JP2019052196A - 硬化性組成物、硬化物、その製造方法および物品 - Google Patents

硬化性組成物、硬化物、その製造方法および物品 Download PDF

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Abstract

【課題】製造時の泡の噛み込みに由来する段差、窪み、気泡等の欠陥が少なく、微細パターンの欠落が少なく、かつ屈折率が高い硬化物を得ることができる硬化性組成物、該硬化性組成物を硬化した、微細パターンを表面に有する硬化物、その製造方法、および硬化物を備えた物品の提供。【解決手段】酸化ジルコニウムを含む粒子(A)と、(メタ)アクリロイル基を1つ有する化合物(B)と、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する化合物(C)とを含み、粒子(A)の含有率が70〜85質量%、化合物(B)の含有率が5〜28質量%、化合物(C)の含有率が1〜10質量%、溶媒の含有率が5質量%以下であり、溶媒を除いた硬化性組成物の25℃における粘度が1500mPa以下であり、硬化性組成物を硬化した硬化物の屈折率が1.70以上である、硬化性組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、硬化性組成物、該硬化性組成物を硬化した、微細パターンを表面に有する硬化物およびその製造方法、ならびに前記硬化物を備えた物品に関する。
微細パターンを表面に有する光学部材の製造において微細パターンを短時間で形成する方法として、該微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドと硬化性組成物とを接触させた状態で該硬化性組成物を硬化させて、微細パターンを表面に有する硬化物を形成し、これを光学部材とする方法、いわゆるインプリント法が知られている。
微細パターンを表面に有する硬化物には、屈折率を高くすることが求められることがある。たとえば、LED素子においては、光取り出し効率を高めるために、基板の表面に微細凹凸を形成することがある。この際、微細凹凸を屈折率の低い硬化性組成物の硬化物で形成した場合、高屈折率の基板(サファイアガラス等)と低屈折率の硬化物との界面において光が反射し、光取り出し効率を高めることはできない。
そのため、硬化性組成物としては、屈折率が高い硬化物を得ることができるものが求められることがある。
屈折率が高い硬化物を得ることができる硬化性組成物としては、屈折率が高い金属酸化物粒子(ジルコニア粒子等)を含むものが知られている。しかし、金属酸化物粒子を含む硬化物は脆いため、インプリント法によって微細パターンを形成する際に、微細パターンが欠落しやすい。
屈折率が高い金属酸化物粒子を含み、かつ柔軟性を有する硬化物を形成できる硬化性組成物としては、下記のものが提案されている。
(1)ジルコニア粒子の表面に(メタ)アクリロイル基を有する表面修飾基を有する表面修飾ジルコニア粒子と、数平均分子量が750以上のウレタン(メタ)アクリレートと、溶媒とを含む硬化性組成物(特許文献1)。
特開2006−182826号公報
(1)の硬化性組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートを固形分100質量%のうち10質量%以上含むため、インプリント法に用いる基材またはモールドに(1)の硬化性組成物を塗布し、乾燥させて形成された塗膜の粘度がかなり高い。そのため、乾燥後の高粘度の塗膜の上に、モールドまたは基材を重ねた際に、泡の噛み込みが発生しやすい。その結果、塗膜とモールドとの間の泡の噛み込みに由来する段差や窪みが硬化物の表面に形成されたり、塗膜と基材との間の泡の噛み込みに由来する気泡が基材と硬化物との間に形成されたりする。
本発明は、製造時の泡の噛み込みに由来する段差、窪み、気泡等の欠陥が少なく、微細パターンの欠落が少なく、かつ屈折率が高い硬化物を得ることができる硬化性組成物;製造時の泡の噛み込みに由来する段差、窪み、気泡等の欠陥が少なく、微細パターンの欠落が少なく、かつ屈折率が高い硬化物およびその製造方法;ならびに、製造時の泡の噛み込みに由来する段差、窪み、気泡等の欠陥が少なく、微細パターンの欠落が少なく、かつ屈折率が高い硬化物を備えた物品を提供する。
本発明は、下記の態様を有する。
<1>酸化ジルコニウムを含む粒子(A)と;(メタ)アクリロイル基を1つ有する化合物(B)(ただし、前記粒子(A)を除く。)と;(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する化合物(C)(ただし、前記粒子(A)を除く。)とを含む硬化性組成物であり;前記粒子(A)の含有率が、前記硬化性組成物100質量%のうち、70〜85質量%であり;前記化合物(B)の含有率が、前記硬化性組成物100質量%のうち、5〜28質量%であり;前記化合物(C)の含有率が、前記硬化性組成物100質量%のうち、1〜10質量%であり;溶媒の含有率が、前記硬化性組成物100質量%のうち、5質量%以下であり;前記溶媒を除いた前記硬化性組成物の25℃における粘度が、1500mPa以下であり;前記硬化性組成物を硬化した硬化物の屈折率が、1.70以上である、硬化性組成物。
<2>前記粒子(A)が、ジルコニア粒子の表面に(メタ)アクリロイル基を有する表面修飾基を有する表面修飾ジルコニア粒子である、<1>の硬化性組成物。
<3>前記化合物(C)が、アルコキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートである、<1>または<2>の硬化性組成物。
<4>重合開始剤をさらに含み;前記重合開始剤の含有率が、前記硬化性組成物100質量%のうち、0.01〜5質量%である、<1>〜<3>のいずれかの硬化性組成物。
<5>含フッ素界面活性剤をさらに含み;前記含フッ素界面活性剤の含有率が、前記硬化性組成物100質量%のうち、0.01〜3質量%である、<1>〜<4>のいずれかの硬化性組成物。
<6>前記<1>〜<5>のいずれかの硬化性組成物を硬化した硬化物であり、微細パターンを表面に有する、硬化物。
<7>微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドと前記<1>〜<5>のいずれかの硬化性組成物とを接触させた状態で前記硬化性組成物を硬化させて、微細パターンを表面に有する硬化物を形成する、硬化物の製造方法。
<8>基材と、前記<6>の硬化物とを備えた、物品。
本発明の硬化性組成物によれば、製造時の泡の噛み込みに由来する段差、窪み、気泡等の欠陥が少なく、微細パターンの欠落が少なく、かつ屈折率が高い硬化物を得ることができる。
本発明の硬化物は、製造時の泡の噛み込みに由来する段差、窪み、気泡等の欠陥が少なく、微細パターンの欠落が少なく、かつ屈折率が高い。
本発明の硬化物の製造方法によれば、製造時の泡の噛み込みに由来する段差、窪み、気泡等の欠陥が少なく、微細パターンの欠落が少なく、かつ屈折率が高い硬化物を製造できる。
本発明の物品は、製造時の泡の噛み込みに由来する段差、窪み、気泡等の欠陥が少なく、微細パターンの欠落が少なく、かつ屈折率が高い硬化物を備える。
本発明の硬化物の製造方法の一例を説明するための断面図である。 本発明の硬化物の製造方法の他の例を説明するための断面図である。 塗膜と基材との間に泡が噛み込まれる理由の一例を説明するための断面図である。 塗膜とモールドとの間に泡が噛み込まれる理由の一例を説明するための断面図である。 高粘度の硬化性組成物を用いて製造された積層体を、硬化物からなる層側から観察した顕微鏡像である。 例7の積層体を、硬化物からなる層側から観察した顕微鏡像である。 例7の積層体における硬化物からなる層の表面の原子間力顕微鏡像である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基の総称である。
「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。
「光」とは、紫外線、可視光線、赤外線、電子線および放射線の総称である。
「硬化性組成物の25℃における粘度」は、E型粘度計を用いて測定した25℃における粘度である。
「硬化物の屈折率」は、波長589nmの光に対する25℃における屈折率である。具体的には、ガラス基材(旭硝子社製、ソーダライムガラス、厚さ:1.0mm)の表面に硬化性組成物を1〜10μmの厚さになるようにバーコータを用いて塗布し、窒素置換した容器中で、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cmの光量で硬化させ、プリズムカプラ(メトリコン社製、2010)を用いて、波長589nmのレーザ光における屈折率を押しつけ圧力20psi(137.9kPa)にて測定する。
「硬化物の厚さ1μmあたりのヘーズ」は、あらかじめヘーズが0であることを確認した研磨済み石英基材上に硬化性組成物を成膜して硬化させ、その厚さとヘーズを測定することで、厚さ1μmあたりのヘーズが算出される。
「平均粒子径」は、動的光散乱方式の粒度分布測定機(たとえば、大塚電子社製、製品名:FPAR−1000AS)を用いて測定される。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、酸化ジルコニウムを含む粒子(A)と;(メタ)アクリロイル基を1つ有する化合物(B)(ただし、粒子(A)を除く。)と;(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する化合物(C)(ただし、粒子(A)を除く。)とを含む。
本発明の硬化性組成物は、必要に応じて溶媒、重合開始剤、含フッ素界面活性剤、他の添加剤を含んでもよい。
溶媒を除いた本発明の硬化性組成物の25℃における粘度は、1500mPa・s以下であり、500mPa・s以上1500mPa・s以下が好ましく、700mPa・s以上1200mPa・s以下がより好ましい。硬化性組成物の25℃における粘度が前記範囲の上限値以下であれば、硬化性組成物を塗布、乾燥させた塗膜の流動性が高くなるため、インプリント法によって硬化物を製造する際の泡の噛み込みが抑えられる。その結果、硬化物における、製造時の泡の噛み込みに由来する段差、窪み、気泡等の欠陥が少なくなる。硬化性組成物の25℃における粘度が前記範囲の下限値以上であれば、硬化性組成物を塗布した際にハジキが発生しにくく、ハジキに由来する塗膜の欠陥が抑えられる。
本発明の硬化性組成物を硬化した硬化物の屈折率は、1.70以上であり、1.72以上が好ましい。硬化物の屈折率の上限は、粒子(A)の含有率等を考慮すると1.85程度である。硬化物の屈折率が前記範囲内であれば、高屈折率の基材(LED素子用基板等)の表面に硬化物からなる微細パターンを形成しても、基材と硬化物との界面において光が反射しにくい。
本発明の硬化性組成物を硬化した硬化物のヘーズは、硬化物の厚さ1μmあたり0.1%以下が好ましく、0.05%以下がより好ましく、0.03%以下がさらに好ましい。硬化物のヘーズが前記範囲の上限値以下であれば、硬化物の透明性に優れる。硬化物のヘーズは、低ければ低いほどよく、下限は0%である。
(粒子(A))
粒子(A)は、酸化ジルコニウムを含む粒子である。
粒子(A)は、本発明の硬化性組成物を硬化した硬化物の屈折率を高くするための成分である。
粒子(A)としては、ジルコニア粒子の表面に(メタ)アクリロイル基を有する表面修飾基を有する表面修飾ジルコニア粒子が好ましい。表面修飾ジルコニア粒子は、化合物(B)および化合物(C)との相溶性がよく、硬化性組成物中に安定的に分散できる。
表面修飾基としては、末端に(メタ)アクリロイル基を有し、さらに(メタ)アクリロイル基とジルコニア粒子とを連結するための連結基とを有するものが挙げられる。
表面修飾ジルコニア粒子は、(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤、または(メタ)アクリロイル基を有するカルボン酸化合物によってジルコニア粒子の表面を表面処理することによって得られる。
(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤としては、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(イソプロペニルカルボニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(ビニルカルボニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有するカルボン酸化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
粒子(A)の平均粒子径は、2〜30nmが好ましく、3〜20nmがより好ましく、5〜15nmがさらに好ましい。粒子(A)の平均粒子径が前記範囲の下限値以上であれば、表面修飾基を有する場合であっても、粒子本体に対する表面修飾基の割合が高くなりすぎることがない。そのため、硬化物の屈折率を高く維持できる。粒子(A)の平均粒子径が前記範囲の上限値以下であれば、粒子(A)による光散乱が抑えられ、硬化物の透明性に優れる。
(化合物(B))
化合物(B)は、(メタ)アクリロイル基を1つ有する化合物(ただし、粒子(A)を除く。)である。
化合物(B)は、硬化性組成物を塗布、乾燥させた塗膜に流動性および硬化性を付与する成分である。
化合物(B)としては、公知の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレートとしては、下記の化合物が挙げられる。
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(2−(tert−ブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、ベンジル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、アルコキシ化フェニルフェノール(メタ)アクリレート等。
化合物(B)としては、屈折率が高く、かつ粘度が低い化合物が好ましい。化合物(B)の屈折率は、1.51以上が好ましく、1.55以上がより好ましい。化合物(B)の粘度は、0.1〜1000mPa・sが好ましく、1〜200mPa・sがより好ましい。
屈折率が高く、かつ粘度が低い化合物(B)としては、ベンゼン環構造を有する(メタ)アクリレートが挙げられ、アルコキシ化フェニルフェノール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレートが好ましい。
化合物(B)の分子量は、72〜600が好ましく、100〜300がより好ましい。化合物(B)の分子量が前記範囲の下限値以上であれば、化合物(B)の揮発が抑えられる。化合物(B)の分子量が前記範囲の上限値以下であれば、硬化性組成物の粘度を低くしやすい。
化合物(B)の市販品としては、エトキシ化o−フェニルフェノールアクリレート(新中村化学工業社製、A−LEN−10、屈折率:1.577、粘度(25℃):150mPa・s)、ベンジルアクリレート(日立化成社製、ファンクリル(登録商標)FA−BZA、屈折率:1.513、粘度(25℃):3〜8mPa・s)、ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート#160、屈折率(20℃):1.519、粘度(25℃):2.2mPa・s)、フェノキシエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業社製、PHE−1G、屈折率:1.513、25℃における粘度:7mPa・s)、高屈折率UV硬化材料(DIC社製、UNIDIC(登録商標) EKZ−948、構造非開示、屈折率:1.590、25℃における粘度:30mPa・s)等が挙げられる。
化合物(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(化合物(C))
化合物(C)は、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する化合物(ただし、粒子(A)を除く。)である。
化合物(C)は、硬化性組成物に硬化性を付与し、かつ硬化物に強度を付与する成分である。
化合物(C)としては、公知の多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、下記の化合物が挙げられる。
ポリオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセロール1,3−ジグリセロレートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールエトキシレートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオネートジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールグリセロレートジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールグリセロレートジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、1,3−ビス(3−メタクリロイロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアリル酸、トリメチロールプロパンエトキシレートメチルエーテルジ(メタ)アクリレート、ペンタリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等。
化合物(C)としては、屈折率が高く、かつ粘度が低い化合物が好ましい。化合物(C)の屈折率は、1.50以上が好ましく、1.54以上がより好ましい。化合物(C)の粘度は、1〜2000mPa・sが好ましく、50〜1600mPa・sがより好ましい。
化合物(C)としては、屈折率が高く、かつ粘度が低い点からは、アルコキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートが好ましく、アルコキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートがより好ましく、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレートが特に好ましい。化合物(C)としては、(メタ)アクリロイル基の数が多く、かつ粘度が低い点からは、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好ましい。
化合物(C)の市販品としては、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業社製、ABE−300、屈折率:1.543、粘度(25℃):1500mPa・s)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業社製、A−DCP、屈折率:1.504、粘度(25℃):120mPa・s)、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業社製、A−TMPT、屈折率:1.475、粘度(25℃):110mPa・s)等が挙げられる。
化合物(C)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(溶媒)
本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物100質量%のうち5質量%以下の溶媒を含んでもよい。
溶媒は、硬化性組成物の粘度を調整し、塗布性を向上させる成分である。
溶媒としては、25℃において液体であり、加熱によって塗膜から除去可能であり、粒子(A)、化合物(B)、化合物(C)、重合開始剤および含フッ素界面活性剤と反応せずにこれらを溶解または分散可能な化合物が挙げられ、エステル構造、ケトン構造、水酸基およびエーテル構造からなる群から選ばれる1つ以上を有する化合物が好ましい。溶媒を除去する加熱温度としては、28℃以上200℃以下が好ましく、60℃以上150℃以下がより好ましい。
溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(重合開始剤)
本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物の硬化性の点から、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤は、硬化方法(光硬化または熱硬化)等に応じて適宜選択される。
重合開始剤としては、光重合開始剤または熱重合開始剤が挙げられる。重合開始剤としては、硬化物の製造のしやすさの点から、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、硬化物の製造のしやすさの点から、光ラジカル発生剤が好ましい。
光ラジカル発生剤としては、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、α−アミノケトン系光重合開始剤、α−ヒドロキシケトン系光重合開始剤、α−アシルオキシムエステル、ベンジル−(o−エトキシカルボニル)−α−モノオキシム、アシルホスフィンオキシド、グリオキシエステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート等が挙げられる。光ラジカル発生剤としては、感度および相溶性の点から、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、α−アミノケトン系光重合開始剤またはベンゾフェノン系光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱重合開始剤としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド等が挙げられる。熱重合開始剤としては、分解温度の点から、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシドが好ましい。
熱重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(含フッ素界面活性剤)
本発明の硬化性組成物は、硬化物の離型性の点から、含フッ素界面活性剤を含むことが好ましい。
含フッ素界面活性剤のフッ素原子含有率は、10〜70質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。フッ素原子含有率が前記範囲の下限値以上であれば、硬化物の離型性に優れる。フッ素原子含有率が前記範囲の上限値以下であれば、他の成分との相溶性に優れる。
含フッ素界面活性剤は、水溶性であってもよく、脂溶性であってもよい。
含フッ素界面活性剤としては、アニオン性含フッ素界面活性剤、カチオン性含フッ素界面活性剤、両性含フッ素界面活性剤、またはノニオン性含フッ素界面活性剤が好ましく、硬化性組成物における相溶性、および硬化物における分散性の点から、ノニオン性含フッ素界面活性剤がより好ましい。
ノニオン性含フッ素界面活性剤としては、ポリフルオロアルキルアミンオキシド、またはポリフルオロアルキル・アルキレンオキシド付加物が好ましい。
ノニオン性含フッ素界面活性剤の市販品としては、下記のものが挙げられる。
AGCセイミケミカル社製のサーフロン(登録商標)S−242、S−243、S−386、S−420、S−611、S−650、S−651、S−145、S−393、KH−20、KH−40等。
スリーエムジャパン社製のフロラード(登録商標)FC−170、FC−430等。
DIC社製のメガファック(登録商標)F−552、F−553、F−554、F−556等。
含フッ素界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(他の添加剤)
本発明の硬化性組成物は、必要に応じて、溶媒、重合開始剤および含フッ素界面活性剤以外の他の添加剤を含んでもよい。
他の添加剤としては、重合禁止剤、連鎖移動剤、消泡剤、ラジカルトラップ剤、酸化防止剤、チクソトロピック剤、光安定剤、ゲル化防止剤、光増感剤、樹脂、粒子(A)以外の金属酸化物粒子、炭素化合物、金属粒子、シランカップリング剤、非反応性希釈剤(溶媒を除く。)等が挙げられる。
(硬化性組成物の各成分の割合)
粒子(A)の含有率は、硬化性組成物100質量%のうち、70〜85質量%であり、74〜82質量%が好ましく、77〜80質量%がより好ましい。粒子(A)の含有率が前記範囲の下限値以上であれば、硬化物の屈折率が高くなる。粒子(A)の含有率が前記範囲の上限値以下であれば、硬化性組成物の粘度が低くなるため、硬化物における、製造時の泡の噛み込みに由来する段差、窪み、気泡等の欠陥が少なくなる。また、粒子(A)の含有率が前記範囲の上限値以下であれば、粒子(A)の凝集による硬化物の透明性の低下が抑えられる。また、粒子(A)の含有率が前記範囲の上限値以下であれば、硬化物の強度が高くなるため、硬化物における、微細パターンの欠落が少なくなる。
化合物(B)の含有率は、硬化性組成物100質量%のうち、5〜28質量%であり、10〜25質量%が好ましく、15〜20質量%がより好ましい。化合物(B)の含有率が前記範囲の下限値以上であれば、硬化性組成物の粘度が低くなるため、硬化物における、製造時の泡の噛み込みに由来する段差、窪み、気泡等の欠陥が少なくなる。また、化合物(B)の含有率が前記範囲の下限値以上であれば、硬化性組成物の硬化性に優れる。また、化合物(B)の含有率が前記範囲の下限値以上であれば、粒子(A)の凝集による硬化物の透明性の低下が抑えられる。世の中に存在するほとんどの化合物(B)は、屈折率が1.70を下回っていることから、化合物(B)の含有率が前記範囲の上限値以下であれば、硬化物の屈折率の低下が抑えられる。
化合物(C)の含有率は、硬化性組成物100質量%のうち、1〜10質量%であり、1〜7質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。粒子(A)を多く含ませ、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を化合物(B)のみとした場合、硬化物が脆くなり、微細パターンが欠落しやすくなる。化合物(C)の含有率が前記範囲の下限値以上であれば、硬化物の強度が高くなるため、硬化物における、微細パターンの欠落が少なくなる。世の中に存在するほとんどの化合物(C)は、屈折率が1.70を下回っていることから、化合物(C)の含有率が前記範囲の上限値以下であれば、硬化物の屈折率の低下が抑えられる。また、化合物(C)は粘度が高いものが多いことから、化合物(C)の含有率が前記範囲の上限値以下であれば、硬化性組成物の粘度が低くなるため、硬化物における、製造時の泡の噛み込みに由来する段差、窪み、気泡等の欠陥が少なくなる。
溶媒の含有率は、硬化性組成物100質量%のうち、5質量%以下であり、3質量%以下が好ましく、0質量%が最も好ましい。溶媒の含有率が前記範囲の上限値以下であれば、硬化性組成物を塗布した後の乾燥が不要になる。また、溶媒の含有率が前記範囲の上限値以下であれば、硬化物に残存する溶媒の量が減り、硬化物の屈折率の低下が抑えられる。また、溶媒の含有率が前記範囲の上限値以下であれば、硬化物に残存する溶媒の量が減り、硬化物の強度の低下が抑えられるため、硬化物における、微細パターンの欠落が少なくなる。
重合開始剤の含有率は、硬化性組成物100質量%のうち、0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましく、0.5〜1.5質量%がさらに好ましい。重合開始剤の含有率が前記範囲の下限値以上であれば、硬化性組成物の硬化性に優れる。重合開始剤の含有率が前記範囲の上限値以下であれば、硬化物に残存する重合開始剤が少なくなり、硬化物の屈折率および強度の低下が抑えられる。
含フッ素界面活性剤の含有率は、硬化性組成物100質量%のうち、0.01〜3質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましく、0.09〜0.5質量%がさらに好ましい。含フッ素界面活性剤の含有率が前記範囲の下限値以上であれば、硬化物の離型性に優れる。含フッ素界面活性剤の含有率が前記範囲の上限値以下であれば、含フッ素界面活性剤による硬化物の屈折率および強度の低下が抑えられる。
他の添加剤の合計の含有率は、本発明の効果を損なわない範囲であればよく、硬化性組成物100質量%のうち、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。
(作用機序)
以上説明した本発明の硬化性組成物にあっては、粒子(A)を含み、その含有率が70質量%以上であり、化合物(B)の含有率が28質量%以下であり、化合物(C)の含有率が10質量%以下であり、溶媒を含む場合はその含有率が5質量%以下であるため、屈折率が高い硬化物を得ることができる。具体的には、屈折率が1.70以上である硬化物となり得る。
また、以上説明した本発明の硬化性組成物にあっては、化合物(B)を含み、その含有率が5質量%以上であり、粒子(A)の含有率が85質量%以下であり、化合物(C)の含有率が10質量%以下であり、溶媒を除いた硬化性組成物の25℃における粘度が、1500mPa以下であるため、製造時の泡の噛み込みに由来する段差、窪み、気泡等の欠陥が少ない硬化物を得ることができる。
また、以上説明した本発明の硬化性組成物にあっては、化合物(C)を含み、その含有率が1質量%以上であり、粒子(A)の含有率が85質量%以下であり、溶媒を含む場合はその含有率が5質量%以下であるため、微細パターンの欠落が少ない硬化物を得ることができる。
<硬化物>
本発明の硬化物は、本発明の硬化性組成物を硬化したものであり、微細パターンを表面に有する。本発明の硬化物を基材の表面に形成して、本発明の硬化物からなる層と基材からなる層とを備えた積層体としてもよい。
(基材)
基材としては、LED素子用基板(サファイアガラス、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウム等)、窒化珪素、LTCC(Low Temperature Co−fired Ceramics)、ガラス、石英、ニオブ酸リチウム、金属酸化物(アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等)、各種樹脂、およびこれらの基材の表面に酸化物層(ITO等)を形成したもの等が挙げられる。
(微細パターン)
微細パターンとしては、複数の微細な凸部および凹部のいずれか一方または両方からなる微細凹凸が挙げられる。凸部としては、硬化物の表面に延在する長尺の凸条、硬化物の表面に点在する突起等が挙げられる。凹部としては、硬化物の表面に延在する長尺の溝、硬化物の表面に点在する孔等が挙げられる。
凸条または溝の形状としては、直線、曲線、折れ曲がり形状等が挙げられる。凸条または溝は、複数が平行に存在して縞状をなしていてもよい。凸条または溝の、長手方向に直交する方向の断面形状としては、長方形、台形、三角形、半円形等が挙げられる。
突起または孔の形状としては、三角柱、四角柱、六角柱、円柱、三角錐、四角錐、六角錐、円錐、円錐台、角錐台、半球、多面体等が挙げられる。
凸条または溝の幅は、平均で1nm〜500μmが好ましく、10nm〜100μmがより好ましく、15nm〜10μmがさらに好ましい。凸条の幅とは、長手方向に直交する方向の断面における底辺の長さを意味する。溝の幅とは、長手方向に直交する方向の断面における上辺の長さを意味する。
突起または孔の幅は、平均で1nm〜500μmが好ましく、10nm〜100μmがより好ましく、15nm〜10μmがさらに好ましい。突起の幅とは、底面が細長い場合、長手方向に直交する方向の断面における底辺の長さを意味し、そうでない場合、突起の底面における最大長さを意味する。孔の幅とは、開口部が細長い場合、長手方向に直交する方向の断面における上辺の長さを意味し、そうでない場合、孔の開口部における最大長さを意味する。
凸部の高さは、平均で1nm〜500μmが好ましく、10nm〜100μmがより好ましく、15nm〜10μmがさらに好ましい。
凹部の深さは、平均で1nm〜500μmが好ましく、10nm〜100μmがより好ましく、15nm〜10μmがさらに好ましい。
隣接する凸部(または凹部)のピッチは、平均で1nm〜500μmが好ましく、1nm〜50μmがより好ましい。隣接する凸部のピッチとは、凸部の幅方向の中心から、隣接する凸部の幅方向の中心までの距離を意味する。隣接する凹部のピッチとは、凹部の幅方向の中心から、隣接する凹部の幅方向の中心までの距離を意味する。
(作用機序)
以上説明した本発明の硬化物にあっては、本発明の硬化性組成物を硬化した硬化物であるため、製造時の泡の噛み込みに由来する段差、窪み、気泡等の欠陥が少なく、微細パターンの欠落が少なく、かつ屈折率が高い。
<硬化物の製造方法>
本発明の硬化物の製造方法は、微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドと本発明の硬化性組成物とを接触させた状態で該硬化性組成物を硬化させて、微細パターンを表面に有する硬化物を形成する、いわゆるインプリント法である。
硬化方法は、光硬化または熱硬化が挙げられ、重合開始剤に応じて適宜選択すればよい。硬化方法としては、硬化物の製造のしやすさの点から、光硬化が好ましい。
硬化性組成物が重合開始剤として光重合開始剤を含む場合、本発明の硬化物の製造方法としては、たとえば、下記の工程(I)〜工程(IV)を有する方法(α)、下記の工程(i)〜工程(iv)を有する方法(β)等が挙げられる。
(方法(α))
工程(I):図1に示すように、微細パターンの反転パターン32を表面に有するモールド30の表面に本発明の硬化性組成物を塗布し、必要に応じて乾燥させて塗膜20を形成する工程。
工程(II):図1に示すように、塗膜20の上に基材10を重ね、塗膜20と基材10とを密着させる工程。
工程(III):図1に示すように、モールド30および基材10のいずれか一方または両方の側から塗膜20に光を照射し、塗膜20の硬化性組成物を硬化させて、硬化物12を形成する工程。
工程(IV):図1に示すように、硬化物12からモールド30を離型し、微細パターン14を表面に有する硬化物12からなる層と基材10からなる層とを備えた積層体を得る工程。
(方法(β))
工程(i):図2に示すように、基材10の表面に本発明の硬化性組成物を塗布し、必要に応じて乾燥させて塗膜20を形成する工程。
工程(ii):図2に示すように、塗膜20の上に、微細パターンの反転パターン32を表面に有するモールド30を重ね、塗膜20とモールド30とを密着させる工程。
工程(iii):図2に示すように、モールド30および基材10のいずれか一方または両方の側から塗膜20に光を照射し、塗膜20の硬化性組成物を硬化させて、硬化物12を形成する工程。
工程(iv):図2に示すように、硬化物12からモールド30を離型し、微細パターン14を表面に有する硬化物12からなる層と基材10からなる層とを備えた積層体を得る工程。
モールドの材料としては、樹脂、石英、シリコン、ニッケル等が挙げられる。
モールドとしては、微細パターンを表面に有するマスターモールドを用いたインプリント法によって、微細パターンの反転パターンが表面に転写された硬化物からなる層を有するレプリカモールドを用いてもよい。
硬化性組成物の塗布法としては、ポッティング法、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、スプレーコート法、キャスト法、ディップコート法、スクリーン印刷、転写法等が挙げられる。
光照射の光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、LEDランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ、重水素ランプ、無電極ランプ等が挙げられる。
光の照射による硬化と加熱による硬化とを併用してもよい。
(作用機序)
以上説明した本発明の硬化物の製造方法にあっては、本発明の硬化性組成物を用いたインプリント法によって硬化物を形成しているため、製造時の泡の噛み込みに由来する段差、窪み、気泡等の欠陥が少なく、微細パターンの欠落が少なく、かつ屈折率が高い硬化物を製造できる。
溶媒を除いた硬化性組成物の25℃における粘度が1500mPaを超える硬化性組成物を用いた場合に、硬化物における、製造時の泡の噛み込みに由来する段差、窪み、気泡等の欠陥が多くなる理由は、以下のとおりである。
方法(α)によって硬化物を形成する際に、溶媒を除いた硬化性組成物の25℃における粘度が1500mPaを超える硬化性組成物を用いた場合、モールド30の表面に硬化性組成物を塗布し、溶媒を含む場合にはこれを除去して形成された塗膜20の流動性が悪くなる。そのため、図3に示すように、モールド30における、反転パターン32が形成された領域と、反転パターン32が形成されていない平坦な領域との段差が、塗膜20の表面にも表れる。段差を表面に有する塗膜20の上に基材10を重ねると、段差の部分に気泡が取り残され、その結果、塗膜20と基材10との間に泡40が噛み込まれることになる。
方法(β)によって硬化物を形成する際に、溶媒を除いた硬化性組成物の25℃における粘度が1500mPaを超える硬化性組成物を用いた場合、基材10の表面に硬化性組成物を塗布し、溶媒を含む場合にはこれを除去して形成された塗膜20の流動性が悪くなる。そのため、図4に示すように、塗膜20の上にモールド30を重ねると、モールド30における、反転パターン32が形成された領域と、反転パターン32が形成されていない平坦な領域との段差に、塗膜20の硬化性組成物が移動しにくい。そのため、段差の部分に気泡が取り残され、その結果、塗膜20とモールド30との間に泡40が噛み込まれることになる。
図5は、溶媒を除いた硬化性組成物の25℃における粘度が1500mPaを超える硬化性組成物を用い、方法(α)によって製造された積層体を、硬化物からなる層側から観察した顕微鏡像である。左側の微細パターンが形成された領域(グレーの濃い部分)と、右側の微細パターンが形成されていない領域(グレーの薄い部分)との境界から、微細パターンが形成されていない領域側の5〜20μmの領域に、製造時の塗膜と基材との間に噛み込まれた泡に由来する気泡(白色)が多数発生している。
<物品>
本発明の物品は、基材と、本発明の硬化物とを備える。
本発明の物品としては、微細パターンを表面に有する硬化物からなる層と基材からなる層とを備えた積層体等が挙げられる。
本発明の具体例としては、基板(サファイアガラス等)と、基板の第1の面に形成された各半導体層と、基板の第2の面に形成された微細凹凸を表面に有する硬化物からなる光取り出し層とを備えたLED素子;レンズ状の基材(屈折率が1.70以上の樹脂等)と、その表面に形成された反射防止凹凸構造を有する硬化物からなる低反射レンズ;基板(屈折率が1.70以上のガラス等)と、基板の表面に形成された回折格子構造体からなる光学素子等が挙げられる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
例1〜4は実施例であり、例5〜10は比較例である。
(硬化性組成物の粘度)
硬化性組成物の25℃における粘度は、E型粘度計(東機産業社製、TVE−25)を用いて測定した。例10の硬化性組成物については、60℃で10分間加熱し、溶媒を除去してから測定した。
(硬化物の屈折率)
硬化物の屈折率は、ガラス基材(旭硝子社製、ソーダライムガラス、厚さ:1.0mm)の表面に硬化性組成物を1〜10μmの厚さになるようにバーコータを用いて塗布し、窒素置換した容器中で、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cmの光量で硬化させ、プリズムカプラ(メトリコン社製、2010)を用いて、波長589nmのレーザ光における屈折率を押しつけ圧力20psi(137.9kPa)にて測定した。
(硬化物の厚さ)
硬化物の厚さは、基板上の膜の一部をピンセットで削って除去し、触針式段差計(BrukerAXS社製、DEKTAK−XT)を使って膜除去した部分の周縁部の段差量を測定することで求めた。
(硬化物のヘーズ)
硬化物のヘーズは、ヘーズメータ(東洋精機製作所社製、HAZEGARD−2)を使用し、JIS K 7361−1:1997(ISO 13468−1:1996)に基づいて測定した。光源には、C光源を使用した。硬化物の厚さとヘーズから厚さ1μmあたりのヘーズを算出した。
(気泡の有無)
積層体における泡の噛み込みに由来する気泡の有無は、微細パターンが形成された領域と、その周囲の微細パターンが形成されていない領域との境界を全周にわたってレーザ顕微鏡(KEYENCE社製、VK9500)を用いて観察し、下記の基準にて判断した。
○:気泡がまったくない。
×:気泡がある。
(微細パターンの欠落)
積層体の硬化物において微細パターンが欠落した箇所は、微細パターンが形成された領域をレーザ顕微鏡を用いて観察した際に、色味の変化として観察される。微細パターンが形成された領域をレーザ顕微鏡(KEYENCE社製、VK9500)を用いて観察し、下記の基準にて判断した。
○:色味が変化した箇所がない。
×:周囲と比べ色味が違って見える箇所がある。
(粒子(A))
粒子(A−1)分散液:表面修飾ジルコニア粒子分散液(日本触媒社製、ジルコスター(登録商標)ZP−153−A、分散媒:メチルエチルケトン分散液、粒子(A−1)濃度:70質量%、平均粒子径:11nm)。
粒子(A−2)分散液:表面修飾ジルコニア粒子分散液(ソーラー社製、ZR−010、分散媒:メチルエチルケトン分散液、粒子(A−2)濃度:30質量%、平均粒子径:15nm)。
(化合物(B))
化合物(B−1):ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート#160、屈折率(20℃):1.519、粘度(25℃):2.2mPa・s、分子量:162)。
化合物(B−2):エトキシ化o−フェニルフェノールアクリレート(新中村化学工業社製、A−LEN−10、屈折率:1.577、粘度(25℃):150mPa・s、分子量:268)。
(化合物(C))
化合物(C−1):エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業社製、ABE−300、ビスフェノールAの1モルに対するエチレンオキシドの付加量:3モル、屈折率:1.543、粘度(25℃):1500mPa・s、分子量:466)。
化合物(C−2):1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(新中村化学工業社製、A−HD−N、屈折率:1.456、粘度(25℃):8mPa・s、分子量:226)。
化合物(C−3):9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(新中村化学工業社製、A−BPEF、屈折率:1.622、粘度(60℃):91000mPa・s、分子量:546)。
化合物(C−4):ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学工業社製、UA−4200、粘度(25℃):2000mPa・s、平均分子量:1300)。
化合物(C−5):ペンタエリスリトールトリアクリレート(トリエステル57%)(新中村化学工業社製、A−TMM−3LM−N、屈折率1.485、粘度(25℃):730mPa・s、分子量:298)。
(溶媒)
溶媒(D−1):1−メトキシ−2−プロパノール(東京化成工業社製)。
溶媒(D−2):メチルエチルケトン。
(重合開始剤)
光重合開始剤(E−1):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン社製、IRGACURE(登録商標)184)。
(含フッ素界面活性剤)
含フッ素界面活性剤(F−1):ノニオン系含フッ素系界面活性剤(AGCセイミケミカル社製、サーフロン(登録商標)S−243)。
(ガラス基材)
容器(容積:約8000cm)の中に、ガラス基材(旭硝子社製、ソーダライムガラス、厚さ:1mm、100mm×100mm)、およびシランカップリング剤(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製、KBM−503)の50μLを入れて密封した。容器を100℃の恒温オーブンに投入して1時間加熱し、ガラス基材に表面処理を施した。
(レプリカモールド)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業社製、NKエステルA−DPH)の60g、ネオペンチルグリコールジアクリレート(新中村化学工業社製、NKエステルA−NPG)の40g、および光重合開始剤(BASFジャパン社製、IRGACURE(登録商標)907)の4.0gを混合し、充分に撹拌してモールド作製用硬化性組成物を得た。
石英製のマスターモールド(協同インターナショナル社製、微細パターンが形成された領域:20mm×20mm、微細パターンの構造:ライン/スペース構造、線幅:60nm、溝幅:60nm、ピッチ:120nm、溝深さ:130nm、外形サイズ:30mm×30mm、厚さ:6.35mm)の表面にモールド作製用硬化性組成物を塗布し、塗膜を形成した。塗膜の上に基材としてポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、コスモシャイン(登録商標)A4300、厚さ:250μm)を重ね、塗膜に紫外線を照射し、モールド作製用硬化性組成物材料を硬化させた。硬化物からマスターモールドを離型し、レプリカモールドを得た。レプリカモールドの表面にコロナ処理(23kV、100W、25mm/s)を施した。コロナ処理されたレプリカモールドの表面に離型剤(ダイキン工業社製、オプツール(登録商標)DSX)を用いて離型処理を施した。
(例1)
バイヤル容器(内容積:20mL)に、粒子(A−1)分散液の44.71g、化合物(B−1)の8g、化合物(C−1)の0.60gを入れ、混合物を得た。混合物を60℃に加熱したロータリーエバポレータで加熱撹拌し、混合物から分散媒を除去した。混合物に、光重合開始剤(E−1)の0.40g、および含フッ素界面活性剤(F−1)の0.04gを加え、充分に撹拌して硬化性組成物を得た。硬化性組成物の組成を表1に示す。硬化性組成物の25℃における粘度を表2に示す。
離型処理されたレプリカモールドの表面に硬化性組成物を、ディスペンサを用いて供給し、スピンコータ(ミカサ社製、1H−DX2)を用いて温度:25℃、回転数:4500rpm、時間:60秒間の条件にてスピンコートし、塗膜を形成した。
表面処理されたガラス基材と、塗膜を形成したモールドとを、貼合機(サンテック社製、卓上貼合機ST−TMS−S3)を用いて貼合し、密着させた。塗膜に3000mJ/cmの紫外線を照射し、硬化性組成物を硬化させた。硬化物からレプリカモールドを離型し、微細パターンを表面に有する硬化物からなる層とガラス基材からなる層とを備えた積層体を得た。硬化物の屈折率、厚さ、厚さ1μmあたりのヘーズ、ならびに気泡の有無および微細パターンの欠落の有無を表2に示す。
(例2〜9)
表1に示す組成になるように各成分を混合し、例1と同様にして硬化性組成物を得た。硬化性組成物の組成を表1に示す。硬化性組成物の25℃における粘度を表2に示す。
硬化性組成物を変更した以外は、例1と同様にして積層体を得た。硬化物の屈折率、厚さ、厚さ1μmあたりのヘーズ、ならびに気泡の有無および微細パターンの欠落の有無を表2に示す。
(例10)
粒子(A−2)分散液の2.0gに、化合物(B−2)の0.0543g、化合物(C−3)の0.3g、化合物(C−4)の0.03g、化合物(C−5)の0.0713g、溶媒(D−1)の0.55g、光重合開始剤(E−1)の0.03g、および含フッ素界面活性剤(F−1)の0.01gを加え、充分に撹拌して硬化性組成物を得た。溶媒を含む硬化性組成物の25℃における粘度は、71mPa・sであった。硬化性組成物の組成を表1に示す。溶媒を除いた硬化性組成物の25℃における粘度を表2に示す。
離型処理されたレプリカモールドの表面に硬化性組成物を、ディスペンサを用いて供給し、スピンコータを用いて温度:25℃、回転数:5000rpm、時間:20秒間の条件にてスピンコートし、湿潤状態の塗膜を形成した。湿潤状態の塗膜を、ホットプレート上にて100℃で90秒間加熱することによって乾燥させて、溶媒が除去された塗膜を形成した。表面処理されたガラス基材に、塗膜を形成したモールドを、貼合機を用いて貼合し、密着させた。塗膜に3000mJ/cmの紫外線を照射し、硬化性組成物を硬化させた。硬化物からレプリカモールドを離型し、微細パターンを表面に有する硬化物からなる層とガラス基材からなる層とを備えた積層体を得た。硬化物の屈折率、厚さ、厚さ1μmあたりのヘーズ、ならびに気泡の有無および微細パターンの欠落の有無を表2に示す。
例5、例6は、粒子(A)の含有率が低いため、硬化物の屈折率が1.70未満となった。
例7は、化合物(C)を含まないため、レプリカモールドを離型した際に微細パターンの欠落が発生した。図6は、例7の積層体を、硬化物からなる層側から観察した顕微鏡像である。左上側の微細パターンが形成された領域(グレーの濃い部分)であり、右下側の微細パターンが形成されていない領域(グレーの薄い部分)である。微細パターンが形成されていない領域に隣接する微細パターンが形成された領域に、微細パターンの欠落が発生した領域(グレーが中間の濃さの部分)が確認された。図7は、例7の積層体における硬化物からなる層の表面の原子間力顕微鏡像である。左側の微細パターンが形成された領域であり、右側の微細パターンが形成されていない領域である。微細パターンが形成された領域に、微細パターンの欠落が確認された。
例8、例10は、溶媒を除いた硬化性組成物の25℃における粘度が1500mPaを超えたため、製造時の塗膜とガラス基材との間に噛み込まれた泡に由来する気泡が確認された。
例9は、粒子(A)の含有率が低いが、高屈折率の化合物(C−3)の含有率が高いため、硬化物の屈折率は高かった。しかし、化合物(C−3)の粘度が高いため、溶媒を除いた硬化性組成物の25℃における粘度が1500mPaを超えた。そのため、製造時の塗膜とガラス基材との間に噛み込まれた泡に由来する気泡が確認された。
本発明の硬化性組成物は、微細パターンを表面に有する高屈折率の硬化物(LED素子における光取り出し層等)をインプリント法で形成する際に用いられる硬化性組成物として有用である。
10 基材、12 硬化物、14 微細パターン、20 塗膜、30 モールド、32 反転パターン、40 泡。

Claims (8)

  1. 酸化ジルコニウムを含む粒子(A)と、
    (メタ)アクリロイル基を1つ有する化合物(B)(ただし、前記粒子(A)を除く。)と、
    (メタ)アクリロイル基を2つ以上有する化合物(C)(ただし、前記粒子(A)を除く。)と
    を含む硬化性組成物であり、
    前記粒子(A)の含有率が、前記硬化性組成物100質量%のうち、70〜85質量%であり、
    前記化合物(B)の含有率が、前記硬化性組成物100質量%のうち、5〜28質量%であり、
    前記化合物(C)の含有率が、前記硬化性組成物100質量%のうち、1〜10質量%であり、
    溶媒の含有率が、前記硬化性組成物100質量%のうち、5質量%以下であり、
    前記溶媒を除いた前記硬化性組成物の25℃における粘度が、1500mPa以下であり、
    前記硬化性組成物を硬化した硬化物の屈折率が、1.70以上である、硬化性組成物。
  2. 前記粒子(A)が、ジルコニア粒子の表面に(メタ)アクリロイル基を有する表面修飾基を有する表面修飾ジルコニア粒子である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記化合物(C)が、アルコキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートである、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 重合開始剤をさらに含み、
    前記重合開始剤の含有率が、前記硬化性組成物100質量%のうち、0.01〜5質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  5. 含フッ素界面活性剤をさらに含み、
    前記含フッ素界面活性剤の含有率が、前記硬化性組成物100質量%のうち、0.01〜3質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化した硬化物であり、微細パターンを表面に有する、硬化物。
  7. 微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドと請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物とを接触させた状態で前記硬化性組成物を硬化させて、微細パターンを表面に有する硬化物を形成する、硬化物の製造方法。
  8. 基材と、請求項6に記載の硬化物とを備えた、物品。
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