JP2019011047A - 動力伝達装置及びバルブユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】ソフトクラッチ機構の摩擦板群やスピンクラッチ機構の摩擦板群を常に冷却することが可能な動力伝達装置及びバルブユニットを提供する。【解決手段】動力入力軸14から出力された動力を減速してサイドクラッチ軸30に伝達可能なソフトクラッチ機構70、及び、動力入力軸14から出力された動力を逆転させてサイドクラッチ軸30に伝達可能なスピンクラッチ機構80が配置された旋回クラッチ軸60と、ソフトクラッチ機構70及びスピンクラッチ機構80に対して、油圧ポンプから吐出された作動油を給排可能なバルブユニット90と、旋回クラッチ軸60に形成された冷却油路66を有し、冷却油路66を介してソフトクラッチ機構70の摩擦板群73及びスピンクラッチ機構80の摩擦板群83に冷却油を供給可能な冷却機構と、が備えられている。【選択図】図1

Description

本発明は、動力源から出力された動力を左右の走行装置に伝達可能に構成され、前記左右の走行装置の速度差によって機体を旋回させることが可能な動力伝達装置、及び、左右の走行装置へ動力を伝達する動力伝達状態と、動力を伝達しない遮断状態とを切り替える左右のサイドクラッチと複数の旋回クラッチとが備えられて複数種の旋回パターンによって旋回を可能にする動力伝達装置に用いられるバルブユニットに関する。
コンバインのように不整地における作業が必要な作業機には、左右一対のクローラ式の走行装置が備えられており、動力源としてのエンジンから出力された動力を動力伝達装置によって左右の走行装置に伝達するように構成されている。
動力伝達装置は、特許文献1に開示されているように、エンジンの動力が入力される動力入力軸と、動力入力軸から出力された動力を、左右の走行装置のうち左側走行装置に伝達可能な左サイドクラッチ機構、及び、前記左右の走行装置のうち右側走行装置に伝達可能な右サイドクラッチ機構が配置されたサイドクラッチ軸と、動力入力軸から出力された動力を減速してサイドクラッチ軸に伝達可能な湿式多板式のソフトクラッチ機構、及び、動力入力軸から出力された動力を逆転させてサイドクラッチ軸に伝達可能な湿式多板式のスピンクラッチ機構が配置された旋回クラッチ軸と、ソフトクラッチ機構及びスピンクラッチ機構に対して作動油を給排可能なバルブユニット等を備えている。
特開2009−78699号公報
このような動力伝達装置は、機体の旋回時には、ソフトクラッチ機構の摩擦板群を滑らせたり、スピンクラッチ機構の摩擦板群を滑らせたりすることによって、左右の走行装置に相対的な速度差を発生させる構成であるため、ソフトクラッチ機構の摩擦板群が焼損したり、スピンクラッチ機構の摩擦板群が焼損したりする虞があった。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたもので、ソフトクラッチ機構の摩擦板群やスピンクラッチ機構の摩擦板群を常に冷却することが可能な動力伝達装置及びバルブユニットを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するための、本発明に係る動力伝達装置の特徴構成は、動力源から出力された動力を左右の走行装置に伝達可能に構成され、前記左右の走行装置の速度差によって機体を旋回させることが可能な動力伝達装置であって、前記動力源の動力が入力される動力入力軸と、前記動力入力軸から出力された動力を、前記左右の走行装置のうち左側走行装置に伝達可能な左サイドクラッチ機構、及び、前記左右の走行装置のうち右側走行装置に伝達可能な右サイドクラッチ機構が配置されたサイドクラッチ軸と、前記動力入力軸から出力された動力を減速して前記サイドクラッチ軸に伝達可能な湿式多板式のソフトクラッチ機構、及び、前記動力入力軸から出力された動力を逆転させて前記サイドクラッチ軸に伝達可能な湿式多板式のスピンクラッチ機構が配置された旋回クラッチ軸と、前記ソフトクラッチ機構及び前記スピンクラッチ機構に対して、油圧ポンプから吐出された作動油を給排可能なバルブユニットと、前記旋回クラッチ軸に形成された冷却油路を有し、前記冷却油路を介して前記ソフトクラッチ機構の摩擦板群及び前記スピンクラッチ機構の摩擦板群に冷却油を供給可能な冷却機構と、が備えられている点にある。
上述の構成によると、冷却機構によって、冷却油路を介してソフトクラッチ機構の摩擦板群やスピンクラッチ機構の摩擦板群に常に冷却油を供給することができる。ソフトクラッチ機構の摩擦板群やスピンクラッチ機構の摩擦板群は、常に供給される冷却油によって常に冷却されるため、機体の旋回時における摩擦板群の滑りによって発生する摩擦熱による焼損の虞が低減される。なお、冷却機構は専用のものであってもよいし、例えばバルブユニットを冷却機構として機能させてもよい。
本発明においては、前記バルブユニットは、前記左サイドクラッチ機構及び前記右サイドクラッチ機構に対して作動油を給排するように構成され、前記バルブユニットに、前記油圧ポンプから吐出された作動油を、前記左サイドクラッチ機構及び前記右サイドクラッチ機構に供給する油圧回路と、前記油圧回路に設けられたアンロードバルブ及びリリーフバルブと、が備えられ、前記バルブユニットは、前記アンロードバルブ及び前記リリーフバルブのいずれか一方又は両方から排出された作動油を、前記冷却油として前記冷却油路に供給するように構成されていると好適である。
左サイドクラッチ機構及び右サイドクラッチ機構に対して供給される作動油は、油圧ポンプにより加圧されている。この作動油の圧力から油圧回路を保護するためにアンロードバルブ及びリリーフバルブが備えられている。なお、アンロードバルブは、油圧回路の内部の油圧が所定値以上となると油圧回路を無負荷状態とするように構成され、リリーフバルブは、油圧回路の内部の油圧を規定値に維持するように構成されている。
したがって、アンロードバルブやリリーフバルブから排出される作動油はそれなりの圧力を有する。そして、この油圧を利用して、作動油を冷却油として冷却油路に供給することができるため、冷却油を供給するための油圧ポンプを別に備える必要がない。バルブユニットを冷却機構として機能させることができるため、動力伝達装置を全体として小型化することができる。
本発明においては、前記左サイドクラッチ機構、前記右サイドクラッチ機構、前記ソフトクラッチ機構及び前記スピンクラッチ機構を収容する本体ケーシングと、前記アンロードバルブ及び前記リリーフバルブを収容するユニットケーシングと、が備えられ、前記ユニットケーシングは、開口部を有する空洞部が備えられるとともに、前記本体ケーシングの外面によって前記開口部が塞がれるように、前記本体ケーシングに取り付けられ、前記空洞部は、隔壁によって、第一油室と第二油室とに区画されていると好適である。
上述の構成によると、バルブユニットを本体ケーシングに取り付けるだけで、ユニットケーシングに備えられた空洞部を油室として機能させることができるため、別に専用の油室を設ける必要がなくなることから、動力伝達装置を全体として小型化することができる。
油圧ポンプから吐出された作動油は、左サイドクラッチ機構、右サイドクラッチ機構、ソフトクラッチ機構、及びスピンクラッチ機構への供給前は圧力が高く、同様にしたがって、アンロードバルブやリリーフバルブから排出された作動油も圧力が高い。
これに対して、左サイドクラッチ機構、右サイドクラッチ機構、ソフトクラッチ機構、及びスピンクラッチ機構から排出される作動油は、圧力が低い。
バルブユニットに、一つの油室のみが備えられている構成であると、アンロードバルブ及びリリーフバルブから排出された作動油と、左サイドクラッチ機構、右サイドクラッチ機構、ソフトクラッチ機構、及びスピンクラッチ機構から排出された作動油とが、その一つの油室に回収されるため、アンロードバルブ及びリリーフバルブから排出された作動油が有する高い圧力を有効に利用することができない。
上述のように、空洞部を、隔壁により第一油室と第二油室とに区画することによって、左サイドクラッチ機構、右サイドクラッチ機構、ソフトクラッチ機構、及びスピンクラッチ機構から排出された圧力の低い作動油をいずれか一方の油室に回収し、アンロードバルブ及びリリーフバルブから排出された圧力の高い作動油をいずれか他方の油室に回収することができる。したがって、アンロードバルブ及びリリーフバルブから排出された作動油が有する高い圧力を有効に利用することができる。
本発明においては、前記油圧回路に、前記左サイドクラッチ機構に対する作動油の給排を制御する左サイドクラッチバルブと、前記右サイドクラッチ機構に対する作動油の給排を制御する右サイドクラッチバルブと、前記ソフトクラッチ機構及び前記スピンクラッチ機構に対する作動油の給排を制御する旋回クラッチバルブとが備えられ、前記第一油室に、前記左サイドクラッチバルブ、前記右サイドクラッチバルブ及び前記旋回クラッチバルブのそれぞれに設けられたドレンポートが接続され、前記第二油室に、前記アンロードバルブ及び前記リリーフバルブのそれぞれに設けられたドレンポートが接続されていると好適である。
第一油室には、左サイドクラッチ機構、右サイドクラッチ機構、ソフトクラッチ機構、及びスピンクラッチ機構から排出された圧力の低い作動油が排出される。この作動油は、本体ケーシングに潤滑油として供給することができる。
第二油室には、バルブユニットの油圧ポンプにより加圧された作動油が、アンロードバルブ及びリリーフバルブを介して排出される。この第二油室に排出された作動油を、ソフトクラッチ機構の摩擦板群やスピンクラッチ機構の摩擦板群の冷却油として冷却油路に供給することができる。
本発明においては、前記サイドクラッチ軸の一端部及び前記旋回クラッチ軸の一端部が、前記本体ケーシングから突出するように構成され、前記ユニットケーシングは、前記サイドクラッチ軸の一端部及び前記旋回クラッチ軸の一端部に跨るように配置され、前記油圧回路に、前記ソフトクラッチ機構と前記スピンクラッチ機構とに対する作動油の給排を切り替える切替バルブが備えられ、前記左サイドクラッチバルブ、前記右サイドクラッチバルブ、前記旋回クラッチバルブ、前記切替バルブ、及び、前記アンロードバルブは、直動式の多ポートソレノイドバルブから構成されるとともに、スプールの可動方向が平行となるように構成され、前記左サイドクラッチバルブ、前記右サイドクラッチバルブ、及び、前記アンロードバルブは、前記ユニットケーシングの外周部のうち前記サイドクラッチ軸の前記一端部に近い箇所に配置され、前記旋回クラッチバルブ及び前記切替バルブは、前記ユニットケーシングの外周部のうち前記旋回クラッチ軸の前記一端部に近い箇所に配置されていると好適である。
各バルブを、各バルブに備えられたスプールの可動方向が平行となるように配置することによって、各バルブに備えられたソレノイドへの給電線の配線が容易となる。さらに、各バルブの取り付け部や、ユニットケーシングの内部に備えられる各油路の配置を簡単にできるため、バルブユニットを全体として小型化することができる。いずれかのバルブが故障したときでも、バルブユニットを本体ケーシングから取り外すことなく、故障したバルブのみの交換が可能となる。
本発明においては、前記油圧回路に、前記左サイドクラッチ機構及び前記右サイドクラッチ機構を作動させた後の作動油を、前記旋回クラッチバルブに供給する供給油路が備えられ、前記供給油路にフィルタが備えられ、前記ユニットケーシングの外周部に、前記供給油路に連通する点検口が備えられ、前記フィルタは、前記点検口を介して交換可能に構成されていると好適である。
上述の構成によると、フィルタを、ユニットケーシングの外部から交換することができる。
本発明においては、前記隔壁は、前記ユニットケーシング及び前記本体ケーシングのいずれか一方又は両方に備えられていると好適である。
上述の構成によると、隔壁の備え方に自由度が増す。
上述の目的を達成するための、本発明に係るバルブユニットの特徴構成は、左右の走行装置へ動力を伝達する動力伝達状態と、動力を伝達しない遮断状態とを切り替える左右のサイドクラッチと複数の旋回クラッチとが備えられて複数種の旋回パターンによって旋回を可能にする動力伝達装置に用いられるバルブユニットであって、前記左右のサイドクラッチ及び前記旋回クラッチに対して作動油を給排する油圧回路と、前記油圧回路に設けられたアンロードバルブ及びリリーフバルブと、が備えられ、前記左右のサイドクラッチ及び前記旋回クラッチを作動させた後の作動油が流入する第一油室と、前記アンロードバルブ及び前記リリーフバルブからの作動油が流入する第二油室と、が区画されている点にある。
上述の構成によると、ソフトクラッチ機構の摩擦板群やスピンクラッチ機構の摩擦板群を常に冷却することが可能なバルブユニットを提供できる。
動力伝達装置の縦断正面図 油圧回路の説明図 バルブユニットの正面図 図3のIV−IV線断面図 図3のV−V線断面図 図3のVI−VI線断面図 バルブユニットの背面図
以下、本発明に係る動力伝達装置の実施形態を、収穫機の一例としての普通型のコンバインに採用した場合について図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、いずれも本発明の一例であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲において適宜変更設計可能である。
〔全体構成〕
稲や麦などを収穫対象とする普通型のコンバインの機体には、左右の走行装置、機体に対して昇降可能に設けられるとともにコンバインの前進に伴って圃場の穀物を引き起こして刈り取る刈取部、刈取部から送られてきた穀物を受け取り、こぎ胴によって脱穀する脱穀部、脱穀部から送られてきた脱穀処理物を、比重選別等の選別方式によって、選別の目的物であるモミと、排わら等の排出物とに分別する選別部、選別部から送られてきたモミを貯留する貯留部、貯留部に貯留されているモミをコンバインの外部に排出する排出部等の各作業部、各作業部の動力源としてのエンジン、エンジンの動力を各作業部に伝達する収穫機用伝動装置、作業員が搭乗して運転操作を行う操縦部等が備えられている。
収穫機用伝動装置には、エンジンの動力が入力されるベルト式伝達機構、ベルト式伝達機構から出力された動力を無段変速する静油圧式の無段変速装置、該無段変速装置から出力された動力を左右の走行装置に伝達可能に構成され、左右の走行装置の速度差によって機体を旋回させることが可能な動力伝達装置10(図1参照)等が備えられている。
〔動力伝達装置〕
図1に示すように動力伝達装置10は、本体ケーシング11の上部に、無段変速装置の出力軸12がスプライン結合可能な動力入力部13が備えられている。動力入力部13は、本体ケーシング11に軸支された動力入力軸14と、動力入力軸14にスプライン結合された高速ギア15と低速ギア16とから構成されている。
動力入力軸14の下流には、本体ケーシング11に軸支された副変速用伝動軸17が備えられている。副変速用伝動軸17に、高速ギア18と低速ギア19とが相対回転可能に配置されている。高速ギア15と高速ギア18とが噛み合い、低速ギア16と低速ギア19とが噛み合っている。
高速ギア18と低速ギア19との間に、スプライン結合により副変速用伝動軸17と一体回転可能であるとともに、副変速用伝動軸17の軸心方向に沿ってスライド可能なシフタ20が備えられている。シフタ20は、副変速用伝動軸17の軸心方向に沿った位置に応じて高速ギア18や低速ギア19にスプライン結合可能に構成されている。
シフタ20を高速ギア18側にスライドさせ、シフタ20と高速ギア18とをスプライン結合させると、動力入力軸14の回転が高速ギア15、高速ギア18及びシフタ20を介して副変速用伝動軸17に伝達される。
シフタ20を低速ギア19側にスライドさせ、シフタ20と低速ギア19とをスプライン結合させると、動力入力軸14の回転が低速ギア16、低速ギア19及びシフタ20を介して副変速用伝動軸17に伝達される。
このように、シフタ20の位置を、高速ギア18に噛み合う状態と、低速ギア19に噛み合う状態とに切り換えることにより、動力入力軸14の動力が高低二段(高速及び低速)に変速されて、副変速用伝動軸17に伝達される。
副変速用伝動軸17には、直進用伝動ギア21と旋回用伝動ギア22とがスプライン結合により一体回転可能に配置されている。なお、副変速用伝動軸17には、駐車ブレーキ機構23が備えられている。
副変速用伝動軸17の下流には、本体ケーシング11に軸支されたサイドクラッチ軸30と旋回クラッチ軸60とが備えられている。
〔サイドクラッチ軸〕
副変速用伝動軸17に配置された直進用伝動ギア21は、サイドクラッチ軸30にスプライン結合したサイドクラッチ軸入力ギア31と噛み合っており、動力入力軸14の回転が副変速用伝動軸17、直進用伝動ギア21及びサイドクラッチ軸入力ギア31を介してサイドクラッチ軸30に伝達される。
サイドクラッチ軸30には、動力入力軸14から出力された動力を、左右の走行装置のうち左側走行装置に伝達可能な左サイドクラッチ機構40、及び、左右の走行装置のうち右側走行装置に伝達可能な右サイドクラッチ機構50が配置されている。なお、図1において動力伝達装置10は、手前側が機体の正面となるように描かれているため、右方に左サイドクラッチ機構40が配置され、左方に右サイドクラッチ機構50が配置されている。
サイドクラッチ軸30には、左側出力ギア32及び右側出力ギア33がそれぞれ相対回転可能に配置されている。左側出力ギア32は、左側走行装置へ動力を出力する左側伝動ギア24と噛み合っており、右側出力ギア33は、右側走行装置へ動力を出力する右側伝動ギア25と噛み合っている。
〔左サイドクラッチ機構〕
左サイドクラッチ機構40は噛合クラッチから構成されている。サイドクラッチ軸30には、左側出力ギア32の図1における右方に、スプライン結合によりサイドクラッチ軸30と一体回転可能であるとともに、サイドクラッチ軸30の軸心方向に沿ってスライド可能な左噛合部41が備えられている。
左噛合部41は、バネ42により左側出力ギア32と噛み合うように付勢されている。左噛合部41が左側出力ギア32と噛み合うことにより、サイドクラッチ軸30の回転が左噛合部41、左側出力ギア32を介して左側走行装置へ伝達される。このとき、左サイドクラッチ機構40は係合状態(動力伝達状態)という。
本体ケーシング11の左側面(図1における右方の側面)に取り付けられたバルブユニット90から、サイドクラッチ軸30の内部に形成された供給油路34を介して左側出力ギア32と左噛合部41との間に形成された油室43の内部に作動油を供給することによってピストン44が図1における右方へ動き、左噛合部41がバネ42の付勢力に抗して図1における右方へ動くので、左側出力ギア32と左噛合部41との噛み合いが解除される。このとき、サイドクラッチ軸30の回転は左噛合部41を介しては左側出力ギア32へ伝達されない。このとき、左サイドクラッチ機構40は係合解除状態(遮断状態)という。なお、油室43に供給された所定量以上の作動油は、サイドクラッチ軸30の内部に形成された返送油路36を介してバルブユニット90に返送される。
油室43への作動油の供給を停止すると、バネ42の付勢力により左噛合部41が図1における左方へ移動させられ、左噛合部41と左側出力ギア32とが噛み合う。これに伴って、ピストン44も図1における左方へ移動させられるので、作動油は油室43から排出される。この作動油は供給油路34を介してバルブユニット90に返送される。
〔右サイドクラッチ機構〕
右サイドクラッチ機構50は噛合クラッチから構成されている。サイドクラッチ軸30には、右側出力ギア33の図1における左方に、スプライン結合によりサイドクラッチ軸30と一体回転可能であるとともに、サイドクラッチ軸30の軸心方向に沿ってスライド可能な右噛合部51が備えられている。
右噛合部51は、バネ52により右側出力ギア33と噛み合うように付勢されている。右噛合部51が右側出力ギア33と噛み合うことにより、サイドクラッチ軸30の回転が右噛合部51、右側出力ギア33を介して右側走行装置へ伝達される。このとき、右サイドクラッチ機構50は係合状態(動力伝達状態)という。
バルブユニット90から、サイドクラッチ軸30の内部に形成された供給油路35を介して右側出力ギア33と右噛合部51との間に形成された油室53の内部に作動油を供給することによってピストン54が、図1における左方へ動き、右噛合部51がバネ52の付勢力に抗して図1における左方へ動くので、右側出力ギア33と右噛合部51との噛み合いが解除される。このとき、サイドクラッチ軸30の回転は右噛合部51を介しては右側出力ギア33へ伝達されない。このとき、右サイドクラッチ機構50は係合解除状態(遮断状態)という。なお、油室53に供給された所定量以上の作動油は、サイドクラッチ軸30の内部に形成された返送油路36を介してバルブユニット90に返送される。
油室53への作動油の供給を停止すると、バネ52の付勢力により右噛合部51が図1における右方へ移動させられ、右噛合部51と右側出力ギア33とが噛み合う。これに伴って、ピストン54も図1における右方へ移動させられるので、作動油は油室53から排出される。なお、この作動油は供給油路35を介してバルブユニット90に返送される。
左サイドクラッチ機構40及び右サイドクラッチ機構50がともに動力伝達状態であれば、機体は直進走行する。左サイドクラッチ機構40又は右サイドクラッチ機構50のいずれかが遮断状態であれば、以下に説明するように機体は旋回走行する。
〔旋回クラッチ軸〕
旋回クラッチ軸60には、サイドクラッチ軸30に備えられた右噛合部51の外周部に配置された入力中継ギア37と噛み合うソフトクラッチ入力ギア61が相対回転可能に配置されている。
〔ソフトクラッチ機構〕
旋回クラッチ軸60とソフトクラッチ入力ギア61との間には、動力入力軸14から出力された動力を減速してサイドクラッチ軸30に伝達可能な湿式多板式のソフトクラッチ機構70が配置されている。
ソフトクラッチ機構70は、スプライン結合により旋回クラッチ軸60と一体回転可能なクラッチハウジング71、ソフトクラッチ入力ギア61に一体的に設けられ、旋回クラッチ軸60とクラッチハウジング71との間に位置する筒軸72、クラッチハウジング71と相対回転不可能に係合された複数の外側摩擦板と筒軸72と相対回転不可能に係合された複数の内側摩擦板とが交互に配置されて構成される摩擦板群73と、摩擦板群73を押圧操作するピストン74、ピストン74を摩擦板群73から離れる方向に付勢するバネ75等が備えられている。
バルブユニット90から、旋回クラッチ軸60の内部に形成された供給油路62を介してクラッチハウジング71の内部に形成された油室76の内部に作動油を供給することによってピストン74が図1における左方へ動き、摩擦板群73が押圧されて外側摩擦板と内側摩擦板との間の滑りが規制されるため、クラッチハウジング71と筒軸72とは相対回転が規制された動力伝達状態となる。ソフトクラッチ入力ギア61の回転は筒軸72、摩擦板群73、クラッチハウジング71を介して旋回クラッチ軸60に伝達される。なお、摩擦板群73には、供給油路62を介して作動油が冷却油として供給されている。
油室76への作動油の供給を停止すると、バネ75の付勢力によりピストン74が図1における右方へ移動させられ、摩擦板群73の押圧が解除されて外側摩擦板と内側摩擦板との間の滑りが許容され、クラッチハウジング71と筒軸72とは相対回転が許容された遮断状態となる。なお、ピストン74の図1における右方への移動により、作動油は油室76から排出される。なお、この作動油は供給油路62を介して本体ケーシング11の内部に排出される。
〔スピンクラッチ機構〕
副変速用伝動軸17に備えられた旋回用伝動ギア22は、旋回クラッチ軸60に相対回転可能に配置されたスピンクラッチ入力ギア63と噛み合っている。したがって、旋回用伝動ギア22の回転方向とスピンクラッチ入力ギア63の回転方向とは逆である。
旋回クラッチ軸60とスピンクラッチ入力ギア63との間には、動力入力軸14から出力された動力を逆転させてサイドクラッチ軸30に伝達可能な湿式多板式のスピンクラッチ機構80が配置されている。
スピンクラッチ機構80は、スプライン結合により旋回クラッチ軸60と一体回転可能なクラッチハウジング81、スピンクラッチ入力ギア63に一体的に設けられ、旋回クラッチ軸60とクラッチハウジング81との間に位置する筒軸82、クラッチハウジング81と相対回転不可能に係合された複数の外側摩擦板と筒軸82と相対回転不可能に係合された複数の内側摩擦板とが交互に配置された摩擦板群83と、摩擦板群83を押圧操作するピストン84、ピストン84を摩擦板群83から離れる方向に付勢するバネ85等が備えられている。
バルブユニット90から、旋回クラッチ軸60の内部に形成された供給油路64を介してクラッチハウジング81の内部に形成された油室86の内部に作動油を供給することによってピストン84が図1における右方へ動き、摩擦板群83が押圧されて外側摩擦板と内側摩擦板との間の滑りが規制されるため、クラッチハウジング81と筒軸82とは相対回転が規制された動力伝達状態となる。スピンクラッチ入力ギア63の回転は筒軸82、摩擦板群83、クラッチハウジング81を介して旋回クラッチ軸60に伝達される。なお、摩擦板群83には、供給油路64を介して作動油が冷却油として供給されている。
油室86への作動油の供給を停止すると、バネ85の付勢力によりピストン84が図1における左方へ移動させられ、摩擦板群83の押圧が解除されて外側摩擦板と内側摩擦板との間の滑りが許容され、クラッチハウジング81と筒軸82とは相対回転が許容された遮断状態となる。なお、ピストン84の図1における左方への移動により、作動油は油室86から排出される。なお、この作動油は供給油路64を介して本体ケーシング11の内部に排出される。
〔旋回出力ギア〕
旋回クラッチ軸60には、クラッチハウジング71とクラッチハウジング81との間に、スプライン結合により旋回出力ギア65が一体回転可能に配置されている。旋回出力ギア65は、サイドクラッチ軸30にそれぞれ相対回転可能に配置された左側出力ギア32と右側出力ギア33との間に、サイドクラッチ軸30と相対回転可能に配置された出力中継ギア38に噛み合っている。
ソフトクラッチ機構70又はスピンクラッチ機構80を介して出力された動力は、旋回出力ギア65を介して出力中継ギア38に伝達される。
出力中継ギア38と左側出力ギア32との間には左旋回クラッチ機構45が備えられ、出力中継ギア38と右側出力ギア33との間には右旋回クラッチ機構55が備えられている。
左旋回クラッチ機構45及び右旋回クラッチ機構55はともに湿式多板式のクラッチ機構から構成されている。なお、左旋回クラッチ機構45及び右旋回クラッチ機構55は、複数の摩擦板群が互いに密になるように配置されており、作動油の供給が停止されても半動力伝達状態となるように構成されている。
〔左旋回〕
バルブユニット90から、サイドクラッチ軸30の内部に形成された供給油路34を介して油室43の内部に作動油を供給する際に、左旋回クラッチ機構45に備えられた油室46にも作動油が供給され、複数の摩擦板群の滑りが規制され、左旋回クラッチ機構45は動力伝達状態となる。
このとき、上述のように、左サイドクラッチ機構40は遮断状態であるため、左側出力ギア32には左噛合部41を介した動力の伝達は行われない。
しかし、左側出力ギア32には旋回出力ギア65、出力中継ギア38、及び左旋回クラッチ機構45を介してソフトクラッチ機構70又はスピンクラッチ機構80からの動力が伝達され得る。したがって、左側出力ギア32には、左噛合部41を介して動力が伝達されるときよりも低速の動力又は逆方向の動力が伝達され、機体は左方向に緩旋回又は超信地旋回する。
〔右旋回〕
バルブユニット90から、サイドクラッチ軸30の内部に形成された供給油路35を介して油室53の内部に作動油を供給する際に、右旋回クラッチ機構55に備えられた油室56にも作動油が供給され、複数の摩擦板群の滑りが規制され、右旋回クラッチ機構55は動力伝達状態となる。
このとき、上述のように、右サイドクラッチ機構50は遮断状態であるため、右側出力ギア33には、右噛合部51を介した動力の伝達は行われない。
しかし、右側出力ギア33には旋回出力ギア65、出力中継ギア38、及び右旋回クラッチ機構55を介してソフトクラッチ機構70又はスピンクラッチ機構80からの動力が伝達され得る。したがって、右側出力ギア33には、右噛合部51を介して動力が伝達されるときよりも低速の動力又は逆方向の動力が伝達され、機体は右方向に緩旋回又は超信地旋回する。
本体ケーシング11には、無段変速装置の出力軸12から出力される動力によって駆動する油圧ポンプ26(図2参照)が取り付けられている。油圧ポンプ26は、本体ケーシング11の内部に貯留された潤滑油を吸引し、バルブユニット90に作動油として供給するように構成されている。
〔バルブユニット〕
バルブユニット90は、左右の走行装置へ動力を伝達する動力伝達状態と、動力を伝達しない遮断状態とを切り替える左右のサイドクラッチと複数の旋回クラッチとが備えられて複数種の旋回パターンによって旋回を可能にする動力伝達装置10に用いられるものであって、本実施形態においては、図2から図7に示すように、油圧ポンプ26から吐出された作動油を左サイドクラッチ機構40、右サイドクラッチ機構50、ソフトクラッチ機構70、スピンクラッチ機構80、左旋回クラッチ機構45及び右旋回クラッチ機構55のそれぞれに給排する油圧回路92を備えている。
油圧回路92に、左サイドクラッチ機構40に対する作動油の給排を制御する左サイドクラッチバルブV1と、右サイドクラッチ機構50に対する作動油の給排を制御する右サイドクラッチバルブV2と、ソフトクラッチ機構70及びスピンクラッチ機構80に対する作動油の給排を制御する旋回クラッチバルブV3と、ソフトクラッチ機構70とスピンクラッチ機構80とに対する作動油の給排を切り替える切替バルブV4と、油圧回路92の内部の油圧が所定値以上となると油圧回路92を無負荷状態とするアンロードバルブV5と、油圧回路92の内部の油圧を規定値に維持するリリーフバルブV6と、が備えられている。
特に、左サイドクラッチバルブV1、右サイドクラッチバルブV2、旋回クラッチバルブV3、切替バルブV4、及び、アンロードバルブV5は、直動式の多ポートソレノイドバルブから構成されている。なお、各バルブの作動は、図示しない制御装置によって制御される。
図1に示すように、サイドクラッチ軸30の一端部及び旋回クラッチ軸60の一端部は、本体ケーシング11から突出するように構成され、図4及び図6に示すように、バルブユニット90の各バルブを収容するユニットケーシング91は、サイドクラッチ軸30の一端部及び旋回クラッチ軸60の一端部に跨るように配置されている。
ユニットケーシング91は、鋳造により製造され、上述した左サイドクラッチバルブV1、右サイドクラッチバルブV2、旋回クラッチバルブV3、切替バルブV4、及び、アンロードバルブV5の取り付け部や、以下に説明する各油路が切削により形成されている。
図3から図7に示すように、ユニットケーシング91には、左サイドクラッチバルブV1、右サイドクラッチバルブV2、旋回クラッチバルブV3、切替バルブV4、及び、アンロードバルブV5のスプールの可動方向が平行となるように配置されている。
左サイドクラッチバルブV1、右サイドクラッチバルブV2、及び、アンロードバルブV5は、ユニットケーシング91の外周部のうちサイドクラッチ軸30の一端部の挿入部93に近い箇所に配置されている。したがって、左サイドクラッチバルブV1、右サイドクラッチバルブV2、及び、アンロードバルブV5に備えられた各ソレノイドへの給電線の配線が容易である。
旋回クラッチバルブV3及び切替バルブV4は、ユニットケーシング91の外周部のうち旋回クラッチ軸60の一端部の挿入部94に近い箇所に配置されている。したがって、旋回クラッチバルブV3及び切替バルブV4に備えられた各ソレノイドへの給電線の配線が容易である。
さらに、各バルブの取り付け部や、ユニットケーシング91の内部に備えられる各油路の配置を簡単にできるため、バルブユニット90を全体として小型化することができる。いずれかのバルブが故障したときでも、バルブユニット90を本体ケーシング11から取り外すことなく、故障したバルブのみの交換が可能となる。
ユニットケーシング91は、開口部を有する空洞部Cが備えられるとともに、本体ケーシング11の外面によって開口部が塞がれるように、本体ケーシング11に取り付けられる。空洞部Cは、ユニットケーシング91に一体的に備えられた隔壁95(図7参照)によって、第一油室C1と第二油室C2とに区画されている。
バルブユニット90を本体ケーシング11に取り付けるだけで、ユニットケーシング91に備えられた空洞部Cを、第一油室C1や第二油室C2として機能させることができるため、別に専用の油室を設ける必要がなくなることから、動力伝達装置10を全体として小型化することができる。
ユニットケーシング91には、油圧ポンプ26から吐出された作動油の入力部99が備えられている。
図2、図4、及び図6に示すように、ユニットケーシング91には入力部99から、左サイドクラッチバルブV1、右サイドクラッチバルブV2、アンロードバルブV5、及び、リリーフバルブV6の各入力ポートP1,P2,P5,P6へと作動油を供給する入力油路L1が備えられている。
図2及び図6に示すように、左サイドクラッチバルブV1の給排ポートA1は、ユニットケーシング91に設けられたサイドクラッチ軸30の一端部の挿入部93において、サイドクラッチ軸30に形成された供給油路34に作動油を給排する給排油路L2に連通している。左サイドクラッチバルブV1のドレンポートT1は、排出油路L3を介して第一油室C1に連通している。
図2及び図5に示すように、右サイドクラッチバルブV2の給排ポートA2は、ユニットケーシング91に設けられたサイドクラッチ軸30の一端部の挿入部93において、サイドクラッチ軸30に形成された供給油路35に作動油を給排する給排油路L4に連通している。右サイドクラッチバルブV2のドレンポートT2は、排出油路L5を介して第一油室C1に連通している。
さらに、図6に示すように、挿入部93において、サイドクラッチ軸30に形成された返送油路36からの作動油を受け入れる供給油路L6が連通している。図2及び図5に示すように、供給油路L6は、旋回クラッチバルブV3の入力ポートP3に連通している。
図2及び図5に示すように、供給油路L6にフィルタ96が備えられている。ユニットケーシング91の外周部に、供給油路L6に連通する点検口97が備えられている。点検口97は、取り外し可能なキャップ98により封止されている。フィルタ96は、点検口97を介して、ユニットケーシング91の外部から交換可能に構成されている。
図2及び図5に示すように、旋回クラッチバルブV3の出力ポートA3は、供給油路L7に連通し、供給油路L7を介して切替バルブV4の入力ポートP4に作動油が供給される。旋回クラッチバルブV3のドレンポートT3は、排出油路L8を介して第一油室C1に連通している。
図2及び図4に示すように、切替バルブV4の出力ポートA4は、ユニットケーシング91に設けられた旋回クラッチ軸60の一端部の挿入部94において、旋回クラッチ軸60に形成された供給油路62に作動油を供給する供給油路L9に連通している。
図2及び図4に示すように、切替バルブV4の出力ポートB4は、ユニットケーシング91に設けられた旋回クラッチ軸60の一端部の挿入部94において、旋回クラッチ軸60に形成された供給油路64に作動油を供給する供給油路L10に連通している。
上述のように、第一油室C1に、左サイドクラッチバルブV1に設けられたドレンポートT1に連通した排出油路L3、右サイドクラッチバルブV2に設けられたドレンポートT2に連通した排出油路L5、及び旋回クラッチバルブV3に設けられたドレンポートT3に連通した排出油路L8が接続されている。
図2に示すように、本体ケーシング11の側面には、第一油室C1と連通するドレン口27が備えられ、第一油室C1に排出された作動油は、ドレン口27を介して本体ケーシング11の内部に排出され、潤滑油として利用される。
図2及び図4に示すように、第二油室C2に、アンロードバルブV5に設けられた出力ポートA5(及びドレンポートT5)に連通した排出油路L11が接続され、排出油路L11にはリリーフバルブV6に設けられたドレンポートT6に連通した排出油路L12が連通している。
第二油室C2は、本体ケーシング11と、旋回クラッチ軸60のシール付軸受部により隔たれている。旋回クラッチ軸60の内部に形成された冷却油路66は第二油室C2の内部において開放端が形成されている。第二油室C2の作動油は、該開放端から冷却油路66に供給される。
機体の直進時には、第二油室C2には、油圧ポンプ26から吐出された作動油のほぼ全量が、少なくともアンロードバルブV5又はリリーフバルブV6のいずれか一方又は両方から供給される。機体の旋回時であっても、第二油室C2には、油圧ポンプ26から吐出された作動油の一部が、アンロードバルブV5又はリリーフバルブV6のいずれか一方又は両方から供給される。
第二油室C2には、油圧ポンプ26から吐出された油圧の高い作動油のうち少なくとも一部が常に供給され、この作動油が冷却油として、前記開放端から旋回クラッチ軸60の内部に形成された冷却油路66を通り、ソフトクラッチ機構70の摩擦板群73及びスピンクラッチ機構80の摩擦板群83に供給される。これにより、ソフトクラッチ機構70の摩擦板群73及びスピンクラッチ機構80の摩擦板群83は、ソフトクラッチ機構70やスピンクラッチ機構80が動力伝達状態であるときに限らず、遮断状態であるときであっても、常に冷却される。機体の旋回時における摩擦板群73の滑りや、摩擦板群83の滑りによって発生する摩擦熱による焼損の虞が低減される。
このように、バルブユニット90は、アンロードバルブV5及びリリーフバルブV6のいずれか一方又は両方から排出された作動油を、冷却油として冷却油路66に供給する冷却機構としても機能するように構成されている。なお、冷却機構は、バルブユニット90とは別に備えられた冷却専用の機構であってもよい。
上述した実施形態においては、隔壁95は、ユニットケーシング91に一体的に備えられている場合について説明したが、これに限らない。隔壁95は、本体ケーシング11に一体的に備えられていてもよいし、ユニットケーシング91及び本体ケーシング11のそれぞれに備えられてもよい。また、隔壁95は、ユニットケーシング91及び本体ケーシング11のいずれか一方又は両方に別体的に備えられていてもよい。
上述した実施形態において、本発明に係る動力伝達装置が、普通型のコンバインに採用された場合について説明したが、収穫機としては自脱型のコンバインでもよく、コンバイン以外にもトウモロコシ収穫機等の種々の収穫機に適用することができる。
10 :動力伝達装置
11 :本体ケーシング
14 :動力入力軸
26 :油圧ポンプ
30 :サイドクラッチ軸
40 :左サイドクラッチ機構
50 :右サイドクラッチ機構
60 :旋回クラッチ軸
66 :冷却油路
70 :ソフトクラッチ機構
73 :摩擦板群
80 :スピンクラッチ機構
83 :摩擦板群
90 :バルブユニット
91 :ユニットケーシング
92 :油圧回路
95 :隔壁
96 :フィルタ
97 :点検口
C :空洞部
C1 :第一油室
C2 :第二油室
L6 :供給油路
T1 :ドレンポート
T2 :ドレンポート
T3 :ドレンポート
T5 :ドレンポート
T6 :ドレンポート
V1 :左サイドクラッチバルブ
V2 :右サイドクラッチバルブ
V3 :旋回クラッチバルブ
V4 :切替バルブ
V5 :アンロードバルブ
V6 :リリーフバルブ

Claims (8)

  1. 動力源から出力された動力を左右の走行装置に伝達可能に構成され、前記左右の走行装置の速度差によって機体を旋回させることが可能な動力伝達装置であって、
    前記動力源の動力が入力される動力入力軸と、
    前記動力入力軸から出力された動力を、前記左右の走行装置のうち左側走行装置に伝達可能な左サイドクラッチ機構、及び、前記左右の走行装置のうち右側走行装置に伝達可能な右サイドクラッチ機構が配置されたサイドクラッチ軸と、
    前記動力入力軸から出力された動力を減速して前記サイドクラッチ軸に伝達可能な湿式多板式のソフトクラッチ機構、及び、前記動力入力軸から出力された動力を逆転させて前記サイドクラッチ軸に伝達可能な湿式多板式のスピンクラッチ機構が配置された旋回クラッチ軸と、
    前記ソフトクラッチ機構及び前記スピンクラッチ機構に対して、油圧ポンプから吐出された作動油を給排可能なバルブユニットと、
    前記旋回クラッチ軸に形成された冷却油路を有し、前記冷却油路を介して前記ソフトクラッチ機構の摩擦板群及び前記スピンクラッチ機構の摩擦板群に冷却油を供給可能な冷却機構と、が備えられている動力伝達装置。
  2. 前記バルブユニットは、前記左サイドクラッチ機構及び前記右サイドクラッチ機構に対して作動油を給排するように構成され、
    前記バルブユニットに、前記油圧ポンプから吐出された作動油を、前記左サイドクラッチ機構及び前記右サイドクラッチ機構に供給する油圧回路と、前記油圧回路に設けられたアンロードバルブ及びリリーフバルブと、が備えられ、
    前記バルブユニットは、前記アンロードバルブ及び前記リリーフバルブのいずれか一方又は両方から排出された作動油を、前記冷却油として前記冷却油路に供給するように構成されている請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記左サイドクラッチ機構、前記右サイドクラッチ機構、前記ソフトクラッチ機構及び前記スピンクラッチ機構を収容する本体ケーシングと、
    前記アンロードバルブ及び前記リリーフバルブを収容するユニットケーシングと、が備えられ、
    前記ユニットケーシングは、開口部を有する空洞部が備えられるとともに、前記本体ケーシングの外面によって前記開口部が塞がれるように、前記本体ケーシングに取り付けられ、
    前記空洞部は、隔壁によって、第一油室と第二油室とに区画されている請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記油圧回路に、前記左サイドクラッチ機構に対する作動油の給排を制御する左サイドクラッチバルブと、前記右サイドクラッチ機構に対する作動油の給排を制御する右サイドクラッチバルブと、前記ソフトクラッチ機構及び前記スピンクラッチ機構に対する作動油の給排を制御する旋回クラッチバルブとが備えられ、
    前記第一油室に、前記左サイドクラッチバルブ、前記右サイドクラッチバルブ及び前記旋回クラッチバルブのそれぞれに設けられたドレンポートが接続され、
    前記第二油室に、前記アンロードバルブ及び前記リリーフバルブのそれぞれに設けられたドレンポートが接続されている請求項3に記載の動力伝達装置。
  5. 前記サイドクラッチ軸の一端部及び前記旋回クラッチ軸の一端部が、前記本体ケーシングから突出するように構成され、
    前記ユニットケーシングは、前記サイドクラッチ軸の一端部及び前記旋回クラッチ軸の一端部に跨るように配置され、
    前記油圧回路に、前記ソフトクラッチ機構と前記スピンクラッチ機構とに対する作動油の給排を切り替える切替バルブが備えられ、
    前記左サイドクラッチバルブ、前記右サイドクラッチバルブ、前記旋回クラッチバルブ、前記切替バルブ、及び、前記アンロードバルブは、直動式の多ポートソレノイドバルブから構成されるとともに、スプールの可動方向が平行となるように構成され、
    前記左サイドクラッチバルブ、前記右サイドクラッチバルブ、及び、前記アンロードバルブは、前記ユニットケーシングの外周部のうち前記サイドクラッチ軸の前記一端部に近い箇所に配置され、
    前記旋回クラッチバルブ及び前記切替バルブは、前記ユニットケーシングの外周部のうち前記旋回クラッチ軸の前記一端部に近い箇所に配置されている請求項4に記載の動力伝達装置。
  6. 前記油圧回路に、前記左サイドクラッチ機構及び前記右サイドクラッチ機構を作動させた後の作動油を、前記旋回クラッチバルブに供給する供給油路が備えられ、
    前記供給油路にフィルタが備えられ、
    前記ユニットケーシングの外周部に、前記供給油路に連通する点検口が備えられ、
    前記フィルタは、前記点検口を介して交換可能に構成されている請求項4又は5に記載の動力伝達装置。
  7. 前記隔壁は、前記ユニットケーシング及び前記本体ケーシングのいずれか一方又は両方に備えられている請求項3から6のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
  8. 左右の走行装置へ動力を伝達する動力伝達状態と、動力を伝達しない遮断状態とを切り替える左右のサイドクラッチと複数の旋回クラッチとが備えられて複数種の旋回パターンによって旋回を可能にする動力伝達装置に用いられるバルブユニットであって、
    前記左右のサイドクラッチ及び前記旋回クラッチに対して作動油を給排する油圧回路と、
    前記油圧回路に設けられたアンロードバルブ及びリリーフバルブと、が備えられ、
    前記左右のサイドクラッチ及び前記旋回クラッチを作動させた後の作動油が流入する第一油室と、前記アンロードバルブ及び前記リリーフバルブからの作動油が流入する第二油室と、が区画されているバルブユニット。
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