JP7127495B2 - 軸受構造 - Google Patents

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Description

本発明は、軸受構造に関する。
従来より、クランクケースの軸受穴の強度を向上させるため、軸受穴の全周に硬質材料からなる環状インサートを鋳込む技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1では、環状インサートにベアリングが圧入され、ベアリングを介してクランク軸がクランクケースに支持される。
また、バランサ軸を備えるエンジンにあっては、軸受穴の強度向上とクランク軸及びバランサ軸の軸間距離の変動を抑制するため、二軸一体のインサートを軸受穴に鋳込むことがある。
実開昭59-42314号公報
しかしながら、一体のインサートを使用すると、二軸間の肉厚が厚くなる等、肉厚の不均一な箇所が生じ得る。このため、クランクケースの温度上昇に伴って、インサートのクランク軸側のベアリング圧入穴の熱ひずみが不均一になるおそれがある。このように、ベアリング圧入穴の不均一な変形は、ベアリングの騒音発生の要因となってしまう。
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、ベアリングハウジングの変形を抑制してエンジン騒音を低減することができる軸受構造を提供することを目的とする。
本発明の一態様のエンジンの軸受構造は、クランク軸に嵌合される第1ベアリングと、前記クランク軸の回転振動を相殺するバランサ軸に嵌合される第2ベアリングと、前記第1ベアリング及び前記第2ベアリングの外周を覆う鋳鉄製のベアリングハウジングを鋳込んで形成されるアルミニウム合金製のクランクケースと、を備え、前記ベアリングハウジングは、前記第1ベアリングの外周面と接触するように形成され、前記第2ベアリングの外周面に対して隙間を空けるように形成されることを特徴とする。
本発明によれば、ベアリングハウジングの変形を抑制してエンジン騒音を低減することができる。
本実施の形態に係るエンジンの斜視図である。 本実施の形態に係るクランクケースの右側部分を示す正面図である。 図2のA矢視図である。 図2のB矢視図である。 図2のC-C線に沿って切断した断面図である。 本実施の形態に係るベアリングハウジングの平面図及び側面図である。 本実施の形態に係るエンジンの断面図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明を自動二輪車のエンジンに適用した例について説明するが、適用対象はこれに限定されることなく変更可能である。例えば、本発明を、他のタイプの車両、例えばバギータイプの三輪車、四輪車等の鞍乗型車両に適用してもよい。また、方向について、車両前方を矢印FR、車両後方を矢印RE、車両左方を矢印L、車両右方を矢印Rでそれぞれ示す。また、以下の各図では、説明の便宜上、一部の構成を省略している。
先ず、図1から図4及び図7を参照して、本実施の形態に係るエンジンの概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るエンジンの斜視図である。図2は、本実施の形態に係るクランクケースの右側部分を示す正面図である。図3は、図2のA矢視図である。図4は、図2のB矢視図である。図7は、本実施の形態に係るエンジンの断面図である。
図1及び図7に示すように、本実施の形態に係るエンジン1は、単気筒エンジンであり、左右割のクランクケース10を備えている。クランクケース10は、例えばアルミニウム合金により形成される。クランクケース10には、クランク軸2等の各種軸が収容される。クランクケース10の上部には下から順にシリンダブロック、シリンダヘッド、シリンダヘッドカバー(それぞれ不図示)が取り付けられる。
クランクケース10は、シリンダの中心軸上で左右に分割可能なレフトケース11とライトケース12とを備えている。レフトケース11及びライトケース12をボルト等で締結することにより、内部に各種軸を収容する空間(以下、クランク室S1と呼ぶ)が形成される。レフトケース11の左方は開口されており、開口された空間は、後述するマグネト24を収容するマグネト室S2を構成する。レフトケース11の開口は、マグネトカバー13によって塞がれる。また、ライトケース12の右方も開口されており、開口された空間は、クラッチ(不図示)を収容するクラッチ室S3を構成する。ライトケース12の開口は、クラッチカバー14によって塞がれる。
クランク室S1は、複数の隔壁によって形成される。具体的にレフトケース11には、クランク室S1とマグネト室S2とを仕切る第1隔壁15が形成されている。また、ライトケース12には、クランク室S1とクラッチ室S3とを仕切る第2隔壁16が形成されている。詳細は後述するが、第1隔壁15及び第2隔壁16との間にクランク軸2が配置され、クランク軸2の左端部が第1隔壁15に支持され、クランク軸2の右端部が第2隔壁16に支持される。
クランク軸2は、シリンダの中心軸の延長線上で車幅方向(左右方向)に延びる中心軸(回転軸)を有する。具体的にクランク軸2は、クランクピン20と、クランクピン20の両側に設けられた左右一対のクランクウェブ21a、21bと、クランクピン20から偏心した位置で各クランクウェブ21a、21bから側方に突出する左右一対のメインジャーナル22a、22bと、を有する。クランクウェブ21a、21bは、メインジャーナル22a、22bに対してクランクピン20と径方向反対側に突出している。当該突出部分は、クランク軸2のウェイト部を構成する。
左側のメインジャーナル22aと右側のメインジャーナル22bとは同軸上に位置し、クランク軸2の回転軸を構成する。すなわち、クランクピン20は、クランク軸2の回転軸から偏心した位置に軸中心を有する。左側のメインジャーナル22aは、レフトケース11の第1隔壁15にベアリング23(第1ベアリング)を介して支持される。左側のベアリング23は、レフトケース11(第1隔壁15)に形成される圧入穴15a(図7差参照)に車両内側(右側)から圧入される。右側のメインジャーナル22bは、ライトケース12の第2隔壁16にベアリング23を介して支持される。右側のベアリング23は、ライトケース12(第2隔壁16)に形成される圧入穴16aに車両内側(左側)から圧入される。左右両側のベアリング23は、それぞれクランク軸2に嵌合される。
左側のメインジャーナル22aの端部にはマグネト24が設けられる。マグネト24は、いわゆる発電機であり、メインジャーナル22aの周囲に固定配置されるステータ25と、ステータ25の周囲を囲う円筒状のロータ26とを備えている。ロータ26は、メインジャーナル22aに固定され、クランク軸2と回転一体に構成される。ステータ25に対してロータ26が相対回転することで電力が発生する。マグネト24は、マグネトカバー13によって覆われる。右側のメインジャーナル22bの端部にはプライマリドライブギヤ27が設けられる。
クランク軸2には、コンロッド28を介してピストン29(図7参照)が接続される。具体的に一対のクランクウェブ21a、21b間のクランクピン20にコンロッド28の一端が連結され、コンロッド28の他端はピストン29に接続される。コンロッド28は、レフトケース11及びライトケース12の割面上に位置している。ピストン29は、シリンダブロック内に形成されるシリンダボア(不図示)に対応した円柱形状を有する。シリンダボアの軸線は、鉛直方向に対して僅かに前傾しており、当該軸線に沿ってピストン29が往復動可能に収容されている。
また、シリンダボアの右方、すなわちコンロッド28の右方には、カムチェーン(不図示)を収容するカムチェーン室S4が形成されている。カムチェーン室S4は、シリンダヘッドカバーからクランクケース10(ライトケース12)までが連通するように上下に延びるように形成される。すなわち、カムチェーン室S4は、下方でクラッチ室S3に連通している。
次に各種軸配置について説明する。図2から図4に示すように、クランク軸2は側面視においてクランクケース10の前後方向の中心よりもやや前側に偏って配置されている。クランク軸2の前方には、バランサ軸30が配置される。
図7に示すように、バランサ軸30は、クランク軸2の軸方向と平行に左右方向に延びている。バランサ軸30は、メインジャーナル22a、22bよりも細く形成される。バランサ軸30の両端はベアリング31(第2ベアリング)を介してクランクケース10に支持される。ベアリング31の外径は、ベアリング23の外径よりも小さくなっている。左側のベアリング31は、レフトケース11(第1隔壁15)に形成される圧入穴15bに車両内側(右側)から圧入される。右側のベアリング31は、ライトケース12(第2隔壁16)に形成される圧入穴16bに車両内側(左側)から圧入される。左右両側のベアリング31は、バランサ軸30に嵌合される。
バランサ軸30には、径方向外側に突出するバランサウェイト32が設けられている。バランサウェイト32は、一対のクランクウェブ21a、21bの間に位置している。また、バランサ軸30の右端側は、右側のベアリング31よりも更に右側に突出しており、その先端には、バランサドリブンギヤ33が設けられている。バランサドリブンギヤ33は、プライマリドライブギヤ27に噛み合っている。バランサ軸30は、クランク軸2の回転を受けて回転する。これにより、クランク軸2の回転振動を相殺することが可能である。
図2から図4に戻り、クランク軸2の後上方には、カウンタ軸34が配置される。カウンタ軸34は、クランク軸2の軸方向と平行に左右方向に延びている。カウンタ軸34にはクラッチ及び変速用の各種ギヤ(共に不図示)が設けられ、クラッチがカウンタ軸34の右端に設けられる。クラッチは、クラッチカバー14(図7参照)によって覆われる。カウンタ軸34の後下方には、ドライブ軸35が設けられる。ドライブ軸35には、変速用の各種ギヤ(不図示)が設けられる。カウンタ軸34及びドライブ軸35の各種ギヤの組み合わせを切り替えることで、変速が可能となる。
ここで、クランク軸及びバランサ軸の軸受構造について説明する。図5は、図2のC-C線に沿って切断した断面図である。図6は、本実施の形態に係るベアリングハウジングの平面図及び側面図である。
上記したように、左右割のクランクケースにおいて、クランク軸を支持する構造として例えば以下のようなものが存在する。(1)半割メタルをクランクケースに圧入したメタルベアリングによる軸受構造。(2)ボールベアリングをクランクケースに圧入したボールベアリングによる軸受構造。本実施の形態は、上記(2)の構造に該当する。
(2)の軸受構造においては、クランクケースのアルミニウム内部に鋳鉄製のベアリングハウジングを鋳込んだものが存在する。ベアリングハウジングは、クランク軸用のベアリング圧入穴と、それに隣接するバランサ軸用のベアリング圧入穴とを連結する。これは、クランク軸とバランサ軸の軸間距離の変動を抑制し、不快な騒音が生じることを防ぐためのである。軸間距離が変動する要因としては、例えばクランク軸及びバランサ軸の回転アンバランスが生み出す遠心力による変形や、部品の熱膨張によるもの等が挙げられる。
(2)の構造を採用する従来の軸受構造にあっては、ベアリングハウジングが上記2つのベアリング圧入穴を適当な肉厚の鋳鉄で包むため、8の字形状となることが多い。また、軸間距離や鋳鉄の肉厚設定によっては、クランク軸の外周とバランサ軸の外周をそれぞれ囲うリング形状が近づくことで重複する場合も想定される。この場合、隣接した2つのリング形状の重なる部分を適当なR形状で繋ぐことにより、ベアリングハウジングの形状が設計される。このベアリングハウジングは、ベアリング圧入穴に露出されるため、ベアリングハウジングの内面と各軸のベアリングの外面とが直接接触することになる。
従来の8の字形状のベアリングハウジングにあっては、各ベアリングを包み込む鋳鉄の肉厚が不均一となる場合がある。鋳鉄の肉厚が不均一であると、エンジンの運転等によりベアリングハウジングの温度が上昇した際に、熱変形によりクランク軸及びバランサ軸のジャーナル部において真円度の低下が生じ得る。これは、圧入されたベアリングの不均一な変形の原因となる。この結果、ベアリングの回転に影響を与え、不快なエンジン騒音の要因となり得る。
そこで本件発明者等は、クランク軸及びバランサ軸のそれぞれに加わるトルクの比率がバランサ軸よりもクランク軸の方が大きいことに着目し、本発明に係るベアリングハウジングの形状に想到した。
図5及び図7に示すように、クランクケース10には、鋳鉄製のベアリングハウジング4、5が鋳込まれている。具体的に左側のベアリングハウジング4は、レフトケース11の第1隔壁15に鋳込まれている。ベアリングハウジング4は、ベアリング23の外周を覆うようにリング状に形成されている。また、ベアリングハウジング4の内周部分にベアリング23が圧入され、ベアリングハウジング4の内周面は、ベアリング23の外周面に接触している。すなわち、ベアリングハウジング4の内周部分がベアリング23用の圧入穴15aを構成する。ベアリング23の周囲がアルミニウム合金よりも硬い鋳鉄製のベアリングハウジング4で覆われることにより、メインジャーナル22aを強固に支持することが可能である。
図5から図7に示すように、右側のベアリングハウジング5は、ライトケース12の第2隔壁16に鋳込まれている。ベアリングハウジング5は、ベアリング23、31の外周を覆うように前後方向に長いリング状に形成されている。具体的には図6A及び図6Bに示すように、ベアリングハウジング5は、ベアリング23、31の外周を覆うように前後方向に長い環状部50と、環状部50をベアリング31側とベアリング23側とで前後に仕切る中間部51と、を含んで構成される。ベアリングハウジング5は、ベアリング31の中心C1とベアリング23の中心C2を結ぶ直線Lを基準に上下に対称な形状を有する。
環状部50及び中間部51は、図6Aに示すように、前後方向に一様な左右幅を有する。また、右側のベアリング23、31の厚み(左右幅)は、環状部50及び中間部51の左右幅よりも大きい。右側のベアリング31は、環状部50及び中間部51よりも左側に僅かに突出している。右側のベアリング23は、ベアリング31よりもさらに左側に突出している。すなわち、ベアリング31よりもベアリング23の方が左右幅が大きくなっている。
図6Bに示すように、環状部50の一部(後半部)と中間部51により、ベアリング23の全周を覆う円環部52が形成される。図6Bの側面視における円環部52は、一様な厚みを有している。円環部52の内周部分にベアリング23が圧入されることによりベアリング23が円環部52に嵌合し、円環部52の内周面がベアリング23の外周面に接触した状態となる。すなわち、円環部52の内周部分がベアリング23用の圧入穴16aを構成する。このため、ベアリング23が圧入されていない状態においては、ベアリング23の内周面を外から確認することが可能である。
環状部50は、ベアリング23、31の形状に対応して後方から前方に向かうに従って上下幅が小さくなるように形成される。環状部50の前半部において、図6Bの側面視における円環部52は、一様な厚みを有している。また、円環部52の一部を構成する中間部51の上下端は環状部50に滑らかに接続される。すなわち、中間部51は、環状部50との接続部分において、ベアリング23側では円形の圧入穴16aを形成する。また中間部51は、環状部50との接続部分において、ベアリング31側では環状部50の内周面に滑らかに連なるR形状のフィレット53を形成する。
また、環状部50の前半部において、ベアリング23の外周面と環状部50の内周面及び中間部51の前面との間には隙間が形成されている。例えば、環状部50の内周面とベアリング23の外周面との隙間G2は、中間部51の前面とベアリング23の外周面との隙間G1よりも小さくなっている。ベアリング23と環状部50及び中間部51との隙間は、ライトケース12の主要材料であるアルミニウム合金によって埋められる。
また、環状部50の直線部分を構成する上下一対の直線部54には、それぞれ内周側に突出する突起部55が形成されている。突起部55は、ベアリングハウジング5をライトケース12に鋳込んで成形する際に、ベアリングハウジング5を成形金型の所定位置に支持する支持ピン6(図6の仮想線参照)の支持箇所として機能する。支持ピン6の支持箇所は、上記の2つに加え、円環部52の最後端側面にも設けられている。なお、ライトケース12には、これら3つの支持ピン6に対応する箇所に当該支持ピン6用の孔16c(図3参照)が形成されている。
また、環状部50の最前端には、直線L上で前方に突出する突起部56が形成されている。突起部56は、図6Aに示すように、環状部50よりも左右幅が小さく、環状部50の左右方向の中心に設けられている。突起部56には、左右に貫通する貫通孔57が形成されている。貫通孔57の中心は、直線L上に位置している。貫通孔57は、ベアリングハウジング5の位置決め用の位置決め孔として機能する。なお、ベアリングハウジング5を鋳込む際のベアリングハウジング5の位置決めは、上記貫通孔57と円環部52の内周面(圧入穴16a)とによって行われる。また、特に図示はしないが、ライトケース12には、貫通孔57に対応する箇所に凹みが形成されている。
このように構成されるベアリングハウジング5によれば、アルミニウム合金よりも硬い鋳鉄製のベアリングハウジング5単体で2つのベアリング23、31の両方の外周を強固な構造とすることができる。このため、クランク軸2とバランサ軸30の軸間距離の変動を抑制することが可能である。特に比較的大きなトルクが加わるとされるクランク軸2側においては、円環部52の内周面とベアリング23の外周面とが直接接触する。このため、効果的にベアリング23側を強固な構造とすることができる。
一方、バランサ軸30側においては、ベアリング31の外周面に対して環状部50が隙間を空けて形成されている。バランサ軸30側においては、クランク軸2に比べて加わるトルクが小さいといえども、ベアリング31の周囲がアルミニウム合金を介して鋳鉄製の環状部50及び中間部51によって覆われるため、アルミニウム合金のみでライトケース12が成形される場合に比べて強固な構造とすることができる。この場合、圧入穴16bを、第2隔壁16のアルミニウム合金の部分を機械加工することで形成できるため、圧入穴16bの加工性を向上することが可能である。また、ベアリングハウジング5自体の体積を小さくすることができるため、ライトケース12、更にはエンジン1全体として軽量化を図ることが可能である。
また、ベアリングハウジング5の肉厚を均一にしたことで、圧入穴16a、16bの熱歪みも均一にすることができる。この結果、圧入穴16a、16bの真円度の低下を抑制することができ、ベアリング23、31の変形による騒音発生を抑制することが可能である。更には、ベアリングハウジング5を鋳造する際にヒケ等の鋳造欠陥を防ぐことが可能である。また、ベアリングハウジング5をライトケース12に鋳込む際にも、ダイカスト鋳造欠陥を防ぐことも可能である。以上のように、本実施の形態によれば、ベアリングハウジング5の変形を抑制してエンジン騒音を低減することが可能である。
また、中間部51とベアリング31の外周面との隙間G2より、ベアリング31を挟んで円環部52とは反対側の環状部50とベアリング31の外周面との隙間G1が小さくなっている。ベアリングハウジング5を成形する場合、2つのベアリング23、31間が一番肉厚になりやすい。更に、中間部51と環状部50との接続部分をフィレット53で繋ぐと更に肉厚になってしまう。このため、意図的に隙間G2を隙間G1より大きくすることで、ベアリングハウジング5全体の肉厚を均一にすることが可能である。また、ベアリングハウジング5の軸方向(左右方向)の幅が一様であることによっても、ベアリングハウジング5全体の肉厚を均一にすることが可能である。また、中間部51と環状部50との接続部分にR形状のフィレット53を設けたことで、最小限の肉厚増加で上記接続部分を補強することが可能である。
また、ベアリングハウジング5が直線Lを基準に対称な形状であるため、ベアリングハウジング5を鋳込む際に、表裏を逆に配置しても影響がない。よって、ベアリングハウジング5の向きを考慮せずに金型の所定位置に配置することができ、製造時の作業効率を向上することが可能である。また、位置決め孔として貫通孔57を設けたことにより、当該貫通孔57と、圧入穴16aの2箇所でベアリングハウジング5の位置決め精度を保つことが可能である。
また、ベアリングハウジング5は、軸方向においてバランサドリブンギヤ33が配置される右側に設けられる。左右の内、より力の加わるバランサドリブンギヤ33側にベアリングハウジング5を設けることで、より効果的にクランク軸2及びバランサ軸30の軸間距離の変動を抑制することが可能である。
なお、上記の実施形態では、単気筒のエンジン1を例にして説明したが、この構成に限定されない。例えば、エンジン1は、2気筒以上の多気筒エンジンで構成されてもよく、各気筒の配置も適宜変更が可能である。
また、上記の実施形態では、ライトケース12にのみ本発明のベアリングハウジング5が設けられる構成としたが、この構成に限定されない。レフトケース11にも同じベアリングハウジング5が設けられてもよい。
また、上記の実施形態では、環状部50とベアリング31とが隙間を空けて配置される構成としたが、この構成に限定されない。環状部50とベアリング31とは直接接触してもよい。
また、複数の実施形態及び変形例を説明したが、本発明の他の実施の形態として、上記実施の形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
また、本発明の実施の形態は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。更には、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施形態をカバーしている。
以上説明したように、本発明は、ベアリングハウジングの変形を抑制してエンジン騒音を低減することができるという効果を有し、特に、自動二輪車のエンジンの軸受構造に有用である。
1 :エンジン
2 :クランク軸
4 :ベアリングハウジング
5 :ベアリングハウジング
6 :支持ピン
10 :クランクケース
11 :レフトケース
12 :ライトケース
16 :第2隔壁
16a :圧入穴
16b :圧入穴
16c :孔
22a :メインジャーナル
22b :メインジャーナル
23 :ベアリング(第1ベアリング)
30 :バランサ軸
31 :ベアリング(第2ベアリング)
33 :バランサドリブンギヤ
50 :環状部
51 :中間部
52 :円環部
53 :フィレット(接続部分)
54 :直線部
55 :突起部
56 :突起部
57 :貫通孔
C1 :中心
C2 :中心
FR :矢印
G1 :隙間
G2 :隙間

Claims (8)

  1. クランク軸に嵌合される第1ベアリングと、
    前記クランク軸の回転振動を相殺するバランサ軸に嵌合される第2ベアリングと、
    前記第1ベアリング及び前記第2ベアリングの外周を覆う鋳鉄製のベアリングハウジングを鋳込んで形成されるアルミニウム合金製のクランクケースと、を備え、
    前記ベアリングハウジングは、前記第1ベアリングの外周面と接触するように形成され、前記第2ベアリングの外周面に対して隙間を空けるように形成されることを特徴とする軸受構造。
  2. 前記ベアリングハウジングは、
    前記第1ベアリング及び前記第2ベアリングの外周を覆う環状部と、
    前記環状部を前記第1ベアリング側と前記第2ベアリング側とで仕切る中間部と、を有し、
    前記環状部の一部と前記中間部とにより、前記第1ベアリングが嵌合する円環部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の軸受構造。
  3. 前記中間部と前記第2ベアリングの外周面との隙間より、前記第2ベアリングを挟んで前記円環部とは反対側の前記環状部と前記第2ベアリングの外周面との隙間が小さいことを特徴する請求項2に記載の軸受構造。
  4. 前記環状部と前記中間部との接続部分は、R形状を有することを特徴とする請求項3に記載の軸受構造。
  5. 前記ベアリングハウジングの軸方向の幅は一様であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の軸受構造。
  6. 前記ベアリングハウジングは、前記第1ベアリングの中心と前記第2ベアリングの中心を結ぶ直線を基準に対称な形状を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の軸受構造。
  7. 前記ベアリングハウジングは、前記直線上に位置決め孔を有することを特徴とする請求項6に記載の軸受構造。
  8. 前記ベアリングハウジングは、軸方向においてバランサドリブンギヤが配置される側に設けられることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の軸受構造。
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