JP2019044729A - 圧縮機ケーシングの製造方法、ケーシング素材、及び圧縮機ケーシング - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1の筒状部41、第2の筒状部42、及び軸線O方向他方側を向く第1の面44aから軸線O方向一方側に向う方向に凹む凹部71を含む環状部44を有するケーシング素材70をダイカスト成形により形成する素材形成工程と、第2の筒状部42の内周面42a及び環状部44の軸線O方向一方側を向く第2の面44bを切削加工することで、凹部71を第2の筒状部42内の圧縮部収容空間42Aに連通させて、流路を形成する切削工程と、を備え、素材形成工程では、凹部71の側面71aの一部が第2の筒状部42の内周面42aよりも径方向外側に配置されたケーシング素材70を形成する。
【選択図】図7
Description
環状部は、第1の筒状部と第2の筒状部との境界部分の内周面から径方向内側に突出して設けられている。
しかしながら、圧縮部収容空間がモータ収容空間よりも縮径された構造の場合、工具等を用いて、圧縮機ケージングの母材となるケーシング素材に流路断面積の大きい流路を加工することは困難であった。
また、第2の筒状部の内周面及び環状部の第2の面を切削加工して、凹部を圧縮部収容空間に連通させることで、従来よりも流路断面積の大きい流路を形成することができる。
また、圧縮部収容空間の仕上げ加工として行われる切削加工(従来から行われている処理)時に凹部を圧縮部収容空間に連通させることで、流路を形成するための工程の増加を抑制することができる。
これにより、下流路を介して、ケーシング素材の下部に溜まった液状の潤滑油を圧縮部収容空間側に移動させやすくすることができる。
これにより、下流路を介して、モータ収容空間の下部に溜まった液状の潤滑油を圧縮部収容空間側に移動させやすくすることができる。
これにより、従来よりも流路断面積の大きい流路(例えば、流体や潤滑油の流路)を得ることができる。
これにより、流路(下凹部の一部)を介して、ケーシング素材の下部に溜まった液状の潤滑油を圧縮部収容空間側に移動させやすくすることができる。
これにより、流路(下凹部の一部)を介して、ケーシング素材の下部に溜まった液状の潤滑油を圧縮部収容空間側に移動させやすくすることができる。
これにより、下流路を介して、圧縮部ケーシングの下部に溜まった液状の潤滑油を圧縮部収容空間側に移動させやすくすることができる。
これにより、モータ収容空間の下部に溜まった液状の潤滑油を圧縮部収容空間側に移動させやすくすることができる。
図1を参照して、第1の実施形態の圧縮機ケーシング12を備えた圧縮機10について説明する。図1において、Oは回転軸17の軸線(以下、「軸線O」という)、X方向は回転軸17の軸線Oの延在方向(以下、「軸線方向」という)、ZはX方向に対して直交する鉛直方向をそれぞれ示している。
なお、軸線Oは、回転軸17の軸線であるとともに、第1及び第2の筒状部41,42の軸線でもある。また、図1では、圧縮機10の一例として、スクロール圧縮機を例に挙げて図示する。
また、図2において、第2の面44dは、図7に示すケーシング素材70(圧縮機ケーシング12の母材)の内部が切削加工される前の環状部44の第2の面を示している。
図3に示すY方向は、X方向及びZ方向に対して直交する方向を示している。図1〜図5において、同一構成部分には同一符号を付す。
第1の筒状部41は、軸線Oを中心とした円筒状をなす部材である。第1の筒状部41は、両端が開放端とされている。
第1の筒状部41は、内周面41aと、モータ収容空間41Aと、を有する。モータ収容空間41Aは、第1の筒状部41の内周面41aにより区画された円柱状の空間である。モータ収容空間41Aは、第1の筒状部41の内側に形成された空間である。モータ収容空間41Aには、モータ24が収容されている。
モータ収容空間41Aには、圧縮機ケーシング12の外側からミスト状の潤滑油、及びA/Cシステムから冷媒が供給される。
第2の筒状部42は、内周面42aと、圧縮部収容空間42Aと、を有する。圧縮部収容空間42Aは、第2の筒状部42の内周面42aにより区画された円柱状の空間である。圧縮部収容空間42Aは、第2の筒状部42の内側に形成された空間である。圧縮部収容空間42Aには、圧縮部25が収容されている。
第1の部分44Aは、第1の面44aと、第2の面44bと、複数の流路47と、を有する。第1の面44aは、軸線O方向他方側(軸線方向他方側)を向く面である。第2の面44bは、軸線O方向一方側(軸線方向一方側)を向く面である。
複数の流路47は、図7に示すケーシング素材70を構成する第2の筒状部42の内周面42b及び環状部44の第2の面44dを切削加工することで、環状部44に形成された凹部71(後述する図7参照)を圧縮部収容空間42Aに連通させることで形成されている。
このように、流路47の内周面47aの一部を切削加工が行われる前の第2の筒状部42(ケーシング素材70の第2の筒状部42)の内周面42bよりも径方向外側に配置させることで、従来よりも流路47の流路断面積を大きくすることができる。
これにより、流路47を介して、圧縮部収容空間42Aに圧縮部25が圧縮する流体や潤滑油が移動しやすくなるため、圧縮部25の圧縮効率を高めることができる。
これにより、下流路47Aを介して、圧縮機ケーシング12の下部に溜まった液状の潤滑油を圧縮部収容空間42A側に移動させやすくすることができる。
カバー14は、モータ収容空間41A内に延出するボス部14Aを有する。カバー14は、例えば、ボルト等により第1の筒状部41に固定されている。
第1の蓋体13は、第1の筒状部41の反対側に位置するカバー14の開放端を塞ぐように設けられている。
上記構成とされた回転軸17は、モータ24により軸線O周りに回転させられる。
ステータ57は、第1の筒状部41の内周面41aに固定されている。ステータ57は、ロータ56との間に隙間を介在させた状態で、ロータ56の径方向外側に配置されている。
ボス部61Bは、端板部61Aのうち、回転軸17と対向する側の面に設けられている。ボス部61Bは、円筒形状とされている。
渦巻き部61Cは、端板部61Aのうち、固定スクロール63と対向する側の面に設けられている。渦巻き部61Cは、固定スクロール63に向かう方向に延出している。
渦巻き部63Bは、可動スクロール61と対向する側の端板部63Aの面に設けられている。渦巻き部63Bは、渦巻き部61Cと噛み合っている。可動スクロール61と固定スクロール63との間には、流体が圧縮される空間65が形成されている。
吐出孔63Cは、端板部63Aの中央部を貫通するように形成されている。吐出孔63Cは、圧縮が完了した流体を吐出するための孔である。
スラストプレート31は、リング状のプレートである。スラストプレート31は、端板部61Aとスラスト軸受29との間に配置されている。
オルダムリング33は、スラストプレート31の内側に設けられている。
また、図2及び図3に示す流路47の形状、配列、及び数は、一例であって、流路47の形状、配列、及び数は、適宜選択することが可能であり、図2及び図3に示す構成に限定されない。
具体的には、内側にモータ収容空間41Aを区画する第1の筒状部41と、内側にモータ収容空間41Aよりも縮径された圧縮部収容空間42Aを区画するとともに、第1の筒状部41の軸線O方向一方側に接続された第2の筒状部42と、第1の面44aから軸線O方向一方側に向う方向に凹む複数の凹部71を含む環状部44と、を有するケーシング素材70をダイカスト成形により形成する。複数の凹部71の形成位置は、図3に示す複数の流路47の形成位置に対応している。
ダイカスト成形では、金型(図示せず)内に、溶融金属(例えば、溶融したアルミニウム合金)を流し込み、溶融金属を冷却により固めることで、ケーシング素材70を形成する。
このように、環状部44の周方向における複数の凹部71の幅を異ならせることで、環状部44の第2の面44b側に配置された部材を避けるように、複数の凹部71を配置させることが可能となる。これにより、環状部44の第2の面44b側に配置された部材を避けるように、複数の流路47を配置させることができる。
これにより、ケーシング素材70の下部に溜まった液状の潤滑油を圧縮部収容空間42A側に移動させやすくすることができる。
これにより、従来よりも流路断面積の大きい流路47(例えば、流体や潤滑油の流路)を得ることができる。
上記切削工程では、第1の筒状部41の内周面41b、第2の筒状部42の内周面42b、及び環状部44の第2の面44dを切削加工(言い換えれば、第1の筒状部41、第2の筒状部42、及び環状部44を薄肉化)することで、内周面41a,42a及び第2の面44bを形成する。
これにより、図2に示す圧縮機ケーシング12が製造される。上記切削工程では、例えば、フライスによる切削加工、内径切削加工、エンドミルによる切削加工等を用いることが可能である。
また、圧縮部収容空間42Aの仕上げ加工として行われる切削加工時に複数の凹部71を圧縮部収容空間42Aに連通させることで、複数の流路47を形成するための工程の増加を抑制することができる。
図8〜図10を参照して、第2の実施形態の圧縮機ケーシング80について説明する。図8〜図10において、図1〜図5及び図7に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。また、図8〜図10において、同一構成部分には同一符号を付す。
このような構成とすることで、環状部44の第2の面44b側における下流路81の流路断面積を大きくすることができる。
このように、第2の筒状部42に形成された下流路81の一部の面81aのうち、少なくとも第2の筒状部42の内周面42a側に位置する面81bを湾曲面とすることで、下流路81を介して、液状とされた潤滑油が第2の筒状部42の内周面42a側に流れやすくすることができる。
これにより、モータ収容空間41Aの下部に溜まった潤滑油を圧縮部収容空間42A側に移動させやすくすることができる。
これにより、下流路81を介して、液体状態とされた潤滑油、及び流体が圧縮部収容空間42Aに移動しやすくなるため、圧縮部25の圧縮効率を高めることができる。
Claims (18)
- 軸線を中心とした円筒状をなしており、内側にモータ収容空間を区画する第1の筒状部と、前記軸線を中心とした円筒状をなし、内側に前記モータ収容空間よりも縮径された圧縮部収容空間を区画するとともに、前記第1の筒状部の軸線方向一方側に接続された第2の筒状部と、前記第1の筒状部と前記第2の筒状部との境界部分の内周面から径方向内側に向かって突出するとともに、軸線方向他方側を向く第1の面から前記軸線方向一方側に向う方向に凹む凹部を含む環状部と、を有するケーシング素材をダイカスト成形により形成する素材形成工程と、
前記第2の筒状部の内周面及び前記環状部の前記軸線方向一方側を向く第2の面を切削加工することで、前記凹部を前記圧縮部収容空間に連通させて、流路を形成する切削工程と、
を備え、
前記素材形成工程では、前記凹部の側面の一部が前記第2の筒状部の内周面よりも径方向外側に配置された前記ケーシング素材を形成する圧縮機ケーシングの製造方法。 - 前記切削工程では、前記環状部を薄肉化させることで、前記流路の一部を前記第2の筒状部に配置させる請求項1記載の圧縮機ケーシングの製造方法。
- 前記素材形成工程では、前記環状部の周方向に複数の前記凹部を形成させる請求項1または2記載の圧縮機ケーシングの製造方法。
- 複数の前記凹部は、前記環状部の下部に形成された下凹部を含んでおり、
前記素材形成工程では、前記第1の筒状部のうち、少なくとも前記下凹部と隣り合う部分が前記第1の筒状部の軸線方向他方側から前記第1の面に向かうにつれて縮径するように、前記ケーシング素材を形成する請求項3記載の圧縮機ケーシングの製造方法。 - 前記素材形成工程では、前記第1の筒状部のモータ収容空間側から前記環状部を軸線方向視した状態において、前記下凹部は、他の凹部よりも環状部の外周側に延在して形成させる請求項4記載の圧縮機ケーシングの製造方法。
- 前記素材形成工程では、前記環状部の周方向の幅が異なるように、複数の前記凹部を形成させる請求項3から5のいずれか一項記載の圧縮機ケーシングの製造方法。
- 軸線を中心とした円筒状をなしており、内側にモータ収容空間を区画する第1の筒状部と、
前記軸線を中心とした円筒状をなし、内側に前記モータ収容空間よりも縮径された圧縮部収容空間を区画するとともに、前記第1の筒状部の軸線方向一方側に接続された第2の筒状部と、
前記第1の筒状部と前記第2の筒状部との境界部分の内周面から径方向内側に向かって突出するとともに、軸線方向他方側を向く第1の面から前記軸線方向一方側に向う方向に凹む凹部を含む環状部と、
を備え、
前記凹部の側面の一部が前記第2の筒状部の内周面よりも径方向外側に配置されており、
前記凹部は、前記第2の筒状部の内周面及び前記環状部の前記軸線方向一方側を向く第2の面を切削加工されることで、前記モータ収容空間と前記圧縮部収容空間とを連通させる流路となるケーシング素材。 - 前記凹部は、前記環状部の周方向に複数形成されている請求項7記載のケーシング素材。
- 複数の前記凹部は、前記環状部の下部に形成された下凹部を有しており、
前記第1の筒状部のうち、少なくとも前記下凹部と隣り合う部分は、前記第1の筒状部の軸線方向他方側から前記第1の面に向かうにつれて縮径されている請求項8記載のケーシング素材。 - 前記第1の筒状部のモータ収容空間側から前記環状部を軸線方向視した状態において、前記下凹部は、他の凹部よりも環状部の外周側に延在して配置されている請求項9記載のケーシング素材。
- 複数の前記凹部は、前記環状部の周方向の幅が異なる請求項8から10のいずれか一項記載のケーシング素材。
- 軸線を中心とした円筒状をなしており、内側にモータ収容空間を区画する第1の筒状部と、
前記軸線を中心とした円筒状をなし、内側に前記モータ収容空間よりも縮径された圧縮部収容空間を区画するとともに、前記第1の筒状部の軸線方向一方側に接続された第2の筒状部と、
前記第1の筒状部と前記第2の筒状部との境界部分内側から径方向内側に向かって突出するとともに、前記モータ収容空間と前記圧縮部収容空間とを連通させる流路を含む環状部と、
を備え、
前記流路は、前記第2の筒状部の内周面及び前記環状部の前記軸線方向一方側を向く面を切削加工することで、前記環状部に形成された凹部を前記圧縮部収容空間に連通させることで形成されており、
前記流路の内周面の一部は、前記切削加工が行われる前の前記第2の筒状部の内周面よりも径方向外側に配置されている圧縮機ケーシング。 - 前記流路の一部は、前記第2の筒状部に形成されており、
前記流路は、前記圧縮部収容空間まで延在している請求項12記載の圧縮機ケーシング。 - 前記流路は、前記環状部の周方向に複数形成されている請求項12または13記載の圧縮機ケーシング。
- 複数の前記流路は、前記環状部の下部に形成された下流路を有しており、
前記第1の筒状部のうち、前記下流路と隣り合う部分は、前記第1の筒状部の軸線方向他方側から前記環状部の軸線方向他方側を向く第1の面に向かうにつれて縮径されている請求項14記載の圧縮機ケーシング。 - 前記下流路の一部は、前記第2の筒状部に形成されており、
前記下流路の一部の面のうち、少なくとも前記第2の筒状部の内周面側に位置する面は、湾曲面である請求項15記載の圧縮機ケーシング。 - 前記第1の筒状部のモータ収容空間側から前記環状部を軸線方向視した状態において、前記下流路は、他の流路よりも環状部の外周側に延在して配置されている請求項15または16記載の圧縮機ケーシング。
- 複数の前記流路は、前記環状部の周方向の幅が異なる請求項14から17のいずれか一項記載の圧縮機ケーシング。
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