JP2019065371A - 表面処理銅微粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
従来、電子部品における電極や回路は、絶縁基板に銅箔を張り合わせフォトレジストプロセスによるエッチング工法または、無電解めっき、フォトレジスト、電気めっき、エッチングからなるセミアディティブ工法などにより形成されていた。しかし、近年は、省資源、コストの観点から、必要なところに必要な分だけ金属源を供給できる金属粉ペーストによって、電極や回路を形成するようになってきた。
金属粉ペーストの中でも、銀粉ペーストは、電気抵抗が低く、大気下でも焼成できるという利点がある。特許文献1は、銀粉及び銀粉を用いたペーストを開示している。しかし、銀粉ペーストで電極、回路を形成すると、マイグレーションの懸念がある。また、貴金属であり、材料コストがかさむ。これらの不利を回避するために、銅粉ペーストが開発されている。特許文献2及び特許文献3は、銅粉及び銅粉を用いたペーストを開示している。
(1)
BET比表面積が0.1〜10.0m2/gである銅微粒子と、ノニオン系界面活性剤を含む水溶液を、混合する工程、
を含む、低温焼結性表面処理銅微粒子の製造方法であって、
ノニオン系界面活性剤が、グリフィン法によるHLB値が9以上18以下でありエチレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性剤である、製造方法。
(2)
銅微粒子が、天然樹脂、多糖類、及びゼラチンからなる群から選択された粒成長抑制剤を使用して湿式法によって調製された銅微粒子である、(1)に記載の製造方法。
(3)
ノニオン系界面活性剤が、次の式(I)〜(X)で示されるノニオン系界面活性剤、及び(XI)〜(XIV)のノニオン系界面活性剤からなる群から選択されたノニオン系界面活性剤又はそれらの混合物である、(1)〜(2)のいずれかに記載の製造方法:
(I):
(ただし、式(I)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数である);
(II):
(ただし、式(II)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、wは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数であり、z+wは2〜45の整数である);
(III):
(ただし、式(III)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、x+y+zは3〜45の整数である);
(IV):
R−O−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(IV)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、または二重結合を含むアルキル基を表し、nは1以上60以下の整数を表す);
(V):
R−Ph−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(V)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、Phは、フェニレン基を表し、nは1以上50以下の整数を表す);
(VI):
Np−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(VI)において、Npは、ナフチル基を表し、nは1以上30以下の整数を表す);
(VII):
HO−(CH2CH2O)m−Ph−C(CH3)2−Ph−(OCH2CH2)n−OH
(ただし、式(VII)において、Phは、フェニレン基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは50以下である);
(VIII):
HO−(CH2CH2O)m−Ph−CH2−Ph−(OCH2CH2)n−OH
(ただし、式(VIII)において、Phはフェニレン基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは20以下である);
(IX):
(ただし、式(IX)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは60以下である);
(X):
R−COO(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(X)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上20以下の整数を表す);
(XI):
ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、及びパラストリン酸からなる群から選択された樹脂酸又はその混合物を含むロジン酸のエチレンオキサイド付加物である、ポリオキシエチレンロジン酸エステル(ただし、エチレンオキサイドの繰り返し単位数nは20以下である);
(XII):
下記式で表されるポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル:
R−(OCH2CH2)n−OH
(ただし、式(XII)において、Rは、C12〜C24の分枝又は非分枝のアルキル基、またはC12〜C24の分枝又は非分枝のアルケニル基を表し、nは1以上30以下の整数を表す);
(XIII):
シノレイン酸のグリセリンエステルを含むヒマシ油のエーテルである、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル;
(XIV):
下記式で表される硬化ヒマシ油のエーテルである、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル:
(ただし、上記式中、POE基は、−(CH2CH2O)n−H で表される基であり、nは1以上100以下の整数である)。
(4)
(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法によって製造された低温焼結性表面処理銅微粒子を、溶剤、バインダー樹脂と混合する工程、
を含む、銅微粒子ペーストの製造方法。
(5)
溶剤が、沸点250℃以下であるアルコール又はグリコールである、(4)に記載の製造方法。
(6)
バインダー樹脂が、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリルメタクリル共重合樹脂またはロジンである、(4)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)
(4)〜(6)のいずれかに記載の製造方法によって製造された銅微粒子ペーストを焼成して、焼成体を得る工程、を含む、焼成体の製造方法。
(8)
(4)〜(6)のいずれかに記載の製造方法によって製造された銅微粒子ペーストを使用して、ダイと支持体とを接合する工程、を含む、パワーモジュールの製造方法。
(9)
焼成が、非酸化性雰囲気下、350℃以下で行われる、(7)〜(8)のいずれかに記載の製造方法。
(10)
グリフィン法によるHLB値が9以上18以下でありエチレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性であって、次の式(I)〜(X)で示されるノニオン系界面活性剤、及び(XI)〜(XIV)のノニオン系界面活性剤からなる群から選択されたノニオン系界面活性剤からなる、銅微粒子用低温焼結化表面処理剤:
(I):
(ただし、式(I)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数である);
(II):
(ただし、式(II)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、wは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数であり、z+wは2〜45の整数である);
(III):
(ただし、式(III)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、x+y+zは3〜45の整数である);
(IV):
R−O−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(IV)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上60以下の整数を表す);
(V):
R−Ph−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(V)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、Phは、フェニレン基を表し、nは1以上50以下の整数を表す);
(VI):
Np−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(VI)において、Npは、ナフチル基を表し、nは1以上30以下の整数を表す);
(VII):
HO−(CH2CH2O)m−Ph−C(CH3)2−Ph−(OCH2CH2)n−OH
(ただし、式(VII)において、Phは、フェニレン基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは50以下である);
(VIII):
HO−(CH2CH2O)m−Ph−CH2−Ph−(OCH2CH2)n−OH
(ただし、式(VIII)において、Phはフェニレン基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは20以下である);
(IX):
(ただし、式(IX)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは60以下である);
(X):
R−COO(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(X)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上20以下の整数を表す);
(XI):
ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、及びパラストリン酸からなる群から選択された樹脂酸又はその混合物を含むロジン酸のエチレンオキサイド付加物である、ポリオキシエチレンロジン酸エステル(ただし、エチレンオキサイドの繰り返し単位数nは20以下である);
(XII):
下記式で表されるポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル:
R−(OCH2CH2)n−OH
(ただし、式(XII)において、Rは、C12〜C24の分枝又は非分枝のアルキル基、またはC12〜C24の分枝又は非分枝のアルケニル基を表し、nは1以上30以下の整数を表す);
(XIII):
シノレイン酸のグリセリンエステルを含むヒマシ油のエーテルである、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル;
(XIV):
下記式で表されるグリセリンエステルとポリオキシエチレンオキシドのエーテルを含む、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル:
(ただし、上記式中、POE基は、−(CH2CH2O)n−H で表される基であり、nは1以上100以下の整数である)。
(11)
銅微粒子が、BET比表面積が0.1〜10.0m2/gである銅微粒子であり、
天然樹脂、多糖類、及びゼラチンからなる群から選択された粒成長抑制剤を使用して湿式法によって調製された銅微粒子である、(10)に記載の銅微粒子用低温焼結化表面処理剤。
(12)
BET比表面積が0.1〜10.0m2/gである銅微粒子と、
グリフィン法によるHLB値が9以上18以下でありエチレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性剤が含まれる水溶液を、混合して得られた、低温焼結性表面処理銅微粒子。
(13)
銅微粒子が、天然樹脂、多糖類、及びゼラチンからなる群から選択された粒成長抑制剤を使用して湿式法によって調製された銅微粒子である、(12)に記載の低温焼結性表面処理銅微粒子。
(14)
ノニオン系界面活性剤が、(10)に記載の銅微粒子用低温焼結化表面処理剤である、(12)〜(13)のいずれかに記載の低温焼結性表面処理銅微粒子。
(15)
(12)〜(14)のいずれかに記載の低温焼結性表面処理銅微粒子、及び沸点250℃以下であるアルコール又はグリコールを含んでなる、銅微粒子ペースト。
(16)
さらにアクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリルメタクリル共重合樹脂またはロジンを含む(15)に記載の銅微粒子ペースト。
(17)
(15)〜(16)のいずれかに記載の銅微粒子ペーストを非酸化性雰囲気下で350℃以下で焼成して得られた、50μΩcm以下の比抵抗である焼成体。
本発明による低温焼結性表面処理銅微粒子の製造は、BET比表面積が0.1〜10.0m2/gである銅微粒子と、ノニオン系界面活性剤を含む水溶液を、混合する工程、を含む、製造方法であって、ノニオン系界面活性剤が、グリフィン法によるHLB値が9以上18以下でありエチレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性剤である、製造方法によって、行うことができる。
本発明に使用されるノニオン系界面活性剤は、グリフィン法によるHLB値が9以上18以下でありエチレンオキサイド鎖を有する。ノニオン系界面活性剤(非イオン性界面活性剤)は、疎水基と親水基を備える。
本発明においてHLB値は、グリフィン法によるHLB値をいう。グリフィン法によるHLB値は以下の計算式で得られる、親水性と疎水性のバランスを示す指標である。
「グリフィン法によるHLB(Hydrophile−Lipophilie Balance)」 = 20×「親水基部分の分子量」/「界面活性剤の分子量」
上記式によるHLB値の算出については、W.C.Griffin:J.Soc.Cosmetic Chemists,1,311(1949)に基づいて、当業者は適宜行うことができる。本発明においては、上記式の親水基部分の分子量は、親水基部分の分子量の総和、すなわちポリエチレンオキシド部分の分子量の総和を示す。
本発明に使用されるノニオン系界面活性剤は、低温焼結性表面処理銅微粒子を製造するための表面処理に使用することができる。本発明は、銅微粒子用低温焼結化表面処理剤にもある。ノニオン系界面活性剤としては、上述したノニオン系界面活性剤をあげることができ、好ましくは、後述する式(I)〜(X)で示されるノニオン系界面活性剤、及び(XI)〜(XIV)のノニオン系界面活性剤をあげることができる。
(I):
(II):
(III):
(IV):
R−O−(CH2CH2O)n−H
(V):
R−Ph−(CH2CH2O)n−H
(VI):
Np−(CH2CH2O)n−H
(VII):
HO−(CH2CH2O)m−Ph−C(CH3)2−Ph−(OCH2CH2)n−OH
(VIII):
HO−(CH2CH2O)m−Ph−CH2−Ph−(OCH2CH2)n−OH
(IX):
(X):
R−COO(CH2CH2O)n−H
(XI):
下記に示すピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、及びパラストリン酸からなる群から選択された樹脂酸又はその混合物を含むロジン酸のエステルである、ポリオキシエチレンロジン酸エステル:
HO−(CH2−CH2−O)n−H
をアルコールとして形成したエステルが、上記(XI)のポリオキシエチレンロジン酸エステルである。このポリオキシエチレンロジン酸エステルは、ノニオン系界面活性剤として使用することができる。
(XII):
下記式で表されるポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル:
R−(OCH2CH2)n−OH
(XIII):
シノレイン酸のグリセリンエステルを含むヒマシ油のエーテルである、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル
を主要成分とする天然物由来の混合物である。このヒマシ油にエチレンオキサイドが付加重合したエーテル、すなわち、ポリオキシエチレンオキシド:
HO−(CH2−CH2−O)n−H
とエーテルを形成した構造となっている化合物が、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテルである。ポリオキシエチレンヒマシ油エーテルは、ノニオン系界面活性剤として使用することができる。
(XIV):
下記式で表されるグリセリンエステルとポリオキシエチレンオキシドのエーテルを含む、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル:
(ただし、上記式中、POE基は、−(CH2CH2O)n−H で表される基であり、nは1以上100以下の整数である)
HO−(CH2−CH2−O)n−H
とエーテルを形成した構造となっている化合物が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテルである。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテルは、ノニオン系界面活性剤として使用することができる。
本発明で表面処理される銅微粒子として、BET比表面積が0.1〜10.0m2/gである銅微粒子が使用される。好適な実施の態様において、銅微粒子のBET比表面積は、0.5〜7.0m2/gとすることができる。銅微粒子のBET比表面積は、例えばMacsorb HM model−1201(株式会社マウンテック)によって測定算出することができる。
好適な実施の態様において、本発明で表面処理される銅微粒子として、平均粒径が例えば0.1〜1.0μmの範囲にある銅微粒子を、好適に表面処理することができる。平均粒径はSEM像からの画像解析、レーザー回折法、動的光散乱法によって求めることができる。
本発明で表面処理される銅微粒子として、粒成長抑制剤の存在下で化学還元法又は不均化反応を行って得られた銅微粒子を、好適に使用することができる。これらの方法によって調製された銅微粒子は、湿式法による銅微粒子と総称される。
化学還元法又は不均化反応は、公知の手段によって行うことができ、これによって微細なサイズの銅微粒子を得ることができる。
化学還元法又は不均化反応では、微細なサイズの銅微粒子を得るために、粒成長抑制剤が使用される。本発明において、粒成長抑制剤として、天然樹脂、多糖類、及びゼラチンから選択された1種以上を使用することができる。天然樹脂としては、例えばアラビアゴム、セラックをあげることができ、特にアラビアゴムが好ましい。多糖類としては、例えば、キトサン、デキストリン、オリゴ糖をあげることができ、特にキトサンが好ましい。ゼラチンとしては、例えば動物由来の膠、ほ乳類由来の膠、あるいは魚類由来の膠をあげることができ、ほ乳類としては例えば牛、馬、豚をあげることができる。ここで言うゼラチンにはゼラチンから精製されたコラーゲンペプチド等も含まれる。
上記のノニオン系界面活性剤は、水溶液として、表面処理に使用することができる。水溶液中のノニオン系界面活性剤(表面処理剤)の濃度は、例えば0.01質量%以上、好ましくは0.5〜60質量%の範囲とすることができる。水溶液の界面活性剤濃度はゲル化しない範囲で所望する特性を考慮して調整すればよい。ゲル化するような高濃度領域では、微粒子への付着量が増えることが期待されるが、同時に微粒子間の凝集を引き起こす可能性があるので、好ましくない。
表面処理される銅微粒子と、ノニオン系界面活性剤の水溶液を、混合する工程において、混合は、公知の手段によって行うことができる。混合は、例えば大気圧下、例えば5〜40℃の温度、例えば10分〜3時間、行うことができる。溶液と混合された銅微粒子は、公知の手段によって、分離回収されて、所望によりその後の処理に供することができる。
本発明によって得られる低温焼結性表面処理銅微粒子は、水溶液と混合する工程によって得られた後に、適宜水溶液から分離し、必要に応じて乾燥や解砕を行って、その後の導電性ペースト(銅微粒子ペースト)の製造に適した形態とすることができる。
本発明によって得られる表面処理銅微粒子は、低温焼結性に優れ、例えば銅微粒子ペーストとした場合に、例えば400℃以下、350℃以下、300℃以下、250℃以下の焼成温度、例えば200℃以上、230℃以上、250℃以上の焼成温度で、優れた焼結体を得ることができる。すなわち、本発明によって得られる表面処理銅微粒子は、低温焼結性に優れているために、銅微粒子ペーストとした場合に、樹脂の分解温度以下の温度条件を選択して、焼結させることができる。
表面処理銅微粒子を使用して、公知の手段によって、導電性ペースト(銅微粒子ペースト)を製造することができる。好適な実施の態様において、例えば表面処理銅微粒子を、溶剤と混合して銅微粒子ペーストを得ることができる。好ましくはペーストには粘度調整のためにバインダー樹脂を加えることができる。所望に応じて、優れた低温焼結性を妨げない範囲内で、添加剤、ガラスフリット等を添加して使用してもよい。混合は、公知の手段によって行うことができ、1段階又は2段階以上の混練によって行ってもよい。
溶剤としては、沸点50℃以上、250℃以下である溶剤を好適に使用することができる。このような溶剤として、エーテル、ケトン、芳香族化合物、テルペン、アルコール、及びグリコールをあげることができる。好適な実施の態様において、上記沸点範囲のアルコール又はグリコールを使用できる。溶剤として、特にターピネオール、ジヒドロターピネオール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールが好ましい。ペースト中の溶剤の含有量は、例えば5〜50重量%、好ましくは5〜30重量%の範囲で添加して使用することができる。
バインダー樹脂としては、Tgが50〜200℃であるバインダー樹脂であれば特に制限なく使用することができる。銅微粒子は非酸化性雰囲気下又は還元性雰囲気下で焼成されるので、バインダー樹脂としては熱分解温度の低いバインダー樹脂が好ましい。好適なバインダー樹脂として、例えば、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリルメタクリル共重合樹脂ブチラール樹脂、ロジンをあげることができる。バインダー樹脂として、特にアクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリルメタクリル共重合樹脂又はロジンが好ましい。特に窒素雰囲気でTG測定(熱重量測定)をした場合、250〜350℃での重量減少が30%以上であるバインダー樹脂を好適に使用することができる。本発明で得られる銅微粒子は有機溶剤のみとあわせてペーストにすることも可能ではあるが、ペーストにバインダー樹脂を添加した場合でも、バインダー樹脂が完全に分解、燃焼しない温度で焼成しても銅微粒子間の焼結が進行するという特徴がある。ペーストで厚い塗膜を得たい場合はバインダー樹脂量を増加することで、印刷性を損なわずに厚膜を形成することが可能である。
ガラスフリットは銅微粒子よりも大きいと、平坦な塗膜を形成する際の障害となることから、銅微粒子のD50の20倍未満のD50であることが望ましい。
本発明の表面処理銅微粒子を使用したペーストは、例えば塗工した後に焼成して、焼成体とすることができる。このペーストは、表面処理銅微粒子の優れた分散性を反映したものとなっているために、塗工により形成された塗膜は、平滑性に優れたものとなっている。この塗膜の平滑性は、塗工後に乾燥させた塗膜の表面粗さによって、確認することができる。この表面粗さは、乾燥塗膜の塗工方向の表面粗さRa(中心線平均粗さ)をJIS B 0601−2001に従って測定することにより、求めることができる。この表面粗さRaは、例えば1.6μm以下、好ましくは1.2μm以下、さらに好ましくは1.0μm以下とすることができる。表面粗さRaの値に特に下限はないが、例えば0.05μm以上、0.1μm以上とすることができる。
銅微粒子ペーストを使用して、公知の手段によって、塗工等を行い、焼成を行って、焼結体(焼成体)を製造することができる。好適な実施の態様において、例えば銅微粒子ペーストを、非酸化性雰囲気下で、例えば350℃以下、好ましくは300℃以下で焼結(焼成)して焼結体(焼成体)を得ることができる。
銅微粒子ペーストは、焼成によって接合を行う導電性接合材料として、好適に使用することができる。好適な実施の態様において、銅微粒子ペーストを使用して、公知の手段によって、半導体チップ(ダイ)と基板(支持体)とを、低温域において好適に接合することができる。このような接合は、特にダイボンディングと呼ばれる。したがって本発明による接合方法は、ダイボンディング方法にもあり、本発明による接合体の製造は、パワーモジュールの製造方法にもある。さらに、銅板と窒化物基板との接合にも、好適に使用できる。
上記の焼結(焼成)は、例えば非酸化性雰囲気下又は還元性雰囲気下で行うことができる。非酸化性雰囲気とは、酸化性気体が含まれない又は低減された雰囲気をいい、例えば酸素が完全又は十分に除去された雰囲気をいう。還元性雰囲気は、雰囲気中にCO、H2S、SO2、H2、HCHO、HCOOH、H2O等の還元性気体が、0.5vol%以上、好ましくは1.0vol%以上で含まれる雰囲気をいう。好適な実施の態様において、ギ酸を含む窒素雰囲気下、又は5vol%以下の水素を含む窒素雰囲気下で、焼結して、接合することができる。
本発明による銅微粒子ペーストは、表面処理銅微粒子の優れた低温焼結性を反映して、低温での焼成によっても、比抵抗に優れた焼成体(焼結体)を製造することができる。焼成体の比抵抗[μΩ・cm]は、実施例に記載の手段によって、測定することができる。好適な実施の態様において、比抵抗の値は、焼成温度350℃で15μΩ・cm以下、焼成温度300℃で20μΩ・cm以下、焼成温度250℃で30μΩ・cm以下とすることができる。
本発明による銅微粒子ペーストは、表面処理銅微粒子の優れた低温焼結性を反映して、低温での焼成によっても、上述のように、優れた比抵抗を達成することができる。すなわち、パワーモジュールの製造のためのダイボンディングに特に好適である。
1Lビーカー内に、亜酸化銅粉50gと、保護剤(粒成長抑制剤)としてアラビアゴム0.4gを、350mLの純水に分散させ、そこに体積比率25%の希硫酸100mLを添加し、不均化反応を行って銅微粒子を含むスラリーを得た(湿式法による銅微粒子のスラリー)。このスラリーからデカンテーション、水洗を繰り返し、銅微粒子を得た。
この銅微粒子の一部を吸引濾過で回収し、窒素中で70℃で乾燥させたのちに解砕した。Macsorb HM model−1201 (株式会社マウンテック)を使って、1点式でこの銅微粒子のBET比表面積を測定した。測定は脱気温度150℃、脱気時間15分で行った。この銅微粒子のBET比表面積は3.2m2/gであった。
例1のアラビアゴムを、魚から精製したニカワ、豚から精製した膠由来のコラーゲンペプチド、キトサンのいずれかとした以外は同じ操作を行い、BET比表面積がそれぞれ4.1、6.9、3.4m2/gの銅微粒子を得た。
例1のアラビアゴムの使用量をそれぞれ0.05g、0.1gとした以外は同じ操作を行い、BET比表面積がそれぞれ0.5、1.9m2/gの銅微粒子を得た。
アラビアゴム2gを2900mLの純水に添加した後、硫酸銅125gを添加し撹拌しながら、80%ヒドラジン一水和物を4000mL添加した。ヒドラジン一水和物の添加後〜3時間かけて室温から60℃に昇温し、更に3時間かけて酸化銅を反応させた。この後60分放置し、銅粉を沈降させた。このスラリーからデカンテーション、水洗を繰り返し、BET比表面積が3.3m2/gの銅微粒子を得た。
例1〜4の手順で得られた各種銅微粒子20gと、銅微粒子に対して所定量の下記界面活性剤を使って得た20mLの水溶液を300rpmで1時間混合し、銅微粉を回収した。その後、窒素中で70℃で1時間乾燥させた後、解砕し、銅微粒子を得た。この銅微粒子を金属比率で85%となるように、ジエチレングリコールと混合し、自転・公転ミキサーで混合し、ペーストを得た。このペーストを、乾燥塗膜厚で約10μmとなるようにガラス基板上にスクリーン印刷をした。これを窒素、2vol%の水素を含む窒素、または室温でギ酸バブリングした窒素のいずれかの雰囲気中で350℃、300℃、250℃の各温度で30分焼成した。得られた焼成体の抵抗をロレスターGXで測定し、3次元測定装置で焼成体の厚みを算出し、抵抗値と焼成体断面積、焼成体長さから焼成体の比抵抗を求めた。また、銅微粉の分散性を評価する目的で乾燥塗膜の塗工方向の表面粗さ(Ra)をJIS B 0601−2001に従い測定した。実施例10の銅微粒子から得られた乾燥塗膜表面のSEM写真を図1に示す。比表面積が3.2m2g-1の銅微粒子を使って得られた塗膜のSEM写真から得られる個数基準のD50は0.24μmであった。比較例2では界面活性剤が純水に溶解しなかったので、評価を行うことができなかった。
以下に、銅微粒子の表面処理に使用した界面活性剤の構造を示す。
(化合物1;日油ナイミーンL207(HLB:12.5))
R:C12のアルキル基
x+y:7
R:C8〜C18のアルキル基
x+y:8
z+w:8
R:C14〜C18のアルキル基(但しC18はオレイル基を含む)
x+y+z:15
R−O−(CH2CH2O)n−H
R:C10のアルキル基
n:7
R−Ph−(CH2CH2O)n−H
Ph:フェニル基
R:C9
n:10
Np−(CH2CH2O)n−H
Np:ナフチル基
n:10
m+n:10
m+n:10
R:C18のアルキル基
m+n:50
R−COO(CH2CH2O)n−H
R:オレイル基
n:13.6
ポリオキシエチレンロジン酸エステル
エチレンオキサイド繰り返し単位数n:15
R−(OCH2CH2)n−OH
R:C12〜C24分枝構造も含むアルキル基
n:22
ポリオキシエチレンヒマシ油
エチレンオキサイド繰り返し単位数n:50
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
エチレンオキサイド繰り返し単位数n:60
R:C14〜C18のアルキル基(但しC18はオレイル基を含む)
x+y:2
R−O−(CH2CH2O)n−H
R:オレイル基
n:60
例5の手順で得られた表面処理銅微粒子を、金属比率が85%、バインダー樹脂として互応化学のアクリル樹脂KFA−2000を固形分で1%、残部をジヒドロターピネオールとなるように、自転・公転ミキサーで混合したのち、3本ロールに通してペーストを調整した。それ以外は例5の手順に従い評価を行った。
例5の手順で得られた表面処理銅微粒子を、金属比率が85%、バインダー樹脂としてロジンを1%、残部をジヒドロターピネオールとなるように、自転・公転ミキサーで混合したのち、3本ロールに通してペーストを調整した。それ以外は例5の手順に従い評価を行った。
例1の手順で得られた銅微粒子を液温25℃、pH9.0の水酸化ナトリウム水溶液350mLと10分間混合し、デカンテーションにより銅微粒子を分離した。この銅微粒子をBTA(ベンゾトリアゾール)0.2gを含む水溶液100mLと30分間混合し、吸引濾過により銅微粒子を回収し、乾燥、解砕をした。例5の手順でペーストを作製し、評価を行った。
JX金属の電解銅粉#52−Dをジェットミルで粉砕し、比表面積が0.08m2g−1の銅粉を得た。この銅粉20gにアラビアゴム0.2gを添加したpH1の希硫酸を加えて、10分撹拌した後、吸引ろ過で銅粉を回収し、例5の手順で表面処理を施し、ペースト化して評価した。
Claims (17)
- BET比表面積が0.1〜10.0m2/gである銅微粒子と、ノニオン系界面活性剤を含む水溶液を、混合する工程、
を含む、低温焼結性表面処理銅微粒子の製造方法であって、
ノニオン系界面活性剤が、グリフィン法によるHLB値が9以上18以下でありエチレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性剤である、製造方法。 - 銅微粒子が、天然樹脂、多糖類、及びゼラチンからなる群から選択された粒成長抑制剤を使用して湿式法によって調製された銅微粒子である、請求項1に記載の製造方法。
- ノニオン系界面活性剤が、次の式(I)〜(X)で示されるノニオン系界面活性剤、及び(XI)〜(XIV)のノニオン系界面活性剤からなる群から選択されたノニオン系界面活性剤又はそれらの混合物である、請求項1〜2のいずれかに記載の製造方法:
(I):
(ただし、式(I)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数である);
(II):
(ただし、式(II)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、wは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数であり、z+wは2〜45の整数である);
(III):
(ただし、式(III)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、x+y+zは3〜45の整数である);
(IV):
R−O−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(IV)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、または二重結合を含むアルキル基を表し、nは1以上60以下の整数を表す);
(V):
R−Ph−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(V)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、Phは、フェニレン基を表し、nは1以上50以下の整数を表す);
(VI):
Np−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(VI)において、Npは、ナフチル基を表し、nは1以上30以下の整数を表す);
(VII):
HO−(CH2CH2O)m−Ph−C(CH3)2−Ph−(OCH2CH2)n−OH
(ただし、式(VII)において、Phは、フェニレン基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは50以下である);
(VIII):
HO−(CH2CH2O)m−Ph−CH2−Ph−(OCH2CH2)n−OH
(ただし、式(VIII)において、Phはフェニレン基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは20以下である);
(IX):
(ただし、式(IX)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは60以下である);
(X):
R−COO(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(X)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上20以下の整数を表す);
(XI):
ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、及びパラストリン酸からなる群から選択された樹脂酸又はその混合物を含むロジン酸のエチレンオキサイド付加物である、ポリオキシエチレンロジン酸エステル(ただし、エチレンオキサイドの繰り返し単位数nは20以下である);
(XII):
下記式で表されるポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル:
R−(OCH2CH2)n−OH
(ただし、式(XII)において、Rは、C12〜C24の分枝又は非分枝のアルキル基、またはC12〜C24の分枝又は非分枝のアルケニル基を表し、nは1以上30以下の整数を表す);
(XIII):
シノレイン酸のグリセリンエステルを含むヒマシ油のエーテルである、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル;
(XIV):
下記式で表される硬化ヒマシ油のエーテルである、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル:
(ただし、上記式中、POE基は、−(CH2CH2O)n−H で表される基であり、nは1以上100以下の整数である)。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法によって製造された低温焼結性表面処理銅微粒子を、溶剤、バインダー樹脂と混合する工程、
を含む、銅微粒子ペーストの製造方法。 - 溶剤が、沸点250℃以下であるアルコール又はグリコールである、請求項4に記載の製造方法。
- バインダー樹脂が、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリルメタクリル共重合樹脂またはロジンである、請求項4〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法によって製造された銅微粒子ペーストを焼成して、焼成体を得る工程、を含む、焼成体の製造方法。
- 請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法によって製造された銅微粒子ペーストを使用して、ダイと支持体とを接合する工程、を含む、パワーモジュールの製造方法。
- 焼成が、非酸化性雰囲気下、350℃以下で行われる、請求項7〜8のいずれかに記載の製造方法。
- グリフィン法によるHLB値が9以上18以下でありエチレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性であって、次の式(I)〜(X)で示されるノニオン系界面活性剤、及び(XI)〜(XIV)のノニオン系界面活性剤からなる群から選択されたノニオン系界面活性剤からなる、銅微粒子用低温焼結化表面処理剤:
(I):
(ただし、式(I)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数である);
(II):
(ただし、式(II)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、wは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数であり、z+wは2〜45の整数である);
(III):
(ただし、式(III)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、x+y+zは3〜45の整数である);
(IV):
R−O−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(IV)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上60以下の整数を表す);
(V):
R−Ph−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(V)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、Phは、フェニレン基を表し、nは1以上50以下の整数を表す);
(VI):
Np−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(VI)において、Npは、ナフチル基を表し、nは1以上30以下の整数を表す);
(VII):
HO−(CH2CH2O)m−Ph−C(CH3)2−Ph−(OCH2CH2)n−OH
(ただし、式(VII)において、Phは、フェニレン基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは50以下である);
(VIII):
HO−(CH2CH2O)m−Ph−CH2−Ph−(OCH2CH2)n−OH
(ただし、式(VIII)において、Phはフェニレン基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは20以下である);
(IX):
(ただし、式(IX)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは60以下である);
(X):
R−COO(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(X)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上20以下の整数を表す);
(XI):
ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、及びパラストリン酸からなる群から選択された樹脂酸又はその混合物を含むロジン酸のエチレンオキサイド付加物である、ポリオキシエチレンロジン酸エステル(ただし、エチレンオキサイドの繰り返し単位数nは20以下である);
(XII):
下記式で表されるポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル:
R−(OCH2CH2)n−OH
(ただし、式(XII)において、Rは、C12〜C24の分枝又は非分枝のアルキル基、またはC12〜C24の分枝又は非分枝のアルケニル基を表し、nは1以上30以下の整数を表す);
(XIII):
シノレイン酸のグリセリンエステルを含むヒマシ油のエーテルである、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル;
(XIV):
下記式で表されるグリセリンエステルとポリオキシエチレンオキシドのエーテルを含む、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル:
(ただし、上記式中、POE基は、−(CH2CH2O)n−H で表される基であり、nは1以上100以下の整数である)。 - 銅微粒子が、BET比表面積が0.1〜10.0m2/gである銅微粒子であり、
天然樹脂、多糖類、及びゼラチンからなる群から選択された粒成長抑制剤を使用して湿式法によって調製された銅微粒子である、請求項10に記載の銅微粒子用低温焼結化表面処理剤。 - BET比表面積が0.1〜10.0m2/gである銅微粒子と、
グリフィン法によるHLB値が9以上18以下でありエチレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性剤が含まれる水溶液を、混合して得られた、低温焼結性表面処理銅微粒子。 - 銅微粒子が、天然樹脂、多糖類、及びゼラチンからなる群から選択された粒成長抑制剤を使用して湿式法によって調製された銅微粒子である、請求項12に記載の低温焼結性表面処理銅微粒子。
- ノニオン系界面活性剤が、請求項10に記載の銅微粒子用低温焼結化表面処理剤である、請求項12〜13のいずれかに記載の低温焼結性表面処理銅微粒子。
- 請求項12〜14のいずれかに記載の低温焼結性表面処理銅微粒子、及び沸点250℃以下であるアルコール又はグリコールを含んでなる、銅微粒子ペースト。
- さらにアクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリルメタクリル共重合樹脂またはロジンを含む請求項15に記載の銅微粒子ペースト。
- 請求項15〜16のいずれかに記載の銅微粒子ペーストを非酸化性雰囲気下で350℃以下で焼成して得られた、50μΩcm以下の比抵抗である焼成体。
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