JP2019039647A - ガスコンロ - Google Patents
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Abstract
【課題】ガスコンロの電池が消耗しても点火時のコンロバーナーの火力を安定させる。【解決手段】駆動モーターを用いてガス流量調節弁のニードル弁体を進退動させて、コンロバーナーに供給する燃料ガスのガス流量を制御する。ガス流量を精度良く制御するために、ニードル弁体を全閉位置に移動させた後、その位置を基準にして初期位置に移動させ、その初期位置からニードル弁体を進退動させてガス流量を制御する。そして、その初期位置を、駆動モーターに電力を供給する電池の電圧値に応じて変更する。こうすれば、ニードル弁体と弁座とが当接する箇所に設けられたゴム製または樹脂製の当接部が変形して、電池の電圧値によって全閉位置が変化する影響を吸収することができる。その結果、ガスコンロの電池が消耗してきた場合でも、コンロバーナーの火力を安定させることが可能となる。【選択図】図7
Description
本発明は、燃料ガスを燃焼させるコンロバーナーと、コンロバーナーの火力を調節する火力調節ツマミとを搭載したガスコンロに関する。
コンロバーナーを用いて燃料ガスを燃焼させるガスコンロには、コンロバーナーに供給される燃料ガスのガス流量を調節するガス流量調節弁や、ユーザーによって操作される火力調節摘みが搭載されている。このため、ガスコンロのユーザーは、火力調節摘みを回転(あるいはスライド)させることによって、コンロバーナーの火力を所望の強さに調節することができる。
また、コンロバーナーに点火する際には、燃料ガスのガス流量が少なすぎると点火が困難となり、逆にガス流量が多すぎると、点火したときの炎が大きくなり過ぎてしまうので、点火に適したガス流量が存在する。このためガスコンロでは、ユーザーがガス流量を調節しなくても、確実にコンロバーナーに点火することができるように、点火に適したガス流量に自動的に調節されることが望ましい。
そこで、ガス流量調節弁をモーターで駆動することが提案されている。こうすれば、ユーザーによる火力調節摘みの回転量(あるいはスライド量)に応じて、モーターでガス流量調節弁を駆動することによってガス流量を調節することができ、更に、点火の際には、点火用のガス流量に自動的に調節しておくことができる(特許文献1)。尚、この提案の技術では、ガス流量調節弁でガス流量を調節する方法として、燃料ガスの流路に設けた回転板をモーターで回転させると、流路の開口面積が変化してガス流量が増減する方法が採用されている。もちろん、ガス流量調節弁にいわゆるニードル弁を採用して、ニードル弁の弁体をモーターで移動させることによってもガス流量を増減させることができる。
しかし、ガスコンロのガス流量調節弁にニードル弁を採用して、ニードル弁の弁体をモーターで移動させることによってガス流量を調節する場合、ガスコンロの電池が消耗してくると、点火時のコンロバーナーの火力が不安定になることがあるという問題があった。その結果、例えば点火時の炎が大きくなり過ぎたり、あるいは炎が小さくなり過ぎて点火できなかったりすることがあった。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題に対応してなされたものであり、ガスコンロの電池が消耗してきた場合でも、点火時のコンロバーナーの火力を安定させることが可能なガスコンロの提供を目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明のガスコンロは次の構成を採用した。すなわち、
燃料ガスを燃焼させるコンロバーナーと、該コンロバーナーに前記燃料ガスを供給するガス供給経路上に設けられたガス流量調節弁と、該ガス流量調節弁を駆動することによって前記燃料ガスのガス流量を調節する駆動モーターと、該駆動モーターに電力を供給する電池と、前記駆動モーターを制御する制御部とを備えるガスコンロにおいて、
前記ガス流量調節弁は、
前記燃料ガスが流出する弁孔が形成された弁座と、
前記駆動モーターで駆動されることによって前記弁座に向かって進退動可能に設けられて、前記弁座に当接することによって前記弁孔を閉鎖状態とするニードル弁体と
を備えるとともに、
前記弁座または前記ニードル弁体の少なくとも一方は、前記弁座と前記ニードル弁体とが当接する当接部が、ゴム材料または樹脂材料で形成されており、
前記制御部は、
前記電池の電圧値を検出する電圧検出部を備え、
前記弁孔が閉鎖状態となったときの前記ニードル弁体の位置である全閉位置を基準にして、前記ニードル弁体の弁体位置を制御するとともに、
前記全閉位置からの前記ニードル弁体の初期位置を、前記電池の電圧値に応じて変更する
ことを特徴とする。
燃料ガスを燃焼させるコンロバーナーと、該コンロバーナーに前記燃料ガスを供給するガス供給経路上に設けられたガス流量調節弁と、該ガス流量調節弁を駆動することによって前記燃料ガスのガス流量を調節する駆動モーターと、該駆動モーターに電力を供給する電池と、前記駆動モーターを制御する制御部とを備えるガスコンロにおいて、
前記ガス流量調節弁は、
前記燃料ガスが流出する弁孔が形成された弁座と、
前記駆動モーターで駆動されることによって前記弁座に向かって進退動可能に設けられて、前記弁座に当接することによって前記弁孔を閉鎖状態とするニードル弁体と
を備えるとともに、
前記弁座または前記ニードル弁体の少なくとも一方は、前記弁座と前記ニードル弁体とが当接する当接部が、ゴム材料または樹脂材料で形成されており、
前記制御部は、
前記電池の電圧値を検出する電圧検出部を備え、
前記弁孔が閉鎖状態となったときの前記ニードル弁体の位置である全閉位置を基準にして、前記ニードル弁体の弁体位置を制御するとともに、
前記全閉位置からの前記ニードル弁体の初期位置を、前記電池の電圧値に応じて変更する
ことを特徴とする。
かかる本発明のガスコンロにおいては、駆動モーターでガス流量調節弁を駆動することによって、コンロバーナーに供給する燃料ガスのガス流量を制御する。ガス流量調節弁には、弁孔が形成された弁座と、弁座に向かって進退動可能なニードル弁体とが設けられており、駆動モーターを用いてニードル弁体を進退動させることによって、弁孔を通過する燃料ガスのガス流量を調節することができる。また、燃料ガスのガス流量を精度良く制御するために、ニードル弁体を全閉位置に一旦移動させて、その位置を基準にしてニードル弁体を初期位置に移動させ、その初期位置からニードル弁体を進退動させることによって、燃料ガスのガス流量を制御する。そして、その初期位置は、駆動モーターに電力を供給する電池の電圧値に応じて設定される初期位置となっている。ここで、ニードル弁体と弁座とが当接する箇所には、ゴム材料または樹脂材料で形成された当接部が設けられており、ニードル弁体を全閉位置にすると当接部が変形する。このため、駆動モーターに電力を供給する電池の電圧値が異なると、当接部の変形量が変わって、全閉位置も変化する。そこで、全閉位置を基準としたニードル弁体の初期位置を、電池の電圧値に応じて適切な初期位置に変更する。
こうすれば、電池の電圧値の違いによる全閉位置の変化を吸収することができるので、全閉位置を基準として決定したニードル弁体の初期位置が、電池の電圧値の違いによって変化することを抑制することができる。その結果、ガスコンロの電池が消耗してきた場合でも、ニードル弁体の初期位置が変化することを抑制することができるので、燃料ガスのガス流量を同じように制御することが可能となり、点火時のコンロバーナーの火力を安定させることが可能となる。
また、上述した本発明のガスコンロにおいては、電池の電圧値に加えて、ガス流量調節弁の環境温度も検出しておき、全閉位置を基準としたニードル弁体の初期位置を、電池の電圧値および環境温度に応じた初期位置としても良い。
当接部の変形量は、ガス流量調節弁の環境温度によっても変化する。従って、駆動モーターに電力を供給する電池の電圧値に加えて、環境温度も考慮した初期位置としておけば、ニードル弁体の初期位置が変化することを、より一層抑制することができる。その結果、ガスコンロの電池が消耗してきた場合でも、点火時のコンロバーナーの火力をより一層安定させることが可能となる。
また、ガス流量調節弁の環境温度も考慮して初期位置を決定する上述した本発明のガスコンロにおいては、ガス流量調節弁の中の当接部の環境温度を検出して、電池の電圧値と当接部の環境温度とに基づいて、ニードル弁体の初期位置を変更してもよい。
こうすれば、当接部の変形量をより精度良く反映した状態でニードル弁体の初期位置を変更することができるので、ガスコンロの電池が消耗してきた場合でも、点火時のコンロバーナーの火力をより一層安定させることが可能となる。
また、上述した本発明のガスコンロにおいては、コンロバーナーに点火するための弁体位置を、ニードル弁体の初期位置としてもよい。
こうすれば、ガスコンロの電池が消耗してきた場合でも、コンロバーナーの点火時の火力を安定させることができるので、点火時の炎が大きくなり過ぎたり、あるいは点火時の炎が小さすぎて、点火に失敗したりすることなく、安定して点火することが可能となる。
A.装置構成 :
図1は、本実施例のガスコンロ1の外観斜視図である。本実施例のガスコンロ1はビルトインタイプとなっており、コンロ本体ケース2と、コンロ本体ケース2の上面に設置された天板3と、天板3に形成された開口から突出して設けられた複数(本実施例では3つ)のコンロバーナー5などを備える。3つのコンロバーナー5のうちの2つは、天板3の前部側の左右に配置され、残りの1つは、天板3の後部側に配置されている。また、ガスコンロ1の前面にはグリル扉6が設けられており、グリル扉6の内部には図示しないグリルが設けられている。ガスコンロ1の前面には、向かって右側の位置に、3つのコンロバーナー5の火力を調節するための火力調節摘み11が配置されている。また、ガスコンロ1の前面に向かって左側の位置には、グリルの火力を調節するための火力調節摘み11が配置されている。更に、これらの火力調節摘み11の奥側には、コンロバーナー5やグリルの火力を調節するための図示しない火力調節ユニットが内蔵されている。火力調節ユニットについては、後ほど別図を用いて詳しく説明する。
図1は、本実施例のガスコンロ1の外観斜視図である。本実施例のガスコンロ1はビルトインタイプとなっており、コンロ本体ケース2と、コンロ本体ケース2の上面に設置された天板3と、天板3に形成された開口から突出して設けられた複数(本実施例では3つ)のコンロバーナー5などを備える。3つのコンロバーナー5のうちの2つは、天板3の前部側の左右に配置され、残りの1つは、天板3の後部側に配置されている。また、ガスコンロ1の前面にはグリル扉6が設けられており、グリル扉6の内部には図示しないグリルが設けられている。ガスコンロ1の前面には、向かって右側の位置に、3つのコンロバーナー5の火力を調節するための火力調節摘み11が配置されている。また、ガスコンロ1の前面に向かって左側の位置には、グリルの火力を調節するための火力調節摘み11が配置されている。更に、これらの火力調節摘み11の奥側には、コンロバーナー5やグリルの火力を調節するための図示しない火力調節ユニットが内蔵されている。火力調節ユニットについては、後ほど別図を用いて詳しく説明する。
火力調節摘み11は、コンロバーナー5やグリルを使用していない間は、ガスコンロ1の前面とほぼ面位置に引っ込んだ状態となっており、ユーザーが火力調節摘み11を掴んで回転させることは出来ない。しかし、何れかの火力調節摘み11を、その状態から更に押し込むと、押し込まれた火力調節摘み11に対応するコンロバーナー5(あるいはグリル)が点火されるとともに、火力調節摘み11がガスコンロ1の前面から突出した状態となる。このためユーザーは、その火力調節摘み11を掴んで回転させることによって、点火したコンロバーナー5(あるいはグリル)の火力を調節することが可能となる。また、突出した状態の火力調節摘み11を押し込むと、燃焼していたコンロバーナー5(あるいはグリル)が消火するとともに、火力調節摘み11は、再び、ガスコンロ1の前面とほぼ面位置に引っ込んだ状態となる。
図2は、本実施例のガスコンロ1に搭載されている火力調節ユニット7の分解組立図である。火力調節ユニット7は、大まかには、燃料ガスが通過するバルブユニット20と、バルブユニット20に取り付けられて、燃料ガスのガス流量を調節した後、コンロバーナー5あるいはグリルに供給する流量調節ユニット30と、ユーザーによって操作される操作ユニット10の3つの部分によって形成されている。
このうちの操作ユニット10は、ユーザーによって操作される前述した火力調節摘み11と、火力調節摘み11が取り付けられる回転支持体12と、回転支持体12が取り付けられるロッド16と、ロッド16を軸方向に摺動可能に保持するロッドケース17とを備えている。また、回転支持体12にはギア13が形成されており、このギア13には入力ギア14が嵌合するとともに、入力ギア14の回転軸にはロータリーエンコーダー15が取り付けられている。このため、ユーザーが火力調節摘み11を回転させると、その動きが回転支持体12のギア13を介して入力ギア14に伝わって、ロータリーエンコーダー15を回転させる結果、火力調節摘み11の回転量および回転方向を検出することが可能となっている。
バルブユニット20は、アルミニウムなどによるダイカスト製の本体ケース21を備えており、本体ケース21の内部には、燃料ガスのガス通路が形成されている。図2では、本体ケース21の下面側から燃料ガスが流入し、本体ケース21の内部を通って、上面に開口した連通口22から流出する。このガス通路には、図示しない主弁と電磁安全弁23とが設けられており、ガスコンロ1が使用されない間は、電磁安全弁23が主弁を付勢することによって、ガス通路を閉鎖している。また、主弁の弁軸24は、電磁安全弁23が接続されている側とは反対の方向にも延設されて、本体ケース21から突出した状態となっている。
流量調節ユニット30は、燃料ガスのガス流量を調節するガス流量調節弁31と、ガス流量調節弁31を駆動する駆動モーター32とを備えている。ガス流量調節弁31の下面側には、図示しない流入口が開口しており、ガス流量調節弁31をバルブユニット20の本体ケース21の上面側にネジ止めすると、ガス流量調節弁31の下面側に開口した流入口が、本体ケース21の上面に開口した連通口22に重なるようになっている。また、ガス流量調節弁31には、温度センサー31Tが取り付けられている。尚、本実施例の温度センサー31Tは、本発明における「温度検出部」に対応する。
前述したように、火力調節摘み11は回転支持体12に取り付けられ、回転支持体12はロッド16に取り付けられ、ロッド16はロッドケース17に摺動可能に保持されている。更に、ロッドケース17は、バルブユニット20の本体ケース21にネジ止めされる。そして、これら火力調節摘み11や、回転支持体12や、ロッド16を取り付けた状態で、ロッドケース17を本体ケース21にネジ止めすると、本体ケース21から突出している弁軸24の先端が、ロッド16の端面の位置に来る。また、火力調節摘み11は、回転支持体12に対して、ロッド16の軸方向に一定範囲内で摺動可能となっている。このため、ユーザーが火力調節摘み11をロッド16の軸方向に押し込むと、その動きがロッド16を介して弁軸24に伝わって、電磁安全弁23が付勢する力に抗して主弁が開弁する。その結果、図中で太い矢印で示したように、バルブユニット20の本体ケース21の下面側から流入した燃料ガスが、本体ケース21の内部のガス通路を通過して上面に開口する連通口22から流出し、そのままガス流量調節弁31に流れ込む。そして、ガス流量調節弁31でガス流量が調節された後、コンロバーナー5(あるいはグリル)に供給される。
また、ロータリーエンコーダー15や、温度センサー31Tや、駆動モーター32は制御部50に接続されている。制御部50は、いわゆるマイクロコンピューターであり、電池51を電源として動作する。周知のように、電池51は長期に亘って使用していると次第に電圧が低下する。そこで、制御部50には電圧検出部52が内蔵されており、電池51の電圧を監視している。そして、制御部50がロータリーエンコーダー15の出力に基づいて駆動モーター32を駆動すると、その動きがガス流量調節弁31に伝わって、燃料ガスのガス流量を制御することができる。
図3は、ガス流量調節弁31の内部構造を示す断面図である。図示されるように、ガス流量調節弁31は、内部に弁室33が形成されたハウジング31hと、ハウジング31hと共に弁室33を形成するゴム製のダイアフラム31dと、弁室33内に収納されたニードル弁体34とを備えている。尚、図3では、弁室33に粗い斜線を付して表示している。弁室33は、略円柱形状に形成されており、一端側には円形の弁座33sが形成され、弁座33sの中心位置には弁孔33oが形成されている。
また、ニードル弁体34は、弁座33sに当接して弁孔33oを閉鎖する主弁体35と、主弁体35の内部に同軸状に嵌め込まれた副弁体36とを備えている。主弁体35は金属材料で形成された略円筒形状の部材であり、主弁体35の一端側からは、先端部が円錐形状に形成された円柱状の凸部35aが突設しており、この凸部35aを取り巻くようにして、円環形状のシートリング37が取り付けられている。シートリング37はゴム材料あるいは軟質樹脂材料で形成されており、主弁体35はシートリング37の部分で弁座33sに当接する。また、凸部35aは中空となっており、凸部35aの中心軸上にはオリフィス35oが形成されている。更に、主弁体35は、コイルバネ35sによって、弁座33sから離れる方向に付勢されている。尚、本実施例のシートリング37は、本発明における「当接部」に対応する。
副弁体36は、硬質樹脂材料で形成された略円柱形状の部材であり、中心軸上の一端側からは、より小径で円柱形状に形成された閉鎖部36aが突設されている。この閉鎖部36aの先端部分は球面形状に形成されており、副弁体36を主弁体35に嵌め込んだ状態で副弁体36を主弁体35に当接すると、副弁体36の閉鎖部36aの先端部分が主弁体35のオリフィス35oに当接して、オリフィス35oを閉鎖するようになっている。また、副弁体36の側面からは、より大径で円筒形状のガイド部36bが突設されており、副弁体36はガイド部36bで主弁体35の内周面にガイドされながら、軸方向に摺動する。また、ガイド部36bの外周側面の一箇所からは爪部36cが突設されており、爪部36cは、主弁体35の内周面に形成された凹部35bに嵌め込まれている。このため、副弁体36が主弁体35に対して摺動可能な距離は、凹部35bに嵌め込まれた爪部36cが凹部35b内で移動可能な距離に制限されている。更に、副弁体36と主弁体35との間にはコイルバネ36sが取り付けられており、副弁体36はコイルバネ36sによって、閉鎖部36aの先端部分が主弁体35のオリフィス35oから離れる方向に付勢されている。また、副弁体36の他端側(閉鎖部36aが突設された側の反対側)は、ダイアフラム31dを挟み込むようにして、駆動軸32sに取り付けられている。駆動軸32sは、駆動モーター32の図示しない回転軸に対してネジ機構によって接続されており、駆動モーター32の回転軸を回転させると、1回転あたりにネジピッチに相当する距離だけ、駆動軸32sを軸方向に移動させることが可能となっている。尚、本実施例の駆動モーター32には、いわゆるステッピングモーターが用いられている。
ガス流量調節弁31の下面側には流入口31iが形成されており、流入口31iからは燃料ガスを弁室33に導くガス流入通路33iが形成されている。更に、ガス流量調節弁31のハウジング31hには、シートリング37の付近の環境温度を検出する温度センサー31Tが埋め込まれている。
図4は、駆動モーター32がガス流量調節弁31のニードル弁体34を移動させて、燃料ガスのガス流量を調節する様子を示した説明図である。図4(a)には、ガス流量調節弁31の全閉状態が示されている。全閉状態では、駆動モーター32が駆動軸32sを突出させることによって、副弁体36を主弁体35に押し付ける方向に移動させる。すると、副弁体36から突設されている閉鎖部36a(図3参照)の先端部分が、主弁体35のオリフィス35oに当接して閉鎖するとともに、主弁体35を弁座33sの方向に移動させる。その結果、主弁体35に取り付けられたシートリング37が弁座33sに当接して、弁孔33oを閉鎖する。図4(a)中で斜線を付した部分は、ガス流量調節弁31に流入した燃料ガスが存在する範囲を表している。上述したように、主弁体35のオリフィス35oは副弁体36の閉鎖部36aによって閉鎖されており、弁孔33oは主弁体35によって閉鎖されているので、ガス流量調節弁31に流入した燃料ガスがガス流量調節弁31から流出することはない。
図4(b)には、コンロバーナー5(あるいはグリル)の火力を最小火とした状態(最小火状態)が示されている。最小火状態では、上述した全閉状態よりも、副弁体36が少しだけ後退した位置となっている。図3を用いて前述したように、副弁体36の側面に突設された爪部36cは、主弁体35の内周面に形成された凹部35bに嵌め込まれており、凹部35b内で爪部36cが移動する範囲内で、副弁体36は主弁体35に対して軸方向に進退動させることができる。図4(b)に示した最小火状態は、爪部36cが凹部35bに当接しない範囲で、図4(a)の全閉状態から副弁体36を後退させた状態となっている。このため、全閉状態ではオリフィス35oを閉鎖していた副弁体36の閉鎖部36aがオリフィス35oから離れる結果、オリフィス35oを通過して燃料ガスがガス流量調節弁31から流出するようになる。尚、最小火状態では、主弁体35はシートリング37を介して弁座33sに押し付けられたままなので、弁孔33oから燃料ガスが流出することはない。しかし、最小火状態から副弁体36を後退させていくと、やがては副弁体36の爪部36cが主弁体35の凹部35bに当接し、それ以降は、副弁体36と一緒に主弁体35も後退するようになる。その結果、シートリング37が弁座33sから離間して、弁孔33oからも燃料ガスが流出するようになる。
図4(c)には、コンロバーナー5(あるいはグリル)に点火するためのガス流量に調節した状態(点火状態)が示されている。図4(b)に示した最小火状態と比較すれば明らかなように、点火状態では最小火状態よりも副弁体36が大きく後退し、これに伴って副弁体36の爪部36cが主弁体35の凹部35bに当接して、主弁体35も副弁体36と一緒に後退している。その結果、主弁体35のシートリング37が弁座33sから離間して、弁孔33oから燃料ガスが流出している。
図4(d)には、コンロバーナー5(あるいはグリル)の火力を最大火とした状態(最大火状態)が示されている。最大火状態では、上述した点火状態よりも、更に大きく副弁体36および主弁体35が後退し、それに伴って、弁孔33oを通過する燃料ガスの流量も点火状態よりも大きくなる。このように、ガス流量調節弁31は、ニードル弁体34の弁体位置を移動させることによって、燃料ガスのガス流量を増減させることが可能である。そして、ニードル弁体34は駆動モーター32によって駆動されており、図2に示した制御部50は、ニードル弁体34の弁体位置が適切な位置となるように駆動モーター32を制御することによって、コンロバーナー5(あるいはグリル)に供給される燃料ガスのガス流量を制御している。
B.弁体位置制御処理 :
図5は、本実施例の制御部50がニードル弁体34の弁体位置を制御する弁体位置制御処理のフローチャートが示されている。尚、図1を用いて前述したように、本実施例のガスコンロ1には3つのコンロバーナー5と1つのグリルとを備えており、図5の弁体位置制御処理は、それら3つのコンロバーナー5および1つのグリルのそれぞれに対して並行して実行される。
図5は、本実施例の制御部50がニードル弁体34の弁体位置を制御する弁体位置制御処理のフローチャートが示されている。尚、図1を用いて前述したように、本実施例のガスコンロ1には3つのコンロバーナー5と1つのグリルとを備えており、図5の弁体位置制御処理は、それら3つのコンロバーナー5および1つのグリルのそれぞれに対して並行して実行される。
図示されるように、弁体位置制御処理では先ず始めに、コンロバーナー5あるいはグリルがユーザーによって点火されたか否かを判断する(STEP1)。図1を用いて前述したように、ガスコンロ1の前面側には、コンロバーナー5およびグリルに対応させて火力調節摘み11が設けられており、ユーザーが火力調節摘み11を押し込むと、図2に示したバルブユニット20内の主弁が開いて、対応するコンロバーナー5あるいはグリルに燃料ガスが供給されるとともに、図示しない点火プラグが火花放電することによって燃料ガスの燃焼が開始される。また、コンロバーナー5およびグリルには、図示しない炎センサーが搭載されており、燃料ガスの燃焼が開始されると、炎センサーが炎を検知して制御部50に出力するようになっている。STEP1では、炎センサーで炎が検知されているか否かに基づいて、点火されたか否かを判断する。
その結果、まだ点火されていない場合は(STEP1:no)、STEP1の判断を繰り返すことによって待機状態となるが、点火されたと判断すると(STEP1:yes)、今度は、火力調節摘み11が回されたか否かを判断する(STEP2)。図2を用いて前述したように、ユーザーが火力調節摘み11を回転させると、その動きが回転支持体12およびギア13を介して入力ギア14に伝わって、ロータリーエンコーダー15を回転させる。このため、ロータリーエンコーダー15の出力に基づいて、火力調節摘み11が回されたか否かを判断することができる。
そして、火力調節摘み11が回されていない場合は(STEP2:no)、コンロバーナー5あるいはグリルが消火されたか否かを判断する(STEP6)。図1を用いて前述したように、コンロバーナー5あるいはグリルの点火後は、ガスコンロ1の前面から火力調節摘み11が突出した状態となっており、その状態からユーザーが火力調節摘み11を押し込むと、図2に示したバルブユニット20内の主弁が閉じて燃料ガスの供給が停止されて、炎センサーで炎が検知されなくなる。そこで、STEP6では炎センサーで炎が検知されている場合は、消火されていないと判断し(STEP6:no)、逆に、炎が検知されていない場合は消火されたと判断する(STEP6:yes)。
コンロバーナー5あるいはグリルが点火されて直ぐに消火されることは通常ないから、点火後の暫くの間は、消火されていないと判断されることになり(STEP6:no)、再び、火力調節摘み11が回されたか否かを判断する(STEP2)。そして、火力調節摘み11が回されていない場合は(STEP2:no)、再び、消火されたか否かを判断し(STEP6)、消火されていない場合は(STEP6:no)、火力調節摘み11が回されたか否かを判断する(STEP2)。このような判断を繰り返しているうちに、ユーザーによって火力調節摘み11が回されると、STEP2で「yes」と判断して、続いて、火力調節摘み11が回された方向が正方向(すなわち時計回り方向)か否かを判断する(STEP3)。本実施例では、ロータリーエンコーダー15の出力が増加していれば、火力調節摘み11が正方向に回されたと判断し、逆にロータリーエンコーダー15の出力が減少していれば、火力調節摘み11が負方向に回されたと判断する。
その結果、火力調節摘み11の回転方向が正方向であった場合は(STEP3:yes)、火力調節摘み11の回転量に応じた距離だけニードル弁体34を後退させる(STEP4)。ここで後退とは、ニードル弁体34を弁座33sから離間させる方向に移動させることを言う。前述したように本実施例では駆動モーター32にステッピングモーターが採用されており、火力調節摘み11の回転量に応じたステップ数だけ、ステッピングモーターを正方向に回転させることによって、回転量に応じた距離だけニードル弁体34を後退させることができる。また、火力調節摘み11の回転方向が負方向であった場合は(STEP3:no)、回転量に応じた距離だけニードル弁体34を前進させる(STEP4)。ここで前進とは、ニードル弁体34を弁座33sに接近させる方向に移動させることを言う。火力調節摘み11の回転量に応じたステップ数だけ、ステッピングモーターを負方向に回転させれば、回転量に応じた距離だけニードル弁体34を前進させることができる。
こうして、火力調節摘み11の回転方向および回転量に応じてニードル弁体34を移動させたら(STEP4、STEP5)、再び、火力調節摘み11が回されたか否かを判断する(STEP2)。そして、火力調節摘み11が回されていない場合は(STEP2:no)、コンロバーナー5あるいはグリルが消火されたか否かを判断し(STEP6)、消火されていない場合は(STEP6:no)、火力調節摘み11が回されたか否かを判断する(STEP2)。また、火力調節摘み11が回された場合は(STEP2:yes)、火力調節摘み11の回転方向および回転量に応じてニードル弁体34を移動させた後(STEP4、STEP5)、再び、火力調節摘み11が回されたか否かを判断する(STEP2)。このような操作を繰り返すことによって、ユーザーが火力調節摘み11を回す操作に応じてニードル弁体34の弁体位置を移動させて、コンロバーナー5あるいはグリルの火力を調節することができる。
そして、コンロバーナー5あるいはグリルが消火されたと判断したら(STEP6:yes)、次回の点火に備えて、ニードル弁体34を予め点火用の初期位置に移動させるべく、以下のような操作を実行する。尚、コンロバーナー5あるいはグリルの点火後はニードル弁体34の弁体位置を移動させて火力を調節しているにも拘わらず、点火時には弁体位置を制御していないのは、消火後に、ニードル弁体34を点火用の初期位置に予め移動しているためである。
先ず、ニードル弁体34を全閉位置まで移動させる(STEP7)。ここで全閉位置とは、ガス流量調節弁31が、図4(a)に示した全閉状態となるようなニードル弁体34の位置である。もっとも、本実施例ではニードル弁体34の移動量は検出可能であるものの、ニードル弁体34の絶対位置は検出していない。そこで、ニードル弁体34が何処にあっても、確実に全閉位置まで移動させることが可能な所定距離、ニードル弁体34を前進させることによって、ニードル弁体34を全閉位置に移動させる。もちろん、このようにした場合、ニードル弁体34は過剰に前進させられることになる。しかし、ニードル弁体34の主弁体35に取り付けられたシートリング37が弁座33sに当接した後は、ニードル弁体34がそれ以上に前進しなくなる。このため、ニードル弁体34を駆動している駆動モーター32(本実施例ではステッピングモーター)が空回りして、駆動モーター32が発生するトルクでニードル弁体34が弁座33sにしっかりと押し付けられた状態となる。
次に、シートリング37の付近の環境温度と、電池51の電圧値とを検出する(STEP8)。シートリング37の付近の環境温度は、ハウジング31hに埋め込まれた温度センサー31Tによって検出することができる(図3参照)。また、電池51の電圧値は、電圧検出部52によって検出することができる(図2参照)。こうして検出した環境温度および電圧値に基づいて、ニードル弁体34を全閉位置から点火用の初期位置まで移動させるために必要な移動量を決定する(STEP9)。
図6は、ニードル弁体34を点火用の初期位置まで移動させるための移動量を、環境温度および電圧値に基づいて決定する様子を示した説明図である。先ず始めに、最も標準的な環境温度である20℃〜30℃の場合について説明すると、電池51の電圧値が2.2V以下の場合は、電圧値が低すぎるので使用できないが、電圧値が2.2V〜2.6Vの範囲にある場合は、ニードル弁体34の移動量を、標準移動量よりも一定量dLだけ小さな移動量に決定する。ここで、電圧値が2.2V〜2.6Vの範囲とは、まだ電池51を交換するほどではないが、だいぶ電池51が弱ってきている状態である。電圧値がもう少し高い2.6V〜3.0Vの範囲にある場合は標準移動量に決定する。ここで、電圧値が2.6V〜3.0Vの範囲とは、電池51がまだ十分に使える状態(すなわち標準的な状態)である。電圧値が更に高い3.0V以上になると標準移動量よりも一定量dLだけ大きな移動量に決定する。ここで、電圧値が3.0V以上とは、電池51の製造バラツキなどの理由で、電圧が標準よりも高めとなっている状態である。従って、電池51の電圧が、標準の電圧よりも低くなっている場合は、ニードル弁体34の移動量も標準より小さくし、逆に、電池51の電圧が標準の電圧よりも高い場合は、ニードル弁体34の移動量も標準より大きくしていることになる。このように、電池51の電圧値が高くなるに従って、ニードル弁体34の移動量を大きくするのは、以下のような理由による。
図5で説明したように、ニードル弁体34を点火用の初期位置に移動させるに際しては、先ず始めにニードル弁体34を全閉位置まで移動させておく(STEP7参照)。そして、この位置を基準点にして、点火用の初期位置までニードル弁体34を移動させる(STEP9参照)。また、ニードル弁体34が何処にあっても必ず全閉位置に移動させることが可能なように、ニードル弁体34を過剰に前進させることによって、ニードル弁体34が確実に弁座33sに当接するようにしている。
ここで、ニードル弁体34はシートリング37を介して弁座33sに当接するので、駆動モーター32がニードル弁体34を過剰に前進させると、駆動モーター32のトルクでシートリング37が変形する。そして、その変形量は、駆動モーター32が発生するトルクが大きくなるほど(従って、電池51の電圧値が高くなるほど)、変形量も大きくなる。すなわち、ニードル弁体34を点火用の初期位置に移動させるための基準点としている全閉位置が、シートリング37の変形量の分だけずれていることになる。当然ながら、基準点がずれている状態では、同じ移動量でニードル弁体34を移動させても、点火用の初期位置にニードル弁体34を正確に移動させることはできない。従って、シートリング37の変形量による基準点(すなわち全閉位置)のずれを考慮して、ニードル弁体34の移動量を決定する必要がある。
図7は、ニードル弁体34を全閉位置から点火用の初期位置まで戻すための移動量が、ニードル弁体34の全閉位置のずれに応じて異なる様子を示した説明図である。図中では、左方向がニードル弁体34の後退方向であり、右方向がニードル弁体34の前進方向である。ニードル弁体34を一番前進させた位置が全閉位置となり、この全閉位置を基準として、ニードル弁体34が点火用の初期位置まで戻される。ところが、シートリング37の変形量の違いによって、基準となる全閉位置が変化する。
例えば、電池51の電圧値が標準よりも高い場合は、駆動モーター32のトルクが大きくなるので、シートリング37の変形量も標準の変形量より大きくなる。その結果、全閉状態となった時のニードル弁体34の位置は、標準の全閉位置よりも前進した位置となるので、全閉位置から点火用の初期位置までニードル弁体34を戻すための移動量は、標準移動量よりも大きな移動量とする必要がある。図7中に細かい斜線を付した矢印は、全閉位置が標準の全閉位置よりも前進したために、ニードル弁体34を全閉位置から点火用の初期位置まで戻すために必要な移動量が、標準移動量よりも大きくなったことを表している。
また逆に、電池51の電圧値が標準よりも低い場合は、駆動モーター32のトルクが小さくなるので、シートリング37の変形量も標準の変形量より小さくなり、全閉状態となった時のニードル弁体34の位置は、標準の全閉位置よりも後退した位置となる。このため、全閉位置から点火用の初期位置までニードル弁体34を戻すための移動量は、標準の移動量よりも小さな移動量とする必要がある。図7中に粗い斜線を付した矢印は、全閉位置が標準の全閉位置よりも後退したために、ニードル弁体34を全閉位置から点火用の初期位置まで戻すために必要な移動量が、標準移動量よりも小さくなったことを表している。図6で、環境温度が標準的な温度範囲である20℃〜30℃の場合に、電池51の電圧値が高くなるに従って、ニードル弁体34の移動量が大きくなっているのは、このような理由によるものである。
次に、電池51の電圧値が、標準的な電圧値である2.6V〜3.0Vの範囲にある場合に着目すると、環境温度が20℃以下では、ニードル弁体34の移動量が標準移動量よりも一定量dLだけ小さな移動量に決定される。また、環境温度が20℃〜40℃の範囲では標準移動量に決定され、環境温度が40℃以上になると、標準移動量よりも一定量dLだけ大きな移動量に決定される。このように、環境温度が高くなるに従って、ニードル弁体34の移動量が大きくなっているのも、ガス流量調節弁31を全閉状態としたときにシートリング37の変形によって、ニードル弁体34の全閉位置がずれることを考慮したためである。
すなわち、シートリング37はゴム材料あるいは軟質樹脂材料で形成されているので、環境温度が低いと硬くなって変形量が小さくなる。このため、ガス流量調節弁31が全閉状態となった時のニードル弁体34の弁体位置は、標準的な全閉位置よりも後退した位置となり、全閉位置から点火用の初期位置までニードル弁体34を戻すための移動量は、標準移動量よりも小さくする必要がある(図7参照)。逆に、環境温度が高い場合はシートリング37が軟らかくなって変形量が大きくなるので、ガス流量調節弁31が全閉状態となった時のニードル弁体34の弁体位置は、標準的な全閉位置よりも前進した位置となる。そのため、全閉位置から点火用の初期位置までニードル弁体34を戻すための移動量は、標準移動量よりも大きくする必要がある(図7参照)。図6で、電池51の電圧値が標準的な電圧範囲である2.6V〜3.0Vの場合に、環境温度が高くなるに従って、ニードル弁体34の移動量が大きくなっているのは、このような理由によるものである。
以上では、標準的な環境温度である20℃〜30℃の温度範囲、あるいは標準的な電圧値である2.6V〜3.0Vの電圧範囲について説明したが、他の温度範囲あるいは電圧範囲でも同様なことが当て嵌まる。例えば、標準的な環境温度よりも少し温度が低い10℃〜20℃の温度範囲では、シートリング37が変形し難くなるので、3.0V以上の電圧値でなければ、シートリング37は標準程度に変形せず、それ以下の電圧範囲(すなわち、2.2V〜3.0V)では、標準よりも変形量が小さくなる。このため、電圧値が2.2V〜3.0Vの範囲では、ニードル弁体34の移動量は、標準移動量よりも一定量dLだけ小さくし、電圧値が3.0V以上の場合には、標準移動量とする。更に環境温度が低くなって、10℃以下になると、シートリング37がほとんど変形しなくなるので、電圧値によらず、ニードル弁体34の移動量は、標準移動量よりも一定量dLだけ小さくする。
また、標準的な環境温度よりも少し温度が高い30℃〜40℃の温度範囲では、シートリング37が変形し易くなるので、2.2V〜2.6Vの電圧値でもシートリング37は標準程度に変形する。このため、電圧値が2.2V〜3.0Vの範囲では、ニードル弁体34の移動量は、標準移動量となり、電圧値が3.0V以上の場合には、標準移動量よりも一定量dLだけ大きな移動量とする。更に環境温度が高くなって、40℃以上になると、シートリング37が更に変形し易くなる。このため、電圧値が2.2V〜2.6Vの範囲では、ニードル弁体34の移動量は、標準移動量とし、電圧値が2.6V以上の場合には、標準移動量よりも一定量dLだけ大きな移動量とする。
図5に示した弁体位置制御処理のSTEP8で、シートリング37の付近の環境温度および電池51の電圧値を検出し、更に、STEP9で、環境温度および電圧値に基づいて、ニードル弁体34を全閉位置から点火用の初期位置まで移動させるために必要な移動量を決定しているのは、以上のような理由によるものである。こうして、ニードル弁体34の移動量を決定したら(STEP9)、ニードル弁体34を全閉位置から点火用の初期位置まで移動させた後(STEP10)、図5の弁体位置制御処理を終了する。
以上に説明したように、本実施例のガスコンロ1では、コンロバーナー5あるいはグリルの消火時にニードル弁体34を全閉位置に移動させ、その全閉位置を基準として、ニードル弁体34を点火用の初期位置に移動させている。このため、次回の点火時には、ニードル弁体34を点火用の初期位置に移動させることなく、速やかにコンロバーナー5あるいはグリルに点火することが可能となる。また、ニードル弁体34を全閉位置に移動させる際には、ニードル弁体34の移動量を過剰な移動量としているので、ニードル弁体34の弁体位置を検出することなく、確実に全閉位置まで移動させることができる。
もちろん、このような方法でニードル弁体34を全閉位置まで移動させた場合、ニードル弁体34と弁座33sとが当接するシートリング37が変形するので、全閉位置まで移動したニードル弁体34の実際の位置は、電池51の電圧値に応じて異なった位置となる。このため、ニードル弁体34を全閉位置から点火用の初期位置まで移動させる際に、同じ移動量としたのでは、点火用の初期位置がばらついて、点火時の炎の大きさが大きくなり過ぎたり、あるいは炎が小さくなり過ぎて点火に失敗したりする虞がある。これに対して、本実施例のガスコンロ1では、ニードル弁体34を全閉位置から点火用の初期位置まで移動させるための移動量を、電池51の電圧値に応じた移動量としているので、点火用の初期位置がばらつくことを抑制することができる。加えて、ニードル弁体34の移動量を決定する際に、シートリング37の環境温度も考慮しているので、点火用の初期位置のばらつきを更に抑制することができる。このため、点火時の火力を、常に安定した大きさとすることが可能となる。
以上、本実施例のガスコンロ1について説明したが、本発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上述した実施例では、シートリング37はニードル弁体34の側に取り付けられているものとして説明した。しかし、ニードル弁体34ではなく、弁座33sの側にシートリング37が取り付けられていても構わない。
1…ガスコンロ、 3…天板、 5…コンロバーナー、 6…グリル扉、
7…火力調節ユニット、 10…操作ユニット、 11…火力調節摘み、
12…回転支持体、 15…ロータリーエンコーダー、 16…ロッド、
17…ロッドケース、 20…バルブユニット、 21…本体ケース、
23…電磁安全弁、 24…弁軸、 30…流量調節ユニット、
31…ガス流量調節弁、 31T…温度センサー、 31d…ダイアフラム、
31h…ハウジング、 32…駆動モーター、 32s…駆動軸、
33…弁室、 33o…弁孔、 33s…弁座、
34…ニードル弁体、 35…主弁体、 35a…凸部、
35o…オリフィス、 35s…コイルバネ、 36…副弁体、
36a…閉鎖部、 36s…コイルバネ、 37…シートリング、
50…制御部、 51…電池、 52…電圧検出部。
7…火力調節ユニット、 10…操作ユニット、 11…火力調節摘み、
12…回転支持体、 15…ロータリーエンコーダー、 16…ロッド、
17…ロッドケース、 20…バルブユニット、 21…本体ケース、
23…電磁安全弁、 24…弁軸、 30…流量調節ユニット、
31…ガス流量調節弁、 31T…温度センサー、 31d…ダイアフラム、
31h…ハウジング、 32…駆動モーター、 32s…駆動軸、
33…弁室、 33o…弁孔、 33s…弁座、
34…ニードル弁体、 35…主弁体、 35a…凸部、
35o…オリフィス、 35s…コイルバネ、 36…副弁体、
36a…閉鎖部、 36s…コイルバネ、 37…シートリング、
50…制御部、 51…電池、 52…電圧検出部。
Claims (4)
- 燃料ガスを燃焼させるコンロバーナーと、該コンロバーナーに前記燃料ガスを供給するガス供給経路上に設けられたガス流量調節弁と、該ガス流量調節弁を駆動することによって前記燃料ガスのガス流量を調節する駆動モーターと、該駆動モーターに電力を供給する電池と、前記駆動モーターを制御する制御部とを備えるガスコンロにおいて、
前記ガス流量調節弁は、
前記燃料ガスが流出する弁孔が形成された弁座と、
前記駆動モーターで駆動されることによって前記弁座に向かって進退動可能に設けられて、前記弁座に当接することによって前記弁孔を閉鎖状態とするニードル弁体と
を備えるとともに、
前記弁座または前記ニードル弁体の少なくとも一方は、前記弁座と前記ニードル弁体とが当接する当接部が、ゴム材料または樹脂材料で形成されており、
前記制御部は、
前記電池の電圧値を検出する電圧検出部を備え、
前記弁孔が閉鎖状態となったときの前記ニードル弁体の位置である全閉位置を基準にして、前記ニードル弁体の弁体位置を制御するとともに、
前記全閉位置からの前記ニードル弁体の初期位置を、前記電池の電圧値に応じて変更する
ことを特徴とするガスコンロ。 - 請求項1に記載のガスコンロにおいて、
前記制御部は、
前記ガス流量調節弁の環境温度を検出する温度検出部に接続されており、
前記全閉位置からの前記ニードル弁体の初期位置を、前記電池の電圧値と前記環境温度とに応じて変更する
ことを特徴とするガスコンロ。 - 請求項2に記載のガスコンロにおいて、
前記温度検出部は、前記当接部の環境温度を検出する
ことを特徴とするガスコンロ。 - 請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載のガスコンロにおいて、
前記ニードル弁体の初期位置は、前記コンロバーナーに点火するための弁体位置である
ことを特徴とするガスコンロ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017164121A JP2019039647A (ja) | 2017-08-29 | 2017-08-29 | ガスコンロ |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021085607A (ja) * | 2019-11-27 | 2021-06-03 | 株式会社ノーリツ | ガスコンロ |
JP2021092340A (ja) * | 2019-12-09 | 2021-06-17 | リンナイ株式会社 | ガスコンロ |
JP2021092338A (ja) * | 2019-12-09 | 2021-06-17 | リンナイ株式会社 | ガスコンロ |
-
2017
- 2017-08-29 JP JP2017164121A patent/JP2019039647A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021085607A (ja) * | 2019-11-27 | 2021-06-03 | 株式会社ノーリツ | ガスコンロ |
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JP7303097B2 (ja) | 2019-12-09 | 2023-07-04 | リンナイ株式会社 | ガスコンロ |
JP7303098B2 (ja) | 2019-12-09 | 2023-07-04 | リンナイ株式会社 | ガスコンロ |
KR102674050B1 (ko) | 2019-12-09 | 2024-06-10 | 린나이코리아 주식회사 | 가스 레인지 |
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