JP6356240B2 - 電子デバイスのための電極表面改質層 - Google Patents

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Description

本発明は、有機電子デバイスのための改質電極を調製するための方法およびこの改質電極を組み込む有機電子デバイスを調製するための方法に関する。本発明はまた、改質電極自体、およびこの改質電極を含む有機電子デバイスに関する。
トランジスタは、それらの半導体性層、および多くの場合は他の層を溶液から堆積させるプロセスによって形成できる。得られたトランジスタは、薄膜トランジスタと呼ばれる。有機半導体が半導体性層に使用される場合、デバイスは、有機薄膜トランジスタ(OTFT)として記載されることが多い。
OTFTに関して種々の配置が知られている。1つのデバイスであるトップゲート薄膜トランジスタは、ソースおよびドレイン電極、それらの間のチャンネル領域に配設された半導体性層、この半導体性層上に配設されたゲート電極、およびこのゲート電極とチャンネル領域の半導体との間に配設された絶縁材料層を含む。
チャンネル領域の伝導率は、ゲートでの電圧の印加によって変更できる。このようにしてトランジスタは、印加されたゲート電圧を用いてオンオフすることができる。所与の電圧に関して得ることができるドレイン電流は、トランジスタのアクティブ領域、すなわちソース電極とドレイン電極との間のチャンネル領域における有機半導体の電荷キャリアの移動度に依存する。低い操作電圧で高いドレイン電流を得るために、有機薄膜トランジスタは、チャンネル領域において、高度に移動性の電荷キャリアを有する有機半導体性層および電極から有機半導体性層へ電荷を効率良く注入する手段を有していなければならない。
短いチャンネル長さのデバイスにおいては、接触抵抗が、デバイスの総チャンネル抵抗に大きく寄与し得る。デバイスの接触抵抗が高くなるにつれて、ソースおよびドレインコンタクトにわたって印加される電圧の降下割合が高くなり、結果としてチャンネル領域にわたって得られるバイアスが低くなる。高い接触抵抗は、チャンネル領域にわたって印加される低いバイアス、ひいては低いデバイス移動度のためにデバイスから抽出される電流レベルが相当低くなるという影響がある。
接触抵抗を低減または最小限にするために多数の異なる方法が存在する。1つの手法は、例えばp−ドーパントで半導体性層をドープすることである。例えば非特許文献1および非特許文献2の両方には、モリブデントリス−[1,2−ビス(トリフルオロメチル)エタン−1,2−ジチオレン](Mo(tfd))を用いた有機半導体性層のドーピングが開示されている。Mo(tfd)は、約5.59eVの低LUMO準位を有し、有機半導体のHOMOからMo(tfd)への電荷移動が、多くの場合にエネルギー的に好都合になる。Mo(tfd)は、金属酸化物ドーパントよりも有機半導体全体を通してより均一に分配されることができ、結果として高い電荷発生効率が得られることも認められる。
非特許文献3には、OFETの製作および特性評価が開示されており、ここでMo(tfd)およびペンタセンの10nmの共蒸発層は、金属(Au)電極下でペンタセン半導体性層にわたって堆積される。共蒸発は、ソース/ドレイン電極を規定するためにシャドウマスクを通して行われる。非特許文献3では、電極界面付近の選択的ドーピングは、界面でのドーピングに関連するバンドベンディングにより金属電極から半導体へのキャリア注入のためにエネルギー障壁高さの低下により界面抵抗を低下させることが仮定されている。故に、非特許文献3の方法において、Mo(tfd)は、上記で記載される非特許文献1および非特許文献2にあるように、有機半導体性層に移動し、ドープする。
Lee,Jae−Hyun et al.Applied Physics Letters 98,173303(2011) Qi,Yabing et al.J.Am.Chem.Soc.2009 131 12530−12531 Tiwari,S.P.et al.Organic Electronics 11(2010)860−863
第1の態様から見られるように、本発明は、有機電子デバイスのための改質電極を調製するための方法を提供し、ここでこの改質電極は表面改質層を含み、この方法は:
(i)M(tfd)(式中、MはMo、WまたはCrである)および少なくとも1つの溶媒を含む溶液を、この電極の少なくとも1つの表面の少なくとも一部に堆積させる工程;および
(ii)この溶媒の少なくとも一部を除去して、この電極上にこの表面改質層を形成する工程
を含む。
さらなる態様から見れば、本発明は:
(i)先に規定されるような方法によって少なくとも1つの改質電極を調製する工程;および
(ii)この改質電極の表面上に少なくとも1つの有機半導体を含む有機半導体性層を堆積させる工程
を含む有機電子デバイスを調製するための方法を提供する。
さらなる態様から見れば、本発明は、先に定義されるような方法によって得ることができる有機電子デバイスを提供する。
さらなる態様から見れば、本発明は、それらの間にチャンネル領域を規定するソースおよびドレイン電極;このソースおよびドレイン電極の少なくとも1つの表面の少なくとも一部と接触したM(tfd)(式中、MはMo、WまたはCrである)を含む表面改質層;表面改質層と接触し、チャンネル領域にわたって延びる有機半導体性層;ゲート電極;および有機半導体性層とゲート電極との間のゲート誘電体を含む有機薄膜トランジスタを提供する。
さらなる態様から見れば、本発明は、M(tfd)(式中、MはMo、WまたはCrである)および溶媒を含む溶液の、電極上に表面改質層を製造するための使用を提供する。
さらなる態様から見れば、本発明は、先に定義されるような方法によって得ることができる改質電極を提供する。
さらなる態様から見れば、本発明は、少なくとも1つの表面の少なくとも一部と接触した表面改質層を含む改質電極を提供し、ここでこの表面改質層は、M(tfd)(式中、MはMo、WまたはCrである)を含む。
さらなる態様から見れば、本発明は、有機電子デバイスの製造のための先に規定されるような改質電極の使用を提供する。
本発明の好ましい実施形態において、M(tfd)はMo(tfd)である。
定義
本明細書で使用される場合、用語「改質電極」は、電極の少なくとも1つの表面の少なくとも一部が、電極の本体に存在しない化合物の存在により改質されている電極を指す。
本明細書で使用される場合、用語「表面改質層」とは、電極の表面の少なくとも一部と接触して堆積される(1または複数の)化合物の層を指す。層は連続または不連続であってもよい。
本明細書で使用される場合、用語「単層」は、1分子厚さである層を指す。
本明細書で使用される場合、用語「仕事関数」とは、金属の表面から電子を無限に取り除くために必要とされる最小量のエネルギーを指す。
本明細書で使用される場合、用語「半導体」は、その伝導率が、温度によって、不純物の制御された添加によって、または電場もしくは光の印加によって変更できる化合物を指す。用語「半導体性層」は、半導体性である材料の連続フィルムを指す。本発明に形成される半導体性層は、好ましくはポリマー性および非ポリマー性半導体の混合物またはブレンドを含む。好ましくはポリマーは、非ポリマー性半導体が分散したマトリックスを形成する。
本明細書で使用される場合、用語「ポリマー」は、1を超える多分散性を有する化合物を指す。
本明細書で使用される場合、用語「ポリマー性半導体」は、半導体である繰り返しユニットを含むポリマー性化合物を指す。
本明細書で使用される場合、用語「非ポリマー性半導体」は、半導体である小分子化合物を指す。用語は、1の多分散性を有するデンドリマーおよびオリゴマー化合物(例えばダイマー、トリマー、テトラマーおよびペンタマー)を含む。好ましい非ポリマー性半導体は結晶性である。好ましい非ポリマー性半導体は有機である。
本明細書で使用される場合、用語「溶液」は、溶媒中の化合物またはブレンドの均質混合物を指す。
本明細書で使用される場合、用語「ブレンド」は、少なくとも2つの化合物および/またはポリマーの混合物を指す。一般に、ブレンドは固体、例えば粉末である。
本明細書で使用される場合、用語「芳香族溶媒」は、4n+2π電子(ここでnは0または正の整数である)を有する平面環を含む1つ以上の化合物を含む溶媒を指す。
本明細書で使用される場合、用語「芳香族環」は、4n+2π電子(ここでnは負でない整数である)を有する平面環を指す。
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、飽和の直鎖状、分岐状または環状基を指す。アルキル基は、置換されてもよく、または非置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、用語「アルケニル」は、不飽和の直鎖状、分岐状または環状基を指す。アルケニル基は、置換されてもよく、または非置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、用語「アルコキシ」は、O−アルキル基を指し、ここでアルキルは上記で定義される通りである。
本明細書で使用される場合、用語「アミノ」は、一級(すなわちNH)、二級(NHR)および三級アミノ基(NR)を指し、ここでRは上記で定義されたようなアルキルである。
本明細書で使用される場合、用語「アミド」は、式−NHCORおよび−NRCOR(式中、各Rは、同一または異なっていてもよく、上記で規定されるようなアルキルである)の基を指す。
本明細書で使用される場合、用語「シリル」は、式−A−SiR’R’’R’’’の基を指し、ここでAは存在してもよく、C1−8アルキレン、C1−8アルケニレンまたはC1−8アルキニレンから選択される飽和または不飽和基であり、R’、R’’およびR’’’のそれぞれはHまたは上記で定義されるようなアルキルである。
本明細書で使用される場合、用語「スタンニル」は、式−Sn(R’)の基を指し、ここでrは1、2または3であり、各R’はHまたは上記で定義されるようなアルキルである。
本明細書で使用される場合、用語「ハロゲン」は、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択される原子を包含する。
本明細書で使用される場合、用語「アリール」は、少なくとも1つの芳香族環を含む基を指す。用語アリールは、ヘテロアリールならびに1つ以上の芳香族環がシクロアルキル環と縮合する縮合環系を包含する。アリール基は、置換されてもよく、または非置換であってもよい。アリール基の例は、フェニル、すなわちCである。フェニル基は、置換されてもよく、または非置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアリール」は、N、O、SおよびSeから選択されるヘテロ原子を含むアリール基を指す。ヘテロアリール基の例は、チオフェン、すなわちCSである。それは置換されてもよく、または非置換であってもよい。さらなる例は、ベンゾチオフェンであり、これは以下の構造を有する。それはまた置換されてもよく、または非置換であってもよい。
Figure 0006356240
本明細書で使用される場合、用語「シクロアルキル」は、3〜10個の炭素原子を含有する飽和または部分的に飽和の単環または二環式アルキル環系を指す。シクロアルキル基は、置換されてもよく、または非置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、用語「フラーレン」は、中空の球体、楕円または管の形態の炭素から全体としてなる化合物を指す。
発明の説明
本発明の方法において、改質電極、好ましくは有機電子デバイスのための金属電極が調製される。改質電極は、電極の少なくとも1つの表面の少なくとも一部と接触した表面改質層を含む。表面改質層の存在により、有利なことには、上層の有機半導体性層への電極からの電荷注入を改善する。電荷注入は、金属電極の仕事関数を増大させることによって改善される。故に、本発明の基礎となる機構は、p−ドーパントを有機半導体性層にドープして電荷移動度を改善する上記で議論される先行技術の機構とは異なると考えられる。
本発明の好ましい方法においては、表面改質層は、10nm未満、より好ましくは7.5nm未満、なおより好ましくは5nm未満、さらにより好ましくは2.5nm未満の厚さを有する。表面改質層の最小の厚さは、例えば1nmであってもよい。特に好ましい方法において、表面改質層は単層である。
表面改質層は、モリブデントリス−[1,2−ビス(トリフルオロメチル)エタン−1,2−ジチオレン](Mo(tfd))、クロムトリス−[1,2−ビス(トリフルオロメチル)エタン−1,2−ジチオレン](Cr(tfd))またはタングステントリス−[1,2−ビス(トリフルオロメチル)エタン−1,2−ジチオレン](W(tfd))および少なくとも1つの溶媒を含む溶液を電極の少なくとも1つの表面の少なくとも一部に堆積させることによって調製される。モリブデントリス−[1,2−ビス(トリフルオロメチル)エタン−1,2−ジチオレン](Mo(tfd))が好ましい。Mo(tfd)を以下に示す:
Figure 0006356240
Mo(tfd)は、文献、例えばInorganic Syntheses,Volume 10,Part 1,Chapter 1,p8−26「Metal complexes derived from cis−1,2−dicyano−1,2−ethylenedithiolate and bis(trifluoromethyl)−1,2−dithiete」,by A.Davison,R.H.Holm,R.E.Benson and W.Mahlerに開示される合成によって調製されてもよい。クロムおよびタングステン錯体は、類似プロセスによって調製されてもよい。
Mo(tfd)は、5.6eVの深い電子親和性のために強力な電子アクセプタである。電極上の表面改質層中に存在する場合、Mo(tfd)は、電極の仕事関数におけるシフト、特に仕事関数の増大を生じる。理論に束縛されることを望まないが、これは金属表面上で電荷移動錯体を形成するMo(tfd)が原因であると考えられ、結果として金属表面での相対的な真空準位におけるシフトを生じ、上層の有機半導体性層のフロンティア分子エネルギー準位に対するマッチングを改善する。Cr(tfd)およびW(tfd)は、類似機構によって作用すると考えられる。
M(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)は、溶液中で電極の少なくとも1つの表面の少なくとも一部に堆積される。本発明の方法の利点は、溶液加工処理技術が使用できることである。これは、改質電極が、短いチャンネル長さ、例えば<10μmを有する有機電子デバイスに組み込まれる場合に特に有益である。溶液中に存在する(1または複数の)溶媒は、M(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)が可溶性であるいずれかの溶媒であってもよい。好ましくは溶液中に存在する溶媒は、芳香族または極性である。
好適な芳香族溶媒は、一連の供給元から市販されている。無水等級の溶媒が通常選択される。好ましくは芳香族溶媒はC1−6アルキルベンゼンである。C1−6アルキルベンゼンはさらに置換されていてもよい。さらなる置換基の代表的な例としては、C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびC(O)OC1−6アルキル、好ましくはC1−6アルキルが挙げられる。好ましくは芳香族溶媒は、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、アニソール(またはメトキシベンゼン)およびメシチレンからなる群から選択される。特に好ましくは芳香族溶媒は、トルエン、o−キシレン、m−キシレンまたはp−キシレンから選択される。さらにより好ましくは芳香族溶媒は、トルエンまたはo−キシレンである。
溶液中のM(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)の濃度は、好ましくは1mlの溶媒あたり0.1〜10mgのM(tfd)、さらにより好ましくは1mlの溶媒あたり0.2〜5mgのM(tfd)、さらにより好ましくは1mlの溶媒あたり0.5〜2.5mgのM(tfd)、なおさらにより好ましくは1mlの溶媒あたり約1mgのM(tfd)の範囲である。電極の少なくとも1つの表面の少なくとも一部と接触して堆積されたM(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)を含む溶液は、好ましくはM(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)および溶媒から本質的になる(例えばからなる)。
本発明の方法において、M(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)および溶媒を含む溶液は、いずれかの従来の溶液加工処理技術によって堆積されてもよい。溶液系加工処理方法の代表的な例としては、スピンコーティング、浸漬コーティング、スロットダイコーティング、ドクターブレードコーティング、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷およびロール・ツー・ロール印刷が挙げられる。堆積方法の主要な目的は、含浸プロセスを介して金属コンタクト上へのM(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)の吸着を促進することである。
本発明の好ましい方法において、M(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)および溶媒を含む溶液は、溶液中に電極を含浸することによって電極上に堆積される。好ましくは電極は、1〜10分間、より好ましくは2〜8分間、さらにより好ましくは3〜6分間溶液中に含浸される。
本発明のさらに好ましい方法はさらに、電極をすすいで、電極またはデバイス基材上のチャンネル領域に存在し得る非吸着M(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)を除去する工程を含む。故に含浸の後に電極は好ましくはすすがれる。このすすぎ工程は、好ましくは、例えば電極間のチャンネル領域からM(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)を除去する。好ましくはすすぐために使用される溶媒は芳香族または極性である。特に好ましくは、すすぐために使用された溶媒は、M(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)を含む溶液中に存在する同じ溶媒である。
本発明の方法はさらに、少なくとも一部、好ましくは実質的にすべて、例えば溶媒のすべてを基材から除去する工程を含む。好ましくは、溶媒を除去する工程は、加熱する、アニーリングする(例えばマイクロ波放射線を用いて)、真空を適用するまたはいずれかのこれらの組み合わせによって行われる。当業者は、基板の迅速な乾燥を確実にするために好適な条件を容易に確かめることができる。
故に本発明の特に好ましい方法は:
(i)M(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)および少なくとも1つの溶媒を含む溶液をこの電極表面の少なくとも1つの表面の少なくとも一部上に堆積させる工程(例えばM(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)および少なくとも1つの溶媒を含む溶液中に電極を含浸させる);
(ii)この電極をすすいで、非吸着M(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)を除去する工程;および
(iii)この溶媒の少なくとも一部を除去して、この表面改質層を電極上に形成する工程
を含む。
本発明の溶液系方法の利点は、例えば5または10μmの短いチャンネル長さを有するデバイスが容易に調製できることである。これは、シャドウマスクの使用を必要とするため、チャンネル長さ解像度が制限され、加えてマスク整列が不正確になる熱蒸発に基づく先行技術とは対照的である。
本発明の好ましい方法において、表面改質層は、電極の少なくとも1つの表面全体に形成される。本発明のさらに好ましい方法において、表面改質層は、電極のすべての表面全体に形成される。これは、デバイスに組み込まれたら電極の側部表面はチャンネル領域の有機半導体性層と通常接触するので、有利である。表面改質層は、好ましくは、ソースおよびドレイン電極の仕事関数を変更することによって、電極から有機半導体性層への電荷注入のための障壁を低減する。
本発明の方法において、表面改質層は電極の(1または複数の)表面に吸着される。表面改質層は、好ましくは電極の(1または複数の)表面に区別可能なコーティングを形成し、これらに接着する。好ましくは、表面改質層に存在するM(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)は、上層の有機半導体性層に移動しない。対応して、表面改質層は、好ましくは有機半導体を含まない。特に好ましくは表面改質層は、M(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)からなる。これは、改質電極から上層の有機半導体性層への電荷注入の機構が、有機半導体性層のドーピングではなく、金属の仕事関数のシフト、特に増大によるという事実を強調している。
M(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)を含む表面改質層が本発明の方法において堆積される電極は、いずれかの伝導性材料を含んでいてもよく、ここでM(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)のLUMO準位は、電極の仕事関数よりも深い(すなわち真空準位から離れる)。好適な電極材料の代表的な例としては、銀、金、ニッケル、銅、インジウム−スズ−オキシド、フッ素化スズオキシドおよびこれらの混合物およびこれらの合金が挙げられる。好ましくは電極は、金、銀または銅を含む。
上記で記載されるように、本発明の方法は、電極の仕事関数を増大させる。好ましくは本発明の方法は、非改質電極の仕事関数に対して電極の仕事関数を少なくとも0.5eV増大させる。特に好ましくは、本発明の方法は、電極の仕事関数を0.5〜2eV、より好ましくは0.7〜1.5eV、さらにより好ましくは0.8〜1.2eV増大させる。改善されたエネルギー準位マッチングは、金属コンタクトの相対的な仕事関数のシフトによってもたらされる。これは、改質された金属コンタクトから生じる半導体材料に対して示される相対的な真空準位のシフトによって決定される。半導体材料がこうした改質電極と接触する場合、電荷注入は、未改質金属コンタクトの真空準位の場合を参照して半導体材料のHOMO準位の有効なシフトを介して改善される。
本発明はまた、電極の少なくとも1つの表面の少なくとも一部と接触した表面改質層を含む改質電極に関し、ここでこの表面改質層は、M(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)を含む。改質電極の好ましいフィーチャは、改質電極を製造するための好ましい方法に関して上記で記載されたものと同じである。
本発明の改質電極は、好ましくは、有機電子デバイスを調製するための方法に組み込まれる。有機電子デバイスを調製するための方法はさらに、改質電極の表面に少なくとも1つの有機半導体を含む有機半導体性層を堆積させる工程を含む。好ましくは有機半導体性層は溶液から堆積される。好ましくは方法はさらに、有機半導体性層を形成するために、少なくとも一部、より好ましくは実質的にすべて、例えばすべての溶媒を除去する工程を含む。
本発明の好ましい方法において、有機半導体性層は、ポリマー性半導体および少なくとも1つの非ポリマー性半導体、例えば1つの非ポリマー性半導体を含む。
本発明に存在する非ポリマー性半導体は、好ましくは少なくとも3つの縮合環のコアを含み、ここで各環は、独立に、芳香環およびヘテロ芳香環から選択され、それぞれが個々に非置換であり、または1つ以上の置換基で置換される。例示的な置換基としては、C1−12アルキル基、C1−12アルコキシ基、ハロゲン(例えばF)、またはシリル基(トリアルキルシリルおよびトリアルキルシリルエチニルを含む)が挙げられる。
好ましくは非ポリマー性半導体はベンゾチオフェン誘導体、より好ましくは式(I)のベンゾチオフェン誘導体である:
Figure 0006356240
式中、Aは、フェニル基またはチオフェン基であり、このフェニル基またはチオフェン基は、フェニル基またはチオフェン基(これは非置換であることができ、または式Xの少なくとも1つの基で置換できる)と縮合してもよく、および/またはフェニル基、チオフェン基およびベンゾチオフェン基から選択される基と縮合してもよく、このフェニル、チオフェンおよびベンゾチオフェン基のいずれかは、非置換であるか、または式Xの少なくとも1つの基で置換される、および
各基Xは、同一または異なっていてもよく、(i)1〜20個の炭素原子を有する非置換または置換の直鎖、分岐または環状アルキル基、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、非置換であってもよくまたは1〜8個の炭素原子を有する1もしくは2つのアルキル基で置換されてもよいアミノ基(そのそれぞれは同一または異なっていてもよい)、アミド基、シリル基、2〜12個の炭素原子を有する非置換または置換のアルケニル基および2〜12個の炭素原子を有する非置換または置換のアルキニル基、または(ii)ハロゲン、ボロン酸、ジボロン酸ならびにボロン酸およびジボロン酸のエステル、2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基およびスタンニル基からなる群から選択される重合性または反応性基からなる群から選択される。
アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルまたはデシルが挙げられる。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシおよびブトキシが挙げられる。アミノ基の例としては、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノおよびメチルエチルアミノが挙げられる。シリル基の例としては、トリアルキルシリルおよびトリアルキルシリルエチニルが挙げられる。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペニルおよび2−メチルプロペニルが挙げられる。
上述のX基の可能性としての置換基としては、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、ハロゲン原子、非置換であってもよくまたは1つもしくは2つのアルキル基(これは同一または異なっていてもよく、それぞれ1〜8個の炭素原子を有する)で置換されてもよいアミノ基、2〜12個の炭素原子を有するアシルアミノ基、ニトロ基、2〜7個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子、セレニウム原子および/または窒素原子を含有する5〜7員のヘテロアリール基が挙げられる。
式(I)の好ましいベンゾチオフェン誘導体において、Aは以下から選択される:
式Xの少なくとも1つの基で置換されるフェニル基と縮合したチオフェン基、または
非置換であってもよくまたは式Xの少なくとも1つの基で置換されてもよいフェニル基から選択され、このフェニル基はさらに、非置換であることができ、または式Xの少なくとも1つの基で置換できるチオフェン基と縮合してもよく、および/またはベンゾチオフェン基と縮合してもよく、このベンゾチオフェン基は、非置換であるか、または式Xの少なくとも1つの基で置換される。
特に好ましいベンゾチオフェン誘導体において、Aは式Xの少なくとも1つで置換されたフェニル基と縮合したチオフェン基である。
好ましい非ポリマー性半導体の例を以下に示す:
Figure 0006356240
式中、Xは式(I)に関連して上記で定義された通りである。より好ましくは非ポリマー性半導体は式(Ia)を有する:
Figure 0006356240
式中、各基Xは、同一または異なっていてもよく、1〜20個の炭素原子を有する非置換または置換の直鎖、分岐または環状アルキル基、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、非置換であってもよくまたは1〜8個の炭素原子を有する1つもしくは2つのアルキル基(そのそれぞれが同一または異なっていてもよい)で置換されてもよいアミノ基、アミド基、シリル基および2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基からなる群から選択される。さらにより好ましくは非ポリマー性半導体は式(Iai)である:
Figure 0006356240
式中、各基Xは、同一または異なっていてもよく、1〜20個の炭素原子を有する非置換または置換の直鎖、分岐または環状アルキル基、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、非置換であってもよくまたは1〜8個の炭素原子を有する1つもしくは2つのアルキル基(そのそれぞれが同一または異なっていてもよい)で置換されてもよいアミノ基、アミド基、シリル基および2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基からなる群から選択される。
好ましくは非ポリマー性半導体は式(Iai)を有し、式中各基Xは同一である。
式(Ia)または(Iai)、特に(Iai)の好ましい非ポリマー性半導体において、各基Xは、1〜20個の炭素原子を有する非置換または置換の直鎖、分岐または環状アルキル基である。さらにより好ましくは各基Xは、直鎖アルキル基である。さらにより好ましくは各基Xは、非置換アルキル基である。アルキル基は、1〜16個の炭素原子を含み、より好ましくは2〜12個の炭素原子が好ましい。
特に好ましくは、非ポリマー性半導体は、式(Ia)または(Iai)、特に(Iai)を有し、式中各基Xは、式C2n+1の基であり、式中、nは1〜16の整数である。さらにより好ましくは非ポリマー性半導体は、式(Ia)または(Iai)、特に(Iai)を有し、式中各基Xは同一であり、式C2n+1の基であり、式中nは、1〜16、より好ましくは2〜14、さらにより好ましくは4〜12、さらにより好ましくは5〜10の整数である。
好適な非ポリマー性半導体の代表的な例としては、以下が挙げられる:
Figure 0006356240
Figure 0006356240
特に好ましくは非ポリマー性半導体は以下である:
Figure 0006356240
本発明に使用するための好適な非ポリマー性半導体は、従来の技術によって調製されてもよい。
有機半導体性層に存在するポリマー性半導体は、溶液からの加工処理に好適ないずれかの既知のポリマー性半導体であってもよい。当業者に既知のポリマー性半導体の例は、先行技術、例えばSmith et.al.,Applied Physics Letters,Vol 93,253301(2008);Russell et.al.,Applied Physics Letters,Vol 87,222109(2005);Ohe et.al.,Applied Physics Letters,Vol 93,053303(2008);Madec et.al.,Journal of Surface Science&Nanotechnology,Vol 7,455−458(2009);およびKang et.al.,J.Am.Chem.Soc.,Vol 130,12273−75(2008)に記載されている。
好適なポリマー性半導体は市販されている。
好ましくはポリマー性半導体は共役ポリマーである。好ましくはポリマー性半導体は、式(II)の繰り返しユニットを含む:
Figure 0006356240
式中、RおよびRは、同一または異なって、それぞれは水素、1〜16個の炭素原子を有するアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子、窒素原子および/またはセレニウム原子を含有する5〜7員のヘテロアリール基からなる群から選択され、このアリール基またはヘテロアリール基は、非置換であるか、または1〜16個の炭素原子を有するアルキル基および1〜16個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1つ以上の置換基で置換される。
アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルまたはデシルが挙げられる。アリール基の例としては、フェニル、インデニル、ナフチル、フェナントレニル、およびアントラセニル基が挙げられる。5〜7員のヘテロアリール基の例としては、フリル、チエニル、ピロリル、アゼピニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピラニル、ピリジイル、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニル基が挙げられる。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシおよびブトキシが挙げられる。
好ましいポリマー性半導体において、RおよびRは同じである。
好ましいポリマー性半導体は、式(II)の繰り返しユニットを含み、式中、RおよびRはそれぞれ、水素、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、およびフェニル基からなる群から選択され、このフェニル基は、非置換であるか、または1〜12個の炭素原子を有するアルキル基および1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1つ以上の置換基で置換される。さらにより好ましいポリマー性半導体は、式(II)の繰り返しユニットを含み、式中、RおよびRはそれぞれ、4〜12個の炭素原子を有するアルキル基、およびフェニル基からなる群から選択され、このフェニル基は、非置換であるか、または4〜8個の炭素原子を有するアルキル基および4〜8個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1つ以上の置換基で置換される。なおさらに好ましいポリマー性半導体は式(II)の繰り返しユニットを含み、式中、RおよびRはそれぞれ、4〜12個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルまたはデシル、特にオクチル、例えばn−オクチル(ocytyl)からなる群から選択される。
さらに好ましい半導体性ポリマーは、式(III)の繰り返しユニットを含む:
Figure 0006356240
式中、ArおよびArは、同一または異なって、それぞれは5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子、窒素原子および/またはセレニウム原子を含有する5〜7員のヘテロアリール基から選択され、このアリール基またはヘテロアリール基は、非置換であるか、または1〜16個の炭素原子を有するアルキル基および1〜16個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1つ以上の置換基で置換される。
は1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、または非置換であってもよくもしくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基で置換されてもよいフェニル基であり、nは1以上の整数、好ましくは1または2である。
アリール基の例としては、フェニル、インデニル、ナフチル、フェナントレニル、およびアントラセニル基が挙げられる。5〜7員のヘテロアリール基の例としては、フリル、チエニル、ピロリル、アゼピニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピラニル、ピリジイル、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニル基が挙げられる。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルまたはデシルが挙げられる。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシおよびブトキシが挙げられる。
式(III)の繰り返しユニットを含む好ましいポリマー性半導体において、ArおよびArは同一である。特に好ましくはArおよびArのそれぞれはフェニル基、好ましくは非置換フェニル基である。
式(III)の繰り返しユニットを含むさらに好ましいポリマー性半導体において、Rは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、または非置換であってもよくもしくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基で置換されてもよいフェニル基である。特に好ましくは、Rはアルキル基、特に2〜5個の炭素原子を含むアルキル基、例えばエチル、プロピル、ブチル、ペンチルである。さらにより好ましくはRは、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、例えばエチル、プロピル、ブチル、ペンチルで置換されたフェニル基である。
さらにより好ましくは、本発明のブレンドに存在するポリマー性半導体は、式(II)の繰り返しユニットおよび式(III)の繰り返しユニットを含む。好ましくは式(II)と式(III)との繰り返しユニットの比は、3:1〜1:3、より好ましくは2:1〜1:2、さらにより好ましくは約1:1の範囲である。特に好ましくは、ポリマー性半導体は、式(IV)の繰り返しユニットを含む:
Figure 0006356240
式中、R、R、Ar、ArおよびRは、式(II)および(III)に関連して上記で定義された通りである。
さらにより好ましくは、ポリマー性半導体は、F−8 TFB[9,9’−ジオクチルフルオレン−co−N−(4−ブチルフェニル)−ジフェニルアミン]nであり、ここでnは100を超える。あるいはポリマー性半導体は、F−8PFB[(9,9−ジオクチルフルオレン−co−ビス−N,N−(4−ブチルフェニル)−ビス−N,N−フェニル−1,4−フェニレンジアミン)nであり、ここでnは100を超える。
好ましくは半導体性層においてポリマー性半導体と非ポリマー性半導体との重量比は、60:40〜90:10、より好ましくは70:30〜85:15、さらにより好ましくは約75:25の範囲である。
本発明のさらに好ましい方法において、有機半導体性層はp−ドーパントを含む。好適なp−ドーパントの代表的な例としては、Mo(tfd)、W(tfd)、Cr(tfd)、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)および部分的にフッ素化されたフラーレンが挙げられ、例としては、C6018、C6036およびC6048が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくはp−ドーパントはMo(tfd)である。存在する場合、有機半導体性層中のp−ドーパントの濃度は、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.5〜2.5重量%、さらにより好ましくは1〜2重量%である。
半導体性層の堆積は、好ましくは溶液加工処理によって行われる。好ましくは溶液中に存在する溶媒は芳香族である。好ましくは芳香族溶媒は、置換ベンゼン、置換ナフタレン、置換テトラヒドロナフタレンまたは置換もしくは非置換C5−8シクロアルキルベンゼンから選択される。好適な芳香族溶媒は、一連の供給元から市販されている。無水等級の溶媒が通常選択される。こうした溶媒は、一般にポリマー性半導体および非ポリマー性半導体の両方の溶液を形成できる。
好ましくは芳香族溶媒は式(Va)、(Vb)、(Vc)または(Vd)を有する:
Figure 0006356240
式中、
は、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、またはC(O)OC1−6アルキルから選択され;および
およびRはそれぞれ独立に、H、C1−6アルキル、OC1−6アルキルまたはC(O)OC1−6アルキルから選択され、および
nは1、2または3である。
式(Va)の一部の好ましい溶媒において、RはC1−6アルキルである。さらに好ましい溶媒において、RはHである。なおさらに好ましい溶媒において、RはC1−6アルキル、好ましくはメチルである。さらにより好ましくはRはC1−6アルキル、好ましくはメチルであり、RはHであり、RはC1−6アルキルである。
式(Va)の他の好ましい芳香族溶媒において、Rは、OC1−6アルキル、特にメトキシ(OMe)またはエトキシ(OEt)である。さらに好ましい溶媒において、RはHであり、C1−6アルキル(例えばメチルまたはエチル)またはOC1−6アルキル(例えばメトキシまたはエトキシ)である。なおさらに好ましい溶媒において、RはHである。特に好ましくはRはOC1−6アルキル、例えばOMeまたはOEtであり、RはC1−6アルキル、例えばメチルまたはエチルであり、RはHであり、またはRはOC1−6アルキル、例えばOMeまたはOEtであり、RはHおよびRである。
他の好ましい芳香族溶媒において、RはC(O)OC1−6アルキル、特にC(O)OMeまたはC(O)OEtである。さらに好ましい溶媒において、RはHまたはC1−6アルキル(例えばメチルまたはエチル)である。なおさらなる好ましい溶媒において、RはHである。特に好ましくは、RはC(O)OC1−6アルキル、例えばC(O)OMeまたはC(O)OEtであり、RはHであり、RはHである。
式(Vb)の好ましい芳香族溶媒において、nは1または2、特に2である。特に好ましい溶媒において、RおよびRの少なくとも1つはHである。さらにより好ましくは、RおよびRの両方がHである。
式(Vc)の好ましい芳香族溶媒において、RおよびRの少なくとも1つはC1−6アルキルである。式(Vc)のさらに好ましい溶媒において、RはHである。なおさらに好ましい溶媒において、RはC1−6アルキル、好ましくはメチルである。さらにより好ましくはRはHであり、RはC1−6アルキル、好ましくはメチルである。
式(Vd)の好ましい芳香族溶媒において、nは1または2、特に2である。特に好ましい溶媒において、RおよびRの少なくとも1つはHである。さらにより好ましくは、RおよびRの両方がHである。
芳香族溶媒が二置換である場合、置換基は、[1,2]、[1,3]または[1,4]置換パターンで存在し得る。しかし、好ましくは置換基は[1,2]すなわちオルトパターンで存在する。芳香族溶媒が三置換である場合、置換基は、好ましくは[1,3,5]置換パターンで存在する。
好ましくは芳香族溶媒は、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、アニソール(またはメトキシベンゼン)、メシチレン、エトキシベンゼン、2−メチルアニソール、3−メチルアニソール、4−メチルアニソール、1−エトキシ−2−メチルベンゼン、1−エトキシ−3−メチルベンゼン、1−エトキシ−4−メチルベンゼン、アセトフェノン、テトラリン、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1−メトキシ−2−エトキシベンゼン、1−メトキシ−3−エトキシベンゼン、1−メトキシ−4−エトキシベンゼン、エチルベンゾエート、1,2−ジエトキシベンゼン、2−メチルアセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、2−エチルアセトフェノン、3−エチルアセトフェノン、4−エチルアセトフェノン、1,3−ジエトキシベンゼン、1,4−ジエトキシベンゼン、2−メトキシアセトフェノン、3−メトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、エチル2−メチルベンゾエート、エチル3−メチルベンゾエート、エチル4−メチルベンゾエート、エチル2−エチルベンゾエート、エチル3−エチルベンゾエート、エチル4−エチルベンゾエート、1−メチルナフタレンおよびシクロヘキシルベンゼンからなる群から選択される。特に好ましくは芳香族溶媒は、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、アニソール(またはメトキシベンゼン)、メシチレンおよびテトラリンからなる群から選択される。
好ましい溶液において、溶媒中の固体の総濃度は、0.8〜31.0%w/v、より好ましくは1.0〜2.5%w/v、さらにより好ましくはそれは1.2〜1.5%w/vである。
溶液は、従来の方法によって調製されてもよい。故に好ましくは溶液は、非ポリマー性半導体、ポリマー性半導体および溶媒を混合(例えば撹拌または振とう)することによって調製される。あるいは溶液は、構成成分のそれぞれを個々に溶媒に混合することによって調製されてもよい。溶液の加熱は、固形分の溶媒への完全な溶解を確実にするために必要とされ得る。
半導体性層の堆積は、好ましくは溶液加工処理によって行われる。従来の溶液系加工処理方法が使用されてもよい。溶液系加工処理方法の代表的な例としては、スピンコーティング、浸漬コーティング、スロットダイコーティング、ドクターブレードコーティング、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷またはロール・ツー・ロール印刷が挙げられる。しかし、本発明の好ましい方法において、フィルムの堆積はスピンコーティングによって行われる。
半導体フィルムをスピンコーティングするために使用されるパラメータ、例えばスピンコーティング速度、加速および時間は、半導体性層についてのターゲット厚さの基準により選択される。好ましくはスピン速度は400〜4000rpm、より好ましくは400〜3000rpm、さらにより好ましくは400〜2000rpmである。好ましくはスピン時間は10〜100秒、より好ましくは15〜60秒、さらにより好ましくは30〜60秒である。好ましくはレストからの加速時間は、10秒未満、好ましくは5秒未満、さらにより好ましくは3秒未満である。いずれかの従来のスピンコーティング装置が使用されてもよい。装置は、従来の様式で使用される。
半導体性層を形成するために堆積された溶液の加熱は、好ましくは、例えばホットプレート上で行われる。加熱工程は、溶液中に存在する溶媒の少なくとも一部(例えば実質的にすべて)を蒸発させる。好ましくは加熱工程においてホットプレートの温度は、75〜250℃、より好ましくは80〜150℃、さらにより好ましくは90〜120℃である。好ましくは加熱時間は、15〜180秒、より好ましくは30〜120秒、さらにより好ましくは45〜90秒である。いずれかの従来の加熱装置、例えばホットプレート、対流式オーブン、真空補助乾燥が使用されてもよい。装置は、従来の様式で使用される。加熱は、堆積直後に行われてもよく、または遅延されてもよい。
好ましくは半導体性層の厚さは、5〜200nm、より好ましくは10〜100nm、さらにより好ましくは20〜70nmである。
本発明の方法は、改善された電荷注入が有益であるいずれかの有機電子デバイスの調製に有利である。しかし、好ましくは有機電子デバイスは有機薄膜トランジスタである。トランジスタは、好ましくはp型である。好適なトランジスタ構成としては、トップゲートトランジスタおよびボトムゲートトランジスタが挙げられる。
1つの好ましい方法において、トランジスタはトップゲートトランジスタである。こうした方法において、それらの間に位置するチャンネル領域を有するソースおよびドレイン電極は、好ましくは基板上に堆積され、半導体性層は、ソースおよびドレイン電極の少なくとも一部にわたって、このチャンネル領域中に堆積される。好ましくは電極のそれぞれの少なくとも1つの表面は、上記で記載されるような表面改質層でプレコーティングされる。好ましくはこの方法はさらに、半導体性層の表面にゲート誘電体を堆積する工程を含む。さらにより好ましくはこの方法はさらに、ゲート誘電体上にゲート電極を堆積する工程を含む。
故にトップゲート薄膜トランジスタを製造するための好ましい方法は:
(i)それらの間に位置するチャンネル領域を有するソースおよびドレイン電極を基板上に堆積させる工程;
(ii)M(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)および少なくとも1つの溶媒を含む溶液を、この電極の少なくとも1つの表面の少なくとも一部分と接触した状態で堆積させ、この溶媒の少なくとも一部を除去してこの電極上に表面改質層を形成する工程;
(iii)ソースおよびドレイン電極の少なくとも一部にわたって、チャンネル領域中に半導体性層を堆積させる工程;
(iv)ゲート誘電体を半導体性層の表面に堆積させる工程;ならびに
(v)ゲート誘電体上にゲート電極を堆積する工程
を含む。
別の好ましい方法において、トランジスタはボトムゲートトランジスタである。こうした方法において、それらの間に位置するチャンネル領域を有するソースおよびドレイン電極は、ゲート電極およびゲート誘電体が既に堆積されている基板上に堆積され、半導体性層は、ソースおよびドレイン電極の少なくとも一部にわたって、チャンネル領域中に堆積される。好ましくは電極のそれぞれの少なくとも1つの表面は、上記で記載されるような表面改質層でコーティングされる。
故にボトムゲート薄膜トランジスタを製造する好ましい方法は:
(i)ゲート電極を基材上に堆積させる工程;
(ii)ゲート誘電体をゲート電極の表面に堆積させる工程;
(iii)それらの間に位置するチャンネル領域を有するソースおよびドレイン電極を、ゲート誘電体上に堆積させる工程;
(iv)M(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)および少なくとも1つの溶媒を含む溶液を、この電極の少なくとも1つの表面の少なくとも一部分と接触した状態で堆積させ、この溶媒の少なくとも一部を除去してこの電極上に表面改質層を形成する工程;ならびに
(v)ソースおよびドレイン電極の少なくとも一部にわたって、チャンネル領域中に半導体性層を堆積させる工程
を含む。
電極(ソース、ドレインおよびゲート)は、好ましくは熱蒸発によって堆積される。ソースおよびドレイン電極は、好ましくは20〜300nm厚さ、より好ましくは40〜100nmである。ゲート電極は、好ましくは20〜500nm厚さ、より好ましくは200〜350nm厚さである。
ゲート誘電体は、好ましくはスピンコーティングによって堆積される。ゲート誘電体は、好ましくは10〜2000nm厚さ、より好ましくは10〜400nmである。
基板は、ガラスまたはプラスチック(例えばPENまたはPETタイプ)のような当該技術分野において従来通り使用されるいずれかの材料であってもよい。基板は、接着を改善するためにプレ処理されてもよい。
ソース、ドレインおよびゲート電極は、広範囲の伝導材料から選択されてもよい。トップゲートデバイスのための代表的な例としては、基板(例えばクロム、チタン)に接着するための薄い(好ましくは<10nm)金属、続いて作用金属(例えば金、銀、銅)、金属合金または金属化合物(例えばインジウムスズオキシド)が挙げられる。あるいは伝導性ポリマーが、金属を用いる二層手法の代わりに使用されてもよい。好ましくはソース、ドレインおよびゲート電極は金属である。より好ましくはソースおよびドレイン電極は、クロムおよび金の二層を含む。好ましくはゲート電極はアルミニウムである。
好適なゲート誘電体の代表的な例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロシクロオキシ脂肪族ポリマー(CYTOP)、ペルフルオロアルコキシポリマー樹脂(PFA)、フッ素化エチレン−プロピレン(FEP)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ペルフルオロエラストマー(FFKM)、例えばKalrez(RTM)またはTecnoflon(RTM)、フルオロエラストマー、例えばViton(RTM)、ペルフルオロポリエーテル(PFPE)およびテトラフルオロエチレンのポリマー、ヘキサフルオロプロピレンおよびフッ化ビニリデン(THV)が挙げられる。フッ素化ポリマーは、以下を含む多数の好ましい特性を保持するので、特に有機薄膜ドランジスタ(OTFT)の分野における誘電体のための有用な選択肢である:(i)優れたスピンコーティング特性、例えば:(a)種々広範な表面での湿潤性および(b)多層コーティングを行う選択肢を伴うフィルム形成;(ii)化学的不活性;(iii)ほぼ完全な溶媒直交性、結果として誘電体をスピンコーティングするために使用される溶媒によって有機半導体が溶解するリスクが最小である、および(iv)高い疎水性、これはフッ素化ポリマー誘電体における低い水吸収性およびイオン性不純物の低い移動度(低ヒステリシス)をもたらすので有利であり得る。
本発明の有機薄膜トランジスタは、それらの間に位置するチャンネル領域を規定するソースおよびドレイン電極;このソースおよびドレイン電極の少なくとも1つの表面の少なくとも一部と接触したM(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)を含む表面改質層;表面改質層と接触し、チャンネル領域にわたって延びる有機半導体性層;ゲート電極;および有機半導体性層とゲート誘電体との間にゲート誘電体を含む。デバイスは、好ましくは有機薄膜トランジスタ、例えばトップゲート薄膜トランジスタである。
本発明の好ましいデバイスは:
i)基板、
ii)この基板上に堆積され、その間にチャンネル領域を有するソースおよびドレイン電極であって、この電極のそれぞれの少なくとも1つの表面の少なくとも一部がM(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)を含む表面改質層で改質されている電極;
iii)このソースおよびドレイン電極の少なくとも一部にわたって、チャンネル領域中に堆積される半導体性層;
iv)この半導体性層にわたって堆積されるゲート誘電体;および
v)このゲート誘電体上に堆積されるゲート電極
を含む。
本発明のさらに好ましい本発明の好ましいデバイスは:
i)基板、
ii)この基板上に堆積されるゲート電極;
iii)このゲート電極、好ましくはこの基板にわたって堆積されたゲート誘電体;
iv)このゲート誘電体上に堆積され、その間にチャンネル領域を有するソースおよびドレイン電極であって、この電極のそれぞれの少なくとも1つの表面の少なくとも一部がM(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)を含む表面改質層で改質されている電極;
v)このソースおよびドレイン電極の少なくとも一部にわたって、チャンネル領域中に堆積される半導体性層
を含む。
本発明の好ましいデバイスおよび方法は、以下の特性の1つ以上を有する。
基板: クロム接着層を有するガラス基板
ソースおよびドレイン電極: 金
ソースおよびドレイン電極厚さ: 5〜200nm
表面改質層: Mo(tfd)
表面改質層厚さ: <10nm
チャンネル長さ: 20ミクロン未満、例えば10または5ミクロン
半導体性層厚さ: 30〜80nm
ゲート誘電体: PTFE
ゲート誘電体厚さ: 50〜500nm
ゲート電極: アルミニウム
ゲート電極厚さ: 20〜300nm
短いチャンネル長さ(<20μm)のデバイスにおいては、接触抵抗が、デバイスの総チャンネル抵抗に大きく寄与し得る。デバイスの接触抵抗が高くなるにつれて、ソースおよびドレインコンタクトにわたって印加される電圧の降下割合が高くなり、結果としてチャンネル領域にわたって得られるバイアスが低くなる。高い接触抵抗は、チャンネル領域にわたって印加される低いバイアス、ひいては低いデバイス移動度のためにデバイスから抽出される電流レベルが相当低くなるという影響がある。本発明の方法およびデバイスは、金属の有効な仕事関数を増大させることによって接触抵抗を低減する。改善されたエネルギー準位マッチングは、金属コンタクトの相対的な仕事関数のシフトによってもたらされる。これは、改質された金属コンタクトから生じる半導体材料に対して示される相対的な真空準位のシフトによって決定される。半導体材料がこうした改質電極と接触する場合、電荷注入は、未改質金属コンタクトの真空準位の場合を参照して半導体材料のHOMO準位の有効なシフトを介して改善される。これは、特に短いチャンネル長さ、例えば10μm以下、例えば10μmまたは5μmを有するデバイスに有利である。
好ましくは10ミクロンのチャンネル長さを有し、本発明の方法によって調製される表面改質層を含むトップゲートのボトムコンタクト薄膜トランジスタの飽和移動度(cm/Vs)は、表面改質層のない同一トランジスタの移動度より少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍、なおより好ましくは少なくとも4倍大きい。より好ましくは5ミクロンのチャンネル長さを有し、本発明の方法によって調製される表面改質層を含むトップゲートのボトムコンタクト薄膜トランジスタの飽和移動度(cm/Vs)は、表面改質層のない同一トランジスタの移動度より少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍、なおより好ましくは少なくとも4倍大きい。
本発明のデバイスのさらなる好ましいフィーチャは、デバイスを製造する方法に関して好ましいフィーチャとして上記で記載されたものである。
本発明はまた、Mo(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)および溶媒を含む溶液の、電極上に表面改質層の製造のための使用を提供する。さらに、本発明はまた、有機電子デバイスの製造のための、本発明の方法によって得ることができる改質電極の使用を提供する。
典型的なトップゲート薄膜トランジスタの図である。 典型的なボトムゲート薄膜トランジスタの図である。 金層に関する光電子収率対光子エネルギーのプロットである。 Mo(tfd)を含む表面改質層を有する金層に関する光電子収率対光子エネルギーのプロットである。 フラーレンを含む表面改質層を有するトップゲートのボトムコンタクト薄膜トランジスタに関して得られた飽和移動度(cm/Vs)のプロットを示す。 本発明に従うMo(tfd)を含む表面改質層を有するトップゲートのボトムコンタクト薄膜トランジスタに関して得られた飽和移動度(cm/Vs)のプロットを示す。
図1を参照すると、それはトップゲート薄膜トランジスタの図を示す。構造は、基板1上に堆積されてもよく、ソースおよびドレイン電極2、4を含み、それらの間に位置するチャンネル領域6によって間隔があいている。有機半導体8は、チャンネル領域6に堆積され、ソースおよびドレイン電極2、4の少なくとも一部にわたって延びていてもよい。ゲート誘電体10は、有機半導体8にわたって堆積され、ソースおよびドレイン電極2、4の少なくとも一部にわたって延びてもよい。最後に、ゲート電極12は、絶縁層10にわたって堆積される。ゲート電極12は、チャンネル領域6にわたって位置し、ソースおよびドレイン電極2、4の少なくとも一部にわたって延びていてもよい。
図2は、ボトムゲート薄膜トランジスタの図を示す。図2において、同様の参照番号が、図1に対応する部品に関して使用されている。図2に示されるボトムゲート構造は、基板1上に堆積されたゲート電極12を含み、ゲート誘電体10がこれらの上に堆積される。ソースおよびドレイン電極2、4は、誘電体材料の絶縁層10にわたって堆積される。ソースおよびドレイン電極2、4は、ゲート電極にわたってそれらの間に位置するチャンネル領域6によって間隔があけられている。有機半導体8は、チャンネル領域6に堆積され、ソースおよびドレイン電極2、4の少なくとも一部にわたって延びていてもよい。
トランジスタのチャンネル領域の伝導率は、ゲートでの電圧の印加によって変更できる。このようにしてトランジスタは、印加されたゲート電圧を用いてオンオフすることができる。所与の電圧で達成できるドレイン電流は、有機半導体性層への電極からの電荷の注入およびソースとドレイン電極との間のチャンネル領域における電荷キャリアの移動度に依存する。
[実施例]
材料
トルエンおよびo−キシレンはSigma−Aldrichから得られた。
Mo(tfd)(以下に示す)は、Inorganic Syntheses,Volume 10,Part 1,Chapter 1,p 8−26「Metal complexes derived from cis−1,2−dicyano−1,2−ethylenedithiolate and bis(trifluoromethyl)−1,2−dithiete」,by A.Davison,R.H.Holm,R.E.Benson and W.Mahlerに記載されるように記載された方法によって調製した。
Figure 0006356240
基板は、Corningから得られたガラスである。
金は、agar scientific 99.99%から得られる。
有機半導体性層は以下に記載される。
ゲート誘電体はPTFEである。市販のPTFEが使用される。
アルミニウムは、Agar scientific 99.999%から得られる。
改質電極の仕事関数の決定
サンプルは、ガラス基板上で金(40nm)を熱蒸発させることによって調製した。基板は、5分間トルエン(1mg/ml)中のMo(tfd)の溶液中に含浸させ、次いでトルエンですすぎ、基板から非吸収錯体を除去し、60℃で10分間乾燥させる。比較金サンプルは未処理のままであった。
改質金および未改質金の仕事関数は、光電子収率分光計(Riken Instruments Inc.から入手可能なAC−2光電子分光計)を用いて測定された。測定は、空気中で行われ、光電子収率対光子エネルギーのプロットを作成した。測定は、以下の工程によって面積で数平方ミリメートルであるサンプルをプローブすることによって行われた。
・重水素ランプから放出されるUV光子は、格子モノクロメータを通して単色化された。
・10nWの強度にてモノクロ化されたUV光子は改質表面に焦点をあてた。
・UV光子のエネルギーは、0.05eVずつ4.2eVから6.2eVまでで増大した。
・UV光子のエネルギーがサンプルの光子放出の閾値エネルギー(すなわち、イオン化ポテンシャル)よりも高い場合、光電子はサンプル表面から放出された。
・サンプルから放出された光電子は、開放空気のカウンターによって検出され、カウントされた。
・格子放出閾値(すなわち仕事関数)は、背景線と光電子量子効率の平方根の外挿線との間の交点のエネルギーから決定した。
結果を図3a(非改質金)および3b(改質金)に示す。結果は、仕事関数のシフトが生じることを明らかに示す。より詳細には金の仕事関数は、Mo(tfd)溶液での処理の際に4.8eVから5.7eVへ増大する。これは、Mo(tfd)の金属表面への吸着によるものであり、電荷移動錯体を形成して、金属表面にて相対的に真空準位のシフトをもたらす。
有機薄膜トランジスタの製作のための調製実施例
(i)OTFT基板のプレクリーニングおよび表面改質処理:
デバイスの製作における第1の工程は、デバイス基板のプレクリーニングならびにソースおよびドレイン電極の表面処理におけるMo(tfd)の適用を必要とした。基板は、ガラス表面上のクロム接着層(5/40nmのCr/Au)の頂部における金ソースおよびドレイン電極からなる。基板は、残留フォトレジスト材料(ソース−ドレイン電極の規定のために使用した)が確実に除去されるように、酸素プラズマによって洗浄した。
プラズマ処理の後、Mo(tfd)は、基板をトルエン溶液中に5分間フロッドすることによって1mg/mlの濃度にてトルエン溶液から適用された。溶液は、スピンコーター上で基板を回転させることによって除去し、次いでトルエン中ですすいで、ソースおよびドレイン電極上で基板のチャンネル領域中に吸着されていなかった未反応材料を除去した。これらの工程はすべて空気中で行った。サンプルは、次いで60で10分間ベークされ、サンプルが脱水されたことを確実にした。
(ii)半導体ブレンド溶液の調製およびスピンコーティング:
非ポリマー性半導体およびポリマー性半導体のブレンドは、o−キシレン中の溶液として調製された。ブレンドは、予備加重非ポリマー性およびポリマー性半導体および溶媒から所望の濃度の溶液を製造することによって調製された。ブレンドは、1.2%w/v(1mlの溶媒あたり12mgの固体)の濃度に調製された。ポリマー性半導体は、上記およびWO2010/084977に開示されるように、F8−TFBであった。非ポリマー性半導体は、以下に示され、WO2011/004869に開示される方法に従って調製された):
Figure 0006356240
このブレンドの堆積は、30秒の期間にわたって600rpmのコーティング速度にてスピンコーターを用いて行われた。乾燥は直ちに行った。層の厚さは55nmであった。
(iii)誘電体層の堆積:
次いで誘電体層は、この半導体フィルムにおいてPTFEの溶液をスピンコーティングすることによって堆積させた。誘電体層の厚さは300nmであった。
(iv)ゲート電極の堆積:
最終的に、ゲート電極は、所望のトップゲート有機薄膜トランジスタを得るために、シャドウマスクを通して300nmのアルミニウムの熱蒸発によって堆積させた。
比較例
比較例が調製され、ここでフラーレンはMo(tfd)の代わりに表面改質層に使用された。製作方法は、プラズマ処理の後、(C6036)を、5分間、トルエン溶液に基板をフロッドすることによって、1mMの濃度でトルエン溶液から適用したこと以外は同一であった。
デバイス特性評価
上記で記載されるように製造されたデバイスは、Hewlett Packard 4156C半導体パラメータ分析器を用いて、出力およびトランスファデバイス特性を測定することによって、周囲条件(デバイスの封入を使用しなかった)にて測定された。飽和移動度は、ゲートバイアスの関数(+40V〜−40Vの掃引)として、ソース(0V)に対して−40Vのドレインバイアスにて特性評価される場合のデバイスから計算した。ゲートバイアスの関数としての移動度の最大値はピーク飽和移動度である。結果を図4aおよび4bに示す。平均のために多くのTFTを使用するので(チャンネルン長さあたり8個のTFT)、平均および最大値データ表示を示す。まず、各TFTについてゲートバイアスの関数としての飽和移動度におけるピークが同定される(移動度は、ゲートバイアス依存パラメータである)。これらのピーク飽和移動度結果における平均および最大値の両方(すなわち、考慮されるすべてのTFTに関してピーク飽和移動度の単一の最大値)が、5および10ミクロン両方のチャンネル長さデバイスについて計算され、示される。
5および10マイクロメートルのチャンネル長さにおける本発明のデバイスの平均飽和移動度は、約1cm/Vsである。これは、電極上の表面改質層としてフラーレンを使用する比較デバイスにおいて達成される移動度と同様である。
短いチャンネル長さにおいて、本発明のデバイスは、10ミクロンのチャンネル長さにおいて1.5cm/Vsまでの最大電荷キャリア移動度を達成する。デバイスの電荷キャリア移動度は、表面処理層の適用から改善され、電極の有効な仕事関数の増大を生じ、低減した接触抵抗、ひいては高い電荷キャリア移動度を許容する。
Mo(tfd)処理されたコンタクトデバイスの広い規格化接触抵抗は、標準伝送線方法を用いて計算され、それによってデバイス抵抗は、デバイスチャンネル長さの関数として計算される。実質的に0のチャンネル長さまで外挿することによって、接触抵抗は3.2kOhm−cmとして決定された。

Claims (12)

  1. 有機電子デバイスのための改質電極を調製するための方法であって、ここで前記改質電極は表面改質層を含み、前記方法は:
    (i)M(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)および少なくとも1つの溶媒を含む溶液を、前記電極の少なくとも1つの表面の少なくとも一部に堆積させる工程;および
    (ii)前記溶媒の少なくとも一部を除去して、前記電極上に前記表面改質層を形成する工程
    を含む、方法。
  2. 前記表面改質層が有機半導体を含まない、請求項1に記載の方法。
  3. 前記表面改質層が、MがMoであるM(tfd)からなる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記電極が、Au、AgまたはCuを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. (i)請求項1から4のいずれか一項に記載の方法によって少なくとも1つの改質電極を調製する工程;および
    (ii)前記改質電極の表面に少なくとも1つの有機半導体を含む有機半導体性層を堆積させる工程
    を含む有機電子デバイスを調製するための方法。
  6. 前記デバイスが薄膜トランジスタである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記有機半導体性層が、ポリマー性半導体および少なくとも1つの非ポリマー性半導体を含む、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記非ポリマー性半導体が、式(I)を有する、請求項7に記載の方法:
    Figure 0006356240

    式中、Aは、フェニル基またはチオフェン基であり、前記フェニル基またはチオフェン基は、非置換または式Xの少なくとも1つの基で置換できるフェニル基またはチオフェン基と縮合してもよく、および/またはフェニル基、チオフェン基およびベンゾチオフェン基から選択される基で縮合してもよく、前記フェニル、チオフェンおよびベンゾチオフェン基のいずれかは、非置換または式Xの少なくとも1つの基で置換され;
    各基Xは、同一または異なっていてもよく、(i)1〜20個の炭素原子を有する非置換または置換の直鎖、分岐または環状アルキル基、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基、非置換であってもよくまたは1〜8個の炭素原子を有する1もしくは2つのアルキル基で置換されてもよいアミノ基(そのそれぞれは同一または異なっていてもよい)、アミド基、シリル基、および2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基、または(ii)ハロゲン、ボロン酸、ジボロン酸ならびにボロン酸およびジボロン酸のエステル、2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基およびスタンニル基からなる群から選択される重合性または反応性基からなる群から選択される、
    方法。
  9. 前記ポリマー性半導体が式(II)の繰り返しユニット:
    Figure 0006356240

    式中、RおよびRは、同一または異なって、それぞれは水素、1〜16個の炭素原子を有するアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子、窒素原子および/またはセレニウム原子を含有する5〜7員のヘテロアリール基からなる群から選択され、前記アリール基またはヘテロアリール基は、非置換であるか、または1〜16個の炭素原子を有するアルキル基および1〜16個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1つ以上の置換基で置換される;
    および式(III)の繰り返しユニット:
    Figure 0006356240

    式中、ArおよびArは、同一または異なって、それぞれは5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含有する5〜7員のヘテロアリール基から選択され、前記アリール基またはヘテロアリール基は、非置換であるか、または1〜16個の炭素原子を有するアルキル基および1〜16個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1つ以上の置換基で置換され;
    は、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、または非置換であってもよくもしくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基で置換されてもよいフェニル基であり、nは1以上の整数である
    を含む、請求項7に記載の方法。
  10. 前記ポリマー性半導体が、F8−TFB[9,9’−ジオクチルフルオレン−co−N−(4−ブチルフェニル)−ジフェニルアミン]nであり、ここでnは100を超える、
    請求項7に記載の方法。
  11. それらの間にチャンネル領域を規定するソースおよびドレイン電極;前記ソースおよびドレイン電極の少なくとも1つの表面の少なくとも一部と接触したM(tfd) (式中、MはMo、CrまたはWである)を含む表面改質層;前記表面改質層と接触し、前記チャンネル領域にわたって延びる有機半導体性層;ゲート電極;および前記有機半導体性層と前記ゲート電極との間のゲート誘電体を含む有機薄膜トランジスタであって、
    i)基板;
    ii)前記基板上に堆積され、それらの間に位置するチャンネル領域を有するソースおよびドレイン電極であって、前記電極のそれぞれの少なくとも1つの表面の少なくとも一部がM(tfd)(式中、MはMo、WまたはCrである)を含む表面改質層で改質されている電極;
    iii)前記ソースおよびドレイン電極の少なくとも一部にわたって、前記チャンネル領域中に堆積される半導体性層;
    iv)前記半導体性層にわたって堆積されるゲート誘電体;および
    v)前記ゲート誘電体上に堆積されるゲート電極
    を含む、有機薄膜トランジスタ。
  12. それらの間にチャンネル領域を規定するソースおよびドレイン電極;前記ソースおよびドレイン電極の少なくとも1つの表面の少なくとも一部と接触したM(tfd) (式中、MはMo、CrまたはWである)を含む表面改質層;前記表面改質層と接触し、前記チャンネル領域にわたって延びる有機半導体性層;ゲート電極;および前記有機半導体性層と前記ゲート電極との間のゲート誘電体を含む有機薄膜トランジスタであって、
    i)基板、
    ii)前記基板上に堆積されるゲート電極;
    iii)前記ゲート電極にわたって堆積されたゲート誘電体;
    iv)前記ゲート誘電体上に堆積され、それらの間にチャンネル領域を有するソースおよびドレイン電極であって、前記電極のそれぞれの少なくとも1つの表面の少なくとも一部がM(tfd)(式中、MはMo、CrまたはWである)を含む表面改質層で改質されている電極;
    v)前記ソースおよびドレイン電極の少なくとも一部にわたって、前記チャンネル領域中に堆積される半導体性層
    を含む、有機薄膜トランジスタ。
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