JP2016511549A - 有機半導体性ブレンド - Google Patents

有機半導体性ブレンド Download PDF

Info

Publication number
JP2016511549A
JP2016511549A JP2015562309A JP2015562309A JP2016511549A JP 2016511549 A JP2016511549 A JP 2016511549A JP 2015562309 A JP2015562309 A JP 2015562309A JP 2015562309 A JP2015562309 A JP 2015562309A JP 2016511549 A JP2016511549 A JP 2016511549A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
semiconductor
carbon atoms
blend
polymeric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2015562309A
Other languages
English (en)
Inventor
ニューサム,クリストファー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cambridge Display Technology Ltd
Original Assignee
Cambridge Display Technology Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cambridge Display Technology Ltd filed Critical Cambridge Display Technology Ltd
Publication of JP2016511549A publication Critical patent/JP2016511549A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/10Deposition of organic active material
    • H10K71/12Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/60Organic compounds having low molecular weight
    • H10K85/649Aromatic compounds comprising a hetero atom
    • H10K85/657Polycyclic condensed heteroaromatic hydrocarbons
    • H10K85/6576Polycyclic condensed heteroaromatic hydrocarbons comprising only sulfur in the heteroaromatic polycondensed ring system, e.g. benzothiophene
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/10Organic polymers or oligomers
    • H10K85/111Organic polymers or oligomers comprising aromatic, heteroaromatic, or aryl chains, e.g. polyaniline, polyphenylene or polyphenylene vinylene
    • H10K85/115Polyfluorene; Derivatives thereof
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/10Organic polymers or oligomers
    • H10K85/151Copolymers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K10/00Organic devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching; Organic capacitors or resistors having potential barriers
    • H10K10/40Organic transistors
    • H10K10/46Field-effect transistors, e.g. organic thin-film transistors [OTFT]
    • H10K10/462Insulated gate field-effect transistors [IGFETs]
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K10/00Organic devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching; Organic capacitors or resistors having potential barriers
    • H10K10/40Organic transistors
    • H10K10/46Field-effect transistors, e.g. organic thin-film transistors [OTFT]
    • H10K10/462Insulated gate field-effect transistors [IGFETs]
    • H10K10/464Lateral top-gate IGFETs comprising only a single gate
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K10/00Organic devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching; Organic capacitors or resistors having potential barriers
    • H10K10/40Organic transistors
    • H10K10/46Field-effect transistors, e.g. organic thin-film transistors [OTFT]
    • H10K10/462Insulated gate field-effect transistors [IGFETs]
    • H10K10/466Lateral bottom-gate IGFETs comprising only a single gate

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

ポリマー、第1の非ポリマー性半導体、第2の非ポリマー性半導体および第3の非ポリマー性半導体を含む有機電子デバイスの半導体性層を調製するためのブレンド。このブレンドにより、1つのポリマーおよび1つの非ポリマー性半導体を含むブレンドに比べて、より高い半導体溶液濃度、およびより広い溶液加工処理ウィンドウが可能になる。例えば、F8−TFBおよび3つの異なる置換ベンゾチオフェン誘導体を含むブレンドは、1つのポリマーおよびこれらのベンゾチオフェン誘導体の1つのブレンドに比べてOTFTにおいて3倍高い平均飽和移動度を示し、2分の遅延の後であっても、60℃、80℃および100℃での乾燥後に一貫したピーク飽和移動度を示す。【選択図】図1

Description

本発明は、有機電子デバイスの半導体性層を調製するためのブレンドおよび溶液、ならびにこの溶液を堆積させる工程を含む有機電子デバイスの半導体性層の調製方法に関する。本発明はまた、このブレンドを含む有機電子デバイスならびにこのデバイスの調製方法に関する。
トランジスタは、それらの半導体性層、および多くの場合は他の層を溶液から堆積させるプロセスによって形成できる。得られたトランジスタは、薄膜トランジスタと呼ばれる。有機半導体が半導体性層に使用される場合、デバイスは、有機薄膜トランジスタ(OTFT)として記載されることが多い。
OTFTに関する種々の配置が知られている。1つのデバイスであるトップゲート薄膜トランジスタは、ソースおよびドレイン電極、それらの間のチャンネル領域に配設された半導体性層、この半導体性層上に配設されたゲート電極、およびこのゲート電極とチャンネル領域の半導体との間に配設された絶縁材料層を含む。
チャンネルの伝導率は、ゲートにおける電圧の適用によって変更できる。このようにしてトランジスタは、適用されたゲート電圧を用いて電源を入れたり、切ったりでできる。所与の電圧に関して得ることができるドレイン電流は、トランジスタのアクティブ領域、すなわちソース電極とドレイン電極との間のチャンネル領域における有機半導体の電荷キャリアの移動度に依存する。故に、低い操作電圧を用いて高いドレイン電流を得るために、有機薄膜トランジスタは、チャンネル領域において、高度に移動性の電荷キャリアを有する有機半導体層を有していなければならない。
小分子有機半導体を含有する高い移動度のOTFTが報告されており、高い移動度は、少なくとも部分的には半導体の高い結晶性質に起因する。特に高い移動度は、単結晶OTFTにおいて報告されており、ここで有機半導体は、熱蒸発により堆積される(例えばPodzorov et al,Appl.Phys.Lett.,2003,83(17),3504−3506)。
小分子半導体を用いる一部の場合において、フィルム形成特性が劣るという問題は、不均質フィルムによりデバイス性能に変動を生じ得る。基板からの材料網状物および基板に対する接着、フィルムラフネスおよびフィルム厚さの変動に関する問題は、OTFTにおける小分子半導体の性能を制限し得る。フィルムラフネスはさらに、蓄積層が半導体性層の最上面に形成されるので、トップゲート有機薄膜トランジスタにとって問題となり得る。
この問題を解決するために、小分子半導体およびポリマー、特にポリマー性半導体のブレンドの使用が開発されている。こうしたブレンドを用いるための動機づけは、第一に、均質フィルムを得るために、小分子半導体の不十分なフィルム形成特性を克服することである。ブレンドは、小分子材料と比較して、ポリマーの改善されたフィルム形成特性により、優れたフィルム形成特性を示す。小分子半導体およびポリマー性半導体ブレンドの多数の例が、文献に見出され得る。例えばGB2482974には、TFBおよびベンゾチオフェン系小分子半導体を含むブレンドが開示されている。
小分子半導体およびポリマー性半導体のブレンドは、例えばスピンコーティングまたはインクジェット印刷によって、半導体性層を形成するように溶液加工処理され得る。一般に、このプロセスは、半導体を溶媒中に溶解させる工程、この溶液を基板上にスピンコーティングまたはインクジェット印刷する工程、および次いで得られた湿潤フィルムを乾燥させる工程を含む。乾燥工程の間、溶媒は、蒸発して、小分子半導体およびポリマーの混合物を含むフィルムを得る。一般に芳香族または置換芳香族溶媒が使用されて、半導体を溶解する。
小分子半導体およびポリマー性半導体のブレンドの使用が、小分子半導体のフィルム形成特性を改善する一方で、2つの問題が一般に生じる。まず、小分子半導体は、溶液加工処理に通常使用される溶媒中への溶解度が限定される。これにより、溶媒中に溶解できる総固形分の濃度が制限され、従って形成され得るフィルムの厚さが制限される。ターゲットフィルム厚さを得るために、遅いスピンコーティング速度および/または短いスピンコーティング時間を使用して低濃度の半導体溶液を補うことができるが、このことが、これらのブレンドに関連する第2の問題を悪化させる。結果として、溶媒および溶液加工処理条件は限られた範囲のみが使用でき、溶液安定性を妥協することなくいずれかの変更を行うことは困難になり得る。換言すれば、ブレンドの加工処理ウィンドウは狭い。
小分子半導体およびポリマー性半導体のブレンドに一般に関連する第2の問題は、ブレンドを、異なる表面領域を有する表面に堆積させる場合に、小分子半導体の結晶化が、そうした特定の領域に集中することが多く、小分子半導体がほとんどまたは全く存在しない他の領域を残し、結果として高いおよび低い小分子有機半導体濃度の領域を有するフィルムを生じる。異なる表面領域間の差異は、表面材料、表面処理および/または表面エネルギーの1つ以上の差異であり得る。小分子およびポリマー性半導体ブレンドのソースおよびドレイン電極ならびにそれらの間にあるチャンネルへの堆積の場合、特にそれらが処理されている場合に電極表面の領域に結晶核形成中心が集中する傾向があり、顕著な結晶成長が生じる場合には大きなサイズの分離が生じ得る。顕著な結晶成長は、処理された電極表面に対して垂直に生じることがあり、半導体性層の上方面から突出することさえある。1つの領域での結晶の集中は、必然的に、他の領域、例えばチャンネルからの結晶の欠乏があることを意味する。故に、全体の結果は、電極を覆うポリマー性半導体に埋め込まれた結晶性の非ポリマー性半導体のドメインが単離され、チャンネル領域における結晶の横方向の被覆が低下する。溶液加工の間のより速いスピン速度および/またはより長いスピン時間は最も顕著な分離を導く傾向がある。
英国特許第2482974号明細書
Podzorov et al,Appl.Phys.Lett.,2003,83(17),3504−3506
故に、小分子半導体およびポリマー性半導体のブレンドが、より広い加工処理ウィンドウを有し、その中の小分子半導体の優れた横方向の分布により、高い電界効果移動度を有するフィルムを確実に一貫して得ることが必要とされている。
第1の態様によれば、本発明は、
(i)ポリマー、
(ii)第1の非ポリマー性半導体、
(iii)第2の非ポリマー性半導体、および
(iv)第3の非ポリマー性半導体を含む有機電子デバイスの半導体性層を調製するためのブレンドを提供する。
さらなる態様によれば、本発明は、
(i)ポリマー、
(ii)第1の非ポリマー性半導体、
(iii)第2の非ポリマー性半導体、および
(iv)第3の非ポリマー性半導体を混合する工程を含む先に定義されたブレンドを製造する方法を提供する。
さらなる態様によれば、本発明は、このブレンドを溶媒と混合する工程を含む溶液の調製における、先に定義されたブレンドの使用を提供する。
さらなる態様によれば、本発明は、先に定義されたブレンドおよび溶媒を含む溶液を提供する。
さらなる態様によれば、本発明は、
(i)ポリマー、
(ii)第1の非ポリマー性半導体、
(iii)第2の非ポリマー性半導体、
(iv)第3の非ポリマー性半導体、および
(v)溶媒を混合する工程を含む、先に定義されたような溶液を製造する方法を提供する。
さらなる態様によれば、本発明は、有機電子デバイスの半導体性層の調製において、先に定義されたような溶液の使用または先に定義されたようなブレンドの使用を提供する。
さらなる態様によれば、本発明は、(i)先に定義されたような溶液を堆積させる工程、および(ii)この堆積された溶液を加熱し、溶媒を蒸発させ、半導体性層を形成する工程を含む有機電子デバイスの半導体性層を調製するための方法を提供する。
さらなる態様によれば、本発明は、それらの間にチャンネル領域を規定するソース電極およびドレイン電極、チャンネル領域にわたって延び、ソース電極およびドレイン電極と電気的に接触した有機半導体性層、ゲート電極、ならびにゲート電極と、有機半導体層およびソース電極およびドレイン電極との間のゲート誘電体を含む有機電子デバイスを製造する方法を提供し、ここで半導体性層が先に定義されるような方法によって堆積される。
さらなる態様によれば、本発明は、先に定義されるような方法によって得ることができる有機電子デバイスを提供する。
さらなる態様によれば、本発明は、その間のチャンネル領域を規定するソース電極およびドレイン電極、チャンネル領域にわたって延び、ソース電極およびドレイン電極と電気的に接触した有機半導体性層、ゲート電極、ならびにゲート電極と、有機半導体層およびソース電極およびドレイン電極との間のゲート誘電体を含む有機電子デバイスを提供し、ここで半導体性層は、先に定義されるようなブレンドを含む。
定義
本明細書で使用される場合、用語「ブレンド」は、少なくとも2つの化合物および/またはポリマーの混合物を指す。一般に、ブレンドは固体、例えば粉末である。
本明細書で使用される場合、用語「溶液」は、溶媒中の化合物またはブレンドの均質混合物を指す。
本明細書で使用される場合、用語「半導体」は、その伝導度が、温度によって、制御された不純物の添加によって、または電場または光の適用によって変更できる化合物を指す。用語「半導体性層」は、半導体性である材料の連続フィルムを指す。本発明で形成される半導体性層は、ポリマーおよび非ポリマー性半導体の混合物またはブレンドを含む。好ましくはポリマーは、非ポリマー性半導体が分散したマトリックスを形成する。
本明細書で使用される場合、用語「ポリマー」は、1を超える多分散性を有する化合物を指す。
本明細書で使用される場合、用語「ポリマー性半導体」は、半導体である繰り返しユニットを含むポリマー性化合物を指す。
本明細書で使用される場合、用語「非ポリマー性半導体」は、半導体である小分子化合物を指す。用語は、1の多分散性を有するデンドリマーおよびオリゴマー化合物(例えばダイマー、トリマー、テトラマーおよびペンタマー)を含む。好ましい非ポリマー性半導体は結晶性である。好ましい非ポリマー性半導体は有機である。
本明細書で使用される場合、用語「横方向の分布」は、電極表面および基板に平行な方向において、ソース電極とドレイン電極との間のチャンネルの全体長さ、ならびにソース電極およびドレイン電極にわたって実質的に延びる非ポリマー性半導体結晶の分布を指す。
本明細書で使用される場合、用語「芳香族溶媒」は、4n+2π電子(ここでnは0または正の整数である)を有する平面環を含む溶媒を指す。
本明細書で使用される場合、用語「芳香族環」は、4n+2π電子(ここでnは負でない整数である)を有する平面環を含む溶媒を指す。
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、飽和の直鎖状、分岐状または環状基を指す。アルキル基は、置換されてもよく、または非置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、用語「アルケニル」は、不飽和の直鎖状、分岐状または環状基を指す。アルケニル基は、置換されてもよく、または非置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、用語「アルコキシ」は、O−アルキル基を指し、ここでアルキルは上記で定義される通りである。
本明細書で使用される場合、用語「アミノ」は、一級(すなわちNH)、二級(NHR)および三級アミノ基(NR)を指し、ここでRは上記で定義されたようなアルキルである。
本明細書で使用される場合、用語「アミド」は、式−NHCORおよび
−NRCORの基を指し、ここで各Rは、同一または異なって、上記で定義されるアルキルである。
本明細書で使用される場合、用語「シリル」は、式−A−SiR’R’’R’’’の基を指し、ここでAは存在してもよく、C1−8アルキレン、C1−8アルケニレンまたはC1−8アルキニレンから選択される飽和または不飽和基であり、R’、R’’およびR’’’のそれぞれはHまたは上記で定義されるアルキルである。
本明細書で使用される場合、用語「スタンニル」は、式−Sn(R’)の基を指し、ここでrは1、2または3であり、各R’はHまたは上記で定義されるようなアルキルである。
本明細書で使用される場合、用語「ハロゲン」は、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択される原子を包含する。
本明細書で使用される場合、用語「アリール」は、少なくとも1つの芳香族環を含む基を指す。用語アリールは、ヘテロアリールならびに1つ以上の芳香族環がシクロアルキル環と縮合する縮合環システムを包含する。アリール基は、置換されてもよく、または非置換であってもよい。アリール基の例は、フェニル、すなわちCである。フェニル基は、置換されてもよく、または非置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアリール」は、N、O、SおよびSeから選択されるヘテロ原子を含むアリール基を指す。ヘテロアリール基の例は、チオフェン、すなわちCSである。それは置換されてもよく、または非置換であってもよい。さらなる例は、ベンゾチオフェンであり、これは以下の構造を有する。それはまた置換されてもよく、または非置換であってもよい。
Figure 2016511549
本明細書で使用される場合、用語「シクロアルキル」は、3〜10個の炭素原子を含有する飽和または部分的に飽和の単環または二環式アルキル環システムを指す。シクロアルキル基は、置換されてもよく、または非置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、用語「フラーレン」は、中空の球体、楕円または管の形態の炭素を全体として含む化合物を指す。
発明の説明
本発明のブレンドは、好ましくは有機電子デバイスの半導体性層の調製のために使用される。本発明のブレンドは、有利なことには、ポリマー、例えばポリマー性半導体、および1つの非ポリマー性半導体だけを含むブレンドよりも、半導体の溶液濃度が高く調製できる。これは、溶液加工処理ウィンドウを広げる、例えば半導体性層の電気的性能に悪影響を及ぼさず、広い範囲のフィルム堆積条件において加工処理を可能にするので、極めて有益である。
本発明のブレンドは、(i)ポリマー、例えばポリマー性半導体、(ii)第1の非ポリマー性半導体、(iii)第2の非ポリマー性半導体、および(iv)第3の非ポリマー性半導体を含む。
第1、第2および第3の非ポリマー性半導体は異なる。好ましくは第1、第2および第3の非ポリマー性半導体は有機である。本発明の好ましいブレンドは、3つの異なる非ポリマー性半導体を含む。
本発明の好ましいブレンドにおいて、第2の非ポリマー性半導体は、第1の非ポリマー性半導体よりも高い分子量を有する。さらに好ましいブレンドにおいて、第3の非ポリマー性半導体は、第2の非ポリマー性半導体よりも大きな分子量を有する。
より好ましくは、第3の非ポリマー性半導体は、第1の非ポリマー性半導体よりも少なくとも56amu大きい分子量を有する。さらにより好ましくは、第3の非ポリマー性半導体は、第1の非ポリマー性半導体よりも56〜180amu、より好ましくは70〜140amu、さらにより好ましくは84〜112amu大きい分子量を有する。
より好ましくは、第2の非ポリマー性半導体は、第1の非ポリマー性半導体よりも少なくとも28amu大きい分子量を有する。さらにより好ましくは、第2の非ポリマー性半導体は、第1の非ポリマー性半導体よりも28〜70amu、より好ましくは42〜56amu大きい分子量を有する。
より好ましくは、第3の非ポリマー性半導体は、第2の非ポリマー性半導体よりも少なくとも14amu大きい分子量を有する。さらにより好ましくは、第3の非ポリマー性半導体は、第2の非ポリマー性半導体よりも14〜140amu、より好ましくは28〜84amu、さらにより好ましくは28〜56amu大きい分子量を有する。
本発明のブレンドに存在する非ポリマー性半導体は、好ましくは、少なくとも3つの縮合環のコアを含み、ここで各環は、独立に、芳香族環およびヘテロ芳香族環から選択され、これはそれぞれ個々に、非置換であるかまたは1つ以上の置換基で置換される。例示的な置換基としては、C1−12アルキル基、C1−12アルコキシ基、ハロゲン(例えばF)、またはシリル基(トリアルキルシリルおよびトリアルキルシリルエチニルを含む)が挙げられる。好ましくは第1、第2、および第3の非ポリマー性半導体のコアは同一である。
好ましくは第1、第2、および第3の非ポリマー性半導体はそれぞれ、ベンゾチオフェン誘導体、より好ましくは式(I)のベンゾチオフェン誘導体である。
Figure 2016511549
式中、Aは、フェニル基またはチオフェン基であり、このフェニル基またはチオフェン基(これは非置換であることができもしくは式Xの少なくとも1つの基で置換できる)と縮合してもよい、および/またはフェニル基、チオフェン基およびベンゾチオフェン基から選択される基と縮合してもよく、このフェニル、チオフェンおよびベンゾチオフェン基は、非置換であるか、または式Xの少なくとも1つの基で置換される、および
各基Xは、同一または異なっていてもよく、(i)1〜20個の炭素原子を有する非置換または置換の直鎖、分岐または環状アルキル基、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、非置換であってもよくまたは1〜8個の炭素原子を有する1もしくは2つのアルキル基で置換されてもよいアミノ基(そのそれぞれは同一または異なっていてもよい)、アミド基、シリル基、2〜12個の炭素原子を有する非置換または置換のアルケニル基および2〜12個の炭素原子を有する非置換または置換のアルキニル基、または(ii)ハロゲン、ボロン酸、ジボロン酸ならびにボロン酸およびジボロン酸のエステル、2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基およびスタンニル基からなる群から選択される重合性または反応性基からなる群から選択される。
アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルまたはデシルが挙げられる。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシおよびブトキシが挙げられる。アミノ基の例としては、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノおよびメチルエチルアミノが挙げられる。シリル基の例としては、トリアルキルシリルおよびトリアルキルシリルエチニルが挙げられる。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペニルおよび2−メチルプロペニルが挙げられる。
上述のX基の可能性としての置換基としては、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、ハロゲン原子、非置換であってもよくまたは1つもしくは2つのアルキル基(これは同一または異なっていてもよく、それぞれ1〜8個の炭素原子を有する)で置換されてもよいアミノ基、2〜12個の炭素原子を有するアシルアミノ基、ニトロ基、2〜7個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子、セレニウム原子および/または窒素原子を含有する5〜7員のヘテロアリール基が挙げられる。
式(I)の好ましいベンゾチオフェン誘導体において、Aは、
式Xの少なくとも1つの基で置換されるフェニル基と縮合したチオフェン基、または
非置換であってもよくまたは式Xの少なくとも1つの基で置換されてもよいフェニル基から選択され、このフェニル基はさらに、非置換であることができ、または式Xの少なくとも1つの基で置換できるチオフェン基と縮合してもよく、および/またはベンゾチオフェン基と縮合してもよく、このベンゾチオフェン基は、非置換であるか、または式Xの少なくとも1つの基で置換される。
特に好ましいベンゾチオフェン誘導体において、Aは式Xの少なくとも1つで置換されたフェニル基と縮合したチオフェン基である。
好ましい非ポリマー性半導体の例を以下に示す。
Figure 2016511549
Figure 2016511549
式中、Xは式(I)に関連して上記で定義された通りである。より好ましくは、この第1、第2および第3の非ポリマー性半導体のそれぞれは、式(Ia)を有する。
Figure 2016511549
式中、各基Xは、同一または異なっていてもよく、1〜20個の炭素原子を有する非置換または置換の直鎖、分岐または環状アルキル基、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、非置換であってもよくまたは1〜8個の炭素原子を有する1つもしくは2つのアルキル基(そのそれぞれが同一または異なっていてもよい)で置換されてもよいアミノ基、アミド基、シリル基および2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基からなる群から選択される。さらにより好ましくは、第1、第2および第3の非ポリマー性半導体のそれぞれは、式(Iai)を有する。
Figure 2016511549
式中、各基Xは、同一または異なっていてもよく、1〜20個の炭素原子を有する非置換または置換の直鎖、分岐または環状アルキル基、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、非置換であってもよくまたは1〜8個の炭素原子を有する1つもしくは2つのアルキル基(そのそれぞれが同一または異なっていてもよい)で置換されてもよいアミノ基、アミド基、シリル基および2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基からなる群から選択される。
好ましくは、この第1、第2および第3の非ポリマー性半導体のそれぞれは、式(Iai)を有し、式中各非ポリマー性半導体内における各基Xは同一である。
式(Ia)または(Iai)、特に(Iai)の好ましい非ポリマー性半導体において、各基Xは、1〜20個の炭素原子を有する非置換または置換の直鎖、分岐または環状アルキル基である。さらにより好ましくは各基Xは、直鎖アルキル基である。さらにより好ましくは各基Xは、非置換アルキル基である。アルキル基は、1〜16個の炭素原子を含み、より好ましくは2〜12個の炭素原子が好ましい。
特に好ましくは、この第1、第2、および第3の非ポリマー性半導体のそれぞれは、式(Ia)または(Iai)、特に(Iai)を有し、式中各基Xは、式C2n+1の基であり、式中、nは1〜16の整数である。さらにより好ましくは、この第1、第2、および第3の非ポリマー性半導体のそれぞれは、式(Ia)または(Iai)、特に(Iai)を有し、式中、各非ポリマー性半導体内における各基Xは同一であり、式C2n+1の基であり、式中nは、1〜16の整数である。
上記で記述されるとき、本発明のブレンドに存在する第1、第2および第3の非ポリマー性半導体は異なる。故に、本発明の好ましいブレンドにおいて、第1の非ポリマー性半導体は、式(Ia)または(Iai)、特に(Iai)の化合物であり、式中、各Xは式C2n+1の基であり、式中、nは、第2および第3の非ポリマー性半導体に存在するX基に対して、最も低い整数であり、本明細書においてn(l)である。本発明のさらに好ましいブレンドにおいて、第3の非ポリマー性半導体は、式(Ia)または(Iai)、特に(Iai)の化合物であり、ここで各Xは、式C2n+1の基であり、ここでnは、第1および第2の非ポリマー性半導体に存在するX基に対して最も高い整数であり、本明細書においてn(h)である。本発明のさらに好ましいブレンドにおいて、第2の非ポリマー性半導体は、式(Ia)または(Iai)、特に(Iai)の化合物であり、式中、各Xは、式C2n+1の基であり、式中、nは第1および第3の非ポリマー性半導体に存在するX基に対して中間の整数であり、本明細書においてn(m)である。本発明の特に好ましいブレンドにおいて、n(l)とn(h)との差は、少なくとも4、より好ましくは4、5、6、7または8、さらにより好ましくは6、7または8、例えば6である。本発明のさらに特に好ましいブレンドにおいて、n(l)とn(m)との差は、少なくとも2、より好ましくは2、3、4または5、さらにより好ましくは3または4、例えば4である。本発明のさらに特に好ましいブレンドにおいて、n(m)とn(h)との差は少なくとも1、より好ましくは1、2、3または4、さらにより好ましくは2または3、例えば2である。
本発明の特に好ましいブレンドにおいて、第1の非ポリマー性半導体の各基Xは式C2n+1の基であり、式中、nは1〜5の整数である。さらに特に好ましいブレンドにおいて、第3の非ポリマー性半導体の各基Xは、式C2n+1の基であり、式中、nは7〜12の整数である。
さらに特に好ましいブレンドにおいて、第2の非ポリマー性半導体は以下である。
Figure 2016511549
なおさらに好ましいブレンドにおいて、第1の非ポリマー性半導体は以下から選択される。
Figure 2016511549
特に好ましくは、第1の非ポリマー性半導体は以下である。
Figure 2016511549
なおさらに好ましいブレンドにおいて、第3の非ポリマー性半導体は以下から選択される。
Figure 2016511549
特に好ましくは第3の非ポリマー性半導体は以下である。
Figure 2016511549
本発明の特に好ましいブレンドにおいて、第1の非ポリマー性半導体は以下である。
Figure 2016511549
第2の非ポリマー性半導体は以下である。
Figure 2016511549
および第3の非ポリマー性半導体は以下である。
Figure 2016511549
本発明のブレンドにおいて使用するための好適な非ポリマー性半導体は、従来の技術によって調製されてもよい。
本発明の好ましいブレンドは、
(i)ポリマー、例えばポリマー性半導体、
(ii)第1の非ポリマー性半導体、
(iii)第2の非ポリマー性半導体、および
(iv)第3の非ポリマー性半導体から本質的になる(例えばそれらからなる)。
本発明の好ましいブレンドにおいて、第1の非ポリマー性半導体と第2の非ポリマー性半導体との重量比は、1:5〜1:20、より好ましくは1:6〜1:9、例えば約1:8の範囲である。さらに好ましいブレンドにおいて、第2の非ポリマー性半導体と第3の非ポリマー性半導体との重量比は、8:1〜2:1、より好ましくは6:1〜3:1、例えば約4:1の範囲である。さらに好ましいブレンドにおいて、第1の非ポリマー性半導体と第3の非ポリマー性半導体との重量比は、1:1〜1:4、例えば約1:2の範囲である。さらに好ましいブレンドにおいて、第1、第2および第3の非ポリマー性半導体の重量比は、(1:1.5:4)〜(1:4:10)である。
本発明のブレンドは、ポリマー、好ましくはポリマー性半導体を含む。堆積のための溶液またはブレンドに存在するポリマー性半導体は、溶液からの加工処理に好適ないずれかの既知のポリマー性半導体であってもよい。当業者に既知のポリマー性半導体の例は、先行技術、例えばSmith et.al.,Applied Physics Letters,Vol 93,253301(2008);Russell et.al.,Applied Physics Letters,Vol 87,222109(2005);Ohe et. al.,Applied Physics Letters,Vol 93,053303(2008);Madec et. al.,Journal of Surface Science&Nanotechnology,Vol 7,455−458(2009);およびKang et.al.,J.Am. Chem.Soc.,Vol 130,12273−75(2008)に記載されている。
好適なポリマー性半導体は市販されている。
好ましくはポリマー性半導体は共役ポリマーである。好ましくはポリマー性半導体は、式(II)の繰り返しユニットを含む
Figure 2016511549
式中、RおよびRは、同一または異なって、それぞれは水素、1〜16個の炭素原子を有するアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子、窒素原子および/またはセレニウム原子を含有する5〜7員のヘテロアリール基からなる群から選択され、このアリール基またはヘテロアリール基は、非置換であるか、または1〜16個の炭素原子を有するアルキル基および1〜16個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1つ以上の置換基で置換される。
アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルまたはデシルが挙げられる。アリール基の例としては、フェニル、インデニル、ナフチル、フェナントレニル、およびアントラセニル基が挙げられる。5〜7員のヘテロアリール基の例としては、フリル、チエニル、ピロリル、アゼピニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピラニル、ピリジイル、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニル基が挙げられる。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシおよびブトキシが挙げられる。
好ましいポリマー性半導体において、RおよびRは同じである。
好ましいポリマー性半導体は、式(II)の繰り返しユニットを含み、式中、RおよびRはそれぞれ、水素、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、およびフェニル基からなる群から選択され、このフェニル基は、非置換であるか、または1〜12個の炭素原子を有するアルキル基および1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1つ以上の置換基で置換される。さらにより好ましいポリマー性半導体は、式(II)の繰り返しユニットを含み、式中、RおよびRはそれぞれ、4〜12個の炭素原子を有するアルキル基、およびフェニル基からなる群から選択され、このフェニル基は、非置換であるか、または4〜8個の炭素原子を有するアルキル基および4〜8個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1つ以上の置換基で置換される。なおさらに好ましいポリマー性半導体は式(II)の繰り返しユニットを含み、式中、RおよびRはそれぞれ、4〜12個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルまたはデシル、特にオクチル、例えばn−オクチル(ocytyl)からなる群から選択される。
さらに好ましい半導体性ポリマーは、式(III)の繰り返しユニットを含む。
Figure 2016511549
式中、ArおよびArは、同一または異なって、それぞれは5〜14個の炭素原子を有するアリール、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子、窒素原子および/またはセレニウム原子を含有する5〜7員のヘテロアリール基から選択され、このアリール基またはヘテロアリール基は、非置換であるか、または1〜16個の炭素原子を有するアルキル基および1〜16個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1つ以上の置換基で置換される。
は1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、または非置換であってもよくもしくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基で置換されてもよいフェニル基である。
nは、1以上の整数であり、好ましくは1または2である。
アリール基の例としては、フェニル、インデニル、ナフチル、フェナントレニル、およびアントラセニル基が挙げられる。5〜7員のヘテロアリール基の例としては、フリル、チエニル、ピロリル、アゼピニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピラニル、ピリジイル、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニル基が挙げられる。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルまたはデシルが挙げられる。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシおよびブトキシが挙げられる。
式(III)の繰り返しユニットを含む好ましいポリマー性半導体において、ArおよびArは同一である。特に好ましくはArおよびArのそれぞれはフェニル基、好ましくは非置換フェニル基である。
式(III)の繰り返しユニットを含むさらに好ましいポリマー性半導体において、Rは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、または非置換であってもよくもしくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基で置換されてもよいフェニル基である。特に好ましくは、Rはアルキル基、特に2〜5個の炭素原子を含むアルキル基、例えばエチル、プロピル、ブチル、ペンチルである。さらにより好ましくはRは、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、例えばエチル、プロピル、ブチル、ペンチルで置換されたフェニル基である。
さらにより好ましくは、本発明のブレンドに存在するポリマー性半導体は、式(II)の繰り返しユニットおよび式(III)の繰り返しユニットを含む。好ましくは式(II)と式(III)との繰り返しユニットの比は、3:1〜1:3、より好ましくは2:1〜1:2、さらにより好ましくは約1:1の範囲である。特に好ましくは、ポリマー性半導体は、式(iv)の繰り返しユニットを含む。
Figure 2016511549
式中、R、R、Ar、ArおよびRは、(II)および(III)に関連して上記で定義された通りである。
さらにより好ましくは、ポリマー性半導体は、TFB[9,9’−ジオクチルフルオレン−co−N−(4−ブチルフェニル)−ジフェニルアミン]nであり、ここでnは100を超える。あるいはポリマー性半導体はPFB[(9,9−ジオクチルフルオレン−co−ビス−N,N−(4−ブチルフェニル)−ビス−N,N−フェニル−1,4−フェニレンジアミン)nであり、ここでnは100を超える。
好ましくは半導体性層においてポリマー性半導体と非ポリマー性半導体との重量比は、60:40〜90:10、より好ましくは70:30〜85:15、さらにより好ましくは約75:25の範囲である。
本発明のブレンドは、ポリマー、例えばポリマー性半導体、第1の非ポリマー性半導体、第2の非ポリマー性半導体および第3の非ポリマー性半導体を、例えば撹拌または振とうによって混合することによって製造できる。
本発明のブレンドは、有機電子デバイス、例えばホストポリマーよりも高い移動度材料が必要とされる薄膜トランジスタの半導体層を調製するための溶液の調製に特に有用である。溶液の調製における本発明のブレンドの使用により、有利なことには、より高い総固形分重量濃度を有する溶液を得ることができる。複数の非ポリマー性半導体を含むブレンドの使用によりまた、有益なことには、溶液加工処理技術における得られた溶液の加工処理ウィンドウを広げる。
本発明の溶液は、先に記載されたブレンドおよび溶媒を含む。溶液に組み込まれるための好ましいブレンドは、上記で好ましいと記載されたブレンドである。
好ましくは溶液中に存在する溶媒は芳香族である。好ましくは芳香族溶媒は、置換ベンゼン、置換ナフタレン、置換テトラヒドロナフタレンまたは置換もしくは非置換C5−8シクロアルキルベンゼンから選択される。好適な芳香族溶媒は、一連の供給元から市販されている。無水等級の溶媒が通常選択される。こうした溶媒は、一般にポリマー性半導体および非ポリマー性半導体の両方の溶液を形成できる。
好ましくは芳香族溶媒は式(Va)、(Vb)、(Vc)または(Vd)を有する。
Figure 2016511549
式中、
は、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、またはC(O)OC1−6アルキルから選択され、および
およびRはそれぞれ独立に、H、C1−6アルキル、OC1−6アルキルまたはC(O)OC1−6アルキルから選択され、および
nは1、2または3である。
式(Va)の一部の好ましい溶媒において、RはC1−6アルキルである。さらに好ましい溶媒において、RはHである。なおさらに好ましい溶媒において、RはC1−6アルキル、好ましくはメチルである。さらにより好ましくはRはC1−6アルキル、好ましくはメチルであり、RはHであり、RはC1−6アルキルである。
式(Va)の他の好ましい芳香族溶媒において、Rは、OC1−6アルキル、特にメトキシ(OMe)またはエトキシ(OEt)である。さらに好ましい溶媒において、RはHであり、C1−6アルキル(例えばメチルまたはエチル)またはOC1−6アルキル(例えばメトキシまたはエトキシ)である。なおさらに好ましい溶媒において、RはHである。特に好ましくはRはOC1−6アルキル、例えばOMeまたはOEtであり、RはC1−6アルキル、例えばメチルまたはエチルであり、RはHであり、またはRはOC1−6アルキル、例えばOMeまたはOEtであり、RはHおよびRである。
他の好ましい芳香族溶媒において、RはC(O)OC1−6アルキル、特にC(O)OMeまたはC(O)OEtである。さらに好ましい溶媒において、RはHまたはC1−6アルキル(例えばメチルまたはエチル)である。なおさらなる好ましい溶媒において、RはHである。特に好ましくは、RはC(O)OC1−6アルキル、例えばC(O)OMeまたはC(O)OEtであり、RはHであり、RはHである。
式(Vb)の好ましい芳香族溶媒において、nは1または2、特に2である。特に好ましい溶媒において、RおよびRの少なくとも1つはHである。さらにより好ましくは、RおよびRの両方がHである。
式(Vc)の好ましい芳香族溶媒において、RおよびRの少なくとも1つはC1−6アルキルである。式(Vc)のさらに好ましい溶媒において、RはHである。なおさらに好ましい溶媒において、RはC1−6アルキル、好ましくはメチルである。さらにより好ましくはRはHであり、RはC1−6アルキル、好ましくはメチルである。
式(Vd)の好ましい芳香族溶媒において、nは1または2、特に2である。特に好ましい溶媒において、RおよびRの少なくとも1つはHである。さらにより好ましくは、RおよびRの両方がHである。
芳香族溶媒が二置換である場合、置換基は、[1,2]、[1,3]または[1,4]置換パターンで存在し得る。しかし、好ましくは置換基は[1,2]またはオルトパターンで存在する。芳香族溶媒が三置換である場合、置換基は、好ましくは[1,3,5]置換パターンで存在する。
好ましくは芳香族溶媒は、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、アニソール(またはメトキシベンゼン)、メシチレン、エトキシベンゼン、2−メチルアニソール、3−メチルアニソール、4−メチルアニソール、1−エトキシ−2−メチルベンゼン、1−エトキシ−3−メチルベンゼン、1−エトキシ−4−メチルベンゼン、アセトフェノン、テトラリン、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1−メトキシ−2−エトキシベンゼン、1−メトキシ−3−エトキシベンゼン、1−メトキシ−4−エトキシベンゼン、エチルベンゾエート、1,2−ジエトキシベンゼン、2−メチルアセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、2−エチルアセトフェノン、3−エチルアセトフェノン、4−エチルアセトフェノン、1,3−ジエトキシベンゼン、1,4−ジエトキシベンゼン、2−メトキシアセトフェノン、3−メトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、エチル2−メチルベンゾエート、エチル3−メチルベンゾエート、エチル4−メチルベンゾエート、エチル2−エチルベンゾエート、エチル3−エチルベンゾエート、エチル4−エチルベンゾエート、1−メチルナフタレンおよびシクロヘキシルベンゼンからなる群から選択される。特に好ましくは芳香族溶媒は、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、アニソール(またはメトキシベンゼン)、メシチレンおよびテトラリンからなる群から選択される。
上記で記述されるように、本発明のブレンドの利点は、より高い総固形分(すなわちポリマー性半導体および非ポリマー性半導体の総重量)濃度を有する溶液が得られ得ることである。これは、より広い加工処理ウィンドウを提供するので、高度に有利であり、例えば溶液は、ターゲットフィルム厚さを得るために種々の条件下でより速いスピン速度にて、長期間にわたってスピンコーティングでき、乾燥できる。
本発明の好ましい溶液において、溶媒中の固形分の総濃度は、少なくとも1.0%w/v、より好ましくは少なくとも1.5%w/vである。より好ましくは溶媒中の固形分の総濃度は、1.5〜3%w/v、さらにより好ましくは1.6〜2.5w/vである。溶媒はo−キシレンである場合、固形分の総濃度は、好ましくは約1.6%w/vである。溶媒がテトラリンである場合、固形分の総濃度は好ましくは約1.8%w/vである。
本発明の溶液は、従来の方法によって調製されてもよい。故に、好ましくは溶液は、先に定義されたようなブレンドおよび溶媒を混合(例えば撹拌または振とう)することによって調製される。あるいは溶液は、ブレンドの各構成成分を溶媒に個々に混合することによって調製されてもよい。溶液の加熱は、固形分の溶媒への完全な溶解を確実にするために必要とされ得る。
本発明のブレンドおよび溶液は、有機電子デバイスの半導体層の調製に特に有用である。本発明のブレンドおよび溶液の使用により、一連の加工処理条件下で高移動度を有する半導体性層を調製可能である。
方法は、先に定義されたような溶液を堆積させる工程および堆積した溶液を加熱して、この溶媒を蒸発させ、この半導体性層を形成する工程を含む。方法に使用するための好ましい溶液は、好ましいと上記で記載されるものである。
半導体性層の堆積は、好ましくは溶液加工処理によって行われる。従来の溶液系加工処理方法が使用されてもよい。溶液系加工処理方法の代表的な例としては、スピンコーティング、浸漬コーティング、スロットダイコーティング、ドクターブレードコーティング、インクジェット印刷、フレキソおよびグラビア印刷が挙げられる。しかし、本発明の好ましい方法において、フィルムの堆積はスピンコーティングによって行われる。
半導体フィルムをスピンコーティングするために使用されるパラメータ、例えばスピンコーティング速度、加速および時間は、半導体性層についてのターゲット厚さの基準により選択される。上記で記述されるように、本発明の溶液の利点は、より広範囲のスピンコーティング条件が使用され得ることである。好ましくはスピン速度は400〜4000rpm、より好ましくは400〜3000rpm、さらにより好ましくは400〜2000rpmである。好ましくはスピン時間は10〜100秒、より好ましくは15〜60秒、さらにより好ましくは30〜60秒である。好ましくはレストからの加速時間は、10秒未満、好ましくは5秒未満、さらにより好ましくは3秒未満である。いずれかの従来のスピンコーティング装置が使用されてもよい。装置は、従来の様式で使用される。
半導体性層を形成するために堆積された溶液の加熱は、好ましくはホットプレートで行われる。加熱工程は、溶液中に存在する溶媒を蒸発させる。好ましくは加熱工程においてホットプレートの温度は、75〜250℃、より好ましくは80〜150℃、さらにより好ましくは90〜120℃である。好ましくは加熱時間は、15〜180秒、より好ましくは30〜120秒、さらにより好ましくは45〜90秒である。いずれかの従来の加熱装置、例えばホットプレート、対流式オーブン、真空補助乾燥が使用されてもよい。装置は、従来の様式で使用される。
加熱は、堆積直後に行われてもよく、または遅延されてもよい。有利なことには、これは得られた半導体性層の電気的性能に影響を与えない。
好ましくは半導体性層の厚さは、5〜200nm、より好ましくは10〜100nm、さらにより好ましくは20〜70nmである。
本発明のブレンドおよび溶液は、半導体性層がソースおよびドレイン電極の少なくとも一部にわたって、およびそれらの間に位置するチャンネル領域に堆積される場合、特にソースおよびドレイン電極が表面改質化合物、例えばフッ素化ベンゼンチオールまたは電子受容体材料、例えばフッ素化フラーレンでプレ処理されている場合に特に有利である。こうしたプレ処理は、金属コンタクトの仕事関数の増大および電荷注入のための障壁の低減を通してデバイスの接触抵抗を低減するために行われる。しかし、フッ素化ベンゼンチオールのような処理の欠点は、得られた処理電極表面は、非ポリマー性半導体の横方向の分布を乱す傾向があることである。結晶核形成中心は、処理された電極表面の領域に集中する傾向があり、顕著な結晶成長が生じる場合に、大きな分離が生じる場合があり、非ポリマー性半導体のない領域、ひいては低い移動度のポリマー性構成成分が原因の大部分である電気的特性のない領域を導き得る。顕著な結晶成長は、処理された電極表面に対して垂直に生じることがあり、半導体性層の上方面から突出することさえある。1つの領域での結晶の集中は、必然的に、他の領域からの結晶の欠乏があることを意味する。故に、全体の結果は、電極を覆うポリマー性半導体に埋め込まれた結晶性の非ポリマー性半導体のドメインが単離され、チャンネル領域における結晶の横方向の被覆が低下する。
本発明のブレンドおよび溶液中の非ポリマー性半導体の混合物の存在は、堆積工程中の結晶化を抑制し、そうして結晶化は、加熱工程において迅速に均質に生じる。それによって、結晶化は、ソースおよびドレイン電極ならびにチャンネル領域の両方にわたって延びる。結果として半導体性層を含むデバイスは、高い移動度および低い接触抵抗を有する。
本発明の方法において、溶液またはブレンドは、ソースおよびドレイン電極の少なくとも一部にわたって、および電極間に位置するチャンネル領域に堆積される。本発明の方法は、半導体フィルムの堆積の前に、チャンネル領域の表面に、自己集合単層(SAM)を結合させる工程を含んでいてもよい。存在する場合、SAMは、半導体溶液に対する湿潤表面として残しながら、チャンネル領域の表面の極性を低減するように作用すべきである。SAMの基板アンカー基、例えばシランまたはシラザンは、フェニルまたはナフチレンのような末端基を有するガラスに好ましい。
本発明の好ましい方法において、1つの表面の少なくとも一部、より好ましくは電極それぞれの少なくとも1つの表面は、表面改質化合物でコーティングされる。表面改質化合物は、好ましくは半導体と電極との間の接触抵抗を低減し、ひいてはソースおよびドレイン電極の仕事関数を変更することによって電荷注入のための障壁を低減する。
好ましくは表面改質化合物は、部分的にフッ素化されたフラーレンである。部分的にフッ素化されたフラーレンのフラーレンは、中空球体または楕円の形態のいずれかの炭素同素体であってもよい。フラーレンは、好ましくは5、6および/または7員環、好ましくは5および/または6環に配置される炭素原子からなる。C60Buckminsterフラーレンが特に好ましい。
部分的にフッ素化されたフラーレンは、好ましくは式Cを有し、式中、bは10〜60(10〜50であってもよい)の範囲であり、aは、bより大きい、例えば40〜90、より好ましくは50〜70である。例としては、C6018、C6020、C6036、C6048、C7044、C7046、C7048、およびC7054が挙げられる。部分的にフッ素化されたフラーレンおよびそれらの合成は、例えばAndreas Hirsch and Michael Brettreich,「Fullereness:Chemistry and Reactions」,2005 Wiley−VCH Verlag GmbH&Co KGaA,「The Chemistry Of Fullereness」,Roger Taylor(editor)Advanced Series in Fullereness−Vol.4および「Chemical Communications,1996(4),529−530により詳細に記載されている。部分的にフッ素化されたフラーレンは、炭素およびフッ素のみからなってもよく、または他の元素、例えばフッ素以外のハロゲンおよび/または酸素を含んでいてもよい。
部分的にフッ素化されたフラーレンは、好ましくは、例えば室温において、テトラエチルアンモニウムペルクロレートを支持電解質として用い、4.94eVとしてSCEのフェルミエネルギー準位を想定した飽和カロメル電極(SCE)に対するサイクリックボルタメトリーにより測定される場合に、約−4.0以上(−4.0〜5.0であってもよい)eVの範囲の最低空分子軌道(LUMO)を有する。
ソースおよび/またはドレインコンタクトの仕事関数の変更のための表面処理方法は、好ましくは表面改質化合物のキャリア溶媒への溶解または分散、および得られた溶液または分散液への基板の含浸によって行われる。好ましくは、次いで基板は溶液または分散液から除去され、新しいキャリア溶媒ですすがれ、過剰の非結合化合物を除去する。ソースおよびドレイン電極が部分的にフッ素化されたフラーレンの溶液に含浸される溶液加工処理方法の使用により、ソースおよびドレイン電極のすべての露呈面をコーティングできる場合がある。特に、チャンネルに面したソースおよび/またはドレイン電極の面がコーティングされてもよい。
部分的にフッ素化されたフラーレンのために好適な溶媒としては、ハロゲン、例えば塩素、C1−10アルキル、例えばメチル、およびC1−10アルコキシ、例えばメトキシから選択される1つ以上の置換基で置換されたベンゼンおよびナフタレンが挙げられる。例示的な溶媒としては、モノ塩素化またはポリ塩素化ベンゼンまたはナフタレン、例えばジクロロベンゼンおよび1−クロロナフタレン、1つ以上のメチル基で置換されたベンゼンまたはナフタレン、例えばトルエン、o−キシレン、m−キシレン、1−メチルナフタレン、およびハロゲン、C1−10アルキルおよびC1−10アルコキシの複数で置換された溶媒、例えば4−メチルアニソールが挙げられる。単一溶媒または複数の溶媒の混合物は、部分的にフッ素化されたフラーレンを堆積させるために使用されてもよい。
表面改質層、例えば部分的にフッ素化されたフラーレン層の厚さは、好ましくは10nm以下(5nm未満であってもよい)である。好ましくは表面改質層は結合または吸着層である。一部の場合に、表面改質層は、部分的にまたは全体として単層であってもよい。
半導体性層は、改善された移動度からの利益を享受するいずれかの有機電子デバイスに組み込まれてもよい。しかし、好ましくは有機電子デバイスは有機薄膜トランジスタである。トランジスタは、p型またはn型であってもよいが、好ましくはp型である。好適なトランジスタ構成としては、トップゲートトランジスタおよびボトム−ゲートトランジスタが挙げられる。
本発明の有機電子デバイスは、その間のチャンネル領域を規定するソース電極およびドレイン電極、チャンネル領域にわたって延び、ソース電極およびドレイン電極と電気的に接触した有機半導体性層、ゲート電極、ならびにゲート電極と、有機半導体層およびソース電極およびドレイン電極との間のゲート誘電体を含み、ここで半導体性層は、先に定義されたようなブレンドを含む。デバイスは、好ましくは有機薄膜トランジスタ、例えばトップゲート薄膜トランジスタである。
本発明の好ましいデバイスは、
i)基板、
ii)この基板上に堆積され、その間に位置するチャンネル領域を有するソースおよびドレイン電極、
iii)このソースおよびドレイン電極の少なくとも一部にわたっておよびチャンネル領域において堆積される半導体性層、
iv)この半導体性層にわたって堆積される絶縁層、および
v)この絶縁層上に堆積されるゲート電極を含み、ここでこの半導体性層が先に定義されたようなブレンドを含む。
本発明のさらに好ましいデバイスは、
i)基板、
ii)この基板に堆積されるゲート電極、
iii)このゲート電極にわたって堆積された絶縁層、
iv)この絶縁層にわたって堆積され、それらの間にチャンネル領域を有するソースおよびドレイン電極、
v)このソース電極およびドレイン電極の少なくとも一部にわたっておよびこのチャンネル領域において堆積される半導体性層を含み、ここでこの半導体性層は先に定義されたようなブレンドを含む。
本発明はまた、それらの間にチャンネル領域を規定するソース電極およびドレイン電極、チャンネル領域にわたって延び、ソース電極およびドレイン電極と電気的に接触した有機半導体性層、ゲート電極、ならびにゲート電極と、有機半導体層およびソース電極およびドレイン電極との間のゲート誘電体を含む有機薄層トランジスタを製造する方法に関し、ここで半導体性層は、溶液系加工処理方法(例えばスピンコーティング、浸漬コーティング、スロットダイコーティング、ドクターブレードコーティング、インクジェット印刷、フレキソおよびグラビア印刷)によって堆積される。
1つの好ましい方法において、トランジスタはまたトップゲートトランジスタである。こうした方法において、それらの間に位置するチャンネル領域を有するソースおよびドレイン電極は、好ましくは基板上に堆積され、半導体性層は、ソースおよびドレイン電極の少なくとも一部にわたっておよびこのチャンネル領域において堆積される。好ましくは、1つの表面の少なくとも一部、より好ましくは電極それぞれの少なくとも1つの表面は、上記で記載されたような表面改質化合物でプレコーティングされる。好ましくはこの方法はさらに、半導体性層の表面に絶縁層を堆積させる工程を含む。さらにより好ましくはこの方法はさらに、絶縁層のゲート電極を堆積させる工程を含む。
そのためトップゲート薄膜トランジスタを製造する好ましい方法は、
(i)基板上に、それらの間に位置するチャンネル領域を有するソースおよびドレイン電極を堆積させる工程、
(ii)前記電極の少なくとも1つの表面の少なくとも一部を表面改質化合物で処理する工程(を含んでいてもよい)、
(iii)半導体性層を、ソースおよびドレイン電極の少なくとも一部にわたっておよびチャンネル領域において、先に記載された溶液加工処理方法に従って堆積させる工程、
(iv)半導体性層の表面上に絶縁層を堆積させる工程、および
(v)絶縁層上にゲート電極を堆積させる工程を含む。
別の好ましい方法において、トランジスタはボトムゲートトランジスタである。こうした方法において、それらの間に位置するチャンネル領域を有するソースおよびドレイン電は、基板上に堆積され、この上にゲート電極および絶縁層が既に堆積されており、半導体性層は、ソースおよびドレイン電極の少なくとも一部にわたっておよびチャンネル領域に堆積される。少なくとも1つの表面の少なくとも一部、より好ましくは各電極の少なくとも1つの表面は、上記で記載されるような表面改質化合物でコーティングされる。
故に、ボトムゲート薄膜トランジスタを製造する好ましい方法は、
(i)基板上にゲート電極を堆積させる工程、
(ii)ゲート電極の表面上に絶縁層を堆積させる工程、
(iii)それらの間に位置するチャンネル領域を有するソースおよびドレイン電を絶縁層に堆積させる工程、
(iv)この電極の少なくとも1つの表面の少なくとも一部を表面改質化合物で処理する工程(含んでいてもよい)、および
(v)ソースおよびドレイン電極の少なくとも一部にわたっておよびチャンネル領域に半導体性層を、先に記載された方法に従って堆積させる工程を含む。
電極(ソース、ドレインおよびゲート)は、好ましくは熱蒸発によって堆積される。電極は、好ましくは20〜300nm厚さ、より好ましくは40〜100nmである。絶縁層は、好ましくはスピンコーティングによって堆積される。絶縁層は、好ましくは10〜2000nm厚さ、より好ましくは10〜400nmである。表面改質化合物は、好ましくは含浸によって堆積される。
基板は、ガラスまたはプラスチック(例えばPENまたはPETタイプ)のような当該技術分野において従来通り使用されるいずれかの材料であってもよい。基板は、接着を改善するためにプレ処理されてもよい。
ソース、ドレインおよびゲート電極は、広範囲の伝導材料から選択されてもよい。トップゲートデバイスのための代表的な例としては、基板(例えばクロム、チタン)に接着するための薄い(好ましくは<10nm)金属、続いて作用金属(例えば金属、銀、銅)、金属合金または金属化合物(例えばインジウムスズオキシド)が挙げられる。あるいは伝導性ポリマーは、金属を用いる二層の手法の代わりに使用されてもよい。好ましくはソース、ドレインおよびゲート電極は金属である。より好ましくはソースおよびドレイン電極は、クロムおよび金属の二層を含む。好ましくはゲート電極はアルミニウムである。
絶縁層は好ましくは誘電体である。好適な誘電体の代表的な例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロシクロオキシ脂肪族ポリマー(CYTOP)、ペルフルオロアルコキシポリマー樹脂(PFA)、フッ素化エチレン−プロピレン(FEP)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリビニルフロリド(PVF)、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、ポリビニリデンフロリド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ペルフルオロエラストマー(FFKM)、例えばKalrez(RTM)またはTecnoflon(RTM)、フルオロエラストマー、例えばViton(RTM)、ペルフルオロポリエーテル(PFPE)およびテトラフルオロエチレンのポリマー、ヘキサフルオロプロピレンおよびフッ化ビニリデン(THV)が挙げられる。フッ素化ポリマーは、以下を含む多数の好ましい特性を保持するので、特に有機薄膜ドランジスタ(OTFT)の分野における誘電体のための有用な選択肢である。(i)優れたスピンコーティング特性、例えば(a)種々広範な表面を湿潤することおよび(b)多層コーティングを行う選択肢を伴うフィルム形成、(iii)ほぼ完全な溶媒直交性、結果として誘電体をスピンコーティングするために使用される溶媒によって溶解する有機半導体のリスクが最小である、および(iv)高い疎水性、これはフッ素化ポリマー誘電体における低い水吸収性およびイオン性不純物の低い移動度(低ヒステリシス)をもたらすので有利であり得る。
本発明の好ましいデバイスおよび方法は、以下の特徴の1つ以上を有する。
基板:クロム接着層を有するガラス基板
ソースおよびドレイン電極:金
ソースおよびドレイン電極厚さ:5〜200nm
電極表面改質化合物:部分的にフッ素化されたフラーレン
チャンネル長さ:20ミクロン未満、例えば10または5ミクロン
半導体性層厚さ:60〜80nm
絶縁層:PTFE
絶縁層厚さ:50〜500nm
ゲート電極:アルミニウム
ゲート電極厚さ:20〜300nm
本発明の方法によって得ることができる有機デバイスは、半導体性層の非ポリマー性半導体の横方向の分布によって特徴付けられる。特に、非ポリマー性半導体は、電極の表面に平行、特に表面改質化合物で処理された表面に平行な方向に、半導体性層において均質に分配される。これは、本発明の方法によって達成され、ここで半導体性層を堆積させるために使用される溶液は、異なる分子量および構造を有する非ポリマー性化合物の混合物を含み、これにより堆積プロセスの間の結晶化を抑制する。そのため、結晶化は、溶媒を除去するための加熱工程の間に迅速に均質に生じ、垂直方向の顕著な結晶成長を最小限または防止する。
短いチャンネル長さ(<20μm)のデバイスにおいては、接触抵抗が、デバイスの総チャンネル抵抗に大きく寄与し得る。デバイスの接触抵抗が高くなるにつれて、ソースおよびドレイン接触にわたって適用される電圧の降下割合が高くなり、結果としてチャンネル領域にわたるバイアスの低下が生じる。高い接触抵抗は、チャンネル領域にわたって適用される低いバイアス、ひいては低いデバイス移動度のためにデバイスから抽出される電流レベルが相当低くなる作用を有する。本発明のブレンドおよび溶液は、半導体性層における非ポリマー性半導体の横方向の分布を改善して、それによって接触抵抗を低減し得る。これは、特に、短いチャンネル長さを有するデバイスにおいて有利である。
本発明のブレンドおよび溶液を用いて達成されるさらなる利点は、広い加工処理ウィンドウである。故に、本発明のブレンドは、広範囲の溶媒に溶解でき、それらから首尾良く堆積される。加えて本発明の溶液は、ターゲットフィルム厚さを達成するために広範囲の条件(例えばスピン速度および時間)で堆積できる。
典型的なトップゲート薄膜トランジスタの図である。 典型的なボトムゲート薄膜トランジスタの図である。 異なる乾燥温度および直接乾燥を用いて本発明の4構成成分ブレンドを用いて調製された半導体性層で構成されたトップゲートのボトムコンタクト薄膜トランジスタについて得られた飽和移動度(cm/Vs)のプロットを示し、二次y軸には各チャンネル長さにおいて平均移動度の割合としてプロットされた標準偏差を示す。 異なる乾燥温度および遅延乾燥を用いて本発明の4構成成分ブレンドを用いて調製された半導体性層で構成されたトップゲートのボトムコンタクト薄膜トランジスタについて得られた飽和移動度(cm/Vs)のプロットを示し、二次y軸には各チャンネル長さにおいて平均移動度の割合としてプロットされた標準偏差を示す。
図1を参照すると、それはトップゲート薄膜トランジスタの図を示す。構造は、基板1上に堆積されてもよく、ソースおよびドレイン電極2,4を含み、それらの間に位置するチャンネル領域6によって間隔があいている。有機半導体8は、チャンネル領域6に堆積され、ソースおよびドレイン電極2,4の少なくとも一部にわたって延びていてもよい。誘電体材料の絶縁層10は、有機半導体8にわたって堆積され、ソースおよびドレイン電極2,4の少なくとも一部にわたって延びていてもよい。最後に、ゲート電極12は、絶縁層10にわたって堆積される。ゲート電極12は、チャンネル領域6にわたって位置し、ソースおよびドレイン電極2,4の少なくとも一部にわたって延びていてもよい。
図2は、ボトムゲート薄膜トランジスタの図を示す。図2において、同様の参照番号は、図1に対応する部品のために使用されている。図2に示されるボトム−ゲート構造は、基板1上に堆積されたゲート電極12を含み、その上に誘電体材料の絶縁層10が堆積されている。ソースおよびドレイン電極2,4は、誘電体材料の絶縁層10にわたって堆積される。ソースおよびドレイン電極2,4は、ゲート電極にわたってそれらの間に位置するチャンネル領域6によって間隔があけられている。有機半導体8は、チャンネル領域6に堆積され、ソースおよびドレイン電極2,4の少なくとも一部にわたって延びていてもよい。
トランジスタのチャンネルの伝導率は、ゲートにおける電圧の適用によって変更できる。このようにしてトランジスタは、適用されたゲート電圧を用いて電源を入れたり、切ったりでできる。所与の電圧に関して得ることができるドレイン電流は、ソース電極とドレイン電極との間のチャンネル領域における電荷キャリアの移動度に依存する。故に、低い操作電圧を用いて高いドレイン電流を得るために、有機薄膜トランジスタは、チャンネル領域において、高度に移動性の電荷キャリアを有する有機半導体を有していなければならない。
[実施例]
材料
トルエンおよびテトラリンはSigma−Aldrichから得られた。
有機薄膜トランジスタの製作のための調製実施例
(i)OTFT基板のプレ洗浄および自己集合単層(SAM)のプレ処理:
デバイスの製作における第1の工程は、接触抵抗が最小限になることを確実にするために、デバイス基板のプレ洗浄およびソースおよびドレイン電極の表面処理材料の適用を必要とした。基板は、ガラス表面上でのクロム接着層(5/40nmのCr/Au)の頂部における金ソースおよびドレイン電極からなる。基板は、残留フォトレジスト材料(ソース−ドレイン電極の規定のために使用した)が確実に除去されるように、酸素プラズマによって洗浄した。
プラズマ処理の後、電極表面改質化合物(C6036)を、5分間、トルエン溶液に基板をフロッドすることによって、1mMの濃度でトルエン溶液から適用した。スピンコーター上で基板をスピンニングすることによって溶液を除去し、次いでそれをトルエン中ですすいで、ソースおよびドレイン電極上に吸着されていない未反応材料を除去した。これらの工程はすべて空気中で行った。次いでサンプルを乾燥窒素環境に輸送し、60℃で10分間ベークし、サンプルの脱水を確実にした。
(ii)半導体ブレンド溶液の調製およびスピンコーティング:
非ポリマー性半導体およびポリマー性半導体のブレンドは、テトラリン中の溶液として調製した。ブレンドは、非ポリマー性半導体およびポリマー性半導体および溶媒混合物のプレ加重混合物から所望の濃度の単一溶液を製造することによって調製した。ブレンドは、1.8%w/v(1mlの溶媒あたり18mgの固形分)の濃度に調製した。
テトラリン溶液は、例えばキシレンよりもプロセスウィンドウが広いので、テトラリンをテスト溶媒として選択した。溶媒の特性、例えば高い表面張力(>35mN/m)および高い(>200℃)沸点は、堆積および/またはフィルム乾燥工程の間に、基板の縁部からフィルムのこうした後退作用を生じ得る。フィルムの過剰の後退を克服するため、スピンコーティング条件、例えばより速いスピンコーティング速度および/または時間を使用するが、デバイスの性能に影響を与えないことが重要である。この実施例において、本発明の4構成成分ブレンド(1.8%w/vの濃度)の加工処理ウィンドウは、直後の乾燥対2分後の遅延乾燥によって、異なる条件で半導体性層の乾燥を行うことによってテストする。後者は、現実の製造シナリオを再現することを意図しており、ここでは堆積される半導体性層の少なくとも一部と乾燥されているものとの間に遅延が不可避である。より広い加工処理ウィンドウは、使用されるスピンコーティング条件に拘わらず、高い一貫した移動度の発生によって示される。
4構成成分ブレンドの組成物を以下の表に示す。ポリマー性半導体は、上記およびWO2010/084977に開示されるように、F8−TFBであった。非ポリマー性半導体は、以下に示される通りであり、WO2011/004869に開示される方法に従って調製される)。
Figure 2016511549
このブレンドの堆積は、30秒の期間、930rpmのコーティング速度にてスピンコーターを用いて行われた。単相スピンを使用した。次いで得られた湿潤フィルムを、110℃の温度のホットプレートにて1分間乾燥した。層の厚さは70nmであった。
(iii)誘電体層の堆積:
次いで誘電体層は、この半導体フィルムにおいてPTFEの溶液をスピンコーティングすることによって堆積させた。誘電体層の厚さは、350nmであった。
(iv)ゲート電極の堆積:
最終的に、ゲート電極は、所望のトップゲート有機薄膜トランジスタを得るために、シャドウマスクを通して250nmのアルミニウムの熱蒸発によって堆積させた。
比較例
比較デバイスは、半導体ブレンドの組成が以下に示される通りである以外は上記で記載される方法によって調製した。
Figure 2016511549
上記ブレンドを、o−キシレン中の溶液(1.2%w/v)として調製した。このブレンドの堆積は、30秒の期間にわたって600rpmのコーティング速度にてスピンコーターを用いて製造した。乾燥は直ちに行った。層の厚さは87nmであった。
デバイス特徴付け:
上記で記載されるように製造されたデバイスは、Hewlett Packard 4156C半導体パラメータ分析器を用いて、出力およびトランスファデバイス特徴を測定することによって、周囲条件(デバイスの封入を使用しなかった)にて測定された。デバイスは、+40〜−40Vおよびその逆のゲートバイアス掃引を用いて線形および飽和レジーム(それぞれ−3Vおよび−40Vのドレイン−ソースバイアス)にて特徴付けた。図3aおよび3bのデータは、ソースコンタクトに関して−40Vのドレインバイアスに基づいて5および10ミクロンのチャンネル長さのデバイスについてのピーク飽和移動度の平均を強調している。ピーク飽和移動度は、上記で記載されるようにゲートバイアスに関して計算される場合に、デバイスの最大飽和移動度を指す。8個のTFTが、チャンネル長さあたりで使用された。
平均移動度に加えて、移動度の偏差も上記でプロットする。エラーバーは+/−1の標準偏差を表す。標準偏差はまた、二次y軸上に各チャンネル長さにおいての平均移動度の割合としてプロットされる。
飽和レジームにおいて、ドレイン電流は、ドレインバイアスに対して「飽和」であると言え、このようにより高いドレインバイアスはより高いドレイン電流をもたらさない。移動度は、どの程度の電流がデバイスを通って送達されるかの基準であり、半導体材料自体の固有移動度を必ずしも指すわけではない(多くの場合においてこれは真実であるが)。例えば、チャンネル領域において同じ移動度の材料を有するデバイスは、別のデバイスに比べてより高い接触抵抗を示すことがあり、故に低い「デバイス」移動度を示す。
5および10ミクロンのチャンネル長さを有する比較デバイスの平均飽和移動度は、両方とも0.1cm/Vsであった。
図3aおよび3bは、本発明のブレンドを用いて製作されたデバイスの性能および性能の均一性を強調している。本発明のデバイスは、比較デバイスよりも少なくとも3倍高い平均飽和移動度を一貫して達成する。理論に束縛されることを望まないが、改善された移動度は、本発明のブレンドおよび溶液を用いて達成された改善された横方向の均質性によるものであると考えられる。
短いチャンネル長さにおいて、本発明のデバイスはまた、使用された乾燥温度および乾燥レジーム(直接または遅延)に拘わらず、一貫したピーク飽和移動度を達成する。まず、移動度のレベルは、乾燥が60、80または100℃で生じるかどうかに拘わらず、相当一貫している。第2に、各条件下で調製されたそれぞれの複製デバイスについて、観察される移動度範囲は狭かった。これは、両方のチャンネル長さおよびすべての乾燥温度において平均移動度の割合としての標準偏差が10%未満であるという事実から明らかである。第3に、図3aのデータと第3bのデータとの比較は、半導体性層の乾燥において2分間の遅延は、現実の製造状況を模倣することを意図するが、各温度または結果の再現性にて達成される平均ピーク移動度を大きく変化させないことを示している。
これらの結果は、本発明に従って調製されたデバイスが広い加工処理ウィンドウを有することを示す。これは、例えばデバイスの性能に影響を与えずに、異なるフィルム厚さを達成するために加工処理条件を変更可能である。

Claims (41)

  1. (i)ポリマー、
    (ii)第1の非ポリマー性半導体、
    (iii)第2の非ポリマー性半導体、および
    (iv)第3の非ポリマー性半導体
    を含む有機電子デバイスの半導体性層を調製するためのブレンド。
  2. 3つの非ポリマー性半導体を含む、請求項1に記載のブレンド。
  3. 前記第2の非ポリマー性半導体が、前記第1の非ポリマー性半導体よりも高い分子量を有する、請求項1または2に記載のブレンド。
  4. 前記第3の非ポリマー性半導体が、前記第2の非ポリマー性半導体よりも高い分子量を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のブレンド。
  5. 前記第1、第2および第3の非ポリマー性半導体が式(I)を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のブレンド:
    Figure 2016511549
    式中、Aは、フェニル基またはチオフェン基であり、前記フェニル基またはチオフェン基は、フェニル基またはチオフェン基(これは非置換であることができ、または式Xの少なくとも1つの基で置換できる)と縮合してもよいおよび/またはフェニル基、チオフェン基およびベンゾチオフェン基から選択される基と縮合してもよく、前記フェニル、チオフェンおよびベンゾチオフェン基のいずれかは、非置換であるか、または式Xの少なくとも1つの基で置換される、および
    各基Xは、同一または異なっていてもよく、(i)1〜20個の炭素原子を有する非置換または置換の直鎖、分岐または環状アルキル基、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、非置換であってもよくまたは1〜8個の炭素原子を有する1もしくは2つのアルキル基(そのそれぞれは同一または異なっていてもよい)で置換されてもよいアミノ基、アミド基、シリル基、および2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基、または(ii)ハロゲン、ボロン酸、ジボロン酸ならびにボロン酸およびジボロン酸のエステル、2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基およびスタンニル基からなる群から選択される重合性または反応性基からなる群から選択される。
  6. 前記第1、第2および第3の非ポリマー性半導体それぞれが式(Ia)を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のブレンド。
    Figure 2016511549
    式中、各基Xは、同一または異なっていてもよく、1〜20個の炭素原子を有する非置換または置換の直鎖、分岐または環状アルキル基、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、非置換であってもよくまたは1〜8個の炭素原子を有する1つもしくは2つのアルキル基(そのそれぞれが同一または異なっていてもよい)で置換されてもよいアミノ基、アミド基、シリル基および2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基からなる群から選択される。
  7. 前記第1、第2および第3の非ポリマー性半導体それぞれが式(Iai)を有する、請求項6に記載のブレンド。
    Figure 2016511549
    式中、各基Xは、同一または異なっていてもよく、1〜20個の炭素原子を有する非置換または置換の直鎖、分岐または環状アルキル基、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、非置換であってもよくまたは1〜8個の炭素原子を有する1つもしくは2つのアルキル基(そのそれぞれが同一または異なっていてもよい)で置換されてもよいアミノ基、アミド基、シリル基および2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基からなる群から選択される。
  8. 各基Xが、1〜20個の炭素原子を有する非置換または置換の直鎖、分岐または環状アルキル基である、請求項6または7に記載のブレンド。
  9. 各基Xが直鎖アルキル基である、請求項8に記載のブレンド。
  10. 前記アルキル基が1〜16個の炭素原子を含む、請求項8または9に記載のブレンド。
  11. 各非ポリマー性半導体内において、各基Xが同一であり、式C2n+1の基であり、式中、nは1〜16の整数である、請求項6から10のいずれか一項に記載のブレンド。
  12. n(l)とn(h)との差が少なくとも4である、請求項11に記載のブレンド。
  13. n(l)とn(m)との差が少なくとも2である、請求項11または12に記載のブレンド。
  14. n(m)とn(h)との差が少なくとも1である、請求項11から13のいずれか一項に記載のブレンド。
  15. 前記第2の非ポリマー性半導体が以下である、請求項1から14のいずれか一項に記載のブレンド。
    Figure 2016511549
  16. 前記第1の非ポリマー性半導体が以下から選択される、請求項1から15のいずれか一項に記載のブレンド。
    Figure 2016511549
  17. 前記第1の非ポリマー性半導体が以下である、請求項16に記載のブレンド。
    Figure 2016511549
  18. 前記第3の非ポリマー性半導体が以下から選択される、請求項1から17のいずれか一項に記載のブレンド。
    Figure 2016511549
  19. 前記第3の非ポリマー性半導体が以下である、請求項18に記載のブレンド。
    Figure 2016511549
  20. 前記第1の非ポリマー性半導体が以下であり、
    Figure 2016511549
    前記第2の非ポリマー性半導体が以下であり、
    Figure 2016511549
    前記第3の非ポリマー性半導体が以下である、請求項1から19のいずれか一項に記載のブレンド。
    Figure 2016511549
  21. 前記第1の非ポリマー性半導体と前記第2の非ポリマー性半導体との重量比が1:5〜1:20の範囲である、請求項1から20のいずれか一項に記載のブレンド。
  22. 前記第2の非ポリマー性半導体と前記第3の非ポリマー性半導体との重量比が8:1〜2:1の範囲である、請求項1から21のいずれか一項に記載のブレンド。
  23. 前記第1の非ポリマー性半導体と前記第3の非ポリマー性半導体との重量比が1:1〜1:4の範囲である、請求項1から22のいずれか一項に記載のブレンド。
  24. 前記ポリマーがポリマー性半導体である、請求項1から23のいずれか一項に記載のブレンド。
  25. 前記ポリマー性半導体が式(II)の繰り返しユニットおよび式(III)の繰り返しユニットを含む、請求項24に記載のブレンド。
    Figure 2016511549
    式中、RおよびRは、同一または異なって、それぞれは水素、1〜16個の炭素原子を有するアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子、窒素原子および/またはセレニウム原子を含有する5〜7員のヘテロアリール基からなる群から選択され、前記アリール基またはヘテロアリール基は、非置換であるか、または1〜16個の炭素原子を有するアルキル基および1〜16個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1つ以上の置換基で置換される。
    Figure 2016511549
    式中、ArおよびArは、同一または異なって、それぞれは5〜14個の炭素原子を有するアリール、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含有する5〜7員のヘテロアリール基から選択され、このアリール基またはヘテロアリール基は、非置換であるか、または1〜16個の炭素原子を有するアルキル基および1〜16個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1つ以上の置換基で置換される、
    は、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、または非置換であってもよくもしくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基で置換されてもよいフェニル基である、
    nは、1以上の整数であり、好ましくは1または2である。
  26. 前記ポリマー性半導体が、F8−TFB[9,9’−ジオクチルフルオレン−co−N−(4−ブチルフェニル)−ジフェニルアミン]nであり、ここでnは100を超える、請求項25に記載のブレンド。
  27. 請求項1から26のいずれか一項に記載のブレンドおよび溶媒を含む溶液。
  28. 前記溶媒が芳香族である、請求項27に記載の溶液。
  29. 前記溶媒中の固形分の総濃度が、少なくとも1.5%w/vである、請求項27または28に記載のブレンド。
  30. 前記溶媒がo−キシレンであり、前記溶媒中の固形分の総濃度が、少なくとも1.6%w/vである、請求項27から29のいずれか一項に記載のブレンド。
  31. 前記溶媒がテトラリンであり、前記溶媒中の固形分の総濃度が、少なくとも1.8%w/vである、請求項27から29のいずれか一項に記載のブレンド。
  32. 有機電子デバイスの半導体性層の調製における、請求項27から31のいずれか一項に記載の溶液または請求項1から26のいずれか一項に記載のブレンドの使用。
  33. (i)請求項27から31のいずれか一項に記載の前記溶液を堆積させる工程、および(ii)前記堆積された溶液を加熱し、前記溶媒を蒸発させ、前記半導体性層を形成する工程を含む有機電子デバイスの半導体性層を調製するための方法。
  34. 堆積がスピンコーティングによって行われる、請求項33に記載の方法。
  35. スピンコーティングが400〜4000rpmの速度で行われる、請求項34に記載の方法。
  36. 前記スピンコーティングが10〜100秒間行われる、請求項33または34に記載の方法。
  37. 前記半導体性層が5〜200nmの厚さを有する、請求項33から35のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記溶液が、ソースおよびドレイン電極の少なくとも一部にわたって、および前記電極間に位置するチャンネル領域に堆積される、請求項33から37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記電極のそれぞれの少なくとも1つの表面の少なくとも一部が表面改質化合物でコーティングされている、請求項38に記載の方法。
  40. それらの間にチャンネル領域を規定するソース電極およびドレイン電極、前記チャンネル領域にわたって延び、前記ソース電極および前記ドレイン電極と電気的に接触した有機半導体性層、ゲート電極、ならびに前記ゲート電極と、前記有機半導体層および前記ソース電極および前記ドレイン電極との間のゲート誘電体を含む有機電子デバイスを製造する方法であって、前記半導体性層が請求項33から39のいずれか一項に記載の方法によって堆積される、方法。
  41. それらの間にチャンネル領域を規定するソース電極およびドレイン電極、前記チャンネル領域にわたって延び、前記ソース電極および前記ドレイン電極と電気的に接触した有機半導体性層、ゲート電極、ならびに前記ゲート電極と、前記有機半導体層および前記ソース電極および前記ドレイン電極との間のゲート誘電体を含む有機電子デバイスであって、前記半導体性層が請求項1から26のいずれか一項に記載のブレンドを含む有機電子デバイス。
JP2015562309A 2013-03-14 2014-03-12 有機半導体性ブレンド Ceased JP2016511549A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GBGB1304613.1A GB201304613D0 (en) 2013-03-14 2013-03-14 Blend
GB1304613.1 2013-03-14
PCT/GB2014/050733 WO2014140568A1 (en) 2013-03-14 2014-03-12 Organic semiconducting blend

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016511549A true JP2016511549A (ja) 2016-04-14

Family

ID=48226327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015562309A Ceased JP2016511549A (ja) 2013-03-14 2014-03-12 有機半導体性ブレンド

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20160035987A1 (ja)
JP (1) JP2016511549A (ja)
KR (1) KR20150129836A (ja)
CN (1) CN105190924B (ja)
DE (1) DE112014001248T5 (ja)
GB (2) GB201304613D0 (ja)
WO (1) WO2014140568A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019024068A (ja) * 2017-07-25 2019-02-14 住友化学株式会社 光電変換素子

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6240544B2 (ja) * 2014-03-28 2017-11-29 富士フイルム株式会社 有機半導体膜形成用組成物
GB2536426A (en) * 2015-03-13 2016-09-21 Cambridge Display Tech Ltd Polymer blends for a semiconducting layer of an organic electronic device
JP6665536B2 (ja) * 2016-01-12 2020-03-13 株式会社リコー 酸化物半導体
WO2017187162A1 (en) * 2016-04-27 2017-11-02 Neudrive Limited Semiconducting compositions
US20180247770A1 (en) * 2017-02-27 2018-08-30 Luminescence Technology Corporation Heterocyclic compound for organic electronic device and using the same
CN109509793B (zh) * 2017-09-15 2020-12-01 京东方科技集团股份有限公司 薄膜晶体管、其制造方法及电子装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011137922A1 (de) * 2010-05-03 2011-11-10 Merck Patent Gmbh Formulierungen und elektronische vorrichtungen
WO2012022935A1 (en) * 2010-08-18 2012-02-23 Cambridge Display Technology Limited Low contact resistance organic thin film transistors
JP2012039103A (ja) * 2010-07-13 2012-02-23 Sumitomo Chemical Co Ltd 有機半導体組成物、有機薄膜及びこれを備える有機薄膜トランジスタ
WO2012080701A1 (en) * 2010-12-15 2012-06-21 Cambridge Display Technology Limited Semiconductor blend
JP2013043987A (ja) * 2011-08-26 2013-03-04 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 電子材料組成物

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0229660D0 (en) * 2002-12-20 2003-01-29 Avecia Ltd Electronic devices
WO2004057688A1 (en) * 2002-12-20 2004-07-08 Avecia Limited Improvements in and relating to organic semiconducting materials
KR101410150B1 (ko) * 2006-10-20 2014-06-19 니폰 가야꾸 가부시끼가이샤 전계 효과 트랜지스터
JP5480510B2 (ja) * 2008-03-31 2014-04-23 住友化学株式会社 有機半導体組成物、並びに有機薄膜及びこれを備える有機薄膜素子
CN101257092B (zh) * 2008-04-03 2010-12-08 电子科技大学 一种有机薄膜晶体管及其制备方法
CN101257093B (zh) * 2008-04-03 2010-06-30 电子科技大学 一种有机薄膜晶体管及其制备方法
GB201116251D0 (en) * 2011-09-20 2011-11-02 Cambridge Display Tech Ltd Organic semiconductor composition and organic transistor

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011137922A1 (de) * 2010-05-03 2011-11-10 Merck Patent Gmbh Formulierungen und elektronische vorrichtungen
JP2012039103A (ja) * 2010-07-13 2012-02-23 Sumitomo Chemical Co Ltd 有機半導体組成物、有機薄膜及びこれを備える有機薄膜トランジスタ
WO2012022935A1 (en) * 2010-08-18 2012-02-23 Cambridge Display Technology Limited Low contact resistance organic thin film transistors
WO2012080701A1 (en) * 2010-12-15 2012-06-21 Cambridge Display Technology Limited Semiconductor blend
JP2013043987A (ja) * 2011-08-26 2013-03-04 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 電子材料組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019024068A (ja) * 2017-07-25 2019-02-14 住友化学株式会社 光電変換素子

Also Published As

Publication number Publication date
KR20150129836A (ko) 2015-11-20
GB2526466B (en) 2018-11-14
DE112014001248T5 (de) 2016-01-21
GB201304613D0 (en) 2013-05-01
CN105190924B (zh) 2018-01-02
GB2526466A (en) 2015-11-25
US20160035987A1 (en) 2016-02-04
WO2014140568A1 (en) 2014-09-18
CN105190924A (zh) 2015-12-23
GB201514440D0 (en) 2015-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Duan et al. Scalable fabrication of highly crystalline organic semiconductor thin film by channel‐restricted screen printing toward the low‐cost fabrication of high‐performance transistor arrays
JP6368303B2 (ja) 半導体層を調製する方法
JP2016511549A (ja) 有機半導体性ブレンド
TWI573799B (zh) 包含多分散性為1之非聚合物材料、至少一種溶劑及結晶改質劑之有機半導體組合物,及使用彼等之有機薄膜電晶體
TWI526489B (zh) 半導體摻合物
JP2013541180A (ja) 低接触抵抗有機薄膜トランジスタ
WO2013064791A1 (en) Organic thin film transistors and method of making them
He et al. Small-molecule additives for organic thin film transistors
WO2016001095A1 (en) Organic transistor
JP6356240B2 (ja) 電子デバイスのための電極表面改質層
Haase et al. Advances in solution processing of organic materials for devices
US9905783B2 (en) Solution for a semiconducting layer of an organic electronic device

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180201

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180213

A045 Written measure of dismissal of application [lapsed due to lack of payment]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20180626