JP6240544B2 - 有機半導体膜形成用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、有機半導体膜形成用組成物に関する。
軽量化、低コスト化、柔軟化が可能であることから、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイに用いられるFET(電界効果トランジスタ)、RFID(RFタグ)等に、有機半導体膜(有機半導体層)を有する有機トランジスタ(有機TFT)が利用されている。
有機半導体膜の作製方法としては、種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1では、所定の有機溶媒を含む組成物を使用して有機層を製造する方法が開示されている。
特表2012−517673号公報
近年、有機トランジスタなどの電子デバイスの性能向上の点では、有機半導体膜の移動度のより一層の向上が求められる。また、電子デバイスの品質を向上する上では、サンプル間(ロット間)における有機半導体膜の移動度のバラツキが少ないことが求められる。つまり、有機半導体膜においては、優れた移動度、および、移動度のバラツキが少ないことが求められる。
本発明者らは、特許文献1に記載の溶媒を用いて有機半導体膜を作製してその移動度および移動度のバラツキを評価したところ、必ずしも昨今の要求を満たしておらず、さらなる改良が必要であった。
本発明は、上記実情に鑑みて、優れた移動度を示すと共に、サンプル間での移動度のバラツキが小さい有機半導体膜を製造することができる有機半導体膜形成用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、特定の有機半導体材料を選択することにより所望の効果が得られることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 分子内に、2つ以上のチオフェン環を含み、上記チオフェン環を含む少なくとも4つ以上の環数の縮環構造からなる母核、および、母核に結合する置換基Xを有する第1有機半導体化合物と、
第1有機半導体化合物と同じ母核を有し、かつ、後述する要件1〜要件3からなる群から選択されるいずれか1つの要件を満たす、第2有機半導体化合物と、
有機溶媒と、を少なくとも含有する有機半導体膜形成用組成物。
(2) 母核が、少なくとも3つ以上のチオフェン環を含む、(1)に記載の有機半導体膜形成用組成物。
(3) 母核が、3つまたは4つのチオフェン環を含む、(1)または(2)に記載の有機半導体膜形成用組成物。
(4) 母核が、3つのチオフェン環を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の有機半導体膜形成用組成物。
(5) 母核の環数が5つである、(1)〜(4)のいずれかに記載の有機半導体膜形成用組成物。
(6) 置換基X、および、置換基Yが、炭素数1〜16のアルキル基を含む置換基である、(1)〜(5)のいずれかに記載の有機半導体膜形成用組成物。
(7) アルキル基が、直鎖状アルキル基である、(6)に記載の有機半導体膜形成用組成物。
(8) 第2有機半導体化合物が要件1または要件2を満たし、
要件1を満たす場合は、第1有機半導体化合物中に置換基Xが2つ含まれ、かつ、第2有機半導体化合物中に置換基Yが2つ含まれ、
要件2を満たす場合は、第1有機半導体化合物中に置換基Xが2つ含まれ、かつ、第2有機半導体化合物中に置換基Xが2つ含まれる、(1)〜(7)のいずれかに記載の有機半導体膜形成用組成物。
(9) 第2有機半導体化合物が要件1を満たし、
第1有機半導体化合物中の母核に対する置換基Xの結合位置と、第2有機半導体化合物中の母核に対する置換基Yの結合位置とが同じである、(1)〜(7)のいずれかに記載の有機半導体膜形成用組成物。
(10) 第2有機半導体化合物が要件1を満たし、
置換基Xおよび置換基Yが、炭素数1〜16のアルキル基を含む置換基であり、置換基X中の炭素数と置換基Y中の炭素数との差が4以内である、(1)〜(7)および(9)のいずれか1項に記載の有機半導体膜形成用組成物。
(11) 第2有機半導体化合物が要件1を満たし、
置換基Xおよび置換基Yが、炭素数1〜16の直鎖状アルキル基である、(1)〜(10)のいずれかに記載の有機半導体膜形成用組成物。
(12) 第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物の合計量が、組成物全質量に対して、0.4〜10.0質量%である、(1)〜(11)のいずれかに記載の有機半導体膜形成用組成物。
(13) 第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物の合計量が、組成物全質量に対して、0.6〜8.0質量%である、(1)〜(12)のいずれかに記載の有機半導体膜形成用組成物。
(14) 第1有機半導体化合物の質量と、第2有機半導体化合物の質量との比が0.3〜3.0である、(1)〜(13)のいずれかに記載の有機半導体膜形成用組成物。なお、比は、第1有機半導体化合物の質量/第2有機半導体化合物の質量を示す。
(15) 第1有機半導体化合物の質量と、第2有機半導体化合物の質量との比が0.5〜2.0である、(1)〜(14)のいずれかに記載の有機半導体膜形成用組成物。なお、比は、第1有機半導体化合物の質量/第2有機半導体の質量を示す。
(16) 第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物が、それぞれ、一般式(1)〜(15)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、(1)〜(15)のいずれかに記載の有機半導体膜形成用組成物。

(一般式(1)中、X1およびX2はS原子を表し、A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表し、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。なお、R1〜R8の少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表すことが好ましい。
一般式(W) −L−R
一般式(W)中、Lは下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、Rは置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、または、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。

一般式(L−1)〜(L−25)中、*はRとの結合位置を表し、波線部分はもう一方の結合位置を表す。なお、Lが一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が2つ以上結合した2価の連結基を表す場合、一方の連結基の*が、他方の連結基の波線部分と結合する。一般式(L−13)におけるmは4を表し、一般式(L−14)および(L−15)におけるmは3を表し、一般式(L−16)〜(L−20)におけるmは2を表し、(L−22)におけるmは6を表し、
一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)および(L−13)〜(L−24)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、RNは水素原子または置換基を表し、Rsiはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を表す。
一般式(2)中、XはS原子を表し、Aはそれぞれ独立にCR8またはN原子を表す。R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(3)中、XはS原子を表し、pおよびqはそれぞれ独立に0〜2の整数を表し、R1〜R10、RaおよびRbはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または一般式(W)で表される置換基を表し、ただし、R5とR6のうち少なくとも一方が一般式(W)で表される置換基である場合はR5とR6が表す一般式(W)においてLは一般式(L−2)または(L−3)で表される2価の連結基である。
一般式(4)中、X1およびX2はS原子を表し、A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表し、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(5)中、X1〜X4はS原子を表し、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(6)中、X1およびX2はS原子を表し、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(7)中、X1およびX2はS原子を表し、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(8)中、XはS原子を表し、R3、R4、およびR7〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または一般式(W)で表される置換基を表す。R1、R2、R5、およびR6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(9)中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、X1およびX2はS原子を表す。
一般式(10)中、X1およびX2はS原子を表し、R1〜R12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(11)中、X1およびX2はS原子を表し、R1〜R12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(12)中、X1およびX2はS原子を表し、R1〜R12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(13)中、X1、X2およびX3はS原子を表し、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(14)中、X1、X2、X3、およびX4はS原子を表し、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(15)中、X1、X2、X3、およびX4はS原子を表す。R1〜Rは、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
(17) 第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物が、それぞれ、一般式(5)で表される化合物、および、一般式(13)〜(15)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、(16)に記載の有機半導体膜形成用組成物。
本発明によれば、優れた移動度を示すと共に、サンプル間での移動度のバラツキが小さい有機半導体膜を製造することができる有機半導体膜形成用組成物を提供することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタの一態様の断面模式図である。 本発明の有機薄膜トランジスタの別の一態様の断面模式図である。 実施例で使用したメタルマスクの平面図である。
以下に、本発明の有機半導体膜形成用組成物(以後、単に「組成物」とも称する)の好適態様について説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の組成物の特徴点としては、所定の有機半導体化合物を2種併用している点が挙げられる。まず、本発明者らは、所定の2種の有機半導体化合物を使用することにより、1種の有機半導体化合物を使用するよりも、有機溶媒中での溶解度が向上することを知見している。有機溶媒中での有機半導体化合物の濃度が向上することにより、所定の厚みの有機半導体膜を製造する際の塗布量を減らすことができる。なお、有機半導体膜中での結晶成長は、塗膜中に含まれる有機溶媒の量によっても影響を受ける。そのため、サンプル間(ロット間)で塗膜中の有機溶媒の量が異なると、形成される結晶の大きさが変わり、形成される有機半導体膜の移動度のバラツキが生じやすい。一方、本発明の組成物においては、上述したように、有機半導体化合物の濃度がより高濃度にすることができる。その結果、塗膜中での有機溶媒の量を低減させることができ、結果としてサンプル間での有機溶媒の量のバラツキが低減される。そのため、有機溶媒の乾燥起因で生じる結晶性のバラツキが抑制され、サンプル間での移動度のバラツキが低減される。
また、組成物中での有機半導体化合物の濃度がより高くなることで、結晶形成プロセスにおいて、有機溶媒が乾燥して結晶核が形成した後、いわゆる過飽和濃度状態を維持しやすくなるため、少ない結晶核から一気に結晶化が進行しやすく、結果として粒界の少ない均一な結晶が得られやすい。そのため、形成される有機半導体膜の移動度がより向上しやすい。
以下では、まず、組成物に含まれる成分について詳述する。
<第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物>
第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物は、分子内に同じ母核を有する。この母核は、2つ以上のチオフェン環を含み、上記チオフェン環を含む少なくとも4つ以上の環数の縮環構造(縮合多環構造)を有する。言い換えれば、母核がこの縮環構造からなる(構成される)。なお、本組成物では、第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物以外の、他の有機半導体化合物が含まれていてもよい。
第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物に含まれる母核(縮環構造)中には、2つ以上のチオフェン環(チオフェン環構造)が含まれ、なかでも形成される有機半導体膜の移動度がより優れる、および/または、サンプル間での移動度のバラツキがより小さい点(以後、単に「本発明の効果がより優れる点」とも称する)から、チオフェン環の数は3つ以上が好ましく、3〜5つがより好ましく、3〜4つがさらに好ましく、3つが特に好ましい。チオフェン環の数が上記好適範囲であれば、組成物中での第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物の高い溶解度を維持しつつ、結晶状態での母核同士の重なりが大きくなる結果、高移動度で、サンプル間での移動度のバラツキがより抑制される。
縮合構造は、上記2つ以上のチオフェン環を含むと共に、その環数(総環数)が4つ以上である。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、環数は4〜6つが好ましく、5〜6つがより好ましく、5つがさらに好ましい。
なお、縮合構造(縮合多環構造)とは、芳香族環が複数縮合して得られる構造である。芳香族環としては、芳香族炭化水素環および芳香族複素環が挙げられる。芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環が挙げられる。なお、縮合構造にナフタレン環が含まれる場合、2つのベンゼン環が含まれると判断する。
また、芳香族複素環基としては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、セレノフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、ジアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、トリアジン環などが挙げられる。
上述した縮合構造(母核)の好適態様としては、本発明の効果がより優れる点で、3つのチオフェン環を含み、かつ、環数が5つである縮合構造が挙げられる。なかでも、2つのベンゼン環と3つのチオフェン環とを含み、かつ、環数が5つである縮合構造が最も好ましい。
また、縮合構造(母核)の他の好適態様としては、本発明の効果がより優れる点で、チオフェン環とベンゼン環とが交互に縮合した構造が挙げられる。
なお、第2有機半導体化合物は、上述したように母核を有し、かつ、以下の要件1〜3のいずれか一つを満たす化合物である。
要件1:第2有機半導体化合物中の母核に結合し、第1有機半導体化合物中の置換基Xとは異なる置換基Yを第2有機半導体化合物が有する。
要件2:第2有機半導体化合物が母核に結合する置換基Xを有し、第1有機半導体化合物中の母核に対する置換基Xの結合位置と、第2有機半導体化合物中の母核に対する置換基Xの結合位置とが異なる。
要件3:第2有機半導体化合物が置換基を有さない。
言い換えれば、第2有機半導体化合物は、「第1有機半導体化合物と同じ母核を有し、かつ、第1有機半導体化合物中の置換基Xとは異なる(置換基Xとは種類が異なる)、母核に結合する置換基Yを有する有機半導体化合物」(化合物1)、「第1有機半導体化合物と同じ母核を有し、かつ、母核に結合する置換基X(第1有機半導体化合物の置換基Xと同一の基)を有し、かつ、第1有機半導体化合物中の母核に対する置換基Xの結合位置と異なる結合位置で置換基Xが母核に結合してなる有機半導体化合物」(化合物2)、または、「第1有機半導体化合物と同じ母核を有し、かつ、置換基を有さない有機半導体化合物」(化合物3)である。
より詳細には、化合物1が組成物中に含まれる場合、母核は同じだが、置換基の種類が異なる2種の有機半導体化合物が組成物中に含まれることになる。また、化合物2が組成物中に含まれる場合、同じ母核および同じ置換基を有するが、置換基の母核に対する結合位置が異なる2種の有機半導体化合物が組成物に含まれることになる。さらに、化合物3が組成物に含まれる場合は、置換基を有する有機半導体化合物と、置換基を有さない有機半導体化合物が組成物中に含まれることになる。なお、化合物3は置換基を含まないが、置換基の種類としては、例えば、後述する置換基Wが挙げられる。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、要件1を満たすことが好ましい。
第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物に含まれる置換基(置換基Xおよび置換基Y)の種類は特に制限されず、公知の置換基であればよい。例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基といってもよい)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)などが挙げられる。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、炭素数1〜16のアルキル基を含む置換基が好ましく、炭素数1〜16のアルキル基がより好ましい。上記炭素数としては、化合物の有機溶媒への溶解性がより優れ、本発明の効果がより優れる点で、1〜12が好ましく、2〜8がより好ましい。
上記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれもよいが、直鎖状であることが好ましい。
また、第2有機半導体化合物が上記要件1を満たし(化合物1である場合)、かつ、置換基Xおよび置換基Yが炭素数1〜16のアルキル基を含む置換基である場合、本発明の効果がより優れる点で、置換基X中の炭素数と置換基Y中の炭素数との差は4以内が好ましく、2以内がより好ましく、1以内であることがさらに好ましい。
第2有機半導体化合物が上記要件1を満たす場合、第1有機半導体化合物に含まれる置換基X(または、第2有機半導体化合物に含まれる置換基Y)の数は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、2つ以上が好ましく、2〜4つがより好ましく、2つがさらに好ましい。
第2有機半導体化合物が上記要件2を満たす場合、第1有機半導体化合物に含まれる置換基X(または、第2有機半導体化合物に含まれる置換基X)の数は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、2つ以上が好ましく、2〜4つがより好ましく、2つがさらに好ましい。
第2有機半導体化合物が上記要件1を満たす場合、置換基Xおよび置換基Yの母核に対する結合位置(置換位置)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、第1有機半導体化合物中の母核に対する置換基Xの結合位置と、第2有機半導体化合物中の母核に対する置換基Yの結合位置が同じであることが好ましい。
第2有機半導体化合物が上記要件1を満たす場合、第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物は、上述したように母核に置換基が結合した構造を有する。第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物は、以下の式(X)および式(Y)として表すこともできる。
式(X)および式(Y)中、Aは母核(縮合構造)を表し、Bは置換基Xを表し、Bは置換基Yを表す。nおよびmは、1以上の整数を表す。
上述したように、BおよびBは、異なる置換基を表す。
nおよびmは、本発明の効果がより優れる点で、2以上が好ましく、2〜4がより好ましく、2がさらに好ましい。
なお、本明細書において、母核とは第1有機半導体化合物(または第2有機半導体化合物)中において主骨格をなす部分を意図する。なお、主骨格とは、第1有機半導体化合物(または第2有機半導体化合物)中の全分子量に対して、母核の分子量が50質量%以上であることを意図する。
第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物の好適態様としては、本発明の効果がより優れる点で、一般式(1)〜(15)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
以下では、まず、一般式(1)〜(15)で表される化合物で使用されてもよい、一般式(W)で表される置換基について詳述し、その後、各化合物中に含まれる基について詳述する。
まず、一般式(W)で表される置換基について説明する。
一般式(W) −L−R
一般式(W)中、Lは下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、
一般式(L−1)〜(L−25)中、*はRとの結合位置を表し、波線部分はもう一方の結合位置を表す。より具体的には、後述する一般式(1)で表される化合物に一般式(W)で表される置換基が含まれる場合、波線部分は一般式(1)で表される骨格を形成する環と結合する。なお、後述するように、一般式(W)が他の化合物に含まれる場合、波線部分は各化合物の骨格を形成する環と結合する。
なお、Lが一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が2つ以上結合した2価の連結基を表す場合、一方の連結基の*が、他方の連結基の波線部分と結合する。
一般式(L−13)におけるmは4を表し、一般式(L−14)および(L−15)におけるmは3を表し、一般式(L−16)〜(L−20)におけるmは2を表し、(L−22)におけるmは6を表す。
一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)および(L−13)〜(L−24)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。RNは水素原子または置換基を表す。Rsiはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を表す。
一般式(L−1)および(L−2)中のR’はそれぞれLに隣接するRと結合して縮合環を形成してもよい。
この中でも、一般式(L−17)〜(L−21)、(L−23)および(L−24)で表される2価の連結基は、下記一般式(L−17A)〜(L−21A)、(L−23A)および(L−24A)で表される2価の連結基であることがより好ましい。
ここで、置換または無置換のアルキル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基が置換基の末端に存在する場合は、一般式(W)における−R単独と解釈することもでき、一般式(W)における−L−Rと解釈することもできる。
本発明では、主鎖が炭素数N個の置換または無置換のアルキル基が置換基の末端に存在する場合は、置換基の末端から可能な限りの連結基を含めた上で一般式(W)における−L−Rと解釈することとし、具体的には「一般式(W)におけるLに相当する(L−1)1個」と「一般式(W)におけるRに相当する主鎖が炭素数N−1個の置換または無置換のアルキル基」とが結合した置換基として解釈する。例えば、炭素数8のアルキル基であるn−オクチル基が置換基の末端に存在する場合、2個のR’が水素原子である(L−1)1個と、炭素数7のn−ヘプチル基とが結合した置換基として解釈する。
一方、本発明では、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基が置換基の末端に存在する場合は、置換基の末端から可能な限りの連結基を含めた上で、一般式(W)におけるR単独と解釈する。例えば、−(OCH2CH2)−(OCH2CH2)−(OCH2CH2)−OCH3基が置換基の末端に存在する場合、オキシエチレン単位の繰り返し数vが3のオリゴオキシエチレン基単独の置換基として解釈する。
Lが一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した連結基を形成する場合、一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基の結合数は2〜4であることが好ましく、2または3であることがより好ましい。
一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)および(L−13)〜(L−24)中の置換基R’としては、後述する一般式(1)のR1〜R8が採りうる置換基として例示したものを挙げることができる。その中でも一般式(L−6)中の置換基R’はアルキル基であることが好ましく、(L−6)中のR’がアルキル基である場合は、アルキル基の炭素数は1〜9であることが好ましく、4〜9であることが化学的安定性、キャリア輸送性の観点からより好ましく、5〜9であることがさらに好ましい。(L−6)中のR’がアルキル基である場合は、アルキル基は直鎖アルキル基であることが、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
Nは水素原子または置換基を表し、RNとしては、後述する一般式(1)のR1〜R8が採りうる置換基として例示したものを挙げることができる。その中でもRNとしては水素原子またはメチル基が好ましい。
siはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を表し、アルキル基であることが好ましい。Rsiがとり得るアルキル基としては特に制限はないが、Rsiがとり得るアルキル基の好ましい範囲は、Rがトリアルキルシリル基である場合にトリアルキルシリル基がとり得るアルキル基の好ましい範囲と同様である。Rsiがとり得るアルケニル基としては特に制限はないが、置換または無置換のアルケニル基が好ましく、分枝アルケニル基であることがより好ましく、アルケニル基の炭素数は2〜3であることが好ましい。Rsiがとり得るアルキニル基としては特に制限はないが、置換または無置換のアルキニル基が好ましく、分枝アルキニル基であることがより好ましく、アルキニル基の炭素数は2〜3であることが好ましい。
Lは一般式(L−1)〜(L−5)、(L−13)、(L−17)もしくは(L−18)のいずれかで表される2価の連結基または一般式(L−1)〜(L−5)、(L−13)、(L−17)もしくは(L−18)のいずれかで表される2価の連結基が2以上結合した2価の連結基であることが好ましく、一般式(L−1)、(L−3)、(L−13)もしくは(L−18)のいずれかで表される2価の連結基または一般式(L−1)、(L−3)、(L−13)もしくは(L−18)で表される2価の連結基が2以上結合した2価の連結基であることがより好ましく、(L−1)、(L−3)、(L−13)もしくは(L−18)で表される2価の連結基または一般式(L−3)、(L−13)もしくは(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基であることが特に好ましい。一般式(L−3)、(L−13)または(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基は、一般式(L−1)で表される2価の連結基がR側に結合することが好ましい。化学的安定性、キャリア輸送性の観点から一般式(L−1)で表される2価の連結基を含む2価の連結基であることが特に好ましく、一般式(L−1)で表される2価の連結基であることがより特に好ましく、Lが一般式(L−1)で表される2価の連結基であり、Rが置換または無置換のアルキル基であることが最も好ましい。
一般式(W)において、Rは置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
一般式(W)において、Rに隣接するLが一般式(L−1)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換または無置換のアルキル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基であることが好ましく、置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
一般式(W)において、Rに隣接するLが一般式(L−2)および(L−4)〜(L−25)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
一般式(W)において、Rに隣接するLが一般式(L−3)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のトリアルキルシリル基であることが好ましい。
Rが置換または無置換のアルキル基の場合、炭素数は4〜17であることが好ましく、6〜14であることが化学的安定性、キャリア輸送性の観点からより好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。Rが上記の範囲の長鎖アルキル基であること、特に長鎖の直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
Rがアルキル基を表す場合、直鎖アルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
これらの中でも、一般式(W)におけるRとLの組み合わせとしては、一般式(1)中、Lが一般式(L−1)で表される2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖の炭素数7〜17のアルキル基であるか、あるいは、Lが一般式(L−3)、(L−13)または(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖のアルキル基であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。
Lが一般式(L−1)で表される2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖の炭素数7〜17のアルキル基である場合、Rが直鎖の炭素数7〜14のアルキル基であることがキャリア移動度を高める観点からより好ましく、直鎖の炭素数7〜12のアルキル基であることが特に好ましい。
Lが一般式(L−3)、(L−13)または(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖のアルキル基である場合、Rが直鎖の炭素数4〜17のアルキル基であることがより好ましく、直鎖の炭素数6〜14のアルキル基であることが化学的安定性、キャリア輸送性の観点からより好ましく、直鎖の炭素数6〜12のアルキル基であることがキャリア移動度を高める観点から特に好ましい。
一方、有機溶媒への溶解度を高める観点からは、Rが分枝アルキル基であることが好ましい。
Rが置換基を有するアルキル基である場合の置換基としては、ハロゲン原子などを挙げることができ、フッ素原子が好ましい。なお、Rがフッ素原子を有するアルキル基である場合はアルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されてパーフルオロアルキル基を形成してもよい。ただし、Rは無置換のアルキル基であることが好ましい。
Rがオキシエチレン基の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基の場合、Rが表す「オリゴオキシエチレン基」とは本明細書中、−(OCH2CH2vOYで表される基のことを言う(オキシエチレン単位の繰り返し数vは2以上の整数を表し、末端のYは水素原子または置換基を表す)。なお、オリゴオキシエチレン基の末端のYが水素原子である場合はヒドロキシ基となる。オキシエチレン単位の繰り返し数vは2〜4であることが好ましく、2〜3であることがより好ましい。オリゴオキシエチレン基の末端のヒドロキシ基は封止されていること、すなわちYが置換基を表すことが好ましい。この場合、ヒドロキシ基は、炭素数が1〜3のアルキル基で封止されること、すなわちYが炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、Yがメチル基やエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
Rが、シロキサン基、または、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基の場合、シロキサン単位の繰り返し数は2〜4であることが好ましく、2〜3であることがさらに好ましい。また、ケイ素原子(Si原子)には、水素原子やアルキル基が結合することが好ましい。ケイ素原子にアルキル基が結合する場合、アルキル基の炭素数は1〜3であることが好ましく、例えば、メチル基やエチル基が結合することが好ましい。ケイ素原子には、同一のアルキル基が結合してもよく、異なるアルキル基または水素原子が結合してもよい。また、オリゴシロキサン基を構成するシロキサン単位はすべて同一であっても異なっていてもよいが、すべて同一であることが好ましい。
Rに隣接するLが一般式(L−3)で表される2価の連結基である場合、Rが置換または無置換のトリアルキルシリル基であることも好ましい。Rが置換または無置換のトリアルキルシリル基である場合はその中でも、シリル基の置換基としては置換または無置換のアルキル基であれば特に制限はないが、分枝アルキル基であることがより好ましい。Si原子に結合するアルキル基の炭素数は1〜3であることが好ましく、例えば、メチル基やエチル基やイソプロピル基が結合することが好ましい。ケイ素原子には、同一のアルキル基が結合してもよく、異なるアルキル基が結合してもよい。Rがアルキル基上にさらに置換基を有するトリアルキルシリル基である場合の置換基としては、特に制限はない。
一般式(W)において、LおよびRに含まれる炭素数の合計は5〜18であることが好ましい。LおよびRに含まれる炭素数の合計が上記範囲の下限値以上であると、キャリア移動度が高くなり、駆動電圧を低くなる。LおよびRに含まれる炭素数の合計が上記範囲の上限値以下であると、有機溶媒に対する溶解性が高くなる。
LおよびRに含まれる炭素数の合計は5〜14であることが好ましく、6〜14であることがより好ましく、6〜12であることが特に好ましく、8〜12であることが最も好ましい。
(一般式(1)で表される化合物)
一般式(1)中、X1およびX2はS原子を表す。
一般式(1)中、A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表し、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。A1がCR7であるか、A2がCR8であることが好ましく、A1がCR7かつA2がCR8であることがより好ましい。A1およびA2は、同じであっても互いに異なっていてもよいが、同じあることが好ましい。
一般式(1)において、R5とR7は互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
一般式(1)において、R6とR8は互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
一般式(1)中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。なお、R1〜R8の少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表すことが好ましい。
1〜R8がそれぞれ独立にとりうる置換基としては、以下に説明する置換基Wが挙げられる。置換基Wとしては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基といってもよい)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、その他の公知の置換基が挙げられる。なお、本明細書においては、「置換基」としては、上記置換基Wが好ましく挙げられる。
1〜R8がそれぞれ独立にとりうる置換基として、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、アルコキシ基、アルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数1〜11のアルコキシ基、炭素数5〜12の複素環基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基がより好ましく、後述の連結基鎖長が3.7Å以下の基および一般式(W)で表される置換基が特に好ましく、一般式(W)で表される置換基がより特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物中、R1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基は1〜4個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1または2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R5またはR6であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましい。
1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、連結基鎖長が3.7Å以下の基であることが好ましく、連結基鎖長が1.0〜3.7Åの基であることがより好ましく、連結基鎖長が1.0〜2.1Åの基であることがさらに好ましい。
ここで、連結基鎖長とはC(炭素原子)−R結合におけるC原子から置換基Rの末端までの長さのことを指す。構造最適化計算は、密度汎関数法(Gaussian03(米ガウシアン社)/基底関数:6−31G*、交換相関汎関数:B3LYP/LANL2DZ)を用いて行うことができる。なお、代表的な置換基の分子長としては、プロピル基は4.6Å、ピロール基は4.6Å、プロピニル基は4.5Å、プロペニル基は4.6Å、エトキシ基は4.5Å、メチルチオ基は3.7Å、エテニル基は3.4Å、エチル基は3.5Å、エチニル基は3.6Å、メトキシ基は3.3Å、メチル基は2.1Å、水素原子は1.0Åである。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基はそれぞれ独立に炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアシル基であることが好ましく、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(1A)または(1B)で表される化合物であることが好ましく、高移動度の観点からは一般式(1A)で表される化合物であることが特に好ましい。
一般式(1A)中、X1およびX2はS原子を表し、A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表し、R1〜R5、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R5は−La−Raで表される基ではなく、Laは上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、Raは置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
1〜R5、R7およびR8で表される置換基としては、上記置換基Wが挙げられる。
一般式(1B)中、X1およびX2はS原子を表し、A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表し、R1〜R4、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、LbおよびLcはそれぞれ独立に上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、RbおよびRcはそれぞれ独立に置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
1〜R4、R7およびR8で表される置換基としては、上記置換基Wが挙げられる。
(一般式(2)で表される化合物)
一般式(2)において、R1〜R6並びに後述するR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。なお、R1〜R6およびR8のうち少なくとも1つは、一般式(W)で表される置換基を表すことが好ましい。
1〜R6およびR8で表される置換基としては、上記置換基Wが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
1〜R6およびR8がそれぞれ独立にとりうる置換基として、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、アルコキシ基、アルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数1〜11のアルコキシ基、炭素数5〜12の複素環基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基がより好ましい。
一般式(2)において、XはS原子を表す。
一般式(2)において、Aはそれぞれ独立にCR8またはN原子を表し、CR8を表すことが好ましい。一般式(2)において、2つ含まれるAは、同じであっても互いに異なっていてもよいが、同じあることが好ましい。
8は連結基鎖長が3.7Å以下の基であることが好ましく、連結基鎖長が1.0〜3.7Åの基であることがより好ましく、連結基鎖長が1.0〜2.1Åの基であることがさらに好ましい。連結基鎖長の定義は、上述の通りである。
8は水素原子、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアシル基であることが好ましく、水素原子、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
8が炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。R8が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
8が炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。R8が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
8が炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。R8が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
8が炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。R8が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
一般式(2)で表される化合物が、一般式(2A)または(2B)で表される化合物であることが好ましく、高溶解性の観点からは一般式(2A)で表される化合物であることが特に好ましく、一方で高移動度の観点からは一般式(2B)で表される化合物であることが特に好ましい。
一般式(2A)において、XはS原子を表し、Aはそれぞれ独立にCR8またはN原子を表す。R1〜R5、およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただし、R5は−La−Raで表される基ではない。
aはそれぞれ独立に上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、Raはそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
一般式(2B)において、XはS原子を表し、Aはそれぞれ独立にCR8またはN原子を表す。R1〜R4、およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。LbおよびLcはそれぞれ独立に上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、RbおよびRcはそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
(一般式(3)で表される化合物)
一般式(3)中、XはS原子を表す。
一般式(3)中、pおよびqはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。pおよびqがそれぞれ独立に0または1であることが移動度と溶解性を両立する観点から好ましく、p=q=0またはp=q=1であることがより好ましい。
一般式(3)中、R1〜R10、RaおよびRbはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または一般式(W)で表される置換基を表す。ただし、R5とR6のうち少なくとも一方が一般式(W)で表される置換基である場合はR5とR6が表す一般式(W)においてLは上記一般式(L−2)または(L−3)で表される2価の連結基である。なお、R1〜R10、RaおよびRbのうち少なくとも一つは一般式(W)で表される置換基であることが好ましい。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
5とR6のうち少なくとも一方が一般式(W)で表される置換基である場合は、すなわちR5とR6のうちいずれか一方でも水素原子でもなくハロゲン原子でもない場合に相当する。
5とR6のうち少なくとも一方が一般式(W)で表される置換基である場合、R5とR6が表す一般式(W)においてLは上記一般式(L−3)で表される2価の連結基であることが好ましい。
5とR6のうち少なくとも一方が一般式(W)で表される置換基である場合、R5とR6はいずれも一般式(W)で表される置換基であることが好ましい。
なお、R5とR6がともに水素原子またはハロゲン原子の場合、R1〜R4、R7〜R10、RaおよびRbはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または一般式(W)で表される置換基であり、かつ、R1〜R4、R7〜R10、RaおよびRbのうち少なくとも1つ以上は一般式(W)で表される置換基となる。
一般式(3)中、R1〜R10、RaおよびRbが表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を挙げることができ、フッ素原子、塩素原子または臭素原子であることが好ましく、フッ素原子または塩素原子であることがより好ましく、フッ素原子であることが特に好ましい。
一般式(3)で表される化合物中、R1〜R10、RaおよびRbのうち、ハロゲン原子は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
一般式(3)で表される化合物中、R1〜R10、RaおよびRbのうち、一般式(W)で表される置換基は1〜4個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1または2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
1〜R10、RaおよびRbのうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はない。その中でも、本発明では、一般式(4)中、R1、R4〜R7、R10、RaおよびRbがそれぞれ独立に水素原子またはハロゲン原子であり、R2、R3、R8およびR9がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または一般式(W)で表される置換基であり、かつ、R2、R3、R8およびR9のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましい。
本発明では、R1、R3〜R8およびR10がそれぞれ独立に水素原子またはハロゲン原子を表し、R2およびR9がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または一般式(W)で表される置換基であり、かつ、少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基であることがより好ましい。
本発明では、R2とR9がともに一般式(W)で表される置換基であり、かつR3とR8がともに水素原子またはハロゲン原子であるか、R3とR8がともに一般式(W)で表される置換基であり、かつR2とR9がともに水素原子またはハロゲン原子であることが特に好ましい。
本発明では、R2とR9がともに一般式(W)で表される置換基であり、かつR3とR8がともに水素原子またはハロゲン原子であるか、R3とR8がともに一般式(W)で表される置換基であり、かつR2とR9がともに水素原子またはハロゲン原子であることがより特に好ましい。
一般式(3)において、2以上のR1〜R10、RaおよびRbは互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(3A)または(3B)で表される化合物であることが好ましく、高キャリア移動度と高溶解性を両立する観点からは一般式(3A)で表される化合物であることが特に好ましい。
一般式(3A)中、XはS原子を表し、R1、R3〜R8およびR10がそれぞれ独立に水素原子またはハロゲン原子を表し、R2およびR9がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または一般式(W)で表される置換基であり、かつ、少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基であり、ただし、一般式(W)で表される置換基がアルキル基である場合は一般式(W)で表される置換基は炭素数4以上18以下の直鎖アルキル基または炭素数4以上の分岐のアルキル基に限る。
一般式(3B)中、XはS原子を表し、R1、R4〜R7、R10、RaおよびRbがそれぞれ独立に水素原子またはハロゲン原子であり、R2、R3、R8およびR9がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または一般式(W)で表される置換基を表し、かつ、少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表す。
(一般式(4)で表される化合物)
一般式(4)中、X1およびX2はS原子を表す。
一般式(4)中、A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表し、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。A1がCR7であるか、A2がCR8であることが好ましく、A1がCR7かつA2がCR8であることがより好ましい。A1およびA2は、同じであっても互いに異なっていてもよいが、同じあることが好ましい。
一般式(4)において、R5とR7は互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
一般式(4)において、R6とR8は互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
一般式(4)中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。なお、R1〜R8のうち少なくとも1つが一般式(W)で表される置換基であることが好ましい。
1〜R8で表される置換基としては、置換基Wが挙げられる。また、一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
一般式(4)で表される化合物中、R1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基は1〜4個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1または2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R5またはR6であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましい。
1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、連結基鎖長が3.7Å以下の基であることが好ましく、連結基鎖長が1.0〜3.7Åの基であることがより好ましく、連結基鎖長が1.0〜2.1Åの基であることがさらに好ましい。連結基鎖長の定義は、上述の通りである。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基はそれぞれ独立に炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアシル基であることが好ましく、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。
一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
一般式(4)で表される化合物は、下記一般式(4A)または(4B)で表される化合物であることが好ましく、高移動度の観点からは一般式(4A)で表される化合物であることが特に好ましい。
一般式(4A)中、X1およびX2はS原子を表す。A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表す。一般式(4A)中のA1、A2、R7およびR8は、一般式(4)中のA1、A2、R7およびR8とそれぞれ同義である。
一般式(4A)中、R1〜R5、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R5は−La−Raで表される基ではない。
一般式(4A)中のR1〜R5、R7およびR8が置換基を表す場合、この置換基の好ましい範囲は、一般式(4)中のR1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の好ましい範囲と同様である。
一般式(4A)中、Laは上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、Raは置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
一般式(4B)中、X1およびX2はS原子を表す。A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表す。一般式(4B)中のA1、A2、R7およびR8は、一般式(4)中のA1、A2、R7およびR8とそれぞれ同義である。
一般式(4B)中、R1〜R4、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。一般式(4B)中のR1〜R4、R7およびR8が置換基を表す場合、この置換基の好ましい範囲は、一般式(4)中のR1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の好ましい範囲と同様である。
一般式(4B)中、LbおよびLcはそれぞれ独立に一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、RbおよびRcはそれぞれ独立に置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
(一般式(5)で表される化合物)
一般式(5)中、X1〜X4はS原子を表す。
一般式(5)中、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。なお、R1〜R6の少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表すことが好ましい。
1〜R6で表される置換基としては、置換基Wが挙げられる。また、一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
これらの中でも、R1〜R6がそれぞれ独立にとりうる置換基として、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、アルコキシ基、アルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数1〜11のアルコキシ基、炭素数5〜12の複素環基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基がより好ましく、後述の連結基鎖長が3.7Å以下の基および一般式(W)で表される置換基が特に好ましく、一般式(W)で表される置換基がより特に好ましい。
一般式(5)で表される化合物中、R1〜R6のうち、一般式(W)で表される置換基は1〜4個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1または2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
1〜R6のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R3〜R6であることが好ましく、R5またはR6であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点からより好ましい。
1〜R6のうち、一般式(W)で表される置換基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、連結基鎖長が3.7Å以下の基であることが好ましく、連結基鎖長が1.0〜3.7Åの基であることがより好ましく、連結基鎖長が1.0〜2.1Åの基であることがさらに好ましい。連結基鎖長の定義は、上述の通りである。
1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基はそれぞれ独立に炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアシル基であることが好ましく、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
一般式(5)で表される化合物は、下記一般式(5A)または(5B)で表される化合物であることが好ましく、高移動度の観点からは一般式(5A)で表される化合物であることが特に好ましい。
一般式(5A)中、X1〜X4はS原子を表し、R1〜R3、R4AおよびR5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R3、R4AおよびR5は、−La−Raで表される基ではなく、Raは炭素数5〜19のアルキル基を表し、Laは上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表す。
一般式(5B)中、X1〜X4はS原子を表し、R1、R2、R3CおよびR4Bはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、RbおよびRcはそれぞれ独立に炭素数5〜19のアルキル基を表し、LbおよびLcはそれぞれ独立に上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表す。
なお、上記置換基としては、置換基Wが挙げられる。
(一般式(6)で表される化合物)
一般式(6)中、X1およびX2はS原子を表す。
一般式(6)中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。なお、R1〜R8のうち少なくとも1つが一般式(W)で表される置換基であることが好ましい。
1〜R8で表される置換基としては、置換基Wが挙げられる。また、一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
一般式(6)で表される化合物中、R1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基は1〜4個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1または2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R4またはR8であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、R4およびR8がより好ましい。
一般式(6)のR1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、連結基鎖長が3.7Å以下の基であることが好ましく、連結基鎖長が1.0〜3.7Åの基であることがより好ましく、連結基鎖長が1.0〜2.1Åの基であることがさらに好ましい。連結基鎖長の定義は、上述の通りである。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、それぞれ独立に炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアシル基であることが好ましく、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
一般式(6)で表される化合物は、下記一般式(6A)または(6B)で表される化合物であることが好ましく、高移動度の観点からは一般式(6B)で表される化合物であることが特に好ましい。
一般式(6A)中、X1およびX2はS原子を表し、R1〜R7はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、ただし、R4は−La−Raで表される基ではなく、Laは上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、Raは置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
一般式(6B)中、X1およびX2はS原子を表し、R1〜R3、およびR5〜R7はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、LbおよびLcはそれぞれ独立に上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、RbおよびRcはそれぞれ独立に置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
(一般式(7)で表される化合物)
一般式(7)中、X1およびX2はS原子を表す。
一般式(7)中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。なお、R1〜R8のうち少なくとも1つが一般式(W)で表される置換基であることが好ましい。
1〜R8で表される置換基としては、置換基Wが挙げられる。また、一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
一般式(7)で表される化合物中、R1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基は1〜4個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1または2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R3またはR7であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、R3およびR7がより好ましい。
また、一般式(7)のR1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、連結基鎖長が3.7Å以下の基であることが好ましく、連結基鎖長が1.0〜3.7Åの基であることがより好ましく、連結基鎖長が1.0〜2.1Åの基であることがさらに好ましい。連結基鎖長の定義は、上述の通りである。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、それぞれ独立に炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアシル基であることが好ましく、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
一般式(7)で表される化合物は、下記一般式(7A)または(7B)で表される化合物であることが好ましく、高移動度の観点からは一般式(7B)で表される化合物であることが特に好ましい。
一般式(7A)中、X1およびX2はS原子を表し、R10〜R15およびR17はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、ただし、R12は−La−Raで表される基ではなく、Laは上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、Raは置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
一般式(7B)中、X1およびX2はS原子を表し、R10、R11、R13〜R15およびR17はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、LbおよびLcはそれぞれ独立に上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、RbおよびRcはそれぞれ独立に置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
(一般式(8)で表される化合物)
一般式(8)中、XはS原子を表す。
3、R4、およびR7〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または一般式(W)で表される置換基を表す。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。R1、R2、R5、およびR6は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。なお、R1、R2、R5、およびR6で表される置換基としては、置換基Wが挙げられる。
なお、R3、R4、およびR7〜R10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または一般式(W)で表される置換基(但し、Lは(L−3)、(L−5)、(L−7)〜(L−9)、(L−12)〜(L−24)のいずれか)を表すことが好ましい。なかでも、R3、R4、およびR7〜R10は、水素原子がより好ましい。
なお、Lとしては、(L−3)、(L−5)、(L−13)、(L−17)、または(L−18)が好ましい。
1〜R10のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表すことが好ましい。
一般式(8)で表される化合物中、R1〜R10のうち、一般式(W)で表される置換基は1〜4個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1または2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
1〜R10のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R2またはR6であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、R2およびR6がより好ましい。
また、一般式(8)のR1〜R10のうち、一般式(W)で表される置換基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
(一般式(9)で表される化合物)
1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、または置換基を表す。なお、R1〜R8のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表すことが好ましい。R1〜R8で表される置換基としては、置換基Wが挙げられる。また、一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
なかでも、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または置換基を表し、R1〜R8のうち少なくとも1つは置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基であることが好ましい。
一般式(9)のR1〜R8は、R2およびR6のうち少なくとも1つが、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基であることが好ましい。より好ましくは、置換もしくは無置換のアリールチオ基、または、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基である。更に好ましくは、R2およびR6のいずれもが、置換もしくは無置換のアリールチオ基、または、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基である。特に好ましくは置換もしくは無置換のフェニルチオ基または下記群(A)から選ばれるヘテロアリールチオ基である。より特に好ましくは置換もしくは無置換のフェニルチオ基または下記一般式(A−17)、(A−18)、(A−20)で表されるヘテロアリールチオ基である。
アリールチオ基としては、炭素数6〜20のアリール基に硫黄原子が連結した基が好ましく、ナフチルチオ基、フェニルチオ基がより好ましく、フェニルチオ基が特に好ましい。
ヘテロアリールチオ基としては、3〜10員環のヘテロアリール基に硫黄原子が連結した基が好ましく、5または6員環のヘテロアリール基に硫黄原子が連結した基がより好ましく、下記群(A)が特に好ましい。
一般式(A−14)および(A−15)におけるmは4を表し、一般式(A−16)〜(A−18)および(A−20)におけるmは3を表し、一般式(A−21)、(A−23)、(A−24)、(A−26)および(A−27)におけるmは2を表し、
群(A)中、R’およびRNはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
群(A)中、R’は水素原子または一般式(W)で表される置換基を表すことが好ましい。
群(A)中、RNは置換基を表すことが好ましく、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基がより好ましく、アルキル基、アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基で置換されたヘテロアリール基が特に好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換された5員のヘテロアリール基がより特に好ましい。
アルキルオキシカルボニル基としては、炭素数1〜20のアルキル基にカルボニル基が連結した基が好ましい。アルキル基の炭素数は2〜15がより好ましく、5〜10が特に好ましい。
アリールオキシカルボニル基としては、炭素数6〜20のアリール基にカルボニル基が連結した基が好ましい。アリール基の炭素数は、6〜15がより好ましく、8〜12が特に好ましい。
アルキルアミノ基としては、炭素数1〜20のアルキル基にアミノ基が連結した基が好ましい。アルキル基の炭素数は、2〜15がより好ましく、5〜10が特に好ましい。
1〜R8のうち、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基以外の置換基(以下、他の置換基ともいう)は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
1およびX2はS原子を表す。
(一般式(10)で表される化合物)
一般式(10)中、X1およびX2はS原子を表し、R1〜R12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。なお、R1〜R12のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表すことが好ましい。
置換基としては、上述した置換基Wが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
一般式(10)のR1〜R12は、R3およびR9のうち少なくとも1つが、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基であることが好ましい。より好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基である。更に好ましくは、R3およびR9のいずれもが、置換もしくは無置換のアルキル基である。
(一般式(11)で表される化合物)
一般式(11)中、X1およびX2はS原子を表し、R1〜R12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。なお、R1〜R12のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表すことが好ましい。
置換基としては、上述した置換基Wが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
一般式(11)のR1〜R12は、R3およびR9のうち少なくとも1つが、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基であることが好ましい。より好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基である。更に好ましくは、R3およびR9のいずれもが、置換もしくは無置換のアルキル基である。
(一般式(12)で表される化合物)
一般式(12)中、X1およびX2はS原子を表し、R1〜R12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。なお、R1〜R12のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表すことが好ましい。
置換基としては、上述した置換基Wが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
一般式(12)のR1〜R12は、R3およびR9のうち少なくとも1つが、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基であることが好ましい。より好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基である。更に好ましくは、R3およびR9のいずれもが、置換もしくは無置換のアルキル基である。
(一般式(13)で表される化合物)
一般式(13)中、X1、X2およびX3はS原子を表し、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。なお、R1〜R8のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表すことが好ましい。
置換基としては、上述した置換基Wが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
なお、R1〜R8の少なくとも1つが一般式(W)で表される置換基であり、Rがアルキル基である場合には、Lは(L−2)〜(L−25)であることが好ましい。
Rがアルキル基である場合のLとしては、(L−2)〜(L−5)、(L−13)、(L−17)、(L−18)が好ましく、(L−3)、(L−13)、(L−18)がより好ましい。
一般式(13)のR1〜R8は、R3およびR6のうち少なくとも1つが、一般式(W)で表される置換基であることが好ましい。より好ましくは、R3およびR6のいずれもが、一般式(W)で表される置換基である。
(一般式(14)で表される化合物)
一般式(14)中、X1、X2、X3、およびX4はS原子を表し、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。なお、R1〜R6のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表すことが好ましい。
置換基としては、上述した置換基Wが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
一般式(14)のR1〜R6は、R2およびR5のうち少なくとも1つが、一般式(W)で表される置換基であることが好ましい。より好ましくは、R2およびR5のいずれもが、一般式(W)で表される置換基である。
(一般式(15)で表される化合物)
一般式(15)中、X1、X2、X3、およびX4はS原子を表す。R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。なお、R1〜R6のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表すことが好ましい。
置換基としては、上述した置換基Wが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
なお、R3およびR6は水素原子、ハロゲン原子、または一般式(W)で表される置換基(但し、Lは(L−3)、(L−5)、(L−7)〜(L−9)、(L−12)〜(L−24)のいずれか)であることが好ましい。R1、R2、R4、R5、およびR13はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すことが好ましい。
なお、Lは(L−3)、(L−5)、(L−7)〜(L−9)、(L−12)〜(L−24)のいずれかであり、R3およびR6が一般式(W)で表される置換基の場合、(L−3)、(L−5)、(L−13)、(L−17)、(L−18)が好ましい。
一般式(15)のR1〜R6は、R1およびR4のうち少なくとも1つが、一般式(W)で表される置換基であることが好ましい。より好ましくは、R1およびR4のいずれもが、一般式(W)で表される置換基である。
また、R3およびR6は水素原子であることが好ましい。
上述した第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物(一般式(1)〜(15)で表される化合物)の分子量は特に制限されないが、分子量が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることがさらに好ましく、850以下であることが特に好ましい。分子量を上記上限値以下とすることにより、溶媒への溶解性を高めることができるため好ましい。
一方で、薄膜の膜質安定性の観点からは、分子量は300以上であることが好ましく、350以上であることがより好ましく、400以上であることがさらに好ましい。
上述した第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物(一般式(1)〜(15)で表される化合物)の合成方法は特に制限されず、公知の方法を参照して合成できる。例えば、Journal of American Chemical Society, 116, 925(1994)、Journal of Chemical Society, 221(1951)、Org.Lett.,2001,3,3471、Macromolecules,2010,43,6264、Tetrahedron,2002,58,10197、特表2012−513459号公報、特開2011−46687号公報、Journal of Chemical Research.miniprint,3,601−635(1991)、Bull.Chem.Soc.Japan,64,3682−3686(1991)、Tetrahedron Letters,45,2801−2803(2004)、EP2251342A1号公報、EP2301926A1号公報、EP2301921A1号公報、KR10−2012−0120886号公報、J.Org.Chem.2011,696、Org.Lett.,2001,3,3471、Macromolecules 2010,43,6264、J.Org.Chem.2013,78,7741、Chem.Eur.J.2013,19,3721、Bull.Chem.Soc.Jpn.,1987,60,4187、J.Am.Chem.Soc.2011,133,5024、Chem.Eur.J.2013,19,3721、Macromolecules,2010,43,6264−6267、J.Am.Chem.Soc.2012,134,16548−16550などが挙げられる。
なお、本発明の効果がより優れる点で、第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物は、一般式(5)、および、一般式(13)〜(15)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種を少なくとも含むことが好ましい。
<有機溶媒>
有機溶媒の種類は、上述した第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物を溶解しる溶媒であれば特に制限されず、公知の有機溶媒が使用できる。
有機溶媒の具体例としては、例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、デカリン、1−メチルナフタレンなどの炭化水素系溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒、例えば、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル系溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、1−メチル−2−イミダゾリジノン等のアミド・イミド系溶媒、ジメチルスルフォキサイドなどのスルホキシド系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒などが挙げられる。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒またはエーテル系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジクロロベンゼンまたはアニソールがより好ましく、トルエン、キシレン、テトラリン、アニソールが特に好ましい。
(その他成分)
本発明の組成物には、第1有機半導体化合物、第2有機半導体化合物、および、有機溶媒以外の他の成分が含まれていてもよい。
例えば、高分子化合物が含まれていてもよい。高分子化合物の種類は特に制限されず、公知の高分子化合物が挙げられる。高分子化合物の好適態様としては、ベンゼン環を有する高分子化合物(ベンゼン環基を有する繰り返し単位を有する高分子)が好ましい。ベンゼン環基を有する繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、全繰り返し単位中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。上限は特に制限されないが、100モル%が挙げられる。
上記高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(α‐メチルスチレン)、ポリビニルシンナメート、ポリ(4−ビニルフェニル)またはポリ(4−メチルスチレン)などが挙げられる。
なお、高分子化合物の重量平均分子量は特に制限されないが、1万〜200万が好ましく、2万〜60万がより好ましい。
<組成物>
組成物中には、少なくとも第1有機半導体化合物、第2有機半導体化合物、および、有機溶媒が含まれる。
組成物中における第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物の合計量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、組成物全質量に対して、0.4〜10.0質量%が好ましく、0.6〜8.0質量%がより好ましく、0.8〜5.0質量%がさらに好ましい。
組成物中における第1有機半導体化合物の質量と第2有機半導体化合物の質量との比(第1有機半導体化合物の質量/第2有機半導体化合物の質量)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、0.2〜5.0が好ましく、0.3〜3.0がより好ましく、0.5〜2.0がさらに好ましい。
有機溶媒中における、第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物の混合物の飽和溶解度は特に制限されないが、0.4質量%以上が好ましく、0.6質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、取り扱い性の点で、5質量%以下が好ましい。
組成物中における有機溶媒の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、組成物全質量に対して、90〜99.6質量%が好ましく、95〜99.0質量%がより好ましい。
組成物中に高分子化合物が含まれる場合、本発明の効果がより優れる点で、その含有量は組成物全質量に対して、0.4〜8.0質量%が好ましく、0.7〜5.0質量%がより好ましく、1.0〜4.0質量%がさらに好ましく、1.5〜3.0質量%が特に好ましい。
組成物の粘度は特に制限されないが、本発明の効果がより優れると共に、塗布性がより優れる点で、3〜100mPa・sが好ましく、5〜50mPa・sがより好ましく、9〜40mPa・sがさらに好ましい。
なお、粘度は25℃での粘度を意図する。
組成物の製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、有機溶媒中に所定量の第1有機半導体化合物および第2有機半導体化合物を添加して、適宜撹拌処理を施すことにより、所望の組成物を得ることができる。
<有機半導体膜および有機トランジスタ>
本発明の組成物は、有機半導体膜を形成する用途に好適に使用できる。
上記組成物を用いて有機半導体膜を製造する方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、組成物を所定の基材上に付与して、必要に応じて乾燥処理を施して、有機半導体膜を製造する方法が挙げられる。
基材上に組成物を付与する方法は特に制限されず、公知の方法を採用でき、例えば、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法、バーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ドクターブレード法などが挙げられ、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法が好ましい。
なお、フレキソ印刷法としては、フレキソ印刷版として感光性樹脂版を用いる態様が好適に挙げられる。態様によって、組成物を基板上に印刷して、パターンを容易に形成することができる。
乾燥処理は、必要に応じて実施される処理であり、使用される有機半導体化合物および有機溶媒の種類により適宜最適な条件が選択される。なかでも、本発明の効果がより優れ、生産性に優れる点で、加熱温度としては30〜100℃が好ましく、40〜80℃がより好ましく、加熱時間としては10〜300分が好ましく、30〜180分がより好ましい。
形成される有機半導体膜の膜厚は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、10〜500nmが好ましく、30〜200nmがより好ましい。
上述した組成物より製造される有機半導体膜は、優れた移動度を示すと共に、サンプル間での移動度のバラツキが小さい(つまり、ロット間での移動度のバラツキが小さい)。
上記有機半導体膜は、有機トランジスタ(有機薄膜トランジスタ)に好適に使用することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタの一態様について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の有機薄膜トランジスタの一態様の断面模式図である。
図1において、有機薄膜トランジスタ100は、基板10と、基板10上に配置されたゲート電極20と、ゲート電極20を覆うゲート絶縁膜30と、ゲート絶縁膜30のゲート電極20側とは反対側の表面に接するソース電極40およびドレイン電極42と、ソース電極40とドレイン電極42との間のゲート絶縁膜30の表面を覆う有機半導体膜50と、各部材を覆う封止層60とを備える。有機薄膜トランジスタ100は、ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタである。
なお、図1においては、有機半導体膜50が、上述した組成物より形成される膜に該当する。
以下、基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体膜および封止層並びにそれぞれの形成方法について詳述する。
<基板>
基板は、後述するゲート電極、ソース電極、ドレイン電極などを支持する役割を果たす。
基板の種類は特に制限されず、例えば、プラスチック基板、ガラス基板、セラミック基板などが挙げられる。なかでも、各デバイスへの適用性およびコストの観点から、ガラス基板またはプラスチック基板であることが好ましい。
プラスチック基板の材料としては、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂(例えばPET、PEN)など)または熱可塑性樹脂(例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォンなど)が挙げられる。
セラミック基板の材料としては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、シリコン、窒化シリコン、シリコンカーバイドなどが挙げられる。
ガラス基板の材料としては、例えば、ソーダガラス、カリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、アルミケイ酸ガラス、鉛ガラスなどが挙げられる。
<ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極>
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の材料としては、例えば、金(Au)、銀、アルミニウム(Al)、銅、クロム、ニッケル、コバルト、チタン、白金、タンタル、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属;InO2、SnO2、ITO等の導電性の酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリジアセチレン等の導電性高分子;シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素等の半導体;フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素材料などが挙げられる。なかでも、金属であることが好ましく、銀、アルミニウムであることがより好ましい。
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の厚みは特に制限されないが、20〜200nmであることが好ましい。
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極を形成する方法は特に制限されないが、例えば、基板上に、電極材料を真空蒸着またはスパッタする方法、電極形成用組成物を塗布または印刷する方法などが挙げられる。また、電極をパターニングする場合、パターニングする方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法;インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法;マスク蒸着法などが挙げられる。
<ゲート絶縁膜>
ゲート絶縁膜の材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリベンゾキサゾール、ポリシルセスキオキサン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のポリマー;二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物;窒化珪素等の窒化物などが挙げられる。これらの材料のうち、有機半導体膜との相性から、ポリマーであることが好ましい。
ゲート絶縁膜の材料としてポリマーを用いる場合、架橋剤(例えば、メラミン)を併用するのが好ましい。架橋剤を併用することで、ポリマーが架橋されて、形成されるゲート絶縁膜の耐久性が向上する。
ゲート絶縁膜の膜厚は特に制限されないが、100〜1000nmであることが好ましい。
ゲート絶縁膜を形成する方法は特に制限されないが、例えば、ゲート電極が形成された基板上に、ゲート絶縁膜形成用組成物を塗布する方法、ゲート絶縁膜材料を蒸着またはスパッタする方法などが挙げられる。ゲート絶縁膜形成用組成物を塗布する方法は特に制限されず、公知の方法(バーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ドクターブレード法)を使用することができる。
ゲート絶縁膜形成用組成物を塗布してゲート絶縁膜を形成する場合、溶媒除去、架橋などを目的として、塗布後に加熱(ベーク)してもよい。
<有機半導体膜>
有機半導体膜は、上述した組成物より形成される膜である。
有機半導体膜の形成方法は特に制限されず、上述した組成物を、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート絶縁膜上に付与して、必要に応じて乾燥処理を施すことにより、所望の有機半導体膜を形成することができる。
<封止層>
本発明の有機薄膜トランジスタは、耐久性の観点から、最外層に封止層を備えるのが好ましい。封止層には公知の封止剤を用いることができる。
封止層の厚みは特に制限されないが、0.2〜10μmであることが好ましい。
封止層を形成する方法は特に制限されないが、例えば、ゲート電極とゲート絶縁膜とソース電極とドレイン電極と有機半導体膜とが形成された基板上に、封止層形成用組成物を塗布する方法などが挙げられる。封止層形成用組成物を塗布する方法の具体例は、ゲート絶縁膜形成用組成物を塗布する方法と同じである。封止層形成用組成物を塗布して有機半導体膜を形成する場合、溶媒除去、架橋などを目的として、塗布後に加熱(ベーク)してもよい。
また、図2は、本発明の有機薄膜トランジスタの別の一態様の断面模式図である。
図2において、有機薄膜トランジスタ200は、基板10と、基板10上に配置されたゲート電極20と、ゲート電極20を覆うゲート絶縁膜30と、ゲート絶縁膜30上に配置された有機半導体膜50と、有機半導体膜50上に配置されたソース電極40およびドレイン電極42と、各部材を覆う封止層60を備える。ここで、ソース電極40およびドレイン電極42は、上述した本発明の組成物を用いて形成されたものである。有機薄膜トランジスタ200は、トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタである。
基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体膜および封止層については上述のとおりである。
上記では図1および2において、ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタ、および、ボトムゲート−トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタの態様について詳述したが、本発明の組成物はトップゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタ、および、トップゲート−トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタにも適用できる。
なお、上述した有機薄膜トランジスタは、電子ペーパー、ディスプレイデバイスなどに好適に使用できる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例および比較例:組成物の調製)
表1に示す所定比率(組成物全質量に対する質量%)の有機半導体化合物、有機溶媒としてアニソール、および、高分子化合物としてポリ(α−メチルスチレン)(分子量40万、アルドリッチ社製)(0.3g)の混合液(総量20g)を50ml硝子バイヤルに秤量し、ミックスローター(アズワン製)で10分間攪拌混合した。0.5μmメンブレンフィルターでろ過することで、組成物を得た。
(実施例および比較例:有機トランジスタの製造)
以下の要領で、ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機トランジスタを形成した。
(ゲート電極形成)
無アルカリ硝子基板上(5cm×5cm)に、銀ナノインク(H−1 三菱マテリアル社製)をDMP2831(1ピコリットルヘッド)を用いたインクジェット印刷により、幅100μm、膜厚100nmの配線パターンを形成し、その後、200℃、90分間、ホットプレート上、大気下で焼成することで、ゲート電極配線を形成した。
(ゲート絶縁膜形成)
ポリビニルフェノール(Mw25000、アルドリッチ社製)5質量部、および、メラミン5質量部、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート90質量部を攪拌混合し、0.2μmメンブレンフィルターでろ過することで、溶液を作製した。得られた溶液を、ゲート電極を作製した硝子基板上に滴下し、スピンコート(1000rpm,120秒)により、コートし、150℃にて30分加熱することで、ゲート絶縁膜を形成した。
(ソース電極およびドレイン電極形成)
上記絶縁膜コートされた基板中央上に、図3に示すパターンを複数個有するメタルマスクを載せ、UVオゾン30分照射することで、マスク開口部が親水処理表面に改質した。なお、図3中、メタルマスク51には、光を遮断するマスク部52と、開口部53および54がある。改質部分周辺にDMP2831(1ピコリットルヘッド)を用いたインクジェット印刷により、チャネル長50μm、チャネル幅320μmのソース電極・ドレイン電極パターンを形成した。得られた基板をN雰囲気下(グローブボックス中、酸素濃度20ppm以下の環境)にて、ホットプレート上200℃で90分焼成することで、膜厚200nmのソース電極およびドレイン電極が形成された。
(有機半導体膜:フレキソ印刷法)
上記で作製した組成物(表1の組成物)をソース電極およびドレイン電極を形成した基板上に、フレキソ印刷法によりコートした。印刷装置として、フレキソ適性試験機F1(アイジーティ・テスティングシステムズ社製)を用い、フレキソ樹脂版として、AFP DSH1.70%(旭化成社製)/ベタ画像を用いた。版と基板間の圧は、60N、搬送速度0.4m/秒で印刷を行った後、そのまま、40℃下室温で2時間乾燥することで、ソース電極およびドレイン電極間に有機半導体膜(膜厚:50nm)を作製し、有機トランジスタを製造した。
上記で製造した有機トランジスタ(有機トランジスタ素子)について、以下の評価を行った。
(移動度測定)
上記要領で5つの有機トランジスタを製造して、それぞれについて半導体特性評価装置B2900A(アジレント社製)を用い、キャリア移動度を測定した。得られた5つの移動度を算術平均し、得られた移動度の値に応じて、1〜5のスコア付けを行った。
5:0.2cm2/Vs以上
4:0.1cm2/Vs以上、0.2cm2/Vs未満
3:0.02cm2/Vs以上、0.1cm2/Vs未満
2:0.002cm2/Vs以上、0.02cm2/Vs未満
1:0.002cm2/Vs未満
(移動度バラツキ)
上記要領で5つの有機トランジスタを製造して、それぞれについて上記(移動度)の評価を行い、平均値に対するバラツキσを評価した。バラツキσの測定方法としては、まず、5つの有機トランジスタの移動度を求めて、次に、それらを算術平均して平均値Xを求め、その後、平均値Xと各サンプルの移動度の値との「差」を算出して、その「差」の平均値Yを算出して、(平均値Y/平均値X)×100にて、バラツキσを求めた。
5:バラツキが20%未満
4:バラツキが20%以上30%未満
3:バラツキが30%以上50%未満
2:バラツキが50%以上100%未満
1:バラツキが100%以上
上記実施例および比較例にて使用した有機半導体化合物は、公知文献(J.Org.Chem.2011,696、Org.Lett.2001,3,3471、Macromolecules 2010,43,6264、J.Org.Chem.2013,78,7741、Chem.Eur.J.2013,19,3721、Chem.Commun.2008,1548−1550、Org.Lett.2007,9,4499、Journal of Scientific and Industrial Research,1958,vol.17 B,p.260−265、Journal of Scientific and Industrial Research,1955,vol.14 B,p.11、J.Am.Chem.Soc.2012,134,16548−16550、WO2005−087780号、特開2009−190999号公報、特表2012−206953号公報)
を参考にして合成した。
上記表に示すように、本発明の組成物を用いることにより、所望の効果を示す有機半導体膜が製造された。
実施例1〜9の比較から分かるように、母核としてチオフェン環を3〜4つ有する態様がより優れた効果を示すことが確認され、特にチオフェン環が3つの場合が最も優れることが確認された。
また、実施例8と10〜12との比較から分かるように、第1有機半導体化合物の質量と、第2有機半導体化合物の質量との比(第1有機半導体化合物の質量/第2有機半導体化合物の質量)が0.3〜3.0である場合、より優れた効果が得られることが確認された。
また、実施例12と13との比較より、置換基Xと置換基Yとが共にアルキル基である場合、より優れた効果が得られることが確認された。
また、実施例7と14〜17との比較より、置換基X中の炭素数と置換基Y中の炭素数との差が4以内の場合、より優れた効果が得られることが確認された。
一方、1種の有機半導体化合物しかを使用していない比較例1〜2、および、母核が異なる有機半導体化合物を2種使用した比較例4では、所望の効果は得られなかった。
また、1種の有機半導体化合物しかを使用していない比較例3では、均一な膜を作製することができず、各種評価を実施することができなかった。
10:基板
20:ゲート電極
30:ゲート絶縁膜
40:ソース電極
42:ドレイン電極
50:有機半導体膜
51:メタルマスク
52:マスク部
53,54:開口部
60:封止層
100、200:有機薄膜トランジスタ

Claims (14)

  1. 分子内に、つ以上のチオフェン環を含み、前記チオフェン環を含む少なくとも4つ以上の環数の縮環構造からなる母核、および、前記母核に結合する置換基Xを有する第1有機半導体化合物と、
    前記第1有機半導体化合物と同じ母核を有し、かつ、以下の要件1〜要件3からなる群から選択されるいずれか1つの要件を満たす、第2有機半導体化合物と、
    有機溶媒と、を少なくとも含有する有機半導体膜形成用組成物。
    要件1:前記第2有機半導体化合物中の前記母核に結合し、前記第1有機半導体化合物中の置換基Xとは異なる置換基Yを前記第2有機半導体化合物が有する。
    要件2:前記第2有機半導体化合物が前記母核に結合する前記置換基Xを有し、前記第1有機半導体化合物中の前記母核に対する置換基Xの結合位置と、前記第2有機半導体化合物中の前記母核に対する置換基Xの結合位置とが異なる。
    要件3:前記第2有機半導体化合物が置換基を有さない。
  2. 前記母核が、3つまたは4つのチオフェン環を含む、請求項1に記載の有機半導体膜形成用組成物。
  3. 前記母核が、3つのチオフェン環を含む、請求項1または2に記載の有機半導体膜形成用組成物。
  4. 前記母核の環数が5つである、請求項1〜のいずれか1項に記載の有機半導体膜形成用組成物。
  5. 前記置換基X、および、前記置換基Yが、炭素数1〜16のアルキル基を含む置換基である、請求項1〜のいずれか1項に記載の有機半導体膜形成用組成物。
  6. 前記アルキル基が、直鎖状アルキル基である、請求項に記載の有機半導体膜形成用組成物。
  7. 前記第2有機半導体化合物が要件1または要件2を満たし、
    要件1を満たす場合は、前記第1有機半導体化合物中に前記置換基Xが2つ含まれ、かつ、前記第2有機半導体化合物中に前記置換基Yが2つ含まれ、
    要件2を満たす場合は、前記第1有機半導体化合物中に前記置換基Xが2つ含まれ、かつ、前記第2有機半導体化合物中に前記置換基Xが2つ含まれる、請求項1〜のいずれか1項に記載の有機半導体膜形成用組成物。
  8. 前記第2有機半導体化合物が要件1を満たし、
    前記第1有機半導体化合物中の前記母核に対する前記置換基Xの結合位置と、前記第2有機半導体化合物中の前記母核に対する前記置換基Yの結合位置とが同じである、請求項1〜のいずれか1項に記載の有機半導体膜形成用組成物。
  9. 前記第2有機半導体化合物が要件1を満たし、
    前記置換基Xおよび前記置換基Yが、炭素数1〜16のアルキル基を含む置換基であり、前記置換基X中の炭素数と前記置換基Y中の炭素数との差が4以内である、請求項1〜およびのいずれか1項に記載の有機半導体膜形成用組成物。
  10. 前記第2有機半導体化合物が要件1を満たし、
    前記置換基Xおよび前記置換基Yが、炭素数1〜16の直鎖状アルキル基である、請求項1〜およびのいずれか1項に記載の有機半導体膜形成用組成物。
  11. 前記第1有機半導体化合物および前記第2有機半導体化合物の合計量が、組成物全質量に対して、0.4〜10.0質量%である、請求項1〜1のいずれか1項に記載の有機半導体膜形成用組成物。
  12. 前記第1有機半導体化合物および前記第2有機半導体化合物の合計量が、組成物全質量に対して、0.6〜8.0質量%である、請求項1〜1のいずれか1項に記載の有機半導体膜形成用組成物。
  13. 前記第1有機半導体化合物の質量と、前記第2有機半導体化合物の質量との比が0.3〜3.0である、請求項1〜1のいずれか1項に記載の有機半導体膜形成用組成物。なお、前記比は、前記第1有機半導体化合物の質量/前記第2有機半導体化合物の質量を示す。
  14. 前記第1有機半導体化合物の質量と、前記第2有機半導体化合物の質量との比が0.5〜2.0である、請求項1〜1のいずれか1項に記載の有機半導体膜形成用組成物。なお、前記比は、前記第1有機半導体化合物の質量/前記第2有機半導体化合物の質量を示す。
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