JP2017103268A - 光電変換素子 - Google Patents

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Yasunori Kamiya
保則 上谷
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Abstract

【課題】光電変換効率が高い光電変換素子を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、陰極及び陽極の間にペロブスカイト化合物を含む活性層を有し、前記陰極及び前記活性層の間にアルカリ土類金属酸化物を含む層を有する光電変換素子を提供する。前記アルカリ土類金属酸化物が、CaO、BaO及びSrOからなる群より選ばれる1以上である光電変換素子を提供する。前記アルカリ土類金属酸化物が、BaO及び/又はSrOである光電変換素子を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換素子に関する。
近年、ペロブスカイト化合物を活性層の材料として用いた光電変換素子が提案されている。
例えば、パターニングされたITO(インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide)を含む透明電極、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)を含む正孔注入層、ペロブスカイト化合物を含む活性層、フラーレン誘導体である[6,6]−フェニルC61−酪酸メチルエステル(C60PCBM)を含む電子輸送層、ZnOを含む電子注入層及び陰極がこの順に設けられている光電変換素子が報告されている(非特許文献1参照。)。
Organic Electronics: physics, materials, applications、2015 26巻、14号、30ページ
しかしながら、上述の非特許文献1に記載された光電変換素子は光電変換効率が必ずしも十分ではなかった。
本発明の目的は、光電変換効率が高い光電変換素子を提供することにある。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[7]を提供する。
[1]陰極及び陽極の間にペロブスカイト化合物を含む活性層を有し、前記陰極及び前記活性層の間にアルカリ土類金属酸化物を含む層を有する光電変換素子。
[2]前記アルカリ土類金属酸化物が、CaO、BaO及びSrOからなる群より選ばれる1以上である、[1]記載の光電変換素子。
[3]前記アルカリ土類金属酸化物が、BaO及び/又はSrOである、[1]又は[2]記載の光電変換素子。
[4]前記アルカリ土類酸化物を含む層の厚さが8nm以下である、[1]〜[3]のいずれか一項記載の光電変換素子。
[5]前記アルカリ土類金属酸化物を含む層が陰極に接しており、前記アルカリ土類金属酸化物を含む層及び前記ペロブスカイト化合物を含む活性層の間にフラーレン又はフラーレン誘導体を含む層をさらに有する、[1]〜[4]のいずれか一項記載の光電変換素子。
[6]支持基板、前記陽極、前記活性層、前記アルカリ土類金属酸化物を含む層及び前記陰極がこの順に設けられている、[1]〜[5]のいずれか一項記載の光電変換素子。
[7][1]〜[6]のいずれか一項記載の光電変換素子を含む、太陽電池モジュール。
[8][1]〜[6]のいずれか一項記載の光電変換素子を含む、有機光センサー。
本発明によれば、光電変換効率が高い光電変換素子を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<1>共通する用語の説明
以下、本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
「光透過性」とは、波長400nm〜1200nmの光の透過率が10%以上であることを意味する。
「置換基を有していてもよい」とは、その化合物又は基を構成するすべての水素原子が無置換の場合、及び1個以上の水素原子のうちの一部又は全部が置換基によって置換されている場合の両方の態様を含む。
置換基としては、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基、重合可能な置換基等が挙げられる。
「重合可能な置換基」とは、重合反応を起こすことにより2分子以上の分子間で結合を形成し、化合物を生成可能な置換基を意味する。このような基としては炭素−炭素多重結合を有する基(たとえば、ビニル基、エチニル基、ブテニル基、アクリロイル基、アクリル酸エステルから水素原子1個が除かれた基、アクリルアミドから水素原子1個が除かれた基、メタクリロイル基、メタクリル酸エステルから水素原子1個が除かれた基、メタクリルアミドから水素原子1個が除かれた基、アレンから水素原子1個が除かれた基、アリル基、ビニルオキシ基、ビニルアミノ基、フリル基、ピロリル基、チエニル基、シロールから水素原子1個が除かれた基、ベンゾシクロブテン構造を有する基等を挙げることができる)、小員環(たとえばシクロプロピル基、シクロブチル基、エポキシ基、オキセタン構造を有する基、ジケテン構造を有する基、エピスルフィド構造を有する基等)を有する基、ラクトン構造を有する基、ラクタム構造を有する基、又はシロキサン誘導体を含有する基等がある。また、上記基の他に、エステル結合、アミド結合を形成可能な基の組み合わせなども利用できる。このような基の組み合わせとしては、例えばヒドロカルビルオキシカルボニル基とアミノ基との組み合せ、ヒドロカルビルオキシカルボニル基とヒドロキシ基との組み合せなどが挙げられる。
<2>光電変換素子の構成
本発明の光電変換素子は、陰極及び陽極の間にペロブスカイト化合物を含む活性層を有し、前記陰極及び前記活性層の間にアルカリ土類金属酸化物を含む層を有する。

本発明の光電変換素子は、前記アルカリ土類金属酸化物を含む層が陰極に接しており、前記アルカリ土類金属酸化物を含む層及び前記ペロブスカイト化合物を含む活性層の間にフラーレン又はフラーレン誘導体を含む層をさらに有する光電変換素子であることが好ましい。
本発明の光電変換素子は、支持基板、陽極、ペロブスカイト化合物を含む活性層、アルカリ土類金属酸化物を含む層及び陰極がこの順に設けられている光電変換素子であることが好ましく、支持基板、陽極、ペロブスカイト化合物を含む活性層、フラーレンまたはフラーレン誘導体を含む電子輸送層、アルカリ土類金属を含む電子注入層及び陰極がこの順に設けられている光電変換素子であることがより好ましい。
また、本発明の光電変換素子は、陽極及びペロブスカイト化合物を含む活性層の間に正孔注入層、正孔輸送層を設けていてもよく、例えば、支持基板、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、ペロブスカイト化合物を含む活性層、フラーレンまたはフラーレン誘導体を含む電子輸送層、アルカリ土類金属を含む電子注入層及び陰極がこの順に設けられている光電変換素子が挙げられる。
(支持基板)
本発明のペロブスカイト光電変換素子は、通常、支持基板上に形成される。支持基板には、光電変換素子を作製する際に化学的に変化しないものが好適に用いられる。支持基板としては、例えば、ガラス基板、プラスチック基板、高分子フィルム、シリコン板等が挙げられる。支持基板の光透過性は特に限定されないが、本発明のペロブスカイト光電変換素子において、例えば、支持基板側から光を取り込む場合、支持基板には光透過性を有する基板が好適に用いられる。一方、光透過性を有さない支持基板上にペロブスカイト光電変換素子を作製する場合には、支持基板に近い方の電極側から光を取り込むことができないため、支持基板から遠い方の電極には、光透過性を有する電極を用いることが好ましい。該電極を用いることにより、たとえ光透過性を有さない支持基板を用いたとしても、支持基板側から遠い方の電極から光を取り込むことができる。
(陽極)
陽極は、単層の形態または複数の層が積層された形態を取り得る。陽極には、導電性の金属酸化物膜、金属薄膜、および有機物を含む導電膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、フッ素化スズ酸化物(FLUORINE Tin Oxide:略称FTO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)、金、白金、銀、銅、アルミニウム、ポリアニリン及びその誘導体、並びにポリチオフェン及びその誘導体等の薄膜が用いられる。これらの中でも陽極には、ITO、FTO、IZO、酸化スズの薄膜が好適に用いられる。
本発明のペロブスカイト光電変換素子における光の透過率が高い電極を陽極とする場合、該陽極は、例えば陽極を構成する薄膜の膜厚を、光が透過する程度の厚さにすることによって得ることができる。光透過性を有する陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO及びIZO等からなる群より選ばれる1種以上の導電性材料を含む薄膜、NESA、金、白金、銀又は銅が用いられる。酸化スズ、ITO、及びIZOからなる群より選ばれる1種以上の導電性材料を含む薄膜が好ましい。不透明な電極材料であっても、電極を構成する薄膜の膜厚を、光が透過する程度の厚さにしたり、格子状の構成にしたりすることによっても光透過性を得ることができる。
(正孔注入層)
本発明のペロブスカイト光電変換素子は、陽極と活性層との間に正孔注入層が設けられることが好ましい。正孔注入層は、陽極への正孔注入を促進する機能を有する。正孔注入層は陽極に接して設けられることが好ましい。
正孔注入層の材料としては、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、芳香族アミン残基を繰り返し単位にもつ高分子化合物等の高分子化合物、アニリン、チオフェン、ピロール、芳香族アミン化合物等の低分子化合物、CuSCN、CuI等の無機化合物が挙げられる。ポリチオフェン及びその誘導体、芳香族アミン化合物、芳香族アミン残基を繰り返し単位にもつ高分子化合物、CuSCN並びにCuIなどが挙げられる。また、高分子化合物の中では、長寿命の観点から、芳香族アミン残基を繰り返し単位にもつ高分子化合物であることがより好ましい。
芳香族アミン化合物としては具体的には、以下のようなものが例示される。
Figure 2017103268
前記芳香族アミン化合物は、少なくとも3つの置換基を有するフェニル基を含むことが好ましい。
少なくとも3つの置換基を有するフェニル基を含む芳香族アミン化合物としては具体的には、以下のようなものが例示される。
Figure 2017103268
芳香族アミン残基を繰り返し単位にもつ高分子化合物において、芳香族アミン残基をもつ繰り返し単位とは、芳香族アミン化合物から水素原子を2個取り除いた繰り返し単位である。芳香族アミン残基をもつ繰り返し単位としては、下記式(1)で表される繰り返し単位が挙げられる。前記芳香族アミン残基を繰り返し単位にもつ高分子化合物は、少なくとも3つの置換基を有するフェニル基を含むことが好ましい。
Figure 2017103268
〔式中、Ar、Ar、ArおよびArは、それぞれ独立にアリーレン基(A1)または2価の複素環基(B1)を表す。E、EおよびEは、それぞれ独立に下記アリール基(A2)または複素環基(B2)を表す。aおよびbはそれぞれ独立に0または1を表し、0≦a+b≦1である。
アリーレン基(A1):芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、ベンゼン環または縮合環をもつもの、および独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接またはビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリーレン基は置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基等が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基が好ましい。無置換のアリーレン基の炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。
2価の複素環基(B1):複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、該基は置換基を有していてもよい。ここで複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基等が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基が好ましい。無置換の2価の複素環基の炭素数は通常3〜60程度である。
アリール基(A2):アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる置換基を有していてもよいアリール基。
複素環基(B2):アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる置換基を有していてもよい1価の複素環基。〕
アリール基(A2)は、置換基を3個以上有するフェニル基、置換基を3個以上有するナフチル基、または置換基を3個以上有するアントラセニル基であることが好ましく、アリール基(A2)が下記式(2)で示される基であることがより好ましい。

Figure 2017103268
〔式中、Re、RfおよびRgは、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表す。〕
芳香族アミン残基を繰り返し単位にもつ高分子化合物は、さらに、下記式(3)、式(4)、式(5)または式(6)で示される繰り返し単位を有していてもよい。

−Ar12− (3)

―Ar12−X―(Ar13−X)―Ar14− (4)

−Ar12−X2− (5)

−X2− (6)
(式中、Ar12、Ar13およびAr14はそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基または金属錯体構造を有する2価の基を示す。X1は、−CR=CR−、−C≡C−または−(SiR−を示す。X2は−CR=CR−、−C≡C−、−N(R)−、または−(SiR−を示す。RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはアリールアルキル基を表す。cは0〜2の整数を表す。dは1〜12の整数を表す。Ar13、R、R、RおよびRがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
前記式(1)で示される繰り返し単位の具体例として、Ar、Ar、ArおよびArがそれぞれ独立に無置換のフェニレン基であり、a=1、b=0のものとしては、以下のものが挙げられる。
Figure 2017103268

Figure 2017103268
前記式(1)で示される繰り返し単位の具体例として、Ar、Ar、ArおよびArがそれぞれ独立に無置換のフェニレン基であり、a=0、b=1のものとしては、以下のものが挙げられる。
Figure 2017103268
Figure 2017103268
上記式中、それぞれMeはメチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を、MeOはメトキシ基を、BuOはブチルオキシ基を示す。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、正孔注入層と活性層の間に設けられ、電子ブロックの機能を有する。正孔輸送層を設けることで、より高効率な光電変換素子を得ることができる。正孔輸送層としては、芳香族アミン残基を有する低分子化合物、芳香族アミン残基を繰り返し単位に持つ高分子化合物などが挙げられる。正孔注入層に、芳香族アミン残基を有する低分子化合物、芳香族アミン残基を繰り返し単位に持つ高分子化合物を用いる場合には、特にこのような正孔輸送層を設けなくてもよい。
(活性層)
活性層は、ペロブスカイト化合物を含む。活性層は、ペロブスカイト化合物の他に、他の成分を含んでいてもよい。活性層が含み得る他の成分の例としては、電子供与性化合物、電子受容性化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤、吸収した光により電荷を発生させる機能を増感するための増感剤、紫外線に対する安定性を増すための光安定剤、及び機械的特性を高めるためのバインダーが挙げられる。
ペロブスカイト化合物は、有機無機ハイブリッド構造のペロブスカイト化合物であることが好ましい。さらに、本発明におけるペロブスカイト化合物は、下記式(7)〜(9)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
CHNH (7)
(式中、Mは2価の金属であり、Xはそれぞれ独立にF、Cl、Br又はIである。Mで表される2価の金属としては、例えばCu,Ni、Mn、Fe、Co、Pd、Ge、Sn、Pb、Euが挙げられる。)
(RNH4 (8)
(式中、Rは炭素数が2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、1価の複素環基または1価の芳香族複素環基であり、M及びXは、上述と同義である。)
式(8)中、Rで表されるアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、シクロアルキル基であってもよい。
で表されるアルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、イコサニル基、ドコサニル基、トリアコンタニル基、テトラコンタニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
で表されるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、オレイル基、アリル基等が挙げられる。
で表されるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等が挙げられる。
で表される1価の複素環基又は1価の芳香族複素環基としては、例えば、ピロリジル基、イミダゾリジニル基、モルホリル基、オキサゾリル基、オキサゾリジニル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基、フタラジニル基が挙げられる。
HC(=NH)NH (9)
(式(9)中、M及びXは、上述と同義である。)
ペロブスカイト化合物は、1種のみを活性層の材料として用いてもよいし、複数種を用いてもよい。
本発明におけるペロブスカイト化合物は、式(7)で表される化合物であることが好ましい。式(7)で表される化合物のうち、CHNHPbI、CHNHPbCl、CHNHPbBr、CHNHSnI、CHNHSnCl、CHNHSnBr等であることがより好ましい。
(アルカリ土類金属酸化物を含む層)
本発明の光電変換素子は、陰極及び活性層の間に、アルカリ土類金属酸化物を含む層を有する。陰極及び活性層に設けられたアルカリ土類金属酸化物を含む層は、通常電子注入層として機能する。アルカリ土類金属酸化物は、CaO、BaO及びSrOからなる群より選ばれる1以上であるが好ましく、BaO及び/又はSrOであることがより好ましく、BaOであることがさらに好ましい。
アルカリ土類金属酸化物を含む層の膜厚は、8nm以下であることが好ましく、4nm以下であることがより好ましい。本願において、アルカリ土類金属酸化物を含む層の膜厚は、蒸着機に付属の水晶振動子式膜厚計によって、アルカリ土類金属酸化物層の厚みを測定した値である。測定には、Alのパラメータ(密度:2.7、Z−ratio:1.08)を用いた。
陰極及び活性層の間には、アルカリ土類金属酸化物を含む層の他に、別の層を設けていてもよい。その場合、該別の層は陰極に接しない層であり、アルカリ土類金属酸化物を含む層は陰極に接する層であることが好ましい。
アルカリ土類金属酸化物を含む層を陰極に接する層として設け、さらに別の層を陰極に接しない層として設ける場合、陰極に接しない層は、通常電子輸送層として機能する。該電子輸送層は、電子輸送性材料を含む。電子輸送性材料は、有機化合物であっても無機化合物であってもよい。有機化合物である電子輸送性材料は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
前記有機化合物のうち、低分子化合物としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、フラーレン類及びその誘導体、バソクプロイン等のフェナントレン誘導体等が挙げられる。
前記有機高分子化合物のうち、高分子化合物としては、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体等が挙げられる。
電子輸送性材料は、これらの中でも、とりわけフラーレン類及びその誘導体が好ましい。
フラーレン類としては、C60フラーレン、C70以上のフラーレン、カーボンナノチューブ、及びその誘導体が挙げられる。C60フラーレンの誘導体の具体的構造としては、以下のようなものが挙げられる。

Figure 2017103268
フラーレン類としては、下記式(10)で表されるフラーレン誘導体が耐久性の点で好ましい。
Figure 2017103268
(10)
式(10)中、A環はフラーレン骨格を表す。R21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基又は下記式(11)で表される基を表す。nは、1以上の整数を表す。
Figure 2017103268
(11)
式(11)中、mは1〜6の整数を表す。qは1〜4の整数を表す。Xは、水素原子、アルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。mが複数個ある場合、複数個あるmは互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(10)中、nは、1又は2であることが好ましい。
式(8)中、mは2であることが好ましい。また式(8)中、qは2であることが好ましい。
式(11)中、Xは、水素原子又はアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基であることがより好ましく、水素原子又はメチル基であることがさらに好ましい。
式(10)で表されるフラーレン誘導体は、R21が、式(11)で表される基であることが好ましい。
A環で表されるフラーレン骨格としては、例えば、C60フラーレンに由来するフラーレン骨格、C70フラーレン以上の炭素原子数のフラーレンに由来するフラーレン骨格が挙げられる。
A環で表されるフラーレン骨格は、所定の基が付加されたフラーレン骨格であってもよい。A環で表されるフラーレン骨格が、複数の基を有する場合、該複数の基は互いに結合していてもよい。A環で表されるフラーレン骨格が有していてもよい基としては、例えば、インダン−1,3−ジイル基、置換基を有していてもよいメチレン基が挙げられる。
A環で表されるフラーレン骨格が有し得る、置換基を有していてもよいメチレン基における置換基の好ましい例としては、アリール基、ヘテロアリール基、及びヒドロカルビルオキシカルボニルアルキル基が挙げられる。
A環で表されるフラーレン骨格が有し得る、置換基を有していてもよいメチレン基としては、アリール基及びヒドロカルビルオキシカルボニルアルキル基を有するメチレン基が好ましく、フェニル基及びアルコキシカルボニルプロピル基を有するメチレン基がより好ましく、フェニル基及びメトキシカルボニルプロピル基を有するメチレン基がさらに好ましい。
したがって、A環で表されるフラーレン骨格は、フェニルC61酪酸メチルエステル(C60PCBM)に由来するフラーレン骨格、フェニルC71酪酸メチルエステル(C70PCBM)に由来するフラーレン骨格であってもよい。
21、R22、R23及びR24で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
21、R22、R23及びR24で表される、「ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基」におけるアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、シクロアルキル基であってもよい。
21、R22、R23及びR24で表される、「ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基」におけるハロゲン原子の例は、R21、R22、R23及びR24で表されるハロゲン原子の例と同様である。
21、R22、R23及びR24で表される「置換基を有していてもよいアリール基」におけるアリール基は、芳香族炭化水素から芳香環に結合している水素原子1個を除いた基を意味する。アリール基の炭素原子数は通常6〜60であり、6〜16であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。
アリール基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、及び2−ナフチル基が挙げられる。アリール基中の水素原子は置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、シリル基、及び置換シリル基が挙げられる。置換基を有するアリール基としては、例えば、3−メチルフェニル基、トリメチルシリルフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,4,5−トリメトキシフェニル基、4−(ジフェニルアミノ)−フェニル基、2−(ジメチルアミノ)−フェニル基、3−フルオロフェニル基、及び4−(トリフルオロメチル)−フェニル基が挙げられる。
21、R22、R23及びR24で表される「置換基を有していてもよいアリールアルキル基」におけるアリールアルキル基の炭素原子数は、通常7〜61であり、7〜17であることが好ましく、7〜11であることがより好ましい。アリールアルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
21、R22、R23及びR24で表される「置換基を有していてもよい1価の複素環基」における1価の複素環基としては、例えば、チエニル基、2,2’−ビチオフェン−5−イル基が挙げられる。
24が複数存在する場合、複数存在するRは互いに結合していてもよい。R24が複数存在する場合、すなわちnが2以上の整数を表す場合、複数あるR24同士が結合している置換基としては、例えば、下記式(12)で表される2価の基が挙げられる。
Figure 2017103268
(12)
式(12)中、pは1〜5の整数を表す。
pは、2〜4の整数であることが好ましく、3であることがより好ましい。上記式(9)で表される2価の基は、置換基を有していてもよい。
式(12)で表されるフラーレン誘導体の具体的な構造としては、下記の構造が挙げられる。下記の構造中の数値「60」及び「70」が付された環構造は、それぞれC60フラーレン骨格及びC70フラーレン骨格を示す。
Figure 2017103268
Figure 2017103268
本発明の光電変換素子の電子輸送層には、式(10)で表されるフラーレン誘導体を1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
上記のとおり説明した式(10)で表されるフラーレン誘導体は、従来公知の任意好適な方法により製造することができる。例えば、グリシン誘導体及びアルデヒドから生成するイミンから脱炭酸して生じるイミニウムカチオンと、フラーレンとの1,3−双極子環化付加反応を用いる方法により製造することができる。かかる方法は、例えば、特開2009−67708号公報、特開2009−84264号公報、特開2011−241205号公報、特開2011−77486号公報等に開示されている。
なお、式(7)で表されるフラーレン誘導体を製造するに際して、反応時間、反応温度などの反応条件、反応原料(例えば、グリシン誘導体、アルデヒド、及びフラーレン)の使用量を適宜調整することにより、式(10)で表されるフラーレン誘導体における「n」の数を調整することができる。
前記無機化合物の電子輸送性材料としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム、ITO(インジウムスズ酸化物)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)が挙げられ、これらの中でも、酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛またはアルミニウムドープ酸化亜鉛が好ましい。なお電子輸送層を形成する際には、粒子状の酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛またはアルミニウムドープ酸化亜鉛を含む塗布液を成膜して、当該電子輸送層を形成することが好ましい。このような電子輸送材料としては、いわゆる酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛またはアルミニウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子を用いることが好ましく、酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛またはアルミニウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子のみからなる電子輸送性材料を用いて、電子輸送層を形成することがより好ましい。なお酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛またはアルミニウムドープ酸化亜鉛の球相当の平均粒子径は、1nm〜1000nmが好ましく、10nm〜100nmが好ましい。平均粒子径はレーザー光散乱法や、X線回折法によって測定される。
アルカリ土類金属酸化物を含む層の他に、陰極及び活性層の間に設けられていてもよい別の層は、陰極に接する層であってもよい。該別の層は、通常、電子注入層として機能する。当該電子注入層としては、上述の電子輸送層と同様の層、ポリエチレンイミン、エトキシ化ポリエチレンイミン及びPFN(poly [(9,9-bis(3´-(N,N-dimethyla-mino) propyl)-2,7-fluorene)- alt -2,7-(9,9-dioctylfl uorene)])からなる群より選ばれる1以上の有機化合物を含む層並びにLiF、NaF、KF、RbF、CsF及び炭酸セシウムからなる群より選ばれる1以上の無機化合物を含む層が挙げられる。
(陰極)
陰極は、単層の形態または複数の層が積層された形態を取り得る。陰極の材料には、金属、導電性高分子等を用いることができる。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫等の金属、それらの金属からなる群より選ばれる2つ以上の金属を含む合金、グラファイト、グラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
光電変換素子においては、光と取り込む必要性から、陽極または陰極の少なくとも一方が、光透過性を有する必要がある。
光透過性を有する陰極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性材料を用いて作製された膜、NESA、金、白金、銀、銅が用いられる。ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズ等からなる導電性材料を用いて作製された膜が好ましい。不透明な電極材料であっても、電極を構成する薄膜の膜厚を、光が透過する程度の厚さにしたり、格子状の構成にしたりすることによっても光透過性を得ることができる。
(封止層)
支持基板から遠い方の電極側に封止層を設けてもよい。封止層は、水分を遮断する性質(水蒸気バリア性)または酸素を遮断する性質(酸素バリア性)を有する材料により形成することができる。封止層の材料としては、例えば、三フッ化ポリエチレン、ポリ三フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、脂環式ポリオレフィン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の樹脂などの有機材料、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、ダイヤモンドライクカーボン等の無機材料などが挙げられる。
<3>光電変換素子の製造方法
以下に、本発明の支持基板、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、ペロブスカイト化合物を含む活性層、アルカリ土類金属酸化物を含む層及び陰極この順番で積層されている光電変換素子の製造方法について詳しく説明する。ただし、本発明は、該実施形態に限定されるものではない。また、アルカリ土類金属酸化物を含む層を電子注入層として設け、さらに別の層を電子輸送層として設ける場合、該電子輸送層は、アルカリ土類金属酸化物を含む層を設ける工程と同様の工程で設けることができる。
(陽極形成工程)
陽極は、前記陽極の材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等によって前記支持基板上に成膜することで形成することができる。
陽極の材料にポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機物を用いる場合は、前記有機物を含む塗布液、金属インク、金属ペースト又は溶融状態の低融点金属等を用いて、塗布法によって陽極を形成してもよい。前記陽極は、オゾンUV処理、コロナ処理、超音波処理等の表面処理が施されていてもよい。
(正孔注入層形成工程)
正孔注入層の形成方法は特に限定されないが、製造工程の簡易化の観点からは塗布法によって形成することが好ましい。塗布法を用いる場合、例えば前述した正孔注入層の材料と溶媒とを含む塗布液を陽極上に塗布することにより形成することができる。
前記正孔注入層の材料と溶媒とを含む塗布液を塗布する方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を挙げることができ、これらの中でもスピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法が好ましい。
前記塗布液に含まれる溶媒としては、水、アルコール、ケトン、炭化水素等が挙げられる。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシブタノール等が挙げられる。ケトンの具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等が挙げられ、炭化水素の具体例としては、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン等が挙げられる。溶媒は、2種類以上を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。前記溶媒は、前記正孔注入層の材料に対し、1重量倍以上10000重量倍以下であることが好ましく、10重量倍以上1000重量倍以下であることがより好ましい。
前記塗布法による塗布後、前記正孔注入層を加熱処理、風乾処理、減圧処理等することによって溶媒を除くことが好ましい。
(正孔輸送層形成工程)
正孔輸送層の形成方法は特に限定されないが、製造工程の簡易化の観点からは塗布法によって形成することが好ましい。塗布法を用いる場合、例えば前述した正孔輸送層の材料と溶媒とを含む塗布液を正孔注入層上に塗布することにより形成することができる。溶媒としては、前記正孔注入層の塗布液に用いられる溶媒と同様のものが挙げられる。
前記正孔輸送層の材料と溶媒とを含む塗布液を塗布する方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を挙げることができ、これらの中でもスピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法が好ましい。
前記塗布法による塗布後、前記正孔輸送層を加熱処理、風乾処理、減圧処理等することによって溶媒を除くことが好ましい。
(活性層形成工程)
活性層の形成方法は特に限定されないが、製造工程の簡易化の観点からは塗布法によって形成することが好ましい。活性層は、例えば前記ペロブスカイト化合物と溶媒とを含む塗布液を正孔輸送層上に塗布することにより形成することができる。前記ペロブスカイト化合物は、前躯体溶液を用いた自己組織化反応により合成することができる。
前記方法以外でも、例えば金属ハロゲン化物を含む溶液を正孔輸送層上に塗布した後に、前記金属ハロゲン化物の膜上にハロゲン化アンモニウム若しくはハロゲン化アミンを含む溶液を塗布することによっても形成することができ、又は正孔輸送層上の金属ハロゲン化物の膜をハロゲン化アンモニウム若しくはハロゲン化アミンを含む溶液に浸漬させることによっても形成することができる。すなわち、具体的には、正孔輸送層上にヨウ化鉛を含む溶液を塗布し、その後ヨウ化鉛の膜の上にヨウ化メチルアンモニウムを含む溶液を塗布することによっても形成することができる。前記金属ハロゲン化物、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化アミンに対し、溶媒はそれぞれ1重量倍以上10000重量倍以下であることが好ましく、10重量倍以上1000重量倍以下であることがより好ましい。
前記各塗布工程後において、前記活性層を加熱処理、風乾処理、減圧処理等することによって溶媒を除くことが好ましい。
前記ペロブスカイト化合物を含む塗布液、前記金属ハロゲン化物を含む溶液、前記ハロゲン化アンモニウムを含む溶液及び前記ハロゲン化アミンを含む溶液に含まれる溶媒としては、エステル類(例、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテート等)、ケトン類(例、γ-ブチロラクトン、Nメチル-2-ピロリドン、アセトン、ジメチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、メトキシプロパノール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等)、グリコールエーテル(セロソルブ)類(例、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル等)、アミド系溶剤(例、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等)、ニトリル系溶剤(例、アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等)、カーボート系剤(例、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、ハロゲン化炭化水素(例、塩化メチレン、ジクロロメタン、クロロホルム等)、炭化水素(例、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは分岐構造若しくは環状構造を有していてもよい。エステル類、ケトン類、エーテル類およびアルコール類の官能基(即ち、−O−、−CO−、−COO−、−OH)のいずれかを二つ以上有していてもよい。エステル類、ケトン類、エーテル類およびアルコール類の炭化水素部分における水素原子は、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよい。また本発明に用いられる塗布液は、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。
前記ペロブスカイト化合物を含む塗布液、前記金属ハロゲン化物を含む溶液、前記ハロゲン化アンモニウムを含む溶液及び前記ハロゲン化アミンを含む溶液を塗布する方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を挙げることができ、これらの中でもスピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法が好ましい。
(電子輸送層形成工程)
電子輸送層は、塗布法により形成することが好ましい。電子輸送層を塗布法により形成する際に用いる塗布液は、溶媒と、前記電子輸送性材料とを含む。電子輸送層は、例えば、前記塗布液を活性層上に塗布することにより形成することが好ましい。塗布法としては、前記活性層形成工程で例示した塗布法と同様の方法が挙げられる。
なお、塗布液は、エマルション(乳濁液)、サスペンション(懸濁液)等の分散液も含む。塗布液は、塗布液が塗布される層(活性層など)に与える損傷が少ないものを用いることが好ましく、具体的には塗布液が塗布される層(活性層など)を溶解し難いものが好ましい。
前記塗布液に含まれる溶媒としては、アルコール、ケトン、炭化水素等が挙げられる。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシブタノール等が挙げられる。ケトンの具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等が挙げられ、炭化水素の具体例としては、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン等が挙げられる。また本発明に用いられる塗布液は、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。前記溶媒は、前記電子輸送性材料に対し1重量倍以上10000重量倍以下であることが好ましく、10重量倍以上1000重量倍以下であることがより好ましい。
溶媒と、前記電子輸送性材料とを含む塗布液は、孔径0.5μmのテフロン(登録商標)フィルター等で濾過することが好ましい。
(電子注入層(アルカリ土類金属酸化物を含む層)形成工程)
電子注入層は、真空蒸着法、塗布法等によって形成ることができ、塗布法により形成することが好ましい。電子注入層を塗布法により形成する際に用いる塗布液は、溶媒と、前記アルカリ土類金属酸化物とを含む。電子注入層は、例えば、前記塗布液を電子輸送層上に塗布することにより形成することが好ましい。塗布法としては、前記活性層形成工程で例示した塗布法と同様の方法が挙げられる。
なお、塗布液は、エマルション(乳濁液)、サスペンション(懸濁液)等の分散液も含む。塗布液は、塗布液が塗布される層(活性層、電子輸送層など)に与える損傷が少ないものを用いることが好ましく、具体的には塗布液が塗布される層(活性層、電子輸送層など)を溶解し難いものが好ましい。
前記塗布液に含まれる溶媒としては、アルコール、ケトン、炭化水素等が挙げられる。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシブタノール等が挙げられる。ケトンの具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等が挙げられ、炭化水素の具体例としては、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン等が挙げられる。また本発明に用いられる塗布液は、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。前記溶媒は、前記アルカリ土類金属酸化物に対し1重量倍以上10000重量倍以下であることが好ましく、10重量倍以上1000重量倍以下であることがより好ましい。
溶媒と、前記アルカリ土類金属酸化物とを含む塗布液は、孔径0.5μmのテフロン(登録商標)フィルター等で濾過することが好ましい。
(陰極形成工程)
陰極は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等によって、例えば電子輸送層上に形成することができる。塗布法で形成できる電極材料として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、導電性物質のナノ粒子、導電性物質のナノワイヤ、または導電性物質のナノチューブを含む、エマルション(乳濁液)やサスペンション(懸濁液)などが挙げられる。また、陰極の材料が導電性物質を含む場合、導電性材料を含む塗布液、金属インク、金属ペースト、溶融状態の低融点金属等を用いて、塗布法によって陰極を形成してもよい。塗布液等の塗布法としては、前記活性層形成工程で例示した塗布法と同様の方法が挙げられる
陰極を塗布法により形成する際に用いる塗布液の溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、s−ブチルベゼン、t−ブチルベンゼン等の炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類系溶媒、水、アルコール等が挙げられる。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシブタノール等が挙げられる。また本発明に用いられる塗布液は、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。
(封止層形成工程)
封止層は、支持基板から遠い方の電極上又は該電極の外側に電極に接しない形態で形成してもよい。封止層は、前記材料の種類に応じた任意の方法で形成することができる。例えば、気相成膜法、スピンコート法、ディップ法、スプレー法が挙げられる。予め成形した層構造を封止材(接着材)により貼付してもよい。
<4>光電変換素子の用途
本発明のペロブスカイト光電変換素子は、太陽光等の光を照射することにより、電極間に光起電力が発生し、太陽電池として動作させることができる。また太陽電池を複数集積することにより薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。
また、本発明のペロブスカイト光電変換素子は、電極間に電圧を印加した状態で、透明又は半透明の電極に光を照射することにより、光電流が流れ、光センサーとして動作させることができる。光センサーを複数集積することによりイメージセンサーとして用いることもできる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(組成物1の製造)
ヨウ化鉛368mgを1mlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、70℃で攪拌することで完溶させ、組成物1を調製した。
(組成物2の製造)
ヨウ化メチルアンモニウム55mgを1mlの2−プロパノールに完溶させ、組成物2を調製した。
(組成物3の製造)
フラーレン類の誘導体として2重量部の下記構造式のフラーレン誘導体と、溶媒として100重量部のクロロベンゼンとを混合し完溶させた。次に、溶液を、孔径0.5μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過して組成物3を調製した。
Figure 2017103268
(組成物4の製造)
下記繰り返し単位を持つ高分子化合物(シグマアルドリッチ社製Poly[bis(4−phenyl)(2,4,6−trimethylphenyl)amine]、average Mn 7,000−10,000)を0.5重量部、溶媒として100重量部のクロロベンゼンを混合し完溶させて、以下に示す組成物4を調整した。
Figure 2017103268
実施例1
(太陽電池の作製、評価)
太陽電池の陽極として機能するITO薄膜が形成されたガラス基板を用意した。ITO薄膜はスパッタリング法によって形成されたものであり、その厚みは150nmであった。前記ITO薄膜を有するガラス基板をオゾンUV処理し、ITO薄膜の表面処理を行った。組成物4をスピンコートにより塗布し、大気中120℃で10分間加熱することにより、膜厚約10nmの正孔注入層を形成した。正孔注入層を形成した基板をホットプレートで70℃に充分に加熱後、加熱した基板をスピンコーターに載せ、スピンコートによりこの正孔注入層上に、70℃で攪拌加熱した組成物1を2000rpmの回転数でスピンコートにより塗布し、窒素雰囲気下で風乾させ、ヨウ化鉛の塗布膜を得た。その後、ヨウ化鉛の塗布膜上に組成物2を滴下し、6000rpmでスピンコートし、大気中100℃で10分間乾燥させることで、活性層を形成させた。活性層の膜厚は約350nmであった。
次に、活性層上に組成物3をスピンコートで成膜し、膜厚約50nmの電子輸送層を形成させた。その後、真空蒸着機によりCaO(シグマアルドリッチ社製)を膜厚2nmで蒸着し、次いで、金を膜厚60nmで蒸着した。膜厚は、ULVAC社製水晶発振式成膜コントローラCRTM−9000を用いて測定した。CaOの膜厚はAlのパラメータ(密度:2.7、Z−ratio:1.08)を用いて測定した。金の膜厚は、金のパラメータ(密度:19.3、Z−ratio:0.381)を用いて測定した。蒸着のときの真空度は、すべて1〜9×10−3Paであった。その後、窒素ガス雰囲気下において、UV硬化性エポキシ樹脂を用いて封止ガラスを光電変換素子の陰極側の面にUV硬化によって接着して封止することによって太陽電池を作製した。こうして得られた太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。得られた太陽電池にソーラーシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。
光電変換効率は15.0%であり、Jsc(短絡電流密度)は19.8mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は1.07Vであり、FF(フィルファクター)は0.71であった。
実施例2
(太陽電池の作製、評価)
実施例1におけるCaOを膜厚1nmのBaO(シグマアルドリッチ社製)に変えた他は、実施例1と同様にして太陽電池を作製した。BaOの膜厚は、ULVAC社製水晶発振式成膜コントローラCRTM−9000を用いて測定した。BaOの膜厚はAlのパラメータ(密度:2.7、Z−ratio:1.08)を用いて測定した。得られた太陽電池にソーラーシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。
光電変換効率は16.8%であり、Jsc(短絡電流密度)は20.6mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は1.09Vであり、FF(フィルファクター)は0.75であった。
実施例3
(太陽電池の作製、評価)
実施例1におけるCaOを膜厚2nmのBaO(シグマアルドリッチ社製)に変えた他は、実施例1と同様にして太陽電池を作製した。BaOの膜厚は、ULVAC社製水晶発振式成膜コントローラCRTM−9000を用いて測定した。BaOの膜厚はAlのパラメータ(密度:2.7、Z−ratio:1.08)を用いて測定した。得られた太陽電池にソーラーシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。
光電変換効率は16.3%であり、Jsc(短絡電流密度)は20.3mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は1.08Vであり、FF(フィルファクター)は0.74であった。
実施例4
(太陽電池の作製、評価)
実施例1におけるCaOを膜厚4nmのBaO(シグマアルドリッチ社製)に変えた他は、実施例1と同様にして太陽電池を作製した。BaOの膜厚は、ULVAC社製水晶発振式成膜コントローラCRTM−9000を用いて測定した。BaOの膜厚はAlのパラメータ(密度:2.7、Z−ratio:1.08)を用いて測定した。得られた太陽電池にソーラーシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。
光電変換効率は15.8%であり、Jsc(短絡電流密度)は20.2mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は1.08Vであり、FF(フィルファクター)は0.73であった。
実施例5
(太陽電池の作製、評価)
実施例1におけるCaOを膜厚2nmのSrO(シグマアルドリッチ社製)に変えた他は、実施例1と同様にして太陽電池を作製した。SrOの膜厚は、ULVAC社製水晶発振式成膜コントローラCRTM−9000を用いて測定した。SrOの膜厚はAlのパラメータ(密度:2.7、Z−ratio:1.08)を用いて測定した。得られた太陽電池にソーラーシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。
光電変換効率は16.28%であり、Jsc(短絡電流密度)は20.5mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は1.08Vであり、FF(フィルファクター)は0.73であった。
実施例6
(太陽電池の作製、評価)
実施例1におけるCaOを膜厚2nmのBaO(シグマアルドリッチ社製)に変えて、陰極の金をアルミニウウム(Al)に変えた他は、実施例1と同様にして太陽電池を作製した。Alの膜厚はAlのパラメータ(密度:2.7、Z−ratio:1.08)を用いて測定した。得られた太陽電池にソーラーシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。
光電変換効率は15.4%であり、Jsc(短絡電流密度)は20.3mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は1.06Vであり、FF(フィルファクター)は0.72であった。
実施例7
(太陽電池の作製、評価)
実施例1における組成物3の層を設けず、さらに実施例1におけるCaOを膜厚2nmのBaO(シグマアルドリッチ社製)に変えた他は、実施例1と同様にして太陽電池を作製した。BaOの膜厚は、ULVAC社製水晶発振式成膜コントローラCRTM−9000を用いて測定した。BaOの膜厚はAlのパラメータ(密度:2.7、Z−ratio:1.08)を用いて測定した。得られた太陽電池にソーラーシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。
光電変換効率は8.9%であり、Jsc(短絡電流密度)は17.7mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は0.95Vであり、FF(フィルファクター)は0.53であった。
比較例1
(太陽電池の作製、評価)
実施例1におけるCaO層を無くした他は、実施例1と同様にして太陽電池を作製した。得られた太陽電池にソーラーシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。
光電変換効率は12.4%であり、Jsc(短絡電流密度)は20.1mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は1.04Vであり、FF(フィルファクター)は0.59であった。
比較例2
(太陽電池の作製、評価)
実施例1におけるCaO層を2nmのZnO(シグマアルドリッチ社製)に変えた他は、実施例1と同様にして太陽電池を作製した。ZnOの膜厚は、ULVAC社製水晶発振式成膜コントローラCRTM−9000を用いて測定した。ZnOの膜厚はAlのパラメータ(密度:2.7、Z−ratio:1.08)を用いて測定した。得られた太陽電池にソーラーシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。
光電変換効率は9.55%であり、Jsc(短絡電流密度)は19.6mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は0.92Vであり、FF(フィルファクター)は0.53であった。
比較例3
(太陽電池の作製、評価)
実施例1におけるCaOを膜厚2nmのBa(シグマアルドリッチ社製)に変えた他は、実施例1と同様にして太陽電池を作製した。Baの膜厚は、ULVAC社製水晶発振式成膜コントローラCRTM−9000を用いて測定し、Baのパラメータ(密度:3.5、Z−ratio:2.1)を用いた。得られた太陽電池にソーラーシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。
光電変換効率は13.1%であり、Jsc(短絡電流密度)は18.6mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は1.04Vであり、FF(フィルファクター)は0.59であった。
比較例4
(太陽電池の作製、評価)
実施例1における組成物3の層を設けず、さらに実施例1におけるCaOの層を設けなかった他は、実施例1と同様にして太陽電池を作製した。得られた太陽電池にソーラーシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。
光電変換効率は1.3%であり、Jsc(短絡電流密度)は7.0mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は0.57Vであり、FF(フィルファクター)は0.32であった。
比較例5
(太陽電池の作製、評価)
実施例1における組成物3の層を設けず、さらに実施例1におけるCaOを膜厚2nmのZnO(シグマアルドリッチ社製)に変えた他は、実施例1と同様にして太陽電池を作製した。ZnOの膜厚は、ULVAC社製水晶発振式成膜コントローラCRTM−9000を用いて測定した。ZnOの膜厚はAlのパラメータ(密度:2.7、Z−ratio:1.08)を用いて測定した。得られた太陽電池にソーラーシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。
光電変換効率は3.1%であり、Jsc(短絡電流密度)は14.9mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は0.64Vであり、FF(フィルファクター)は0.32であった。
比較例6
(太陽電池の作製、評価)
実施例1における組成物3の層を設けず、さらに実施例1におけるCaOを膜厚2nmのBa(シグマアルドリッチ社製)に変えた他は、実施例1と同様にして太陽電池を作製した。Baの膜厚は、ULVAC社製水晶発振式成膜コントローラCRTM−9000を用いて測定し、Baのパラメータ(密度:3.5、Z−ratio:2.1)を用いた。得られた太陽電池にソーラーシミュレーター(山下電装製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。
光電変換効率は2.0%であり、Jsc(短絡電流密度)は8.5mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は0.87Vであり、FF(フィルファクター)は0.27であった。
Figure 2017103268
Figure 2017103268
以上のように、有機無機ハイブリッド構造のペロブスカイト化合物を含む活性層とアルカリ土類を含む電子輸送層とが組み合わされた実施例1〜6の光電変換素子は、比較例1〜3の光電変換素子と比較して、高い光電変換効率を有し、実施例7の光電変換素子は、比較例4〜6の光電変換素子と比較して高い光電変換効率を有していた。
本発明の、アルカリ土類金属酸化物を含む層を有する光電変換素子は、光電変換効率が高い。

Claims (8)

  1. 陰極及び陽極の間にペロブスカイト化合物を含む活性層を有し、前記陰極及び前記活性層の間にアルカリ土類金属酸化物を含む層を有する光電変換素子。
  2. 前記アルカリ土類金属酸化物が、CaO、BaO及びSrOからなる群より選ばれる1以上である、請求項1記載の光電変換素子。
  3. 前記アルカリ土類金属酸化物が、BaO及び/又はSrOである、請求項1又は2記載の光電変換素子。
  4. 前記アルカリ土類酸化物を含む層の厚さが8nm以下である、請求項1〜3のいずれか一項記載の光電変換素子。
  5. 前記アルカリ土類金属酸化物を含む層が陰極に接しており、前記アルカリ土類金属酸化物を含む層及び前記ペロブスカイト化合物を含む活性層の間にフラーレン又はフラーレン誘導体を含む層をさらに有する、請求項1〜4のいずれか一項記載の光電変換素子。
  6. 支持基板、前記陽極、前記活性層、前記アルカリ土類金属酸化物を含む層及び前記陰極がこの順に設けられている、請求項1〜5のいずれか一項記載の光電変換素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項記載の光電変換素子を含む、太陽電池モジュール。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項記載の光電変換素子を含む、有機光センサー。
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