JP2019212763A - 光電変換素子 - Google Patents

光電変換素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2019212763A
JP2019212763A JP2018107912A JP2018107912A JP2019212763A JP 2019212763 A JP2019212763 A JP 2019212763A JP 2018107912 A JP2018107912 A JP 2018107912A JP 2018107912 A JP2018107912 A JP 2018107912A JP 2019212763 A JP2019212763 A JP 2019212763A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
type semiconductor
semiconductor material
absorption edge
group
photoelectric conversion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018107912A
Other languages
English (en)
Inventor
上谷 保則
Yasunori Kamiya
保則 上谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2018107912A priority Critical patent/JP2019212763A/ja
Publication of JP2019212763A publication Critical patent/JP2019212763A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】光電変換効率を向上させる。【解決手段】光電変換素子100は、陰極70と、陽極20と、ペロブスカイト化合物を含む活性層40と、第1のp型半導体材料と特定の基を有するフラーレン誘導体とを含み、電子および正孔を発生させることができ、かつ電子を陰極側に輸送することができる層である機能層50であって、第1のp型半導体材料が、吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも短波長である材料である場合には、吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、分子量分布を有しない、第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料、または吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、高分子化合物である、第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料を含有する機能層とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子に関する。
ペロブスカイト型構造を有する化合物(ペロブスカイト化合物という。)を含む活性層を有する光電変換素子(ペロブスカイト型光電変換素子という。)が知られている。
また、近年、ペロブスカイト型光電変換素子として、ペロブスカイト化合物を含む活性層に接合する、p型半導体材料およびn型半導体材料を含む層をさらに備える光電変換素子が提案されている(非特許文献1および2参照)。
Advanced Materials 2016 28巻 3159−3165
Journal of Material Chemistry A 2015 3巻 9063−9066
しかしながら、上述の非特許文献1および2が開示している光電変換素子では、光電変換効率が必ずしも十分とはいえなかった。
本発明の目的は、光電変換効率がより向上した光電変換素子を提供することにある。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[7]を提供する。
[1]陰極と、
陽極と、
前記陰極および前記陽極の間に設けられており、ペロブスカイト化合物を含む活性層と、
前記陰極および前記活性層の間に設けられており、
第1のp型半導体材料と下記式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体とを含み、電子および正孔を発生させることができ、かつ電子を前記陰極側に輸送することができる層である機能層であって、
前記第1のp型半導体材料が、吸収端波長が前記ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも短波長である材料である場合には、吸収端波長が前記ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、分子量分布を有しない、第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料、または吸収端波長が前記ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、高分子化合物である、第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料をさらに含有する機能層と
を含む、光電変換素子。
Figure 2019212763
〔式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す。RおよびRがそれぞれ複数個ある場合、複数個あるRおよびRそれぞれは同一であっても異なっていてもよい。
mは、1〜6の整数を表す。mが複数個ある場合、複数個あるmは同一であっても異なっていてもよい。
qは、1〜20の整数を表す。
Xは、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基または置換基を有していてもよい炭素原子数6〜60のアリール基を表す。〕
[2]前記第1のp型半導体材料が、吸収端波長が前記ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも短波長である材料であり、
前記機能層が、吸収端波長が前記ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、分子量分布を有しない前記n型半導体材料をさらに含有する、[1]に記載の光電変換素子。
[3]前記機能層が、
前記第1のp型半導体材料として吸収端波長が前記ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも短波長である材料である下記式で表される高分子化合物P1または高分子化合物P2と、
Figure 2019212763
前記式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体として下記式で表される化合物OMTOXまたは化合物UT4と、
Figure 2019212763
吸収端波長が前記ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、分子量分布を有しない前記n型半導体材料として下記式で表される化合物IEICO−4Fと
Figure 2019212763
を含む、[2]に記載の光電変換素子。
[4]前記第1のp型半導体材料が、吸収端波長が前記ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長である材料であり、
前記機能層が、前記第2のp型半導体材料および前記n型半導体材料を不含である、[1]に記載の光電変換素子。
[5]前記機能層が、前記活性層に接するように設けられている、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の光電変換素子。
[6]前記陽極、前記活性層、前記機能層および前記陰極がこの順で積層されている、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の光電変換素子。
[7][1]〜[6]のいずれか1つに記載の光電変換素子を含む、光検出素子。
本発明によれば、光電変換効率がより向上した光電変換素子を提供することができる。
図1は、本発明の光電変換素子の構成例を模式的に示す図である。 図2は、吸光度スペクトルを示すグラフである。 図3は、実施例1にかかるEQE(外部量子効率)スペクトルを示すグラフである。 図4は、実施例2にかかるEQEスペクトルを示すグラフである。 図5は、実施例3にかかるEQEスペクトルを示すグラフである。 図6は、実施例4にかかるEQEスペクトルを示すグラフである。 図7は、実施例5にかかるEQEスペクトルを示すグラフである。 図8は、比較例1にかかるEQEスペクトルを示すグラフである。 図9は、比較例2にかかるEQEスペクトルを示すグラフである。 図10は、比較例3にかかるEQEスペクトルを示すグラフである。 図11は、比較例4にかかるEQEスペクトルを示すグラフである。 図12は、比較例5にかかるEQEスペクトルを示すグラフである。 図13は、比較例6にかかるEQEスペクトルを示すグラフである。 図14は、比較例7にかかるEQEスペクトルを示すグラフである。 図15は、比較例8にかかるEQEスペクトルを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<共通する用語の説明>
以下、本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
本明細書において、半導体材料とは、半導体特性(p型またはn型の導電性)を有する材料を意味する。
本明細書において、「置換基を有していてもよい」とは、その化合物または基を構成するすべての水素原子が無置換の場合、および1個以上の水素原子の一部または全部が置換基によって置換されている場合の両方の態様を含む。
本明細書において、「置換基」とは、特段の説明がない限り、所定の炭素原子数を有する、アルキル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基、並びにハロゲン原子を意味する。なお、本明細書において、「炭素原子数」という場合には、置換基の炭素原子数は含まれない。
本明細書において、「高分子化合物」とは、分子量分布を有する化合物を意味しており、分子量(例えば、ポリスチレン換算の重量平均分子量)が10000以上である化合物をいう。また「オリゴマー」とは、分子量が1000以上、かつ10000未満である重合体である化合物をいう。さらに分子量分布を有しない化合物を低分子化合物という場合がある。
本明細書において、「チオフェン誘導体」とは、チオフェン構造を含む低分子化合物またはオリゴマーを意味する。
本明細書において、「塗布液」とは、塗布法に用いられ得る液状体を意味する。塗布液は、溶液であっても、エマルション(乳濁液)、サスペンション(懸濁液)等の分散液であってもよい。本定義は、例えば、電極の形成用の塗布液、活性層の形成用の塗布液、正孔輸送層の形成用の塗布液、機能層の形成用の塗布液および電子輸送層の形成用の塗布液に適用され得る。
以下、本発明の実施形態にかかる主要な基について説明する。
アルキル基の炭素原子数は、通常1〜20である。アルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、3−メチルブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基およびラウリル基が挙げられる。
アルキル基は、置換基としてハロゲン原子またはヒドロキシ基を有していてもよく、ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。フッ素原子を有するアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基およびパーフルオロオクチル基が挙げられる。
シクロアルキル基の炭素原子数は、通常3〜20である。
シクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
シクロアルキル基は、置換基としてハロゲン原子またはヒドロキシ基を有していてもよく、ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。
アルコキシ基の炭素原子数は、通常1〜20である。アルコキシ基としては、置換基としてハロゲン原子またはヒドロキシ基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基と酸素原子とが結合した基が挙げられる。
ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
アルケニル基の炭素原子数は、通常2〜20である。アルケニル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、環状であってもよい。好ましいアルケニル基の例としては、ビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。
アリール基は、無置換の芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた残りの原子団であり、ベンゼン環を有する基、縮合環を有する基、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接的にまたはビニレン基等の基を介して結合した基が含まれる。アリール基の炭素原子数は、通常6〜60であり、6〜30であることが好ましい。アリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基および2−ナフチル基が挙げられる。
アリールアルキル基の炭素原子数は、通常7〜80であり、7〜40であることが好ましい。アリールアルキル基としては、例えば、フェニル−アルキル基(アルキル基の炭素原子数1〜12)、アルコキシフェニル(アルコキシ基の炭素原子数1〜12)−アルキル基(アルキル基の炭素原子数1〜12)、アルキルフェニル(アルキル基の炭素原子数1〜12)−アルキル基(アルキル基の炭素原子数1〜12)が挙げられる。
<光電変換素子>
本実施形態にかかる光電変換素子は、陰極と、陽極と、陰極および陽極の間に設けられており、ペロブスカイト化合物を含む活性層と、陰極および活性層の間に設けられており、第1のp型半導体材料と下記式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体とを含み、電子および正孔を発生させることができ、かつ電子を陰極側に輸送することができる層である機能層であって、第1のp型半導体材料が、吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも短波長である材料である場合には、吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、分子量分布を有しない、第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料、または吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、高分子化合物である、第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料をさらに含有する機能層とを含む。
Figure 2019212763
式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す。RおよびRがそれぞれ複数個ある場合、複数個あるRおよびRそれぞれは同一であっても異なっていてもよい。
mは、1〜6の整数を表す。mが複数個ある場合、複数個あるmは同一であっても異なっていてもよい。
qは、1〜20の整数を表す。
Xは、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基または置換基を有していてもよい炭素原子数6〜60のアリール基を表す。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態にかかる光電変換素子について説明する。なお、図面は、発明が理解できる程度に、構成要素の形状、大きさおよび配置が概略的に示されているに過ぎない。本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、各構成要素は本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、本発明の実施形態にかかる構成は、必ずしも図面に示された配置で、製造されたり、使用されたりするとは限らない。
図1を参照して、本実施形態の光電変換素子が取り得る構成例について説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる光電変換素子の切断端面を模式的に示す図である。
図1に示されるように、本実施形態の光電変換素子100は、例えば、支持基板10上に設けられている。光電変換素子100は、支持基板10に接するように設けられている陽極20と、陽極20に接するように設けられている正孔輸送層30と、正孔輸送層30に接するように設けられている活性層40と、活性層40に接するように設けられている機能層50と、機能層50に接するように設けられている電子輸送層60と、電子輸送層60に接するように設けられている陰極70とを備えている。
光電変換素子100は、例えば、電子輸送性、光電変換効率の向上の観点から、機能層50が、活性層40に接するように設けられていることが好ましい。
光電変換素子100は、陽極20、活性層40、機能層50および陰極70がこの順で積層されている、いわゆる逆積層構造であることが好ましい。
このように、本実施形態の光電変換素子を逆積層構造とし、支持基板側から光を入射させる構造とすれば、機能層は、光の入射方向に対してペロブスカイト化合物を含む活性層の後ろ側(裏側)に位置することになるため、機能層による増感(光電変換)のロスを少なくすることができ、光電変換効率の向上に有利である。また、より低温の製造工程で製造できるため、軽量かつフレキシブルなプラスチック基板などのより高温の製造工程を採用する場合には適用できない種々の材料を用いることができ、多様な形態の光電変換素子を製造することが可能となる。
以下、本実施形態の光電変換素子に含まれ得る構成要素、付加的に備え得る部材、材料、および光電変換素子の製造方法について具体的に説明する。
(支持基板)
本発明の実施形態にかかる光電変換素子は、通常、支持基板の主表面上に接するように設けられる。
支持基板としては、その主表面上に電極(陽極または陰極)を形成することができ、光電変換素子を構成する層を形成する際に化学的に変化しない材料により構成される基板が好適に用いられる。
支持基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコンが挙げられる。
支持基板側から光を取り込む形態の光電変換素子の場合、支持基板としては光透過性の高い基板が好適に用いられる。
また、不透明な支持基板上に光電変換素子を設ける場合には、支持基板を通して光を取り込むことができない。そのため、この場合には、支持基板から遠い方の電極が透明または半透明であることが好ましい。支持基板から遠い方にある電極が透明または半透明であることにより、不透明な支持基板を用いた場合に、支持基板から遠い方にある電極を通して光を取り込むことができる。
(電極)
電極(陽極および陰極)は、導電性の材料で形成される。電極の材料としては、例えば、金属、金属酸化物等の無機化合物、導電性高分子等の有機化合物を用いることができる。
電極の材料である金属、金属酸化物の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫等の金属、それらの金属からなる群より選ばれる2種以上の金属を含む合金、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、フッ素化スズ酸化物(FTO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、グラファイト、グラファイト層間化合物が挙げられる。
電極の材料である2種以上の金属を含む合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。電極の材料である金属の性状の例としては、ナノ粒子、ナノワイヤ、ナノチューブ、ナノファイバーが挙げられる。
電極の材料である有機化合物の例としては、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体の高分子化合物、グラファイト、グラファイト層間化合物並びにカーボンナノチューブが挙げられる。
電極は、ナノ粒子またはナノファイバーのみから構成されていてもよい。電極は、特表2010−525526号公報に開示されているように、ナノ粒子またはナノファイバーが、導電性ポリマーなどの所定の媒体中に分散されていてもよい。
電極は、単層の形態であっても、複数の層が積層された形態であってもよい。
陽極および陰極のうちの少なくとも一方は、透明または半透明であることが好ましい。本発明の光電変換素子の活性層に含まれるペロブスカイト化合物は、通常、結晶構造を有しており、透明または半透明の電極側から入射した光は、活性層中において、ペロブスカイト化合物に吸収されて電子および正孔を生成する。生成した電子と正孔とが移動して互いに異なる電極に至ることにより光電変換素子の外部に電気エネルギー(電流)として取り出される。
透明または半透明の電極の材料の例としては、導電性の金属酸化物、金属等が挙げられ、これらの材料が透明ではない場合には、光が透過する程度の厚さの薄膜とすることにより、透明または半透明な電極とすることができる。透明または半透明の電極の材料として、具体的には、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるITO、IZO、FTO、NESA、金、白金、銀、銅、アルミニウムが挙げられる。透明または半透明の電極の材料は、ITO、IZO、および酸化スズから選ばれる1種以上を含むことが好ましく、ITO、IZO、および酸化スズから選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、陽極と活性層との間に設けられ、活性層から陽極へ正孔を輸送する機能を有する。また、活性層から陽極への電子の輸送を阻止し、電子および正孔の再結合による光電変換効率の低下を防ぐ役割もある。正孔輸送層は、陽極に接して設けられることが好ましい。陽極と接して設けられる正孔輸送層を、特に正孔注入層という場合がある。
本発明の実施形態にかかる光電変換素子の正孔輸送層の材料(正孔輸送性材料)は、特に限定されない。正孔輸送性材料の例としては、後述する第1のp型半導体材料が挙げられる。正孔輸送層の材料として用いられ得るp型半導体材料の分子量は特に限定されない。正孔輸送層の材料として用いられ得るp型半導体材料は、高分子化合物、オリゴマーであっても分子量分布を有しない化合物であってもよい。
(活性層)
本発明の実施形態にかかる光電変換素子が有する活性層は、ペロブスカイト化合物を主たる機能性材料として含む。
ペロブスカイト化合物は、有機化合物および無機化合物がペロブスカイト型構造の構成要素となっているペロブスカイト化合物(有機無機ハイブリッド構造のペロブスカイト化合物)であることが好ましい。
ペロブスカイト化合物は、下記式(2)〜式(5)で表される化合物であることが好ましく、下記式(2)で表される化合物であることがより好ましい。
CHNH (2)
式(2)中、Mは、2価の金属(例、Cu、Ni、Mn、Fe、Co、Pd、Ge、Sn、Pb、Eu)を表す。
3個のXは、それぞれ独立に、F、Cl、BrまたはIを表す。
式(2)で表される化合物のうち、CHNHPbI、CHNHPbCl、CHNHPbBr、CHNHSnI、CHNHSnCl、CHNHSnBrが好ましい。
(R10NH (3)
式(3)中、R10は、炭素原子数2〜40のアルキル基、炭素原子数3〜40のシクロアルキル基、炭素原子数2〜30のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、1価の複素環基を表す。
式(3)中、Mは、2価の金属(例、Cu、Ni、Mn、Fe、Co、Pd、Ge、Sn、Pb、Eu)を表す。
式(3)中、4個のXは、それぞれ独立に、F、Cl、BrまたはIを表す。
式(3)中、R10で表されるアルキル基の炭素原子数は、通常2〜40であり、2〜30であることが好ましい。
10で表されるアルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、イコサニル基、ドコサニル基、トリアコンタニル基、テトラコンタニル基が挙げられる。
式(3)中、R10で表されるシクロアルキル基の炭素原子数は、通常3〜40であり、3〜30であることが好ましい。R10で表されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
式(3)中、R10で表されるアルケニル基の炭素原子数は、通常2〜30であり、2〜20であることが好ましい。R10で表されるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、オレイル基、アリル基が挙げられる。
式(3)中、R10で表されるアリールアルキル基の炭素原子数は、通常7〜40であり、7〜30であることが好ましい。R10で表されるアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基が挙げられる。
式(3)中、R10で表されるアリール基の炭素原子数は、通常6〜30であり、6〜20であることが好ましい。
10で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基が挙げられる。
式(3)中、R10で表される1価の複素環基の炭素原子数は、通常1〜30であり、1〜20であることが好ましい。
10で表される1価の複素環基としては、例えば、ピロリジル基、イミダゾリジニル基、モルホリル基、オキサゾリル基、オキサゾリジニル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基、フタラジニル基が挙げられる。
HC(=NH)NH (4)
式(4)中、Mは、2価の金属(例、Cu、Ni、Mn、Fe、Co、Pd、Ge、Sn、Pb、Eu)を表す。
3個のXは、それぞれ独立に、F、Cl、BrまたはIである。
(5)
式(5)中、Mは、2価の金属(例、Cu、Ni、Mn、Fe、Co、Pd、Ge、Sn、Pb、Eu)を表す。
3個のXは、それぞれ独立に、F、Cl、BrまたはIを表す。
式(5)中、Mは、K、Rb、Cs、およびFrから選ばれる1価の金属イオンを表す。
ペロブスカイト化合物は1種のみを活性層の材料として用いてもよいし、複数種を用いてもよい。
活性層は、ペロブスカイト化合物の他に、他の成分を含んでいてもよい。活性層が含み得る他の成分の例としては、式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体を含む電子輸送性材料、正孔輸送性材料、電子供与性化合物、電子受容性化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤、吸収した光により電荷を発生させる機能を増感するための増感剤、紫外線に対する安定性を増すための光安定剤、および機械的特性を高めるためのバインダーが挙げられる。
ペロブスカイト化合物の吸収端波長は、組成によって異なる。本実施形態において、ペロブスカイト化合物の吸収端波長は、例えば、CHNHPbIでは約800nmであり、CHNHPbBrでは約550nmであり、CHNHSnIでは約950nmである。2種以上のペロブスカイト化合物が用いられる場合には、その組成割合の変化に従って吸収端波長も連続的に変化し得る。
本発明において、「吸収端波長」とは、計算式:λ(nm)=1240/Eg(eV)により規定される波長λを意味する。
以下、「吸収端波長」の決定方法の例について説明する。
吸収端波長は、分光光度計で材料(化合物)の吸光度スペクトルを測定し、バンドギャップを測定(分光学的バンドギャップ測定)を行うことにより決定することができる。
まず、対象となる化合物の吸収波長を測定して、吸光度スペクトルを取得する。測定には、紫外、可視、近赤外の波長域で動作する分光光度計(例えば、日本分光社製、紫外可視近赤外分光光度計JASCO−V670)を用いることができる。
次いで、得られた吸光度スペクトルの横軸の波長をeVに、縦軸をahνの平方根に変換する。そして、得られたグラフにおいて、吸収が立ち上がったより高エネルギー側の領域に対し、例えば、最小二乗法、RMA法、直交回帰法などの任意好適な統計的手法により直線をフィッティングし、フィッティングされた直線がベースライン(吸収が立ち上がる前のより低エネルギー側の領域に対し同様にフィッティングされた直線)と交わる点に相当するeV値をバンドギャップとして算出する。
さらに、算出されたバンドギャップ(eV)を上記計算式に適用することにより波長λ(nm)を「吸収端波長」として得ることができる。
(機能層)
本発明の実施形態にかかる光電変換素子は、活性層と陰極との間に設けられた機能層を含む。この機能層は、第1のp型半導体材料と式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体とを含み、第1のp型半導体材料が、吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも短波長である材料である場合には、吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、分子量分布を有しない第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料、または吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、高分子化合物である第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料をさらに含有する。
この機能層は、活性層に含まれるペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長側の波長域の光を用いて電子および正孔を発生させることができ、かつ電子を陰極側、すなわち陰極または陰極側に存在し得る電子輸送層などの層に輸送することができる機能を有している。
よって、本発明の実施形態では、機能層において、活性層での光電変換に用いられていない、より長波長側の波長域の光を増感して光電変換を行うことができる。このため、機能層は、導電型の異なるp型半導体材料とn型半導体材料とにより構成されるバルクヘテロ接合構造を含む。
既に説明したとおり、ペロブスカイト化合物の吸収端波長は、その組成、組成割合などによっても変動する。よって、機能層が含み得る「第1のp型半導体材料」および「吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、分子量分布を有しない第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料、または吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、高分子化合物である第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料」は、選択されるペロブスカイト化合物の吸収端波長に応じて、ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長である波長域に吸収端波長があることを条件として、任意好適な材料を選択して使用することができる。
ペロブスカイト化合物が、例えば、CHNHPbIである場合には、その吸収端波長は約800nmであるので、かかる場合には、波長800nmよりも長波長側に吸収端波長がある材料を選択することができる。
以下、機能層に含まれ得る材料について説明する。以下の説明に含まれる構造式において、付された括弧内の数値は、吸収端波長を示している。また、分子量分布を有しない材料については、分子量を付記してある。
(1)第1のp型半導体材料
第1のp型半導体材料は、高分子化合物、オリゴマーであっても分子量分布を有しない化合物であってもよい。
本実施形態の機能層は、第1のp型半導体材料として、(i)吸収端波長が(活性層に含まれる)ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であるp型半導体材料、(ii)吸収端波長が(活性層に含まれる)ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも短波長であるp型半導体材料を含み得る。
第1のp型半導体材料としては、例えば、置換基を有していてもよいチオフェン構造を繰り返し単位に含む高分子化合物および芳香族アミン残基を繰り返し単位に含む高分子化合物、チオフェン誘導体、芳香族アミン化合物を含む、分子量分布を有しない化合物が挙げられる。
置換基を有していてもよいチオフェン構造を繰り返し単位に含む高分子化合物および芳香族アミン残基を繰り返し単位に含む高分子化合物、チオフェン誘導体、芳香族アミン化合物を含む、分子量分布を有しない化合物からなる群より選ばれる1種以上の材料は、正孔輸送性材料として機能し得る。
置換基を有していてもよいチオフェン構造を含む繰り返し単位(2価の基)の例としては、下記式で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2019212763
前記式中、Rは水素原子または置換基を表す。
Rである置換基の例としては、フッ素原子、炭素原子数1〜60のアルキル基、炭素原子数1〜60のアルコキシ基、炭素原子数6〜60のアリール基、炭素原子数1〜60のヘテロアリール基、炭素原子数1〜60のアシル基および−SOHで表される基が挙げられる。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子、−SOKで表される基、炭素原子数1〜60のアルコキシ基または炭素原子数2〜60のアルコキシアルコキシ基で置換されていてもよい。複数個あるRは、同一であっても、異なっていてもよい。また、2個のRは互いに結合して、環を形成していてもよい。
「置換基を有していてもよいチオフェン構造を繰り返し単位に含む高分子化合物」の例としては、具体的には、下記式で表される高分子化合物が挙げられる。
Figure 2019212763
前記式中、nは1以上の整数を表す。xおよびyは、共重合比を表す。
分子量分布を有しない化合物である「チオフェン誘導体」は置換基を有していてもよい。チオフェン誘導体が含むチオフェン環の数は1個以上である。含まれ得るチオフェン環の数は、5〜10個であることが好ましい。
ここで、チオフェン誘導体が有し得る置換基としては、例えば、炭素原子数1〜60のアルキル基、炭素原子数1〜60のアルコキシ基、炭素原子数2〜60のアルコキシアルコキシ基、並びにフッ素原子および臭素原子等のハロゲン原子が挙げられる。
チオフェン誘導体の例としては、具体的には、下記式で表されるチオフェン誘導体が挙げられる。
Figure 2019212763
本発明の実施形態において、「芳香族アミン化合物」とは、芳香族アミン残基を含む分子量分布を有しない化合物またはオリゴマーを意味する。芳香族アミン化合物は、1個以上の窒素原子を含む。芳香族アミン化合物は、2〜4個の窒素原子を含むことが好ましい。芳香族アミン化合物は置換基を有していてもよい。芳香族アミン化合物が有し得る置換基の例としては、炭素原子数1〜60のアルキル基、炭素原子数1〜60のアルコキシ基が挙げられる。また、2個の置換基は、互いに結合して環を形成していてもよい。
分子量分布を有しない化合物である芳香族アミン化合物の例としては、具体的には、下記式で表される芳香族アミン化合物が挙げられる。
Figure 2019212763
分子量分布を有しない化合物である芳香族アミン化合物は、少なくとも3個の置換基を有するフェニル基を含むことが好ましい。
少なくとも3個の置換基を有するフェニル基を含む芳香族アミン化合物の例としては、具体的には、下記式で表される芳香族アミン化合物が挙げられる。
Figure 2019212763
芳香族アミン残基を繰り返し単位に含む高分子化合物の例としては、具体的には、下記式で表される高分子化合物が挙げられる。
Figure 2019212763
(i)吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であるp型半導体材料
吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であるp型半導体材料は、高分子化合物であっても分子量分布を有しない化合物であってもよい。
用いられ得る吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であるp型半導体材料としては、例えば、下記式で表される高分子化合物が挙げられる。
Figure 2019212763
前記式中、構成単位(繰り返し単位)に付記された数字は、共重合比を表す。
吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であるp型半導体材料であって、分子量分布を有しない用いられ得る化合物としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019212763
(ii)吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも短波長であるp型半導体材料
吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも短波長である、用いられ得るp型半導体材料としては、例えば、下記式で表される高分子化合物が挙げられる。
Figure 2019212763
吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも短波長であるp型半導体材料であって、分子量分布を有しない用いられ得る化合物としては、例えば、吸収端波長が800nm以下である下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019212763
Figure 2019212763
分子量分布を有しない、第1のp型半導体材料の分子量は、本発明の目的を損なわないことを条件として、特に限定されない。かかる分子量分布を有しない、第1のp型半導体材料の分子量は、光電変換効率の向上の観点から、通常100〜50000であり、好ましくは200〜10000であり、より好ましくは500〜5000である。
(2)式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体
以下、機能層の材料として用いられ得る下記式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体について説明する。かかるフラーレン誘導体が含むフラーレン構造は、特に限定されない。フラーレン構造は、C60フラーレン、C70フラーレンに由来する構造のいずれかであることが好ましい。
Figure 2019212763
式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す。RおよびRがそれぞれ複数個ある場合、複数個あるRおよびRそれぞれは同一であっても異なっていてもよい。
mは、1〜6の整数を表す。mが複数個ある場合、複数個あるmは同一であっても異なっていてもよい。
qは、1〜20の整数を表す。
Xは、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基または置換基を有していてもよい炭素原子数6〜60のアリール基を表す。
式(1)で表される基において、qは、形成される機能層の硬度、融点といった特性の観点から、1〜14であることが好ましく、より好ましくは1〜8である。
式(1)で表される基の具体例としては、下記式で表される1価の基が挙げられる。
Figure 2019212763
式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体の具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019212763
Figure 2019212763
Figure 2019212763
Figure 2019212763
式中、Fは、C60フラーレンまたはC70フラーレンに由来する構造であることを表す。環構造に付された数字はフラーレン構造の炭素原子数を表す。また、環構造に付された「C60」は、C60フラーレン構造を表す。
(3)吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、分子量分布を有しない、第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料、または吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、高分子化合物である、第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料
(i)分子量分布を有しない、第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料
本実施形態の光電変換素子にかかる機能層は、吸収端波長が活性層の材料として用いられるペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、分子量分布を有しない、第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料を含み得る。
分子量分布を有しない、第2のp型半導体材料およびn型半導体材料の分子量は、本発明の目的を損なわないことを条件として、特に限定されない。かかる分子量分布を有しない、第2のp型半導体材料およびn型半導体材料の分子量は、光電変換効率の向上の観点から、通常100〜50000であり、好ましくは200〜10000であり、より好ましくは500〜5000である。
吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、分子量分布を有しない第2のp型半導体材料としては、例えば、第1のp型半導体材料である、吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であるp型半導体材料であって、分子量分布を有しない、既に説明した化合物が挙げられる。
吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、分子量分布を有しないn型半導体材料としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019212763
Figure 2019212763
Figure 2019212763
(ii)吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、高分子化合物である、第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料
本実施形態の光電変換素子にかかる機能層は、吸収端波長が活性層の材料として用いられるペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、高分子化合物である、第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料を含み得る。
吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、高分子化合物である第2のp型半導体材料としては、既に説明した第1のp型半導体材料にかかる「吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であるp型半導体材料」で例示した高分子化合物と同じ高分子化合物が挙げられる。
吸収端波長がペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、高分子化合物であるn型半導体材料としては、例えば、下記式で表される高分子化合物が挙げられる。
Figure 2019212763
本実施形態において、機能層の厚さは、本発明の目的を損なわないことを条件として特に限定されない。機能層の厚さは、例えば選択された材料、形成方法に応じて、任意好適な厚さとすることができる。機能層の厚さは、例えば塗布法により形成される場合には、50nm程度とすればよく、光電変換効率の向上の観点からは、好ましくは10nm〜200nmである。
機能層に含まれる材料、すなわち第1のp型半導体材料、式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体、第2のp型半導体材料、n型半導体材料の量比(含有量の重量比)は、本発明の目的を損なわないことを条件として特に限定されない。材料の量比は、選択された材料、機能層の形成方法、隣接する層との密着性、バルクヘテロ接合の態様などを考慮して、任意好適な量比とすることができる。
(電子輸送層)
本発明の実施形態にかかる光電変換素子は、機能層と陰極との間に設けられた電子輸送層を備え得る。なお、陰極に接するように設けられる電子輸送層を電子注入層という場合がある。以下、電子輸送層の材料として用いられ得る電子輸送性材料について説明する。
電子輸送層が含有し得る電子輸送性材料は、有機化合物であっても無機化合物であってもよい。
有機化合物である電子輸送性材料は、高分子化合物、オリゴマーであっても分子量分布を有しない化合物であってもよい。
電子輸送層の材料である電子輸送性材料としては、例えば、既に説明した機能層に用いられ得る「n型半導体材料」を用いることができる。
有機化合物であって、分子量分布を有しない化合物である電子輸送性材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、C60フラーレン等のフラーレン類およびその誘導体(既に説明した式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体を含む。)、並びに、バソクプロイン等のフェナントレン誘導体等が挙げられる。
有機化合物であって高分子化合物である電子輸送性材料としては、例えば、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミン構造を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、並びに、ポリフルオレンおよびその誘導体等が挙げられる。
これらの電子輸送性材料の中でも、フラーレン類およびその誘導体が好ましい。フラーレン類としては、C60フラーレン、炭素原子数が70以上であるフラーレン、カーボンナノチューブ、およびこれらの誘導体が挙げられる。C60フラーレンの誘導体の具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019212763
無機化合物である電子輸送性材料としては、例えば、酸化バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)が挙げられる。これらの中でも、酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛またはアルミニウムドープ酸化亜鉛が好ましい。
これらの材料を用いて電子輸送層を形成する際には、粒子状の酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛またはアルミニウムドープ酸化亜鉛を含む塗布液を用いて、電子輸送層を形成することが好ましい。このような電子輸送性材料としては、酸化亜鉛のナノ粒子、ガリウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子またはアルミニウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子を用いて、電子輸送層を形成することが好ましく、このような材料を用いて電子輸送層を形成する場合には、酸化亜鉛のナノ粒子、ガリウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子またはアルミニウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子のみからなる電子輸送性材料を用いて、電子輸送層を形成することがより好ましい。
酸化亜鉛のナノ粒子、ガリウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子およびアルミニウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子の球相当の平均粒子径は、1nm〜1000nmであることが好ましく、10nm〜100nmであることがより好ましい。平均粒子径は、例えば、レーザー光散乱法、X線回折法等によって測定することができる。
(付加的な構成要素)
本発明の実施形態にかかる光電変換素子は、既に説明した支持基板に加え、付加的な構成要素をさらに備えていてもよい。
このような構成要素としては、例えば、水分および酸素などの侵入を阻止するための封止層および封止基板が挙げられる。封止層および封止基板は、所望の特性に対応した任意好適な従来公知の材料により構成することができる。
<光電変換素子の製造方法>
本発明の実施形態にかかる光電変換素子に含まれる陰極、陽極、活性層、機能層、電子輸送層、正孔輸送層および必要に応じて含まれ得る他の構成要素の製造方法の例について、以下に詳しく説明する。
(電極の形成工程)
電極(陽極および陰極)の形成方法に特に制限はなく、既に説明した材料を用いて、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等によって電極を形成すべき層上または支持基板上に形成することができる。
電極の材料が、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ナノ粒子、ナノワイヤまたはナノチューブを含むエマルションまたはサスペンション等である場合には、塗布法によって電極を形成することが好ましい。
電極は、導電性物質を含む塗布液、金属インキ、金属ペースト、溶融状態の低融点金属等を用いて、塗布法によって電極を形成してもよい。
電極を形成するための塗布法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法を挙げることができ、これらの中でもスピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法が好ましい。
上記のエマルションまたはサスペンションに含まれ得る導電性物質としては、例えば、金、銀等の金属、ITO等の金属酸化物からなるナノ粒子、ナノワイヤおよびナノチューブ並びにカーボンナノチューブ等が挙げられる。
電極を塗布法により形成する際に用いる塗布液の溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベゼン、tert−ブチルベンゼン等の炭化水素溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル溶媒、水、アルコール溶媒等が挙げられる。アルコール溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシブタノール等が挙げられる。また塗布液は、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。
塗布液は、上記の塗布法によって、被塗布対象に塗布される。塗布法により形成された塗布膜については、自然乾燥させるか、または風乾、加熱、減圧処理等の用いられた溶媒に適合した手法により、溶媒を除去するか、残留溶媒量を低減させる処理を行ってもよい。
上記のとおり形成された電極に対して、オゾンUV処理、コロナ処理、超音波処理等の表面処理をさらに施してもよい。
(正孔輸送層の形成工程)
正孔輸送層の形成方法は特に限定されない。正孔輸送層は、例えば前述した正孔輸送性材料と溶媒とを含む塗布液を、正孔輸送層が形成されるべき被塗布対象である、例えば陽極、正孔輸送層(正孔注入層)、活性層に塗布することにより形成することができる。
形成工程をより簡便にする観点から、正孔輸送層は塗布法により形成することが好ましい。
正孔輸送層を塗布法により形成する際に用いる塗布液に含まれる溶媒の例としては、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、炭化水素溶媒等が挙げられる。
アルコール溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシブタノール等が挙げられる。
ケトン溶媒の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
炭化水素溶媒の具体例としては、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン等が挙げられる。
溶媒は、2種類以上の成分を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種類以上含んでいてもよい。塗布液における溶媒の量は、正孔輸送性材料の量に対し、1重量倍以上10000重量倍以下であることが好ましく、10重量倍以上1000重量倍以下であることがより好ましい。
正孔輸送層の構成材料と溶媒とを含む塗布液を塗布する方法の具体例および好ましい例としては、既に説明した電極の塗布法として挙げられた具体例および好ましい例が挙げられる。
塗布法により形成された塗布膜については、自然乾燥させるか、または風乾、加熱、減圧処理等の用いられた溶媒に適合した手法により、溶媒を除去するか、残留溶媒量を低減させる処理を行ってもよい。
(活性層の形成工程)
ペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する方法は特に制限されない。活性層の形成方法としては、例えば、塗布法が挙げられる。
活性層の形成工程をより簡便にする観点からはペロブスカイト化合物を含む活性層を塗布法によって形成することが好ましい。
塗布法に用いられ得る塗布液は、既に説明したペロブスカイト化合物を含む溶液であっても、活性層の形成後にペロブスカイト化合物に自己組織化反応により変換し得る前駆体を含む溶液であってもよい。このような前駆体としては、例えば、CHNHPbI、CHNHPbBr、(CH(CHCHCHNHPbI(ここでnは5〜8の整数である。)、(CNHPbBrが挙げられる。
前記式(2)〜式(5)で表されるペロブスカイト化合物を含む活性層は、金属ハロゲン化物を含む溶液を、活性層が形成されるべき層の上に塗布した後に、形成された金属ハロゲン化物の膜に、ハロゲン化アンモニウムを含む溶液、ハロゲン化アミンまたはホルムアミジンハロゲン化水素酸塩を含む溶液をさらに塗布する方法、または形成された金属ハロゲン化物の膜を、ハロゲン化アンモニウムを含む溶液、ハロゲン化アミンまたはホルムアミジンハロゲン化水素酸塩を含む溶液に浸漬する方法によっても形成することができる。
例えば、ペロブスカイト化合物を含む活性層は、活性層が形成されるべき層の上に、ヨウ化鉛を含む溶液を塗布し、形成されたヨウ化鉛の膜にヨウ化メチルアンモニウムを含む溶液を塗布することによって形成することができる。
ペロブスカイト化合物を含む塗布液、金属ハロゲン化物を含む溶液、ハロゲン化アンモニウムを含む溶液およびハロゲン化アミンを含む溶液を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法を挙げることができ、これらの中でもスピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法が好ましい。
塗布法によりペロブスカイト化合物を含む活性層を形成する場合、塗布法に用いられる塗布液にはペロブスカイト化合物またはペロブスカイト化合物の前駆体の他に、溶媒が含まれていてもよく、溶媒が含まれていることが好ましい。
活性層を形成するための塗布液を調製するための溶媒としては、エステル溶媒(例、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテート等)、ケトン溶媒(例、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、アセトン、ジメチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等)、エーテル溶媒(例、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等)、アルコール溶媒(例、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、メトキシプロパノール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等)、グリコールエーテル(セロソルブ)溶媒(例、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル等)、アミド溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ニトリル溶媒(例、アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等)、カーボネート溶媒(例、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、ハロゲン化炭化水素(例、塩化メチレン、ジクロロメタン、クロロホルム等)、炭化水素溶媒(例、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
これらの溶媒を構成する化合物は分岐構造もしくは環状構造を有していてもよく、エステル類、ケトン類、エーテル類およびアルコール類の官能基(すなわち、−O−で表される基、−(C=O)−で表される基、−COO−で表される基、−OHで表される基)のうちの2つ以上を有する化合物であってもよい。エステル類、ケトン類、エーテル類およびアルコール類の炭化水素部分における水素原子は、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよい。
また、活性層を形成するための塗布液は、2種以上の溶媒を含んでいてもよく、上記で例示した溶媒を2種以上含んでいてもよい。
塗布液に用いられる溶媒の量に特に制限はない。用いられる溶媒の量は、ペロブスカイト化合物またはペロブスカイト化合物の前駆体の重量に対して、1倍以上10000倍以下の重量であることが好ましく、10倍以上1000倍以下の重量であることがより好ましい。例えば、金属ハロゲン化物、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化アミンの重量に対し、溶媒はそれぞれ1倍以上10000倍以下の重量とすることが好ましく、10倍以上1000倍以下の重量とすることがより好ましい。
塗布液を用いて塗布法により形成された塗布膜については、自然乾燥させるか、または風乾、加熱、減圧処理等の用いられた溶媒に適合した手法により、溶媒を除去するか、残留溶媒量を低減させる処理を行ってもよい。
(機能層の形成工程)
本発明の実施形態にかかる光電変換素子の製造方法は、活性層と陰極との間に設けられた機能層を形成する工程を含む。
具体的には、本実施形態にかかる光電変換素子の製造方法は、活性層を形成する工程の後であって、陰極を形成する工程の前に、機能層を形成する工程を含む。
機能層の形成方法は特に限定されない。工程をより簡便にする観点からは、塗布法によって機能層を形成することが好ましい。すなわち、活性層の形成後、かつ、陰極の形成前に、既に説明した材料(第1および/または第2のp型半導体材料およびn型半導体材料)と溶媒とを含む塗布液を、機能層が形成されるべき層(活性層)上に塗布し、必要に応じて乾燥処理(加熱処理)を行うなどして溶媒を除くことによって機能層を形成することが好ましい。
機能層の形成にかかる塗布法で用いる塗布液は、塗布液が塗布される層に与える損傷が少ない塗布液であることが好ましく、具体的には、例えば、活性層を溶解し難い塗布液とすることが好ましい。
塗布液に含まれ得る溶媒としては、例えば、アルコール、ケトン、炭化水素等が挙げられる。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシブタノール等が挙げられる。ケトンの具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。炭化水素の具体例としては、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン等が挙げられる。塗布液は、1種類単独の溶媒を含んでいてもよく、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、前記例示の溶媒を2種類以上含んでいてもよい。
溶媒の量は、p型半導体材料およびn型半導体材料の総和(重量)を1重量としたときに、1重量倍以上10000重量倍以下であることが好ましく、10重量倍以上1000重量倍以下であることがより好ましい。
(電子輸送層の形成工程)
本発明の実施形態にかかる光電変換素子の製造方法は、機能層と陰極との間に設けられる電子輸送層を形成する工程をさらに含んでいてもよい。
具体的には、本実施形態にかかる光電変換素子の製造方法は、機能層を形成する工程の後であって、陰極を形成する工程の前に、電子輸送層を形成する工程をさらに含み得る。
電子輸送層の形成方法は特に限定されない。工程をより簡便にする観点からは、塗布法によって電子輸送層を形成することが好ましい。すなわち、機能層の形成後、かつ、陰極の形成前に、前述した電子輸送性材料と溶媒とを含む塗布液を、電子輸送層が形成されるべき層上に塗布し、必要に応じて乾燥処理(加熱処理)を行うなどして溶媒を除くことによって電子輸送層を形成することが好ましい。
電子輸送層の形成にかかる塗布法で用いる塗布液は、塗布液が塗布される層(活性層等)に与える損傷が少ない塗布液であることが好ましく、具体的には、例えば、塗布液が塗布される機能層を溶解し難い塗布液とすることが好ましい。
既に説明した電子輸送性材料を含む塗布液に含まれる溶媒としては、例えば、アルコール、ケトン、炭化水素等が挙げられる。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシブタノール等が挙げられる。ケトンの具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。炭化水素の具体例としては、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン等が挙げられる。塗布液は、1種類単独の溶媒を含んでいてもよく、2種類以上の溶媒を含んでいてもよく、前記例示の溶媒を2種類以上含んでいてもよい。溶媒は、電子輸送性材料1重量に対し、1重量倍以上10000重量倍以下であることが好ましく、10重量倍以上1000重量倍以下であることがより好ましい。
電子輸送層は、異なる電子輸送性材料を含む2層以上が連続的に積層されていてもよい。
塗布法により電子輸送層を連続的に積層する場合には、上層(第2の電子輸送層)を形成するための塗布液に用いられる溶媒には、下層(第1の電子輸送層)を溶解させない溶媒を選択する必要がある。
<光電変換素子の用途>
本発明の実施形態にかかる光電変換素子は、透明または半透明の電極側に太陽光等の光を照射することにより、電極間に光起電力を発生させることができるため、太陽電池として動作させることができる。このような太陽電池を複数集積することにより太陽電池モジュールとして構成することができる。
また、本発明の実施形態にかかる光電変換素子は、電極間に電圧を印加した状態で、透明または半透明の電極側に光を照射することにより、光電流を流すことができるため、光検出素子(OPD)として動作させることができる。このような光検出素子を複数集積することによりイメージセンサーとして構成することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示す。本発明は下記実施例に限定されない。
<調製例1>(組成物H1の調製)
下記式で表される繰り返し単位を含む高分子化合物(シグマアルドリッチ社製、Poly[bis(4−phenyl)(2,4,6−trimethylphenyl)amine]、average Mn:7000−10000)を0.5重量部と、溶媒である100重量部のクロロベンゼンとを混合し、完溶させた。次に、得られた溶液を孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過することにより、組成物H1を調製した。
Figure 2019212763
<調製例2>(組成物A1の調製)
ヨウ化鉛を461mgと、ヨウ化メチルアンモニウムを151mg(モル比として、ヨウ化鉛:ヨウ化メチルアンモニウム=1.05:1)とを0.6mLのN,N−ジメチルホルムアミドと0.067mLのN−メチル−2−ピロリドン(N,N−ジメチルホルムアミド/N−メチル−2−ピロリドン=90/10(体積割合))に溶解させた後、70℃で攪拌して完溶させることにより、組成物A1を調製した。
<調製例3>(組成物B1の調製)
下記式で表されるp型半導体材料である高分子化合物P1(1−Material社製、PCE−10)を0.75重量部と、溶媒である100重量部のクロロベンゼンとを混合し、完溶させた。得られた溶液を孔径1.0μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過することにより、組成物B1を調製した。
Figure 2019212763
<調製例4>(組成物B2の調製)
下記式で表されるp型半導体材料である高分子化合物P2を0.5重量部と、溶媒である100重量部のクロロベンゼンとを混合し、完溶させた。得られた溶液を孔径1.0μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過することにより、組成物B2を調製した。高分子化合物P2は、国際公開第2011/052709号に記載の方法を参考にして合成し、使用した。
Figure 2019212763
<調製例5>(組成物E1の調製)
下記式で表されるn型半導体材料である化合物(1−Material社製、IEICO−4F)を2重量部と、溶媒である100重量部のクロロベンゼンとを混合し、完溶させた。得られた溶液を孔径1.0μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過することにより、組成物E1を調製した。
Figure 2019212763
<調製例6>(組成物E2の調製)
C60PCBM(フロンティアカーボン社製、Phenyl C61−butyric acid methyl ester、商品名E100)をクロロベンゼンに2重量%の濃度で溶解させ、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過することにより、組成物E2を調製した。
<調製例7>(組成物E3の調製)
既に説明した式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体である、下記式で表される化合物OMTOXをクロロベンゼンに2重量%の濃度で溶解させ、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過することにより、組成物E3を調製した。
Figure 2019212763
<調製例8>(組成物E4の調製)
組成物B1に、IEICO−4Fを、p型半導体材料である高分子化合物P1に対し1.5重量倍、すなわち半導体材料の含有量の重量比がP1/IEICO−4F=1/1.5となるように溶解させ完溶させた。得られた溶液を孔径1.0μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過することにより、組成物E4を調製した。
<調製例9>(組成物E5の調製)
組成物E4と、組成物E2を、半導体材料の含有量の重量比がP1/IEICO−4F/C60PCBM=0.5/0.75/1.25となるように混合することにより、組成物E5を調製した。
<調製例10>(組成物E6の調製)
組成物E4と、組成物E3とを、半導体材料の含有量の重量比がP1/IEICO−4F/OMTOX=0.5/0.75/1.25となるように混合することにより、組成物E6を調製した。
<調製例11>(組成物E7の調製)
組成物B2とC60PCBMとを、p型半導体材料である高分子化合物P2に対し1.5重量倍、すなわち半導体材料の含有量の重量比がP2/C60PCBM=1/1.5となるように溶解させ完溶させた。得られた溶液を孔径1.0μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過することにより、組成物E7を調製した。
<調製例12>(組成物E8の調製)
組成物B2とOMTOXとを、p型半導体材料である高分子化合物P2に対し1.5重量倍、すなわち半導体材料の含有量の重量比がP2/OMTOX=1/1.5となるように溶解させ完溶させた。得られた溶液を孔径1.0μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過することにより、組成物E8を調製した。
<調製例13>(組成物E9の調製)
既に説明した式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体である、下記式で表される化合物(UT4)をクロロベンゼンに2重量%の濃度で溶解させ、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過することにより、組成物E9を調製した。
Figure 2019212763
<調製例14>(組成物E10の調製)
フラーレン誘導体である下記式で表される化合物(東京化成工業株式会社製、C60MC12)をクロロベンゼンに2重量%の濃度で溶解させ、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過することにより、組成物E10を調製した。
Figure 2019212763
<調製例15>(組成物E11の調製)
組成物E4と、組成物E9とを、半導体材料の含有量の重量比がP1/IEICO−4F/UT4=0.5/0.75/1.25となるように混合することにより、組成物E11を調製した。
<調製例16>(組成物E12の調製)
組成物E4と、組成物E10とを、半導体材料の含有量の重量比がP1/IEICO−4F/C60MC12=0.5/0.75/1.25となるように混合することにより、組成物E12を調製した。
<調製例17>(組成物E13の調製)
組成物E5と、組成物E6とを、半導体材料の含有量の重量比がP1/IEICO−4F/C60PCBM/OMTOX=0.5/0.75/0.625/0.625となるように混合することにより、組成物E12を調製した。
<調製例18>(組成物E14の調製)
組成物B2に、IEICO−4FとOMTOXとを、半導体材料の含有量の重量比がP2/IEICO−4F/OMTOX=0.5/0.75/1.25となるように混合することにより、組成物E14を調製した。
<調製例19>(組成物E15の調製)
組成物E1と組成物E3とを、半導体材料の含有量の重量比がIEICO−4F/OMTOX=1/1となるように混合することにより、組成物E15を調製した。
<実施例1>(光電変換素子の製造および性能評価)
(陽極が形成された支持基板を用意する工程)
光電変換素子の陽極として機能するITO薄膜が形成されたガラス基板(24mm×24mmの正方形)を用意した。
ITO薄膜はスパッタリング法によって形成された。ITO薄膜の厚さは150nmであった。ITO薄膜を有するガラス基板をオゾンUV処理し、ITO薄膜の表面処理を行った。
(正孔輸送層(正孔注入層)を形成する工程)
組成物H1をスピンコート法によりITO薄膜である陽極上に塗布することにより塗布膜を形成した。
次いで、形成された塗布膜を大気中、120℃で10分間加熱することにより、正孔輸送層を形成した。
なお、ガラス基板と同じ大きさ(24mm×24mmの正方形)であるダミーガラス板の上に、正孔輸送層の形成と同様の条件で組成物H1を塗布し、得られた塗布膜を加熱して乾燥させて、ダミーガラス板上の乾燥膜の厚さを触針式膜厚計(Bruker Nano社製、DEKTAK)にて測定したところ、乾燥膜の厚さは、約10nmであった。したがって、形成された正孔輸送層の厚さも、約10nmであると推定された。
活性層および機能層の厚さの推定値も、同様の方法で推定された値である。すなわち、ダミーガラス板の上に、活性層または機能層の形成工程と同様の条件で、活性層または機能層を形成するための組成物を塗布し、得られた塗布膜を乾燥させ、得られた乾燥膜の厚さを測定して、活性層および機能層の厚さの推定値とした。
(活性層を形成する工程)
次に、正孔輸送層上に、濡れ性改良のための塗布液(プリウェット液という場合がある。)としてのN,N−ジメチルホルムアミドを、2000rpmの回転数で20秒間の条件でスピンコート法により塗布する、プリウェット液によるプリウェット工程を行った。その直後、組成物A1を、2000rpmの回転数で42秒間の条件でスピンコート法により塗布した。具体的には、回転開始から32秒後に、酢酸エチルを、回転中に滴下してそのまま乾燥させた。得られた塗布膜を大気中120℃で10分間加熱することにより、活性層を形成した。形成された活性層の厚さの推定値は約450nmであった。
(機能層を形成する工程)
次に、活性層上に、組成物E6を4000rpmの回転数としてスピンコート法により塗布して塗布膜を形成し、窒素ガス雰囲気中、120℃で10分間加熱して、機能層を形成した。形成された機能層の厚さの推定値は、約60nmであった。
(電子注入層を形成する工程)
形成された機能層上に、真空蒸着機を用いて酸化バリウムを厚さが2nmとなるように蒸着して電子注入層を形成した。
(陰極を形成する工程)
次いで、形成された電子注入層上に、金(Au)を厚さが60nmとなるように蒸着して陰極を形成した。蒸着の際の真空度は、1×10−3〜9×10−3Paとした。
(封止層を形成する工程)
陰極の形成後、窒素ガス雰囲気下で、封止用基板であるガラス板をUV硬化型接着剤で陰極を覆うように接着することで封止を行い、実施例1の光電変換素子を得た。製造された光電変換素子の平面形状は、2mm×2mmの正方形であった。
(光電変換素子の評価)
得られた光電変換素子にソーラーシミュレーター(山下電装社製、商品名YSS−80A:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧とを測定することにより、光電変換素子の光電変換効率を評価した。効率、短絡電流密度(Jsc)、解放端電圧(Voc)、フィルファクター(FF)に表される性能評価の結果を、機能層の形成に用いられた組成物とともに、表1に示す。
<実施例2>(光電変換素子の製造および性能評価)
実施例1における組成物E6に代えて組成物E8を用いて機能層を形成した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を製造し、実施例1と同様にして性能評価を行った。
形成された機能層の厚さの推定値は、約40nmであった。得られた性能評価の結果を、機能層の形成に用いられた組成物とともに、表1に示す。
<実施例3>(光電変換素子の製造および性能評価)
実施例1における組成物E6に代えて組成物E14を用いて機能層を形成した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を製造し、実施例1と同様にして性能評価を行った。
形成された機能層の厚さの推定値は、約60nmであった。得られた性能評価の結果を、機能層の形成に用いられた組成物とともに、表1に示す。
<実施例4>(光電変換素子の製造および性能評価)
実施例1における組成物E6に代えて組成物E13を用いて機能層を形成した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を製造し、実施例1と同様にして性能評価を行った。
形成された機能層の厚さの推定値は、約50nmであった。得られた性能評価の結果を、機能層の形成に用いられた組成物とともに、表1に示す。
<実施例5>(光電変換素子の製造および性能評価)
実施例1における組成物E6に代えて組成物E11を用いて機能層を形成した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を製造し、実施例1と同様にして性能評価を行った。
形成された機能層の厚さの推定値は、約60nmであった。得られた性能評価の結果を、機能層の形成に用いられた組成物とともに、表1に示す。
<比較例1>(光電変換素子の製造および性能評価)
実施例1における組成物E6に代えて組成物E3を用いて機能層を形成した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を製造し、実施例1と同様にして性能評価を行った。
形成された機能層の厚さの推定値は、約50nmであった。得られた性能評価の結果を、機能層の形成に用いられた組成物とともに、表1に示す。
<比較例2>(光電変換素子の製造および性能評価)
実施例1における組成物E6に代えて組成物E4を用いて機能層を形成した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を製造し、実施例1と同様にして性能評価を行った。
形成された機能層の厚さの推定値は、約70nmであった。得られた性能評価の結果を、機能層の形成に用いられた組成物とともに、表1に示す。
<比較例3>(光電変換素子の製造および性能評価)
実施例1における組成物E6に代えて組成物E1を用いて機能層を形成した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を製造し、実施例1と同様にして性能評価を行った。
形成された機能層の厚さの推定値は、約50nmであった。得られた性能評価の結果を、機能層の形成に用いられた組成物とともに、表1に示す。
<比較例4>(光電変換素子の製造および性能評価)
実施例1における組成物E6に代えて組成物E2を用いて機能層を形成した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を製造し、実施例1と同様にして性能評価を行った。
形成された機能層の厚さの推定値は、約50nmであった。得られた性能評価の結果を、機能層の形成に用いられた組成物とともに、表1に示す。
<比較例5>(光電変換素子の製造および性能評価)
実施例1における組成物E6に代えて組成物E7を用いて機能層を形成した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を製造し、実施例1と同様にして性能評価を行った。
形成された機能層の厚さの推定値は、約40nmであった。得られた性能評価の結果を、機能層の形成に用いられた組成物とともに、表1に示す。
<比較例6>(光電変換素子の製造および性能評価)
実施例1における組成物E6に代えて組成物E5を用いて機能層を形成した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を製造し、実施例1と同様にして性能評価を行った。
形成された機能層の厚さの推定値は、約60nmであった。得られた性能評価の結果を、機能層の形成に用いた組成物とともに、表1に示す。
<比較例7>(光電変換素子の製造および性能評価)
実施例1における組成物E6に代えて組成物E12を用いて機能層を形成した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を製造し、実施例1と同様にして性能評価を行った。
形成された機能層の厚さの推定値は、約60nmであった。得られた性能評価の結果を、機能層の形成に用いた組成物とともに、表1に示す。
<比較例8>(光電変換素子の製造および性能評価)
実施例1における組成物E6に代えて組成物E15を用いて機能層を形成した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を製造し、実施例1と同様にして性能評価を行った。
形成された機能層の厚さの推定値は、約60nmであった。得られた性能評価の結果を、機能層の形成に用いた組成物とともに、表1に示す。
Figure 2019212763
<測定例1>(薄膜の吸光度スペクトルの測定)
ガラス基板(24mm×24mmの正方形)上に、スピンコート法により組成物A1を実施例1における活性層を形成する工程と同様の工程により薄膜を形成した。得られた薄膜の厚さは約450nmであった。分光光度計(日本分光社製、紫外可視近赤外分光光度計JASCO−V670)を用い、ガラス基板の吸光度スペクトルをベースラインとして薄膜の吸光度スペクトルを測定した。
<測定例2>(薄膜の吸光度スペクトルの測定)
ガラス基板(24mm×24mmの正方形)上に、スピンコート法による組成物B1の塗布後、大気中において、120℃で10分間の条件で乾燥させることにより薄膜を形成した。得られた薄膜の厚さは約60nmであった。薄膜の吸光度スペクトルを既に説明した測定例1と同様にして、分光光度計を用いて測定した。
<測定例3>(薄膜の吸光度スペクトルの測定)
ガラス基板(24mm×24mmの正方形)上に、スピンコート法による組成物E1の塗布後、大気中において、120℃で10分間乾燥させることにより薄膜を形成した。得られた薄膜の厚さは約90nmであった。薄膜の吸光度スペクトルを既に説明した測定例1と同様にして、分光光度計を用いて測定した。
<測定例4>(薄膜の吸光度スペクトルの測定)
ガラス基板(24mm×24mmの正方形)上に、スピンコート法による組成物B2の塗布後、大気中において、120℃で10分間乾燥させることにより薄膜を形成した。得られた薄膜の厚さは約40nmであった。薄膜の吸光度スペクトルを既に説明した測定例1と同様にして、分光光度計を用いて測定した。
測定例1〜4にかかる吸光度スペクトルを図2に示す。図2は、得られた薄膜の厚さを100nmに規格化したときの吸光度スペクトルを示すグラフである。
<測定例5>(EQEスペクトルの測定)
分光感度測定装置(日本分光社製、CEP2000)を用いて、実施例1〜5および比較例1〜8にかかる光電変換素子のEQE(外部量子効率)スペクトルをそれぞれ測定した。結果を図3〜15に示す。
ここで、組成物A1を用いて形成された薄膜(ペロブスカイト化合物を含む薄膜)、組成物B1を用いて形成された薄膜(p型半導体材料である高分子化合物P1を含む薄膜)、組成物E1を用いて形成された薄膜(n型半導体材料であるIEICO−4Fを含む薄膜)、および組成物B2を用いて形成された薄膜(p型半導体材料である高分子化合物P2を含む薄膜)の吸収端波長を表2に示す。
Figure 2019212763
図2および表2に示されるように、組成物A1を用いて形成された薄膜および組成物B1を用いて形成された薄膜は、吸光度スペクトルにおいて同程度の吸収端波長および光吸収のピークを有しており、組成物E1を用いて形成された薄膜、組成物B2を用いて形成された薄膜は、組成物A1を用いて形成された薄膜(および組成物B1を用いて形成された薄膜)の吸光度スペクトルにおける光吸収のピーク、すなわち吸収端波長よりも長波長側に位置する光吸収のピーク、すなわち吸収端波長を有している。
表1に示されるように、活性層に用いられるペロブスカイト化合物よりも長波長側に吸収端波長が位置している、p型半導体材料であるIEICO−4Fまたは高分子化合物P2を含有し、かつ、式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体を含有する機能層を用いた、実施例1〜5の光電変換素子は、かかる要件を満たさない比較例1〜8の光電変換素子に比べて、より高い光電変換効率を示した。
また、図3〜7に示されるように、実施例1〜5の光電変換素子のEQEスペクトルは、活性層を構成するペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長側である波長800nmを超える波長域で光電変換が可能であることを示しており、波長800nm未満の波長域においても高いEQEを示していることから、ペロブスカイト化合物を含む活性層での光電変換効率を低下させることなく、活性層での光電変換に用いられていないより長波長側の波長域の光を用いての機能層での光電変換が可能となる。
他方、図8、11および15に示されるように、式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体のみを含有する機能層を用いた比較例1、式(1)で表される基を有しないフラーレン誘導体のみを含有する機能層を用いた比較例4、またはIEICO−4Fと式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体とを含むが、高分子化合物であるp型半導体材料を含まない機能層を用いた比較例8においては、波長800nm未満の波長においては高いEQEを示すものの、波長800nmを超える長波長側にピークを有しておらず、結果として、この波長域では光電変換が行われないと考えられる。また、図9、10および12〜14に示されるように、式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体を含まない機能層を用いた比較例2、3、5、6および7においては、波長800nm未満の波長域においてEQEが低下しており、結果として、活性層での光電変換効率が低下してしまっていると考えられる。
以上より明らかなとおり、本発明の光電変換素子によれば、既に説明した構成を有する機能層を備えることにより、ペロブスカイト化合物を含む活性層での光電変換効率を低下させることなく、活性層での光電変換に用いられていないより長波長側の波長域の光を増感して用いることにより、全体として、より高効率な光電変換を行うことができる。換言すると、本発明の光電変換素子によれば、既に説明した構成を有する機能層により、p型半導体材料およびn型半導体材料を含む層をさらに備える従来の構成では低下しがちであったペロブスカイト化合物を含む活性層での光電変換効率の低下の抑制と、活性層での光電変換に用いられていないより長波長側の波長域の光をより効果的に用いる光電変換とを両立させることができ、結果として、光電変換素子の光電変換効率をより高めることができる。
10 基板
20 陽極
30 正孔輸送層
40 活性層
50 機能層
60 電子輸送層
70 陰極
100 光電変換素子

Claims (7)

  1. 陰極と、
    陽極と、
    前記陰極および前記陽極の間に設けられており、ペロブスカイト化合物を含む活性層と、
    前記陰極および前記活性層の間に設けられており、
    第1のp型半導体材料と下記式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体とを含み、電子および正孔を発生させることができ、かつ電子を前記陰極側に輸送することができる層である機能層であって、
    前記第1のp型半導体材料が、吸収端波長が前記ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも短波長である材料である場合には、吸収端波長が前記ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、分子量分布を有しない、第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料、または吸収端波長が前記ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、高分子化合物である、第2のp型半導体材料もしくはn型半導体材料をさらに含有する機能層と
    を含む、光電変換素子。
    Figure 2019212763
    〔式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す。RおよびRがそれぞれ複数個ある場合、複数個あるRおよびRそれぞれは同一であっても異なっていてもよい。
    mは、1〜6の整数を表す。mが複数個ある場合、複数個あるmは同一であっても異なっていてもよい。
    qは、1〜20の整数を表す。
    Xは、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基または置換基を有していてもよい炭素原子数6〜60のアリール基を表す。〕
  2. 前記第1のp型半導体材料が、吸収端波長が前記ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも短波長である材料であり、
    前記機能層が、吸収端波長が前記ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、分子量分布を有しない前記n型半導体材料をさらに含有する、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記機能層が、
    前記第1のp型半導体材料として吸収端波長が前記ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも短波長である材料である下記式で表される高分子化合物P1または高分子化合物P2と、
    Figure 2019212763
    前記式(1)で表される基を有するフラーレン誘導体として下記式で表される化合物OMTOXまたは化合物UT4と、
    Figure 2019212763
    吸収端波長が前記ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長であって、分子量分布を有しない前記n型半導体材料として下記式で表される化合物IEICO−4Fと
    Figure 2019212763
    を含む、請求項2に記載の光電変換素子。
  4. 前記第1のp型半導体材料が、吸収端波長が前記ペロブスカイト化合物の吸収端波長よりも長波長である材料であり、
    前記機能層が、前記第2のp型半導体材料および前記n型半導体材料を不含である、請求項1に記載の光電変換素子。
  5. 前記機能層が、前記活性層に接するように設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  6. 前記陽極、前記活性層、前記機能層および前記陰極がこの順で積層されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電変換素子を含む、光検出素子。
JP2018107912A 2018-06-05 2018-06-05 光電変換素子 Pending JP2019212763A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018107912A JP2019212763A (ja) 2018-06-05 2018-06-05 光電変換素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018107912A JP2019212763A (ja) 2018-06-05 2018-06-05 光電変換素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019212763A true JP2019212763A (ja) 2019-12-12

Family

ID=68846996

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018107912A Pending JP2019212763A (ja) 2018-06-05 2018-06-05 光電変換素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019212763A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113284920A (zh) * 2021-04-26 2021-08-20 鲁东大学 一种柔性钙钛矿叠层式波长上转换传感器
WO2024018908A1 (ja) * 2022-07-21 2024-01-25 東レエンジニアリング株式会社 ペロブスカイト膜形成方法およびペロブスカイト膜形成装置
WO2024203157A1 (ja) * 2023-03-31 2024-10-03 パナソニックIpマネジメント株式会社 フラーレン誘導体溶液、塗布膜の製造方法、および撮像装置の製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009084264A (ja) * 2007-09-12 2009-04-23 Sumitomo Chemical Co Ltd フラーレン誘導体
JP2016096277A (ja) * 2014-11-15 2016-05-26 ペクセル・テクノロジーズ株式会社 ペロブスカイト化合物を用いた光電変換素子およびその製造方法
US20160233448A1 (en) * 2013-09-23 2016-08-11 The Regents Of The University Of California Multiple donor/acceptor bulk heterojunction solar cells
WO2016158698A1 (ja) * 2015-03-30 2016-10-06 住友化学株式会社 光電変換素子
WO2017002742A1 (ja) * 2015-07-02 2017-01-05 住友化学株式会社 光電変換素子
CN107068869A (zh) * 2017-04-24 2017-08-18 华北电力大学 一种钙钛矿/有机集成太阳电池及其制备方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009084264A (ja) * 2007-09-12 2009-04-23 Sumitomo Chemical Co Ltd フラーレン誘導体
US20160233448A1 (en) * 2013-09-23 2016-08-11 The Regents Of The University Of California Multiple donor/acceptor bulk heterojunction solar cells
JP2016096277A (ja) * 2014-11-15 2016-05-26 ペクセル・テクノロジーズ株式会社 ペロブスカイト化合物を用いた光電変換素子およびその製造方法
WO2016158698A1 (ja) * 2015-03-30 2016-10-06 住友化学株式会社 光電変換素子
WO2017002742A1 (ja) * 2015-07-02 2017-01-05 住友化学株式会社 光電変換素子
CN107068869A (zh) * 2017-04-24 2017-08-18 华北电力大学 一种钙钛矿/有机集成太阳电池及其制备方法

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
SHI, ZHENZHEN ET AL.: "Engineering the interconnecting layer for efficient inverted tandem polymer solar cells with absorpt", SOLAR ENERGY MATERIALS AND SOLAR CELLS, vol. Volume 180, 15, JPN6022016350, 21 February 2018 (2018-02-21), pages 1 - 9, ISSN: 0004844853 *
XIAO, ZUO ET AL.: "Ternary organic solar cells offer 14% power conversion efficiency", SCIENCE BULLETIN, vol. Volume 62, Issue 23, JPN6022016351, 13 November 2017 (2017-11-13), pages 1562 - 1564, ISSN: 0004844852 *
Z, CHUANTIAN ET AL.: "Bulk heterojunctions push the photoresponse of perovskite solar cells to 970 nm", J. MATER. CHEM. A, vol. 2015,3, JPN7022001977, 1 October 2014 (2014-10-01), pages 9063 - 9066, ISSN: 0004844851 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113284920A (zh) * 2021-04-26 2021-08-20 鲁东大学 一种柔性钙钛矿叠层式波长上转换传感器
WO2024018908A1 (ja) * 2022-07-21 2024-01-25 東レエンジニアリング株式会社 ペロブスカイト膜形成方法およびペロブスカイト膜形成装置
WO2024203157A1 (ja) * 2023-03-31 2024-10-03 パナソニックIpマネジメント株式会社 フラーレン誘導体溶液、塗布膜の製造方法、および撮像装置の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Xia et al. Efficiency enhancement of inverted structure perovskite solar cells via oleamide doping of PCBM electron transport layer
JP6037215B2 (ja) 有機無機ハイブリッド構造からなる光電変換素子
Zhang et al. Structure engineering of hole–conductor free perovskite-based solar cells with low-temperature-processed commercial carbon paste as cathode
US9059418B2 (en) Method for manufacturing a nanostructured inorganic/organic heterojunction solar cell
US20120312375A1 (en) All-Solid-State Heterojunction Solar Cell
Shahiduzzaman et al. Compact TiO2/Anatase TiO2 single-crystalline nanoparticle electron-transport bilayer for efficient planar perovskite solar cells
JP6798499B2 (ja) ペロブスカイト光電変換素子
JP2016025170A (ja) 有機無機ハイブリッド構造からなる光電変換素子
JP6697886B2 (ja) 光電変換素子
JP6674948B2 (ja) 光電変換素子
Qin et al. Two-dimensional materials for perovskite solar cells with enhanced efficiency and stability
WO2012132828A1 (ja) 有機光電変換素子の製造方法
JP6687025B2 (ja) 光電変換素子
JP2019212763A (ja) 光電変換素子
JP6340758B2 (ja) 光電変換素子の製造方法
WO2016117380A1 (ja) 光電変換素子およびその製造方法
JP6995596B2 (ja) 光電変換素子
Kumar et al. Effects of inorganic surface blocking layer of SnS on the performance and stability of perovskite solar cells
WO2016063781A1 (ja) 有機光電変換素子およびその製造方法
JP2013026483A (ja) 有機光電変換素子、有機光電変換素子の製造方法及び太陽電池
JP2015099810A (ja) 有機光電変換素子の製造方法
JP6032284B2 (ja) 有機光電変換素子の製造方法
JP6697816B2 (ja) 光電変換素子
KR20160078965A (ko) 축방향으로 불소화된―프탈로시아닌들의 제조방법 및 광전지 기기들에서 그 용도
KR102520410B1 (ko) 첨가제를 포함하는 페로브스카이트 용액, 이를 이용하여 제조된 페로브스카이트 박막 및 이를 이용하여 제조된 페로브스카이트 태양전지

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220621

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220809