JP6095087B1 - 超音波処理装置、及び超音波処理方法 - Google Patents

超音波処理装置、及び超音波処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、生鮮食品または生体試料の洗浄の際、生鮮食品または生体試料が損傷または破砕されないような超音波処理装置、及び超音波処理方法の提供を目的とする。【解決手段】 本発明の超音波処理装置1は、被処理物を収容する処理槽53と、処理槽53の底部から処理槽53の内部に噴流を導く洗浄水供給口53aと、処理槽53の上部から洗浄水を流出する洗浄水流出口53bと、処理槽53の底部から内部に超音波を照射する複数の超音波振動子60とを備える。超音波振動子60が発生する超音波は、20kHzから170kHzの間であり、超音波振動子は、0〜20psiの超音波強度を処理領域中に与える。【選択図】 図1

Description

本発明は、噴流と弱超音波により生鮮食品等に洗浄等の超音波処理を実施する、超音波洗浄処理及び超音波処理方法に関する。
超音波洗浄装置により生鮮食品を洗浄する技術が、特許文献1や2に提案されている。特許文献1及び2の超音波洗浄装置は、洗浄槽の底部に設けられた超音波振動子と洗浄槽を流れる水流とにより生鮮食品を洗浄する。また、特許文献3の超音波洗浄装置は、超音波洗浄作用と噴流洗浄作用とを併用して、食器を洗浄する。
特開2013−233502号公報 実用新案登録第3187858号 特開昭50−117264号公報
特許文献1〜3等の従来の超音波洗浄装置は、超音波及び水流により生鮮食品または食器を処理するものの、処理時の超音波出力が強いために、野菜果物・魚介類・肉類等の生鮮食品はまた生体試料を処理するとこれらの細胞構造が損傷又は破砕されてしまい、食味などの食品としての特性を保持できない虞が生じていた。
そこで、本発明は、生鮮食品または生体試料を超音波処理する際、生鮮食品または生体試料が損傷または破砕されないような超音波処理装置、及び超音波処理方法の提供を目的とする。
本発明の超音波処理装置、及び超音波処理方法の各態様は、下記の通り構成される。
(態様1)処理水の噴流と超音波により被処理物に処理を施すための超音波処理装置であって、前記被処理物を収容する処理槽と、処理槽前記処理槽の内部に前記噴流を導く処理水供給口と、前記処理槽の前記内部から処理水を流出する処理水流出口と、前記底部から前記内部に超音波を照射する複数の超音波振動子とを備え、前記超音波振動子は、20kHzから170kHzの間の超音波を発生し、かつ3〜20psiの超音波強度を処理領域中に与える、超音波処理装置。
(態様2)態様1に記載の超音波処理装置において、前記超音波振動子は、40kHzから100kHzの間の超音波を発生する、超音波処理装置。(態様3)態様1または2に記載の超音波処理装置において、前記超音波振動子は、3〜12psiの超音波強度を前記処理槽内に等間隔に設定した複数の測定点の50%以上で有する、超音波処理装置。(態様4)態様1〜4のいずれか一項に記載の超音波処理装置において、噴流透過性の超音波減衰材を前記処理槽内に備える、超音波処理装置。(態様5)態様4に記載の超音波処理装置において、前記超音波減衰材は、前記処理水供給口と対向する部分にパンチングメタルまたは金網を有する、超音波処理装置。(態様6)態様1〜5のいずれか一項に記載の超音波処理装置において、前記噴流は、0.5L/minから2.0L/minの間の流量を有する、超音波処理装置。(態様7)態様1〜6のいずれか一項に記載の超音波処理装置において、処理水の温度を所定範囲に維持する恒温ユニットを備える、超音波処理装置。(態様8)態様1〜7のいずれか一項に記載の超音波処理装置において、前記超音波処理装置は、前記超音波を前記処理槽内に照射しつつ、前記処理水を前記処理槽内に噴射する、超音波処理装置。
(態様9)態様1〜8のいずれか一項に記載の超音波処理装置を備えるシステムキッチン。(態様10)処理水の噴流と超音波により被処理物を処理する超音波処理方法であって、前記被処理物を処理槽に収容する工程と、前記処理槽の処理水供給口から前記処理槽の内部に前記噴流を導きつつ、前記処理槽に設けた複数の超音波振動子から前記被処理物に超音波を照射する、処理工程とを備え、前記処理工程中に、前記超音波振動子は、20kHzから170kHzの間の超音波を発生し、かつ3〜20psiの超音波強度を処理領域中に与える、超音波処理方法。(態様11)態様10に記載の超音波処理方法において、前記被処理物は食品であり、前記処理工程は、前記噴流及び前記超音波により前記食品の表層の酸化物を除去する、超音波処理方法。
本発明の超音波処理装置、及び超音波処理方法によれば、生鮮食品または生体試料を損傷または破砕することなく、生鮮食品または生体試料に超音波処理を実施することができる。
本発明の超音波処理装置の概念図である。 本発明の第1の実施形態に係る超音波処理装置の上方斜視図である。 図2の超音波処理装置の下方斜視図である。 図2の超音波処理装置の上面図である。 図4の超音波処理装置のA−A線に沿った断面図である。 図4の超音波処理装置のB−B線に沿った断面図である。 図2の超音波処理装置の下面図である。 図2の超音波処理装置に用いる処理槽の上方斜視図である。 図8の処理槽の下方斜視図である。 図2の超音波処理装置に用いる処理籠の垂直断面図である。 図2の超音波処理装置に用いる処理籠蓋の上方斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るシステムキッチンの上方斜視図である。 第3の実施形態に係る恒温ユニットを備えた超音波処理装置の構成図である。 (a)図2の超音波処理装置で超音波処理されたアルミ箔、(b)従来の超音波処理装置で超音波処理(出力50%)されたアルミ箔、(d)従来の超音波処理装置で超音波処理(出力100%)されたアルミ箔を示す写真である。 図2の超音波処理装置を用いた噴流の有無による水温変化を示すグラフである。 第1の実施形態の超音波処理装置における測定点を示す平面図である。 従来の超音波処理装置における測定点を示す平面図である。 各処理槽における測定値の平均と標準偏差を示すグラフである。 各処理槽における測定値を示すヒストグラムである。 各処理槽における適切な超音波強度の区間を示すヒストグラムである。 第1の実施形態の超音波処理装置による適切な超音波強度を示す図である。
本発明の超音波処理装置、及び超音波処理方法の各実施形態を図面を参照しつつ説明する。各図において、同じ機能の部分には同一符号を付し説明は適宜省略する。なお、本発明において、被処理物とは、好ましくは生細胞または死細胞を含む生鮮食品または生体試料を含む。
〔概要〕
本発明の超音波処理装置の概要を述べる。超音波処理装置1は、図1に示すように、処理水中で被処理物を処理する処理ユニット50(処理槽53)と、処理ユニット50の底部に設けられた複数の超音波振動子60とから構成される。さらに、処理ユニット50には、その底部中央から処理水の噴流を上方に噴出し、処理ユニット50の上部から処理水が流出(オーバーフロー)するように構成されている。水流は、非循環式または循環式とすることができる。被処理物を処理する際、超音波処理装置1は、被処理物を処理槽53内の処理水に浸けた状態で、被処理物に対して比較的弱い出力及び比較的低い周波数の超音波を照射しつつ処理水の噴流を加えることにより被処理物を洗浄等処理する。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係る超音波処理装置1を説明する。超音波処理装置1は、図2〜図4の外観図に示すように、処理ユニット50を収容する筺体(本体)20と、筺体20の側面下部に設けられた電源コード接続部21と、電源コード接続部21への水の侵入を防止する防水カバー23と、筺体20の側面に設けられた排水摘み25と、筺体20の正面に設けられた操作パネル40と、処理ユニット50の開口を覆う処理槽蓋51と、処理ユニット50へ処理水を供給するための給水口30aと、処理ユニット50から処理水を排出するための排出口30bとを備える。操作パネル40には、電源のオンオフを行う電源スイッチと、周波数の設定を行う周波数設定スイッチと、処理時間の設定を行う処理時間設定ボタンとを備える。処理時間は、5,10,15分で切り替えたり、1分から15分の間で任意の時間に設定することができる。設定された処理時間の間、超音波振動子が動作しつつ噴流が供給される。排水摘み25は、排水弁33(図7)に接続される。給水弁35(図7)を閉じて給水を停止した状態で、排水摘み25を水平(排水)位置にすると処理槽53内の処理水を排出する。排水摘み25を垂直(貯水)位置にすると、接続管31cは閉鎖されるので、給水弁35を開いて処理槽53に貯水または給水することができる。
超音波処理装置1の内部構造を図5及び図6の断面図を用いて説明する。図5は図4のAA線に沿う垂直方向の断面図であり、図6は図4のB−B線に沿う垂直方向の断面図である。超音波処理装置1の処理ユニット50は、有底円筒形の処理槽53と、処理槽53内に収容される処理籠55と、処理籠55に取り付けられた取っ手57と、処理籠55の上部開口を覆う処理籠蓋59と、処理槽50の底部外側に配置された複数の超音波振動子60とを備える。処理槽53は、その底部中央に形成された水流入口(噴射口)53aと、その側面上部に形成された水流出口53bとを備える。水流出口53bは、被処理物を処理した水をオーバーフローにより処理槽53の外部に流出する。さらに、超音波処理装置1は、操作パネル40の操作に応じて超音波振動子60を制御する制御基板70とを備える。
図7の底面図に示すように、給水管31aの一端は処理水流入口53aに接続され、給水管31aの他端は給水口30aに接続される。給水口30aの外側端は、上水道等の給水管に接続されるため、給水口30aまたは給水管31aは、常閉型電磁弁である給水弁35を備えることができる。この給水弁35は、好ましくは制御基板70により制御され処理動作時に開放することができる。排水管31bの一端は処理水流出口53bに接続され、排水管31bの他端は排水口30bに接続される。排水口30bの外側端は、下水管等の排水管に接続される。給水口31aまたは排水口31bの外側端は、それぞれ給水管または排水管と接続され、これらの間の接続には、ワンタッチで着脱可能なワンタッチ継手を用いることができる。複数の超音波振動子60は、処理槽53の底部において、処理水流入口53aの周囲を取り囲むように環状に配置される。
処理槽53は、図8及び図9に示すように、有底筒状に形成され、上端のフランジ部53cを備え、フランジ部から下方に突出する複数の位置決め突起部53dを備える。処理槽53は好ましくはステンレススチール等の金属材料から構成される。処理籠55は、超音波処理時に処理槽53内に収容される。処理籠55は、図10の断面図に示すように底面(水供給口53aと対向する部分)がパンチングメタル55aまたは金網等で構成される。パンチングメタル55aは、処理籠55の底面開口に溶接等で一体化されている。パンチングメタル55aは、多数の孔を有する金属板であり、パンチングメタル55aを通して処理籠55内に水が噴出可能となる。処理籠蓋(内蓋)59は、処理籠55の上部開口を閉鎖して、処理中に処理籠55内に被処理物を保持する。処理籠蓋59によって、米や野菜等の比較的軽い被処理物が噴流によって流出することを防止できる。処理籠蓋59は、その中央平面に設けられた円盤状のパンチングメタル59aまたは金網と、パンチングメタル59aの周囲に設けられたフランジ部59bと、パンチングメタル59aの中央に設けられた摘み部とから構成される。パンチングメタル59aを通して処理籠55の下方から上方に処理水が流出可能となる。
第1の実施形態の超音波処理装置1の処理に適用される各種条件を説明する。超音波振動子60が発生する周波数は、好ましくは20kHzから170kHzまでの間、より好ましくは28kHから120kHzまで間、さらに好ましくは40kHから100kHzまで間、の低周波を用いることができる。操作パネル40の周波数切換スイッチを操作することにより、周波数は、複数の段階に切換え可能である。周波数は、例えば28kHと、40kHzと、100kHzと、120kHzとを被処理物に応じて切換えることができる。
超音波振動子60は、好ましくは、処理槽53に水を満たし噴流を停止した状態で測定すると、3〜20psi(20.7〜138kPa)の超音波強度(圧力)を処理領域中に与えることができる。この超音波強度は、市販の超音波処理装置の数分の1から約10分の1程度である。超音波処理装置1において、好ましくは3個の超音波振動子60を、円筒型の処理槽53の底面に等間隔で配置することができる。これによって、処理槽53の底面側における超音波振動子60の超音波強度を均等化することができる。処理水供給口53aから処理槽53に供給される処理水の流量は、好ましくは0.5L/minから2.0L/minの間とすることができる。
〔第2の実施形態〕
本発明の超音波処理装置に係る第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、図12に示すように、システムキッチン1000に第1の実施形態の超音波処理装置1を内蔵したものである。超音波処理装置1の処理槽蓋51は、システムキッチン1000の上面にヒンジを介して開閉自在に設けられる。図12(a)は処理槽蓋51’を閉じた状態、図12(b)は洗濯槽蓋51’を開いた状態である。超音波処理装置1の操作パネル(超音波操作盤)40は、システムキッチン1000の側面に設けられる。また、システムキッチン1000には、上水道に接続された浄水器100と、上水道または浄水器100に接続された給湯機200とが接続される。超音波処理装置1の給水管30aには、上水道、浄水器100、または給湯機200を接続可能である。システムキッチン1000は、食器洗浄機300を備えることもできる。
〔第3の実施形態〕
本発明の超音波処理装置に係る第3の実施形態を説明する。第3の実施形態は、図13に示すように、超音波処理装置1に恒温ユニット80を接続したものである。恒温ユニット80は、恒温水槽81と、恒温水槽81内の恒温処理水を所定の温度に維持する恒温装置83と、恒温水槽81内の恒温水を超音波処理装置1に供給するための水中ポンプ85と、水中ポンプ85から超音波処理装置1の処理ユニット50の底部に導く給水管31a’と、処理ユニット50の上部からオーバーフローした処理水を恒温槽81に導く排水管31b’とを備える。第3の実施形態において、恒温水槽81から処理水を超音波処理装置1に循環させる方式により、超音波の照射により加熱される処理水の温度を冷却して一定の温度で超音波処理を行うことができる。なお、排水管31b’には、好ましくは処理滓を濾過するフィルターを設けることができる。
処理水として用いる水道の水温が、冬季に低温(20℃以下)となる場合には、肉類や魚肉類の超音波処理により脂肪分が溶出する。溶出した脂肪分が処理槽53や排水管に付着してこれらを汚染し、その洗浄が使用者の大きな手間となる。第3の実施形態のように、超音波処理装置1と恒温ユニット80とを接続して任意の水温の温水をもって超音波処理することにより、脂肪分による処理槽と配管の汚染を解決することができる。なお、恒温ユニットを設けずに、超音波処理装置1の給水口を台所の給湯器200(図12)と接続することにより、温水を供給することも可能である。
本発明の実施形態に係る超音波処理装置1の開発・検証の過程において、生体試料である食材を、品質の劣化なく超音波処理するための採用可能な仕様として以下をあげる。超音波振動子60の周波数は、20kHz以上、170kHz以下が使用可能である。超音波処理装置1において、処理に使用する周波数は、騒音、後述のモスキート音発生を考慮すると、40kHz以上が望ましく、処理効率を考慮すると周波数は100kHz以下が望ましい。
超音波振動子は使用周波数の1/2の周波数の音波を発生する。したがって、超音波処理装置1を用いて、40kHzで処理した場合は20kHzの音波が発生するが人間の可聴域外であるために感知されない。しかし、超音波処理装置1を用いて、28kHzで処理した場合は14kHzの音波(モスキート音)を発生し、モスキート音を感知できる40歳代以下の人間には感知される。本装置を家庭をはじめとする社会の様々な面において実装するためには、モスキート音の遮音が必要である。モスキート音は、筺体20内に遮音材を設けることにより対応が可能ではある。遮音材としては、例えば発泡スチロール板等を用いることができる。
超音波振動子60の出力は、アサリの殻の彫刻の泥汚れが好ましくは20秒以内に処理できる出力(振動強度)が必要である。また、アサリの殻の蝶番が破砕されない強度で十分である。超音波振動子60の周波数の変調機能は省略することも可能である。処理時間のタイマー機能として、10分までは1分刻み、10分以上は5分刻みで最長15分のセットを可能とすることができる。家庭用温水器の配管に給水口30aを接続することにより、温水(50℃まで)を処理水として使用することができる。処理槽53の断面は円形であることが大変望ましい。これによって、処理中に手動で処理籠55を回して、被処理物を均一に処理可能となる。
超音波振動子60は、図7に示したように、処理水の入水系と排水系が配管の一部(接続管31c)を共通しているために、定期的(2−3ヵ月ごと)に配管内の洗浄措置が必要となる。そこで、処理水の入水系と排水系とを別々の配管となるよう構成すれば、配管内の洗浄措置の頻度を低下することができる。
本発明は、特定の周波数と出力の弱い超音波を噴流と併用して処理処理に使用することによって、従来処理が不可能であったイチゴ等の複雑な形状をした野菜果物類および、キノコ類、レタス、ホウレンソウ、キャベツ等の葉物野菜の表面に付着する農薬類、防腐剤等の添加材、泥汚れに含まれる放射能、細菌類の洗浄等の処理を可能とする。本発明は、さらに流通によって酸化し古くなった魚介類、肉類の表層の過酸化脂質、変性劣化したタンパク質等の生体分子を除去し食味を改善するとともに、酸化脂質の摂取による健康被害を抑制する食材を提供することができる。弱超音波処理によって野菜果物類の細胞内構造水を増加させ、細胞レベルから活性化して食味・食感を改善するとともに、日持ちを延伸させることもできる。
本発明は、円筒形の超音波処理槽の底部中央より清浄な処理水を噴流させながら超音波処理を施すことを可能とする。これにより、噴流がない条件に比較してより効果的な洗浄効果が実現する。ホウレンソウの農薬を洗浄除去した場合、噴流がない超音波洗浄に比較して16.8%の洗浄効果の向上がみられた。本装置を使用した場合、通常の水洗いに比較して、噴流がない場合で74%、噴流がある場合で103%の洗浄効果の向上が得られた。また、露地栽培される野菜が帯びる放射能のほとんど全ては土壌に含まれるセシウム137およびセシウム134が土埃として野菜表面に付着したものと考えられる。本装置による超音波洗浄によって土埃を洗浄除去すると同時に野菜表面の放射能を除去することも可能である。
通常の超音波処理装置の数分の1から10分の1程度の弱い出力での超音波処理を行うことにより、本発明の超音波処理装置は、生体試料の細胞、組織構造を破砕することなく超音波洗浄を実現することが最大の特色である。これにより、ソフトマテリアルである様々な食品材料(野菜類、果物類、肉類、魚介類)を、その食材としての物性を損なうことなく、また生きている状態の生物体を殺すことなく効果的に洗浄等の処理をすることが可能となった。これらの特色を有する本発明の超音波処理装置を使用することによって、従来は物理的な洗浄が不可能であったイチゴのような破砕されやすい対象物の効果的洗浄が可能となっている。また、白菜などの葉物野菜、ブロッコリー、カリフラワー、キノコ類などの複雑な形状を有する対象生体試料の効果的洗浄が可能となっている。
本発明の超音波処理装置の開発の過程において、野菜類を超音波処理することにより、みずみずしさとシャキシャキした食感が回復してその状態が長く(冷蔵庫中に保湿して保管することにより数日間以上)維持されることが見出された。超音波処理による表面の雑菌類の除去効果とあわせて、生鮮野菜類・果物類の日持ちが大幅に延伸されることが実現している。
超音波洗処理により、ブドウの果汁の糖度が向上した。また、超音波洗処理により、タマネギの細胞中小粒子のブラウン運動が減弱した。モヤシのMRI解析の結果からは、細胞内の自由水が減少し、結合水が増加していることが示唆されており、超音波洗処理によって細胞内で自由水となった水が再び結合水となって細胞内の溶媒としての水が減少し、糖度が上昇するとともに、細胞内小粒子に衝突する自由水が減少することによってブラウン運動が減弱するものと考えられる。
本発明の超音波処理装置を用いて、肉類、魚介類を処理(洗浄)することも可能である。豚肉、鶏肉を超音波処理することにより、肉質を破壊することなく肉表面に存在する細菌類、汚れを除去することができる。さらに、超音波処理の脱脂効果により、肉表層の脂質類を除去することが可能である。食肉加工された後に流通する肉類は、その表層の脂質が空気酸化されて酸化脂質に変化し、風味の劣化と品質劣化の要因となっている。本装置は、肉類の細胞組織構造を破砕することなく食味と品質を維持した上で表層の酸化脂質を選択的に除去し、酸化によって劣化した風味を酸化する前の新鮮な風味に改善するとともに、健康に悪影響を与える酸化脂質を除去し品質を改善する効果を有する。酸化脂質が除去された肉類はあたかも鮮度が回復した食味となって「おいしく」なり食事の楽しみを増大させるばかりでなく、酸化した肉類を摂取することによる人体健康への負荷を減ずることとなり、健康増進に寄与するものと期待される。実際、本装置を試験的に家庭において試用したモニター家族からは、「食事がおいしくなった」、「体調が改善した」との評価が得られている。さらに、鶏肉の超音波処理では、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)としての作用が懸念される可塑剤が鶏肉から見出され、超音波処理によって除去されることが確認された。市販のプラスティックパックからの混入であるものと想像される。
超音波処理による酸化脂質の除去の効果は、酸化しやすい魚油を多く含む魚肉類においてより顕著に観察された。冷凍された塩サバ、シャケ、サンマの開き、赤魚の切り身などを超音波処理すると長期保存によって生じる臭みが消失し食味が大きく改善される上、食後の胸やけが起こらない。学校給食では品質のそろった魚肉を大量にそろえるために酸化脂質を比較的多く含む「冷凍焼け」した冷凍品が多く使用されている現状がある。本発明の超音波処理装置を学校給食に応用することによって、冷凍魚肉類より酸化した脂質類を除去すれば学校給食をよりおいしく、かつより健康に資するものに変ずることが可能である。
本発明の超音波処理装置は、アサリ、シジミ等の貝類の処理(洗浄)も可能である。アサリ等の生食材はその生命活動により流通の過程で排泄物を生じたり体表面のバイオフィルムが腐敗し悪臭の原因となる。食材の調理の前に本装置を用いて超音波処理することにより、これらの不要物を効率的に除去し、その食材本来の食味・風味を回復させることが可能である。ただし、生の状態を冷凍した食材は本装置を用いた低出力の超音波処理によっても肉質が破砕崩壊することから、適用は不適である。加熱処理した冷凍品への適用は可能である。産地において水揚げしたアサリなどを本発明の超音波処理装置を用いて超音波処理した上で冷凍保存することにより、風味が劣化することなくアサリを食卓へ供給することが可能である。本発明の超音波処理装置を用いて洗米(米研ぎ)も可能である。10分間の噴流超音波処理の後、浸漬する時間なくすぐに炊飯器にて炊飯することが可能であり、炊飯の手間を大きく削減することができ、またそのようにして炊飯されたご飯は美味である。
本発明の超音波処理装置は、噴流と弱い超音波を同時に処置することによって、食材等の生体試料をその細胞組織構造を破砕し劣化せしめることなく食材を効果的に処理できるとともに、超音波処理により植物の細胞内の結合水が増加し、細胞が活性化することが明らかとなった。また、肉類、魚肉類の超音波処理により表層の酸化脂質類が除去され、食味の改善と食する者の健康を増進させる効果が向上することが明らかとなった。
さらに、本発明に係る超音波処理装置は、農産物生産者、流通業者における利用、水産物生産者、流通業者、加工産業においての利用が見込まれる。
〔比較実験〕
本発明の実施形態に係る超音波処理装置1の最大の特徴は、使用する超音波の出力が低いことである。超音波処理装置1の出力を、市販されている従来型の超音波処理装置の数分の1から10分の1の出力とすることにより、生体試料である食材の細胞組織構造を破壊することなく、超音波洗浄・処理を実施することが可能となった。低出力である第1の実施形態の超音波処理装置1と、高出力である従来の超音波処理装置とを比較した。従来の超音波処理装置として、シャープ株式会社の卓上型超音波洗浄装置UT−205Sを用いた。比較実験1は、同じ周波数(40kHz)で同じ時間(3分)、鶏肉を超音波処理した場合には、超音波処理装置1では食感が良好であったが、従来の超音波処理装置では食感が劣化した。
さらに比較実験2では、アルミ箔を金魚すくいのポイ(一対の環状枠)にはさんで、それぞれの処理槽の中央の水面直下にポイを配置し、同じ周波数(40kHz)で同じ時間(1分)、アルミ箔を超音波処理した。従来の超音波処理装置は、最大出力200Wに対して、50〜100%の範囲で出力が可変である。
図14に、本発明及び従来の超音波処理装置による比較実験2の結果を示す。図14(a)には、本発明の超音波処理装置1により超音波処理されたアルミ箔を示している。図14(a)のアルミ箔は、破砕が生じていない。図14(b)は、従来の超音波処理装置により出力(50%)で超音波処理されたアルミ箔を示している。図14(c)は、従来の超音波処理装置1により出力(100%)で超音波処理されたアルミ箔を示している。従来の超音波処理装置は、最低出力(50%)においてもアルミ箔が破砕され開口部が生じている。このように従来の超音波処理機は、出力が高いため生体試料である食材の細胞組織構造を破壊する恐れがあることが分かる。従来の超音波処理機に比べて、本発明の超音波処理装置1は、細胞組織構造を破壊するおそれが低い。
超音波処理により、処理水は加熱されその水温が上昇することから、温度上昇により品質の劣化が予想される食材の超音波処理の業務利用は不可能と考えられてきた。そこで、本発明の実施形態に係る超音波処理装置1において、清浄で低温の水道水を継続的に供給しながら超音波処理を実施する動作原理により、食材の温度上昇を防止しつつ超音波処理することが可能である。図15に噴流の有無での超音波処理による温度変化の比較図を示す。白丸は、噴流を加えずに超音波処理した場合である。この場合は、処理槽の水温が処理時間に応じて上昇する(30分で8℃の上昇)。これに対して、黒丸は、噴流を加えた場合であり、温度は変化しないことが実証された。
〔出力測定実験〕
第1の実施形態の噴流式の超音波処理装置1、及び従来の超音波処理装置UT−205Sについて、それぞれ超音波出力を測定した。超音波出力の測定には、新科産業有限会社製の超音波メーターSM1000を用いた。結論として、第1の実施形態の噴流式の超音波処理装置1の適切な超音波強度は、3〜12psiであり、従来の超音波処理装置の約1/3であった。
処理籠がない状態では、第1の実施形態の超音波処理装置1と、従来の超音波処理装置の超音波強度はほぼ同じであった。超音波処理装置1に処理籠55をセットした場合、超音波強度が大きく減弱した。したがって、超音波処理装置1自体は通常の超音波処理装置と同等の出力を発揮しているが、洗濯槽53内に配置された処理籠55が超音波強度を下げていたと解釈できる。したがって、処理籠55は、底部にパンチングメタル55aを有するため噴流透過性超音波減衰体として作用している。なお、超音波処理装置1において、噴流を流しながら測定した場合に超音波強度が増大したるが、噴流によるアーティファクト(ノイズ等)であるものと考えられる。出力測定実験で使用した超音波メーターは、噴流がある場合に超音波強度を正確に測定できなかった。そこで、以後の議論では、処理籠あり、かつ噴流なしの条件で実験を行った。
図16に、第1の実施形態の超音波処理装置1の処理槽53を上方から見た平面図を示す。図16に示される丸数字は測定点を示している。処理槽53の水深2cm、7cm、11cmの底面に平行な平面において、各測定点の超音波強度を測定した。超音波振動子60の発生する超音波の周波数は54kHzとした。
図17に、従来の超音波処理装置の処理槽53を上方から見た平面図を示す。図17に示される丸数字は測定点を示している。従来の超音波処理装置の処理槽53の水深2cm、8cmの底面に平行な平面において、各測定点の超音波強度を測定した。超音波振動子60の発生する超音波の周波数は40kHzとした。
図18に、各処理槽における測定値の平均と標準偏差を示す。第1の実施形態の超音波処理装置1の超音波強度は3~12psiであり、従来の超音波処理装置の約3分の1であった。なお、第1の実施形態の超音波処理装置1における測定点は75箇所(各水深毎に25ヶ所)、従来の超音波処理装置における測定点は50箇所(各水深毎に25ヶ所)とした。
図19に、各処理槽における測定値のヒストグラムを示す。第1の実施形態の噴流式の超音波処理装置1においては、図19(a)に示すように、アサリ、塩サバの処理処理のために必要最小限の超音波強度である5~8psiが主であり、細胞毒性を有するより強い超音波強度成分(20psiより大きい値)が少ない。これに対して、従来の超音波処理装置においては、図19(b)の出力50%、図19(c)の出力100%に示すように、第1の実施形態の噴流式の超音波処理装置1に比較して、5〜8psiの超音波強度の成分が少なく、より大きい強度の成分が多くなっている。
表1に、アサリA、アサリB、及び塩サバについて、第1の実施形態の超音波処理装置1を用いて、各超音波強度毎に洗浄効果を評価した。アサリAとアサリBは異なる日に購入した。
表1から明らかなようにアサリの洗浄効果が発揮されるためには、好ましくは約5psi(4.8psi)以上の超音波強度が必要であることが分かる。塩サバの脱酸化脂質効果が発揮されるためには、好ましくは約4psi(3.64psi)以上の超音波強度が必要なことが分かる。第1の実施形態の超音波処理装置1では、アサリ、塩サバの洗浄処理のために必要最小限の強度である5〜8psiが主であり、細胞毒性を有するより高い強度成分(20psiより大きい値)が少ないことが判明した。
これらを総合すると、適切な超音波強度の範囲は、約5psi以上、約20psi以下が好ましい。ただし、5psi以下の超音波強度をある程度(数十%程度)含んでいても、被処理物が噴流により撹拌されることが予想されるため、5psi〜20psiの成分を主に含む場合に適切に処理することができる。5psi〜20psiの成分を主に含む場合とは、水深2cm〜11cmにおいて等間隔に複数の点で測定した場合、5psi〜20psiの成分を好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上とすることができる。水深2cm〜11cmの範囲は、噴流及び超音波が被処理物に適切に作用する処理領域である。
図20は、図19と同じものであるが、より適切な超音波強度の区間Iと、やや適切な超音波強度の区間Iとを示す。区間Iの強度は、5〜12psiであり、区間Iの強度は、12〜20psiである。第1の実施形態の噴流式の超音波処理装置1においては、図20(a)に示すように、区間Iの成分数が63.3%あり、区間Iの成分数及び区間Iの成分数の合計が84.0%となる。これに対して、従来の超音波処理装置においては、図20(b)の出力50%に示すように、区間Iの成分数が26.0%あり、区間Iの成分数及び区間Iの成分数の合計が72.0%となり、第1の実施形態の噴流式の超音波処理装置1に比べて、区間Iの成分数を多く含むことが分かる。また、従来の超音波処理装置においては、図20(c)の出力100%に示すように、区間Iの成分数が10.0%あり、区間Iの成分数及び区間Iの成分数の合計が40.0%となり、第1の実施形態の噴流式の超音波処理装置1に比べて、区間Iの成分数を多く含み、さらに区間Iの成分数及び区間Iの成分数の合計が半分以下であるが分かる。
図21に、各被処理物毎に、第1の実施形態の噴流式の超音波処理装置1を用いた実験から得られた適切な超音波強度を示す。アサリの処理には、5〜20psiの超音波強度が適切であり、塩サバの処理(酸化脂質除去)には、5〜20psiの超音波強度が適切であった。なお生きたメダカ胚及び生きたヒラマキガイの超音波処理では、5〜20psiの超音波強度を用いることができるが、5psi以下がより適切であり、5〜10psiがやや適切であり、10psi以上の超音波強度によって生体への傷害効果が誘起された。レタスの活性化には、5〜20psiの超音波強度を用いることができるが、10psi以上でやや適切となり、20psiに近いほど適切となった。
従来の超音波処理装置では、噴流式に比較して5〜8psiの超音波強度の成分が少なく、超音波強度の分布が高い方に偏っている。今回の測定により、食品用の超音波処理装置として5〜15psiの超音波強度を主として出力する超音波処理装置を作製すればよいことが判明した。
本発明の超音波処理装置1は、弱い出力の超音波を用いることにより、食材の品質を劣化させることなく超音波処理を行い、表面に付着する農薬、泥汚れ、放射能を除去することができる。具体的には次の通り効果が得られた。豚肉、鶏肉、魚肉(干物類含む)の表層に所在する脂肪を除去することにより、酸化脂質を選択的に除去して味見を改善するとともに、食する人間の健康負荷を低減し、健康増進の効果がある。豚肉、鶏肉、魚肉(干物類含む)の表層に所在する脂肪を除去することにより、脂肪分に溶解した可塑剤を除去して食する人間の健康負荷を低減し、健康増進の効果がある。生きている植物(野菜、果物)を超音波処理することにより、細胞内の自由水が結合水化して水分活性が低下し、新鮮な状態の食味としゃきしゃきした食感が復活するとともに、日持ちが改善される。巨視的にはしおれていた葉が再び伸展してみずみずしく活性化した見た目に変容する。洗米(米研ぎ)の時間を短縮(30分→10分)し、かつ炊きあがりがおいしくなる。超音波処理して炊飯したご飯は冷蔵保存しても食味が劣化しない。超音波処理した食材を用いて調理した食事は、自然と箸が進むようになった。
〔洗浄実験〕
本発明の第1の実施形態に係る超音波処理装置1を用いて、各種生鮮食品または生体試料を洗浄した実験例を以下説明する。
1.野菜・果物の洗浄
1−1 周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、サツマイモ、里芋、ジャガイモ、牛蒡、大根、ニンジン、コカブ、レンコン、タマネギ、ニンニク、ショウガの品質を劣化させることなく表面の泥汚れを除去できた。
1−2 周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、小松菜、チンゲン菜、ホウレンソウ、春菊、白菜、キャベツ、レタス、サラダ菜、サンチェ、水菜、山東菜、大葉(青しそ)、パセリ、バジル、ルッコラ、ネギ、モロヘイヤ、アシタバ、クレソン、バジルの品質を劣化させることなく表面の泥汚れを除去できた。
1−3 周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、カリフラワー、ブロッコリー、アスパラガス、ローズマリー、モヤシ、スプラウトの品質を劣化させることなく表面の泥汚れを除去できた。
1−4 周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、ワカメ、アカモクの品質を劣化させることなく表面の泥汚れを除去できた。
1−5 周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、大根のせん切り(刺身のつま)、キャベツのせん切りの品質を劣化させることなく表面の泥汚れを除去できた。
1−6 周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、イチゴの品質を劣化させることなく表面の泥汚れを除去できた。
1−7 周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、トマト、ミニトマト、プチトマト、ピーマン、キュウリ、ナスビ、カボチャ、ゴーヤ、インゲン豆、ソラマメ、エンドウ豆、枝豆の品質を劣化させることなく表面の泥汚れを除去できた。
1−8 周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、リンゴ、ナシ、ミカン、レモン、ブドウ、キウイ、グレープフルーツ、バナナ、メロン、桃、ブルーベリー、アボガド、柿の品質を劣化させることなく表面の泥汚れを除去できた。
1−9 周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、シイタケ、エノキダケ、エリンギ、マイタケ、シメジ、ナメタケの品質を劣化させることなく表面の泥汚れを除去できた。
1−10 周波数28kHzの超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、ホウレンソウに散布した農薬(フェントエート)を、水洗いの103%増しの効率で洗浄できた。
1−11 周波数28kHzの超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、チンゲン菜に散布した農薬(フェントエート)を、水洗いの2倍の効率で洗浄できた。
1−12 周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、シイタケ、エノキダケ、モヤシの匂いが嫌みのないすがすがしい香りに変容した。
1−13 周波数28kHzの超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、レタスの表面の雑菌を除去できた。
2.野菜・果物類の味、日保ちへの効果
2−1 周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に10分間タマネギに実施することによって、超音波処理なしで食した直後に感じられていた辛味がなくなり、しばらくして辛味が感じられるようになった。裁断しタッパーに入れて冷蔵保存したところ、7日間以上味、食感が維持された。
2−2 ニンジンを短冊状にカットして周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、一ヵ月間タッパーに入れて冷蔵保存することができた。
2−3 キャベツを4分割し、芯をカットして重なり合った葉の隙間に水が行きわたるように、周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に10分間実施した後、サランラップ(登録商標)にくるんで冷蔵保存したところ、一ヵ月後にもみずみずしさは維持されていて、生でも問題なく食することができた。
2−4 小松菜、チンゲン菜、ホウレンソウ、春菊、白菜、キャベツ、レタス、サラダ菜、サンチェ、水菜、山東菜、大葉(青しそ)、パセリ、バジル、ルッコラ、ネギ、モロヘイヤ、アシタバ、クレソン、バジルを周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に10分間実施したところ、葉のしおれた感がなくなり、しおれていた葉が大きく広がり、新鮮であった時の状態が復元され、新鮮であった時のようなしゃきしゃきした食感が感じられるようになった。
2−5 小松菜、チンゲン菜、ホウレンソウ、小カブ、白菜、キャベツ、レタス、サラダ菜、サンチェ、水菜、山東菜、大葉(青しそ)、パセリを周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に10分間実施して葉のしなしな感がなくなり、新鮮であった時のようなしゃきしゃきした食感が感じられるようになったものを、暖房を利かせた室内にて保湿をしない状態で静置しても4時間以上その状態が維持された。
2−6 小松菜、チンゲン菜、ホウレンソウ、春菊、白菜、キャベツ、レタス、水菜、山東菜を周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に10分間実施して葉のしなしな感がなくなり、新鮮であった時のようなしゃきしゃきした食感が感じられるようになったものを、乾燥しないようにタッパー等に入れて冷蔵庫の野菜庫にて保管すると、翌日もみずみずしさ、シャキシャキした食感が維持された。
2−7 周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、モヤシが新鮮であった時のようなシャキシャキした食感が感じられるようになった。また、低価格のものによくみられる嫌味な匂いが消え、冷蔵庫内で一週間後でも問題なく食用に供することが可能なくらい日保ちがよくなった。
2−8 周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、アスパラガスの先端の芽の部分が開いた。洗浄直後に、生で1本ずつ食したところ、超音波洗浄した方がより甘みが強く、風味が強い印象を持った。茹でて食したところ、超音波処理した方がより黄緑色で、よりきれいで、青臭さがなく、しなびた感じがなくなって、美味であった。
2−9 周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、国内産のブロッコリーを超音波処理した後に茹でたところ、甘みが増したように感じられ、美味であった。中国産のブロッコリーの味に変化は生じなかった。
2−10 周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、シイタケ、エリンギ、マイタケ、エノキダケのかさがふっくらとふくらみ、しなびた感じがなくなり、食感もみずみずしく、新鮮な感じであり、美味となった。また、シイタケのかさの下面の襞が真っ白にきれいになった。すえたような独特の香りがなくなりすっきりした香りになった。潤いを取り戻して、ふっくらした見た目になり、焼いて、および鍋物にして食したところ、美味であった。
2−11 大根、牛蒡、蓮根、蒟蒻、人参、里芋、シイタケ、鶏肉を裁断した後に周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に10分間実施した後に煮物にしたところ、美味となった。超音波処理した具材を用いた煮物では、灰汁が少なく、すっきりした味わいとなった。また、大根、蒟蒻への味の浸透が早くなり、調理時間を短縮できた。
2−12 周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、矢車草の日持ちが改善した。
3. 野菜を活性化する効果
3−1 周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、噴流式超音波処理して8日間静置したところ、超音波処理していないモヤシ群は全て腐敗したのに対して、超音波処理したモヤシ群では発芽するものがあった。
3−2 周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、1時間程度のうちにネギの芯部が突出した。数時間以上の時間経過によって芯部が突出することは通常であるが、超音波処理によりネギ内部の体積が急速に増加したものと解釈できる。
3−3 周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に10分間実施することによって、ブドウ(福岡産)を超音波処理し、糖度計にて果汁の糖度を測定したところ、超音波処理後3時間の時点で糖度が上昇し、また糖度分布の分散が小さくなった。
4. 洗米(米研ぎ)への効果
4−1 周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に5〜10分間実施すると、浸漬の時間がゼロであっても通常の炊飯器を用いて炊飯でき、美味になった。
4−2 周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理と噴流を同時に5〜10分間実施して炊飯する場合、もち米と白米の割合が5:5以下であれば、浸漬の時間がゼロであっても通常の炊飯器を用いて炊飯でき、美味になった。
4−3 余ったご飯を冷ご飯として食した場合も、すっきりした食感は維持され、美味であった。電子レンジを用いて加熱すると、嫌な匂いがなく炊きたてと同様の食味になった。
5.肉類の超音波処理
5−1 豚肉(ロース、もも、バラ)、国産牛肉を周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に3分間実施して、肉野菜炒め、および鉄板焼きにして食したところ、冷凍肉の嫌な風味(臭み)が消失し、美味であった。食感には悪影響はなく、むしろやわらかくなって食感が向上したように思われた。通常は調理後時間が経つと肉の食感が堅くなるが、超音波処理した肉では調理後も肉が堅くなることがなかった。豚肉(トンカツ用、国産)を超音波処理(5分)したところ、小さな白色の懸濁物が大量に脂身より噴出した。処理後、豚肉の表面が水膨れした印象であった。また、肉が3割ほど大きくなった。トンカツにして食したところ、普通のトンカツよりもすっきりしたおいしさであり、調理の翌日も脂分が固くなることなくおいしく食することができた。超音波処理をした牛肉、豚肉では、調理後料理が冷めて煮汁表面に出現する白い油状のラード、あるいは調理した翌日に生じる白いラードの塊が発生せず、冷めてもすっきりした美味のままであった。
5−2 オーストラリア産の冷凍牛肉スライスを周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に10分間実施して調理すると、風味がほぼ完全に失われ、嫌な不快な風味となって極めて不味となり、成形肉や牛脂注入肉などの加工肉を識別することができた。
5−3 鶏肉(ムネ肉、モモ肉、骨付きモモ)周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に5分間実施して調理したところ、あっさりした食感と風味であって美味であった。チキンカツにして食したところ、通常のチキンカツよりもあっさりした食感と風味であり、強いて言えばすこし風味が物足りない心象であった。肉野菜炒め、鉄板焼き、煮物、焼き鳥に調理し食したところ、皮も大変やわらかくてやさしい食感となっており、大変美味であった。牛肉、豚肉と同様、調理後料理が冷めて煮汁表面に出現する白い油状のラード、あるいは調理した翌日に生じる白いラードの塊が発生せず、冷めてもすっきりした美味のままであり、臭みも発生しなかった。皮を塩味で焼き鳥にしたところ、通常の鳥皮のねちょねちょした食感と鳥の脂独特の臭みが消失し、すっきりした味と風味であり、美味となった。
5−4 周波数28kHzの超音波処理と噴流を同時に5分間実施して調理したところ、フタル酸ジイソオクチル(商標名:Corflex880)という可塑剤を鶏肉より除去することができた。
6. 魚肉の超音波処理
6−1 冷凍赤魚を周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に5分間実施した後に煮魚としたところ、発生した灰汁の量が明らかに少なく、煮汁が透明であり、煮ている際の湯気の香りに臭みがなかった。煮魚は冷凍とは思えないような美味であった。また、煮汁を分注して冷蔵庫に一晩静置したところ、大変驚くべきことに「煮こごり」が生じた。
6−2 冷凍カレイ、冷凍銀タラを周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に5分間実施した後に煮魚としたところ、冷凍焼けのいやな風味が消失し、美味ではないものの普通に食することができた。
6−3 冷凍ではないウマヅラハギを周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に5分間実施した後に煮魚としたところ美味であった。
6−4 アユを周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に5分間実施した後に焼き魚として食したところ、生臭さが消失して美味であった。
6−5 超音波処理によって、新鮮でない魚が有する嫌味な風味が消失するために、味付けが薄くて十分となり、味付けに用いる醤油、出し汁、みりん、砂糖、塩等の調味料の使用量が少なくなった。調味料の使用量を減らす節約効果に加えて、過剰な醤油の使用に起因する過剰な塩分摂取を防ぐことができた。
6−6 三陸産のサバを周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に3分間実施した後に煮たところ、美味であった。煮汁は透明であり、「煮こごり」が生じた。
6−7 冷凍イカ、解凍イカ(スルメイカ、ヤリイカ、ケンサキイカ、ヒイカ)を周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に3分間実施した後に煮物に調理したところ、生臭さが消失し、美味となった。イカの風味は失われなかった。煮汁が不透明化しないことが特徴であった。
6−8 国産マダコ(刺身用)を周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に3分間実施した後に刺身および煮物としたところ、臭みがなくなり美味となった。モーリタニア産マダコ(刺身用)を周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に3分間実施した後に刺身および煮物としたところ、味と風味がほぼ完全に消失し無味となった。国産と海外産解凍品を判別する手法として用いることができた。
6−9 チリ産冷凍シャケを周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に1分間実施した後に、焼いて食したところ、美味であった。超音波洗浄開始直後に、皮下の脂身の部分より白い懸濁物が大量に噴出した。超音波処理を5分間行ったところ、ほぼ完全に風味が失われて、不味であった。
6−10 1%食塩水を満たしてハマチの刺身に周波数40kHzの超音波処理を3分間実施したところ、少々塩辛くなったが、臭みが消失し美味となった。また、ハマチの刺身を周波数40kHzの超音波処理と水道水の噴流を同時に3分間実施したところ、ハマチの臭みが消失したが、水っぽさが強くなり美味ではなかった。ハマチの刺身を1%塩水の中で噴流がない状態で周波数40kHzの超音波処理を3分間実施したところ、ハマチの臭みが消失したが、塩辛くなりそのままでは不味であった。
6−11 鯛のアラ(頭部、腹壁、背骨、尾ひれほか)の鱗を除去した後に周波数40kHzの超音波処理と噴流を同時に5分間実施した後にアラ煮としたところ、美味であった。煮汁は透明であり、「煮こごり」が生じた。
7 魚の干物のの超音波処理
7−1 サンマの開き、アジの開き、本ホッケの開き、縞ホッケの開き、カマスの開き、赤魚の干物、ヒメタラの干物、コマイの干物、シシャモの干物、カレイの干物を周波数40kHzの超音波処理を3分間実施して食したたところ、臭みが消失して風味は残り、美味であった。
7−2 サンマの開きを周波数28kHzの超音波処理を3分間実施したところ、サンマの開きの表面に存在する雑菌類が約10分の1に減少した。
7−3 塩サバ(干物、冷凍、ノルウェー産)を周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理を3分間実施した後に、焼いて食したところ、美味であった。食後にゲップをしても嫌な臭いがしない、胸焼けがしないのが特徴であった。
7−4 塩サバ(干物、冷凍、ノルウェー産)を周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理を2〜3分間実施したところ、黄色く着色した脂分、臭みのある匂い、冷凍焼けの匂いが消失し、爽やかなサバ本来の風味に変化した。
7−5 塩サバ(干物、冷凍、ノルウェー産)を周波数28kHzの超音波処理を2〜3分間実施したところ、可塑剤が除去された。
8. 2枚貝の超音波洗浄
8−1 活きたアサリを周波数周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理を10分間実施した後に、アサリの殻表面の微細な汚れ(バイオフィルムが死滅腐敗したもの)が除去され、洗浄後のアサリの肉質に悪影響はなく、すっきりとした味わいとなって美味となった。洗浄後のアサリを家庭用冷凍庫にて冷凍保存することも可能であった。
8−2 活きたシジミを周波数40kHz(もしくは28kHz)の超音波処理を10分間実施した後に、シジミの殻表面の微細な汚れ(バイオフィルムが死滅腐敗したもの)が除去され、洗浄後のシジミの肉質に悪影響はなく、すっきりとした味わいとなって美味となった。洗浄後のアサリを家庭用冷凍庫にて冷凍保存することも可能であった。
8−3 活きたホッキ貝を周波数40kHzの超音波処理を10分間実施した後に、シジミの殻表面の微細な汚れ(バイオフィルムが死滅腐敗したもの)が除去され、洗浄後のホッキ貝の肉質に悪影響はなく、すっきりとした味わいとなって美味となった。
8−4 ホタテの冷凍むき身を周波数40kHzの超音波処理を10分間実施したところ、生臭い嫌な匂いが消失し、鉄板焼きにて食すと臭くなくすっきりしたホタテの香りと風味が感じられ、美味となった。
1 超音波処理装置
20 筺体
30a 処理水供給部
30b 処理水流出部
31a 処理水供給管
31b 排水管
40 コントロールパネル
50 処理ユニット
51 処理槽蓋(外蓋)
53 処理槽
53a 処理水供給口
53b 処理水流出口
55 処理籠
59 処理籠蓋(内蓋)
60 超音波振動子
70 制御基板
80 恒温ユニット
1000 システムキッチン

Claims (11)

  1. 処理水の噴流と超音波により被処理物に処理を施すための超音波処理装置であって、
    前記被処理物を収容する処理槽と、
    記処理槽の底部に前記噴流を導く処理水供給口と、
    前記処理槽の内部から処理水を流出する処理水流出口と、
    記内部に超音波を照射する複数の超音波振動子と
    前記内部で前記超音波振動子と対向する部分に配置され、超音波を減衰するパンチングメタルを備えた洗浄カゴとを備え、
    前記超音波振動子は、20kHzから170kHzの間の超音波を発生し、かつ処理領域中の50%未満に12psiより大きい超音波強度を与える、超音波処理装置。
  2. 請求項1に記載の超音波処理装置において、
    前記超音波振動子は、40kHzから100kHzの間の超音波を発生する、超音波処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の超音波処理装置において、
    前記超音波振動子は、12psiより大きい超音波強度を前記処理槽内に等間隔に設定した複数の測定点の50%未満で有する、超音波処理装置。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の超音波処理装置において、
    前記噴流は温水であり、前記超音波処理装置は、前記内部に前記温水を供給しつつ超音波を照射する、超音波処理装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の超音波処理装置において、
    モスキート音を遮音する遮音材を備える、超音波処理装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の超音波処理装置において、
    前記噴流は、0.5L/minから2.0L/minの間の流量を有する、超音波処理装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の超音波処理装置において、
    処理水の温度を所定範囲に維持する恒温ユニットを備える、超音波処理装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の超音波処理装置において、
    前記超音波処理装置は、前記超音波を前記処理槽内に照射しつつ、前記処理水を前記処理槽内に噴射する、超音波処理装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の超音波処理装置を備えるシステムキッチン。
  10. 処理水の噴流と超音波により肉類または魚介類を含む生鮮食品または生体試料を処理する超音波処理方法であって、
    前記生鮮食品または生体試料を処理槽に収容する工程と、
    前記処理槽の処理水供給口から前記処理槽の内部に前記噴流を導きつつ、前記処理槽に設けた複数の超音波振動子から、前記内部で前記超音波振動子と対向する部分に配置され、超音波を減衰するパンチングメタルを介して、前記生鮮食品または生体試料に超音波を照射する、処理工程とを備え、
    前記処理工程中に、前記超音波振動子は、20kHzから170kHzの間の超音波を発生し、かつ処理領域中の50%未満に12psiより大きい超音波強度を与える、超音波処理方法。
  11. 請求項10に記載の超音波処理方法において、
    記処理工程は、前記噴流及び前記超音波により前記生鮮食品または生体試料の表面の酸化物を除去する、超音波処理方法。
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