。【選択図】図1

Description

この発明は、運転者の手動運転操作に基づく手動運転モードと、自律走行を行う自動運転モードとを有する自動運転車に関する。
自動車事故を防止して、自動車の運転者や同乗者及び歩行者や他車の運転者及び同乗者の安全を担保することができるようにするために、自動車に搭載される補助装置についての種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1(特開2009−173252号公報)には、運転者による酒酔い運転を防止するために、運転者が飲酒しているかどうかを判別して、自動車を発進させないようにする発明が提案されている。また、特許文献2(特開平10−315800号公報)には、運転者の覚醒度(運転者の覚醒(眠さの逆)の程度を表す指標で、その値が小さいほど眠さの程度が大きい)の低下が大きいときには、自動車を自動運転制御手段による車両走行制御をするようにすることが開示されている。
特開2009−173252号公報 特開平10−315800号公報
ところで、最近、自動車の運転者が、例えば突然の心臓病や癲癇の発作のために人事不省の状態に陥ったり、前後不覚の状態になったり、失神したりすることによる事故が報じられている。
この場合に、運転者が人事不省の状態に陥ったり、前後不覚の状態になったり、失神したりした場合には、特許文献2の発明の考え方を適用して、自動車を自動運転制御手段による車両走行制御をすることで事故を回避し、自動車の対外的な問題を解決できると期待できる。
しかしながら、自動車を自動運転制御手段による車両走行制御することで、事故を回避することができても、自動車の行先が定まっていないので、自動車は自動運転制御手段による車両走行制御で、どこに向かってよいのか不明となり、運転者が意図していた目的地に向かう経路とは異なる経路を走行する状態になる。あるいは、特許文献2の0007段落に記載されているように、車両を例えば路肩等に退避させて停止させるしかない。
また、人事不省の状態に陥ったり、前後不覚の状態になったり、失神したりした運転者については、対策が全く講じられないという問題がある。すなわち、人事不省の状態に陥ったり、前後不覚の状態になったり、失神したりした運転者は、迅速に、病院等で治療を受けることが肝要である。しかし、自動運転制御手段による車両走行制御で漫然と走行が行われると、運転者に発生した身体的な異変に対する適切な対応が遅れたり、できなかったりするという問題がある。特に、自動車に乗車しているのが、運転者一人の場合には、適切な対応が全く取れない事態も生じるという問題がある。すなわち、運転者や同乗者に関する、いわば自動車の対内的な問題については全く対策が講じられていない。
この発明は、以上の問題点に鑑み、事故を回避して安全な運転を確保するようにする自動車の対外的な問題を解決しつつ、運転者や同乗者に関する、いわば自動車の対内的な問題についても適切に対応することができるようした自動運転車を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、
手動運転モードと、自律走行が可能である自動運転モードとを備える自動運転車において、
運転者の居眠りを判定する居眠り判定手段と、
前記居眠り判定手段で、前記運転者の居眠りを判定したときに、自車を前記自動運転モードとすると共に、前記運転者を覚醒させるように働きかけをする手段と、
前記働きかけに対して前記運転者が覚醒したか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段で、前記運転者が覚醒しないと判別したときに、前記自動運転モードにおいて予め定めた運転制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする自動運転車を提供する。
また、請求項2の発明においては、請求項1に記載の自動運転車において、前記制御手段は、前記判別手段で、前記運転者が覚醒しないと判別したときに、前記運転者に身体的な異変、身体的なトラブル、又は精神的なトラブルが生じたと判断して、前記自動運転モードにおいて予め定めた運転制御を行って、前記運転者の身体的な異変、身体的なトラブル、又は精神的なトラブルに対応する処理を行うことを特徴とする。
さらに、請求項3の発明においては、請求項1に記載の自動運転車において、通信手段を備え、前記制御手段は、前記判別手段で、前記運転者が覚醒しないと判別したときに、前記自動運転モードにおいて路肩又は予め定められた場所に駐車又は停車して、前記通信手段を通じて119番通報を行うことを特徴とする。
上述の構成の請求項1の発明においては、居眠り判定手段により運転者の居眠りを判定し、運転者の居眠りを判定したときには、自車を自動運転モードとすると共に、運転者を覚醒させるように働きかけをする。この働きかけに対して運転者が覚醒したか否かを判別する。そして、運転者が覚醒しないと判別したときには、自動運転モードにおいて予め定めた運転制御を行う。
自動運転モードにおいて予め定めた運転制御としては、請求項2のように、自車を自動運転モードにおいて予め定められた場所に停車させる、あるいは、請求項3のように、現在位置の周辺に存在する病院に、自動運転モードにおいて向かうようにするなどの制御を行うことができる。
この発明による自動運転車によれば、運転者が居眠りをしたときには、自律走行が可能な自動運転モードとされると共に、運転者を覚醒させるように働きかけをするので、安全を確保することができる。そして、居眠りと判定されたときに、居眠りではなく、昏睡状態などの運転者に身体的な異変、身体的なトラブルや精神的なトラブルが生じているときには、運転者を覚醒させるように働きかけをしても、居眠り状態の運転者は反応しないので、それを判別することができる。したがって、その判別結果等に基づいて、自車を路肩に停車させて119番通報したり、病院に向かわせたりするなど、自動運転モードにおいて予め定めた運転制御を行って、運転者の身体的な異変等に対応する処理を行うことができる。
この発明による自動運転車の実施形態における電子制御回路部の構成例を示すブロック図である。 この発明による自動運転車の実施形態における自動運転切替条件テーブルの内容の例を示す図である。 図2の自動運転切替条件テーブルの内容の続きの例を示す図である。 図2の自動運転切替条件テーブルの内容のさらに続きの例を示す図である。 この発明による自動運転車の実施形態における電子制御回路部の処理動作例を説明するために用いる図である。 この発明による自動運転車の実施形態における電子制御回路部の処理動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。 この発明による自動運転車の実施形態における電子制御回路部の処理動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。 この発明による自動運転車の実施形態における電子制御回路部の処理動作例の一部の処理動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。 この発明による自動運転車の実施形態における電子制御回路部の処理動作例の一部の処理動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。 この発明による自動運転車の実施形態における電子制御回路部の処理動作例の一部の処理動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。 この発明による自動運転車の実施形態における電子制御回路部の処理動作例の一部の処理動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。 この発明による自動運転車の実施形態における電子制御回路部の処理動作例の一部の処理動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。 この発明による自動運転車の実施形態における電子制御回路部の処理動作例の一部の処理動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
図1は、この発明の実施形態の自動運転車1の電子制御回路部10のハードウエア構成例を示すブロック図である。なお、この実施形態の自動運転車1は、電気自動車の場合の例である。ただし、バッテリーは、図1では図示を省略した。
また、この実施形態の自動運転車1は、自動運転モードと、手動運転モードとを備えている。手動運転モードは、自動運転車ではない通常の自動車と同様に、運転者のアクセルペダル操作やブレーキペダル操作、シフトレバー操作及びステアリング操作(ハンドル操作)に応じた走行ができるモードである。また、自動運転モードは、運転者がアクセルペダル操作やブレーキペダル操作、シフトレバー操作及びステアリング操作をしなくても、自動運転車1自身が自動的(自律的)に障害物を回避しながら進路変更をする走行モードである。
通常時は、自動運転車1の運転者は、例えば後述するタッチパネル112を通じた所定の操作により、手動運転モードで走行中の自動運転車1を自動運転モードに切り替えることができると共に、自動運転モードで走行中に、運転者がアクセルペダル操作やブレーキペダル操作、シフトレバー操作又はステアリング操作をすると、自動的に手動運転モードに戻るように構成されている。ただし、この実施形態の自動運転車1は、後述するように、強制的に手動運転モードから自動運転モードに切り替えられたときには、後述する所定の解除条件を満たした後でないと、上記の手動運転モードに戻る操作をしても、その操作は無効とされて、自動運転モードでの走行を維持するように制御される。
利用者がタッチパネル112等を通じて選択設定する通常の自動運転モードと区別するために、この強制的に切り替えられた後の、手動運転モードに戻る操作をしてもその操作が無効とされて自動運転モードを継続するモードを、この明細書では、特に、強制自動運転モードと称し、また、強制自動運転モードではない自動運転モードを通常の自動運転モードと称することとする。
図1に示すように、電子制御回路部10は、コンピュータを搭載して構成されている制御部101に対して、システムバス100を通じて、モータ駆動制御部102、ステアリング駆動制御部103、手動/自動運転モード切替制御部104、手動運転操作検知部105、レーダー106、カメラ群107、センサ群108、周囲移動体把握部109、現在位置検出部110、表示部111、タッチパネル112、カーナビゲーション(以下、カーナビと略称する)機能部113、画像認識部114、自動運転切替条件判別部115、音声認識部116、車内状況判定部117、携帯電話機能部118、時計部119、合成音声発生部120、音声入出力部121、のそれぞれが接続されている。
モータ駆動制御部102には、モータ駆動部131が接続されている。ステアリング駆動制御部103には、ステアリング駆動部132が接続されている。また、カーナビ機能部113には、カーナビ用データベース133が接続されている。また、画像認識部114には、画像認識をするための比較画像の画像情報を記憶する画像情報記憶部134が接続されている。また、自動運転切替条件判別部115には、自動運転切替条件記憶部135が接続されている。さらに、音声認識部116には、音声認識をするための比較音声の音声情報を記憶する音声情報記憶部136が接続されている。そして、音声入出力部121には、マイクロホン137とスピーカ138が接続されている。
モータ駆動制御部102は、制御部101の制御の下に、この実施形態の電気自動車で構成される自動運転車1のモータ駆動部131への駆動信号の供給を制御して、自動運転車1の走行開始、走行速度制御(ブレーキ制御及びアクセル制御を含む)、走行停止などを制御するようにする。
ステアリング駆動制御部103は、制御部101の制御の下に、この実施形態の自動運転車1のステアリング駆動部132への駆動制御信号の供給を制御して、自動運転車1の進路変更の制御をするようにする。
手動/自動運転モード切替制御部104は、タッチパネル112を通じた選択操作入力に応じて、自動運転車1の運転モードを、手動運転モードと、自動運転モードとのいずれかに切り替える制御を行うと共に、後述するように、自動運転切替条件判別部115の判別結果に応じて、自動運転車1の運転モードを、手動運転モードと、自動運転モードと、強制自動運転モードとのいずれかに切り替える制御を行う。
手動運転操作検知部105は、運転者によるアクセルペダル操作やブレーキペダル操作、シフトレバー操作さらにはステアリング操作の操作情報を受けて、その手動運転操作情報を手動/自動運転モード切替制御部104に供給する。
手動/自動運転モード切替制御部104は、自動運転車1が手動運転モードのときには、この手動運転操作検知部105からの手動運転操作情報を、モータ駆動制御部102、ステアリング駆動制御部103に供給して、モータ駆動部131、ステアリング駆動部132を、運転者のペダル操作やシフトレバー操作、ステアリング操作(ハンドル操作)に応じて制御する。
また、手動/自動運転モード切替制御部104は、自動運転車1が自動運転モード(強制自動運転モードを含む)のときには、後述するようにして、レーダー106、カメラ群107、センサ群108、周囲移動体把握部109の出力に基づいて制御部101で生成される自動運転操作情報を、モータ駆動制御部102、ステアリング駆動制御部103に供給して、モータ駆動部131、ステアリング駆動部132を、自動運転操作情報により駆動制御する。なお、自動運転モード(強制自動運転モードを含む)においては、カーナビ機能部113において、運転者などにより設定された行先(目的地や目的地の属性)に対する現在位置からの経路が探索され、その探索された経路に沿って走行するように制御される。
そして、この実施形態では、前述もしたように、手動/自動運転モード切替制御部104は、自動運転切替条件判別部115での切替条件の合致判別結果を受けて、運転者の意思に反して、すなわち、運転者による運転モードの選択設定に反して、手動運転モードから、強制的に自動運転モードに自動的に切り替える制御も行う。
強制自動運転モードではない通常の自動運転モードにおいては、手動/自動運転モード切替制御部104は、自動運転モードでの走行中に、運転者がアクセルペダル操作やブレーキペダル操作、シフトレバー操作又はステアリング操作(ハンドル操作)をすると、その手動運転操作の検知情報に基づいて、自動運転車1の運転モードを自動的に手動運転モードに戻すようにモード切替制御を行う。
しかし、自動運転車1の運転モードが強制自動運転モードであるときには、後述する解除条件を満足した場合を除き、原則的に、運転者がアクセルペダル操作やブレーキペダル操作、シフトレバー操作又はステアリング操作をしても、手動/自動運転モード切替制御部104は、その手動運転操作情報を無効として、強制自動運転モードを維持するようにする。
レーダー106は、自動運転車1の車両の周囲に存在する人や物との距離を測るためのもので、レーザー・レーダーやミリ波レーダーなどからなる。レーザー・レーダーは、例えば天井やバンパー付近に埋め込まれ、ミリ波レーダーは、例えば車両の前部及び後部に設けられている。レーザー・レーダーとミリ波レーダーの両方を備えてもよいし、一方のみであってもよい。
カメラ群107は、自動運転車1の車内を撮影する1〜複数個のカメラと、自動運転車1の前方、側方、後方など、車外の周囲を撮影する1〜複数個のカメラとを含む。車内を撮影するカメラは、例えば運転席と助手席の間に設置されたバックミラー(後写鏡、ルームミラー)やフロントウインドウの上部などに取り付けられ、運転席に座った人物(運転者)の所作を撮影するカメラの他、助手席や、後部座席に座った乗車者(同乗者)の所作を撮影するためのカメラを含む。また、自動運転車1の周囲を撮影するカメラは、例えばバックミラーの左側方及び右側方に取り付けられ、自動運転車1の左前方及び右前方を主として撮影する2台のカメラ(ステレオカメラ)や、自動運転車1の例えばドアミラー又はフェンダーミラーに取り付けられて左右の側方を撮影するカメラ、自動運転車1の後方を撮影するカメラ、さらにルーフに取り付けられ広角で周囲を撮影する全方位カメラ(360度カメラ)や魚眼カメラ、などを含む。
センサ群108は、自動運転車1のドアの開閉や窓の開閉を検知する開閉検知センサ、シートベルト着用を検出するためのセンサ、運転席や助手席などの座席に乗車者が着座したことを検知する着座センサなどの他、車外の近傍の人物を検知する人感センサ(赤外線センサ)や自動運転のための補助となる情報を取得するための各種センサを含む。自動運転のための補助となる情報を取得するための各種センサとしては、例えば車両やタイヤの振動を検出するための振動センサ、タイヤの回転数を検出する回転数センサ、方位を検出するための地磁気センサ、加速度を検出するための加速度センサ、角度や角速度を検出するためのジャイロセンサ(ジャイロスコープ)、などが含まれる。
また、この実施形態では、自動運転車1の車内状況を判定する際の一助となる、温度センサ、湿度センサ、熱センサ、煙センサ、呼気センサ、一酸化炭素センサ、硫化水素センサなども、センサ群108には含まれる。なお、熱センサや煙センサは、車内での火災の発生を検知するためのものであり、呼気センサは、運転者の飲酒を検出するためのものであり、一酸化炭素センサ、硫化水素センサは、人体に毒性のあるガスが車内で発生したことを検知するためのものである。
周囲移動体把握部109は、レーダー106やセンサ群108、また、カメラ群107の撮像画像を用いて、自車の周囲の移動体(人物を含む)を把握するようにする。周囲移動体把握部109は、例えばベイズ理論等に基づいた処理を行うことで、周囲の障害物や移動体を把握するようにする。
現在位置検出部110は、GPS衛星からの電波を受信して、自車の現在位置を検出する。現在位置検出部110は、GPS衛星からの電波により検出された位置の精度は悪いので、GPS衛星からの電波の受信で検出された現在位置の情報のみではなく、センサ群108に含まれる1〜複数個のセンサからのセンサ出力情報及びレーダー106の出力情報、カメラ群107に含まれる1〜複数個のカメラからの撮像画像(ナビ機能を併用)などをも用いると共に、例えばベイズ理論等に基づいた処理を行うことで、より精度の高い現在位置を検出確認するようにしている。
自動運転車1は、自動運転モードにおいては、現在位置検出部110や周囲移動体把握部109において、レーダー106、カメラ群107、センサ群108、GPS衛星からの電波の受信で取得した位置情報などの各種情報、つまり、人間の目や耳から得る情報に対応する情報をベイズ理論等により処理し、これに基づき、制御部101は、自車の進路変更や障害物の回避など知的な情報処理(人工知能)及び制御(人工知能)を行って、自動運転操作情報を生成する。
表示部111は、例えばLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)からなる。タッチパネル112は、LCDからなる表示部111の表示画面の上に、指によるタッチ入力が可能なタッチセンサが重畳されて配設されたものである。表示部111の表示画面には、制御部101の制御に基づき、ソフトウエアボタン(キーボードの文字入力用ボタンを含む)を含む表示画像が表示される。そして、タッチパネル112は、表示画面に表示されているソフトウエアボタン上の指によるタッチを検出すると、そのタッチを制御部101に伝達する。これを受けた制御部101は、ソフトウエアボタンに対応する制御処理を実行するように構成されている。
カーナビ機能部113に接続されているカーナビ用データベース133には、国内の地図データ及び経路案内データが、予め格納されている。カーナビ機能部113は、カーナビ用データベース133に記憶されている地図データや、経路案内データに基づいて、自動運転車1が指定された目的地まで移動するのを補助するように案内するための機能部であり、経路探索機能のみではなく、所定の位置を中心とした周辺検索機能も備えている。この実施形態では、カーナビ機能部113は、手動運転モードと、自動運転モードとで、若干異なる処理をするように構成されている。
すなわち、手動運転モードにおいては、カーナビ機能部113は、表示部111の表示画面上において、目的地までの経路(ルート)を明示的に表示する地図上に、現在位置検出部110で検出確認されている自車位置を重畳表示した画像を表示すると共に、自車の移動に伴い、地図上の自車位置(現在位置)を移動させ、かつ、ルート上の交差点や分岐点など、経路案内が必要な箇所で音声案内をするようにする。これは、通常のカーナビ機能と同様である。
一方、自動運転モードにおいては、カーナビ機能部113は、自車の現在位置が目的地までのルート上から離れているときには、その離間方向及び距離の情報を制御部101に通知すると共に、自車の現在位置が目的地までのルート上に在るときには、自車の移動に伴い、ルート上の交差点や分岐点などの手前で、ルートに沿った進路方向の変更指示情報を制御部101に通知するようにする。制御部101は、このカーナビ機能部113からの通知された情報と、現在位置検出部110の現在位置確認結果及び周囲移動体把握部109の把握結果とに基づいて、自車がルート上を指示された通りの進路をとって移動するように、モータ駆動制御部102を通じてモータ駆動部131を制御すると共に、ステアリング駆動制御部103を通じてステアリング駆動部132を制御するための自動運転操作情報を生成する。したがって、自動運転モードにおけるカーナビ機能部113及び制御部101による目的地までの経路案内により、乗車者が無人の状態においても、自動運転車1は、目的地まで移動することができる。
また、後述するように、手動運転モードから自動運転モード(あるいは強制自動運転モード)に切り替えられたときの行先として、目的地の属性、例えば「病院」、「ガソリンスタンド」、「コンビニエンスストア(以下、コンビニと略称する)」が登録されている場合には、カーナビ機能部113は、現在位置検出部110で検出された現在位置を中心として、前記目的地の属性についての周辺検索を行って、その周辺検索の結果の施設や場所を行先とするようにする。
また、この実施形態では、カーナビ機能部113は、現在位置検出部110で検出された現在位置情報の緯度・経度の情報から、カーナビ用データベース133の地図情報を参照することで、現在位置の場所名や施設名、住所を検出する機能を備える。そして、後述するように、カーナビ機能部113は、検出した現在位置の場所名や施設名、住所の名称を、制御部101の制御に基づいて、合成音声発生部120に転送する機能も備える。
画像認識部114は、カメラ群107の内の車内を撮影するカメラや車外を撮影するカメラからの撮像画像と、画像情報記憶部134に記憶されている画像情報とのマッチング処理を行うことで、運転者や同乗者の身体的な異変、また、居眠り、飲食や喫煙、よそ見、わき見などの運転者の所作、運転者の履物など、車内状況の判定のための画像認識結果を得る。画像認識部114は、得た認識結果を車内状況判定部117に転送する。
画像認識部114に接続されている画像情報記憶部134には、画像認識用の比較画像の画像情報が記憶されている。画像情報記憶部134に記憶されている比較画像としては、車内を撮影するカメラからの撮影画像との比較用として、座席に座っている人の人事不省、前後不覚、失神の状態の画像、癲癇の発作の状態の画像、居眠り(瞼が一定時間以上閉じたままの状態や、頭のコックリコックリなど)の画像、よそ見やわき見をしている人の画像、飲食をしている人の画像、の他、飲食対象物(おにぎり、サンドイッチ、お弁当、アイスクリーム、飲料物(水、お茶、コーヒー)が入ったペットボトルや缶など、飲食の検出の補助となる)の画像、たばこ(喫煙の検出の補助となる)の画像、履物(下駄、スリッパ、ハイヒールなど運転を誤るおそれのある履物)や裸足(履物を履いておらず、運転を誤るおそれのある状態)の画像、などを含む。
また、画像情報記憶部134に記憶されている比較画像としては、車外を撮影するカメラからの撮影画像との比較用として、よそ見やわき見の原因となる風景の画像(例えば紅葉の絶景の画像、名所・旧跡の画像、お祭りの神輿の画像、花火の画像、新装開店セールの画像など)や有名人の画像(著名な芸能人やスポーツ選手などの画像)、などを含む。
自動運転切替条件判別部115は、後で記憶内容を詳述する自動運転切替条件記憶部135に記憶されている手動運転モードから自動運転モード(強制自動運転モードを含む)に切り替える切替条件のいずれかに、後述する車内状況判定部117における車内状況の判定結果が合致するか否かを判別し、合致すると判別したときに、手動運転モードから自動運転モードあるいは強制自動運転モードへの切り替え指示を、手動/自動運転モード切替制御部104に送るようにする。
音声認識部116は、マイクロホン137からの音声情報と、音声情報記憶部136に記憶されている音声情報とのマッチング処理を行うことで、運転者や同乗者の身体的な異変、また、運転者や同乗者の便意や尿意、などの車内状況の判定のための音声認識結果を得る。音声認識部116は、得た認識結果を車内状況判定部117に転送する。
音声認識部116に接続される音声情報記憶部136には、運転者や同乗者が身体的な異変が生じた時に発する唸り声、喘息音、悲鳴、あるいは「苦しい」、「助けて」、「気持ちが悪い」、「何とかして」、「むかむかする」、「吐きそう」、「うっ」、「げぇー」などの音声情報、また、運転者や同乗者が便意や尿意を催したときに発する「トイレ」、「化粧室」、「お手洗い」、「限界」、「もれそう」等の逼迫した声(言葉)の音声情報などが、音声認識部116での音声認識のための比較用として記憶されている。さらに、音声情報記憶部136には、子供の泣き声や、子供のシートからの落下音、ペットの吠え声なども、予め登録されて記憶されている。
車内状況判定部117は、画像認識部114からの画像認識結果と、音声認識部116からの音声認識結果と、センサ群108の内の車内状況の判定に寄与する1〜複数のセンサからのセンサ出力とから、手動運転モードから自動運転モードに切り替える切替条件となる車内状況を判定する。そして、車内状況判定部117は、その車内状況の判定結果を自動運転切替条件判別部115に転送する。
携帯電話機能部118は、この例においては、自動運転車1に予め内蔵されているものであり、加入者登録されて、所定の加入者番号が割り当てられている。自動運転車1の運転者や同乗者は、いわゆるハンズフリーにより、携帯電話の通話ができる。そして、自動運転車1の制御部101は、後述するように、自動運転切替条件記憶部135に記憶されている切替条件に関連する設定情報として、119番への通報が記憶されているときには、当該携帯電話機能部118を通じて、119番通報を行う機能を備えている。その119番通報における通報情報は、合成音声発生部120からの合成音声により構成される。また、携帯電話機能部118は、メール機能やインターネット接続機能も備えている。
時計部119は、カレンダー機能を備え、現在日時を提供すると共に、制御部101の制御に基づいて、所定のタイミング時点からの時間計測を行うタイマー機能も備える。
合成音声発生部120は、外部に放音する音声メッセージデータを記憶するメモリを内蔵すると共に、カーナビ機能部113からの現在位置の場所名や施設名、住所を合成音声に変換する機能を備える。なお、合成音声発生部120が記憶する音声メッセージとしては、後述するように、例えば「強制自動運転モードに切り替えました。」、「手動運転モードに切り替えました。」などの運転モードの切り替え通知メッセージや、自動運転車1の走行開始時に、目的地設定を促す通知メッセージなどが用意されている。
音声入出力部121には、前述したように、マイクロホン137が接続されていると共に、スピーカ138が接続されている。これらマイクロホン137及びスピーカ138は、携帯電話機能部118を用いたハンズフリーの通話用の送受器として用いられる。また、音声入出力部121は、携帯電話機能部118を用いたハンズフリーの通話用の音声の送受の機能を備えるのみではなく、車内状況の判定のための車内の音声情報を、マイクロホン137で収音して、音声認識部116に供給する機能と、前述した運転モードの切り替え通知メッセージや、目的地設定を促す通知メッセージなどをスピーカ138から放音する機能も備える。
自動運転切替条件判別部115に接続されている自動運転切替条件記憶部135には、この実施形態では、自動運転車1が手動運転モードである走行中、駐車中あるいは停車中において、自動運転車1の走行モードを手動運転モードから通常の自動運転モードあるいは強制自動運転モードに切り替えるための切替条件と、切替条件に合致したときの制御内容と、自動運転モードや強制自動運転モードにおける行先の情報と、自動運転モードや強制自動運転モードの解除条件とからなる自動運転切替条件テーブルTBLが記憶されている。
切替条件は、運転者が手動運転モードにおける運転を継続すると、安全性を担保することに支障が生じるような車内状況として定義されている。すなわち、自動運転車1の車内状況がこの切替条件に合致する車内状況となった時には、危険性があったり、安全性が担保されていなかったりするので、手動運転モードから、通常の自動運転モードあるいは強制自動運転モードに切り替えて、安全運転を維持するような走行状態となるようにすべき条件として、この切替条件は定められている。
切替条件に合致したときの制御内容には、切替条件に合致したときに、通常の自動運転モードに切り替えるのか、強制自動運転モードに切り替えるのかの自動運転モードの指定情報と、合致した切替条件に応じて自動運転車1が、切替後の自動運転モード(強制自動運転モードを含む)において行うべき制御内容を含む。
また、解除条件は、強制自動運転モードを解除して、手動運転モードに復帰させてもよい条件、又は自動運転モードから手動運転モードへの切り替えのための操作の条件である。
この自動運転切替条件記憶部135に記憶される自動運転切替条件テーブルTBLは、予め、自動運転車1の製造会社や販売会社により書き込まれて記憶される。また、この切替条件は、自動運転車1のユーザ、すなわち、運転者や同乗者によるタッチパネル112を通じた所定の操作により、事後的に追加して書き込まれることで、自動運転切替条件記憶部135に追加記憶することもできるものとされている。そして、自動運転車1のユーザ、すなわち、運転者は、いくつかの切替条件については、用いるかどうかを選択することもできるように構成されている。
また、自動運転切替条件テーブルTBLは、予め各自動車会社が設定して登録するようにしてもよいし、自動車業界が標準化しても、また、国土交通省が定めてもよい。この場合には、ユーザによる記憶内容の変更、消去は不可とされる。なお、自動運転切替条件テーブルTBLは、携帯電話機能部118が備えるインターネットへの接続機能を用いて、自動車会社や国土交通省などのホームページから、最新の条件テーブルがアップデートされるようにしてもよい。
図2及び図2の続きである図3、図4は、この実施形態における自動運転切替条件記憶部135の記憶内容である自動運転切替条件テーブルTBLの例である。図2及び図3、図4の例では、切替条件は、「運転者又は同乗者の健康状態の異変1」、「運転者又は同乗者の健康状態の異変2」、「運転者の居眠り」、「運転者又は同乗者の車酔い、吐き気等の体調不良」、「運転者又は同乗者の便意や尿意」、「過労運転」、「走行中(赤信号停止中、踏切などの一時停止も含む)の運転者の飲酒」、「運転者によるよそ見、わき見運転」、「運転者による飲食又は喫煙」、「運転環境の悪化」、「同乗する子供やペットの異常行動」、「運転者の運転の仕方、姿勢」、「運転者が運転に支障のある履物を履いている、又は履物を履いていない」などの、事故を招きやすい状態を回避して、安全運転を担保するための条件が例示されている。そして、それぞれの切替条件に対応して、切替後の自動運転モードや強制自動運転モードの指定、制御内容と、行先、自動運転モードの解除条件、のそれぞれが定められている。
なお、図2及び図3に示した切替条件は、自動運転切替条件記憶部135の記憶内容の一部であり、その他予め定められた種々の切替条件が登録されていることは言うまでもない。
図2に示すように、例えば「運転者又は同乗者の健康状態の異変1」についての切替条件としては、運転者又は同乗者が人事不省、前後不覚、失神、などの緊急事態が登録されている。自動運転切替条件判別部115では、この「運転者又は同乗者の健康状態の異変1」についての切替条件に合致しているか否かを、車内状況判定部117の判定結果を用いて判別する。車内状況判定部117は、運転者又は同乗者について、画像認識部114での画像認識により、人事不省、前後不覚、失神のような身体的な異変が起こった状態になっているかどうかを判定する。
例えば、運転者の場合について説明する。図5(A)に示すように、自動運転車1のバックミラー2の横に装着されたカメラ107aにより、運転者3を撮影する。運転者3に身体的な異変が生じていないときには、運転者3の撮像画像は、運転者3が目を開けて前方を注視し、ステアリングホイール(ハンドル)4を操作している動きのある画像となる。一方、運転者3に身体的な異変が生じて人事不省、前後不覚、失神の状態になると、図5(B)に示すように、運転者3の撮像画像は、運転者3が目を閉じ、顔が前方を注視せずに下向き(上向きの場合もある)となり、ぐったりして動かない画像となる。車内状況判定部117は、画像認識部114からの認識結果から、図5(B)に示すような状態を判定し、自動運転切替条件判別部115に伝達するようにする。なお、より精緻な医学的な画像認識をするために、画像情報記憶部134には医学的に特徴的かつ精緻な比較画像情報を豊富に記憶するようにしてもよい。
自動運転切替条件判別部115は、この車内状況の判定結果を受けて、その判定結果と自動運転切替条件記憶部135の記憶内容とを照合することにより、「運転者又は同乗者の健康状態の異変1」についての切替条件に合致することを判別する。
なお、以上は、画像認識部114の画像認識結果のみに基づいて判定することについて説明したが、この実施形態では、車内状況判定部117は、画像認識結果に加えて、音声認識部116での音声認識により、唸り声や呻き声、鼾(脳溢血(脳出血)などの場合)などを認識したことなども加味して、この「運転者又は同乗者の健康状態の異変1」を判定するようにする。これにより、車内状況判定部117における判定の確度を向上させることができる。
この「運転者又は同乗者の健康状態の異変1」の切替条件についての制御内容は、強制自動運転モードへの切り替えとされる。そして、行先としては、病院が指定される。この指定される病院としては、予め運転者等が選択指定することができる。
すなわち、特定の病院、例えばかかりつけの病院を指定することができる。その場合には、当該かかりつけの病院の病院名、住所、電話番号が自動運転切替条件記憶部135に記憶される。自動運転車1の制御部101は、携帯電話機能部118により、この病院の電話番号を用いて、当該病院に電話をかけ、自車の特徴や運転者の氏名などを告げ、急病人を連れてゆくことを病院に通知するようにする。このためのメッセージは、合成音声発生部120に予め記憶されている。なお、病院には、電話ではなく、メールで通知することもできる。また、急病人の病状を病院の医師らに正確に伝えるため、急病人の画像情報や音声情報を添付ファイルでメールするようにしてもよい。
また、特定の病院ではなく、「現在位置に近い救急病院又は一般病院」のように目的地属性を記憶するようにすることもできる。後述するように、行先として「現在位置に近い救急病院又は一般病院」のように目的地属性が指定されている場合には、カーナビ機能部113が、現在位置周辺の該当病院を周辺検索し、その周辺検索結果を行先とする。その場合に、病院の電話番号を取得することができる場合には、前述と同様に、自動運転車1の制御部101は、携帯電話機能部118により、この病院の電話番号を用いて、当該病院に電話をかけ、自車の特徴や運転者の氏名などを告げ、急病人を連れてゆくことを病院に通知するようにする。また、前述と同様に、電話のみならず、メールやLINE等の通信アプリケーションで通知することもできる。さらに、急病人の画像情報や音声情報を添付ファイルでメールするようにしてもよい。
また、この実施形態では、行先として特定の目的地や目的地属性を指定するのではなく、路肩等に停車して、119番通報することを選択することができるようにされている。この119番通報の場合には、自車の特徴や運転者の氏名、急病人が発生したこと、現在位置の場所名、住所などを合成音声発生部120から発生させて、119番通報内容に含めるようにする。
なお、自動運転車1に各種医学情報(医療情報)や医学用データベース(図示せず)を内蔵する医学情報記憶部(図示せず)を備えるようにしてもよい。その場合に、医学情報記憶部には、脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞、心筋梗塞、その他各種疾病について、病名、症状、対処法などの医学情報が克明に記憶される。症状については、各種疾病において特有の、目の状態、顔の表情などの画像情報や、鼾、呻き等の音声情報を記憶し、画像認識や音声認識で各種疾病を初期症状で迅速かつ正確に把握できるようにする。もちろん、画像情報は静止画のみならず動画も記憶される。したがって、異変1が起きた時、医学情報記憶部に記憶されている医学情報に基づいて、自動運転車1の制御内容、対処法、行先を決定するようにできる。
すなわち、自動運転車1は、異変1が起きた時、病院への移動が適切なのか、移動せず路肩等に停車して、119番通報をし、救急車の到着を待つ方が適切なのかなどを判断する。病院への移動が適切な場合は、自動運転車1は、急病人に負荷のかからない最適な走行速度(例えば時速30km以下)を選択したり、カーナビ機能部113には、カーナビ用データベース133に道路の凹凸情報なども持たせ、急病人に極力振動を与えず、スムーズに走行できる最適なルートを、カーナビ機能部113から提供したりするようにすることもできる。また、この医学情報記憶部には、運転者又は同乗者の既往症や病歴などを記憶しておくと、異変1が起きた時に、より迅速かつ適切な対応ができる。
もちろん、疾病が特定された場合は、疾病の種類に基づいて、その専門医のいる病院、専門設備のある病院を行先とする。例えば、脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞の場合は脳外科の専門医や専門設備、心筋梗塞の場合は循環器や心臓の専門医や専門設備が揃っている病院を行先とする。
なお、乗車者(運転者又は同乗者)が妊婦であって、陣痛が起きた場合、人事不省、前後不覚、失神などの状態ではないし、疾病でもないが、生命に関わる緊急事態であり、異変1に準ずる。この場合、自動運転車1は、妊婦のかかりつけの産婦人科、産科、又は産院を行先として向かい、妊婦が無事に出産ができるようにする。かかりつけの産婦人科、産科、又は産院が現在位置から遠く、出産に間に合わない可能性がある場合は、現在位置に近い産婦人科、産科、又は産院をカーナビ機能部113の周辺検索機能により検索し、検索できた産婦人科、産科、又は産院を行先として向かうようにする。妊婦が破水した場合も同様で、かかりつけ又は最寄りの産婦人科、産科、又は産院を行先とする。
この「運転者又は同乗者の健康状態の異変1」の切替条件に対応する強制自動運転モードの解除条件は、「行先に到着」又は「救急車が到着」したときとされる。
次に、「運転者又は同乗者の健康状態の異変2」についての切替条件としては、運転者又は同乗者が人事不省、前後不覚、失神などの状態にまでは至っていないが、痙攣や喘息の発作、嘔吐などで手動運転が困難な身体的な異変が登録されている。車内状況判定部117は、画像認識部114での画像認識結果と、音声認識部116での音声認識結果とを用いて、この「運転者又は同乗者の健康状態の異変2」を判定するようにする。
この「運転者又は同乗者の健康状態の異変2」の切替条件についての制御内容は、強制自動運転モードへの切り替えとされると共に、身体的な異変が生じても運転者又は同乗者は覚醒していることを考慮して、この実施形態では、運転者又は同乗者に対する行先の問い合わせとされている。そして、行先としては、「自宅(住所や位置情報を含む)」、「病院(病院名や住所や位置情報を含む)」、「路肩に停車する」を、予め運転者等が選択指定することができる。また、この「運転者又は同乗者の健康状態の異変2」の切替条件に対応する強制自動運転モードの解除条件は、「行先に到着」したときとされる。
この「運転者又は同乗者の健康状態の異変2」の切替条件に合致したときには、自動運転切替条件判別部115の合致結果に基づき、制御部101は、例えば「大丈夫ですか?」という合成音声メッセージを送出して、安否を尋ねると共に、自動運転切替条件記憶部135に行先が事前登録されているときには、「行先を登録地にしますか?」との問い合わせをする。これは、事前登録では「自宅」や「路肩に停車」が選定されていても、身体的な異変の程度から病院に行くべきと運転者又は同乗者が判断する場合を考慮している。なお、この実施形態では、「路肩に停車」が事前登録されている場合には、「119番通報しますか?」という問い合わせを行うようにすることが定められている。
行先が事前登録されていないときには、「自宅に戻りますか?」、「病院に向かいますか?」、「停車しますか?」などの問い合わせメッセージを合成音声により発生し、それぞれのメッセージに対する「はい」、「いいえ」などの運転者又は同乗者の返事を音声認識して、その認識結果に応じて行先を定めるようにする。
さらに、この実施形態では、「運転者又は同乗者の健康状態の異変2」の切替条件に対応する行先として、事前登録がなく、かつ、合成音声による問い合わせに対する応答がなかったときには、制御部101は、危険な状態と判断して、現在位置に近い救急病院又は一般病院をカーナビ機能部113の周辺検索機能により検索し、検索できた病院に向かうようにする。この場合に、病院が検索できなかったときには、路肩等に停車して、119番通報するようにする。119番通報においては、前述と同様に、自車の特徴や運転者の氏名、急病人が発生したこと、現在位置の場所名、住所などを合成音声発生部120から発生させて、119番通報内容に含めるようにする。
この「運転者又は同乗者の健康状態の異変2」の切替条件に対応する強制自動運転モードの解除条件は、「行先に到着」又は「救急車が到着」したときとされる。
なお、異変2が起きた時についても、上述の異変1と同様、医学情報記憶部(図示せず)に記憶されている医学情報に基づいて、自動運転車1の制御内容、対処法、行先を決定するようにできることはもちろんである。
次に、切替条件の「運転者の居眠り」について説明する。この場合、車内状況判定部117は、画像認識部114での運転者3を撮影するカメラ107aの撮影画像の画像認識により、瞼が一定時間以上閉じたままの状態や、頭のコックリコックリなどを認識することにより、運転者の居眠りの状況を判定するようにする。
この「運転者の居眠り」の切替条件についての制御内容は、通常の自動運転モードへの切り替えとされると共に、運転者を覚醒させるための呼びかけ音声(合成音声)の送出とされる。呼びかけ音声により、運転者が覚醒する状態に復帰することが期待できるからである。ただし、呼びかけ音声によっても覚醒しない(画像認識から判断)ときには、居眠りではなく、身体的トラブルあるいは精神的なトラブルが予想される。
この「運転者の居眠り」の切替条件に対する行先としては、自動運転車1の走行開始時に設定された目的地とされる。ただし、呼びかけ音声によっても覚醒しない場合には、カーナビ機能部113の周辺検索機能により検索して得られる、現在位置に近い救急病院又は一般病院を行先とする。さらに、周辺検索で病院が見つからなかった場合には、路肩等に停車して、前述したような所定の通知事項を含めた119番通報をする。
この「運転者の居眠り」の切替条件に対応する通常の自動運転モードの解除条件は、行先が「事前設定した目的地」の場合には「手動運転操作」とされ、行先が病院等のその他の場合には「行先に到着」したときとされる。
次に、切替条件の「運転者又は同乗者の車酔い、吐き気等の体調不良」について説明する。この場合、車内状況判定部117は、画像認識部114での運転者又は同乗者の撮影画像の画像認識結果と、「気持ちが悪い」、「車に酔った」、「むかむかする」、「吐きそう」、「うっ」、「げぇー」などの音声認識部116での音声認識結果とから、「運転者又は同乗者の車酔い、吐き気等の体調不良」の状況を判定するようにする。
この「運転者又は同乗者の車酔い、吐き気等の体調不良」の切替条件についての制御内容は、強制自動運転モードへの切り替えとされる。そして、行先としては、現在位置が高速道路上であれば、最寄りのPA(パーキングエリア)やSA(サービスエリア)とされ、現在位置が一般道であれば「路肩に寄せて停車」とされる。なお、「自宅に戻る」を行先として登録することもできる。また、この「運転者又は同乗者の車酔い、吐き気等の体調不良」の切替条件に対応する強制自動運転モードの解除条件は、「行先に到着」したときとされる。
次に、切替条件の「運転者又は同乗者の便意や尿意」について説明する。この場合、車内状況判定部117は、画像認識部114での運転者又は同乗者の撮影画像の画像認識により、運転者又は同乗者がもぞもぞしている様子を判定すると共に、「トイレ」、「もれそう」、などの発声の音声認識部116での音声認識結果とから、「運転者又は同乗者の便意や尿意」の状況を判定するようにする。
この「運転者又は同乗者の便意や尿意」の切替条件についての制御内容は、強制自動運転モードへの切り替えとされる。そして、行先としては、現在位置が高速道路上であれば、最寄りのPA(パーキングエリア)やSA(サービスエリア)とされ、現在位置が一般道であれば、最寄りの「コンビニ」や「ガソリンスタンド」等のトイレのある場所とされる。このトイレのある場所は、「コンビニ」や「ガソリンスタンド」等の目的地の属性により事前登録することができる。また、この「運転者又は同乗者の便意や尿意」の切替条件に対応する強制自動運転モードの解除条件は、「行先に到着」したときとされる。
次に、切替条件の「過労運転」について説明する。この場合の切替条件は、3種の条件のいずれかとされている。第1の条件は、一人の運転者が連続して、所定時間以上、例えば2時間以上、運転を継続したこととされる。第2の条件は、一人の運転者についての1日の総運転時間が所定時間以上、例えば5時間以上となったこととされる。第3の条件は、一人の運転者が運転している状態で、1日の手動運転モードと自動運転モードとの間での切替回数が所定回数以上、例えば20回以上となったこととされる。以上のような3種の条件のいずれかが満足される状況は、運転者が過労のために、安全な運転に支障が生じる恐れがあることを考慮したものである。なお、過労の判定条件は上述の3種の条件に限らず、カメラ群107のカメラで撮影した運転者の顔の表情を画像認識し、疲労した表情か否かを判定したり、運転者の生体計測をし、その計測値から過労度合いを判定してもよい。
車内状況判定部117は、時計部119からの時間情報により、一人の運転者が連続して2時間以上、運転を継続したか、また、総運転時間が5時間を超えたかを判別することで、第1の条件又は第2の条件の切替条件の車内状況になったことを判定する。また、車内状況判定部117は、手動/自動運転モード切替制御部104からの手動運転モードと自動運転モードとの間での切替の情報を受け取り、その回数を計数することで、一人の運転者が運転している状態で、1日の手動運転モードと自動運転モードとの間での切替回数が20回以上となったことを判別することで、第3の条件の切替条件の車内状況になったことを判定する。
この「過労運転」の切替条件についての制御内容は、強制自動運転モードへの切り替えとされる。そして、この「過労運転」の切替条件に対する行先としては、自動運転車1の走行開始時に設定された目的地とされる。そして、この「過労運転」の切替条件に対応する強制自動運転モードの解除条件は、「行先に到着」したときとされる。
次に、切替条件の「運転者の飲酒」について説明する。この場合、車内状況判定部117は、センサ群108に含まれる呼気センサによる運転者の呼気に含まれるアルコール濃度の検出結果から、「運転者の飲酒」の車内状況の判定を行う。また、自動運転車1の車内において、運転者が飲料を飲んでいるときの画像を画像認識部114で画像認識し、飲んでいる飲料のボトルや缶がアルコール飲料であるかどうかを認識し、その認識結果を受けた車内状況判定部117が、「運転者の飲酒」の車内状況の判定を行うようにする。
この「運転者の飲酒」の切替条件についての制御内容は、強制自動運転モードへの切り替えとされる。そして、この「運転者の飲酒」の切替条件に対する行先としては、自動運転車1が走行中(赤信号停止中、踏切などの一時停止も含む)であれば、走行開始時に設定された目的地とされる。また、自動運転車1が駐車場や車庫などで停止状態であれば、「発進せず」としてもよいし、走行開始時に設定された目的地とするようにしてもよい。そして、この「運転者の飲酒」の切替条件に対応する強制自動運転モードの解除条件は、「行先に到着」、あるいは、「切替条件の消滅」とされる。切替条件の消滅は、呼気センサでの運転者の呼気のアルコール濃度が所定値以下となった時、あるいは、飲酒状態から正常状態に戻るとされる時間、例えば8時間経過後とされる。
次に、切替条件の「運転者のよそ見・わき見」について説明する。この実施形態では、運転者によるよそ見やわき見が所定時間以上、例えば1分以上続くことが、切替条件とされる。車内状況判定部117は、カメラによる運転者の撮影画像の画像認識結果により、運転者がきょろきょろとしている状態の1分以上の継続と、その視線の方向とから、運転者のよそ見、わき見の車内状況を判定するようにする。運転者がきょろきょろとしている状態の1分以上の継続と、その視線の方向を考慮することにより、運転中の安全のための左右確認によるきょろきょろと区別して判定することができる。
なお、よそ見・わき見の発生しやすいシチュエーションは、以下のようなものが考えられる。
・名所・旧跡・絶景(紅葉など含む)の場所。このような場所では運転者もそれら景観や景色を見たくなり、ついつい、よそ見やわき見をしてしまい、手動運転モードでは安全性の確保ができなくなる恐れがある。
・非日常のイベント、例えばお祭りの神輿、花火、新装開店セール、など。このようなイベントは運転者も見たくなり、ついついよそ見やわき見をしてしまい、手動運転モードでは安全性の確保ができなくなる恐れがある。
・有名人、例えば著名な芸能人やスポーツ選手、また最近話題の人物など。このような有名人は運転者もつい見たくなり、ついついよそ見やわき見をしてしまい、手動運転モードでは安全性の確保ができなくなる恐れがある。
以上のようなシチュエーションを考慮して、車内状況判定部117は、カーナビ機能部113の周辺検索機能による名所・旧跡・絶景(紅葉など含む)の場所の検出を、上記の画像認識によるきょろきょろの状態の検出に加えて、「運転者のよそ見、わき見」の車内状況の判定をするようにすることができる。また、車内状況判定部117は、携帯電話機能部118を通じてインターネットにアクセスして、現在位置周辺におけるイベントの情報を検索し、上記のお祭り、花火、新装開店セールなどのイベントの開催の検出結果を、上記の画像認識によるきょろきょろの状態の検出に加えて、「運転者のよそ見、わき見」の車内状況の判定をするようにすることができる。さらに、画像情報記憶部134に、著名な芸能人やスポーツ選手、また最近話題の人物などの画像情報を記憶しておくことで、自動運転車1の外部を撮影するカメラからの撮影画像情報と、それらの人物の画像情報ととから、画像認識部114で、上記の著名な芸能人やスポーツ選手、また最近話題の人物の検出結果を、上記の画像認識によるきょろきょろの状態の検出に加えて、「運転者のよそ見、わき見」の車内状況の判定をするようにすることができる。
この「運転者のよそ見、わき見」の切替条件についての制御内容は、強制自動運転モードへの切り替えとされる。そして、この「運転者のよそ見、わき見」の切替条件に対する行先としては、自動運転車1の走行開始時に設定された目的地とされる。
なお、運転者に、合成音声メッセージにより立ち寄るかどうかを問い合わせて、その回答が肯定であるときには、周辺検索で検出された当該名所・旧跡や、インターネット検索で検出されたイベント会場等を行先としてもよい。または、見物のために、路肩等に停車するようにしてもよい。
そして、この「運転者のよそ見、わき見」の切替条件に対応する強制自動運転モードの解除条件は、「行先に到着」、あるいは、「切替条件の消滅」とされる。切替条件の消滅は、「運転者のよそ見、わき見」の状態が無くなってから所定時間例えば5分経過後とされる。あるいは、当該「運転者のよそ見、わき見」が発生した場所から所定距離、例えば500メートル以上離れた時としてもよい。
次に、切替条件の「運転者の飲食又は喫煙」について説明する。この実施形態では、運転者による飲食又は喫煙が所定時間以上、例えば3分以上続くことが、切替条件とされる。車内状況判定部117は、カメラによる運転者の撮影画像の画像認識結果により、運転者が飲食又は喫煙している状態を判定し、時計部119の時間情報に基づいて、その状態が3分以上続いたか否かにより、「運転者の飲食又は喫煙」の車内状況を判定するようにする。運転者による3分未満の短時間での飲食や喫煙は、手動運転への支障の程度が許容できる程度としている。
この場合、画像認識部114では、カメラによる運転者の撮影画像中に含まれる、おにぎり、サンドイッチ、お弁当、アイス、水、お茶、コーヒー等を認識することで、運転者の飲食を認定することができるし、運転者が手に持つものがたばこであれば、運転者の喫煙の状態を認識することができる。ただし、この実施形態では、この「運転者の飲食又は喫煙」の切替条件については、当該切替条件に合致したときに、自動運転になってもよいという運転者からの意思表示を受け付けるようにしており、その肯定的な意思表示が設定されている場合のみ、この切替条件が有効とされる。
この「運転者の飲食又は喫煙」の切替条件についての制御内容は、強制自動運転モードへの切り替えとされる。そして、この「運転者の飲食又は喫煙」の切替条件に対する行先としては、自動運転車1の走行開始時に設定された目的地とされる。
そして、この「運転者の飲食又は喫煙」の切替条件に対応する強制自動運転モードの解除条件は、「飲食又は喫煙の終了」、すなわち、「切替条件の消滅」とされる。
次に、切替条件の「運転中の周囲環境の悪化」について説明する。この実施形態では、運転中の周辺環境が、逆光の状態、薄暮(日没)の状態、悪天候(雨、雪等)で、運転者が周囲を見づらくなる状態が、切替条件とされる。車内状況判定部117は、外部を撮影するカメラからの撮影画像や温度センサ、湿度センサのセンサ検出出力に基づいて、この「運転中の周囲環境の悪化」の車内状況を判定するようにする。なお、車内状況判定部117は、運転者が声を出して「見づらい」「運転しづらい」等と叫んでことを音声認識部116で音声認識した結果を、併せて用いて、この「運転中の周囲環境の悪化」を判定するようにしてもよい。
この「運転中の周囲環境の悪化」の切替条件についての制御内容は、強制自動運転モードへの切り替えとされる。なお、強制自動運転モードではなく、通常の自動運転モードとしてもよい。そして、この「運転中の周囲環境の悪化」の切替条件に対する行先としては、自動運転車1の走行開始時に設定された目的地とされる。
そして、この「運転中の周囲環境の悪化」の切替条件に対応する強制自動運転モードの解除条件は、運転中の周囲環境が好転したなどの「切替条件の消滅」とされる。
次に、切替条件の「子供、ペットの行動」について説明する。この実施形態では、子供や赤ちゃんが、車内で危険な行動、例えば、座席から落ちるなどの行動をしたり、突然泣き出したりすると、運転者が気になって、その方向に振り向いたりするため、手動運転モードでは安全性の確保ができなくなる恐れがあることを考慮する。また、ペットの行動、例えば排泄行動や吠え声についても同様である。そこで、この実施形態では、これらの「子供、ペットの行動」を切替条件としている。
車内状況判定部117は、同乗者を撮影するカメラからの撮影画像の画像認識結果と、音声認識部116での音声認識結果としての上記の子供の泣き声、落下音、ペットの吠え声とから、上記の切替条件の「子供、ペットの行動」を判定するようにする。
この「子供、ペットの行動」の切替条件についての制御内容は、強制自動運転モードへの切り替えとされる。そして、この「子供、ペットの行動」の切替条件に対する行先としては、自動運転車1の走行開始時に設定された目的地とされる。
そして、この「子供、ペットの行動」の切替条件に対応する強制自動運転モードの解除条件は、子供やペットの状態が通常に戻るなどの「切替条件の消滅」とされる。
次に、切替条件の「運転者による片手運転、手放し運転」について説明する。この実施形態では、運転者による片手運転の状態が継続して所定時間以上、例えば2分以上続くこと、又は運転者による手放し運転の状態が継続して所定時間以上、例えば10秒以上続くことが、切替条件とされる。車内状況判定部117は、カメラによる運転者の撮影画像の画像認識結果により、運転者が片手運転または手放し運転している状態を判定し、時計部119の時間情報に基づいて、その状態が2分以上継続、あるいは10秒以上継続したか否かにより、「運転者による片手運転、手放し運転」の車内状況を判定するようにする。
この「運転者による片手運転、手放し運転」の切替条件についての制御内容は、強制自動運転モードへの切り替えとされる。なお、この時、運転者に対しては、「片手運転、手放し運転は、危険であるため、自動運転モードに切り替えました」などという音声メッセージをスピーカ138から放音して、運転者に注意を喚起するようにする。
そして、この「運転者による片手運転、手放し運転」の切替条件に対する行先としては、自動運転車1の走行開始時に設定された目的地とされる。また、この「運転者による片手運転、手放し運転」の切替条件に対応する強制自動運転モードの解除条件は、運転者が片手運転や手放し運転を止めて、「運転者の運転姿勢が正しいものとなった時」とされる。
次に、切替条件の「運転者の履物が不適切」について説明する。この実施形態では、運転者の履物が、例えば、下駄、スリッパ、ハイヒールなど、運転を誤るおそれのある履物であったり、履物を履かない裸足であったりして、運転に不適切のものである場合が切替条件とされる。
車内状況判定部117は、カメラによる運転者の撮影画像中の履物(又は足)の画像認識結果により、履物が下駄、スリッパ、ハイヒールなどの不適切なものかどうか、又は裸足のような不適切な状態かどうかを判定する。
この「運転者の履物が不適切」の切替条件についての制御内容は、強制自動運転モードへの切り替えとされる。なお、この時、運転者に対しては、「履物が運転に不適切であるので、履物を交換してください」あるいは「裸足は運転に不適切なので、靴を履いてください」という合成音声メッセージを送出し、履物の交換や着用を警告するようにする。
そして、この「運転者の履物が不適切」の切替条件に対する行先としては、自動運転車1の走行開始時に設定された目的地とされる。また、この「運転者の履物が不適切」の切替条件に対応する強制自動運転モードの解除条件は、運転者が履物を適切なものに交換し、あるいは着用して、切替条件が消滅したときとされる。
なお、以上説明した自動運転切替条件記憶部135の記憶内容は、切替条件、切替後の強制自動運転内容、解除条件のそれぞれを、対応する処理プログラムとして記憶するようにするものである。なお、ユーザが後で設定する切替条件、切替後の強制自動運転内容、解除条件のそれぞれについては、上記のような切替条件、解除条件及び強制自動運転モードでの制御内容を、ユーザが記述することで、対応する処理プログラムを自動的に生成して自動運転切替条件記憶部135に記憶するようにする処理機能を自動運転車1の電子制御回路部10は備えるものである。
以上のように、自動運転車1の電子制御回路部10は構成されるが、図1に示した各ブロックのうち、モータ駆動制御部102、ステアリング駆動制御部103、手動/自動運転モード切替制御部104、周囲移動体把握部109、現在位置検出部110、カーナビ機能部113、画像認識部114、自動運転切替条件判別部115、音声認識部116、車内状況判定部117、の各処理機能は、制御部101が、ソフトウエア処理として実現することができる。
[実施形態の自動運転車1での運転モードの切り替え処理動作の例]
図6及びその続きである図7は、実施形態の自動運転車1において、手動運転モードでの走行中(駐車中あるいは停車中の場合もある)に切替条件を監視して、通常の自動運転モードまたは強制自動運転モードへ切り替えを行う場合の処理動作の流れを説明するためのフローチャートを示す図である。
この図6及び図7の説明においては、制御部101が、図1に示した各ブロックのうち、モータ駆動制御部102、ステアリング駆動制御部103、手動/自動運転モード切替制御部104、周囲移動体把握部109、現在位置検出部110、カーナビ機能部113、画像認識部114、自動運転切替条件判別部115、音声認識部116、車内状況判定部117、の各処理機能を、ソフトウエア処理として実現した場合として説明する。以下に説明する他のフローチャートの説明においても同様である。
なお、この実施形態の自動運転車1では、手動運転モードにおいて運転者の意思に反して強制自動運転モードに切り替えられることを考慮して、自動運転車のエンジンを起動して最初の発進に際しては、運転者により、カーナビ機能において目的地の設定入力をさせるようにしている。したがって、自動運転車1は、強制自動運転モードに切り替えられた後には、自動運転切替条件記憶部135に行先として、この発進時における事前設定の目的地以外が指定されている場合を除き、行先のカーナビ機能部113による経路案内機能により、目的地へ向かうように走行制御を行うことができる。
そのため、上述の図2〜図4の自動運転切替条件テーブルTBLの行先の情報には、事前設定の目的地の指定を含めるようにしたが、このように、行先として事前設定の目的地の指定情報を記憶しなくてもよく、自動運転切替条件テーブルTBLの切替条件について行先の指定情報が無いときには、行先は発進時における事前設定の目的地と自動的に決定するようにすることもできる。
図6においては、まず、制御部101は、目的地(行先)の入力を促すメッセージを送出する(ステップS1)。そして、制御部101は、運転者による目的地の入力設定を待ち(ステップS2)、目的地の入力を受け付けたと判別したときには、その入力された目的地を保持するようにする(ステップS3)。目的地の入力を受け付けていないと判別したときには、ステップS2に戻し、目的地の入力の監視を継続する。
次に、制御部101は、運転モードが手動運転モードであるか否か判別する(ステップS4)。このステップS4で、運転モードは手動運転モードではなく自動運転モードであると判別したときには、制御部101は、自動運転モードの処理ルーチンに移行する。この自動運転モードの処理ルーチンにおいては、ステップS3で保持された目的地に、自動運転モードで向かうようにする。
ステップS4で、運転モードは、手動運転モードであると判別したときには、制御部101は、自動運転切替条件記憶部135に記憶されている自動運転モードへの切替条件を監視する(ステップS5)。そして、制御部101は、上述したような切替条件に合致したか否か判別し(ステップS6)、合致していないと判別したときには、処理をステップS5に戻し、切替条件の監視を継続する。
ステップS6で、切替条件に合致したと判別したときには、制御部101は、合致した切替条件により手動運転モードから切り替える自動運転モードの設定は強制自動運転モードであるか否か判別する(ステップS7)。
ステップS7で、設定は強制自動運転モードであると判別したときには、制御部101は、手動運転モードから強制自動運転モードへ切り替え、その旨をスピーカ138を通じて音声メッセージとして運転者に通知する(ステップS8)。そして、制御部101は、合致した切替条件に応じた強制自動運転モードへの切替後の制御内容を実行する(ステップS9)。
次に、制御部101は、強制自動運転モードの解除条件の監視を開始する(図7のステップS21)。そして、制御部101は、強制自動運転モードの解除条件に合致したか否か判別し(ステップS22)、合致していないと判別したときには、処理をステップS21に戻して、解除条件の監視を継続する。
ステップS22で、強制自動運転モードの解除条件に合致したと判別したときには、制御部101は、運転モードを通常の自動運転モードに切り替え、その旨をスピーカ138を通じて音声メッセージとして運転者に通知する(ステップS23)。そして、制御部101は、手動運転操作を検知したか否か判別し(ステップS24)、手動運転操作を検知してはいないと判別したときには、このステップS24を継続して、手動運転操作を待つ。
そして、ステップS24で、手動運転操作を検知したと判別したときには、制御部101は、通常の自動運転モードから手動運転モードに切り替え、その旨をスピーカ138を通じて音声メッセージとして運転者に通知する(ステップS25)。そして、制御部101は、処理をステップS5に戻し、このステップS5以降の処理を繰り返す。
また、ステップS7で、設定は強制自動運転モードではなく、通常の自動運転モードであると判別したときには、制御部101は、手動運転モードから通常の自動運転モードへ切り替え、その旨をスピーカ138を通じて音声メッセージとして運転者に通知する(ステップS10)。そして、制御部101は、合致した切替条件に応じた通常の自動運転モードへの切替後の制御内容を実行する(ステップS11)。
次に、制御部101は、処理をステップS24に移行させ、手動運転操作を検知したか否か判別し(ステップS24)、手動運転操作を検知してはいないと判別したときには、このステップS24を継続して、手動運転操作を待つ。そして、ステップS24で、手動運転操作を検知したと判別したときには、制御部101は、通常の自動運転モードから手動運転モードに切り替え、その旨をスピーカ138を通じて音声メッセージとして運転者に通知する(ステップS25)。そして、制御部101は、処理をステップS5に戻し、このステップS5以降の処理を繰り返す。
なお、上述の処理は、強制自動運転モードの解除条件に合致すると、強制自動運転モードから通常の自動運転モードを経て、手動運転モードに切り替えるようにしたが、強制自動運転モードから通常の自動運転モードを経ずに、直接手動運転モードに切り替えるようにしてもよい。
以上は、この実施形態の自動運転車1における運転モードの切り替え処理の要部の大まかな動作の流れの説明である。次に、図6のステップS5の切替条件の監視から、ステップS9又はステップS11の自動運転モードでの制御内容の処理までの部分の処理動作の例を、図8〜図13のフローチャートを参照しながら、より詳細に説明する。
すなわち、制御部101は、運転者及び同乗者を、カメラ群107の内の車内を撮影するカメラで撮影し、その撮影画像を画像認識すると共に解析する(ステップS31)。このステップS31の処理は、画像認識部114の画像認識処理と、車内状況判定部117での画像認識結果の処理とが対応する。
次に、制御部101は、マイクロホン137により車内の音や音声を収音し、その収音した音や音声を音声認識すると共に解析する(ステップS32)。このステップS32の処理は、音声認識部116の音声認識処理と、車内状況判定部117での音声認識結果の処理とが対応する。
次に、制御部101は、センサ群108の内の車内に設けられる呼気センサなどの車内状況の判定に寄与するセンサの出力を取り込んで解析すると共に、車内状況判定に必要なその他の情報を取り込んで解析する(ステップS33)。ここで、車内状況判定に必要なその他の情報としては、時計部119からの時間情報、カーナビ機能部113からの周辺検索結果の情報、携帯電話機能部118を通じてインターネットから取得した情報、手動/自動運転モード切替制御部104からの運転モードの切替情報などがある。
次に、制御部101は、以上の情報の解析結果から車内状況を判定する(ステップS34)。このステップS34の処理は、車内状況判定部117での処理に対応する。
次に、制御部101は、ステップS34で判定した車内状況と、自動運転切替条件記憶部135に記憶されている切替条件とを比較参照し(ステップS35)、その比較参照に基づいて、車内状況は、切替条件の内の「運転者又は同乗者の健康状態の異変1」に合致しているか否か判別する(ステップS36)。
このステップS36で、車内状況は、切替条件の「運転者又は同乗者の健康状態の異変1」に合致していると判別したときには、制御部101は、自動運転切替条件記憶部135に記憶されている、当該切替条件の「運転者又は同乗者の健康状態の異変1」の制御内容に従い、強制自動運転モードに切り替え、その旨を運転者に通知する(ステップS37)。
次に、制御部101は、自動運転切替条件記憶部135に記憶されている、当該切替条件の「運転者又は同乗者の健康状態の異変1」の行先の情報を読出し(ステップS38)、行先として指定されているのは特定の病院か否か判別する(図9のステップS41)。このステップS41で、行先として指定されているのは特定の病院であると判別したときには、制御部101は、現在位置から指定された病院までのルートを探索して、行先を当該病院とする(ステップS42)。このとき、当該病院の電話番号が自動運転切替条件記憶部135に記憶されているときには、制御部101は、携帯電話機能部118を通じて、当該病院に電話をかけ、自車の特徴や運転者の氏名などを告げ、急病人を連れてゆくことを内容とする合成音声メッセージを生成して病院に通知するようにする。制御部101は、このステップS42の次には、図7のステップS21に処理を進める。
また、ステップS41で、行先として指定されているのは特定の病院ではないと判別したときには、制御部101は、現在位置に近い病院が行先として指定されているか否か判別する(ステップS43)。このステップS43で、現在位置に近い病院が行先として指定されていると判別したときには、制御部101は、現在位置を中心として、現在位置に近い救急病院又は一般病院を周辺検索し(ステップS44)、その周辺検索で検出された救急病院又は一般病院までの現在位置からのルートを探索し、行先を当該病院とする(ステップS45)。このとき、当該病院の電話番号が周辺検索により取得できた時には、制御部101は、携帯電話機能部118を通じて、当該病院に電話をかけ、自車の特徴や運転者の氏名などを告げ、急病人を連れてゆくことを内容とする合成音声メッセージを生成して病院に通知するようにする。制御部101は、このステップS45の次には、図7のステップS21に処理を進める。
ステップS43で、現在位置に近い病院が行先として指定されてはいないと判別したときには、制御部101は、119番通報が指定されているか否か判別する(ステップS46)。このステップS46で、119番通報が指定されていると判別したときには、制御部101は、自車を路肩等の駐車あるいは停車可能な場所に停止させて(ステップS47)、携帯電話機能部118を通じて、119番通報する(ステップS48)。この119番通報においては、自車の特徴や運転者の氏名、運転者の人事不省、前後不覚、失神等の状況、現在位置の場所名、住所などを合成音声として発生させて通知する。なお、この場合の行先は、自車を停止させる場所となる。この場合には、ステップS48で処理の終了となる。
ステップS46で、119番通報が指定されていないと判別したときには、制御部101は、ステップS44に処理をジャンプさせる。
なお、ステップS44での周辺検索で、現在位置の近隣に存在する救急病院又は一般病院が検出できなかったときには、ステップS47に処理をジャンプさせて、119番通報するようにしてもよい。
次に、図8のステップS36において、車内状況は、切替条件の「運転者又は同乗者の健康状態の異変1」に合致してはいないと判別したときには、制御部101は、切替条件の「運転者又は同乗者の健康状態の異変2」に合致しているか否か判別する(図10のステップS51)。
ステップS51で、切替条件の「運転者又は同乗者の健康状態の異変2」に合致していると判別したときには、制御部101は、自動運転切替条件記憶部135に記憶されている、当該切替条件の「運転者又は同乗者の健康状態の異変2」の制御内容に従い、強制自動運転モードに切り替え、その旨を運転者に通知する(ステップS52)。
次に、制御部101は、自動運転切替条件記憶部135に記憶されている、当該切替条件の「運転者又は同乗者の健康状態の異変2」の行先の情報を参照して、登録された行先の指定があるか否か判別する(ステップS53)。このステップS53で、登録された行先の指定があると判別したときには、制御部101は、登録された行先で良いかどうかの問い合わせの音声を送出する(ステップS54)。このとき、登録された行先が何処かも分かるように問い合わせが行われる。
次に、制御部101は、この問い合わせに対して登録された行先で良いとの回答を受けたか否か判別する(ステップS55)。このステップS55で、登録された行先で良いとの回答を受けたと判別したときには、制御部101は、上述したステップS42、ステップS44、ステップS45など、登録された行先に応じた処理を行う(ステップS56)。そして、制御部101は、その処理後、処理を図7のステップS21に進める。
ステップS55で、登録された行先以外という回答を受けた時には、制御部101は、行先を運転者又は同乗者に問い合わせる合成音声メッセージを発生して、スピーカ138を通じて放音する(ステップS57)。
ステップS53で、登録された行先の指定がないと判別したときには、制御部101は、ステップS57に進める。そして、制御部101は、このステップS57での問い合わせに対する応答を受けたか否か判別し(ステップS58)、応答を受けたと判別したときには、その応答の音声情報を音声認識して、指定された行先を特定する(ステップS59)。この時の行先の指定においては、特定の目的地が指定される場合のみではなく、「近くの病院」などの目的地の属性が指定される場合もある。そして、制御部101は、次に、指定された行先について、上述したステップS42、ステップS44、ステップS45などの特定した行先に応じた処理を行う(ステップS60)。そして、制御部101は、その処理後、処理を図7のステップS21に進める。
ステップS58で、ステップS57での問い合わせに対する応答はないと判別したときには、制御部101は、自車を路肩等の駐車あるいは停車可能な場所に停止させて(ステップS61)、携帯電話機能部118を通じて、119番通報する(ステップS62)。この119番通報においては、自車の特徴、急病人の発生、現在位置の場所名、住所などを合成音声として発生させて通知する。なお、この場合の行先は、自車を停止させる場所となる。この場合には、ステップS62で処理の終了となる。
ステップS51で、車内状況は、切替条件の「運転者又は同乗者の健康状態の異変2」に合致していないと判別したときには、制御部101は、車内状況は、切替条件の「運転者の居眠り」が合致しているか否か判別する(図11のステップS71)。そして、このステップS71で、車内状況は、切替条件の「運転者の居眠り」が合致していると判別したときには、制御部101は、自動運転切替条件記憶部135に記憶されている、当該切替条件の「運転者の居眠り」の制御内容に従い、自動運転モードに切り替え(ステップS72)、運転者を覚醒させるための呼びかけの合成音声、例えば大きな音量で「起きなさい」、「危ない」などを発生させて、運転者に対してスピーカ138から放音する(ステップS73)。なお、運転者を覚醒させるための手段としては、呼びかけの合成音声放音以外に、運転者に対するライトの点滅、運転席シートの振動、あるいはハンドルの振動を用いてもよいし、これらを組み合わせてもよい。
次に、制御部101は、この呼びかけ音声により運転者が覚醒したか否かを、カメラによる運転者の撮影画像の画像認識結果や、運転者からの返事の音声の音声認識結果から確認する(ステップS74)。このステップS74で、運転者の覚醒を確認できたと判別したときには、制御部101は、処理を図7のステップS24に進める。
また、ステップS74で、運転者の覚醒を確認できなかったと判別したときには、制御部101は、運転者は単に居眠りをしているのではなく、運転者について身体的な異変が生じたと判断して、自車を路肩等の駐車あるいは停車可能な場所に停止させて(ステップS75)、携帯電話機能部118を通じて、119番通報する(ステップS76)。この119番通報においては、自車の特徴、急病人の発生、現在位置の場所名、住所などを合成音声として発生させて通知する。なお、この場合の行先は、自車を停止させる場所となる。この場合には、ステップS76で処理の終了となる。
ステップS71で、車内状況は、切替条件の「運転者の居眠り」が合致してはいないと判別したときには、制御部101は、車内状況は、切替条件の「運転者又は同乗者の体調不良」と合致しているか否か判別する(図12のステップS81)。このステップS81で、車内状況は、切替条件の「運転者又は同乗者の体調不良」と合致していると判別したときには、制御部101は、自動運転切替条件記憶部135に記憶されている、当該切替条件の「運転者又は同乗者の体調不良」の制御内容に従い、強制自動運転モードに切り替え、その旨を運転者に通知する(ステップS82)。
次に、制御部101は、自動運転切替条件記憶部135に記憶されている、当該切替条件の「運転者又は同乗者の体調不良」の行先の情報を参照して、行先として自宅が登録されているか否か判別する(ステップS83)。このステップS83で、行先として自宅が登録されていると判別したときには、制御部101は、自宅に戻るかどうかの問い合わせの合成音声を発生させて、スピーカ138から放音する(ステップS84)。
制御部101は、この問い合わせに対して肯定的な回答(音声)が運転者から得られたか否かにより、自宅に戻るかどうかを判別する(ステップS85)。このステップS85で、問い合わせに対する肯定的な回答が得られたとして自宅に戻ると判別したときには、制御部101は、行先を自宅して、現在位置から自宅に戻るルートを探索し、強制自動運転モードにより自宅に戻る(ステップS86)。この場合には、ステップS86で処理の終了となる。
ステップS85で、問い合わせに対する肯定的な回答が得られなかったことにより、自宅に戻ることはしないと判別したときには、制御部101は、処理をステップS87に進める。また、ステップS83で、行先として自宅が登録されてはいないと判別したときにも、制御部101は、処理をステップS87に進める。
ステップS87では、制御部101は、現在位置は高速道路上であるか否か判別し、高速道路上であると判別したときには、進行方向の最寄りのPA(パーキングエリア)又はSA(サービスエリア)を検索し、検索結果のPA(パーキングエリア)又はSA(サービスエリア)を行先とする(ステップS88)。そして、このステップS88で、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS87で、現在位置は、高速道路上ではなく一般道であると判別したときには、制御部101は、自車を路肩等、駐車可能な場所に停止させる(ステップS89)。そして、このステップS88で、この処理ルーチンを終了する。
ステップS81で、車内状況は、切替条件の「運転者又は同乗者の体調不良」と合致していないと判別したときには、制御部101は、車内状況は、切替条件の「運転者又は同乗者の便意や尿意」であるか否か判別する(図13のステップS91)。このステップS91で、車内状況は、切替条件の「運転者又は同乗者の便意や尿意」であると判別したときには、制御部101は、自動運転切替条件記憶部135に記憶されている、当該切替条件の「運転者又は同乗者の便意や尿意」の制御内容に従い、強制自動運転モードに切り替え、その旨を運転者に通知する(ステップS92)。
次に、制御部101は、自動運転切替条件記憶部135に記憶されている、当該切替条件の「運転者又は同乗者の便意や尿意」の行先の情報を参照して、現在位置は高速道路上であるか否か判別し(ステップS93)、高速道路上であると判別したときには、進行方向の最寄りのPA(パーキングエリア)又はSA(サービスエリア)を検索し、検索結果のPA(パーキングエリア)又はSA(サービスエリア)を行先とする(ステップS94)。そして、このステップS94で、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS93で、現在位置は、高速道路上ではなく一般道であると判別したときには、制御部101は、最寄りのコンビニやガソリンスタンドなど、トイレのある場所を検索し、その検索の結果、検出された場所を行先とする(ステップS95)。そして、このステップS95で、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS91で、車内状況は、切替条件の「運転者又は同乗者の便意や尿意」ではないと判別したときには、制御部101は、自動運転切替条件記憶部135に記憶されている、「過労運転」、「運転者の飲酒」、「運転者によるよそ見、わき見運転」、「運転者による飲食又は喫煙」、「運転環境の悪化」、「同乗する子供やペットの異常行動」、「運転者の運転の仕方、姿勢」、「運転者が運転に支障のある履物を履いている、又は履物を履いていない」など、他の切替条件に合致するか否か判別する(ステップS96)。このステップS96で、車内状況は、他の切替条件にも合致していないと判別したときには、制御部101は、処理を図8のステップS31に戻し、このステップS31以降の処理を繰り返す。
また、ステップS96で、自動運転切替条件記憶部135に記憶されている他の切替条件のいずれかに合致すると判別したときには、制御部101は、その合致した切替条件に対応して記憶されている制御内容を実行し、また、その合致した切替条件に対応して記憶されている行先の情報に基づいて行先を定める(ステップS97)。そして、制御部101は、処理を図7のステップS21に進める。
[実施形態の効果]
以上説明した実施形態の自動運転車によれば、交通事故等の発生を未然に防ぐために、強制的に手動運転モードから自動運転モードに切り替えた場合にも、運転者が事前に設定した目的地を行先として自動運転車1は自動運転モードで走行をするので、運転者が意図していた目的地に向かう経路とは異なる経路を走行する状態になることはない。
また、上述の実施形態の自動運転車によれば、交通事故等の発生を回避することができるように安全性を確保しながら、運転者又は同乗者に生じた身体的な異変に応じて、適切な行先に自動運転車を向けることができるという顕著な効果を奏する。すなわち、運転者が、人事不省の状態に陥ったり、前後不覚の状態になったり、失神したりした場合においても、行先として病院が設定されるので、運転者に発生した身体的な異変に対する適切な対応が迅速に行われることが期待できる。特に、自動車に乗車しているのが、運転者一人の場合であっても、この実施形態の自動運転車により、当該運転者が病院等に運ばれることにより、適切な対応がなされるという顕著な効果を奏する。
[他の実施形態又は変形例]
以上の実施形態の説明において、図2及び図3、図4の自動運転切替条件テーブルTBLの切替条件として、「運転者又は同乗者の健康状態の異変1」、「運転者又は同乗者の健康状態の異変2」、「運転者の居眠り」、「運転者又は同乗者の車酔い、吐き気等の体調不良」、「運転者又は同乗者の便意や尿意」、「過労運転」、「運転者の飲酒」、「運転者によるよそ見、わき見運転」、「運転者による飲食又は喫煙」、「運転環境の悪化」、「同乗する子供やペットの異常行動」、「運転者の運転の仕方、姿勢」、「運転者が運転に支障のある履物を履いている、又は履物を履いていない」などの、事故を招きやすい状態を回避して、安全運転を担保するための条件を例示した。これらの切替条件は、手動運転モードでの走行中、駐車中あるいは停車中の場合において用いられるものであるが、これらの切替条件の内、「運転者の居眠り」「運転者によるよそ見、わき見運転」、「運転者による飲食又は喫煙」、「運転環境の悪化」、「同乗する子供やペットの異常行動」、「運転者の運転の仕方、姿勢」などは、自動運転車が停止中には基本的に安全性に影響がないため、走行中の場合のみを切替条件として、駐車中あるいは停車中の場合には、切替条件にしないようにすることができる。
また、「運転者又は同乗者の健康状態の異変1」、「運転者又は同乗者の健康状態の異変2」については、緊急に病院に向かったり、119番通報して路肩等に停車し、救急車の到着を待ったりする必要があるので、手動運転モードでの走行中、駐車中あるいは停車中の場合のみならず、通常の自動運転モードでの走行中、駐車中あるいは停車中の場合であっても、切替条件とすることができる。「運転者又は同乗者の車酔い、吐き気等の体調不良」、「運転者又は同乗者の便意や尿意」についても、最寄りのPA(パーキングエリア)又はSA(サービスエリア)又はガソリンスタンドなどの行先に移動し、トイレを利用したり、休憩したりする必要があるので、通常の自動運転モードでの走行中、駐車中あるいは停車中の場合であっても、切替条件としてもよい。
なお、以上の実施形態の説明においては、切替条件を逐次的(シリアル)に判別処理していたが、並列的(パラレル)に判別処理するようにしてもよい。
また、以上の実施形態の説明においては、切替条件の車内状況は、運転者や同乗者の身体的な異変や、運転者や同乗者の行動や所作に基づく自動車の手動運転に支障が生じる状況を、切替条件とする車内状況としたが、自動車内で発生する外的要因をも含めた車内状況を切替条件とするようにしてもよい。
例えば、自動運転車で発生した火災や異常に基づいて、運転者や同乗者がやけどや怪我をしたことを切替条件とし、行先を例えば病院とするようにすることができる。また、乗車者が、車内に練炭を持ち込んで自殺するのを防止するために、車内の一酸化炭素濃度が所定以上になったことと、乗車者が運転せずに、動かない状態にいることを切替条件とするようにしてもよい。この場合には、一酸化炭素濃度は、一酸化炭素の濃度センサにより検出可能であり、乗車者が運転せずに、動かない状態にいることは、カメラ群107に含まれるカメラの撮像画像の画像認識により検出可能である。この場合は、行先を病院として、停止状態の自動運転車を発進し、乗車者を搬送するか、119番通報して路肩等に停車し、救急車の到着を待つようにする。これと同時に、一酸化炭素濃度を下げるために、窓を開けるようにする。これらの解除条件は、「行先(病院)に到着」又は「救急車が到着」したときとされる。
また、自動運転車が故障により、ドアロックが解除できなくなって、乗車者が降車できなったことを切替条件とするようにすることもできる。この場合の車内状況の検出は、乗車者が「助けて」「出られない」と発声することの検出と、ドアセンサの検出出力とに基づいて行うことができる。この場合は、行先を例えば自動車整備工場や自動車販売会社にし、そこでドアロックの解除をしてもらうようにする。解除条件は、「ドアロックが解除」又は「行先(自動車整備工場など)に到着」したときとされる。
なお、自動運転車が車内で火災を起こし、消火できない場合は、走行するのは危険なので、それを切替条件として、119番通報して、他に引火の危険のない路肩等に停車する。運転者や同乗者は自動運転車から降車し、消防車の到着を待つようにする。これは、自動運転車が無人運転(自動運転)であっても適用できる。解除条件は、「火災の消火が完了」又は「消防自動車が到着」したときとされる。
自動運転車が無人運転(自動運転)時に、異常や故障が発生した場合、それを切替条件として、行先を例えば自動車整備工場、自動車販売会社など、異常や故障を回復・修理できるところに変更する。異常や故障の程度や内容によっては、JAF(Japan Automobile Federation;日本自動車連盟)に連絡して路肩等に停車し、JAFの到着を待つようにしてもよい。解除条件は、「異常や故障を回復・修理」又は「行先(自動車整備工場など)に到着」したときとされる。給油やバッテリー関係のトラブルや、残存燃料が少なくなった場合は、それを切替条件として、ガソリンスタンドや充電スタンドに向かうようにすることができる。解除条件は、「トラブルの回復や燃料補給の完了」又は「行先(ガソリンスタンドなど)に到着」したときとされる。
また、この発明は、夏場の自動車内の温度対策や熱中症対策にも適用できる。親が自動車内に乳幼児や子供を残したまま、スーパーやデパートで買い物をしたり、パチンコ店でパチンコに興じている間に、自動車内で乳幼児や子供が死亡したり、重症となるなど痛ましい事件が報告されている。夏場の自動車内の温度は、外気温よりはるかに高く、50℃を超えることもある。
このような危険性に鑑み、自動運転車に温度センサ(温度計)を備え、所定の温度(例えば35℃)以上が所定時間(例えば3分間)以上継続することを切替条件として、日向に駐車中あるいは停車中の自動運転車を日陰に移動し、駐車あるいは停車することができる。日陰が見つからない場合は、外気温のできるだけ低い場所を探し、そこで駐車あるいは停車する。また、エアコンの冷房を作動させてもよい。これにより、自動運転車内は快適な温度に保たれる。解除条件は、「車内温度の所定温度以下への低下」又は「日陰に駐車あるいは停車」又は「外気温の低い場所に駐車あるいは停車」したときとされる。
さらに、乗車者(車内に残っている人)をカメラ群107に含まれるカメラで撮像し、発汗の状態や顔の表情、身体の動きを画像認識することにより、あるいは乗車者の発する音声をマイクロホン137で収音し、「暑い」「苦しい」「助けて」などの言葉や、呻き声、喘ぎ声を認識することにより、熱中症などの危険を察知する。その乗車者の熱中症などの危険を切替条件として、運転者に携帯電話で異常事態を連絡するとともに、行先を病院として乗車者を移送することもできる。また、119番通報して路肩等に停車し、救急車の到着を待ってもよい。この場合の解除条件は、「熱中症など危険な状態からの回復(快復)」又は「行先(病院)に到着」又は「救急車が到着」したときとされる。
また、自動運転車内の温度を用いる代わりに、暑さ指数と呼ばれるWBGT(Wet Bulb Globe Temperature;湿球黒球温度)などのリスク評価指標を用いてもよい。WBGTは、自動運転車がWBGT指数計を備えることで適用できる。WBGTの算出方法は、
屋外:0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
屋内:0.7×湿球温度+0.3×黒球温度
である。自動運転車内のWBGTは、オープンカータイプの場合は屋外、それ以外は屋内に準じて算出する。WBGTは、
31℃以上 危険
28℃〜31℃ 厳重警戒
25℃〜28℃ 警戒
21℃〜25℃ 注意
21℃未満 ほぼ安全
と指針が規定されている。
WBGTを用いる場合、所定のWBGT(例えば25℃)以上が所定時間(例えば10分間)以上継続すること、あるいは所定のWBGT(例えば30℃)を超えることを切替条件として、日向に駐車中あるいは停車中の自動運転車を日陰に移動し、駐車あるいは停車することができる。上述の温度の場合と同様、日陰が見つからない場合は、外気温のできるだけ低い場所を探し、そこで駐車あるいは停車する。また、エアコンの冷房を作動させてもよい。これにより、自動運転車内は快適なWBGTに保たれる。また、上述と同様、乗車者の危険な状態を切替条件に、行先を病院として乗車者を移送することもできるし、119番通報して路肩等に停車し、救急車の到着を待ってもよい。解除条件も上述と同様である。
なお、乳幼児は体温調節機能が未発達であり、高温下では短時間で体温が上昇し、死に至る場合がある。また、自ら窓を開けることもできないため、切替条件の設定温度やWGBTは、成人健常者より安全を見込み、低めに設定する必要がある。また、高齢者も加齢に伴い、体温調節機能が低下するため、同じように危険であり、切替条件の設定温度やWGBTは、低めに設定すべきである。乗車者の年齢を予め入力したり、画像認識で年齢を推定したりして、その年齢に基づいて、上述の所定温度、所定のWBGT、所定時間を可変にしてもよい。また、体力や免疫力の衰えた病人も同様に熱中症などになる危険性が高いので、切替条件の設定温度やWGBTは、低めに設定すべきである。
また、上述の説明は、暑さ対策であるが、もちろん寒さ対策にも適用できる。寒さ対策の場合は、暑さ対策とは逆に、日陰に駐車中あるいは停車中の自動運転車を日向に移動させる。もちろん、エアコンは冷房ではなく、暖房を作動させる。
また、運転者や同乗者による麻薬や覚醒剤などの依存性薬物の摂取状態を切替条件とし、対応する行先を警察又は病院にする場合にも、この発明は、適用できる。この場合の切替条件に対応する車内状況の判定は、例えば、運転者や同乗者による麻薬や覚醒剤などの依存性薬物の摂取(注射や吸引動作)を、カメラの撮影画像を画像認識することで行うことができる。
なお、上述の実施形態の自動運転車では、各種データベースや各種記憶部は自車搭載で構成したが、これに限られるものではなく、クラウド上にあってもよいことはもちろんである。カメラ群107についても、自車搭載に限らず、自動運転車が、信号機や街灯などに設置される監視カメラからの画像を通信で入手したり、他車のカメラからの画像を車車間通信で入手したりしてもよい。
また、運転者や同乗者の身体的な異変などの車内状況を認識や判定する際に、車内の画像情報や音声情報を、専門家(例えば医師)に送信したり、クラウド上にアップロードしたりして、認識結果や判定結果を得るようにすることもできる。
なお、上述の実施形態の自動運転車では、携帯電話機能部118は、自動運転車に予め内蔵され、加入者登録されていたが、運転者や同乗者が所有する携帯電話機、スマートフォン、あるいはタブレットを、自動運転車の収納ポケット(ステーション)に装着し、当該自動運転車と接続して、内蔵の携帯電話機能部118と同様の機能を持たせることもできる。
また、手動運転モードでの走行中、駐車中あるいは停車中における車内状況判定部117の判定結果が切替条件と合致したか否か判別するのではなく、通常の自動運転モードでの走行中、駐車中あるいは停車中において車内状況判定部117の判定結果が切替条件と合致したか否かを判別し、合致したときには、行先を、合致した切替条件に応じて設定されている病院に変更したり、路肩等に停車して119番通報したりするようにしてもよい。この場合には、車内状況が切替条件に合致したときでも通常の自動運転モードを継続してもよいし、強制自動運転モードに切り替えるようにしてもよい。ただし、この場合には、自動運転車は手動運転モードを有しないので、強制自動運転モードは、手動運転モードへの切り替えのための手動運転操作を受け付けないのではなく、車内状況が切替条件に合致している状態では、運転者や同乗者による行先の変更を受け付けないようにするモードである。
この例は、自動運転車として、手動運転モードがなく、自動運転モードしかない場合には、特に有効となる。そして、この例によれば、通常の自動運転モードでの走行中、駐車中あるいは停車中においても、運転者や同乗者に身体的な異変が生じた場合等の車内状況が発生した場合に、行先を、病院に変更したり、路肩等に停止して119番通報したりすることができる。
また、上述の実施形態の自動運転車は、電気自動車の場合としたが、ガソリン車、ハイブリッド車、燃料電池車、その他の駆動方式の自動車であっても、この発明は適用可能である。
さらに、この発明は、普通自動車、軽自動車のみならず、トラック、バス、タクシー、パトカー、救急車、消防車、教習車、トラクター、ダンプカー、ショベルカー、フォークリフト、また、一人用自動車、自動二輪車、自動三輪車などであっても適用可能である。
1…自動運転車、10…電子制御回路部、101…制御部、104…手動/自動運転モード切替制御部、105…手動運転操作検知部、107…カメラ群、108…センサ群、114…画像認識部、115…自動運転切替条件判別部、116…音声認識部、117…車内状況判定部、118…携帯電話機能部、119…時計部、120…合成音声発生部、134…画像情報記憶部、135…自動運転切替条件記憶部、136…音声情報記憶部

Claims (16)

  1. 手動運転モードと、自律走行が可能である自動運転モードとを備える自動運転車において、
    運転者の居眠りを判定する居眠り判定手段と、
    前記居眠り判定手段で、前記運転者の居眠りを判定したときに、自車を前記自動運転モードとすると共に、前記運転者を覚醒させるように働きかけをする手段と、
    前記働きかけに対して前記運転者が覚醒したか否かを判別する判別手段と、
    前記判別手段で、前記運転者が覚醒しないと判別したときに、前記自動運転モードにおいて予め定めた運転制御を行う制御手段と、
    を備えることを特徴とする自動運転車。
  2. 前記制御手段は、前記判別手段で、前記運転者が覚醒しないと判別したときに、前記運転者に身体的な異変、身体的なトラブル、又は精神的なトラブルが生じたと判断して、前記自動運転モードにおいて予め定めた運転制御を行って、前記運転者の身体的な異変、身体的なトラブル、又は精神的なトラブルに対応する処理を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動運転車。
  3. 通信手段を備え、
    前記制御手段は、前記判別手段で、前記運転者が覚醒しないと判別したときに、前記自動運転モードにおいて路肩又は予め定められた場所に駐車又は停車して、前記通信手段を通じて119番通報を行う
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動運転車。
  4. 現在位置を検出する現在位置検出手段と、
    前記判別手段で、前記運転者が覚醒しないと判別したときに、前記現在位置検出手段により検出された現在位置の周辺に存在する病院を検索し、前記検索により検出された病院を目的地として案内するナビゲーション手段と、
    前記制御手段は、前記判別手段で、前記運転者が覚醒しないと判別したときに、前記ナビゲーション手段により、前記現在位置の周辺に存在する病院を検索して、その検索により検出された病院に、前記自動運転モードにおいて向かうように制御する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動運転車。
  5. 通信手段を備え、
    自車の特徴、前記運転者の氏名、急病人の発生、現在位置の場所名又は住所を、前記通信手段を通じて前記検索により検出された前記病院に通知する
    ことを特徴とする請求項4に記載の自動運転車。
  6. 通信手段を備え、
    前記制御手段は、前記ナビゲーション手段による前記検出の機能により前記現在位置の周辺に存在する病院を検出できなかったときには、前記自動運転モードにおいて路肩又は予め定められた場所に駐車又は停車して、前記通信手段を通じて119番通報を行う
    ことを特徴とする請求項4に記載の自動運転車。
  7. 前記自動運転車の車内に設けられるスピーカを備え、
    前記運転者を覚醒させるように働きかけをする手段は、呼びかけ音声を、前記運転者に対して前記スピーカから送出する手段からなる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の自動運転車。
  8. 前記運転者を覚醒させるように働きかけをする手段は、前記運転者に対する呼びかけ音声、前記運転者に対するライトの点滅、運転席シートの振動、あるいはハンドルの振動のいずれか、あるいは、これらの組み合わせからなる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の自動運転車。
  9. 前記居眠り判定手段は、前記自動運転車の車内を撮影する1又は複数のカメラからの撮影画像情報の画像認識に基づき、前記運転者の居眠りを判定する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の自動運転車。
  10. 通信手段を備え、
    前記居眠り判定手段は、前記通信手段を通じて接続されるクラウドと連携することで前記運転者の居眠りを判定する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の自動運転車。
  11. 指定された行先に向かうように自車を案内するナビゲーション手段と、
    前記自動運転車の走行開始時に設定された目的地を記憶する手段と、
    を備え、
    前記居眠り判定手段で、前記運転者の居眠りを判定したときの前記自動運転モードにおいては、前記自動運転車の走行開始時に設定された目的地を指定された行先として、前記ナビゲーション手段により案内を実行する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の自動運転車。
  12. 前記判別手段で前記運転者が覚醒したか否かは、車内に設けられたカメラによる前記運転者の撮影画像の画像認識結果及び/又は前記運転者からの返事の音声の音声認識結果から判別する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の自動運転車。
  13. 前記119番通報の際には、自車の特徴、前記運転者の氏名、急病人の発生、現在位置の場所名又は住所を含めた合成音声を発生させて通知する
    ことを特徴とする請求項3又は請求項6に記載の自動運転車。
  14. 前記居眠り判定手段は、自車が手動運転モードのときのみでなく、前記自動運転モードのときにも、前記運転者の居眠りの判定を行い、
    前記居眠り判定手段で、前記運転者の居眠りを判定したときに、前記自動運転モードであったときには、前記自動運転モードを継続あるいは運転者又は同乗者による行先の変更を受け付けない強制自動運転モードに切り替える
    ことを特徴とする請求項1〜請求項13に記載の自動運転車。
  15. 手動運転モードと、自律走行が可能である自動運転モードとを備える自動運転車が具備するコンピュータを、
    運転者の居眠りを判定する居眠り判定手段、
    前記居眠り判定手段で、前記運転者の居眠りを判定したときに、自車を前記自動運転モードとすると共に、前記運転者を覚醒させるように働きかけをする手段、
    前記働きかけに対して前記運転者が覚醒したか否かを判別する判別手段、
    前記判別手段で、前記運転者が覚醒しないと判別したときに、前記自動運転モードにおいて予め定めた運転制御を行う制御手段、
    として機能させるための自動運転車用のプログラム。
  16. 前記制御手段は、前記判別手段で、前記運転者が覚醒しないと判別したときに、前記運転者に身体的な異変、身体的なトラブル、又は精神的なトラブルが生じたと判断して、前記自動運転モードにおいて予め定めた運転制御を行って、前記運転者の身体的な異変、身体的なトラブル、又は精神的なトラブルに対応する処理を行う
    ことを特徴とする請求項15に記載の自動運転車用のプログラム。
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