JP6718249B2 - 光電変換素子の製造方法及び光電変換素子 - Google Patents

光電変換素子の製造方法及び光電変換素子 Download PDF

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Description

本発明は、光電変換素子の製造方法及び光電変換素子に関する。
近年、ペロブスカイト化合物を含む活性層を有する光電変換素子の製造方法が提案されている。
例えば、陽極、ペロブスカイト化合物を含む活性層、電子輸送層及び陰極をこの順で有する光電変換素子の製造方法であって、陽極を形成する工程と、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程と、電子輸送層を形成する工程と、陰極を形成する工程とをこの順で有し、
電子輸送層を形成する工程が、
フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程と、金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である、光電変換素子の製造方法が報告されている(非特許文献1)。
Wei Chen、外10名、「Efficient and stable large−area perovskite solar cells with inorganic charge extraction layers 」、Science、2015、Vol. 350、 Issue 6263、 p.944−948
しかしながら、上述の非特許文献1に記載された光電変換素子は、耐久性が必ずしも十分ではなかった。
本発明の目的は、光照射に対する高い耐久性を有する光電変換素子の製造方法及びその光電変換素子を提供することにある。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[7]を提供する。
[1]陽極、ペロブスカイト化合物を含む活性層、電子輸送層及び陰極を有する光電変換素子の製造方法であって、
電子輸送層を形成する工程が、
活性層と陰極との間に、金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
活性層と陰極との間の活性層に近い側に金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程と、活性層と陰極との間の陰極に近い側にフラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程とを有する工程である、光電変換素子の製造方法。
[2]陽極、ペロブスカイト化合物を含む活性層、電子輸送層及び陰極をこの順で有する光電変換素子の製造方法であって、
陽極を形成する工程と、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程と、電子輸送層を形成する工程と、陰極を形成する工程とをこの順で有し、
電子輸送層を形成する工程が、
金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である、光電変換素子の製造方法。
[3]前記金属酸化物前駆体が、酸化チタンの前駆体である、[1]又は[2]記載の光電変換素子の製造方法。
[4]前記金属酸化物前駆体が、金属アルコキシドである、[1]〜[3]のいずれか記載の光電変換素子の製造方法。
[5][1]〜[4]のいずれか記載の光電変換素子の製造方法によって得られる光電変換素子。
[6][5]記載の光電変換素子を含む、太陽電池モジュール。
[7][5]記載の光電変換素子を含む、有機光センサー。
本発明によれば、光電変換素子の耐久性をより高めることができる。本発明において、光電変換素子の耐久性が高いとは、(66時間後の光電変換効率)/(初期の光電変換効率)の値が高いことを意味する。
以下、本発明を詳細に説明する。
<共通する用語の説明>
以下、本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
本明細書において、「置換基を有していてもよい」とは、その化合物又は基を構成するすべての水素原子が無置換の場合、及び1個以上の水素原子のうちの一部又は全部が置換基によって置換されている場合の両方の態様を含む。置換基を有していてもよい基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含めない。
置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシ基、置換カルボキシ基、シアノ基、重合可能な置換基等が挙げられる。
重合可能な置換基とは、重合反応を起こすことにより2分子以上の分子間で結合を形成し、化合物を生成可能な置換基のことを表す。このような基としては炭素−炭素多重結合を有する基(たとえば、ビニル基、エチニル基、ブテニル基、アクリロイル基、アクリル酸エステルから水素原子1個が除かれた基、アクリルアミドから水素原子1個が除かれた基、メタクリロイル基、メタクリル酸エステルから水素原子1個が除かれた基、メタクリルアミドから水素原子1個が除かれた基、アレンから水素原子1個が除かれた基、アリル基、ビニルオキシ基、ビニルアミノ基、フリル基、ピロリル基、チエニル基、シロールから水素原子1個が除かれた基、ベンゾシクロブテン構造を有する基等を挙げることができる)、小員環(たとえばシクロプロピル基、シクロブチル基、エポキシ基、オキセタン構造を有する基、ジケテン構造を有する基、エピスルフィド構造を有する基等)を有する基、ラクトン構造を有する基、ラクタム構造を有する基、又はシロキサン誘導体を含有する基等がある。また、上記基の他に、エステル結合、アミド結合を形成可能な基の組み合わせなども利用できる。このような基の組み合わせとしては、例えばヒドロカルビルオキシカルボニル基とアミノ基との組み合せ、ヒドロカルビルオキシカルボニル基とヒドロキシ基との組み合せなどが挙げられる。
<1>光電変換素子の製造方法
本発明の光電変換素子の製造方法は、
陽極、ペロブスカイト化合物を含む活性層、電子輸送層及び陰極を有する光電変換素子の製造方法であって、
電子輸送層を形成する工程が、
活性層と陰極との間に、金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
活性層と陰極との間であって、活性層に近い側に金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程と、活性層と陰極との間であって、陰極に近い側にフラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程とを有する工程である。
本発明の光電変換素子の製造方法としては、例えば、
(a)陽極を形成する工程と、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程と、電子輸送層を形成する工程と、陰極を形成する工程とをこの順で有し、
電子輸送層を形成する工程が、
金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である、光電変換素子の製造方法、及び
(b)陰極を形成する工程と、電子輸送層を形成する工程と、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程と、陽極を形成する工程とをこの順で有し、
電子輸送層を形成する工程が、
金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程と、金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である、光電変換素子の製造方法、
が挙げられる。
得られる光電変換素子の耐久性の観点からは、電子輸送層を形成する工程は、
活性層と陰極との間であって、活性層に近い側に金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程と、活性層と陰極との間であって、陰極に近い側にフラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程であることが好ましい。
発明の光電変換素子の製造方法は、さらに、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、封止層及び/又はUVカット層を形成する工程を有していてもよい。
正孔注入層は、陽極と活性層との間又は、陽極と正孔輸送層との間に形成することができる。
正孔輸送層は、正孔注入層と活性層との間に形成することができる。
電子注入層は、陰極と電子輸送層との間に形成することができる。
本発明の光電変換素子の製造方法としては、例えば、
(a−1)陽極、ペロブスカイト化合物を含む活性層、電子輸送層及び陰極をこの順で有する光電変換素子の製造方法であって、
陽極を形成する工程と、陽極の上に、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程と、活性層の上に、電子輸送層を形成する工程と、電子輸送層の上に、陰極を形成する工程とをこの順で有し、
電子輸送層を形成する工程が、
活性層の上に、金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
活性層の上に、金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程と、活性層の上に形成された層の上に、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である、光電変換素子の製造方法、
(a−2)陽極、正孔注入層、ペロブスカイト化合物を含む活性層、電子輸送層及び陰極をこの順で有する光電変換素子の製造方法であって、
陽極を形成する工程と、陽極の上に、正孔注入層を形成する工程と、正孔注入層の上に、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程と、活性層の上に、電子輸送層を形成する工程と、電子輸送層の上に、陰極を形成する工程とをこの順で有し、
電子輸送層を形成する工程が、
活性層の上に、金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
活性層の上に、金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程と、活性層の上に形成された層の上に、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である、光電変換素子の製造方法、
(a−3)陽極、正孔注入層、正孔輸送層、ペロブスカイト化合物を含む活性層、電子輸送層及び陰極をこの順で有する光電変換素子の製造方法であって、
陽極を形成する工程と、陽極の上に、正孔注入層を形成する工程と、正孔注入層の上に、正孔輸送層を形成する工程と、正孔輸送層の上に、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程と、活性層の上に、電子輸送層を形成する工程と、電子輸送層の上に、陰極を形成する工程とをこの順で有し、
電子輸送層を形成する工程が、
活性層の上に、金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
活性層の上に、金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程と、活性層の上に形成された層の上に、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である、光電変換素子の製造方法、
(a−4)陽極、ペロブスカイト化合物を含む活性層、電子輸送層、電子注入層及び陰極をこの順で有する光電変換素子の製造方法であって、
陽極を形成する工程と、陽極の上に、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程と、活性層の上に、電子輸送層を形成する工程と、電子輸送層の上に、電子注入層を形成する工程と、電子注入層の上に、陰極を形成する工程とをこの順で有し、
電子輸送層を形成する工程が、
活性層の上に、金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
活性層の上に、金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程と、活性層の上に形成された層の上に、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である、光電変換素子の製造方法、
(a−5)陽極、正孔注入層、ペロブスカイト化合物を含む活性層、電子輸送層、電子注入層及び陰極をこの順で有する光電変換素子の製造方法であって、
陽極を形成する工程と、陽極の上に、正孔注入層を形成する工程と、正孔注入層の上に、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程と、活性層の上に、電子輸送層を形成する工程と、電子輸送層の上に、電子注入層を形成する工程と、電子注入層の上に、陰極を形成する工程とをこの順で有し、
電子輸送層を形成する工程が、
活性層の上に、金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
活性層の上に、金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程と、活性層の上に形成された層の上に、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である、光電変換素子の製造方法、
(a−6)陽極、正孔注入層、正孔輸送層、ペロブスカイト化合物を含む活性層、電子輸送層、電子注入層及び陰極をこの順で有する光電変換素子の製造方法であって、
陽極を形成する工程と、陽極の上に、正孔注入層を形成する工程と、正孔注入層の上に、正孔輸送層を形成する工程と、正孔輸送層の上に、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程と、活性層の上に、電子輸送層を形成する工程と、電子輸送層の上に、電子注入層を形成する工程と、電子注入層の上に、陰極を形成する工程とをこの順で有し、
電子輸送層を形成する工程が、
活性層の上に、金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
活性層の上に、金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程と、活性層の上に形成された層の上に、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である、光電変換素子の製造方法、
(b−1)陰極、電子輸送層、ペロブスカイト化合物を含む活性層及び陽極をこの順で有する光電変換素子の製造方法であって、
陰極を形成する工程と、陰極の上に、電子輸送層を形成する工程と、電子輸送層の上に、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程と、活性層の上に、陽極を形成する工程とをこの順で有し、
電子輸送層を形成する工程が、
陰極の上に、金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
陰極の上に、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程と、陰極の上に形成された層の上に、金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である、光電変換素子の製造方法、
(b−2)陰極、電子輸送層、ペロブスカイト化合物を含む活性層、正孔注入層及び陽極をこの順で有する光電変換素子の製造方法であって、
陰極を形成する工程と、陰極の上に、電子輸送層を形成する工程と、電子輸送層の上に、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程と、活性層の上に、正孔注入層を形成する工程と、正孔注入層の上に、陽極を形成する工程とをこの順で有し、
電子輸送層を形成する工程が、
陰極の上に、金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
陰極の上に、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程と、陰極の上に形成された層の上に、金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である、光電変換素子の製造方法、
(b−3)陰極、電子輸送層、ペロブスカイト化合物を含む活性層、正孔輸送層、正孔注入層及び陽極をこの順で有する光電変換素子の製造方法であって、
陰極を形成する工程と、陰極の上に、電子輸送層を形成する工程と、電子輸送層の上に、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程と、活性層の上に、正孔輸送層を形成する工程と、正孔輸送層の上に、正孔注入層を形成する工程と、正孔注入層の上に、陽極を形成する工程とをこの順で有し、
電子輸送層を形成する工程が、
陰極の上に、金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
陰極の上に、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程と、陰極の上に形成された層の上に、金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である、光電変換素子の製造方法、
(b−4)陰極、電子注入層、電子輸送層、ペロブスカイト化合物を含む活性層及び陽極をこの順で有する光電変換素子の製造方法であって、
陰極を形成する工程と、陰極の上に、電子注入層を形成する工程と、電子注入層の上に、電子輸送層を形成する工程と、電子輸送層の上に、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程と、活性層の上に、陽極を形成する工程とをこの順で有し、
電子輸送層を形成する工程が、
電子注入層の上に、金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
電子注入層の上に、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程と、電子注入層の上に形成された層の上に、金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である、光電変換素子の製造方法、
(b−5)陰極、電子注入層、電子輸送層、ペロブスカイト化合物を含む活性層、正孔注入層及び陽極をこの順で有する光電変換素子の製造方法であって、
陰極を形成する工程と、陰極の上に、電子注入層を形成する工程と、電子注入層の上に、電子輸送層を形成する工程と、電子輸送層の上に、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程と、活性層の上に、正孔注入層を形成する工程と、正孔注入層の上に、陽極を形成する工程とをこの順で有し、
電子輸送層を形成する工程が、
電子注入層の上に、金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
電子注入層の上に、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程と、電子注入層の上に形成された層の上に、金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である、光電変換素子の製造方法、(b−6)陰極、電子注入層、電子輸送層、ペロブスカイト化合物を含む活性層、正孔輸送層、正孔注入層及び陽極をこの順で有する光電変換素子の製造方法であって、
陰極を形成する工程と、陰極の上に、電子注入層を形成する工程と、電子注入層の上に、電子輸送層を形成する工程と、電子輸送層の上に、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程と、活性層の上に、正孔輸送層を形成する工程と、正孔輸送層の上に、正孔注入層を形成する工程と、正孔注入層の上に、陽極を形成する工程とをこの順で有し、
電子輸送層を形成する工程が、
電子注入層の上に、金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
電子注入層の上に、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程と、電子注入層の上に形成された層の上に、金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である、光電変換素子の製造方法、
が挙げられる。
以下に、陽極を形成する工程、正孔注入層を形成する工程、正孔輸送層を形成する工程、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程、電子輸送層を形成する工程、電子注入層を形成する工程、陰極を形成する工程、封止層を形成する工程及びUVカット層を形成する工程とについて詳しく説明する。
(陽極の形成工程)
陽極の形成方法に特に制限はない。陽極は、後述する陽極の材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等によって支持基板上に成膜することで形成することができる。
陽極の材料にポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機物を用いる場合は、有機物を含む塗布液、金属インク、金属ペースト又は溶融状態の低融点金属等を用いて、塗布法によって陽極を形成してもよい。陽極は、オゾンUV処理、コロナ処理、超音波処理等の表面処理が施されていてもよい。
(正孔注入層の形成工程)
正孔注入層の形成方法は特に限定されないが、製造工程の簡易化の観点からは塗布法によって形成することが好ましい。塗布法を用いる場合、例えば、後述する正孔注入層の材料と溶媒とを含む塗布液を塗布することにより形成することができる。
正孔注入層を形成するための塗布液は、溶液に限定されず、エマルション(乳濁液)、サスペンション(懸濁液)等の分散液であってもよい。
塗布法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を挙げることができ、これらの中でもスピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法が好ましい。
正孔注入層の材料と溶媒とを含む塗布液に含まれる溶媒としては、水、アルコール、ケトン、炭化水素等が挙げられる。
アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシブタノール等が挙げられる。
ケトンの具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
炭化水素の具体例としては、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン等が挙げられる。
溶媒は、2種類以上を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。溶媒は、正孔注入層の材料に対し、1重量倍以上10000重量倍以下であることが好ましく、10重量倍以上1000重量倍以下であることがより好ましい。
塗布法による塗布後、正孔注入層を加熱処理、風乾処理、減圧処理等することによって溶媒を除くことが好ましい。
(正孔輸送層の形成工程)
正孔輸送層の形成方法は特に限定されないが、製造工程の簡易化の観点からは塗布法によって形成することが好ましい。塗布法を用いる場合、例えば、後述する正孔輸送層の材料と溶媒とを含む塗布液を塗布することにより形成することができる。
正孔輸送層を形成するための塗布液は、溶液に限定されず、エマルション(乳濁液)、サスペンション(懸濁液)等の分散液であってもよい。
塗布法及び好ましい塗布法としては、正孔注入層を形成する際の塗布法と同様のものが挙げられる。
溶媒及び好ましい溶媒としては、正孔注入層の塗布液に用いられる溶媒と同様のものが挙げられる。
正孔注入層を形成する工程と同様に、塗布法による塗布後、正孔輸送層を加熱処理、風乾処理、減圧処理等することによって溶媒を除くことが好ましい。
(活性層の形成工程)
活性層の形成方法は特に限定されないが、製造工程の簡易化の観点からは塗布法によって形成することが好ましい。
活性層を形成するための塗布液は、溶液であっても、溶液でなくともよく、エマルション(乳濁液)、サスペンション(懸濁液)等の分散液であってもよい。
塗布法に用いられ得る塗布液は、ペロブスカイト化合物を含む塗布液であっても、活性層の形成後にペロブスカイト化合物に自己組織化反応により変換し得る前駆体を含む塗布液であってもよい。このような前駆体としては、例えば、CHNHPbI、CHNHPbBr、(CH(CHCHCHNHPbI(nは5〜8の整数である。)、(CNHPbBrが挙げられる。
ペロブスカイト化合物を含む活性層は、金属ハロゲン化物を含む塗布液を、正孔輸送層層の上に塗布した後に、形成された金属ハロゲン化物の膜に、ハロゲン化アンモニウムを含む塗布液、ハロゲン化アミン又はホルムアミジンハロゲン化水素酸塩を含む塗布液をさらに塗布する方法、又は形成された金属ハロゲン化物の膜を、ハロゲン化アンモニウムを含む溶液、ハロゲン化アミン又はホルムアミジンハロゲン化水素酸塩を含む溶液に浸漬する方法によっても形成することができる。
より具体的には、正孔輸送層上にヨウ化鉛を含む塗布液を塗布し、その後ヨウ化鉛の膜の上にヨウ化メチルアンモニウムを含む塗布液を塗布することによっても形成することができる。
前記ペロブスカイト化合物を含む塗布液、前記金属ハロゲン化物を含む塗布液、前記ハロゲン化アンモニウムを含む塗布液及び前記ハロゲン化アミンを含む塗布液を塗布する方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を挙げることができ、これらの中でもスピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法が好ましい。
前記活性層を形成するための塗布液を調製するための溶媒としては、エステル類(例、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテート等)、ケトン類(例、γ-ブチロラクトン、N−メチル-2-ピロリドン、アセトン、ジメチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、メトキシプロパノール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等)、グリコールエーテル(セロソルブ)類(例、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル等)、アミド溶剤(例、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ニトリル系溶剤(例、アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等)、カーボート溶剤(例、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、ハロゲン化炭化水素(例、塩化メチレン、ジクロロメタン、クロロホルム等)、炭化水素(例、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
これらの溶媒を構成する化合物は分岐構造若しくは環状構造を有していてもよく、エステル類、ケトン類、エーテル類及びアルコール類の官能基(即ち、−O−、−(C=O)−、−COO−、−OH)のいずれかを2つ以上有していてもよい。エステル類、ケトン類、エーテル類及びアルコール類の炭化水素部分における水素原子は、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよい。また前記活性層を形成するための塗布液は、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。
金属ハロゲン化物、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化アミンに対し、溶媒はそれぞれ1重量倍以上10000重量倍以下であることが好ましく、10重量倍以上1000重量倍以下であることがより好ましい。
前記塗布液の塗布後において、前記活性層を形成するにあたり溶媒を除去することが好ましい。溶媒を除去する方法として、加熱処理、風乾処理、減圧処理等が挙げられる。
(電子輸送層の形成工程)
電子輸送層を形成する工程は、
活性層と陰極との間に、金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
活性層と陰極との間の活性層に近い側に金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程と、活性層と陰極との間の陰極に近い側にフラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程とを有する工程である。
金属酸化物前駆体とは、金属酸化物を合成する反応において、金属酸化物の前段階にある化合物、すなわち金属酸化物の合成の過程で経る化合物を意味する。例えば、金属酸化物前駆体とは、下記式(A)で表される化合物を意味する。
Figure 0006718249
(A)
式(A)中、Aは金属原子を表す。
Rは、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、炭素原子数1〜20のアルカノイル基を表す。複数個あるRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
Qは炭素原子数1〜20のアルキル基又は炭素原子数3〜30のシクロアルキル基を表す。複数個あるQは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
及びnは、それぞれ、0以上Aで表される金属原子が取りうる価数以下のいずれかの整数を表し、(m+n)の値は、Aで表される金属原子が取りうる価数を表す。
式(A)中、Aで表される金属原子としては、チタン、亜鉛、スズ、インジウム、ジルコニウム、アルミニウム、タングステン、ニオブ、ガリウム、珪素、ゲルマニウムが好ましく、チタンがより好ましい。
式(A)で表される金属酸化物前駆体としては、m=0であり、Rが炭素原子数1〜20のアルコキシ基である、金属アルコキシドが、反応性に富み、加水分解と重合反応を受けて、金属−酸素の結合からできた重合体を生成しやすいため好ましい。
金属アルコキシドは、チタンアルコキシド又は亜鉛アルコキシドであることが好ましい。
例えば、式(A)中、Aがチタン原子である金属酸化物前駆体としては、チタン(IV)tert−ブトキシド、チタン(IV)ブトキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)プロポキシド、チタン(IV) 2−エチルヘキシルオキシド、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)オキシアセチルアセトナート、チタンジイソプロポキシドビス(アセチルアセトナート)及びクロロトリイソプロポキシチタン(IV)等のチタンアルコキシド、臭化チタン(IV)、塩化チタン(III)、塩化チタン(IV)、フッ化チタン(III)、フッ化チタン(IV)及びヨウ化チタン(IV)等のハロゲン化チタン、チタニウム(IV)ジイソプロポキドビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)、テトラキス(ジエチルアミド)チタニウム(IV)、テトラキス(ジメチルアミド)チタニウム(IV)、テトラキス(エチルメチルアミド)チタニウム(IV)並びにビス(ジエチルアミド)ビス(ジメチルアミド)チタニウム(IV)などが挙げられる。
例えば、式(A)におけるAが、亜鉛原子である金属酸化物前駆体としては、亜鉛(II)メトキシド、亜鉛(II)エトキシド、亜鉛(II)プロポキシド、亜鉛(II)イソプロポキシド、亜鉛(II)ブトキシド、亜鉛(II)イソブトキシド、亜鉛(II)tert−ブトキシド、酢酸亜鉛、亜鉛(II) アセチルアセトナートなどが挙げられる。
例えば、式(A)におけるAが、ニオブ原子である金属酸化物前駆体としては、ニオブ(V)メトキシド、ニオブ(V)エトキシド、ニオブ(V)プロポキシド、ニオブ(V)イソプロポキシド、ニオブ(V)ブトキシド、ニオブ(V)イソブトキシド、ニオブ(V)tertブトキシドなどが挙げられる。
式(A)におけるAが、スズ原子である金属酸化物前駆体としては、スズ(IV)メトキシド、スズ(IV)エトキシド、スズ(IV)プロポキシド、スズ(IV)イソプロポキシド、スズ(IV)ブトキシド、スズ(IV)イソブトキシド、スズ(IV)tert−ブトキシド、スズ(IV)ブトキシドなどが挙げられる。
電子輸送層の形成工程で用いられる組成物に含まれるフラーレン又はフラーレン誘導体としては、C60フラーレン、C70以上のフラーレン、カーボンナノチューブ、及びその誘導体が挙げられる。C60フラーレンの誘導体の具体例としては、以下のフラーレン誘導体が挙げられる。

Figure 0006718249
フラーレン誘導体としては、下記式(B)で表されるフラーレン誘導体が、耐久性を向上させる観点から好ましい。
Figure 0006718249
(B)
式(B)中、A環はフラーレン骨格を表す。
21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基又は下記式(B−1)で表される基を表す。
nは、1以上の整数を表す。
Figure 0006718249
(B−1)
式(B−1)中、mは1〜6の整数を表す。
qは1〜4の整数を表す。
Xは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
mが複数個ある場合、複数個あるmは互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(B)中、nは、1又は2であることが好ましい。
式(B)で表されるフラーレン誘導体は、R21が、式(B−1)で表される基であることが好ましい。
式(B−1)中、mは2であることが好ましく、qは2であることが好ましい。
式(B−1)中、Xは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基であることがより好ましく、水素原子又はメチル基であることがさらに好ましい。
式(B)中、A環で表されるフラーレン骨格としては、例えば、C60フラーレンに由来するフラーレン骨格、C70フラーレン以上の炭素原子数のフラーレンに由来するフラーレン骨格が挙げられる。
式(B)中、A環で表されるフラーレン骨格は、所定の基が付加されたフラーレン骨格であってもよい。A環で表されるフラーレン骨格が、複数の基を有する場合、該複数の基は互いに結合していてもよい。A環で表されるフラーレン骨格が有していてもよい基としては、例えば、インダン−1,3−ジイル基、置換基を有していてもよいメチレン基が挙げられる。
式(B)中、A環で表されるフラーレン骨格が有し得る、置換基を有していてもよいメチレン基における置換基の好ましい例としては、アリール基、ヘテロアリール基、及びヒドロカルビルオキシカルボニルアルキル基が挙げられる。
式(B)中、A環で表されるフラーレン骨格が有し得る、置換基を有していてもよいメチレン基としては、アリール基及びヒドロカルビルオキシカルボニルアルキル基を有するメチレン基が好ましく、フェニル基及びアルコキシカルボニルプロピル基を有するメチレン基がより好ましく、フェニル基及びメトキシカルボニルプロピル基を有するメチレン基がさらに好ましい。
式(B)中、A環で表されるフラーレン骨格は、フェニルC61酪酸メチルエステル(C60PCBM)に由来するフラーレン骨格、フェニルC71酪酸メチルエステル(C70PCBM)に由来するフラーレン骨格であってもよい。
式(B)中、R21、R22、R23及びR24で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
式(B)中、R21、R22、R23及びR24で表される、「ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基」におけるアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。R21、R22、R23及びR24で表される「ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基」の炭素原子数は、通常1〜30であり、1〜20であることが好ましい。
式(B)中、R21、R22、R23及びR24で表される、「ハロゲン原子で置換されていてもよいシクロアルキル基」の炭素原子数は、通常3〜30であり、3〜20であることが好ましい。
式(B)中、R21、R22、R23及びR24で表される、「ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基」又は「ハロゲン原子で置換されていてもよいシクロアルキル基」におけるハロゲン原子の例は、R21、R22、R23及びR24で表されるハロゲン原子の例と同様である。
式(B)中、R21、R22、R23及びR24で表される「置換基を有していてもよいアリール基」におけるアリール基は、芳香族炭化水素から芳香環に結合している水素原子1個を除いた基を意味する。アリール基の炭素原子数は通常6〜60であり、6〜16であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。
アリール基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、及び2−ナフチル基が挙げられる。アリール基中の水素原子は置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、シリル基、及び置換シリル基が挙げられる。置換基を有するアリール基としては、例えば、3−メチルフェニル基、トリメチルシリルフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,4,5−トリメトキシフェニル基、4−(ジフェニルアミノ)−フェニル基、2−(ジメチルアミノ)−フェニル基、3−フルオロフェニル基、及び4−(トリフルオロメチル)−フェニル基が挙げられる。
21、R22、R23及びR24で表される「置換基を有していてもよいアリールアルキル基」におけるアリールアルキル基の炭素原子数は、通常7〜61であり、7〜17であることが好ましく、7〜11であることがより好ましい。アリールアルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
21、R22、R23及びR24で表される「置換基を有していてもよい1価の複素環基」における1価の複素環基の炭素原子数は、通常1〜30であり、1〜20であることが好ましい。R21、R22、R23及びR24で表される「置換基を有していてもよい1価の複素環基」における1価の複素環基としては、例えば、チエニル基、2,2’−ビチオフェン−5−イル基が挙げられる。
24が複数存在する場合、複数存在するR24は互いに結合していてもよい。R24が複数存在する場合、すなわちnが2以上の整数を表す場合、複数あるR24同士が結合している置換基としては、例えば、下記式(B−2)で表される2価の基が挙げられる。
Figure 0006718249
(B−2)
式(B−2)中、pは1〜5の整数を表す。
pは、2〜4の整数であることが好ましく、3であることがより好ましい。式(B−2)で表される2価の基は、置換基を有していてもよい。
式(B)で表されるフラーレン誘導体の具体的な構造としては、下記の構造が挙げられる。下記の構造中の数値「60」及び「70」が付された環構造は、それぞれC60フラーレン骨格及びC70フラーレン骨格を示す。
Figure 0006718249
Figure 0006718249
本発明の製造方法によって得られる光電変換素子の電子輸送層には、式(B)で表されるフラーレン誘導体を1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
上記のとおり説明した式(B)で表されるフラーレン誘導体は、従来公知の任意好適な方法により製造することができる。例えば、グリシン誘導体及びアルデヒドから生成するイミンから脱炭酸して生じるイミニウムカチオンと、フラーレンとの1,3−双極子環化付加反応を用いる方法により製造することができる。かかる方法は、例えば、特開2009−67708号公報、特開2009−84264号公報、特開2011−241205号公報、特開2011−77486号公報等に開示されている。
なお、式(B)で表されるフラーレン誘導体を製造するに際して、反応時間、反応温度などの反応条件、反応原料(例えば、グリシン誘導体、アルデヒド、及びフラーレン)の使用量を適宜調整することにより、式(B)で表されるフラーレン誘導体における「n」の数を調整することができる。
本発明の光電変換素子の製造方法は、金属酸化物前駆体及び、フラーレン又はフラーレン誘導体を含む組成物以外の組成物を用いて、さらに別の電子輸送層を形成する工程を有していてもよい。
本発明の光電変換素子の製造方法が、さらに別の電子輸送層を形成する工程を有する場合、該別の電子輸送層の形成には、電子輸送性材料を用いることができる。電子輸送性材料は、有機化合物であっても無機化合物であってもよい。有機化合物である電子輸送性材料は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
前記有機化合物のうち、低分子化合物としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、フラーレン類及びその誘導体、バソクプロイン等のフェナントレン誘導体等が挙げられる。
前記有機高分子化合物のうち、高分子化合物としては、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体等が挙げられる。
電子輸送性材料は、これらの中でも、とりわけフラーレン又はその誘導体が好ましい。フラーレン又はその誘導体としては、前記に示したものが挙げられる。
前記無機化合物の電子輸送性材料としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム、ITO(インジウムスズ酸化物)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)が挙げられ、これらの中でも、酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛又はアルミニウムドープ酸化亜鉛が好ましい。
なお電子輸送層を形成する際には、粒子状の酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛又はアルミニウムドープ酸化亜鉛を含む塗布液を成膜して、当該電子輸送層を形成することが好ましい。このような電子輸送材料としては、いわゆる酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛又はアルミニウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子を用いることが好ましく、酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛又はアルミニウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子のみからなる電子輸送性材料を用いて、電子輸送層を形成することがより好ましい。なお酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛又はアルミニウムドープ酸化亜鉛の球相当の平均粒子径は、1nm〜1000nmが好ましく、10nm〜100nmが好ましい。平均粒子径はレーザー光散乱法や、X線回折法によって測定される。
電子輸送層を形成する工程に用いられる金属酸化物前駆体と、フラーレン又はフラーレン誘導体との割合は、金属酸化物前駆体の重量に対してフラーレン又はフラーレン誘導体が、1重量%から10000重量%であることが好ましく、10重量%から1000重量%であることがより好ましい。
電子輸送層を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、塗布法が挙げられ、塗布法により形成することが好ましい。
電子輸送層を形成するための塗布液は、溶液であっても、溶液でなくともよく、エマルション(乳濁液)、サスペンション(懸濁液)等の分散液であってもよい。
電子輸送層を形成する工程が、
活性層と陰極との間に、金属酸化物前駆体と、フラーレン又はフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程である場合、
電子輸送層は、例えば、金属酸化物前駆体と、フラーレン又はフラーレン誘導体と、溶媒とを含む塗布液を用いて作製することができる。
電子輸送層を形成する工程が、
活性層と陰極との間の活性層に近い側に金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程と、活性層と陰極との間の陰極に近い側にフラーレン又はフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である場合、
電子輸送層は、それぞれの層を形成する工程において、例えば、金属酸化物前駆体と溶媒とを含む塗布液、フラーレン又はフラーレン誘導体と溶媒とを含む塗布液を用いて作製することができる。
塗布法としては、活性層を形成する工程で例示した塗布法と同様の方法が挙げられる。
電子輸送層を形成するために用いられる塗布液に含まれる溶媒としては、アルコール、ケトン、炭化水素等が挙げられる。
アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシブタノール等が挙げられる。
ケトンの具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
炭化水素の具体例としては、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン等が挙げられる。
電子輸送層を形成するために用いられる塗布液は、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。溶媒は、電子輸送性材料に対し1重量倍以上10000重量倍以下であることが好ましく、10重量倍以上1000重量倍以下であることがより好ましい。
溶媒と、電子輸送性材料とを含む塗布液は、孔径0.5μmのテフロン(登録商標)フィルター等で濾過することが好ましい。
塗布液を塗布して電子輸送層を形成するにあたり、溶媒を除去することが好ましい。溶媒を除去する方法としては、活性層を形成する工程において説明した溶媒を除去する方法と同様の方法が挙げられる。
(電子注入層の形成工程)
電子注入層の形成方法は特に限定されない。電子注入層は、例えば、真空蒸着法、塗布法等によって形成ることができ、塗布法により形成することが好ましい。
電子注入層を形成するための塗布液は、溶液であってもよく、溶液でなくてもよく、エマルション(乳濁液)、サスペンション(懸濁液)等の分散液であってもよい。
電子注入層は、例えば、後述するアルカリ土類金属酸化物と溶媒とを含む塗布液を電子輸送層上に塗布することにより形成することができる。
塗布法としては、活性層の形成工程で例示した塗布法と同様の方法が挙げられる。
塗布液は、塗布液が塗布される層に与える損傷が少ないものを用いることが好ましく、具体的には塗布液が塗布される層を溶解し難いものが好ましい。
塗布液に含まれる溶媒としては、活性層の形成工程で例示した溶媒と同様の溶媒が挙げられる。
本発明に用いられる塗布液は、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、溶媒を2種類以上含んでいてもよい。溶媒は、後述する電子注入層の形成材料に対し、1重量倍以上10000重量倍以下であることが好ましく、10重量倍以上1000重量倍以下であることがより好ましい。
溶媒と、後述するアルカリ土類金属酸化物とを含む塗布液は、孔径0.5μmのテフロン(登録商標)フィルター等で濾過することが好ましい。
(陰極の形成工程)
陰極の形成方法に特に制限はない。陰極は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等によって形成することができる。陰極の材料が、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ナノ粒子、ナノワイヤ又はナノチューブを含むエマルション(乳濁液)又はサスペンション(懸濁液)等である場合、好ましくは塗布法によって陰極を形成することができる。また、陰極の材料が導電性物質を含む場合、導電性材料を含む塗布液、金属インク、金属ペースト、溶融状態の低融点金属等を用いて、塗布法によって陰極を形成してもよい。塗布液等の塗布法としては、前記活性層の形成工程で例示した塗布法と同様の方法が挙げられる。
上記のエマルション又はサスペンションに含まれ得る導電性物質としては、金、銀等の金属、ITO等の酸化物、カーボンナノチューブ等が挙げられる。なお陰極は、ナノ粒子又はナノファイバーのみから構成されていてもよい。陰極は、ナノ粒子又はナノファイバーが、導電性ポリマーなどの所定の媒体中に分散されていてもよい。
陰極を塗布法により形成する際に用いる塗布液の溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、s−ブチルベゼン、t−ブチルベンゼン等の炭化水素溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル溶媒、水、アルコール等が挙げられる。
アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシブタノール等が挙げられる。
また本発明に用いられる塗布液は、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。
(封止層の形成工程)
光電変換素子の製造方法において、封止層を、支持基板から遠い方の電極上又は該電極の外側に電極に接しない形態で形成してもよい。封止層は、前記材料の種類に応じた任意の方法で形成することができる。例えば、気相成膜法、スピンコート法、ディップ法、スプレー法が挙げられる。予め成形した層構造を封止材(接着材)により貼付してもよい。
(UVカット層の形成工程)
例えば、支持基板側から光を取り込む場合、支持基板の電極が形成されている面とは反対側の面に、UVカットフィルムを配置することによって、UVカット層を形成することができる。
支持基板から遠い方の電極側から光を取り込む場合、支持基板から遠い方の電極を形成後、封止層を形成する場合は封止層形成前に、該電極と封止層との間にUVカットフィルムを配置することによってUVカット層を形成してもよいし、該電極及び封止層を形成した後、封止層の外側にUVカットフィルムを配置することによってUVカット層を形成してもよい。
<2>光電変換素子
以下に本発明の製造方法によって得られる光電変換素子について説明する。
本発明の製造方法によって得られる光電変換素子は、
陽極、ペロブスカイト化合物を含む活性層、電子輸送層及び陰極を有し、
電子輸送層が、活性層と陰極との間に金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて形成される層又は、
活性層と陰極との間の活性層に近い側に金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成し、活性層と陰極の陰極に近い側にフラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成することによって得られる層である。
発明の製造方法によって得られる光電変換素子は、さらに、支持基板、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、封止層及び/又はUVカット層を有していてもよい。
以下に、支持基板、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、ペロブスカイト化合物を含む活性層、電子輸送層、電子注入層、陰極、封止層及びUVカット層について詳しく説明する。ただし、本発明の製造方法によって得られる光電変換素子は、これらの層を全て有する光電変換素子に限定されるものではない。
(支持基板)
本発明の製造方法によって得られる光電変換素子は、通常、支持基板上に形成される。支持基板には、光電変換素子を作製する際に化学的に変化しないものが好適に用いられる。支持基板としては、例えば、ガラス基板、プラスチック基板、高分子フィルム、シリコン板等が挙げられる。支持基板の光透過性は特に限定されないが、支持基板側から光を取り込む光電変換素子の場合、支持基板には光透過性の高い基板が好適に用いられる。一方、光透過性の低い支持基板上に光電変換素子を作製する場合には、支持基板に近い方の電極側から光を取り込むことができない。そのため、支持基板から遠い方の電極には、光透過性の高い電極を用いることが好ましい。該電極を用いることにより、たとえ光透過性の低い支持基板を用いたとしても、支持基板側から遠い方の電極から光を取り込むことができる。
(陽極)
陽極は、単層の形態又は複数の層が積層された形態を取り得る。陽極の材料としては、導電性の金属酸化物、金属、及び導電性高分子等の有機物を用いることができる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、フッ素化スズ酸化物(FLUORINE Tin Oxide:略称FTO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)、金、白金、銀、銅、アルミニウム、ポリアニリン及びその誘導体、並びにポリチオフェン及びその誘導体等が挙げられる。これらの中でも陽極には、ITO、FTO、IZO、酸化スズの薄膜が好適に用いられる。
陽極及び後述する陰極のうちの少なくとも一方は、透明又は半透明であることが好ましい。透明又は半透明の電極の材料の例としては、導電性の金属酸化物、金属等が挙げられ、これらの材料が透明ではない場合には、光が透過する程度の厚さの薄膜とすること又は格子状の構成にすることにより、透透明又は半透明な電極とすることができる。
透明又は半透明の電極の材料として、具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、それらの複合体であるITO、IZO及びNESA、金、白金、銀並びに銅が挙げられる。明又は半透明の電極の材料は、酸化スズ、ITO、及びIZOからなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましい
(正孔注入層)
本発明の製造方法によって得られる光電変換素子は、陽極と活性層との間に正孔注入層が設けられることが好ましい。
正孔注入層は、陽極への正孔注入を促進する機能を有する。正孔注入層は陽極に接して設けられることが好ましい。正孔注入層の材料としては、形成された正孔注入層を水に対して不溶にできる材料が好ましい。
形成された正孔注入層を水に対して不溶にできる材料は、有機材料、無機材料のいずれであってもよい。また、形成された正孔注入層を水に対して不溶にできる材料は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
形成された正孔注入層を水に対して不溶にできる正孔注入層の材料としては、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、芳香族アミン残基を有する繰り返し単位を含む高分子化合物等の高分子化合物、アニリン、チオフェン、ピロール、芳香族アミン化合物等の低分子化合物、CuSCN、CuI等の無機化合物が挙げられる。また、形成された正孔注入層を水に対して不溶にできる材料である高分子化合物の中では、得られる光電変換素子の寿命をより長くする観点から、芳香族アミン残基を有する繰り返し単位を含む高分子化合物であることが好ましい。
芳香族アミン化合物としては具体的には、以下のようなものが例示される。
Figure 0006718249
前記芳香族アミン化合物は、少なくとも3つの置換基を有するフェニル基を含むことが好ましい。
芳香族アミン化合物に含まれるフェニル基が有し得る置換基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アミノ基及びシリル基が挙げられる。
少なくとも3つの置換基を有するフェニル基を含む芳香族アミン化合物としては具体的には、以下のようなものが例示される。
Figure 0006718249
芳香族アミン残基を有する繰り返し単位を含む高分子化合物において、芳香族アミン残基を有する繰り返し単位とは、芳香族アミン化合物から水素原子を2個取り除いた繰り返し単位である。芳香族アミン残基を有する繰り返し単位を含む高分子化合物は、少なくとも3つの置換基を有するフェニル基を含むことが好ましい。
芳香族アミン残基を有する繰り返し単位としては、下記式(1’)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0006718249
式(1’)中、Ar、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立にアリーレン基(A1)又は2価の複素環基(B1)を表す。E’、E’及びE’は、それぞれ独立にアリール基(A2’)又は1価の複素環基(B2’)を表す。a及びbはそれぞれ独立に0又は1を表し、0≦a+b≦1である。
アリーレン基(A1):アリーレン基(A1)は、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、ベンゼン環又は縮合環を有する2価の基、及び独立したベンゼン環又は縮合環が2個以上直接的に又はビニレン等の基を介して結合した2価の基も含まれる。アリーレン基(A1)は置換基を有していてもよい。アリーレン基(A1)が有し得る置換基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシ基、置換カルボキシ基、シアノ基等が挙げられ、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基が好ましい。置換基を有しないアリーレン基の炭素原子数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。
2価の複素環基(B1):2価の複素環基(B1)は、複素環式化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団であり、2価の複素環基(B1)は置換基を有していてもよい。
ここで複素環式化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、ヒ素原子などのヘテロ原子を環内に含む基をいう。2価の複素環基(B1)が有し得る置換基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、1価の複素環基、カルボキシ基、置換カルボキシ基、シアノ基等が挙げられ、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基が好ましい。置換基を有しない2価の複素環基の炭素原子数は通常3〜60程度である。
アリール基(A2’):アリール基(A2’)は、置換基を有していてもよい。アリール基(A2’)が有し得る置換基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子等が挙げられる。置換基を有しないアリール基の炭素原子数は通常6〜30程度であり、好ましくは6〜20である。
1価の複素環基(B2’):1価の複素環基(B2’)は、置換基を有していてもよい。1価の複素環基(B2’)が有し得る置換基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子等が挙げられる。置換基を有しない1価の複素環基の炭素原子数は通常1〜30程度である。
式(1’)で表される繰り返し単位としては、下記式(1)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 0006718249
式(1)中、Ar、Ar、Ar及びArは、前記と同じ意味を表す。E、E及びEは、それぞれ独立に下記のとおり定義されるアリール基(A2)又は1価の複素環基(B2)を表す。a及びbは、前記と同じ意味を表す。
アリール基(A2):アリール基(A2)は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる置換基を3個以上有するアリール基である。アリール基(A2)の炭素原子数は通常6〜40程度であり、好ましくは6〜30である。
1価の複素環基(B2):1価の複素環基(B2)は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる置換基を1個以上有し、かつ該置換基の数と複素環のヘテロ原子の数の和が3以上である1価の複素環基である。1価の複素環基(B2)の炭素原子数は通常1〜40程度である。
アリール基(A2)は、置換基を3個以上有するフェニル基、置換基を3個以上有するナフチル基、又は置換基を3個以上有するアントラセニル基であることが好ましく、アリール基(A2)が下記式(2)で示される基であることがより好ましい。
Figure 0006718249
式(2)中、Re、Rf及びRgは、それぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基又はハロゲン原子を表す。
芳香族アミン残基を有する繰り返し単位を含む高分子化合物は、さらに、下記式(3)、式(4)、式(5)又は式(6)で示される繰り返し単位を有していてもよい。

−Ar12− (3)

―Ar12−X―(Ar13−X)―Ar14− (4)

−Ar12−X2− (5)

−X2− (6)
式(3)〜(6)中、Ar12、Ar13及びAr14はそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を示す。X1は、−CR=CR−、−C≡C−又は(SiR−を示す。X2は−CR=CR−、−C≡C−、−N(R)−、又は(SiR−を示す。R及びRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシ基、置換カルボキシ基又はシアノ基を示す。R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又はアリールアルキル基を表す。cは0〜2の整数を表す。dは1〜12の整数を表す。Ar13、R、R、R及びRがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
前記式(1’)で示される繰り返し単位の例(前記式(1)で示される繰り返し単位の例を含む)としては、Ar、Ar、Ar及びArがそれぞれ独立に置換基を有しないフェニレン基であり、a=1、b=0の繰り返し単位が挙げられ、具体例としては下記式で示される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0006718249
Figure 0006718249
Figure 0006718249
前記式(1’)で示される繰り返し単位の例(前記式(1)で示される繰り返し単位の例を含む)としては、Ar、Ar、Ar及びArがそれぞれ独立に、置換基を有しないフェニレン基であり、a=0、b=1である繰り返し単位が挙げられ、具体例としては下記式で示される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0006718249
Figure 0006718249
Figure 0006718249
上記式中、それぞれMeはメチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を、MeOはメトキシ基を、BuOはブチルオキシ基を示す。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、正孔注入層と活性層の間に設けられ、電子ブロックの機能を有する。正孔輸送層を設けることで、より高効率な光電変換素子を得ることができる。正孔輸送層としては、芳香族アミン残基を有する低分子化合物、アミン残基を有する繰り返し単位を含む高分子化合物などが挙げられる。正孔注入層に、芳香族アミン残基を有する低分子化合物、芳香族アミン残基を繰り返し単位に持つ高分子化合物を用いる場合には、特にこのような正孔輸送層を設けなくてもよい。
(活性層)
活性層は、ペロブスカイト化合物を含む。活性層は、ペロブスカイト化合物の他に、他の成分を含んでいてもよい。活性層が含み得る他の成分の例としては、電子供与性化合物、電子受容性化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤、吸収した光により電荷を発生させる機能を増感するための増感剤、紫外線に対する安定性を増すための光安定剤、及び機械的特性を高めるためのバインダーが挙げられる。
ペロブスカイト化合物は、有機無機ハイブリッド構造のペロブスカイト化合物であることが好ましい。ペロブスカイト化合物は、下記式(7)〜(9)のいずれかの式で表される化合物であることが好ましい。
CHNH (7)
式(7)中、Mは2価の金属であり、Xはそれぞれ独立にF、Cl、Br又はIである。
で表される2価の金属としては、例えばCu,Ni、Mn、Fe、Co、Pd、Ge、Sn、Pb、Euが挙げられる。
(RNH4 (8)
式(8)中、Rは炭素原子数が2〜40のアルキル基、炭素原子数が3〜40のシクロアルキル基、炭素原子数2〜30のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数1〜30の1価の複素環基であり、M及びXは、上述と同義である。
HC(=NH)NH (9)
式(9)中、M及びXは、上述と同義である。
式(8)中、Rで表されるアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもRで表されるアルキル基の炭素原子数は、2〜30であることが好ましい。
で表されるアルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、イコサニル基、ドコサニル基、トリアコンタニル基、テトラコンタニル基が挙げられる。
で表されるシクロアルキル基の炭素原子数は、3〜30であることが好ましい。
で表されるシクロアルキル基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
で表されるアルケニル基の炭素原子数は、2〜20であることが好ましい。
で表されるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、オレイル基、アリル基等が挙げられる。
で表されるアリールアルキル基の炭素原子数は、7〜30であることが好ましい。
で表されるアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
で表されるアリール基の炭素原子数は、6〜20であることが好ましい。Rで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等が挙げられる。
で表される1価の複素環基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましい。Rで表される1価の複素環基としては、例えば、ピロリジル基、イミダゾリジニル基、モルホリル基、オキサゾリル基、オキサゾリジニル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基、フタラジニル基が挙げられる。
ペロブスカイト化合物は、1種のみを活性層の材料として用いてもよいし、複数種を用いてもよい。
本発明におけるペロブスカイト化合物は、式(7)で表される化合物であることが好ましい。式(7)で表される化合物のうち、CHNHPbI、CHNHPbCl、CHNHPbBr、CHNHSnI、CHNHSnCl、CHNHSnBr等であることがより好ましい。
(電子輸送層)
本発明の製造方法により得られる光電変換素子は、金属酸化物前駆体及び、フラーレン又はフラーレン誘導体を含む組成物を用いて形成される電子輸送層を有する。
本発明の製造方法により得られる光電変換素子は、金属酸化物前駆体及び、フラーレン又はフラーレン誘導体を含む組成物以外の組成物を含む、さらに別の電子輸送層を有していてもよい。
(電子注入層)
本発明の製造方法により得られる光電変換素子は、電子注入層として、アルカリ土類金属酸化物を含む層を有していてもよい。アルカリ土類金属酸化物は、CaO、BaO及びSrOからなる群より選ばれる1以上であるが好ましく、BaO及び/又はSrOであることがより好ましく、BaOであることがさらに好ましい。
(陰極)
陰極は、単層の形態又は複数の層が積層された形態を取り得る。陰極の材料には、金属、導電性高分子等を用いることができる。
陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫等の金属、それらの金属からなる群より選ばれる2つ以上の金属を含む合金、グラファイト、グラファイト層間化合物等が用いられる。
合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
光透過性の高い陰極の材料としては、導電性の金属酸化物、金属等が挙げられる。これらの材料の透過性が高くない場合には、光が透過する程度の厚さの薄膜とすること、格子状の構成にすることにより、光透過性の高い陰極とすることができる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、NESA、金、白金、銀、銅が用いられる。陰極の材料としては、ITO、IZO及び酸化スズからなる群より選ばれる1種以上を含む等からが好ましい。
(封止層)
支持基板から遠い方の電極側に封止層を設けてもよい。封止層は、水分を遮断する性質(水蒸気バリア性)又は酸素を遮断する性質(酸素バリア性)を有する材料により形成することができる。封止層の材料としては、例えば、三フッ化ポリエチレン、ポリ三フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、脂環式ポリオレフィン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の樹脂などの有機材料、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、ダイヤモンドライクカーボン等の無機材料などが挙げられる。
(UVカット層)
本発明の製造方法により得られる光電変換素子は、UVカット層を有していてもよい。UVカット層の材料としては、波長442nm以下の光の透過率は50%以下であるUVカットフィルムが挙げられる。UVカットフィルムにおける波長482nm以下の光の透過率が50%以下であることが好ましい。光の透過率を50%以下とする波長の長波長側の制限は、ペロブスカイト化合物を含む活性層の吸収波長の吸収端よりも短波長であることが好ましい。
UVカット層の材料としては、市販のUVカットフィルムを適宜用いることができる。UVカットフィルムは2種類以上のUVカットフィルムを重ねて用いてもよい。
<3>光電変換素子の用途
本発明の製造方法により得られる光電変換素子は、太陽光等の光を照射することにより、電極間に光起電力が発生し、太陽電池として動作させることができる。また太陽電池を複数集積することにより薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。
また、本発明の製造方法により得られる光電変換素子は、電極間に電圧を印加した状態で、透明又は半透明の電極に光を照射することにより、光電流が流れ、有機光センサーとして動作させることができる。有機光センサーを複数集積することにより有機イメージセンサーとして用いることもできる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(組成物1の調製)
ヨウ化鉛460mgを1.25mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、70℃で攪拌することで完溶させることにより、組成物1を調製した。
(組成物2の調製)
ヨウ化メチルアンモニウム55mgを1mLの2−プロパノールに完溶させることにより、組成物2を調製した。
(組成物3の調製)
フラーレンの誘導体として2重量部の[6,6]−フェニルC61−酪酸メチルエステル(C60PCBM)(フロンティアカーボン社製 E100)と、溶媒として100重量部のクロロベンゼンとを混合して完溶させることにより、組成物3を調製した。
(組成物4の製造)
下記繰り返し単位を持つ高分子化合物(シグマアルドリッチ社製Poly[bis(4−phenyl)(2,4,6−trimethylphenyl)amine]、average Mn 7,000−10,000)を0.5重量部、溶媒として100重量部のクロロベンゼンを混合し完溶させて、以下に示す組成物4を調整した。
Figure 0006718249
(組成物5の調製)
フラーレンの誘導体として1重量部の[6,6]−フェニルC61−酪酸メチルエステル(C60PCBM)(フロンティアカーボン社製 E100)と、チタンテトライソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を1重量部と溶媒として100重量部のクロロベンゼンとを混合して完溶させることにより、組成物5を調製した。
(組成物6の調製)
フラーレンの誘導体として2重量部の[6,6]−フェニルC61−酪酸メチルエステル(C60PCBM)(フロンティアカーボン社製 E100)と、チタンテトライソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を0.2重量部と溶媒として100重量部のクロロベンゼンとを混合して完溶させることにより、組成物6を調製した。
(組成物7の調製)
フラーレンの誘導体として0.2重量部の[6,6]−フェニルC61−酪酸メチルエステル(C60PCBM)(フロンティアカーボン社製 E100)と、チタンテトライソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を2重量部と溶媒として100重量部のクロロベンゼンとを混合して完溶させることにより、組成物7を調製した。
(組成物8の調製)
チタン(IV)イソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を2重量部と溶媒として100重量部のクロロベンゼンとを混合して完溶させることにより、組成物8を調製した。
(組成物9の調製)
チタン(IV)イソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を1重量部と溶媒として100重量部のイソプロパノールとを混合して完溶させることにより、組成物9を調製した。
実施例1
(太陽電池の作製、評価)
太陽電池の陽極として機能するITO薄膜が形成されたガラス基板を用意した。ITO薄膜はスパッタリング法によって形成されたものであり、その厚みは150nmであった。前記ITO薄膜を有するガラス基板をオゾンUV処理し、ITO薄膜の表面処理を行った。組成物4をスピンコートにより塗布し、大気中120℃で10分間加熱することにより、膜厚約10nmの正孔注入層を形成した。正孔注入層を形成した基板をホットプレートで70℃に充分に加熱後、加熱した基板をスピンコーターに載せ、スピンコートによりこの正孔注入層上に、70℃で攪拌加熱した組成物1を2000rpmの回転数でスピンコートにより塗布し、窒素雰囲気下で風乾させ、ヨウ化鉛の塗布膜を得た。その後、ヨウ化鉛の塗布膜上に組成物2を滴下し、6000rpmでスピンコートし、大気中100℃で10分間乾燥させることで、活性層を形成させた。活性層の膜厚は約350nmであった。
次に、活性層上に組成物5をスピンコートで成膜し、膜厚約50nmの電子輸送層を形成させた。その後、真空蒸着機によりBaO(シグマアルドリッチ社製)を膜厚2nmで蒸着し、次いで、金を膜厚60nmで蒸着した。蒸着のときの真空度は、すべて1〜9×10−3Paであった。その後、窒素ガス雰囲気下において、UV硬化性エポキシ樹脂を用いて封止ガラスを光電変換素子の陰極側の面にUV硬化によって接着して封止することによって太陽電池を作製した。こうして得られた太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
得られた太陽電池に、UVカットフィルム(3M社製LR2CLAR)を貼り付けた後、ソーラシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧とを測定して、初期の光電変換効率(初期効率)を測定した。初期の光電変換効率は、15.0%であった。その後、UVカットフィルム付きの太陽電池(光電変換素子)を1Sunの光強度で65℃の一定温度の条件の耐候性試験機(東洋精機製作所製Ci4000)中に66時間保持した後、ソーラシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を太陽電池に照射し、発生する電流と電圧を測定して、66時間後の光電変換効率を測定した。(66時間後の光電変換効率)/(初期の光電変換効率)の値を保持率として算出し、電子輸送層の形成に使用された組成物と併せて表1に示した。
実施例2
(太陽電池の作製、評価)
実施例1における組成物5を組成物6に変えて膜厚約50nmの電子輸送層を得た他は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し、初期の光電変換効率と66時間後の光電変換効率とを測定した。初期の光電変換効率は、17.6%であった。(66時間後の光電変換効率)/(初期の光電変換効率)の値を保持率として算出し、電子輸送層の形成に使用された組成物と併せて表1に示した。
実施例3
(太陽電池の作製、評価)
実施例1における組成物5を組成物7に変えて膜厚約50nmの電子輸送層を得た他は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し、初期の光電変換効率と66時間後の光電変換効率とを測定した。初期の光電変換は、6.7%であった。(66時間後の光電変換効率)/(初期の光電変換効率)の値を保持率として算出し、電子輸送層の形成に使用された組成物と併せて表1に示した。
実施例4
(太陽電池の作製、評価)
太陽電池の陽極として機能するITO薄膜が形成されたガラス基板を用意した。ITO薄膜はスパッタリング法によって形成されたものであり、その厚みは150nmであった。前記ITO薄膜を有するガラス基板をオゾンUV処理し、ITO薄膜の表面処理を行った。組成物4をスピンコートにより塗布し、大気中120℃で10分間加熱することにより、膜厚約10nmの正孔注入層を形成した。正孔注入層を形成した基板をホットプレートで70℃に充分に加熱後、加熱した基板をスピンコーターに載せ、スピンコートによりこの正孔注入層上に、70℃で攪拌加熱した組成物1を2000rpmの回転数でスピンコートにより塗布し、窒素雰囲気下で風乾させ、ヨウ化鉛の塗布膜を得た。その後、ヨウ化鉛の塗布膜上に組成物2を滴下し、6000rpmでスピンコートし、大気中100℃で10分間乾燥させることで、活性層を形成させた。活性層の膜厚は約350nmであった。
次に、活性層上に組成物8をスピンコートで成膜し、厚さ約20nmの層を形成させ、さらに、得られた層に、組成物3をスピンコートで成膜し、厚さ約50nmの層を形成させることで、電子輸送層を形成した。
その後、真空蒸着機によりBaO(シグマアルドリッチ社製)を膜厚2nmで蒸着し、次いで、金を膜厚60nmで蒸着した。蒸着のときの真空度は、すべて1〜9×10−3Paであった。その後、窒素ガス雰囲気下において、UV硬化性エポキシ樹脂を用いて封止ガラスを光電変換素子の陰極側の面にUV硬化によって接着して封止することによって太陽電池を作製した。こうして得られた太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
得られた太陽電池に、UVカットフィルム(3M社製LR2CLAR)を貼り付けた後、ソーラシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧とを測定して、初期の光電変換効率(初期効率)を測定した。初期の光電変換効率は、4.1%であった。その後、UVカットフィルム付きの太陽電池(光電変換素子)を1Sunの光強度で65℃の一定温度の条件の耐候性試験機(東洋精機製作所製Ci4000)中に66時間保持した後、ソーラシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を太陽電池に照射し、発生する電流と電圧を測定して、66時間後の光電変換効率を測定した。(66時間後の光電変換効率)/(初期の光電変換効率)の値を保持率として算出し、電子輸送層の形成に使用された組成物と併せて表1に示した。
実施例5
(太陽電池の作製、評価)
実施例1におけるUVカットフィルムを貼り付けなかった以外は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し、初期の光電変換効率と66時間後の光電変換効率とを測定した。初期の光電変換効率は、13.6%であった。(66時間後の光電変換効率)/(初期の光電変換効率)の値を保持率として算出し、電子輸送層の形成に使用された組成物と併せて表2に示した。
比較例1
(太陽電池の作製、評価)
実施例1における組成物5を組成物3に変えて膜厚約50nmの電子輸送層を得た他は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し、初期の光電変換効率と66時間後の光電変換効率とを測定した。初期の光電変換は、16.5%であった。(66時間後の光電変換効率)/(初期の光電変換効率)の値を保持率として算出し、電子輸送層の形成に使用された組成物と併せて表1に示した。
比較例2
(太陽電池の作製、評価)
実施例4における組成物3をスピンコートで成膜し、層を形成させる工程を行わなかった以外は、実施例4と同様にして太陽電池を作製しし、初期の光電変換効率と66時間後の光電変換効率とを測定した。初期の光電変換効率は、3.3%であった。(66時間後の光電変換効率)/(初期光電変換効率)の値を保持率として算出し、電子輸送層の形成に使用された組成物と併せて表1に示した。
比較例3
(太陽電池の作製、評価)
太陽電池の陽極として機能するITO薄膜が形成されたガラス基板を用意した。ITO薄膜はスパッタリング法によって形成されたものであり、その厚みは150nmであった。前記ITO薄膜を有するガラス基板をオゾンUV処理し、ITO薄膜の表面処理を行った。組成物4をスピンコートにより塗布し、大気中120℃で10分間加熱することにより、膜厚約10nmの正孔注入層を形成した。正孔注入層を形成した基板をホットプレートで70℃に充分に加熱後、加熱した基板をスピンコーターに載せ、スピンコートによりこの正孔注入層上に、70℃で攪拌加熱した組成物1を2000rpmの回転数でスピンコートにより塗布し、窒素雰囲気下で風乾させ、ヨウ化鉛の塗布膜を得た。その後、ヨウ化鉛の塗布膜上に組成物2を滴下し、6000rpmでスピンコートし、大気中100℃で10分間乾燥させることで、活性層を形成させた。活性層の膜厚は約350nmであった。
次に、活性層上に組成物3をスピンコートで成膜し、膜厚約50nmの層を形成させ、さらに、得られた層に、組成物9をスピンコートで成膜し、膜厚約30nmの層を形成させることで、電子輸送層を形成した。
その後、真空蒸着機によりBaO(シグマアルドリッチ社製)を膜厚2nmで蒸着し、次いで、金を膜厚60nmで蒸着した。蒸着のときの真空度は、すべて1〜9×10−3Paであった。その後、窒素ガス雰囲気下において、UV硬化性エポキシ樹脂を用いて封止ガラスを光電変換素子の陰極側の面にUV硬化によって接着して封止することによって太陽電池を作製した。こうして得られた太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
得られた太陽電池に、UVカットフィルム(3M社製LR2CLAR)を貼り付けた後、ソーラシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧とを測定して、初期の光電変換効率(初期効率)を測定した。初期の光電変換効率は、14.4%であった。その後、UVカットフィルム付きの太陽電池(光電変換素子)を1Sunの光強度で65℃の一定温度の条件の耐候性試験機(東洋精機製作所製Ci4000)中に66時間保持した後、ソーラシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を太陽電池に照射し、発生する電流と電圧を測定して、66時間後の光電変換効率を測定した。(66時間後の光電変換効率)/(初期の光電変換効率)の値を保持率として算出し、電子輸送層の形成に使用された組成物と併せて表1に示した。
比較例4
(太陽電池の作製、評価)
比較例1におけるUVカットフィルムを貼り付けなかった以外は、比較例1と同様にして太陽電池を作製し、初期の光電変換効率と66時間後の光電変換効率とを測定した。初期の光電変換効率は、15.8%であった。(66時間後の光電変換効率)/(初期光電変換効率)の値を保持率として算出し、電子輸送層の形成に使用された組成物と併せて表2に示した。
Figure 0006718249
Figure 0006718249
表1及び2から明らかなように、実施例1−4の光電変換素子及び実施例5の光電変換素子は、それぞれ、比較例1−3の光電変換素子及び比較例4の光電変換素子に比べて保持率が顕著に高く、光照射に対する高い耐久性を有していた。

Claims (10)

  1. 陽極、ペロブスカイト化合物を含む活性層、電子輸送層及び陰極を有する光電変換素子の製造方法であって、
    電子輸送層を形成する工程が、
    活性層と陰極との間に、金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
    活性層と陰極との間の活性層に近い側に金属酸化物前駆体を含む組成物を用いて層を形成する工程と、活性層と陰極との間の陰極に近い側にフラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程とを有する工程である、光電変換素子の製造方法。
  2. 前記電子輸送層を形成する工程が、
    活性層と陰極との間の活性層に近い側に金属酸化物前駆体を含む組成物を用いて層を形成する工程と、活性層と陰極との間の陰極に近い側にフラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程とを有する工程である、請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
  3. 陽極、ペロブスカイト化合物を含む活性層、電子輸送層及び陰極をこの順で有する光電変換素子の製造方法であって、
    陽極を形成する工程と、ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する工程と、電子輸送層を形成する工程と、陰極を形成する工程とをこの順で有し、
    電子輸送層を形成する工程が、
    金属酸化物前駆体と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程又は、
    金属酸化物前駆体を含む組成物用いて層を形成する工程と、フラーレン若しくはフラーレン誘導体を含む組成物を用いて層を形成する工程とをこの順で有する工程である、光電変換素子の製造方法。
  4. 前記金属酸化物前駆体が、酸化チタンの前駆体である、請求項1〜3のいずれか一項記載の光電変換素子の製造方法。
  5. 前記金属酸化物前駆体が、金属アルコキシドである、請求項1〜4のいずれか一項記載の光電変換素子の製造方法。
  6. 電子輸送層を形成する工程において、前記金属酸化物前駆体を焼成して金属酸化物とすることは除かれる、請求項1〜5のいずれか一項記載の光電変換素子の製造方法。
  7. 電子輸送層を形成する工程が、前記金属酸化物前駆体と、前記フラーレン誘導体とを含む組成物を用いて層を形成する工程である、請求項1又は3記載の光電変換素子の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか一項記載の光電変換素子の製造方法によって得られる光電変換素子。
  9. 請求項記載の光電変換素子を含む、太陽電池モジュール。
  10. 請求項記載の光電変換素子を含む、有機光センサー。
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