JP5295717B2 - エンジン、それを備えた車両及びエンジンの製造方法 - Google Patents

エンジン、それを備えた車両及びエンジンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エンジン、それを備えた車両及びエンジンの製造方法に関し、詳細には、クランクシャフトと共に回転するバランサ軸を備えるエンジン、それを備えた車両及びエンジンの製造方法に関する。
従来、例えば特許文献1などにおいて、エンジンの振動を低減するために、クランクシャフトと共に回転するバランサ軸を設けることが提案されている。
図8は、特許文献1に開示されているエンジンの側面視における概略断面図である。図9は、特許文献1に開示されているエンジンの平面視における概略断面図である。
図9に示すように、エンジン100は、クランクケース101を備えている。クランクケース101の内部には、車幅方向に延びるクランクシャフト102が収納されている。図8に示すように、クランクシャフト102には、下側バランサ軸103と上側バランサ軸104とが噛合している。このため、クランクシャフト102が回転すると、下側バランサ軸103及び上側バランサ軸104も回転する。これにより、クランクシャフト102の回転に起因するエンジン100の振動が低減されている。
エンジン100では、エンジン100の前後長を小さくするため、両バランサ軸103,104がクランクシャフト102に近接して配置されている。このため、バランサ軸103,104がクランクシャフト102の軸心方向に変位すると、バランサ軸103,104とクランクシャフト102とが接触するおそれがある。従って、図9に示すように、例えば下側バランサ軸103には、位置決めリブ107が設けられている。一方、図8に示すように、クランクケース101の上側ケーシング部101aの前端部分101bには、図9に示す2本のボルト106によって位置決めプレート105が取り付けられている。図8及び図9に示すように、位置決めプレート105は、前端部分101bから、下側バランサ軸103の下方に至るまで、後方に向かって延びている。位置決めプレート105の下側バランサ軸103の下方に位置する部分には、ガイド溝103aが形成されている。上記の下側バランサ軸103の位置決めリブ107が、このガイド溝103aに摺動可能に挿入されることにより、クランクシャフト102の軸心方向における下側バランサ軸103の変位が規制されている。
特許第2716763号公報
特許文献1には、図8に示すように、下側バランサ軸103用の位置決めプレート105を上側ケーシング部101aに対して取り付ける構成とすることにより、位置決めプレート105の固定が容易となる旨が記載されている。
しかしながら、上側ケーシング部101aの前端部分101bに対して位置決めプレート105を取り付けた場合、位置決めリブ107がガイド溝103aと離れた位置に位置することとなる。従って、下側バランサ軸103に軸心方向の力が加わると、位置決めプレート105のボルト106による締結部に、ボルト106の回転方向のモーメントが加わる。従って、例えば1本のボルトにより位置決めプレート105を固定した場合、下側バランサ軸103の回転によりボルトがゆるむおそれがある。下側バランサ軸103が軸心方向に変位することにより、ボルトの回転軸を中心として、位置決めプレート105が揺動するためである。このため、位置決めプレート105を固定するボルトがゆるまないように工夫する必要がある。
例えば特許文献1では、図9に示すように、下側バランサ軸103の軸心方向に沿って並べられた2本のボルト106によって位置決めプレート105が固定されている。このように、下側バランサ軸103の軸心方向に沿って並べられた2本のボルト106により位置決めプレート105を固定することにより、下側バランサ軸103が軸心方向に変位することに起因して、各ボルト106の回転軸を中心とした位置決めプレート105の揺動を規制することができる。従って、ボルト106のゆるみを規制することができる。
しかしながら、エンジン100のように、下側バランサ軸103の軸心方向に沿って並べられた2本のボルト106によって位置決めプレート105を固定する場合、ボルトが2本必要となるばかりか、位置決めプレート105が大型化する傾向にある。従って、エンジン100の重量が増大するという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、バランサ軸を有するエンジンにおいて、バランサ軸の軸心方向におけるバランサ軸の変位を規制しつつ軽量化を図ることにある。
本発明に係るエンジンは、クランクケースと、クランクシャフトと、バランサ軸と、位置決め部材と、締結部材とを備えている。クランクシャフトは、クランクケース内に回転可能に配置されている。バランサ軸は、クランクシャフトの回転に伴って回転する。バランサ軸は、フランジ部を有する。フランジ部は、径方向外側に向かって延びている。位置決め部材には、フランジ部が内部を摺動するガイド溝が形成されている。締結部材は、位置決め部材をクランクケースに対して固定している。締結部材は、締結部材の締結方向から視た際に締結部材の少なくとも一部がガイド溝と重なるように配置されている。
本発明に係る車両は、上記本発明に係るエンジンを備えている。
本発明に係るエンジンの製造方法は、クランクケースと、クランクケース内に回転可能に配置されたクランクシャフトと、クランクシャフトの回転に伴って回転し、径方向外側に向かって延びるフランジ部を有するバランサ軸と、フランジ部が内部を摺動するガイド溝が形成されている位置決め部材と、位置決め部材をクランクケースに対して固定する締結部材とを備え、締結部材は、締結部材の締結方向から視た際に締結部材の少なくとも一部がガイド溝と重なるように配置されており、バランサ軸は、フランジ部とウエイト部とを含み、軸心方向に沿って延びる挿入孔が形成されたバランサ軸本体と、バランサ軸本体の挿入孔に挿入される支持軸とを有し、クランクケースには、挿入口が形成されており、位置決め部材は、バランサ軸の下方に配置されているエンジンの製造方法に関する。本発明に係るエンジンの製造方法は、クランクケースに位置決め部材を固定する工程と、固定された位置決め部材の上にバランサ軸本体を配置する工程と、挿入口から支持軸を挿入することにより、位置決め部材の上に配置されたバランサ軸本体の挿入孔に支持軸を挿入する工程とを備えている。
本発明では、締結部材は、締結部材の締結方向から視た際に締結部材の少なくとも一部がガイド溝と重なるように配置されている。このため、バランサ軸の軸心方向にバランサ軸が変位することに起因する、位置決め部材の締結部材の中心軸を中心とした揺動を規制することができる。また、位置決め部材を小型・軽量化することができる。従って、バランサ軸の軸心方向におけるバランサ軸の変位を規制しつつ軽量化を図ることができる。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について、図1に示す自動二輪車1を例に挙げて説明する。ただし、本発明に係る車両は、図1に示す自動二輪車1に限定されるものではない。本発明に係る車両は、四輪車であってもよいし、鞍乗型車両であってもよい。
ここで、「鞍乗型車両」とは、ライダーがシート(鞍)に跨がって乗る車両のことをいう。鞍乗型車両には、自動二輪車以外に、ATV(All Terrain Vehicle)やスノーモービルなどが含まれる。また、四輪車には、オフロードビークルも含まれる。オフロードビークルは、サイドバイサイドビークル(Side x Side Vehicle)とも呼ばれることがある。
また、本発明において、自動二輪車も図1に示すタイプのものに限定されない。本発明において、「自動二輪車」は、広義のモーターサイクルをいう。すなわち、本発明において、「自動二輪車」は、狭義のモーターサイクル、モペッド、スクーター、オフロード車などを含む。また、本明細書において、自動二輪車には、前輪及び後輪の少なくとも一方が複数の車輪により構成されており、車両を傾斜させて進行方向を変更する車両も含まれるものとする。
なお、以下の説明において、前後左右の方向は、シート14に直座したライダーから見た方向をいうものとする。
(自動二輪車1の概略構造)
図1に示すように、自動二輪車1は、車体フレーム10を備えている。車体フレーム10は、ヘッドパイプ11と、メインフレーム12と、シートレール13とを備えている。メインフレーム12は、ヘッドパイプ11から後方に向かって斜め下方に延びている。シートレール13は、メインフレーム12から後方に向かってやや斜め上方に延びている。シートレール13の上にはシート14が取り付けられている。
ヘッドパイプ11には、ステアリングシャフト15が回転可能に挿入されている。ステアリングシャフト15には、ハンドル16と、左右一対のフロントフォーク17とが取り付けられている。フロントフォーク17の下端部には、前輪18が回転可能に取り付けられている。
メインフレーム12の後端部には、ピボット軸12aが取り付けられている。ピボット軸12aには、リアアーム19が揺動可能に取り付けられている。リアアーム19の後端部には後輪20が回転可能に取り付けられている。
(エンジン21の詳細構造)
次に、図2〜図7を参照しながらエンジン21の詳細な構造について説明する。
エンジン21は、メインフレーム12に懸架されている。本実施形態では、エンジン21がドライサンプ方式の並列二気筒エンジンである例について説明する。但し、エンジン21の潤滑方式は、ドライサンプ方式に限定されない。エンジン21は、ウエットサンプ方式のエンジンであってもよい。また、本発明において、エンジンは、単気筒であってもよいし、直列多気筒エンジン、V型エンジン、水平対向エンジン、並列の3気筒以上のエンジンであってもよい。
図2に示すように、エンジン21は、クランクケース22と、シリンダボディ27と、シリンダヘッド28と、オイルパン29とを備えている。シリンダボディ27は、クランクケース22の前半部分に接続されている。シリンダヘッド28は、シリンダボディ27の上端部に接続されている。オイルパン29は、クランクケース22の下方に設けられている。
クランクケース22は、所謂上下割りのケースである。具体的には、クランクケース22は、図6に示すように、上側ケーシング部22aと、上側ケーシング部22aの下方に位置する下側ケーシング部22bとを備えている。上側ケーシング部22aと下側ケーシング部22bとは上下方向に付き合わさされている。なお、本実施形態では、上側ケーシング部22aと下側ケーシング部22bとの合い面22eは略水平である。
図2及び図3に示すように、クランクケース22の内部には、クランクシャフト23が配置されている。図3に示すように、クランクシャフト23は、車幅方向に延びている。図6に示すように、クランクシャフト23は、上側ケーシング部22aと下側ケーシング部22bとの合い面22eに形成された軸受部22fにより回転可能に支持されている。
クランクシャフト23は、第1及び第2のクランクピン23a、23bと、第1〜第4のクランクウェブ23c〜23fとを備えている。
図3に示すように、クランクシャフト23の第1及び第2のクランクピン23a、23bのそれぞれには、第1及び第2のコンロッド24a、24bが取り付けられている。第1及び第2のコンロッド24a、24bのそれぞれの先端部には、第1及び第2のピストン25a、25bが取り付けられている。第1及び第2のピストン25a、25bのそれぞれは、シリンダボディ27内に形成された第1及び第2のシリンダ27a、27b内に配置されている。第1及び第2のピストン25a、25bのそれぞれは、クランクシャフト23の回転に伴って、第1及び第2のシリンダ27a、27b内を摺動変位する。
図2に示すように、クランクシャフト23の後方には、メイン軸30とドライブ軸31とが配置されている。図3に示すように、メイン軸30の軸心とドライブ軸31の軸心とのそれぞれは、クランクシャフト23の軸心に対して平行である。
メイン軸30は、クラッチ26を介してクランクシャフト23に接続されている。メイン軸30とドライブ軸31との間には、複数の変速ギア対32が設けられている。メイン軸30の回転は、複数の変速ギア対32によってドライブ軸31に伝えられる。ドライブ軸31の回転は、図示しないドライブシャフトを介して、図1に示す後輪20に伝達される。
図7に示すように、クランクシャフト23には、上側バランサ軸33と下側バランサ軸34とが噛合している。このため、上側バランサ軸33と下側バランサ軸34とのそれぞれは、クランクシャフト23の回転に伴って回転する。これにより、エンジン21の振動が抑制されている。
図2に示すように、下側バランサ軸34は、クランクシャフト23の前方に配置されている。下側バランサ軸34は、上側ケーシング部22aと下側ケーシング部22bとの合い面22eに形成された軸受部22g(図6を参照)により回転可能に支持されている。
図7に示すように、下側バランサ軸34は、ウエイト部34a、34bを備えている。ウエイト部34aは、クランクシャフト23の軸心方向において、第3及び第4のクランクウェブ23e、23f間に配置されている。一方、第2のウエイト部34bは、クランクシャフト23の軸心方向において、第1及び第2のクランクウェブ23d、23e間に配置されている。
一方、上側バランサ軸33は、図2に示すように、上側ケーシング部22aと下側ケーシング部22bとの合い面22eとは異なる位置に配置されている。上側バランサ軸33は、合い面22eよりも上方に配置されている。具体的には、上側バランサ軸33は、クランクシャフト23の斜め後方に配置されている。
図5及び図7に示すように、上側バランサ軸33は、バランサ軸本体33aと、支持軸33bとを備えている。支持軸33bは、上側ケーシング部22aに回転不能に取り付けられている。支持軸33bは、バランサ軸本体33a内に、バランサ軸本体33aの軸心方向に沿って延びるように形成された挿入孔33cに挿入されている。支持軸33bとバランサ軸本体33aとの間には、ベアリング33dが配置されている。これにより、バランサ軸本体33aは、支持軸33bによって回転可能に支持されている。
バランサ軸本体33aには、第1及び第2のウエイト部33e、33fとフランジ部33gとが形成されている。図7に示すように、第1のウエイト部33eは、車幅方向において、第3及び第4のクランクウェブ23e、23f間に配置されている。一方、第2のウエイト部33fは、車幅方向において、第1及び第2のクランクウェブ23d、23e間に配置されている。
図5及び図7に示すように、フランジ部33gは、径方向外側に向かって延びている。フランジ部33gは、第1及び第2のフランジ部33g1、33g2とを備えている。第1及び第2のフランジ部33g1、33g2は、上側バランサ軸33の軸心方向において相互に間隔をおいて配置されている。換言すれば、第1及び第2のフランジ部33g1、33g2は、上側バランサ軸33の軸心方向において離間している。
図2及び図6に示すように、上側ケーシング部22aには、位置決め部材35が取り付けられている。図2に示すように、位置決め部材35は、上側バランサ軸33の下方に配置されている。位置決め部材35は、上側バランサ軸33の車幅方向の変位を規制するための部材である。この位置決め部材35によって上側バランサ軸33の車幅方向の変位が規制されることで、第1及び第2のウエイト部33e、33fと第1〜第4のクランクウェブ23c〜23fとの接触が規制されている。
具体的には、図5及び図7に示すように、位置決め部材35は、平面視において前後方向に延びる第1及び第2の壁部35a、35bを備えている。第1及び第2の壁部35a、35bの間には、平面視において前後方向に延びるガイド溝35cが形成されている。ガイド溝35cの溝幅は、フランジ部33gの幅と略同一とされている。つまり、ガイド溝35cの溝幅は、第1のフランジ部33g1の左側端と第2のフランジ部33g2の右側端との間の距離と略同一とされている。このガイド溝35cにフランジ部33gが摺動可能に係合している。そして、フランジ部33gは、上側バランサ軸33の回転に伴ってガイド溝35c内を摺動する。これにより、上側バランサ軸33の車幅方向の変位が規制されている。
位置決め部材35は、締結部材としての1本のボルト36によって上側ケーシング部22aに取り付けられている。図2、図4、図5及び図6に示すように、ボルト36は、ボルト36の締結方向Dから視た際に、ボルト36の少なくとも一部がガイド溝35cと重なるように配置されている。ここで、ボルト36の締結方向Dは、ボルト36の中心軸の延びる方向と一致する。すなわち、ボルト36は、ボルト36の締結方向Dから視た際に、ボルト36の少なくとも一部がガイド溝35cと重なるように配置されている。より詳細には、図4に示すように、ボルト36は、第1及び第2の壁部35a、35bの間に位置している。また、図2及び図6に示すように、ボルト36は、ボルト36の締結方向Dから視た際に、バランサ軸33の軸心Bと重なるように配置されている。より詳細には、ボルト36は、図4に示すように、ボルト36の中心軸Aを含む直線がバランサ軸33の軸心Bを通過するように配置されている。
また、図2及び図6に示すように、位置決め部材35と上側ケーシング部22aとのそれぞれには、対応する位置に、穴35d、22cが形成されている。この穴35d、22cに係合ピン37が挿入されている。係合ピン37は、平面視において、ボルト36に対して、ガイド溝35cの延びる方向、すなわち後方に位置している。
次に、上側バランサ軸33の組み付け要領について説明する。まず、位置決め部材35を上側ケーシング部22aに対して組み付ける。その後、位置決め部材35の上に、フランジ部33gがガイド溝35cと係合するようにバランサ軸本体33aを配置する。これにより、バランサ軸本体33aが、支持軸33bが挿入可能な位置に保持される。その状態で、上側ケーシング部22aの側壁に形成されている挿入口22d(図5を参照)から支持軸33bをクランクケース22の内部に挿入する。これにより、バランサ軸本体33aに形成された挿入孔33c内に支持軸33bが挿入される。最後に、支持軸33bを上側ケーシング部22aに対して固定する。以上の要領により、上側バランサ軸33を組み付けることができる。
以上説明したように、本実施形態では、ボルト36の締結方向Dから視た際に、ボルト36の少なくとも一部がガイド溝35cと重なるようにボルト36が配置されている。このため、上側バランサ軸33が上側バランサ軸33の軸方向に変位した場合、ボルト36には、上側バランサ軸33の軸方向の応力のみが実質的にかかる。上側バランサ軸33が上側バランサ軸33の軸方向に変位することにより起因するボルト36の回転方向のモーメントがボルト36に対して実質的にかからなくなる。従って、1本のボルト36によって位置決め部材35を固定した場合であっても、ボルト36がゆるむことを効果的に規制することができる。その結果、1本のボルト36によって位置決め部材35を固定した場合であっても、上側バランサ軸33の軸心方向における上側バランサ軸33の変位を長期間にわたって効果的に規制することができ、メンテナンス性を高めることができる。
また、位置決め部材35のボルト36による締結部とガイド溝35cとを近接させることができる。このため、位置決め部材35を小型・軽量化することができる。
従って、本実施形態によれば、上側バランサ軸33の軸心方向における上側バランサ軸33の変位を規制しつつ、エンジン21の軽量化を図ることができる。
本実施形態では、図2に示すように、ボルト36の締結方向Dから視た際に、ボルト36は、第1及び第2の壁部35a、35bの間に配置されている。このため、上側バランサ軸33が上側バランサ軸33の軸方向に変位することによりボルト36にかかる、ボルト36の回転方向のモーメントをより低減することができる。従って、1本のボルト36によって位置決め部材35を固定した場合であっても、上側バランサ軸33の軸心方向における上側バランサ軸33の変位をより長期間にわたって効果的に規制することができ、メンテナンス性をより高めることができる。
さらに、本実施形態では、図2に示すように、ボルト36の締結方向Dから視た際に、ボルト36は、上側バランサ軸33の軸心Bと重なるように配置されている。このため、上側バランサ軸33が上側バランサ軸33の軸方向に変位することによりボルト36にかかる、ボルト36の回転方向のモーメントをさらに低減することができる。従って、1本のボルト36によって位置決め部材35を固定した場合であっても、上側バランサ軸33の軸心方向における上側バランサ軸33の変位をさらに長期間にわたって効果的に規制することができ、メンテナンス性をさらに高めることができる。
ボルト36は、ボルト36の締結方向Dから視た際に、ボルト36の中心軸Aを含む直線が上側バランサ軸33の軸心Bを通過するように配置されていることが好ましい。この構成によれば、1本のボルト36によって位置決め部材35を固定した場合に、上側バランサ軸33の軸心方向における上側バランサ軸33の変位をよりさらに長期間にわたって効果的に規制することができる。
また、本実施形態では、ボルト36に加えて、ボルト36の後方に配置された係合ピン37が設けられている。このため、ボルト36に対してかかる、ボルト36の回転方向のモーメントが特に低減されている。従って、1本のボルト36によって位置決め部材35を固定した場合であっても、上側バランサ軸33の軸心方向における上側バランサ軸33の変位を特に長期間にわたって効果的に規制することができ、メンテナンス性を特に高めることができる。
尚、本実施形態のフランジ部33gとガイド溝35cとによる上側バランサ軸33の位置決め構造は、どのようなエンジンにも適用可能であるが、この位置決め構造は、上下割りのクランクケースを有するエンジンに対して特に有効である。
ところで、上下割りのクランクケースを有するエンジンにおいては、上側バランサ軸33と下側バランサ軸34との両方をクランクシャフト23と共に上側ケーシング部22aと下側ケーシング部22bとの合い面22eに形成することも考えられる。上側バランサ軸33と下側バランサ軸34との両方を合い面22eに形成する場合、上側バランサ軸33と下側バランサ軸34との組み込みが容易になるばかりか、上側バランサ軸33と下側バランサ軸34との軸心方向における位置決めを容易に行うことができる。
しかしながら、上側バランサ軸33と下側バランサ軸34との両方を合い面22eに形成すると、上側バランサ軸33と下側バランサ軸34とクランクシャフト23とが前後方向に直線的に配列されることになる。よって、上側バランサ軸33とクランクシャフト23との干渉を避けるため、上側バランサ軸33を後側に配置する必要が生じる。従って、エンジン21の前後方向の長さ寸法が長くなる傾向にある。
それに対して、本実施形態のように、上側バランサ軸33を合い面22eとは異なる位置に配置することによって、下側バランサ軸34の軸心とクランクシャフト23の軸心とを含む平面とは異なる位置に上側バランサ軸33を配置することができる。よって、上側バランサ軸33を比較的前側に配置することができる。従って、エンジン21を前後方向にコンパクト化することができる。
但し、上側バランサ軸33を合い面22eとは異なる位置に配置した場合、上側バランサ軸33の軸心方向における上側バランサ軸33の変位規制が問題となる。従って、下側バランサ軸34が合い面22eに配置されており、上側バランサ軸33が合い面22eとは異なる位置に配置されているエンジン21においては、上側バランサ軸33に対してフランジ部とガイド溝とによる位置決め機構を適用することが好ましい。
また、位置決め部材35を上側バランサ軸33の下方に配置することにより、後述のように、上側バランサ軸33の組み付けも容易となる。
本実施形態が、フランジ部33gが、相互に間隔をおいて配置されている第1及び第2の壁部35a、35bにより構成されている。このため、フランジ部33gを一枚のフランジにより構成する場合と比較して、エンジン21を軽量化することができる。
また、本実施形態では、位置決め部材35が上側バランサ軸33の下方に配置されている。このため、上側バランサ軸33組み付け時のバランサ軸本体33aを支持するための支持部材としても機能する。従って、バランサ軸本体33aに支持軸33bを容易に挿入することができる。
尚、上記実施形態では、フランジ部とガイド溝とによる位置決め機構を、複数のバランサ軸のうちのひとつのみに対して適用する例について説明した。但し、本発明はこの構成に限定されない。例えば、複数のバランサ軸の2つ以上、または全てに対してフランジ部とガイド溝とによる位置決め機構を適用してもよい。
上記実施形態では、位置決め部材を1本のボルトにより締結する例について説明した。但し、本発明において、位置決め部材の締結に用いられるボルトの本数は1本に限定されない。例えば、ガイド溝の延びる方向に配列された複数本のボルトを用いて位置決め部材を締結してもよい。その場合であっても位置決め部材の小型化が可能であるため、上記実施形態と同様にエンジンを軽量化することができる。
本明細書において、「締結部材」とは、外周面にねじ穴が形成されている柱状部を有する部材を総称するものである。従って、本明細書において、締結部材には、ボルトやねじが含まれる。
実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。 エンジンの模式的側面図である。 エンジンの模式的断面図である。 上側ケーシング部の平面図である。 図4におけるV−V矢視図である。 クランクケースの概略断面図である。 クランクシャフトと上側バランサ軸と下側バランサ軸とを表す模式図である。 特許文献1に開示されているエンジンの側面視における概略断面図である。 特許文献1に開示されているエンジンの平面視における概略断面図である。
符号の説明
1 自動二輪車(車両)
21 エンジン
22 クランクケース
22a 上側ケーシング部
22b 下側ケーシング部
22d 挿入口
22e 上側ケーシング部と下側ケーシング部との合い面
22f クランクシャフトの軸受部
22g 下側バランサ軸の軸受部
23 クランクシャフト
33 上側バランサ軸(バランサ軸)
33a バランサ軸本体
33b 支持軸
33c 挿入孔
33e 第1のウエイト部(ウエイト部)
33f 第2のウエイト部(ウエイト部)
33g フランジ部
33g1 第1のフランジ部
33g2 第2のフランジ部
34 下側バランサ軸(第2のバランサ軸)
34a 第1のウエイト部
34b 第2のウエイト部
35 位置決め部材
35a 第1の壁部(壁部)
35b 第2の壁部(壁部)
35c ガイド溝
36 ボルト(締結部材)
A ボルトの中心軸
B 上側バランサ軸の軸心

Claims (12)

  1. クランクケースと、
    前記クランクケース内に回転可能に配置されたクランクシャフトと、
    前記クランクシャフトの回転に伴って回転し、径方向外側に向かって延びるフランジ部を有するバランサ軸と、
    前記クランクケースに設けられ、前記フランジ部が内部を摺動するガイド溝が形成されている位置決め部材と、
    前記位置決め部材を前記クランクケースに対して固定する締結部材と、
    を備え、
    前記締結部材は、前記締結部材の締結方向から視た際に前記締結部材の少なくとも一部が前記ガイド溝と重なるように配置されているエンジン。
  2. 請求項1に記載されたエンジンにおいて、
    前記位置決め部材は、前記ガイド溝を形成する一対の壁部を有しており、
    前記締結部材は、前記締結部材の締結方向から視た際に、前記一対の壁部の間に位置しているエンジン。
  3. 請求項1に記載されたエンジンにおいて、
    前記締結部材は、前記締結部材の締結方向から視た際に、前記バランサ軸の軸心と重なるように配置されているエンジン。
  4. 請求項1に記載されたエンジンにおいて、
    前記締結部材がひとつ設けられているエンジン。
  5. 請求項1に記載されたエンジンにおいて、
    前記クランクケースは、上側ケーシング部と、前記上側ケーシング部の下方に位置する下側ケーシング部とを有するエンジン。
  6. 請求項5に記載されたエンジンにおいて、
    前記クランクシャフトの回転に伴って回転する第2のバランサ軸を備え、
    前記上側ケーシング部と前記下側ケーシング部との合い面には、前記クランクシャフトが回転可能に支持されている軸受部と、前記第2のバランサ軸が回転可能に支持されている軸受部とが形成されており、
    前記バランサ軸は、前記上側ケーシング部と前記下側ケーシング部との合い面とは異なる位置に配置されているエンジン。
  7. 請求項1に記載されたエンジンにおいて、
    前記バランサ軸は、
    前記フランジ部と共にウエイト部とを含み、軸心方向に沿って延びる挿入孔が形成されているバランサ軸本体と、
    前記バランサ軸本体の挿入孔に挿入される支持軸と、
    を有し、
    前記クランクケースには、前記支持軸を前記クランクケースの内部に挿入するための挿入口が形成されており、
    前記位置決め部材は、前記バランサ軸の下方に配置されているエンジン。
  8. 請求項1に記載されたエンジンにおいて、
    前記フランジ部は、前記バランサ軸の軸心の延びる方向において相互に間隔をおいて配置されている第1のフランジ部と第2のフランジ部とを有するエンジン。
  9. 前記締結部材は、軸部と、前記軸部の一端に形成された頭部とを有し、
    前記頭部が前記ガイド溝内に位置しており、前記軸部が前記ケーシング部材側に締め込まれている、請求項1〜8のいずれか一項に記載のエンジン。
  10. 前記ガイド溝内に前記頭部が収容された穴が形成されている、請求項9に記載のエンジン。
  11. 請求項1に記載のエンジンを備える車両。
  12. クランクケースと、前記クランクケース内に回転可能に配置されたクランクシャフトと、前記クランクシャフトの回転に伴って回転し、径方向外側に向かって延びるフランジ部を有するバランサ軸と、前記フランジ部が内部を摺動するガイド溝が形成されている位置決め部材と、前記位置決め部材を前記クランクケースに対して固定する締結部材とを備え、
    前記締結部材は、前記締結部材の締結方向から視た際に前記締結部材の少なくとも一部が前記ガイド溝と重なるように配置されており、
    前記バランサ軸は、前記フランジ部とウエイト部とを含み、軸心の延びる方向に延びる挿入孔が形成されているバランサ軸本体と、前記バランサ軸本体の挿入孔に挿入されている支持軸とを有し、
    前記クランクケースには、挿入口が形成されており、
    前記位置決め部材は、前記バランサ軸の下方に配置されているエンジンの製造方法であって、
    前記クランクケースに前記位置決め部材を固定する工程と、
    前記固定された位置決め部材の上にバランサ軸本体を配置する工程と、
    前記挿入口から前記支持軸を挿入することにより、前記位置決め部材の上に配置されたバランサ軸本体の挿入孔に前記支持軸を挿入する工程と、
    を備えるエンジンの製造方法。
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