JP2019015342A - 壁面取付物品セット - Google Patents

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Abstract

【課題】凹凸面のある壁紙に貼着可能で、かつ、壁面を傷つけることなく容易に取り外すことができる壁面取付物品セットを提供する。
【解決手段】凹凸面を有する壁紙に剥離可能に取り付けられるアンカーシート2と、当該アンカーシート2の表面に直接的または間接的に取り付けられる被支持物品Bとを備え、上記アンカーシート2は、基材21と、当該基材21の、上記被支持物品Bに面する側とは反対の側の面に形成される粘着剤層22とからなり、上記粘着剤層22は、再剥離性を有し、上記アンカーシート2を上記壁紙から取り外す際に壁紙を破壊しない粘着力を有する粘着剤からなり、上記基材21は、上記アンカーシート2を上記壁紙に取り付けた際に上記壁紙の凹凸面に追従するように変形し得る繊維材料からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、凹凸面のある壁紙を有する壁面に対して物品を取り付けることができて、壁紙に対して貼着可能な壁面取付物品セットに関する。
例えばフック、箱状体、鏡等の物品を壁面に取り付けるには、両面粘着テープ等を介して壁面に貼り付けたり、くぎやねじ等の締結部品を介して壁面に取り付けたりするのが一般的である。
しかしながら、現在の家屋の壁面には下地の保護や装飾的な観点から壁紙が貼られていることが多い。そのため、粘着テープを介してフック等を取り付けた場合には、それを取り外す際に粘着テープの粘着面とともに壁紙が剥がれ、場合によっては、壁紙のみならず壁面も傷つけてしまうという問題があった。
また、現在、一般的に普及している壁紙の多くがその表面に凹凸を有する塩化ビニル製である。そのため、両面粘着テープを介してフック等の係止具を固定しようとしても、両面粘着テープの粘着面は壁紙の凸部と単に接触しているにすぎず、安定的な固定状態を保つことができない。
特に、例えば、金属製などの、ある程度重量のある物品では、すぐに脱落してしまい、取付けは殆ど不可能であった。
一方、フック等の係止具をくぎやねじ等を介して壁面に取り付ける方法では、壁紙が平坦であるか凹凸面であるかにかかわらず、確実に取り付けることはできるとはいうものの、壁紙のみならず壁面にもくぎやねじ等の穴が残り、両面粘着テープの場合と同様に壁面を傷つけてしまうという問題があった。
そこで、最近では、凹凸面のある壁面に対して物品を固定するとともに、壁面を傷つけることなく再剥離できる粘着テープとして、水膨潤性の粘着剤を用いた粘着テープが提案されている(下記特許文献1参照)。
この粘着テープは、基材に透水性のある素材を使用するとともに、基材の層間破壊強度を粘着剤の粘着強度より弱めることにより、粘着テープを壁面から剥がす際に、破壊された基材の上から水をかけることによって水膨潤性を含む粘着剤に水を浸透させ膨潤させて粘着力を落とし、壁面に傷をつけずに物品を取り外すことができる。
しかしながら、この水膨潤性の粘着剤を用いた粘着テープは、高湿度下で保管した場合に粘着力が低下するといった問題があるほか、粘着力が弱いため、ポスターなどの軽量物しか保持することができない。
また、下記特許文献2にあるように、アクリルやウレタンなどの復元性を有する発泡樹脂を利用した粘着テープもあるが、粘着剤に水溶性のアクリル樹脂を塗布していることから、下記特許文献1と同様に、高湿度下においては粘着力の低下が懸念されている。
特開2010−100688号公報 特開2009−120742号公報
そこで、本発明の課題は、凹凸面のある壁紙に貼着可能で、かつ、取り外す際にも壁面を傷つけることなく容易に剥離させることができ、ある程度重量があるフック等の物品を確実に支持することができる壁面取付物品セットを提供することにある。
本発明は、凹凸面を有する壁紙に剥離可能に取り付けられるアンカーシートと、当該アンカーシートの表面に直接的または間接的に取り付けられる被支持物品とを備え、上記アンカーシートは、基材と、当該基材の、上記被支持物品に面する側とは反対の側の面に形成される粘着剤層とからなり、上記粘着剤層は、再剥離性を有し、上記アンカーシートを上記壁紙から取り外す際に壁紙を破壊しない粘着力を有する粘着剤からなり、上記基材は、上記アンカーシートを上記壁紙に取り付けた際に上記壁紙の凹凸面に追従するように変形し得る繊維材料からなることを特徴とする壁面取付物品セットである。
この構成によると、アンカーシートの粘着剤層は、再剥離性を有し、アンカーシートを壁紙から取り外す際に壁紙を破壊しない粘着力を有する粘着剤からなり、アンカーシートの基材は、アンカーシートを壁紙に取り付けた際に壁紙の凹凸面に追従するように変形し得る繊維材料からなる。よって、壁紙に対する十分なアンカーシートの接着面積を確保することができ、アンカーシートの表面に直接的または間接的に取り付けられた被支持物品を確実に保持できる。
また、上記被支持物品が上記アンカーシートを覆う部分の覆い面積に比べて、前記アンカーシートの表面積が大きく形成され、上記表面積に対する上記覆い面積の比が0.1〜0.8であってもよい。
この構成によると、面積比率をこのように設定することにより、使用中の被支持物品の重量を受けつつも、アンカーシートを確実に壁紙に取り付けることができる。
また、上記アンカーシートは、上記基材のうち少なくとも上記被支持物品によって覆われない部分に装飾が施されていることもできる。
この構成によると、基材に装飾を施すことにより、壁面を装飾することができるため、商品の位置付けをインテリア雑貨とすることができ、消費者の購買意欲を高めることができる。
また、上記基材のうち、少なくとも上記粘着剤層に面する部分が和紙から構成されることもできる。
この構成によると、和紙という比較的入手しやすい素材により、アンカーシートを壁紙に取り付けた際に壁紙の凹凸面に追従するように変形し得る構成を容易に実現できる。
また、上記アンカーシートと上記被支持物品との間にベースプレートが設けられ、上記ベースプレートは、表面に上記被支持物品が取り付けられており、裏面に上記アンカーシートとの接着手段とを備えることもできる。
この構成によると、被支持物品の取り付けに適したベースプレートを適宜選択できる。
また、上記ベースプレートは、少なくとも上記被支持物品によって覆われない部分に装飾が施されていることもできる。
この構成によると、ベースプレートに装飾を施すことにより、壁面を装飾することができるため、商品の位置付けをインテリア雑貨とすることができ、消費者の購買意欲を高めることができる。
本発明によれば、壁紙に対する十分なアンカーシートの接着面積を確保することができ、アンカーシートの表面に直接的または間接的に取り付けられた被支持物品を確実に保持できる。そのため、従来では難しかった凹凸面のある壁紙にフック等の物品を確実に保持することができる。
第1実施形態に係る壁面取付物品セットで、被支持物品が前面開口の箱状体である場合を示す正面図。 第1実施形態に係る壁面取付物品セットで、被支持物品が前面開口の箱状体である場合を示す右側面図。 第1実施形態に係る壁面取付物品セットで、被支持物品が前面開口の箱状体である場合であって、壁面に取り付けられた状態を示す、図1のA−A矢視相当の断面図。 第2実施形態に係る壁面取付物品セットで、被支持物品がフックである場合のものを分解して模式的に示す斜視図。 第2実施形態に係る壁面取付物品セットで、被支持物品がフックである場合のものを分解して模式的に示す断面図。 第2実施形態に係る壁面取付物品セット(被支持物品は図示せず)を壁面に取り付けた状態を拡大して示す断面図。 第2実施形態に係る壁面取付物品セットで、被支持物品が側面開口の箱状体である場合のものを示す正面図。 第2実施形態に係る壁面取付物品セットで、被支持物品が側面開口の箱状体である場合のものを示す右側面図。 第2実施形態に係る壁面取付物品セットで、被支持物品が側面開口の箱状体である場合のものであって、壁面に取り付けられた状態を示す、図8のC−C矢視相当の断面図。 実施例1に係る粘着テープ保持力(凝集力)試験に用いた実験サンプルを模式的に示す説明図。 実施例1で使用した基材の表面形状を示すグラフ図。
[第1実施形態]
まず、図1〜図3を参照して本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1〜図3に示すように、本発明の壁面取付物品セットは、壁面に貼り付けられる壁紙用物品支持具と、壁紙用物品支持具を介して壁面に取り付けられることで機能を発揮する被支持物品とを備える。本実施形態の壁紙用物品支持具は、被支持物品としての箱状体Bが取り付けられ、壁面に貼られている壁紙Wに再剥離可能に貼着されるアンカーシート2から構成されている。
本実施形態の被支持物品は箱状体Bとされている。図1〜図3に示すように開口部Boが前面に形成された前面開口の箱状体Bとすることで、収納される物品を箱状体Bの前方から出し入れすることができる。一方、下記の第2実施形態に係る図7〜図9に示すように上面開口の箱状体Bとすると、収納される物品を箱状体Bの上方から出し入れすることができる。このように、収納される物品の形状に適する箱状体Bを被支持物品とすることができる。
本実施形態の被支持物品は箱状体Bであるが、被支持物品はこれに限定されるものではない。例えば、フック(第2実施形態参照)、棚、写真用または絵画用フレーム、コルクボード、ホワイトボード、鏡、時計等、種々とできる。被支持物品は概念的には、箱状体及び棚等、被支持物品の使用時対象物(収納される物品)の下面を支持できる物品、また、フック、写真用または絵画用フレーム、コルクボード等、被支持物品の使用時対象物(引掛けられる物品)の一部を係止できる物品、また、ホワイトボード、鏡、時計等、単独で機能する物品に分類できる。
また、被支持物品が箱状体Bである場合、開口部Boを設ける位置は前面部(図1〜図3)、上面部(図7〜図9/第2実施形態)、側面部、底面部のいずれでもよく、箱状体Bの外形も図示した直方体形状に限定されず、例えば断面半円形や多角形形状とすることもできる。また、被支持物品は透明であっても不透明であってもよい。このように、被支持物品は特に限定なく種々の物品を用いることができる。
なお、本発明の壁紙用物品支持具は、従来では取付けが困難であった、例えば、塩化ビニル製などの凹凸面を有する壁紙に貼着可能であるため、以下の説明において、壁紙は、凹凸面を有する壁紙W(例えば下記第2実施形態として示した図5及び図6)を例として説明する。
アンカーシート2は、箱状体Bのアンカーシート2に対向する面の面積よりも大きく形成されている。アンカーシート2は、基材21と、基材21の一方の面に形成される粘着剤層22とからなり(図2及び図3における層構造は誇張して表現したものである)、本実施形態で基材21は厚みが0.07mmの和紙から構成されているが、被支持物品の材質、重量、形状によって種々に変更できる。基材21は、少なくとも粘着剤層22の形成される側が和紙から構成されていればよく、和紙以外の材料を積層して基材21を構成することもできる。
基材21は、その表面に直接的に箱状体Bが取り付けられるようになっている。本実施形態の箱状体Bは、販売時にはアンカーシート2と別体であって、消費者が購入後に、アンカーシート2に対して箱状体Bを取り付けるよう構成されている。しかしこれに限定されず、販売時においてアンカーシート2と一体とすることもできる。
基材21のうち少なくとも箱状体Bによって覆われない部分には装飾が施されている。装飾は、ユーザーから視認できるように施されればよく、基材21の表面側に施したり、基材21が多層構造である場合、層内に施した装飾が箱状体Bの側に透けて見えるようにしたりすることができる。このように基材21に装飾を施すことにより、壁面を装飾することができるため、商品の位置付けをインテリア雑貨とすることができ、消費者の購買意欲を高めることができる。装飾は、例えば図柄や色彩等の印刷、エンボス加工、プラスチックビーズ等の貼付により形成できるが、具体的手段は特に限定されるものではない。
装飾は、被支持物品と無関係な図柄であってもよいし、例えば被支持物品が鏡、写真用または絵画用フレームである場合には額縁を模した図柄とする等、被支持物品と関係のある図柄とすることもできる。被支持物品と無関係な図柄であっても、被支持物品が映えるような美的効果をもって装飾できるが、被支持物品と関係のある図柄では被支持物品と一体的な装飾が可能であるから、より一層美的効果を高めることができる。また、基材21に施された図柄に合わせるように被支持物品を装飾することも可能である。この際、被支持物品そのものに装飾を施すこともできるし、装飾を施したシート(透明であっても不透明であってもよい)を被支持物品に貼付することもできる。
本発明において、粘着剤層22は、再剥離性を有する粘着剤から形成されている。粘着剤層22の粘着力は、アンカーシート2を壁紙Wから取り外す際に、例えば粘着剤層22が凝集破壊を起こすことにより壁紙Wを破壊することなく、壁紙Wからスムーズに剥離させることができる程度の粘着力とされている。上記「破壊」とは、ユーザーが粘着剤層22を剥離した後の壁紙Wを視認した際、不快感を覚えてしまう程度に壁紙Wが傷付いた状態を言う。
粘着剤層22を構成する粘着剤は、上記のような再剥離性を有する粘着力を備えるものであれば良いが、価格や被着体の選択性、耐熱、耐候性の観点から、好ましくはアクリル系粘着剤とするとよく、本実施形態では、乳化重合によるアクリル系共重合体をベースポリマーとするアクリル系粘着剤が用いられている。
なお、粘着剤層22は、エマルジョン系、ホットメルト系等、形成のための塗工方法は問わない。塗工時の作業性、剥離時の剥がしやすさ、また、壁紙Wへの保持能力を考慮して10〜50μmが好ましいが、本実施形態では、厚みが15μmとされている。
ここで、粘着剤層22の厚みを10μm未満とすると、粘着力が低くなりすぎ、保持性能を発揮できないため好ましくない。また、糊厚50μmを超えると、粘着力が強くなりすぎ、剥離時に壁紙破壊を起こす可能性があるため、好ましくない。
また、本実施形態において、アンカーシート2は長方形状とされているが、形状は限定されず、円形、長円形、楕円形、長方形以外の多角形、星形、また、キャラクター、動物、乗り物等の輪郭形状とする等、壁紙Wへの貼着面積及びユーザーに与える美観の考慮によって種々の形状とすることができる。
また、箱状体Bがアンカーシート2を覆う部分の覆い面積に比べて、前記アンカーシートの表面積が大きく形成されており、上記表面積に対する上記覆い面積の比が0.1〜0.8とされている。この面積比率は、0.2〜0.6とすることが好ましく、0.3〜0.5とすることがさらに好ましい。本実施形態では面積比率が約0.4とされている。このように面積比率を設定することにより、使用中の箱状体Bの重量を受けつつも、アンカーシート2を確実に壁紙Wに取り付けることができる。
ここで、本実施形態の壁紙用物品支持具を壁紙Wに取り付ける方法を説明すると、まず、アンカーシート2の粘着剤層22の表面に取り付けられた剥離紙(図示せず)を取り外し、アンカーシート2を壁紙Wへ取り付ける。この作業の際、ユーザーが表面側からアンカーシート2を壁紙Wに押し付けることが、確実な取り付けのため望ましい。
次に、アンカーシート2の基材21と壁紙Wの凹凸面とが馴染む時間を確保するため、少なくとも6時間以上放置する(以下、基材が壁紙Wの凹凸面に馴染んでいくことを、基材の壁紙Wへの「追従性」という。)ことが好ましい。なお、上記「追従」とは、基材21を構成する多数の繊維のうち少なくとも一部分が湾曲するように変形することにより、基材を壁紙の凹凸面における凹凸形状に対応した形状に変形することを意味する。上記「対応した形状」に関し、変形後の基材21の壁紙に対向した面の変形後の形状は、壁紙の凹凸面が有する凹凸形状に密着するような略同一形状であることが理想である。しかし実際上、両者の形状に多少の差異が生じることはやむを得ないため許容される。
なお、本実施形態では、基材21を、植物繊維を原料とする和紙として説明しているが、基材21は和紙に限らず、壁紙Wの凹凸面へと追従できる紙材であれば良く、例えば、クレープ紙など、表面に原料繊維に起因する微細な凹凸面がある紙材であれば基材21に適用可能である。
さらに、基材21は植物繊維を原料とする紙材に限らず、壁紙Wの凹凸面へと追従できる繊維材料(多数の繊維が集合してなる材料であってシート状の材料)であればよく、例えば、基材21がナイロンやアクリルなどの柔軟性に富む合成繊維であってもよい。基材21が繊維材料であることにより、壁紙Wに対する十分なアンカーシート2の接着面積を確保することができ、アンカーシート2に取り付けられた箱状体Bを確実に保持できる。
本実施形態では、箱状体Bは両面粘着テープを介してアンカーシート2のほぼ中央に取り付けられている。ただし、箱状体Bにおける荷重分布によって、箱状体Bを装飾板のどの位置に取り付けても差し支えはない。
本実施形態において、箱状体Bをベースプレート1に取り付ける両面粘着テープを、例えば、発泡オレフィン系基材の両面にゴム系もしくはアクリル系の粘着剤を塗工したものとした。ただし、これに限られることはなく、アンカーシート2の基材21に対して3N/20mm以上の粘着力を備えていればよく、アクリルフォームタイプの両面粘着テープや基材(気泡含有層)自体が粘着性をもった粘着剤を備えていてもよい。
[第2実施形態]
次に、図4〜図9を参照して本発明の第2実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、第1実施形態と共通する部分に関し、特に必要でない説明は重複して行わない。
本実施形態の壁紙用物品支持具は、被支持物品としてのフックHが取り付けられるベースプレート1と、第1実施形態と同じく、壁紙Wに再剥離可能に貼着されるアンカーシート2とから構成されている。このように本実施形態では、アンカーシート2の表面に被支持物品(フックH)が間接的に取り付けられる。また、アンカーシート2とは別体でベースプレート1を構成することにより、被支持物品(フックH)の取り付けに適したベースプレート1を適宜選択でき、選択の自由が広がる。
ベースプレート1は、その表面1aに被支持物品(フックH)が取り付けられるようになっているが、その裏面1b側には、アンカーシート2への貼着可能な接着手段3が備えられる。
ベースプレート1は、被支持物品(フックH)が取り付けられた際に撓みなどの変形が生じない材料からなり、本実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)からなる透明な樹脂シートとしている。ただし、ベースプレート1は不透明とすることもできる。
なお、本実施形態では、ベースプレート1に取り付けられた被支持物品(フックH)の重量が比較的大きくなることを想定しているため、撓みなどの変形が生じにくく、ベースプレート1の表面が面として作用するように、その厚みが0.5mmとされている。しかし、ベースプレート1の厚みは、被支持物品(フックH)の重量に応じて適宜設計すればよい。
また、第1実施形態におけるアンカーシート2と同様、本実施形態のベースプレート1にも、その裏面1b側に装飾を施しても良い。なお、装飾は裏面1b側に限定されず、ユーザーから視認できるように施されればよく、装飾を表面側に施したり、ベースプレート1が多層構造である場合、層内に施した装飾が被支持物品(フックH)の側に透けて見えるようにしたりすることができる。
本実施形態において、接着手段3は、アンカーシート2へと貼り付けられた際に、高荷重性能を発揮することができるよう、例えば、後述するアンカーシート2の基材21に対して3N/20mm以上の接着力とされている。
なお、接着手段3は、ベースプレート1の裏面1b側に上記接着力を有する粘着剤により粘着剤層を形成してもよいが、本実施形態では、例えば、発泡オレフィン系基材の両面にゴム系もしくはアクリル系の粘着剤を塗工した両面粘着テープが用いられている。
また、本実施形態においては、ベースプレート1をPET樹脂としているが、これに限られることはなく、物品を取り付けた際に変形が生じないものであれば、ABS樹脂やPP樹脂などの他の樹脂シートであってよい。また、ベースプレート1として、撓みなどの変形が生じない木材や金属製としてもよい。
本実施形態の壁紙用物品支持具を壁紙Wに取り付ける方法は、アンカーシート2の壁紙Wへの取り付けまでは第1実施形態と同じである。
その後、両面粘着テープ3を介して、ベースプレート1をアンカーシート2の基材21へと重ね併せて貼り付ける。この場合、フックHをベースプレートに予め取り付けておいてもよいし、ベースプレート1をアンカーシート2に貼り付けた後に取り付けてもよい。
なお、本実施形態ではまず、被支持物品がフックHである場合を説明したが、図7〜図9に示すように被支持物品を箱状体Bとすることもできる。図示したものは、開口部Boが上面に形成された上面開口の箱状体Bである。なお、図8及び図9における層構造は誇張して表現したものである。このように、第1実施形態と同様、第2実施形態においても被支持物品は特に限定されるものではない。
[上記実施形態の作用効果]
以上、上記各実施形態によれば、壁紙Wに貼着されるアンカーシート2の基材21を、例えば、和紙のように、その原料繊維が長く、表面に細かな凹凸を有する柔軟性のある紙材とすることにより、基材21を壁紙Wの凹凸面に追従するように接触させることができるため、壁紙Wに対する十分な接着面積を確保することができる。そのため、従来では難しかった凹凸面のある壁紙Wに被支持物品を確実に保持することができる。
また、アンカーシート2の粘着剤層22は、例えば、再剥離性を有し、変形が自由で被着体の選択性のあるアクリル系粘着剤とすることにより、アンカーシート2を剥がす際に、壁面に対して糊残りさせることなく容易に取り外すことができる。
さらに、ベースプレート1とアンカーシート2の間に貼着される、例えば、両面粘着テープなどの接着手段3の粘着力を、基材21に対して3N/20mm以上の粘着力とすることにより、ベースプレート1に比較的重量のある被支持物品を取り付けた場合であっても、ベースプレート1がアンカーシート2から剥がれることなく、被支持物品を安定的に固定することができる。
さらにまた、ベースプレート1を、ある程度重量のある被支持物品をベースプレート1に取り付けても撓みなどの変形が生じない材料とすることにより、ベースプレート1とアンカーシート2とを確実に接着できるため、被支持物品を安定的に支持することができる。
[実施例についての説明]
以下、本発明について、実施例等を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例は、形態としては上記実施形態2に対応しているが、上記実施形態1に対応した形態にも適用可能である。
上記従来技術でも問題としたように、一般的な再剥離性を有する粘着剤を塗工した粘着テープでは、凹凸面を有する壁紙への保持力が弱く、比較的軽量なフック等であっても、長時間壁紙に固定することは難しい。
また、現在、基材の片面に再剥離性粘着剤を塗工した基材としては、和紙、塩化ビニルシート(PVC)、二軸延伸ポリプレンフィルム(OPP)、ポリエチレンテレクタレート(PET)などが使用されているが、粘着剤はゴム系、アクリル系を問わず使用されている。
そこで、本発明者らは、凹凸面を有する壁紙に対して保持力を発揮するのは、接着剤というよりは、基材が大きく起因しているのではないかと考え、基材による凹凸面のある壁紙に対する保持力の違いを試験した(実施例1;基材別保持力測定実験)
[実施例1;基材別保持力測定実験]
再剥離性粘着シートの基材として、和紙(厚み;0.07mm)、PVC(厚み;0.07mm)、OPP(厚み;0.04mm)、PET(厚み;0.025mm)を用い、基材に再剥離性の溶剤型アクリル系粘着剤(トーヨーケム社製;BPS−6066)を、糊厚が15μmとなるように塗工した試験片Aを作成した。
作成した試験片X1を、図10に示すように、10mm×20mmの面積になるように被着体(壁紙(アサヒペン製;SD−06))X2に貼付し、そこに2kgのローラで1往復させて荷重G(50g)をかけ、40℃下に30分放置し、試験片ごとの壁紙から剥がれ落ちた際の時間を測定した。
この実験を3回(試験時間;1日(1440分))行い、その平均値を以下に示す。
この結果から、同じ粘着剤、同じ糊厚を塗工した粘着シートであっても、基材の違いによって保持時間に違いがあることが検証された。また、糊厚15μmの接着剤を塗工した粘着シートでは、和紙の保持性能が優れていることが検証された。
なお、今回の実験では、一般的な基材ごとの保持性能を単に検証することを目的としたため、和紙は、市場でマスキングテープの基材として流通している標準的なもの選んでいる。同様に、PVC,OPP,PETも多く市場に流通しているものを選択した。
本発明者らは、凹凸面のある壁紙に対する和紙の保持性能の高さは、和紙が、壁紙と粘着剤との接着面積を向上させているからではないかと考え、被着体として使用した壁紙の表面図と断面図を観察し、以下の見解を得た。
[壁紙の基材評価]
今回使用した壁紙(アサヒペン製;SD−06)では、凹凸が格子状に並んでおり、凸部と凸部との間隔が約2mm、深さが約0.5mm程度であった(図11参照)。このことから、実施例1での試験片は、その粘着剤が壁紙の凸部に貼り付くことにより保持性能を発揮しているものと考えられたため、実施例1の試験片で用いた基材ごとに以下の特性を検証した。
[壁紙および基材の表面粗さ]
凹凸を持つ壁紙のような被着体に対し、特に和紙の保持性能が高かった理由として、壁紙に付着した粘着剤を覆うように、和紙が壁紙の凹凸面に馴染んでいくのではないかと考えられた(以下、和紙が壁紙の凹凸面に馴染んでいくことを、和紙の壁紙への「追従性」という。)。
そこで、実施例1にて被着体として使用した壁紙(アサヒペン製;SD−06)の凸部と、試験片に使用した基材ごとの表面荒さを表面荒さ測定機(小坂研究所製;SE3500) 機器条件;波長 0.8mm,先端半径 2μm,トレース長さ 4.8mm)にて測定した。
その結果を以下に示す。なお、算術平均粗さ(Ra)は、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定基準までの偏差の絶対値を合計し平均したものであり、その区間の凹凸状態を平均値で表したものである。
また、最大高さ(Ry)は、凹凸部の長さを示したものである。
これにより、壁紙の凸部に細かな凹凸があることや、和紙の表面が他の基材の表面に比べてかなり粗いことがわかった。
[壁紙および基材の表面形状]
次に、表面荒さ測定機(小坂研究所製;SE3500) 機器条件;波長 0.8mm,先端半径 2μm,トレース長さ 4.8mm)によるデータをもとに、壁紙および基材の表面形状を図11に示す。
これによると、壁紙(アサヒペン製;SD−06)と同様に、和紙にも表面に凹凸があることがわかる。これに対して、PVC,OPP,PETのような基材には表面に和紙ほど大きな凹凸がない。
このことから、和紙の表面の凹凸は壁紙に比して細かいものであるが、和紙が壁紙に対する保持力が高かった理由として、壁紙の凹凸面への食い込みが考えられる。
また、和紙の表面の凹凸は原料繊維である植物(コウゾ、ミツマタ)などを混抄して製作されるため、他の繊維材料に比べて原料繊維が長くなることに起因するとも考えられる。これに対して、PVC,OPP,PETのような基材は、延伸されて製造されるため、それらの表面が滑らかな平滑面となっていると考えられる。
[基材の剛性と弾性]
次に、発明者らは、和紙が壁紙に対して保持機能を発揮した要因として、和紙の壁紙の凹凸面に対する追従性であると考えたが、その起因を検証するため、基材の剛性と弾力を調べることとした(カトーテック社製;純曲げ試験機KES FB2 機器条件;曲げ曲率 2.5cm−1(0.4〜2.5),感度 4(max),繰り返し 1回,方向 WARP,特性計算データ(B1=0.5;B2=1.5;2HB=1.0)。
その結果を表3に示す。
今回の測定のうち、曲げ剛性は、人間が物体を曲げたときに感じる柔らかさと相関が取れ、この値が大きくなるほど硬く、小さくなるほど柔らかい。また、弾力は、人間が物体を曲げて戻した時に感じる弾力性と相関が取れ、この値が大きくなるほど弾力性が悪く、小さくなるほど弾力性が良い。
この結果によると、和紙を除いたPVC,OPP,PETは、厚みが増すほど曲げ剛性が大きく(硬く)なっている。これに対して、和紙は、PETより厚みがあるにもかかわらず、PETに近い柔らかさを備えていることが判る。
なお、弾力性に関しては、PVCの弾力性が非常に悪いことはわかったが、和紙が特に弾力性に優位性を持っているとは考えられず、基材の弾力性は、和紙の壁紙への保持性能とは関係ないことが判った。
[糊厚の検討]
上記実施例1では、糊厚が15μmでは、基材が和紙である場合に壁紙への保持性能が一番高いことが判った。そこで、糊厚の変化により、和紙以外の基材でも壁紙への同様の保持性能があるのではないかと考えられるため、糊厚を変化させることにより、実施例1と同様の試験を行った。
その試験結果を表4に示す。
これによると、糊厚が15μmでは保持性能が悪かったOPPとPETでは、糊厚を高くすることによって保持性能が向上することが判る。これは、糊厚が高くなることにより、壁紙の凹凸面に糊が入り込んで粘着力が高くなったためと考えられる。
なお、PVCは、糊厚を高くしても保持性能は上がらず、この理由として先の弾性試験において、PVCの弾力性が他の基材に比べて低いことが要因ではないかと考えられる。弾力性がないと言うことは、基材に力を加えても変形しないため、壁紙への追従性が図れないからと思われる。
[基材の凹凸面ある壁紙への保持性能の検討結果]
以上の実験および検証から、再剥離性粘着シートのうち、基材を和紙とした凹凸面のある壁紙への保持性能の優位性を知ることができた。そして、糊厚が薄い場合では、和紙の保持性能は他の素材からなる基材より格段優れていることも検証できた。
そして、この保持能力の優位性は、和紙の表面に原料繊維である植物繊維による凹凸があることに加えて、和紙が他の基材に比べて非常に柔らかいことから、被着体(壁紙)に対する追従性がよく、接着面積が確保できるためと考えられる。
なお、糊厚を厚くすれば、和紙以外のOPPやPETでも保持性能が上がることは確認できたが、コスト面、環境面などを考慮すれば、和紙の優位性は変わらないものと考えられる。
以上により、アンカーシート2の基材は、糊厚が薄い場合は基材を和紙とすることが好ましいが、糊厚を厚くすれば他の基材(OPPやPET)でも代用可能であることがわかった。
ただし、本発明においては、フックH等の係止具が取り付けられたベースプレート1をアンカーシート2の基材21に重ね貼りして用いることから、ベースプレート1がアンカーシート2から脱落しないことが重要である。したがって、基材21の表面21aには、背面処理(剥離処理)がなされていないことが望ましい。
しかしながら、本発明のアンカーシート2として適用される再剥離性を有する粘着剤層を有する、いわゆる粘着シートは、通常、製品として巻物にされるため、粘着剤層と重ね合わされる基材21の表面21aには背面処理がなされているか剥離紙が貼付されている。
そこで、背面処理がなされている場合には、背面処理がなされていない場合と同様の接着力を得ることができないことから、ベースプレート1がアンカーシート2から剥がれない粘着力を知るため、以下の実験を行った(実施例2;ベースプレート1とアンカーシート2との接着力)
[実施例2;ベースプレート1とアンカーシート2との接着力]
剥離処理の異なる和紙を基材とする市販のマスキングシートを用い、ベースプレート1の両面粘着テープ12と同じ組成からなる両面粘着テープ(日東電工株式会社製;両面粘着テープNo.575)のマスキングテープに対する接着力(背面接着力)を比較した。
剥離処理の異なる4種のマスキングテープA,B,C,Dの基材表面を被着体とし、両面粘着テープ(日東電工株式会社製;両面粘着テープNo.575)を、20mm幅に切断して被着体に貼付し、そこに23℃の条件下で2kgのローラで1往復させ、30分経過後に引張試験機(ORIENTEC社製;RTC−1210A)で180度方向に引張速度300mm/minで剥離したときの接着力を測定した。
その結果を表5に示す。
[実施例3;壁紙用物品支持具と壁紙との接着力]
また、表6に示す構成とした壁紙用物品支持具にフックHを取り付けたサンプルを作製し、これを実施例2で接着力を測定したマスキングテープを用いて、壁紙に取付け、それぞれの保持能力を検証した。
本実施例では、アサヒペン製SD−06を被着体とし、実施例2と同じマスキングテープを被着体Cに貼付し、23℃の条件下で2kgのローラで1往復させ、40℃の室温で30分放置した後、750gのフックHを取付け1ヶ月保持させた。これの試験を5回繰り返したが、表7に示すように、両面粘着テープの接着力が3N/20mm以下のものは、マスキングテープから脱落することがわかった。
[ベースプレートとアンカーシートとの保持性能の検討結果]
実施例2及び実施例3から、アンカーシート2のベースプレート1への保持性能は、両面粘着テープ12の基材表面21に対する接着力が3N/20mm以上のものが好ましいことがわかった。
[実施例4;アンカーシートの壁紙への追従確保時間]
上記マスキングテープDを用い、壁紙(アサヒペン製SD−06)の凹凸に馴染む
(追従性確保)時間を検証するため、以下のような試験を行った。
壁紙(アサヒペン製SD−06)を被着体とし、上記マスキングテープDを15mm×15mmの面積になるように被着体に貼付し、そこに23℃の条件下で2kgのローラで1往復させ、所定時間経過後に引張試験機(SHIMADZU社製;AGS−X)で0度方向にもしくは被着体と水平方向に引張速度50mm/minでせん断したときの引張せん断接着力を測定した。
その結果を表8に示す。
このことから、アンカーシートが壁紙に馴染み、適度の接着力が維持できるのは、少なくとも6時間以上放置することが好ましいことがわかった。
以上の実施例などにより、凹凸面のある壁紙への保持性能を高める第1の要因は、基材であることがわかった。また、基材は、その表面に凹凸面が備えられることにより壁紙の凹凸面に追従することがかわった。
また、紙材は繊維材料からなり、その表面に凹凸面を有することは知られているが、特に原料繊維が長い和紙が、基材として優位性が高いと思われる。また、和紙という比較的入手しやすい素材により基材を構成することで、アンカーシートを壁紙に取り付けた際に壁紙の凹凸面に追従するように変形し得る構成を容易に実現できるというメリットがある。
1 ベースプレート
2 アンカーシート
21 基材
22 粘着剤層
3 接着手段
B 被支持物品(箱状体)
Bo 箱状体の開口部
H 被支持物品(フック)
W 壁紙

Claims (6)

  1. 凹凸面を有する壁紙に剥離可能に取り付けられるアンカーシートと、当該アンカーシートの表面に直接的または間接的に取り付けられる被支持物品とを備え、
    上記アンカーシートは、基材と、当該基材の、上記被支持物品に面する側とは反対の側の面に形成される粘着剤層とからなり、
    上記粘着剤層は、再剥離性を有し、上記アンカーシートを上記壁紙から取り外す際に壁紙を破壊しない粘着力を有する粘着剤からなり、
    上記基材は、上記アンカーシートを上記壁紙に取り付けた際に上記壁紙の凹凸面に追従するように変形し得る繊維材料からなることを特徴とする壁面取付物品セット。
  2. 上記被支持物品が上記アンカーシートを覆う部分の覆い面積に比べて、前記アンカーシートの表面積が大きく形成され、
    上記表面積に対する上記覆い面積の比が0.1〜0.8であることを特徴とする、請求項1に記載の壁面取付物品セット。
  3. 上記アンカーシートは、上記基材のうち少なくとも上記被支持物品によって覆われない部分に装飾が施されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の壁面取付物品セット。
  4. 上記基材のうち、少なくとも上記粘着剤層に面する部分が和紙から構成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の壁面取付物品セット。
  5. 上記アンカーシートと上記被支持物品との間にベースプレートが設けられ、
    上記ベースプレートは、表面に上記被支持物品が取り付けられており、裏面に上記アンカーシートとの接着手段とを備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の壁面取付物品セット。
  6. 上記ベースプレートは、少なくとも上記被支持物品によって覆われない部分に装飾が施されていることを特徴とする、請求項5に記載の壁面取付物品セット。
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