JP2019065312A - 集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法 - Google Patents

集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱サイクルに対する耐久性に優れ、外部からの振動を効果的に減衰させることができる集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法を提供する。【解決手段】集電体用アルミニウム合金箔は、Fe:1.1〜1.8質量%、Si:0.30質量%以下、Cu:0.030質量%以下、Mg:0.030質量%以下、Mn:0.040質量%以下、Ti:0.050質量%以下を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる化学成分と、冷間加工組織とを有しており、150℃以上200℃以下の温度で再結晶する。また、集電体用アルミニウム合金箔は、完全に再結晶した場合に、伸びが5.6%以上であり、かつ、減衰自由振動の対数減衰率が1.0×10-3以上となる特性を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、自動車やノート型パーソナルコンピュータ等の、種々の機器に搭載されるバッテリーとして多用されている。リチウムイオン二次電池の正極は、アルミニウム合金箔からなる集電体と、正極活物質を含み、集電体の表面上に配置された正極活物質層とを有している。
リチウムイオン二次電池用の正極は、通常、以下の方法により作製されている。即ち、集電体としてのアルミニウム合金箔の表面に正極活物質とバインダとを含むペーストを塗布した後、ペーストを乾燥させて集電体の表面上に正極活物質層を形成する。そして、正極活物質層を設けた集電体を圧延した後、所望の寸法に裁断することにより、正極を得ることができる(例えば、特許文献1)。
前述した正極の作製過程におけるアルミニウム合金箔の破断等を抑制するためには、比較的強度の高いアルミニウム合金箔を使用することが好ましい。しかし、アルミニウム合金箔は、強度が高くなるほど伸びが小さくなる傾向を有している。リチウムイオン二次電池の正極は充放電の際に膨張と収縮とを繰り返すため、伸びの小さいアルミニウム合金箔を集電体として使用した場合には、膨張と収縮との繰り返しによりアルミニウム合金箔が早期に劣化するおそれがある。また、場合によってはアルミニウム合金箔が早期に破断するおそれもある。
そこで、本発明者らは、鋭意検討の結果、電極製造時の塗布、乾燥、圧延時には十分な強度を有し、その後120℃程度の低温から軟化が始まる特性を備えたアルミニウム合金箔を見出した(特許文献2)。このアルミニウム合金箔は、正極の作製過程においてアルミニウム合金箔の温度が120℃を超えないようにすることにより、強度の低下を抑制することができる。その結果、正極の作製過程におけるアルミニウム合金箔の破断を抑制することができる。また、リチウムイオン二次電池に組み込む前の正極に200℃以下の極力低い温度で熱処理を施すことにより、アルミニウム合金箔の伸びを向上させ、ひいては充放電サイクルに対するアルミニウム合金箔の耐久性を向上させることができる。
特開2007−234277号公報 特許第5591583号
近年では、充放電サイクルに対するアルミニウム合金箔の耐久性をより向上させることが強く望まれている。それ故、特許文献2のアルミニウム合金箔よりも更に、熱処理を施した後のアルミニウム合金箔の伸びを大きくすることが求められている。
また、従来のアルミニウム合金箔を備えた正極は、例えば自動車用バッテリー等の用途において外部から激しい振動が加わった場合に、集電体としてのアルミニウム合金箔から正極活物質層が剥離し、電池容量の低下を招くおそれがある。かかる問題を回避するため、外部から振動が加わった場合に正極活物質層の剥離を抑制することができるアルミニウム合金箔が求められている。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、熱サイクルに対する耐久性に優れ、外部からの振動を効果的に減衰させることができる集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、Fe(鉄):1.1〜1.8質量%、Si(ケイ素):0.30質量%以下、Cu(銅):0.030質量%以下、Mg(マグネシウム):0.030質量%以下、Mn(マンガン):0.040質量%以下、Ti(チタン):0.050質量%以下を含有し、残部がAl(アルミニウム)及び不可避的不純物からなる化学成分と、
冷間加工組織とを有し、
150℃以上の温度で再結晶し、
完全に再結晶した場合に、伸びが5.6%以上となり、かつ、減衰自由振動の対数減衰率が1.0×10-3以上となる特性を有している、
集電体用アルミニウム合金箔にある。
また、本発明の他の態様は、前記の態様の集電体用アルミニウム合金箔の製造方法であって、
前記化学成分を備えた鋳塊を準備し、
前記鋳塊を400〜580℃の温度に保持して均質化処理を行い、
巻き取り温度が前記再結晶温度以下となる条件で前記鋳塊に熱間圧延を行うことにより熱延板を作製し、
前記熱延板に冷間圧延を行うことにより冷延板を作製し、
前記冷延板を300〜340℃の温度に保持して中間焼鈍を行い、
圧延率を85%以上とし、巻き取り温度が90℃未満となる条件で前記冷延板に箔圧延を行う、
集電体用アルミニウム合金箔の製造方法にある。
前記集電体用アルミニウム合金箔(以下、適宜「アルミニウム合金箔」という。)は、前記特定の化学成分と、冷間加工組織をと有している。これにより、150℃以上の温度で再結晶するという特性を実現することができる。そして、かかる特性を備えたアルミニウム合金箔は、正極の作製過程において高い強度を維持し、前記アルミニウム合金箔の破断を抑制することができる。
また、前記アルミニウム合金箔は、Mgの含有量を0.030質量%以下とすることにより、従来の成分範囲を備えたアルミニウム合金箔に比べて、完全に再結晶した場合の伸びを大きくすることができる。それ故、前記アルミニウム合金箔は、従来のアルミニウム合金箔に比べて膨張と収縮とを繰り返した場合の劣化を抑制し、充放電サイクルに対する耐久性を向上させることができる。
更に、完全に再結晶した前記アルミニウム合金箔における、減衰自由振動の対数減衰率は1.0×10-3以上である。前記アルミニウム合金箔は、対数減衰率を前記特定の範囲とすることにより、外部から加わった振動を効果的に減衰させることができる。それ故、前記アルミニウム合金箔を正極の集電体として使用することにより、外部から振動が加わった場合の集電体の振動を抑制し、ひいては集電体からの正極活物質層の剥離を抑制することができる。
以上のように、前記アルミニウム合金箔は、充放電サイクルに対する耐久性に優れているとともに、外部からの振動を効果的に減衰させることができる。
実施例における、対数減衰率の測定装置の要部を示す側面図である。 実施例における、減衰自由振動の波形の一例を示す説明図である。
前記アルミニウム合金箔における化学成分等の限定理由を以下に説明する。
・Fe(鉄):1.1〜1.8質量%
Feは、前記アルミニウム合金箔中に過飽和の状態で固溶している。Al母相中に固溶したFeの一部は、アルミニウム合金箔が100℃程度の温度まで加熱された場合に、5nm未満の粒径を有する微細なAl−Fe系化合物として析出する。この微細なAl−Fe系化合物が転位の移動を妨げることにより、120℃以下の温度範囲において前記アルミニウム合金箔の軟化を抑制し、高い強度を維持することができる。
一方、120〜200℃の温度範囲では、固溶しているFeの拡散速度が比較的遅いため、Al−Fe系化合物の析出に比べて冷間加工組織の回復速度が速くなる。それ故、前記アルミニウム合金箔は、熱処理を施した場合に120℃程度の温度で冷間加工組織の回復が始まり、引張強さが低下する特性を有している。そして、前記アルミニウム合金箔の熱処理をさらに継続して温度を150℃以上にすることにより、前記アルミニウム合金箔を再結晶させることができる。その結果、前記アルミニウム合金箔の伸びを熱処理前に比べて大きくすることができる。
また、Feの一部は、前記アルミニウム合金箔を120℃以上の温度に加熱した場合にAl−Fe系化合物として析出せず、Al母相中に固溶している。この固溶Feにより、外部から加わった振動を効果的に減衰させることができる。
このように、Feは、前記アルミニウム合金箔における、100℃程度の温度での熱処理では強度を維持し、150℃以上の温度で熱処理を施すことにより熱処理前に比べて軟化するとともに伸びが大きくなるという特性を実現するために重要な元素である。Feの含有量を前記特定の範囲とすることにより、かかる特性を実現するとともに、完全に再結晶した前記アルミニウム合金箔の伸び及び対数減衰率を前記特定の範囲にすることができる。
Feの含有量が1.1質量%未満の場合には、Al母相中に固溶したFeの量が不足するため、完全に再結晶した前記アルミニウム合金箔の対数減衰率が前記特定の範囲よりも小さくなる。その結果、外部から加わった振動を減衰させることが難しくなる。完全に再結晶した前記アルミニウム合金箔の対数減衰率をより大きくし、外部から加わった振動をより効果的に減衰させる観点からは、Feの含有量を1.2質量%以上とすることが好ましい。
Feの含有量が1.8質量%を超える場合には、前記アルミニウム合金箔の製造過程において鋳塊を作製した際に、粒径数百μmを超える粗大なAl−Fe系化合物が析出する。このような粗大なAl−Fe系化合物を内包した状態でアルミニウム合金箔を作製した場合、箔圧延時にアルミニウム合金箔にピンホールが形成されやすくなる。それ故、Feの含有量が1.8質量%を超える場合には、健全なアルミニウム合金箔を作製することが難しい。粗大なAl−Fe系化合物の析出を抑制し、ピンホールの形成をより確実に回避する観点からは、Feの含有量を1.6質量%以下とすることが好ましい。
前述したように、前記アルミニウム合金箔中のFeの一部はAl母相中に固溶しており、残部はAl−Fe系化合物としてAl母相中に分散している。Al母相中には、10〜50nmの円相当直径を有するAl−Fe系化合物が800個/μm3以上分散していることが好ましい。前記特定の範囲の円相当直径を有するAl−Fe系化合物は、Al母相との整合性が低い。そのため、Al−Fe系化合物をAl母相中に800個/μm3以上分散させることにより、150℃以上の温度で熱処理を施した場合に、冷間加工組織の回復及び再結晶を促進させることができる。その結果、前記アルミニウム合金箔をより低い温度で再結晶させることができるとともに、完全に再結晶した前記アルミニウム合金箔の伸びをより大きくすることができる。
Al母相中に固溶しているFeの量は、0.015〜0.035質量%であることが好ましい。この場合には、前記アルミニウム合金箔に100℃程度の温度で熱処理を施した場合に、Al母相中に微細なAl−Fe系化合物を多数析出させることができる。その結果、100℃程度の温度で熱処理を施した場合の強度の低下をより効果的に抑制することができる。
また、前記アルミニウム合金箔は、完全に再結晶した場合に、Al母相中に固溶しているFeの量が0.010〜0.030質量%となる特性を有していることが好ましい。前述したように、Al母相中に固溶したFeは、外部から加わった振動を効果的に減衰させることができる。それ故、この場合には、完全に再結晶した前記アルミニウム合金箔の対数減衰率をより大きくし、外部から加わった振動をより効果的に減衰させることができる。
・Si(ケイ素):0.30質量%以下
Siは、必須成分ではないが、前記アルミニウム合金箔中に混入することがある。Siの含有量が多くなると、Al母相中にSi単体及びAl−Fe−Si系化合物等の第二相粒子が析出しやすくなり、前記アルミニウム合金箔の延性の低下を招くおそれがある。このようなアルミニウム合金箔の延性の低下を回避するため、Siの含有量は0.30質量%以下とする。同様の観点からは、Siの含有量を0.10質量%以下とすることが好ましい。
Ti(チタン):0.050質量%以下
前記アルミニウム合金箔は、任意成分としてTiを含んでいてもよい。Tiは、鋳塊組織を微細化する作用を有している。しかし、Tiの含有量が過度に多い場合には、箔圧延時にアルミニウム合金箔にピンホールが形成されやすくなる。Tiの含有量を前記特定の範囲とすることにより、箔圧延時のピンホールの形成を回避しつつ、前記アルミニウム合金箔の機械的特性のバラつきをより低減することができる。
B(ホウ素):0.010質量%以下
前記アルミニウム合金箔は、任意成分としてBを含んでいてもよい。Bは、Tiと共存することにより、Tiと同様に鋳塊組織を微細化することができる。しかし、Bの含有量が過度に多い場合には、箔圧延時にアルミニウム合金箔にピンホールが形成されやすくなる。Bの含有量を前記特定の範囲とすることにより、箔圧延時のピンホールの形成を回避しつつ、前記アルミニウム合金箔の機械的特性のバラつきをより低減することができる。
Mn(マンガン):0.040質量%以下
前記アルミニウム合金箔は、任意成分としてMnを含んでいてもよい。Mnは前記アルミニウム合金箔の強度を向上させる作用を有している。しかし、Mnの含有量が過度に多い場合には、完全に再結晶した前記アルミニウム合金箔の伸びが低下するおそれがある。Mnの含有量を前記特定の範囲とすることにより、伸びの低下を回避しつつ前記アルミニウム合金箔の強度をより向上させることができる。
Cu(銅):0.030質量%以下
前記アルミニウム合金箔は、任意成分としてCuを含んでいてもよい。CuはAl母相中に固溶し、前記アルミニウム合金箔の強度を向上させる作用を有している。しかし、Cuの含有量が過度に多い場合には、Cuの固溶量が大きくなるため、完全に再結晶した前記アルミニウム合金箔の伸びが低下するおそれがある。Cuの含有量を前記特定の範囲とすることにより、伸びの低下を回避しつつ前記アルミニウム合金箔の強度をより向上させることができる。
Mg(マグネシウム):0.030質量%以下
前記アルミニウム合金箔は、任意成分としてMgを含んでいてもよい。MgはAl母相中に固溶し、前記アルミニウム合金箔の強度を向上させる作用を有している。しかし、Mgの含有量が過度に多い場合には、Mgの固溶量が大きくなるため、完全に再結晶した前記アルミニウム合金箔の伸びが低下するおそれがある。Mgの含有量を前記特定の範囲とすることにより、伸びの低下を回避しつつ前記アルミニウム合金箔の強度をより向上させることができる。
・その他の元素
前記アルミニウム合金箔中には、不純物として、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、Sn(錫)、Pb(鉛)、V(バナジウム)等の元素が含まれていることがある。これらの元素の含有量が過度に多い場合には、再結晶し始める温度の上昇を招くおそれがある。これらの元素の含有量を0.020質量%以下とすることにより、再結晶し始める温度の上昇を回避することができる。
・再結晶前の金属組織及び機械的特性
前記アルミニウム合金箔は、冷間加工組織を有している。これにより、前述したように、正極の作製過程において高い強度を維持し、前記アルミニウム合金箔の破断を抑制することができる。
また、前記アルミニウム合金箔は、160MPa以上の引張強さを有していることが好ましい。この場合には、正極の作製過程における前記アルミニウム合金箔の破断をより効果的に抑制することができる。
また、正極の作製過程における前記アルミニウム合金箔の破断をより効果的に抑制する観点からは、120℃未満の温度に加熱した後の前記アルミニウム合金箔の軟化を抑制することが好ましい。かかる観点からは、100℃のオイルバスに1分間浸漬した後の前記アルミニウム合金箔の引張強さが150MPa以上であることがより好ましい。
・再結晶する温度:150℃以上
前記アルミニウム合金箔は、150℃以上の温度で再結晶する特性を有している。一般的な正極の作製過程においては、例えば正極活物質層を乾燥させる際等に、集電体としてのアルミニウム合金箔が100℃程度まで加熱されることがある。前記アルミニウム合金箔は、再結晶の開始温度が150℃以上であるため、正極の作製過程における前記アルミニウム合金箔の軟化や延性の増大を容易に回避することができる。これにより、正極の作製過程において高い強度を維持し、前記アルミニウム合金箔の破断を抑制することができる。
また、前記アルミニウム合金箔における再結晶の開始温度は200℃以下であることが好ましい。リチウムイオン二次電池の正極活物質としては、コバルト酸リチウムやリチウムニッケル複合化合物等が使用されている。これらの正極活物質は、200℃を超える温度に加熱した場合に変質するおそれがあり、場合によっては所望する電気的特性が損なわれるおそれもある。それ故、前記アルミニウム合金箔における再結晶の開始温度を200℃以下とすることにより、加熱による正極活物質の変質を回避しつつ完全に再結晶した前記アルミニウム合金箔の伸びを大きくすることができる。
・再結晶後の機械的特性
完全に再結晶した前記アルミニウム合金箔は、5.6%以上の伸びを有している。また、完全に再結晶した前記アルミニウム合金箔における、減衰自由振動の対数減衰率は1.0×10-3以上である。これらの再結晶後の特性は、少なくとも、前記特定の化学成分を有することにより実現することができる。
また、120℃のオイルバスに1分間浸漬した後の前記アルミニウム合金箔の引張強さは、150MPa未満であることが好ましい。120℃における前記アルミニウム合金箔の軟化特性を前記のごとく規定することにより、150℃以上の温度で熱処理を施した後の前記アルミニウム合金箔の延性をより向上させることができる。その結果、充放電サイクルに対するアルミニウム合金箔の耐久性をより向上させることができる。
・製造方法
前記アルミニウム合金箔は、例えば、以下の方法により作製することができる。まず、前記特定の化学成分を備えた鋳塊を準備する。鋳塊は、例えば、連続鋳造やDC鋳造等の公知の方法により作製することができる。
次に、前記鋳塊を400〜580℃の温度に保持して均質化処理を行う。均質化処理における保持温度が400℃未満の場合には、鋳塊組織の均質化が不十分となり、最終的に得られるアルミニウム合金箔の機械的特性のバラつきが増大するおそれがある。また、保持温度が580℃を超える場合には、いわゆるオストワルド成長により、鋳塊内に存在するAl−Fe系化合物の大きさが増大するとともに数が減少する。その結果、前記アルミニウム合金箔の再結晶の開始温度の上昇を招き、ひいては、150℃以上の温度での熱処理により前記アルミニウム合金箔の伸びを大きくすることが難しくなるおそれがある。
均質化処理における保持時間は特に限定されないが、保持時間が過度に長くなると製造コストの増大を招く。製造コストの増大を回避する観点からは、保持時間を24時間以下とすることが好ましい。
均質化処理を行った後、巻き取り温度が再結晶温度以下となる条件で鋳塊に熱間圧延を行い、熱延板を作製する。熱延板の巻き取り温度を再結晶温度以下とすることにより、熱延板中のFeの析出を抑制することができる。その結果、前記アルミニウム合金箔におけるFeの固溶量を十分に多くすることができる。また、この場合には、熱延板に転位を導入することができる。熱延板に導入された転位は、後に行う中間焼鈍の際にAl−Fe系化合物の析出サイトとなる。それ故、熱延板に転位を導入することにより、中間焼鈍時のAl−Fe系化合物の析出を促進することができる。
なお、前述した「再結晶温度」とは、当該温度に1時間保持した場合に、熱延板が完全に再結晶する温度をいう。熱延板の再結晶温度は、前記アルミニウム合金箔の再結晶が開始する温度よりも高い。
前述したFeの析出の抑制及び転移の導入の効果をより高める観点からは、熱延板の巻き取り温度が260℃以下となる条件で熱間圧延を行うことがより好ましい。
熱間圧延を行った後、得られた熱延板に必要に応じて中間焼鈍を施してもよい。熱間圧延後の中間焼鈍は、例えば、320〜400℃の温度で1〜10時間保持する条件で行うことができる。中間焼鈍を行うことにより、機械的特性のばらつきを低減し、かつ、冷間圧延中における冷延板の板幅方向端部の割れの発生をより効果的に抑制することができる。
次に、熱延板に冷間圧延を施して冷延板を作製する。冷間圧延の条件は、公知の範囲から適宜選択することができる。また、冷延板の板厚は、例えば0.2〜1.5mmの範囲から適宜設定することができる。
冷間圧延を行った後、得られた冷延板を300〜340℃の温度に保持して中間焼鈍を行う。これにより、最終的に得られるアルミニウム合金箔の機械的特性のバラつきを低減することができる。この中間焼鈍における保持温度が300℃未満の場合には、機械的特性のバラつきを低減する効果が低下するおそれがある。また、保持温度が340℃を超える場合には、中間焼鈍後に粗大な再結晶粒が形成されやすくなる。その結果、箔圧延時にピンホールが形成されやすくなるおそれがある。
冷間圧延後の中間焼鈍における保持時間は、機械的特性のバラつきをより低減する観点から、2時間以上とすることが好ましい。また、製造コストの増大を回避する観点からは、保持時間を12時間以下とすることが好ましく、8時間以下とすることがより好ましい。
中間焼鈍を行った後、冷延板に箔圧延を施すことにより、前記アルミニウム合金箔を得ることができる。箔圧延におけるパス数は1パスであってもよいし、2パス以上であってもよい。箔圧延における圧延率、即ち、冷延板の板厚を100%とした場合の板厚の減少率は85%以上とする。これにより、前記アルミニウム合金箔の金属組織を所望の冷間加工組織とし、100℃程度の熱処理を施した場合には強度が維持され、150℃以上の温度で熱処理を施した場合には伸びが増大するという特性を付与することができる。
箔圧延における圧延率は、95%以上とすることが好ましい。この場合には、前記アルミニウム合金箔の冷間加工組織に、より大きな歪みエネルギーを蓄積することができる。そして、この歪みエネルギーが再結晶の駆動力となることにより、より低い温度で前記アルミニウム合金箔を再結晶させることができる。
箔圧延における圧延率が85%未満の場合には、箔圧延後の冷間加工組織に蓄積された歪みエネルギーが不足する。そのため、150℃以上の温度で熱処理を施した場合に前記アルミニウム合金箔の再結晶が完了せず、延性の低下を招くおそれがある。
また、箔圧延の各パスにおけるアルミニウム合金箔の巻き取り温度は、90℃未満とする。これにより、箔圧延後の冷間加工組織に十分に大きな歪みエネルギーを蓄積することができる。その結果、前記アルミニウム合金箔に、150℃以上の温度で熱処理を施した場合には伸びが増大するという特性を付与することができる。
箔圧延におけるいずれかのパスでアルミニウム合金箔の巻き取り温度が90℃を超える場合には、巻き取られたアルミニウム合金箔において冷間加工組織が回復し、箔圧延後の冷間加工組織に蓄積された歪みエネルギーが不足するおそれがある。そのため、150℃以上の温度で熱処理を施した場合に前記アルミニウム合金箔の再結晶が完了せず、延性の低下を招くおそれがある。
前記アルミニウム合金箔及びその製造方法の実施例を以下に説明する。なお、本発明に係るアルミニウム合金箔及びその製造方法の態様は、実施例の態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜構成を変更することができる。
本例では、まず、以下の方法により厚み15μmのアルミニウム合金箔を作製し、得られたアルミニウム合金箔を用いてAl母相中に分散したAl−Fe系化合物の数、比抵抗、機械的特性及びピンホールの有無を評価した。また、これらとは別に、板厚0.6mmの短冊試験片を作製し、得られた短冊試験片を用いて減衰自由振動における対数減衰率を測定した。以下、詳説する。
・Al−Fe系化合物の数
まず、DC鋳造により、表1に示す化学成分を備えたアルミニウム合金(合金記号A〜L)の鋳塊を作製した。得られた鋳塊を520℃の温度に10時間保持して均質化処理を行った。均質化処理の後、巻き取り温度が230℃となる条件で鋳塊に熱間圧延を行い、板厚3mmの熱延板を得た。なお、表1における記号「Bal.」は残部(Balance)であることを示す記号である。
この熱延板に冷間圧延を行い、板厚0.5mmの冷延板を得た。冷延板を310℃の温度に6時間保持して中間焼鈍を行った後、冷延板に箔圧延を行い、厚み15μmのアルミニウム合金箔を作製した。箔圧延のパス数は複数パスとし、各パスが終了した後のアルミニウム合金箔の巻き取り温度は60〜80℃とした。また、箔圧延における圧下率は97%であった。
・機械的特性
前述したアルミニウム合金箔を用いて引張試験を行い、初期の引張強さを測定した。また、正極の作製過程における集電体を模擬するため、アルミニウム合金箔を100℃のオイルバスに1分間浸漬して熱処理を施した。熱処理後のアルミニウム合金箔について引張試験を行い、正極の作製過程における引張強さを測定した。
また、正極を作製した後、120℃の温度で熱処理を施した後の集電体を模擬するため、アルミニウム合金箔を120℃のオイルバスに1分間浸漬して熱処理を施した。熱処理後のアルミニウム合金箔について引張試験を行い、120℃の温度で熱処理を施した後の引張強さを測定した。
更に、正極を作製した後、170℃の温度で熱処理を施した後の集電体を模擬するため、アルミニウム合金箔170℃のオイルバスに1分間浸漬して熱処理を施した。熱処理後のアルミニウム合金箔について引張試験を行い、170℃の温度で熱処理を施した後の引張強さ及び伸びを測定した。これらの結果は、表2に示した通りであった。
・比抵抗
前述のアルミニウム合金箔を液体窒素に浸漬した後、4端子法により比抵抗を測定した。各試験材の比抵抗は、表2に示した通りであった。
・ピンホール
前述のアルミニウム合金箔の外観を観察し、ピンホールの有無を評価した。その結果は、表2に示した通りであった。
・減衰自由振動の対数減衰率
最終的に得られる短冊試験片の板厚が0.6mmとなるように熱延板及び冷延板における板厚を調整した以外は、前述のアルミニウム合金箔の製造方法と同様の方法により板材を作製した。形削り盤を用いてこの板材から幅10mm、長さ60mmの短冊試験片を採取した。そして、得られた短冊試験片に熱処理を施し、完全に再結晶させた。なお、この短冊試験片は、電極の積層数が40層である角型のリチウムイオン二次電池を模擬したものである。
前述のように準備した短冊試験片について、自由共振式内部摩擦測定装置(日本テクノプラス株式会社製「JE−RT」)を用いて減衰自由振動における対数減衰率の測定を行った。本例において使用した測定装置1は、図1に示すように、駆動電極2と、駆動電極2に対面した振幅センサ3とを有している。駆動電極2と振幅センサ3との間に短冊試験片Sを水平に配置し、振動の節となる位置において細線4により短冊試験片Sを固定する。この状態で駆動電極2に交流電流を流して短冊試験片Sにクーロン力を作用させることにより、短冊試験片Sを振動させることができる。そして、振幅センサ3を用いて短冊試験片Sの振幅を測定することにより、振動の波形を得ることができる。
本例では、駆動電極2に交流電流を流して短冊試験片Sを強制的に振動させた後、交流電流を止め、短冊試験片Sを復元力により自由に振動させた。短冊試験片Sの振動は、図2に示す波形のように、周期Tで周期的に振動しながら振幅が指数関数的に減衰する、いわゆる減衰自由振動となった。なお、減衰自由振動においては、大気による抵抗や、短冊試験片内部の転位や粒界等に由来する内部摩擦等によって振動エネルギーの損失が生じるために振幅が指数関数的に減少すると考えられている。
対数減衰率δの値は、減衰自由振動の波形に基づいて、以下の方法により算出した。まず、減衰自由振動の波形から、n周期目(但し、nは正の整数)及びn+m周期目(但し、mは2以上の整数)を任意に選択し、n周期目の振幅anの値と、n+m周期目の振幅an+mの値を取得する。対数減衰率δは、k周期目の振幅akと、その次の周期の振幅ak+1との比の値の自然対数ln(ak/ak+1)であるから、振幅anと、振幅an+mとの比の自然対数ln(an/an+m)は、下式のように展開することができる。
ln(an/an+m)=ln{(an/an+1)×(an+1/an+2)×・・・×(an+m-1/an+m)}=mδ
従って、対数減衰率δの値は、n周期目の振幅anの値と、n+m周期目の振幅an+mの値を用いて下式のように表すことができる。
δ=(1/m)・ln(an/an+m
各短冊試験片の対数減衰率は、表2に示した通りであった。
Figure 2019065312
Figure 2019065312
表1に示したように、合金A〜Eは、前記特定の範囲の化学成分を有している。そのため、表2に示したように、これらの合金からなるアルミニウム合金箔の初期の引張強さは160MPa以上となり、100℃のオイルバスに1分間浸漬した後の引張強さは150MPa以上となった。また、170℃のオイルバスに1分間浸漬した後の引張強さが初期の引張強さ及び100℃のオイルバスに1分間浸漬した後の引張強さに比べて格段に低下した。これらの結果から、合金A〜Eからなるアルミニウム合金箔は、100℃程度の熱処理では軟化せず、150〜200℃の温度で熱処理を施すことによって軟化するとともに伸びが増大するという特性を有していることが理解できる。
また、合金A〜Eからなるアルミニウム合金箔は、170℃のオイルバスに1分間浸漬した後に5.6%以上の伸びを有している。このように、合金A〜Eからなるアルミニウム合金箔は、従来の成分範囲を備えたアルミニウム合金箔に比べて、完全に再結晶した場合の伸びを大きくすることができる。それ故、これらのアルミニウム合金箔は、従来のアルミニウム合金箔に比べて膨張と収縮とを繰り返した場合の劣化を抑制し、充放電サイクルに対する耐久性を向上させることができる。
更に、合金A〜Eからなり、完全に再結晶した短冊試験片における減衰自由振動の対数減衰率は1.0×10-3以上となった。それ故、これらの合金からなるアルミニウム合金箔を正極の集電体として使用することにより、外部から振動が加わった場合の集電体の振動を抑制し、ひいては集電体からの正極活物質層の剥離を抑制することができる。
一方、合金Fは、Feの含有量が前記特定の範囲よりも少なかった。そのため、完全に再結晶した短冊試験片における減衰自由振動の対数減衰率が1.0×10-3未満となった。
合金Gは、Mgの含有量が前記特定の範囲よりも多かった。そのため、合金A〜Eに比べて、170℃のオイルバスに1分間浸漬した後のアルミニウム合金箔の伸びが小さかった。
合金Hは、Feの含有量が前記特定の範囲よりも多かった。そのため、箔圧延時にピンホールが発生した。
合金Iは、Mn及びMgの含有量が前記特定の範囲よりも多かった。そのため、合金A〜Eに比べて、170℃のオイルバスに1分間浸漬した後のアルミニウム合金箔の伸びが小さかった。
合金Jは、Siの含有量が前記特定の範囲よりも多かった。そのため、合金A〜Eに比べて、170℃のオイルバスに1分間浸漬した後のアルミニウム合金箔の伸びが小さかった。
合金Kは、Tiの含有量が多かった。そのため、箔圧延時にピンホールが発生した。また、合金Kは、Cuの含有量及びMgの含有量が前記特定の範囲よりも多かった。そのため、合金A〜Eに比べて、170℃のオイルバスに1分間浸漬した後のアルミニウム合金箔の伸びが小さかった。
合金Lは、集電体用アルミニウム合金箔として従来使用されているJIS A1050合金である。合金Lは、Feの含有量が前記特定の範囲よりも少ないため、完全に再結晶した短冊試験片における減衰自由振動の対数減衰率が1.0×10-3未満となった。また、合金Lは、150〜200℃の温度で熱処理を施した場合に再結晶しにくく、合金A〜Eに比べて、170℃のオイルバスに1分間浸漬した後のアルミニウム合金箔の伸びが小さかった。
1 測定装置
2 駆動電極
3 振幅センサ
4 細線
S 短冊試験片

Claims (7)

  1. Fe:1.1〜1.8質量%、Si:0.30質量%以下、Cu:0.030質量%以下、Mg:0.030質量%以下、Mn:0.040質量%以下、Ti:0.050質量%以下を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる化学成分と、
    冷間加工組織とを有し、
    150℃以上の温度で再結晶し、
    完全に再結晶した場合に、伸びが5.6%以上となり、かつ、減衰自由振動の対数減衰率が1.0×10-3以上となる特性を有している、
    集電体用アルミニウム合金箔。
  2. 引張強さが160MPa以上である、請求項1に記載の集電体用アルミニウム合金箔。
  3. 100℃のオイルバスに1分間浸漬した後の引張強さが150MPa以上である、請求項1に記載の集電体用アルミニウム合金箔。
  4. 10〜50nmの円相当直径を有するAl−Fe系化合物がAl母相中に800個/μm3以上分散している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の集電体用アルミニウム合金箔。
  5. Al母相中に固溶しているFeの量が0.015〜0.035質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の集電体用アルミニウム合金箔。
  6. 前記集電体用アルミニウム合金箔は、完全に再結晶した場合に、Al母相中に固溶しているFeの量が0.010〜0.030質量%となる特性を有している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の集電体用アルミニウム合金箔。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の集電体用アルミニウム合金箔の製造方法であって、
    前記化学成分を備えた鋳塊を準備し、
    前記鋳塊を400〜580℃の温度に保持して均質化処理を行い、
    巻き取り温度が再結晶温度以下となる条件で前記鋳塊に熱間圧延を行うことにより熱延板を作製し、
    前記熱延板に冷間圧延を行うことにより冷延板を作製し、
    前記冷延板を300〜340℃の温度に保持して中間焼鈍を行い、
    圧延率を85%以上とし、巻き取り温度が90℃未満となる条件で前記冷延板に箔圧延を行う、
    集電体用アルミニウム合金箔の製造方法。
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