JP2019024068A - 光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い光耐久性を有する光電変換素子を提供する。【解決手段】光電変換素子は、陰極と、陽極と、前記陰極及び前記陽極の間に設けられ、ペロブスカイト化合物を含む活性層と、前記陰極及び前記活性層の間に設けられ、電子輸送性材料を含む電子輸送層であって、前記電子輸送性材料と下記式(1)で表される化合物とを含む塗布液を用いる塗布法によって形成される電子輸送層と、を含む。【化1】(式(1)中、n、Rは、明細書中で定義されたとおりである。)【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子に関する。
近年、ペロブスカイト化合物を活性層の材料として用いた光電変換素子が提案されている。
例えば、透明電極であるパターニングされたITO(インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide)層上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)を含む溶液を塗布することによって正孔注入層を形成し、更に前記正孔注入層上にペロブスカイト化合物を含む液を塗布することによって活性層を形成し、前記活性層上にフラーレン誘導体である[6,6]−フェニルC61−酪酸メチルエステル(C60PCBM)を含む液を塗布することによって電子輸送層を形成し、最後に前記電子輸送層上に陰極を蒸着することにより形成される光電変換素子が報告されている(非特許文献1参照。)。
Journal of Materials Chemistry A、2014、2号、p.15897
しかしながら、上述の非特許文献1に記載された光電変換素子では光耐久性が必ずしも十分とはいえない。
本発明の目的は、高い光耐久性を有する光電変換素子を提供することにある。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[11]を提供する。
[1] 陰極と、
陽極と、
前記陰極及び前記陽極の間に設けられ、ペロブスカイト化合物を含む活性層と、
前記陰極及び前記活性層の間に設けられ、電子輸送性材料を含む電子輸送層であって、前記電子輸送性材料と下記式(1)で表される化合物とを含む塗布液を用いる塗布法によって形成される電子輸送層と、
を含む、光電変換素子。
Figure 2019024068
(式(1)中、
nは、1以上6以下の整数を表す。
Rは、アルキル基、アルコキシ基、又はアルキルチオ基を表す。nが2以上の整数である場合、複数あるRは互いに異なっていてもよい。
ただし、nが1である場合、Rはアルコキシ基又はアルキルチオ基であり、nが2である場合、複数あるRのうち少なくとも1個はアルコキシ基又はアルキルチオ基である。)
[2] 電子輸送性材料が、フラーレン及びフラーレン誘導体からなる群から選択される1種以上である、[1]に記載の光電変換素子。
[3] 電子輸送性材料と、下記式(1)で表される化合物とを含む、ペロブスカイト光電変換素子の電子輸送層形成用塗布液。
Figure 2019024068
(式(1)中、
nは、1以上6以下の整数を表す。
Rは、アルキル基、アルコキシ基、又はアルキルチオ基を表す。nが2以上である場合、複数あるRは互いに異なっていてもよい。
ただし、nが1である場合、Rはアルコキシ基又はアルキルチオ基であり、nが2である場合、複数あるRのうち少なくとも1個はアルコキシ基又はアルキルチオ基である。)
[4] 電子輸送性材料が、フラーレン及びフラーレン誘導体からなる群から選択される1種以上である、[3]に記載のペロブスカイト光電変換素子の電子輸送層形成用塗布液。
[5] 電子輸送性材料の式(1)で表される化合物に対する重量割合が、1/10000以上1以下である、[3]又は[4]に記載のペロブスカイト光電変換素子の電子輸送層形成用塗布液。
[6] 陰極と、陽極と、前記陰極及び前記陽極の間に設けられ、ペロブスカイト化合物を含む活性層と、前記陰極及び前記活性層の間に設けられ、電子輸送性材料を含む電子輸送層とを含む光電変換素子の製造方法であって、前記電子輸送性材料と下記式(1)で表される化合物とを含む塗布液を用いる塗布法により前記電子輸送層を形成する工程(i)を含む、光電変換素子の製造方法。
Figure 2019024068
(式(1)中、
nは、1以上6以下の整数を表す。
Rは、アルキル基、アルコキシ基、又はアルキルチオ基を表す。nが2以上である場合、複数あるRは互いに異なっていてもよい。
ただし、nが1である場合、Rはアルコキシ基又はアルキルチオ基であり、nが2である場合、複数あるRのうち少なくとも1個はアルコキシ基又はアルキルチオ基である。)
[7] 前記電子輸送性材料が、フラーレン及びフラーレン誘導体からなる群から選択される1種以上である、[6]に記載の光電変換素子の製造方法。
[8] 前記塗布液が、前記電子輸送性材料を式(1)で表される化合物に対して1/10000以上1以下の重量割合で含む、[6]又は[7]に記載の光電変換素子の製造方法。
[9] Rが、メチル基である、[6]〜[8]のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
[10] Rが、炭素原子数1〜5のアルコキシ基又は炭素原子数1〜5のアルキルチオ基である、[6]〜[8]のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
[11] 前記活性層を形成する工程(Sc)、及び
前記陰極を形成する工程(Se)を更に含み、
工程(Sc)、工程(i)、及び工程(Se)をこの順で含む、[6]〜[10]のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
本発明によれば、光電変換素子の光耐久性をより高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる光電変換素子の模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図面には、本発明が理解できる程度に、構成要素の形状、大きさ及び配置が概略的に示されているに過ぎない。本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、各構成要素は本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に説明する実施形態にかかる構成は、必ずしも図示例の配置で、製造されたり、使用されたりするとは限らない。
本明細書において、「ペロブスカイト光電変換素子」とは、ペロブスカイト化合物を含む活性層を含む光電変換素子を意味する。
本明細書において、1価の複素環基とは、複素環式化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。
本明細書において、2価の複素環基とは、複素環式化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。
本明細書において、複素環式化合物とは、環式構造を有する有機化合物のうち、環を構成する原子が炭素原子だけでなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、ヒ素原子等のヘテロ原子を含む化合物をいう。
本明細書において、置換基又は文言「置換」にかかる基の例には、特記しない限り、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルキルチオ基シクロアルキルチオ基、及びハロゲン原子が含まれる。
本明細書において、「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1000以上である重合体を意味する。
[1.光電変換素子]
本発明の光電変換素子は、陰極と、陽極と、前記陰極及び前記陽極の間に設けられ、ペロブスカイト化合物を含む活性層と、前記陰極及び前記活性層の間に設けられ、電子輸送性材料を含む電子輸送層とを含む。電子輸送層は、電子輸送性材料と下記式(1)で表される化合物とを含む塗布液を用いる塗布法によって形成される。以下、電子輸送性材料と下記式(1)で表される化合物とを含む塗布液を、塗布液(A)ともいう。
ここで、図1を参照して、本発明の一実施形態にかかる光電変換素子の構成についてより詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる光電変換素子の模式図である。
図1に示されるように、光電変換素子100は、支持基板10と、支持基板10の一方の主表面に接するように設けられている陽極20と、陽極20に接するように設けられている正孔輸送層30と、正孔輸送層30に接するように設けられている活性層40と、活性層40に接するように設けられている電子輸送層50と、電子輸送層50に接するように設けられている電子注入層60と、電子注入層60に接するように設けられている陰極70とを備えている。支持基板10、陽極20、正孔輸送層30、活性層40、電子輸送層50、電子注入層60、及び陰極70は、この順に設けられている。
以下、光電変換素子100を構成する上記の構成要素それぞれについて説明する。まず、電子輸送層について説明する。
[1.1.電子輸送層]
本実施形態の電子輸送層は、電子輸送性材料と、下記式(1)で表される化合物とを含む塗布液(A)を用いる塗布法によって形成される。
塗布液(A)を用いる塗布法により電子輸送層を形成する工程を工程(i)と称する。工程(i)について、以下詳細に説明する。
[1.1.1.塗布液(A)の成分]
(式(1)で表される化合物)
工程(i)で用いられる塗布液(A)は、下記式(1)で表される化合物を含む。
Figure 2019024068
式(1)中、nは、1以上6以下の整数を表す。
Rは、アルキル基、アルコキシ基、又はアルキルチオ基を表す。nが2以上の整数である場合、複数あるRは互いに異なっていてもよい。
ただし、nが1である場合、Rはアルコキシ基又はアルキルチオ基であり、nが2である場合、複数あるRのうち少なくとも1個はアルコキシ基又はアルキルチオ基である。
nは、好ましくは、1以上3以下の整数である。
Rで表されるアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
Rで表されるアルキル基の炭素原子数は、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜5である。
アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、3−メチルブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、及びラウリル基が挙げられる。
Rで表されるアルコキシ基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
Rで表されるアルコキシ基の炭素原子数は、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜5である。
Rで表されるアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、3−メチルブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、及びラウリルオキシ基が挙げられる。
Rで表されるアルキルチオ基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
Rで表されるアルキルチオ基の炭素原子数は、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜5である。
Rで表されるアルキルチオ基の例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、3−メチルブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、及びラウリルチオ基が挙げられる。
好ましい態様の1つは、Rが、メチル基である。
好ましい態様の別の1つは、Rが、炭素原子数1〜5のアルコキシ基又は炭素原子数1〜5のアルキルチオ基である。
式(1)で表される化合物の例としては、1,2,4−トリメチルベンゼン、メシチレン(1,3,5−トリメチルベンゼン)、アニソール、フェネトール(エトキシベンゼン)、1,3−ジメトキシベンゼン、4−メチル−アニソール、及びチオアニソールが挙げられる。
塗布液(A)は、式(1)で表される化合物を、1種のみ含んでいてもよく、2種以上の組み合わせで含んでいてもよい。
塗布液(A)における、後述する電子輸送性材料の式(1)で表される化合物に対する重量割合((電子輸送性材料)/(式(1)で表される化合物))は、好ましくは1/10000以上、より好ましくは1/1000以上、更に好ましくは1/100以上であり、
好ましくは1以下であり、より好ましくは1/10以下であり、
好ましくは1/10000以上1以下であり、より好ましくは1/1000以上1/10以下である。
(電子輸送性材料)
電子輸送性材料とは、電子を輸送する機能を有する材料をいう。電子輸送性材料は、有機化合物であっても無機化合物であってもよい。また、塗布液(A)は、電子輸送性材料を1種のみ含んでいてもよく、2種以上の組み合わせで含んでいてもよい。
有機化合物である電子輸送性材料は、低分子有機化合物であっても、高分子有機化合物であってもよい。
低分子有機化合物である電子輸送性材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、C60フラーレン等のフラーレン類及びその誘導体、並びに、バソクプロイン等のフェナントレン誘導体が挙げられる。
高分子有機化合物である電子輸送性材料としては、例えば、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、カーボンナノチューブ及びその誘導体、並びに、ポリフルオレン及びその誘導体が挙げられる。
無機化合物である電子輸送性材料としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、及びAZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)が挙げられる。 塗布液(A)に含まれ得る無機化合物である電子輸送性材料としては、これらの中でも、酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛又はアルミニウムドープ酸化亜鉛が好ましく、粒子状の酸化亜鉛、粒子状のガリウムドープ酸化亜鉛又は粒子状のアルミニウムドープ酸化亜鉛がより好ましく、酸化亜鉛のナノ粒子、ガリウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子又はアルミニウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子が更に好ましい。
酸化亜鉛のナノ粒子、ガリウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子及びアルミニウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子の球相当の平均粒子径は、1nm〜1000nmであることが好ましく、10nm〜100nmであることがより好ましい。平均粒子径は、例えば、レーザー光散乱法、X線回折法等によって測定することができる。
塗布液(A)に含まれる電子輸送性材料は、これらの電子輸送性材料の中でも、好ましくはフラーレン及びその誘導体、並びにカーボンナノチューブ及びその誘導体からなる群から選択される1種以上であり、より好ましくはフラーレン及びその誘導体からなる群から選択される1種以上である。フラーレン及びその誘導体の例としては、C60フラーレン、炭素原子数が70以上であるフラーレン、及び、それらの誘導体が挙げられる。C60フラーレンの誘導体の具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019024068
(塗布液(A)に含まれる任意の成分)
塗布液(A)は、上記電子輸送性材料及び式(1)で表される化合物以外の、任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、例えば、式(1)で表される化合物以外の任意の溶媒が挙げられる。
塗布液(A)に任意で含まれ得る溶媒としては、例えば、アルコール、ケトン、炭化水素、ハロゲン化炭化水素が挙げられる。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブトキシエタノール、及びメトキシブタノールが挙げられる。ケトンの具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、及びシクロヘキサノンが挙げられる。炭化水素の具体例としては、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、及びテトラリンが挙げられる。ハロゲン化炭化水素の具体例としては、オルトジクロロベンゼンが挙げられる。
塗布液(A)は、任意の溶媒を、1種のみ含んでいてもよく、2種以上の組み合わせで含んでいてもよい。
塗布液(A)における、電子輸送性材料の、任意の溶媒と式(1)で表される化合物との合計に対する重量割合は、1/10000以上、より好ましくは1/1000以上、更に好ましくは1/100以上であり、
好ましくは1以下であり、より好ましくは1/10以下であり、
好ましくは1/10000以上1以下であり、より好ましくは1/1000以上1/10以下である。
塗布液(A)が、式(1)で表される化合物以外の任意の溶媒を含む場合、式(1)で表される化合物の、任意の溶媒に対する重量比率(式(1)で表される化合物/任意の溶媒)は、通常1/1000以上であり、好ましくは1/100以上であり、更に好ましくは1/10以上であり、特に好ましくは1/1以上である。
塗布液(A)が、式(1)で表される化合物以外の任意の溶媒を含む場合、式(1)で表される化合物の、任意の溶媒に対する重量比率は、通常1000/1以下とし得る。
[1.1.2.塗布液(A)の形態]
塗布液(A)は、溶液であってもよく、エマルション(乳濁液)、サスペンション(懸濁液)等の分散液であってもよい。塗布液は、塗布液が塗布される層(活性層等)に与える損傷が少ない塗布液であることが好ましく、具体的には、塗布液が塗布される層(活性層等)を溶解し難い塗布液であることが好ましい。
[1.1.3.電子輸送層を形成する工程(i)における塗布法]
電子輸送層は、上記塗布液(A)を用いる塗布法により形成される。塗布液(A)を塗布するための塗布法としては、特に限定されないが、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、及びキャピラリーコート法が挙げられる。これらの中でも、スピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、又はディスペンサー印刷法が好ましい。
[1.1.4.工程(i)が含み得る工程]
工程(i)は、塗布液(A)を、塗布液(A)を塗布すべき層(例、活性層)に塗布して塗布膜を得る工程(i−1)及び得られた塗布膜を乾燥する工程(i−2)を含んでいてもよい。得られた塗布膜を乾燥する方法としては、例えば、加熱処理、風乾処理、及び減圧処理が挙げられる。
[1.2.電極]
本実施形態の光電変換素子は、一対の電極(陽極及び陰極)を含む。
(陽極)
陽極は、単層の形態又は複数の層が積層された形態を取り得る。陽極には、導電性の金属酸化物膜、金属薄膜、及び有機物を含む導電膜等が用いられる。陽極としては、具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO、フッ素化スズ酸化物(フッ素ドープ酸化スズ)(Fluorine Tin Oxide:FTO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:IZO)、金、白金、銀、銅、アルミニウム、ポリアニリン及びその誘導体、並びにポリチオフェン及びその誘導体等の薄膜が用いられる。これらの中でも陽極としては、ITO、FTO、IZO、酸化スズの薄膜が好適に用いられる。
光電変換素子においては、活性層まで光を透過させる必要があることから、陽極及び陰極のうちの少なくとも一方の電極の光透過性を高くすることが好ましい。
本実施形態の光電変換素子において、光透過性が高い電極(以下、透明電極という場合がある。)を陽極とする場合には、陽極は、例えば陽極を構成する薄膜の厚さを、光が透過する程度の厚さにすることによって得ることができる。光透過性が高い陽極の材料の例としては、導電性の金属酸化物、及び半透明の金属が挙げられる。光透過性が高い陽極の材料の例としては、具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO及びIZO等からなる群より選ばれる1種以上の導電性材料、NESA、金、白金、銀、及び銅が挙げられる。光透過性が高い陽極は、酸化スズ、ITO、及びIZOからなる群より選ばれる1種以上の導電性材料を含む薄膜とすることが好ましい。光透過性が低い材料であっても、陽極を構成する薄膜の厚さを、光が透過する程度の厚さにしたり、格子状の構成にしたりすることによっても高い光透過性を得ることができる。
陽極は、好ましくは光透過性が高い電極であり、より好ましくは、上記好ましい例として挙げられた光透過性が高い材料で形成された電極である。
陽極は、光電変換効率に優れるので、好ましくは支持基板に近い方に配置され、より好ましくは支持基板と接合している。
陽極は、更に好ましくは、光透過性が高い電極であり、かつ支持基板と接合している。
(陰極)
陰極は、単層の形態又は複数の層が積層された形態を取り得る。陰極の材料の例としては、金属、及び導電性高分子が挙げられる。陰極の材料の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫等の金属、それらの金属からなる群より選ばれる2種以上の金属を含む合金、炭素系材料(例えば、カーボンブラック、グラフェン、酸化グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン)、グラファイト、グラファイト層間化合物等が挙げられる。
陰極の材料である合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、及びカルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
本実施形態の光電変換素子において、陰極を光透過性が高い電極とする場合には、光透過性が高い陰極の例としては、導電性の金属酸化物膜、及び半透明の金属薄膜が挙げられる。光透過性が高い陰極の材料の例としては、具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びこれらの複合体であるITO、IZO等の導電性材料、NESA、金、白金、銀、銅が挙げられる。
陰極の材料としては、ITO、IZO、酸化スズ等の導電性材料を用いることが好ましい。不透明な電極材料であっても、陰極を構成する薄膜の厚さを、光が透過する程度の厚さにしたり、格子状の構成にしたりすることによっても高い光透過性を得ることができる。
本実施形態の光電変換素子において、陽極及び/又は陰極の材料としては、後述する活性層、電子輸送層から放出され得る物質(例えば、ハロゲン化物イオンなど)に対する耐性を有する材料を用いることが好ましい。具体的には、陽極及び/又は陰極の材料としては、活性層、及び電子輸送層から放出される物質により電気的な特性が劣化したり、腐食したりすることがないか、又は電気的な特性の劣化及び腐食などを抑制することができる材料を用いることが好ましい。
活性層及び電子輸送層から放出される物質に対する耐性を有する材料の例としては、金、白金、及び炭素系材料(例えばカーボンブラック、グラファイト)が挙げられる。
陰極及び/又は陽極に対して、オゾンUV処理、コロナ処理、超音波処理等の表面処理が施されていてもよい。
[1.3.活性層]
本実施形態の光電変換素子は、ペロブスカイト化合物を含む活性層を含む。活性層は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する層である。ペロブスカイト化合物とは、ペロブスカイト構造を有する化合物をいう。
ペロブスカイト化合物は、通常、結晶構造を有している。透明又は半透明の電極側から入射した光は、活性層中において、結晶構造を有するペロブスカイト化合物に吸収されて電子及び正孔を生成する。生成した電子と正孔とが活性層中を移動して互いに異なる電極に至ることにより、光電変換素子の外部に電気エネルギー(電流)として取り出される。
本実施形態のペロブスカイト化合物は、有機物及び無機物がペロブスカイト構造の構成要素となっているペロブスカイト化合物(有機無機ハイブリッド構造のペロブスカイト化合物)であることが好ましい。
本実施形態の光電変換素子において、活性層に含有されるペロブスカイト化合物は、下記式(a)〜式(d)で表される化合物であることが好ましい。
CHNH (a)
式(a)中、Mは、2価の金属であり、複数個あるXは、それぞれ独立に、F、Cl、Br又はIである。
式(a)中、Mで表される2価の金属としては、例えば、Cu、Ni、Mn、Fe、Co、Pd、Ge、Sn、Pb、Euが挙げられる。
(R11NH (b)
式(b)中、R11は、炭素原子数が2以上である、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、又は1価の複素環基であり、M及びXは、前記定義のとおりである。
式(b)中、R11で表されるアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。R11で表されるアルキル基の炭素原子数は、通常2〜40であり、2〜30であることが好ましい。
式(b)中、R11で表されるアルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、イコサニル基、ドコサニル基、トリアコンタニル基、及びテトラコンタニル基が挙げられる。
式(b)中、R11で表されるシクロアルキル基の炭素原子数は、通常3〜40であり、3〜30であることが好ましい。
式(b)中、R11で表されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。
式(b)中、R11で表されるアルケニル基の炭素原子数は、通常2〜30であり、2〜20であることが好ましい。R11で表されるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、オレイル基、及びアリル基が挙げられる。
式(b)中、R11で表されるアラルキル基の炭素原子数は、通常7〜40であり、7〜30であることが好ましい。R11で表されるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、及びナフチルエチル基が挙げられる。
式(b)中、R11で表されるアリール基の炭素原子数は、通常6〜30であり、6〜20であることが好ましい。R11で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、及びビフェニリル基が挙げられる。
式(b)中、R11で表される1価の複素環基の炭素原子数は、通常1〜30であり、1〜20であることが好ましい。R11で表される1価の複素環基としては、例えば、ピロリジル基、イミダゾリジニル基、モルホリル基、オキサゾリル基、オキサゾリジニル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基、及びフタラジニル基が挙げられる。
HC(=NH)NH (c)
式(c)中、M及びXは、前記定義のとおりである。
(d)
式(d)中、Mはカリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムから選ばれる1価の金属である。
式(d)中、M及びXは、前記定義のとおりである。
本実施形態の光電変換素子において、ペロブスカイト化合物は1種のみが活性層に含まれていてもよいし、複数種が活性層に含まれていてもよい。
本実施形態の光電変換素子に用いられ得るペロブスカイト化合物は、式(a)又は式(c)で表される化合物であることがより好ましい。式(a)で表される化合物のうち、CHNHPbI、CHNHPbCl、CHNHPbBr、CHNHSnI、CHNHSnCl又はCHNHSnBrが更に好ましい。式(c)で表される化合物のうち、HC(=NH)NHPbI、HC(=NH)NHPbBr、HC(=NH)NHSnI、HC(=NH)NHSnBrが更に好ましい。
活性層は、ペロブスカイト化合物の他に、他の成分を含んでいてもよい。活性層が含み得る他の成分の例としては、電子供与性化合物、電子受容性化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤、吸収した光により電荷を発生させる機能を増感するための増感剤、紫外線に対する安定性を増すための光安定剤、及び機械的特性を高めるためのバインダーが挙げられる。
活性層は、例えば、後述する活性層の形成方法により形成することができる。
[1.4.光電変換素子が含み得るその他の構成要素]
本実施形態の光電変換素子は、上述の電子輸送層、電極、及び活性層以外のその他の構成要素を更に含んでいてもよい。そのような構成要素として、例えば、上述の機能層以外のその他の機能層(例、正孔輸送層(正孔注入層)、電子注入層、封止層)、支持基板が挙げられる。以下、その他の構成要素について説明する。
[1.4.1.正孔輸送層]
正孔輸送層は、陽極と活性層との間に設けられ、活性層から陽極へ正孔を輸送する機能を有する。また、活性層から陽極への電子の輸送を阻止し、再結合による光電変換効率の低下を防ぐ役割もある。光電変換素子が正孔輸送層を含むことで、より光電変換効率が高い光電変換素子とすることができる。
正孔輸送層は、陽極に接して設けられることが好ましい。陽極に接して設けられる正孔輸送層を、特に正孔注入層という場合がある。
陽極に接して設けられる正孔輸送層(正孔注入層)は、陽極への正孔の注入を促進する機能を有する。
正孔輸送層(正孔注入層)は、活性層に接していてもよい。
正孔輸送層の材料としては、例えば、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、芳香族アミン残基を有する繰り返し単位を含む高分子化合物等の、高分子化合物、アニリン、チオフェン、ピロール、芳香族アミン化合物等の、低分子化合物、CuSCN、CuI等の、無機化合物が挙げられ、好ましくは、ポリチオフェン及びその誘導体、芳香族アミン化合物、芳香族アミン残基を有する繰り返し単位を含む高分子化合物、CuSCN並びにCuIからなる群より選ばれる1種以上であり、より好ましくは、高分子化合物の中では、光電変換素子の寿命をより長くできるので、芳香族アミン残基を有する繰り返し単位を含む高分子化合物である。
芳香族アミン化合物の具体例としては、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2019024068
芳香族アミン化合物の具体例として、更に、下記式で示される、少なくとも3個の置換基を有するフェニル基を含む芳香族アミン化合物が挙げられる。芳香族アミン化合物は、少なくとも3個の置換基を有するフェニル基を含むことが好ましい。
Figure 2019024068
芳香族アミン残基を有する繰り返し単位を含む高分子化合物において、芳香族アミン残基を有する繰り返し単位とは、芳香族アミン化合物から水素原子を2個取り除いた残りの原子団である繰り返し単位である。芳香族アミン残基を有する繰り返し単位としては、例えば、下記式(7)で表される繰り返し単位が挙げられる。前記芳香族アミン残基を有する繰り返し単位を含む高分子化合物は、少なくとも3個の置換基を有するフェニル基を含むことが好ましい。
Figure 2019024068
式(7)中、Ar、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立にアリーレン基(A1)又は2価の複素環基(B1)を表す。E、E及びEは、それぞれ独立にアリール基(A2)又は1価の複素環基(B2)を表す。a及びbはそれぞれ独立に0又は1を表し、0≦a+b≦1である。
アリーレン基(A1):芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた残りの原子団であり、ベンゼン環又は縮合環をもつ2価の基、並びに、独立したベンゼン環及び縮合環から選ばれる2個以上の環が直接又はビニレン等の基を介して結合した2価の基も含まれる。アリーレン基(A1)は置換基を有していてもよい。
アリーレン基(A1)としては、特に限定されないが、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいナフタレンジイル基、置換基を有していてもよいフェナントレンジイル基、置換基を有していてもよいアントラセンジイル基、置換基を有していてもよいフルオレンジイル基、置換基を有していてもよいビフェニルジイル基、置換基を有していてもよいテルフェニルジイル基、置換基を有していてもよいペンタセンジイル基、及び置換基を有していてもよいナフタセンジイル基が挙げられる。
アリーレン基(A1)が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、及びシアノ基が挙げられる。
アリーレン基(A1)が有していてもよい置換基としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、及び1価の複素環基からなる群より選択される1種以上である。置換基の炭素原子数を含めないアリーレン基の炭素原子数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。
2価の複素環基(B1):
2価の複素環基(B1)は置換基を有していてもよい。
2価の複素環基(B1)としては、特に限定されないが、例えば、置換基を有していてもよいピリジンジイル基、置換基を有していてもよいピラジンジイル基、置換基を有していてもよいピリミジンジイル基、置換基を有していてもよいキノリンジイル基、置換基を有していてもよいキノキサリンジイル基、置換基を有していてもよいアクリジンジイル基、置換基を有していてもよいチオフェンジイル基、置換基を有していてもよいチエノチオフェンジイル基、置換基を有していてもよいピロールジイル基、及び置換基を有していてもよいチアゾールジイル基が挙げられる。
2価の複素環基(B1)が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、及びシアノ基等が挙げられる。
2価の複素環基(B1)が有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、及び1価の複素環基からなる群より選択される1種以上である。
置換基の炭素原子数を含めない2価の複素環基の炭素原子数は通常3〜60程度である。
アリール基(A2):
アリール基は、置換基を有していてもよい。
アリール基(A2)としては、特に限定されないが、例えば、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、置換基を有していてもよいアントリル基、置換基を有していてもよいナフタセニル基、及び置換基を有していてもよいペンタセニル基、置換基を有していてもよいフェナントリル基が挙げられる。
アリール基(A2)は、好ましくは、置換基を有しないアリール基であるか、又は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる置換基を1個以上有しているアリール基であり、より好ましくは3個以上の該置換基を有するアリール基であり、更に好ましくは3個の該置換基を有するアリール基である。
1価の複素環基(B2):
1価の複素環基は、置換基を有していてもよい。
1価の複素環基(B2)としては、特に限定されないが、例えば、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいチエニル基、置換基を有していてもよいチアゾリル基、及び置換基を有していてもよいピロリル基が挙げられる。
1価の複素環基(B2)は、好ましくは、置換基を有しない1価の複素環基であるか、又はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる置換基を1個以上有している1価の複素環基であり、より好ましくは、該置換基の数と複素環のヘテロ原子の数の和が3以上である1価の複素環基であり、更に好ましくは、該置換基の数と複素環のヘテロ原子の数の和が3である1価の複素環基である。
アリール基(A2)は、好ましくは、置換基を3個以上有するフェニル基、置換基を3個以上有するナフチル基、又は置換基を3個以上有するアントラセニル基であり、より好ましくは下記式(8)で表される基である。
Figure 2019024068
式(8)中、Re、Rf及びRgは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基、又はハロゲン原子を表す。
芳香族アミン残基を有する繰り返し単位を含む高分子化合物は、更に、下記式(9)、式(10)、式(11)又は式(12)で表される繰り返し単位を有していてもよい。
−Ar12− (9)

―Ar12−X11―(Ar13−X12―Ar14− (10)

−Ar12−X12− (11)

−X12− (12)
式(9)、式(10)、式(11)及び式(12)中、Ar12、Ar13及びAr14は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、又は金属錯体構造を有する2価の基を示す。X11は、−CR=CR−で表される基、−C≡C−で表される基、又は−(SiR−で表される基を示す。X12は、−CR=CR−で表される基、−C≡C−で表される基、−N(R)−で表される基、又は−(SiR−で表される基を示す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、又はシアノ基を示す。R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、又はアリールアルキル基を表す。cは0〜2の整数を表す。dは1〜12の整数を表す。Ar13、X12、R、R、R及びRがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
前記式(7)で示される繰り返し単位として、例えば、Ar、Ar、及びArが置換基を有しないフェニレン基であって、a=1、b=0である繰り返し単位が挙げられ、具体的には下記式で示される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2019024068
Figure 2019024068
前記式(7)で示される繰り返し単位として、例えば、Ar、Ar、及びArが置換基を有しないフェニレン基であって、a=0、b=1である繰り返し単位が挙げられ、具体的には、下記式で示される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2019024068
Figure 2019024068
上記式中、Meはメチル基を示し、Prはプロピル基を示し、Buはブチル基を示し、MeOはメトキシ基を示し、BuOはブチルオキシ基を示す。
正孔輸送層は、例えば、後述する正孔輸送層の形成方法により形成することができる。
[1.4.2.電子注入層]
本実施形態の光電変換素子は、陰極及び電子輸送層の間に、電子注入層が設けられていてもよい。電子注入層は、陰極への電子注入を促進する機能を有する。電子注入層は陰極に接していることが好ましい。
電子注入層の材料としては、従来公知の任意好適な材料を用いることができる。電子注入層の材料としては、例えば、カルシウム、バリウム、LiF、KF、NaF、CsF、CaF、BaF、CsCO、アルカリ土類金属酸化物(例えばBaO、CaO、SrO、)が挙げられる。電子注入層の材料としては、光電変換効率をより向上させることができるので、好ましくはBaO及びSrOから選ばれる1種以上であり、より好ましくはBaOである。
電子注入層の形成方法としては、従来公知の任意好適な方法を用いることができる。電子注入層の形成方法は、好ましくは真空蒸着法、スパッタ法、塗布法であり、より好ましくは真空蒸着法である。
[1.4.3.封止層]
本実施形態の光電変換素子は、封止層を含んでいてもよい。封止層は、例えば、支持基板から遠い方の電極側に設けられる。封止層は、支持基板から遠い方の電極に接するように又は該電極の外側に電極に接しない形態で設けられていてもよい。封止層は、水分を遮断する性質(水蒸気バリア性)又は酸素を遮断する性質(酸素バリア性)を有する材料により形成することができる。
封止層の材料としては、例えば、有機材料(例、三フッ化ポリエチレン、ポリ三フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、脂環式ポリオレフィン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の樹脂等)、無機材料(例、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、ダイヤモンドライクカーボン等)が挙げられる。
封止層は、例えば、後述する封止層の形成方法により形成することができる。
[1.4.4.支持基板]
本実施形態の光電変換素子は、通常、支持基板上に設けられる。支持基板としては、光電変換素子を作製する際に化学的に変化しない基板が好適に用いられる。支持基板としては、例えば、ガラス基板、プラスチック基板、高分子フィルム、及びシリコン板が挙げられる。支持基板の光透過性は特に限定されないが、本実施形態の光電変換素子において、例えば、支持基板側から光を取り込む場合、支持基板には光透過性の高い基板(透明基板という。)が好適に用いられる。光透過性の低い支持基板上に光電変換素子を作製する場合には、支持基板に近い方の電極側から光を取り込むことができないため、支持基板から遠い方の電極には、光透過性の高い電極を用いることが好ましい。該電極を用いることにより、たとえ光透過性の低い支持基板を用いたとしても、支持基板側から遠い方の電極から光を取り込むことができる。
支持基板は、陽極に接合する支持基板とすることが、高い光電効率を実現することができるので好ましい。この場合、陽極を透明電極とし、支持基板を透明基板とすることが好ましい。
[2.ペロブスカイト光電変換素子の電子輸送層形成用塗布液]
上述の塗布液(A)は、ペロブスカイト光電変換素子の電子輸送層を形成するのに適する。塗布液(A)を用いて、ペロブスカイト光電変換素子の電子輸送層を形成すれば、高い光耐久性を有するペロブスカイト光電変換素子を得ることができる。ペロブスカイト光電変換素子の電子輸送層形成用塗布液としての塗布液(A)の例及び好ましい例は、上記項目[1.光電変換素子]において説明した例及び好ましい例と同様である。
[3.光電変換素子の製造方法]
本発明の製造方法は、陰極と、陽極と、前記陰極及び前記陽極の間に設けられ、ペロブスカイト化合物を含む活性層と、前記陰極及び前記活性層の間に設けられ、電子輸送性材料を含む電子輸送層とを含む光電変換素子の製造方法であって、電子輸送性材料と上記式(1)で表される化合物とを含む塗布液を用いる塗布法により前記電子輸送層を形成する工程(i)を含む。
[3.1.工程(i)]
本発明の製造方法に含まれる工程(i)は、項目[1.光電変換素子]の項で説明した工程(i)と同様である。本発明の製造方法に含まれる工程(i)において用いられる、電子輸送性材料と上記式(1)で表される化合物とを含む塗布液の例及び好ましい例は、項目[1.光電変換素子]の項で説明した塗布液(A)の例及び好ましい例と同様である。
[3.2.任意の工程]
[3.2.1.任意の工程の概要]
本発明の製造方法は、工程(i)の他に、任意の工程を含んでいてもよい。
任意の工程として、例えば、陽極が形成された支持基板を準備する工程(Sa)、正孔輸送層を形成する工程(Sb)、活性層を形成する工程(Sc)、電子注入層を形成する工程(Sd)、及び陰極を形成する工程(Se)が挙げられる。
正孔輸送層を形成する工程(Sb)は、正孔注入層としての第1の正孔輸送層を形成する工程(Sb−1)及び第2の正孔輸送層を形成する工程(Sb−2)を含んでいてもよい。
本発明の製造方法の一実施形態においては、工程(i)に加えて、活性層を形成する工程(Sc)及び陰極を形成する工程(Se)を更に含み、工程(Sc)、工程(i)、及び工程(Se)がこの順で行われる。
本発明の製造方法の別の実施形態においては、工程(i)に加えて、陽極が形成された支持基板を準備する工程(Sa)、正孔輸送層を形成する工程(Sb)、活性層を形成する工程(Sc)、電子注入層を形成する工程(Sd)、及び陰極を形成する工程(Se)を更に含み、工程(Sa)、工程(Sb)、工程(Sc)、工程(i)、工程(Sd)、工程(Se)がこの順で行われる。
本発明の製造方法のまた別の実施形態においては、工程(i)に加えて、陽極が形成された支持基板を準備する工程(Sa)、正孔注入層としての第1の正孔輸送層を形成する工程(Sb−1)、第2の正孔輸送層を形成する工程(Sb−2)、活性層を形成する工程(Sc)、電子注入層を形成する工程(Sd)、及び陰極を形成する工程(Se)を更に含み、工程(Sa)、工程(Sb−1)、工程(Sb−2)、工程(Sc)、工程(i)、工程(Sd)、工程(Se)がこの順で行われる。
以下、各実施形態における、工程(i)以外の任意の各工程について説明する。
[3.2.2.工程(Sa):陽極が形成された支持基板を準備する工程]
陽極が形成された支持基板は、陽極に加えて、別の機能層(例、正孔輸送層(正孔注入層))が形成されていてもよい。
(陽極の形成方法)
陽極の形成方法には特に制限はなく、例えば、陽極は前記陽極の材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等によって前記支持基板上に形成することができる。
陽極の材料が、有機物(例、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体)、導電性物質のナノ構造体(例、ナノ粒子、ナノワイヤ、ナノチューブ)である場合は、前記有機物又はナノ構造体を含む塗布液(例、溶液、エマルション(乳濁液)、サスペンション(懸濁液))を用いた塗布法により、陽極を形成してもよい。また、例えば、金属インク、金属ペースト又は溶融状態の低融点金属等を用いて、塗布法によって陽極を形成してもよい。陽極を形成するための塗布法の例は、後述する正孔輸送層の形成方法において説明する塗布法の例と同様である。
陽極を塗布法により形成する際に用いる塗布液の溶媒としては、例えば、炭化水素溶媒(例、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン等)、ハロゲン化飽和炭化水素溶媒(例、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等)、ハロゲン化芳香族炭化水素(例、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等)、エーテル溶媒(例、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等)、水、アルコール等が挙げられる。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシブタノール等が挙げられる。また陽極を塗布法により形成する際に用いられる塗布液は、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。
[3.2.3.工程(Sb):正孔輸送層を形成する工程]
正孔輸送層の形成方法は、特に限定されないが、例えば塗布法が挙げられ、製造工程の簡易化の観点からは塗布法が好ましい。正孔輸送層は、例えば前述した正孔輸送層の構成材料と溶媒とを含む塗布液を、正孔輸送層が形成されるべき層(例、陽極)上に塗布することにより形成することができる。なお、陽極上に正孔輸送層を形成する場合、工程(Sb)は、正孔注入層を形成する工程と言い換えることができる。
正孔輸送層を形成するための塗布法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、及びキャピラリーコート法が挙げられる。これらの中でも、スピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、又はディスペンサー印刷法が好ましい。
正孔輸送層を形成するための塗布液に含まれる溶媒としては、例えば、水、アルコール、ケトン、炭化水素、及びハロゲン化炭化水素が挙げられる。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシブタノール等が挙げられる。ケトンの具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等が挙げられ、炭化水素の具体例としては、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、及びテトラリンが挙げられ、ハロゲン化炭化水素の具体例としては、クロロベンゼン及びオルトジクロロベンゼンが挙げられる。
正孔輸送層を形成するための塗布液は、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。正孔輸送層を形成するための塗布液に含まれる溶媒は、正孔輸送層の構成材料に対し、1重量倍以上10000重量倍以下であることが好ましく、10重量倍以上1000重量倍以下であることがより好ましい。
前記塗布液の塗布後において、前記正孔輸送層を形成するにあたり溶媒を除去することが好ましい。溶媒を除去する方法としては、例えば、加熱処理、風乾処理、及び減圧処理が挙げられる。
(工程(Sb−1):正孔注入層としての第1の正孔輸送層を形成する工程)
正孔注入層としての第1の正孔輸送層の形成方法は、上述した正孔輸送層の形成方法と同様であり、例えば、前述した正孔輸送層の構成材料と溶媒とを含む塗布液を陽極上に塗布することにより形成することができる。
(工程(Sb−2):第2の正孔輸送層を形成する工程)
第2の正孔輸送層の形成方法は、上述した正孔輸送層の形成方法と同様であり、例えば、前述した正孔輸送層の構成材料と溶媒とを含む塗布液を正孔注入層としての第1の正孔輸送層上に塗布することにより形成することができる。
[3.2.4.工程(Sc):活性層を形成する工程]
活性層の形成方法は特に限定されない。活性層の形成工程をより簡易にする観点からは、塗布法によって活性層を形成することが好ましい。活性層は、例えば、既に説明したペロブスカイト化合物と、溶媒とを含む塗布液(ペロブスカイト化合物を含有する組成物)を塗布することにより形成することができる。
ペロブスカイト化合物は、公知の方法で合成することができ、例えば、ペロブスカイト化合物の前駆体溶液を用いた自己組織化反応により合成することができる。
例えば、金属ハロゲン化物及びハロゲン化アンモニウムを溶媒中で加熱することにより、ペロブスカイト化合物を合成することができる。
ペロブスカイト化合物を含有する活性層は、ペロブスカイト化合物の前駆体を含む塗布液を塗布することにより形成してもよい。
具体的には、例えば、金属ハロゲン化物と溶媒とを含む塗布液を塗布した後、金属ハロゲン化物の膜に、ハロゲン化アンモニウムと溶媒とを含む塗布液又はハロゲン化アミンと溶媒とを含む塗布液を塗布する方法、あるいは、金属ハロゲン化物と溶媒とを含む塗布液を塗布した後、金属ハロゲン化合物の膜を、ハロゲン化アンモニウムと溶媒とを含む塗布液又はハロゲン化アミンと溶媒とを含む塗布液に浸漬させる方法によっても活性層を形成することができる。
更に具体的には、活性層は、例えば、少なくとも正孔輸送層に、ヨウ化鉛と溶媒とを含む塗布液を塗布した後、ヨウ化鉛の膜に、ヨウ化メチルアンモニウムと溶媒とを含む塗布液を塗布することによって形成することができる。
本工程では、溶媒は、金属ハロゲン化物、ハロゲン化アンモニウム又はハロゲン化アミンの1重量部に対し、1重量部以上10000重量部以下であることが好ましく、10重量部以上1000重量部以下であることがより好ましい。
活性層は、下層にペロブスカイト化合物を含有する塗布液を直接塗布して形成してもよいし、まず下層に濡れ性を向上させるための塗布液(プリウェット液)を塗布してから、次いでペロブスカイト化合物を含有する塗布液を塗布して形成してもよい。ペロブスカイト化合物を含有する塗布液を塗布する前に下層にプリウェット液を塗布する工程を「プリウェット工程」ともいう。下層にプリウェット液を塗布して下層の表面をウェットな状態としておくことで、ペロブスカイト化合物を含有する塗布液の下層に対する濡れ性を改善することができる。
プリウェット工程に用いることができるプリウェット液は、下層を溶解させず、ペロブスカイト化合物を溶解できる液(塗布液)であることが好ましい。
また、塗布法により活性層を形成する場合、塗布液の塗布中又は塗布液の塗布後、活性層の乾燥前であって、活性層が溶媒を含んだ状態で、ペロブスカイト化合物に対する貧溶媒を活性層に塗布してもよく、該貧溶媒に活性層を浸漬してもよい。このような処理により、活性層に含まれるペロブスカイト化合物が結晶化し、平滑な塗布膜を得ることができる。
上記の活性層の形成工程にかかる各塗布工程後においては、塗布膜を、加熱処理、風乾処理、減圧処理等に供することにより、溶媒を除くことが好ましい。
活性層を塗布法により形成する際に用いる塗布液に含まれる溶媒としては、例えば、エステル類(例えば、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテート等)、ケトン類(例えば、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、アセトン、ジメチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、メトキシプロパノール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等)、グリコールエーテル(セロソルブ)類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル等)、アミド系溶剤(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ニトリル系溶剤(例えば、アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等)、カーボネート系溶剤(例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、ハロゲン化炭化水素(例えば、塩化メチレン、ジクロロメタン、クロロホルム等)、炭化水素(例えば、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は、分岐構造を有していてもよく、環状構造を有していてもよい。また、これらの溶媒は、エステル類、ケトン類、エーテル類及びアルコール類の官能基(例えば、−O−で表される基、−CO−で表される基、−COO−で表される基、ヒドロキシ基)のいずれかを2つ以上有していてもよい。エステル類、ケトン類、エーテル類及びアルコール類の炭化水素部分に結合している水素原子は、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよい。また、塗布液は、1種類単独の溶媒を含んでいてもよく、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。
ペロブスカイト化合物と溶媒とを含む塗布液、金属ハロゲン化物と溶媒とを含む溶液、ハロゲン化アンモニウムと溶媒とを含む溶液、及び、ハロゲン化アミンと溶媒とを含む溶液を塗布する方法の例及び好ましい例は、上記正孔輸送層を形成する工程(Sb)で説明された例と同様である。
[3.2.5.工程(Sd):電子注入層を形成する方法]
電子注入層を形成する方法には制限はないが、好ましくは真空蒸着法、スパッタ法、又は塗布法であり、より好ましくは真空蒸着法である。
[3.2.6.工程(Se):陰極を形成する工程]
陰極を形成する方法の例としては、工程(Sa)において陽極を形成する方法として既に説明した方法が挙げられる。該方法において陽極を支持基板上に形成する代わりに、陰極を、陰極を形成すべき層(例、電子輸送層、電子注入層)の上に形成することにより、陰極を形成することができる。
[3.2.7.封止層を形成する工程]
本実施形態の光電変換素子の製造方法は、陰極を形成する工程(Se)の後に、封止層を形成する工程を更に含んでいてもよい。
封止層を形成する方法には制限がなく、例えば、既に説明した封止層の材料の種類に応じた任意の方法で形成してよい。封止層の形成方法として、例えば、気相成膜法、スピンコート法、ディップ法、及びスプレー法が挙げられる。予め成形した層構造を封止材(接着材)により貼付してもよい。
[4.光電変換素子の用途]
本発明の光電変換素子は、太陽光等の光が照射されることにより、電極間に光起電力が発生し、太陽電池として動作させることができる。また太陽電池を複数集積することにより薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。
また、本発明の光電変換素子は、電極間に電圧を印加した状態で、透明又は半透明の電極に光を照射することにより、光電流を流すことができ、光センサーとして動作させることができる。光センサーを複数集積することによりイメージセンサーとして用いることもできる。
以下、本発明を更に詳細に説明するために実施例を示す。本発明は下記の実施例に限定されない。
(組成物H1の調製)
下記式で表される繰り返し単位を含む高分子化合物P4(シグマアルドリッチ社製、Poly[bis(4−phenyl)(2,4,6−trimethylphenyl)amine]、average Mn:7000−10000)を0.5重量部と、溶媒である100重量部のクロロベンゼンとを混合し、完溶させた。次に、得られた溶液を孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過することにより、組成物H1を調製した。
Figure 2019024068
(組成物A1の調製)
ヨウ化鉛を460mgと、ヨウ化メチルアンモニウムを159mgとを0.5mLのN,N−ジメチルホルムアミドと0.17mLのN−メチル−2−ピロリドン(体積割合でN,N−ジメチルホルムアミド/N−メチル−2−ピロリドン=75/25)に溶解させた後、70℃で攪拌して完溶させることにより、1.5Mのモル濃度のCHNHPbI溶液である組成物A1を調製した。
(組成物E1の調製)
フラーレンの誘導体である下記式で表される化合物(2重量部)と、溶媒である100重量部のクロロベンゼンとを混合し、完溶させた。次に、得られた溶液を、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過することにより、組成物E1を調製した。
Figure 2019024068
(組成物E2の調製)
クロロベンゼンをアニソールに変えた以外は、組成物E1の調製と同様にして、組成物E2を調製した。
(組成物E3の調製)
クロロベンゼンをフェネトールに変えた以外は、組成物E1の調製と同様にして、組成物E3を調製した。
(組成物E4の調製)
クロロベンゼンを1,3−ジメトキシベンゼンに変えた以外は、組成物E1の調製と同様にして、組成物E4を調製した。
(組成物E5の調製)
クロロベンゼンを1,2,4−トリメチルベンゼンに変えた以外は、組成物E1の調製と同様にして、組成物E5を調製した。
(組成物E6の調製)
フラーレンの誘導体として2重量部の[6,6]−フェニルC61−酪酸メチルエステル(C60PCBM)(フロンティアカーボン社製 E100)と、溶媒である100重量部のクロロベンゼンとを混合し、完溶させた。次に、得られた溶液を、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過することにより、組成物E6を調製した。
(組成物E7の調製)
クロロベンゼンをアニソールに変えた以外は、組成物E6の調製と同様にして、組成物E7を調製した。
(組成物E8の調整)
クロロベンゼンをチオアニソールに変えた以外は、組成物E6の調製と同様にして、組成物E8を調製した。
実施例1(光電変換素子の製造及び性能評価)
光電変換素子(太陽電池)の陽極として機能するITO薄膜が形成されたガラス基板(24mm×24mmの正方形)を用意した。
ITO薄膜はスパッタリング法によって形成された。ITO薄膜の厚さは150nmであった。ITO薄膜を有するガラス基板をオゾンUV処理し、ITO薄膜の表面処理を行った。
(正孔輸送層(正孔注入層)を形成する工程)
次に、組成物H1をスピンコート法によりITO薄膜である陽極上に塗布した。
次いで、大気中、120℃で10分間加熱することにより、正孔輸送層を形成した。
なお、ガラス基板と同じ大きさ(24mm×24mmの正方形)であるダミーガラスの上に、正孔輸送層の形成と同様の条件で組成物H1を塗布し、得られた塗布膜を加熱して乾燥させて、ダミーガラス上の乾燥膜の厚さを触針式膜厚計(DEKTAK (Bruker Nano社製))にて測定したところ、膜厚は、約10nmであった。したがって、形成された正孔輸送層の厚さも、約10nmであると推定される。
活性層又は電子輸送層の厚さ推定値も、同様の方法で推定された値である。すなわち、ダミーガラスの上に、活性層又は電子輸送層の形成と同様の条件で、活性層又は電子輸送層を形成するための組成物を塗布し、得られた塗布膜を乾燥させ、得られた乾燥膜の厚さを測定して、活性層又は電子輸送層の厚さ推定値とした。
(活性層を形成する工程)
次に、正孔輸送層上に、濡れ性改良のための塗布液(プリウェット液という場合がある。)としてのN,N−ジメチルホルムアミドを、2000rpmの回転数で10秒間の条件でスピンコート法により塗布し、プリウェット液によるプリウェット工程を行った。その直後、組成物A1を、2000rpmの回転数で60秒間の条件でスピンコート法により塗布した。回転開始から50秒後に、酢酸エチルを回転中の塗布膜上に滴下した。得られた塗布膜を大気中120℃で10分間加熱することにより、活性層を形成した。形成された活性層の厚さ推定値は約500nmである。
(工程(i))
次に、活性層上に、組成物E2を2000rpmの回転数の条件でスピンコート法により塗布して塗布膜を形成し、次に、窒素ガス雰囲気中、120℃で10分間加熱して、電子輸送層を形成した。
形成された電子輸送層の厚さ推定値は、約30nmである。
(電子注入層を形成する工程)
形成された電子輸送層上に、真空蒸着機により酸化バリウムを厚さが2nmとなるように蒸着して電子注入層を形成した。
(陰極を形成する工程)
次いで、金(Au)を厚さが60nmとなるように蒸着して陰極を形成した。蒸着の際の真空度は、いずれも1×10−3〜9×10−3Paとした。
(封止層を形成する工程)
陰極の形成後、窒素ガス雰囲気下で、ガラス板をUV硬化型接着剤で陰極を覆うように接着することで封止を行い、実施例1にかかる光電変換素子を製造した。製造された光電変換素子の平面形状は、2mm×2mmの正方形であった。
(光電変換素子(太陽電池)の評価)
得られた光電変換素子(太陽電池)に、UVカットフィルム(3M社製「LR2CLARX」)を貼り付けた後、ソーラシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧とを測定することにより、初期の光電変換効率(初期効率)を評価した。初期性能評価の結果は、光電変換効率(初期効率)が17.62%であり、Jsc(短絡電流密度)が21.64mA/cmであり、Voc(開放端電圧)が1.067Vであり、FF(フィルファクター)が0.763であった。初期効率を表1に示す。
その後、UVカットフィルム付きの光電変換素子(太陽電池)を、1Sunの光強度、65℃の温度の条件に設定した耐候性試験機(東洋精機製作所製「Ci4000」)中で24時間保持して、光照射試験を行った。その後、UVカットフィルム付きの光電変換素子(太陽電池)を、ソーラシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧とを測定することにより、24時間光照射後の光電変換素子性能を評価した。光照射試験後の性能評価結果は、光電変換効率(光照射試験後の効率)が17.10%であり、Jsc(短絡電流密度)が21.46mA/cmであり、Voc(開放端電圧)が1.048Vであり、FF(フィルファクター)が0.760であった。
初期効率を1とした場合の光照射試験後の効率の値((24時間の光照射試験後の効率)/(初期効率))を、光電変換素子(太陽電池)の効率保持率として算出した。結果を表1に示す。効率保持率が高いほど、光耐久性が良好であることを示す。
実施例2(光電変換素子の製造及び評価)
実施例1における組成物E2を組成物E3に変えた以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作成し、実施例1と同様にして性能評価を行った。初期性能評価の結果は、光電変換効率が17.55%であり、Jsc(短絡電流密度)が21.91mA/cmであり、Voc(開放端電圧)が1.068Vであり、FF(フィルファクター)が0.750であった。
光照射試験後の性能評価結果は、光電変換効率が16.46%であり、Jsc(短絡電流密度)が21.92mA/cmであり、Voc(開放端電圧)が1.036Vであり、FF(フィルファクター)が0.725であった。結果を表1に示す。
実施例3(光電変換素子の製造及び評価)
実施例1における組成物E2を組成物E4に変えた以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作成し、実施例1と同様にして性能評価を行った。初期性能評価の結果は、光電変換効率が16.58%であり、Jsc(短絡電流密度)が21.85mA/cmであり、Voc(開放端電圧)が1.049Vであり、FF(フィルファクター)が0.723であった。
光照射試験後の性能評価結果は、光電変換効率が15.61%であり、Jsc(短絡電流密度)が21.72mA/cmであり、Voc(開放端電圧)が1.025Vであり、FF(フィルファクター)が0.701であった。結果を表1に示す。
実施例4(光電変換素子の製造及び評価)
実施例1における組成物E2を組成物E5に変えた以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作成し、実施例1と同様にして性能評価を行った。初期性能評価の結果は、光電変換効率が16.59%であり、Jsc(短絡電流密度)が21.85mA/cmであり、Voc(開放端電圧)が1.073Vであり、FF(フィルファクター)が0.708であった。
光照射試験後の性能評価結果は、光電変換効率が15.66%であり、Jsc(短絡電流密度)が21.21mA/cmであり、Voc(開放端電圧)が1.039Vであり、FF(フィルファクター)が0.710であった。結果を表1に示す。
実施例5(光電変換素子の製造及び評価)
実施例1における組成物E2を組成物E7に変えた以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作成し、実施例1と同様にして性能評価を行った。初期性能評価の結果は、光電変換効率が14.67%であり、Jsc(短絡電流密度)が20.09mA/cmであり、Voc(開放端電圧)が1.059Vであり、FF(フィルファクター)が0.689であった。
光照射試験後の性能評価結果は、光電変換効率が13.42%であり、Jsc(短絡電流密度)が19.60mA/cmであり、Voc(開放端電圧)が1.040Vであり、FF(フィルファクター)が0.658であった。結果を表1に示す。
実施例6(光電変換素子の製造及び評価)
実施例1における組成物E2を組成物E8に変えた以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作成し、実施例1と同様にして性能評価を行った。初期性能評価の結果は、光電変換効率が17.61%であり、Jsc(短絡電流密度)が21.23mA/cmであり、Voc(開放端電圧)が1.071Vであり、FF(フィルファクター)が0.775であった。
光照射試験後の性能評価結果は、光電変換効率が16.38%であり、Jsc(短絡電流密度)が20.64mA/cmであり、Voc(開放端電圧)が1.044Vであり、FF(フィルファクター)が0.759であった。結果を表1に示す。
比較例1(光電変換素子の製造及び評価)
実施例1における組成物E2を組成物E1に変えた以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作成し、実施例1と同様にして性能評価を行った。この場合、電子輸送層の厚さ推定値は約50nmである。初期性能評価の結果は、光電変換効率が17.70%であり、Jsc(短絡電流密度)が21.94mA/cmであり、Voc(開放端電圧)が1.053Vであり、FF(フィルファクター)が0.766であった。
光照射試験後の性能評価結果は、光電変換効率が15.88%であり、Jsc(短絡電流密度)が21.89mA/cmであり、Voc(開放端電圧)が0.988Vであり、FF(フィルファクター)が0.734であった。結果を表1に示す。
比較例2(光電変換素子の製造及び評価)
実施例1における組成物E2を組成物E6に変えた以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作成し、実施例1と同様にして性能評価を行った。この場合、電子輸送層の厚さ推定値は約50nmである。初期性能評価の結果は、光電変換効率が15.93%であり、Jsc(短絡電流密度)が20.99mA/cmであり、Voc(開放端電圧)が1.062Vであり、FF(フィルファクター)が0.715であった。
光照射試験後の性能評価結果は、光電変換効率が12.66%であり、Jsc(短絡電流密度)が20.49mA/cmであり、Voc(開放端電圧)が0.996Vであり、FF(フィルファクター)が0.620であった。結果を表1に示す。
Figure 2019024068
表1から明らかなように、電子輸送層を式(1)で表される化合物を含む塗布液を用いる塗布法により形成した、実施例1〜6の光電変換素子は、良好な効率保持率を有しており、光耐久性が良好であった。実施例1の光電変換素子にかかる効率保持率は、特に良好であり、光耐久性がより優れていた。
10 支持基板
20 陽極
30 正孔輸送層
40 活性層
50 電子輸送層
60 電子注入層
70 陰極
100 光電変換素子

Claims (11)

  1. 陰極と、
    陽極と、
    前記陰極及び前記陽極の間に設けられ、ペロブスカイト化合物を含む活性層と、
    前記陰極及び前記活性層の間に設けられ、電子輸送性材料を含む電子輸送層であって、前記電子輸送性材料と下記式(1)で表される化合物とを含む塗布液を用いる塗布法によって形成される電子輸送層と、
    を含む、光電変換素子。
    Figure 2019024068
    (式(1)中、
    nは、1以上6以下の整数を表す。
    Rは、アルキル基、アルコキシ基、又はアルキルチオ基を表す。nが2以上の整数である場合、複数あるRは互いに異なっていてもよい。
    ただし、nが1である場合、Rはアルコキシ基又はアルキルチオ基であり、nが2である場合、複数あるRのうち少なくとも1個はアルコキシ基又はアルキルチオ基である。)
  2. 電子輸送性材料が、フラーレン及びフラーレン誘導体からなる群から選択される1種以上である、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 電子輸送性材料と、下記式(1)で表される化合物とを含む、ペロブスカイト光電変換素子の電子輸送層形成用塗布液。
    Figure 2019024068
    (式(1)中、
    nは、1以上6以下の整数を表す。
    Rは、アルキル基、アルコキシ基、又はアルキルチオ基を表す。nが2以上である場合、複数あるRは互いに異なっていてもよい。
    ただし、nが1である場合、Rはアルコキシ基又はアルキルチオ基であり、nが2である場合、複数あるRのうち少なくとも1個はアルコキシ基又はアルキルチオ基である。)
  4. 電子輸送性材料が、フラーレン及びフラーレン誘導体からなる群から選択される1種以上である、請求項3に記載のペロブスカイト光電変換素子の電子輸送層形成用塗布液。
  5. 電子輸送性材料の式(1)で表される化合物に対する重量割合が、1/10000以上1以下である、請求項3又は4に記載のペロブスカイト光電変換素子の電子輸送層形成用塗布液。
  6. 陰極と、陽極と、前記陰極及び前記陽極の間に設けられ、ペロブスカイト化合物を含む活性層と、前記陰極及び前記活性層の間に設けられ、電子輸送性材料を含む電子輸送層とを含む光電変換素子の製造方法であって、前記電子輸送性材料と下記式(1)で表される化合物とを含む塗布液を用いる塗布法により前記電子輸送層を形成する工程(i)を含む、光電変換素子の製造方法。
    Figure 2019024068
    (式(1)中、
    nは、1以上6以下の整数を表す。
    Rは、アルキル基、アルコキシ基、又はアルキルチオ基を表す。nが2以上である場合、複数あるRは互いに異なっていてもよい。
    ただし、nが1である場合、Rはアルコキシ基又はアルキルチオ基であり、nが2である場合、複数あるRのうち少なくとも1個はアルコキシ基又はアルキルチオ基である。)
  7. 前記電子輸送性材料が、フラーレン及びフラーレン誘導体からなる群から選択される1種以上である、請求項6に記載の光電変換素子の製造方法。
  8. 前記塗布液が、前記電子輸送性材料を式(1)で表される化合物に対して1/10000以上1以下の重量割合で含む、請求項6又は7に記載の光電変換素子の製造方法。
  9. Rが、メチル基である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の光電変換素子の製造方法。
  10. Rが、炭素原子数1〜5のアルコキシ基又は炭素原子数1〜5のアルキルチオ基である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の光電変換素子の製造方法。
  11. 前記活性層を形成する工程(Sc)、及び
    前記陰極を形成する工程(Se)を更に含み、
    工程(Sc)、工程(i)、及び工程(Se)をこの順で含む、請求項6〜10のいずれか1項に記載の光電変換素子の製造方法。
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