JP2019059856A - カルボキシメチルセルロースまたはその塩の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間粘度の低下が少ない、保存安定性に優れたカルボキシメチルセルロースまたはその塩の製造方法を提供すること。【解決手段】セルロースとアルカリとを、水および有機溶媒を含む混合溶媒の存在下で、反応させるアルカリセルロース化工程(工程1)、上記工程1で得られたアルカリセルロースとエーテル化剤とを反応させるエーテル化工程(工程2)、上記工程2で得られた反応混合物を洗浄および乾燥する精製工程(工程3)、および、上記工程3で得られた精製物を粉砕する粉砕工程(工程4)、を含み、上記工程1は、セルロースを構成するアンヒドログルコース単位1モルに対しアルカリを2.0モル以上2.5モル以下、水を10モル以上15モル以下使用し、アルカリの水に対する濃度が0.5モル%以上1.0モル%以下でおこなう。【選択図】なし

Description

本発明は、カルボキシメチルセルロースまたはその塩の製造方法に関するものである。
一般に、カルボキシメチルセルロースまたはその塩は、セルロースにアルカリを反応させるアルカリセルロース化反応を行った後、得られたアルカリセルロースにエーテル化剤を添加してエーテル化反応を行うことで製造される。例えば、水と有機溶媒を含む混合溶媒を用いてアルカリセルロース化反応を行った後、モノクロロ酢酸を加えてエーテル化反応を行い、その後、過剰のアルカリを酸で中和した後、混合溶媒の除去、洗浄および乾燥を経て、粉砕する製造方法が知られている(特許文献1)。
特開2009−191233号公報
上記特許文献1に記載の製造方法により製造されたカルボキシメチルセルロースまたはその塩は、長期間の保存安定性は十分ではなかった。
本発明は、1年ないし2年といった長期間にわたり、粘度の低下が少ない、保存安定性に優れたカルボキシメチルセルロースまたはその塩の製造方法を提供することである。
本発明の第1の実施形態は、セルロースとアルカリとを、水および有機溶媒を含む混合溶媒の存在下で、反応させるアルカリセルロース化工程(工程1)、上記工程1で得られたアルカリセルロースとエーテル化剤とを反応させるエーテル化工程(工程2)、および上記工程2で得られた反応混合物を洗浄および乾燥する精製工程(工程3)を含み、上記工程1は、セルロースを構成するアンヒドログルコース単位1モルに対しアルカリを、2.0モル以上2.5モル以下、水を10モル以上15モル以下使用し、アルカリの水に対する濃度が0.5モル%以上1.0モル%以下であることを特徴とする、カルボキシメチルセルロースまたはその塩の製造方法である。
好ましい実施形態としては、上記工程1が、pH9以上14以下、および反応温度5℃以上30℃以下の条件下、反応時間60分以上120分以下で行われることである。
好ましい実施形態としては、上記工程3がpH調整工程を含み、上記pH調整工程にて反応混合物をpH9以上14以下に調整することである。
本実施形態によれば、1年ないし2年といった長期間にわたり、粘度の低下が少ない、保存安定性に優れたカルボキシメチルセルロースまたはその塩の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
一実施形態に係るカルボキシメチルセルロースまたはその塩の製造方法は、下記工程1ないし3を含むものである。
・セルロースとアルカリとを、水および有機溶媒を含む混合溶媒の存在下で、反応させるアルカリセルロース化工程(工程1)、
・上記工程1で得られたアルカリセルロースとエーテル化剤とを反応させるエーテル化工程(工程2)、
・上記工程2で得られた反応混合物を洗浄および乾燥する精製工程(工程3)、
以下、各工程について詳細に説明する。
[工程1:アルカリセルロース化工程]
(セルロース)
セルロースとしては、特に限定されず、例えば、粉砕パルプ、木材パルプ、コットンリンターパルプ、古紙パルプなどが挙げられる。これらの原料セルロースは、いずれか1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(アルカリ)
アルカリとしては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物が挙げられ、いずれか1種または2種以上組み合わせて用いることができる。アルカリの使用量は、一実施形態において、セルロースを構成するアンヒドログルコース単位1モルに対しアルカリを、2.0モル以上2.5モル以下である。好ましくは2.1モル以上2.4モル以下である。上記範囲内であれば、長期間の保存安定性に優れたカルボキシメチルセルロースまたはその塩を得ることが出来る。
(混合溶媒)
アルカリセルロース化反応を行う際の溶媒として、水と有機溶媒を含む混合溶媒を用いる。 混合溶媒中、水100質量部に対する有機溶媒の含有量は160質量部以上500質量部以下であるが、200質量部以上400質量部以下が好ましい。上記範囲とすることにより、水に溶解したアルカリによるアルカリセルロース化反応の均一性を高めることができ、長期間の保存安定性に優れたカルボキシメチルセルロースまたはその塩を得ることが出来る。
混合溶媒においてセルロースに対する水の使用量は、セルロースを構成するアンヒドログルコース単位1モルに対し10モル以上15モル以下である。好ましくは、11モル以上13モル以下である。水の使用量を上記範囲とすることにより、長期間の保存安定性に優れたカルボキシメチルセルロースまたはその塩を得ることが出来る。
(有機溶媒)
有機溶媒としては、例えば、エチルアルコール、メチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールおよびイソブチルアルコールなどのアルコール溶媒、アセトン、ジエチルケトンおよびメチルエチルケトンなどのケトン溶媒、ジオキサン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。これらのうち、水との相溶性が優れることから、炭素数1ないし4の一価アルコールが好ましく、炭素数1ないし3の一価アルコールがさらに好ましい。
有機溶媒の含有量は、反応液(セルロース、アルカリ及び混合溶媒を含む反応液全体)中に20質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。
(水とアルカリの割合)
アルカリの水に対する濃度は0.5モル%以上1.0モル%以下であることが好ましい。上記範囲とすることにより、低濃度でのアルカリセルロース化反応を行うことにより、反応の均一性を高めて、長期間の保存安定性に優れたカルボキシメチルセルロースまたはその塩を得ることが出来る。アルカリの水に対する濃度は、0.6モル%以上0.8モル%以下がより好ましい。
(有機溶媒とセルロースの割合)
セルロース100質量部に対して、有機溶媒を250質量部以上1000質量部以下用いることが好ましい。上記範囲とすることにより、長期間の保存安定性に優れたカルボキシメチルセルロースまたはその塩を得ることが出来る。有機溶媒の含有量は、下限がより好ましくは350質量部以上であり、上限がより好ましくは700質量部以下である。
(アルカリセルロース化反応の条件)
本実施形態では、アルカリセルロース化反応を、pH9以上14以下および反応温度5℃以上30℃以下の条件下、反応時間60分以上120分以下で行うことが好ましい。このように、低温条件下で比較的長時間にわたってアルカリセルロース化反応を行うことにより、セルロースの分子量の低下を抑えつつ、反応の均一性を高めて長期間の保存安定性に優れたカルボキシメチルセルロースまたはその塩を得ることが出来る。
上記のようにpHは9以上であり、これによりアルカリセルロース化反応を進めることができる。上記pHは、好ましくは11以上であり、より好ましくは12以上である。pHの上限は14以下であり好ましくは13.5以下である。上記のように反応温度は5℃以上30℃以下であり、下限はより好ましくは20℃以上であり、上限はより好ましくは28℃以下である。
上記のように反応時間は60分以上120分以下であり、より好ましくは800分以上100分以下である。なお、アルカリセルロース化工程は、温度制御しつつ上記各成分を混合撹拌することができる反応機を用いて行うことができ、従来からアルカリセルロース化反応に用いられている各種の反応機を用いることができる。
[工程2:エーテル化工程]
(エーテル化剤)
上記アルカリセルロース化反応後、エーテル化剤を加えてエーテル化反応を行い、カルボキシメチル化反応を完成させる。エーテル化剤としては、モノクロロ酢酸、モノクロロ酢酸ナトリウム、モノクロロ酢酸メチル、モノクロロ酢酸エチル、モノクロロ酢酸イソプロピルなどが挙げられる。
(エーテル化剤とセルロースの割合)
セルロースのグルコースユニット(無水グルコース単位)1モルに対して、エーテル化剤を0.5モル以上1.5モル以下用いることが好ましい。セルロースのグルコースユニット1モルに対するエーテル化剤の割合は、下限がより好ましくは0.6モル以上、さらに好ましくは0.7モル以上であり、上限がより好ましくは1.3モル以下、さらに好ましくは1.1モル以下である。
(エーテル化の条件)
アルカリセルロースを含む液とエーテル化剤との混合は、反応混合物が高温になることを防止するために、複数回に分けて、または、滴下により行うことが好ましい。混合中の反応混合物の温度は、30℃以上80℃以下であることが好ましい。
上記混合終了後の反応温度は、特に限定されないが、60℃以上100℃以下であることが好ましい。このような範囲とすることにより、長期間の保存安定性をより優れたものとすることができる。上記反応温度は、下限がより好ましくは70℃以上、上限がより好ましくは90℃以下である。
上記混合終了後の反応時間は、特に限定されないが、10分以上90分以下であることが好ましい。このような範囲とすることにより、長期間の保存安定性をより優れたものとすることができる。上記反応時間は、下限がより好ましくは20分以上であり、上限がより好ましくは80分以下である。
なお、エーテル化工程は、アルカリセルロース化反応に用いた反応機をそのまま用いて行ってもよく、あるいはまた、温度制御しつつ上記各成分を混合撹拌することが可能な別の反応機を用いて行ってもよい。
[工程3:精製工程]
精製工程は、上記工程2で得られた反応混合物を洗浄および乾燥する工程であり、一実施形態として、溶媒除去工程と、洗浄工程と、乾燥工程を含んでもよく、また、溶媒除去工程に先立って、更にpH調整工程を含んでもよい。
一実施形態において、該精製工程は、上記のエーテル化反応終了後、pHが9以上14以下の反応混合物を用いて当該反応混合物から混合溶媒を除去し、次いで洗浄および乾燥を行う工程であってもよい。このようにエーテル化反応終了後に反応混合物をアルカリ性域に維持することにより、カルボキシメチルセルロースまたはその塩の凝集を抑えることができる。
(pH調整工程)
上記pH調整工程は、上記エーテル化反応終了後に酸を添加して反応混合物のpHを9以上11以下に調整する工程であり、過剰に残るアルカリの一部を酸で中和する。pH調整工程は、基本的には、エーテル化反応終了後の反応混合物のpHが上記範囲内よりも大きい場合に実施するが、上記範囲内にある場合に実施してもよい(例えば、pHが11弱の場合に9.5程度にする場合など)。なお、エーテル化反応終了後に、反応混合物を、例えば60℃以下の温度に冷却してもよい。
酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、リンゴ酸、クエン酸、スルファミン酸などの有機酸でもよく、塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸でもよい。
(溶媒除去工程)
溶媒除去工程は、例えば、ろ過、減圧留去またはこれらの組合せなどにより、水および有機溶媒を含む混合溶媒を除去する工程である。溶媒除去後の反応混合物中における混合溶媒の含有量は、特に限定されず、例えば70質量%以下でもよく、60質量%以下でもよい。また、混練機などを用いて、混合溶媒の含有量が5質量%以下となるまで除去してもよい。
なお、溶媒除去後の反応混合物(以下、粗カルボキシメチルセルロース塩という。)にアルカリを添加して、そのpHを9以上11以下(より好ましくは9.5以上11以下)の範囲内に調整してもよい。この場合のアルカリとしては、工程1で用いたアルカリと同じアルカリを用いることができる。
(洗浄工程)
洗浄工程では、水と有機溶媒の混合溶媒を用いることができ、上記粗カルボキシメチルセルロース塩を、該混合溶媒を用いて洗浄する。混合溶媒としては、工程1と同じものを用いることができ、有機溶媒としては炭素数1ないし4の一価アルコールがより好ましい。
(乾燥工程)
乾燥工程は、洗浄した上記粗カルボキシメチルセルロース塩を乾燥する工程であり、乾燥方法としては、例えば、風乾、加熱乾燥、減圧乾燥、減圧加熱乾燥などが挙げられる。
[工程4:粉砕工程]
本発明の製造方法において、必要に応じて工程4:粉砕工程を行っても良い。 粉砕工程は、上記工程3で得られた精製物を粉砕する工程である。粉砕には、乾式粉砕機を用いてもよく、湿式粉砕機を用いてもよい。なお、粉砕工程では、以下に述べる種々の粉砕機をいずれか単独で用いてもよく、あるいはまた2種以上組み合わせて2段階以上の粉砕処理を実施してもよく、更には同一機種で2段階以上の粉砕処理を実施してもよい。
乾式粉砕機としては、カッティング式ミル、衝撃式ミル、気流式ミル、媒体ミルなどが挙げられる。
カッティング式ミルとしては、メッシュミル(ホーライ社製)、アトムズ(山本百馬製作所社製)、ナイフミル(パルマン社製)、グラニュレータ(ヘルボルト社製)、ロータリーカッターミル(奈良機械製作所社製)などが挙げられる。
衝撃式ミルとしては、パルペライザー、ファインインパクトミル、スーパーミクロンミル(以上ホソカワミクロン社製)、サンプルミル、バンタムミル、アトマイザー(以上セイシン社製)、トルネードミル(日機装社製)、ターボミル(ターボ工業社製)、ベベルインパクター(相川鉄工社製)などが挙げられる。
気流式ミルとしては、CGS型ジェットミル(三井鉱山社製)、ジェットミル(三庄インダストリー社製)、エバラジェットマイクロナイザ(荏原製作所社製)、セレンミラー(増幸産業社製)、超音速ジェットミル(日本ニューマチック工業社製)などが挙げられる。
媒体ミルとしては、振動ボールミルなどが挙げられる。
湿式粉砕機としては、マスコロイダー(増幸産業社製)、高圧ホモジナイザー(三丸機械工業社製)、ビーズミル(アイメックス社製)などが挙げられる。
粉砕後のカルボキシメチルセルロースまたはその塩は、さらに分級処理を行うことができる。分級処理の方法としては、例えば、篩を用いる方法、サイクロン分級機などの分級機を用いる方法などが挙げられる。なお、上記のように2段階以上の粉砕処理を行う場合、各粉砕処理後に分級処理を行ってもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[測定方法]
各物性の測定方法は以下の方法による。
(1)水分量
カルボキシメチルセルロースまたはその塩を精秤した。これを、105℃で4時間乾燥し、さらにデシケーター内で25℃まで冷却し、質量を測定した。乾燥前後の質量より減少率を算出し、水分量(質量%)とした。
(2)エーテル化度
カルボキシメチルセルロースまたはその塩0.6gを105℃で4時間乾燥した。乾燥物の質量を精秤した後、ろ紙に包んで磁製ルツボ中で灰化した。灰化物を500mlビーカーに移し、水250mlおよび0.05mol/lの硫酸水溶液35mlを加えて30分間煮沸した。冷却後、過剰の酸を0.1mol/lの水酸化カリウム水溶液で逆滴定した。なお、指示薬としてフェノールフタレインを用いた。測定結果を用いて、下記式(1)よりエーテル化度を算出した。
(エーテル化度)=162×A/(10000−80A)…(式1)
A=(af−bf1)/乾燥物の重量(g)
A:試料1g中の結合アルカリに消費された0.05mol/lの硫酸水溶液の量(ml)
a:0.05mol/lの硫酸水溶液の使用量(ml)
f:0.05mol/lの硫酸水溶液の力価
b:0.1mol/lの水酸化カリウム水溶液の滴定量(ml)
f1:0.1mol/lの水酸化カリウム水溶液の力価
(3)1質量%水溶液粘度
カルボキシメチルセルロースまたはその塩(約2.2g)を共栓付き300ml三角フラスコに入れて精秤した。ここに、計算式「試料(g)×(99−水分量(質量%))」により算出される量の水を加えて12時間静置し、さらに5分間混合した。得られた溶液を用いて、JIS Z8803に準じてBM型粘度計(単一円筒型回転粘度計)を用いて25℃における粘度を測定した。その際、(a)ロータ回転数を60rpmとして測定し、(b)上記(a)での測定値が8000mPa・s以上の場合にはロータ回転数を30rpmに変更して測定し、(c)上記(b)での測定値が16000mPa・s以上の場合にはロータ回転数を12rpmに変更して測定した。
(4)粘度保持率
上記で測定した粘度をV(mPa・s)、25℃で所定の期間(1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、24ヶ月)経過した後に、上記(3)の方法で調製し、測定した1質量%水溶液粘度をV(mPa・s)として下記の計算式(2)にて算出を行った。
粘度保持率(%)=V(mPa・s)/V(mPa・s)×100…(式2)
[カルボキシメチルセルロース塩の製造]
(実施例1)
溶媒(イソプロピルアルコール/水=80/20(質量比))2020g、50質量%水酸化ナトリウム水溶液579gおよびチップ状のセルロース(リンターパルプ:中国Gaomi山東シルバーホーク社製PCS2500)550gを、2軸ニーダー型反応機に投入し、25℃で90分間、アルカリセルロース化反応を行った。反応時のpHは13.47であった(ガラス電極を備えたpHメータで測定。以下同じ)。
続いて、得られた反応液に、25℃に調整したモノクロロ酢酸312gと溶媒(イソプロピルアルコール/水=80/20(質量比)152gとの混合物を60分間かけて滴下した後(滴下中の温度は30℃〜40℃を維持)、25分間かけて78℃まで昇温し、さらに70分間エーテル化反応を行った。
次いで、得られた反応溶液を60℃まで冷却し、50質量%酢酸水溶液を用いてpH9.5に調整した後、減圧ろ過器を用いて反応溶媒を気化回収して粗カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(不揮発分40質量%)を得た。
得られた粗カルボキシメチルセルロースナトリウム塩に水酸化ナトリウムを添加してpH9.5に調整した。続いて、粗カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の質量に対して10倍量の溶媒(メタノール/水=70/30(質量比))を用いて洗浄し、その後、105℃で45分間乾燥した。得られた乾燥物を衝撃式ミル(ホソカワミクロン(株)社製のパルペライザー)を用いて粉砕し、83メッシュの標準篩で分級することによりカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を得た。
(実施例2〜9、比較例1〜4)
アルカリセルロース反応における溶媒、50質量%水酸化ナトリウム水溶液の使用量を表1に示す量に変更した以外は実施例1と同様に製造し、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を得た。
Figure 2019059856
以上により得られたカルボキシメチルセルロース塩についての分析・測定結果を下記表1に示す。尚、全てのカルボキシメチルセルロース塩の1質量%水溶液粘度は、ローターNo.4、回転数60rpmで測定を行った。表1に示されるように、アルカリセルロース化反応を上述した通りの規定条件で行った実施例1〜9であると、1質量%水溶液粘度を高く維持することが出来た。
これに対し、セルロースに対するアルカリの添加量が多い場合(比較例1)、少ない場合(比較例2)、水の添加量が多い場合(比較例3)、少ない場合(比較例4)は、3ヶ月経過から粘度の低下が大きくなり、1年で概ね保持率が70%程度と大幅粘度が低下した。
シャンプーやリンス、トリートメント、コンディショナー等の洗浄剤組成物や、乳液、クリーム等の化粧料組成物、及び衣料用柔軟剤組成物等の配合成分として利用が可能であり、また高分子活性剤、分散剤、乳化剤、改質剤、凝集剤、粘度調整剤等として幅広い分野で利用することができる。

Claims (3)

  1. セルロースとアルカリとを、水および有機溶媒を含む混合溶媒の存在下で、反応させるアルカリセルロース化工程(工程1)、上記工程1で得られたアルカリセルロースとエーテル化剤とを反応させるエーテル化工程(工程2)、および上記工程2で得られた反応混合物を洗浄および乾燥する精製工程(工程3)、を含み、上記工程1は、セルロースを構成するアンヒドログルコース単位1モルに対しアルカリを、2.0モル以上2.5モル以下、水を10モル以上15モル以下使用し、アルカリの水に対する濃度が0.5モル%以上1.0モル%以下であることを特徴とする、カルボキシメチルセルロースまたはその塩の製造方法。
  2. 上記工程1が、pH9以上14以下、および反応温度5℃以上30℃以下の条件下、反応時間60分以上120分以下で行われることを特徴とする請求項1記載のカルボキシメチルセルロースまたはその塩の製造方法。
  3. 上記工程3がpH調整工程を含み、上記pH調整工程にて反応混合物をpH9以上14以下に調整することを特徴とする請求項1または2に記載のカルボキシメチルセルロースまたはその塩の製造方法。
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