JP2015192119A - 有機半導体膜の形成方法 - Google Patents
有機半導体膜の形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015192119A JP2015192119A JP2014070288A JP2014070288A JP2015192119A JP 2015192119 A JP2015192119 A JP 2015192119A JP 2014070288 A JP2014070288 A JP 2014070288A JP 2014070288 A JP2014070288 A JP 2014070288A JP 2015192119 A JP2015192119 A JP 2015192119A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- general formula
- atom
- substituent
- represented
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)
Abstract
【課題】優れた移動度を示すと共に、サンプル間での移動度のバラツキが小さい有機半導体膜が得られる、有機半導体膜の形成方法を提供する。【解決手段】特定の有機半導体(A)と、有機溶媒(B)とを含有する、有機半導体膜形成用組成物を用いて有機半導体膜を基材上に形成する、有機半導体膜の形成方法であって、上記有機半導体膜形成用組成物を上記基材上に被着させる工程と、上記有機半導体膜形成用組成物が被着した上記基材をホットプレート上に配置して、上記ホットプレートを環境温度よりも高い温度に加熱する工程と、を備える有機半導体膜の形成方法。【選択図】なし
Description
本発明は、有機半導体膜の形成方法に関する。
軽量化、低コスト化、柔軟化が可能であることから、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイに用いられるFET(電界効果トランジスタ)、RFID(RFタグ)等に、有機半導体膜(有機半導体層)を有する有機トランジスタ(有機TFT)が使用されている。
有機半導体膜の作製方法としては、種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1では、所定の有機溶媒を含む組成物を使用して有機層を製造する方法が開示されている。
有機半導体膜の作製方法としては、種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1では、所定の有機溶媒を含む組成物を使用して有機層を製造する方法が開示されている。
近年、有機トランジスタの性能向上の点では、有機半導体膜の移動度のより一層の向上が求められる。また、有機トランジスタの品質を向上する上では、ロット間における有機半導体膜の移動度のバラツキが少ないことが求められる。つまり、有機半導体膜においては、優れた移動度、および、移動度のバラツキが少ないことが求められる。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、優れた移動度を示すと共に、サンプル間での移動度のバラツキが小さい有機半導体膜が得られる、有機半導体膜の形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、有機半導体膜形成用組成物を、特定の手法により加熱することで、得られる有機半導体膜は、優れた移動度を示すと共に、サンプル間での移動度のバラツキが小さくなることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[11]を提供する。
[1]縮合多環芳香族基を有し、上記縮合多環芳香族基中の環数が4以上であり、上記縮合多環芳香族基中の少なくとも2つの環が、硫黄原子、窒素原子、セレン原子および酸素原子からなる群から選択される少なくとも1つの原子を含み、上記縮合多環芳香族基中の部分構造として、ベンゼン環、ナフタレン環、および、フェナントレン環からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む有機半導体(A)(但し、上記部分構造としてアントラセン環は含まれない)と、有機溶媒(B)とを含有する、有機半導体膜形成用組成物を用いて有機半導体膜を基材上に形成する、有機半導体膜の形成方法であって、上記有機半導体膜形成用組成物を上記基材上に被着させる工程と、上記有機半導体膜形成用組成物が被着した上記基材をホットプレート上に配置して、上記ホットプレートを環境温度よりも高い温度に加熱する工程と、を備える有機半導体膜の形成方法。
[2]上記ホットプレートの加熱温度が、30℃以上の温度であって、かつ上記有機溶媒(B)の沸点の50%以下の温度である、上記[1]に記載の有機半導体膜の形成方法。
[3]上記有機溶媒(B)の沸点が150℃以上である、上記[1]または[2]に記載の有機半導体膜の形成方法。
[4]上記ホットプレートの加熱温度と上記環境温度との差が、10℃以上である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の有機半導体膜の形成方法。
[5]上記基材上の上記有機半導体膜形成用組成物の被着量が、1〜30mg/cm2である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の有機半導体膜の形成方法。
[6]上記有機半導体(A)中の上記環数が5〜6である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の有機半導体膜の形成方法。
[7]上記縮合多環芳香族基中に少なくとも2つの複素環が含まれ、上記複素環中に1個のヘテロ原子が含まれる、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の有機半導体膜の形成方法。
[8]上記縮合多環芳香族基が、硫黄原子、窒素原子、セレン原子および酸素原子からなる群から選択される少なくとも1つの原子を含む環と、ベンゼン環とが交互に縮合した基を有する、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の有機半導体膜の形成方法。
[9]上記縮合多環芳香族基が、3つのチオフェン環を含み、2つベンゼン環を含み、環数が5つである縮合多環芳香族基である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の有機半導体膜の形成方法。
[10]上記有機半導体(A)が、一般式(1)〜(16)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の有機半導体膜の形成方法。
[1]縮合多環芳香族基を有し、上記縮合多環芳香族基中の環数が4以上であり、上記縮合多環芳香族基中の少なくとも2つの環が、硫黄原子、窒素原子、セレン原子および酸素原子からなる群から選択される少なくとも1つの原子を含み、上記縮合多環芳香族基中の部分構造として、ベンゼン環、ナフタレン環、および、フェナントレン環からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む有機半導体(A)(但し、上記部分構造としてアントラセン環は含まれない)と、有機溶媒(B)とを含有する、有機半導体膜形成用組成物を用いて有機半導体膜を基材上に形成する、有機半導体膜の形成方法であって、上記有機半導体膜形成用組成物を上記基材上に被着させる工程と、上記有機半導体膜形成用組成物が被着した上記基材をホットプレート上に配置して、上記ホットプレートを環境温度よりも高い温度に加熱する工程と、を備える有機半導体膜の形成方法。
[2]上記ホットプレートの加熱温度が、30℃以上の温度であって、かつ上記有機溶媒(B)の沸点の50%以下の温度である、上記[1]に記載の有機半導体膜の形成方法。
[3]上記有機溶媒(B)の沸点が150℃以上である、上記[1]または[2]に記載の有機半導体膜の形成方法。
[4]上記ホットプレートの加熱温度と上記環境温度との差が、10℃以上である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の有機半導体膜の形成方法。
[5]上記基材上の上記有機半導体膜形成用組成物の被着量が、1〜30mg/cm2である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の有機半導体膜の形成方法。
[6]上記有機半導体(A)中の上記環数が5〜6である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の有機半導体膜の形成方法。
[7]上記縮合多環芳香族基中に少なくとも2つの複素環が含まれ、上記複素環中に1個のヘテロ原子が含まれる、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の有機半導体膜の形成方法。
[8]上記縮合多環芳香族基が、硫黄原子、窒素原子、セレン原子および酸素原子からなる群から選択される少なくとも1つの原子を含む環と、ベンゼン環とが交互に縮合した基を有する、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の有機半導体膜の形成方法。
[9]上記縮合多環芳香族基が、3つのチオフェン環を含み、2つベンゼン環を含み、環数が5つである縮合多環芳香族基である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の有機半導体膜の形成方法。
[10]上記有機半導体(A)が、一般式(1)〜(16)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の有機半導体膜の形成方法。
一般式(1)中、A1およびA2は、それぞれ独立に、S原子、O原子、またはSe原子を表し、R1〜R6は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。ただし、R1〜R6のうち少なくとも1つが一般式(W)で表される置換基である。
一般式(W) −L−R
一般式(W)中、Lは下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、Rは置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、または、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
一般式(W) −L−R
一般式(W)中、Lは下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、Rは置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、または、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
一般式(L−1)〜(L−25)中、*はRとの結合位置を表し、波線部分はもう一方の結合位置を表す。なお、Lが一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が2つ以上結合した2価の連結基を表す場合、一方の連結基の*が、他方の連結基の波線部分と結合する。一般式(L−13)におけるmは4を表し、一般式(L−14)および(L−15)におけるmは3を表し、一般式(L−16)〜(L−20)におけるmは2を表し、(L−22)におけるmは6を表し、
一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)および(L−13)〜(L−24)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、RNは水素原子または置換基を表し、Rsiはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を表す。
一般式(2)中、X1およびX2は、それぞれ独立に、NR13、O原子またはS原子を表し、A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表し、R13は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアシル基を表し、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R8のうち少なくとも1つが上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(3)中、Xはそれぞれ独立にS原子、O原子またはNR7を表し、Aはそれぞれ独立にCR8またはN原子を表す。R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R8のうち少なくとも1つが上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(4)中、Xはそれぞれ独立にO原子、S原子またはSe原子を表し、pおよびqはそれぞれ独立に0〜2の整数を表し、R1〜R10、RaおよびRbはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または上記一般式(W)で表される置換基を表し、かつ、R1〜R10、RaおよびRbのうち少なくとも1つは上記一般式(W)で表される置換基であり、ただし、R5とR6のうち少なくとも一方が上記一般式(W)で表される置換基である場合はR5とR6が表す上記一般式(W)においてLは上記一般式(L−2)または(L−3)で表される2価の連結基である。
一般式(5)中、X1およびX2はそれぞれ独立にNR13、O原子またはS原子を表し、A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表し、R13は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、ただし、R1〜R8のうち少なくとも1つが上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(6)中、X1〜X4はそれぞれ独立にNR7、O原子またはS原子を表し、R7は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R6のうち少なくとも1つが上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(7)中、X1はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR9を表し、X2はそれぞれ独立にS原子、O原子またはSe原子を表し、R1〜R9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R9のうち少なくとも1つが上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(8)中、X1はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR9を表し、X2はそれぞれ独立にS原子、O原子またはSe原子を表し、R1〜R9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R9のうち少なくとも1つが上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(9)中、Xはそれぞれ独立にO原子、S原子またはSe原子を表し、R3、R4、およびR7〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または上記一般式(W)で表される置換基を表す。R1、R2、R5、およびR6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(10)中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R8のうち少なくとも1つは上記一般式(W)で表される置換基を表し、X1およびX2はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNRxを表し、Rxはそれぞれ独立に水素原子または上記一般式(W)で表される置換基を表す。
一般式(11)中、X1およびX2はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR13を表し、R1〜R13はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R13のうち少なくとも1つは上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(12)中、X1およびX2はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR13を表し、R1〜R13はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R13のうち少なくとも1つは上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(13)中、X1およびX2はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR13を表し、R1〜R13はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R13のうち少なくとも1つは上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(14)中、X1、X2およびX3はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR9を表し、R1〜R9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R9のうち少なくとも1つは上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(15)中、X1、X2、X3、およびX4はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR13を表し、R1〜R6およびR13はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R6およびR13のうち少なくとも1つは上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(16)中、X1、X2、X3、およびX4はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR13を表す。R1〜R6およびR13は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R6およびR13のうち少なくとも1つは上記一般式(W)で表される置換基である。
[11]上記有機半導体(A)が、上記一般式(1)〜(9)、一般式(14)、および、一般式(15)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[10]に記載の有機半導体膜の形成方法。
一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)および(L−13)〜(L−24)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、RNは水素原子または置換基を表し、Rsiはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を表す。
一般式(2)中、X1およびX2は、それぞれ独立に、NR13、O原子またはS原子を表し、A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表し、R13は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアシル基を表し、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R8のうち少なくとも1つが上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(3)中、Xはそれぞれ独立にS原子、O原子またはNR7を表し、Aはそれぞれ独立にCR8またはN原子を表す。R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R8のうち少なくとも1つが上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(4)中、Xはそれぞれ独立にO原子、S原子またはSe原子を表し、pおよびqはそれぞれ独立に0〜2の整数を表し、R1〜R10、RaおよびRbはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または上記一般式(W)で表される置換基を表し、かつ、R1〜R10、RaおよびRbのうち少なくとも1つは上記一般式(W)で表される置換基であり、ただし、R5とR6のうち少なくとも一方が上記一般式(W)で表される置換基である場合はR5とR6が表す上記一般式(W)においてLは上記一般式(L−2)または(L−3)で表される2価の連結基である。
一般式(5)中、X1およびX2はそれぞれ独立にNR13、O原子またはS原子を表し、A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表し、R13は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、ただし、R1〜R8のうち少なくとも1つが上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(6)中、X1〜X4はそれぞれ独立にNR7、O原子またはS原子を表し、R7は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R6のうち少なくとも1つが上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(7)中、X1はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR9を表し、X2はそれぞれ独立にS原子、O原子またはSe原子を表し、R1〜R9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R9のうち少なくとも1つが上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(8)中、X1はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR9を表し、X2はそれぞれ独立にS原子、O原子またはSe原子を表し、R1〜R9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R9のうち少なくとも1つが上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(9)中、Xはそれぞれ独立にO原子、S原子またはSe原子を表し、R3、R4、およびR7〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または上記一般式(W)で表される置換基を表す。R1、R2、R5、およびR6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(10)中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R8のうち少なくとも1つは上記一般式(W)で表される置換基を表し、X1およびX2はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNRxを表し、Rxはそれぞれ独立に水素原子または上記一般式(W)で表される置換基を表す。
一般式(11)中、X1およびX2はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR13を表し、R1〜R13はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R13のうち少なくとも1つは上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(12)中、X1およびX2はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR13を表し、R1〜R13はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R13のうち少なくとも1つは上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(13)中、X1およびX2はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR13を表し、R1〜R13はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R13のうち少なくとも1つは上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(14)中、X1、X2およびX3はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR9を表し、R1〜R9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R9のうち少なくとも1つは上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(15)中、X1、X2、X3、およびX4はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR13を表し、R1〜R6およびR13はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R6およびR13のうち少なくとも1つは上記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(16)中、X1、X2、X3、およびX4はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR13を表す。R1〜R6およびR13は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R6およびR13のうち少なくとも1つは上記一般式(W)で表される置換基である。
[11]上記有機半導体(A)が、上記一般式(1)〜(9)、一般式(14)、および、一般式(15)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[10]に記載の有機半導体膜の形成方法。
本発明によれば、優れた移動度を示すと共に、サンプル間での移動度のバラツキが小さい有機半導体膜が得られる、有機半導体膜の形成方法を提供できる。
以下では、まず、本発明に用いる有機半導体膜形成用組成物の好適態様について説明した後、本発明の有機半導体膜の形成方法の好適態様について説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
〔有機半導体膜形成用組成物〕
本発明に用いる有機半導体膜形成用組成物(以下、便宜的に「本発明の組成物」と称したり、または、単に「組成物」と称したりする場合がある)は、少なくとも、有機半導体(A)および有機溶媒(B)を含有する。
以下では、まず、組成物に含まれる成分について詳述する。
本発明に用いる有機半導体膜形成用組成物(以下、便宜的に「本発明の組成物」と称したり、または、単に「組成物」と称したりする場合がある)は、少なくとも、有機半導体(A)および有機溶媒(B)を含有する。
以下では、まず、組成物に含まれる成分について詳述する。
<有機半導体(A)>
有機半導体(A)は、縮合多環芳香族基を有し、上記縮合多環芳香族基中の環数が4以上であり、上記縮合多環芳香族基中の少なくとも2つの環が、硫黄原子、窒素原子、セレン原子および酸素原子からなる群から選択される少なくとも1つの原子を含み、上記縮合多環芳香族基中の部分構造として、ベンゼン環、ナフタレン環、および、フェナントレン環からなる群から選択されるいずれか少なくとも1つを含む化合物である。なお、この化合物には、部分構造としてアントラセン環は含まれない。つまり、アントラセン環を部分構造として含む化合物は、有機半導体(A)には含まれない。
なお、縮合多環芳香族基とは、芳香族環が複数縮合して得られる基である。芳香族環としては、芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン環)および芳香族複素環(例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、セレノフェン環、イミダゾール環)が挙げられる。
有機半導体(A)は、縮合多環芳香族基を有し、上記縮合多環芳香族基中の環数が4以上であり、上記縮合多環芳香族基中の少なくとも2つの環が、硫黄原子、窒素原子、セレン原子および酸素原子からなる群から選択される少なくとも1つの原子を含み、上記縮合多環芳香族基中の部分構造として、ベンゼン環、ナフタレン環、および、フェナントレン環からなる群から選択されるいずれか少なくとも1つを含む化合物である。なお、この化合物には、部分構造としてアントラセン環は含まれない。つまり、アントラセン環を部分構造として含む化合物は、有機半導体(A)には含まれない。
なお、縮合多環芳香族基とは、芳香族環が複数縮合して得られる基である。芳香族環としては、芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン環)および芳香族複素環(例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、セレノフェン環、イミダゾール環)が挙げられる。
有機半導体(A)中には、縮合多環芳香族基(縮合多環芳香族構造)が含まれるが、この基が主成分として含まれることが好ましい。ここで主成分とは、縮合多環芳香族基の分子量の含有量が、有機半導体(A)の全分子量に対して、30%以上であることを意図し、40%以上であることが好ましい。上限は特に制限されないが、溶解性の点から、80%以下の場合が多い。
縮合多環芳香族基は、複数の環が縮合して形成される環構造であり、芳香性を示す。
縮合多環芳香族基中の環数は4つ以上であり、有機半導体の移動度がより優れる、サンプル間での移動度のバラツキがより小さい、または、組成物の保存安定性がより優れる点(以後、単に「本発明の効果がより優れる点」とも称する)で、4〜9つが好ましく、4〜7つがより好ましく、5〜6つがさらに好ましい。
縮合多環芳香族基中、少なくとも2つの環が、硫黄原子、窒素原子、セレン原子および酸素原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子を含み、本発明の効果がより優れる点で、2〜6つの環が上記原子を含むことが好ましく、2〜4つの環が上記原子を含むことがより好ましい。
また、本発明の効果がより優れる点で、縮合多環芳香族基中に少なくとも2つの複素環が含まれ、その複素環中に1個のヘテロ原子が含まれることが好ましい。ヘテロ原子の種類は特に制限されず、O原子(酸素原子)、S原子(硫黄原子)、N原子(窒素原子)、Se原子(セレン原子)などが挙げられる。
縮合多環芳香族基中には、部分構造としてベンゼン環、ナフタレン環、および、フェナントレン環からなる群から選択される少なくともいずれか1つが含まれる。なお、部分構造としては、アントラセン環は含まれない。
縮合多環芳香族基は、複数の環が縮合して形成される環構造であり、芳香性を示す。
縮合多環芳香族基中の環数は4つ以上であり、有機半導体の移動度がより優れる、サンプル間での移動度のバラツキがより小さい、または、組成物の保存安定性がより優れる点(以後、単に「本発明の効果がより優れる点」とも称する)で、4〜9つが好ましく、4〜7つがより好ましく、5〜6つがさらに好ましい。
縮合多環芳香族基中、少なくとも2つの環が、硫黄原子、窒素原子、セレン原子および酸素原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子を含み、本発明の効果がより優れる点で、2〜6つの環が上記原子を含むことが好ましく、2〜4つの環が上記原子を含むことがより好ましい。
また、本発明の効果がより優れる点で、縮合多環芳香族基中に少なくとも2つの複素環が含まれ、その複素環中に1個のヘテロ原子が含まれることが好ましい。ヘテロ原子の種類は特に制限されず、O原子(酸素原子)、S原子(硫黄原子)、N原子(窒素原子)、Se原子(セレン原子)などが挙げられる。
縮合多環芳香族基中には、部分構造としてベンゼン環、ナフタレン環、および、フェナントレン環からなる群から選択される少なくともいずれか1つが含まれる。なお、部分構造としては、アントラセン環は含まれない。
縮合多環芳香族基の好適態様としては、本発明の効果がより優れる点で、部分構造として、ベンゼン環、ナフタレン環、および、フェナントレン環からなる群から選択されるいずれか少なくとも1つを含み、2つ以上のチオフェン環を含み、環数が4つ以上の縮合多環芳香族基が好ましい。なかでも、部分構造としてベンゼン環を含み、2つ以上のチオフェン環とを含み、環数が4つ以上の縮合多環芳香族基がより好ましい。
上記好適態様においては、本発明の効果がより優れる点で、チオフェン環の数は3つ以上が好ましく、3〜5つがより好ましく、3〜4つがさらに好ましく、3つが特に好ましい。
また、本発明の効果がより優れる点で、縮合多環芳香族基中の環数は4〜6つが好ましく、5〜6つがより好ましく、5つがさらに好ましい。
縮合多環芳香族基の最好適態様としては、2つのベンゼン環と、3つのチオフェン環とを含み、かつ、環数が5つである縮合多環芳香族基が挙げられる。
上記好適態様においては、本発明の効果がより優れる点で、チオフェン環の数は3つ以上が好ましく、3〜5つがより好ましく、3〜4つがさらに好ましく、3つが特に好ましい。
また、本発明の効果がより優れる点で、縮合多環芳香族基中の環数は4〜6つが好ましく、5〜6つがより好ましく、5つがさらに好ましい。
縮合多環芳香族基の最好適態様としては、2つのベンゼン環と、3つのチオフェン環とを含み、かつ、環数が5つである縮合多環芳香族基が挙げられる。
さらに、縮合多環芳香族基の好適態様としては、硫黄原子、窒素原子、セレン原子および酸素原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子を含む環(複素環。好ましくは、チオフェン環)と、ベンゼン環とが交互に縮合(縮環)した基(縮合してなる基)も挙げられる。
本発明の効果がより優れる点で、有機半導体(A)としては、一般式(1)〜(16)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種が含まれることが好ましい。
組成物中には、1種のみの有機半導体が含まれていても、2種以上の有機半導体が含まれていてもよい。
組成物中には、1種のみの有機半導体が含まれていても、2種以上の有機半導体が含まれていてもよい。
(一般式(1)で表される化合物)
一般式(1)において、A1およびA2はそれぞれ独立にS原子(硫黄原子)、O原子(酸素原子)、またはSe原子(セレン原子)を表す。A1およびA2はS原子またはO原子が好ましい。また、A1およびA2は互いに同一であっても異なっていてもよいが、互いに同一であることが好ましい。
一般式(1)において、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただし、R1〜R6のうち少なくとも1つが後述する一般式(W)で表される置換基である。
一般式(1)において、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただし、R1〜R6のうち少なくとも1つが後述する一般式(W)で表される置換基である。
一般式(1)で表される化合物は、後述する一般式(W)で表される置換基以外のその他の置換基を有していてもよい。
一般式(1)のR1〜R6が採りうる置換基の種類は特に制限されないが、以下に説明する置換基Xが挙げられる。置換基Xとしては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基といってもよい)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、その他の公知の置換基が挙げられる。なお、本明細書においては、「置換基」としては、上記置換基Xが好ましく挙げられる。
これらの中でもハロゲン原子、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基が好ましく、フッ素原子、炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2〜3のアルケニル基、炭素数1〜2の置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のメチルチオ基、フェニル基がより好ましく、フッ素原子、炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルケニル基、炭素数1〜2の置換または無置換のアルコキシ基、あるいは置換または無置換のメチルチオ基であることが特に好ましい。
一般式(1)のR1〜R6が採りうる置換基の種類は特に制限されないが、以下に説明する置換基Xが挙げられる。置換基Xとしては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基といってもよい)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、その他の公知の置換基が挙げられる。なお、本明細書においては、「置換基」としては、上記置換基Xが好ましく挙げられる。
これらの中でもハロゲン原子、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基が好ましく、フッ素原子、炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2〜3のアルケニル基、炭素数1〜2の置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のメチルチオ基、フェニル基がより好ましく、フッ素原子、炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルケニル基、炭素数1〜2の置換または無置換のアルコキシ基、あるいは置換または無置換のメチルチオ基であることが特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物中において、R1〜R6のうち、一般式(W)で表される置換基以外のその他の置換基の個数は0〜4であることが好ましく、0〜2であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
また、これら置換基は、さらに上記置換基Xを有していてもよい。
なかでも、R3〜R6は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルケニル基、炭素数1〜2の置換または無置換のアルコキシ基、あるいは置換または無置換のメチルチオ基であることが好ましい。
また、これら置換基は、さらに上記置換基Xを有していてもよい。
なかでも、R3〜R6は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルケニル基、炭素数1〜2の置換または無置換のアルコキシ基、あるいは置換または無置換のメチルチオ基であることが好ましい。
次に、一般式(W)で表される置換基について説明する。
一般式(W) −L−R
一般式(W)中、Lは下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、
一般式(W) −L−R
一般式(W)中、Lは下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、
一般式(L−1)〜(L−25)中、*はRとの結合位置を表し、波線部分はもう一方の結合位置を表す。より具体的には、一般式(1)で表される化合物においては、波線部分は一般式(1)で表される骨格を形成する環と結合する。なお、後述するように、一般式(W)が他の化合物に含まれる場合、波線部分は各化合物の骨格を形成する環と結合する。
なお、Lが一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が2つ以上結合した2価の連結基を表す場合、一方の連結基の*が、他方の連結基の波線部分と結合する。
一般式(L−13)におけるmは4を表し、一般式(L−14)および(L−15)におけるmは3を表し、一般式(L−16)〜(L−20)におけるmは2を表し、(L−22)におけるmは6を表す。
一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)および(L−13)〜(L−24)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。RNは水素原子または置換基を表す。Rsiはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を表す。
一般式(L−1)および(L−2)中のR’はそれぞれLに隣接するRと結合して縮合環を形成してもよい。
なお、Lが一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が2つ以上結合した2価の連結基を表す場合、一方の連結基の*が、他方の連結基の波線部分と結合する。
一般式(L−13)におけるmは4を表し、一般式(L−14)および(L−15)におけるmは3を表し、一般式(L−16)〜(L−20)におけるmは2を表し、(L−22)におけるmは6を表す。
一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)および(L−13)〜(L−24)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。RNは水素原子または置換基を表す。Rsiはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を表す。
一般式(L−1)および(L−2)中のR’はそれぞれLに隣接するRと結合して縮合環を形成してもよい。
この中でも、一般式(L−17)〜(L−21)、(L−23)および(L−24)で表される2価の連結基は、下記一般式(L−17A)〜(L−21A)、(L−23A)および(L−24A)で表される2価の連結基であることがより好ましい。
ここで、置換または無置換のアルキル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基が置換基の末端に存在する場合は、一般式(W)における−R単独と解釈することもでき、一般式(W)における−L−Rと解釈することもできる。
本発明では、主鎖が炭素数N個の置換または無置換のアルキル基が置換基の末端に存在する場合は、置換基の末端から可能な限りの連結基を含めた上で一般式(W)における−L−Rと解釈することとし、具体的には「一般式(W)におけるLに相当する(L−1)1個」と「一般式(W)におけるRに相当する主鎖が炭素数N−1個の置換または無置換のアルキル基」とが結合した置換基として解釈する。例えば、炭素数8のアルキル基であるn−オクチル基が置換基の末端に存在する場合、2個のR’が水素原子である(L−1)1個と、炭素数7のn−ヘプチル基とが結合した置換基として解釈する。
一方、本発明では、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基が置換基の末端に存在する場合は、置換基の末端から可能な限りの連結基を含めた上で、一般式(W)におけるR単独と解釈する。例えば、−(OCH2CH2)−(OCH2CH2)−(OCH2CH2)−OCH3基が置換基の末端に存在する場合、オキシエチレン単位の繰り返し数vが3のオリゴオキシエチレン基単独の置換基として解釈する。
本発明では、主鎖が炭素数N個の置換または無置換のアルキル基が置換基の末端に存在する場合は、置換基の末端から可能な限りの連結基を含めた上で一般式(W)における−L−Rと解釈することとし、具体的には「一般式(W)におけるLに相当する(L−1)1個」と「一般式(W)におけるRに相当する主鎖が炭素数N−1個の置換または無置換のアルキル基」とが結合した置換基として解釈する。例えば、炭素数8のアルキル基であるn−オクチル基が置換基の末端に存在する場合、2個のR’が水素原子である(L−1)1個と、炭素数7のn−ヘプチル基とが結合した置換基として解釈する。
一方、本発明では、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基が置換基の末端に存在する場合は、置換基の末端から可能な限りの連結基を含めた上で、一般式(W)におけるR単独と解釈する。例えば、−(OCH2CH2)−(OCH2CH2)−(OCH2CH2)−OCH3基が置換基の末端に存在する場合、オキシエチレン単位の繰り返し数vが3のオリゴオキシエチレン基単独の置換基として解釈する。
Lが一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した連結基を形成する場合、一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基の結合数は2〜4であることが好ましく、2または3であることがより好ましい。
一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)および(L−13)〜(L−24)中の置換基R’としては、上記の一般式(1)のR1〜R8が採りうる置換基として例示したものを挙げることができる。その中でも一般式(L−6)中の置換基R’はアルキル基であることが好ましく、(L−6)中のR’がアルキル基である場合は、アルキル基の炭素数は1〜9であることが好ましく、4〜9であることが化学的安定性、キャリア輸送性の観点からより好ましく、5〜9であることがさらに好ましい。(L−6)中のR’がアルキル基である場合は、アルキル基は直鎖アルキル基であることが、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
RNは水素原子または置換基を表し、RNとしては、上記の一般式(1)のR1〜R8が採りうる置換基として例示したものを挙げることができる。その中でもRNとしては水素原子またはメチル基が好ましい。
Rsiはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を表し、アルキル基であることが好ましい。Rsiがとり得るアルキル基としては特に制限はないが、Rsiがとり得るアルキル基の好ましい範囲は、Rがトリアルキルシリル基である場合にトリアルキルシリル基がとり得るアルキル基の好ましい範囲と同様である。Rsiがとり得るアルケニル基としては特に制限はないが、置換または無置換のアルケニル基が好ましく、分枝アルケニル基であることがより好ましく、アルケニル基の炭素数は2〜3であることが好ましい。Rsiがとり得るアルキニル基としては特に制限はないが、置換または無置換のアルキニル基が好ましく、分枝アルキニル基であることがより好ましく、アルキニル基の炭素数は2〜3であることが好ましい。
RNは水素原子または置換基を表し、RNとしては、上記の一般式(1)のR1〜R8が採りうる置換基として例示したものを挙げることができる。その中でもRNとしては水素原子またはメチル基が好ましい。
Rsiはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を表し、アルキル基であることが好ましい。Rsiがとり得るアルキル基としては特に制限はないが、Rsiがとり得るアルキル基の好ましい範囲は、Rがトリアルキルシリル基である場合にトリアルキルシリル基がとり得るアルキル基の好ましい範囲と同様である。Rsiがとり得るアルケニル基としては特に制限はないが、置換または無置換のアルケニル基が好ましく、分枝アルケニル基であることがより好ましく、アルケニル基の炭素数は2〜3であることが好ましい。Rsiがとり得るアルキニル基としては特に制限はないが、置換または無置換のアルキニル基が好ましく、分枝アルキニル基であることがより好ましく、アルキニル基の炭素数は2〜3であることが好ましい。
Lは一般式(L−1)〜(L−5)、(L−13)、(L−17)もしくは(L−18)のいずれかで表される2価の連結基または一般式(L−1)〜(L−5)、(L−13)、(L−17)もしくは(L−18)のいずれかで表される2価の連結基が2以上結合した2価の連結基であることが好ましく、一般式(L−1)、(L−3)、(L−13)もしくは(L−18)のいずれかで表される2価の連結基または一般式(L−1)、(L−3)、(L−13)もしくは(L−18)で表される2価の連結基が2以上結合した2価の連結基であることがより好ましく、(L−1)、(L−3)、(L−13)もしくは(L−18)で表される2価の連結基または一般式(L−3)、(L−13)もしくは(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基であることが特に好ましい。一般式(L−3)、(L−13)または(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基は、一般式(L−1)で表される2価の連結基がR側に結合することが好ましい。化学的安定性、キャリア輸送性の観点から一般式(L−1)で表される2価の連結基を含む2価の連結基であることが特に好ましく、一般式(L−1)で表される2価の連結基であることがより特に好ましく、Lが一般式(L−1)で表される2価の連結基であり、Rが置換または無置換のアルキル基であることが最も好ましい。
一般式(W)において、Rは置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
一般式(W)において、Rに隣接するLが一般式(L−1)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換または無置換のアルキル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基であることが好ましく、置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
一般式(W)において、Rに隣接するLが一般式(L−2)および(L−4)〜(L−25)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
一般式(W)において、Rに隣接するLが一般式(L−3)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のトリアルキルシリル基であることが好ましい。
一般式(W)において、Rに隣接するLが一般式(L−1)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換または無置換のアルキル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基であることが好ましく、置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
一般式(W)において、Rに隣接するLが一般式(L−2)および(L−4)〜(L−25)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
一般式(W)において、Rに隣接するLが一般式(L−3)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のトリアルキルシリル基であることが好ましい。
Rが置換または無置換のアルキル基の場合、炭素数は4〜17であることが好ましく、6〜14であることが化学的安定性、キャリア輸送性の観点からより好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。Rが上記の範囲の長鎖アルキル基であること、特に長鎖の直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
Rがアルキル基を表す場合、直鎖アルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
これらの中でも、一般式(W)におけるRとLの組み合わせとしては、一般式(1)中、Lが一般式(L−1)で表される2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖の炭素数7〜17のアルキル基であるか、あるいは、Lが一般式(L−3)、(L−13)または(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖のアルキル基であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。
Lが一般式(L−1)で表される2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖の炭素数7〜17のアルキル基である場合、Rが直鎖の炭素数7〜14のアルキル基であることがキャリア移動度を高める観点からより好ましく、直鎖の炭素数7〜12のアルキル基であることが特に好ましい。
Lが一般式(L−3)、(L−13)または(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖のアルキル基である場合、Rが直鎖の炭素数4〜17のアルキル基であることがより好ましく、直鎖の炭素数6〜14のアルキル基であることが化学的安定性、キャリア輸送性の観点からより好ましく、直鎖の炭素数6〜12のアルキル基であることがキャリア移動度を高める観点から特に好ましい。
一方、有機溶媒への溶解度を高める観点からは、Rが分枝アルキル基であることが好ましい。
Rが置換基を有するアルキル基である場合の置換基としては、ハロゲン原子などを挙げることができ、フッ素原子が好ましい。なお、Rがフッ素原子を有するアルキル基である場合はアルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されてパーフルオロアルキル基を形成してもよい。ただし、Rは無置換のアルキル基であることが好ましい。
Rがアルキル基を表す場合、直鎖アルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
これらの中でも、一般式(W)におけるRとLの組み合わせとしては、一般式(1)中、Lが一般式(L−1)で表される2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖の炭素数7〜17のアルキル基であるか、あるいは、Lが一般式(L−3)、(L−13)または(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖のアルキル基であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。
Lが一般式(L−1)で表される2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖の炭素数7〜17のアルキル基である場合、Rが直鎖の炭素数7〜14のアルキル基であることがキャリア移動度を高める観点からより好ましく、直鎖の炭素数7〜12のアルキル基であることが特に好ましい。
Lが一般式(L−3)、(L−13)または(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖のアルキル基である場合、Rが直鎖の炭素数4〜17のアルキル基であることがより好ましく、直鎖の炭素数6〜14のアルキル基であることが化学的安定性、キャリア輸送性の観点からより好ましく、直鎖の炭素数6〜12のアルキル基であることがキャリア移動度を高める観点から特に好ましい。
一方、有機溶媒への溶解度を高める観点からは、Rが分枝アルキル基であることが好ましい。
Rが置換基を有するアルキル基である場合の置換基としては、ハロゲン原子などを挙げることができ、フッ素原子が好ましい。なお、Rがフッ素原子を有するアルキル基である場合はアルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されてパーフルオロアルキル基を形成してもよい。ただし、Rは無置換のアルキル基であることが好ましい。
Rがオキシエチレン基の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基の場合、Rが表す「オリゴオキシエチレン基」とは本明細書中、−(OCH2CH2)vOYで表される基のことを言う(オキシエチレン単位の繰り返し数vは2以上の整数を表し、末端のYは水素原子または置換基を表す)。なお、オリゴオキシエチレン基の末端のYが水素原子である場合はヒドロキシ基となる。オキシエチレン単位の繰り返し数vは2〜4であることが好ましく、2〜3であることがより好ましい。オリゴオキシエチレン基の末端のヒドロキシ基は封止されていること、すなわちYが置換基を表すことが好ましい。この場合、ヒドロキシ基は、炭素数が1〜3のアルキル基で封止されること、すなわちYが炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、Yがメチル基やエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
Rが、シロキサン基、または、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基の場合、シロキサン単位の繰り返し数は2〜4であることが好ましく、2〜3であることがさらに好ましい。また、ケイ素原子(Si原子)には、水素原子やアルキル基が結合することが好ましい。ケイ素原子にアルキル基が結合する場合、アルキル基の炭素数は1〜3であることが好ましく、例えば、メチル基やエチル基が結合することが好ましい。ケイ素原子には、同一のアルキル基が結合してもよく、異なるアルキル基または水素原子が結合してもよい。また、オリゴシロキサン基を構成するシロキサン単位はすべて同一であっても異なっていてもよいが、すべて同一であることが好ましい。
Rに隣接するLが一般式(L−3)で表される2価の連結基である場合、Rが置換または無置換のトリアルキルシリル基であることも好ましい。Rが置換または無置換のトリアルキルシリル基である場合はその中でも、シリル基の置換基としては置換または無置換のアルキル基であれば特に制限はないが、分枝アルキル基であることがより好ましい。Si原子に結合するアルキル基の炭素数は1〜3であることが好ましく、例えば、メチル基やエチル基やイソプロピル基が結合することが好ましい。ケイ素原子には、同一のアルキル基が結合してもよく、異なるアルキル基が結合してもよい。Rがアルキル基上にさらに置換基を有するトリアルキルシリル基である場合の置換基としては、特に制限はない。
一般式(W)において、LおよびRに含まれる炭素数の合計は5〜18であることが好ましい。LおよびRに含まれる炭素数の合計が上記範囲の下限値以上であると、キャリア移動度が高くなり、駆動電圧を低くなる。LおよびRに含まれる炭素数の合計が上記範囲の上限値以下であると、有機溶媒に対する溶解性が高くなる。
LおよびRに含まれる炭素数の合計は5〜14であることが好ましく、6〜14であることがより好ましく、6〜12であることが特に好ましく、8〜12であることが最も好ましい。
LおよびRに含まれる炭素数の合計は5〜14であることが好ましく、6〜14であることがより好ましく、6〜12であることが特に好ましく、8〜12であることが最も好ましい。
一般式(1)で表される化合物中において、R1〜R6のうち、一般式(W)で表される置換基の個数は1〜4個であることが好ましく、1〜2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
本発明では、一般式(1)において、R1およびR2のうち少なくとも1つが一般式(W)で表される置換基であることが好ましい。
一般式(1)における置換位置として、これらの位置が好ましいのは、化合物の化学的安定性に優れ、HOMO準位、分子の膜中でのパッキングの観点からも好適であるためであると考えられる。特に、一般式(1)において、R1およびR2の2箇所を置換基とすることにより、高いキャリア濃度を得ることができる。
また、一般式(1)において、R3〜R6がそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルケニル基、炭素数1〜2の置換または無置換のアルコキシ基、あるいは置換または無置換のメチルチオ基であることが好ましい。
一般式(1)における置換位置として、これらの位置が好ましいのは、化合物の化学的安定性に優れ、HOMO準位、分子の膜中でのパッキングの観点からも好適であるためであると考えられる。特に、一般式(1)において、R1およびR2の2箇所を置換基とすることにより、高いキャリア濃度を得ることができる。
また、一般式(1)において、R3〜R6がそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3の置換または無置換のアルキル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2〜3の置換または無置換のアルケニル基、炭素数1〜2の置換または無置換のアルコキシ基、あるいは置換または無置換のメチルチオ基であることが好ましい。
本発明では、有機半導体膜の移動度が優れる、および/または、移動度のバラツキがより小さい点(以下、単に「本発明の効果がより優れる点」とも称する)で、一般式(1)で表される化合物が、一般式(1A)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(1A)において、A1、A2、およびR2〜R6の定義は、上述した一般式(1)中における定義と同義である。
Laの定義は、一般式(W)中の上記Lと同義であり、Raの定義は、一般式(W)中の上記Rと同じである。
Laの定義は、一般式(W)中の上記Lと同義であり、Raの定義は、一般式(W)中の上記Rと同じである。
一般式(1)で表される化合物は、本発明の効果がより優れる点で、一般式(1B)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(1B)において、A1、A2、およびR3〜R6の定義は、上述した一般式(1)中における定義と同義である。
LaおよびLbの定義は、一般式(W)中の上記Lと同義であり、RaおよびRbの定義は、一般式(W)中の上記Rと同じである。
LaおよびLbの定義は、一般式(W)中の上記Lと同義であり、RaおよびRbの定義は、一般式(W)中の上記Rと同じである。
一般式(1)で表される化合物は、本発明の効果がより優れる点で、一般式(1C)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(1C)において、A1、A2、およびR4〜R6の定義は、上述した一般式(1)中における定義と同義である。R1、R2はそれぞれ独立に水素原子またはアリール基を表す。
Ldの定義は、一般式(W)中の上記Lと同義であり、Rdの定義は、一般式(W)中の上記Rと同じである。
Ldの定義は、一般式(W)中の上記Lと同義であり、Rdの定義は、一般式(W)中の上記Rと同じである。
一般式(1)で表される化合物は、本発明の効果がより優れる点で、一般式(1D)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(1D)において、A1、A2、およびR4〜R5の定義は、上述した一般式(1)中における定義と同義である。R1、R2はそれぞれ独立に水素原子またはアリール基を表す。
LeおよびLfの定義は、一般式(W)中の上記Lと同義であり、ReおよびRfの定義は、一般式(W)中の上記Rと同じである。
LeおよびLfの定義は、一般式(W)中の上記Lと同義であり、ReおよびRfの定義は、一般式(W)中の上記Rと同じである。
(一般式(2)で表される化合物)
一般式(2)中、X1およびX2はそれぞれ独立にNR13(>N−R13)、O原子またはS原子を表す。X1およびX2は、それぞれ独立にO原子またはS原子であることが合成容易性の観点から好ましい。一方、X1およびX2のうち少なくとも1つがS原子であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。X1およびX2は、同じ連結基であることが好ましい。X1およびX2はいずれもS原子であることがより好ましい。
R13は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアシル基を表し、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜14のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが特に好ましい。
R13がアルキル基を表す場合、直鎖アルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
R13は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアシル基を表し、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜14のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが特に好ましい。
R13がアルキル基を表す場合、直鎖アルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
一般式(2)中、A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表し、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。A1がCR7であるか、A2がCR8であることが好ましく、A1がCR7かつA2がCR8であることがより好ましい。A1およびA2は、同じであっても互いに異なっていてもよいが、同じあることが好ましい。
一般式(2)において、R5とR7は互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
一般式(2)において、R6とR8は互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
一般式(2)において、R5とR7は互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
一般式(2)において、R6とR8は互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
一般式(2)中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表す。
R1〜R8がそれぞれ独立にとりうる置換基としては、上述した置換基Xが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
R1〜R8がそれぞれ独立にとりうる置換基として、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、アルコキシ基、アルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数1〜11のアルコキシ基、炭素数5〜12の複素環基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基がより好ましく、後述の連結基鎖長が3.7Å以下の基および一般式(W)で表される置換基が特に好ましく、一般式(W)で表される置換基がより特に好ましい。
R1〜R8がそれぞれ独立にとりうる置換基としては、上述した置換基Xが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
R1〜R8がそれぞれ独立にとりうる置換基として、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、アルコキシ基、アルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数1〜11のアルコキシ基、炭素数5〜12の複素環基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基がより好ましく、後述の連結基鎖長が3.7Å以下の基および一般式(W)で表される置換基が特に好ましく、一般式(W)で表される置換基がより特に好ましい。
一般式(2)で表される化合物中、R1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基は1〜4個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1または2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
R1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R5またはR6であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましい。
R1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R5またはR6であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましい。
R1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、連結基鎖長が3.7Å以下の基であることが好ましく、連結基鎖長が1.0〜3.7Åの基であることがより好ましく、連結基鎖長が1.0〜2.1Åの基であることがさらに好ましい。
ここで、連結基鎖長とはC(炭素原子)−R結合におけるC原子から置換基Rの末端までの長さのことを指す。構造最適化計算は、密度汎関数法(Gaussian03(米ガウシアン社)/基底関数:6−31G*、交換相関汎関数:B3LYP/LANL2DZ)を用いて行うことができる。なお、代表的な置換基の分子長としては、プロピル基は4.6Å、ピロール基は4.6Å、プロピニル基は4.5Å、プロペニル基は4.6Å、エトキシ基は4.5Å、メチルチオ基は3.7Å、エテニル基は3.4Å、エチル基は3.5Å、エチニル基は3.6Å、メトキシ基は3.3Å、メチル基は2.1Å、水素原子は1.0Åである。
ここで、連結基鎖長とはC(炭素原子)−R結合におけるC原子から置換基Rの末端までの長さのことを指す。構造最適化計算は、密度汎関数法(Gaussian03(米ガウシアン社)/基底関数:6−31G*、交換相関汎関数:B3LYP/LANL2DZ)を用いて行うことができる。なお、代表的な置換基の分子長としては、プロピル基は4.6Å、ピロール基は4.6Å、プロピニル基は4.5Å、プロペニル基は4.6Å、エトキシ基は4.5Å、メチルチオ基は3.7Å、エテニル基は3.4Å、エチル基は3.5Å、エチニル基は3.6Å、メトキシ基は3.3Å、メチル基は2.1Å、水素原子は1.0Åである。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基はそれぞれ独立に炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアシル基であることが好ましく、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
一般式(2)で表される化合物は、下記一般式(2A)または(2B)で表される化合物であることが好ましく、高移動度の観点からは一般式(2A)で表される化合物であることが特に好ましい。
一般式(2A)中、X1およびX2はそれぞれ独立にO原子またはS原子を表し、A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表し、R1〜R5、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R5は−La−Raで表される基ではなく、Laは上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、Raは置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
R1〜R5、R7およびR8で表される置換基としては、上記置換基Xが挙げられる。
R1〜R5、R7およびR8で表される置換基としては、上記置換基Xが挙げられる。
一般式(2B)中、X1およびX2はそれぞれ独立にO原子またはS原子を表し、A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表し、R1〜R4、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、LbおよびLcはそれぞれ独立に上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、RbおよびRcはそれぞれ独立に置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
R1〜R4、R7およびR8で表される置換基としては、上記置換基Xが挙げられる。
R1〜R4、R7およびR8で表される置換基としては、上記置換基Xが挙げられる。
(一般式(3)で表される化合物)
一般式(3)において、R1〜R6並びに後述するR7〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただし、R1〜R8のうち少なくとも1つは、一般式(W)で表される置換基を表す。
R1〜R8で表される置換基としては、上記置換基Xが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
R1〜R6がそれぞれ独立にとりうる置換基として、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、アルコキシ基、アルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数1〜11のアルコキシ基、炭素数5〜12の複素環基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基がより好ましい。
R1〜R8で表される置換基としては、上記置換基Xが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
R1〜R6がそれぞれ独立にとりうる置換基として、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、アルコキシ基、アルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数1〜11のアルコキシ基、炭素数5〜12の複素環基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基がより好ましい。
一般式(3)において、Xはそれぞれ独立にS原子、O原子、またはNR7(>N‐R7)を表し、R7は水素原子または置換基を表す。Xは、S原子、O原子が好ましい。一般式(3)において、2つ含まれるXは、同じであることが好ましい。
R7は、水素原子、アルキル基、アリール基であることが好ましく、炭素数1〜14のアルキル基であることがより好ましく、炭素数4〜12のアルキル基であることが特に好ましい。R7が上記の範囲の長鎖アルキル基であること、特に長鎖の直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
R7がアルキル基を表す場合、直鎖アルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
R7は、水素原子、アルキル基、アリール基であることが好ましく、炭素数1〜14のアルキル基であることがより好ましく、炭素数4〜12のアルキル基であることが特に好ましい。R7が上記の範囲の長鎖アルキル基であること、特に長鎖の直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
R7がアルキル基を表す場合、直鎖アルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
一般式(3)において、Aはそれぞれ独立にCR8またはN原子を表し、CR8を表すことが好ましい。一般式(1)において、2つ含まれるAは、同じであっても互いに異なっていてもよいが、同じあることが好ましい。
R8は連結基鎖長が3.7Å以下の基であることが好ましく、連結基鎖長が1.0〜3.7Åの基であることがより好ましく、連結基鎖長が1.0〜2.1Åの基であることがさらに好ましい。連結基鎖長の定義は、上述の通りである。
R8は水素原子、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアシル基であることが好ましく、水素原子、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
R8が炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。R8が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
R8が炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。R8が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
R8が炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。R8が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
R8が炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。R8が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
R8は連結基鎖長が3.7Å以下の基であることが好ましく、連結基鎖長が1.0〜3.7Åの基であることがより好ましく、連結基鎖長が1.0〜2.1Åの基であることがさらに好ましい。連結基鎖長の定義は、上述の通りである。
R8は水素原子、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアシル基であることが好ましく、水素原子、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
R8が炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。R8が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
R8が炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。R8が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
R8が炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。R8が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
R8が炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。R8が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
一般式(3)で表される化合物が、一般式(3A)、(3B)または(3C)で表される化合物であることが好ましく、一般式(3A)または(3B)で表される化合物であることがより好ましく、高溶解性の観点からは一般式(3A)で表される化合物であることが特に好ましく、一方で高移動度の観点からは一般式(3B)で表される化合物であることが特に好ましい。
一般式(3A)において、Xはそれぞれ独立にS原子、O原子またはNR7を表し、Aはそれぞれ独立にCR8またはN原子を表す。R1〜R5、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただし、R5は−La−Raで表される基ではない。
Laはそれぞれ独立に上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、Raはそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
Laはそれぞれ独立に上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、Raはそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
一般式(3B)において、Xはそれぞれ独立にS原子、O原子またはNR7を表し、Aはそれぞれ独立にCR8またはN原子を表す。R1〜R4、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。LbおよびLcはそれぞれ独立に上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、RbおよびRcはそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
一般式(3C)において、Aはそれぞれ独立にCR8またはN原子を表す。R1〜R6、R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。LdおよびLeはそれぞれ独立に上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、RdおよびReはそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
(一般式(4)で表される化合物)
一般式(4)中、Xはそれぞれ独立にO原子、S原子またはSe原子を表す。Xはそれぞれ独立にO原子またはS原子であることが好ましく、Xのうち少なくとも1つがS原子であることが、キャリア移動度を高める観点からより好ましい。Xは、同じ連結基であることが好ましい。XはいずれもS原子であることが特に好ましい。
一般式(4)中、pおよびqはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。pおよびqがそれぞれ独立に0または1であることが移動度と溶解性を両立する観点から好ましく、p=q=0またはp=q=1であることがより好ましい。
一般式(4)中、R1〜R10、RaおよびRbはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または一般式(W)で表される置換基を表し、かつ、R1〜R10、RaおよびRbのうち少なくとも一つは一般式(W)で表される置換基であり、ただし、R5とR6のうち少なくとも一方が一般式(W)で表される置換基である場合はR5とR6が表す一般式(W)においてLは上記一般式(L−2)または(L−3)で表される2価の連結基である。
なお、一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
なお、一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
R5とR6のうち少なくとも一方が一般式(W)で表される置換基である場合は、すなわちR5とR6のうちいずれか一方でも水素原子でもなくハロゲン原子でもない場合に相当する。
R5とR6のうち少なくとも一方が一般式(W)で表される置換基である場合、R5とR6が表す一般式(W)においてLは上記一般式(L−3)で表される2価の連結基であることが好ましい。
R5とR6のうち少なくとも一方が一般式(W)で表される置換基である場合、R5とR6はいずれも一般式(W)で表される置換基であることが好ましい。
なお、R5とR6がともに水素原子またはハロゲン原子の場合、R1〜R4、R7〜R10、RaおよびRbはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または一般式(W)で表される置換基であり、かつ、R1〜R4、R7〜R10、RaおよびRbのうち少なくとも1つ以上は一般式(W)で表される置換基となる。
R5とR6のうち少なくとも一方が一般式(W)で表される置換基である場合、R5とR6が表す一般式(W)においてLは上記一般式(L−3)で表される2価の連結基であることが好ましい。
R5とR6のうち少なくとも一方が一般式(W)で表される置換基である場合、R5とR6はいずれも一般式(W)で表される置換基であることが好ましい。
なお、R5とR6がともに水素原子またはハロゲン原子の場合、R1〜R4、R7〜R10、RaおよびRbはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または一般式(W)で表される置換基であり、かつ、R1〜R4、R7〜R10、RaおよびRbのうち少なくとも1つ以上は一般式(W)で表される置換基となる。
一般式(4)中、R1〜R10、RaおよびRbが表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を挙げることができ、フッ素原子、塩素原子または臭素原子であることが好ましく、フッ素原子または塩素原子であることがより好ましく、フッ素原子であることが特に好ましい。
一般式(4)で表される化合物中、R1〜R10、RaおよびRbのうち、ハロゲン原子は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
一般式(4)で表される化合物中、R1〜R10、RaおよびRbのうち、一般式(W)で表される置換基は1〜4個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1または2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
R1〜R10、RaおよびRbのうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はない。その中でも、本発明では、一般式(4)中、R1、R4〜R7、R10、RaおよびRbがそれぞれ独立に水素原子またはハロゲン原子であり、R2、R3、R8およびR9がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または一般式(W)で表される置換基であり、かつ、R2、R3、R8およびR9のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましい。
本発明では、R1、R3〜R8およびR10がそれぞれ独立に水素原子またはハロゲン原子を表し、R2およびR9がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または一般式(W)で表される置換基であり、かつ、少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基であることがより好ましい。
本発明では、R2とR9がともに一般式(W)で表される置換基であり、かつR3とR8がともに水素原子またはハロゲン原子であるか、R3とR8がともに一般式(W)で表される置換基であり、かつR2とR9がともに水素原子またはハロゲン原子であることが特に好ましい。
本発明では、R2とR9がともに一般式(W)で表される置換基であり、かつR3とR8がともに水素原子またはハロゲン原子であるか、R3とR8がともに一般式(W)で表される置換基であり、かつR2とR9がともに水素原子またはハロゲン原子であることがより特に好ましい。
一般式(4)において、2以上のR1〜R10、RaおよびRbは互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
R1〜R10、RaおよびRbのうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はない。その中でも、本発明では、一般式(4)中、R1、R4〜R7、R10、RaおよびRbがそれぞれ独立に水素原子またはハロゲン原子であり、R2、R3、R8およびR9がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または一般式(W)で表される置換基であり、かつ、R2、R3、R8およびR9のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましい。
本発明では、R1、R3〜R8およびR10がそれぞれ独立に水素原子またはハロゲン原子を表し、R2およびR9がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または一般式(W)で表される置換基であり、かつ、少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基であることがより好ましい。
本発明では、R2とR9がともに一般式(W)で表される置換基であり、かつR3とR8がともに水素原子またはハロゲン原子であるか、R3とR8がともに一般式(W)で表される置換基であり、かつR2とR9がともに水素原子またはハロゲン原子であることが特に好ましい。
本発明では、R2とR9がともに一般式(W)で表される置換基であり、かつR3とR8がともに水素原子またはハロゲン原子であるか、R3とR8がともに一般式(W)で表される置換基であり、かつR2とR9がともに水素原子またはハロゲン原子であることがより特に好ましい。
一般式(4)において、2以上のR1〜R10、RaおよびRbは互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
一般式(4)で表される化合物は、下記一般式(4A)または(4B)で表される化合物であることが好ましく、高キャリア移動度と高溶解性を両立する観点からは一般式(4A)で表される化合物であることが特に好ましい。
一般式(4A)中、Xはそれぞれ独立にO原子、S原子またはSe原子を表し、R1、R3〜R8およびR10がそれぞれ独立に水素原子またはハロゲン原子を表し、R2およびR9がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または一般式(W)で表される置換基であり、かつ、少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基であり、ただし、一般式(W)で表される置換基がアルキル基である場合は一般式(W)で表される置換基は炭素数4以上18以下の直鎖アルキル基または炭素数4以上の分岐のアルキル基に限る。
一般式(4B)中、Xはそれぞれ独立にO原子、S原子またはSe原子を表し、R1、R4〜R7、R10、RaおよびRbがそれぞれ独立に水素原子またはハロゲン原子であり、R2、R3、R8およびR9がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または一般式(W)で表される置換基を表し、かつ、少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表す。
一般式(4B)中、Xはそれぞれ独立にO原子、S原子またはSe原子を表し、R1、R4〜R7、R10、RaおよびRbがそれぞれ独立に水素原子またはハロゲン原子であり、R2、R3、R8およびR9がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または一般式(W)で表される置換基を表し、かつ、少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表す。
(一般式(5)で表される化合物)
一般式(5)中、X1およびX2はそれぞれ独立にNR13、O原子またはS原子を表す。X1およびX2はそれぞれ独立にO原子またはS原子であることが合成容易性の観点から好ましい。一方、X1およびX2のうち少なくとも1つがS原子であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。X1およびX2は、同じ連結基であることが好ましい。X1およびX2はいずれもS原子であることがより好ましい。
R13は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアシル基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜14のアルキル基であることが特に好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが最も好ましい。
R13がアルキル基を表す場合、直鎖アルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
R13は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアシル基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜14のアルキル基であることが特に好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが最も好ましい。
R13がアルキル基を表す場合、直鎖アルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
一般式(5)中、A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表し、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。A1がCR7であるか、A2がCR8であることが好ましく、A1がCR7かつA2がCR8であることがより好ましい。A1およびA2は、同じであっても互いに異なっていてもよいが、同じあることが好ましい。
一般式(5)において、R5とR7は互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
一般式(5)において、R5とR13は互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
一般式(5)において、R6とR8は互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
一般式(5)において、R6とR13は互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
一般式(5)において、R5とR13は互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
一般式(5)において、R6とR8は互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
一般式(5)において、R6とR13は互いに結合して環を形成してもよく、互いに結合して環を形成しなくてもよいが、互いに結合して環を形成しない方が好ましい。
一般式(5)中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R8のうち少なくとも1つが一般式(W)で表される置換基である。
なお、R1〜R8で表される置換基としては、置換基Xが挙げられる。また、一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
なお、R1〜R8で表される置換基としては、置換基Xが挙げられる。また、一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
一般式(5)で表される化合物中、R1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基は1〜4個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1または2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
R1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R5またはR6であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましい。
R1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
R1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R5またはR6であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましい。
R1〜R8のうち、一般式(W)で表される置換基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、連結基鎖長が3.7Å以下の基であることが好ましく、連結基鎖長が1.0〜3.7Åの基であることがより好ましく、連結基鎖長が1.0〜2.1Åの基であることがさらに好ましい。連結基鎖長の定義は、上述の通りである。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基はそれぞれ独立に炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアシル基であることが好ましく、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。
一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基はそれぞれ独立に炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアシル基であることが好ましく、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。
一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
R1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
一般式(5)で表される化合物は、下記一般式(5A)または(5B)で表される化合物であることが好ましく、高移動度の観点からは一般式(5A)で表される化合物であることが特に好ましい。
一般式(5A)中、X1およびX2はそれぞれ独立にO原子またはS原子を表す。A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表す。一般式(5A)中のA1、A2、R7およびR8は、一般式(5)中のA1、A2、R7およびR8とそれぞれ同義である。
一般式(5A)中、R1〜R5、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R5は−La−Raで表される基ではない。
一般式(5A)中のR1〜R5、R7およびR8が置換基を表す場合、この置換基の好ましい範囲は、一般式(5)中のR1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の好ましい範囲と同様である。
一般式(5A)中、Laは上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、Raは置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
一般式(5A)中、R1〜R5、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R5は−La−Raで表される基ではない。
一般式(5A)中のR1〜R5、R7およびR8が置換基を表す場合、この置換基の好ましい範囲は、一般式(5)中のR1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の好ましい範囲と同様である。
一般式(5A)中、Laは上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、Raは置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
一般式(5B)中、X1およびX2はそれぞれ独立にO原子またはS原子を表す。A1はCR7またはN原子を表し、A2はCR8またはN原子を表す。一般式(5B)中のA1、A2、R7およびR8は、一般式(5)中のA1、A2、R7およびR8とそれぞれ同義である。
一般式(5B)中、R1〜R4、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。一般式(5B)中のR1〜R4、R7およびR8が置換基を表す場合、この置換基の好ましい範囲は、一般式(5)中のR1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の好ましい範囲と同様である。
一般式(5B)中、LbおよびLcはそれぞれ独立に一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、RbおよびRcはそれぞれ独立に置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
一般式(5B)中、R1〜R4、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。一般式(5B)中のR1〜R4、R7およびR8が置換基を表す場合、この置換基の好ましい範囲は、一般式(5)中のR1〜R8が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の好ましい範囲と同様である。
一般式(5B)中、LbおよびLcはそれぞれ独立に一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、RbおよびRcはそれぞれ独立に置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
(一般式(6)で表される化合物)
一般式(6)中、X1〜X4はそれぞれ独立にNR7、O原子またはS原子を表し、R7は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
X1〜X4はそれぞれ独立にO原子またはS原子であることが合成容易性の観点から好ましい。一方、X1〜X4のうち少なくとも1つがS原子であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。X1〜X4は、同じ連結基であることが好ましい。X1〜X4はいずれもS原子であることがより好ましい。
R7は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアシル基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜14のアルキル基であることが特に好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより特に好ましい。
R7がアルキル基を表す場合、直鎖アルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
X1〜X4はそれぞれ独立にO原子またはS原子であることが合成容易性の観点から好ましい。一方、X1〜X4のうち少なくとも1つがS原子であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。X1〜X4は、同じ連結基であることが好ましい。X1〜X4はいずれもS原子であることがより好ましい。
R7は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアシル基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜14のアルキル基であることが特に好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより特に好ましい。
R7がアルキル基を表す場合、直鎖アルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
一般式(6)中、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表す。
なお、R1〜R6で表される置換基としては、置換基Xが挙げられる。また、一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
これらの中でも、R1〜R6がそれぞれ独立にとりうる置換基として、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、アルコキシ基、アルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数1〜11のアルコキシ基、炭素数5〜12の複素環基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基がより好ましく、後述の連結基鎖長が3.7Å以下の基および一般式(W)で表される置換基が特に好ましく、一般式(W)で表される置換基がより特に好ましい。
なお、R1〜R6で表される置換基としては、置換基Xが挙げられる。また、一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
これらの中でも、R1〜R6がそれぞれ独立にとりうる置換基として、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、アルコキシ基、アルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数1〜11のアルコキシ基、炭素数5〜12の複素環基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、一般式(W)で表される置換基がより好ましく、後述の連結基鎖長が3.7Å以下の基および一般式(W)で表される置換基が特に好ましく、一般式(W)で表される置換基がより特に好ましい。
一般式(6)で表される化合物中、R1〜R6のうち、一般式(W)で表される置換基は1〜4個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1または2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
R1〜R6のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R3〜R6であることが好ましく、R5またはR6であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点からより好ましい。
R1〜R6のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R3〜R6であることが好ましく、R5またはR6であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点からより好ましい。
R1〜R6のうち、一般式(W)で表される置換基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
R1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、連結基鎖長が3.7Å以下の基であることが好ましく、連結基鎖長が1.0〜3.7Åの基であることがより好ましく、連結基鎖長が1.0〜2.1Åの基であることがさらに好ましい。連結基鎖長の定義は、上述の通りである。
R1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基はそれぞれ独立に炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアシル基であることが好ましく、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
R1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
R1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
R1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
R1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
R1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、連結基鎖長が3.7Å以下の基であることが好ましく、連結基鎖長が1.0〜3.7Åの基であることがより好ましく、連結基鎖長が1.0〜2.1Åの基であることがさらに好ましい。連結基鎖長の定義は、上述の通りである。
R1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基はそれぞれ独立に炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアシル基であることが好ましく、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
R1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
R1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
R1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
R1〜R6が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
一般式(6)で表される化合物は、下記一般式(6A)または(6B)で表される化合物であることが好ましく、高移動度の観点からは一般式(6A)で表される化合物であることが特に好ましい。
一般式(6A)中、X1〜X4はそれぞれ独立にO原子またはS原子を表し、R1〜R3、R4AおよびR5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R3、R4AおよびR5は、−La−Raで表される基ではなく、Raは炭素数5〜19のアルキル基を表し、Laは上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表す。
一般式(6B)中、X1〜X4はそれぞれ独立にO原子またはS原子を表し、R1、R2、R3CおよびR4Bはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、RbおよびRcはそれぞれ独立に炭素数5〜19のアルキル基を表し、LbおよびLcはそれぞれ独立に上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表す。
なお、上記置換基としては、置換基Xが挙げられる。
一般式(6B)中、X1〜X4はそれぞれ独立にO原子またはS原子を表し、R1、R2、R3CおよびR4Bはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、RbおよびRcはそれぞれ独立に炭素数5〜19のアルキル基を表し、LbおよびLcはそれぞれ独立に上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表す。
なお、上記置換基としては、置換基Xが挙げられる。
(一般式(7)で表される化合物)
一般式(7)中、X1はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR9(>N‐R9)を表し、X2はそれぞれ独立にS原子、O原子またはSe原子を表す。X1およびX2はそれぞれ独立にO原子またはS原子であることが合成容易性の観点から好ましい。一方、X1およびX2のうち少なくとも1つがS原子であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。X1およびX2は、同じ連結基であることが好ましい。X1およびX2はいずれもS原子であることがより好ましい。
一般式(7)中、R1〜R9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R9のうち少なくとも1つが一般式(W)で表される置換基である。
なお、R1〜R9で表される置換基としては、置換基Xが挙げられる。また、一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
なお、R9は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、炭素数5〜12のアルキル基であることがより好ましく、炭素数8〜10のアルキル基であることが特に好ましい。
R9がアルキル基を表す場合、直鎖のアルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖のアルキル基であることが、HOMO軌道の重なりの観点から好ましい。
なお、R1〜R9で表される置換基としては、置換基Xが挙げられる。また、一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
なお、R9は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、炭素数5〜12のアルキル基であることがより好ましく、炭素数8〜10のアルキル基であることが特に好ましい。
R9がアルキル基を表す場合、直鎖のアルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖のアルキル基であることが、HOMO軌道の重なりの観点から好ましい。
一般式(7)で表される化合物中、R1〜R9のうち、一般式(W)で表される置換基は1〜4個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1または2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
R1〜R9のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R4またはR8であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、R4およびR8がより好ましい。
一般式(7)のR1〜R9のうち、一般式(W)で表される置換基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、連結基鎖長が3.7Å以下の基であることが好ましく、連結基鎖長が1.0〜3.7Åの基であることがより好ましく、連結基鎖長が1.0〜2.1Åの基であることがさらに好ましい。連結基鎖長の定義は、上述の通りである。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、それぞれ独立に炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアシル基であることが好ましく、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
R1〜R9のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R4またはR8であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、R4およびR8がより好ましい。
一般式(7)のR1〜R9のうち、一般式(W)で表される置換基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、連結基鎖長が3.7Å以下の基であることが好ましく、連結基鎖長が1.0〜3.7Åの基であることがより好ましく、連結基鎖長が1.0〜2.1Åの基であることがさらに好ましい。連結基鎖長の定義は、上述の通りである。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、それぞれ独立に炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアシル基であることが好ましく、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
一般式(7)で表される化合物は、下記一般式(7A)または(7B)で表される化合物であることが好ましく、高移動度の観点からは一般式(7B)で表される化合物であることが特に好ましい。
一般式(7A)中、X1はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR9を表し、X2はそれぞれ独立にS原子、O原子またはSe原子を表し、R1〜R7およびR9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、ただし、R4は−La−Raで表される基ではなく、Laは上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、Raは置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
一般式(7B)中、X1はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR9を表し、X2はそれぞれ独立にS原子、O原子またはSe原子を表し、R1〜R3、R5〜R7およびR9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、LbおよびLcはそれぞれ独立に上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、RbおよびRcはそれぞれ独立に置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
一般式(7B)中、X1はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR9を表し、X2はそれぞれ独立にS原子、O原子またはSe原子を表し、R1〜R3、R5〜R7およびR9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、LbおよびLcはそれぞれ独立に上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、RbおよびRcはそれぞれ独立に置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
(一般式(8)で表される化合物)
一般式(8)中、X1はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR9を表し、X2はそれぞれ独立にS原子、O原子またはSe原子を表す。X1およびX2はそれぞれ独立にO原子またはS原子であることが合成容易性の観点から好ましい。一方、X1およびX2のうち少なくとも1つがS原子であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。X1およびX2は、同じ連結基であることが好ましい。X1およびX2はいずれもS原子であることがより好ましい。
一般式(8)中、R1〜R9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R9のうち少なくとも1つが一般式(W)で表される置換基である。
なお、R1〜R9で表される置換基としては、置換基Xが挙げられる。また、一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
なお、R9は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、炭素数5〜12のアルキル基であることがより好ましく、炭素数8〜10のアルキル基であることが特に好ましい。
R9がアルキル基を表す場合、直鎖のアルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖のアルキル基であることが、HOMO軌道の重なりの観点から好ましい。
なお、R1〜R9で表される置換基としては、置換基Xが挙げられる。また、一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
なお、R9は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、炭素数5〜12のアルキル基であることがより好ましく、炭素数8〜10のアルキル基であることが特に好ましい。
R9がアルキル基を表す場合、直鎖のアルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖のアルキル基であることが、HOMO軌道の重なりの観点から好ましい。
一般式(8)で表される化合物中、R1〜R9のうち、一般式(W)で表される置換基は1〜4個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1または2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
R1〜R9のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R3またはR7であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、R3およびR7がより好ましい。
また、一般式(8)のR1〜R9のうち、一般式(W)で表される置換基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
R1〜R9のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R3またはR7であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、R3およびR7がより好ましい。
また、一般式(8)のR1〜R9のうち、一般式(W)で表される置換基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、連結基鎖長が3.7Å以下の基であることが好ましく、連結基鎖長が1.0〜3.7Åの基であることがより好ましく、連結基鎖長が1.0〜2.1Åの基であることがさらに好ましい。連結基鎖長の定義は、上述の通りである。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、それぞれ独立に炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアシル基であることが好ましく、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基は、それぞれ独立に炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基、炭素数2以下の置換または無置換のアシル基であることが好ましく、炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基であることがより好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキル基を表す場合、アルキル基がとり得る置換基としては、シアノ基、フッ素原子、重水素原子などを挙げることができ、シアノ基が好ましい。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、シアノ基置換のメチル基が好ましく、メチル基またはシアノ基置換のメチル基がより好ましく、シアノ基置換のメチル基が特に好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルキニル基を表す場合、アルキニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルキニル基としては、エチニル基、重水素原子置換のアセチレン基を挙げることができ、エチニル基が好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アルケニル基を表す場合、アルケニル基がとり得る置換基としては、重水素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアルケニル基としては、エテニル基、重水素原子置換のエテニル基を挙げることができ、エテニル基が好ましい。
R1〜R9が一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基がそれぞれ独立に炭素数2以下の置換アシル基を表す場合、アシル基がとり得る置換基としては、フッ素原子などを挙げることができる。一般式(W)で表される置換基以外の置換基である場合の置換基が表す炭素数2以下の置換または無置換のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、フッ素置換のアセチル基を挙げることができ、ホルミル基が好ましい。
一般式(8)で表される化合物は、下記一般式(8A)または(8B)で表される化合物であることが好ましく、高移動度の観点からは一般式(8B)で表される化合物であることが特に好ましい。
一般式(8A)中、X1はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR9を表し、X2はそれぞれ独立にS原子、O原子またはSe原子を表し、R10〜R15およびR17はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、ただし、R12は−La−Raで表される基ではなく、Laは上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、Raは置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
一般式(8B)中、X1はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR9を表し、X2はそれぞれ独立にS原子、O原子またはSe原子を表し、R10、R11、R13〜R15およびR17はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、LbおよびLcはそれぞれ独立に上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、RbおよびRcはそれぞれ独立に置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
一般式(8B)中、X1はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR9を表し、X2はそれぞれ独立にS原子、O原子またはSe原子を表し、R10、R11、R13〜R15およびR17はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、LbおよびLcはそれぞれ独立に上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基または2以上の上記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表し、RbおよびRcはそれぞれ独立に置換または無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換または無置換のトリアルキルシリル基を表す。
(一般式(9)で表される化合物)
一般式(9)中、Xはそれぞれ独立にO原子、S原子またはSe原子を表す。なかでも、S原子が好ましい。
R3、R4、およびR7〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または一般式(W)で表される置換基を表す。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。R1、R2、R5、およびR6は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。なお、R1、R2、R5、およびR6で表される置換基としては、置換基Xが挙げられる。
なお、R3、R4、およびR7〜R10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または一般式(W)で表される置換基(但し、Lは(L−3)、(L−5)、(L−7)〜(L−9)、(L−12)〜(L−24)のいずれか)を表すことが好ましい。なかでも、R3、R4、およびR7〜R10は、水素原子がより好ましい。
なお、Lとしては、(L−3)、(L−5)、(L−13)、(L−17)、または(L−18)が好ましい。
R1〜R10のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表すことが好ましい。
R3、R4、およびR7〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または一般式(W)で表される置換基を表す。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。R1、R2、R5、およびR6は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。なお、R1、R2、R5、およびR6で表される置換基としては、置換基Xが挙げられる。
なお、R3、R4、およびR7〜R10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または一般式(W)で表される置換基(但し、Lは(L−3)、(L−5)、(L−7)〜(L−9)、(L−12)〜(L−24)のいずれか)を表すことが好ましい。なかでも、R3、R4、およびR7〜R10は、水素原子がより好ましい。
なお、Lとしては、(L−3)、(L−5)、(L−13)、(L−17)、または(L−18)が好ましい。
R1〜R10のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表すことが好ましい。
一般式(9)で表される化合物中、R1〜R10のうち、一般式(W)で表される置換基は1〜4個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1または2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
R1〜R10のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R2またはR6であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、R2およびR6がより好ましい。
また、一般式(9)のR1〜R10のうち、一般式(W)で表される置換基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
R1〜R10のうち、一般式(W)で表される置換基の位置に特に制限はないが、R2またはR6であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、R2およびR6がより好ましい。
また、一般式(9)のR1〜R10のうち、一般式(W)で表される置換基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
(一般式(10)で表される化合物)
R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、または置換基を表し、R1〜R8のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表す。なお、R1〜R8で表される置換基としては、置換基Xが挙げられる。また、一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
なかでも、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または置換基を表し、R1〜R8のうち少なくとも1つは置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基であることが好ましい。
一般式(10)のR1〜R8は、R2およびR6のうち少なくとも1つが、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基であることが好ましい。より好ましくは、置換もしくは無置換のアリールチオ基、または、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基である。更に好ましくは、R2およびR6のいずれもが、置換もしくは無置換のアリールチオ基、または、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基である。特に好ましくは置換もしくは無置換のフェニルチオ基または下記群(A)から選ばれるヘテロアリールチオ基である。より特に好ましくは置換もしくは無置換のフェニルチオ基または下記一般式(A−17)、(A−18)、(A−20)で表されるヘテロアリールチオ基である。
なかでも、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または置換基を表し、R1〜R8のうち少なくとも1つは置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基であることが好ましい。
一般式(10)のR1〜R8は、R2およびR6のうち少なくとも1つが、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基であることが好ましい。より好ましくは、置換もしくは無置換のアリールチオ基、または、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基である。更に好ましくは、R2およびR6のいずれもが、置換もしくは無置換のアリールチオ基、または、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基である。特に好ましくは置換もしくは無置換のフェニルチオ基または下記群(A)から選ばれるヘテロアリールチオ基である。より特に好ましくは置換もしくは無置換のフェニルチオ基または下記一般式(A−17)、(A−18)、(A−20)で表されるヘテロアリールチオ基である。
アリールチオ基としては、炭素数6〜20のアリール基に硫黄原子が連結した基が好ましく、ナフチルチオ基、フェニルチオ基がより好ましく、フェニルチオ基が特に好ましい。
ヘテロアリールチオ基としては、3〜10員環のヘテロアリール基に硫黄原子が連結した基が好ましく、5または6員環のヘテロアリール基に硫黄原子が連結した基がより好ましく、下記群(A)が特に好ましい。
ヘテロアリールチオ基としては、3〜10員環のヘテロアリール基に硫黄原子が連結した基が好ましく、5または6員環のヘテロアリール基に硫黄原子が連結した基がより好ましく、下記群(A)が特に好ましい。
一般式(A−14)および(A−15)におけるmは4を表し、一般式(A−16)〜(A−18)および(A−20)におけるmは3を表し、一般式(A−21)、(A−23)、(A−24)、(A−26)および(A−27)におけるmは2を表し、
群(A)中、R’およびRNはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
群(A)中、R’は水素原子または一般式(W)で表される置換基を表すことが好ましい。
群(A)中、RNは置換基を表すことが好ましく、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基がより好ましく、アルキル基、アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基で置換されたヘテロアリール基が特に好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換された5員のヘテロアリール基がより特に好ましい。
群(A)中、R’およびRNはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
群(A)中、R’は水素原子または一般式(W)で表される置換基を表すことが好ましい。
群(A)中、RNは置換基を表すことが好ましく、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基がより好ましく、アルキル基、アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基で置換されたヘテロアリール基が特に好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換された5員のヘテロアリール基がより特に好ましい。
アルキルオキシカルボニル基としては、炭素数1〜20のアルキル基にカルボニル基が連結した基が好ましい。アルキル基の炭素数は2〜15がより好ましく、5〜10が特に好ましい。
アリールオキシカルボニル基としては、炭素数6〜20のアリール基にカルボニル基が連結した基が好ましい。アリール基の炭素数は、6〜15がより好ましく、8〜12が特に好ましい。
アルキルアミノ基としては、炭素数1〜20のアルキル基にアミノ基が連結した基が好ましい。アルキル基の炭素数は、2〜15がより好ましく、5〜10が特に好ましい。
R1〜R8のうち、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基以外の置換基(以下、他の置換基ともいう)は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
R1〜R8のうち、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基以外の置換基(以下、他の置換基ともいう)は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましく、0個であることがより特に好ましい。
X1およびX2はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNRx(>N−Rx)を表す。X1およびX2のうち少なくとも1つがS原子であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。X1およびX2は、同じ連結基であることが好ましい。X1およびX2はいずれもS原子であることがより好ましい。
Rxはそれぞれ独立に水素原子または一般式(W)で表される置換基を表す。
一般式(W)で表される置換基の定義は上述の通りである。
Rxはそれぞれ独立に水素原子または一般式(W)で表される置換基を表す。
一般式(W)で表される置換基の定義は上述の通りである。
(一般式(11)で表される化合物)
一般式(11)中、X1およびX2はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR13を表し、R1〜R13はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R13のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表す。
置換基としては、上述した置換基Xが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
置換基としては、上述した置換基Xが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
一般式(11)中、X1およびX2のうち少なくとも1つがS原子であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。X1およびX2は、同じ連結基であることが好ましい。X1およびX2はいずれもS原子であることがより好ましい。
一般式(11)のR1〜R12は、R3およびR9のうち少なくとも1つが、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基であることが好ましい。より好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基である。更に好ましくは、R3およびR9のいずれもが、置換もしくは無置換のアルキル基である。
一般式(11)のR1〜R12は、R3およびR9のうち少なくとも1つが、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基であることが好ましい。より好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基である。更に好ましくは、R3およびR9のいずれもが、置換もしくは無置換のアルキル基である。
(一般式(12)で表される化合物)
一般式(12)中、X1およびX2はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR13を表し、R1〜R13はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R13のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表す。
置換基としては、上述した置換基Xが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
置換基としては、上述した置換基Xが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
一般式(12)中、X1およびX2のうち少なくとも1つがS原子であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。X1およびX2は、同じ連結基であることが好ましい。X1およびX2はいずれもS原子であることがより好ましい。
一般式(12)のR1〜R12は、R3およびR9のうち少なくとも1つが、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基であることが好ましい。より好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基である。更に好ましくは、R3およびR9のいずれもが、置換もしくは無置換のアルキル基である。
一般式(12)のR1〜R12は、R3およびR9のうち少なくとも1つが、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基であることが好ましい。より好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基である。更に好ましくは、R3およびR9のいずれもが、置換もしくは無置換のアルキル基である。
(一般式(13)で表される化合物)
一般式(13)中、X1およびX2はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR13を表し、R1〜R13はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R13のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表す。
置換基としては、上述した置換基Xが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
置換基としては、上述した置換基Xが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
一般式(13)中、X1およびX2のうち少なくとも1つがS原子であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。X1およびX2は、同じ連結基であることが好ましい。X1およびX2はいずれもS原子であることがより好ましい。
一般式(13)のR1〜R12は、R3およびR9のうち少なくとも1つが、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基であることが好ましい。より好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基である。更に好ましくは、R3およびR9のいずれもが、置換もしくは無置換のアルキル基である。
一般式(13)のR1〜R12は、R3およびR9のうち少なくとも1つが、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアルキルアミノ基であることが好ましい。より好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基である。更に好ましくは、R3およびR9のいずれもが、置換もしくは無置換のアルキル基である。
(一般式(14)で表される化合物)
一般式(14)中、X1、X2およびX3はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR9を表し、R1〜R9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R9のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表す。
置換基としては、上述した置換基Xが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
なお、R1〜R8の少なくとも1つが一般式(W)で表される置換基であり、Rがアルキル基である場合には、Lは(L−2)〜(L−25)であることが好ましい。
置換基としては、上述した置換基Xが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
なお、R1〜R8の少なくとも1つが一般式(W)で表される置換基であり、Rがアルキル基である場合には、Lは(L−2)〜(L−25)であることが好ましい。
一般式(14)中、X1、X2およびX3のうち少なくとも1つがS原子であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。X1、X2およびX3は、同じ連結基であることが好ましい。X1、X2およびX3はいずれもS原子であることがより好ましい。
Rがアルキル基である場合のLとしては、(L−2)〜(L−5)、(L−13)、(L−17)、(L−18)が好ましく、(L−3)、(L−13)、(L−18)がより好ましい。
一般式(14)のR1〜R8は、R2およびR7のうち少なくとも1つが、一般式(W)で表される置換基であることが好ましい。より好ましくは、R2およびR7のいずれもが、一般式(W)で表される置換基である。
Rがアルキル基である場合のLとしては、(L−2)〜(L−5)、(L−13)、(L−17)、(L−18)が好ましく、(L−3)、(L−13)、(L−18)がより好ましい。
一般式(14)のR1〜R8は、R2およびR7のうち少なくとも1つが、一般式(W)で表される置換基であることが好ましい。より好ましくは、R2およびR7のいずれもが、一般式(W)で表される置換基である。
(一般式(15)で表される化合物)
一般式(15)中、X1、X2、X3、およびX4はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR13を表し、R1〜R6およびR13はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R6およびR13のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表す。
置換基としては、上述した置換基Xが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
置換基としては、上述した置換基Xが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
一般式(15)中、X1、X2、X3、およびX4のうち少なくとも1つがS原子であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。X1、X2、X3、およびX4は、同じ連結基であることが好ましい。X1、X2、X3、およびX4はいずれもS原子であることがより好ましい。
一般式(15)のR1〜R6は、R2およびR5のうち少なくとも1つが、一般式(W)で表される置換基であることが好ましい。より好ましくは、R2およびR5のいずれもが、一般式(W)で表される置換基である。
一般式(15)のR1〜R6は、R2およびR5のうち少なくとも1つが、一般式(W)で表される置換基であることが好ましい。より好ましくは、R2およびR5のいずれもが、一般式(W)で表される置換基である。
(一般式(16)で表される化合物)
一般式(16)中、X1、X2、X3、およびX4はそれぞれ独立にS原子、O原子、Se原子またはNR13を表す。R1〜R6およびR13はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R1〜R6およびR13のうち少なくとも1つは一般式(W)で表される置換基を表す。
置換基としては、上述した置換基Xが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
なお、R3およびR6は水素原子、ハロゲン原子、または一般式(W)で表される置換基(但し、Lは(L−3)、(L−5)、(L−7)〜(L−9)、(L−12)〜(L−24)のいずれか)であることが好ましい。R1、R2、R4、R5、およびR13はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すことが好ましい。
なお、Lは(L−3)、(L−5)、(L−7)〜(L−9)、(L−12)〜(L−24)のいずれかであり、R3およびR6が一般式(W)で表される置換基の場合、(L−3)、(L−5)、(L−13)、(L−17)、(L−18)が好ましい。
置換基としては、上述した置換基Xが挙げられる。一般式(W)で表される置換基の定義は、上述の通りである。
なお、R3およびR6は水素原子、ハロゲン原子、または一般式(W)で表される置換基(但し、Lは(L−3)、(L−5)、(L−7)〜(L−9)、(L−12)〜(L−24)のいずれか)であることが好ましい。R1、R2、R4、R5、およびR13はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表すことが好ましい。
なお、Lは(L−3)、(L−5)、(L−7)〜(L−9)、(L−12)〜(L−24)のいずれかであり、R3およびR6が一般式(W)で表される置換基の場合、(L−3)、(L−5)、(L−13)、(L−17)、(L−18)が好ましい。
一般式(16)中、X1、X2、X3、およびX4のうち少なくとも1つがS原子であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。X1、X2、X3、およびX4は、同じ連結基であることが好ましい。X1、X2、X3、およびX4はいずれもS原子であることがより好ましい。
一般式(16)のR1〜R6は、R1およびR4のうち少なくとも1つが、一般式(W)で表される置換基であることが好ましい。より好ましくは、R1およびR4のいずれもが、一般式(W)で表される置換基である。
また、R3およびR6は水素原子であることが好ましい。
一般式(16)のR1〜R6は、R1およびR4のうち少なくとも1つが、一般式(W)で表される置換基であることが好ましい。より好ましくは、R1およびR4のいずれもが、一般式(W)で表される置換基である。
また、R3およびR6は水素原子であることが好ましい。
上述した有機半導体(A)(一般式(1)〜(16)で表される化合物)の分子量は特に制限されないが、分子量が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることがさらに好ましく、850以下であることが特に好ましい。分子量を上記上限値以下とすることにより、溶媒への溶解性を高めることができるため好ましい。
一方で、薄膜の膜質安定性の観点からは、分子量は300以上であることが好ましく、350以上であることがより好ましく、400以上であることがさらに好ましい。
一方で、薄膜の膜質安定性の観点からは、分子量は300以上であることが好ましく、350以上であることがより好ましく、400以上であることがさらに好ましい。
上述した有機半導体(A)(一般式(1)〜(16)で表される化合物)の合成方法は特に制限されず、公知の方法を参照して合成できる。例えば、Journal of American Chemical Society, 116, 925(1994)、Journal of Chemical Society, 221(1951)、Org.Lett.,2001,3,3471、Macromolecules,2010,43,6264、Tetrahedron,2002,58,10197、特表2012−513459号公報、特開2011−46687号公報、Journal of Chemical Research.miniprint,3,601−635(1991)、Bull.Chem.Soc.Japan,64,3682−3686(1991)、Tetrahedron Letters,45,2801−2803(2004)、EP2251342A1号公報、EP2301926A1号公報、EP2301921A1号公報、KR10−2012−0120886号公報、J.Org.Chem.2011,696、Org.Lett.,2001,3,3471、Macromolecules 2010,43,6264、J.Org.Chem.2013,78,7741、Chem.Eur.J.2013,19,3721、Bull.Chem.Soc.Jpn.,1987,60,4187、J.Am.Chem.Soc.2011,133,5024、Chem.Eur.J.2013,19,3721、Macromolecules,2010,43,6264−6267、J.Am.Chem.Soc.2012,134,16548−16550などが挙げられる。
なお、本発明の効果がより優れる点で、上述した有機半導体(A)は、一般式(1)〜(9)、一般式(14)、および、一般式(15)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種を少なくとも含むことが好ましい。
<有機溶媒(B)>
有機溶媒(B)としては、例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、デカリン、1−メチルナフタレンなどの炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒;メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、1−メチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド・イミド系溶媒;ジメチルスルフォキサイドなどのスルホキシド系溶媒;アセトニトリルなどのニトリル系溶媒;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、有機半導体(A)の溶解性および基材への塗布性が良好という理由から、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒が好ましい。
有機溶媒(B)としては、例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、デカリン、1−メチルナフタレンなどの炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒;メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、1−メチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド・イミド系溶媒;ジメチルスルフォキサイドなどのスルホキシド系溶媒;アセトニトリルなどのニトリル系溶媒;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、有機半導体(A)の溶解性および基材への塗布性が良好という理由から、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒が好ましい。
また、有機溶媒(B)の沸点は、100℃以上が好ましく、本発明の効果がより優れるという理由から、150℃以上がより好ましい。
有機溶媒(B)の沸点の上限値は特に限定されないが、例えば、250℃以下が挙げられる。
なお、本明細書において、特に記載が無い限り、沸点は大気圧下での値を意図する。また、2種以上の有機溶媒(B)を併用して用いる場合の沸点は、各溶媒の沸点および各溶媒の混合比から計算される。
有機溶媒(B)の沸点の上限値は特に限定されないが、例えば、250℃以下が挙げられる。
なお、本明細書において、特に記載が無い限り、沸点は大気圧下での値を意図する。また、2種以上の有機溶媒(B)を併用して用いる場合の沸点は、各溶媒の沸点および各溶媒の混合比から計算される。
<その他成分>
本発明の組成物には、上記有機半導体(A)および有機溶媒(B)以外の他の成分が含まれていてもよい。
例えば、高分子化合物が含まれていてもよい。高分子化合物の種類は特に制限されず、公知の高分子化合物が挙げられる。高分子化合物の好適態様としては、ベンゼン環を有する高分子化合物(ベンゼン環基を有する繰り返し単位を有する高分子)が好ましい。ベンゼン環基を有する繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、全繰り返し単位中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。上限は特に制限されないが、100モル%が挙げられる。
上記高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(α‐メチルスチレン)、ポリビニルシンナメート、ポリ(4−ビニルフェニル)またはポリ(4−メチルスチレン)などが挙げられる。
高分子化合物の重量平均分子量は特に制限されないが、1万〜200万が好ましく、2万〜60万がより好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC)による標準ポリスチレン換算値である。
本発明の組成物には、上記有機半導体(A)および有機溶媒(B)以外の他の成分が含まれていてもよい。
例えば、高分子化合物が含まれていてもよい。高分子化合物の種類は特に制限されず、公知の高分子化合物が挙げられる。高分子化合物の好適態様としては、ベンゼン環を有する高分子化合物(ベンゼン環基を有する繰り返し単位を有する高分子)が好ましい。ベンゼン環基を有する繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、全繰り返し単位中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。上限は特に制限されないが、100モル%が挙げられる。
上記高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(α‐メチルスチレン)、ポリビニルシンナメート、ポリ(4−ビニルフェニル)またはポリ(4−メチルスチレン)などが挙げられる。
高分子化合物の重量平均分子量は特に制限されないが、1万〜200万が好ましく、2万〜60万がより好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC)による標準ポリスチレン換算値である。
<各成分の含有量>
組成物中における有機半導体(A)の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、組成物全質量に対して、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
組成物中における有機溶媒(B)の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、組成物全質量に対して、90〜99.95質量%が好ましく、95〜99.9質量%がより好ましい。
組成物中に高分子化合物が含まれる場合、本発明の効果がより優れる点で、その含有量は組成物全質量に対して、0.4〜8.0質量%が好ましく、0.7〜5.0質量%がより好ましく、1.0〜4.0質量%がさらに好ましく、1.5〜3.0質量%が特に好ましい。
組成物中における有機半導体(A)の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、組成物全質量に対して、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
組成物中における有機溶媒(B)の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、組成物全質量に対して、90〜99.95質量%が好ましく、95〜99.9質量%がより好ましい。
組成物中に高分子化合物が含まれる場合、本発明の効果がより優れる点で、その含有量は組成物全質量に対して、0.4〜8.0質量%が好ましく、0.7〜5.0質量%がより好ましく、1.0〜4.0質量%がさらに好ましく、1.5〜3.0質量%が特に好ましい。
<組成物の粘度>
組成物の粘度は特に制限されないが、本発明の効果がより優れると共に、塗布性がより優れる点で、3〜100mPa・sが好ましく、5〜50mPa・sがより好ましく、9〜40mPa・sがさらに好ましい。
なお、粘度は25℃での粘度を意図する。
組成物の粘度は特に制限されないが、本発明の効果がより優れると共に、塗布性がより優れる点で、3〜100mPa・sが好ましく、5〜50mPa・sがより好ましく、9〜40mPa・sがさらに好ましい。
なお、粘度は25℃での粘度を意図する。
<組成物の製造方法>
組成物の製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、有機溶媒(B)中に所定量の有機半導体(A)を添加して、適宜撹拌処理を施すことにより、所望の組成物を得ることができる。
組成物の製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、有機溶媒(B)中に所定量の有機半導体(A)を添加して、適宜撹拌処理を施すことにより、所望の組成物を得ることができる。
〔有機半導体膜の形成方法〕
次に、本発明の有機半導体膜の形成方法(以下、単に「本発明の形成方法」ともいう)について詳述する。
本発明の形成方法は、上述した本発明の組成物を用いて有機半導体膜を後述する基材上に形成する、有機半導体膜の形成方法であって、本発明の組成物を基材上に被着させる工程(以下、「被着工程」ともいう)と、本発明の組成物が被着した基材をホットプレート上に配置して、上記ホットプレートを環境温度よりも高い温度に加熱する工程(以下、「加熱工程」ともいう)とを備える。
次に、本発明の有機半導体膜の形成方法(以下、単に「本発明の形成方法」ともいう)について詳述する。
本発明の形成方法は、上述した本発明の組成物を用いて有機半導体膜を後述する基材上に形成する、有機半導体膜の形成方法であって、本発明の組成物を基材上に被着させる工程(以下、「被着工程」ともいう)と、本発明の組成物が被着した基材をホットプレート上に配置して、上記ホットプレートを環境温度よりも高い温度に加熱する工程(以下、「加熱工程」ともいう)とを備える。
本発明者は、所定の基材上に有機半導体膜形成用組成物(組成物)を被着させたもの(以下、便宜的に「組成物付き基材」ともいう)をオーブン内で加熱した場合よりも、ホットプレートを用いて加熱した場合の方が、基材上に形成される有機半導体膜が優れた移動度を示し、かつ、サンプル間での移動度のバラツキが小さくなることを見出した。
この理由は、明らかではないが、次のように推測される。
まず、組成物付き基材をオーブン内で加熱した場合、基材上の組成物の温度が上がり、組成物中の有機半導体の溶解度も上昇する。有機半導体の溶解度が高ければ、均一な結晶膜が得られやすい。しかし、オーブンでは、基材上の組成物(特に上層部分)が直接的に加熱されるため、組成物中の溶媒が揮発しやすく、その結果、有機半導体の濃度が上がり、組成物中の有機半導体の析出度も上昇する。有機半導体の析出度も上昇すると、小さな結晶核が多数形成されるため、形成される有機半導体膜は、均一な結晶膜になりにくいと考えられる。
これに対して、組成物付き基材をホットプレートに配置して加熱した場合には、基材上の組成物は、基材を介して間接的に加熱され、組成物の上層部分は環境温度下にあることから、溶媒の揮発が徐々に進むため、有機半導体の濃度上昇による析出度の上昇を抑えつつ、温度上昇により有機半導体の溶解度を上げることができるため、形成される有機半導体膜は、均一な結晶膜になりやすいためと考えられる。
この理由は、明らかではないが、次のように推測される。
まず、組成物付き基材をオーブン内で加熱した場合、基材上の組成物の温度が上がり、組成物中の有機半導体の溶解度も上昇する。有機半導体の溶解度が高ければ、均一な結晶膜が得られやすい。しかし、オーブンでは、基材上の組成物(特に上層部分)が直接的に加熱されるため、組成物中の溶媒が揮発しやすく、その結果、有機半導体の濃度が上がり、組成物中の有機半導体の析出度も上昇する。有機半導体の析出度も上昇すると、小さな結晶核が多数形成されるため、形成される有機半導体膜は、均一な結晶膜になりにくいと考えられる。
これに対して、組成物付き基材をホットプレートに配置して加熱した場合には、基材上の組成物は、基材を介して間接的に加熱され、組成物の上層部分は環境温度下にあることから、溶媒の揮発が徐々に進むため、有機半導体の濃度上昇による析出度の上昇を抑えつつ、温度上昇により有機半導体の溶解度を上げることができるため、形成される有機半導体膜は、均一な結晶膜になりやすいためと考えられる。
なお、本発明に用いる基材としては、特に限定されないが、本発明の形成方法により得られる有機半導体膜は、有機トランジスタ(有機薄膜トランジスタ)に好適に使用できることから、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極などを支持する基板であることが好ましい。このような基板およびゲート電極等については、後に詳述する。
以下、本発明の形成工程が備える各工程について説明する。
<被着工程>
被着工程において、本発明の組成物を基材上に被着させる方法は特に制限されず、公知の方法を採用でき、例えば、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法、バーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ドクターブレード法などが挙げられ、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法が好ましい。
なお、フレキソ印刷法としては、フレキソ印刷版として感光性樹脂版を用いる態様が好適に挙げられる。態様によって、本発明の組成物を基板上に印刷して、パターンを容易に形成できる。
被着工程において、本発明の組成物を基材上に被着させる方法は特に制限されず、公知の方法を採用でき、例えば、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法、バーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ドクターブレード法などが挙げられ、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法が好ましい。
なお、フレキソ印刷法としては、フレキソ印刷版として感光性樹脂版を用いる態様が好適に挙げられる。態様によって、本発明の組成物を基板上に印刷して、パターンを容易に形成できる。
本発明の組成物を基材上に被着させるに際して、基材上における本発明の組成物の被着量は、特に限定されないが、例えば、0.1〜50mg/cm2が挙げられ、本発明の効果がより優れるという理由から、1〜30mg/cm2が好ましい。
<加熱工程>
加熱工程では、まず、被着工程で得られた、本発明の組成物が被着した基材(組成物付き基材)を、例えば組成物が被着した被着面を上に向けた状態で、ホットプレート上に配置する。これにより、基材の被着面側とは反対側の面とホットプレートとが接する。
ここで、ホットプレートとしては、特に限定されず、従来公知の市販品を使用でき、例えば、一般的な電熱式のホットプレートを使用できる。
加熱工程では、まず、被着工程で得られた、本発明の組成物が被着した基材(組成物付き基材)を、例えば組成物が被着した被着面を上に向けた状態で、ホットプレート上に配置する。これにより、基材の被着面側とは反対側の面とホットプレートとが接する。
ここで、ホットプレートとしては、特に限定されず、従来公知の市販品を使用でき、例えば、一般的な電熱式のホットプレートを使用できる。
次に、加熱工程では、ホットプレートを、環境温度よりも高い温度に加熱する。これにより、基材上の組成物を、環境温度下にさらしながら基材を介して間接的に加熱でき、この加熱によって、基材上に有機半導体膜が形成される。
なお、環境温度は、その環境に応じて決定される温度であり、特に限定されないが、例えば、10〜40℃の温度が挙げられる。
なお、環境温度は、その環境に応じて決定される温度であり、特に限定されないが、例えば、10〜40℃の温度が挙げられる。
ホットプレートを加熱する温度(ホットプレートの加熱温度)は、環境温度よりも高い温度であれば特に限定されないが、本発明の効果がより優れるという理由からは、30℃以上の温度であって、かつ、上述した有機溶媒(B)の沸点の50%以下の温度であるのが好ましく、40℃以上の温度であって、かつ、上述した有機溶媒(B)の沸点の40%以下の温度であるのが好ましい。
また、ホットプレートの加熱温度と環境温度との差は、本発明の効果がより優れるという理由から、5℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、15℃以上がさらに好ましい。
なお、加熱時間は、特に限定されないが、10〜300分が好ましく、30〜180分がより好ましい。
形成される有機半導体膜の膜厚は特に制限されないが、10〜500nmが好ましく、30〜200nmがより好ましい。
上述した組成物より製造される有機半導体膜は、優れた移動度を示すと共に、サンプル間での移動度のバラツキが小さい(つまり、ロット間での移動度のバラツキが小さい)。
上記有機半導体膜は、有機トランジスタ(有機薄膜トランジスタ)に好適に使用することができる。
上記有機半導体膜は、有機トランジスタ(有機薄膜トランジスタ)に好適に使用することができる。
〔有機薄膜トランジスタ〕
次に、有機薄膜トランジスタの一態様について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の有機薄膜トランジスタの一態様の断面模式図である。
図1において、有機薄膜トランジスタ100は、基板10と、基板10上に配置されたゲート電極20と、ゲート電極20を覆うゲート絶縁膜30と、ゲート絶縁膜30のゲート電極20側とは反対側の表面に接するソース電極40およびドレイン電極42と、ソース電極40とドレイン電極42との間のゲート絶縁膜30の表面を覆う有機半導体膜50と、各部材を覆う封止層60とを備える。有機薄膜トランジスタ100は、ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタである。
なお、図1においては、基板10、ゲート電極20、ゲート絶縁膜30、ソース電極40およびドレイン電極42が、上述した基材に相当し、有機半導体膜50が、上述した組成物を用いて形成される有機半導体膜に相当する。
次に、有機薄膜トランジスタの一態様について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の有機薄膜トランジスタの一態様の断面模式図である。
図1において、有機薄膜トランジスタ100は、基板10と、基板10上に配置されたゲート電極20と、ゲート電極20を覆うゲート絶縁膜30と、ゲート絶縁膜30のゲート電極20側とは反対側の表面に接するソース電極40およびドレイン電極42と、ソース電極40とドレイン電極42との間のゲート絶縁膜30の表面を覆う有機半導体膜50と、各部材を覆う封止層60とを備える。有機薄膜トランジスタ100は、ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタである。
なお、図1においては、基板10、ゲート電極20、ゲート絶縁膜30、ソース電極40およびドレイン電極42が、上述した基材に相当し、有機半導体膜50が、上述した組成物を用いて形成される有機半導体膜に相当する。
以下、基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体膜および封止層ならびにそれぞれの形成方法について詳述する。
<基板>
基板は、後述するゲート電極、ソース電極、ドレイン電極などを支持する役割を果たす。
基板の種類は特に制限されず、例えば、プラスチック基板、ガラス基板、セラミック基板などが挙げられる。なかでも、各デバイスへの適用性およびコストの観点から、ガラス基板またはプラスチック基板であることが好ましい。
プラスチック基板の材料としては、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂(例えばPET、PEN)など)または熱可塑性樹脂(例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォンなど)が挙げられる。
セラミック基板の材料としては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、シリコン、窒化シリコン、シリコンカーバイドなどが挙げられる。
ガラス基板の材料としては、例えば、ソーダガラス、カリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、アルミケイ酸ガラス、鉛ガラスなどが挙げられる。
基板は、後述するゲート電極、ソース電極、ドレイン電極などを支持する役割を果たす。
基板の種類は特に制限されず、例えば、プラスチック基板、ガラス基板、セラミック基板などが挙げられる。なかでも、各デバイスへの適用性およびコストの観点から、ガラス基板またはプラスチック基板であることが好ましい。
プラスチック基板の材料としては、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂(例えばPET、PEN)など)または熱可塑性樹脂(例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォンなど)が挙げられる。
セラミック基板の材料としては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、シリコン、窒化シリコン、シリコンカーバイドなどが挙げられる。
ガラス基板の材料としては、例えば、ソーダガラス、カリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、アルミケイ酸ガラス、鉛ガラスなどが挙げられる。
<ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極>
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の材料としては、例えば、金(Au)、銀、アルミニウム(Al)、銅、クロム、ニッケル、コバルト、チタン、白金、タンタル、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウムなどの金属;InO2、SnO2、ITOなどの導電性の酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリジアセチレンなどの導電性高分子;シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素などの半導体;フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイトなどの炭素材料;等が挙げられ、なかでも、金属が好ましく、銀、アルミニウムがより好ましい。
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の厚さは特に制限されないが、20〜200nmが好ましい。
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の材料としては、例えば、金(Au)、銀、アルミニウム(Al)、銅、クロム、ニッケル、コバルト、チタン、白金、タンタル、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウムなどの金属;InO2、SnO2、ITOなどの導電性の酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリジアセチレンなどの導電性高分子;シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素などの半導体;フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイトなどの炭素材料;等が挙げられ、なかでも、金属が好ましく、銀、アルミニウムがより好ましい。
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の厚さは特に制限されないが、20〜200nmが好ましい。
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極を形成する方法は特に制限されないが、例えば、基板上に、電極材料を真空蒸着またはスパッタする方法、電極形成用組成物を塗布または印刷する方法などが挙げられる。電極をパターニングする場合、パターニングする方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法;インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷などの印刷法;マスク蒸着法;等が挙げられる。
<ゲート絶縁膜>
ゲート絶縁膜の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリベンゾキサゾール、ポリシルセスキオキサン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などのポリマー;二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタンなどの酸化物;窒化珪素などの窒化物;等が挙げられる。これらの材料のうち、有機半導体膜との相性から、ポリマーであることが好ましい。
ゲート絶縁膜の材料としてポリマーを用いる場合、架橋剤(例えば、メラミン)を併用することが好ましい。架橋剤を併用することで、ポリマーが架橋されて、形成されるゲート絶縁膜の耐久性が向上する。
ゲート絶縁膜の膜厚は特に制限されないが、100〜1000nmが好ましい。
ゲート絶縁膜の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリベンゾキサゾール、ポリシルセスキオキサン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などのポリマー;二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタンなどの酸化物;窒化珪素などの窒化物;等が挙げられる。これらの材料のうち、有機半導体膜との相性から、ポリマーであることが好ましい。
ゲート絶縁膜の材料としてポリマーを用いる場合、架橋剤(例えば、メラミン)を併用することが好ましい。架橋剤を併用することで、ポリマーが架橋されて、形成されるゲート絶縁膜の耐久性が向上する。
ゲート絶縁膜の膜厚は特に制限されないが、100〜1000nmが好ましい。
ゲート絶縁膜を形成する方法は特に制限されないが、例えば、ゲート電極が形成された基板上に、ゲート絶縁膜形成用組成物を塗布する方法、ゲート絶縁膜材料を蒸着またはスパッタする方法などが挙げられる。ゲート絶縁膜形成用組成物を塗布する方法は特に制限されず、公知の方法(バーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ドクターブレード法)を使用できる。
ゲート絶縁膜形成用組成物を塗布してゲート絶縁膜を形成する場合、溶媒除去、架橋などを目的として、塗布後に加熱(ベーク)してもよい。
ゲート絶縁膜形成用組成物を塗布してゲート絶縁膜を形成する場合、溶媒除去、架橋などを目的として、塗布後に加熱(ベーク)してもよい。
<有機半導体膜>
有機半導体膜は、上述した組成物より形成される膜であり、上述した本発明の形成方法により形成される。
有機半導体膜は、上述した組成物より形成される膜であり、上述した本発明の形成方法により形成される。
<封止層>
有機薄膜トランジスタは、耐久性の観点から、最外層に封止層を備えることが好ましい。封止層には公知の封止剤を用いることができる。
封止層の厚さは特に制限されないが、0.2〜10μmが好ましい。
有機薄膜トランジスタは、耐久性の観点から、最外層に封止層を備えることが好ましい。封止層には公知の封止剤を用いることができる。
封止層の厚さは特に制限されないが、0.2〜10μmが好ましい。
封止層を形成する方法は特に制限されないが、例えば、ゲート電極とゲート絶縁膜とソース電極とドレイン電極と有機半導体膜とが形成された基板上に、封止層形成用組成物を塗布する方法などが挙げられる。封止層形成用組成物を塗布する方法の具体例は、ゲート絶縁膜形成用組成物を塗布する方法と同じである。封止層形成用組成物を塗布する場合、溶媒除去、架橋などを目的として、塗布後に加熱(ベーク)してもよい。
図2は、有機薄膜トランジスタの別の一態様の断面模式図である。
図2において、有機薄膜トランジスタ200は、基板10と、基板10上に配置されたゲート電極20と、ゲート電極20を覆うゲート絶縁膜30と、ゲート絶縁膜30上に配置された有機半導体膜50と、有機半導体膜50上に配置されたソース電極40およびドレイン電極42と、各部材を覆う封止層60を備える。有機薄膜トランジスタ200は、トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタである。
なお、図2においては、基板10、ゲート電極20、および、ゲート絶縁膜30が、上述した基材に相当し、有機半導体膜50が、上述した組成物を用いて形成される有機半導体膜に相当する。
基板10、ゲート電極20、ゲート絶縁膜30、ソース電極40、ドレイン電極42、有機半導体膜50および封止層60については、上述したとおりである。
図2において、有機薄膜トランジスタ200は、基板10と、基板10上に配置されたゲート電極20と、ゲート電極20を覆うゲート絶縁膜30と、ゲート絶縁膜30上に配置された有機半導体膜50と、有機半導体膜50上に配置されたソース電極40およびドレイン電極42と、各部材を覆う封止層60を備える。有機薄膜トランジスタ200は、トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタである。
なお、図2においては、基板10、ゲート電極20、および、ゲート絶縁膜30が、上述した基材に相当し、有機半導体膜50が、上述した組成物を用いて形成される有機半導体膜に相当する。
基板10、ゲート電極20、ゲート絶縁膜30、ソース電極40、ドレイン電極42、有機半導体膜50および封止層60については、上述したとおりである。
上記では、図1および図2において、ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタ、および、ボトムゲート−トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタの態様について詳述したが、本発明は、トップゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタ、および、トップゲート−トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタにも適用できる。
なお、上述した有機薄膜トランジスタは、電子ペーパー、ディスプレイデバイスなどに好適に使用できる。
なお、上述した有機薄膜トランジスタは、電子ペーパー、ディスプレイデバイスなどに好適に使用できる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例および比較例:組成物の調製>
表1に示す有機半導体および有機溶媒を、表1に示す濃度(組成物全質量に対する質量%)で総量20gを50mL硝子バイヤルに秤量し、ミックスローター(アズワン製)で10分間攪拌混合した。0.5μmメンブレンフィルターでろ過することで、組成物を得た。
表1に示す有機半導体および有機溶媒を、表1に示す濃度(組成物全質量に対する質量%)で総量20gを50mL硝子バイヤルに秤量し、ミックスローター(アズワン製)で10分間攪拌混合した。0.5μmメンブレンフィルターでろ過することで、組成物を得た。
<実施例および比較例:有機トランジスタの製造>
以下の要領で、ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機トランジスタを形成した。
《ゲート電極の形成》
無アルカリ硝子基板上(5cm×5cm)に、銀ナノインク(H−1 三菱マテリアル社製)を、DMP2831(1ピコリットルヘッド)を用いたインクジェット印刷により、幅100μm、膜厚100nmの配線パターンを形成し、その後、200℃、90分間、ホットプレート上、大気下で焼成することで、ゲート電極配線を形成した。
以下の要領で、ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機トランジスタを形成した。
《ゲート電極の形成》
無アルカリ硝子基板上(5cm×5cm)に、銀ナノインク(H−1 三菱マテリアル社製)を、DMP2831(1ピコリットルヘッド)を用いたインクジェット印刷により、幅100μm、膜厚100nmの配線パターンを形成し、その後、200℃、90分間、ホットプレート上、大気下で焼成することで、ゲート電極配線を形成した。
《ゲート絶縁膜の形成》
ポリビニルフェノール(Mw25000、アルドリッチ社製)5質量部、メラミン5質量部、および、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート90質量部を攪拌混合し、0.2μmメンブレンフィルターでろ過することで、溶液を作製した。得られた溶液を、ゲート電極を作製した硝子基板上に滴下し、スピンコート(1000rpm,120秒)により、コートし、150℃にて30分加熱することで、ゲート絶縁膜を形成した。
ポリビニルフェノール(Mw25000、アルドリッチ社製)5質量部、メラミン5質量部、および、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート90質量部を攪拌混合し、0.2μmメンブレンフィルターでろ過することで、溶液を作製した。得られた溶液を、ゲート電極を作製した硝子基板上に滴下し、スピンコート(1000rpm,120秒)により、コートし、150℃にて30分加熱することで、ゲート絶縁膜を形成した。
《ソース電極およびドレイン電極の形成》
上記絶縁膜コートされた基板中央上に、図3に示すパターンを複数個有するメタルマスクを載せ、UVオゾン30分照射することで、マスク開口部を親水処理表面に改質した。なお、図3中、メタルマスク51には、光を遮断するマスク部52と、開口部53および開口部54とがある。改質部分周辺にDMP2831(1ピコリットルヘッド)を用いたインクジェット印刷により、チャネル長50μm、チャネル幅320μmのソース電極・ドレイン電極パターンを形成した。得られた基板をN2雰囲気下(グローブボックス中、酸素濃度20ppm以下の環境)にて、ホットプレート上200℃で90分焼成することで、膜厚200nmのソース電極およびドレイン電極が形成された。
上記絶縁膜コートされた基板中央上に、図3に示すパターンを複数個有するメタルマスクを載せ、UVオゾン30分照射することで、マスク開口部を親水処理表面に改質した。なお、図3中、メタルマスク51には、光を遮断するマスク部52と、開口部53および開口部54とがある。改質部分周辺にDMP2831(1ピコリットルヘッド)を用いたインクジェット印刷により、チャネル長50μm、チャネル幅320μmのソース電極・ドレイン電極パターンを形成した。得られた基板をN2雰囲気下(グローブボックス中、酸素濃度20ppm以下の環境)にて、ホットプレート上200℃で90分焼成することで、膜厚200nmのソース電極およびドレイン電極が形成された。
《有機半導体膜の形成》
(被着工程)
上記で作製した組成物(表1の組成物)を、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極およびドレイン電極を形成した基板上(より詳細には、ゲート絶縁膜上のソース電極およびドレイン電極間)に、インクジェット印刷法により、表1に示す被着量(単位:mg/cm2)で被着させた。
なお、インクジェット装置としては、DPP2831(富士フイルムグラフィックシステムズ社製)、10pLヘッドを用い、吐出周波数2Hzでドット間ピッチ20μmでベタ膜を形成した。
(被着工程)
上記で作製した組成物(表1の組成物)を、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極およびドレイン電極を形成した基板上(より詳細には、ゲート絶縁膜上のソース電極およびドレイン電極間)に、インクジェット印刷法により、表1に示す被着量(単位:mg/cm2)で被着させた。
なお、インクジェット装置としては、DPP2831(富士フイルムグラフィックシステムズ社製)、10pLヘッドを用い、吐出周波数2Hzでドット間ピッチ20μmでベタ膜を形成した。
(加熱工程)
次に、組成物を被着させた上記基板を、被着面を上向きにして、ホットプレート上に配置して、20℃の環境温度下で、表1に示す加熱温度にホットプレートを加熱して、2時間加熱することで、ソース電極およびドレイン電極間に有機半導体膜(膜厚:50nm)を形成し、有機トランジスタを製造した。
ホットプレートとしては、アズワン社製デジタルホットプレートND−1を用いた。
なお、比較例1では、ホットプレートを用いずに、組成物を被着させた上記基板をオーブン内に入れ、表1に示す加熱温度で2時間加熱して、同様に、有機半導体膜を形成して、有機トランジスタを製造した。
次に、組成物を被着させた上記基板を、被着面を上向きにして、ホットプレート上に配置して、20℃の環境温度下で、表1に示す加熱温度にホットプレートを加熱して、2時間加熱することで、ソース電極およびドレイン電極間に有機半導体膜(膜厚:50nm)を形成し、有機トランジスタを製造した。
ホットプレートとしては、アズワン社製デジタルホットプレートND−1を用いた。
なお、比較例1では、ホットプレートを用いずに、組成物を被着させた上記基板をオーブン内に入れ、表1に示す加熱温度で2時間加熱して、同様に、有機半導体膜を形成して、有機トランジスタを製造した。
<評価>
上記で製造した有機トランジスタ(有機トランジスタ素子)について、以下の評価を行った。
上記で製造した有機トランジスタ(有機トランジスタ素子)について、以下の評価を行った。
《移動度測定》
上記要領で5つの有機トランジスタを製造して、それぞれについて半導体特性評価装置B2900A(アジレント社製)を用い、キャリア移動度を測定した。得られた5つの移動度を算術平均し、得られた移動度の値に応じて、1〜5のスコア付けを行った。
5:0.2cm2/Vs以上
4:0.1cm2/Vs以上、0.2cm2/Vs未満
3:0.02cm2/Vs以上、0.1cm2/Vs未満
2:0.002cm2/Vs以上、0.02cm2/Vs未満
1:0.002cm2/Vs未満
上記要領で5つの有機トランジスタを製造して、それぞれについて半導体特性評価装置B2900A(アジレント社製)を用い、キャリア移動度を測定した。得られた5つの移動度を算術平均し、得られた移動度の値に応じて、1〜5のスコア付けを行った。
5:0.2cm2/Vs以上
4:0.1cm2/Vs以上、0.2cm2/Vs未満
3:0.02cm2/Vs以上、0.1cm2/Vs未満
2:0.002cm2/Vs以上、0.02cm2/Vs未満
1:0.002cm2/Vs未満
《移動度バラツキ》
上記要領で5つの有機トランジスタを製造して、それぞれについて上記(移動度)の評価を行い、平均値に対するバラツキσを評価した。バラツキσの測定方法としては、まず、5つのTFTの移動度を求めて、次に、それらを算術平均して平均値Xを求め、その後、平均値Xと各サンプルの移動度の値との「差」を算出して、その「差」の平均値Yを算出して、(平均値Y/平均値X)×100にて、バラツキσを求めた。
5:バラツキが20%未満
4:バラツキが20%以上30%未満
3:バラツキが30%以上50%未満
2:バラツキが50%以上100%未満
1:バラツキが100%以上
上記要領で5つの有機トランジスタを製造して、それぞれについて上記(移動度)の評価を行い、平均値に対するバラツキσを評価した。バラツキσの測定方法としては、まず、5つのTFTの移動度を求めて、次に、それらを算術平均して平均値Xを求め、その後、平均値Xと各サンプルの移動度の値との「差」を算出して、その「差」の平均値Yを算出して、(平均値Y/平均値X)×100にて、バラツキσを求めた。
5:バラツキが20%未満
4:バラツキが20%以上30%未満
3:バラツキが30%以上50%未満
2:バラツキが50%以上100%未満
1:バラツキが100%以上
以下に、上記表1中の有機半導体を示す。
上記有機半導体(OSC1〜17)は以下の通りである。
なお、OSC1は、Journal of the American Chemical Society, 116, 925(1994)、Journalof the Chemical Society, 221(1951)などを参考にして合成した。
OSC2は、公知文献(Org.Lett.,2001,3,3471、Macromolecules,2010,43,6264、Tetrahedron,2002,58,10197)を参考に合成した。
OSC3は、特表2012−513459号公報、特開2011−46687号公報、Journal of Chemical Research.miniprint,3,601−635(1991)、Bull.Chem.Soc.Japan,64,3682−3686(1991)、Tetrahedron Letters,45,2801−2803(2004)などを参考にして合成した。
OSC4は、EP2251342A1号公報、EP2301926A1号公報、EP2301921A1号公報、および、KR10−2012−0120886号公報などを参考にして合成した。
OSC5は、公知文献(J.Org.Chem.2011,696、Org.Lett.,2001,3,3471、Macromolecules 2010,43,6264、J.Org.Chem.2013,78,7741、Chem.Eur.J.2013,19,3721)を参考にして合成した。
OSC6は、公知文献(Bull.Chem.Soc.Jpn.,1987,60,4187、J.Am.Chem.Soc.2011,133,5024、Chem.Eur.J.2013,19,3721)を参考にして合成した。
OSC7および8は、公知文献(Macromolecules,2010,43,6264−6267、J.Am.Chem.Soc.2012,134,16548−16550)を参考にして合成した。
OSC9は、文献A(K.Muellen,Chem.Commun.2008,1548−1550.)、文献B(K.Takimiya,Org.Lett.2007,9,4499‐4502.)、文献C(Rao;Tilak,Journal of Scientific and Industrial Research,1958,vol.17 B,p.260−265.)、文献D(Ghaisas;Tilak,Journal of Scientific and Industrial Research,1955,vol.14 B,p.11.)を参考にして合成した。
OSC10〜13は、公知文献(Journal of the American Chemical Society, 129, 15732 (2007))を参考にして合成した。
OSC14は、WO2005−087780号に記載された方法に準じて合成を行った。
OSC15は、特開2009−190999号公報に記載された方法に準じて合成を行った。
OSC16は、特表2012−206953号公報に記載された方法に準じて合成を行った。
OSC17としては、C8BTBT(日本化薬社製)を用いた。
なお、OSC1は、Journal of the American Chemical Society, 116, 925(1994)、Journalof the Chemical Society, 221(1951)などを参考にして合成した。
OSC2は、公知文献(Org.Lett.,2001,3,3471、Macromolecules,2010,43,6264、Tetrahedron,2002,58,10197)を参考に合成した。
OSC3は、特表2012−513459号公報、特開2011−46687号公報、Journal of Chemical Research.miniprint,3,601−635(1991)、Bull.Chem.Soc.Japan,64,3682−3686(1991)、Tetrahedron Letters,45,2801−2803(2004)などを参考にして合成した。
OSC4は、EP2251342A1号公報、EP2301926A1号公報、EP2301921A1号公報、および、KR10−2012−0120886号公報などを参考にして合成した。
OSC5は、公知文献(J.Org.Chem.2011,696、Org.Lett.,2001,3,3471、Macromolecules 2010,43,6264、J.Org.Chem.2013,78,7741、Chem.Eur.J.2013,19,3721)を参考にして合成した。
OSC6は、公知文献(Bull.Chem.Soc.Jpn.,1987,60,4187、J.Am.Chem.Soc.2011,133,5024、Chem.Eur.J.2013,19,3721)を参考にして合成した。
OSC7および8は、公知文献(Macromolecules,2010,43,6264−6267、J.Am.Chem.Soc.2012,134,16548−16550)を参考にして合成した。
OSC9は、文献A(K.Muellen,Chem.Commun.2008,1548−1550.)、文献B(K.Takimiya,Org.Lett.2007,9,4499‐4502.)、文献C(Rao;Tilak,Journal of Scientific and Industrial Research,1958,vol.17 B,p.260−265.)、文献D(Ghaisas;Tilak,Journal of Scientific and Industrial Research,1955,vol.14 B,p.11.)を参考にして合成した。
OSC10〜13は、公知文献(Journal of the American Chemical Society, 129, 15732 (2007))を参考にして合成した。
OSC14は、WO2005−087780号に記載された方法に準じて合成を行った。
OSC15は、特開2009−190999号公報に記載された方法に準じて合成を行った。
OSC16は、特表2012−206953号公報に記載された方法に準じて合成を行った。
OSC17としては、C8BTBT(日本化薬社製)を用いた。
上記表1に示すように、ホットプレートで加熱した実施例1〜29は、オーブンで加熱した比較例1よりも、有機半導体膜が優れた移動度を示し、かつ、サンプル間での移動度のバラツキが小さいことが確認された。
また、実施例1〜17を対比すると、一般式(1)〜(9)、一般式(14)、および、一般式(15)で表される化合物を用いた実施例1〜9,14および15は、より効果に優れていた。
また、実施例18〜21を対比すると、被着量が2または25mg/cm2である実施例19および20は、被着量が0.5または40mg/cm2である実施例18および21よりも、より効果に優れることが分かった。
また、実施例22〜25を対比すると、ホットプレートの加熱温度が35または75℃である実施例23および24は、同温度が25または80℃である実施例22および25よりも、より効果に優れることが分かった。
また、実施例26〜29を対比すると、有機溶媒(B)としてアセトフェノン(沸点:202℃)またはアセトフェノン/トルエン=1/1(沸点:156℃)を用いた実施例27および29は、トルエン(沸点:110℃)またはアニソール/トルエン=1/1(沸点:132℃)を用いた実施例26および28よりも、より効果に優れることが分かった。
また、実施例1〜17を対比すると、一般式(1)〜(9)、一般式(14)、および、一般式(15)で表される化合物を用いた実施例1〜9,14および15は、より効果に優れていた。
また、実施例18〜21を対比すると、被着量が2または25mg/cm2である実施例19および20は、被着量が0.5または40mg/cm2である実施例18および21よりも、より効果に優れることが分かった。
また、実施例22〜25を対比すると、ホットプレートの加熱温度が35または75℃である実施例23および24は、同温度が25または80℃である実施例22および25よりも、より効果に優れることが分かった。
また、実施例26〜29を対比すると、有機溶媒(B)としてアセトフェノン(沸点:202℃)またはアセトフェノン/トルエン=1/1(沸点:156℃)を用いた実施例27および29は、トルエン(沸点:110℃)またはアニソール/トルエン=1/1(沸点:132℃)を用いた実施例26および28よりも、より効果に優れることが分かった。
10:基板
20:ゲート電極
30:ゲート絶縁膜
40:ソース電極
42:ドレイン電極
50:有機半導体膜
51:メタルマスク
52:マスク部
53,54:開口部
60:封止層
100,200:有機薄膜トランジスタ
20:ゲート電極
30:ゲート絶縁膜
40:ソース電極
42:ドレイン電極
50:有機半導体膜
51:メタルマスク
52:マスク部
53,54:開口部
60:封止層
100,200:有機薄膜トランジスタ
Claims (9)
- 縮合多環芳香族基を有し、前記縮合多環芳香族基中の環数が4以上であり、前記縮合多環芳香族基中の少なくとも2つの環が、硫黄原子、窒素原子、セレン原子および酸素原子からなる群から選択される少なくとも1つの原子を含み、前記縮合多環芳香族基中の部分構造として、ベンゼン環、ナフタレン環、および、フェナントレン環からなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む有機半導体(A)(但し、前記部分構造としてアントラセン環は含まれない)と、有機溶媒(B)とを含有する、有機半導体膜形成用組成物を用いて有機半導体膜を基材上に形成する、有機半導体膜の形成方法であって、
前記有機半導体膜形成用組成物を前記基材上に被着させる工程と、
前記有機半導体膜形成用組成物が被着した前記基材をホットプレート上に配置して、前記ホットプレートを環境温度よりも高い温度に加熱する工程と、
を備える有機半導体膜の形成方法。 - 前記ホットプレートの加熱温度が、30℃以上の温度であって、かつ前記有機溶媒(B)の沸点の50%以下の温度である、請求項1に記載の有機半導体膜の形成方法。
- 前記有機溶媒(B)の沸点が150℃以上である、請求項1または2に記載の有機半導体膜の形成方法。
- 前記ホットプレートの加熱温度と前記環境温度との差が、10℃以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
- 前記基材上の前記有機半導体膜形成用組成物の被着量が、1〜30mg/cm2である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
- 前記有機半導体(A)中の前記環数が5〜6である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
- 前記縮合多環芳香族基中に少なくとも2つの複素環が含まれ、前記複素環中に1個のヘテロ原子が含まれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
- 前記縮合多環芳香族基が、硫黄原子、窒素原子、セレン原子および酸素原子からなる群から選択される少なくとも1つの原子を含む環と、ベンゼン環とが交互に縮合した基を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
- 前記縮合多環芳香族基が、3つのチオフェン環を含み、2つベンゼン環を含み、環数が5つである縮合多環芳香族基である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機半導体膜の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014070288A JP2015192119A (ja) | 2014-03-28 | 2014-03-28 | 有機半導体膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014070288A JP2015192119A (ja) | 2014-03-28 | 2014-03-28 | 有機半導体膜の形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015192119A true JP2015192119A (ja) | 2015-11-02 |
Family
ID=54426361
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014070288A Pending JP2015192119A (ja) | 2014-03-28 | 2014-03-28 | 有機半導体膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015192119A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019145727A (ja) * | 2018-02-23 | 2019-08-29 | 東ソー株式会社 | 有機半導体インキ、それを用いた有機薄膜の製造方法 |
-
2014
- 2014-03-28 JP JP2014070288A patent/JP2015192119A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019145727A (ja) * | 2018-02-23 | 2019-08-29 | 東ソー株式会社 | 有機半導体インキ、それを用いた有機薄膜の製造方法 |
JP7158157B2 (ja) | 2018-02-23 | 2022-10-21 | 東ソー株式会社 | 有機半導体インキ、それを用いた有機薄膜の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6325171B2 (ja) | 有機半導体組成物、及び、有機半導体素子の製造方法 | |
JP6240544B2 (ja) | 有機半導体膜形成用組成物 | |
JP6448652B2 (ja) | 有機半導体素子及びその製造方法、並びにトポケミカル重合性有機半導体化合物 | |
WO2016129478A1 (ja) | 有機半導体素子及びその製造方法、有機半導体膜形成用組成物、並びに、有機半導体膜の製造方法 | |
JP6247583B2 (ja) | 有機トランジスタの有機半導体膜形成用組成物、パターン形成方法 | |
JP6239457B2 (ja) | 有機半導体膜形成用組成物、及び、有機半導体素子の製造方法 | |
JP6235143B2 (ja) | 有機半導体膜形成用組成物、及び、有機半導体素子の製造方法 | |
JP6328535B2 (ja) | 有機半導体膜形成用組成物、有機半導体膜、及び、有機半導体素子 | |
JP6243054B2 (ja) | 有機半導体組成物、及び、有機半導体素子 | |
JP6243032B2 (ja) | 有機半導体膜形成用組成物、並びに、有機半導体素子及びその製造方法 | |
JP2015192119A (ja) | 有機半導体膜の形成方法 | |
JP6152357B2 (ja) | 有機トランジスタの有機半導体膜形成用組成物、パターン形成方法 | |
JP6363732B2 (ja) | 有機半導体素子及びその製造方法、有機半導体膜形成用組成物、化合物、並びに、有機半導体膜 | |
JP6474467B2 (ja) | 有機トランジスタの有機半導体膜形成用組成物、パターン形成方法 | |
JP6328790B2 (ja) | 有機半導体素子及び化合物 | |
JP6297709B2 (ja) | 有機半導体膜形成用組成物、及び有機半導体膜の製造方法 | |
WO2016076198A1 (ja) | 有機半導体素子及び化合物 | |
WO2016076197A1 (ja) | 有機半導体素子及び化合物 |