JP5931632B2 - クランクケースの軸受部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼製部材からなるベアリングを介して回転部材を支持するアルミ製クランクケースの軸受部構造に関するものである。
内燃機関運転中の温度上昇によって、クランク軸のジャーナルとクランクケースの軸受部との間に隙間が生じると、クランク軸による打音が生じやすくなる。このため、隙間の発生を防止するため、アルミ製のクランクケースの軸受部に、アルミより線膨張係数の大きい亜鉛を鋳込み、亜鉛の膨張によって軸受部の膨張を抑制し、ジャーナル外周部の隙間の発生を防ぐことが行われていた(例えば、特許文献1参照。)。
また、ベアリングを介してクランク軸を保持する場合は、アルミ製クランクケースの軸受部に鋳鉄製ブシュを一体に鋳込んで形成し、更にベアリングにおいては、ベアリングの外輪を、鋼鉄製内側リングと、これに一体に鋳込まれたアルミ製外側リングとによって形成し、クランクケース軸受部における鋳鉄とアルミの合体部の線膨張係数と、ベアリング外輪における鋼鉄とアルミの合体部の線膨張係数を略等しくして、温度上昇時のベアリング外輪外周部の隙間の拡大を防ぐことが行われていた(例えば、特許文献2参照。)。
前記の第1の例は亜鉛自体の、第2の例はベアリング外輪の外側リングのアルミと鋼鉄の、熱膨張による一方向の寸法の増加によってジャーナル外周部あるいはベアリング外輪外周部の隙間の拡大を防ぐものである。
特開2002−349342号公報 特開2008−180237号公報
従来の隙間の拡大を防ぐ手段は、熱膨張による半径方向の寸法の増加を利用したものである。熱膨張は全方向に寸法の増加をもたらす。本発明は特に立体的な寸法増加を利用して、一層効果的な隙間の拡大を防ぐ軸受部構造を提供するものである。
本発明は上記課題を解決したものであって、請求項1に記載の発明は、
鋼製部材からなるベアリング(9)を介して回転部材を支持するアルミ製クランクケース(1)の軸受部(10,20,30A,30B,30C,30D,40A,40B,40C,50A,50B,50C)を含む軸受部構造において、
近似台形形状の亜鉛製駒部材(12,22,32,42,52,52H,52L)前記軸受部内部に形成された同じ近似台形形状のポケット(14,24,34,44,54)内に埋設され、前記近似台形形状の亜鉛製駒部材は近似台形形状の頂面と底面を結ぶ方向が前記軸受部の中心方向を向くように配置され、前記駒部材(12,22,32,42,52,52H,52L)は、前記頂面を構成する径方向外周面(12a,22a,32a,42a,52a)と、前記底面を構成する径方向内周面(12d,22d,32d,42d,52d)と、前記径方向外周面および前記径方向内周面を接続する平坦な周方向端面(12b,22b,32b,42b,52b)および平坦な軸方向側面(12c,22c,32c,42c,52c)とを有し、前記駒部材(12,22,32,42,52,52H,52L)は、それを埋設している前記ポケット(14,24,34,44,54)をもつ軸受部より線膨張係数が大きく、前記周方向端面および軸方向側面は前記軸受部の径方向に対し傾斜し、前記クランクケースの温度上昇による前記駒部材の熱膨張時に、前記駒部材の前記周方向端面および前記軸方向側面に対向する近似台形形状ポケットの平坦壁面(14x,14y,24x,24y,34x,34y,44z,44y,54x,54y)の前記駒部材に対する押圧作用が、前記駒部材の軸受部径方向への変位を生起させて、ガタを吸収するように構成されたことを特徴とするクランクケースの軸受部構造である
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のクランクケースの軸受部構造において、
前記クランクケース(1)の軸受部(10)の円孔(11)にベアリング(9)が装着され、前記駒部材(12)は前記クランクケース(1)と前記ベアリング(9)の外輪(9A)との間に複数個設けられ、駒部材(12)の内周面(12d)は前記ベアリング外輪(9A)の外周面に対向し、
該駒部材(12)の端面(12b)同士の間隔、および側面(12c)同士の間隔は前記ベアリング外輪(9A)の外周面に向かって開いていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のクランクケースの軸受部構造において、
前記クランクケース(1)の軸受部(20)の円孔(21)にブッシュ(23)が設けられ、前記駒部材(22)は前記クランクケース(1)と前記ブッシュ(23)との間に複数個設けられ、駒部材(22)の内周面(22d)は前記ブッシュ(23)の外周面(23a)に隣接し、該駒部材(22)の端面(22b)同士の間隔、および側面(22c)同士の間隔は前記ブッシュ(23)の外周面(23a)に向かって開いていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のクランクケースの軸受部構造において、
前記クランクケース(1)の軸受部(30)の円孔(31)にブッシュ(33)が設けられ、前記駒部材(32)は前記クランクケース(1)と前記ブッシュ(33)との間に複数個設けられ、該駒部材(32)の端面(32b)、側面(32c)、および内周面(32d)が前記ブッシュ(33)の外周ポケット(34)に埋設され、該駒部材(32)の外周面(32a)は前記クランクケース(1)の円孔(31)の内周面に隣接し、該駒部材(32)の端面(32b)同士の間隔、および側面(32c)同士の間隔は前記円孔(31)の内周面に向かって開いており、該駒部材(32)の線膨張係数は前記ブッシュ(33)の線膨張係数より大きいことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のクランクケースの軸受部構造において、
前記クランクケース(1)の軸受部(40)の円孔(41)にブッシュ(43)が設けられ、前記駒部材(42)は前記クランクケース(1)と前記ブッシュ(43)との間に複数個設けられ、該駒部材(42)の端面(42b)、側面(42c)、および内周面(42d)が前記ブッシュ(43)の外周ポケット(44)に埋設され、該駒部材(42)の外周面(42a)は前記クランクケース(1)の円孔(41)の内周面に隣接し、該駒部材(42)の周方向端面を形成する底角部(42e)はブッシュ(43)の外周ポケット(44)の鋭角凹部(44z)によって保持され、該駒部材(42)の側面(42c)同士の間隔は前記円孔(41)の内周面に向かって開いており、該駒部材(42)の線膨張係数は前記ブッシュ(43)の線膨張係数より大きいことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載のクランクケースの軸受部構造において、
前記駒部材(52)は、軸受中心を挟んで一方の駒部材(52H)が他方の駒部材(52L)より高さが高く形成されていることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載のクランクケースの軸受部構造において、
軸受中心の一方の側に1個の駒部材(52)が形成されていることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のクランクケースの軸受部構造において、
軸受中心の一方の側に1個の駒部材(52)が形成されると共に、その内側にブッシュ(53)が設けられていることを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載のクランクケースの軸受部構造において、
駒部材にブッシュの回り止め兼駒部材の抜け止め突起(35,45)を設けたことを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載のクランクケースの軸受部構造において、
駒部材にブッシュの回り止めリブ(36,46)を設け、ブッシュに駒部材の抜け止めリブ(37,47)を設けたことを特徴とするものである。
請求項1の発明において、
前記クランクケース(1)内の温度上昇時に、前記駒部材は熱膨張により別体の軸受部のポケットの対向平坦壁面の方に迫り出して、同対向平坦壁面からの押圧力により径方向に変位して軸受部隣接部材との間のガタの発生、騒音防止を図ることができる。
請求項2の発明において、
前記駒部材(12)は、クランクケース(1)との熱膨張差に基づき、その外周面(12a)、端面(12b)、及び側面(12c)に掛かる膨張力によって、クランクケースの内周面から迫り出してベアリングの外輪(9A)を押し、クランクケースの軸受部(10)とベアリング外輪(9A)との間のガタの発生が抑えられ、騒音防止を図ることが出来る。
請求項3の発明において、
前記駒部材(22)は、クランクケース(1)との熱膨張差に基づき、その外周面(22a)、端面(22b)、及び側面(22c)に掛かる膨張力によって、クランクケースの内周面から迫り出してブッシュ(23)を押し、アルミ製クランクケースとブッシュとの間のガタの発生が抑えられ、騒音防止を図ることが出来る。
請求項4の発明において、
前記駒部材(32)は、ブッシュ(33)との熱膨張差に基づき、その端面(32b)、側面(32c)、及び内周面(32d)に掛かる膨張力によって、ブッシュ(33)の外周面から迫り出し、アルミ製クランクケースとブッシュとの間のガタの発生が抑えられ、騒音防止を図ることが出来る。
請求項5の発明において、
前記駒部材(42)は、ブッシュ(43)との熱膨張差に基づき、その膨張力によって、駒部材(42)の中央部はブッシュ(43)の外周面から外方へ迫り出し、アルミ製クランクケースとブッシュとの間のガタの発生が抑えられ、騒音防止を図ることが出来る。
請求項6の発明において、
駒部材(52H、52L)の迫り出し量の差によって、回転軸(3)の中心位置を微小変位させることが出来るので、クランクケース(1)の熱膨張による軸間距離の拡大の影響を低減でき、バックラッシュの増加を抑えて噛合い騒音の低減を図ることが出来る。
請求項7の発明において、
駒部材(52)が迫り出し、回転軸(3)の中心位置を微小変位させることが出来るので、クランクケース(1)の熱膨張による軸間距離の拡大の影響を低減でき、バックラッシュの増加を抑えて噛合い騒音の低減を図ることが出来る。
請求項8の発明において、
駒部材(52)が迫り出し、ブッシュ(53)を介して回転軸(3)を押し、回転軸(3)の中心位置を微小変位させることが出来るので、クランクケース(1)の熱膨張による軸間距離の拡大の影響を低減でき、バックラッシュの増加を抑えて噛合い騒音の低減を図ることが出来る。
請求項9の発明において、
ブッシュ(33,43)のクランク軸周りの回転と、駒部材(32,42)の抜け落ちが防がれる。
請求項10の発明において、
ブッシュ(33,43)のクランク軸周りの回転と、駒部材(32,42)の抜け落ちが防がれる。
本発明の実施形態に係るクランク軸の支持構造が適用されるクランクケース周囲部の断面図である。 本発明の第1実施形態に係るクランク軸の軸受部の断面図である 連結用リブを介して連結された複数の駒部材の外観図である。 脱落防止用リブを備えた駒部材の外観図である。 本発明の第2実施形態に係るクランク軸の軸受部の断面図である。 本発明の第3A実施形態に係るクランク軸の軸受部の断面図である。 本発明の第3B実施形態に係るクランク軸の軸受部の断面図である。 本発明の第3C実施形態に係るクランク軸の軸受部の断面図である。 本発明の第3D実施形態に係るクランク軸の軸受部の断面図である。 本発明の第4A実施形態に係るクランク軸の軸受部の断面図である。 本発明の第4B実施形態に係るクランク軸の軸受部の断面図である。 本発明の第4C実施形態に係るクランク軸の軸受部の断面図である。 本発明の第5A実施形態に係るクランク軸の軸受部の断面図である。 本発明の第5B実施形態に係るクランク軸の軸受部の断面図である。 本発明の第5C実施形態に係るクランク軸の軸受部の断面図である。
図1は本発明の実施形態に係るクランク軸の支持構造が適用されるクランクケース周囲部の断面図である。このクランクケース1は、自動二輪車に搭載される単気筒内燃機関のクランクケースであり、図1は、シリンダ2の中心線、クランク軸3、変速機メイン軸4、及び変速機カウンタ軸5を含むクランクケース内部の断面図である。このクランクケースの左右は図に矢印L,Rで示してある。
クランクケース1は左右半割り形式であり、左クランクケース1Lと右クランクケース1Rとが両側から合体されている。クランクケースの左右は左クランクケースカバー6Lと右クランクケースカバー6Rによって覆われている。クランク軸3は左側クランク軸3Lと右側クランク軸3Rとクランクピン7が一体化されて構成されている。クランクケースの一部をなす軸受部10には、ベアリング9を介してクランク軸3が回転可能に支持されている。ベアリング9は鋼製の外輪9A、内輪9B、及びボール9Cとから構成されている。なお、図1に示されている軸受部10は、後述の第1実施形態の軸受部であるが、それに続く実施形態の説明では、同じ位置の軸受部として、符号20、30A〜30D、40A〜40C、50A〜50C、を付して異なる形態の軸受部を示している。
クランクピン7にコンロッド8が接続されている。クランク軸3の左端と左クランクケースカバー6Lの間に、交流発電機61が設けてある。クランク軸3の右端には、遠心オイルストレーナ62が設けてある。クランク軸3と平行に、変速機のメイン軸4とカウンタ軸5がクランクケース1に回転可能に支持されている。メイン軸の右端に多板クラッチ63が設けてある。クランク軸に固定されているプライマリ駆動歯車65と、多板クラッチ63のクラッチアウタ64に固定されているプライマリ従動歯車66が噛合し、クランク軸3によってメイン軸4が駆動される。メイン軸4とカウンタ軸5には常時噛合い式歯車群67が設けてあり、その中の一つの歯車が選択的に固定されて変速がなされる。
本発明の第1実施形態のクランクケースの軸受部10の断面図が図2に示されている。図1に示される左右の軸受部10は同じ構造であるので、以下の実施形態は左側の軸受部10の断面によって説明する。図2(a)はクランク軸3に直交する軸受部10の断面図、図2(b)は図2(a)のB−B断面図である。図において、この軸受部10はクランクケース1の一部をなすものである。前記クランクケース1はアルミ材から成り、軸受部10の円孔11にベアリング9が支持されている。前記ベアリング9は鋼材からなる外輪9A、内輪9B、およびボール9Cから構成されている。以下に述べるすべてのベアリングの構成は上記ベアリングと同じである。ベアリング9の内側にクランク軸3が支持されている。
前記クランクケース1と前記ベアリング外輪9Aとの間に、アルミ材より線膨張係数が大きい亜鉛製の近似台形形状の複数の駒部材12が、前記ベアリング外輪に対する同心円上に設けられている。各駒部材の外周面12a、端面12b、及び側面12cはクランクケース1のポケット14に埋設され、駒部材12の内周面12dは前記ベアリング外輪9Aの外周面に対向している。前記駒部材12の端面12b同士の間隔、及び側面12c同士の間隔は、この軸受部の中心方向、即ち前記ベアリング外輪9Aの外周面に向かって開いている。
上記内燃機関が運転され、クランクケースの温度が上昇すると、前記亜鉛製駒部材12が設けられていない場合は、ベアリングの鋼材に比して膨張係数が大きいアルミ製クランクケースは大きく膨張し、その結果、クランクケースの円孔11とベアリング9との間に隙間が生じ、騒音が発生する。
図2のように、亜鉛製駒部材12が設けられている場合は、クランクケースの温度上昇と共に、駒部材12は、全方向に膨張する。半径方向の膨張は上記隙間を塞ぐ方向の伸びである。円周方向及び軸方向の膨張は、駒部材自体の円周方向の端面12b、及び側面12cを、同端面及び側面が対向しているポケット14の端部壁面14x及び側部壁面14yに沿って押す。駒部材の円周方向の端面12b、及び側面12cの一部はポケット14の壁面14x,14yから剥離し、駒部材はクランクケース1の側からベアリング9の方へ迫り出し、上記隙間を塞ぐよう作用する。これらの作用によって、クランクケースの軸受部10とベアリング外輪9Aとの間のガタの発生が抑えられ、騒音防止を図ることが出来る。なお、以下のすべての実施形態において、クランクケースはアルミ材、駒部材は亜鉛、ベアリングは鋼材からなっている。
第1実施形態の軸受部10の第1の形成法:前記駒部材12は、アルミより線膨張係数が大きい亜鉛材で作られる。アルミ材でクランクケース1が鋳造されるとき、同時に駒部材12を鋳込むためのポケット14が形成される。クランクケースが製作された後、適当な鋳型が製作され、これがクランクケース1の円孔11の中に装着され、前記ポケット14に融点の低い亜鉛が鋳込まれ、駒部材12が形成される。固化した後に、上記円孔11は機械加工によって仕上げられ、軸受部10が構成される。
第1実施形態の軸受部10の第2の形成法:クランクケースの鋳造形成前に、予め製作された駒部材を金型の中に設置して、これにクランクケースとなるアルミ材が鋳込まれる。クランクケース1の鋳造形成後に、ベアリングを支持する円孔11の機械加工が行われる。
上記第2の形成法において、図3に示されるように、複数の駒部材12を予め連結用リブ15を介して連結し、これを鋳型の中に設置して、クランクケースとなるアルミ材を鋳込む方法もある。クランクケース1の鋳造形成後に、ベアリングを支持する円孔11の機械加工が行われ、連結用リブ15はその際に除去され、軸受部10が構成される。連結用リブを介して駒部材を連結する軸受部の製作法は、後述の他の実施形態にも適用可能である。
図4は他の形状の駒部材12の外観図である。これは、駒部材12の外周面12aに脱落防止用リブ16を設けたものである。上記第1の形成法によって、駒部材を鋳込み形成する場合は、クランクケースの亜鉛鋳込み用ポケット14の一部に、脱落防止用リブ16を形成するための幅の狭い凹部を追加して設けておき、駒部材の鋳込み形成を行うことによって、脱落防止用リブ16付きの駒部材が形成される。
上記第2の形成法によって、予め形成した駒部材12に沿ってアルミを鋳込む場合は、駒部材に脱落防止用リブ16を予め形成しておく。図3に示した連結用リブ15付き駒部材を用いる場合は、駒部材形成時に、連結用リブ15と脱落防止用リブ16を共に備えた駒部材を形成して用いる。
本発明の第2実施形態のクランクケースの軸受部20の断面図が図5に示されている。図5(a)はクランク軸3に直交する軸受部20の断面図、図5(b)は図5(a)のB−B断面図である。図において、クランクケース1はアルミ材から成り、クランクケースの円孔21に鋳鉄製のブッシュ23が嵌め込まれ、その内側に第1実施形態と同様な鋼材からなるベアリング9が装着されている。ベアリング9の内側にクランク軸3が支持されている。
前記クランクケース1と前記ブッシュ23との間に、クランクケースより線膨張係数が大きい亜鉛製の近似台形形状の複数の駒部材22が、クランクケース1のアルミ部の内周側に設けられている。各駒部材22の外周面22a、端面22b、及び側面22cはクランクケース1のポケット24に埋設され、駒部材22の内周面22dは前記ブッシュ23の外周面23aに隣接している。前記駒部材22の円周方向の端面22b同士の間隔、及び側面22c同士の間隔は、この軸受部の中心方向、即ち前記ブッシュ23の外周面23aに向かって開いている。なお、以下のすべての実施形態において、ブッシュは鋳鉄からなっている。
内燃機関が運転され、クランクケースの温度が上昇すると、ブッシュを備えたクランクケースの軸受部に、もし亜鉛製駒部材が設けられていない場合は、鋳鉄製ブッシュに比して膨張係数が大きいアルミ製クランクケースは大きく膨張し、その結果、鋳鉄製ブッシュとアルミ製クランクケースとの間に隙間が生じ、騒音が発生する。
図5のように、亜鉛製駒部材が設けられている場合は、クランクケースの温度上昇と共に、駒部材22は、全方向に膨張する。第1実施形態の場合と同様に、駒部材は、ポケット24の端部壁面24x、側部壁面24yに沿って、鋳鉄部材の方へ迫り出し、上記隙間を塞ぐよう作用する。これらの作用によって、アルミ製クランクケースと鋳鉄製ブッシュとの間のガタの発生が抑えられ、騒音防止を図ることが出来る。
第2実施形態の軸受部20の第1の形成法:アルミ材でクランクケース1が鋳造されるとき、同時に駒部材22が収容されるポケット24が形成される。製作されたクランクケース1に、予め鋳鉄で製作されたブッシュ23が嵌装され、クランクケース1とブッシュ23との間のポケット24に亜鉛が鋳込まれ、駒部材22が形成される。これによって、クランクケース1と駒部材22とブッシュ23とが一体化した軸受部20が構成される。
第2実施形態の軸受部20の第2の形成法:第1実施形態の説明で述べた製作方法のうちの第2の形成法によって作られた駒部材付きのクランクケース1に、予め鋳鉄で製作されたブッシュ23が圧入され軸受部20が構成される。
以下に本発明の第3実施形態が示される。この実施形態には、4種類のバリエーションがあり、実施形態名及び軸受部30の符号には、A〜Dを付して、第3A実施形態〜第3D実施形態、軸受部30A〜30Dとしてある。以下に述べる第3A実施形態〜第3D実施形態の4種類の実施形態は、ほぼ同一の構成のものであり、それぞれ若干の変形がなされている。ほぼ同一形状・同一機能の部材についてはこれらの4種類の実施形態を通じて同一符合を付してある。
本発明の第3A実施形態のクランクケースの軸受部30Aの断面図が図6に示されている。図6(a)はクランク軸3に直交する軸受部30Aの断面図、図6(b)は図6(a)のB−B断面図である。図において、クランクケース1はアルミ材から成り、クランクケース1の円孔31に鋳鉄製のブッシュ33が設けられ、ブッシュ33の内側にベアリング9が装着され、ベアリング9の内側にクランク軸3が支持されている。
前記クランクケース1と前記ブッシュ33との間に、ブッシュ33より線膨張係数が大きい亜鉛製の近似台形形状の駒部材32が、前記ブッシュ33の外周ポケット34に設けられている。各駒部材32の端面32b、側面32c、及び内周面32dは前記ブッシュ33の外周ポケット34に埋設され、駒部材32の外周面32aは前記クランクケース1の円孔31の内面に接している。前記駒部材32の端面32b同士の間隔、及び側面32c同士の間隔は、この軸受部の半径方向外方、即ち前記円孔31の内周面に向かって開いている。
内燃機関が運転され、クランクケースの温度が上昇すると、亜鉛製駒部材が設けられていない鋳鉄製ブッシュの場合は、鋳鉄製ブッシュに比して膨張係数が大きいアルミ製クランクケースは大きく膨張し、その結果、クランクケースとブッシュとの間に隙間が生じ、騒音が発生する。
図6のように、ブッシュに亜鉛製駒部材が設けられている場合は、クランクケースの温度上昇と共に、駒部材は、全方向に膨張する。半径方向の膨張は上記隙間を塞ぐよう作用する。円周方向及び軸方向の膨張は、駒部材自体の円周方向の端面32b、及び側面32cを、同端面及び側面が対向しているブッシュの外周ポケット34の傾斜している端部壁面34x及び側部壁面34yに沿って押す。駒部材の円周方向の端面32b、及び側面32cの一部はブッシュの外周ポケット34の壁面34x,34yから剥離し、駒部材は鋳鉄製ブッシュの側からアルミ製クランクケースの方へ迫り出し、上記隙間を塞ぐよう作用する。これらの作用によって、アルミ製クランクケースと鋳鉄製ブッシュとの間におけるガタの発生が抑えられ、騒音防止を図ることが出来る。
第3A実施形態の軸受部30Aの形成法:先ず、アルミ材でクランクケース1が鋳造される。これとは別に、外周ポケット34を外周部に備えたブッシュ33が鋳鉄で作られる。クランクケースの円孔31に前記ブッシュ33が嵌装される。クランクケース1とブッシュ33との間にあるブッシュ33の外周ポケット34に亜鉛が鋳込まれ、駒部材32が形成される。このようにしてクランクケース1と駒部材32とブッシュ33とが一体化した軸受部30Aが構成される。
本発明の第3B実施形態のクランクケースの軸受部30Bの断面図が図7に示されている。図7(a)はクランク軸3に直交する軸受部30Bの断面図、図7(b)は図7(a)のB−B断面図である。図において、アルミ製クランクケース1の円孔31に鋳鉄製ブッシュ33が嵌め込まれている。ベアリング及びクランク軸は図示省略されている。この実施形態の軸受部30Bは前記第3A実施形態(図6)の軸受部と同様の構成であるが、相違点は、第3A実施形態では駒部材が6個であったが、第3B実施形態では駒部材が8個とされていることである。
前記クランクケース1と前記ブッシュ33との間に、ブッシュ33より線膨張係数が大きい亜鉛製の駒部材32が、前記ブッシュ33の外周ポケット34に設けられている。各駒部材32の端面32b、側面32c、及び内周面32dは前記ブッシュ33の外周ポケット34に埋設され、駒部材32の外周面32aは前記クランクケース1の円孔31の内面に接している。前記駒部材32の円周方向の端面32b同士の間隔、及び側面32c同士の間隔は、この軸受部の半径方向外方、即ち前記円孔31の内周面に向かって開いている。
クランクケース1の温度上昇と共に、鋳鉄製ブッシュ33より熱膨張係数の大きい亜鉛製駒部材32は、全方向に膨張し、第3A実施形態と同様に、駒部材32は、ポケット34の端部壁面34x、側部壁面34yに沿って、鋳鉄部材33の側からアルミ部材1の方へ迫り出し、クランクケース1とブッシュ33の間に生じた隙間を塞ぐよう作用する。これらの作用によって、アルミ製クランクケース1と鋳鉄製ブッシュ33との間におけるガタの発生が抑えられ、騒音防止を図ることが出来る。
第3B実施形態の軸受部30Bの形成法:先ず、アルミ材でクランクケース1が鋳造される。クランクケースの円孔31は機械加工によって仕上げられる。これとは別に、外周ポケット34を備えたブッシュ33が鋳鉄で作られる。円筒形内周孔を備えた適当な鋳型に、前記ブッシュ33を装着し、鋳型とブッシュ33の間の前記外周ポケット34に亜鉛を鋳込んで、駒部材32付きブッシュ33が形成される。固化後、ブッシュ33と駒部材32の外周は機械加工によって仕上げられる。このようにして出来た駒部材32付きブッシュ33がクランクケース1の円孔31に圧入され、軸受部30Bが構成される。
本発明の第3C実施形態のクランクケースの軸受部30Cの断面図が図8に示されている。図8(a)はクランク軸3に直交する軸受部30Cの断面図、図8(b)は図8(a)のB−B断面図である。この実施形態の軸受部30Cは前記第3B実施形態(図7)の軸受部と同様の形状・構成であるが、相違点は、駒部材32の外周面32aの中央に、回り止め兼抜け止め突起35が形成されている点である。これによって駒部材32付きブッシュ33のクランク軸周りの回転と、駒部材32の抜け落ちが防がれる。
前記クランクケース1と前記ブッシュ33との間に、ブッシュ33より線膨張係数が大きい亜鉛製駒部材32が、前記ブッシュ33の外周ポケット34に設けられている。各駒部材32の端面32b、側面32c、及び内周面32dは前記ブッシュ33の外周ポケット34に埋設され、駒部材32の外周面32aは前記クランクケース1の円孔31の内面に接している。前記駒部材32の円周方向の端面32b同士の間隔、及び側面32c同士の間隔は、この軸受部の半径方向外方、即ち前記円孔31の内周面に向かって開いている。
クランクケースの温度上昇と共に、駒部材は全方向に膨張し、第3A実施形態の場合と同様に、駒部材は鋳鉄部材の側からアルミ部材の方へ迫り出し、クランクケース1とブッシュ33の間に生じる隙間を塞ぐよう作用する。これらの作用によって、アルミ製クランクケース1と鋳鉄製ブッシュ33との間におけるガタの発生が抑えられ、騒音防止を図ることが出来る。また、回り止め兼抜け止め突起35によって、ブッシュ33のクランク軸周りの回転と、駒部材32の抜け落ちが防がれる。
第3C実施形態の軸受部30Cの形成法:先ず、外周ポケット34を備えた鋳鉄ブッシュ33が作られる。回り止め兼抜け止め突起35が形成される凹部を備えた鋳型の中で、その鋳型とブッシュとの間に亜鉛を鋳込み、回り止め兼抜け止め突起35を備えた駒部材32付きブッシュ33が作られる。これを金型内に設置し、アルミを鋳込んで回り止め兼抜け止め突起35を備えた駒部材32付きブッシュ33を一体化したクランクケース1が作られる。融点はアルミの方が亜鉛より高いが、アルミの鋳込みは瞬間的であるから、アルミの鋳込み時に、亜鉛の形状は維持される。
本発明の第3D実施形態のクランクケースの軸受部30Dの断面図が図9に示されている。図9(a)はクランク軸3に直交する軸受部30Dの断面図、図9(b)は図9(a)のB−B断面図である。この実施形態の軸受部30Dは前記第3A〜第3C実施形態(図6〜8)の軸受部と同様の形状・構成であるが、相違点は、駒部材32の外周面32aの中央部にクランク軸方向の回り止めリブ36が設けられ、駒部材32の内周面32dに接するブッシュ33の外周ポケット34の底面には駒部材32の抜けを防ぐための周方向の抜け止めリブ37が設けられている点である。これによって駒部材32付きブッシュ33のクランク軸周りの回転と、駒部材32の抜け落ちが防がれる。なお、駒部材32は一側面以外は鋳鉄ブッシュ33に埋設されているが、上記一側面はクランクケースの側面側に露出している。駒部材32の端面32b同士の間隔、及び埋設されている側の側面32cは、この軸受部の半径方向外方、即ち前記円孔31の内周面に向かって開いている。
クランクケース1の温度上昇と共に、駒部材32は全方向に膨張し、第3A実施形態の場合と同様に、駒部材は鋳鉄部材の側からアルミ部材の方へ迫り出し、クランクケースとブッシュ間の隙間を塞ぐよう作用する。これらの作用によって、アルミ製クランクケース1と鋳鉄製ブッシュ33との間におけるガタの発生が抑えられ、騒音防止を図ることが出来る。また、回り止めリブ36と抜け止めリブ37とによって、ブッシュ33のクランク軸周りの回転と、駒部材32の抜け落ちが防がれる。
第3D実施形態の軸受部30Dの形成法:先ず、外周ポケット34の底部に抜け止めリブ37を備えた外周ポケット34付き鋳鉄ブッシュ33が作られる。この鋳鉄ブッシュ33をアルミで鋳込んでクランクケース1を作る。その際、亜鉛が入る時に回り止めリブ36が形成されるよう凸条付き金型でブッシュ33の外周ポケット34を保全する。この外周ポケット34に亜鉛を鋳込み駒部材32を形成する。亜鉛はブッシュ33の側面の開放部から鋳込まれる。
以下に本発明の第4実施形態が示される。この実施形態には、3種類のバリエーションがあり、実施形態名及び軸受部40の符号には、A〜Cを付して、第4A実施形態〜第4C実施形態、軸受部40A〜40Cとしてある。以下に述べる第4A実施形態〜第4C実施形態の3種類の実施形態は、ほぼ同一の構成のものであり、それぞれ若干の変形がなされている。ほぼ同一形状・同一機能の部材についてはこれらの3種類の実施形態を通じて同一符合を付してある。
本発明の第4A実施形態のクランクケースの軸受部40Aの断面図が図10に示されている。図10(a)はクランク軸3に直交する軸受部40Aの断面図、図10(b)は図10(a)のB−B断面図である。図において、アルミ製クランクケース1の円孔41の内側に鋳鉄製ブッシュ43と近似台形形状の亜鉛製駒部材42が設けてある。図には、ベアリング及びクランク軸は図示省略されている。
この実施形態の軸受部40Aは、これまでに述べた実施形態と大きく異なっている。ブッシュ43の外周ポケット44に埋設されている駒部材42は4個あり、駒部材42の両端の底角は鋭角であり、両端の底角部42eは前記ブッシュ43の外周ポケット44の鋭角凹部44zによって保持されている。前記第3実施形態(図6〜図9)などの例では、駒部材の両端の中心側の底角は鈍角であったが、本実施形態では逆となっている。駒部材42の端面42b同士は、ほぼ平行であり、一方に開いていない。また、駒部材42の側面42c同士の間隔は、軸受部の半径方向の外方、即ち前記円孔41の内周面に向かって開いている。
クランクケース1の温度上昇と共に、ブッシュ43とクランクケース1との間に設けられている亜鉛製駒部材42は全方向に膨張する。駒部材の端面の底角部42eは、外周ポケット44の鋭角凹部44zに保持されているので、駒部材の長手方向の両端は動かない。外周ポケット44の側部壁面44y同士の間隔は半径方向外方へ向かって開いているので、駒部材42の中央部は湾曲して外方のアルミ部材の方へ迫り出し、クランクケースとブッシュの間に生じる隙間を塞ぐよう作用する。これらの作用によって、アルミ製クランクケース1と鋳鉄製ブッシュ43との間のガタの発生が抑えられ、騒音防止を図ることが出来る。
第4A実施形態の軸受部40Aの形成法:先ず、アルミ材でクランクケース1が鋳造される。クランクケースの円孔41は機械加工によって仕上げられる。これとは別に、外周ポケット44を備えたブッシュ43が鋳鉄で作られる。円筒形内周孔を備えた適当な鋳型に、前記ブッシュ43を装着し、鋳型とブッシュ43の間の前記外周ポケット44に亜鉛を鋳込んで、駒部材42付きブッシュ43が形成される。駒部材42付きブッシュ43の外周は機械加工によって仕上げられる。このようにして出来た駒部材42付きブッシュ43がクランクケース1の円孔41に圧入され、軸受部40Aが形成される。
本発明の第4B実施形態のクランクケースの軸受部40Bの断面図が図11に示されている。図11(a)はクランク軸3に直交する軸受部40Bの断面図、図11(b)は図11(a)のB−B断面図である。図において、アルミ製クランクケース1の円孔41の内側に鋳鉄製ブッシュ43と亜鉛製駒部材42が設けてある。ベアリング及びクランク軸は図示省略されている。
この実施形態の軸受部は、前記第4A実施形態(図10)とほぼ同じ構成であるが、相違点は、駒部材42の外周面42aの中央部に回り止め兼抜け止め突起45が設けてあることである。駒部材42の側面42c同士の間隔は、軸受部の半径方向の外方、即ち前記円孔41の内周面に向かって開いている。
クランクケースの温度上昇と共に、亜鉛製駒部材42は全方向に膨張する。第4A実施形態と同様に、駒部材42は湾曲し、駒部材42の長手方向中央部は、鋳鉄部材の側からアルミ部材の方へ迫り出し、クランクケース1とブッシュ43の間に生じる隙間を塞ぐよう作用する。これらの作用によって、アルミ製クランクケース1と鋳鉄製ブッシュ43との間のガタの発生が抑えられ、騒音防止を図ることが出来る。駒部材42は外周面42aの中央部に回り止め兼抜け止め突起45を備えているので、ブッシュ43の回転が防止され、駒部材42の抜け落ちが防止される。
第4B実施形態の軸受部の形成法:本実施形態では、回り止め兼抜け止めの突起45が設けられているので、クランクケースへの駒部材の圧入は出来ない。先ず、外周ポケット44を備えた鋳鉄ブッシュが作られる。回り止め兼抜け止め突起を形成するための凹部を備えた鋳型の中で、鋳型とブッシュの間に亜鉛を鋳込み、突起45を備えた駒部材42付きブッシュ43が作られる。これをダイキャスト金型内に設置し、アルミを鋳込んで突起45を備えた駒部材42付きブッシュ43を一体化したクランクケース1が作られる。融点はアルミの方が亜鉛より高いが、アルミの鋳込みは瞬間的であるから、亜鉛の形状は維持される。
本発明の第4C実施形態のクランクケースの軸受部40Cの断面図が図12に示されている。図12(a)はクランク軸3に直交する軸受部40Cの断面図、図12(b)は図12(a)のB−B断面図である。図において、アルミ製クランクケース1の円孔41の内側に鋳鉄製ブッシュ43と亜鉛製駒部材42が設けてある。ベアリング及びクランク軸は図示省略されている。
この実施形態の軸受部は、前記第4A〜第4B実施形態(図10〜図11)とほぼ同じ構成であるが、相違点は、駒部材42の外周面42aの中央部にクランク軸方向の回り止めリブ46が設けられ、駒部材42の内周面42dに接するブッシュ43の外周ポケット44の底面に、駒部材42の抜けを防ぐための周方向の抜け止めリブ47が設けられている点である。これによって駒部材42付きブッシュ43のクランク軸周りの回転と、駒部材42の抜け落ちが防がれる。また、駒部材42は一側面42c以外は鋳鉄ブッシュ43に埋設されているが、上記一側面はクランクケース1の側面側に露出している。駒部材42の埋設されている側の側面42cは、軸受部の半径方向の外方、即ち前記円孔41の内周面に向かって開いている。
クランクケースの温度上昇と共に、駒部材は全方向に膨張し、第4A実施形態と同様に、駒部材42は湾曲し、駒部材42の長手方向中央部は、鋳鉄部材の側からアルミ部材の方へ迫り出し、クランクケース1とブッシュ43の間に生じる隙間を塞ぐよう作用する。この作用によって、アルミ製クランクケース1と鋳鉄製ブッシュ43との間のガタの発生が抑えられ、騒音防止を図ることが出来る。駒部材の外周面の中央部にクランク軸方向の回り止めリブ46が設けられ、外周ポケット44の底面に周方向の抜け止めリブ47が設けられているので、駒部材42付きブッシュ43のクランク軸周りの回転と、駒部材42の抜け落ちが防がれる。
第4C実施形態の軸受部の形成法:先ず、外周ポケット44の底部に抜け止めリブ47を備えた外周ポケット44付き鋳鉄ブッシュ43が作られる。この鋳鉄ブッシュ43をアルミで鋳込んでクランクケース1を作る。その際、亜鉛が入る時に回り止めリブ46が形成されるよう凸条付き金型で外周ポケット44を保全する。この外周ポケット44に亜鉛を鋳込み、駒部材42を形成する。亜鉛はブッシュ43の側面の開放部から鋳込まれる。
以下に本発明の第5実施形態が示される。この実施形態には、3種類のバリエーションがあり、実施形態名及び軸受部50の符号には、A〜Cを付して、第5A実施形態〜第5C実施形態、軸受部50A〜50Cとしてある。以下に述べる第5A実施形態〜第5C実施形態の3種類の実施形態は、ほぼ同一の構成のものであり、それぞれ若干の変形がなされている。ほぼ同一形状・同一機能の部材についてはこれらの3種類の実施形態を通じて同一符合を付してある。
本発明の第5A実施形態のクランクケースの軸受部50Aの断面図が図13に示されている。この実施形態は、回転軸の軸心位置調整用に用いられる軸受部である。図13(a)はクランク軸3に直交する軸受部50Aの断面図、図13(b)は図13(a)のB−B断面図である。以下の3例の実施形態では、ブッシュは設けられていない。アルミ製クランクケース1の円孔51に、鋼製ベアリング9が直接嵌装され、その中心にクランク軸3が支持されている。
クランクケース1と前記ベアリング外輪9Aとの間に、アルミ材より線膨張係数が大きい亜鉛製の近似台形形状の駒部材52H、52Lが、前記ベアリング外輪9Aに対する同心円上に設けられている。図には、4個の駒部材が示されているが、そのうちの、1個の駒部材52Hは軸受部の半径方向の高さhが、他の3個の駒部材52Lより高く形成されている。各駒部材の外周面52a、端面52b、及び側面52cはクランクケース1のポケット54に埋設され、駒部材の内周面52dは前記ベアリング外輪9Aの外周面に対向している。前記駒部材の円周方向の端面52b同士の間隔、及び側面52c同士の間隔は、この軸受部の中心方向、即ち前記ベアリング外輪9Aの外周面に向かって開いている。
内燃機関が運転されると、クランクケースの温度上昇と共に、駒部材は、全方向に膨張する。第1実施形態の場合と同様に、駒部材は、ポケット54の端部壁面54x、側部壁面54yに沿って、クランクケース1の側からベアリング9の方へ迫り出し、上記隙間を塞ぐよう作用すると共に、大小の駒部材52H、52Lの迫り出し量の差によって、回転軸の軸心位置が調整される。前記駒部材のうち、高さhが高い駒部材42Hの迫り出し寸法は、高さの低い駒部材42Lの迫り出し寸法より大きい。従って、軸受の中心は駒部材の迫り出し寸法の小さい側へ変位する。即ち、回転軸の中心は高さの高い駒部材52Hの反対側へ変位する。
内燃機関の運転中の温度上昇によって、クランクケース1は膨張する。クランクケース1の中に、互いに噛合う歯車を備えた一対の回転軸がある場合、クランクケース1の膨張によって、前記一対の軸の軸間距離は増加する。その結果、噛合っている歯車のバックラッシュも増加して噛合い騒音が大きくなる。この噛合い騒音の増加を防ぐには、軸間距離の増加を抑えればよい。このために、高さが高い駒部材52Hを、相手側回転軸の反対側へ配置することによって、軸間距離の拡大を抑え、噛合い騒音を低減することが出来る。
図1に示されるクランクケースの場合は、クランク軸3とメイン軸4の軸間距離の拡大を抑え、プライマリ駆動歯車65とプライマリ従動歯車66の噛合い騒音を低減するためには、クランク軸軸受部50Aのメイン軸4の反対側に、高さhが高い駒部材52Hを配置すれば、噛合い騒音を低減することが出来る。
第5A実施形態の軸受部50Aの形成法:ポケットの深さに差を設けること、或いは駒部材の高さに差を設けること以外は、第1実施形態(図2)の場合と同じである。
本発明の第5B実施形態のクランクケースの軸受部50Bの断面図が図14に示されている。この実施形態も、回転軸の軸心位置調整用に用いられる軸受部である。図14(a)はクランク軸3に直交する軸受部50Bの断面図、図14(b)は図14(a)のB−B断面図、図14(c)は図14(a)のB−B断面の他の例である。図において、アルミ製クランクケース1に亜鉛製駒部材52が1個設けてある。図には、ベアリング9及びクランク軸3は図示省略されている。
前記クランクケース1と前記ベアリング外輪9Aとの間に、アルミ材より線膨張係数が大きい亜鉛製の駒部材52が1個設けられている。駒部材の外周面52a、端面52b、及び側面52cはクランクケース1のポケット54に埋設され、駒部材の内周面52dは前記ベアリング外輪9Aの外周面に対向している。前記駒部材の円周方向の端面52b同士の間隔、及び埋設されている側の側面52cは、この軸受部の中心方向、即ち前記ベアリング外輪9Aの外周面に向かって開いている。
内燃機関が運転されると、クランクケースの温度上昇と共に、駒部材52は、全方向に膨張する。第5A実施形態の場合と同様に、駒部材52はクランクケース1の側からベアリング9の方へ迫り出し、ベアリング9を押すよう作用する。この作用によって、回転軸の軸受の中心は駒部材の反対側へ変位する。
内燃機関の運転中の温度上昇によって、クランクケース1が膨張し、クランク軸3とメイン軸4の軸間距離が拡大して生じるプライマリ駆動歯車65とプライマリ従動歯車66の噛合い騒音を低減するためには、クランク軸軸受部50Bの、メイン軸4の反対側に駒部材52を配置すれば、噛合い騒音を低減することが出来る。
この実施形態では、図14(b)のように、駒部材の外周面、両端面、及び両側面がアルミに埋設されている形態と、図14(c)のように、駒部材の外周面、両端面、及び一側面のみがアルミに埋設されている形態とがある。
第5B実施形態の軸受部50Bの形成法:アルミダイキャストでクランクケース1を製作する際に、図14(b)の場合は、クランクケース円孔51の内周側が開放されているポケット54を金型で形成し、アルミ固化後に、上記ポケット54の内周側に湯口を設けて亜鉛を鋳込む。図14(c)の場合は、クランクケース円孔51の内周側と一方の側面が開放されているポケットを金型で形成し、アルミ固化後に、上記ポケット54の側面側に湯口を設けて亜鉛を鋳込む。
本発明の第5C実施形態のクランクケースの軸受部50Cの断面図が図15に示されている。この実施形態も、回転軸の軸心位置調整用に用いられる軸受部である。図15(a)はクランク軸3に直交する軸受部50Cの断面図、図15(b)は図15(a)のB−B断面図である。図において、アルミ製クランクケース1の円孔51の内側に亜鉛製駒部材52が1個と鋳鉄製ブッシュ53が設けてある。鋳鉄製ブッシュ53の内側に、ベアリング9とクランク軸3が支持されるが、ベアリング及びクランク軸は図示省略されている。
前記クランクケース1と前記鋳鉄製ブッシュ53との間に、アルミ材より線膨張係数が大きい亜鉛製の駒部材52が1個設けられている。駒部材の外周面52a、端面52b、及び一方の側面52cはクランクケース1のポケット54に埋設され、駒部材の内周面52dは前記ブッシュの外周面に対向している。前記駒部材の円周方向の端面52b同士の間隔、及び埋設されている側の側面52cは、この軸受け部の中心方向、即ち前記ベアリング外輪9Aの外周面に向かって開いている。
クランクケースの温度上昇と共に、駒部材は、全方向に膨張する。第5A実施形態の場合と同様に、駒部材52はクランクケースの側から鋳鉄製ブッシュ53の方へ迫り出し、鋳鉄製ブッシュ53を押すよう作用する。この作用によって、鋳鉄製ブッシュ53を介して回転軸の軸受の中心は駒部材52の反対側へ変位する。クランク軸軸受部において、メイン軸4の反対側に駒部材を配置すれば、ブッシュを介してクランク軸が押され、クランク軸中心位置が調整される。図1のクランクケースにおいては、クランク軸3とメイン軸4の軸間距離の拡大を抑え、プライマリ駆動歯車65とプライマリ従動歯車66の噛合い騒音を低減することが出来る。
第5C実施形態の軸受部50Cの形成法:鋳鉄ブッシュ53をアルミで鋳込む。その際、金型で一方の側面が開放されているポケット54を設けておく。アルミ固化後に、上記ポケット54の側面側に湯口を設けて亜鉛を鋳込む。鋳鉄ブッシュ53の外周面に凹凸を設けておくことによって、鋳鉄ブッシュ53の回り止めとすることが出来る。
以上詳述したように、本発明は、熱膨張力による駒部材の寸法増加と、ポケット部の傾斜壁面に向かう寸法の増加による駒部材剤の剥離・迫り出しを利用して、クランクケースとベアリング外周部の間の隙間の拡大防止、クランクケースとブッシュ外周部の隙間の拡大防止、及びクランクケース内の軸間距離拡大防止を図り、騒音防止を図る効果的な方法を提供したものである。
1…クランクケース、9…ベアリング、9A…ベアリング外輪、10…軸受部、11…円孔、12…駒部材、12a…駒部材の外周面、12b…駒部材の端面、12c…駒部材の側面、12d…駒部材の内周面、14…ポケット、20…軸受部、21…円孔、22…駒部材、22a…駒部材の外周面、22b…駒部材の端面、22c…駒部材の側面、22d…駒部材の内周面、23…ブッシュ、23a…ブッシュの外周面、24…ポケット、30…軸受部、31…円孔、32…駒部材、32a…駒部材の外周面、32b…駒部材の端面、32c…駒部材の側面、32d…駒部材の内周面、33…ブッシュ、34…外周ポケット、35…回り止め兼抜け止め突起、36…回り止めリブ、37…抜け止めリブ、40…軸受部、41…円孔、42…駒部材、42a…駒部材の外周面、42b…駒部材の端面、42c…駒部材の側面、42d…駒部材の内周面、42e…駒部材の底角部、43…ブッシュ、44…外周ポケット、44z…外周ポケットの鋭角凹部、45…回り止め兼抜け止め突起、46…回り止めリブ、47…抜け止めリブ、50…軸受部、51…円孔、52…駒部材、52H…背の高い駒部材、52L…背の低い駒部材、53…ブッシュ。

Claims (10)

  1. 鋼製部材からなるベアリング(9)を介して回転部材を支持するアルミ製クランクケース(1)の軸受部(10,20,30A,30B,30C,30D,40A,40B,40C,50A,50B,50C)を含む軸受部構造において、
    近似台形形状の亜鉛製駒部材(12,22,32,42,52,52H,52L)前記軸受部内部に形成された同じ近似台形形状のポケット(14,24,34,44,54)内に埋設され、
    前記近似台形形状の亜鉛製駒部材は近似台形形状の頂面と底面を結ぶ方向が前記軸受部の中心方向を向くように配置され、
    前記駒部材(12,22,32,42,52,52H,52L)は、前記頂面を構成する径方向外周面(12a,22a,32a,42a,52a)と、前記底面を構成する径方向内周面(12d,22d,32d,42d,52d)と、前記径方向外周面および前記径方向内周面を接続する平坦な周方向端面(12b,22b,32b,42b,52b)および平坦な軸方向側面(12c,22c,32c,42c,52c)とを有し、
    前記駒部材(12,22,32,42,52,52H,52L)は、それを埋設している前記ポケット(14,24,34,44,54)をもつ軸受部より線膨張係数が大きく、
    前記周方向端面および軸方向側面は前記軸受部の径方向に対し傾斜し、
    前記クランクケースの温度上昇による前記駒部材の熱膨張時に、前記駒部材の前記周方向端面および前記軸方向側面に対向する近似台形形状ポケットの平坦壁面(14x,14y,24x,24y,34x,34y,44z,44y,54x,54y)の前記駒部材に対する押圧作用が、前記駒部材の軸受部径方向への変位を生起させて、ガタを吸収するように構成された
    ことを特徴とするクランクケースの軸受部構造。
  2. 前記クランクケース(1)の軸受部(10)の円孔(11)にベアリング(9)が装着され、
    前記駒部材(12)は前記クランクケース(1)と前記ベアリング(9)の外輪(9A)との間に複数個設けられ、
    駒部材(12)の内周面(12d)は前記ベアリング外輪(9A)の外周面に対向し、
    該駒部材(12)の端面(12b)同士の間隔、および側面(12c)同士の間隔は前記ベアリング外輪(9A)の外周面に向かって開いていることを特徴とする請求項1に記載のクランクケースの軸受部構造。
  3. 前記クランクケース(1)の軸受部(20)の円孔(21)にブッシュ(23)が設けられ、
    前記駒部材(22)は前記クランクケース(1)と前記ブッシュ(23)との間に複数個設けられ、
    駒部材(22)の内周面(22d)は前記ブッシュ(23)の外周面(23a)に隣接し、
    該駒部材(22)の端面(22b)同士の間隔、および側面(22c)同士の間隔は前記ブッシュ(23)の外周面(23a)に向かって開いていることを特徴とする請求項1に記載のクランクケースの軸受部構造。
  4. 前記クランクケース(1)の軸受部(30)の円孔(31)にブッシュ(33)が設けられ、
    前記駒部材(32)は前記クランクケース(1)と前記ブッシュ(33)との間に複数個設けられ、
    該駒部材(32)の端面(32b)、側面(32c)、および内周面(32d)が前記ブッシュ(33)の外周ポケット(34)に埋設され、
    該駒部材(32)の外周面(32a)は前記クランクケース(1)の円孔(31)の内周面に隣接し、
    該駒部材(32)の端面(32b)同士の間隔、および側面(32c)同士の間隔は前記円孔(31)の内周面に向かって開いており、
    該駒部材(32)の線膨張係数は前記ブッシュ(33)の線膨張係数より大きいことを特徴とする請求項1に記載のクランクケースの軸受部構造。
  5. 前記クランクケース(1)の軸受部(40)の円孔(41)にブッシュ(43)が設けられ、
    前記駒部材(42)は前記クランクケース(1)と前記ブッシュ(43)との間に複数個設けられ、
    該駒部材(42)の端面(42b)、側面(42c)、および内周面(42d)が前記ブッシュ(43)の外周ポケット(44)に埋設され、
    該駒部材(42)の外周面(42a)は前記クランクケース(1)の円孔(41)の内周面に隣接し、
    該駒部材(42)の周方向端面を形成する底角部(42e)はブッシュ(43)の外周ポケット(44)の鋭角凹部(44z)によって保持され、
    該駒部材(42)の側面(42c)同士の間隔は前記円孔(41)の内周面に向かって開いており、
    該駒部材(42)の線膨張係数は前記ブッシュ(43)の線膨張係数より大きいことを特徴とする請求項1に記載のクランクケースの軸受部構造。
  6. 前記駒部材(52)は、軸受中心を挟んで一方の駒部材(52H)が他方の駒部材(52L)より高さが高く形成されていることを特徴とする請求項2に記載のクランクケースの軸受部構造。
  7. 軸受中心の一方の側に1個の駒部材(52)が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のクランクケースの軸受部構造。
  8. 軸受中心の一方の側に1個の駒部材(52)が形成されると共に、その内側にブッシュ(53)が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のクランクケースの軸受部構造。
  9. 駒部材にブッシュの回り止め兼駒部材の抜け止め突起(35,45)を設けたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載のクランクケースの軸受部構造。
  10. 駒部材にブッシュの回り止めリブ(36,46)を設け、ブッシュに駒部材の抜け止めリブ(37,47)を設けたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載のクランクケースの軸受部構造。
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