JP3907509B2 - 緊急通報装置 - Google Patents

緊急通報装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3907509B2
JP3907509B2 JP2002081983A JP2002081983A JP3907509B2 JP 3907509 B2 JP3907509 B2 JP 3907509B2 JP 2002081983 A JP2002081983 A JP 2002081983A JP 2002081983 A JP2002081983 A JP 2002081983A JP 3907509 B2 JP3907509 B2 JP 3907509B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
emergency
passenger
emergency call
response
question
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002081983A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003281652A (ja
Inventor
孝二 角谷
智氣 窪田
孝二 堀
一彰 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Equos Research Co Ltd filed Critical Equos Research Co Ltd
Priority to JP2002081983A priority Critical patent/JP3907509B2/ja
Priority to US10/328,021 priority patent/US7044742B2/en
Publication of JP2003281652A publication Critical patent/JP2003281652A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3907509B2 publication Critical patent/JP3907509B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Alarm Systems (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は緊急通報装置に係り、緊急事態が発生した際に救援機関等に通報を行う緊急通報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両内で運転者の具合が悪くなった場合や、事故が発生した場合、通常は消防署(119番通報)や警察署(110番通報)等の救援機関に通報することになる。
しかし実際の緊急時では、常に近くに人がいるとは限らず、また運転者が行動不能や意識不明等に陥ることで、通報装置を使用できない場合もある。また、運転者が救援機関に通報することはできても、通報先の相手に自分の状態等をを正確に連絡できない可能性もある。
そこで、緊急事態が発生した場合に、緊急連絡用のスイッチを用意しておき、緊急事態が発生したことを自動的に通報する緊急通報装置が提案されている。
例えば、特開平5−5626号公報に記載された緊急通報装置では、車両の事故位置を推定すると共に、事故発生を検知し、事故を解析するための情報を記憶し、外部に連絡するようになっている。
また、特開平6−251292号公報では、車両の衝突時の、エアバッグの作動により現在位置等の車両情報を外部に送信する緊急通報装置も提案されている。
このような緊急通報装置を車両に配置しておくことで、事故や急病が発生した緊急時、ユーザは緊急通報装置を作動させ、又は自動作動することで救援を求めることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の緊急通報装置では、運転者情報、車両情報を事前に装置に入力しておかなければならず、煩わしかった。このため、運転者情報として入力されていない情報については、緊急時通報時に運転者が連絡する必要があるが、意識レベルが低い、苦痛などでコミュニケーションが困難などの場合、結局、緊急通報装置を有効に活用できない場合がある。
また、エアバッグ等の作動により緊急通報する装置の場合、病気などの車体に異常が発生しないアクシデントの場合は、通報の代理機能は働かず、結局自力で通報を行う必要がある。このような場合にも、苦痛が激しいと、仮に緊急通報できたとしても、自分の情報の全てを正確に伝えることができるとは限らない。
さらに、運転者や、車両の情報を外部に送信する際には、そのやり取りが本当にされているかどうか運転者には分からなかった。
【0004】
そこで本発明は上記課題を解決するためになされたもので、緊急時の自動通報に必要となる情報を容易に収集することが可能な緊急通報装置を提供することを第1の目的とする。
また、緊急通報時に搭乗者が応答できない場合であっても、搭乗者の情報を代行して通報することが可能な緊急通報装置を提供することを第2の目的とする。
また、緊急通報の対応を、模擬的に実行する質問と回答を通して容易に練習することができる緊急通報装置を提供することを第3の目的とする。
また、搭乗者の情報を代行して通報する場合、通報時の応答内容を搭乗者が確認することができるようにすることを第4の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した発明では、車両の緊急事態時に緊急事態情報を通報する緊急通報モードと、この緊急通報モードでの操作や対応を練習する練習モードを備えた緊急通報装置であって、各状況におけるエージェントの行動が、各状況毎に規定された複数のシナリオを記憶するシナリオ記憶手段と、前記練習モードを選択する練習モードスイッチと、前記練習モードスイッチで練習モードが選択された場合に、該選択された練習モードに対応した前記シナリオに従って、救援機関のオペレータの質問等の緊急事態を想定した複数の質問を出力する質問手段と、前記質問手段による質問に対応する返答を受領する返答受領手段と、前記受領した返答を搭乗者情報として記憶する搭乗者情報記憶手段と、車体緊急事態又は搭乗者の緊急事態の発生を検出する検出手段と、前記検出手段により緊急事態の発生が検出された場合、緊急通報先へ前記搭乗者情報記憶手段により記憶された搭乗者情報を伝達する搭乗者情報伝達手段と、を備えることで前記第1及び第3の目的を達成する。
請求項に記載した発明では、車両の緊急事態時に緊急事態情報を通報する緊急通報モードと、この緊急通報モードでの操作や対応を練習する練習モードを備えた緊急通報装置であって、前記練習モードを選択する練習モードスイッチと、前記練習モードスイッチで練習モードが選択された場合に、救援機関のオペレータの質問等の緊急事態を想定した質問であって、持病がある場合の病名等の健康管理上のデータに対応する複数の質問を出力する質問手段と、前記質問手段による質問に対応する返答を受領する返答受領手段と、前記受領した返答を搭乗者情報として記憶する搭乗者情報記憶手段と、車体緊急事態又は搭乗者の緊急事態の発生を検出する検出手段と、前記検出手段により緊急事態の発生が検出された場合、緊急通報先へ前記搭乗者情報記憶手段により記憶された搭乗者情報を伝達する搭乗者情報伝達手段と、を備えることで前記第1及び第3の目的を達成する。
請求項に記載した発明では、車両の緊急事態時に緊急事態情報を通報する緊急通報モードと、この緊急通報モードでの操作や対応を練習する練習モードを備えた緊急通報装置であって、前記練習モードを選択する練習モードスイッチと、前記練習モードスイッチで練習モードが選択された場合に、救援機関のオペレータの質問等の緊急事態を想定した1又は複数の質問を出力する質問手段と、前記質問手段による質問に対応する返答を受領する返答受領手段と、前記受領した返答を搭乗者情報として記憶する搭乗者情報記憶手段と、車体緊急事態又は搭乗者の緊急事態の発生を検出する検出手段と、前記検出手段により緊急事態の発生が検出された場合、緊急通報先へ前記搭乗者情報記憶手段により記憶された搭乗者情報を伝達する搭乗者情報伝達手段と、前記検出手段で緊急事態の発生を検出した場合に、搭乗者が緊急通報先との応答を行う事が可能か否かを判断する応答可否判断手段を備え、前記搭乗者情報伝達手段は、応答可否判断手段で、搭乗者が応答不可能と判断された場合に、搭乗者情報の伝達を行うことで前記第1、第2、及び第3の目的を達成する。
請求項に記載した発明では、請求項1、請求項2又は請求項3記載の緊急通報装置において前記搭乗者情報記憶手段は、前記返答と応答の手順を記憶し、前記搭乗者情報伝達手段は、前記記憶された手順に従って搭乗者情報を伝達する、ことを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の緊急通報装置において、前記搭乗者情報伝達手段は、緊急通報先へ伝達した搭乗者情報を、車両内で音声出力する音声出力手段を備えることで前記第4の目的を達成する。この場合、例えば、緊急通報先から受信した音声を車両内で出力するようにしてもよい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の緊急通報装置における好適な実施の形態について、図面をを参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態の緊急通報装置では、練習機能を備えた緊急通報装置をもって、緊急通報装置を練習することにより、ユーザの行動の内容を学習・記憶しておくことで、実際の緊急事態発生時に、ユーザの反応がないような状態の場合に、学習・記憶した内容に基づいて、通報を代行する。
緊急通報装置に、緊急通報モードを選択する緊急通報スイッチと、緊急通報を模擬的に実行する練習モードを選択する練習モードスイッチを配置する。練習モードでは、緊急事態が発生した場合の操作を模擬的に実行することで体験するために、実際の緊急事態に即した仮想的な状況を想定しての練習を可能にする。この練習モードにより緊急通報の対応を模擬的に実行する過程において、ユーザの対応手順や対応内容(模擬的実行の対応結果)を、搭乗者情報として学習、記憶しておく。すなわち、練習モードにおいて緊急通報装置は、各緊急事態が実際発生した場合になされる緊急通報機関からの模擬的な問い合わせをユーザに行い、その回答内容や応答の手順を学習、記憶しておく。この質問と回答により、搭乗者情報を自動的に取得する。
質問に対するユーザの回答(搭乗者情報)の取得の仕方は、音声認識にて、取得した音声に基づきデータ化しても良いし、タッチパネルやキーボードなどの入力装置を使用しても良い。
そして、車両や搭乗者の緊急事態を検出した場合に、予め決定されている通報先に緊急通報する。そして、ユーザの反応がない場合には、記憶している搭乗者情報を緊急事態の種類に応じて緊急通報先に適宜送信することで、通報を代行する。これにより、ユーザは緊急通報装置を使用できない状態に陥ったとしても、練習モードで学習したユーザ自身の望む手順により、自動的にその緊急通報を行うことができる。
また、学習機能を備えたインターフェースを使用することにより、外部への通報時のやり取りを音声で行い、その音声を車内スピーカより出力することにより、搭乗者は確実に通報されいることが分かり、かつ、伝えている情報を把握することが可能となる。
【0007】
なお、本実施形態における緊急通報装置は、エージェントが緊急通報の対応や練習モードにおける対応を行うようになっている。
このエージェントは、人工的な仮想人格であり、その容姿(平面的画像、ホログラフィ等の立体的画像等)が車両内に出現される。
このエージェント装置では、車室内や車両の各種状態(ユーザの状態を含む)、過去の処理内容等を判断し、その判断結果に応じた処理を自律的に行う機能(以下代理機能という)を備えている。そして、エージェント装置は、対話型インターフェースを備えており、ユーザとの対話(ユーザに対する問いかけや、問いかけに対するユーザの回答の認識や判断、ユーザに対する提案、ユーザからの指示等)を行う。
エージェント装置は、このユーザとの対話を含む各種代理機能を、車室内に出現させたエージェントの動き(表示)や音声と連動させて実行する。
例えば、ユーザにより緊急連絡ボタンが押されたことを検出すると、エージェント装置は、ユーザ対する緊急連絡の確認処理を、「緊急連絡をしますか?」といった問いかけの音声出力と、電話機を指示しながら問いかける表情と首を傾げる動作を表す画像(動画又は静止画)を表示装置へ表示する。
このように、エージェント装置の代理機能によるユーザとの対話や処理に連動して、エージェントの容姿が変化したり、音声が出力されるので、ユーザは、あたかも仮想人格であるエージェントが車両内に存在しているような体感をするようになる。以下の説明では、このようなエージェント装置の一連の代理機能の実行を、エージェントの行為や動作として説明する。
【0008】
この代理機能によるエージェントの処理としては、車両自体、搭乗者、対向車等を含む車両の状況判断と学習(状況の学習だけでなく搭乗者の応答や反応等も含む)をし、各時点での車両状況とそれまでの学習結果に基づいて、エージェントが搭乗者や車両に対して様々なバリエーションをもった対応(行為=行動と音声)をする。これにより搭乗者は、複数のエージェントを車両内に自由に呼びだしてつき合う(コミュニケーションする)ことが可能になり、車両内での環境を快適にすることができる。
ここで、本実施形態における人工的な仮想人格(エージェント)とは、特定の人間、生物、漫画のキャラクター等の同一性があり、その同一性のある仮想人格が、主体の同一性・連続性を保つように出力(動作、音声により応答)を行うものである。また、同一性・連続性は特有の個性を持つものとして表現され、車室内に出現させる本実施形態のエージェントは、同一の車両状況であっても、過去の学習内容に応じて発声する音声や画像などが異なる。
このエージェントの各種コミュニケーション行為として、緊急時通報モードや練習モードによる緊急時処理を行わせる。
そしてエージェントが行う緊急時処理を含めた各行為を、複数のシナリオで構成する。各シナリオは、エージェントによる一連の連続した行為の内容を規定した複数のシナリオデータ(アプリケーションを含む)と、各シナリオデータを起動するための起動条件とにより規格化する。
【0009】
(2)実施形態の詳細
図1は、本実施形態にエージェント装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態のエージェント装置では、コミュニケーション機能全体を制御する全体処理部9を備えている。この全体処理部9は、設定した目的地までの経路を探索して音声や画像表示により案内するナビゲーション処理部10、エージェント処理部11、ナビゲーション処理部10とエージェント処理部11に対する外部I/F部12、エージェント画像や地図画像等の画像出力や入力画像を処理する画像処理部13、エージェント音声や経路案内音声等の音声出力や入力される音声を制御する音声制御部14、車両や搭乗者に関する各種状況の検出データを処理する状況情報処理部15、及び入力制御部16を有している。
【0010】
ナビゲーション処理部10とエージェント処理部11は、データ処理及び各部の動作の制御を行うCPU(中央処理装置)と、このCPUにデータバスや制御バス等のバスラインで接続されたROM、RAM、タイマ等を備えている。両処理部10、11はネットワーク接続されており、互いの処理データを取得することができるようになっている。
本実施形態のエージェント処理部11では、シナリオに従ってナビゲーション用のデータ(目的地データや走行経路データ等)を情報センタ等の外部装置から取得した場合や、シナリオに基づくユーザとのコミュニケーションにより目的地を取得した場合に、これらのデータをナビゲーション処理部10に供給するようになっている。
ROMはCPUで制御を行うための各種データやプログラムが予め格納されたリードオンリーメモリであり、RAMはCPUがワーキングメモリとして使用するランダムアクセスメモリである。
【0011】
本実施形態のナビゲーション処理部10とエージェント処理部11は、CPUがROMに格納された各種プログラムを読み込んで各種処理を実行するようになっている。なお、CPUは、記憶媒体駆動装置23にセットされた外部の記憶媒体からコンピュータプログラムを読み込んで、記憶装置29のエージェントデータ30やナビゲーションデータ31、図示しないハードディスク等のその他の記憶装置に格納(インストール)し、この記憶装置から必要なプログラム等をRAMに読み込んで(ロードして)実行するようにしてもよい。また、必要なプログラム等を記憶媒体駆動装置23からRAMに直接読み込んで実行するようにしてもよい。
【0012】
エージェント処理部11は、搭乗者との会話を含めたエージェントの各種コミュニケーション動作を、車両や搭乗者の各種状況(場面)を想定して予め作成されたシナリオに従って行うようになっている。すなわち、車速、時間、走行地域、気温、ガソリン残量、緊急事態検出、(緊急事態に対応するための)練習モードの選択、等の各種状況をシナリオ起動条件とし、各状況におけるエージェントの行動が、各状況毎にシナリオとして規定されている。
各シナリオは、連続する複数のシーン(場面)で構成されている。シーンは、シナリオのなかの1つの場面であり、本実施形態における緊急通報後の質問シナリオでは、エージェントが救急救命に基づく情報収集のための質問を行う各場面のシーンで構成されている。
各シーンは、タイトル、リスト、吹き出し、背景、その他の小単位(パーツ)でまとまっている。各シーンは、シナリオに従って順次進行していき、シナリオによっては、特定のシーンで出される質問に対する搭乗者の回答や車両の状況等によって、選択される複数のシーンが存在する。すなわち、途中の回答に応じてシーンが分岐するシナリオが存在する。
シーンを含むシナリオのデータは後述するシナリオデータファイル302に格納されている。いつどこでシナリオを実行するのかを規定する情報(シーン起動条件)と、実行した場合にどのような画面構成で、エージェントにどのような動作や会話をさせ、ナビゲーション処理部10等のモジュールに対してどのような指示を出し、イベントを受けとった場合に次はどうするのか(どのシーンに移行するのか)を規定するデータがシーン毎にまとまってシナリオデータファイル302へ格納されている。
【0013】
本実施形態では、このように規格化されたシナリオデータにより、救急救命の知識に基づいて患者の状態情報を収集するための各種質問が緊急質問としてシナリオデータ化されている。
図2は、練習モードにおいてエージェントが、搭乗者情報を収集するための質問内容を表したものである。
この図2に示されるように、練習モードにおける各練習項目(事故や急病等)に共通して行う質問事項と、各練習項目毎の質問項目が決められている。すなわち、図2に示されるように、「急病」「事故」など練習の種類によらず質問するとして、例えば、「あなたのお名前をおしえてください」、「性別と年齢をおしえてください」、「血液型はわかりますか?」、「特定の薬やその他何かのアレルギーはありますか?」、「掛かりつけの病院はありますか?ありましたら主治医の名前も教えてください」、等がある。
また、「急病」の練習でする質問として例えば、「今病気をしていたり、持病をもっていたりしますか?」、「現在服用している薬品はありますか?」、等がある。
さらに、「事故」の練習でする質問として、「現在(事故前から)怪我をしていたり、障害等で体が不自由等の事はありますか?」等がある。
また、図示しないが、練習の種類として他に「災害」等があり、これら各練習の種類毎に質問事項が予め決められている。
【0014】
そして、これらの各質問事項に対するユーザの応答内容(キー入力の場合には各キーに割り当てられた回答内容、音声入力の場合には音声認識による認識結果)を取得し搭乗者情報として記憶される。
本実施形態において、これらの質問は練習モードが実行される毎に毎回質問し、常時最新のデータに更新されるようになっているが、取得済みのデータに対応する質問は省略し未取得データに対応する質問事項について質問するようにしてもよい。また、データ取得の有無にかかわらず毎回質問する質問事項と、未取得の場合にのみ質問する質問事項、定期的(n回毎、所定期間経過した場合毎)に質問する質問事項、等に分類してもよい。
なお、図2に示した質問事項は一例を表したものであり、実際には救急救命に必要とされる各種専門的な質問も規定されている。
【0015】
本実施形態では、緊急通報機能を実行するモードとして緊急通報モードと練習モードがある。緊急通報部21には、緊急通報スイッチと、練習モードスイッチが配置されており、いずれかのスイッチを選択することでモードが選択される。
緊急通報モードは、事故や搭乗者の健康上のトラブル、急病などが発生した場合に救援機関に実際に通報を行うモードである。
練習モードは、ユーザが緊急通報部の使用を模擬的に実行するためのモードである。
【0016】
図1において、外部I/F部12には、緊急通報部21と記憶媒体駆動装置23と通信制御装置24が接続され、画像処理部13には表示装置27及び撮像装置28が接続され、音声制御部14には音声出力装置25及びマイク(音声取得手段)26が接続され、状況情報処理部15には各種状況検出装置40が接続され、入力制御部16には入力装置22が接続されてる。
【0017】
各種状況検出装置40は、現在位置検出装置41と状況検出部42と緊急事態検出装置43を備えている。
現在位置検出装置41は、車両の絶対位置(緯度、経度による)等の現在地情報を検出するためのものであり、人工衛星を利用して車両の位置を測定するGPS(Global Positioning System)受信装置411と、方位センサ412と、舵角センサ413と、距離センサ414と、路上に配置されたビーコンからの位置情報を受信するビーコン受信装置415等が使用される。
GPS受信装置411とビーコン受信装置415は単独で位置測定が可能であるが、GPS受信装置411やビーコン受信装置415による受信が不可能な場所では、方位センサ412と距離センサ414の双方を用いた推測航法によって現在位置を検出するようになっている。
方位センサ412は、例えば、地磁気を検出して車両の方位を求める地磁気センサ、車両の回転角速度を検出しその角速度を積分して車両の方位を求めるガスレートジャイロや光ファイバジャイロ等のジャイロ、左右の車輪センサを配置しその出力パルス差(移動距離の差)により車両の旋回を検出することで方位の変位量を算出するようにした車輪センサ、等が使用される。
舵角センサ413は、ステアリングの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転抵抗ボリューム等を用いてステアリングの角度αを検出する。
距離センサ414は、例えば、車輪の回転数を検出して計数し、または加速度を検出して2回積分するもの等の各種の方法が使用される。
距離センサ414と舵角センサ413は運転操作状況検出手段としても機能する。緊急事態の模擬的な実行を提案する際に、前記現在位置検出装置41により検出された現在地情報を基に、例えば、車両が過密都市に居ると判断した場合、衝突事故の模擬的実行を提案する。
【0018】
状況検出部42は、運転操作の状況を検出する運転操作状況検出手段として機能するブレーキセンサ421、車速センサ422、方向指示器検出器423、シフトレバセンサ424、サイドブレーキ(パーキングブレーキ)センサ425を備えている。
また、状況検出部42は、機器操作の状況を検出する機器操作状況検出手段として機能するエアコン検出器427、ワイパ検出器428、オーディオ検出器429を備えている。
【0019】
ブレーキセンサ421は、フットブレーキが踏み込み状態か否かを検出する。
車速センサ422は、車速を検出する。
方向指示器検出器423は、運転者が方向指示器の操作中であるか否か、及び方向指示器が点滅中か否かを検出する。
シフトレバセンサ424は、運転者がシフトレバを操作中か否か、及びシフトレバ位置を検出する。
サイドブレーキ(パーキングブレーキ)センサ425は、運転者がサイドブレーキを操作中か否か、及びサイドブレーキの状態(オンかオフか)を検出する。
エアコン検出器427は、搭乗者がエアコンの各種スイッチ等を操作中か否かを検出する。
ワイパ検出器428は、運転者がワイパの操作中か否かを検出する。
オーディオ検出器429は、搭乗者がラジオ、CDプレーヤ、カセットプーヤー等のオーディオ機器を操作中か否か、及びオーディオ機器による音声が出力中か否かを検出する。
状況検出部42は、その他、機器操作状況検出手段として、ヘッドランプやルームランプ等のランプ類の操作状況を検出するライト検出センサ、運転席、又は助手席のシートベルト着脱操作を検出するシートベルト検出センサ、その他のセンサを備えている。
【0020】
緊急事態検出装置43は、ハザードスイッチセンサ431、衝突センサ432、赤外線センサ433、荷重センサ434、脈拍センサ435を備えている。
ハザードスイッチセンサ431は、ハザードスイッチのオン、オフ状態を検出し、状況情報処理部15に供給するようになっている。状況情報処理部15では、ハザードスイッチセンサ431からスイッチオン状態が所定時間t以上継続した場合に緊急事態信号をエージェント処理部11の状況判断部111に供給するようになっている。
衝突センサ432は、車両が衝突したことを検出するセンサである。衝突センサ432としては各種センサを使用可能であるが、本実施形態では、エアバックが発火したことを検出することで衝突を検出し、検出信号を状況情報処理部15に供給するようになっている。
赤外線センサ433は、体温を検出して車両内の搭乗者の有無、人数の少なくとも1つを検出する。
荷重センサ434は、車両内の各シート毎にに配置され、各荷重センサ434に係る荷重から搭乗者の有無、人数の少なくとも1つを検出する。
赤外線センサ433と荷重センサ434は搭乗者数検出手段として機能する。本実施形態では、赤外線センサ433と荷重センサ434の両者を備えており、両検出結果から車両内の人数を検出するようになっているが、一方を配置するようにしてもよい。
脈拍センサ435は、運転者の1分間当たりの脈拍数を検出するセンサである。このセンサは、例えば運転者の手首に装着し無線により脈拍数を送受信するようになっている。また、ハンドル内に装着するようにしてもよい。
【0021】
入力装置22は、搭乗者情報を入力する場合や、本実施形態によるエージェントのその他全ての問い合わせ等に対して搭乗者が応答するための1つの手段でもある。
入力装置22は、ナビゲーション処理における走行開始時の現在地(出発地点)や目的地(到達地点)、情報提供局へ渋滞情報等の情報の請求を発信したい車両の所定の走行環境(発信条件)、車内で使用される携帯電話のタイプ(型式)などを入力するためのものでもある。
入力装置22には、タッチパネル(スイッチとして機能)、キーボード、マウス、ライトペン、ジョイスティック、赤外線等によるリモコン、音声認識装置などの各種の装置が使用可能である。また、赤外線等を利用したリモコンと、リモコンから送信される各種信号を受信する受信部を備えてもよい。リモコンには、画面上に表示されたカーソルの移動操作等を行うジョイスティックの他、メニュー指定キー(ボタン)、テンキー等の各種キーが配置される。
入力制御部16は、入力装置22による入力内容に対応するデータを検出しエージェント処理部11やナビゲーション処理部10に供給する。入力制御部16は、入力操作中か否かを検出することで機器操作状況検出手段として機能する。
【0022】
緊急通報部21は、緊急通報スイッチを備えており、搭乗者によりこのスイッチがオンされると、救援機関との間で緊急の通信を確立する。
救援機関との通信は、電話回線、救急用の専用回線、インターネット等の各種通信回線の確立による。
本実施形態では、事故が発生した場合には衝突センサ432等により検出されて自動的に事故の発生を判断して緊急通報がされるので、緊急通報スイッチが押された場合には、急病による緊急事態と判断して緊急通報が行われるようになっている。
また、緊急通報部21は、練習モードスイッチも備えており、このスイッチがオンされると、ユーザに対して緊急通報スイッチがオンされた場合や緊急事態が検出された場合と同様に動作する。しかし、この場合、緊急通報部21は、救援機関との通信は確立せずに模擬的に緊急事態を再現する。
なお、本実施の形態では、緊急通報部21に緊急通報スイッチと練習モードスイッチを備え、ユーザが何れかを選択してオンするように構成したが、この他に例えば、入力装置22に専用ボタンやタッチパネルのキー配置などで緊急通報キーと練習キーを設けても良く、予め練習モードを指定できるようにし、緊急通報と練習モードを同一のボタンで起動できるようにしても良い。
また、緊急通報スイッチと練習モードスイッチは必ずしも運転席付近に設ける必要はなく、助手席や後部座席など必要と思われる個所に複数個設置することができる。
【0023】
記憶媒体駆動装置23は、ナビゲーション処理部10やエージェント処理部11が各種処理を行うためのコンピュータプログラムを外部の記憶媒体から読み込むのに使用される駆動装置である。記憶媒体に記録されているコンピュータプログラムには、各種のプログラムやデータ等が含まれる。
ここで、記憶媒体とは、コンピュータプログラムが記録される記憶媒体をいい、具体的には、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記憶媒体、メモリチップやICカード等の半導体記憶媒体、CD−ROMやMO、PD(相変化書換型光ディスク)等の光学的に情報が読み取られる記憶媒体、紙カードや紙テープ等を用いた記憶媒体、その他各種方法でコンピュータプログラムが記録される記憶媒体が含まれる。
【0024】
記憶媒体駆動装置23は、これらの各種記憶媒体からコンピュータプログラムを読み込む他に、記憶媒体がフロッピーディスクやICカード等のように書き込み可能な記憶媒体である場合には、ナビゲーション処理部10やエージェント処理部11のRAMや記憶装置29のデータ等をその記憶媒体に書き込むことが可能である。
例えば、ICカードにエージェント機能に関する学習内容(学習項目データ、応答データ)や搭乗者情報等のデータを記憶させ、他の車両に乗車する場合でもこれらを記憶させたICカードからデータを読み出させて使用することで、自分の過去の応対の状況に応じて学習した状態のエージェントとコミュニケーションすることが可能になる。これにより、車両毎のエージェントではなく、運転者毎もしくは搭乗者毎に固有な学習内容のエージェントを車両内に出現させることが可能になる。
【0025】
通信制御装置24は、各種無線通信機器からなる携帯電話が接続されるようになっている。通信制御装置24は、電話回線による通話の他、道路の混雑状況や交通規制等の交通情報に関するデータなどを提供する情報提供局との通信や、車内での通信カラオケのために使用するカラオケデータを提供する情報提供局との通信を行うことができるようになっている。また、通信制御装置24を介して、エージェント機能に関する学習データ等を送受信することも可能である。
本実施形態のエージェント処理部11では、通信制御装置24を介してシナリオが添付された電子メールを受信することができるようになっている。
また、エージェント処理部11は、インターネット上のホームページを表示するブラウザソフトを備えており、通信制御装置24を介してホームページからシナリオを含めたデータをダウンロードすることができるようになっている。
これにより、緊急通報の練習に関するシナリオを取得することも可能である。
なお、通信制御装置24は、携帯電話等の無線通信機能を内蔵するようにしてもよい。
【0026】
音声出力装置25は、車内に配置された1つ又は複数のスピーカで構成され、音声制御部14で制御された音声、例えば、音声による経路案内を行う場合の案内音声や、エージェントによる搭乗者との通常のコミュニケーション用の会話や本実施形態の搭乗者情報取得のための質問による音声や音が出力されるようになっている。
また、本実施形態では、緊急通報をした場合で運転者が緊急通報機関との応対ができない場合に、練習モードでユーザが行った学習済みの応答手順に従って、搭乗者情報に格納されている情報をエージェントが代行して通報するようになっている。この場合の通報時のやり取りを音声で行い、その音声が音声出力装置25から出力される。これにより、搭乗者は、確実に通報されいることが分かり、かつ、伝えている情報を把握することが可能となる。
この音声出力装置25は、オーディオ用のスピーカと兼用するようにしてもよい。
音声出力装置25と音声制御部14はエージェント処理部11と共に、搭乗者情報取得用の質問を行う質問手段として機能する。
【0027】
マイク26は、音声制御部14における音声認識の対象となる音声、例えば、ナビゲーション処理における目的地等の入力音声や、エージェントとの搭乗者の会話(搭乗者による応答を含む)等を入出力する音声入力手段として機能する。このマイク26は、搭乗者の音声を的確に収集するために指向性のある専用のマイクが使用される。
尚、音声出力装置25とマイク26とでハンズフリーユニットを形成させて、携帯電話を介さずに、電話通信における通話を行えるようにしてもよい。
マイク26と音声認識部142は、運転者が同乗者と会話中か否かを検出する会話検出手段として機能し、この場合のマイク26、音声認識部142は、車内の状況を検出する状況検出手段として機能する。すなわち、搭乗者の会話より、うめいている、悲鳴をあげている、会話がない等を検出し、自力で通報可能か否かの判断をすることも可能である。
また、マイク26と音声認識部142は、同乗者がいるか否かを会話から検出することで同乗者検出手段として機能し、更に、救急車両のサイレン音を認識して救急隊員が到着したことを認識する救急隊員到着検出手段として機能する。
【0028】
表示装置27には、ナビゲーション処理部10の処理による経路案内用の道路地図や各種画像情報が表示されたり、エージェント処理部11によるエージェントの各種行動(動画)が表示されたりするようになっている。また、撮像装置28で撮像された車両内外の画像も画像処理部13で処理された後に表示されるようになっている。
表示装置27では、本実施形態の救急質問シナリオに従って、救急隊員の容姿をした救急隊員エージェントが救急質問をする際に表示される複数の救急質問シーン画像や、質問が終了した後救急隊員が到着するまでの間表示される呼びかけシーン画像や、救急隊員に収集した患者の情報情報を告知する告知シーン画面などが表示されるようになっている。さらに、表示装置27は後述の提案手段により提案された項目を表示する表示手段として機能する。
表示装置27は、液晶表示装置、CRT等の各種表示装置が使用される。
なお、この表示装置27は、例えばタッチパネル等の、前記入力装置22としての機能を兼ね備えたものとすることができる。
【0029】
撮像装置28は、画像を撮像するためのCCD(電荷結合素子)を備えたカメラで構成されており、車両内を撮像する車内カメラの他、車両前方、後方、右側方、左側方を撮像する各車外カメラが配置されている。撮像装置28の各カメラにより撮像された画像は、画像処理部13に供給され、画像認識等の処理が行われる。
本実施形態では、車内カメラで撮像された車内の人の動きから搭乗者の状態(容態)を画像処理部13の画像処理結果から、エージェント処理部11で判断する。すなわち、搭乗者が自力で通報可能であるか否かや、自力行動が可能か否か等の搭乗者の状態(容態)を、動き(普通に動く、、動かない、痙攣している等)、姿勢(普通、のけぞっている、うずくまっている等)、その他(吐血、白目をむいている、泡を吹いている等)の判断基準から、エージェント処理部11で判断するようになっている。
また画像処理部13における各認識結果(同乗者の有無、運転者の認識等)をエージェントのコミュニケーションに反映させるようになっている。
【0030】
記憶装置29には本実施形態による各種エージェント機能やナビゲーション機能を実現するうえで必要な各種データ(プログラムを含む)として、エージェントデータ30とナビゲーションデータ31と車両情報32が格納されている。
この記憶装置29には、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、CD−ROM、光ディスク、磁気テープ、ICカード、光カード、DVD(digital versatile disc)等の各種記憶媒体と、その駆動装置が使用される。
この場合、例えば、学習項目データ304、応答データ305、搭乗者情報307を持ち運びが容易なICカードやフロッピーディスクで構成し、その他のデータをDVDやハードディスクで構成するというように、複数種類の異なる記憶媒体と駆動装置で構成し、駆動装置としてそれらの記憶媒体を用いるようにしてもよい。
【0031】
エージェントデータ30には、エージェントプログラム301、シナリオデータファイル302、音声データ303、学習項目データ304、音声データで構成される応答データ305、エージェントの容姿や行動を画像表示するための画像データ306、搭乗者情報307、その他のエージェントによる処理に必要な各種のデータが格納されている。
【0032】
エージェントプログラム301には、エージェント機能を実現するためのエージェント処理プログラムが格納されている。
例えば、各シナリオの起動条件を満たしたか否かを判断する条件判断処理、条件判断処理で起動条件を満たすと判断した場合に、当該起動条件に対応するシナリオを起動し、そのシナリオデータに従って前記エージェントに行為をさせるシナリオ実行処理、その他の各種処理を実行する処理プログラムが格納されている。
【0033】
学習項目データ304及び応答データ305は、搭乗者の応答等によってエージェントが学習した結果を格納するデータである。
従って、学習項目データ304と応答データ305は、各搭乗者毎にそのデータが格納・更新(学習)されるようになっている。
学習項目データ304には、例えば、イグニッションオンした通算回数や1日のオン回数、前5回の燃料給油時の燃料残量のデータ等のエージェントの学習対象となる項目が格納される。この学習項目データ304に格納された学習内容に従って、例えば、イグニッションオン回数に応じてエージェント出現時の挨拶内容が変化したり、燃料残量が前5回の燃料残量の平均値以下になった場合に、エージェントが給油の提案をする。
応答データ305には、エージェントの行為に対するユーザの応答の履歴が所定のシナリオ毎に格納される。応答データ305には、応答日時と応答内容が、各応答項目毎に所定回数分格納される。応答内容としては、無視された、拒絶された、受容(容認)された、等の各場合が音声認識や入力装置22の入力結果から判断され、格納される。また、緊急事態を模擬的に実行する練習モードにおいて、搭乗者が応答した手順が、応答データ305に格納されるようになっている。
【0034】
シナリオデータファイル302には、各状況、場面におけるエージェントの行為が規定されたシナリオのデータが格納されており、本実施形態の緊急通報時または緊急通報の模擬的実行時に起動される救急質問シナリオ(質問手段)も格納されている。本実施形態におけるシナリオデータファイル302はDVDに格納されている。
本実施形態の救急質問シナリオの場合には、各シーン毎に搭乗者の状態等に関する救急質問がされ、その質問に対する各回答が搭乗者情報307に格納されるようになっている。
【0035】
記憶装置29(図1)の音声データ303には、選択されたシナリオのシーンに従って、エージェントが搭乗者と会話等を行うための音声データが格納されている。エージェントによる会話の音声データは、本実施形態による、エージェントの救急質問の音声データも格納されている。
音声データ303の各データは、シーンデータのキャラクタ動作指示データにより指定される。
【0036】
画像データ306には、シナリオにより指定された各シーンで使用されるエージェントの状態を表す静止画像や、動作を表す動画(アニメーション)等が格納されている。例えば、エージェントがお辞儀をする動画、うなずく動画、右手を挙げる動画等が格納されている。これらの各静止画像や動画には画像コードが付けられている。
画像データ306に格納されるエージェントの容姿としては、人間(男性、女性)的な容姿である必要はない。例えば、非人間型のエージェントとして、タコや、ひよこ、犬、猫、カエル、ネズミ等の動物自体の容姿や、人間的に図案化(イラスト化)した動物の容姿であってもよく、更にロボット的な容姿や、フロアスタンドや木などの容姿や、特定のキャラクタの容姿等であってもよい。またエージェントの年齢としても一定である必要がなく、エージェントの学習機能として、最初は子供の容姿とし、時間の経過と共に成長していき容姿が変化していく(大人の容姿に変化し、更に老人の容姿に変化していく)ようにしてもよい。画像データ306には、これらの各種エージェントの容姿の画像が格納されており、運転者の好みによって入力装置22等から選択することができるようになっている。
【0037】
搭乗者情報307は、搭乗者に関する情報で、エージェントによる行為をより搭乗者の希望や趣味嗜好に合ったものとするため、また、緊急事態の模擬的な実行を提案する際に利用される。
図3は搭乗者情報307の構成を概念的に表したものである。
この図3に例示されるように、搭乗者情報307には、搭乗者のID(識別情報)、名前、生年月日、年齢、性別、結婚(既婚か未婚か)、子供(有無、人数、年齢)からなる搭乗者基礎データと、趣味嗜好データと、健康管理データと、緊急時の連絡先データが格納されるようになっている。
趣味嗜好データとしては、スポーツ、飲食、旅行等の大項目と、これら大項目の概念に含まれる詳細項目とから構成されている。例えば、大項目スポーツには、好きなサッカーチーム、好きな野球の球団、ゴルフに対する興味等の詳細なデータが格納されるようになっている。
健康管理データには、健康管理上のデータで、持病がある場合にその病名や症状、かかりつけの病院名等が格納され、模擬的な実行時の提案や、模擬的実行中の質問等に用いられる。このように、搭乗者の情報を記憶することをもって、本発明の搭乗者情報記憶手段とする。健康管理データに格納される各情報は、図2に示した質問事項に対応しており、各質問事項による質問に対する回答の内容が格納されるようになっている。図3に示した健康管理データは一例を示したものであり、図2の質問事項と同様に、更に詳細なデータを含めて質問され、その回答内容が格納されるようになっている。
本実施形態では、これらの搭乗者情報には優先順位が決められており、エージェントは、未だ格納されていない搭乗者情報のうち優先順位が高い順に搭乗者に質問をするようになっている。搭乗者基礎データは、趣味嗜好データよりも優先順位が高くなっている。なお、健康管理データの優先順位は無く、緊急通報の練習モードにおいて質問されるようになっている。
【0038】
搭乗者情報307は、搭乗者が複数存在する場合には、各搭乗者毎に作成される。そして、搭乗者を特定して該当する搭乗者情報が使用される。
搭乗者の特定は、例えば、イグニッションオン時に、全搭乗者に共通するエージェントが登場して搭乗者へ問い合わせをし、その回答から特定する。搭乗者の問い合わせは、入力済み搭乗者の氏名とその他を選択するボタンを表示装置に表示し、選択を促す音声を出力する。その他が選択された場合には新規ユーザ登録画面を表示する。
なお、体重、運転席(シート)の固定位置(前後位置、背もたれの角度)、ルームミラーの角度、視線の高さ、顔写真をデジタル化したデータ、音声の特徴パラメータ等の搭乗者固有の情報を少なくとも1つ搭乗者情報307に格納しておき、これらの情報から搭乗者を特定するようにしてもよい。
【0039】
ナビゲーションデータ31には、経路案内等で使用される各種データファイルとして、通信地域データファイル、描画地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、探索データファイル、写真データファイル等の各種データが格納されている。
【0040】
通信地域データファイルには、通信制御装置24に接続され又は無接続で車内において使用される携帯電話が、車内から通信できる地域を表示装置27に表示したり、その通信できる地域を経路探索の際に使用するための通信地域データが、携帯電話のタイプ別に格納されている。
描画地図データファイルには、表示装置27に描画される描画地図データが格納されている。この描画地図データは、階層化された地図、例えば最上位層から日本、関東地方、東京、神田といった階層ごとの地図データが格納されている。各階層の地図データは、それぞれ地図コードが付されている。
【0041】
交差点データファイルには、各交差点を特定する交差点番号、交差点名、交差点の座標(緯度と経度)、その交差点が始点や終点になっている道路の番号、および信号の有無などが交差点データとして格納されている。
ノードデータファイルには、各道路における各地点の座標を指定する緯度、経度などの情報からなるノードデータが格納されている。すなわち、このノードデータは、道路上の一地点に関するデータであり、ノード間を接続するものをアークと呼ぶと、複数のノード列のそれぞれの間をアークで接続することによって道路が表現される。
道路データファイルには、各道路を特定する道路番号、始点や終点となる交差点番号、同じ始点や終点を持つ道路の道路番号、道路の太さ、進入禁止等の禁止情報、後述の写真データの写真番号などが格納されている。
交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイルにそれぞれ格納された交差点データ、ノードデータ、道路データからなる道路網データは、経路探索に使用される。
【0042】
探索データファイルには、経路探索により生成された経路を構成する交差点列データ、ノード列データなどが格納されている。交差点列データは、交差点名、交差点番号、その交差点の特徴的風景を写した写真番号、曲がり角、距離等の情報からなる。また、ノード列データは、そのノードの位置を表す東経、北緯などの情報からなる。
写真データファイルには、各交差点や直進中に見える特徴的な風景等を撮影した写真が、その写真番号と対応してデジタル、アナログ、またはネガフィルムの形式で格納されている。
【0043】
次に、このように構成されたエージェント装置(緊急通報装置)による、緊急通報機能の詳細について説明する。
エージェント装置の緊急通報機能では、実際に緊急事態が発生した場合に緊急連絡を行う緊急通報モードの処理と、この緊急通報モードでの操作や対応を練習する練習モードの処理がある。そして、緊急通報モードでは、搭乗者が緊急通報機関との応答を行う通常通報モードと、意識が無い場合のように搭乗者が応答できない場合にエージェントが通報を代行する代行通報モードがある。
なお、練習モードで使用するインターフェース類は、練習効果を効率的にするため、緊急通報装置の実使用時と同一のインターフェース類を使用している。
【0044】
以下の説明では、エージェント装置の緊急通報機能による処理動作について、
(i)緊急通報モードにおける通常モードの処理動作、(ii)練習モードにおける処理動作、(iii)緊急通報モードにおける代行通報モードの処理動作、のそれぞれについて説明する。
【0045】
(i)緊急通報モードにおける処理動作
緊急通報モードでは、運転中に運転者や乗客などが病気になったり、走行中に崖崩れが発生した場合、衝突事故に遭遇した場合など、何らかの緊急事態が実際に発生し、救援機関に救助を求める場合である。
図4は、自動車と救援機関の関係を示した図で、(a)は自動車が救援機関と直接応答する場合を、(b)は自動車がセンターと応答し、センターが救援機関に連絡する場合を表したものである。
図4(a)において、自動車61は、本実施の形態のエージェント装置を搭載した車両である。救援機関63は、自動車61で何らかのトラブルが発生した場合に救援業務を行う機関であって、例えば、消防署、警察署、民間の救援機関などが該当する。
自動車61でトラブルが発生して運転者が緊急通報部21(図1)の緊急通報スイッチをオンするとエージェント処理部11が通信制御装置24と救援機関63の間で無線によって通信回線を確立する。緊急通報部21により確立される通信回線は、専用の通信回線のほか、電話回線を利用するようにしてもよい。
救援機関63は、エージェント装置からの通報を受けると、緊急事態の内容を通報者から確認し、必要に応じて救援隊を自動車61に派遣する。
【0046】
図4(b)に示した緊急通報ネットワークでは、エージェント装置を搭載した自動車61、センター62、救援機関63などから構成されている。この(b)の構成では、自動車61で緊急事態が発生して緊急通報スイッチが選択された場合、緊急通報はセンター62になされるようになっている。センター62では担当のオペレータが配属されており、搭乗者の対応をするようになっている。オペレータは搭乗者から必要な情報を聞き出すと、これを元に救援機関63に救援の依頼を行う。
【0047】
このように、本実施形態では、緊急通報モードにおいて自動車61の緊急通報部21からの通報先として、救援機関63に通報するようにシステムを構成する場合と、センター62に通報するように構成する場合があり、そのいずれを採用し、また、双方を採用したうえでいずれかに通報する用にしてもよい。
このようにシステムとして構成された通報先(救援機関62、センター63)に通報する場合のほか、本実施形態では、練習モードで取得した連絡先(自宅や知人、親戚等の電話、所定のメールアドレス)にも連絡するようにしてもよい。この場合の連絡先には、システムとしての通報先と共に併せて連絡してもよく、また、システムの通報先に代えて連絡するようにしてもよい。
【0048】
図5は、図4(a)のシステム構成において、緊急通報モードの通常モードにおいて、ユーザ、緊急通報装置(エージェント装置のエージェント処理部11)及び救援機関の各動作を表したフロー図である。
なお、この通常モードが実行される前に、後述するように通報を代行するか否かの判断が行われ、代行が必要ないと判断された場合に以下の通常モードが実行される。ここでは、練習モードの内容を理解し易くするために、通常モードの処理について先に説明する。
【0049】
何らかの緊急事態が発生した場合、運転者あるいは乗客(以下では運転者が操作を行うものとする)は緊急通報部21の緊急通報スイッチをオン(選択)する(ステップ11)。緊急通報スイッチがオンされると、エージェント装置は緊急通報モードでの動作を開始する。また、各種状況検出装置40により異常事態を検出(例えば、衝突センサ432により衝突を検出)し、エージェント処理部11が自動的に緊急通報モードでの動作を開始する場合もある。前述のように、車体緊急事態又は搭乗者の緊急事態の発生を検出することをもって、本発明の検出手段とする。
【0050】
すると、エージェント処理部11は、例えば、消防署、警察署、特定の民間の救援機関などと、各種トラブルに対応する救援機関を選択可能に表示装置27に表示する(ステップ12)。
なお、救援機関の代わりに、急病、事故、災害、などトラブルの種類を選択可能に表示しても良い。この場合、表示されるトラブルの種類は、例えば、急病の場合は消防署、事故の場合は警察署といったように、救援を求めるべき救援機関に対応付けておき、トラブルの種類が選択されると対応する救援機関が特定できるようにしておく。
【0051】
搭乗者は表示された救援機関の中から、トラブルの種類に対応する救援機関を判断して選択し、入力装置22から入力する(ステップ13)。
なお、救援機関の選択をエージェント処理部11が自動的に行うようにすることも可能である。この場合、エージェント処理部11は、各種状況検出装置40の検出信号からトラブルの種類を推測し、救援機関を特定する。例えば、車両の衝突を検出した場合には、警察署に通報し、エージェントによる「大丈夫ですか?」等の問いかけに対して、応答がない場合や救急車の要請に関連する応答が確認された場合には、さらに消防署に通報する。
あるいは、搭乗者からの入力を所定の時間だけ待ち、運転者からの入力がない場合に、救援機関を自動選択するように構成しても良い。これは、運転者の意識がある場合は搭乗者に選択してもらい、搭乗者が意識を失っている場合は、搭乗者の代わりにエージェント処理部11が選択するものである。
【0052】
次に、エージェント処理部11は、通信制御装置24を用いて選択された救援機関との通信回線を確立し、救援機関への通報を開始する(ステップ14)。
救援機関では、担当のオペレータが対応する。搭乗者はマイク26を用いてオペレータに対して話しかけることができ、音声出力装置25を用いてオペレータからの問いかけを聞くことができるようになっている。
オペレータが搭乗者に対して行う、トラブルの内容、怪我・病気の有無や現在位置の質問などの問合せは、通信回線を介して救援機関からエージェント装置に送信さる。そして、エージェント装置では、エージェント処理部11が音声出力装置25を用いてオペレータの問合せを車内放送する(ステップ15)。
【0053】
そして、エージェント処理部11は、オペレータの質問に対する、搭乗者による事故の内容や怪我の有無などの返答をマイク26により取得し、通信制御装置24を用いて救援機関に送信する(ステップ16)。
エージェント処理部11は、オペレータが必要な情報を得るまで上記ステップ15、16を繰り返す。
オペレータは、搭乗者から必要な情報を聞き出すと、救急隊に出動を指示すると共に(ステップ17)、搭乗者に対して救急隊が出動したことを報告する(ステップ18)。
【0054】
(ii)練習モードにおける処理動作
次に、本発明の練習手段である練習モードについて説明する。本発明の練習手段とは、緊急事態の発生に基づく、緊急連絡先への連絡通報を模擬的に実行することである。そして、練習モードにおいて、図2に示した各質問事項に対応する質問とその回答取得をすることで搭乗者情報をユーザの負担を少なくして自動的に取得するようにしたものである。
緊急通報モードでは、救援機関のオペレータが搭乗者との対応を行ったが、練習モードでは、エージェント処理部11が所定のシナリオ(救援機関のオペレータによる、搭乗者に対する対応を想定したシナリオ)に従って、オペレータの代わりに搭乗者に各種質問を行う。
【0055】
図6は、練習モードにおけるエージェント装置の動作を説明するための図である。一方、図7は、練習モード時に表示装置27に表示されるシーンの一例を表したものである。これらのシーンは練習シナリオに含まれているものである。
以下に図6、図7を用いながら説明する。
【0056】
まず、搭乗者は緊急通報部21の練習モードスイッチをオンして選択することにより練習モードを選択しする。搭乗者によって練習モードが選択されると、エージェント装置は練習モードを起動し、練習モードの動作を開始する(ステップ21)。このように、練習モードは搭乗者がエージェント装置に練習モードの実行を要請することにより起動する
図7(a)は、練習キーを選択する際に、エージェント処理部11が表示装置27に表示するシーン画面である選択画面の1例を示した図である。
選択画面では、エージェントが表示されると共にエージェントの吹き出しが「練習モードを立ち上げますか」などと表示される。更に、エージェント処理部11はエージェントの吹き出しと同じ内容を音声出力装置25から車内放送する。
このように搭乗者に確認を取ることにより、搭乗者は本番の緊急通報の動作との混同をすることなく安心して練習機能を利用できる。
【0057】
選択画面には、更に「はい」と「いいえ」が、例えば一方がハイライトや反転表示されるなど、何れが選択されているかが識別可能に表示されている。「はい」と「いいえ」の選択は、搭乗者が入力装置22から設定し、また音声により選択することができるようになっている。図示しないが搭乗者が入力装置22で確定ボタンを押すと、エージェント処理部11は選択を確定し、次の処理に移行する。
「はい」が選択された場合は、エージェント処理部11は、練習モードによる練習を開始し、「いいえ」が選択された場合は、練習モードを終了する。
図示しないが、「はい」が選択されると表示装置27にエージェントが表示されると共に、「練習モードが選択されました」との音声が車内放送され、エージェントが練習モードの開始を宣言する。
【0058】
図6に戻り、練習モードが選択されると、エージェント処理部11は、急病用、事故用などと想定するトラブルの内容を選択式に複数提案し、その項目を表示する(ステップ22)。
搭乗者が複数表示されたトラブルの内容から所望のものを選択すると、エージェント処理部11は、選択されたトラブルの内容を取得する(ステップ23)。
上記提案し、表示されたものの中から所望の項目を選択することをもって、本発明の項目選択手段とする。
そして、搭乗者が選択したトラブルの種類により、練習内容が急病用、事故用などというようにシナリオの各シーンが分岐するようになっている。
なお、トラブルの内容の代わりに救援機関を選択するように構成し、搭乗者が選択した救援機関を記憶することで、練習と同一の緊急事態が発生した場合には記憶した救援機関に緊急通報をするようにしても良い。
【0059】
図7(b)は、(a)の選択画面で「はい」が選択された場合に、エージェント処理部11が表示装置27に表示するシーン画面であるトラブル提案画面の1例を示した図である。
トラブル提案画面では、エージェントが「どのような状況を想定して練習しますか」という吹き出しと共に表示される。更に、エージェント処理部11はエージェントの吹き出しと同じ内容を音声出力装置25から車内放送する。
トラブル想定画面には、更に、「急病」、「事故」、「災害」などと、トラブルの内容が何れが選択されているかが識別可能に表示されている。トラブルの種類は運転者が入力装置22から設定できるようになっている。図示しないが運転者が入力装置22で確定ボタンを押すと、エージェント処理部11は選択を確定し、次の処理に移行する。
このように、搭乗者は、どのような状況にあるのか想定する状況を設定することができる。
また、ナビゲーションと連携して現在位置検出装置41より得られる情報を基に練習を行う地点により、その場所で起こりうる事故を提案することもできる。
このように現在位置装置41より、現在地の情報を検出することをもって、本発明の現在地情報検出手段とする。
車両の現在位置に応じた事項を想定して緊急事態の項目を提案する場合の例として、例えば、高低差のある場所の場合、転落、滑落などが考えられる。また、過密都市の場合は衝突が、広い空間がある場所ではスピードの出しすぎによるスピンなどが考えられる。
【0060】
図6に戻り、搭乗者がトラブル提案画面でトラブルの内容を選択すると、エージェント処理部11は、搭乗者に選択した内容でよいか再確認した後、緊急通報の選択を指示する。搭乗者はエージェント処理部11の指示に従い、緊急通報部21を起動する(ステップ24)。このように、練習モードでは救援機関への通報が禁止され、緊急通報スイッチをオンしても通報は行われない。
【0061】
図7(c)は、エージェント処理部11が搭乗者に選択したトラブルの内容で処理を進めて良いか否かを確認する場合に、表示装置27に表示するシーン画面である内容確認画面の1例を示した図である。
内容確認画面では、エージェントが「事故を想定した練習モードを開始します。よろしいですか」という吹き出しと共に表示される。
更に、エージェント処理部11はエージェントの吹き出しと同じ内容を音声出力装置25から車内放送する。
【0062】
選択画面には、更に「はい」と「いいえ」が、例えば一方がハイライトされるなど、何れが選択されているかが識別可能に表示されている。「はい」と「いいえ」の選択は、搭乗者が入力装置22から設定できるようになっている。図示しないが搭乗者が入力装置22で確定ボタンを押すと、エージェント処理部11は選択を確定し、次の処理に移行する。
「はい」が選択された場合は、エージェント処理部11は、選択したトラブルの内容で処理を進め、「いいえ」が選択された場合は、トラブル選択画面を再表示し、搭乗者に再度の選択を促す。
【0063】
図7(d)は、エージェント処理部11が搭乗者に緊急通報装置の起動を指示するシーン画面である起動指示画面の1例を示した図である。
起動指示画面では、エージェントが「練習モードを開始しました。通常通り緊急通報装置を起動してください」という吹き出しと共に表示される。
更に、エージェント処理部11はエージェントの吹き出しと同じ内容を音声出力装置25から車内放送する。
このように、練習モードの開始を確認した後、通常どおり緊急通報部21の起動ボタン、即ち緊急通報スイッチを押す。
【0064】
図6に戻り、搭乗者が緊急通報部21を緊急通報スイッチをオンして起動すると、エージェント処理部11は、例えば、「どうされましたか」とか、「けが人はいますか」などと事故の内容や、怪我の有無、現在位置、更に、図2に例示した救急医療に必要な質問事項などの、救援機関のオペレータの質問を模した音声を音声出力装置25から出力する(ステップ25)。上記救援機関のオペレータの質問等、緊急事態を想定した1又は複数の質問を出力することで、本発明の質問手段とする。また、質問に合わせて表示装置27にエージェントを吹き出しと共に表示する。
図7(e)は、エージェント処理部11が搭乗者が緊急通報部21を起動した後に表示するシーン画面である質問画面の1例を示した図である。なお、この画面は事故がおきたことを想定したものである。
質問画面では、エージェントが「どうしましたか」などといった吹き出しと共に表示される。更に、エージェント処理部11はエージェントの吹き出しと同じ内容を音声出力装置25から車内放送する。
なお、予め想定される緊急事態の内容をリスト表示し、その中から該当する緊急状態を選択するようにしてもよい。もちろん、このリスト表示からの選択と音声による返答(緊急事態の内容を説明する返答)を併用するようにしてもよい。
【0065】
音声出力装置25から車内放送されたエージェントからの質問に対して搭乗者は、「発作がおきました」とか、「ガードレールにぶつかりました」などと返答する。また、エージェント処理部11は、図2に例示した「血液型は分かりますか?」、「今、病気をしていたり持病をもっていますか?」等の、通報時に救援機関から搭乗者に対して聞かれるであろう項目の質問も順次行い、これに対してユーザは「血液型はBです。」、「心筋梗塞があります」等の回答を行う。
エージェント処理部11は、各質問に対するユーザの応答手順を応答データ305に格納すると共に、各質問に対する搭乗者の回答内容をRAMの所定領域にに一時記憶する(ステップ26)。
この質問に対する返答をもって、本発明の返答受領手段とする。緊急通報部21は、マイク26から搭乗者の声を検出し、搭乗者が質問に答え終わると次の質問を行うようになっている。
【0066】
そしてエージェント処理部11は、トラブル内容に対する全ての質問が終了したか判断し(ステップ27)、まだ質問がのこっていれば(;N)、ステップ25に戻り次の質問を行う。
一方、全ての質問が完了したら(ステップ27;Y)、エージェント処理部11は、音声出力装置25や表示装置27から練習が終了したことを搭乗者に報告し、返答受領手段に格納された返答を基に、実際時のアドバイス、例えば、声が小さく聞きとりづらかった場合、「もっと大きな声で答えてください。」というメッセージを出力するなどの評価を行う(ステップ28)。上記実際時のアドバイスなどをすることをもって、本発明の練習評価手段とする。
なお、本実施形態では、練習が終了した後に、練習における応答に対するアドバイスを行うようにしたが、各質問に対する搭乗者の応答毎にアドバイスを行うようにしてもよい。
また、評価については各質問の終了から返答までの時間を計測し、返答時間の長短を、望ましい返答時間との比較において伝えることで、練習評価の1指標とするようにしてもよい。望ましい返答時間は、質問内容毎に設定し、各質問毎に返答時間の長短をグラフ表示することで評価するようにし、また、平均返答時間の長短により評価するようにしてもよく、これら両者を採用してもよい。
また、練習の開始から終了までの平均的な対応時間を各緊急事態毎に予め設定しておき、計測した練習開始から終了までの時間の長短を使用して評価するようにしてもよい。
【0067】
図7(f)は、練習を終了する際に、エージェント処理部11が表示するシーン画面である終了画面の1例を示した図である。
終了画面では、エージェントが「お疲れ様でした」などといった音声を出力すると共に、吹き出しに表示される。更に、練習モードにおける対応についての評価を音声と吹き出しにより出力する。なお、練習モード終了の報告と評価は別シーンとして表示、音声出力するようにしてもよい。
このように、練習モード上で想定する状況下と同様の緊急通報部21の使用方法を模擬的に実行し体験することができる。上記緊急通報装置の使用法を模擬的に実行する一連の処理をもって、本発明の練習手段とする。また、この緊急通報の模擬な実行の結果を応答データ305に格納することをもって、本発明の結果記憶手段とする。
【0068】
練習モードの評価をした後エージェント処理部11は、図7(f)に示されるように、ステップ26でRAMに格納した回答内容(各質問に対応して取得した回答)をリスト表示する。このリストでは、取得した回答と、その回答に対する質問事項が表示される。また、各質問毎にチェック欄が表示され、リストを表示した当所には全てのチェック欄にチェックがつけられている。
そして、エージェント処理部11は、例えば、「次の搭乗者情報を取得しました。登録しないデータのチェックをはずしてください。」と音声出力と吹き出し表示を行うことで、練習モードで取得した回答を搭乗者情報307に格納してよいか確認を行う(ステップ29)。
【0069】
搭乗者は、回答内容のうち実際の自分の状況(疾患・持病、係り付けの病院等)と異なる情報については、チェック欄のチェックをはずすことで、正確な情報をエージェント処理部11に伝えることができる。
エージェント処理部11は、搭乗者により確認された搭乗者情報(チェック欄にチェックが付いている質問事項と回答)をRAMから読み取り、情報を取得した日時(情報更新日時)と共に搭乗者情報307に格納し(ステップ30)、処理を終了する。前述のように、練習手段に基づく搭乗者の実行結果を搭乗者情報として記憶することをもって、搭乗者情報記憶手段とする。
このようにして練習モードにおいて、質問に対する回答から、名前、性別、年齢、血液型、疾患・持病の有無、服用している薬の有無・その種類・薬品名、アレルギーの有無、怪我の有無(事故前からの怪我)、障害の有無、かかりつけの病院、主治医、等の搭乗者情報を容易に取得することができる。
なお、説明した実施形態では、練習終了の報告(ステップ28)、練習の評価(ステップ28)、搭乗者情報の確認(ステップ30)の順に行う場合について説明したが、この3つの処理は他の順番とすることも可能である。
【0070】
(iii)緊急通報モードにおける代行通報モードの処理動作
この代行通信モードでは、実際に緊急事態が発生したにも関わらずユーザからの反応が得られない場合、緊急通報装置が自動的に起動、緊急通報を代行し、過去の練習から学習(緊急時の応答手順や回答内容)した結果を利用して、搭乗者情報を搭乗者に変わって救援機関に提供するモードである。
【0071】
図8は、代行通報モードの処理動作を表したフローチャートであり、本発明の搭乗者情報伝達手段を形成する。
搭乗者伝達手段とは、検出手段により緊急事態の発生が検出された場合、緊急通報先へ搭乗者情報記憶手段により記憶された搭乗者情報を伝達することであり、具体的に下記に記す。
エージェント処理部11は、各種状況検出装置や緊急通報装置などの状態から緊急事態の発生を検出している(ステップ40)。
すなわち、エージェント処理部11は、衝突センサなどによるエアバッグの作動や、緊急通報装置21の緊急通報スイッチが搭乗者によりオンされたか否か、車内カメラ(撮像装置28)で撮像した車内の人の動き等により、緊急事態の検出を行う。
【0072】
また、エージェント処理部11は、緊急事態をナビゲーション装置(ナビゲーション処理部11)との連携により検出するようにしてもよい。
例えば、ナビゲーションデータに格納された地図より、自車位置が直線道路等の蛇行が必要のない条件下において、不自然な蛇行をして手いることを舵角センサ413で検知した場合、通報するか否か、緊急事態が発生していないかを問いかけて、その回答から緊急事態か否かを判断する。不自然な蛇行か否かは、例えば、所定時間内での蛇行回数や蛇行周期などから判断することができる。
また、現在位置検出装置を用いて、本来停止しないはずの場所を検出した場合に緊急事態を検出するようにしてもよい。例えば、高速道路上での停車、通常の停車場所(一般車道での渋滞、信号待ち、駐車場、目的地、立ち寄り地点に設定された場所)以外での停車などを検知し、通報するか否かを問いかける。
【0073】
なお、緊急事態の検出については、以上の各方法を併用するようにしてもよい。例えば、衝突センサ432で、強(エアバッグが作動)、弱(作動せず)の衝撃を検出できる場合、強では直ちに緊急事態と判断するが、弱の場合には車内カメラによる画像処理を開始することで緊急事態か否かを判断する。
また、本来停止しないはずの場所での停止がされた場合、ハザードスイッチセンサ431が所定時間以上オンされていることを検出した場合に緊急事態と判断するようにしてもよい。
【0074】
緊急事態のを検出するとエージェント処理部11は、通報を代行するか否かについて判断する(ステップ41)。
すなわち、エージェント処理部11は、撮像装置28の車内カメラで撮像した画像の画像処理によって、車内の人の動きから状態(容態)を画像処理によって検知する。例えば、通報が自力で可能であるか否か、自力行動が可能どうか、といった状態(容態)を判断する。その判断基準としては、動き(普通に動く、動かない、痙攣している、など)、姿勢(普通、のけぞっている、うずくまっている、など)、その他(吐血、白目をむいている、泡を吹いている、など)による。
また、エージェント処理部11は、エージェントの会話機能により、通報者に代理通報をするか否かを選択できる機会を提供するようにしてもよい。例えば、通報者に異常が感じられる場合、エージェント処理部11は「通報できますか?」や「代理通報が必要ですか?」などと質問し、その回答から代行通報をするか、通常モードにするかを検出する。
また、動くことは可能であるが、うまく会話(通報機関とのあいだでの対話、対応)が出来ないと搭乗者が自信が判断した場合、搭乗者は緊急通報スイッチを押すことが可能であり、この場合通報の代行が必要であると判断し、エージェント処理部11は代理通報を行う。前述のように、検出手段で緊急事態の発生を検出した場合に、搭乗者が緊急通報先との応答を行う事が可能か否かを判断することをもって、本発明の応答可否判断手段とする。
【0075】
以上の通報代行判断により、通報の代行が不要と判断した場合(ステップ41;N)、エージェント処理部11は図5で説明した通常モードの処理を行う(ステップ42)。
一方、通報の代行が必要と判断した場合には(ステップ41;Y)、緊急事態の状況、すなわち、緊急事態の種類(事故、急病、災害等)や搭乗者数、搭乗者が誰か等を判断する(ステップ43)。
緊急事態の種類は、例えば、車内カメラ、脈拍計、赤外線センサ、衝突センサなど、各種センサを用いて、緊急事態の状況が、事故か、急病かを判断する。
すなわち、衝突センサ(エアバッグ検出センサ)が作動した場合事故と判断する。車内カメラによる画像処理結果や、脈拍センサ435の検出値から搭乗者の異常を検出した場合には急病と判断する。
また、事故の場合には衝突センサ432により衝撃を検出して自動的に緊急通報がされるので、搭乗者の操作により緊急スイッチがオンされた場合には急病と判断する。
また、ステップ40において、ナビゲーション装置との連携により緊急事態を検出した場合には、急病と判断する。
なお、事故とけが人の場合のように緊急事態の状態として必ずしも1つに特定する必要はなく、複数の状態も検出するようにする。とくに、衝突センサ432等により事故と判断した場合には、搭乗者がけがをしている場合もあるので、必ず車内カメラによる画像処理や音声による状況の確認質問を行い、回答内容におうじて急病(けが)と判断する。
また、事故や急病の内容について、より詳細な状況をできるだけ検出しておくようにする。例えば、事故の場合、衝突による事故、転倒による事故、転落による事故等、また、急病の場合、意識の有無、体温の低下(赤外線センサによる体温の測定による)、けいれん等の詳細な状況も検出する。
【0076】
搭乗者の人数の検出は、車内カメラ、荷重センサ、赤外線センサ等のいずれか1以上の使用により検出する。
車内カメラの場合、車内の人の有無を画像処理によって検知する。
荷重センサ434の場合、荷重の検出値から各シートに人がいるかいなかを判断し、人数ユーザを特定する。
赤外線センサ433の場合、体温を検知して、車内の人の人数を検知する。
また、「ほかに同乗者はいますか?」といった人数確認質問をすることで、その回答から人数を検出してもよい。なお、同乗者を特定する質問をすることで、同乗者の個人情報(搭乗者情報)を特定し、特定された場合には同乗者の個人情報も通報対象とすることができる。
このように、当事者人数の確認により、適確な救援車両の数や救援者の人数が救援機関に送信でき、かつ、当事者が検出できない場合の通報装置の誤作動などを防ぐことが可能である。
【0077】
次にエージェント処理部11は、緊急事態の状況に応じた連絡先を選択し(ステップ44)、選択した連絡先への通報を代行する(ステップ45)。
すなわち、緊急状態いの状況が急病(けがを含む)の場合には119番(救急機関、消防署)に通報し、事故の場合には110番(警察)に通報する。
なお、緊急通報を図4(b)に示したセンタ(緊急通報サービス機関)を介して行う場合には、当該センタに通報する。
また、その他の通報先(連絡先)として、自宅や会社等がある。これらは、練習モードにおいて、事故、急病等の場合に対応して取得した情報の送信先である。これら自宅等の通報先が搭乗者情報307に格納されている場合には、緊急事態の状況に応じて、その連絡先にも通報を行う。
【0078】
次にエージェント処理部11は、練習モードにおいて搭乗者情報307に格納済みの各種情報を、通報先に送信する(ステップ46)。
搭乗者情報の送信は、状況検出(ステップ43)によって、緊急事態の状況が検出されているので、事故が検出された場合、事故のときの情報を送信し、急病が検出された場合、急病時の情報を送信する。
ともに、練習時に事故、急病の時の情報送信先を格納しているので、それに対応した通報先に情報を送信する。また、一つの通報先だけでなく、複数の通報先に同時に情報を送信することも可能である。
通報内容は記憶した搭乗者情報307を反映して通報を行う。また、搭乗者情報に関して学習が十分でなかった場合、学習した情報のみを通報する。
【0079】
なお、搭乗者が実際に対応した手順が、練習モードにおける各練習項目毎に応答データ305に格納されている。従って、ナビゲーション処理部11は、通報を代行する際に、ステップ43で判断した緊急事態の状況に対応した練習モードで格納した応答データ305による手順に従って通報を代行する。これにより、ユーザは緊急通報装置を操作できない状態に陥ったとしても、自身の望む手順で自動的にその緊急通報装置の効果を得ることができる。
【0080】
図9は、通報代行時に通報される内容を表したものである。
この図9に示されるように、通報者名、事故が発生した時間、事故が発生した場所、搭乗者情報、通報理由、状態、その他の情報を通報する
すなわち、通報者として、装置が代行で通報している旨、又は搭乗者が通報している旨を通報する。
事故が発生した時間は、ナビゲーション装置(ナビゲーション処理部11)から取得する。なお、エージェント処理部11が緊急事態発生時の時刻を検出し、その時刻を通報するようにしてもよい。
事故が発生した場所は、ナビゲーション処理部11から現在位置検出装置で検出した事故発生場所の現在位置を取得する。
搭乗者情報は、搭乗者情報307から取得する。
通報の理由としては、事故に遭遇した、急病になった、等の理由を送信する。
状態としては、ステップ43で検出した車両や搭乗者についての現在の状態を送信する。例えば、事故の場合には車の状態(停車中、衝突、転落など)、急病の場合には搭乗者の状態(意識の有無、動作の有無、体温の低下など)について、送信する。
【0081】
図9に示した内容に従って搭乗者情報を通報する場合、エージェント処理部11は、通報先からの問い合わせ内容(音声)、及び、緊急通報装置からの通報内容を音声で出力する。このように、通報時のやり取り(通報先と緊急通報装置間の応答内容)を音声で行い、その音声を車内スピーカより出力することにより、搭乗者は確実に通報されいることが分かり、かつ、伝えている情報を把握することが可能となる。前述のように、緊急通報先への伝達した搭乗者情報を車両内で音声出力することをもって、本発明の音声出力手段とする。
【0082】
以上説明したように、本実施形態の緊急通報装置によれば、練習モードを搭載し、搭乗者が緊急事態に遭遇した場合の対応を模擬的な実行を通して体験できるので、実際の緊急時に的確、かつ冷静に緊急通報装置を使用することが可能となる。また、緊急通報を模擬的に実行することにより、実際の緊急時に装置の存在を忘れてしまうことを防ぐことも可能となる。
また、練習モードにおいて、緊急通報時に通報が必要な搭乗者の各種情報が自動的に取得し記憶しているので、ユーザは自分の情報を別途入力するする作業を省略することができる。
まら、練習モードで搭乗者の情報を記憶しておくため、実際の緊急事態時に、搭乗者の意識がない場合、記憶された情報を基に通報することが出来る。
【0083】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、各請求項に記載した範囲内で適宜変更、変形することが可能である。
例えば、代行通報を行う際には通報先との間で音声による応答を行うこととしたが、練習モードで取得した緊急事態に対応する搭乗者情報のデータを一括して通報先に送信するようにしてもよい。この場合には、どういったデータを送信したかを車両内に音声で出力するようにしてもよい。これにより、搭乗者に通報が確実に行われていることを認識させ、安心させることができる。
通報先には、音声とデータとの双方を送信するようにしてもよい。すなわち、通報先に対して搭乗者情報を使用して音声により応答するとともに、搭乗者情報の緊急事態に対応する内容を一括してデータ送信する。
【0084】
また、緊急通報先として、110番や会社や自宅など通報先とした場合、搭乗者情報のデータ受信が出来ない場合がある。その場合、データを書式化して、ファクシミリにより送信してもよい。また、搭乗者情報のデータを音声化して、通常の電話回線で、音声で伝えるようにしてもよい。
【0085】
説明した実施形態では、練習モードはユーザが選択した場合に実行される場合について説明したが、エージェント処理部11が取得済みの搭乗者情報や、未練習の項目を判断し、練習項目の変更を勧めたり、練習モードの実行を促したりするように提案してもよい(緊急事態に相当する項目を提案する提案手段)。
すなわち、ユーザが過去にどのような練習を行ったか、現在足りない搭乗者情報は何かなどをエージェント処理部11が管理し、ユーザに「おすすめ」の練習を促すことで、より効率的に足りない搭乗者情報を取得できる。例えば、練習済みの急病が選択された場合、「事故の場合の練習をまだしていませんので、こちらをおすすめします」と提案し、また、練習モードを全くしていない場合や一定期間経過した場合に、「緊急事態が発生した場合の対応を練習する練習モードがあります。実行してみませんか?」との提案を行うようにする。
【0086】
エージェント処理部11は、搭乗者情報307の内容を管理することで、今している「病気」「怪我」などの情報を普段の会話(エージェントとユーザとのコミュニケーションで、シナリオにしたがって実行する)から更新するようにしてもよい。例えば、エージェント処理部11は、「そういえば、この前の怪我(病気)は、なおりましたか?」と言うように問い合わせを行い、回答内容からデータを更新する。
またエージェント処理部11は、、ユーザとの会話から掛かりつけの病院に変化があったと判断した場合、ユーザに学習した情報を更新するか問い合わせを行い、回答に応じてデータ更新を行うようにしてもよい。例えば、「最近、以前と違う病院に行きますね。病院が変ったのですか?(そうだったら、)緊急通報を代理するときのあなたの情報を更新してもいいですか?」等の問い合わせを行う。かかりつけの病院か否かは、ナビゲーション処理における目的地の設定や、車両停止した位置から判断することができる。
また、エージェント処理部11は、ユーザの年齢も、誕生日を過ぎた時点で自動的に更新するようにしてもよい。
【0087】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、練習モードスイッチで練習モードが選択された場合に、該選択された練習モードに対応したシナリオに従って、救援機関のオペレータの質問等の緊急事態を想定した複数の質問を出力し、該質問に対応する返答を搭乗者情報として記憶するので、緊急時に自動通報の対象となる搭乗者情報を容易に収集することができる。
請求項に記載の発明によれば、練習モードスイッチで練習モードが選択された場合に、救援機関のオペレータの質問等の緊急事態を想定した質問であって、持病がある場合の病名等の健康管理上のデータに対応する複数の質問を出力し、該質問に対応する返答を搭乗者情報として記憶するので、緊急時に自動通報の対象となる搭乗者情報を容易に収集することができる。
請求項に記載の発明によれば、緊急通報時に搭乗者が応答できない場合であっても、搭乗者の情報を代行して通報することができる。
請求項に記載の発明によれば、返答と応答の手順を記憶し、記憶された手順に従って搭乗者情報を伝達するので、ユーザが緊急通報装置を操作できない状態に陥ったとしても、ユーザの望む手順で自動的に搭乗者情報を伝達することができる。
請求項に記載の発明によれば、緊急通報先への応答内容を、車両で音声出力する音声出力手段を備えるので、搭乗者の情報を代行して通報する場合、通報時の応答内容を搭乗者が確認することができ、搭乗者に安心感を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における緊急通報装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態の練習モードにおける質問の内容を表した説明図である。
【図3】同上、緊急通報装置における運転者情報の構成を概念的に表した説明図である。
【図4】同上、自動車と救援機関の関係を示した図である。
【図5】同上、急通報モードの通常モードにおいて、ユーザ、緊急通報装置及び救援機関の各動作を表したフロー図である。
【図6】同上、練習モードにおけるエージェント装置の動作を説明するための図である。
【図7】同上、練習モード時に表示装置に表示されるシーンの一例を表したものである。
【図8】同上、代行通報モードの処理動作を表したフローチャートである。
【図9】同上、通報代行時に通報される内容を表した説明図である。
【符号の説明】
9 全体処理部
10 ナビゲーション処理部
11 エージェント処理部
12 外部I/F部
13 画像処理部
14 音声制御部
15 状況情報処理部
16 入力制御部
17 記憶装置制御部
21 緊急通報装置
22 入力装置
24 通信制御装置
25 音声出力装置
26 マイク
27 表示装置
28 撮像装置
29 記憶装置
30 エージェントデータ
31 ナビゲーションデータ
32 車両情報
40 各種状況検出装置
41 現在位置検出装置
42 状況検出部
43 緊急事態検出装置

Claims (5)

  1. 車両の緊急事態時に緊急事態情報を通報する緊急通報モードと、この緊急通報モードでの操作や対応を練習する練習モードを備えた緊急通報装置であって、
    各状況におけるエージェントの行動が、各状況毎に規定された複数のシナリオを記憶するシナリオ記憶手段と、
    前記練習モードを選択する練習モードスイッチと、
    前記練習モードスイッチで練習モードが選択された場合に、該選択された練習モードに対応した前記シナリオに従って、救援機関のオペレータの質問等の緊急事態を想定した複数の質問を出力する質問手段と、
    前記質問手段による質問に対応する返答を受領する返答受領手段と、
    前記受領した返答を搭乗者情報として記憶する搭乗者情報記憶手段と、
    車体緊急事態又は搭乗者の緊急事態の発生を検出する検出手段と、
    前記検出手段により緊急事態の発生が検出された場合、緊急通報先へ前記搭乗者情報記憶手段により記憶された搭乗者情報を伝達する搭乗者情報伝達手段と、
    を備えることを特徴とする緊急通報装置。
  2. 車両の緊急事態時に緊急事態情報を通報する緊急通報モードと、この緊急通報モードでの操作や対応を練習する練習モードを備えた緊急通報装置であって、
    前記練習モードを選択する練習モードスイッチと、
    前記練習モードスイッチで練習モードが選択された場合に、救援機関のオペレータの質問等の緊急事態を想定した質問であって、持病がある場合の病名等の健康管理上のデータに対応する複数の質問を出力する質問手段と、
    前記質問手段による質問に対応する返答を受領する返答受領手段と、
    前記受領した返答を搭乗者情報として記憶する搭乗者情報記憶手段と、
    車体緊急事態又は搭乗者の緊急事態の発生を検出する検出手段と、
    前記検出手段により緊急事態の発生が検出された場合、緊急通報先へ前記搭乗者情報記憶手段により記憶された搭乗者情報を伝達する搭乗者情報伝達手段と、
    を備えることを特徴とする緊急通報装置。
  3. 車両の緊急事態時に緊急事態情報を通報する緊急通報モードと、この緊急通報モードでの操作や対応を練習する練習モードを備えた緊急通報装置であって、
    前記練習モードを選択する練習モードスイッチと、
    前記練習モードスイッチで練習モードが選択された場合に、救援機関のオペレータの質問等の緊急事態を想定した1又は複数の質問を出力する質問手段と、
    前記質問手段による質問に対応する返答を受領する返答受領手段と、
    前記受領した返答を搭乗者情報として記憶する搭乗者情報記憶手段と、
    車体緊急事態又は搭乗者の緊急事態の発生を検出する検出手段と、
    前記検出手段により緊急事態の発生が検出された場合、緊急通報先へ前記搭乗者情報記憶手段により記憶された搭乗者情報を伝達する搭乗者情報伝達手段と、
    前記検出手段で緊急事態の発生を検出した場合に、搭乗者が緊急通報先との応答を行う事が可能か否かを判断する応答可否判断手段を備え、
    前記搭乗者情報伝達手段は、応答可否判断手段で、搭乗者が応答不可能と判断された場合に、搭乗者情報の伝達を行う
    ことを特徴とする緊急通報装置。
  4. 前記搭乗者情報記憶手段は、前記返答と応答の手順を記憶し、
    前記搭乗者情報伝達手段は、前記記憶された手順に従って搭乗者情報を伝達する、
    ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の緊急通報装置。
  5. 前記搭乗者情報伝達手段は、緊急通報先へ伝達した搭乗者情報を、車両内で音声出力する音声出力手段を備える
    ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4に記載の緊急通報装置。
JP2002081983A 2001-12-26 2002-03-22 緊急通報装置 Expired - Fee Related JP3907509B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002081983A JP3907509B2 (ja) 2002-03-22 2002-03-22 緊急通報装置
US10/328,021 US7044742B2 (en) 2001-12-26 2002-12-26 Emergency reporting apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002081983A JP3907509B2 (ja) 2002-03-22 2002-03-22 緊急通報装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003281652A JP2003281652A (ja) 2003-10-03
JP3907509B2 true JP3907509B2 (ja) 2007-04-18

Family

ID=29230394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002081983A Expired - Fee Related JP3907509B2 (ja) 2001-12-26 2002-03-22 緊急通報装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3907509B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4586566B2 (ja) * 2005-02-22 2010-11-24 トヨタ自動車株式会社 音声対話システム
US9171454B2 (en) 2007-11-14 2015-10-27 Microsoft Technology Licensing, Llc Magic wand
US8952894B2 (en) 2008-05-12 2015-02-10 Microsoft Technology Licensing, Llc Computer vision-based multi-touch sensing using infrared lasers
US20100031202A1 (en) * 2008-08-04 2010-02-04 Microsoft Corporation User-defined gesture set for surface computing
US8847739B2 (en) 2008-08-04 2014-09-30 Microsoft Corporation Fusing RFID and vision for surface object tracking
JP6150258B2 (ja) * 2014-01-15 2017-06-21 みこらった株式会社 自動運転車
JP6331751B2 (ja) * 2014-06-23 2018-05-30 株式会社デンソー ドライバの運転不能状態検出装置
KR20170056337A (ko) 2015-11-13 2017-05-23 현대자동차주식회사 차량 및 그 제어 방법
KR102137213B1 (ko) 2015-11-16 2020-08-13 삼성전자 주식회사 자율 주행을 위한 모델 학습 장치 및 방법과 자율 주행 장치
JP6573945B2 (ja) * 2017-10-12 2019-09-11 みこらった株式会社 自動運転車
JP6869165B2 (ja) * 2017-11-07 2021-05-12 三菱電機株式会社 緊急停車判定装置、サーバ、および緊急停車判定用プログラム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3659431B2 (ja) * 1995-10-26 2005-06-15 ホーチキ株式会社 防災システム
JP3233033B2 (ja) * 1996-08-07 2001-11-26 トヨタ自動車株式会社 車両用事故対処装置
JP2000235687A (ja) * 1999-02-17 2000-08-29 Toyota Motor Corp 緊急通報装置及び緊急通報方法
JP4193300B2 (ja) * 1999-08-17 2008-12-10 株式会社エクォス・リサーチ エージェント装置
JP4186356B2 (ja) * 1999-11-30 2008-11-26 株式会社デンソー 車両用緊急通報装置及び車両の緊急通報方法
JP3812303B2 (ja) * 2000-08-07 2006-08-23 株式会社デンソー 緊急時対応システム及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003281652A (ja) 2003-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7044742B2 (en) Emergency reporting apparatus
JP4936094B2 (ja) エージェント装置
JP7288911B2 (ja) 情報処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム
JP5019145B2 (ja) 運転者情報収集装置
JP4258585B2 (ja) 目的地設定装置
WO2020100539A1 (ja) 情報処理装置、移動装置、および方法、並びにプログラム
JP4371057B2 (ja) 車両用エージェント装置、エージェントシステム及びエージェント制御方法
JP4193300B2 (ja) エージェント装置
KR20200030049A (ko) 차량 제어 디바이스 및 차량 제어 방법
JP6628441B2 (ja) 自動車及び自動車用プログラム
CN107415938A (zh) 基于乘员位置和注意力控制自主车辆功能和输出
JP3965538B2 (ja) エージェント装置
US20030096593A1 (en) Safety control system for vehicles
JP6708331B2 (ja) 自動運転車
JP3907509B2 (ja) 緊急通報装置
KR101754603B1 (ko) 어린이를 위한 보호 시스템 및 이를 이용한 보호방법
JP6971490B2 (ja) 自動車及び自動車用プログラム
WO2007046269A1 (ja) 情報提示装置、情報提示方法、情報提示プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体
JP2019131096A (ja) 車両制御支援システムおよび車両制御支援装置
JP4207350B2 (ja) 情報出力装置
JP2024041746A (ja) 情報処理装置
JP4259054B2 (ja) 車載装置
JP4253918B2 (ja) エージェント装置
JP2004299570A (ja) 自動車用制御装置
JP6894579B2 (ja) サービス提供システムおよびサービス提供方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060627

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061211

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110126

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120126

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130126

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130126

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees