JP2019013256A - L−トリプトファン生産能を有するエシェリキア属微生物及びこれを用いたl−トリプトファンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】L−トリプトファン生産能を有するエシェリキア属微生物を提供する。【解決手段】本発明は、内在的6−ホスホグルコネート脱水酵素及び2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコネートアルドラーゼの活性を弱化または不活性化させることにより、L−トリプトファン生産能が向上したエシェリキア属微生物に関する。また、本発明は、前記エシェリキア属微生物を用いてL−トリプトファンを製造する方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、L−トリプトファン生産能を有するエシェリキア属微生物、及び前記微生物を用いてL−トリプトファンを製造する方法に関する。
L−トリプトファン(L-tryptophan)は、必須アミノ酸の一つであり、飼料添加物などとして広く使用されてきており、また、輸液剤などの医薬品原料及び健康食品の素材などとして広く使用されてきた。このような、L−トリプトファンは、化学合成法、酵素反応法、発酵法などを経て製造されることができるが、現在では微生物を用いた直接発酵法が主に用いられている。
L−トリプトファン生産菌株の開発の方向は、初期には突然変異スクリーニングで進められたり(特許文献1)、遺伝子工学の発達とともに生合成経路酵素のトリプトファンフィードバック阻害を克服する方法、あるいはトリプトファン生合成酵素の発現強化のように代謝過程の酵素合成の強化を通じてトリプトファン生産菌株の開発が進められた。
一方、L−アミノ酸の生産を向上させるために、Entner−Doudoroff経路を利用する方法が登場した(特許文献2)。特許文献2は、Entner−Doudoroff経路に関与する酵素の活性を増強させ、ピルビン酸を中間物質として使用する生合成経路により生成されるL−アミノ酸の生産を向上させる方法に関し、具体的には6−ホスホグルコネート脱水酵素または2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコネートアルドラーゼの活性を増強させることを主な特徴としている。
韓国特許第1987−0001813号公報 米国特許第7432085号明細書 韓国登録特許第10−0792095号公報 韓国公開特許第2009−007554号公報 韓国登録特許第10−1261147号公報
One-step inactivation of chromosomal genes in Escherichia coli K-12 using PCR products, Datsenko KA, Wanner BL., Proc Natl Acad Sci USA, 2000, Jun 6; 97(12): 6640-5
しかし、本発明者らは、他のL−アミノ酸とは異なり、L−トリプトファンの場合には、前記Entner−Doudoroff経路の6−ホスホグルコネート脱水酵素及び2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコネートアルドラーゼの活性を共に弱化させたり、不活性化させる場合、L−トリプトファン生産能が著しく向上することを最初に究明し、これを用いてL−トリプトファン生産能が向上したエシェリキア属微生物及びこれを用いたL−トリプトファンの製造方法に関する本発明を完成するに至った。
本発明は、L−トリプトファン生産能を有する微生物を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記L−トリプトファン生産能を有する微生物を用いてL−トリプトファンを効率的に生産する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための一態様として、本発明は、内在的6ホスホグルコネート脱水酵素及び2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコネートアルドラーゼの活性が弱化または不活性化され、L−トリプトファン生産能を有するエシェリキア属(Escherichia)微生物を提供する。
本発明で使用される用語、「L−トリプトファン(L-tryptophan)」とは、α−アミノ酸の一つで、体内で合成されない必須アミノ酸であり、化学式がC1112である芳香族L−アミノ酸をいう。
本発明で使用される用語、「Entner−Doudoroff経路」とは、エシェリキア属微生物内に存在する炭素代謝経路の一つであり、上記経路に流入した炭素源が6ホスホグルコネート脱水酵素及び2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコネートアルドラーゼによる2段階の一連の酵素反応を通じて、グリセルアルデヒド−3−リン酸(Glyceraldehyde-3-phosphate)及びピルビン酸(pyruvate)に転換されることを触媒する経路である。
本発明で使用される用語、「6−ホスホグルコネート脱水酵素(6-phosphogluconate dehydratase;Edd;EC 4.2.1.12)」とは、Entner−Doudoroff経路に関与する酵素であり、6−ホスホ−D−グルコネートを2−ジヒドロ−3−デオキシ−6−ホスホ−D−グルコネートに転換させる反応を触媒する酵素を意味する。上記酵素は、具体的には、配列番号1のアミノ酸配列で表すことができるが、上記酵素の活性を有する配列であれば、制限なく含まれる。また、上記6−ホスホグルコネート脱水酵素をコードする遺伝子は、具体的な例として、配列番号2の塩基配列で表すことができるが、上記酵素をコードする配列であれば、制限なく含まれる。
本発明で使用される用語、「2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコネートアルドラーゼ(2-keto-3-deoxy-6-phosphogluconate aldolase;Eda;EC 4.1.2.14)」とは、Entner−Doudoroff経路に関与する酵素であり、2−ジヒドロ−3−デオキシ−6−ホスホ−D−グルコネートをグリセルアルデヒド−3−リン酸及びピルビン酸に転換させる反応を触媒する酵素を意味する。上記酵素は、具体的には、配列番号3のアミノ酸配列で表すことができるが、上記酵素の活性を有する配列であれば、制限なく含まれる。また、上記2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコネートアルドラーゼをコードする遺伝子は、具体的な例として、配列番号4の塩基配列で表すことができるが、上記酵素をコードする配列であれば、制限なく含まれる。
上記各酵素は、上記配列番号1または3で記載したアミノ酸配列だけでなく、上記配列と70%以上、具体的には80%以上、より具体的には90%以上、より一層具体的には95%以上、より具体的には98%以上、さらにより具体的には99%以上の相同性を示すアミノ酸配列であり、実質的に上記各酵素と同一または相応する効能を示す酵素であれば制限なく含まれる。また、このような相同性を有し、各酵素に相応する効能を示すアミノ酸配列であれば、一部の配列が欠失、変形、置換または付加されたアミノ酸配列を有する酵素変異体も本発明の範囲内に含まれることは自明である。
また、上記各酵素をコードする遺伝子は、上記配列番号2または4で記載した塩基配列だけでなく、上記配列と80%以上、具体的には90%以上、より具体的には95%以上、より具体的には98%以上、より一層具体的には99%以上の相同性を示す塩基配列であり、実質的に上記各酵素と同一または相応する効能を示す酵素をコードする遺伝子配列であれば、制限なく含まれる。また、このような相同性を有する塩基配列であれば、一部の配列が欠失、変形、置換または付加された塩基配列も、本発明の範囲内に含まれることは自明である。
本発明において、用語、「相同性」とは、二つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド部分との間の同一性のパーセントをいう。一つの部分からもう一つの部分までの配列間の相同性は、公知となった当該技術により決定することができる。例えば、相同性は、配列情報を整列し、容易に入手可能なコンピュータプログラムを用いて2つのポリヌクレオチド分子または2つのポリペプチド分子間の配列情報、例としては、スコア(score)、同一性(identity)及び類似度(similarity)などの媒介変数(parameter)を直接整列して決定することができる(例えば、BLAST 2.0)。また、ポリヌクレオチド間の相同性は、相同領域間の安定した二本鎖をなす条件の下でポリヌクレオチドを混成化した後、単一鎖特異的ヌクレアーゼで分解し、分解された断片の大きさを決定することにより決定することができる。
本発明において、用語、「内在的活性」とは、微生物が天然の状態または該当酵素の変形前に有している酵素の活性状態を意味する。
上記「酵素の活性が内在的活性に比べて弱化されたこと」とは、本来、微生物が天然の状態または変形前の状態で有している酵素の活性と比較したとき、その活性が減少したことを意味する。上記弱化は、前記酵素をコードする遺伝子の変異などにより酵素自体の活性が本来の微生物が有している酵素の活性に比べて減少した場合と、これをコードする遺伝子の発現阻害または翻訳(translation)阻害などにより細胞内で全体的な酵素活性の程度が、天然型菌株または変形前の菌株に比べて低い場合、これらの組み合わせも含む概念である。
上記「不活性化」とは、酵素をコードする遺伝子の発現が、天然型菌株または変形前の菌株に比べて全く発現しない場合及び発現されても、その活性が存在しない場合を意味する。
このような酵素活性の弱化または不活性化は、当該分野においてよく知られている様々な方法の適用により達成することができる。上記方法の例として、上記酵素の活性が削除された場合を含めて、上記酵素の活性が減少するように突然変異された遺伝子で、染色体上の上記酵素をコードする遺伝子を代替する方法;上記酵素をコードする染色体上の遺伝子の発現調節配列に変異を導入する方法;上記酵素をコードする遺伝子の発現調節配列を活性が弱いか、またはない配列で交換する方法;上記酵素をコードする染色体上の遺伝子の全体または一部を欠失させる方法;上記染色体上の遺伝子の転写体に相補的に結合して前記mRNAから酵素への翻訳を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチド(例えば、アンチセンスRNA)を導入する方法;上記酵素をコードする遺伝子のSD配列の前段にSD配列と相補的な配列を人為的に付加して2次構造を形成させ、リボソーム(ribosome)の付着を不可能にする方法及び該当配列のORF(open reading frame)の3’末端に逆転写されるようにプロモーターを付加するRTE(Reverse transcription engineering)方法などがあり、これらの組み合わせでも達成することができるが、上記例により、特に制限されるものではない。
具体的には、酵素をコードする遺伝子の一部または全体を欠失する方法は、細菌内染色体挿入用ベクターを通じて染色体内の内在的目的タンパク質を暗号化するポリヌクレオチドを、一部の核酸配列が欠失されたポリヌクレオチドまたはマーカー遺伝子で交換することにより行うことができる。このような遺伝子の一部または全体を欠失する方法の一例として、相同組換えにより遺伝子を欠失させる方法を使用することができる。
上記において「一部」とは、ポリヌクレオチドの種類に応じて異なるが、具体的には1〜300個、具体的には1〜100個、より具体的には1〜50個であり得るが、特にこれらに限定されるものではない。
上記において「相同組換え(homologous recombination)」とは、互いに相同性を有する遺伝子鎖の座位で連結交換を通じて起こる遺伝子組換えを意味する。
具体的には、発現調節配列を変形する方法は、前記発現調節配列の核酸配列に欠失、挿入、非保全的または保全的置換またはこれらの組み合わせにより発現調節配列上の変異を誘導して行いか、またはさらに弱いプロモーターで交換するなどの方法により行うことができる。上記発現調節配列には、プロモーター、オペレーター配列、リボソーム結合部位をコードする配列、及び転写と解読の終結を調節する配列を含む。
併せて、染色体上の遺伝子配列を変形する方法は、上記酵素の活性がさらに弱化するように遺伝子配列を欠失、挿入、非保全的または保全的置換またはこれらの組み合わせにより配列上の変化を誘導して行いか、またはさらに弱い活性を有するように改良された遺伝子配列または活性がないように改良された遺伝子配列で交換することにより、行うことができる。
本発明の一具現例では、上記活性の弱化または不活性化は、上記6ホスホグルコネート脱水酵素をコードする遺伝子及び2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコネートアルドラーゼをコーディング遺伝子内に、一つ以上の塩基対の挿入による挿入突然変異、上記遺伝子内の一つ以上の塩基対の欠失を有する欠失突然変異、及び前記遺伝子内のナンセンスコドンまたは相違コドンを導入させる塩基対の転移(transition)または転換(transversion)突然変異からなる群から選択される1つ以上の突然変異の方法を通じて行えることを確認した。
本発明において、上記エシェリキア属(Escherichia)微生物は、具体的には大腸菌(Escherichia coli)であり得るが、これらに限定されない。
具体的には、本発明において、前記edd及びedaの活性の弱化または不活性化によりL−トリプトファン生産能を有するエシェリキア属微生物の親菌株は、トリプトファン生産能を有するエシェリキア属微生物であれば、特に制限されない。トリプトファン生産能を有する微生物は、その例として、トリプトファン生合成経路を強化するために、競争経路の遺伝子、トリプトファンオペロンの方向性経路の調節者、トリプトファン流入遺伝子、トリプトファン流入及び分解遺伝子の活性の弱化または不活性化させるか、及び/またはトリプトファンオペロンの活性を過発現させた微生物であり得る。上記活性の弱化または不活性化方法は、前記で説明した通りであり、公知の方法は、制限なく含まれる。また、トリプトファンオペロン活性の過発現は、公知の方法は、制限なく含まれるが、その例としてオペロン遺伝子の塩基配列の一部または全部、そのもの、あるいは外部から導入された発現調節部位を含むポリヌクレオチドをさらに染色体に挿入する方法、ベクターシステムに導入する方法によりコピー数を増加させる方法、遺伝子の発現を調節する発現調節部位を他の調節配列で置換、発現調節部位の塩基配列の全体または一部の突然変異が誘発された変形、遺伝子自体の変異導入によるオペロン活性強化などによる方法などを含むことができるが、これに限定されるものではない。具体的には、pheA、trpR、mtr及びtnaAB遺伝子の全体または一部が欠失、及び/またはトリプトファンオペロンが過発現された大腸菌であり得る。
本発明において、edd、eda、pheA、trpR、mtr、tnaAB遺伝子及びトリプトファンオペロン及び、これらがコードするタンパク質配列を初めとして、本発明で使用される遺伝子及びタンパク質の配列は、公知のデータベースから得ることができ、その例としてNCBIのGenBankなどから得られるが、これに限定されない。また、pheA、trpR、mtr及びtnaAB遺伝子に関する具体的な内容は、韓国登録特許第10−0792095号に記載されている内容を参考にすることができ、上記特許の明細書全体は、本発明の参考資料として含めることができる。
本発明の具体的な実施例に照らして、さまざまな親菌株で6−ホスホグルコネート脱水酵素及び2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコネートアルドラーゼの活性を不活性化させた結果、Entner−Doudoroff経路を有しているエシェリキア属微生物であれば、親菌株の種類に関係なく、6−ホスホグルコネート脱水酵素及び2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコネートアルドラーゼの活性を共に弱化させたり、不活性化させる場合には、L−トリプトファンの生産能が有意に向上することが確認された。
本発明のまた他の一態様によれば、本発明の内在的6−ホスホグルコネート脱水酵素及び2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコネートアルドラーゼの活性が弱化または不活性化し、L−トリプトファン生産能を有するエシェリキア属微生物を培養する段階;及び前記微生物の培養段階による培養物または前記微生物からL−トリプトファンを回収する段階を含む、L−トリプトファンの製造方法を提供する。
本発明の微生物の培養に使用される培地、及びその他の培養条件は、通常のエシェリキア属微生物の培養に使用される培地であれば特に制限なく、いずれも使用することができるが、具体的には、本発明の微生物を適切な炭素源、窒素源、リン源、無機化合物、アミノ酸、及び/またはビタミンなどを含有した通常の培地内で好気性条件の下で温度、pHなどを調節しながら培養することができる。
本発明において、上記炭素源としては、グルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、マンニトール、ソルビトールなどの炭水化物;糖アルコール、グリセロール、ピルビン酸、乳酸、クエン酸などのアルコール;有機酸、グルタミン酸、メチオニン、リジンなどのアミノ酸などが含まれることができる。また、澱粉加水分解物、糖蜜、ブラックストラップ糖蜜、米糠、キャッサバ、バガス及びトウモロコシ浸漬液などの天然の有機栄養源を使用することができ、具体的には、グルコース及び殺菌された前処理糖蜜(すなわち、還元糖に転換された糖蜜)などの炭水化物を使用することができ、その他の滴定量の炭素源を制限なく多様に利用することができる。これらの炭素源は、単独で使用したり、2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記窒素源としては、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどの無機窒素源;グルタミン酸、メチオニン、グルタミンなどのアミノ酸、ペプトン、NZ−アミン、肉類抽出物、酵母抽出物、麦芽抽出物、トウモロコシ浸漬液、カゼイン加水分解物、魚類またはその分解生成物、脱脂大豆ケーキまたはその分解生成物などの有機窒素源を使用することができる。これらの窒素源は、単独で使用したり、2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記リン源には、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、またはこれに対応するナトリウム−含有塩などが含まれることができる。無機化合物としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化鉄、硫酸マグネシウム、硫酸鉄、硫酸マンガン、炭酸カルシウムなどが使用されることができ、その他に、アミノ酸、ビタミン、及び/または適切な前駆体などが含まれることができる。これらの培地または前駆体は、培養物に回分式または連続式で添加することができる。
本発明において、微生物の培養中に水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、アンモニア、リン酸、硫酸などの化合物を培養物に適切な方法で添加し、培養物のpHを調整することができる。また、培養中には、脂肪酸ポリグリコールエステルなどの消泡剤を使用して気泡の生成を抑制することができる。また、培養物の好気状態を維持するために、培養物内に酸素または酸素含有気体を注入したり、嫌気及び微好気状態を維持するために、気体の注入なしに、あるいは窒素、水素または二酸化炭素ガスを注入することができる。
培養物の温度は、具体的には27℃〜40℃、より具体的には30℃〜37℃であることができるが、これに限定されない。培養期間は、有用物質の所望の生成量が得られるまで継続することができ、具体的には10時間〜100時間であることができるが、これに限定されない。
上記L−トリプトファンを回収する段階は、本発明の微生物の培養方法、例えば、回分式、連続式または流加式培養方法などにより、当該技術分野において公知となった適切な方法を用いて培養液から目的とするL−トリプトファンを回収することができる。
上記回収段階は、精製工程を含むことができる。
本発明は、6−ホスホグルコネート脱水酵素及び2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコネートアルドラーゼの活性を弱化または不活性化させることにより、L−トリプトファン生産能を有するエシェリキア属微生物を提供し、これを用いてL−トリプトファンをより高収率で効率的かつ経済的に製造することができる効果を示す。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳しく説明する。ただし、これらの実施例は、本発明を例示的に説明するためのものに過ぎないため、本発明の範囲がこれら実施例により限定されると解釈されてはならない。
比較例1:ΔpheAΔtrpRΔmtrΔtnaAB/pCL1920−Ptrc−trpOである親菌株の製作
(1)pheA、trpR、mtr及びtnaAB遺伝子によりコードされるタンパク質が不活性化された野生型菌株の製作
親菌株のトリプトファン生合成経路を強化するために、競争経路の遺伝子であるpheA、トリプトファンオペロンと方向性経路の調節者であるtrpR、トリプトファン流入遺伝子であるmtr、トリプトファン流入及び分解遺伝子であるtnaA及びtnaBのすべてを不活性化させ、本発明のトリプトファン生産能をよりよく確認できるようにした。大腸菌W3110(ATCC 39936TM)においてpheA遺伝子によりコードされるchorismate mutase/prephenate hydratase;trpR遺伝子によりコードされるtrpR transcriptional repressor;mtr遺伝子によりコードされるtryptophan/Indole:H+ symporter;tnaA及びtnaB遺伝子によりコードされるオペロン形態のtryptophanase及びtrpytpophan:H+ symporterを遺伝子相同組換えにより、すべて不活性化させた。このため、Datsenko KAらが開発したラムダレッド組換え酵素(lambda Red recombinase)を用いた1段階不活性化(one step inactivation)の方法を使用し(One-step inactivation of chromosomal genes in Escherichia coli K-12 using PCR products, Datsenko KA, Wanner BL., Proc Natl Acad Sci USA, 2000, Jun 6; 97(12): 6640-5)、韓国登録特許第10−0792095号公報に基づいて不活性化を進めた。本比較例1を含め、後述する比較例2及び実施例1、3で使用されたプライマーの配列は下記表3に示した。
具体的には、配列番号6の配列を有するpheA遺伝子の一部分とpKD3遺伝子のクロラムフェニコール(Chloramphenicol)耐性遺伝子の一部の塩基配列を有するプライマー1及び2を利用してpKD3を鋳型にしてPCR法により約1,100対の遺伝子断片を増幅した。その後、上記PCR増幅を通じて得られたDNA断片を0.8%のアガロースゲルで電気泳動した後、溶離して2次PCRの鋳型として使用した。その後、大腸菌pheA遺伝子の5’及び3’DNA断片を得るために、プライマー3と4、プライマー5と6を用いて大腸菌W3110の染色体を鋳型としてPCR法により約250対の遺伝子断片を、それぞれ増幅した。その後、上記PCR増幅を通じて得られたDNA断片を0.8%のアガロースゲルで電気泳動した後、溶離して2次PCRの鋳型として使用した。
上記において、プライマー1と4の18対の塩基配列が相補的であり、プライマー2と5の20対の塩基配列が相補的であるため、プライマー1と2を利用して得られた断片、プライマー3と4で得られた断片、プライマー5と6で得られた断片は、一つの断片で連結されることができる。上記得られたPCR断片をプライマーなしに5回PCR法で増幅した後、プライマー3と6を添加した後、再び25回PCR法で増幅した。その結果、約1,600塩基対の大きさの遺伝子断片が増幅された。
その後、Datsenko KAらが開発した方法によりpKD46で形質転換された大腸菌W3110をコンピテント細胞として製作した後、PCRで得られた1,600塩基対の大きさの遺伝子断片を流入してクロラムフェニコールが含有された(30mg/L)LB固体培地に塗抹した。得られた菌株は、再びプライマー3と6を用いたPCR法で得られた大きさが1,600塩基対でpheAが不活性化されたことを確認し、W3110ΔpheA菌株を作製した。
上記のような方法で配列番号8の配列を有するtrpR、配列番号10の配列を有するmtr、配列番号12と14の配列を有するtnaAB遺伝子によりコードされるタンパク質を下記表3のプライマーを用いて不活性化させ、W3110ΔpheAΔtrpRΔmtrΔtnaAB菌株を作製した。
(2)トリプトファン生産能を示す遺伝子が導入されたベクターの作製
前記製造されたW3110ΔpheAΔtrpRΔmtrΔtnaAB野生型菌株にトリプトファン生産能を付与するためにpCL1920ベクターにPtrcプロモーター及びトリプトファンオペロンの遺伝子を挿入して組換えベクターpCL1920−Ptrc−trpOを作製した。
具体的には、PtrcプロモーターをpCL1920ベクターに挿入するためにpCL1920のプラスミドを回収し、制限酵素HindIII及びPstIで処理して準備し、PtrcプロモーターはpTrcHis B(invitrogen、USA)ベクターを鋳型にし、プライマー23と24を利用して94℃で30秒間の変性、58℃で30秒間のアニーリング、72℃で30秒間重合する条件を30回繰り返すPCR法により準備した。上記準備されたPtrcプロモーター断片は、制限酵素HindIII及びPstIで切断した後、pCL1920とライゲーションしてpCL1920−Ptrcベクターを作製した。
その後、pCL1920_Ptrc_trpOベクターを製作するために、pCL1920_Ptrcベクターは、PstI及びアルカリフォスファターゼ(Alkaline phosphatase)処理して準備し、トリプトファンオペロンの遺伝子は、大腸菌KCCM10812P(韓国登録特許第10−0792095号公報)の染色体DNAから増幅した。該当オペロン遺伝子の第一の遺伝子であるtrpE遺伝子は、フィードバック抵抗性の形態を有する。増幅のために、大腸菌KCCM10812Pの染色体DNAを鋳型としてプライマー25と26を用いて94℃で30秒間の変性、58℃で30秒間のアニーリング、72℃で5分間重合する条件を30回繰り返すPCR法を行った。上記得られたDNA断片は、PstIで処理して準備されたpCL1920_Ptrcベクターとライゲーションし、その結果として得られたベクターをpCL1920_Ptrc_trpO(配列番号15)と命名した。
(3)トリプトファンオペロンを含むベクターが挿入された菌株の作製
比較例1の(1)で製作された菌株をコンピテント細胞に製作した後、比較例1の(2)で作成したベクターを導入してトリプトファン生産能を有するW3110ΔpheAΔtrpRΔmtrΔtnaAB/pCL1920−Ptrc−trpO野生型菌株を作製した。
実施例1:比較例1の親菌株からΔeddΔedaである菌株の製作
上記比較例1で製作されたW3110ΔpheAΔtrpRΔmtrΔtnaAB/pCL1920−Ptrc−trpO野生型菌株において、edd及びeda遺伝子群を相同組換えにより同時に欠失させることにより、edd(配列番号2)及びeda遺伝子(配列番号4)によりコードされる6ホスホグルコネート脱水酵素及び2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコネートがいずれも不活性化された菌株を作製した。
具体的には、上記菌株を製作するために、Datsenko KAらが開発したラムダレッド組換え酵素を用いた変異体製作技法である第1段階不活性化方法を使用した。遺伝子の内部への挿入を確認するためのマーカーとしては、pUCprmfmloxCのクロラムフェニコール遺伝子を使用した(韓国公開特許第2009−007554号公報)。上記edd−eda遺伝子群の一部分とpUCprmfmloxC遺伝子のクロラムフェニコール耐性遺伝子の一部の塩基配列を有するプライマー27とプライマー28を利用してpUCprmfmloxCを鋳型にし、94℃で30秒間の変性、55℃で30秒間のアニーリング、72℃で1分間重合する条件を30回繰り返すPCR法により約1,200対の遺伝子断片を増幅した。
また、PCR増幅を通じて得られたDNA断片は、0.8%のagaroseゲル電気泳動後、溶離して2次PCRの鋳型として使用した。2次PCRは、1次DNA断片の5’及び3’領域の20対の相補的塩基配列を有するようにし、edd−eda遺伝子群の5’及び3’領域を加えたプライマー29とプライマー30を利用して溶離された1次PCR産物を鋳型として94℃で30秒間の変性、55℃で30秒間のアニーリング、72℃で1分間重合する条件を30回繰り返すPCR法により約1,300組の遺伝子断片を増幅した。上記過程を経て得られたDNA断片は、0.8%のアガロースゲル電気泳動後、溶離して組換えに使用した。
Datsenko KAらが開発した方法によりpKD46で形質転換された対象大腸菌をコンピテントな状態に製造した後、PCR法で得られた1,300塩基対の大きさの遺伝子断片を流入して形質転換させた。得られた菌株は、クロラムフェニコール耐性を有するLBで選別し、再びプライマー31とプライマー32を用いたPCRで得られた大きさが1,626塩基対でedd−eda遺伝子群が欠失されたことを確認した。
クロラムフェニコール耐性を有する1次組換え菌株は、pKD46を除去した後、pJW168を導入してクロラムフェニコールマーカー遺伝子を菌体から除去した(Gene、(2000)247、255−64)。最終的に得られた菌体は、プライマー31と32でPCRを通じて得られた580対の増幅産物で意図した通り欠失が行われたことを確認した。そして、この菌株をコンピテントな状態に製造した後、比較例1で製作されたベクターを流入して形質転換させ、トリプトファン生産能を有する菌株W3110ΔpheAΔtrpRΔmtrΔtnaABΔeddΔeda/pCL1920−Ptrc−trpOを作製した。
実施例2:ΔeddΔeda菌株のトリプトファン生産能の確認
上記比較例1及び実施例1で製作された菌株を用いて力価評価を行った。力価の評価のために菌体を白金耳で接種した後、LB固体培地で一晩培養し、下記表1の組成を有する25mlのフラスコ力価培地に1白金耳ずつ接種した。菌株接種後、37℃、200rpmで42時間培養し、それから得られた結果を下記表2に示した。すべての結果は、3つのフラスコの結果の平均値を使用した。
上記実験の結果、上記表2で示したように、本発明で提示したedd−eda遺伝子群の欠失時、糖消耗の速度は親菌株である比較例1と有意差がなかったが、トリプトファンの生産量は、親菌株に比べて約32%以上改善されたことが確認された。その結果は、Enter Doudoroff経路の欠失により基質である6−ホスホグルコネートの損失なしにルブロース5ホスフェート(Rubulose 5-phosphate)まで反応が行われたため、NADPHはもちろん、PRPP(5-phosphoribosyl-1-pyrophosphate)及びE4P(Erythrose 4-phosphate)の量が増加し、結果的にトリプトファン生産能力が増加したことが考えられる。
実施例3:寄託された親菌株からΔeddΔedaである菌株の製作
韓国微生物保存センターに寄託されたL−トリプトファン生産大腸菌KCCM11166P(韓国登録特許第10−1261147号公報)を、上記実施例1と同様の方法で処理し、edd−eda遺伝子群が欠失されたKCCM11166PΔeddΔeda菌株を作製した。
実施例4:ΔeddΔeda菌株のトリプトファン生産能の確認
上記寄託菌株KCCM11166P及び実施例3で製作された菌株を用いて力価評価を行った。
力価の評価のために菌体を白金耳で接種した後、LB固体培地で一晩培養し、下記表4の組成を有する25mlのフラスコ力価培地に1白金耳ずつ接種した。菌株接種後、37℃、200rpmで42時間培養し、そこから得られた結果を下記表5に示した。すべての結果は、3つのフラスコの結果の平均値を使用した。
上記実験の結果、上記表5で示したように、本発明で提示したedd−eda遺伝子群の欠失時、糖消耗の速度は、親菌株と有意な差がなかったが、トリプトファンの生産量は、親菌株に比べ約21%以上改善されたことが確認された。この結果は、前記実施例2で言及したことと同様な理由により、トリプトファン生産能力が増加したものと言える。
本発明者らはKCCM11166Pの菌株ベース、edd−eda遺伝子群の不活性化菌株でトリプトファン生産能力が増加することを確認し、上記菌株を「CA04−2800」と命名した後、ブダペスト条約の下で国際寄託機関である韓国微生物保存センター(KCCM)に2013年11月15日に寄託して受託番号KCCM11473Pが与えられた。
上記のような結果は、Entner−Doudoroff経路を有しているエシェリキア属微生物において、edd−eda活性を同時に不活性化させる場合、不活性化させない微生物に比べてトリプトファン生産能の増加されたことを示唆するものである。
本明細書は、本発明の技術分野において通常の知識を有する者であれば、十分に認識して類推することができる内容は、その詳細な記載を省略し、本明細書に記載された具体的な例示以外に、本発明の技術的思想や必須の構成を変更しない範囲内で、より多様な変形が可能である。したがって、本発明は、本明細書で具体的に説明し、例示したものとは異なる方法で行うことができ、これは本発明の技術分野における通常の知識を有する者であれば、理解できる事項である。
寄託機関名:韓国微生物保存センター(国外)
受託番号:KCCM11473P
受託日:20131115

Claims (6)

  1. 内在的6−ホスホグルコネート脱水酵素(6-phosphogluconate dehydratase;edd)及び2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコネートアルドラーゼ(2-keto-3-deoxy-6-phosphogluconate aldolase;eda)の活性が弱化または不活性化される、L−トリプトファン生産能を有するエシェリキア属(Escherichia)微生物。
  2. 前記6−ホスホグルコネート脱水酵素は、配列番号1のアミノ酸配列である、請求項1に記載のL−トリプトファン生産能を有するエシェリキア属微生物。
  3. 前記2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコネートアルドラーゼは、配列番号3のアミノ酸配列である、請求項1に記載のL−トリプトファン生産能を有するエシェリキア属微生物。
  4. 前記エシェリキア属微生物は、大腸菌(Escherichia coli)である、請求項1に記載のL−トリプトファン生産能を有するエシェリキア属微生物。
  5. さらに、pheA、trpR、mtr及びtnaAB遺伝子の全体または一部が欠失した、請求項1に記載のL−トリプトファン生産能を有するエシェリキア属微生物。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のエシェリキア属微生物を培養する段階、及び
    前記培養による培養物または前記微生物からL−トリプトファンを回収する段階を含む、L−トリプトファンの製造方法。
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