JP7482362B2 - 光電変換素子及び太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、光電変換素子及び太陽電池モジュールに関する。
光電変換素子の性能向上を目指して、さらなる研究が続けられている。例えば非特許文献1には、電子取り出し層にDMBI(1,3-ジメチル-2-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾイミダゾール)をドープすることが提案されている。
光電変換素子の実用化のために、さらなる性能の改善が求められていた。
本発明は、光電変換素子の性能を向上させることを目的とする。
本願発明者らは、光電変換素子のバッファ層が半導体粒子を含有している場合に、光電変換効率が向上することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は、以下に存する。
[1]下部電極と上部電極から構成される一対の電極と、前記一対の電極間にある活性層と、前記一対の電極の一方と前記活性層との間にあるバッファ層と、を備える光電変換素子であって、
前記バッファ層は、有機半導体化合物と金属酸化物半導体粒子が混ざっており、
前記バッファ層における、前記有機半導体化合物に対する前記金属酸化物半導体粒子の比率が、0.5質量%を超え、質量%以下である
ことを特徴とする、光電変換素子。
[2]前記金属酸化物半導体粒子は無機ナノ粒子であり、前記有機半導体化合物に対する前記無機ナノ粒子の比率が、1質量%を超え、5質量%以下であることを特徴とする、[1]に記載の光電変換素子。
[3]前記有機半導体化合物がフラーレン化合物を含むことを特徴とする、[1]又は[2]に記載の光電変換素子。
[4]前記バッファ層が、前記金属酸化物半導体粒子とは異なる金属元素をさらに含むことを特徴とする、[1]から[3]のいずれか1項に記載の光電変換素子。
[5]前記バッファ層は電子取り出し層であり、前記電子取り出し層の膜厚が70nmを超え700nm未満であることを特徴とする、[1]から[4]のいずれかに記載の光電変換素子。
[6]前記バッファ層は前記上部電極と前記活性層との間に位置することを特徴とする、[1]から[5]のいずれかに記載の光電変換素子。
[7]前記バッファ層が前記下部電極又は前記上部電極と直接接触し、前記バッファ層が直接接触する前記下部電極又は前記上部電極は金属電極であることを特徴とする、[1]から[6]のいずれかに記載の光電変換素子。
[8]前記活性層がペロブスカイト化合物を含有することを特徴とする、[1]から[7]のいずれかに記載の光電変換素子。
[9]前記金属酸化物半導体粒子は、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化銅、及び酸化ニッケルのうちの少なくともいずれかの粒子であることを特徴とする、[1]から[8]のいずれかに記載の光電変換素子。
10][1]から[]のいずれかに記載の光電変換素子を有する太陽電池モジュール。
光電変換素子の性能を向上できる。
一実施形態としての光電変換素子を模式的に表す断面図である。 一実施形態としての太陽電池を模式的に表す断面図である。 一実施形態としての太陽電池モジュールを模式的に表す断面図である。
以下に、本発明の実施形態を詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に限定はされない。
[光電変換素子]
本実施形態に係る光電変換素子は、下部電極と上部電極から構成される一対の電極と、一対の電極間にある活性層と、一対の電極の一方と活性層との間にあるバッファ層と、を備える。このバッファ層には、半導体粒子が混ざっている。
図1は、本発明に係る光電変換素子の一実施形態を模式的に表す断面図である。図1に示される光電変換素子は、一般的な薄膜太陽電池に用いられる光電変換素子であるが、本発明に係る光電変換素子が図1に示されるものに限られるわけではない。本発明の一実施形態に係る光電変換素子100は、基材108、下部電極101、バッファ層102、活性層103、バッファ層105、及び上部電極107がこの順に形成された層構造を有する。図1に示すように、光電変換素子100が、基材108上に各層が積層された構造を有する場合、基材108に近い電極を下部電極101と、基材108から遠い電極を上部電極107と、それぞれ呼ぶことができる。なお、必ずしもバッファ層102とバッファ層105との双方を設ける必要はない。
また、光電変換素子100がその他の層をさらに有していてもよい。その他の層としては、下部電極101又は上部電極107の仕事関数を調整する仕事関数チューニング層や、絶縁体層等が挙げられる。
(1.活性層103)
活性層103は光電変換が行われる層である。光電変換素子100が光を受けると、光が活性層103に吸収されてキャリアが発生し、発生したキャリアは下部電極101及び上部電極107から取り出される。
活性層103の種類は特に限定されず、従来知られているものを用いることができる。例えば、活性層103は、ポルフィリン誘導体のようなp型半導体化合物を含有する層と、フラーレン誘導体n型半導体化合物を含有する層とを含むヘテロ接合型の活性層でありうる。また、活性層103は、p型半導体化合物とn型半導体化合物とが混合した層(i層)を有するバルクヘテロ型の活性層でありうる。また、活性層103は、ペロブスカイト化合物を含有する層であってもよい。
好ましくは、活性層103はペロブスカイト化合物を含有する層である。このような活性層103を有する太陽電池はペロブスカイト太陽電池として知られている。ペロブスカイト半導体においては、ペロブスカイト構造を有するペロブスカイト化合物が結晶を形成している。このような結晶においては速い電荷分離が起こるとともに正孔及び電子の拡散距離が長いため、効率のよい電荷分離が起こる。
ペロブスカイト化合物とは、ペロブスカイト構造を有する半導体化合物のことを指す。ペロブスカイト化合物としては、特段の制限はないが、例えば、Galasso et al. Structure and Properties of Inorganic Solids, Chapter 7 - Perovskite type and related structuresで挙げられているものから選ぶことができる。例えば、ペロブスカイト化合物としては、一般式AMXで表されるもの又は一般式AMXで表されるものが挙げられる。ここで、Mは2価のカチオンを、Aは1価のカチオンを、Xは1価のアニオンを指す。ペロブスカイト化合物としては、半導体デバイスの種類に応じて適切なものを選択することができる。ペロブスカイト化合物としては、1.0eV以上3.5eV以下のエネルギーバンドギャップを有する半導体化合物を用いることが好ましい。
1価のカチオンAに特段の制限はないが、上記Galassoの著書に記載されているものを用いることができる。より具体的な例としては、周期表第1族及び第13族~第16族元素を含むカチオンが挙げられる。これらの中でも、セシウムイオン、ルビジウムイオン、置換基を有していてもよいアンモニウムイオン(アミジニウムイオンを含む)、置換基を有していてもよいホスホニウムイオン、又は置換基を有していてもよいアミジニウムイオンが好ましい。置換基を有していてもよいアンモニウムイオンの例としては、1級アンモニウムイオン又は2級アンモニウムイオンが挙げられる。置換基にも特段の制限はない。置換基を有していてもよいアンモニウムイオンの具体例としては、アルキルアンモニウムイオン、アリールアンモニウムイオン、アミジニウムイオン、又はグアニジウムイオン等が挙げられる。特に、立体障害を避けるために、3次元の結晶構造となるモノアルキルアンモニウムイオンが好ましく、安定性向上の観点からは、一つ以上のフッ素基を置換したアルキルアンモニウムイオンを用いることが好ましい。また、カチオンAとして2種類以上のカチオンの組み合わせを用いることもできる。
1価のカチオンAの具体例としては、メチルアンモニウムイオン、モノフッ化メチルアンモニウムイオン、ジフッ化メチルアンモニウムイオン、トリフッ化メチルアンモニウムイオン、エチルアンモニウムイオン、イソプロピルアンモニウムイオン、n-プロピルアンモニウムイオン、イソブチルアンモニウムイオン、n-ブチルアンモニウムイオン、t-ブチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、フェニルアンモニウムイオン、ベンジルアンモニウムイオン、フェネチルアンモニウムイオン、グアニジウムイオン、ホルムアミジニウムイオン、アセトアミジニウムイオン又はイミダゾリウムイオン等が挙げられる。
2価のカチオンMにも特段の制限はないが、2価の金属カチオン又は半金属カチオンであることが好ましい。具体的な例としては周期表第14族元素のカチオンが挙げられ、より具体的な例としては、鉛カチオン(Pb2+)、スズカチオン(Sn2+)、ゲルマニウムカチオン(Ge2+)が挙げられる。また、カチオンMとして2種類以上のカチオンの組み合わせを用いることもできる。なお、安定な光電変換素子を得る観点からは、鉛カチオン又は鉛カチオンを含む2種以上のカチオンを用いることが特に好ましい。
1価のアニオンXの例としては、ハロゲン化物イオン、酢酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、ホウ酸イオン、アセチルアセトナートイオン、炭酸イオン、クエン酸イオン、硫黄イオン、テルルイオン、チオシアン酸イオン、チタン酸イオン、ジルコン酸イオン、2,4-ペンタンジオナトイオン又はケイフッ素イオン等が挙げられる。バンドギャップを調整するためには、Xは1種類のアニオンであってもよいし、2種類以上のアニオンの組み合わせであってもよい。なかでも、Xとしてはハロゲン化物イオン、又はハロゲン化物イオンとその他のアニオンとの組み合わせを用いることが好ましい。ハロゲン化物イオンXの例としては、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオン等が挙げられる。
ペロブスカイト化合物の好ましい例としては、有機-無機ペロブスカイト化合物が挙げられ、特にハライド系有機-無機ペロブスカイト化合物が挙げられる。ペロブスカイト化合物の具体例としては、CHNHPbI、CHNHPbBr、CHNHPbCl、CHNHSnI、CHNHSnBr、CHNHSnCl、CHNHPbI(3-x)Cl、CHNHPbI(3-x)Br、CHNHPbBr(3-x)Cl、CHNHPb(1-y)Sn、CHNHPb(1-y)SnBr、CHNHPb(1-y)SnCl、CHNHPb(1-y)Sn(3-x)Cl、CHNHPb(1-y)Sn(3-x)Br、及びCHNHPb(1-y)SnBr(3-x)Cl、並びに、上記の化合物においてCHNHの代わりにCFHNH、CFHNH、CFNH、NHCH=NHを用いたもの、等が挙げられる。なお、xは0以上3以下、yは0以上1以下の任意の値を示す。
活性層103は、2種類以上のペロブスカイト化合物を含有していてもよい。例えば、A、B及びXのうちの少なくとも1つが異なる2種類以上のペロブスカイト化合物が活性層103に含まれていてもよい。
活性層103に含まれるペロブスカイト化合物の量は、良好な半導体特性が得られるように、好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。上限に特に制限はない。
活性層103の厚さに特段の制限はない。例えば、本発明に係る光電変換素子を太陽電池として使用する場合、より多くの光を吸収できる点で、活性層103の厚さは、好ましくは5nm以上、さらに好ましくは10nm以上、より好ましくは50nm以上、特に好ましくは120nm以上である。一方で、直列抵抗が下がる点で、活性層103の厚さは、好ましくは2000nm以下、さらに好ましくは1000nm以下である。また、本発明に係る光電変換素子を、X線やγ線のような放射光の検出に用いる場合には活性層103の厚さは、好ましくは10μm以上、特に好ましくは20μm以上、さらに好ましくは100μm以上である。一方で生成した電荷を効率よく収集するために活性層103の厚さは10mm以下が好ましく、5mm以下がさらに好ましく、1.5mm以下がさらに好ましい。
活性層103の形成方法は特に限定されず、任意の方法を用いることができる。具体例としては、塗布法及び蒸着法(又は共蒸着法)が挙げられる。簡易に活性層103を形成できる点で、塗布法を用いることは好ましい。
ペロブスカイト化合物を含有する活性層103の作製方法の例としては、例えば、ペロブスカイト化合物又はその前駆体を含有する塗布液を塗布することにより半導体層を形成する方法が挙げられる。ペロブスカイト化合物前駆体とは、塗布液を塗布した後にペロブスカイト化合物へと変換可能な材料のことを指す。具体的な例としては、加熱することによりペロブスカイト化合物へと変換可能なペロブスカイト化合物前駆体がある。例えば、塗布液を塗布することにより得られた膜を加熱することにより、ペロブスカイト化合物前駆体をペロブスカイト化合物へと変換し、ペロブスカイト化合物を含有する半導体層を形成することができる。ペロブスカイト化合物前駆体の具体例としては、加熱により下記(1)で表されるペロブスカイト化合物へと変換可能である、下記式(2)で表される化合物及び/又は下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
一例としては、下記式(2)で表される化合物と、下記式(3)で表される化合物と、溶媒と、を含有する塗布液を作製し、この塗布液を塗布する方法が挙げられる。このような塗布液は、化合物を溶液中で加熱攪拌することにより作製することができる。この方法によれば、下記式(1)で表される化合物を含有する活性層103を作製することができる。
AMX ・・・(1)
AX ・・・(2)
MX ・・・(3)
A、M及びXの定義は上述の通りである。AXの具体例としてはハロゲン化アルキルアンモニウム塩が挙げられ、MXの具体例としては金属ハロゲン化物が挙げられる。AX及びMXは、ベロブスカイト半導体化合物AMXの前駆体である。
別の例としては、上記式(2)で表される化合物と溶媒とを含有する塗布液と、上記式(3)で表される化合物と溶媒とを含有する塗布液と、をそれぞれ調製して塗布する方法が挙げられる。例えば、まず、上記式(3)で表される化合物と溶媒とを含有する塗布液を塗布することにより式(3)で表される化合物の層を形成する。その上に、上記式(2)で表される化合物と溶媒とを含有する塗布液を塗布することにより、下記式(1)で表される化合物を含有する活性層103を作製することができる。各塗布液を塗布した後には、加熱を行うことにより、層を乾燥させたり、ペロブスカイト半導体化合物の結晶化を促進したりすることができる。加熱は、例えば60℃以上、又は180℃以下で行うことができる。
溶媒としては、Brandrup,J.ら編「Polymer Handbook, 4th Ed.」に記載の溶解度パラメータ(SP値)が、9以上であるものが好ましく、10以上であるものが特に好ましい。例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ピリジン、γ-ブチロラクトン等が挙げられる。溶媒としては、2種類以上の溶媒の混合溶媒を用いてもよい。なお、混合溶媒を用いる場合も、混合溶媒のうち少なくとも1種の溶媒の溶解度パラメータは10以上であることが好ましい。
(2.下部電極101,上部電極107)
電極は、光吸収により生じた正孔及び電子を捕集する機能を有する。したがって、一対の下部電極101及び上部電極107としては、正孔の捕集に適したアノードと、電子の捕集に適したカソードとを用いることが好ましい。下部電極101及び上部電極107は、いずれか一方が透光性であればよく、両方が透光性であっても構わない。透光性があるとは、太陽光が40%以上透過することを指す。また、透光性ある電極の太陽光線透過率は70%以上であることが、より多くの光が透明電極を透過して活性層103に到達するために好ましい。光の透過率は、分光光度計(例えば、日立ハイテク社製U-4100)で測定できる。
下部電極101と上部電極107とのうち一方はカソードであり、他方はアノードである。一実施形態において、下部電極101はカソードであり、この場合バッファ層102は電子取り出し層、バッファ層105は正孔取り出し層、上部電極107はアノードである。このような光電変換素子は、順型光電変換素子と呼ばれる。また、一実施形態において、下部電極101はアノードであり、この場合バッファ層102は正孔取り出し層、バッファ層105は電子取り出し層、上部電極107はカソードである。このような光電変換素子は、逆型光電変換素子と呼ばれる。
アノード及びカソードの構成部材及びその製造方法について特段の制限はなく、周知技術を用いることができる。例えば、国際公開第2013/171517号、国際公開第2013/180230号又は特開2012-191194号公報等の公知文献に記載の部材及びその製造方法を使用することができる。
(3.バッファ層102,105)
本実施形態において、バッファ層には半導体粒子が混ざっている。バッファ層は通常、電子取り出し層と正孔取り出し層とに分類することができる。上述の通り、光電変換素子100が順型構成を有する一実施形態においてバッファ層102は電子取り出し層であり、バッファ層105は正孔取り出し層である。また、光電変換素子100が逆型構成を有する一実施形態においてバッファ層102は正孔取り出し層であり、バッファ層105は電子取り出し層である。本実施形態において、バッファ層102とバッファ層105との少なくとも一方には半導体粒子が混ざっている。また、本実施形態において、正孔取り出し層と電子取り出し層との少なくとも一方には半導体粒子が混ざっている。なお、半導体粒子は、バッファ層に均一に混ざっていてもよいし、活性層103の近くに、又は活性層103から離れるように、偏在して分散していてもよい。
バッファ層は、半導体粒子とは異なる半導体化合物の層に、半導体粒子が混ざった構造を有しうる。半導体化合物の例については後述する。
このように、バッファ層に半導体粒子が混ざっていることにより、光電変換素子100の光電変換効率が向上しうる。特に、バッファ層に半導体粒子が混ざっていることにより、光電変換素子100のフィルファクターの値が大きくなる傾向がみられ、これが光電変換効率の向上につながっているものと考えられる。その理由は明確ではないが、バッファ層に半導体粒子が混ざっていることにより、バッファ層と電極との間のキャリア注入障壁が緩和されることが1つの理由ではないかと考えられる。また、半導体粒子がバッファ層中に存在しても、バッファ層の局所的なミクロ構造は維持されるので、バッファ層のキャリア輸送機能が損なわれにくいものと考えられる。
また、一実施形態においては、バッファ層に半導体粒子が混ざっていることにより、光電変換素子100の耐久性が向上しうる。その理由は明確ではないが、キャリア注入障壁に関与する半導体粒子が比較的劣化しにくいことが1つの理由ではないかと考えられる。耐久性が高いとは、例えば、高温多湿環境(例えば温度60℃、湿度90%)の試験環境に所定期間(例えば1日間)おく前後での光電変換効率の維持率が高いこと、又は、所定条件の光(例えば照射強度100mW/cmでのAM1.5G条件の光)の照射による光電変換効率の低下が少ない(例えば光電変換効率が照射前と比較して所定値(例えば80%未満)となるまでの時間が長い)ことを意味する。
半導体粒子は、無機化合物の半導体粒子であることが、バッファ層中で安定に存在しうる点で好ましい。また、半導体粒子は、ナノ粒子であることが、バッファ層中でよく分散しうる点で好ましい。このように、半導体粒子としては、無機ナノ粒子を好ましく用いることができる。ナノ粒子とは、平均粒子径が1000nm未満の粒子のことを指す。平均粒子径は100nm未満であることが好ましい。平均粒子径の下限は特に存在しないが、例えば1nm以上でありうる。本明細書において、平均粒子径とは、JIS Z8828:2013で規定される、動的光散乱法による平均粒子径のことを指す。
半導体粒子としては、金属酸化物半導体粒子であることが好ましい。金属酸化物半導体の例としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化銅、又は酸化ニッケル等が挙げられる。
バッファ層に混ざっている半導体粒子の量は、特に限定されない。一方、光電変換効率を向上させる観点から、半導体化合物に対する半導体粒子の比率は、例えば30質量%未満であり、好ましくは20質量%未満であり、より好ましくは10質量%未満であり、一方、例えば0.1質量%を超え、好ましくは0.5質量%を超えていてもよい。バッファ層に混ざっている半導体粒子の量が増えると、ファルファクタの値が増加する傾向にある。このような観点から、半導体化合物に対する半導体粒子の比率は、例えば1質量%を超え、又は2質量%を超えてもよい。一方、バッファ層に混ざっている半導体粒子の量が増えると、開放電圧が低下することがある。このような観点から、半導体化合物に対する半導体粒子の比率は、例えば5質量%未満、又は2質量%未満であってもよい。
上部電極107側にあるバッファ層105に半導体粒子が混ざっていること、すなわち上部電極107と活性層103との間に半導体粒子が混ざっているバッファ層が位置することは、光電変換効率が向上しやすい点で好ましい。バッファ層105は、通常活性層103に続けて積層されるため、層表面の平滑性を保つために比較的厚くされることが多い。とりわけ、ペロブスカイト化合物を含む活性層103は表面が平滑ではないことが多く、上に積層されるバッファ層105も厚くされることが多い。したがって、バッファ層105に半導体粒子が混ざっていても、層間の短絡が起こりにくい。このような観点から、本発明に係る化合物を含むバッファ層の膜厚は、30nmを超えることが好ましく、50nmを超えることがより好ましくは、70nmを超えることがより好ましい。一方、本発明に係る化合物を含むバッファ層の膜厚は700nm未満が好ましく、500nm未満がより好ましく、200nm未満がより好ましい。
上述のように、バッファ層に半導体粒子が混ざっていることにより、バッファ層と電極との間のキャリア注入障壁が緩和されうる。したがって、半導体粒子が混ざっているバッファ層は、下部電極101又は上部電極107と直接接触していることが好ましい。言い換えれば、半導体粒子が混ざっているバッファ層と、下部電極101又は上部電極107との間には、半導体粒子が混ざっていないその他の層が存在しないことが好ましい。このような構成により、光電変換素子の生産効率を向上させることができる。
半導体粒子が混ざっているバッファ層が電子取り出し層であることは、光電変換効率が向上しやすい点で好ましい。この場合、バッファ層に含まれる半導体化合物よりもLUMOエネルギー準位が低い半導体粒子を用いることにより、半導体化合物とカソードとの間の電子注入障壁を緩和し、光電変換効率を向上させることができる。
一実施形態において、バッファ層に含まれる半導体化合物は有機化合物であり、例えばフラーレン化合物、ペリレンジイミド化合物、又はナフタレンジイミド化合物である。フラーレン化合物の例としては、C60、C70、PCBM、又はICBA等が挙げられる。有機半導体化合物、とりわけフラーレン化合物は、バッファ層材料としてよく用いられるが、電極、とりわけ金属電極との間のキャリア注入障壁が比較的大きいことが知られている。このような観点から、半導体粒子が混ざっているバッファ層が直接接触する下部電極101又は上部電極107は金属電極であることが好ましい。ここで、金属電極とは、金電極、銀電極、銅電極、又はアルミニウム電極のような金属単体で構成された電極、又は金属単体の合金で構成された電極、又は酸化インジウム錫(ITO)のような金属の酸化物で構成された電極のことを指す。
バッファ層は、半導体粒子とは異なる金属元素をさらに含んでいてもよい。このような構成により、光電変換素子100のフィルファクターの値をさらに増加させ、光電変換効率をさらに向上させることができる。このような金属元素も、バッファ層と電極との界面においてキャリア注入障壁を緩和しているものと考えられる。金属元素の量は、光電変換効率を向上できるように適宜選択できるが、微量であってもよい。例えば、バッファ層中での半導体化合物に対する金属元素の比率は、好ましくは0.002質量%を超え、より好ましくは0.01質量%を超え、一方で好ましくは0.2質量%未満であり、より好ましくは0.1質量%未満である。
例えば、バッファ層は、後述するような半導体層形成用分散液用の溶媒に溶解しうる、金属錯体化合物を含有していてもよい。このような金属錯体化合物の例としては、ジルコニウム(IV)アセチルアセトナト等が挙げられる。一方で、この場合、バッファ層は、半導体粒子と同じ金属元素の錯体化合物を含有していてもよい。光電変換効率を向上させる観点から、バッファ層中での半導体化合物に対する金属錯体化合物の比率は、好ましくは0.01質量%を超え、より好ましくは0.05質量%を超え、一方で好ましくは1質量%未満であり、より好ましくは0.5質量%未満である。
これらの半導体粒子を含有するバッファ層は、例えば以下のように作製することができる。まず、半導体粒子と、半導体化合物と、溶媒と、を含有する半導体層形成用分散液を調製する。次に、この分散液を塗布して乾燥させることにより、バッファ層を形成することができる。光電変換効率を向上させる観点から、半導体化合物に対する半導体粒子の比率は、例えば30質量%未満であり、好ましくは20質量%未満であり、より好ましくは10質量%未満であり、一方、例えば0.1質量%を超え、好ましくは0.5質量%を超える。塗布液中に含まれる半導体粒子及び半導体化合物の濃度は特に限定されず、適切な厚さの層が形成されるように適宜選択することができる。塗布成膜が円滑に進むように、半導体化合物の濃度は好ましくは0.1重量%以上であり、さらに好ましくは0.5重量%以上であり、一方で好ましくは60重量%以下であり、さらに好ましくは45重量%以下である。
溶媒は、半導体化合物の溶解度に合わせて選択することができる。溶媒の例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン若しくはデカン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン、クロロベンゼン若しくはオルトジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、テトラリン若しくはデカリン等の脂環式炭化水素類;メタノール、エタノール若しくはプロパノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン若しくはシクロヘキサノン等の脂肪族ケトン類;アセトフェノン若しくはプロピオフェノン等の芳香族ケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル若しくは乳酸メチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン若しくはトリクロロエチレン等のハロゲン炭化水素類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン等のエーテル類;又は、ジメチルホルムアミド若しくはジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。また、二硫化炭素を使用することもできる。
以下、電子取り出し層材料及び正孔取り出し層材料について説明する。半導体粒子を含有するバッファ層は、例えば、以下に記載された又はその他の電子取り出し層材料又は正孔取り出し層材料である半導体化合物と、半導体粒子と、を含んでいる。一方、光電変換素子100は、半導体粒子を含有しないバッファ層を有していてもよい。また、1つのバッファ層は、異なる複数の膜により構成されていてもよい。
正孔取り出し層の材料に特に限定は無く、活性層103からアノードへの正孔の取り出し効率を向上させることが可能な材料であれば特に限定されない。正孔取り出し層の材料の別の例としては、国際公開第2013/171517号、国際公開第2013/180230号又は特開2012-191194号公報等の公知文献に記載の無機化合物又は有機化合物が挙げられる。
例えば、無機化合物としては、酸化銅、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化鉄、酸化モリブデン、酸化バナジウム又は酸化タングステン等の金属酸化物が挙げられる。また、有機化合物としては、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、トリフェニレンジアミン又はポリアニリン等に、スルホン酸及びヨウ素等がドーピングされた導電性ポリマー(例えば、PEDOT:PSS又はドーピングされたP3HT)、スルホニル基を置換基に有するポリチオフェン誘導体、アリールアミン等の導電性有機化合物、ナフィオン、又はリチウムドーピングされたspiro-OMeTADが挙げられる。
正孔取り出し層の全体の膜厚に特に限定はないが、好ましくは0.5nm以上である。一方、好ましくは400nm以下、さらに好ましくは200nm以下である。正孔取り出し層の膜厚が0.5nm以上であることでバッファ材料としての機能をよく果たすことになり、正孔取り出し層の膜厚が400nm以下であることで、正孔が取り出し易くなり、光電変換効率が向上しうる。
正孔取り出し層の形成方法に制限はない。昇華性を有する化合物を用いる場合は真空蒸着法等の乾式成膜法により形成することができる。また、溶媒に可溶な化合物を用いる場合は、スピンコート法、インクジェット法、ダイコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法、又はカーテンコート法等の湿式成膜法により形成することができる。
電子取り出し層の材料に特に限定は無く、活性層103からカソードへの電子の取り出し効率を向上させることが可能な材料であれば特に限定されない。具体的には、国際公開第2013/171517号、国際公開第2013/180230号又は特開2012-191194号公報等の公知文献に記載の無機化合物、有機化合物、又は有機無機ペロブスカイト化合物が挙げられる。
例えば、無機化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム又はセシウム等のアルカリ金属の塩、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化インジウム、又は酸化スズ等の金属酸化物が挙げられる。有機化合物としては、バソキュプロイン(BCP)、バソフェナントレン(Bphen)、(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq3)、ホウ素化合物、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物(NTCDA)、ペリレンテトラカルボン酸無水物(PTCDA)、フラーレン化合物、ペリレンジイミド化合物、ナフタレンジイミド化合物、又はホスフィンオキシド化合物若しくはホスフィンスルフィド化合物等の周期表第16族元素と二重結合を有するホスフィン化合物が挙げられる。
電子取り出し層の形成方法に特に制限はない。昇華性を有する化合物を材料として用いる場合は、真空蒸着法等の乾式成膜法により形成することができる。また、溶媒に可溶な化合物を材料として用いる場合は、スピンコート法、インクジェット法、ダイコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法、又はカーテンコート法等の湿式成膜法により形成することができる。
電子取り出し層の全体の膜厚に特に限定はないが、好ましくは0.5nm以上、さらに好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上、特に好ましくは10nm以上である。一方、好ましくは1μm以下、さらに好ましくは700nm以下、より好ましくは400nm以下、特に好ましくは200nm以下である。電子取り出し層の膜厚が上記の範囲内にあることで、均一な塗布が容易となり、電子取り出し機能もよく発揮されうる。
(4.基材108)
光電変換素子100は、通常は支持体となる基材108を有する。もっとも、本発明に係る光電変換素子は基材108を有さなくてもよい。基材108の材料は、本発明の効果を著しく損なわない限り特に限定されず、例えば、国際公開第2013/171517号、国際公開第2013/180230号又は特開2012-191194号公報等の公知文献に記載の材料を使用することができる。
(5.光電変換素子の作製方法)
上述の方法に従って、光電変換素子100を構成する各層を形成することにより、光電変換素子100を作製することができる。例えば、基材108の上に、下部電極101、バッファ層102、活性層103、バッファ層105、及び上部電極107をこの順に順次積層することにより、光電変換素子100を製造することができる。この場合、支持体となる基材108は形成される各層より厚くてもよい。例えば、基材108の厚さは200nm以上であってもよく、好ましくは500nm以上である。また、耐久性を向上させるため、光電変換素子100をさらに封止してもよい。例えば、上部電極107にさらに封止板を積層し、基材108と封止板とを接着剤で固定することにより、光電変換素子100を封止することができる。
光電変換素子100を構成する各層の形成方法に特段の制限はなく、シートツゥーシート(万葉)方式、又はロールツゥーロール方式で形成することができる。なお、ロールツゥーロール方式とは、ロール状に巻かれたフレキシブルな基材を繰り出して、間欠的、或いは連続的に搬送しながら、巻き取りロールにより巻き取られるまでの間に加工を行う方式である。ロールツゥーロール方式によれば、kmオーダの長尺基板を一括処理することが可能であるため、ロールツゥーロール方式はシートツゥーシート方式に比べて量産化に適している。一方、ロールツゥーロール方式で各層を成膜しようとすると、その構造上、成膜面とロールとが接触することにより膜に傷がついたり、部分的に剥がれてしまったりする場合がある。
ロールツゥーロール方式に用いることのできるロールの大きさは、ロールツゥーロール方式の製造装置で扱える限り特に限定されないが、外径の上限は、好ましくは5m以下、さらに好ましくは3m以下、より好ましくは1m以下である。一方、下限は好ましくは10cm以上、さらに好ましくは20cm以上、より好ましくは30cm以上である。ロール芯の外径の上限は、好ましくは4m以下、さらに好ましくは3m以下、より好ましくは0.5m以下である。一方、下限は好ましくは1cm以上、さらに好ましくは3cm以上、より好ましくは5cm以上、さらに好ましくは10cm以上、特に好ましくは20cm以上である。これらの径が上記上限以下であることはロールの取り扱い性が高い点で好ましく、下限以上であることは各工程で成膜される層が曲げ応力により破壊される可能性が低くなる点で好ましい。ロールの幅の下限は、好ましくは5cm以上、さらに好ましくは10cm以上、より好ましくは20cm以上である。一方、上限は、好ましくは5m以下、さらに好ましくは3m以下、より好ましくは2m以下である。幅が上限以下であることはロールの取り扱い性が高い点で好ましく、下限以上であることは光電変換素子100の大きさの自由度が高くなるため好ましい。
また、上部電極107を積層した後に、光電変換素子100に対してアニーリング処理工程を行うことができる。アニーリング処理工程を50℃以上の温度で行うことにより、光電変換素子100の各層間の密着性が向上する効果が得られるため、好ましい。各層間の密着性が向上することにより、光電変換素子の熱安定性や耐久性等が向上しうる。アニーリング処理工程においては、異なる温度を用いた段階的な加熱を行ってもよい。
アニーリング処理工程は、太陽電池性能のパラメータである開放電圧、短絡電流及びフィルファクターが一定の値になったところで終了させることが好ましい。また、アニーリング処理工程は、構成材料の熱酸化を防ぐ上でも、常圧下、かつ不活性ガス雰囲気中で実施することが好ましい。加熱方法としては、ホットプレート等の熱源に光電変換素子を載せてもよいし、オーブン等の加熱雰囲気中に光電変換素子を入れてもよい。また、加熱はバッチ式で行っても連続方式で行ってもよい。
(6.光電変換特性)
光電変換素子100の光電変換特性は次のようにして求めることができる。光電変換素子100にソーラシミュレーターでAM1.5G条件の光を照射強度100mW/cmで照射して、電流-電圧特性を測定する。得られた電流-電圧曲線から、光電変換効率(PCE)、短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)、フィルファクター(FF)、直列抵抗、シャント抵抗といった光電変換特性を求めることができる。
光電変換素子100の光電変換効率は、特段の制限はないが、好ましくは1%以上、さらに好ましくは1.5%以上、より好ましくは2%以上である。一方、上限に特段の制限はなく、高ければ高いほどよい。また、光電変換素子100のフィルファクターは、特段の制限はないが、好ましくは0.6以上、さらに好ましくは0.7以上、より好ましくは0.9以上である。一方、上限に特段の制限はなく、高ければ高いほどよい。
(7.太陽電池)
本実施形態に係る光電変換素子100は、太陽電池、なかでも薄膜太陽電池の太陽電池素子として使用されることが好ましい。図2は本発明の一実施形態に係る太陽電池の構成を模式的に表す断面図であり、図2には本発明の一実施形態に係る太陽電池である薄膜太陽電池が示されている。図2に表すように、本実施形態に係る薄膜太陽電池14は、耐候性保護フィルム1と、紫外線カットフィルム2と、ガスバリアフィルム3と、ゲッター材フィルム4と、封止材5と、太陽電池素子6と、封止材7と、ゲッター材フィルム8と、ガスバリアフィルム9と、バックシート10と、をこの順に備える。本実施形態に係る薄膜太陽電池14は、太陽電池素子6として、本実施形態に係る光電変換素子を有している。そして、耐候性保護フィルム1が形成された側(図2中下方)から光が照射されて、太陽電池素子6が発電するようになっている。なお、薄膜太陽電池14は、これらの構成部材を全て有する必要はなく、必要な構成部材を任意に選択することができる。
薄膜太陽電池を構成するこれらの構成部材及びその製造方法について特段の制限はなく、周知技術を用いることができる。例えば、国際公開第2013/171517号、国際公開第2013/180230号又は特開2012-191194号公報等の公知文献に記載の技術を使用することができる。
本発明に係る太陽電池、特には上述した薄膜太陽電池14の用途に制限はなく、任意の用途に用いることができる。例えば、一実施形態に係る太陽電池は、建材用太陽電池、自動車用太陽電池、インテリア用太陽電池、鉄道用太陽電池、船舶用太陽電池、飛行機用太陽電池、宇宙機用太陽電池、家電用太陽電池、携帯電話用太陽電池又は玩具用太陽電池として用いることができる。
本発明に係る太陽電池、特には上述した薄膜太陽電池14はそのまま用いてもよいし、太陽電池モジュールの構成要素として用いられてもよい。例えば、図3に示すように、本実施形態に係る太陽電池、特には上述した薄膜太陽電池14を基材12上に備える太陽電池モジュール13を作製し、この太陽電池モジュール13を使用場所に設置して用いることができる。基材12としては周知技術を用いることができ、例えば、基材12の材料としては国際公開第2013/171517号、国際公開第2013/180230号又は特開2012-191194号公報等に記載の材料を用いることができる。例えば、基材12として建材用板材を使用する場合、この板材の表面に薄膜太陽電池14を設けることにより、太陽電池モジュール13として、建物の外壁用太陽電池パネルを作製することができる。
以下に、実施例により本発明の実施形態を説明する。しかしながら、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例には限定されない。
[塗布液の調製]
(活性層塗布液の調製)
モル比が1:1:1となるようにヨウ化鉛(II)(623mg)、ヨウ化メチルアンモニウム(CHNHI,215mg)、及びジメチルスルホキシド(106mg)をバイアル瓶に量りとり、N,N-ジメチルホルムアミド(1mL)を加えた。次に、得られた混合液を室温で1時間加熱撹拌した。その後、得られた溶液をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルター(孔径0.2μm)で濾過することにより、活性層塗布液を作製した。
[実施例1]
パターニングされた酸化インジウムスズ(ITO)透明導電膜を備えるガラス基板(ジオマテック社製)に対して、洗浄剤(横浜油脂工業社製、精密ガラス基板用洗浄剤セミクリーンM-LO,15mL)を用いた超音波洗浄、超純水を用いた超音波洗浄、窒素ブローによる乾燥、及びUV-オゾン処理を行った。
次に、4mgのポリ[ビス(4-フェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン](PTAA,シグマアルドリッチ社製)をバイアル瓶に量りとり、グローブボックスに導入した。そこへ溶媒として1mLのクロロベンゼンを加えた。次に、得られた混合液を室温で1時間撹拌することにより、正孔取り出し層用塗布液を調製した。この正孔取出し層用塗布液を、室温で、上記ガラス基板上に4000rpmの速度でスピンコートすることにより、厚さ約10nmの正孔取り出し層を形成した。得られた基板を100℃で10分間加熱した。
次に、正孔取り出し層が形成された基板を冷却後、上記のように調製された活性層塗布液(150μL)を4000rpmの速度で基板上にスピンコートし、約8秒後にクロロベンゼン(750μL)を滴下した。その後、ホットプレート上100℃で10分間加熱してペロブスカイト結晶を成長させることにより、厚さ約450nmの活性層(ペロブスカイト結晶層)を形成した。
次に、フェニルC61酪酸メチルエステル(PC61BM,フロンティアカーボン社製,300mg)をバイアル瓶に量りとり、グローブボックスに導入した。そこへ溶媒としてクロロベンゼン(10mL)を加え、PC61BMの30mg/mLクロロベンゼン溶液を作製した。これに酸化亜鉛ナノ粒子を15質量%含むトルエン分散液ZNT15WT%-G0(シーアイ化成社製,平均一次粒径15nm,100mg)を混合することで、酸化亜鉛をPC61BMに対して5質量%含む電子取り出し層用分散液を作製した。この分散液をPC61BMの30mg/mLクロロベンゼン溶液で5倍に希釈することで、酸化亜鉛をPC61BMに対して1質量%含む電子取り出し層用分散液を作製した。この分散液(120μL)を活性層上に1000rpmの速度でスピンコートすることにより、厚さ約80nmの電子取り出し層を作成した。得られた基板を100℃で10分間加熱した。
次に、電子取り出し層上に、抵抗加熱型真空蒸着法によりパターニングマスクを用いて厚さ約100nmの銀膜を蒸着させ、電極を形成した。以上のようにして、光電変換素子を作製した。
さらに、中央部分が掘り下げられているガラスと光電変換素子のガラス基板とをシール材(光硬化樹脂)によって貼り合わせることで、光電変換素子を封止した。
[実施例2]
酸化亜鉛ナノ粒子をPC61BMに対して5質量%含むように作製した電子取り出し層用分散液を使用したことを除き、実施例1と同様の方法を用いて光電変換素子を作製した。
[実施例3]
フェニルC61酪酸メチルエステル(PC61BM,フロンティアカーボン社製)のクロロベンゼン溶液(30mg/mL,10mL)に、酸化チタンナノ粒子のトルエン分散液(シーアイ化成社製,平均一次粒径15nm,15質量%,100mg)を加えることで、PC61BMに対して酸化チタンを5質量%含む電子取り出し層用分散液を作製したことを除き、実施例1と同様の方法を用いて光電変換素子を作製した。
[比較例1]
電子取り出し層用分散液に酸化亜鉛ナノ粒子を加えなかったことを除き、実施例1と同様の方法を用いて光電変換素子を作製した。
[光電変換素子の評価]
実施例1~3及び比較例1で得られた光電変換素子のそれぞれに4mm角のメタルマスクを付け、ITO電極と銀電極との間における電流-電圧特性を測定した。測定にはソースメーター(ケイスレー社製,2400型)を用い、照射光源としてはエアマス(AM)1.5G、放射照度100mW/cmのソーラシミュレーターを用いた。この測定結果から、それぞれの光電変換素子のフィルファクター(FF)及び初期変換効率PCE(%)を算出した。測定結果を表1に示す。なお、表1において、添加量は、PCBMに対する質量%を表す。
Figure 0007482362000001
表1に示すように、実施例1~3では、比較例1よりも高い光電変換効率が確認された。特に、実施例1~3では、比較例1よりもフィルファクターの値が大きくなっており、これが高い光電変換効率につながっている。半導体粒子の添加量を増やすことでフィルファクターの値がより大きくなる傾向もみられたが、酸化亜鉛ナノ粒子の添加量を増やすと開放電圧が低下する傾向もみられた。酸化チタンナノ粒子を添加した実施例3では、比較例1よりも開放電圧が向上した。
1 耐候性保護フィルム
2 紫外線カットフィルム
3,9 ガスバリアフィルム
4,8 ゲッター材フィルム
5,7 封止材
6 太陽電池素子
10 バックシート
12 基材
13 太陽電池モジュール
14 薄膜太陽電池
100 光電変換素子
101 下部電極
102 バッファ層
103 活性層
105 バッファ層
107 上部電極
108 基材

Claims (10)

  1. 下部電極と上部電極から構成される一対の電極と、前記一対の電極間にある活性層と、前記一対の電極の一方と前記活性層との間にあるバッファ層と、を備える光電変換素子であって、
    前記バッファ層は、有機半導体化合物と金属酸化物半導体粒子が混ざっており、
    前記バッファ層における、前記有機半導体化合物に対する前記金属酸化物半導体粒子の比率が、0.5質量%を超え、質量%以下である
    ことを特徴とする、光電変換素子。
  2. 前記金属酸化物半導体粒子は無機ナノ粒子であり、前記有機半導体化合物に対する前記無機ナノ粒子の比率が、1質量%を超え、5質量%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記有機半導体化合物がフラーレン化合物を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 前記バッファ層が、前記金属酸化物半導体粒子とは異なる金属元素をさらに含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  5. 前記バッファ層は電子取り出し層であり、前記電子取り出し層の膜厚が70nmを超え700nm未満であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  6. 前記バッファ層は前記上部電極と前記活性層との間に位置することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  7. 前記バッファ層が前記下部電極又は前記上部電極と直接接触し、前記バッファ層が直接接触する前記下部電極又は前記上部電極は金属電極であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  8. 前記活性層がペロブスカイト化合物を含有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  9. 前記金属酸化物半導体粒子は、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化銅、及び酸化ニッケルのうちの少なくともいずれかの粒子であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  10. 請求項1からのいずれか1項に記載の光電変換素子を有する太陽電池モジュール。
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