JP2003237615A - 作業機の走行装置 - Google Patents

作業機の走行装置

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JP2003237615A
JP2003237615A JP2002040314A JP2002040314A JP2003237615A JP 2003237615 A JP2003237615 A JP 2003237615A JP 2002040314 A JP2002040314 A JP 2002040314A JP 2002040314 A JP2002040314 A JP 2002040314A JP 2003237615 A JP2003237615 A JP 2003237615A
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clutch
gear
hydraulic
turning
transmission
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JP2002040314A
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English (en)
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Yoshimasa Matsuda
善正 松田
Takahiko Kamimura
孝彦 上村
Takafumi Akiyama
尚文 秋山
Mikiji Hirota
幹司 廣田
Yoshinori Doi
義典 土居
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回時に空回りすることを防ぐことができる
作業機の走行装置を提供すること。 【解決手段】 歯車変速機構に差動歯車装置6に選択的
に副変速後の駆動力を伝達する直進用クラッチ81と旋
回用クラッチ82と、該直進用クラッチ81と該旋回用
クラッチ82の各クラッチ係合油圧を制御する操向レバ
ー21とを備え、HST18内の油圧を検出する油圧セ
ンサ97と、操向レバー21の傾斜角に応じて旋回用ク
ラッチ82の制御油圧を複数の制御モードに変化させ、
油圧センサ97の検出値が通常値より低下した場合には
複数の制御モードの中から油圧値を下げる制御モードを
出力させる油圧制御装置88を備えた作業機の走行装置
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クローラを走行手
段とする作業機の走行装置に関する。
【0002】
【従来の技術】クローラを走行手段とする作業機とし
て、農業用のコンバインを例に従来の技術を説明する。
コンバインはクローラを構成する無限履帯の接地面積を
広くし、水田など軟弱な圃場でも自由に走行して刈取作
業などの農業作業を可能としている。
【0003】コンバインは動力源としてエンジンを搭載
し、エンジンの発生する動力をコンバインの走行、刈
取、脱穀などに使用するが、そのクローラは、エンジン
の動力を走行トランスミッションにより変速して駆動す
る。走行トランスミッションは、静油圧式無段変速装
置、歯車列機械的変速手段、差動歯車装置、クラッチ手
段、ブレーキ手段などにより構成されている。
【0004】コンバインを直進走行させるときは、左右
一対のクローラを等速で駆動し、コンバインを左右に旋
回させるときは、内側クローラを駆動させないで外側の
クローラを回動させる旋回が可能な構成としている。
【0005】コンバインを用いて圃場に植立する穀稈の
刈取及び脱穀などを行うことにより、収穫作業の省力化
と能率化が進展してきた。コンバインは走行装置として
クローラを用いるために、その運転操作は必ずしも容易
ではなかったが、コンバインの走行トランスミッション
に無段階変速できる静油圧式走行用油圧無段変速装置
(以下、走行用HSTという)および旋回用の静油圧式
油圧無段変速装置(以下、旋回用HSTという)を用い
ることにより、コンバインの走行、操舵の運転操作はき
わめて容易に行えるようになる。
【0006】さらに従来の走行トランスミッション基本
伝動系を備えた走行系に、差動歯車装置を備えた走行ト
ランスミッション差動伝動系(補助伝動系)を加えた構
成を用いて微速前進時の旋回確実性を向上させたコンバ
インが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のコンバ
インでは、湿田などを旋回中にスリップ走行している場
合の対策が十分でなかった。湿田などで旋回時に旋回外
側のクローラが空回りすると、さらに沈下して湿田から
脱出不可能になることさえあった。
【0008】そこで、本発明の課題は、旋回時に空回り
することを防ぐことができる作業機の走行装置を提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は次の
構成によって解決される。請求項1記載の発明は、エン
ジンからの駆動力を無段変速制御して走行油圧を出力す
る静油圧式油圧無段変速装置(18)と、該静油圧式油
圧無段変速装置(18)で変速した動力を左右一対のク
ローラ(3、3)駆動用の車軸(11L、11R)のい
ずれかに選択的に動力伝達が可能か、または両方同時に
動力伝達が可能なクラッチ(44)及び差動機構(6)
を含む歯車変速装置と、前記静油圧式油圧無段変速装置
(18)内の油圧を検出する静油圧式油圧無段変速装置
油圧センサ(97)と、左右一対のクローラ(3、3)
の旋回方向と旋回半径を決定する操向レバー(21)
と、操向レバー(21)の移動量に応じて前記差動機構
(6)の差動量を決定する旋回用クラッチ(82)とを
備えた作業機の走行装置である。
【0010】より具体的には、本発明の請求項1記載の
発明は、エンジンからの駆動力を無段変速制御して走行
油圧を出力する静油圧式油圧無段変速装置(18)と、
該静油圧式油圧無段変速装置(18)から入力した後、
複数段に副変速した後の駆動力を左右一対の車軸(11
L、11R)のいずれかに選択的に動力伝達が可能か、
または両方同時に動力伝達が可能な歯車変速装置(6な
ど)と、該歯車変速装置に選択的に前記副変速後の駆動
力を伝達する直進用クラッチ(81)と旋回用クラッチ
(82)と、該直進用クラッチ(81)と旋回用クラッ
チ(82)の各クラッチ係合油圧を制御する操向レバー
(21)とを備えた作業機の走行装置において、前記静
油圧式油圧無段変速装置(18)内の油圧を検出する静
油圧式油圧無段変速装置油圧センサ(97)と、操向レ
バー(21)の移動量に応じて旋回用クラッチ(82)
の制御油圧を複数の制御モードに変化させ、該油圧無段
変速装置(18)の油圧センサ(97)の検出値が通常
値より低下した場合には複数の制御モードの中から旋回
用クラッチ(82)の油圧値を下げる制御モードを出力
する油圧制御装置(88)とを備えた作業機の走行装置
である。
【0011】さらに、具体的には、本発明の請求項1記
載の発明は、エンジンからの駆動力を無段変速制御して
走行油圧を出力する静油圧式油圧無段変速装置(18)
と、該静油圧式油圧無段変速装置(18)から入力した
後、複数段に副変速した後の駆動力を左右一対の車軸
(11L、11R)へ断続的に動力伝動可能な左右のサ
イドクラッチ(44L、44R)と、左右のサイドクラ
ッチ(44L、44R)に間に亘って設けられる差動歯
車装置(6)と、該差動歯車装置(6)に選択的に前記
副変速後の駆動力を伝達する直進用クラッチ(81)と
旋回用クラッチ(82)と、該直進用クラッチ(81)
と旋回用クラッチ(82)の各クラッチ係合油圧を制御
する操向レバー(21)とを備えた作業機の走行装置に
おいて、前記静油圧式油圧無段変速装置(18)内の油
圧を検出する静油圧式油圧無段変速装置油圧センサ(9
7)と、操向レバー(21)の移動量に応じて旋回用ク
ラッチ(82)の制御油圧を複数の制御モードに変化さ
せ、該油圧無段変速装置(18)の油圧センサ(97)
の検出値が通常値より低下した場合には複数の制御モー
ドの中から旋回用クラッチ(82)の油圧値を下げる制
御モードを出力する油圧制御装置(88)とを備えた作
業機の走行装置である。
【0012】本発明の請求項1記載の発明によれば、油
圧センサ(97)による油圧検出値に応じてコンバイン
の走行中の負荷を検出し、旋回中の走行負荷が急激に低
下した場合には、旋回外側クローラ(3)がスリップ状
態にあると判定して前記複数の制御モードの中から旋回
用クラッチ(82)の油圧値を下げる制御モードに自動
的に下げることができる。
【0013】請求項2記載の発明は、作業機が後進走行
に移行した際には、油圧無段変速装置(18)の油圧セ
ンサ(97)の検出値が通常値より低下した場合に旋回
用クラッチ(82)の制御油圧を下げた制御モードを解
除して自動的に元の通常時の油圧制御に復帰させる機能
を有する油圧制御装置(88)を備えた請求項1記載の
作業機の走行装置である。
【0014】請求項2記載の発明によれば、コンバイン
が後進に移行したことは、すでに湿田を脱していると判
断されるので、旋回用クラッチ(82)の制御油圧を下
げた制御モードを解除して自動的に元の通常時の油圧制
御に復帰させることができる。
【0015】請求項3記載の発明は、操向レバー(2
1)が最大の操作位置にある状態が所定時間経過した際
には、油圧無段変速装置(18)の油圧センサ(97)
の検出値が通常値より低下した場合に旋回用クラッチ
(82)の制御油圧を下げた制御モードを解除して自動
的に元の通常時の油圧制御に復帰させる機能を有する油
圧制御装置(88)を備えた請求項1記載の作業機の走
行装置である。
【0016】本発明の請求項3記載の発明によれば、操
向レバー(21)を最大操作位置した状態で所定時間が
経過すると、曲がりきれない状態にあることが分かり、
作動中の旋回クラッチ(82)の圧力制御モードを元の
通常の状態に戻すことで、ブレーキ旋回が行えてスイッ
チ等を切替えることなく、スムーズに作業を続行でき
る。
【0017】
【発明の効果】本発明の請求項1及び2記載の発明によ
れば、湿田等でコンバインが旋回時に旋回外側のクロー
ラが空回りすると、更に沈下して脱出不能の状態に陥る
ことがあるが、上記本発明により、コンバインの湿田で
の旋回中に沈下することが少なくなり、旋回性能が向上
する。また、沈下状態からの脱出を容易に行うことがで
き、また、湿田での緩旋回状態を容易に確保できる。ま
た、圧力制御モードを通常時に復帰させるための特別な
操作を必要とせず、操作を簡素化できる利点もあり、旋
回操作性が従来より良くなる。
【0018】また、請求項3記載の発明によれば、圧力
を下げたモード(緩旋回モード)のままでは、乾田部に
移行した際、曲がりきれない不具合が起こるため、自動
的に急旋回まで行える通常モードに戻すことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて具体的に説明する。図1は本発明のコンバイン
の左側面図であり、図2は本発明のコンバインの右側面
図である。
【0020】図1および図2に示すように、コンバイン
1の車体フレーム2の下部側に土壌面を走行する左右一
対の走行クローラ3を有する走行装置本体4を配設し、
車体フレーム2の前端側に分草杆8を備えた刈取装置9
が設けられている。刈取装置9は車体フレーム2の上方
の支点を中心にして上下動する刈取装置支持フレーム7
で支持されているので、コンバイン1に搭乗したオペレ
ータが操縦席20の操向レバー21を前後に傾倒操作す
ることにより、刈取装置支持フレーム7と共に上下に昇
降する構成である。
【0021】車体フレーム2の上方には、刈取装置9か
ら搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送して脱穀、選別
する脱穀装置10と該脱穀装置10で脱穀選別された穀
粒を一時貯溜するグレンタンク13が載置され、グレン
タンク13の後部にオーガ15を連接して、グレンタン
ク13内の穀粒をコンバイン1の外部に排出する構成と
している。
【0022】すなわち、コンバイン1はオペレータが操
縦席20において主変速HSTレバー23および副変速
レバー22を操作し、エンジン(図示せず)の動力を図
3、図4に示す走行トランスミッションケース12内の
主変速機の走行用HST18および副変速機24の歯車
変速手段を介して変速し、左右のクローラ3、3に伝動
して任意の速度で走行する。
【0023】また、コンバイン1は、オペレータが操縦
席20において操向レバー21を左右に傾倒操作するこ
とにより各種旋回走行することができる。すなわち、操
向レバー21をコンバイン1を旋回させようとする方向
に傾倒操作することにより、図3、図4に示す走行ミッ
ションケース12内のクラッチ44、82が作動し、左
右のクローラ駆動スプロケット(図示せず)に選択的に
伝動されるので、左右のクローラ3、3に速度差が与え
られて走行方向の変更が行われる構成としている。
【0024】本実施の形態のコンバイン1の走行ミッシ
ョン装置14を展開して示す断面図を図3、図4に示
し、図5に差動歯車装置のギアの回転数の関係図を示
す。
【0025】走行ミッション装置14は、図3に示すa
〜e軸からなる走行トランスミッション基本伝動系と図
4に示すカウンタ軸60(A軸)、クラッチ軸70(B
軸)及び支持軸50(C軸)を備えた走行ミッション差
動伝動系(補助伝動系)を備えている。
【0026】まず、走行ミッション装置14のa軸〜e
軸からなる走行トランスミッション基本伝動系を主に図
3で説明する。図示しないエンジンからの回転駆動力が
走行用HST18に伝動され、正・逆転の切換えや変速
回転動力が出力軸17(a軸)から出力される構成とし
ている。そして、主変速レバー23により走行用HST
18の増減速の変速と前後進(正・逆転の切換え)の切
換えができる構成としている。
【0027】そして、操向レバー21を操作して、後述
のサイドクラッチ44L、44Rの「入」・「切」と増
減速の変速操作により差動歯車装置6を駆動させて旋回
走行ができる構成としている。
【0028】走行ミッションケース12内には、副変速
装置24とサイドクラッチ装置と差動歯車装置6とギア
変速装置19が設けられ、これらの装置の伝動下手側の
左右のホイールシャフト11L、11Rから図示しない
駆動スプロケットを介して左右の走行クローラ3、3を
駆動する構成になっている。
【0029】副変速装置24は、走行用HST18の出
力軸17の広幅伝動ギア26からの動力が伝動される第
一副変速軸27(b軸)上に一体に設けられた大ギア2
8と中ギア29と小ギア30と第二副変速軸33(c
軸)上に設けられた変速大ギア34、変速中ギア35及
び変速小ギア36から構成される。第一副変速軸27上
に一体に設けられたギア28〜30は第一副変速軸27
の軸方向に摺動自在に軸装して変速可能に構成してい
る。そして、上記第一副変速軸27は、端部を走行ミッ
ションケース12から外側に延長して刈取伝動プーリ3
1(刈取PTOプーリ)を軸着して車速に同調した回転
動力を刈取装置9などの回転各部に入力できる構成とし
ている。
【0030】そして、第二副変速軸33は、前記第一副
変速軸27の伝動下手側に軸架し、変速大ギア34、変
速中ギア35、変速小ギア36及び伝動ギア37をそれ
ぞれ軸着している。第二副変速軸33の変速大ギア34
は前記第一副変速軸27の小ギア30に噛合し、変速中
ギア35は第一副変速軸27の中ギア29に噛合し、変
速小ギア36は第一副変速軸27の大ギア28に噛合
し、さらに伝動ギア37は後述のサイドクラッチ軸41
L、41R(d軸)に動力を伝動するセンターギア40
に常時噛合している。また伝動ギア37はカウンタ軸6
0の出力ギア61にも常時噛合している。
【0031】サイドクラッチ装置は、上記第二副変速軸
33の伝動下手側にセンターギア40を中心として、そ
の左右にサイドクラッチ軸41L、41Rを備えてい
る。サイドクラッチ軸41L、41R上にはそれぞれク
ラッチギア43L、43Rがスプライン係合しており、
前記センターギア40にはクラッチギア43L、43R
が係合、解放可能な内周ギアを備えている。また、クラ
ッチギア43L、43Rはスリーブ42L、42R上に
スプライン係合し、さらに、スリーブ42L、42Rは
左右のサイドクラッチ軸41L、41R上にそれぞれ遊
嵌している。
【0032】ギアドック式に噛合したクラッチギア43
L、43Rとセンタギア40の内周ギアからなる構成を
それぞれサイドクラッチ44L、44Rと呼ぶことにす
る。
【0033】また、サイドクラッチ軸41L、41R上
にはスリーブ42L、42Rがそれぞれ遊嵌しており、
スリーブ42L、42Rを介してクラッチギア43L、
43Rがホイールシャフトギア48L、48Rと常時係
合していて、ギア48L、48Rにそれぞれホイールシ
ャフト11L、11R(e軸)が固定され、該ホイール
シャフト11L、11Rの両端に図示しない駆動スプロ
ケットが固定され、該駆動スプロケットにそれぞれ固定
された左右の走行クローラ3、3が駆動可能になってい
る。
【0034】また、スリーブ42L、42Rと走行ミッ
ションケース12との間にそれぞれスプリング49L、
49Rが設けられ、このスプリング49L、49Rによ
りスリーブ42L、42Rは常時センターギア40側に
付勢されているが、それぞれシフタ47L、47Rでス
プリング49L、49Rの付勢力に打ち勝つ方向に移動
可能な構成になっている。
【0035】シフタ47L、47Rは直進走行時には作
動せず、サイドクラッチ44L、44Rが共に係合した
状態であるので、左右のクローラ3、3が等速回転す
る。また所望の旋回方向に操向レバー21を操作するこ
とでシフタ47L又は47Rが作動して、サイドクラッ
チ44L又は44Rの係合と解放が選択され、エンジン
動力が左又は右のクローラ3、3に伝達され、所望の方
向に回転する。また、ホイールシャフトギア48L、4
8Rは後述する差動歯車装置6のサイドギア55L、5
5Rと常時噛合している。
【0036】また、走行ミッション装置14のA軸〜C
軸から成る走行トランスミッション差動(補助)伝動系
を主に図4で説明する。走行トランスミッション差動
(補助)伝動系は、前記副変速装置24の後段側に設け
られるクラッチ軸70(B軸)上に設けられる直進用ク
ラッチ81と旋回用クラッチ82とカウンタ軸60(A
軸)を備えたギア変速装置19と支持軸50(C軸)を
備えた差動歯車装置6を備えている。
【0037】ギア変速装置19のカウンタ軸60には直
進用クラッチ81に動力伝達するための出力ギア61が
固着されており、また該出力ギア61の並列位置に出力
ギア62が設けられており、スピンターン又はブレーキ
ターンで旋回できる構成になっている。出力ギア61に
は、第二副変速軸33の伝動ギア37から駆動力が伝達
される。
【0038】ギア変速装置19からの駆動力が直進用ク
ラッチ81に伝動されると、該駆動力は差動歯車装置6
のリングギア53、中間ベベル歯車52を経由してサイ
ドギア51L、51Rを同時に等速回転させて、支持軸
50(C軸)及びサイドギア55L、55Rを回転さ
せ、さらにホイールシャフトギア48L、48Rとホイ
ールシャフト11L、11R(e軸)を経由して走行ク
ローラ3、3を等速回転させる。
【0039】また、前記副変速装置24及びギア変速装
置19からの回転伝動力が旋回用クラッチ82を経由す
る場合は、差動歯車装置6のサイドギア51L、51R
をそれぞれ所定の互いに異なる回転数で回転させ、左右
のクローラ3、3を経由して所望の方向に所望の旋回モ
ードでコンバインを旋回させるが、その詳細は後述す
る。
【0040】副変速レバー22の作動で副変速シフタス
テー(図示せず)を介して副変速装置24の第一変速軸
27の三種類の変速ギア28、29、30と第二副変速
軸33の対応するギア36、35、34のいずれかの組
を噛合させることで第二副変速軸33の伝動ギア37に
常時係合するカウンタ軸60(A軸)に固定された出力
ギア61を回転させる。該カウンタ軸60の出力ギア6
1は円筒状回転体72に設けられたギア72aに常時噛
合している。円筒状回転体72はクラッチ軸70に遊嵌
しており、該円筒状回転体72とスプライン嵌合してい
る円筒状回転体71との間で多板式摩擦板からなる直進
用クラッチ81を構成している。なお、円筒状回転体7
1はクラッチ軸70とスプライン嵌合している。また、
円筒状回転体72の外周には円筒状回転体74が遊嵌し
ており、該円筒状回転体74には伝動ギア37に常時係
合するカウンタ軸60(A軸)に固定された出力ギア6
2とが常時係合している。また円筒状回転体74と円筒
状回転体71との間で多板式摩擦板からなる旋回用クラ
ッチ82を構成している。直進用クラッチ81と旋回用
クラッチ82との間には圧縮バネ75が配置され、該圧
縮バネ75の付勢力は直進用クラッチ81が「入」とな
る油圧より強く設置されている。
【0041】また、円筒状回転体71の外周には直進用
クラッチ81と圧縮バネ75と旋回用クラッチ82の間
をそれぞれ仕切る円盤状プレート76a、76bを備え
た円筒体76が一体化して設けられている。
【0042】油口77から圧油の導入がない場合には圧
縮バネ75によって円筒状回転体71と円筒状回転体7
2との間で常時直進用クラッチ81が係合する「入」方
向に付勢されている。直進用クラッチ81は常時「入」
状態を保ち、旋回用クラッチ82は常時「切」状態を保
っている。
【0043】油口77から圧油の導入があると、ピスト
ン73と円筒体76がバネ75の付勢力に打ち勝って図
4の左側(矢印A方向)にシフトし、直進用クラッチ8
1は解放(「切」状態)となり、旋回用クラッチ82が
係合(「入」状態)になる。
【0044】直進用クラッチ81が「入」の場合はカウ
ンター軸60の出力ギア61からの駆動力は円筒状回転
体72、円筒状回転体71、クラッチ軸70を回転さ
せ、該クラッチ軸70にスプライン嵌合している伝動ギ
ア78と、該伝動ギア78に常時係合している差動歯車
装置6のリングギア53を回転させる。このとき旋回用
クラッチ82が「切」であるのでカウンター軸60の出
力ギア62からの駆動力は円筒状回転体74を空回りさ
せる。
【0045】また、旋回用クラッチ82が「入」の場合
は、直進用クラッチ81が「切」となり、カウンター軸
60の出力ギア61からの駆動力は円筒状回転体72を
空回りさせるが、このときカウンター軸60の出力ギア
62の駆動力が円筒状回転体74のギア74aを経由し
て、円筒状回転体71を回転させ、該回転体71の回転
でクラッチ軸70を駆動させる。この結果、クラッチ軸
70に固定された伝動ギア78が回転して差動歯車装置
6のリングギア53を回転させる。
【0046】差動歯車装置6には、中間ベベル歯車52
の外周に設けたデフケース54と一体のリングギア53
が設けられており、また、支持軸50には側部ベベル歯
車51L、51Rが回転可能に支持されており、また、
側部歯車51L、51Rには左右のサイドギア55L、
55Rがそれぞれ固定している。これらサイドギア55
L、55Rはそれぞれホイールシャフトギア48L、4
8Rに常時係合している。リングギア53はクラッチ軸
70の伝動ギア78に常時係合している。
【0047】図4から明らかなように直進用クラッチ8
1と旋回用クラッチ82を同一軸であるクラッチ軸70
に設けることにより両クラッチ81、82を択一的に操
作できるので、構成が簡素化でき、安価になる。また両
クラッチ81、82の切り替えのタイミングを機械的に
調整できるので複雑な制御が不要となる。
【0048】上記構成からなる走行ミッション装置14
のギア機構において、コンバインの直進時はサイドクラ
ッチ装置の左右のサイドクラッチ44L、44Rが共に
係合したままであり、エンジン動力は副変速装置24の
第二副変速軸33の伝動下手側のサイドクラッチ軸41
L、41Rと係合しているセンターギア40から左右の
走行系に動力がそれぞれ伝動される。左側の走行系では
センターギア40から伝動される動力はクラッチギア4
3Lからホイールシャフトギア48L、ホイールシャフ
ト11L及び図示しない駆動スプロケットを順次回転さ
せて左クローラ3を駆動する。同様に右側の走行系では
センターギア40の動力はクラッチギア43Rからホイ
ールシャフトギア48R、ホイールシャフト11R及び
図示しない駆動スプロケットを順次回転させ右クローラ
3を駆動する。
【0049】副変速レバー22の作動で副変速シフタス
テー(図示せず)が副変速装置24の第一副変速軸27
のギア28、29、30とそれぞれ対応する第二副変速
軸33のギア36、35、34のいずれかの組のギア同
士を噛合させて、適切な速度段で直進走行ができる。
【0050】このとき直進用クラッチ81は「入」で、
旋回用クラッチ82は「切」であり、直進時の差動歯車
装置6の状態は次の通りである。 ホイールシャフトギア48L、48Rが共に回転して
いるので、ホイールシャフトギア48L、48Rがそれ
ぞれ噛合しているサイドギア55L、55Rは同じ方向
に共に等速回転する。従って、サイドギア55L、55
Rとそれぞれ一体回転するサイドギア51L、51Rを
介してデフケース54と該デフケース54と一体のリン
グギア53も同じ方向に回転する。
【0051】さらに、第二副変速軸33の駆動力がカ
ウンタ軸60の出力ギア61、直進用クラッチ81の円
筒状回転体72のギア72a、直進用クラッチ81、円
筒状回転体71、クラッチ軸70、伝動ギア78及びリ
ングギア53に順次動力伝達される。
【0052】このようにリングギア53は上記、の
二系統から回動されるので上記、の二系統からのリ
ングギア53への変速比を同じに設定する。従ってサイ
ドクラッチ44L又は44Rを「切」にしたとき、上記
の伝動系統からの動力がリングギア53からサイドギ
ア55L、55Rとホイールシャフトギア48L、48
Rにそれぞれ伝わるので、ショックが防止される。
【0053】次に前記ギア機構の左旋回時の作動につい
て説明する。操向レバー21を左側に傾斜させること
で、シフタ47Lを作動させ、サイドクラッチ44Lを
図3に示すように「切」にすると、図示しない機構によ
り油口77から圧油が導入され、ピストン73と円筒体
76が図4の矢印A方向に移動する。この矢印A方向へ
の移動により直進用クラッチ81を「切」として、旋回
用クラッチ82を「入」とする。カウンタ軸60の出力
ギア62を旋回用クラッチ82の円筒状回転体74の外
周に設けられた対応するギア74a等を経由させてリン
グギア53を駆動させる。
【0054】旋回用クラッチ82は、その多板式摩擦板
を油圧力を図6に示す旋回用クラッチ82の油圧制御装
置88の制御によって無段階的(連続的)に設定された
旋回モードまで制御することができる。なお、この旋回
用クラッチ82の摩擦板の油圧力の制御は操縦席20に
設けた操向レバー21に付属するポテンショメータ(図
示せず)で検出・出力される傾動角度の制御で行うこと
ができる。
【0055】カウンタ軸60の出力ギア62と円筒状回
転体74のギア74aの変速比の関係により、例えば旋
回用クラッチ82を完全に接続させた場合にサイドギア
55Lの回転はサイドクラッチ44R側のサイドギア5
5Rの回転数の−1/3になり、急旋回(スピンター
ン)状態になるように設定しているので、緩旋回からブ
レーキ旋回と急旋回が可能になっている。
【0056】すなわち、図5に示すように左旋回時には
サイドクラッチ44Rが「入」状態であるので、ホイー
ルシャフトギア48Rの回転がサイドギア55Rに伝動
され、サイドギア55Rの回転数は一定となるが、リン
グギア53の回転数が旋回用クラッチ82の摩擦力が強
くなるに従い減速して行くと、それに比例してサイドギ
ア55Lの回転数が減少していく。リングギア53の回
転数がサイドギア55Rの1/2になると、サイドギア
55Lはゼロ回転となり、サイドギア55Lからホイー
ルシャフトギア48Lを経由する回転数がゼロになり、
左クローラ3にブレーキが利いているのではないが左ク
ローラ3が回転しない、いわゆるブレーキ旋回が行われ
る。
【0057】さらにリングギア53が減速していくと、
サイドギア55Rの回転方向に対してサイドギア55L
は逆転回転をして左クローラ3が逆回転し、いわゆる急
旋回が行われる。
【0058】サイドギア55Rの回転数に対してサイド
ギア55Lの逆転回転数は、ギア62とギア72aの変
速比を図5の点Xに設定していると、サイドギア55L
がサイドギア55Rに対して−1/3スピンターンまで
実行可能な逆転回転数まで設定が可能である。また、右
旋回選択時はサイドクラッチ44Rを「切」にすること
で、前記左旋回と全く逆の作動が走行ミッション装置1
4で行われる。
【0059】上記したような副変速装置24と旋回用ク
ラッチ82との間に比較的簡単な構成のギア変速装置1
9を介装し、旋回用クラッチ82の摩擦板の係合圧を調
整することで、緩旋回からブレーキ旋回及び−1/3の
急旋回まで実行可能な状態に切り替えられるようにし
た。以下、旋回用クラッチ82への送油圧力を増減する
ための目標制御ラインの設置について述べる。
【0060】上記構成からなる走行装置において、操向
レバー21の操作角度に応じて前記旋回用クラッチ82
への送油圧力を増減するために目標制御ラインを設置す
る。従ってこのときの操向レバー21の操作角度に応じ
て目標制御ラインに沿って旋回用クラッチ82のクラッ
チ圧が変化して緩旋回、ブレーキ旋回及び急旋回モード
が設定される。
【0061】図6には本実施の形態の油圧回路を示す。
操向レバー21を左右に操作して旋回させるプッシュシ
リンダー56L、56Rの作動制御用の電磁ソレノイド
バルブ92と操向レバー21を上下に操作して刈取装置
9を昇降させる刈取シリンダー57作動制御用の電磁ソ
レノイドバルブ93を備え、さらに直進用クラッチ81
を「切」として、その後旋回用クラッチ82を「入」と
する旋回用クラッチ油圧制御装置88を備えている。
【0062】クラッチギヤ43L、43Rから左右のホ
イールシャフトギヤ48L、48Rへの伝動を入り切り
する左右のサイドクラッチ44L、44Rと、該左右の
サイドクラッチ44L、44Rを入り切り作動させる左
右のプッシュシリンダ56L、56Rを設けているが、
図6に示すように、本実施の形態では前記左右のプッシ
ュシリンダ56L、56Rにおけるサイドクラッチ44
L、44Rを切った後の返油路89から、比例減圧弁9
0を介して前記旋回用クラッチ82の作動用シリンダへ
送油すべく構成する。
【0063】上記構成によりオイルタンク94内のオイ
ルがプッシュシリンダ56L又は56Rへ充分な油圧を
掛けてサイドクラッチ44L又は44Rを確実に切って
から旋回用クラッチ82の作動用シリンダ91へ送油で
きるため、コンバインの旋回が確実に行うことができ
る。また、このため旋回用クラッチ82がメカロックす
ることがなくなる。
【0064】上記コンバインは、HST18内部の図示
しない油圧モータと油圧ポンプの間の油圧閉回路内の油
圧を検出する油圧センサ97を設け、該油圧センサ97
による油圧検出値に応じてコンバインの走行中の負荷を
検出し、旋回中の走行負荷が急激に低下した場合には、
旋回外側クローラ3がスリップ状態にあると判定して前
記圧力制御モードを自動的に下げる。油圧閉回路内の油
圧センサ97は、例えば図7に示す走行トランスミッシ
ョンケース12上に配置されるHST18の油圧閉回路
の検圧ポート12a、12bに設ける。
【0065】前記圧力制御モードの下げは、HST18
内部の油圧センサ97による走行負荷の検出値に基づい
て制御装置88により旋回用クラッチ82の油圧シリン
ダ91作動用の比例減圧弁90のソレノイド90aを作
動させ旋回用クラッチ82への送油圧を制御する。
【0066】前記圧力制御モードを下げる方法として
は、図8に旋回用クラッチ82の圧力と操向レバー21
の傾斜角度の関係図を示すように、通常の制御ラインを
平行的にスライドさせて減圧する方法(例)や、この
制御ラインの勾配を緩くする方法(例)又は図示しな
いが制御ライン勾配の異なる複数のラインを予め設定し
ておき、緩勾配の制御ラインを選択する方法等がある。
【0067】また、操向レバー21を最大傾倒状態に操
作して、この状態(圧力制御モードを下げた状態)が所
定時間経過した際(例えば、2秒以上継続した場合)に
は、曲がりきれない状態にあることが分かり、作動中の
旋回クラッチ(82)の圧力制御モードを元の通常の状
態に戻すことで、ブレーキ旋回が行えてスイッチ等を切
替えることなく、スムーズに作業を続行でき、また、圧
力制御モードを通常時に復帰させるための特別な操作を
必要とせず、操作を簡素化できる利点もある。
【0068】また、上記方法で圧力制御モードを下げた
後にコンバインが後進に移行した場合には、クローラ3
は、そのスリップ状態を脱していると判断して(又は湿
田部を脱出したと判断して)、圧力制御モードを自動的
に元の通常の状態に復帰させるように連繋しても良い。
【0069】コンバインが後進に移行したことは、例え
ば主変速レバー(HSTレバー)23に設けた該主変速
レバー23が後進位置に操作されたことを検出するセン
サ(図示せず)で検出する。該センサの後進検出によっ
て比例制御弁(圧力調整弁)92により圧力制御モード
を自動的に元の通常状態に復帰させるように連繋する方
法がある。
【0070】図9に示すようにコンバインのクローラ3
の回転速度を検出するセンサ99R、99Lを左右のク
ローラ3、3の駆動軸(ホイールシャフト11R、11
L)にそれぞれ設け、クローラ3、3の回転速度を監視
し、操向レバー21を最大傾斜角度位置に倒した位置で
クローラ3、3の回転が止まると、比例制御弁(圧力調
整弁)の油圧閉回路の圧力制御モードを下げて、クロー
ラ3が作動するまで旋回負荷を下げる構成にしても良
い。このフローを図10に示す。
【0071】また図9に示すように機体上に角速度セン
サ101を設け、左右のクローラ3、3の回転数がゼロ
でないのに角速度センサ101の出力が無い場合、旋回
用クラッチ82の制御圧を比例制御弁(圧力調整弁)9
2で低下させるように構成しても良い。
【0072】湿田等の軟弱圃場で、操舵を誤ると旋回内
側のクローラ3がロックして、スリップして圃場を痛め
ることがある。左右のクローラ3、3の回転速度を回転
速度センサ99で監視し、かつ旋回時の機体の旋回加速
度Gを角速度センサ101で監視することで、左右クロ
ーラ3、3の回転速度に差があるにもかかわらず、旋回
加速度Gが無い場合は、スリップしていると判断して、
旋回クラッチ82の油圧を弱めることで、緩旋回に戻
し、スリップを防止し、圃場を傷付けないようにする。
このフローを図11に示す。
【0073】また、操向レバー21の操作量の増加に応
じて直進用クラッチ81の接続圧の降圧と旋回用クラッ
チ82の接続圧の昇圧とを連続的に行う構成にすると湿
田で走行不能状態に陥りにくくなる。
【0074】例えば、乾田(標準)モード/湿田モード
切換スイッチを設け、該モード切換スイッチを湿田モー
ド側に切り換えた場合には、図12に示すように操向レ
バー21を最大操作位置にまで操作しても直進用クラッ
チ81の接続圧の降圧のみが行われ前記旋回用クラッチ
82の昇圧は行われないように牽制する。
【0075】湿田において旋回用クラッチ82を接続し
て(直進用クラッチ81を完全に切って)旋回しようと
すると、旋回内側の車軸(ホイールシャフト)11がロ
ックして走行不能の状態に陥りやすいが、前記油圧制御
により、湿田モードでは旋回用クラッチ82を使わず
に、しかも旋回内側の直進用クラッチ81を完全に切ら
ずに旋回するため、旋回内側の車軸11がロックしにく
くなり、湿田で走行不能状態に陥りにくくなる。
【0076】本実施の形態の走行伝動系において、図1
3に示すように差動歯車装置のデフケース54を、伝動
比の異なる3つ以上の変速伝動機構102を介して駆動
できるように構成し、各変速伝動機構を択一的に作動さ
せることができるクラッチ103、104、105をそ
れぞれ設けた構成にしても良い。
【0077】例えば、図13に示す変速伝動機構102
は直進用クラッチ103を備えた変速伝動機構102a
と急旋回用のクラッチ105を備えた変速伝動機構10
2cとの間に、緩旋回用クラッチ104の変速比に設定
した変速伝動機構102bを変速伝動機構102の駆動
軸107に設けた。駆動軸107上には差動歯車装置6
のデフケース54と噛合するギア109を設けている。
また各変速伝動機構102a〜102cにはエンジン駆
動力上手側からの動力がギア109から伝達される。
【0078】直進用、緩旋回用及び急旋回用の各変速伝
動機構102a〜102cの減速比を設定し、例えば、
湿田では直進用変速伝動機構102aから緩旋回用変速
伝動機構102bを選択して、乾田又は路上走行時は、
直進用変速伝動機構102aから急旋回用変速伝動機構
102cへ飛んでもよい。
【0079】直進用クラッチ81及び旋回用クラッチ8
2のいずれか択一的に入り作動させる構成の歯車変速機
構に比べ、図13に示す構成では、圃場状態に応じ選択
したクラッチを全圧力域で使用する為、操作範囲が広く
なり、また、半クラッチ状態が減少し、より安定駆動し
た旋回ができる。
【0080】本発明の上記実施の形態では、操向レバー
21の操作量に応じて旋回用クラッチ82の接続圧を制
御すべく圧力制御モードを設定することができるが、図
14(a)、図14(b)に示すように主変速レバー2
3のノブに、前記圧力制御モードを任意に上げ下げ調節
できるスイッチ111、112を設ける構成にしても良
い。この場合の圧力制御モードを上げ下げ調節する手段
として、圧力制御モードを平行的にスライドさせて増減
圧する方法や、圧力制御モードの勾配を変更する方法
や、勾配の異なる複数の圧力制御モードを予め設定して
おきこれらのラインを択一的に切り換える方法等があ
る。
【0081】湿田で圧力制御モードを標準時より下げる
ことによって、旋回時に沈下を少なくすることができ、
旋回性能が向上する。また、湿田等で旋回時に旋回外側
のクローラが空回りすることで沈下して脱出不能の状態
に陥ることがなくなる。また、湿田での緩旋回状態を容
易に確保できる。また、スイッチ111、112が主変
速レバー23のノブに設けられるため、圧力制御モード
の上げ下げ調節を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のコンバインの左側面図
を示す。
【図2】 図1のコンバインの右側面図を示す。
【図3】 図1のコンバインの走行トランスミッション
装置の展開断面図の一部を示す。
【図4】 図1のコンバインの走行トランスミッション
装置の展開断面図の一部を示す。
【図5】 図1のコンバインの走行ミッション装置の差
動歯車装置のギアの回転数の関係図を示す。
【図6】 図1のコンバインの走行ミッション装置の油
圧回路図である。
【図7】 図1のコンバインの走行ミッションの外観図
である。
【図8】 図1のコンバインの旋回用クラッチの油圧と
操向レバーの傾斜角の関係図である。
【図9】 図1のコンバインの走行ミッション装置の車
体基部の平面略図である。
【図10】 図1のコンバインの旋回時の油圧制御のフ
ロー図である。
【図11】 図1のコンバインの旋回時の油圧制御のフ
ロー図である。
【図12】 図1のコンバインの旋回用クラッチの油圧
と操向レバーの傾斜角の関係図である。
【図13】 本発明の実施の形態のコンバインの伝動機
構の構造図である。
【図14】 図1の操向レバーのノブに設けた旋回用油
圧制御スイッチ分部の斜視図である。
【符号の説明】
1 コンバイン 2 車体フレー
ム 3 クローラ 4 走行装置本
体 6 差動歯車装置 7 刈取装置支
持フレーム 8 分草杆 9 刈取装置 10 脱穀装置 11L、11R 車軸(ホイ−ルシャフト) 12 走行トランスミッションケース 12a、12b 検圧ポート 13 グレンタンク 14 走行ミッ
ション装置 15 オーガ 17 出力軸
(a軸) 18 走行用HST 19 ギア変速
装置 20 操縦席 21 操向レバ
ー 22 副変速レバー 23 主変速レ
バー 24 副変速装置 26 広幅伝動
ギア 27 第一副変速軸(b軸) 28 大ギア 29 中ギア 30 小ギア 31 刈取伝動プ−リ 33 第二副変
速軸(c軸) 34 変速大ギア 35 変速中ギ
ア 36 変速小ギア 37 伝動ギア 40 センタ−ギア 41L、41R サイドクラッチ軸(d軸) 42L、42R スリーブ 43L、43R
クラッチギア 44L、44R サイドクラッチ 47L、47R
シフター 48L、48R ホイールシャフトギア 49L、49R スプリング 50 支持軸
(C軸) 51L、51R 側部ベベル歯車 52 中間ベベ
ル歯車 53 リングギア 54 デフケー
ス 55L、55R サイドギア 56L、56R プッシュシリンダー 57 刈取シリ
ンダー 60 カウンタ軸(A軸) 61、62 出
力ギア 70 クラッチ軸(B軸) 71、74 円
筒状回転体 72 円筒状回転体 72a 円筒状
回転体ギア 73 ピストン 74 円筒状回
転体 74a ギア 75 圧縮バネ 76 円筒体 78 伝動ギア 77 油口 81 直進用ク
ラッチ 82 旋回用クラッチ 85 ACDス
イッチ 86 ACDセンサ 88 油圧制御
装置 89 返油路 90a 比例減
圧弁ソレノイド 90 比例減圧弁 91 旋回用クラッチ作動用油圧シリンダ 92 比例制御弁 93 電磁ソレ
ノイドバルブ 94 オイルタンク 97 HST内部油圧閉回路圧力センサ 99R、99L 回転速度センサ 101 角速度センサ 102 変速伝
動機構 103 直進用クラッチ 104 緩旋回
用クラッチ 105 急旋回用クラッチ 107 駆動軸 109 ギア 111、112
スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 尚文 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 廣田 幹司 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 土居 義典 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 Fターム(参考) 2B076 AA03 BA07 CC02 DA02 DA03 DA14 DB08 DC01 3D052 AA02 AA06 BB09 BB19 DD04 EE01 FF01 GG04 HH01 HH02 HH03 JJ08 JJ21 JJ22 JJ37

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの駆動力を無段変速制御し
    て走行油圧を出力する静油圧式油圧無段変速装置(1
    8)と、 該静油圧式油圧無段変速装置(18)で変速した動力を
    左右一対のクローラ(3、3)駆動用の車軸(11L、
    11R)のいずれかに選択的に動力伝達が可能か、また
    は両方同時に動力伝達が可能なクラッチ(44)及び差
    動機構(6)を含む歯車変速装置と、 前記静油圧式油圧無段変速装置(18)内の油圧を検出
    する静油圧式油圧無段変速装置油圧センサ(97)と、 左右一対のクローラ(3、3)の旋回方向と旋回半径を
    決定する操向レバー(21)と、 操向レバー(21)の移動量に応じて前記差動機構
    (6)の差動量を決定する旋回用クラッチ(82)とを
    備えた作業機の走行装置。
  2. 【請求項2】 作業機が後進走行に移行した際に、油圧
    無段変速装置(18)の油圧センサ(97)の検出値が
    通常値より低下した場合に旋回用クラッチ(82)の制
    御油圧を下げた制御モードを解除して自動的に元の通常
    時の油圧制御に復帰させる機能を有する油圧制御装置
    (88)を備えた請求項1記載の作業機の走行装置。
  3. 【請求項3】 操向レバー(21)が最大の操作位置に
    ある状態が所定時間経過した際には、油圧無段変速装置
    (18)の油圧センサ(97)の検出値が通常値より低
    下した場合に旋回用クラッチ(82)の制御油圧を下げ
    た制御モードを解除して自動的に元の通常時の油圧制御
    に復帰させる機能を有する油圧制御装置(88)を備え
    た請求項1記載の作業機の走行装置。
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