JP2019024487A - 成分制御方法及び成分制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水分を内包する食物を良化させる。【解決手段】フライヤー100は、一対の対向平板アンテナ102間に電磁波を発生させて、食物内の成分である水分、具体的には対象物の水分活性を制御する。そして、そして、フライヤー100は、交流電場に油相に対して水相側に+100Vの直流電場をオフセット電場として印加して、食物に周波数が50kHzの電磁波を照射する。これにより、水相と油相との界面分極を増大させて、水相と油相との界面張力を約60%低下させるとともに、水分を連珠状に結合させて、水分活性を低下させることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、成分制御方法及び成分制御装置に関し、特に成分を内包する対象物を良化させることができる成分制御方法及び成分制御装置に関する。
所定の範囲の周波数の電磁波が発生している空間内で食物の加熱調理を行うことにより、調理された食物の食味が非常に優れるフライヤーが知られている(特許文献1参照)。なお、本明細書中に特許文献1の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参考として取り込むものとする。所定の範囲の周波数の電磁波が発生している空間内で食物の調理を行うことにより、食用油の酸化・劣化防止、調理された食物の食味向上等の優れた効果を得られるとされている。
特開2016‐129672号公報
しかしながら、特許文献1に記載のフライヤー及び加熱調理方法を発明した時点では、本発明者でさえも、上記の優れた効果が得られる理屈によく分からない部分があったため、あらゆる食物に適用することはできなかったし、食物以外のものに適用することも困難であった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、成分を内包する対象物を良化させることができる成分制御方法及び成分制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る成分制御方法は、振動を発生する一対の振動発生部を備える成分制御装置による成分制御方法であって、前記振動発生部間に振動を発生させて、該振動発生部間に配置された対象物内の成分を制御する。
上記の成分制御方法であって、前記振動発生部は、電磁波を発生する電極であって、前記電極間に電磁波を発生させて、前記対象物の水分活性を制御する、ようにしてもよい。
上記の成分制御方法であって、前記振動発生部は、前記電極間に電磁波を発生させて、前記対象物の水相と他相との界面分極を増大させて該水相と該他相との界面張力を低下させるとともに、該対象物内の水分を連珠状に結合させる、ものであってもよい。
上記の成分制御方法であって、交流電場に直流電場をオフセット電場として印加して、前記対象物の水相と他相との界面分極を増大させて該水相と該他相との界面張力を低下させるとともに、該対象物内の水分を連珠状に結合させる、ものであってもよい。
上記の成分制御方法であって、前記交流電場に、前記他相に対して前記水相側に略+100Vの前記直流電場をオフセット電場として印加して、前記対象物の水相と他相との界面分極を増大させて該水相と該他相との界面張力を低下させるとともに、該対象物内の水分を連珠状に結合させる、ものであってもよい。
上記の成分制御方法であって、前記電磁波の周波数は、略10kHz〜略500kHzである、ことが好ましい。
上記の成分制御方法であって、前記電磁波は、長波である、ことが好ましい。
上記の成分制御方法であって、前記対象物内の水分は、結合水と、自由水と、に分けられ、前記対象物内の水分のうち、前記自由水を連珠状に結合させる、ものであってもよい。
上記の目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る成分制御装置は、振動を発生する一対の振動発生部を備え、該振動発生部間に振動を発生させて、該振動発生部間に配置された対象物内の成分を制御する。
本発明に係る成分制御方法及び成分制御装置によれば、成分を内包する対象物を良化させることができる。
本実施形態に係るフライヤーの概要を示す側面図である。 本実施形態に係るフライヤーによる水分制御方法の処理の流れの一例を示す。 (a)は、リン酸生理食塩水を水相として、何も添加していない新鮮な食用油に、電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフであり、(b)は、生理食塩水を水相として、何も添加していない新鮮な食用油に、電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。 (a)は、リン酸生理食塩水を水相として、オレイン酸を添加した食用油に、電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフであり、(b)は、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。 リン酸生理食塩水を水相として、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、直流電場のみを印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。 リン酸生理食塩水を水相として、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、交流電場のみを印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。 リン酸生理食塩水を水相として、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、交流電場に+100Vの直流電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。 リン酸生理食塩水を水相として、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、交流電場に−100Vの直流電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。 生理食塩水を水相として、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。 生理食塩水を水相として、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、交流電場のみを印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。 生理食塩水を水相として、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、交流電場に+100Vの直流電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。 生理食塩水を水相として、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、交流電場に−100Vの直流電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。 リン酸生理食塩水を水相として、何も添加していない使用済みの食用油に、電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。 生理食塩水を水相として、何も添加していない使用済みの食用油に、電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。 W/Oエマルションの観察結果を示す表である。 連珠配列形成の模式図である。 (a)は、何も添加していない新鮮な食用油中で交流電場を印加したリン酸生理食塩水の微小水滴の観察結果を示す表であり、(b)は、生理食塩水の微小水滴の観察結果を示す表である。 (a)は、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油中で交流電場を印加したリン酸生理食塩水の微小水滴の観察結果を示す表であり、(b)は、生理食塩水の微小水滴の観察結果を示す表である。
以下、本件発明について図面と共に説明する。なお、本件発明は明細書や図面の記載に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施し得る。
本実施形態に係るフライヤーは、例えば、所定の範囲の周波数の電磁波が発生している空間内で食物の加熱調理を行う電場印加型フライヤー等から構成され、食物が内包する水分を制御する。
図1は、本実施形態に係るプライヤーの概要を示す側面図である。フライヤー100は、主に、貯油槽101と、一対の対向平板アンテナ102と、駆動部103と、加熱部104と、を備える。
貯油槽101は、食用油をためて食物を加熱調理するために設けられる。すなわち、貯油槽101内の加熱された食用油の中に食物を投入することにより、食物がフライ調理(揚げ調理)される。貯油槽101には、食物が投入され、さらに、貯油槽101の内面は、高温の油と接触するため、貯油槽101は、人体に害がなく、高温・長期の使用でも劣化の少ない材質(例えばステンレス等)を用いて構成されることが好ましい。なお、貯油槽101の容積や形状については、フライヤー100の設置場所やフライヤー100で一度に加熱調理を行う食物の分量等に応じて任意に設定される。
対向平板アンテナ102は、貯油槽101に対向して立設される。対向平板アンテナ102間に所定の範囲の周波数の電磁波を発生させ、電磁波が発生している空間内で食物が調理される。対向平板アンテナ102は、その表面が絶縁性の物質により被覆されていることが好ましい。本構成とすると、例えば対向平板アンテナ102に供給された交流電圧が貯油槽101へと伝わり、フライヤー100の使用者の感電やフライヤー100付近の装置の故障等の恐れを防止することができる。
対向平板アンテナ102は、横断面が略L字状であり、貯油槽101の底面に略平行な底面部111と貯油槽101の底面に略垂直な垂立部112とからなり、底面部111が互いに突き合わされるように立設されていても良い。なお、「略L字状」としているように、底面部111と垂立部112とを垂直に接続してL字状に対向平板アンテナ102を構成する他に、例えば底面部111と垂立部112との接続部の横断面を丸みを帯びたR形状となるように構成しても良い。
また、対向平板アンテナ102の底面部111又は/及び垂立部112には、複数の穴が形成されていても良い。穴の形状は、円形、三角形、四角形、五角形、六角形等自由に設定することができる。また、穴の大きさや配置についても同様である。
駆動部103は、対向平板アンテナ102間に略10kHz〜略500kHzの周波数の電磁波(電波)を発生させるために対向平板アンテナ102を駆動するために設けられる。なお、対向平板アンテナ102間に形成される電磁波は、周波数が30kHz〜300kHzの長波であることが好ましく、より好ましくは、50kHz〜100kHzである。対向平板アンテナ102間に所定の範囲の周波数の電磁波を形成するには、例えば対向平板アンテナ102に所定の周波数の電磁波を発生させるための発振器を接続することが考えられる。その際に駆動部103と対向平板アンテナ102とは、端子113を通して電気的に接続されても良い。
加熱部104は、貯油槽101にためられた食用油を120℃〜200℃に加熱して食物を調理するために設けられる。加熱の方法としては種々の方法を用いることが可能であるが、例えば金属パイプ内に発熱コイルを収容し、発熱コイルに電流を流すことにより熱を発生させて加熱する方法や、ガスを燃焼させて加熱する方法を用いることができる。なお、本実施形態において、加熱部104は、貯油槽101の外に設けられているが、貯油槽101の中に設けられても、また貯油槽101と一体として構成されても良い。
図2は、本実施形態に係るフライヤーによる水分制御方法(成分制御方法)の処理の流れの一例を示す。図2に示す加熱調理方法において、まず、フライヤー100の加熱部104は、貯油槽101内の食用油を120℃〜200℃の範囲に加熱する(ステップS1)。次に、フライヤー100の駆動部103は、対向平板アンテナ102を駆動して、加熱部104によって加熱されている食用油中に50kHz〜100kHzの周波数の電磁波を発生させる(ステップS2)。そして、食用油中に加熱調理の対象となる食物が投入されると、フライヤー100は、所定の範囲の周波数の電磁波が発生している空間内で食物に内包される水分を制御しつつ加熱調理を行う(ステップS3)。加熱調理が終わると、食用油中から食物は、取り出される。
一般に、食物の加熱調理を行うと、食物に内包される水分は、食用油中で水蒸気となって、突沸が発生する。本実施形態に係る水分制御方法によれば、所定の範囲の周波数の電磁波を発生させることにより、油/水界面の界面張力を低下させることができる。これにより、食物に内包される水分は、脱離して、食用油中で小さな水滴となって分散しやすくなるため、加熱されている食用油中で水蒸気となって気化しても、発生する突沸は、小さくなる。このように食物に内包される水分を制御して突沸を抑制することで、食物内への油分の浸透の抑制等の優れた効果を得ることができる。また、それに伴い、調理された食物は、食味が非常に優れたものとなる。
本実施形態に係る水分制御方法による突沸抑制を検証するために、50kHz〜100kHzの周波数帯域の交流電場、及び/又は直流電場を印加して、室温(20℃〜25℃)における油/水界面の界面張力の測定を実施した(実施例1)。ここで、界面張力は、油/水界面を1m広げるのに必要な仕事量(エネルギ)と定義され、液滴法によって測定される。液滴法において、界面張力の大小は、毛細管から落下する水滴の体積(重量)の大小に相当する。
本実施例では、食用油として、ハーベスト油を用いた。また、調理対象となる食材(魚、肉、及び野菜等)のpHは、5〜7の範囲にあるので、食材に含有される水分のモデル水溶液として、pH7.2〜7.4のリン酸生理食塩水と、pH5.4〜5.6の生理食塩水と、を用いた。
[新鮮な食用油における界面張力の測定]
まず、pH7.2〜7.4のリン酸生理食塩水を水相として、新鮮な食用油に何も添加せずに、50kHz、200Vppの交流電場を印加したとき、さらにその交流電場に、油相に対して水相側に±100Vの直流電場をオフセット電場として印加したときの界面張力の測定を実施した。
図3(a)は、リン酸生理食塩水を水相として、何も添加していない新鮮な食用油に、電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。図3(a)に示すグラフの横軸は、オフセット電場として印加された直流電場[V]を表し、縦軸は、電場印加に伴う界面張力の変化率を表す。
図3(a)に示すように、リン酸生理食塩水を水相として、新鮮な食用油に何も添加しなかった場合には、電場印加に伴う界面張力の変化がほとんど認められなかった。
次に、食用油の加熱・加水分解物が生成している可能性があることから、そのモデル物質として、オレイン酸10−3M(=mol/l)及びオレイン酸ナトリウム10−3M等のオレイン酸化合物を新鮮な食用油に添加して、50kHz、200Vppの交流電場を印加したとき、さらにその交流電場に±100Vの直流電場をオフセット電場として印加したときの界面張力の測定を実施した。
図4(a)は、リン酸生理食塩水を水相として、オレイン酸を添加した食用油に、電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフであり、図4(b)は、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。図3(a)に示すグラフと同様に、図4(a)及び(b)に示すグラフの横軸は、オフセット電場として印加された直流電場[V]を表し、縦軸は、電場印加に伴う界面張力の変化率を表す。
図4(a)に示すように、新鮮な食用油にオレイン酸10−3Mを添加しても、電場印加に伴う界面張力の変化がほとんど認められなかった。一方、図4(b)に示すように、新鮮な食用油にオレイン酸ナトリウム10−3Mを添加した場合において、交流電場のみを印加したときには、界面張力の変化はほとんど認められなかったが、交流電場に±100Vの直流電場をオフセット電場として印加したときには、界面張力の低下が確認された。
続いて、リン酸生理食塩水を水相として、新鮮な食用油にオレイン酸ナトリウム10−3Mを添加した場合において、様々な電場を印加したときの界面張力の測定を実施した。
図5は、リン酸生理食塩水を水相として、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、直流電場のみを印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。図3(a)並びに図4(a)及び(b)に示すグラフと同様に、図5に示すグラフの横軸は、オフセット電場として印加された直流電場[V]を表し、縦軸は、電場印加に伴う界面張力の変化率を表す。
図6は、リン酸生理食塩水を水相として、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、交流電場のみを印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。図7は、リン酸生理食塩水を水相として、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、交流電場に+100Vの直流電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。図8は、リン酸生理食塩水を水相として、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、交流電場に−100Vの直流電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。図6〜図8に示すグラフの横軸は、交流電場の周波数[Hz]を表し、縦軸は、電場印加に伴う界面張力の変化率を表す。
図5に示すように、交流電場を印加せずに±100Vの直流電場をオフセット電場としてのみ印加したときも、交流電場に±100Vの直流電場をオフセット電場として印加したときと同様に、界面張力の低下が確認された。一方、図6に示すように、交流電場のみを印加して直流電場をオフセット電場として印加しなかったときには、交流電場の周波数を変化させても、界面張力の変化はほとんど認められなかった。
他方、図7に示すように、50Hz〜100kHz、200Vppの交流電場に+100Vの直流電場をオフセット電場として印加したときには、交流電場の周波数に関わらず、20%程度の界面張力の低下が確認された。また、図8に示すように、50Hz〜100kHz、200Vppの交流電場に−100Vの直流電場をオフセット電場として印加したときには、交流電場の周波数に関わらず、10%強の界面張力の低下が確認された。
次に、pH5.4〜5.6の生理食塩水を水相として、新鮮な食用油に何も添加しなかった場合において、50kHz、200Vppの交流電場を印加したとき、さらにその交流電場に±100Vの直流電場をオフセット電場として印加したときの界面張力の測定を実施した。
図3(b)は、生理食塩水を水相として、何も添加していない新鮮な食用油に、電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。図3(a)、図4(a)及び(b)、並びに図5に示すグラフと同様に、図3(b)に示すグラフの横軸は、オフセット電場として印加された直流電場[V]を表し、縦軸は、電場印加に伴う界面張力の変化率を表す。
図3(b)に示すように、生理食塩水を水相とした場合も、リン酸生理食塩水を水相とした場合と同様に、新鮮な食用油に何も添加しなかったときには、電場印加に伴う界面張力の変化がほとんど認められなかった。
次に、生理食塩水を水相として、新鮮な食用油にオレイン酸ナトリウム10−3Mを添加して、50kHz、200Vppの交流電場を印加したとき、さらにその交流電場に±100Vの直流電場をオフセット電場として印加したときの界面張力の測定を実施した。
図9は、生理食塩水を水相として、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。図3(a)、図4(a)及び(b)、図5、並びに図3(b)に示すグラフと同様に、図9に示すグラフの横軸は、オフセット電場として印加された直流電場[V]を表し、縦軸は、電場印加に伴う界面張力の変化率を表す。
図4(b)に示すように、リン酸生理食塩水を水相とした場合、新鮮な食用油にオレイン酸ナトリウム10−3Mを添加しても、交流電場のみを印加したときには、界面張力の変化はほとんど認められなかった。一方、図9に示すように、生理食塩水を水相とした場合、新鮮な食用油にオレイン酸ナトリウム10−3Mを添加すれば、交流電場のみを印加したときでも、10%強の界面張力の低下が確認された。なお、図9に示すグラフの横軸の0[V]には、変化率として2つのプロットがあるところ、一方は、図4に示すグラフの横軸の0[V]における変化率を参考までに記載したものである。
さらに、交流電場に+100Vの直流電場をオフセット電場として印加したときには、60%以上の界面張力の低下が確認された。また、交流電場に−100Vの直流電場をオフセット電場として印加したときにも、15%程度の界面張力の低下が確認された。
次に、生理食塩水を水相として、新鮮な食用油にオレイン酸ナトリウム10−3Mを添加した場合において、様々な周波数の交流電場を印加したときの界面張力の測定を実施した。
図10は、生理食塩水を水相として、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、交流電場のみを印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。図11は、生理食塩水を水相として、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、交流電場に+100Vの直流電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。図12は、生理食塩水を水相として、オレイン酸ナトリウムを添加した食用油に、交流電場に−100Vの直流電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。図6〜図8に示すグラフと同様に、図10〜図12に示すグラフの横軸は、交流電場の周波数[Hz]を表し、縦軸は、電場印加に伴う界面張力の変化率を表す。
図10に示すように、50Hz〜100kHz、200Vppの交流電場のみを印加して直流電場をオフセット電場として印加しなかったときには、界面張力の値にばらつきが見られるものの、交流電場の周波数の低下に伴い、界面張力の低下率が増大する傾向が見られる。
一方、図11に示すように、交流電場に+100Vの直流電場をオフセット電場として印加したときには、60%以上の界面張力の低下が確認され、1kHz周辺において界面張力が最小となった。他方、図12に示すように、交流電場に−100Vの直流電場をオフセット電場として印加したときにも、界面張力の低下率にばらつきが見られるものの、15%程度の界面張力の低下が確認され、1kHz付近では、界面張力の低下が抑制される傾向が見られる。
上記の油/水界面の界面張力の測定結果を、以下にまとめる。
・図4(a)に示すように、新鮮な食用油にオレイン酸10−3Mを添加しても、電場印加に伴う界面張力の変化がほとんど認められなかった。
・一方、図4(b)及び図5〜図8、並びに図9〜図12に示すように、新鮮な食用油にオレイン酸ナトリウム10−3Mを添加した場合には、電場を印加すると、界面張力の低下が確認され、界面張力の低下率は、水相のpHに著しく依存する。
・図4(b)及び図5〜図8に示すように、pH7.2〜7.4のリン酸生理食塩水を水相とした場合、交流電場を印加したのみでは界面張力の低下は認められず、直流電場を印加すると、界面張力の低下が確認される。
・一方、図9〜図12に示すように、pH5.4〜5.6の生理食塩水を水相とした場合、交流電場を印加したのみでも界面張力の低下が認められ、交流電場の周波数の低下に伴い、界面張力の低下率が増大する傾向が見られる。
・また、図11に示すように、pH5.4〜5.6の生理食塩水を水相とした場合において、交流電場に+100Vの直流電場をオフセット電場として印加すると、60%以上の界面張力の低下が確認され、図12に示すように、交流電場に−100Vの直流電場をオフセット電場として印加しても、15%程度の界面張力の低下に留まった。
上記の測定結果から、食物に内包される水分のpHが低い方が、油/水界面の界面張力の低下率が大きく、突沸が抑制されることが分かる。
[使用済み食用油における界面張力の測定]
次に、フライヤー100で使用済みの食用油に何も添加しなかった場合において、50kHz、200Vppの交流電場を印加したとき、さらにその交流電場に、油相に対して水相側に直流電場±100Vをオフセット電場として印加したときの界面張力の測定を実施した。
図13は、リン酸生理食塩水を水相として、何も添加していない使用済みの食用油に、電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。図14は、生理食塩水を水相として、何も添加していない使用済みの食用油に、電場を印加したときの界面張力の測定結果を示すグラフである。図3(a)及び(b)、図4(a)及び(b)、図5、並びに図9に示すグラフと同様に、図13及び図14に示すグラフの横軸は、オフセット電場として印加された直流電場[V]を表し、縦軸は、電場印加に伴う界面張力の変化率を表す。
図3(a)及び(b)に示すように、新鮮な食用油では、何も添加しなかった場合、電場印加に伴う界面張力の変化がほとんど認められなかったが、図13及び図14に示すように、使用済みの食用油では、何も添加しなかった場合、電場印加によって、界面張力は5%程度のわずかな低下が確認された。水相のpHの影響については、界面張力の低下率は異なるものの、新鮮な食用油にオレイン酸ナトリウム10−3Mを添加した場合と類似する傾向が示された。
上記の実施例1において、食用油の加熱・加水分解によって生成する可能性のあるオレイン酸ナトリウム(高級指肪酸塩)が存在することで、電場印加によって界面張力が低下することが確認された。界面張力の低下は、電場印加によって形成される界面分極の増大による。
油/水界面に吸着した油側のオレイン酸イオンと水側のナトリウムイオンとは、隣接する同種のイオン同士に静電的に反発エネルギが働いて界面を広げようと作用する。電場印加によって、油/水界面のオレイン酸イオンとナトリウムイオンとの濃度が増加すると、隣接するイオン間の距離が縮まって、静電的に反発エネルギ、すなわち界面を広げようとする働きが大きくなる。この結果、油/水界面を1m広げるのに必要な仕事量と定義される界面張力は、小さくなる。
食物に内包される水分が食用油中で水蒸気となる際に、食物から脱離して食用油中で小さな水滴となる水分(以下、「微小水滴」という。)の大きさは、液滴法において毛細管から落下する水滴の大きさ(直径〜5mm)よりも小さくなる。このような食用油中の微小水滴に、界面張力を低下させるのに十分な界面分極が生じると、双極子間引力による微小水滴の連珠配列が形成される。一方、界面分極が弱い場合には、連珠配列が形成されない。
上記の観点から、食用油中の微小水滴(W/Oエマルション)の界面分極状態を評価するため、(1)何も添加していない新鮮な食用油で調整したpH7.2〜7.4のリン酸生理食塩水、(2)何も添加していない新鮮な食用油で調整したpH5.4〜5.6の生理食塩水、(3)オレイン酸ナトリウム10−3Mを添加した食用油で調整したpH7.2〜7.4のリン酸生理食塩水、及び(4)オレイン酸ナトリウム10−3Mを添加した食用油で調整したpH5.4〜5.6の生理食塩水のぞれぞれの微小水滴に、50kHz、200〜2000Vpp/cmの電場を印加して、顕微鏡による観察を実施した(実施例2)。
図15は、W/Oエマルションの観察結果を示す表である。図15に示すように、オレイン酸ナトリウム10−3Mを添加した食用油中では、微小水滴に含まれるリン酸生理食塩水及び生理食塩水のpHに依存することなく、50kHz、200〜2000Vpp/cmの交流電場を印加してから2分程度で、図16に示すような連珠配列の形成が確認された。なお、形成された連珠配列の大きさは、約200μmで、連珠の一つ一つの珠の直径は、10〜100μm程度であった。一旦、連珠配列が形成されると、一週間はその状態が維持される。一方、何も添加していない新鮮な食用油中では、交流電場を印加して2分程度では連珠配列の形成が認められなかったが、40分以上経過すると、連珠配列の形成が確認された。すなわち、何も添加していない新鮮な食用油よりも、オレイン酸ナトリウム10−3Mを添加した食用油の方がより大きな、水/油界面の界面分極が生じていることが示唆され、この結果は、上記の実施例1における界面張力の測定結果と一致する。
次に、上記の(1)〜(4)のぞれぞれの微小水滴に、50Hz〜100kHz、200〜2000Vpp/cmの様々な交流電場を印加して2分後に顕微鏡による観察を実施した。
図17(a)は、何も添加していない新鮮な食用油中で交流電場を印加したリン酸生理食塩水の微小水滴の観察結果を示す表であり、図17(b)は、生理食塩水の微小水滴の観察結果を示す表である。図18(a)は、オレイン酸ナトリウム10−3Mを添加した食用油中で交流電場を印加したリン酸生理食塩水の観察結果を示す表であり、図18(b)は、生理食塩水の微小水滴の観察結果を示す表である。
図17(a)及び(b)に示すように、新鮮な食用油中では、いずれの周波数においても、微小水滴の連珠配列の形成が認められなかった。一方、図18(a)及び(b)に示すように、オレイン酸ナトリウム10−3Mを添加した食用油中では、いずれの周波数においても500〜2000Vpp/cmの範囲で、微小水滴の連珠配列の形成が確認された。もっとも、低い周波数帯域においては、電気浸透流によるものと思われる流体運動の撹乱によって、連珠配列の形成が確認できなかった。
上記の観察結果から、食用油中に分散した100μm以下の微小水滴においても、電場印加によって水/油界面の界面分極が生じ、オレイン酸ナトリウム10−3Mの添加によって水/油界面の界面分極が増大し、界面張力が低下することが分かる。
食物中には、オレイン酸ナトリウムなどの脂肪酸塩以外にも極性を有する成分が多く含まれている。さらに極性を有する有機高分子も食物には、多く含まれている。例えば、食物に多く含まれる水も極性を有する分子の一つである。植物又は動物由来の食物であれば、水は70%程度含まれ、細胞膜は脂質二重膜で構成される。具体的に、野菜や果物の80%以上、肉や魚の70〜80%は、水分である。野菜では5%、肉や魚では3%の水分が失われると、鮮度や品質が維持できなくなる。
極性を有する分子のひとつである水は食物中に多く含まれるが、その存在状態によって、大きく「結合水」と「自由水」に分けられる。「結合水」は、食物中のタンパク質や炭水化物と水素結合で結びついて水和している水で、分子の運動が束縛されて安定している水である。「自由水」は、自由に動き回ることができる水で、0℃で凍結したり、100℃付近で気化したり、あるいは物質を溶解することができる水である。この自由水が多いほど新鮮で、まさにみずみずしい状態であると言えるが、分子は極性を有するので、他の分子と結合しやすい性質を有している。腐敗菌などの微生物は、既に食物の成分と結びついている結合水と結びつくことができないため、その増殖に使うことはできないが、自由水とは結びつくことができるため、その増殖に使うことができる。そして、自由水が微生物と結びつくと、腐敗ということになる。
本実施形態に係る水分制御方法は、自由水同士を連珠配列という結合水のような安定した形にすることで、余分な水分の食用油中への溶出を防ぎ、食物のみずみずしさを保つことができる。
また、水が水素結合を解き、液体から気体になるときには、膨大なエネルギ(気化熱)が必要となるが、本実施形態に係る水分制御方法によれば、連珠配列が形成されることにより、食物に内包される水分が維持されて食用油中で気化されなくなるため、食物内の水分による油はねの抑制、調理時の油温度の減少、食物の調理時間の減少とそれに伴う食用油の酸化の抑制等、優れた効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る成分制御装置であるフライヤー100は、振動を発生する振動発生部であって電極である一対の対向平板アンテナ102を備え、一対の対向平板アンテナ102間に略10kHz〜略500kHzの周波数の電磁波(電波)を発生させて、一対の対向平板アンテナ102間に配置された対象物である食物内の成分である水分、具体的には食物の水分活性を制御する。
本実施形態に係るフライヤー100による水分制御方法において、フライヤー100は、交流電場に、他相である油相に対して水相側に+100Vの直流電場をオフセット電場として印加して、食物に周波数が50kHzの電磁波を照射する。これにより、水相と油相との界面分極を増大させて、水相と油相との界面張力を約60%低下させるとともに、水分を連珠状に結合させることができる。なお、食物が内包する水分は、結合水と、自由水と、に分けられ、食物が内包する水分のうち、自由水を連珠状に結合させて、食物中の自由水の割合を表す水分活性を低下させることができる。
このように水相と油相との界面張力を約60%低下させることにより、食物に内包される水分は、脱離して、食用油中で小さな水滴となって分散しやすくなるため、加熱されている食用油中で水蒸気となって気化しても、発生する突沸は、小さくなる。このように食物に内包される水分を制御して突沸を抑制することで、食物内への油分の浸透の抑制等の優れた効果を得ることができる。また、それに伴い、調理された食物は、食味が非常に優れたものとなる。
また、自由水を連珠状に結合させて安定した形にすることで、余分な水分の食用油中への溶出を防ぎ、食物のみずみずしさを保つことができる。さらに、本実施形態に係る水分制御方法によれば、連珠配列が形成されることにより、食物に内包される水分が維持されて食用油中で気化されなくなるため、食物内の水分による油はねの抑制、調理時の油温度の減少、食物の調理時間の減少とそれに伴う食用油の酸化の抑制等、優れた効果を得ることができる。
このように、本実施形態に係るフライヤー100及び水分制御方法によれば、水分を内包する食物を良好な状態にすることができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施形態の変形態様について、説明する。
上記の実施形態において、成分は、水分であるものとして説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、他の液体等、振動に制御可能なものであれば任意である。
上記の実施形態において、成分制御装置は、フライヤーであるものとして説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、食物等の対象物の成分を制御するものであれば任意であり、例えば食物の水分活性を制御する冷蔵庫や、コンテナ、倉庫等であってもよい。具体的に、本発明に係る成分制御装置を用いて、食物の水分活性を制御することで、食品の味、香り、栄養素を向上させることができる。
また、本発明に係る成分制御装置を用いて、食品の肉や魚、野菜、果物に内包される水分を連珠状に結合させることで、通常の冷蔵庫でも肉や魚を通常の数倍、腐敗させることなく、長期間品質を保持することが可能となる。実際に、成分制御装置で1時間小鯛に電界を印加した後に冷蔵庫に2日間入れた場合には、15分間だけ小鯛に電界を印加した後に冷蔵庫に2日間入れた場合や、小鯛に電界を印加することなく冷蔵庫に2日間入れた場合よりも、2日間程長く鮮度を維持することができた。
上記の実施形態において、対象物は、食物であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電磁波等の振動によって成分が制御されるものであれば任意であり、飲料、医薬品に用いられる植物などといった食物以外の植物や、人体、動物、火薬、ワクチン等の医薬品、さらには水それ自体等であってもよい。
具体的に、本発明に係る成分制御装置を用いて、飲料や、植物、人体、動物、火薬、ワクチン等の医薬品の水分活性を制御することで、食品のみならず、飲料や、植物、人体、動物、火薬、医薬品等を劣化又は腐敗し難くすることができる。
また、本発明に係る成分制御装置により界面張力を低下させた水を用いて栽培された作物は、非常に早く均一に発芽、成長し藻や雑草の発生を抑え食味が非常に優れたものとなる。
さらに、本発明に係る成分制御装置を用いて、生命体の中の自由水が既に活性酸素やウィルス、雑菌を含む微生物等に結合した状態を、水同士の連珠構造にすることによって、活性酸素やウィルス、雑菌を含む微生物等の水素結合が離れ、治療効果に大きな効果を発揮できる。従来の医薬品は前提として自由水が既に活性酸素やウィルス、雑菌を含む微生物等に結合した状態での研究開発しているのが、本発明は、その前提自体をなくすことで、治療効果を向上させることができる。また、本発明に係る成分制御装置を、携帯電話や、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ、椅子、ベッド、枕の中に格納することで、雑菌を含む微生物や、活性酸素、ウィルス等と結合している自由水が分離されて、自由水同士で連珠状に結合することで、雑菌を含む微生物や、活性酸素、ウィルス等の活動を停止、休止、及び不活性等にすることができる。
また、セメントを水で混ぜる時に、本発明に係る成分制御装置を用いて、セメントに混ぜる水を連珠構造にすることで、コンクリートの強度を上げることができる。さらに、本発明に係る成分制御装置を用いて、鉄や樹脂の精錬工程で使用する水を連珠構造にすることで、鉄や樹脂の強度を上げ、不良品を減少させることができる。また、LSI(Large-Scale Integration)のウェハや液晶ディスプレイ等の半導体素子関連の製造工程において、本発明に係る成分制御装置を用いて、基板の洗浄水を連珠構造にすることで、洗浄効果を向上させることができる。また、本発明に係る水分制御方法を用いれば、エッチング液の希釈調製用の製造技術を向上させたり、露光工程で微細なパターンを焼き付ける際の解像度を向上させたりすることもできる。さらに、本発明に係る成分制御装置を用いて、インクや塗料に含まれる水分を連珠構造にすることで、ノズルのつまりを減少させることができる。
また、本発明に係る成分制御装置を用いれば、精密定量分析における試験器具の洗浄効果を向上させたり、試薬類や、スタンダードの調製、ブランク、二相抽出の溶媒等の問題を解決したりすることもできる。さらに、本発明に係る成分制御装置は、遺伝子工学等、バイオテクノロジー分野での細胞培養、特にDNA(Deoxyribonucleic Acid)の増幅に活用できる。また、本発明に係る成分制御装置は、医薬品の注射用水として注射剤の製造(接種時の希釈・溶媒用は除く)、及び密封された精製水にも活用することができる。
さらに、本発明に係る成分制御装置は、超臨界状態の水を全量蒸発させる火力発電所の超高圧ボイラや、従来型ボイラの復水脱塩にも活用することができる。また、原子力発電所の軽水炉の炉心に冷却剤として接する一次冷却水は、不純物、特にホウ素やカドミウム等の反応断面積が大きい核種の放射化による二次放射能を持ち得るが、これを防止するために、本発明に係る成分制御装置を活用することもできる。さらに、太陽光発電及び水素発電においても、本発明に係る成分制御装置を用いて、溶媒の不純物を除いて純度の高い水にすることで、電気の発電効率を向上させることができる。
また、本発明に係る成分制御装置は、素粒子物理学における特殊な粒子検出器の媒体にも活用することができる。さらに、ガソリンや重油の分子構造も同様に、本発明に係る成分制御装置を用いて、自由水を連珠構造に変えることで、燃焼効率を向上させることができる。
さらに、本発明に係る成分制御装置を超純水に用いると、超純水の電気伝導率が向上する。
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本発明の一実施例を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
本出願は、2017年8月3日に出願された日本国特許出願2017-151155に基づく。本明細書中に日本国特許出願2017-151155の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。
100 フライヤー
101 貯油槽
102 対向平板アンテナ
103 駆動部
104 加熱部
111 底面部
112 垂立部
113 端子

Claims (9)

  1. 振動を発生する一対の振動発生部を備える成分制御装置による成分制御方法であって、前記振動発生部間に振動を発生させて、該振動発生部間に配置された対象物内の成分を制御する、成分制御方法。
  2. 前記振動発生部は、電磁波を発生する電極であって、前記電極間に電磁波を発生させて、前記対象物の水分活性を制御する、請求項1に記載の成分制御方法。
  3. 前記振動発生部は、前記電極間に電磁波を発生させて、前記対象物の水相と他相との界面分極を増大させて該水相と該他相との界面張力を低下させるとともに、該対象物内の水分を連珠状に結合させる、請求項2に記載の成分制御方法。
  4. 交流電場に直流電場をオフセット電場として印加して、前記対象物の水相と他相との界面分極を増大させて該水相と該他相との界面張力を低下させるとともに、該対象物内の水分を連珠状に結合させる、請求項3に記載の成分制御方法。
  5. 前記交流電場に、前記他相に対して前記水相側に略+100Vの前記直流電場をオフセット電場として印加して、前記対象物の水相と他相との界面分極を増大させて該水相と該他相との界面張力を低下させるとともに、該対象物内の水分を連珠状に結合させる、請求項4に記載の成分制御方法。
  6. 前記電磁波の周波数は、略10kHz〜略500kHzである、請求項2に記載の成分制御方法。
  7. 前記電磁波は、長波である、請求項6に記載の成分制御方法。
  8. 前記対象物内の水分は、結合水と、自由水と、に分けられ、前記対象物内の水分のうち、前記自由水を連珠状に結合させる、請求項3に記載の成分制御方法。
  9. 振動を発生する一対の振動発生部を備え、該振動発生部間に振動を発生させて、該振動発生部間に配置された対象物内の成分を制御する成分制御装置。
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