JP2019065370A - 表面処理銅微粒子の製造方法 - Google Patents

表面処理銅微粒子の製造方法 Download PDF

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秀樹 古澤
Hideki Furusawa
秀樹 古澤
熊谷 正志
Masashi Kumagai
正志 熊谷
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Abstract

【課題】 低温域において使用可能なペーストに好適に使用できる新規な表面処理銅微粒子を、水溶液との混合により表面処理することによって製造する方法を提供する。【解決手段】 BET比表面積が0.1〜10.0m2/gである銅微粒子と、ノニオン系界面活性剤を含む水溶液を、混合する工程、を含む、低温焼結性表面処理銅微粒子の製造方法であって、ノニオン系界面活性剤が、グリフィン法によるHLB値が9以上18以下でありエチレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性剤である、製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、表面処理銅微粒子の製造方法に関する。
[金属粉ペースト]
従来、電子部品における電極や回路は、絶縁基板に銅箔を張り合わせフォトレジストプロセスによるエッチング工法または、無電解めっき、フォトレジスト、電気めっき、エッチングからなるセミアディティブ工法などにより形成されていた。しかし、近年は、省資源、コストの観点から、必要なところに必要な分だけ金属源を供給できる金属粉ペーストによって、電極や回路を形成するようになってきた。
金属粉ペーストは、製造コスト、材料への熱負荷の観点から、低温で焼成することが望まれる。このためには、金属粉は、粒子が小さいものが好ましい。
[銅粉ペースト]
金属粉ペーストの中でも、銀粉ペーストは、電気抵抗が低く、大気下でも焼成できるという利点がある。特許文献1は、銀粉及び銀粉を用いたペーストを開示している。しかし、銀粉ペーストで電極、回路を形成すると、マイグレーションの懸念がある。また、貴金属であり、材料コストがかさむ。これらの不利を回避するために、銅粉ペーストが開発されている。特許文献2及び特許文献3は、銅粉及び銅粉を用いたペーストを開示している。
国際公開WO2011155055号 特開2015−168878号公報 特開2016−191084号公報
本発明者の検討によれば、特許文献2に記載される銅粉を使ったペーストは、銅粉の表面処理をアルコール等の有機溶剤を使用して行わなければならないため、生産量が増えた場合に管理上の制約が生じる可能性がある。さらに、この銅粉はアルコール系の溶剤のみとの組み合わせでペースト化されるので、チップ搭載部へのペースト塗工方法には制約がある。特許文献3に記載される銅粉は、水溶液中での表面処理が可能な上、低温焼結性を備えているが、低温での電気伝導性にはさらに向上の余地がある。
したがって、本発明の目的は、低温域において使用可能なペーストに好適に使用できる新規な表面処理銅微粒子を、水溶液との混合による表面処理によって製造する方法を提供することにある。
本発明者は、これまでの鋭意研究の結果、後述する特定の有機化合物を使用することによって、水溶液との混合による表面処理によって表面処理微粒子の製造が可能であること、得られた表面処理銅微粒子は、低温域において使用可能なペーストに好適に使用できることを見いだして、本発明に到達した。
したがって、本発明は以下の(1)以下を含む。
(1)
BET比表面積が0.1〜10.0m2/gである銅微粒子と、ノニオン系界面活性剤を含む水溶液を、混合する工程、
を含む、低温焼結性表面処理銅微粒子の製造方法であって、
ノニオン系界面活性剤が、グリフィン法によるHLB値が9以上18以下でありエチレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性剤である、製造方法。
(2)
銅微粒子が、乾式法で調製された銅微粒子を、天然樹脂、多糖類、及びゼラチンからなる群から選択された高分子と酸と混合して調製された銅微粒子である、(1)に記載の製造方法。
(3)
ノニオン系界面活性剤が、次の式(I)〜(X)で示されるノニオン系界面活性剤、及び(XI)〜(XIV)のノニオン系界面活性剤からなる群から選択されたノニオン系界面活性剤又はそれらの混合物である、(1)〜(2)のいずれかに記載の製造方法:
(I):
Figure 2019065370
(ただし、式(I)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数である);
(II):
Figure 2019065370
(ただし、式(II)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、wは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数であり、z+wは2〜45の整数である);
(III):
Figure 2019065370
(ただし、式(III)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、x+y+zは3〜45の整数である);
(IV):
R−O−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(IV)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、または二重結合を含むアルキル基を表し、nは1以上60以下の整数を表す);
(V):
R−Ph−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(V)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、Phは、フェニレン基を表し、nは1以上50以下の整数を表す);
(VI):
Np−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(VI)において、Npは、ナフチル基を表し、nは1以上30以下の整数を表す);
(VII):
HO−(CH2CH2O)m−Ph−C(CH32−Ph−(OCH2CH2n−OH
(ただし、式(VII)において、Phは、フェニレン基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは50以下である);
(VIII):
HO−(CH2CH2O)m−Ph−CH2−Ph−(OCH2CH2n−OH
(ただし、式(VIII)において、Phはフェニレン基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは20以下である);
(IX):
Figure 2019065370
(ただし、式(IX)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは60以下である);
(X):
R−COO(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(X)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上20以下の整数を表す);
(XI):
ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、及びパラストリン酸からなる群から選択された樹脂酸又はその混合物を含むロジン酸のエチレンオキサイド付加物である、ポリオキシエチレンロジン酸エステル(ただし、エチレンオキサイドの繰り返し単位数nは20以下である);
(XII):
下記式で表されるポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル:
R−(OCH2CH2n−OH
(ただし、式(XII)において、Rは、C12〜C24の分枝又は非分枝のアルキル基、またはC12〜C24の分枝又は非分枝のアルケニル基を表し、nは1以上30以下の整数を表す);
(XIII):
シノレイン酸のグリセリンエステルを含むヒマシ油のエーテルである、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル;
(XIV):
下記式で表される硬化ヒマシ油のエーテルである、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル:
Figure 2019065370
(ただし、上記式中、POE基は、−(CH2CH2O)n−H で表される基であり、nは1以上100以下の整数である)。
(4)
(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法によって製造された低温焼結性表面処理銅微粒子を、溶剤、バインダー樹脂と混合する工程、
を含む、銅微粒子ペーストの製造方法。
(5)
溶剤が、沸点250℃以下であるアルコール又はグリコールである、(4)に記載の製造方法。
(6)
バインダー樹脂が、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリルメタクリル共重合樹脂またはロジンである、(4)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)
(4)〜(6)のいずれかに記載の製造方法によって製造された銅微粒子ペーストを焼成して、焼成体を得る工程、を含む、焼成体の製造方法。
(8)
(4)〜(6)のいずれかに記載の製造方法によって製造された銅微粒子ペーストを使用して、ダイと支持体とを接合する工程、を含む、パワーモジュールの製造方法。
(9)
焼成が、非酸化性雰囲気下、350℃以下で行われる、(7)〜(8)のいずれかに記載の製造方法。
(10)
グリフィン法によるHLB値が9以上18以下でありエチレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性剤であって、次の式(I)〜(X)で示されるノニオン系界面活性剤、及び(XI)〜(XIV)のノニオン系界面活性剤からなる群から選択されたノニオン系界面活性剤からなる、銅微粒子用低温焼結化表面処理剤:
(I):
Figure 2019065370
(ただし、式(I)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数である);
(II):
Figure 2019065370
(ただし、式(II)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、wは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数であり、z+wは2〜45の整数である);
(III):
Figure 2019065370
(ただし、式(III)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、x+y+zは3〜45の整数である);
(IV):
R−O−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(IV)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上60以下の整数を表す);
(V):
R−Ph−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(V)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、Phは、フェニレン基を表し、nは1以上50以下の整数を表す);
(VI):
Np−(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(VI)において、Npは、ナフチル基を表し、nは1以上30以下の整数を表す);
(VII):
HO−(CH2CH2O)m−Ph−C(CH32−Ph−(OCH2CH2n−OH
(ただし、式(VII)において、Phは、フェニレン基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは50以下である);
(VIII):
HO−(CH2CH2O)m−Ph−CH2−Ph−(OCH2CH2n−OH
(ただし、式(VIII)において、Phはフェニレン基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは20以下である);
(IX):
Figure 2019065370
(ただし、式(IX)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは60以下である);
(X):
R−COO(CH2CH2O)n−H
(ただし、式(X)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上20以下の整数を表す);
(XI):
ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、及びパラストリン酸からなる群から選択された樹脂酸又はその混合物を含むロジン酸のエチレンオキサイド付加物である、ポリオキシエチレンロジン酸エステル(ただし、エチレンオキサイドの繰り返し単位数nは20以下である);
(XII):
下記式で表されるポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル:
R−(OCH2CH2n−OH
(ただし、式(XII)において、Rは、C12〜C24の分枝又は非分枝のアルキル基、またはC12〜C24の分枝又は非分枝のアルケニル基を表し、nは1以上30以下の整数を表す);
(XIII):
シノレイン酸のグリセリンエステルを含むヒマシ油のエーテルである、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル;
(XIV):
下記式で表されるグリセリンエステルとポリオキシエチレンオキシドのエーテルを含む、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル:
Figure 2019065370
(ただし、上記式中、POE基は、−(CH2CH2O)n−H で表される基であり、nは1以上100以下の整数である)。
(11)
銅微粒子が、BET比表面積が0.1〜10.0m2/gである銅微粒子であり、
乾式法で調製された銅微粒子を、天然樹脂、多糖類、及びゼラチンからなる群から選択された高分子と酸と混合して調製された銅微粒子である、(10)に記載の銅微粒子用低温焼結化表面処理剤。
(12)
BET比表面積が0.1〜10.0m2/gである銅微粒子と、
グリフィン法によるHLB値が9以上18以下でありエチレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性剤が含まれる水溶液を、混合して得られた、低温焼結性表面処理銅微粒子。
(13)
銅微粒子が、乾式法で調製された銅微粒子を、天然樹脂、多糖類、及びゼラチンからなる群から選択された高分子と酸と混合して調製された銅微粒子である、(12)に記載の低温焼結性表面処理銅微粒子。
(14)
ノニオン系界面活性剤が、(10)に記載の銅微粒子用低温焼結化表面処理剤である、(12)〜(13)のいずれかに記載の低温焼結性表面処理銅微粒子。
(15)
(12)〜(14)のいずれかに記載の低温焼結性表面処理銅微粒子、及び沸点250℃以下であるアルコール又はグリコールを含んでなる、銅微粒子ペースト。
(16)
さらにアクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリルメタクリル共重合樹脂またはロジンを含む(15)に記載の銅微粒子ペースト。
(17)
(15)〜(16)のいずれかに記載の銅微粒子ペーストを非酸化性雰囲気下で350℃以下で焼成して得られた、50μΩcm以下の比抵抗である焼成体。
本発明によれば、表面処理銅微粒子を、水溶液との混合による表面処理によって得ることができる。本発明によって得られる表面処理銅微粒子は、低温域において使用可能なペーストに好適に使用できる。
以下に本発明を実施の態様をあげて詳細に説明する。本発明は以下にあげる具体的な実施の態様に限定されるものではない。
[低温焼結性表面処理銅微粒子の製造]
本発明による低温焼結性表面処理銅微粒子の製造は、BET比表面積が0.1〜10.0m2/gである銅微粒子と、ノニオン系界面活性剤を含む水溶液を、混合する工程、を含む、製造方法であって、ノニオン系界面活性剤が、グリフィン法によるHLB値が9以上18以下でありエチレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性剤である、製造方法によって、行うことができる。
[ノニオン系界面活性剤]
本発明に使用されるノニオン系界面活性剤は、グリフィン法によるHLB値が9以上18以下でありエチレンオキサイド鎖を有する。ノニオン系界面活性剤(非イオン性界面活性剤)は、疎水基と親水基を備える。
疎水基としては、例えば、アルキル基、1個〜3個の二重結合を有する炭化水素基、アルキル基を側鎖に有するフェニル基、アルキル基により置換された又は無置換のフェニル基、アルキル基により置換された又は無置換のフェニレン基、ナフチル基、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ヒマシ油骨格、硬化ヒマシ油骨格、ラノリンアルコールエーテル鎖、ロジン酸エステル鎖、脂肪酸エステル鎖、アルキルアミド鎖をあげることができる。1個〜3個の二重結合を有する炭化水素基としては、例えば−Cn2n-1基(ただし、nは2以上の整数であり、例えばnは8〜20である)、−Cn2n-3基(ただし、nは2以上の整数であり、例えばnは8〜20である)、−Cn2n-5基(ただし、nは3以上の整数であり、例えばnは8〜20である)とすることができ、例えばアルケニル基とすることができる。親水基としては、例えば、ポリエチレンオキシド基をあげることができる。なお、上記において一価基として表現されている基であっても、化学構造の末端ではない部分に位置する場合には、それぞれの構造から導かれる二価基が、ノニオン系界面活性剤に含まれる疎水基、あるいは親水基である。
[HLB値]
本発明においてHLB値は、グリフィン法によるHLB値をいう。グリフィン法によるHLB値は以下の計算式で得られる、親水性と疎水性のバランスを示す指標である。
「グリフィン法によるHLB(Hydrophile−Lipophilie Balance)」 = 20×「親水基部分の分子量」/「界面活性剤の分子量」
上記式によるHLB値の算出については、W.C.Griffin:J.Soc.Cosmetic Chemists,1,311(1949)に基づいて、当業者は適宜行うことができる。本発明においては、上記式の親水基部分の分子量は、親水基部分の分子量の総和、すなわちポリエチレンオキシド部分の分子量の総和を示す。
ノニオン系界面活性剤は、上記のように一分子中に疎水基と親水基を併せ持つ構造のため水中である濃度以上でミセル構造を取り(この濃度を臨界ミセル濃度という)、水溶液の表面張力がこの濃度以上で劇的に低下することが知られている。ノニオン系界面活性剤を水に添加することで発現する機能としては、一般には、消泡作用、乳化作用、浸透作用、洗浄作用、可溶化作用が挙げられる。これらの機能を制御するためには界面活性剤の化学構造に留意することはもちろんであるが、これらを統合した指標としてはHLB値を参照して目的に応じた界面活性剤を選択することができる。さらに、界面活性剤を水に分散・溶解させるための指標としても、HLB値を参照することができる。本発明者はこれらの観点から着想を得て、ノニオン系界面活性剤のグリフィン法による定義に基づくHLB値を9以上18以下とすることによって、本発明を実施できることを見いだした。好適な実施の態様において、HLB値は、例えば9以上、好ましくは10以上、さらに11以上、さらに12以上、さらに12.5以上とすることができ、例えば18以下、好ましくは17.9以下、さらに17.8以下、さらに17以下とすることができ、例えば9以上18以下、好ましくは10以上18以下、さらに11以上18以下、さらに12以上18以下とすることができ、あるいは10以上17以下、あるいは12.5以上17.8以下とすることができる。HLB値が9未満であると、水への分散・溶解に障害となる場合があり、またHLB値が18を超えると親水性が高すぎることによる浸透性の低下の懸念がある。
[表面処理剤]
本発明に使用されるノニオン系界面活性剤は、低温焼結性表面処理銅微粒子を製造するための表面処理に使用することができる。本発明は、銅微粒子用低温焼結化表面処理剤にもある。ノニオン系界面活性剤としては、上述したノニオン系界面活性剤をあげることができ、好ましくは、後述する式(I)〜(X)で示されるノニオン系界面活性剤、及び(XI)〜(XIV)のノニオン系界面活性剤をあげることができる。
[式(I)で表されるノニオン系界面活性剤]
(I):
Figure 2019065370
式(I)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基、好ましくはC10〜C14のアルキル基またはC10〜C14のアルケニル基である。
式(I)において、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数であり、好ましくはx+yは8〜16の整数であり、さらに好ましくはx+yは10〜14の整数である。
式(I)で表される化合物として、式(I)を満たす化合物の混合物を使用することができる。例えば、Rが上記のアルキル基である化合物と、Rが上記のアルケニル基である化合物との混合物を使用することができる。
[式(II)で表されるノニオン系界面活性剤]
(II):
Figure 2019065370
式(II)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基、好ましくはC8〜C18のアルキル基またはC8〜C18のアルケニル基である。
式(II)において、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、wは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数であり、z+wは2〜45の整数である。好ましくはx+yは2〜20の整数であり、さらに好ましくはx+yは4〜12の整数であり、さらに好ましくはx+yは6〜10の整数である。好ましくはz+wは2〜20の整数であり、さらに好ましくはz+wは4〜12の整数であり、さらに好ましくはz+wは6〜10の整数である。
式(II)で表される化合物として、式(II)を満たす化合物の混合物を使用することができる。例えば、Rが上記のアルキル基である化合物と、Rが上記のアルケニル基である化合物との混合物を使用することができる。
[式(III)で表されるノニオン系界面活性剤]
(III):
Figure 2019065370
式(III)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基であり、好ましくはC14〜C18のアルキル基またはC14〜C18のアルケニル基である。
式(III)において、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、x+y+zは3〜45の整数であり、好ましくはx+y+zは10〜20の整数であり、さらに好ましくはx+y+zは13〜17の整数である。
式(III)で表される化合物として、式(III)を満たす化合物の混合物を使用することができる。例えば、Rが上記のアルキル基である化合物と、Rが上記のアルケニル基である化合物との混合物を使用することができる。
[式(IV)で表されるノニオン系界面活性剤]
(IV):
R−O−(CH2CH2O)n−H
式(IV)において、Rは、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基である。nは1以上60以下の整数である。
式(IV)で表される化合物として、式(IV)を満たす化合物の混合物を使用することができる。例えば、Rが上記のアルキル基である化合物と、Rが上記のアルケニル基である化合物との混合物を使用することができる。
[式(V)で表されるノニオン系界面活性剤]
(V):
R−Ph−(CH2CH2O)n−H
式(V)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基である。Phは、フェニレン基である。Phは、好ましくは、1,4−フェニレン基(p−フェニレン基)である。nは1以上50以下の整数である。
式(V)で表される化合物として、式(V)を満たす化合物の混合物を使用することができる。例えば、Rが上記のアルキル基である化合物と、Rが上記のアルケニル基である化合物との混合物を使用することができる。
[式(VI)で表されるノニオン系界面活性剤]
(VI):
Np−(CH2CH2O)n−H
式(VI)において、Npは、ナフチル基である。ナフチル基は、1−ナフチル基又は2−ナフチル基であり、好ましくはベータ−ナフチル基(2−ナフチル基)である。nは1以上30以下の整数であり、好ましくは1以上15以下の整数である。
[式(VII)で表されるノニオン系界面活性剤]
(VII):
HO−(CH2CH2O)m−Ph−C(CH32−Ph−(OCH2CH2n−OH
式(VII)において、Phは、フェニレン基である。フェニレン基は、好ましくは1,4−フェニレン基(p−フェニレン基)である。nは1以上の整数である。mは1以上の整数であり、n+mは50以下であり好ましくは15以下である。
[式(VIII)で表されるノニオン系界面活性剤]
(VIII):
HO−(CH2CH2O)m−Ph−CH2−Ph−(OCH2CH2n−OH
式(VIII)において、Phはフェニレン基である。フェニレン基は、好ましくは1,4−フェニレン基(p−フェニレン基)である。nは1以上の整数である。mは1以上の整数である。n+mは20以下である。
[式(IX)で表されるノニオン系界面活性剤]
(IX):
Figure 2019065370
式(IX)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基であり、好ましくはC12〜C20のアルキル基、またはC12〜C20のアルケニル基である。nは1以上の整数である。mは1以上の整数である。n+mは60以下であり、好ましくは40以上60以下である。
式(IX)で表される化合物として、式(IX)を満たす化合物の混合物を使用することができる。例えば、Rが上記のアルキル基である化合物と、Rが上記のアルケニル基である化合物との混合物を使用することができる。
[式(X)で表されるノニオン系界面活性剤]
(X):
R−COO(CH2CH2O)n−H
式(X)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基であり、好ましくはC12〜C20のアルキル基、またはC12〜C20のアルケニル基である。nは1以上20以下の整数である。
式(X)で表される化合物として、式(X)を満たす化合物の混合物を使用することができる。例えば、Rが上記のアルキル基である化合物と、Rが上記のアルケニル基である化合物との混合物を使用することができる。
[(XI)のノニオン系界面活性剤]
(XI):
下記に示すピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、及びパラストリン酸からなる群から選択された樹脂酸又はその混合物を含むロジン酸のエステルである、ポリオキシエチレンロジン酸エステル:
(ピマール酸)
Figure 2019065370
(イソピマール酸)
Figure 2019065370
(デヒドロアビエチン酸)
Figure 2019065370
(アビエチン酸)
Figure 2019065370
(ネオアビエチン酸)
Figure 2019065370
(パラストリン酸)
Figure 2019065370
ロジン酸は、上記のピマール酸、イソピマール酸、及びデヒドロアビエチン酸、さらにアビエチン酸、ネオアビエチン酸、及びパラストリン酸等を主要成分とする天然物由来の混合物である。これらの樹脂酸からなる群から選択された樹脂酸又はその混合物を含むロジン酸が、ポリオキシエチレンオキシド:
HO−(CH2−CH2−O)n−H
をアルコールとして形成したエステルが、上記(XI)のポリオキシエチレンロジン酸エステルである。このポリオキシエチレンロジン酸エステルは、ノニオン系界面活性剤として使用することができる。
[(XII)のノニオン系界面活性剤]
(XII):
下記式で表されるポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル:
R−(OCH2CH2n−OH
式(XII)において、Rは、C12〜C20のアルキル基、またはC12〜C20のアルケニル基である。nは20以上25以下の整数である。
式(XII)で表される化合物として、式(XII)を満たす化合物の混合物を使用することができる。例えば、Rが上記のアルキル基である化合物と、Rが上記のアルケニル基である化合物との混合物を使用することができる。
[(XIII)のノニオン系界面活性剤]
(XIII):
シノレイン酸のグリセリンエステルを含むヒマシ油のエーテルである、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル
ヒマシ油は、上記のシノレイン酸のグリセリンエステル:
Figure 2019065370
を主要成分とする天然物由来の混合物である。このヒマシ油にエチレンオキサイドが付加重合したエーテル、すなわち、ポリオキシエチレンオキシド:
HO−(CH2−CH2−O)n−H
とエーテルを形成した構造となっている化合物が、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテルである。ポリオキシエチレンヒマシ油エーテルは、ノニオン系界面活性剤として使用することができる。
[(XIV)のノニオン系界面活性剤]
(XIV):
下記式で表されるグリセリンエステルとポリオキシエチレンオキシドのエーテルを含む、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル:
Figure 2019065370
(ただし、上記式中、POE基は、−(CH2CH2O)n−H で表される基であり、nは1以上100以下の整数である)
硬化ヒマシ油は、ヒマシ油に対して水素添加を行って、不飽和結合を飽和させることによって硬化させて、製造される。ヒマシ油は、シノレイン酸のグリセリンエステルを主要成分とするから、硬化ヒマシ油はシノレイン酸のグリセリンエステルの不飽和結合が飽和した構造を主要成分として有するものとなる。この硬化ヒマシ油にエトレンオキサイドが付加重合したエーテル、すなわち、ポリオキシエチレンオキシド:
HO−(CH2−CH2−O)n−H
とエーテルを形成した構造となっている化合物が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテルである。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテルは、ノニオン系界面活性剤として使用することができる。
[表面処理される銅微粒子とBET比表面積]
本発明で表面処理される銅微粒子として、BET比表面積が0.1〜10.0m2/gである銅微粒子が使用される。好適な実施の態様において、銅微粒子のBET比表面積は、0.5〜8.0m2/gとすることができる。銅微粒子のBET比表面積は、例えばMacsorb HM model−1201(株式会社マウンテック)によって測定算出することができる。
[表面処理される銅微粒子と平均粒径]
好適な実施の態様において、本発明で表面処理される銅微粒子として、平均粒径が例えば0.1〜1.0μmの範囲にある銅微粒子を、好適に表面処理することができる。平均粒径はSEM像からの画像解析、レーザー回折法、動的光散乱法によって求めることができる。
[乾式法による銅微粒子]
本発明で表面処理される銅微粒子として、熱プラズマ法を行って得られた銅微粒子を、好適に使用することができる。BET比表面積が0.1m2/gを超えるのであれば、熱プラズマ法以外の乾式法で製造した銅粉を適用してもよい。熱プラズマ法以外の乾式法としては、例えばCVD方式による塩化物の水素還元法や、金属酸化物の酸素燃焼法をあげることができる。
[熱プラズマ法]
熱プラズマ法は、公知の手段によって行うことができ、これによって微細なサイズの銅微粒子、例えばサブミクロンサイズの銅微粒子を得ることができる。
[酸処理]
好適な実施の態様において、乾式法によって得られた銅微粒子を、天然樹脂、多糖類、又はゼラチンのいずれかを添加した酸溶液、好ましくは天然樹脂、多糖類、又はゼラチンのいずれかを添加した希硫酸と混合して、酸処理を行って、表面処理される銅微粒子として、使用することができる。希硫酸との混合は、例えば天然樹脂、多糖類、又はゼラチンのいずれかを添加した0.1N〜30Nの範囲の希硫酸を、銅微粒子と撹拌や超音波を照射しながら混合することで行うことができる。酸処理した銅微粒子は、公知の手段によって希硫酸を含むスラリーのなかから分離して、その後の表面処理に、供することができる。銅微粒子は希硫酸を含むスラリーから分離後に水洗等の手段によって表面に残存した酸を取り除いたのちに表面処理をしてもよい。
[天然樹脂、多糖類、ゼラチン]
上記酸処理において酸溶液に添加される、天然樹脂、多糖類、又はゼラチンは、銅微粒子に対する天然樹脂、多糖類、又はゼラチンの量として、例えば0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%の範囲で添加することができる。0.1質量%未満の場合と比べて0.1質量%を上回るとより銅微粒子間での焼結が進行する。10質量%を超えると効果が飽和する。酸溶液のpHは0〜7、好ましくは0〜3とすることができる。
なお、上記酸処理において、上記天然樹脂、多糖類、又はゼラチンが添加されない酸溶液を用いて酸処理を行った後に、銅微粒子を回収し、天然樹脂、多糖類、又はゼラチンの水溶液と混合することもできる。酸溶液のpHは0〜7、好ましくは0〜3とすることができる。
天然樹脂としては、例えばアラビアゴム、セラックをあげることができ、特にアラビアゴムが好ましい。多糖類としては、例えば、キトサン、デキストリン、オリゴ糖をあげることができ、特にキトサンが好ましい。ゼラチンとしては、例えば動物由来の膠、ほ乳類由来の膠、あるいは魚類由来の膠をあげることができ、ほ乳類としては例えば牛、馬、豚をあげることができる。ここで言うゼラチンにはゼラチンから精製されたコラーゲンペプチド等も含まれる。
[ノニオン系界面活性剤を含む水溶液]
上記のノニオン系界面活性剤は、水溶液として、表面処理に使用することができる。水溶液中のノニオン系界面活性剤(表面処理剤)の濃度は、例えば0.01質量%以上、好ましくは0.5〜60質量%の範囲とすることができる。水溶液の界面活性剤濃度はゲル化しない範囲で所望する特性を考慮して調整すればよい。ゲル化するような高濃度領域では、微粒子への付着量が増えることが期待されるが、同時に微粒子間の凝集を引き起こす可能性があるので、好ましくない。
[混合する工程]
表面処理される銅微粒子と、ノニオン系界面活性剤の水溶液を、混合する工程において、混合は、公知の手段によって行うことができる。混合は、例えば大気圧下、例えば5〜40℃の温度、例えば10分〜3時間、行うことができる。溶液と混合された銅微粒子は、公知の手段によって、分離回収されて、所望によりその後の処理に供することができる。
[低温焼結性表面処理銅微粒子]
本発明によって得られる低温焼結性表面処理銅微粒子は、水溶液と混合する工程によって得られた後に、適宜水溶液から分離し、必要に応じて乾燥や解砕を行って、その後の導電性ペースト(銅微粒子ペースト)の製造に適した形態とすることができる。
[低温焼結性]
本発明によって得られる表面処理銅微粒子は、低温焼結性に優れ、例えば銅微粒子ペーストとした場合に、例えば400℃以下、350℃以下、300℃以下、250℃以下の焼成温度、例えば200℃以上、230℃以上、250℃以上の焼成温度で、優れた焼結体を得ることができる。すなわち、本発明によって得られる表面処理銅微粒子は、低温焼結性に優れているために、銅微粒子ペーストとした場合に、樹脂の分解温度以下の温度条件を選択して、焼結させることができる。
[銅微粒子ペースト]
表面処理銅微粒子を使用して、公知の手段によって、導電性ペースト(銅微粒子ペースト)を製造することができる。好適な実施の態様において、例えば表面処理銅微粒子を、溶剤と混合して銅微粒子ペーストを得ることができる。好ましくはペーストには粘度調整のためにバインダー樹脂を加えることができる。所望に応じて、優れた低温焼結性を妨げない範囲内で、添加剤、ガラスフリット等を添加して使用してもよい。混合は、公知の手段によって行うことができ、1段階又は2段階以上の混練によって行ってもよい。
[ペーストの溶剤]
溶剤としては、沸点50℃以上、250℃以下である溶剤を好適に使用することができる。このような溶剤として、エーテル、ケトン、芳香族化合物、テルペン、アルコール、及びグリコールをあげることができる。好適な実施の態様において、上記沸点範囲のアルコール又はグリコールを使用できる。溶剤として、特にターピネオール、ジヒドロターピネオール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールが好ましい。ペースト中の溶剤の含有量は、例えば5〜50重量%、好ましくは5〜30重量%の範囲で添加して使用することができる。
[ペーストのバインダー樹脂]
バインダー樹脂としては、Tgが50〜200℃であるバインダー樹脂であれば特に制限なく使用することができる。銅微粒子は非酸化性雰囲気下又は還元性雰囲気下で焼成されるので、バインダー樹脂としては熱分解温度の低いバインダー樹脂が好ましい。好適なバインダー樹脂として、例えば、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、ロジンをあげることができる。バインダー樹脂として、特にアクリル樹脂、又はロジンが好ましい。特に窒素雰囲気でTG測定(熱重量測定)をした場合、250〜350℃での重量減少が30%以上であるバインダー樹脂を好適に使用することができる。本発明で得られる銅微粒子は有機溶剤のみとあわせてペーストにすることも可能ではあるが、ペーストにバインダー樹脂を添加した場合でも、バインダー樹脂が完全に分解、燃焼しない温度で焼成しても銅微粒子間の焼結が進行するという特徴がある。ペーストで厚い塗膜を得たい場合はバインダー樹脂量を増加することで、印刷性を損なわずに厚膜を形成することが可能である。
好適な実施の態様において、本発明による表面処理微粒子は優れた低温焼結性を備えるために、例えば、焼結障害となりうるバインダー樹脂をペースト中に加えた場合であっても、その樹脂の分解温度以下の温度で焼結させることができる。
[ガラスフリット]
ガラスフリットは銅微粒子よりも大きいと、平坦な塗膜を形成する際の障害となることから、銅微粒子のD50の20倍未満のD50であることが望ましい。
[塗膜の表面粗さ]
本発明の表面処理銅微粒子を使用したペーストは、例えば塗工した後に焼成して、焼成体とすることができる。このペーストは、表面処理銅微粒子の優れた分散性を反映したものとなっているために、塗工により形成された塗膜は、平滑性に優れたものとなっている。この塗膜の平滑性は、塗工後に乾燥させた塗膜の表面粗さによって、確認することができる。この表面粗さは、乾燥塗膜の塗工方向の表面粗さRa(中心線平均粗さ)をJIS B 0601−2001に従って測定することにより、求めることができる。この表面粗さRaは、例えば1.6μm以下、好ましくは1.2μm以下、さらに好ましくは1.0μm以下とすることができる。表面粗さRaの値に特に下限はないが、例えば0.05μm以上、0.1μm以上とすることができる。
[焼結体]
銅微粒子ペーストを使用して、公知の手段によって、塗工等を行い、焼成を行って、焼結体(焼成体)を製造することができる。好適な実施の態様において、例えば銅微粒子ペーストを、非酸化性雰囲気下で、例えば350℃以下、好ましくは300℃以下で焼結(焼成)して焼結体(焼成体)を得ることができる。
[接合]
銅微粒子ペーストは、焼成によって接合を行う導電性接合材料として、好適に使用することができる。好適な実施の態様において、銅微粒子ペーストを使用して、公知の手段によって、半導体チップ(ダイ)と基板(支持体)とを、低温域において好適に接合することができる。このような接合は、特にダイボンディングと呼ばれる。したがって本発明による接合方法は、ダイボンディング方法にもあり、本発明による接合体の製造は、パワーモジュールの製造方法にもある。さらに、銅板と窒化物基板との接合にも、好適に使用できる。
接合は、ペーストを、例えば半導体チップ(ダイ)と基板(支持体)のいずれかの接合面、又は両方の接合面に塗布して、半導体チップ(ダイ)と基板(支持体)の接合面を塗布されたペーストを介して密着させて配置して、これを焼成(焼結)することによって行うことができる。ペーストを介して密着させて配置する際に、密着を確実にするために接合面に圧力をかけてもよい。あるいは、ペーストを介した密着配置を確実にするために、焼結に先立って、予備的な加熱による予備的な固定を行って、いったん積層体を形成させてもよい。
本発明の銅微粒子ペーストは、低温域の焼成によって、好適に接合を行うことができる。焼成の温度(接合の温度)として、例えば400℃以下、350℃以下、300℃以下とすることができ、例えば200〜300℃の範囲とすることができる。
[雰囲気]
上記の焼結(焼成)は、例えば非酸化性雰囲気下又は還元性雰囲気下で行うことができる。非酸化性雰囲気とは、酸化性気体が含まれない又は低減された雰囲気をいい、例えば酸素が完全又は十分に除去された雰囲気をいう。還元性雰囲気は、雰囲気中にCO、H2S、SO2、H2、HCHO、HCOOH、H2O等の還元性気体が、0.5vol%以上、好ましくは1.0vol%以上で含まれる雰囲気をいう。好適な実施の態様において、ギ酸を含む窒素雰囲気下、又は5vol%以下の水素を含む窒素雰囲気下で、焼結して、接合することができる。
[比抵抗]
本発明による銅微粒子ペーストは、表面処理銅微粒子の優れた低温焼結性を反映して、低温での焼成によっても、比抵抗に優れた焼成体(焼結体)を製造することができる。焼成体の比抵抗[μΩ・cm]は、実施例に記載の手段によって、測定することができる。好適な実施の態様において、比抵抗の値は、焼成温度350℃で15μΩ・cm以下、焼成温度300℃で20μΩ・cm以下、焼成温度250℃で30μΩ・cm以下とすることができる。
[パワーモジュールの製造]
本発明による銅微粒子ペーストは、表面処理銅微粒子の優れた低温焼結性を反映して、低温での焼成によっても、上述のように、優れた比抵抗を達成することができる。すなわち、パワーモジュールの製造のためのダイボンディングに特に好適である。
以下に実施例をあげて、本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[例1;実施例1〜143、比較例1〜3]
熱プラズマ法で作製されたBET比表面積3.5m2/gの銅微粒子20gを、プラズマトーチ(MODEL PL−50、TEKNA Plasma System Inc.)、2MHz高周波電源(日本高周波)、水冷構造反応容器とステンレスフィルターで構成されているプラズマ粉末装置を使用して以下の手順で作製した。Ar−H2プラズマを高周波電源に接続されたトーチ内に発生させた。Arガスを誘導コイルに垂直方向からセントラルガスとして供給し、Ar−H2混合ガスをシースガスをしてセントラルガスの周囲に供給した。原料粉末として電解銅粉(JX金属、52−H(平均粒径25μm)をキャリアガスとともにトーチ上部から粉体導入ノズルを通してプラズマ中に注入した。この時の電解銅粉供給速度は1.9g/minを基本とした(「粉体および粉末冶金」第54巻第1号、p39−)。電解銅粉の供給速度を変えることで、比表面積が異なる銅微粒子を作製した。
[例2;実施例1〜141、比較例2、3]
例1の手順で熱プラズマ法によって得た銅微粒子20gを、各高分子を所定量含む希硫酸に浸し、酸化物を取り除いた。その後、吸引濾過により銅微粒子を回収し、銅微粒子に対して所定量の下記界面活性剤を使って得た20mLの水溶液を300rpmで1時間混合し、銅微粉を回収した。その後、窒素中で70℃で1時間乾燥させた後、解砕し、銅微粒子を得た。この銅微粒子を金属比率で85%となるように、ジエチレングリコールと混合し、自転・公転ミキサーで混合し、ペーストを得た。このペーストを、乾燥塗膜厚で約10μmとなるようにガラス基板上にスクリーン印刷をした。これを窒素、2vol%の水素を含む窒素、または室温でギ酸バブリングした窒素のいずれかの雰囲気中で350℃、300℃、250℃の各温度で30分焼成した。えられた焼成体の抵抗をロレスターGXで測定し、3次元測定装置で焼成体の厚みを算出し、抵抗値と焼成体断面積、焼成体長さから焼成体の比抵抗を求めた。また、銅微粉の分散性を評価する目的で乾燥塗膜の塗工方向の表面粗さ(Ra)をJIS B 0601−2001に従い測定した。比較例2では界面活性剤が純水に溶解しなかったので、評価を行うことができなかった。
[界面活性剤]
以下に、銅微粒子の表面処理に使用した界面活性剤の構造を示す。
(化合物1;日油ナイミーンL207(HLB:12.5))
Figure 2019065370
R:C12のアルキル基
x+y:7
(化合物2;ライオンリポノールC/18−18(HLB:12.9))
Figure 2019065370
R:C8〜C18のアルキル基
x+y:8
z+w:8
(化合物3;ライオンリポノールDA−T/25(HLB:13.6))
Figure 2019065370
R:C14〜C18のアルキル基(但しC18はオレイル基を含む)
x+y+z:15
(化合物4;青木油脂工業ファインサーフD1307(HLB:13.2))
R−O−(CH2CH2O)n−H
R:C10のアルキル基
n:7
(化合物5;青木油脂工業ブラウノンN−510(HLB:13.3))
R−Ph−(CH2CH2O)n−H
Ph:フェニル基
R:C9
n:10
(化合物6;青木油脂工業ブラウノンBN−10(HLB:15.0))
Np−(CH2CH2O)n−H
Np:ナフチル基
n:10
(化合物7;青木油脂工業ブラウノンBEO−10AE(HLB:13.2))
Figure 2019065370
m+n:10
(化合物8;青木油脂工業ブラウノンBFE−10(HLB:13.8))
Figure 2019065370
m+n:10
(化合物9;青木油脂工業ブラウノンSD−50(HLB:17.8))
Figure 2019065370
R:C18のアルキル基
m+n:50
(化合物10;青木油脂工業ブラウノンO−600SA(HLB:13.6))
R−COO(CH2CH2O)n−H
R:オレイル基
n:13.6
(化合物11;青木油脂工業ブラウノンREO−15(HLB:13.5))
ポリオキシエチレンロジン酸エステル
エチレンオキサイド繰り返し単位数n:15
(化合物12;青木油脂工業ブラウノンLA−320(HLB:14.6))
R−(OCH2CH2n−OH
R:C12〜C24分枝構造も含むアルキル基
n:22
(化合物13;青木油脂工業ブラウノンBR−450(HLB:14.1))
ポリオキシエチレンヒマシ油
エチレンオキサイド繰り返し単位数n:50
(化合物14;青木油脂工業ブラウノンRCW−50(HLB:14.1))
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
エチレンオキサイド繰り返し単位数n:60
(化合物15;ライオンリポノールHT/12(HLB:5.2))
Figure 2019065370
R:C14〜C18のアルキル基(但しC18はオレイル基を含む)
x+y:2
(化合物16;青木油脂工業ブラウノンEN−1560(HLB:18.2))
R−O−(CH2CH2O)n−H
R:オレイル基
n:60
[例3;比較例1]
例1の手順で得られた銅微粒子を液温25℃、pH9.0の水酸化ナトリウム水溶液350mLと10分間混合し、デカンテーションにより銅微粒子を分離した。この銅微粒子をBTA(ベンゾトリアゾール)0.2gを含む水溶液100mLと30分間混合し、吸引濾過により銅微粒子を回収し、乾燥、解砕をした。例2の手順でペーストを作製し、評価を行った。
[例4;実施例142]
例2の手順で得られた表面処理銅微粒子を、金属比率が85%、バインダー樹脂として互応化学のアクリル樹脂KFA−2000を固形分で1%、残部をジヒドロターピネオールとなるように、自転・公転ミキサーで混合したのち、3本ロールに通してペーストを調整した。それ以外は例2の手順に従い評価を行った。
[例5;実施例143]
例2の手順で得られた表面処理銅微粒子を、金属比率が85%、バインダー樹脂としてロジンを1%、残部をジヒドロターピネオールとなるように、自転・公転ミキサーで混合したのち、3本ロールに通してペーストを調整した。それ以外は例2の手順に従い評価を行った。
[表1]
Figure 2019065370
[表1の続き]
Figure 2019065370
[表1の続き]
Figure 2019065370
[表1の続き]
Figure 2019065370
[表1の続き]
Figure 2019065370
本発明によれば、低温焼結性に優れた、表面処理銅微粒子を、水溶液との混合という簡素な工程によって得ることができる。本発明は産業上有用な発明である。

Claims (17)

  1. BET比表面積が0.1〜10.0m2/gである銅微粒子と、ノニオン系界面活性剤を含む水溶液を、混合する工程、
    を含む、低温焼結性表面処理銅微粒子の製造方法であって、
    ノニオン系界面活性剤が、グリフィン法によるHLB値が9以上18以下でありエチレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性剤である、製造方法。
  2. 銅微粒子が、乾式法で調製された銅微粒子を、天然樹脂、多糖類、及びゼラチンからなる群から選択された高分子と酸と混合して調製された銅微粒子である、請求項1に記載の製造方法。
  3. ノニオン系界面活性剤が、次の式(I)〜(X)で示されるノニオン系界面活性剤、及び(XI)〜(XIV)のノニオン系界面活性剤からなる群から選択されたノニオン系界面活性剤又はそれらの混合物である、請求項1〜2のいずれかに記載の製造方法:
    (I):
    Figure 2019065370
    (ただし、式(I)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数である);
    (II):
    Figure 2019065370
    (ただし、式(II)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、wは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数であり、z+wは2〜45の整数である);
    (III):
    Figure 2019065370
    (ただし、式(III)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、x+y+zは3〜45の整数である);
    (IV):
    R−O−(CH2CH2O)n−H
    (ただし、式(IV)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、または二重結合を含むアルキル基を表し、nは1以上60以下の整数を表す);
    (V):
    R−Ph−(CH2CH2O)n−H
    (ただし、式(V)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、Phは、フェニレン基を表し、nは1以上50以下の整数を表す);
    (VI):
    Np−(CH2CH2O)n−H
    (ただし、式(VI)において、Npは、ナフチル基を表し、nは1以上30以下の整数を表す);
    (VII):
    HO−(CH2CH2O)m−Ph−C(CH32−Ph−(OCH2CH2n−OH
    (ただし、式(VII)において、Phは、フェニレン基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは50以下である);
    (VIII):
    HO−(CH2CH2O)m−Ph−CH2−Ph−(OCH2CH2n−OH
    (ただし、式(VIII)において、Phはフェニレン基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは20以下である);
    (IX):
    Figure 2019065370
    (ただし、式(IX)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは60以下である);
    (X):
    R−COO(CH2CH2O)n−H
    (ただし、式(X)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上20以下の整数を表す);
    (XI):
    ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、及びパラストリン酸からなる群から選択された樹脂酸又はその混合物を含むロジン酸のエチレンオキサイド付加物である、ポリオキシエチレンロジン酸エステル(ただし、エチレンオキサイドの繰り返し単位数nは20以下である);
    (XII):
    下記式で表されるポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル:
    R−(OCH2CH2n−OH
    (ただし、式(XII)において、Rは、C12〜C24の分枝又は非分枝のアルキル基、またはC12〜C24の分枝又は非分枝のアルケニル基を表し、nは1以上30以下の整数を表す);
    (XIII):
    シノレイン酸のグリセリンエステルを含むヒマシ油のエーテルである、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル;
    (XIV):
    下記式で表される硬化ヒマシ油のエーテルである、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル:
    Figure 2019065370
    (ただし、上記式中、POE基は、−(CH2CH2O)n−H で表される基であり、nは1以上100以下の整数である)。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法によって製造された低温焼結性表面処理銅微粒子を、溶剤、バインダー樹脂と混合する工程、
    を含む、銅微粒子ペーストの製造方法。
  5. 溶剤が、沸点250℃以下であるアルコール又はグリコールである、請求項4に記載の製造方法。
  6. バインダー樹脂が、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリルメタクリル共重合樹脂またはロジンである、請求項4〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法によって製造された銅微粒子ペーストを焼成して、焼成体を得る工程、を含む、焼成体の製造方法。
  8. 請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法によって製造された銅微粒子ペーストを使用して、ダイと支持体とを接合する工程、を含む、パワーモジュールの製造方法。
  9. 焼成が、非酸化性雰囲気下、350℃以下で行われる、請求項7〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. グリフィン法によるHLB値が9以上18以下でありエチレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性剤であって、次の式(I)〜(X)で示されるノニオン系界面活性剤、及び(XI)〜(XIV)のノニオン系界面活性剤からなる群から選択されたノニオン系界面活性剤からなる、銅微粒子用低温焼結化表面処理剤:
    (I):
    Figure 2019065370
    (ただし、式(I)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数である);
    (II):
    Figure 2019065370
    (ただし、式(II)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、wは1以上の整数であり、x+yは2〜45の整数であり、z+wは2〜45の整数である);
    (III):
    Figure 2019065370
    (ただし、式(III)において、Rは、C8〜C20のアルキル基またはC8〜C20のアルケニル基を示し、xは1以上の整数であり、yは1以上の整数であり、zは1以上の整数であり、x+y+zは3〜45の整数である);
    (IV):
    R−O−(CH2CH2O)n−H
    (ただし、式(IV)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上60以下の整数を表す);
    (V):
    R−Ph−(CH2CH2O)n−H
    (ただし、式(V)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、Phは、フェニレン基を表し、nは1以上50以下の整数を表す);
    (VI):
    Np−(CH2CH2O)n−H
    (ただし、式(VI)において、Npは、ナフチル基を表し、nは1以上30以下の整数を表す);
    (VII):
    HO−(CH2CH2O)m−Ph−C(CH32−Ph−(OCH2CH2n−OH
    (ただし、式(VII)において、Phは、フェニレン基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは50以下である);
    (VIII):
    HO−(CH2CH2O)m−Ph−CH2−Ph−(OCH2CH2n−OH
    (ただし、式(VIII)において、Phはフェニレン基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは20以下である);
    (IX):
    Figure 2019065370
    (ただし、式(IX)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mは60以下である);
    (X):
    R−COO(CH2CH2O)n−H
    (ただし、式(X)において、Rは、C8〜C20のアルキル基、またはC8〜C20のアルケニル基を表し、nは1以上20以下の整数を表す);
    (XI):
    ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、及びパラストリン酸からなる群から選択された樹脂酸又はその混合物を含むロジン酸のエチレンオキサイド付加物である、ポリオキシエチレンロジン酸エステル(ただし、エチレンオキサイドの繰り返し単位数nは20以下である);
    (XII):
    下記式で表されるポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル:
    R−(OCH2CH2n−OH
    (ただし、式(XII)において、Rは、C12〜C24の分枝又は非分枝のアルキル基、またはC12〜C24の分枝又は非分枝のアルケニル基を表し、nは1以上30以下の整数を表す);
    (XIII):
    シノレイン酸のグリセリンエステルを含むヒマシ油のエーテルである、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル;
    (XIV):
    下記式で表されるグリセリンエステルとポリオキシエチレンオキシドのエーテルを含む、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル:
    Figure 2019065370
    (ただし、上記式中、POE基は、−(CH2CH2O)n−H で表される基であり、nは1以上100以下の整数である)。
  11. 銅微粒子が、BET比表面積が0.1〜10.0m2/gである銅微粒子であり、
    乾式法で調製された銅微粒子を、天然樹脂、多糖類、及びゼラチンからなる群から選択された高分子と酸と混合して調製された銅微粒子である、請求項10に記載の銅微粒子用低温焼結化表面処理剤。
  12. BET比表面積が0.1〜10.0m2/gである銅微粒子と、
    グリフィン法によるHLB値が9以上18以下でありエチレンオキサイド鎖を有するノニオン系界面活性剤が含まれる水溶液を、混合して得られた、低温焼結性表面処理銅微粒子。
  13. 銅微粒子が、乾式法で調製された銅微粒子を、天然樹脂、多糖類、及びゼラチンからなる群から選択された高分子と酸と混合して調製された銅微粒子である、請求項12に記載の低温焼結性表面処理銅微粒子。
  14. ノニオン系界面活性剤が、請求項10に記載の銅微粒子用低温焼結化表面処理剤である、請求項12〜13のいずれかに記載の低温焼結性表面処理銅微粒子。
  15. 請求項12〜14のいずれかに記載の低温焼結性表面処理銅微粒子、及び沸点250℃以下であるアルコール又はグリコールを含んでなる、銅微粒子ペースト。
  16. さらにアクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリルメタクリル共重合樹脂またはロジンを含む請求項15に記載の銅微粒子ペースト。
  17. 請求項15〜16のいずれかに記載の銅微粒子ペーストを非酸化性雰囲気下で350℃以下で焼成して得られた、50μΩcm以下の比抵抗である焼成体。
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