図1に示す本発明の実施形態のガスコンロは、ビルトイン式のものであり、図示省略したシステムキッチンのカウンタトップに開設したコンロ開口に落とし込むようにして設置されるコンロ本体1と、コンロ本体1の上面を覆うようにしてカウンタトップ上に載置される天板2と、天板2上に露出する前側左の♯1と前側右の♯2と後側の♯3の計3個のバーナ3と、コンロ本体1内に組み込んだグリル4とを備えている。
図2を参照して、ガスコンロのガス供給路5は、これに介設した元弁6の下流側で4本の分岐路5aに分岐され、そのうち3本の分岐路5aが♯1〜♯3のバーナ3に接続され、残りの1本の分岐路5aがグリル4に設けられた♯4のバーナ3に接続されている。そして、♯1〜♯4の各バーナ3用の分岐路5aには、後述する電磁安全弁72と流量調節弁73とが組み込まれた♯1〜♯4の各ガス弁装置7が介設されている。
また、各バーナ3には、点火電極31が付設されている。そして、♯1〜♯3の3個のバーナ3の3個の点火電極31に高電圧を印加するイグナイタ321と、♯4のバーナ3の点火電極31に高電圧を印加するイグナイタ322とが設けられている。また、各バーナ3には、図示省略した熱電対等の火炎検知素子も付設されている。
コンロ本体1の前面パネル1aには、電源スイッチ11と、♯1〜♯4のバーナ3用の♯1〜♯4の点消火ボタン12とが設けられている。各点消火ボタン12は、プッシュプッシュ式であって、前面パネル1aに没入した図1に示す消火位置から一旦押し込んで押込み解除することにより前面パネル1aの前方の燃焼位置に突出し、この状態で火力調節のために回動操作することができるようになっている。電源スイッチ11、各バーナ3の点消火ボタン12の操作検知スイッチ(図示省略)からの信号は、各バーナ3の火炎検知素子からの信号と共に電子制御手段たるマイクロコンピュータから成るコントローラ8に入力される。そして、このコントローラ8により、イグナイタ321,322、元弁6及び♯1〜♯4の各ガス弁装置7が制御される。尚、コントローラ8には、電源としての乾電池9から電源スイッチ11に連動するスイッチ11aを介して通電される。
図3を参照して、元弁6は、ガス流入口61aと、ガス流出口61bと、ガス流出口61bの開設箇所に設けられた弁座61cとを有するバルブケーシング61と、バルブケーシング61内に弁座61cに対向するように配置され、弁座61cに着座する閉じ方向にバネ62で付勢される弁体63と、弁体63に連結した吸着片64に対向する電磁石65と、電磁石65を送りねじ機構66を介して弁体63の開閉方向に駆動するモータ67とを備える電動式電磁弁で構成されている。元弁6を開弁させる際は、先ず、モータ67により電磁石65を閉じ方向(図3の下方)に移動させて吸着片64に当接させ(図3に示す状態)、その後、電磁石65に通電して吸着片64を吸着し、この状態でモータ67により電磁石65を開き方向(図3の上方)に移動させ、弁体63を弁座61cから離隔させる。また、元弁6を閉弁させる際は、電磁石65への通電を停止し、弁体63をバネ62の付勢力で弁座61cに着座する閉弁位置に復帰させる。尚、電磁石65への通電を停止しても、弁体63が閉弁位置に復帰しない開故障を生ずることがある。この場合は、モータ67により電磁石65を閉じ方向に移動させ、弁体63を強制的に閉弁位置に復帰させる強制閉弁動作を行う。
図4を参照して、ガス弁装置7は、筒状のバルブケーシング71と、バルブケーシング71内の軸方向一方寄り部分に配置した電磁安全弁72と、バルブケーシング71内の軸方向他方寄り部分に、電磁安全弁72と直列に配置した流量調節弁73と、バルブケーシング71の軸方向他方の端部に取付けられるボックス711の外端に搭載したステッピングモータ74と、バルブケーシング71内に軸方向他方から挿入され、ステッピングモータ74により連動機構75を介して軸方向に駆動される操作ロッド76とを備えている。以下の説明では、軸方向一方を往動方向、軸方向他方を復動方向と記す。
バルブケーシング71には、電磁安全弁72の上流側に位置するガス流入口71aと、流量調節弁73の下流側に位置するガス流出口71bとが開設されている。そして、電磁安全弁72が開弁したとき、ガス流入口71aからガス流出口71bにガスが流れ、対応するバーナ3にガスが供給されるようにしている。
電磁安全弁72は、往動方向を向く弁座721と、弁座721に対向する弁体722と、弁体722を復動方向に付勢して弁座721に着座させる弁バネ723と、弁体722に往動方向にのびる弁軸722aを介して連結した吸着片724と、吸着片724に対向する電磁石725とを備えている。そして、弁体722を吸着片724が電磁石725に当接する開弁位置まで弁バネ723に抗して押動させた状態で電磁石725に通電することにより、弁体722が開弁位置に吸着保持されるようにしている。また、バーナ3に付設する火炎検知素子により失火が検知されたときや、点消火ボタン12を燃焼位置から押し込んで消火位置に戻す消火操作を行ったときは、電磁石725への通電を停止し、弁体722を弁バネ723により弁座721に着座する閉弁位置に復帰させて、電磁安全弁72を閉弁する。
電磁安全弁72の弁座721は、バルブケーシング71内に設けた、バルブケーシング71に対し軸方向に可動の弁座部材77の往動方向側端面に形成されている。また、バルブケーシング71内には、弁座部材77の復動方向への移動を電磁安全弁72の弁体722が着座可能な所定位置で制止する、バルブケーシング71の内面に形成した突起部から成る弁座ストッパ771と、弁座部材77を復動方向に付勢して上記所定位置に弾力的に保持する弁座バネ772とが設けられている。また、弁座部材77の外側にガスが流れることを防止するためにベロフラム773を設けている。
流量調節弁73は、弁座部材77に復動方向を向くように形成した弁座731と、操作ロッド76の往動方向側端部に固定された弁体732とを備えている。弁体732は、弁座731に開設した弁孔731aを閉塞するように弁座731に着座可能な閉塞弁部732aと、弁孔731aに復動方向から挿入可能なニードル部732bと、流量調節弁73の上流側と下流側を常時連通するバイパス通路732cとを有している。尚、本実施形態では、弁体732を操作ロッド76に一体に形成しているが、弁体732を操作ロッド76と別体として、これを操作ロッド76に取付けてもよい。
図4及び図5を参照して、連動機構75は、ステッピングモータ74のケース内に組み込んだ減速歯車列751と、ステッピングモータ74により減速歯車列751を介して回転駆動される回転軸752と、回転軸752に連動して回転するように回転軸752に連結子753を介して連結される、操作ロッド76と同心の筒状のカム体754と、カム体754に形成した螺旋状のカム溝754aに係合する、操作ロッド76に固定したピン755とで構成され、カム体754の一方向と他方向への回転でカム溝754aからピン755を介して作用する軸方向推力により操作ロッド76が往動方向と復動方向とに移動するようにしている。
連結子753は、断面が非円形の回転軸752に嵌合する非円形の孔753aを有し、回転軸752と一緒に回転する。また、連結子753には、カム体754の復動方向側端部に形成した切欠き部754bに係合して回転力を伝達する突片部753bが設けられている。カム体754には、バルブケーシング71から復動方向に延出したガイド筒756が挿入されている。ガイド筒756には、軸方向に長手の長孔756aが形成されており、この長孔756aにピン755を軸方向に摺動自在に係合させている。
点消火ボタン12を消火位置から押し込んで燃焼位置に突出させる点火操作を行ったときは、ステッピングモータ74を一方向に回転させる。これによれば、連動機構75、即ち、減速歯車列751、回転軸752、連結子753、カム体754及びピン755を介して操作ロッド76が往動方向に移動し、先ず、流量調節弁用の弁体732の閉塞弁部732aが弁座ストッパ771で制止される所定位置に存する弁座部材77の流量調節弁用の弁座731に当接し、以後、弁座部材77が流量調節弁用の弁体732に押されて往動方向に移動し、弁座部材77を介して安全弁用の弁体722が開弁位置に押動される(図6(a)に示す状態)。この状態で電磁石725に通電して弁体722を開弁位置に吸着保持し、その後、ステッピングモータ74を他方向に回転させて、操作ロッド76、即ち、流量調節弁用の弁体732を復動方向に移動させる。この際、弁座部材77は、弁座ストッパ771により制止される所定位置まで弁座バネ772の付勢力で弁体732に追従して復動方向に移動し、安全弁用の弁座721が開弁位置に吸着保持される弁体722から離れて、電磁安全弁72が開弁される。その後、イグナイタ321(♯4の点消火ボタンによる点火操作を行ったときはイグナイタ322)に通電して点火電極31での火花放電を行いつつ、所定位置に制止される弁座部材77に対し流量調節弁用の弁体732を更に復動方向に移動させ、閉塞弁部732aを流量調節弁用の弁座731から離して、ガス流量を次第に増加させ、対応するバーナ3に点火する。その後、流量調節弁用の弁体732が往動方向に移動して所定のストローク範囲、即ち、弁座部材77が弁座ストッパ771で制止される所定位置に存する状態で流量調節弁用の弁座731に閉塞弁部732aが着座する位置(図6(b)の状態)と、開弁位置に存する安全弁用の弁体722に安全弁用の弁座721が当接する直前の位置(図6(c)の状態)との間の範囲に存するときであれば、バイパス通路732cのみを介してガスが流れてガス流量が最小量になる状態に維持される。以後の説明では、流量調節弁用の弁体732をガス流量が減少する方向、即ち、往動方向に移動させるステッピングモータ74の回転方向を正転方向、この弁体732をガス流量が増加する方向、即ち、復動方向に移動させるステッピングモータ74の回転方向を逆転方向と記す。
尚、安全弁用の弁体722が開弁位置に到達した瞬間、即ち、吸着片724が電磁石725に当接した瞬間に、ステッピングモータ74を停止することは制御上困難である。そのため、弁体722が開弁位置に到達した後の更なるステッピングモータ74の正転方向の回転で連動機構75を介して操作ロッド76が往動方向に押されると、吸着片724と電磁石725との当接部に過大な力が加わり、吸着片724の傷付きで吸着不良を生ずることがある。
そこで、本実施形態では、カム体754を軸方向に移動自在とすると共に、カム体754の往動方向への移動を所定位置で制止する、ボックス711の端板で構成されるカムストッパ757と、カム体754を往動方向に付勢するカムバネ758とを設けている。そして、安全弁用の弁体722が開弁位置に到達した後の更なるステッピングモータ74の正転方向の回転で、ピン755からカム溝754aを介して作用する軸方向反力によりカム体754がカムバネ758の付勢力に抗して復動方向に移動するようにしている。これによれば、安全弁用の弁体722が開弁位置に到達した後に更にステッピングモータ74を正転方向に回転させても、吸着片724と電磁石725との当接部に過大な力は加わらず、吸着片724の傷付きで吸着不良を生ずることを防止できる。尚、安全弁用の弁体722が開弁位置に到達する前に、弁バネ723及び弁座バネ772の付勢力に負けてカム体754が復動方向に移動することのないように、カムバネ758の付勢力は、弁バネ723及び弁座バネ772の付勢力の合力よりも若干大きくなるように設定される。
図7を参照して、a線は、ステッピングモータ74の正転方向の回転で流量調節弁用の弁体732を往動方向に移動させてガス流量を減少させるときのステッピングモータ74の回転位相とガス流量との関係を表す正転時流量特性を示し、b線は、ステッピングモータ74の逆転で流量調節弁用の弁体732を復動方向に移動させてガス流量を増加させるときのステッピングモータ4の回転位相とガス流量との関係を表す逆転時流量特性を示している。ここで、流量調節弁用の弁体732を同一の軸方向位置にステッピングモータ74の正転方向の回転で移動させるときとステッピングモータ74の逆転方向の回転で移動させるときとのステッピングモータ74の回転位相差をヒステリシスHとして、このヒステリシスHは、減速歯車列751の遊び、回転軸752と連結子753との間の遊び、連結子753とカム体754との間の遊び、カム溝754aとピン755との間の遊び及びピン755と長孔756aとの間の遊びを合計した遊び分に相当するものになる。そして、逆転時流量特性は、正転時流量特性に対しヒステリシスH分だけステッピングモータ74の回転位相を逆転方向にずらしたものになる。
燃焼位置に突出した点消火ボタン12の回動操作で指示される指示火力が減少側に変更され、ステッピングモータ74を正転方向に回転させてガス流量を減少させる際は、正転時流量特性に基づいてステッピングモータ74を制御し、また、指示火力が増加側に変更され、ステッピングモータ74を逆転させてガス流量を増加させる際は、逆転時流量特性に基づいてステッピングモータ74を制御する。具体的に説明すれば、本実施形態では、火力(ガス流量)を最小の第1火力Q1から最大の第5火力Q5までの5段階に可変調節するようにしており、正転時流量特性に基づいて決定される、第4、第3、第2、第1の各火力Q4〜Q1に対応する回転位相θ4n〜θ1nと、逆転時流量特性に基づいて決定される、第2、第3、第4、第5の各火力Q2〜Q5に対応する回転位相θ2r〜θ5rとがコントローラ8に記憶されている。ここで、θ2r=θ2n−H、θ3r=θ3n−H、θ4r=θ4n−Hになる。そして、指示火力を第4乃至第1火力Q4〜Q1の何れかに減少させる場合は、ステッピングモータ74を正転方向に回転させて、回転位相がθ4n〜θ1nの何れかになったときに、ステッピングモータ74を停止し、指示火力を第2乃至第5火力Q2〜Q5の何れかに増加させる場合は、ステッピングモータ74を逆転方向に回転させて、回転位相がθ2r〜θ5rの何れかになったときにステッピングモータ74を停止する。尚、ステッピングモータ74の回転位相はステッピングモータ74への入力パルス数により定まる。従って、上記各位相に相当する数のパルスをステッピングモータ74に入力して、上記各位相までステッピングモータ74を回転させるようにしている。
ところで、連動機構75の構成部材のこじり等によりステッピングモータ74での滑りを生じて、ステッピングモータ74の回転位相と弁体732の位置との相関に狂いを生ずることがある。そのため、ステッピングモータ74を脱調させて原点出し動作を行うことにより、ステッピングモータ74の回転位相と弁体732の位置との相関の狂いを修正することが必要になる。具体的には、ピン755がカム溝754aの復動方向の端に当接してそれ以上動かなくなるまでステッピングモータ74を逆転方向に回転させて脱調させ、このときのステッピングモータ74の回転位相を原点位置θ0として確定することにより原点出し動作を行っている。
但し、ステッピングモータ74の原点出し動作は、ステッピングモータ74を脱調させる関係で消費電力が大きくなる。そのため、原点出し動作とそれ以外の消費電力が比較的大きな制御動作(例えば、燃焼中バーナに対応するガス弁装置7のステッピングモータ74駆動による火力調節)とが併行して行われると、消費電力の増大による一時的な電圧降下が発生し、乾電池9の寿命が短くなってしまう。
ここで、電源スイッチ11がオン操作されたときは、連動スイッチ11aが直ちにオンされてコントローラ8に通電されるが、電源スイッチ11がオフ操作されたときは、所定の終了制御を実行した後に連動スイッチ11aをオフして、コントローラ8への通電を停止するようにしている。そして、電源スイッチ11のオフ操作後は、火力調節といった消費電力が比較的大きな制御動作は行われない。そこで、電源スイッチ11のオフ操作後、コントローラ8への通電停止前に、ステッピングモータ74を脱調させて原点出し動作を行うようにしている。以下、この点について詳述する。
電源スイッチ11のオフ操作後の制御手順は、図8に示す通りであり、先ず、STEP1でガスコンロに設けたスピーカ(図示省略)により音声で電源をオフする旨の報知(電源オフ報知)を行うと共に、STEP2で♯1〜♯4の全ての点消火ボタン12が消火位置に戻されているか否かを判別する。ここで、電源スイッチ11のオフ操作前に、全ての点消火ボタン12が消火位置に戻されていれば、元弁6は、電源スイッチ11のオフ操作前に閉弁される。然し、何れかの点消火ボタン12が消火位置に戻されないまま電源スイッチ11がオフ操作されたときは、STEP2からSTEP3に進み、元弁6の電磁石65への通電を停止して、元弁6を閉弁させる。次に、STEP4に進んで、消火位置に戻されていない点消火ボタン12に対応するバーナ3の火炎検知素子で火炎を検知しなくなったか否かを判別し、火炎を検知していれば、STEP5で元弁6を強制閉弁させると共に、STEP6でエラー報知を行う。STEP4で火炎が非検知であると判別されたときは、STEP7に進み、消火位置に戻されていない点消火ボタン12に対応するバーナ3用のガス弁装置7の電磁安全弁72をその電磁石725への通電停止で閉弁させた後、STEP8に進む。全ての点消火ボタン12が消火位置に戻されていれば、STEP2からSTEP8に直接進む。
STEP8では、電源スイッチ11のオフ操作前に♯1のバーナ3の燃焼履歴があったか否かを判別する。燃焼履歴があればSTEP9に進んで、♯1のガス弁装置7のステッピングモータ74の原点出し動作を行い、次に、STEP10に進んで、♯1のガス弁装置7のステッピングモータ74を図6(a)の状態やその直前の状態になるまで正転方向に回転させて待機させる待機動作を行った後、STEP11に進む。♯1のバーナ3の燃焼履歴がない場合は、STEP8からSTEP11に直接進む。STEP11では、電源スイッチ11のオフ操作前に♯2のバーナ3の燃焼履歴があったか否かを判別し、燃焼履歴があればSTEP12に進んで、♯2のガス弁装置7のステッピングモータ74の原点出し動作を行い、次に、STEP13に進んで、♯2のガス弁装置7のステッピングモータ74を図6(a)の状態やその直前の状態になるまで正転方向に回転させて待機させる待機動作を行った後、STEP14に進む。♯2のバーナ3の燃焼履歴がない場合は、STEP11からSTEP14に直接進む。STEP14では、電源スイッチ11のオフ操作前に♯3のバーナ3の燃焼履歴があったか否かを判別し、燃焼履歴があればSTEP15に進んで、♯3のガス弁装置7のステッピングモータ74の原点出し動作を行い、次に、STEP16に進んで、♯3のガス弁装置7のステッピングモータ74を図6(a)の状態やその直前の状態になるまで正転方向に回転させて待機させる待機動作を行った後、STEP17に進む。♯3のバーナ3の燃焼履歴がない場合は、STEP14からSTEP17に直接進む。STEP17では、電源スイッチ11のオフ操作前に♯4のバーナ3の燃焼履歴があったか否かを判別し、燃焼履歴があればSTEP18に進んで、♯4のガス弁装置7のステッピングモータ74の原点出し動作を行い、次に、STEP19に進んで、♯4のガス弁装置7のステッピングモータ74を図6(a)の状態やその直前の状態になるまで正転方向に回転させて待機させる待機動作を行う。その後、STEP20に進み、連動スイッチ11aをオフして、コントローラ8への通電を停止する。
ここで、STEP1からSTEP7までの制御が終了制御である。従って、本実施形態では、電源スイッチ11のオフ操作後でコントローラ8への通電を停止する前の終了制御を休止する期間に、ステッピングモータ74の原点出し動作を行うことになる。そのため、原点出し動作と併行して他の制御動作が行われることはなく、電池寿命に悪影響が及ぶことを防止できる。尚、終了制御での消費電力は比較的小さいため、終了制御と同時にステッピングモータ74の原点出し動作を行うことも可能である。特に、STEP1での電源オフ報知をLEDランプで行い、更に、STEP3〜6の処理を省略すれば、終了制御での消費電力はかなり小さくなるため、終了制御と同時にステッピングモータ74の原点出し動作を行っても、電池寿命に悪影響が及ぶことはない。また、電源スイッチ11のオフ操作後にステッピングモータ74の原点出し動作を行うため、原点出し動作によって調理性能に悪影響が及ぶこともない。
また、本実施形態では、♯1〜♯4の各バーナ3に対応する♯1〜♯4の各ガス弁装置7のステッピングモータ74の原点出し動作が順に行われるため、複数のステッピングモータ74の原点出し動作が同時に行われることで電圧降下して、電池寿命に悪影響が及ぶことを回避できる。しかも、電源スイッチ11のオフ操作前に燃焼履歴のないバーナ3に対応するガス弁装置7のステッピングモータ74の原点出し動作は省略している。そのため、ステッピングモータ74の無駄な原点出し動作を行わずに済み、電池寿命を伸ばすことができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、電源スイッチ11のオフ操作後に、先ずSTEP1で終了制御の一つである電源オフ報知を行っているが、この電源オフ報知をSTEP19の後でコントローラ8への通電を停止する前に行うようにしてもよい。また、上記実施形態のガスコンロで使用するガス弁装置7は、共通のステッピングモータ74で駆動される電磁安全弁72と流量調節弁73とを組み込んだものであるが、点消火ボタン12の押し操作で押圧開弁される手動の電磁安全弁を設けて、ガス弁装置7の電磁安全弁72を省略してもよい。この場合は、ガス弁装置7として、弁座部材77を省略し、バルブケーシング71に固定の流量調節弁用の弁座731を備えるものを用いる。また、ガス弁装置として、ステッピングモータにより連動機構を介して回転される円板状の弁体を有する回転式の流量調節弁を備えるものを用いることも可能である。