JP2006034192A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、コンバインに関するものである。
農作業機等における作業時に、単一の油圧ポンプから車体の走行を行う走行系回路と各種の作業を行う作業系回路とに圧油を供給して油圧制御を行わせる油圧回路において、従来、走行系回路では、例えば、特許文献1に示す如く、農作業機等において車体の操向旋回を行わせるときは、サイドクラッチを作用させるプッシュシリンダ及び旋回用クラッチを作動させるが、このような作動時に、該旋回用クラッチの作動用として減圧弁,比例減圧弁,シーケンス弁等を集合形成した独立のブロック弁を用いると共に、該プッシュシリンダの作動用として分流弁を介して左右の該シリンダを切替えるプッシュ切替弁を用いる回路構成としているものが開示されている。
しかし、従来の如く、農作業機等において車体の操向旋回を行わせるときに、分流弁を介したプッシュ切替弁の作用によってプッシュシリンダを作動させると共に、独立したブロック弁の作用により旋回用クラッチを作動させるものでは、この旋回用クラッチの作動用としてブロック弁の採用により油圧配管の配管経路は集約化されるものの弁の種類や数量が多く構成も複雑になることや、プッシュシリンダを分流弁を介して作動させていることのため、コストが増大しメンテナンス的にも不都合を生じ易いものであった。
そこで、このような油圧回路構成上におけるコストの増大やメンテナンス時における不都合の改善を行う。
請求項1の発明は、車台(13)の下部側に左右一対の走行クローラ(14)を備えた走行装置(15)を設け、車台(13)の上側に脱穀装置(18)とグレンタンク(17)を搭載し、前記脱穀装置(18)の前方に刈取装置(10)を設け、前記走行装置(15)を駆動する走行用ミッションケース(1)に内装したサイドクラッチ(3)及び旋回用クラッチ(46)の各作用により車体(4)の旋回を行わせる走行系油圧回路(R)を構成し、油圧ポンプ(5)からの圧油により前記サイドクラッチ(3)を作動させるプッシュシリンダ(6)及び前記旋回用クラッチ(46)を各々作動可能に設けると共に、前記プッシュシリンダ(6)を作動させる圧油の送油回路を分岐させ、比例減圧弁(7)を介して旋回用クラッチ(46)へ供給する構成としたことを特徴とするコンバインとする。
このような構成により、油圧ポンプ5からの供給により主リリーフ弁によって設定圧力を保持した圧油を、作動後の圧油排出孔を閉塞したプッシュシリンダ6を作動させる作動圧力として左右のプッシュシリンダ6を切替えるプッシュ切替弁を介して該シリンダ6へ流すと共に、この作動圧力を分岐させた圧油を、比例減圧弁7にて調整を行った設定圧力によって旋回用クラッチ46へ流すことにより、サイドクラッチ3及び旋回用クラッチ46への強力な作動加圧が可能となり、コンバインにおける車体4の旋回を円滑に行わせることができる。
請求項2の発明は、前記プッシュシリンダ(6)作動後の圧油を油タンク(8)へ排出させる排油路(r)に排油リリーフ弁(9)を配設したことを特徴とする請求項1記載のコンバインとする。
このような構成により、油圧ポンプ5からの供給により主リリーフ弁によって設定圧力を保持した圧油を、プッシュシリンダ6を作動させる作動圧力として左右のプッシュシリンダ6を切替えるプッシュ切替弁を介して該シリンダ6へ流し、このシリンダ6の作動後の圧油を、排油リリーフ弁9の設定圧力により抑止する排油路rを介して油タンク8へ排出させると共に、該シリンダ6を作動させる作動圧力を分岐させた圧油を、比例減圧弁7にて調整を行った設定圧力によって旋回用クラッチ46へ流すことにより、サイドクラッチ3及び旋回用クラッチ46への的確な作動加圧が可能となり、コンバインにおける車体4の旋回を円滑に行わせることができる。
請求項1の発明によると、油圧ポンプ5から供給される設定圧力を保持した圧油をプッシュシリンダ6へ流すと共に、この作動圧力を分岐して比例減圧弁7にて調整した設定圧力の圧油を旋回用クラッチ46へ流すことにより、従来の、旋回用クラッチ46を独立のブロック弁で作動させ且つプッシュシリンダ6を分流弁を介して作動させる形態の如く、使用する弁の種類や数量が多く回路の構成も複雑化することがないから、コストの大幅な低減を可能とし、メンテナンス時の心配も少なく、サイドクラッチ3及び旋回用クラッチ46への強力な作動加圧により、車体4の旋回を円滑に行わせることができる。
請求項2の発明によると、油圧ポンプ5から供給される設定圧力を保持した圧油をプッシュシリンダ6へ流し、このシリンダ6の作動後の圧油を排油リリーフ弁9による設定圧力により抑止して油タンク8へ排出させると共に、該シリンダ6の作動圧力を分岐して比例減圧弁7にて調整した設定圧力の圧油を旋回用クラッチ46へ流すことにより、従来の如く、プッシュシリンダ6の作動後の圧油をそのまま油タンク8へ排出させるときのように、該シリンダ6がリークによる圧力降下によって推力不足となりサイドクラッチ3が抜け難くなるということがなく、サイドクラッチ3及び旋回用クラッチ46への的確な作動加圧により、車体4の旋回を円滑に行わせることができる。
コンバインの油圧回路Hの走行系回路Rにおいて、サイドクラッチ3を作用させるプッシュシリンダ6と旋回用クラッチ46の作動により車体4の操向旋回を行わせるとき、リリーフ弁によって設定圧力を保持した圧油をプッシュシリンダ6と比例減圧弁7を介した旋回用クラッチ46へ並列供給させる。また、該プッシュシリンダ6作動後の圧油を排油路rに設けた排油リリーフ弁9の設定圧力により抑止して油タンク8へ排出させる。また、該油圧回路Hの作業系回路Wにおいて、刈取装置10昇降を切替える刈取昇降弁12の弁接続器12aに上昇時の絞りaと下降時の絞りbを内装させる。
以下に、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1はコンバインの全体構成を示すもので、車台13の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ14を張設した走行装置15を配設すると共に、該車台13上に、フィードチェン16に挟持して搬送供給される穀稈を脱穀処理した穀粒を選別回収して一時貯留するグレンタンク17と、このタンク17に貯留された穀粒を機外へ排出する排穀オーガ17aを備えた脱穀装置18を載置配設し、この脱穀装置18の後端部に排藁処理装置18aを装架構成させる。
図1はコンバインの全体構成を示すもので、車台13の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ14を張設した走行装置15を配設すると共に、該車台13上に、フィードチェン16に挟持して搬送供給される穀稈を脱穀処理した穀粒を選別回収して一時貯留するグレンタンク17と、このタンク17に貯留された穀粒を機外へ排出する排穀オーガ17aを備えた脱穀装置18を載置配設し、この脱穀装置18の後端部に排藁処理装置18aを装架構成させる。
該脱穀装置18の前方に、前端側から未刈穀稈を分草する分草体10aと、分草した穀稈を引き起こす引起部10bと、引き起こした穀稈を刈り取る刈刃部10cと、刈り取った穀稈を掻き込むと共に搬送途上において扱深さを調節して該フィードチェン16へ引き継ぎを行う供給調節搬送部10d等を有する刈取装置10を、刈取昇降シリンダ11により土壌面に対して昇降自在なるよう該車台13の前端部へ懸架配設して構成させる。
該刈取装置10の一側にコンバインの操作制御を行う操作装置19と、操作のための操作席20を設け、この操作席20の下方側にエンジン21を搭載し、後方側に前記グレンタンク17を配置すると共に、該操作装置19と操作席20を覆うキャビン22を設け、これら走行装置15,脱穀装置18,刈取装置10,操作装置19,エンジン21,キャビン22等によってコンバインの車体4を構成させる。
該操作席20において、オペレータの操作により車体4の前後進の切替え及び主変速伝動を行う主変速レバー23と、左右側への傾倒操作により直進時の左右操向作用及び各種旋回モードによる旋回作用を行わせるパワステレバー24とを各々該操作装置19の一側に配設して構成させる。
前記走行装置15は車台13の前部側に走行用ミッションケース1を装架しており、このミッションケース1のギヤ連動機構は、図2に示す如く、該ケース1の上部側に該エンジン21によって駆動される油圧式無段変速装置1aを連動可能に接続し、この無段変速装置1aの出力側へ第1軸としての入力軸25を連動連結して構成させる。
該入力軸25に軸止した入力ギヤ25aから、第2軸としての入力中間軸26に軸止した入力中間ギヤ27を介して、第3軸としての変速駆動軸28の一端部に軸止した入力駆動ギヤ29に噛合連動させると共に、同軸28にスプライン等により三連の変速駆動ギヤ30を摺動並びに軸回転可能に構成させる。
該変速駆動ギヤ30に設けるシフター溝に嵌入した副変速シフター31を、シフターステー32の三段クリックストップにより左右摺動させて変速駆動ギヤ30を高速,中速,低速の各位置に位置決め可能に支承して構成させる。なお、該変速駆動軸28の適宜位置に、前記刈取装置10へ送信する回転センサとしての刈取センサギヤ33を軸止して構成させる。
該変速駆動軸28に摺動する変速駆動ギヤ30と、第4軸としての変速伝動軸34に軸止する高速駆動ギヤ35,中速駆動ギヤ36,低速駆動ギヤ37とを各々噛合連動させることによって高速,中速,低速に変速する副変速部を形成させると共に、該変速伝動軸34の中速駆動ギヤ36と低速駆動ギヤ37との間に変速伝動ギヤ38を軸止して構成させる。
該変速伝動軸34の変速伝動ギヤ38と、第5軸としての操向軸39のセンターに軸止する二連の操向センタギヤ2の主ギヤ(大径ギヤ)2aとを噛合連動させるが、この操向センタギヤ2は、図3に示す如く、内径側の左右両面にクラッチ爪2cを設けた主ギヤ2aの一方側のクラッチ爪2cとその取付ベースの外周部zに副ギヤ(小径ギヤ)2bの内周部zを嵌入固着させると共に、該操向センタギヤ2の両側に各々左右のサイドクラッチ3を左右摺動可能に遊転軸承して構成させる。
該左右のサイドクラッチ3は、各々該操向センタギヤ2側に設けたクラッチ爪3aを、クラッチギヤ3bの外端部に設けたシフタ溝3cに嵌入した左右のクラッチシフタ(図示なし)の作用により、該操向センタギヤ2のクラッチ爪2cに各々噛合接続して入・切させ、この切りにより操向及び旋回作用を行わせることができると共に、左右のサイドクラッチ3の接続復帰を補助する左右のリターンスプリング(図示なし)を各々外端部に内装して構成させる。
該操向センタギヤ2の主ギヤ2aと、第6軸としてのクラッチ軸40に遊転軸承する長円筒メタル41の一端部に軸止した直進ギヤ42とを噛合連動させると共に、この長円筒メタル41の他端部に連動クラッチとしての直進用クラッチ43を固定して構成させる。
該操向センタギヤ2の副ギヤ2bと、該長円筒メタル41の外周に重設して遊転軸承させる短円筒メタル44の一端部に軸止した旋回ギヤ45とを噛合連動させると共に、この短円筒メタル44の他端部に連動クラッチとしての旋回用クラッチ46を固定して構成させる。
該直進用クラッチ43と旋回用クラッチ46との間に、直進用クラッチ43を常時作動可能に押圧する押圧バネ47を配設し、該両クラッチ43,46の外枠リング48をクラッチ軸40の一方の軸端部に軸止して構成させる。
該クラッチ軸40の他方の軸端部に軸止した旋回駆動ギヤ49と、差動ギヤ装置においてデファレンシャルギヤ50を内装したデフケース51を回転駆動するデフケースギヤ52とを噛合連動させ、左右方向のデファレンシャルギヤ50を、第7軸としてのデフ支軸53に遊転軸承して構成させる。
該左右方向のデファレンシャルギヤ50のボス部に各々設けた左右のデフ出力ギヤ54と、第8軸としての左右の中間車軸55に各々軸止した中間従動ギヤ56とを噛合連動させると同時に、この左右の中間従動ギヤ56に前記左右のサイドクラッチ3のクラッチギヤ3bを各々噛合連動して構成させる。
該中間車軸55の中間従動ギヤ56に隣接して各々軸止した中間駆動ギヤ57と、第9軸としての左右の車軸58の一端部に軸止した車軸ギヤ59とを各々噛合連動させるると共に、該車軸58の外部他端部に前記走行クローラ14を駆動する左右の走行スプロケット60を各々軸止して構成させる。
図4に示す如く、コンバインの油圧制御作用を行う油圧回路Hは、前記走行用ミッションケース1を作用させる走行系回路(走行系油圧回路)Rと、刈取装置10の昇降,脱穀装置18における排穀オーガ17aの昇降,車体4に対する走行クローラ14のローリング及びピッチング等を作用させる作業系回路Wとによって各々油圧駆動可能に接続構成させている。
該走行系回路Rは、油タンク8から単一の油圧ポンプ5により供給される圧油を主リリーフ弁61を介して設定圧力(一次圧)を保持させ、この圧油を二方向に分岐し、一方の圧油を固定絞り62を経て4ポート3位置切替え電磁弁によるプッシュ切替弁63の切替え作用により、作動後の圧油を排出する排油孔を設けていない左右のプッシュシリンダ6へ各々送油可能に接続して構成させる。
該プッシュシリンダ6へ送油する途中において該固定絞り62の上流位置から分岐させた圧油を、固定絞り64を経て比例減圧弁7の比例による減圧作用により前記旋回用クラッチ46へ送油可能に接続して構成させる。
次に、該作業系回路Wでは、該主リリーフ弁61を介して設定圧力(一次圧)を保持させ、二方向に分岐した他方の圧油を、アンロード回路uを通り該刈取装置10の昇降用として、4ポート3位置切替え電磁弁による刈取昇降弁12の切替え作用により、パイロット逆止弁65及び固定絞り66を経て刈取昇降シリンダ11へ送油可能に構成させる。
該脱穀装置18における排穀オーガ17aの昇降用として、4ポート3位置切替え電磁弁によるオーガ昇降弁67の切替え作用により、パイロット逆止弁68及び固定絞り69を経てオーガ昇降シリンダ70へ送油可能に構成させる。
該車体4の水平制御作用を行う4ポート3位置切替え電磁弁による左右のローリング切替弁71の作用により、各パイロット逆止弁72及び逆止弁付き固定絞り73を経て左右のローリングシリンダ74へ各々送油可能に接続すると共に、4ポート3位置切替え電磁弁によるピッチング切替弁75の作用により、パイロット逆止弁76及び固定絞り77を経てピッチングシリンダ78へ送油可能に接続して構成させる。
エンジン21からの動力を、油圧式無段変速装置1aによる主変速動力を入力軸25に入力連動し、この入力軸25の入力ギヤ25aから入力中間軸26の入力中間ギヤ27を経て変速駆動軸28の入力駆動ギヤ29に連動し、この変速駆動軸28の連動によって三連の変速駆動ギヤ30を副変速シフター31により摺動させ、高速駆動ギヤ35,中速駆動ギヤ36,低速駆動ギヤ37に各々連動させることにより高・中・低速による副変速駆動を行わせる。
この副変速駆動による動力によって車体4を直進させるときは、変速伝動軸34の変速伝動ギヤ38から操向軸39の操向センタギヤ2の主ギヤ2aに連動し、この主ギヤ2a両面のクラッチ爪2cに左右のサイドクラッチ3のクラッチ爪3aを、左右のプッシュシリンダ6を同時に作用させて噛合接続させることにより、該左右のサイドクラッチ3のクラッチギヤ3bから左右の中間従動ギヤ56へ各々噛合連動し、左右の走行スプロケット60を同一回転により駆動し直進走行させる。
一方、該操向軸39の操向センタギヤ2の主ギヤ2aから長円筒メタル41の直進ギヤ42に連動し、この直進ギヤ42から長円筒メタル41を介して押圧バネ47によって常時入りとしている直進用クラッチ43の作用によりクラッチ軸40を駆動させる。
このクラッチ軸40の駆動により旋回駆動ギヤ49から差動ギヤ装置におけるデフケース51のデフケースギヤ52に連動すると共に、このデフケースギヤ52からデファレンシャルギヤ50の作用により差動連動される左右のデフ出力ギヤ54を、前記左右の中間従動ギヤ56の回転に対し各々同速回転となるよう組合せを行い直進走行可能に連動させる。この連動により該サイドクラッチ3の入切によるショックを緩和することができる。
次に、車体4を旋回させるときは、該操向軸39の操向センタギヤ2の副ギヤ2bから短円筒メタル44の旋回ギヤ45へ連動し、この旋回ギヤ45から短円筒メタル44を介して旋回用クラッチ46を、比例減圧弁7にて調整した設定圧力の圧油により作用させることにより、該押圧バネ47の押圧を解除して直進用クラッチ43を切ると同時に旋回用クラッチ46を入りとし該クラッチ軸40を駆動させる。
このクラッチ軸40の駆動により旋回駆動ギヤ49から差動ギヤ装置におけるデフケース51のデフケースギヤ52に連動すると共に、このデフケースギヤ52からデファレンシャルギヤ50の作用により差動連動される左右のデフ出力ギヤ54を駆動させる。
この駆動により、例えば、左へ旋回するときは、前記パワステレバー24の左への傾動操作により、プッシュ切替弁63の切替え作用により左のプッシュシリンダ6を作動させて左のサイドクラッチ3を切ると同時に、旋回用クラッチ46を比例減圧弁7にて調整した設定圧力の圧油により作用させ、該クラッチ46の入りを半接続状態から完全接続状態まで変化させることにより、左のデフ出力ギヤ54により左の中間従動ギヤ56から中間駆動ギヤ57を経て左の車軸ギヤ59を、通常回転の右の車軸ギヤ59に対し減速変速させる。
この右の車軸ギヤ59に対する左の車軸ギヤ59の減速変速により、緩やかに減速回転させるマイルド旋回,停止をさせるブレーキ旋回,1/4程度の逆回転をさせるスピン旋回の各旋回モードにより、車体4を停止させることなく無段で連続して円滑な旋回作用を実行させることができる。
なお、直進走行時において、左右のサイドクラッチ3の切りに続いて各旋回モードの前段における操向微調整モードにより、該パワステレバー24の手動操作による左右の舵取りを行う操向作用を行わせることができる。
上記の如き、該サイドクラッチ3の切り作用を行うプッシュシリンダ6の作動において、該シリンダ6を作動後の圧油を排出する排油孔を設けていない状態で、前記主リリーフ弁61を介して設定圧力(一次圧)を保持させた圧油を流すことにより、該シリンダ6に充分な作動圧を作用させることができるから、サイドクラッチ3の荷重が大であっても、該シリンダ6のリークによる圧力降下によって推力不足となり切れが悪いという不具合を生じることがない。
また、前記の如く、該プッシュシリンダ6の作動後の圧油を排出させない強力作動圧型に対し、該シリンダ6の作動耐圧面の条件を緩和するものとして、図5に示す如く、該シリンダ6作動後の圧油を排油孔hから排油リリーフ弁9を配設した排油路rを介して油タンク8へ排出させる構成とすることにより、該リリーフ弁9の作用圧を必要範囲に設定して該シリンダ6を作動させることができるから、作動後の圧油を排出させない該シリンダ6に比べ耐圧を緩和することが可能となり、該シリンダ6関係のコスト低減を図ることができると共に、リークによる圧力降下によってサイドクラッチ3が抜け難くなるということもない。
また、図6に示す如く、前記作業系回路Wにおける刈取装置10の昇降用として切替え作用させる4ポート3位置切替え電磁弁による刈取昇降弁12において、この刈取昇降弁12の切替えにより上昇時に用いる孔径の小さい絞りaと逆止弁及び下降時に用いる孔径の大きい絞りbとにより形成した組合せ絞りcを、刈取昇降弁12に接合した配管接続用の弁接続器12aに内装させると共に、この組合せ絞りcを経て刈取昇降シリンダ11へ送油可能に構成させる。
このような構成とすることにより、該組合せ絞りcを弁接続器12aにコンパクトに収納配設することができるから、従来の別取付けを行うものの如く、特別の取付けスペースや取付けの手間を必要とすることがなく、刈取装置10の上昇時には緩やかに、下降時には速やかに作用を行わせることができる。
また、図7に示す如く、前記油圧回路Hと異なる油圧回路Sにおける走行系回路Rにおいて、該油タンク8から単一の油圧ポンプ5によって供給される圧油を、該主リリーフ弁61によって設定圧力(一次圧)を保持させた一方側を減圧弁79により設定圧力(二次圧)を保持させ、この圧油をプッシュ切替弁63の切替え作用により左右のプッシュシリンダ6へ各々送油可能に接続させると共に、並行して比例減圧弁7の比例による減圧作用により旋回用クラッチ46へ送油可能に接続して構成させる。
このような走行系回路Rに使用する減圧弁79として、図8に示す如く、この減圧弁79の一次圧スプール79aをカートリッジ型マニホールド79bに内装形成させることにより、従来、減圧弁79と比例減圧弁7とを複合させた複合弁、及びプッシュ切替弁63と前記作業系回路Wにおける各種切替弁とを集合させた主制御弁の二系統に分けていたものを、該比例減圧弁7を主制御弁に組込み集合させることができるから、配管及び弁接続器を余分に必要とすることなく、回路の簡素化とコスト低減を可能にすることができる。
また、前記の如く、一次圧スプール79aをカートリッジ型マニホールド79bに内装形成したカートリッジ型の減圧弁79と、従来使用されているカートリッジ型の分流弁80とを、例えば、図9(a),(b)に示す如く、該分流弁80と減圧弁79の各マニホールド80b,79bに対し、各々相手側の各一次圧スプール80a,79aの入れ替え取付けを可能とすることにより、油路構成の容易化及び加工の共用化を図り得ると共に、分流弁回路と減圧弁回路とを比較的容易に切替え変更することができる。
このように、分流弁回路から減圧弁回路への切替えを行うものとして、図10(a)は分流弁80,(b)は分流弁回路、図11(a)は減圧弁79,(b)は減圧弁回路を示すものであり、これら分流弁80から減圧弁79への切替えにおいて、分流弁80からの流れとして逆止弁81により合流させる圧油(制御流,余剰流)をアンロード回路uへ接続する油路fが不要となるため、この不要部位を止栓により閉塞させるという比較的簡単な対応によって回路の変更が可能となることから、従来の如く、ポート孔の変更等を行うことにより油路構成の複雑化による圧損や加工工数の増加等の不具合を生じることがない。
また、前記旋回用クラッチ46に圧油を供給する比例減圧弁7の作用について、図12は従来方式を示しており、この従来方式では、例えば、シーケンス弁82等により設定された一次圧の圧油が圧力変化を受けたときは、この圧油が比例減圧弁7のスプール7a端面に作用しスプリング7bによりバランスさせる構成としているが、一次圧が急激に変化したときはスプールバランスが崩れ二次圧が大きく変動するため、二次圧(制御圧)による車体4の制御ができ難くなる。
このような従来方式に対し、図13は改良方式を示しているもので、一次圧の圧油を直接比例減圧弁7のスプール7a端面に作用させず、比例減圧弁7によって二次圧に変更された圧油をスプール7aの中心に貫通させた油路gを通ってスプール7a端面に作用させスプリング7bとバランスさせることにより、一次圧の急激な変化があっても二次圧(制御圧)を安定させることができる。
また、前記作業系回路Wにおける各種切替弁(アンロード回路u,刈取昇降弁12,オーガ昇降弁67,ローリング切替弁71,ピッチング切替弁75)とプッシュ切替弁63とを集合させた主制御弁を、アルミ等による取付ベース83に油路を接続可能に取付けしているが、従来では、図14に示す如く、この主制御弁と、該減圧弁79に比例減圧弁7を複合させた複合弁、及び該プッシュシリンダ6とに各々分離して構成しているため、配管及び弁接続器を余分に必要としコストアップの要因となっていた。
このため、図15に示す如く、該減圧弁79と比例減圧弁7とによる複合弁を主制御弁の取付ベース83に集合取付けし、該プッシュシリンダ6のみを分離させることにより、これらの配管及び弁接続器を余分に必要とすることがないから、コストアップの要因となる難点を解消しコストの低減を図ることができる。
また、該取付ベース83に代えて、多数のカートリッジ型マニホールドを有したアルミ等によるカートリッジベース84に各々スプールを装着して設けた主制御弁において、図16では、該カートリッジベース84の一端部に従来の分流弁80を装着した状態を示し、図17では、該分流弁80の代わりに減圧弁79を装着した状態を示しているものであり、これらの分流弁80と減圧弁79とでは弁の形状や回路構成は異なっているが、該ベース84の加工を変更することによって容易に共用にて使用し得るものである。
また、前記刈取装置10の昇降を制御する刈取制御ブロックと、車体4の方向を制御する方向制御ブロックの二個ブロックによる直列回路を構成しているものにおいて、図18(a)は二個ブロックの直列回路,(b)は刈取昇降弁12とプッシュ切替弁63とによる複合弁を示しており、このような構成では刈取制御と方向制御の同時操作(マルチ操作)は不能であった。
このため、該二個ブロック間に分流弁80とリリーフ弁85で形成する中間ブロックの追加を行い、図19(a)は三個ブロックの直列回路,(b)は刈取昇降弁12とプッシュ切替弁63の間に分流弁80を追加した複合弁を示しており、このような三個ブロック構成とすることにより、二個ブロックの油圧ユニットの構成を変更することなく分流弁ユニットを追加することで、刈取制御と方向制御の同時操作を可能とすることができる。
また、前記サイドクラッチ3制御用のプッシュシリンダ6において、従来、プッシュピストン6aが規定ストローク作動後にパワステリリーフ等により受圧面pに圧力を掛け規定位置を保持できるよう構成していたものに対し、図20に示す如く、プッシュピストン6aの受圧面pに圧油が流入し規定ストローク作動後、該ピストン6aに設けたノッチnにより圧油を油タンク8へ排油させるよう構成させる。
このような構成により、該パワステリリーフ等が無いものにおいても、該ピストン6aが規定ストローク作動後、ノッチnの開口量によりプッシュロッド6b先端負荷に応じた圧力を掛けることができるから、該ピストン6aの規定位置を安定して保持させることができる。
また、該プッシュシリンダ6において、同じく図20に示す如く、該プッシュピストン6aがメカ的に規制される最大ストローク位置まで確実に作動するよう、該ピストン6a外周面の非受圧部に二面割tを設けることにより、最大ストローク位置まで非受圧部は、受圧面pに作用している圧油の排油路rに連通する低圧ポート6cに接続して構成させる。
このような構成により、従来の如く、該プッシュピストン6aの最大ストローク位置にて該ピストン6aの非受圧部を低圧に接続するための専用の圧抜きポートを設ける必要もないから、構成が簡素化されメンテナンス上も有利になると共に、コスト低減を可能とすることができる。
また、図20に示す如きプッシュシリンダ6と、図21に示す如き従来使用されているプッシュシリンダ86とを、該シリンダ6と同一素材の使用によりピストン86a作動部の加工を、該シリンダ6のストッパ用ロッドカバー6dのOリング受面の内径と共用加工可能とすることにより、従来の該シリンダ86に対してストローク規制を追加するときに素材等の変更を行う必要がないから、素材共用によるコスト低減を行うことができる。
また、図22は上記と異なる普通型コンバインを示すもので、リール87a方式の刈取装置87を有し、この刈取装置87は、先端の分草体87b後方側に通常の低刈りを行う第一刈刃87cを配設すると共に、図23に示す如く、刈取バケット87dの後端部に高刈りを行う第二刈刃87eを配設して構成させる。
このような普通型コンバインにおける各種作用の油圧駆動を行うものとして、図24(a)の油路に示す如く、リリーフ弁88aとリール昇降弁88b及び逆止弁88cによって接続構成するリール昇降集合弁88において、図24(b),(c)に示す如く、該リール昇降集合弁88におけるリール昇降弁88bに対する流入ポートP1と排出ポートT1の油路を、密閉カバー88dに設けたOリング座によりP2,T4を閉塞させ、T2,T3を連通させて一連の油圧集合弁を構成させる。
このような構成により、従来の如く、弁単体として形成するときは各ポート孔を塞ぐ沈みプラグ等による閉止栓を設けたり、二方向の油路を接続するための捨て孔等を設けたりする必要がないから、弁の大きさや加工工数等によるコストの増大を抑えることができると共に、弁の二連乃至三連への展開を図ることが可能となる。
また、図25に示す如く、該リール昇降集合弁88のリール昇降弁88bにおいて、スプール形状におけるPポートを閉塞型から開放型に変更することによって、一連の油圧集合弁として直列回路を構成することができる。
このような構成により、弁本体の加工を変更することなくスプール形状のみを変更して、弁油路を並列接続型から直列接続型へ容易に変更することが可能となるから、従来の如く、弁油路を変更するときはマニホールドの油路も同時に変更する必要があるため容易に実施できないという難点を解消することができる。
また、図26(a)に示す如く、一連目の油圧集合弁として、リリーフ弁89aと刈取昇降弁89b及び逆止弁89cによって接続構成する刈取昇降集合弁89に対し、二連目の油圧集合弁として、パワステ制御用の方向制御弁90を直列回路により油路接合させるものにおいて、図26(b),(c)に示す如く、該刈取昇降集合弁89の油路に対し、同様に合わせ面にOリング座と油路を設けた該方向制御弁90をT2,T4の連通により接合組合わせを行うことにより、刈取装置87の上下昇降とパワステによる方向制御を行う二連油圧接合弁を構成させる。
このような構成により、従来、マニホールドを設けその上部に各油圧制御弁を配列接合する方式が採用されていた二連の油圧制御弁に対し、油路接続のための捨て孔や閉止栓等が不要となり、大きさ,加工工数,部品点数等においてコストが増大するという難点が解消され、直列回路の接合組合わせにより刈取昇降,方向制御を作用させる二連油圧接合弁を容易に形成することができる。
また、図27(a)に示す如く、一連目の油圧集合弁として、前記リール昇降弁88bを有するリール昇降集合弁88と、二連目の油圧集合弁として、前記第二刈刃87eを昇降させる刈刃昇降弁91aと逆止弁91bによって接続構成する刈刃昇降集合弁91とを並列回路により油路接合させるものにおいて、図28(b),(c)に示す如く、該リール昇降集合弁88の油路に対し、同様に合わせ面にOリング座と油路を設けた該刈刃昇降集合弁91をT2,T3の連通により接合組合わせすることにより、該リール87aの上下昇降と第二刈刃87eの上下昇降とを行う二連油圧接合弁を構成させる。
このような構成により、従来、マニホールドを設けその上部に各油圧制御弁を配列接合する方式が採用されていた二連の油圧制御弁に対し、油路接続のための捨て孔や閉止栓等が不要となり、大きさ,加工工数,部品点数等においてコストが増大するという難点が解消され、並列回路の接合組合わせによりリール昇降,刈刃昇降を作用させる二連油圧接合弁を容易に形成することができる。
また、該リール昇降集合弁88におけるリール昇降弁88bのスプールは機種型式によって異なっており、このスプールは全長を変更することによって使用が可能となるものであるが、この場合、全長が長くなるものでは、スプールの自重が重くなることや、円筒度の精度管理ができ難く弁の作動に異常を生じる恐れがあるため、図28に示す如く、全長の短いスプールsを共用しその両端部にカラーkを接ぎ足して全長を伸ばすことにより安定した使用が可能になると共に、スプールsの共用化という点ではコストの低減にもなり得る。
また、該リール87aの上下昇降と第二刈刃87eの上下昇降を行うリール昇降集合弁88と刈刃昇降集合弁91による二連油圧接合弁は、通常であれば、前記作業系回路Wとして、排穀オーガ17aの昇降作用を行うオーガ昇降弁67,車体4の水平制御作用を行う左右のローリング切替弁71及びピッチング切替弁75を有する主制御弁のブロックに追加構成されるべきものであるが、このような構成の主制御弁ではブロックが大きくなり過ぎて加工困難となる上、オプション設定である第二刈刃87e昇降用の刈刃昇降集合弁91の取扱いが流動的であるという難点があった。
このため、図29に示す如く、該作業系回路Wの入口側においてアンロード回路uと並列に油路を取出し、この取出した別回路の油路に、リール昇降用のリール昇降集合弁88と第二刈刃昇降用の刈刃昇降集合弁91による二連油圧接合弁のブロックを配置した回路構成とすることにより、この二連油圧接合弁を追加するために生じる諸々の難点を解消することができる。
また、前記刈取装置87を刈取昇降集合弁89の切替えによって上下昇降させる刈取昇降シリンダ92は、該シリンダ92の作動が支点越えとなる状態にあり座屈荷重が増加し、且つ、最圧縮時のストローク長が長く作動時のコゼやカジリを生じ易いため、この対応策として、複動シリンダを単動シリンダとして使用するか、又は単動シリンダの軸受部を長くする等が考えられるが、前者では低圧ポートの配管等が必要となりコスト増大の要因となり、後者ではシリンダが大きくなって重量,コストともに増大する要因となる。
このため、図30に示す如く、ピストン92aとピストンロッド92bにより構成されている該刈取昇降シリンダ92は、圧油供給側の部屋とピストンロッド92b側の部屋を、ピストン92a側面に設けた貫通孔vにより油路を接続させることにより、ピストン92aをピストンロッド92b作動時のガイドとして利用することができるから、該シリンダ92が支点越えになると共に最圧縮時のストローク長が長いために生じる不具合を、比較的容易な手法で解消することができる。
一般的な建設機械におけるブーム等の昇降装置にも利用できる。
1 走行用ミッションケース
3 サイドクラッチ
4 車体
5 油圧ポンプ
6 プッシュシリンダ
7 比例減圧弁
8 油タンク
9 排油リリーフ弁
10 刈取装置
11 刈取昇降シリンダ
12 刈取昇降弁
13 車台
14 走行クローラ
15 走行装置
17 グレンタンク
18 脱穀装置
46 旋回用クラッチ
H 油圧回路
R 走行系回路(走行系油圧回路)
r 排油路
Claims (2)
- 車台(13)の下部側に左右一対の走行クローラ(14)を備えた走行装置(15)を設け、車台(13)の上側に脱穀装置(18)とグレンタンク(17)を搭載し、前記脱穀装置(18)の前方に刈取装置(10)を設け、前記走行装置(15)を駆動する走行用ミッションケース(1)に内装したサイドクラッチ(3)及び旋回用クラッチ(46)の各作用により車体(4)の旋回を行わせる走行系油圧回路(R)を構成し、油圧ポンプ(5)からの圧油により前記サイドクラッチ(3)を作動させるプッシュシリンダ(6)及び前記旋回用クラッチ(46)を各々作動可能に設けると共に、前記プッシュシリンダ(6)を作動させる圧油の送油回路を分岐させ、比例減圧弁(7)を介して旋回用クラッチ(46)へ供給する構成としたことを特徴とするコンバイン。
- 前記プッシュシリンダ(6)作動後の圧油を油タンク(8)へ排出させる排油路(r)に排油リリーフ弁(9)を配設したことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
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