JP6687025B2 - 光電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光電変換素子に関する。
近年、ペロブスカイト化合物を活性層の材料として用いた光電変換素子が提案されている。
例えば、透明電極であるパターニングされたITO(インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide)層上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)を含む溶液を塗布することによって正孔注入層を形成し、さらに前記正孔注入層上にペロブスカイト化合物を含む液を塗布することによって活性層を形成し、さらに前記活性層上にフラーレン誘導体である[6,6]−フェニルC61−酪酸メチルエステル(C60PCBM)を含む液を塗布することによって電子輸送層を形成し、最後に前記電子輸送層上に陰極を蒸着することにより形成される光電変換素子が報告されている(非特許文献1参照。)。
Journal of Materials Chemistry A、2014、2号、p.15897
しかしながら、上述の非特許文献1に記載された光電変換素子では光照射に対する耐久性が必ずしも十分とはいえない。
本発明の目的は、光照射に対する高い耐久性を有する光電変換素子を提供することにある。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[6]を提供する。
[1]陰極と、
陽極と、
前記陰極および前記陽極の間に設けられており、ペロブスカイト化合物を含む活性層と、
前記陰極および前記活性層の間に設けられており、下記式(1)で表されるフラーレン誘導体を含む電子輸送層と
を有する光電変換素子。
Figure 0006687025
(1)
(式(1)中、
環Fは、フラーレン骨格を表す。
n個のCは、環Fを構成する2個の炭素原子を架橋してメタノフラーレン構造を構成する炭素原子を表す。
環Ar21は、置換基Rをm個有するアリール基または置換基Rをm個有するヘテロアリール基を表す。置換基Rは下記式(2)で表される基を表す。なお、該アリール基またはへテロアリール基は、置換基R以外の置換基を有していてもよい。
環Ar22は、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表す。
mおよびnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。
Rが複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。環Ar21が複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。環Ar22が複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 0006687025
(式(2)中、
、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、ハロゲン原子またはハロゲン原子を有していてもよいアルコキシ基を表す。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
pおよびqは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。)
[2]支持基板をさらに含み、該支持基板、前記陽極、前記活性層、前記電子輸送層および前記陰極がこの順に設けられている、[1]に記載の光電変換素子。
[3]前記活性層が塗布法によって形成されている、[1]または[2]に記載の光電変換素子。
[4]前記陽極および前記活性層の間に設けられており、芳香族アミン残基を繰り返し単位にもつ高分子化合物を含む正孔注入層を有する、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の光電変換素子。
[5][1]〜[4]のいずれか1つに記載の光電変換素子を含む、太陽電池モジュール。
[6][1]〜[4]のいずれか1つに記載の光電変換素子を含む、有機光センサー。
本発明によれば、光電変換素子の光照射に対する耐久性をより高めることができる。
<共通する用語の説明>
以下、本明細書で共通して用いられる用語、特記しない限り、下記の意味である。
1価の複素環基は、複素環式化合物から、複素環に結合している水素原子1個を取り除いた基を意味する。複素環式化合物とは、環式構造を有する有機化合物のうち、環式構造を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、燐原子、硼素原子、珪素原子等のヘテロ原子を環内に含む化合物をいう。
1価の芳香族複素環基は、芳香族複素環式化合物から、芳香族複素環に結合している水素原子1個を取り除いた基を意味する。
アリール基は、芳香族炭化水素から芳香環に結合している水素原子1個を除いた基を意味する。該芳香環は縮合環であってもよい。芳香族炭化水素は、2以上の芳香環がビニレン等の基を介して結合している芳香族炭化水素であってもよい。アリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基および2−ナフチル基が挙げられる。
ヘテロアリール基は、1価の複素環基または1価の芳香族複素環基を意味する。1価の複素環基および1価の芳香族複素環基については前述のとおりである。ヘテロアリール基に含まれる複素環および芳香族複素環は縮合環であってもよい。該複素環は、2以上の複素環がビニレン等の基を介して結合している複素環化合物であってもよい。該芳香族複素環は、2以上の芳香族複素環がビニレン等の基を介して結合していてもよい。ヘテロアリール基としては、例えば、チエニル基(2−チエニル基、3−チエニル基)、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジル基、キノリル基およびイソキノリル基が挙げられる。
「C」の右に付された数字は炭素原子数を意味する。例えば「C1」は、炭素原子数が1であることを表す。
「置換基を有していてもよい」とは、その化合物または基を構成するすべての水素原子が無置換である場合、その化合物または基を構成する水素原子の一部または全部が置換基によって置換されている場合の両方の態様を含む。
置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基が挙げられる。
ペロブスカイト化合物は、ペロブスカイト構造を有する化合物を意味する。
<光電変換素子>
本発明の光電変換素子は、陰極と、陽極と、前記陰極および前記陽極の間に設けられており、ペロブスカイト化合物を含む活性層と、前記陰極および前記活性層の間に設けられており、式(1)で表されるフラーレン誘導体を含む電子輸送層とを有する。
本発明の光電変換素子は、支持基板上に設けられていることが好ましい。支持基板上に設けられている場合、本発明の光電変換素子は、支持基板上に陰極、電子輸送層、活性層、陽極の順に設けられていても、支持基板上に陽極、活性層、電子輸送層、陰極の順に設けられていてもよい。本発明の光電変換素子は、支持基板、陽極、活性層、電子輸送層および陰極がこの順に設けられている光電変換素子であることが好ましい。
支持基板、電極(陰極および陽極)、活性層および電子輸送層、並びに、その他の任意の層について、以下に詳しく説明する。
(支持基板)
本発明の光電変換素子は、通常、支持基板上に作製される。支持基板としては、電極を形成し、有機物の層を形成して光電変換素子を作製する際に化学的に変化しない材料により構成される基板が好適に用いられる。支持基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコンが挙げられる。支持基板側から光を取り込む形態の光電変換素子の場合、支持基板には光透過性の高い基板が好適に用いられる。また不透明な支持基板上に光電変換素子を作製する場合には、支持基板を通して光を取り込むことができない。そのため、支持基板から遠い方の電極が透明または半透明であることが好ましい。支持基板から遠い方にある電極が透明または半透明であることにより、不透明な支持基板を用いた場合に、支持基板から遠い方にある電極を通して光を取り込むことができる。
(電極(陰極および陽極))
電極は、導電性の材料で形成される。電極の材料としては、例えば、金属、金属酸化物、導電性高分子等の有機物を用いることができる。電極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫等の金属、それらの金属からなる群より選ばれる2つ以上の金属を含む合金、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO、フッ素化スズ酸化物(FTO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、グラファイト、グラファイト層間化合物が挙げられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。導電性高分子の例としては、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体が挙げられる。
電極は、単層の形態であっても、複数の層が積層された形態であってもよい。
電極の材料として、ナノ粒子、ナノワイヤーもしくはナノチューブを含むエマルション(乳濁液)、または、ナノ粒子、ナノワイヤーもしくはナノチューブを含むサスペンション(懸濁液)を用いてもよい。エマルションまたはサスペンションに含まれ得る導電性物質としては、例えば、金、銀等の金属、ITO等の酸化物、カーボンナノチューブが挙げられる。電極は、ナノ粒子またはナノワイヤーのみから構成されていてもよい。電極は、特表2010−525526号公報に開示されているように、ナノ粒子またはナノワイヤーが、導電性ポリマー等の所定の媒体中に分散して構成されていてもよい。
陰極および陽極のうちの少なくとも一方は、透明または半透明であることが好ましい。
透明または半透明の電極の材料の例としては、導電性の金属酸化物、金属等が挙げられ、これらの材料が透明ではない場合には、光が透過する程度の厚さの薄膜とすることにより、透明または半透明な電極とすることができる。透明または半透明の電極の材料として、具体的には、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛および酸化スズ、それらの複合体であるITO、IZO、FTOおよびNESA、並びに、金、白金、銀、銅およびアルミニウムが挙げられる。透明または半透明の電極の材料は、ITO、IZOおよび酸化スズから選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
電極は、オゾンUV処理、コロナ処理、超音波処理等の表面処理が施されていてもよい。
(活性層)
活性層は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する層である。
本発明の光電変換素子の活性層は、ペロブスカイト化合物を含む。ペロブスカイト化合物は、通常、結晶構造を有しており、透明または半透明の電極側から入射した光は、活性層中において、結晶構造を有するペロブスカイト化合物に吸収されて電子および正孔を生成する。生成した電子と正孔とが活性層中を移動して互いに異なる電極に至ることにより、光電変換素子の外部に電気エネルギー(電流)として取り出される。
活性層は、ペロブスカイト化合物の他に、他の成分を含んでいてもよい。活性層が含み得る他の成分の例としては、電子供与性化合物、電子受容性化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤、吸収した光により電荷を発生させる機能を増感するための増感剤、紫外線に対する安定性を増すための光安定剤、および、機械的特性を高めるためのバインダーが挙げられる。
本発明の光電変換素子が有する活性層に含まれるペロブスカイト化合物の具体例および好ましい例を、以下に示す。
(ペロブスカイト化合物)
ペロブスカイト化合物は、有機物および無機物がペロブスカイト構造の構成要素となっているペロブスカイト化合物(有機無機ハイブリッド構造のペロブスカイト化合物)であることが好ましい。
本発明の光電変換素子におけるペロブスカイト化合物は、下記式(a)〜式(c)で表される化合物であることが好ましい。
CHNH (a)
(式(a)中、
は、2価の金属であり、
複数あるXは、それぞれ独立に、F、Cl、BrまたはIである。
で表される2価の金属としては、例えば、Cu、Ni、Mn、Fe、Co、Pd、Ge、Sn、Pb、Euが挙げられる。)
(R10NH (b)
(式(b)中、
10は、C2以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、1価の複素環基または1価の芳香族複素環基であり、
およびXは、上述と同義である。)
式(b)中、R10で表されるアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、シクロアルキル基であってもよい。R10で表されるアルキル基の炭素原子数は、通常2〜40であり、2〜30であることが好ましい。
10で表されるアルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、イコサニル基、ドコサニル基、トリアコンタニル基、テトラコンタニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
10で表されるアルケニル基の炭素原子数は、通常2〜30であり、2〜20であることが好ましい。R10で表されるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、オレイル基、アリル基が挙げられる。
10で表されるアラルキル基の炭素原子数は、通常7〜40であり、7〜30であることが好ましい。R10で表されるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基が挙げられる。
10で表されるアリール基の炭素原子数は、通常6〜30であり、6〜20であることが好ましい。R10で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基が挙げられる。
10で表される1価の複素環基の炭素原子数は、通常1〜30であり、1〜20であることが好ましい。R10で表される1価の芳香族複素環基の炭素原子数は、通常2〜30であり、2〜20であることが好ましい。R10で表される1価の複素環基または1価の芳香族複素環基としては、例えば、ピロリジル基、イミダゾリジニル基、モルホリル基、オキサゾリル基、オキサゾリジニル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基、フタラジニル基が挙げられる。
HC(=NH)NH (c)
(式(c)中、MおよびXは、上述と同義である。)
本発明の光電変化の素子において、ペロブスカイト化合物は1種のみを活性層の材料として用いてもよいし、複数種を用いてもよい。
本発明の光電変換素子におけるペロブスカイト化合物は、式(a)で表される化合物であることがより好ましい。式(a)で表される化合物のうち、CHNHPbI、CHNHPbCl、CHNHPbBr、CHNHSnI、CHNHSnClまたはCHNHSnBrであることがより好ましい。
(電子輸送層)
本発明の光電変換素子では、陰極と活性層との間に、電子輸送層が設けられている。電子輸送層は、下記式(1)で表されるフラーレン誘導体を含む。
Figure 0006687025
(1)
(式(1)中、
環Fは、フラーレン骨格を表す。
n個のCは、環Fを構成する2個の炭素原子を架橋してメタノフラーレン構造を構成する炭素原子を表す。
環Ar21は、置換基Rをm個有するアリール基または置換基Rをm個有するヘテロアリール基を表す。置換基Rは式(2)で表される基を表す。なお、該アリール基またはへテロアリール基は、置換基R以外の置換基を有していてもよい。
環Ar22は、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表す。
mおよびnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。
Rが複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。環Ar21が複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。環Ar22が複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
本発明の光電変換素子の電子輸送層には、式(1)で表されるフラーレン誘導体が1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
電子輸送層は、式(1)で表されるフラーレン誘導体以外の電子輸送性材料を含んでいてもよい。式(1)で表されるフラーレン誘導体以外の電子輸送層に含まれていてもよい電子輸送性材料は、有機化合物であっても無機化合物であってもよい。
有機化合物である電子輸送性材料の例としては、下記に例示される低分子化合物の電子輸送性材料および高分子化合物の電子輸送性材料、並びに、カーボンナノチューブが挙げられる。
低分子化合物である電子輸送性材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、C60フラーレン等のフラーレンおよびそれらの誘導体、バソクプロイン等のフェナントレン誘導体が挙げられる。
高分子化合物である電子輸送性材料としては、例えば、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミン構造を含むポリシロキサン誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体等が挙げられる。
式(1)で表されるフラーレン誘導体以外の電子輸送層に含まれていてもよい電子輸送性材料としては、フラーレンおよびその誘導体が好ましい。フラーレンおよびその誘導体としては、例えば、C60フラーレン、C70フラーレンおよびC70フラーレンよりも炭素原子数が大きいフラーレン、並びに、それらの誘導体が挙げられる。C60フラーレンの誘導体としては、例えば、下記のフラーレン誘導体が挙げられる。
Figure 0006687025
無機化合物である電子輸送性材料としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム、ITO、FTO、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)およびアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)が挙げられ、これらの中でも、酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛またはアルミニウムドープ酸化亜鉛が好ましい。
式(1)で表されるフラーレン誘導体の他に、無機化合物である電子輸送材料を含む電子輸送層を形成する際には、式(1)で表されるフラーレン誘導体に加えて、無機化合物を粒子状にして塗布液に含有させ、この塗布液を塗布することにより、電子輸送層を形成することが好ましい。粒子状の無機化合物である電子輸送材料としては、酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛またはアルミニウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子を含む電子輸送材料が好ましい。無機化合物である電子輸送材料は、酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛またはアルミニウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子のみからなることが好ましい。酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛またはアルミニウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子の球相当の平均粒子径は、1nm〜1000nmであることが好ましく、10nm〜100nmであることがより好ましい。平均粒子径はレーザー光散乱法、X線回折法によって測定され得る。
(式(1)で表されるフラーレン誘導体)
本発明の光電変換素子の電子輸送層の材料は、上記式(1)で表されるフラーレン誘導体を含む。式(1)で表されるフラーレン誘導体について以下に詳しく説明する。
本発明の光電変換素子の電子輸送層に含まれるフラーレン誘導体は、環Ar21で表される基および環Ar22で表される基がCに結合しているメタノフラーレン誘導体である。該メタノフラーレン誘導体としては、例えば、ビス(メタノ)フラーレン誘導体、トリス(メタノ)フラーレン誘導体、テトラキス(メタノ)フラーレン誘導体が挙げられる。
式(1)中、環Fで表されるフラーレン骨格は特に限定されず、C60フラーレンに由来する骨格、C70フラーレンに由来する骨格、C82フラーレンに由来する骨格、C84フラーレンに由来する骨格等のいずれであってもよい。環Fで表されるフラーレン骨格は、C60フラーレンに由来するフラーレン骨格であることが好ましい。
式(1)中、環Ar21で表される、置換基Rをm個有するアリール基は、芳香環に結合しているm個の水素原子がm個の置換基Rで置換されたアリール基を表す。該アリール基の炭素原子数は、通常C6〜C60であり、C6〜C30であることが好ましい。なお、アリール基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
環Ar21で表される、置換基Rをm個有するアリール基としては、例えば、置換基Rをm個有するフェニル基、置換基Rをm個有する1−ナフチル基および置換基Rをm個有する2−ナフチル基が挙げられる。
環Ar21で表される、置換基Rをm個有するヘテロアリール基は、複素環に結合しているm個の水素原子がm個の置換基Rで置換された1価の複素環基、または、芳香族複素環に結合しているm個の水素原子がm個の置換基Rで置換された1価の芳香族複素環基を表す。ヘテロアリール基の炭素原子数は通常C4〜C60であり、C4〜C20であることが好ましい。なお、ヘテロアリール基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。ヘテロアリール基は、1価の芳香族複素環基であることが好ましい。
環Ar21で表される、置換基Rをm個有するヘテロアリール基としては、例えば、置換基Rをm個有するチエニル基(2−チエニル基、3−チエニル基)、置換基Rをm個有するピロリル基、置換基Rをm個有するフリル基、置換基Rをm個有するピリジル基、置換基Rをm個有するピペリジル基、置換基Rをm個有するキノリル基および置換基Rをm個有するイソキノリル基が挙げられる。
式(1)中、環Ar21で表される、アリール基およびヘテロアリール基が、置換基R以外に有していてもよい置換基としては、後述のAr22が有していてもよい置換基が挙げられる。
式(1)中、環Ar21は、置換基Rをm個有するアリール基であることが好ましい。
置換基Rは、下記式(2)で表される基を表す。
Figure 0006687025
(式(2)中、
、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、ハロゲン原子またはハロゲン原子を有していてもよいアルコキシ基を表す。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。環Rが複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
pおよびqは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。)
、RおよびRは、水素原子またはハロゲン原子を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。Rはハロゲン原子を有していてもよいアルキル基であることが好ましい。
ハロゲン原子を有していてもよいアルキル基の炭素原子数は、通常C1〜C20である。アルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、環状であってもよい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、3−メチルブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基およびラウリル基が挙げられる。
アルキル基が有していてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。フッ素原子を有するアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基およびパーフルオロオクチル基が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基の例としては、後述のAr22で表される置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基の具体例が挙げられる。
ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。本発明の有機光電変換素子の光電変換効率をより高めることができるので、ハロゲン原子はフッ素原子であることが好ましい。
ハロゲン原子を有していてもよいアルコキシ基の炭素原子数は、通常C1〜C20である。アルコキシ基中のアルキル基部分は鎖状であっても環状であってもよい。このアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基およびラウリルオキシ基が挙げられる。
アルコキシ基が有していてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。フッ素原子を有するアルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基およびパーフルオロオクチルオキシ基が挙げられる。
式(2)中、pおよびqは、1以上4以下の整数であることが好ましく、2または3であることがより好ましい。
前記式(2)で表される基は、下記式(3)で表される基であることが好ましい。
Figure 0006687025
(式(3)中、
、R、Rおよびqは、前記と同義である。
およびRは、前記R、RおよびRと同義である。
が複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。環Rが複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。環Rが複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
式(1)中、環Ar22で表される置換基を有していてもよいアリール基において、アリール基の炭素原子数は、通常C6〜C60であり、C6〜C30であることが好ましい。なお、前記のアリール基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
Ar22で表される置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい1−ナフチル基および置換基を有していてもよい2−ナフチル基が挙げられる。
環Ar22で表される置換基を有していてもよいヘテロアリール基において、ヘテロアリール基の炭素原子数は通常C4〜C60であり、C4〜C20であることが好ましい。
なお、このヘテロアリール基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。ヘテロアリール基は、1価の芳香族複素環基であることが好ましい。
環Ar22で表される置換基を有していてもよいヘテロアリール基の具体例としては、置換基を有していてもよいチエニル基(置換基を有していてもよい2−チエニル基、置換基を有していてもよい3−チエニル基)、置換基を有していてもよいピロリル基、置換基を有していてもよいフリル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいピペリジル基、置換基を有していてもよいキノリル基および置換基を有していてもよいイソキノリル基が挙げられる。
環Ar22で表される、アリール基およびヘテロアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよいアルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基および置換基Rが挙げられる
前記置換アミノ基とは、アミノ基の水素原子の1個または2個が置換基で置換された基であり、置換アミノ基の置換基は、例えば、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基および置換基を有していてもよいアリール基である。ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基および置換基を有していてもよいアリール基の具体例は、前述のR、RおよびRで表されるハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基および置換基を有していてもよいアリール基の具体例と同じである。置換アミノ基の炭素原子数は通常C1〜C40である。なお、該置換アミノ基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
置換アミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基、フェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基および2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基が挙げられる。
置換アミノ基としては、アミノ基の水素原子の1個または2個がアルキル基で置換された基が好ましく、アミノ基の水素原子の2個がアルキル基で置換された基がより好ましい。
置換シリル基とは、シリル基の水素原子の1個、2個または3個が置換された基である。置換シリル基は、シリル基中の3個の水素原子全てが置換基で置換された基であることが好ましく、置換基としては、例えば、ハロゲン原子を有していてもよいアルキル基および置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。ハロゲン原子を有していてもよいアルキル基および置換基を有していてもよいアリール基の具体例は、前述のR、RおよびRで表されるハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基および置換基を有していてもよいアリール基の具体例と同じである。
置換シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基およびジメチルフェニルシリル基が挙げられる。
置換シリル基としては、シリル基中の3個の水素原子全てがアルキル基で置換された基が好ましい。
本発明の光電変換素子の初期効率の観点からは、環Ar22で表される、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基は、前記置換基Rを有していることが好ましい。環Ar22が置換基Rを有している場合、その個数は、1〜5個であることが好ましく、1〜3個であることがより好ましい。
式(1)中、環Ar22は、置換基を有していてもよいアリール基であることが好ましく、前記置換基Rを有しているアリール基であることがより好ましい。
式(1)中、本発明の光電変換効率の観点から、nは1であることが好ましい。またmは、1であることが好ましい。nおよびmがともに1であることがより好ましい。
環Ar21および環Ar22を有する前記式(1)で表されるフラーレン誘導体の例としては、具体的には以下に示す化合物が挙げられる。
Figure 0006687025
Figure 0006687025
(その他の任意の層)
本発明の光電変換素子は、上述の活性層および電子輸送層の他に、種々の機能を発揮するその他の任意の層を含んでいてもよい。その他の任意の層としては、例えば、正孔注入層および正孔輸送層が挙げられる。
(正孔注入層)
正孔注入層は陽極と活性層との間に設けられており、陽極への正孔注入を促進する機能を有する。正孔注入層は陽極に接して設けられることが好ましい。正孔注入層の材料としては正孔注入層の形成後に水に不溶である材料が好ましい。
形成後に水に不溶である正孔注入層の材料としては、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、芳香族アミン残基を繰り返し単位にもつ高分子化合物等の高分子化合物、アニリン、チオフェン、ピロール、芳香族アミン化合物等の低分子化合物、CuSCN、CuI等の無機化合物が挙げられる。これらの中では、ポリチオフェンおよびその誘導体、芳香族アミン残基を繰り返し単位にもつ高分子化合物、芳香族アミン化合物、CuSCN並びにCuIからなる群より選ばれる1以上の材料であることが好ましい。また、高分子化合物の中では、光電変換素子の寿命をより長くする観点から、芳香族アミン残基を繰り返し単位にもつ高分子化合物であることがより好ましい。
芳香族アミン化合物としては具体的には、以下のようなものが例示される。
Figure 0006687025
前記芳香族アミン化合物は、少なくとも3つの置換基を有するフェニル基を含むことが好ましい。
少なくとも3つの置換基を有するフェニル基を含む芳香族アミン化合物としては具体的には、以下のようなものが例示される。
Figure 0006687025
芳香族アミン残基を繰り返し単位にもつ高分子化合物において、芳香族アミン残基をもつ繰り返し単位とは、芳香族アミン化合物から水素原子を2個取り除いた繰り返し単位である。芳香族アミン残基をもつ繰り返し単位としては、下記式(4’)で表される繰り返し単位が挙げられる。下記式(4’)で表される繰り返し単位としては、下記式(4)で表される繰り返し単位が好ましい。前記芳香族アミン残基を繰り返し単位にもつ高分子化合物は、少なくとも3つの置換基を有するフェニル基を含むことが好ましい。
Figure 0006687025
(式中、
Ar、Ar、ArおよびArは、それぞれ独立に、アリーレン基(A1)または2価の複素環基(B1)を表す。
’、E’およびE’は、それぞれ独立に、下記アリール基(A2’)または1価の複素環基(B2’)を表す。
aおよびbは、それぞれ独立に、0または1を表し、0≦a+b≦1である。
アリーレン基(A1):芳香族炭化水素から水素原子2個を除いた原子団であり、ベンゼン環または縮合環を有する2価の基、および、独立したベンゼン環または縮合環の2個以上が直接またはビニレン等の基を介して結合した2価の基も含まれる。アリーレン基は置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基等が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基が好ましい。無置換のアリーレン基の炭素原子数は、通常C6〜C60であり、好ましくはC6〜C20である。
2価の複素環基(B1):複素環式化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団である。2価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基等が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基が好ましい。無置換の2価の複素環基の炭素原子数は、通常C3〜C60程度である。
アリール基(A2’):アリール基は置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子が好ましい。無置換のアリール基の炭素原子数は通常C6〜C30程度であり、好ましくはC6〜C20である。
1価の複素環基(B2’):1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子が好ましい。無置換の1価の複素環基の炭素原子数は、通常C1〜C30程度である。)
Figure 0006687025
(4)
(式中、
Ar、Ar、Ar、Ar、aおよびbは、上述と同義である。
、EおよびEは、それぞれ独立に、下記アリール基(A2)または1価の複素環基(B2)を表す。
アリール基(A2):アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる置換基を3個以上有するアリール基をいう。アリール基の炭素原子数は、通常C6〜C40程度であり、好ましくはC6〜C30である。
1価の複素環基(B2):アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる置換基を1以上有し、かつ該置換基の数と複素環のヘテロ原子の数の和が3以上である1価の複素環基をいう。1価の複素環基の炭素原子数は、通常C1〜C40程度である。)
アリール基(A2)は、置換基を3個以上有するフェニル基、置換基を3個以上有するナフチル基、または置換基を3個以上有するアントラセニル基であることが好ましく、アリール基(A2)が下記式(5)で示される基であることがより好ましい。
Figure 0006687025
(5)
(式中、Re、RfおよびRgは、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表す。)
芳香族アミン残基を繰り返し単位にもつ高分子化合物は、さらに、下記式(d)、式(e)、式(f)または式(g)で表される繰り返し単位を有していてもよい。

−Ar12− (d)

−Ar12−X−(Ar13−X)−Ar14− (e)

−Ar12−X2− (f)

−X2− (g)
(式中、
Ar12、Ar13およびAr14は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基または金属錯体構造を有する2価の基を表す。
1は、−CR=CR−、−C≡C−または−(SiR−を表す。
2は、−CR=CR−、−C≡C−、−N(R)−または−(SiR−を表す。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表す。R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはアリールアルキル基を表す。
cは、0以上2以下の整数を表す。dは、1以上12以下の整数を表す。Ar13、R、R、RおよびRがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
前記式(4’)で表される繰り返し単位の具体例(前記式(4)で表される繰り返し単位の具体例を含む)として、Ar、Ar、ArおよびArがそれぞれ独立に無置換のフェニレン基であり、a=1、b=0のものとしては、以下のものが挙げられる。
Figure 0006687025
Figure 0006687025
Figure 0006687025
前記式(4’)で表される繰り返し単位の具体例(前記式(4)で表される繰り返し単位の具体例を含む)として、Ar、Ar、ArおよびArがそれぞれ独立に無置換のフェニレン基であり、a=0、b=1のものとしては、以下のものが挙げられる。
Figure 0006687025
Figure 0006687025
Figure 0006687025
上記式中、それぞれMeはメチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を、MeOはメトキシ基を、BuOはブチルオキシ基を表す。
正孔注入層の厚さは、25nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましく、15nm以下であることがさらに好ましく、10nm以下であることが特に好ましい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、正孔注入層と活性層との間に設けられ、正孔を輸送し、かつ電子をブロックする機能を有する。正孔輸送層を設けることで、より高効率な光電変換素子とすることができる。正孔輸送層としては、例えば、前記正孔注入層で例示された芳香族アミン化合物、前記正孔注入層で例示された芳香族アミン残基を繰り返し単位にもつ高分子化合物が挙げられる。なお、正孔注入層に、芳香族アミン化合物、芳香族アミン残基を繰り返し単位に持つ高分子化合物を用いる場合には、正孔輸送層を設けなくてもよい。
(用途)
本発明の光電変換素子は、透明または半透明の電極側に太陽光等の光を照射することにより、電極間に光起電力が発生し、太陽電池として動作させることができる。このような太陽電池を複数集積することにより有機薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。
また、本発明の光電変換素子は、電極間に電圧を印加した状態で、透明または半透明の電極側に光を照射することにより、光電流を流すことができ、光センサーとして動作させることができる。このような光センサーを複数集積することによりイメージセンサーとして用いることもできる。
<光電変換素子の製造方法>
本発明の光電変換素子が有する電極(陰極および陽極)、活性層、および電子輸送層、並びにその他の任意の層の形成方法について、以下に詳しく説明する。
(電極(陰極および陽極)の形成方法)
電極の形成方法に特に制限はなく、例えば、前記電極の材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法によって電極を形成すべき層上または支持基板上に形成することができる。電極の材料が、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ナノ粒子、ナノワイヤーもしくはナノチューブを含むエマルション(乳濁液)、または、ナノ粒子、ナノワイヤーもしくはナノチューブを含むサスペンション(懸濁液)である場合、塗布法によって電極を形成することができる材料であることが好ましい。電極の材料が導電性物質を含む場合、導電性物質を含む塗布液、金属インキ、金属ペースト、溶融状態の低融点金属等を用いて、塗布法によって電極を形成してもよい。塗布液を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法を挙げることができ、これらの中でもスピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法が好ましい。
電極を塗布法により形成する際に用いる塗布液の溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベゼン、tert−ブチルベンゼン等の炭化水素溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル溶媒、水、アルコールが挙げられる。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシブタノールが挙げられる。電極を塗布法により形成する際に用いる塗布液は、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。
(活性層の形成方法)
ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する方法に特に制限はなく、例えば、塗布法が挙げられる。活性層の形成工程をより簡便にする観点からは、ペロブスカイト化合物を含む活性層を塗布法によって形成することが好ましい。塗布法に用いる塗布液は、前記ペロブスカイト化合物を含む溶液であっても、活性層の形成後にペロブスカイト化合物に自己組織化反応により変換し得る前駆体を含む溶液であってもよい。このような前駆体としては、例えば、CHNHPbI、CHNHPbBr、(CH(CHCHCHNHPbI(ここでnは5〜8の整数である。)、(CNHPbBrが挙げられる。
前記式(a)〜式(c)で表されるペロブスカイト化合物を含む活性層は、金属ハロゲン化物を含む溶液を、活性層が形成されるべき層の上に塗布した後に、形成された金属ハロゲン化物の膜に、ハロゲン化アンモニウムを含む溶液、ハロゲン化アミンを含む溶液若しくはホルムアミジンハロゲン化水素酸塩を含む溶液をさらに塗布する方法、または、形成された金属ハロゲン化物の膜を、ハロゲン化アンモニウムを含む溶液、ハロゲン化アミンを含む溶液若しくはホルムアミジンハロゲン化水素酸塩を含む溶液に浸漬する方法によっても形成することができる。
ペロブスカイト化合物を含む活性層は、例えば、活性層が形成されるべき層の上に、例えば、ヨウ化鉛を含む溶液を塗布し、形成されたヨウ化鉛の膜にヨウ化メチルアンモニウムを含む溶液を塗布することによって形成することができる。
前記ペロブスカイト化合物を含む塗布液、前記金属ハロゲン化物を含む溶液、前記ハロゲン化アンモニウムを含む溶液および前記ハロゲン化アミンを含む溶液を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法が挙げられ、これらの中でも、スピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法が好ましい。
塗布法によりペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する場合、塗布法に用いられる塗布液には、通常、ペロブスカイト化合物またはペロブスカイト化合物の前駆体の他に、溶媒が含まれる。
前記活性層を形成するための塗布液を調製するための溶媒としては、例えば、エステル類(例、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテート等)、ケトン類(例、γ-ブチロラクトン、N−メチル-2-ピロリドン、アセトン、ジメチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、メトキシプロパノール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等)、グリコールエーテル(セロソルブ)類(例、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル等)、アミド溶剤(例、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ニトリル溶剤(例、アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等)、カーボネート溶剤(例、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、ハロゲン化炭化水素(例、塩化メチレン、ジクロロメタン、クロロホルム等)、炭化水素(例、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶媒を構成する化合物は分岐構造若しくは環状構造を有していてもよく、エステル類、ケトン類、エーテル類およびアルコール類の官能基(即ち、−O−、−(C=O)−、−COO−、−OH)のうちの2つ以上を有していてもよい。エステル類、ケトン類、エーテル類およびアルコール類の炭化水素部分における水素原子は、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよい。活性層を塗布法により形成する際に用いる塗布液は、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。
塗布液に用いられる溶媒の量に特に制限はない。用いられる溶媒の量は、ペロブスカイト化合物またはペロブスカイト化合物の前駆体の重量に対して、1倍以上10000倍以下の重量であることが好ましく、10倍以上1000倍以下の重量であることがより好ましい。例えば、前記金属ハロゲン化物、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化アミンの重量に対し、溶媒はそれぞれ1倍以上10000倍以下の重量とすることが好ましく、10倍以上1000倍以下の重量とすることがより好ましい。
活性層を形成するための塗布液として、上記の説明では溶液を用いる例を説明したが、活性層を形成するための塗布液は、溶液であっても、溶液でなくともよく、エマルション(乳濁液)、サスペンション(懸濁液)等の分散液であってもよい。
活性層を形成するための塗布液の塗布した後、溶媒を除去することにより活性層を形成することが好ましい。溶媒を除去する方法としては、例えば、加熱処理、風乾処理、減圧処理が挙げられる。
(電子輸送層の形成方法)
電子輸送層の形成方法に特に制限はなく、例えば、真空蒸着法、塗布法が挙げられる。電子輸送層の形成工程をより簡便にする観点からは、電子輸送層を塗布法により形成することが好ましい。電子輸送層を塗布法により形成する際に用いられる塗布液は、式(1)で表されるフラーレン誘導体に加えて、必要に応じて他の電子輸送性材料を含んでいてもよい。電子輸送層は、式(1)で表されるフラーレン誘導体と、必要に応じて添加される他の電子輸送性材料と、溶媒とを含む塗布液を、活性層に塗布することにより形成することが好ましい。塗布液は、塗布液が塗布される層(例えば、活性層)に損傷を与えないかまたは与え難い塗布液を用いることが好ましく、具体的には塗布液が塗布される層(例えば、活性層)を溶解しないかまたは溶解し難い塗布液とすることが好ましい。
電子輸送層を形成するための塗布液に含まれる溶媒としては、例えば、アルコール、ケトン、炭化水素が挙げられる。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシブタノールが挙げられる。ケトンの具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノンが挙げられる。炭化水素の具体例としては、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンが挙げられる。電子輸送層を塗布法により形成する際に用いる塗布液は、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。
塗布液に用いられる溶媒の量は、式(1)で表されるフラーレン誘導体および必要に応じて添加される他の電子輸送性材料の重量(合計重量)に対し、1倍以上10000倍以下の重量であることが好ましく、10倍以上1000倍以下の重量であることがより好ましい。
式(1)で表されるフラーレン誘導体と、必要に応じて添加される他の電子輸送性材料と、溶媒とを含む塗布液は、濾過して用いることが好ましく、例えば、孔径0.5μmの含フッ素樹脂(例えば、テフロン(登録商標))製のフィルターを用いて濾過することが好ましい。
電子輸送層を形成するための塗布液を塗布した後、溶媒を除去することにより電子輸送層を形成することが好ましい。溶媒を除去する方法としては、例えば、活性層の形成方法において説明した溶媒を除去する方法と同様の方法が挙げられる。
(式(1)で表されるフラーレン誘導体の製造方法)
本発明の光電変換素子が有する電子輸送層に含まれる式(1)で表されるフラーレン誘導体は、例えば、フラーレンおよび下記式(A)で表される化合物を反応させることにより製造することができる。
Figure 0006687025
(式(A)中、環Ar21、環Ar22および置換基Rは前記と同義である。)
式(A)で表される化合物との反応に用いられるフラーレンの炭素原子数は特に限定されない。用いられるフラーレンは、C60フラーレン、C70フラーレン、C82フラーレン、C84フラーレン等のいずれであってもよいが、C60フラーレンであることが好ましい。
前記式(A)で表される化合物の好ましい例としては、下記式(G)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006687025
(G)
フラーレンと前記式(A)で表される化合物とは無溶媒の条件で反応させることも可能であるが、溶媒中で反応させることが好ましい。
反応に用いられ得る溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素溶媒、ハロゲン化芳香族炭化水素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒、ハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒、二硫化炭素が挙げられる。これらの中でも、芳香族炭化水素溶媒、ハロゲン化芳香族炭化水素溶媒を用いることが好ましい。
芳香族炭化水素溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、クメン、エチルベンゼン、テトラリンが挙げられる。ハロゲン化芳香族炭化水素溶媒の例としては、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ブロモベンゼンが挙げられ、好ましくはクロロベンゼン、ジクロロベンゼンであり、より好ましくはジクロロベンゼンである。
フラーレンおよび式(A)で表される化合物の反応は、通常、0℃から用いられる溶媒の沸点程度の範囲内で行われ、50℃以上溶媒の沸点以下の範囲内で行われることが好ましい。
フラーレンおよび式(A)で表される化合物の反応においては、アルコキシド、ルイス塩基化合物を共存させると転化率を向上させることができるために好ましい。
用いられるアルコキシドの例としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムブトキシド、ナトリウムフェノキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムブトキシド、カリウムフェノキシドが挙げられる。これらの中でも、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムブトキシド、ナトリウムフェノキシドが好ましく、ナトリウムメトキシドがより好ましい。
用いられるルイス塩基化合物の例としては、ピリジン、ピペリジン、ピリミジン、キノリン、トリエチルアミン、トリフェニルアミンが挙げられ、好ましくはピリジン、ピペリジンであり、より好ましくはピリジンである。
フラーレンおよび式(A)で表される化合物の反応は大気中で行うことも可能であるが、副生物を低減して転化率を向上させる観点から、不活性ガス中で反応を行うことが好ましい。不活性ガスの例としては窒素ガス、アルゴンガスなどが挙げられる。
フラーレンおよび式(A)で表される化合物の反応は、光を照射しながら行ってもよい。光を照射しながら反応させることによって転化率を向上させることができる。光を照射する場合に用いられる光には、紫外線領域の波長の光が含まれていることが好ましい。
フラーレンおよび式(A)で表される化合物の反応後、反応生成物を室温まで放冷し、溶媒を減圧留去することで、反応混合物が得られる。
反応混合物は、通常、式(1)で表されるフラーレン誘導体、反応の副生物および未反応の原料等を含む。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー法により分離精製することで、式(1)で表されるフラーレン誘導体を得ることができる。
高純度のフラーレン誘導体を得る精製方法としては、例えば、二硫化炭素と酢酸エステルとを展開溶媒として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製する方法、および、芳香族炭化水素と酢酸エステルとを展開溶媒として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製する方法が挙げられ、芳香族炭化水素と酢酸エステルを展開溶媒として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製する方法が好ましい。シリカゲルカラムクロマトグラフィーとしては、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーが好ましい。
式(A)で表される化合物およびフラーレンの使用量、反応時間、反応温度といった反応条件等を適宜調整することで、フラーレン骨格に結合する基の数を調節することができる。また、分離精製条件を適宜調整することにより、所望の数の基がフラーレン骨格に結合したフラーレン誘導体を選択的に得ることができる。
式(A)で表される化合物は、例えば、ジャーナル・オブ・オーガニックケミストリー(60巻、532〜538ページ、1995年)に記載の方法に準じて製造することが可能である。
(正孔注入層の形成方法)
正孔注入層の形成方法は特に限定されない。正孔注入層の形成工程をより簡便にする観点からは、正孔注入層を塗布法により形成することが好ましい。正孔注入層は、例えば、前記正孔注入層の材料と溶媒とを含む塗布液を、正孔注入層が形成されるべき層に塗布することにより形成することができる。
正孔注入層を形成するための塗布液に含まれる溶媒としては、例えば、水、アルコール、ケトン、炭化水素が挙げられる。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシブタノールが挙げられる。ケトンの具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノンが挙げられる。炭化水素の具体例としては、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンが挙げられる。正孔注入層を塗布法により形成する際に用いる塗布液は、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。
塗布液に用いられる溶媒の量は、正孔注入層の材料に対し、1重量倍以上10000重量倍以下であることが好ましく、10重量倍以上1000重量倍以下であることがより好ましい。
正孔注入層を形成するための塗布液を塗布する方法の具体例および好ましい例としては、活性層の形成方法で既に説明した方法が挙げられる。
正孔注入層を形成するための塗布液を塗布した後、溶媒を除去することにより正孔注入層を形成することが好ましい。溶媒を除去する方法としては、例えば、活性層の形成工程において溶媒を除去する方法として既に説明した方法が挙げられる。
(正孔輸送層の形成方法)
正孔輸送層は、上述した正孔注入層、活性層と同様にして形成することができる。正孔輸送層を形成するための塗布液(正孔輸送層の材料と溶媒とを含む塗布液)を塗布する方法の具体例および好ましい例としては、活性層を形成方法で既に説明した方法が挙げられる。
正孔輸送層を形成するための塗布液の塗布した後、溶媒を除去することにより正孔輸送層を形成することが好ましい。溶媒を除去する方法としては、例えば、活性層の形成工程において溶媒を除去する方法として既に説明した方法が挙げられる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
(合成例1)化合物Cの合成
下記のスキームに従って、化合物Bを用いて化合物Cを合成した。
Figure 0006687025
塩化カルシウム管を装着した2口ナスフラスコ(容量300mL)に、化合物B(345mg、1mmol)、球状シリカゲル(1.5g)およびジクロロメタン(10mL)を加えた。得られた混合物を室温で撹拌しながら、そこへ、重クロム酸ピリジニウム(554mg、1.5mmol)を加えた。得られた混合物を12時間撹拌した後、粉末固形物をセライトで濾過することにより除いた。得られたろ液をCuSO水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた乾燥物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=2:1(体積比)の混合溶媒1000mLおよびヘキサン:酢酸エチル=1:1(体積比)の混合溶媒1000mLの順で溶出)で単離精製することで、目的の化合物Cを98mg(0.29mmol、収率29%)得た。この操作を繰り返し行うことで、化合物Cの必要量を得た。
(合成例2)化合物Dの合成
下記のスキームに従って、化合物Cを用いて化合物Dを合成した。
Figure 0006687025
内部の気体をアルゴンガスで置換したナスフラスコ(容量30mL)に、Dean−Starkトラップを装着した後、トシルヒドラジン(0.99g、5.3mmol)およびメタノール(5mL)を加え、次いで、化合物C(1.21g、3.5mmol)を加えた。得られた混合物を100℃で還流しながら12時間反応させた。得られた反応液から溶媒を減圧留去し、得られた生成物を中性シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=5:1(体積比)の混合溶媒1000mL、ヘキサン:酢酸エチル=2:1(体積比)の混合溶媒1000mLおよびヘキサン:酢酸エチル=1:1(体積比)の混合溶媒1000mLの順で溶出)で精製し、目的の化合物Dを1.52g(3.0mmol、収率85%)得た。
(合成例3)化合物Eおよび化合物Fの合成
下記のスキームに従って、化合物Dを用いて化合物Eおよび化合物Fを合成した。
Figure 0006687025
内部の気体をアルゴンガスで置換したナスフラスコ(容量30mL)に、得られた化合物D(265mg、0.55mmol)、NaOMe(30mg、0.55mmol)およびピリジン(7.5mL)を加えた後、室温で30分間撹拌した。得られた反応液を、2口ナスフラスコ(容量100mL)に調製したC60フラーレン(360mg、0.50mmol)のo−ジクロロベンゼン(38mL)溶液に加え、凍結脱気を3回繰り返した後、90℃で12時間撹拌した。得られた反応液から溶媒を減圧流去し、メタノールで5回洗浄した後、シリカゲルカラム(トルエン:酢酸エチル=10:1(体積比)の混合溶媒1000mL、トルエン:酢酸エチル=5:1(体積比)の混合溶媒1000mL、トルエン:酢酸エチル=1:1(体積比)の混合溶媒1000mL、トルエン:メタノール=1:1(体積比)の混合溶媒1000mL、トルエン:酢酸エチル=20:1(体積比)の混合溶媒1000mL、トルエン:酢酸エチル=10:1(体積比)の混合溶媒1000mL、トルエン:酢酸エチル=5:1(体積比)の混合溶媒1000mLおよびトルエン:酢酸エチル=1:1(体積比)の混合溶媒1000mLの順で溶出)で精製し、フラーレン誘導体である目的の化合物Eおよび化合物Fの混合物を173mg(0.16mmol、収率32%)得た。
(合成例4)組成物1の調製
ヨウ化鉛368mgを1mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、70℃で攪拌することで完溶させることにより、組成物1を調製した。
(合成例5)組成物2の調製
ヨウ化メチルアンモニウム45mgを1mLの2−プロパノールに完溶させることにより、組成物2を調製した。
(合成例6)組成物3の調製
フラーレンの誘導体として2重量部の[6,6]−フェニルC61−酪酸メチルエステル(C60PCBM)(フロンティアカーボン社製 E100)と、溶媒として100重量部のクロロベンゼンとを混合し完溶させることにより、組成物3を調製した。
(合成例7)組成物4の調製
式(1)で表されるフラーレン誘導体として2重量部の下記式で表される化合物(特開2015−105233号公報に記載されている方法に準じて合成した)と、溶媒として100重量部のクロロベンゼンとを混合し完溶させることにより、組成物4を調製した。
Figure 0006687025
(合成例8)組成物5の調製
前記式(1)で表されるフラーレン誘導体として2重量部の下記式で表される化合物(特開2015−105233号公報に記載されている方法に準じて合成した)と、溶媒として100重量部のクロロベンゼンとを混合し完溶させることにより、組成物5を調製した。
Figure 0006687025
(合成例9)組成物6の調製
前記式(1)で表されるフラーレン誘導体として2重量部の合成例で得られた化合物Eおよび化合物Fの混合物と、溶媒として100重量部のクロロベンゼンとを混合し完溶させることにより、組成物6を調製した。
(合成例10)組成物7の調製
フラーレン誘導体として2重量部の下記式で表される化合物(特開2015−105233号公報に記載されている方法に準じて合成した)と、溶媒として100重量部のクロロベンゼンとを混合し完溶させることにより、組成物7を調製した。
Figure 0006687025
(合成例11)組成物8の製造
下記繰り返し単位を持つ高分子化合物(シグマアルドリッチ社製Poly[bis(4−phenyl)(2,4,6−trimethylphenyl)amine]、average Mn 7,000−10,000)を0.5重量部、溶媒として100重量部のクロロベンゼンを混合し完溶させて、組成物8を調整した。
Figure 0006687025
(実施例1)光電変換素子(太陽電池)の作製、評価
陽極として機能するITO薄膜が形成されたガラス基板を用意した。ITO薄膜はスパッタリング法によって形成されており、その厚さは150nmであった。前記ITO薄膜を有するガラス基板をオゾンUV処理し、ITO薄膜の表面処理を行った。
次に、ITO薄膜上に、組成物8をスピンコーターを用いて塗布し、大気中120℃で10分間加熱することにより、厚さ10nmの正孔注入層を形成した。
次に、正孔注入層を形成した基板を70℃に加熱した後、スピンコーターのチャック上に載せた。その後、正孔注入層上に、70℃に加熱した組成物1を滴下し、2000rpmでスピンコートし、窒素ガス雰囲気下で風乾させることにより、ヨウ化鉛層を得た。
次に、ヨウ化鉛層上に、前記組成物2を滴下し、6000rpmでスピンコートし、大気中100℃で10分間乾燥させることにより、有機無機ハイブリッド構造のペロブスカイト化合物を含む活性層を形成した。活性層の厚さは約350nmであった。
次に、活性層上に、組成物4をスピンコーターを用いて塗布し、厚さ約50nmの電子輸送層を形成した。
次に、電子輸送層上に、真空蒸着機を用いてカルシウムを厚さ4nmで蒸着し、次いで、銀を厚さ60nmで蒸着することにより、陰極を作製した。蒸着のときの真空度は、すべての蒸着工程において1×10−3〜9×10−3Paとした。
次に、窒素ガス雰囲気下において、封止ガラスをUV硬化性エポキシ樹脂を用いて光電変換素子の陰極側の面にUV硬化によって接着して封止することにより、太陽電池を作製した。こうして得られた太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
得られた太陽電池に、ソーラシミュレーター(分光計器製、商品名OTENTO−SUNII:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて、一定の光を照射し、発生する電流と電圧とを測定して、初期の光電変換効率(初期効率)を測定した。
その後、太陽電池(光電変換素子)を1Sunの光強度で65℃の一定温度の条件の耐候性試験機中に24時間保持した後、ソーラシミュレーター(分光計器製、商品名OTENTO−SUNII:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて、一定の光を太陽電池に照射し、発生する電流と電圧を測定して、24時間後の光電変換効率(劣化後の効率)を測定した。
劣化後の効率/初期効率を保持率として算出し、電子輸送層の形成に使用された組成物と併せて表1に示した。
(実施例2および3)太陽電池の作製、評価
電子輸送層形成に使用した組成物4を、組成物5(実施例2)および組成物6(実施例3)にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し、初期効率と劣化後の効率とを測定した。劣化後の効率/初期効率を保持率として算出し、電子輸送層の形成に使用された組成物と併せて表1に示した。
(比較例1〜2)太陽電池の作製、評価
電子輸送層形成に使用した組成物4を、組成物3(比較例1)および組成物7(比較例2)にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し、初期効率と劣化後の効率とを測定した。劣化後の効率/初期効率を保持率として算出し、電子輸送層の作成に使用された組成物と併せて表1に示した。
Figure 0006687025
表1から明らかなように、有機無機ハイブリッド構造のペロブスカイト化合物を含む活性層と式(1)で表されるフラーレン誘導体を含む電子輸送層とが組み合わされた実施例1〜3の光電変換素子は、比較例1および2と比較して、光電変換効率の保持率が顕著に高く、光照射に対する高い耐久性を有していた。
本発明によれば、光電変換素子の光照射に対する耐久性をより高めることができる。

Claims (6)

  1. 陰極と、
    陽極と、
    前記陰極および前記陽極の間に設けられており、ペロブスカイト化合物を含む活性層と、
    前記陰極および前記活性層の間に設けられており、下記式(1)で表されるフラーレン誘導体を含む電子輸送層と
    を有する光電変換素子。
    Figure 0006687025
    (1)
    (式(1)中、
    環Fは、フラーレン骨格を表す。
    n個のCは、環Fを構成する2個の炭素原子を架橋してメタノフラーレン構造を構成する炭素原子を表す。
    環Ar21は、置換基Rをm個有するアリール基または置換基Rをm個有するヘテロアリール基を表す。置換基Rは下記式(2)で表される基を表す。なお、該アリール基またはヘテロアリール基は、置換基R以外の置換基を有していてもよい。
    環Ar22は、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表す。
    mおよびnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。
    Rが複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。環Ar21が複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。環Ar22が複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 0006687025
    (式(2)中、
    、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、ハロゲン原子またはハロゲン原子を有していてもよいアルコキシ基を表す。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
    pおよびqは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。)
  2. 支持基板をさらに含み、該支持基板、前記陽極、前記活性層、前記電子輸送層および前記陰極がこの順に設けられている、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記活性層が塗布法によって形成されている、請求項1または2に記載の光電変換素子。
  4. 前記陽極および前記活性層の間に設けられており、芳香族アミン残基を繰り返し単位にもつ高分子化合物を含む正孔注入層を有する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の光電変換素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の光電変換素子を含む、太陽電池モジュール。
  6. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の光電変換素子を含む、有機光センサー。
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