JP2014199033A - クランクシャフトの軸受け構造 - Google Patents

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親司 滝口
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Abstract

【課題】簡易に、クランクケースとクランクブッシュとの間に隙間が生じるのを抑制し、打音の発生を抑制できるようにする。【解決手段】アルミニウム又はアルミニウム合金製のクランクケースと、クランクケースの左右の側壁にそれぞれ設けられる左右一対の鉄製の左右ローラベアリング20L,20Rと、クランクケースの左右の側壁と左右のローラベアリング20L,20Rとの間それぞれに介在する左右一対の鉄製の左右クランクブッシュ21L,21Rと、左右ローラベアリング20L,20Rに挿通されて支持されるクランクシャフト2と、を備える内燃機関において、左右クランクブッシュ21L,21Rがそれぞれ、ラジアル方向に形成したフランジ部を介してクランクケースの左右の側壁に取り付けられるとともに、クランクシャフト2の軸方向よりボルト50によって、上記側壁に締結される。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関におけるクランクシャフトの軸受け構造に関し、詳しくは、クランクケースに、クランクシャフト支持のためのクランクブッシュを設けるクランクシャフトの軸受け構造に関する。
クランクケースにクランクシャフトを挿通させるための穴を形成し、この穴にクランクブッシュを鋳込んで取り付け、クランクブッシュにベアリングを嵌合し、このベアリングでクランクシャフトのジャーナルを支持する構造の内燃機関が従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−79486号公報
上記のような構造では、クランクケースが例えばアルミニウム合金から形成され、クランクブッシュが鉄から形成されるものが多く、材質の違いから熱膨張率が異なり、クランクケースとクランクブッシュとの間に隙間が生じ、クランクシャフトの回転に伴い打音が生じる場合がある。ここで、クランクブッシュの鋳込み構造を工夫することで、打音の発生を抑制することも考えられるが、鋳込み構造を工夫するには、形状等が複雑化するため、簡易に打音の発生を抑制できるとはいえず、極力簡易に打音発生を抑制することが望まれる。
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであり、簡易に、クランクケースとクランクブッシュとの間に隙間が生じるのを抑制して打音の発生を抑制できるクランクシャフトの軸受け構造を提供することを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載の発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金製のクランクケース(3)と、前記クランクケース(3)の左右の側壁(3L,3R)にそれぞれ設けられる左右一対の鉄製のベアリング(20L,20R)と、前記クランクケース(3)の左右の前記側壁(3L,3R)と左右の前記ベアリング(20L,20R)との間それぞれに介在する左右一対の鉄製のクランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)と、左右の前記ベアリング(20L,20R)に挿通されて支持されるクランクシャフト(2)と、を備える内燃機関におけるクランクシャフトの軸受け構造において、左右の前記クランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)はそれぞれ、ラジアル方向に形成したフランジ部(33L,33R)を介して前記クランクケース(3)の左右の前記側壁(3L,3R)に取り付けられるとともに、前記クランクシャフト(2)の軸方向より締結部材(50)によって、前記側壁(3L,3R)に締結されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記クランクケース(3)の左右の前記側壁(3L,3R)にはそれぞれ、前記クランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)を嵌合させる嵌合穴(23L,23R)が形成され、左右の前記クランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)のうちの少なくとも一方は、フランジ部(33L,33R)をなす大径部(33L,33R)と、この大径部(33L,33R)よりも小径の小径部(34L,34R)と、を有し、前記大径部(33L,33R)及び前記小径部(34L,34R)が形成された前記クランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)は、前記嵌合穴(23L,23R)に前記小径部(34L,34R)を嵌合させるとともに、前記大径部(33L,33R)を、前記側壁(3L,3R)における前記嵌合穴(23L,23R)の周縁に面接触させて前記締結部材(50)によって締結されること特徴とする
請求項3に記載の発明は、前記大径部(33L,33R)及び前記小径部(34L,34R)が形成された前記クランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)が嵌合される前記嵌合穴(23L,23R)は、大径穴部(40L,40R)と、この大径穴部(40L,40R)よりも小径の小径穴部(41L,41R)と、からなり、前記大径部(33L,33R)は、前記大径穴部(40L,40R)に嵌合され、前記小径部(34L,34R)は、前記小径穴部(41L,41R)に嵌合されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記クランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)は、前記嵌合穴(23L,23R)に隙間をもって嵌合され、前記ベアリング(20L,20R)は、前記クランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)に圧入されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記クランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)と前記ベアリング(20L,20R)とが一体に成形されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明では、クランクケースとクランクブッシュを当該ブッシュに形成したフランジ部で重ね、この重なる方向であるクランクシャフトの軸方向より締結部材で両者を締結するといった簡易な構成で、常に、クランクケースとクランクブッシュとが接触する状態となり、熱膨張率が異なる両者で異なる変形が生じた場合でも、簡易に、これらの間で隙間が生じるのが抑制され、打音の発生を抑制できる。
また、クランクケースの側壁とクランクブッシュが重なることでクランクブッシュをクランクシャフトの左右方向中央側に配置したりできるため、クランクブッシュを重厚にしなくてもクランクシャフト径方向における支持剛性を確保し易くできる。
請求項2に記載の発明では、クランクケースの側壁とクランクブッシュの小径部がクランクシャフトの径方向で重なることで、クランクシャフト径方向における支持剛性を確保できる。
請求項3に記載の発明では、クランクケースの側壁とクランクブッシュの小径部及び大径部がクランクシャフトの径方向で重なることで、クランクシャフト径方向における支持剛性を確保できる。
請求項4に記載の発明では、熱膨張により、クランクケースとクランクブッシュとがクランクシャフト径方向に変形した場合に、クランクケース及びクランクブッシュに応力が生じるのを防止できる。
請求項5に記載の発明では、部品点数を削減できる。
本発明の第1の実施形態に係る構造が適用された内燃機関の右側面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図2の拡大図である。 本発明の第2の実施形態に係る構造が適用された内燃機関の要部の断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る構造が適用された内燃機関の要部の断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る構造が適用された内燃機関の要部の断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る構造が適用された内燃機関の要部の断面図である。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1には、第1の実施形態に係る構造が適用された内燃機関1の右側面図が示されている。この内燃機関1は、本実施形態において自動二輪車用とされる。なお、以降の説明においては、図中に示す矢印Frの方向を前方とし、矢印UPの方向を上方とし、矢印LHの方向を左方とする。
内燃機関1は空冷単気筒型であり、左右方向に沿って延びるクランクシャフト2を収容したアルミニウム又はアルミニウム合金製のクランクケース3と、クランクケース3の前側上部から上方に立設されたシリンダ部4と、を備えている。クランクケース3には、クランクシャフト2に加えて、図示しない変速機が収容されており、内燃機関1はパワーユニット型の内燃機関となっている。また、図中符合C1は、クランクシャフト2の中心軸線であるクランク軸線を示している。
図2を参照し、シリンダ部4は、クランクケース3の前側上部に結合されるシリンダブロック5と、シリンダブロック5の上面に結合されたシリンダヘッド6と、シリンダヘッド6の上部を覆う図示しないヘッドカバーと、を備えている。シリンダブロック5には、シリンダボア7が形成され、シリンダボア7内に円筒状のシリンダスリーブ8が鋳込まれている。図中S1は、シリンダボア7及びシリンダスリーブ8の中心軸線であるシリンダ軸線を示している。
シリンダスリーブ8には、ピストン9が摺動自在に嵌合され、ピストン9は、コンロッド10及びクランクピン11を介してクランクケース3に回転自在に支持されたクランクシャフト2に連結されている。クランクシャフト2は、左クランクシャフト半体2Lと、右クランクシャフト半体2Rと、を備え、これら左クランクシャフト半体2L及び右クランクシャフト半体2Rは、クランクピン11によって連結されている。
シリンダスリーブ8、シリンダヘッド6、及び、ピストン9で形成される燃焼室12には、シリンダヘッド6に設けられた点火プラグ13が臨んでいる。
クランクシャフト2は、シリンダ軸線S1とクランク軸線L1とが交差するクランク軸中央点P1の左方に位置するクランクケース3の左側壁3Lと、クランク軸中央点P1の右方に位置するクランクケース3の右側壁3Rと、に回転可能に支持されている。クランクシャフト2は、左クランクシャフト半体2Lに設定された左ジャーナル22Lを左ローラベアリング20L及び左クランクブッシュ21Lを介して左側壁3Lに回転可能に支持されるとともに、右クランクシャフト半体2Rに設定された右ジャーナルを右ローラベアリング20R及び右クランクブッシュ21Rを介して右側壁3Rに回転可能に支持されている。
クランクケース3では、左側壁3Lと右側壁3Rとの間にクランク室3Sが形成されている。
左クランクブッシュ21Lは、左側壁3Lに形成されてクランク軸線L1方向に貫通する左嵌合穴23Lの内周面に嵌合され、右クランクブッシュ21Rは、右側壁3Rに形成されてクランク軸線L1方向に貫通する右嵌合穴23Rの内周面に嵌合されている。また、左ローラベアリング20Lは、左クランクブッシュ21Lの内周面に嵌合され、右ローラベアリング20Rは、右クランクブッシュ21Rの内周面に嵌合されている。
すなわち、左クランクブッシュ21Lは、左側壁3Lと左ローラベアリング20Lとの間に介在し、右クランクブッシュ21Rは、右側壁3Rと右ローラベアリング20Rとの間に介在している。
左クランクシャフト半体2Lは、左嵌合穴23Lを貫通し、クランク室3S内に位置する端部に径方向の外側に張り出すウェブ24Lを有し、右クランクシャフト半体2Rは、右嵌合穴23Rを貫通し、クランク室3S内に位置する端部に径方向の外側に張り出すウェブ24Rを有し、ウェブ24L,24Rの所定位置に上記したクランクピン11が挿通されて連結されている。
図3を参照し、左ローラベアリング20Lは、左ジャーナル22Lを嵌合させる内輪30Lと、内輪30Lの径方向の外側に位置する外輪31Lと、内輪30L及び外輪31Lの間に挟持される転動体であるローラ32Lと、を備え、これらが少なくとも鉄製とされている。また、右ローラベアリング20Rも同様に、鉄製の内輪30R、外輪31R及びローラ32Rを備えている。
本実施形態において、左クランクブッシュ21Lは、ラジアル方向に形成したフランジ部に相当する大径部33Lと、この大径部33Lよりも小径の小径部34Lと、を一体に有する2段筒状に形成され、クランク室3S側から左方に向けて大径部33Lと小径部34Lの順で並ぶように配置されて、左嵌合穴23Lに嵌合されている。左クランクブッシュ21Lは、大径部33L及び小径部34Lを有することで、外周部の外径寸法が2段階に変化する一方で、その内周面の左ローラベアリング20Lの嵌合部分の内径寸法はクランク軸線L1方向で一定となっている。
そして、左クランクブッシュ21Lの内周面には、左ローラベアリング20Lが圧入されており、左ローラベアリング20Lは、左クランクブッシュ21Lの内周面に隙間無く嵌合されている。
また、右クランクブッシュ21Rも同様に、ラジアル方向に形成したフランジ部に相当する大径部33Rと、この大径部33Rよりも小径の小径部34Rと、を一体に有する2段筒状に形成され、クランク室3S側から右方に向けて大径部33Rと小径部34Rの順で並ぶように配置されて、右嵌合穴23Rに嵌合されている。そして、右クランクブッシュ21Rの右ローラベアリング20Rの嵌合部分の内周面の内径寸法は、クランク軸線L1方向で一定となっている。そして、上記と同様に、右クランクブッシュ21Rの内周面には、右ローラベアリング20Rが圧入され、右ローラベアリング20Rは右クランクブッシュ21Rの内周面に隙間無く嵌合されている。
一方で、本実施形態では、左嵌合穴23Lが、大径穴部40Lと、この大径穴部40Lよりも小径の第1小径穴部41Lと、この第1小径穴部41Lよりも小径の第2小径穴部42Lと、からなり、大径穴部40L、第1小径穴部41L、及び第2小径穴部42Lがクランク室3S側から左方に向けて、この順で並んでいる。また、大径穴部40Lと第1小径穴部41Lとの連結部位には、クランク室3S側を向く第1段差面43Lが形成され、第1小径穴部41Lと第2小径穴部42Lとの連結部位には、クランク室3S側を向く第2段差面44Lが形成されている。
また、右嵌合穴23Rは、大径穴部40Rと、この大径穴部40Rよりも小径の第1小径穴部41Rと、からなり、大径穴部40R、及び第1小径穴部41Rがクランク室3S側から右方に向けて、この順で並んでいる。また、大径穴部40Rと第1小径穴部41Rとの連結部位には、クランク室3S側を向く第1段差面43Rが形成されている。
そして、本実施形態では、左クランクブッシュ21Lの大径部33Lは、大径穴部40Lに嵌合され、左クランクブッシュ21Lの小径部34Lは、第1小径穴部41Lに嵌合されている。また、右クランクブッシュ21Rの大径部33Rは、大径穴部40Rに嵌合され、右クランクブッシュ21Rの小径部34Rは、第1小径穴部41Rに嵌合されている。
そして、本実施形態では、大径部33Lが大径穴部40Lに圧入されて隙間なく嵌合され、小径部34Lが、第1小径穴部41Lに圧入されて隙間無く嵌合されている。また、大径部33R及び小径部34Rも同様である。
ここで、本実施形態では、左クランクブッシュ21Lの大径部33Lの左方を向く面が、左嵌合穴23Lにおける第1段差面43Lにクランク軸線L1方向で面接触して、クランク軸線L1方向で重なっている。そして、クランクケース3の左側壁3Lには、外側(左方側)からクランク軸線L1方向に沿って延び、第1段差面43Lを貫通する締結部材であるボルト50が挿入され、ボルト50は、大径部33Lに形成された雌ねじ穴48Lに螺合されている。これにより、左クランクブッシュ21Lがクランクケース3の左側壁3Lに締結されている。なお、本実施形態では、第1段差面43Lが「クランクケースの側壁」に対応する。
また、右クランクブッシュ21Rの大径部33Rも、左側と同様にして、大径部33Rの右方を向く面が、右嵌合穴23Rにおける第1段差面43Rにクランク軸線L1方向で面接触して、クランク軸線L1方向で重なっている。そして、クランクケース3の右側壁3Rには、外側(右方側)からクランク軸線L1方向に沿って延び、第1段差面43Rを貫通する締結部材であるボルト50が挿入され、ボルト50は、大径部33Rに形成された雌ねじ穴48Rに螺合されている。これにより、右クランクブッシュ21Rがクランクケース3の右側壁3Rに締結されている。なお、本実施形態では、第1段差面43Rが「クランクケースの側壁」に対応する。
また、図1には、右クランクブッシュ21Rを破線で示しており、同図に参照されるように、右クランクブッシュ21Rの大径部33Rは、周方向に間隔空けて複数のボルト50を挿通されてクランクケース3に締結されている。左クランクブッシュ21Lも同様である。
以上のような構成された本実施形態の内燃機関1では、クランクケース3と左右クランクブッシュ21L,21Rをフランジ部に相当する大径部33L,33Rで重ねて取り付け、ここで、この重なる方向であるクランクシャフト2の軸方向より締結部材であるボルト50で両者を締結するといった簡易な構成で、常に、クランクケース3と左右クランクブッシュ21L,21Rとが接触する状態となり、熱膨張率が異なる両者で異なる変形が生じた場合でも、簡易に、これらの間で隙間が生じるのが抑制され、打音の発生を抑制できる。また、クランクケース3の側壁と左右クランクブッシュ21L,21Rを重ねることで、左右クランクブッシュ21L,21Rをクランクシャフト2の左右方向中央側に配置したりできるため、左右クランクブッシュ21L,21Rを重厚にしなくてもクランクシャフト2の径方向における支持剛性を確保し易くできる。
また、クランクケース3の側壁と左右クランクブッシュ21L,21Rの小径部34L.34R及び大径部33L,33Rがクランクシャフト2の径方向で重なることで、クランクシャフト径方向における支持剛性を確保できる。
[第2の実施形態]
図4を参照して、本発明の第2の実施形態の内燃機関について説明する。本実施形態における第1の実施形態と同様の構成要素については、同一符合を付して説明を省略する。
本実施形態では、左ローラベアリング20Lの外輪31L1が、ローラ32Lを保持するための外輪本体60Lと、クランクブッシュとして機能するクランクブッシュ部61Lと、を一体に有している。外輪31L1は、外輪本体60Lとクランクブッシュ部61Lとを一体に成形される。なお、説明便宜上、外輪本体60Lとクランクブッシュ部61Lとの境目には二点鎖線を図示している。右ローラベアリング20Rの外輪31Rも、左側と同様に、外輪本体60Rとクランクブッシュ部61Rとを一体に有する。
このような構成では、部品点数を削減できる。なお、図から明らかなように、本実施形態では、外輪本体60L,60Rにおいて、第1の実施形態で説明した大径部33L,33R及び小径部34L,34Rと同様の部位が形成されている。本実施形態では、外輪本体60L,60Rにおける大径部33L,33Rに相当する部位が、ラジアル方向に形成したフランジ部に相当する。
[第3の実施形態]
図5を参照して、本発明の第3の実施形態の内燃機関について説明する。本実施形態における第1の実施形態と同様の構成要素については、同一符合を付して説明を省略する。
図5には、クランクケース3の右側壁3Rにおける右嵌合穴23Rの周辺が拡大して示されている。本実施形態では、右クランクブッシュ21Rが、右嵌合穴23Rに隙間をもって嵌合されている。
詳しくは、右クランクブッシュ21Rの大径部33Rは、大径穴部40Rに隙間K1をもって嵌合され、小径部34Rは、第1小径穴部41Rに隙間K2をもって嵌合されている。なお、右ローラベアリング20Rは、右クランクブッシュ21Rに圧入されている。また、左クランクブッシュ21Lも、右側と同様に左嵌合穴23Lに隙間をもって嵌合されている。
このような構成では、熱膨張により、クランクケース3と左右クランクブッシュ21L,21Rとがクランクシャフト径方向に変形した場合に、クランクケース3及び左右クランクブッシュ21L,21Rに応力が生じるのを防止できる。
[第4の実施形態]
図6を参照して、本発明の第4の実施形態の内燃機関について説明する。本実施形態における第1の実施形態と同様の構成要素については、同一符合を付して説明を省略する。
図6には、クランクケース3の右側壁3Rにおける右嵌合穴23Rの周辺が拡大して示されている。本実施形態では、右嵌合穴23Rの構成が、第1の実施形態と異なっており、右嵌合穴23Rは、その内周面の内径寸法がクランク軸線L1方向で一定となっている。そして、右クランクブッシュ21Rは、小径部34Rを右嵌合穴23Rに嵌合されている。一方で、大径部33Rは、右嵌合穴23Rの周縁に面接触で当接させてボルト50によって締結されている。左クランクブッシュ21Lも、右側と同様にしてクランクケース3に締結される。この構成においても、簡易に打音の発生を抑制できる。
[第5の実施形態]
図7を参照して、本発明の第5の実施形態の内燃機関について説明する。本実施形態における第1の実施形態と同様の構成要素については、同一符合を付して説明を省略する。
図7には、クランクケース3の右側壁3Rの周辺が拡大して示されている。本実施形態では、右側壁3Rには、クランクシャフト2を挿通させる貫通穴70が形成されるが、右クランクブッシュ21Rは、貫通穴70に嵌合されていない。右クランクブッシュ21Rは右方を向く面を、クランクシャフト2を挿通させる貫通穴70の周縁に当接させ、右側壁3Rを貫通したボルト50によって締結されている。左クランクブッシュ21Lも、右側と同様にしてクランクケース3に締結される。この構成においても、簡易に打音の発生を抑制できる。なお、第5実施形態においては、右クランクブッシュ21Rのうち、貫通穴70の周縁に当接する部位が、ラジアル方向に形成したフランジ部に相当する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、ローラベアリングを用いたが、転動体が球体であるベアリング(玉軸受け)であってもよい。
1 内燃機関
2 クランクシャフト
3 クランクケース
3L 左側壁(側壁)
3R 右側壁(側壁)
20L 左ローラベアリング(ベアリング)
20R 右ローラベアリング(ベアリング)
21L 左クランクブッシュ(クランクブッシュ)
21R 右クランクブッシュ(クランクブッシュ)
33L,33R 大径部(フランジ部)
34L,34R 小径部
40L,40R 大径穴部
41L,42R 第1小径穴部(小径穴部)
50 ボルト(締結部材)
61L,61R クランクブッシュ部(クランクブッシュ)

Claims (5)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金製のクランクケース(3)と、
    前記クランクケース(3)の左右の側壁(3L,3R)にそれぞれ設けられる左右一対の鉄製のベアリング(20L,20R)と、
    前記クランクケース(3)の左右の前記側壁(3L,3R)と左右の前記ベアリング(20L,20R)との間それぞれに介在する左右一対の鉄製のクランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)と、
    左右の前記ベアリング(20L,20R)に挿通されて支持されるクランクシャフト(2)と、を備える内燃機関におけるクランクシャフトの軸受け構造において、
    左右の前記クランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)はそれぞれ、ラジアル方向に形成したフランジ部(33L,33R)を介して前記クランクケース(3)の左右の前記側壁(3L,3R)に取り付けられるとともに、前記クランクシャフト(2)の軸方向より締結部材(50)によって、前記側壁(3L,3R)に締結されることを特徴とするクランクシャフトの軸受け構造。
  2. 前記クランクケース(3)の左右の前記側壁(3L,3R)にはそれぞれ、前記クランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)を嵌合させる嵌合穴(23L,23R)が形成され、
    左右の前記クランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)のうちの少なくとも一方は、フランジ部(33L,33R)をなす大径部(33L,33R)と、この大径部(33L,33R)よりも小径の小径部(34L,34R)と、を有し、
    前記大径部(33L,33R)及び前記小径部(34L,34R)が形成された前記クランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)は、前記嵌合穴(23L,23R)に前記小径部(34L,34R)を嵌合させるとともに、前記大径部(33L,33R)を、前記側壁(3L,3R)における前記嵌合穴(23L,23R)の周縁に前記締結部材(50)によって締結されること特徴とする請求項1に記載のクランクシャフトの軸受け構造。
  3. 前記大径部(33L,33R)及び前記小径部(34L,34R)が形成された前記クランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)が嵌合される前記嵌合穴(23L,23R)は、大径穴部(40L,40R)と、この大径穴部(40L,40R)よりも小径の小径穴部(41L,41R)と、からなり、
    前記大径部(33L,33R)は、前記大径穴部(40L,40R)に嵌合され、前記小径部(34L,34R)は、前記小径穴部(41L,41R)に嵌合されることを特徴とする請求項2に記載のクランクシャフトの軸受け構造。
  4. 前記クランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)は、前記嵌合穴(23L,23R)に隙間をもって嵌合され、
    前記ベアリング(20L,20R)は、前記クランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)に圧入されることを特徴とする請求項2又は3に記載のクランクシャフトの軸受け構造。
  5. 前記クランクブッシュ(21L,21R;61L,61R)と前記ベアリング(20L,20R)とが一体に成形されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のクランクシャフトの軸受け構造。
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