JP2019020675A - 電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
Description
本実施形態は、電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある)に関する。以下、図1を参照して、本実施形態に係る感光体1について説明する。図1は、本実施形態に係る感光体1の一例を示す部分断面図である。
感光層は、電荷発生剤と正孔輸送剤とバインダー樹脂と電子輸送剤とを含有する。感光層は、必要に応じて、添加剤を含有してもよい。
正孔輸送剤は、下記一般式(1)で表される化合物(以下、化合物(1)と記載することがある)を含む。正孔輸送剤として、化合物(1)を感光層が含有する。
感光層に含有されるバインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂及びポリエーテル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂及びメラミン樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ化合物のアクリル酸付加物及びウレタン化合物のアクリル酸付加物が挙げられる。感光層は、これらのバインダー樹脂の1種のみを含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
感光体の感度特性を更に向上させ、感光層の結晶化を更に抑制するために、ポリアリレート樹脂としては、一般式(10)で表される繰り返し単位の少なくとも1種と、一般式(11)で表される繰り返し単位の少なくとも1種とを含むポリアリレート樹脂が好ましい。以下、一般式(10)及び(11)で表される繰り返し単位を、各々、繰り返し単位(10)及び(11)と記載することがある。
繰り返し単位(10)について説明する。一般式(10)中、R13及びR14が表わす炭素原子数1以上4以下のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましい。
ポリアリレート樹脂に1種の繰り返し単位(11)が含まれる場合、一般式(11)中、Xは、化学式(X1)で表される二価の基を表す。この場合、ポリアリレート樹脂は、繰り返し単位(10)の少なくとも1種と、化学式(11−X1)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(11−X1)と記載することがある)とを含む。この場合、ポリアリレート樹脂は、繰り返し単位(10)の1種と、繰り返し単位(11−X1)とを含むことが好ましい。
ポリアリレート樹脂に少なくとも2種の繰り返し単位(11)が含まれる場合、一般式(11)中、Xは、化学式(X1)、化学式(X2)、化学式(X3)、化学式(X4)、化学式(X5)又は化学式(X6)で表される二価の基を表す。少なくとも2種の繰り返し単位(11)のうちの1種の繰り返し単位(11)において、一般式(11)中のXは、化学式(X1)で表される二価の基を表す。この場合、ポリアリレート樹脂は、繰り返し単位(10)の少なくとも1種と、繰り返し単位(11−X1)と、一般式(11’)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(11’)と記載することがある)の少なくとも1種を含む。この場合、ポリアリレート樹脂は、繰り返し単位(10)の1種と、繰り返し単位(11−X1)と、繰り返し単位(11’)の1種とを含むことが好ましい。
感光体の感度特性を更に向上させ、感光層の結晶化を更に抑制するためには、ポリカーボネート樹脂として、化学式(R−5)、(R−6)又は(R−7)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート樹脂が好ましい。以下、化学式(R−5)、(R−6)及び(R−7)で表される繰り返し単位を、各々、繰り返し単位(R−5)、(R−6)及び(R−7)と記載することがある。
感光層は電子輸送剤を含有する。感光層が電子輸送剤を含有することで、感光層の結晶化を抑制しつつ、感光体の感度特性を向上させることができる。また、電子輸送剤が化合物(1)と錯体を形成することで、感光層形成用の溶剤に対して、形成された錯体が好適に溶解すると考えられる。これにより、均一な感光層が形成され易くなり、感光体の感度特性が更に向上し、感光層の結晶化が更に抑制される。
電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム又はアモルファスシリコン)の粉末、ピリリウム顔料、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料及びキナクリドン系顔料が挙げられる。感光層は、電荷発生剤の1種のみを含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
添加剤としては、例えば、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、1重項消光剤又は紫外線吸収剤)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、ドナー、界面活性剤、可塑剤、増感剤及びレベリング剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール(例えば、ジ(tert−ブチル)p−クレゾール)、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びこれらの誘導体が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、有機硫黄化合物及び有機燐化合物も挙げられる。レベリング剤としては、例えば、ジメチルシリコーンオイルが挙げられる。増感剤としては、例えば、メタターフェニルが挙げられる。
感光体の感度特性を更に向上させ、感光層の結晶化を更に抑制するためには、正孔輸送剤、バインダー樹脂及び電子輸送剤が、次に示す組み合わせであることが好ましい。また、正孔輸送剤、バインダー樹脂及び電子輸送剤が次に示す組み合わせであり、電荷発生剤がY型チタニルフタロシアニンであることがより好ましい。
正孔輸送剤が化合物(1−2)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(10−1)と繰り返し単位(11−X1)と繰り返し単位(11−X3)とを含むポリアリレート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−3)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(10−1)と繰り返し単位(11−X1)と繰り返し単位(11−X3)とを含むポリアリレート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−1)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(10−2)と繰り返し単位(11−X1)と繰り返し単位(11−X3)とを含むポリアリレート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−2)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(10−2)と繰り返し単位(11−X1)と繰り返し単位(11−X3)とを含むポリアリレート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−3)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(10−2)と繰り返し単位(11−X1)と繰り返し単位(11−X3)とを含むポリアリレート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−1)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(10−2)と繰り返し単位(11−X1)と繰り返し単位(11−X2)とを含むポリアリレート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−2)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(10−2)と繰り返し単位(11−X1)と繰り返し単位(11−X2)とを含むポリアリレート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−3)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(10−2)と繰り返し単位(11−X1)と繰り返し単位(11−X2)とを含むポリアリレート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−1)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(10−3)と繰り返し単位(11−X1)と繰り返し単位(11−X3)とを含むポリアリレート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−2)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(10−3)と繰り返し単位(11−X1)と繰り返し単位(11−X3)とを含むポリアリレート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−3)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(10−3)と繰り返し単位(11−X1)と繰り返し単位(11−X3)とを含むポリアリレート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−1)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(10−4)と繰り返し単位(11−X3)とを含むポリアリレート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−2)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(10−4)と繰り返し単位(11−X3)とを含むポリアリレート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−3)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(10−4)と繰り返し単位(11−X3)とを含むポリアリレート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−1)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(R−5)を含むポリカーボネート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−2)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(R−5)を含むポリカーボネート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−3)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(R−5)を含むポリカーボネート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−1)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(R−6)を含むポリカーボネート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−2)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(R−6)を含むポリカーボネート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−3)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(R−6)を含むポリカーボネート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−1)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(R−7)を含むポリカーボネート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;
正孔輸送剤が化合物(1−2)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(R−7)を含むポリカーボネート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)であるか;又は
正孔輸送剤が化合物(1−3)であり、バインダー樹脂が繰り返し単位(R−7)を含むポリカーボネート樹脂であり、電子輸送剤が(20−E1)、(20−E2)、(21−E3)、(22−E4)、(23−E5)又は(24−E6)である。
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体は、少なくとも表面部が導電性を有する材料で構成されていればよい。導電性基体の一例としては、導電性を有する材料で構成される導電性基体が挙げられる。導電性基体の別の例としては、導電性を有する材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼及び真鍮が挙げられる。これらの導電性を有する材料を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて(例えば、合金として)用いてもよい。これらの導電性を有する材料のなかでも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることから、アルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。
中間層(下引き層)は、例えば、無機粒子及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層が存在することにより、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、抵抗の上昇が抑えられると考えられる。
感光体の製造方法の一例を説明する。感光体の製造方法は、例えば、感光層形成工程を含む。感光層形成工程では、感光層を形成するための塗布液(以下、塗布液と記載することがある)を調製する。塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、塗布した塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して感光層を形成する。塗布液は、例えば、電荷発生剤と、化合物(1)と、バインダー樹脂と、電子輸送剤と、溶剤とを含有する。塗布液は、電荷発生剤と、化合物(1)と、バインダー樹脂と、電子輸送剤とを溶剤に溶解又は分散させることにより調製する。塗布液には、必要に応じて添加剤を含有させてもよい。
電荷発生剤として、実施形態で述べた化学式(CGM−2)で表されるY型チタニルフタロシアニンを準備した。
電子輸送剤として、実施形態で述べた化合物(20−E1)、化合物(20−E2)、化合物(21−E3)、化合物(22−E4)、化合物(23−E5)及び化合物(24−E6)を準備した。
正孔輸送剤として、実施形態で述べた化合物(1−1)〜(1−3)を準備した。
バインダー樹脂として、実施形態で述べた樹脂(R−1)〜(R−8)の各々を準備した。
樹脂(R−1)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(10−1)、(11−X1)及び(11−X3)のみを有するポリアリレート樹脂であった。樹脂(R−1)は、繰り返し単位(11)として繰り返し単位(11−X1)及び(11−X3)の2種を有しており、比率pは0.50であった。樹脂(R−1)の粘度平均分子量は、50,500であった。
樹脂(R−2)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(10−2)、(11−X1)及び(11−X3)のみを有するポリアリレート樹脂であった。樹脂(R−2)は、繰り返し単位(11)として繰り返し単位(11−X1)及び(11−X3)の2種を有しており、比率pは0.50であった。樹脂(R−2)の粘度平均分子量は、47,500であった。
樹脂(R−3)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(10−2)、(11−X1)及び(11−X2)のみを有するポリアリレート樹脂であった。樹脂(R−3)は、繰り返し単位(11)として繰り返し単位(11−X1)及び(11−X2)の2種を有しており、比率pは0.50であった。樹脂(R−3)の粘度平均分子量は、50,500であった。
樹脂(R−8)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(10−4)及び(11−X3)のみを有するポリアリレート樹脂であった。樹脂(R−8)の粘度平均分子量は、50,900であった。
樹脂(R−4)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(10−3)、(11−X1)及び(11−X3)のみを有するポリアリレート樹脂であった。樹脂(R−4)は、繰り返し単位(11)として繰り返し単位(11−X1)及び(11−X3)の2種を有しており、比率pは0.50であった。樹脂(R−4)の粘度平均分子量は、55,000であった。
樹脂(R−5)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(R−5)のみを有するポリカーボネート樹脂であった。樹脂(R−5)の粘度平均分子量は、50,600であった。
樹脂(R−6)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(R−6)のみを有するポリカーボネート樹脂であった。樹脂(R−6)の粘度平均分子量は、49,400であった。
樹脂(R−7)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(R−7)のみを有するポリカーボネート樹脂であった。樹脂(R−7)の粘度平均分子量は、50,900であった。
樹脂(R−4):1H−NMR(300MHz,CDCl3) δ=8.84(s, 2H), 8.28(d, 2H), 8.22(d, 4H), 8.11(d, 2H), 7.10−7.31(m, 20H), 2.12(brs, 8H), 1.38(brs, 28H), 1.00(brs, 8H).
上述した電荷発生剤、正孔輸送剤、バインダー樹脂及び電子輸送剤を用いて、感光体(A−1)〜(A−20)及び(B−1)〜(B−8)を製造した。
容器内に、電荷発生剤としてのY型チタニルフタロシアニン2.0質量部、正孔輸送剤としての化合物(1−1)60.0質量部、バインダー樹脂としての樹脂(R−1)100.0質量部、電子輸送剤としての化合物(20−E1)25.0質量部、及び溶剤としてのテトラヒドロフラン800.0質量部を投入した。容器の内容物を、ボールミルを用いて50時間混合して、溶剤に材料を分散させた。これにより、塗布液を得た。塗布液を、導電性基体(アルミニウム製のドラム状支持体、直径30mm、全長238.5mm)上に、ディップコート法を用いて塗布した。塗布した塗布液を、120℃で60分間熱風乾燥させた。これにより、導電性基体上に、単層の感光層(膜厚28μm)を形成した。その結果、感光体(A−1)が得られた。感光体(A−1)において、導電性基体上に単層の感光層が備えられていた。
次の点を変更した以外は、感光体(A−1)の製造と同じ方法で、感光体(A−2)〜(A−20)及び(B−1)〜(B−8)の各々を製造した。感光体(A−1)の製造においては正孔輸送剤として化合物(1−1)60.0質量部を使用したが、感光体(A−2)〜(A−20)及び(B−1)〜(B−8)の各々の製造においては表1〜表3に示す種類及び量の正孔輸送剤を使用した。感光体(A−1)の製造においてはバインダー樹脂として樹脂(R−1)を使用したが、感光体(A−2)〜(A−20)及び(B−1)〜(B−8)の各々の製造においては表1〜表3に示す種類のバインダー樹脂を使用した。感光体(A−1)の製造においては電子輸送剤として化合物(20−E1)25.0質量部を使用したが、感光体(A−2)〜(A−20)及び(B−1)〜(B−8)の各々の製造においては表1〜表3に示す種類及び量の電子輸送剤を使用した。
感光体(A−1)〜(A−20)及び(B−1)〜(B−8)の各々に対して、温度10℃及び相対湿度20%RHの環境下で、帯電特性を評価した。詳しくは、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、感光体の回転数31rpm及び感光体への流れ込み電流+8μAの条件下で、感光体を帯電させた。帯電させた感光体の表面電位を測定した。測定した表面電位を、感光体の帯電電位(V0、単位:+V)とした。感光体の帯電電位(V0)を、表1〜表3に示す。
感光体(A−1)〜(A−20)及び(B−1)〜(B−8)の各々に対して、温度10℃及び相対湿度20%RHの環境下で、感度特性を評価した。詳しくは、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、感光体の表面を+620Vに帯電させた。次いで、単色光(波長:780nm、露光量:1.3μJ/cm2)をハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて取り出し、感光体の表面に照射した。単色光の照射終了から80ミリ秒が経過した時点の感光体の表面電位を測定した。測定した表面電位を、感光体の露光後電位(VL、単位:+V)とした。感光体の露光後電位(VL)を、表1〜表3に示す。なお、露光後電位(VL)の絶対値が小さいほど、感光体の感度特性が優れていることを示す。露光後電位(VL)の絶対値が110V以上である感光体を、感光体の感度特性が不良(表3中×で示す)であると評価した。
感光体(A−1)〜(A−20)及び(B−1)〜(B−8)の各々の表面(感光層)全域を、肉眼で観察した。そして、感光層における結晶化した部分の有無を確認した。確認結果に基づき、下記評価基準で結晶化が抑制されているか否かを評価した。評価結果を表1〜表3に示す。なお、評価がCである感光体を、感光層の結晶化が抑制されていない(表3中×で示す)と評価した。
評価A:結晶化した部分が確認されなかった。
評価B:結晶化した部分が若干確認された。
評価C:結晶化した部分が明確に確認された。
2 導電性基体
3 感光層
4 中間層
5 保護層
Claims (7)
- 前記一般式(1)で表される化合物は、前記化学式(1−2)又は(1−3)で表される化合物である、請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記正孔輸送剤の質量に対する前記電子輸送剤の質量の比率は、0.01以上1.50以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記バインダー樹脂は、ポリアリレート樹脂を含み、
前記ポリアリレート樹脂は、一般式(10)で表される繰り返し単位の少なくとも1種と、一般式(11)で表される繰り返し単位の少なくとも1種とを含む、請求項1〜4の何れか一項に記載の電子写真感光体。
R11及びR12は、各々独立に、水素原子又はメチル基を表し、
R13は水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し且つR14は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表すか、或いはR13及びR14は互いに結合して炭素原子数5以上14以下のシクロアルキリデン基を表し、
1種の前記一般式(11)で表される繰り返し単位が含まれる場合、前記一般式(11)中、Xは、化学式(X1)で表される二価の基を表し、
少なくとも2種の前記一般式(11)で表される繰り返し単位が含まれる場合、少なくとも2種のうちの1種の前記一般式(11)中のXは前記化学式(X1)で表される二価の基を表し、他の種の前記一般式(11)中のXは化学式(X2)、化学式(X3)、化学式(X4)、化学式(X5)又は化学式(X6)で表される二価の基を表す。)
- 前記バインダー樹脂は、ポリアリレート樹脂を含み、
前記ポリアリレート樹脂は、化学式(10−1)、化学式(11−X1)及び化学式(11−X3)で表される繰り返し単位を含むポリアリレート樹脂、
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