JP4685565B2 - コンバイン - Google Patents

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Description

本発明は、駆動源と、一対の走行装置と、ハンドル型の操向装置を具備するコンバインの技術に関する。
従来、エンジン等の駆動源と、左右一対のクローラを有する走行装置とを具備するコンバインや作業車両等の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
従来の作業車両はエンジンから走行用のHST(Hydro Static Transmission;静油圧式無段変速装置)を経て左右のクローラへ駆動力を伝達するとともに、該HSTと左右のクローラとの間の駆動力伝達経路にクラッチおよびブレーキを設け、クラッチにより一方のクローラへの駆動力の伝達を遮断するとともにブレーキにより該一方のクローラをロックして旋回する構成となっている。しかし、このような旋回方法は滑らかな旋回を行うことが困難であり、軟弱地盤上で旋回する場合には走行装置が地面に埋もれてしまうという問題があった。
上記問題を解決する方法として、駆動源からの駆動力を走行用のHSTで変速して左右の走行装置に伝達するトランスミッションに左右一対の差動機構を設け、該一対の差動機構に対して、一方の走行装置は増速し、他方の走行装置は減速するように駆動力を入力する旋回用アクチュエータを設けることにより、左右のクローラの走行速度を滑らかに変化させて旋回させる方法が知られている。例えば、特許文献2に記載の如くである。
実用新案登録第2543140号公報 特開2002−274421号公報
しかし、トランスミッションの旋回用アクチュエータとしてHSTを設ける場合、走行用のHSTと合わせて二つのHSTを用いることとなり、製造コストが増大するという問題がある。また、旋回用HSTは直進走行時においても作動させるため、無駄なエネルギーを消費することになる。そして、旋回時においては直進用HSTと旋回用HSTの両方を作動させるために、大きな負荷がかかり、それに合わせた大きな出力のエンジンが必要となっていた。また、ハンドルの回動に合わせて旋回用HSTの斜板の角度と直進用HSTの斜板の角度を変更するために円錐リンク機構を用いていたので、複雑なリンク機構が必要となり、高精度な調整も必要となり、出荷調整が煩雑となっていた。更に、斜板の角度変更するためのリンク機構や該リンク機構に連結される操作レバーの設置位置も制限される。また、キャビンを防振支持して、該キャビン内にハンドルを設置する場合、リンクの設置位置の制限が大きくなるのである。また、湿田等での走行時において、クローラがスリップした場合であっても、その状態は検出できないため、スリップした状態のまま走行を続けると、最悪の場合には脱出不可能となる不具合が生じていた。本発明は以上の如き状況に鑑み、滑らかな旋回を可能とし、かつ安価に製造可能なコンバインのトランスミッションを提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、エンジン(31)からの動力により駆動される油圧式無段変速装置(103)と、左右一対の遊星歯車式差動機構(104L・104R)と、左右一対の電気式モータ(105L・105R)と、操向用ハンドル(16)を備えるコンバインであって、前記操向用ハンドル(16)の回動角度を検知する角度検知手段(49)を備えるとともに、前記左右一対の遊星歯車式差動機構(104L・104R)のサンギヤ(121L・121R)を、前記油圧式無段変速装置(103)の出力軸と連動連結し、左右の遊星歯車のキャリア(122L・122R)を、左右の車軸(106L・106R)と連動連結し、左右の遊星歯車のインターナルギヤ(124L・124R)を左右の電気式モータ(105L・105R)の出力軸とそれぞれ連動連結し、コンバインの直進時には左右一対の電気式モータ(105L・105R)はいずれも回転駆動せず、コンバインの旋回時には、前記操向用ハンドル(16)の中立位置から左右への回動角に比例して、左右対応する側の電気式モータ(105L・105R)を駆動増速することにより、対応するリングギヤにより構成したインターナルギヤ(124L・124R)を回転駆動し、対応するキャリア(122L・122R)の回転速度を減速させて旋回を行い、前記電気式モータ(105L・105R)にトルク検出手段(45R・45L)を配置し、旋回外側のモータトルクが急激に軽くなった場合、該旋回外側の電気式モータ(105L・105R)の回転速度を減速し、前記油圧式無段変速装置(103)の回転速度も減速するように構成し、前記エンジン(31)により発電機(32)を回転駆動して電力を発生させ、該電力をバッテリ(33)に充電し、該発電機(32)またはバッテリ(33)より、電気式モータ(105L・105R)の駆動回路に電力を供給するものである。
請求項2においては、請求項1記載のコンバインにおいて、前記電気式モータ(105L・105R)の駆動制御装置(30)に、直進刈取モードと回行モードとのモード切替スイッチ(57)を接続し、直進刈取モードの時には、操向用ハンドル(16)の切れ角に対して、旋回半径が大きくなり、旋回モードの時には、操向用ハンドル(16)の切れ角に対して、旋回半径が小さくなり、操向用ハンドル(16)のハンドル切れ角に対して、前記モードに合わせた旋回半径としたものである。
請求項3においては、請求項1記載のコンバインにおいて、前記左右の遊星歯車のインターナルギヤ(124L・124R)を、その内周面と外周面に歯車部が形成されたリング状のウォームホイールとするとともに、前記左右の電気式モータ(105L・105R)の出力軸にウォームギヤ(132L・132R)を設けて、前記ウォームホイールと噛合させたものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、エンジン(31)からの動力により駆動される油圧式無段変速装置(103)と、左右一対の遊星歯車式差動機構(104L・104R)と、左右一対の電気式モータ(105L・105R)と、操向用ハンドル(16)を備えるコンバインであって、前記操向用ハンドル(16)の回動角度を検知する角度検知手段(49)を備えるとともに、前記左右一対の遊星歯車式差動機構(104L・104R)のサンギヤ(121L・121R)を前記油圧式無段変速装置(103)の出力軸と連動連結し、左右の遊星歯車のキャリア(122L・122R)を、左右の車軸(106L・106R)と連動連結し、左右の遊星歯車のインターナルギヤ(124L・124R)を左右の電気式モータ(105L・105R)の出力軸とそれぞれ連動連結し、コンバインの直進時には左右一対の電気式モータ(105L・105R)はいずれも回転駆動せず、コンバインの旋回時には、前記操向用ハンドル(16)の中立位置から左右への回動角に比例して、左右対応する側の電気式モータ(105L・105R)を駆動増速することにより、対応するリングギヤにより構成したインターナルギヤ(124L・124R)を回転駆動し、対応するキャリア(122L・122R)の回転速度を減速させて旋回を行い、前記エンジン(31)により発電機(32)を回転駆動して電力を発生させ、該電力をバッテリ(33)に充電し、該発電機(32)またはバッテリ(33)より、電気式モータ(105L・105R)の駆動回路に電力を供給するので、従来では旋回用HSTは常時駆動されていたため、エネルギーロスが大きかったが、本発明では直進時はモータを駆動しないため、エネルギーロスが小さい。
また、旋回時は電力によりモータを駆動するため、エンジンの負荷の増加は小さく消費エネルギーの平準化が図れる。
そして、エンジンの出力も小さくすることができ、小型化して省スペースに配置可能となる。
また、前記電気式モータ(105L・105R)にトルク検出手段(45R・45L)を配置し、旋回外側のモータトルクが急激に軽くなった場合、該旋回外側の電気式モータ(105L・105R)の回転速度を減速し、前記油圧式無段変速装置(103)の回転速度も減速するようにしたので、湿田等の作業で旋回外側のクローラがスリップした場合に、自動的にスリップを検出して旋回モータの回転数を下げて、スリップを回避するとともに、直進側の走行速度も減速してスリップを回避することができる。
さらに、従来、操向用ハンドルの回動をリンク機構を介して旋回用HSTに伝えていたため、ステアリング切れ角に対する旋回半径がリンク機構により決定されるため、リンク長の精度を高める必要があり、調整が複雑となってしまうが、モータとすることにより回転数の調整でよいため組み立てや調整が簡単に行える。
また、前記操向用ハンドルを、乗用車等で使用するハンドルと同じようにしたことで、自動車の運転感覚と略同じ感覚で運転できて、短時間で慣れることができ、自然な腕の動きで運転操作をすることができる。
請求項2においては、請求項1記載のコンバインにおいて、前記電気式モータ(105L・105R)の駆動制御装置(30)に、直進刈取モードと回行モードとのモード切替スイッチ(57)を接続し、直進刈取モードの時には、操向用ハンドル(16)の切れ角に対して、旋回半径が大きくなり、旋回モードの時には、操向用ハンドル(16)の切れ角に対して、旋回半径が小さくなり、操向用ハンドル(16)のハンドル切れ角に対して、前記モードに合わせた旋回半径としたので、直進刈取時には同じハンドル切れ角に対して旋回半径を大きくして、条合わせを容易に行うことができる。
また、回行時には旋回半径を小さくして、急旋回が可能となって旋回性能が控除できる。
請求項3においては、請求項1記載のコンバインにおいて、前記左右の遊星歯車のインターナルギヤ(124L・124R)を、その内周面と外周面に歯車部が形成されたリング状のウォームホイールとするとともに、前記左右の電気式モータ(105L・105R)の出力軸にウォームギヤ(132L・132R)を設けて、前記ウォームホイールと噛合させたので、滑らかな旋回を可能とするとともに、ウォームギヤのセルフロック機能を利用して直進時における一対のモータへの駆動力の逆流を防止することが可能である。
また、減速比が大きいため減速機構を構成する部品点数および製造コストを削減することが可能である。
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示した側面図、図2は同じく平面図、図3はコンバインの駆動力伝達経路を示す模式図、図4はトランスミッションのスケルトン図、図5はトランスミッションの平面一部断面図、図6はトランスミッションの左側面図である。
まず、コンバインの全体構成について、図1及び図2を用いて説明する。本発明に係るコンバインにおいて、クローラ式走行装置4L・4R上には機体フレーム2が載置され、この機体フレーム2の前端には刈取部29が昇降可能に配設されている。この刈取部29の前端からは穀稈を分草するための分草板24が突出しており、この分草板24の後部には引起しケース65(引起し装置)が立設されている。そして、引起しケース65からはタイン6が突出しており、このタイン6の回転により穀稈を引き起し、前記分草板24後部に配設される刈刃7により穀稈の株元を刈り取る構成となっている。刈り取られた穀稈は、下部搬送装置8a、上部搬送装置8b、縦搬送装置8cにより後方へ搬送され、株元が縦搬送装置8cの上端からフィードチェーン9に受け継がれて脱穀部28内に搬送される。フィードチェーン9の後端には排藁チェーン10が配設されており、この排藁チェーン10の後部下方には排藁カッター装置、拡散コンベア等からなる排藁処理部11が形成されている。この排藁処理部11により、排藁を切断して藁片にした後、拡散しながら圃場に均一放出、あるいは切断せずに放出するようにしている。
前記脱穀部28の下方には選別部が配設されており、この選別部によって脱穀部28から流下する穀粒や藁屑などから穀粒を選別し、選別後の穀粒を脱穀部28の側方に配設されるグレンタンク13に搬送して貯溜したり、藁屑などを機外に排出したりするようにしている。このグレンタンク13後方には穀粒排出装置15が構成されて縦排出オーガ17が立設されている。この縦排出オーガ17を中心にしてグレンタンク13が側方へ回動可能とされており、機体内部側に配置される駆動系や油圧系のメンテナンスが容易に行われるようになっている。グレンタンク13の底部には排出コンベア(図示せず)が前後方向に配設されており、この排出コンベアから前記穀粒排出装置15に動力を伝達することで、穀粒排出装置15に設けられた排出口19から外部へグレンタンク13内の穀粒を排出できるようにしている。前記穀粒排出装置15は、主に、下端が前記排出コンベアと連通され穀粒を縦送りする前記縦排出オーガ17と、この縦排出オーガ17の上端に連通されて穀粒を横送りする横排出オーガ18とからなり、グレンタンク13の後側に立設された縦排出オーガ17の上端に、横排出オーガ18の基端側が上下回動可能に枢着されている。
また、グレンタンク13の前方には運転部14が構成されており、この運転部14においては、操向用丸型ハンドル16、走行変速レバー25、副変速レバー22等が配設されるとともに、エンジンルーム20の上部にシート21が載置支持されている。
以下では図1および図3、図4を用いて駆動部3の詳細構成を説明する。駆動部3は主にエンジン31、発電機32、バッテリ33、トランスミッション101等で構成される。
エンジン31はコンバインの駆動源であり、駆動力伝達手段により駆動力を伝達するとともに、発電機32を回転駆動して電力を発生させる。発電機32で発生した電力はバッテリ33に充電され、バッテリ33(または発電機32)は、左モータ105Lの駆動回路(インバータ)36Lおよび右モータ105Rの駆動回路(インバータ)36Rに電力を供給し、左モータ105Lおよび右モータ105Rの回転数を制御しながら駆動する。該駆動回路36L・36Rは制御装置30と接続されている。
前記エンジン31の出力軸の動力は、ベルトやプーリを介して、トランスミッション101、脱穀部28、刈取部29、穀粒排出装置15、発電機32等に伝達される。なお、58は脱穀部28とエンジン31の間に配置して動力の断接を行う脱穀クラッチであり、59はエンジン31と刈取部29の間に配置して動力の断接を行う刈取クラッチである。
トランスミッション101は左右一対の走行装置4L・4Rに駆動力を伝達する。このとき、トランスミッション101は左右の走行装置4L・4Rの回転速度をそれぞれ調整し、コンバインの直進(前進または後進)および滑らかな旋回を可能としている。トランスミッション101の詳細構成については後述する。
以下では図1および図3を用いて走行装置4L・4Rの詳細構成を説明する。なお、走行装置4L・4Rは左右略対称に構成されているため、以下の説明では走行装置4Lについてのみ説明し、走行装置4Rについては説明を省略する。
走行装置4Lは主に、駆動輪41L、従動輪42L、転輪、クローラベルト43L等で構成される。
駆動輪41Lはトランスミッション101から機体左側方に突出した出力軸106Lの先端部(左端部)に外嵌固定される。従動輪42Lは従動軸44の左端部に外嵌固定される。従動軸44は機体フレーム2の後部に回転可能に軸支され、従動軸44の長手方向は機体左右方向と略一致する。クローラベルト43Lは駆動輪41Lおよび従動輪42Lに巻回される無端ベルトである。
以下では図4、図5および図6を用いて本発明のトランスミッションの実施の一形態であるトランスミッション101について説明する。トランスミッション101は駆動源であるエンジン31からの駆動力を左右の走行装置4L・4Rに伝達し、コンバインを直進(前進または後進)、右旋回または左旋回させるものである。トランスミッション101は主に、ミッションケース102、HST103、左右一対の差動機構104L・104R、一対の旋回用のモータである左モータ105Lおよび右モータ105R、等を具備している。
図5および図6に示す如く、ミッションケース102は、トランスミッション101を構成する他の部材を収容し、埃等の侵入を防止する筐体としての機能と、トランスミッション101を構成する他の部材を支持(軸支)する構造体としての機能とを兼ねる。本実施例において、ミッションケース102は左ケース102Lと右ケース102Rの二つの部材からなり、左右に分割可能な構成となっている。
図5および図6に示す如く、HST(Hydro Static Transmission;静油圧式無段変速装置)103は駆動源であるエンジン31からミッションケース102に入力された駆動力を変速して、後述する一対の差動機構104L・104Rのサンギヤ121L・121Rに伝達する無段変速装置の実施の一形態である。HST103は主に筐体111、油圧ポンプ112、油圧モータ113等で構成される。
筐体111は油圧ポンプ112および油圧モータ113を収容するとともに、HST103の構造体としての機能を兼ねる。また、筐体111には油圧ポンプ112と油圧モータ113とを流体的に接続するための油圧回路が形成される。筐体111はミッションケース102の前部に固設される。
本実施例における油圧ポンプ112は、いわゆる可動斜板式のアキシャルピストンポンプであり、入力軸112aと、該入力軸112aに相対回転不能に嵌設されるシリンダブロックと、該シリンダブロックに穿設された複数のシリンダ孔に気密的に摺接可能に収容された複数のピストンと、該ピストンを往復駆動させる斜板カムとして作用する可動斜板と、を備えている。油圧ポンプ112の可動斜板は、その板面と入力軸の軸線方向との成す角度が変更可能であり、可動斜板の板面を入力軸112aの軸線方向に対して垂直としたときは入力軸112aが回転駆動されても油圧モータ113に圧油を搬送することがない中立状態であり、該可動斜板の板面を入力軸112aの軸線方向に対して垂直の状態から傾倒させることにより、入力軸112aの回転駆動に連動して油圧モータ113に圧油を搬送する。また、可動斜板の傾倒角度を調節することにより、入力軸112aが一回転する間に搬送される圧油の量を調節することが可能である。なお、以後の説明において「HST103を作動させる」とは、「油圧ポンプ112の可動斜板を入力軸112aに対して傾倒させ、油圧モータ113に圧油を搬送可能な状態とする」ことを指すものとする。
本実施例における油圧モータ113は、いわゆる可動斜板式のアキシャルピストンモータであり、出力軸113aと、該出力軸113aに相対回転不能に嵌設されるシリンダブロックと、該シリンダブロックに穿設された複数のシリンダ孔に気密的に摺接可能に収容された複数のピストンと、油圧ポンプ112から搬送されてきた圧油によるピストンの往復駆動力を出力軸113aの回転駆動力に変換する斜板カムとして作用する可動斜板と、を備えている。油圧モータ113の可動斜板は、その板面と出力軸113aの軸線方向との成す角度を変更することが可能に構成され、可動斜板の傾倒角度を調節することにより、油圧ポンプ112から搬送されてくる圧油の量に対する出力軸113aの回転量を調節することが可能である。なお、本実施例の油圧モータ113については可動斜板を用いているが、該可動斜板に代えて、固定式斜板(出力軸113aと斜板の板面との成す角度が固定されている)を用いても良い。
本実施例においては、HST103の入力軸112aはトランスミッション101の前部より突出し、出力軸113aはミッションケース102の内部に挿入されている。
図4、図5および図6に示す如く、左右一対の差動機構104L・104Rは、それぞれ対応する一対の走行装置4L・4Rに駆動力を伝達し、該走行装置4L・4Rを駆動するものである。差動機構104Lは主に、サンギヤ121L、キャリア122L、複数のプラネタリギヤ123L・123L・・・(図5において一つのみ図示)、リングギヤ124L等で構成される。なお、差動機構104L・104Rは左右略対称であり、その構成は略同じであることから、以下の説明では差動機構104Lについてのみ説明し、差動機構104Rについては説明を省略する。
サンギヤ121Lは伝達軸125の左半部に外嵌固定され、複数のプラネタリギヤ123L・123L・・・と互いに噛合している。
キャリア122Lは出力軸106Lの一端(右端)に外嵌固定され、出力軸106Lと一体的に回転する略円盤状の部材である。キャリア122Lを挟んで出力軸106Lの反対側となるキャリア122Lの盤面には複数の回転軸126L・126L・・・(図5において一つのみ図示)が突設され、各回転軸126Lにそれぞれプラネタリギヤ123Lが回転可能に軸支される。複数のプラネタリギヤ123L・123L・・・はサンギヤ121Lと互いに噛合する。なお、前記伝達軸125の左端部は軸受を介してキャリア122Lに軸支される。
リングギヤ124Lはその内周面と外周面に歯車部が形成された略リング状のギヤである。リングギヤ124Lは、その内周面側において複数のプラネタリギヤ123L・123L・・・と互いに噛合するインターナルギヤである。
図4、図5および図6に示す如く、一対のモータである左モータ105Lおよび右モータ105Rはいずれも電気式のモータであり、トランスミッション101に駆動力を伝達する。左モータ105Lおよび右モータ105Rは、泥や水等ができるだけ付着せず、ショート等の発生を防止するために地上高が高くなる位置に配置すべく、ミッションケース102の上面に固設される。左モータ105Lの出力軸131Lおよび右モータ105Rの出力軸131Rはミッションケース102内に挿入されている。そして、出力軸131Lにはウォームギヤ132Lが外嵌固定され、ウォームギヤ132Lは前記差動機構104Lのリングギヤ124Lの外周面に形成された歯と互いに噛合している。すなわち、本実施例におけるリングギヤ124Lはウォームギヤ132Lに対応するウォームホイールを兼ねている。同様に、出力軸131Rにはウォームギヤ132Rが外嵌固定され、ウォームギヤ132Rは前記差動機構104Rのリングギヤ124Rの外周面に形成された歯と互いに噛合している。すなわち、本実施例におけるリングギヤ124Rはウォームギヤ132Rに対応するウォームホイールを兼ねている。但し、前記ウォームギヤ132L・132Rの代わりに平ギヤで構成することも可能である。この場合、平ギヤにはブレーキ機構と、モータ105L・105Rの間にクラッチ機構を設ける必要があり、直進時のモータ105L・105Rを駆動しない時にはブレーキ機構により平ギヤを固定してクラッチを「切」とし、旋回時のモータ105L・105Rを駆動する時にはブレーキ機構を解除してクラッチを「入」として遊星歯車に動力を伝達するのである。
以下では、図4、図5および図6を用いてミッションケース102の駆動力伝達経路について詳細説明を行う。図4に示す如く、駆動源であるエンジン31の出力軸31aにはプーリ141が設けられている。また、プーリ141にはクラッチ142が設けられており、該クラッチ142を切り替えることにより、「クラッチ入」の状態(すなわち、プーリ141が出力軸31aに固定され、駆動力を伝達可能な状態)と、「クラッチ切」の状態(すなわち、プーリ141が出力軸31aに固定されず、駆動力を伝達不可能な状態)と、を選択することが可能である。
図4に示す如く、HST103の入力軸112aにはプーリ143が外嵌固定され、プーリ141およびプーリ143にベルト144が巻回される。また、HST103の出力軸113aにはベベルギヤ145が外嵌固定される。
図4、図5および図6に示す如く、伝達軸146は、その軸線方向がコンバインの機体左右方向に略一致するようにミッションケース102の内部空間前部に軸支される。伝達軸146の中途部にはベベルギヤ147およびスプロケット149が外嵌固定され、該ベベルギヤ147とベベルギヤ145とは互いに噛合している。また、伝達軸146の一端(本実施例においては右端)にはブレーキ148が設けられており、伝達軸146の回転を制動することが可能である。
スプロケット150は伝達軸125の略中央部に外嵌固定され、スプロケット149およびスプロケット150にチェーン151が巻回される。伝達軸125の左半部および右半部にはそれぞれサンギヤ121L・121Rが外嵌固定される。
クラッチ142が「クラッチ入」の状態であり、ブレーキ148が作動していない(制動していない)場合、エンジン31からの駆動力は出力軸31a→プーリ141→ベルト144→プーリ143→入力軸112aを経てHST103に伝達される。HST103へ伝達された駆動力は、HST103にて変速された後、出力軸113a→ベベルギヤ145→ベベルギヤ147→伝達軸146→スプロケット149→チェーン151→スプロケット150→伝達軸125を経て左右一対の差動機構104L・104Rのサンギヤ121L・121Rに伝達される。差動機構104Lに伝達された駆動力は、サンギヤ121L→プラネタリギヤ123L→回転軸126L→キャリア122L→出力軸106Lを経て走行装置4Lの駆動輪41Lに伝達される。差動機構104Rに伝達された駆動力は、サンギヤ121R→プラネタリギヤ123R→回転軸126R→キャリア122R→出力軸106Rを経て走行装置4Rの駆動輪41Rに伝達される。このようにして、エンジン31からの駆動力は左右一対の走行装置4L・4Rに伝達され、走行装置4L・4Rは回転駆動される。エンジン31は電圧が12Vまたは24Vの電気モータ等に比較して高出力であり、駆動力が大きく、高効率な作業が可能である。
一方、左モータ105Lからの駆動力は、出力軸131L→ウォームギヤ132L→リングギヤ124L→プラネタリギヤ123L→回転軸126L→キャリア122L→出力軸106Lを経て走行装置4Lの駆動輪41Lに伝達される。また、右モータ105Rからの駆動力は、出力軸131R→ウォームギヤ132R→リングギヤ124R→プラネタリギヤ123R→回転軸126R→キャリア122R→出力軸106Rを経て走行装置4Rの駆動輪41Rに伝達される。このようにして、左モータ105Lおよび右モータ105Rからの駆動力はそれぞれ対応する走行装置4L・4Rに伝達されて、走行装置4L・4Rは回転駆動される。そして、左モータ105Lおよび右モータ105Rの回転速度に応じて対応する走行装置4L・4Rの走行速度を滑らかに変化させ、左右の走行装置4L・4Rの間で走行速度差を生じさせることにより、コンバインは滑らかに旋回することが可能である。
コンバインを直進させる場合、左モータ105Lおよび右モータ105Rを停止させるとともに、差動機構104L・104Rのリングギヤ124L・124Rを回転しないように固定する必要がある。これは、エンジン31からの駆動力の一部がリングギヤ124L・124Rから左モータ105Lおよび右モータ105Rに伝達されて(駆動力が左モータ105Lおよび右モータ105Rに逆流して)直進速度が低下したり、直進安定性が低下するのを防止するためである。従来は、このような駆動力の逆流を防止するために制動手段(ブレーキ等)を設けて直進時にリングギヤを制動していた。しかし、この方法では、各差動機構に当該制動手段を設けるとともに、直進時と旋回時で制動手段の作動状況を切り替えるための切替手段等を設ける必要があり、部品点数の増加および製造コストの増大の原因となっていた。
そこで、本実施例のコンバインにかかるトランスミッション101においては、一対のリングギヤ124L・124Rをウォームホイールとするとともに、一対のモータ(左モータ105Lおよび右モータ105R)の出力軸131L・131Rにウォームギヤ132L・132Rを設け、前記ウォームホイールと噛合させ、左モータ105Lからリングギヤ124Lへの駆動力伝達経路はウォームギヤ132Lからウォームホイール(リングギヤ124L)へ駆動力を伝達する構成とするとともに、右モータ105Rからリングギヤ124Rへの駆動力伝達経路はウォームギヤ132Rからウォームホイール(リングギヤ124R)へ駆動力を伝達する構成としている。
このように構成することは、以下の如き利点を有する。すなわち、ウォームギヤのセルフロック機能(ウォームギヤを回転させることによりウォームホイールを容易に回転駆動することができるが、ウォームホイールを回転させようとしても負荷が大きく、ウォームギヤを回転駆動することができない性質)を利用して直進時における左モータ105Lおよび右モータ105Rへの駆動力の逆流を防止することができ、ブレーキ等の制動手段を省略して部品点数および製造コストを削減することが可能である。
ここで、コンバインを滑らかに旋回させる方法としては、(1)一方の走行装置の走行速度を増速し、他方の走行装置の走行速度は直進時の速度を保持する、(2)一方の走行装置の走行速度を増速し、他方の走行装置の走行速度を減速する、(3)一方の走行装置の走行速度を減速し、他方の走行装置の走行速度は直進時の速度を保持する、といった方法が考えられる。
(1)または(2)の方法の場合、走行装置の走行速度を増速させるためには、左モータ105Lおよび右モータ105Rはエンジン31からの駆動力の一部が左モータ105Lまたは右モータ105Rに逆流してくるのに抗して差動機構104L・104Rに駆動力を入力する必要があるため、左モータ105Lおよび右モータ105Rとして出力が大きいものを使用しなければならず、製造コストが増大する要因となる。一方、(3)の方法は、エンジン31からの駆動力の一部が左モータ105Lまたは右モータ105Rに逆流し、該駆動力にアシストされる形で左モータ105Lまたは右モータ105Rを駆動するため、左モータ105Lおよび右モータ105Rとして出力が大きいものを使用する必要がない(その代わり、(1)および(2)と比較すると旋回時の走行速度は遅い)。
そこで、本実施例のトランスミッション101については、(3)の方法を採用し、一対のモータである左モータ105Lおよび右モータ105Rは、それぞれ対応するキャリア122L・122Rの回転速度を減速させる方向に、対応するリングギヤ124L・124Rを回転駆動する構成としている。このように構成することにより、左モータ105Lおよび右モータ105Rとして出力が大きいものを使用する必要がなく、トランスミッション101の製造コストを削減することが可能である。また、左モータ105Lおよび右モータ105Rの出力が小さい場合には、通常はそのサイズも小さいので、トランスミッション101を小型化することが可能である。
また、本実施例においては、一対のモータである左モータ105Lおよび右モータ105Rは、コンバインの直進時にはいずれも回転駆動せず、コンバインの旋回時には一方のモータのみ回転駆動する。このように構成することにより、左モータ105Lおよび右モータ105Rとして出力が大きいものを使用する必要がなく、トランスミッション101の製造コストを削減することが可能である。また、左モータ105Lおよび右モータ105Rの出力が小さい場合には、通常はそのサイズも小さいので、トランスミッション101を小型化することが可能である。
さらに、本実施例においては、無段変速装置としてHST103を用いている。このように構成することにより、滑らかな旋回と高い駆動力伝達効率を達成することが可能である。
以下では図1乃至図4を用いて運転操作部5および走行・操向制御の詳細構成を説明する。運転操作部は主に、操向用丸型ハンドル16、走行変速レバー25、脱穀クラッチレバー26、刈取クラッチレバー27等で構成される。
脱穀クラッチレバー26は、サイドコラム上に配置されて、エンジン31から脱穀部28への駆動力伝達経路の中途部に設けられた脱穀クラッチ58を操作し、脱穀部28への駆動力の入切を行なうものである。刈取クラッチレバー27は、サイドコラム上に配置されて、エンジン31から刈取部29への駆動力伝達経路の中途部に設けられた刈取クラッチ59を操作し、刈取部29への駆動力の入切を行なうものである。
操向用丸型ハンドル16の回動基部には、回動角度を検知する角度検知手段(センサー)49が設けられており、該センサー49は制御装置30と接続され、該制御装置30に左モータ105Lおよび右モータ105Rが接続されて、操向用丸型ハンドル16の回動角度及び回動方向に応じて、左モータ105Lまたは右モータ105Rを駆動させる。例えば、左方向に操向用丸型ハンドル16を回動すると(小旋回の時)、その回動角に応じて前述のように、左モータ105Lを駆動して左側の遊星歯車により減速して出力軸106Lの回転数を減少させて旋回するのである。そして更に、操向用丸型ハンドル16回動すると、急旋回となるので、左モータ105Lの回転数を更に増加して左側の出力軸106Lの回転数を更に減少するとともに、右モータ105Rも駆動して右側の出力軸106Rの回転数も減少して、走行速度を減少しながら旋回して、旋回半径が小さくなっても機体が大きく振られないようにしている。そして、前記制御装置30には、作業状態や走行状態に応じて旋回性能を上げるための、モード切替スイッチ57が接続されている。この制御は後述する。
一方、HST103の油圧ポンプ112の可動斜板を傾動させるために、可動斜板の回動軸にモータまたはシリンダ等のアクチュエータ103aが連結され、該アクチュエータ103aも前記制御装置30に接続されている。そして、該制御装置30には走行変速レバー(主変速レバー)25の回動基部に設けた角度検知手段(角度センサー)25aと接続され、該走行変速レバー25の傾動角及び傾倒方向に応じてアクチュエータ103aを作動させ、可動斜板を傾動させてHST103の出力軸の回転数及び回転方向を変更して変速を行うようにしている。
以下、操向用丸型ハンドル16による操向について説明する。操向用丸型ハンドル16が中立位置(直進位置)にあるときには左モータ105Lおよび右モータ105Rには電力が供給されず停止した状態で、走行装置4L・4Rは同方向に同速度で走行可能な状態である。
前進時に操向用丸型ハンドル16を左に回動させると、左モータ105Lが回転駆動され、左側の走行装置4Lの走行速度が右側の走行装置4Rの走行速度より遅くなって左旋回する。このとき、操向用丸型ハンドル16の回動角度に応じて左モータ105Lの回転速度を調整可能であり、操向用丸型ハンドル16の回動角度を大きくするほど左モータ105Lの回転速度が大きくなってコンバインは小さい旋回半径で左旋回することとなる。
前進時に操向用丸型ハンドル16を右に回動させると、右モータ105Rが回転駆動され、右側の走行装置4Rの走行速度が左側の走行装置4Lの走行速度より遅くなって右旋回する。このとき、操向用丸型ハンドル16の回動角度に応じて右モータ105Rの回転速度を調整可能であり、操向用丸型ハンドル16の回動角度を大きくするほど右モータ105Rの回転速度が大きくなってコンバインは小さい旋回半径で左旋回することとなる。
ここで、前記制御装置30に接続されるモード切替スイッチ57とは、直進刈取モードと、旋回モードとを切り替えるものである。直進刈取モードの時には、操向用丸型ハンドル16の切れ角に対して、旋回半径が大きくなり、即ち、直進刈取モードの時には、操向用丸型ハンドル16の切れ角が通常(作業時以外の走行時)の切れ角の時よりもモータ105の回転数が小さくなるように制御して、旋回半径が大きくなり(旋回角度が小さくなり)、容易に条合わせを行なうことができる。また、旋回モードの時には、操向用丸型ハンドル16の切れ角に対して、旋回半径が小さくなり、すなわち、旋回モードの時には、操向用丸型ハンドル16の切れ角が通常の切れ角の時よりもモータ105の回転数が大きくなるように制御して、旋回半径が小さくなり(旋回角度が大きくなり)、旋回性能が高くなり、急旋回が可能となるのである。
このモード切替スイッチ57は刈取クラッチや刈取部の昇降位置や副変速装置と連動させて自動で切り替わるように制御することも可能である。即ち、副変速レバー22の回動基部にはその回動を検知する手段22aが配置され、脱穀クラッチレバー26の回動基部にはその回動を検知する手段26aが設けられ、刈取クラッチレバー27の回動基部にはその回動を検知する手段27aが設けられ、刈取部29の回動基部にはその回動角度を検知するための角度検知手段29aが設けられ、各検知手段22a・26a・27a・29aはそれぞれ制御装置30と接続されている。
そして、副変速装置(副変速レバー22)が低速の時、または、脱穀クラッチレバー26が「入」の時は作業時等である。副変速装置が高速のときはモード切替スイッチ57は直進刈取モードや旋回モードにならず、通常のハンドル操作が行える。副変速装置が低速に切り替えられたときには、作業時であって、それぞれ検知手段22a・26aで検知され、検知手段27aが刈取クラッチがONを検知した時には、モード切替スイッチ57は「直進刈取モード」に切り替えられる。この「直進刈取モード」では、操向用丸型ハンドル16の回動角度の検知角は小さな値(例えば数分の一)に変換されて、刈取作業時に操向用丸型ハンドル16を少し大きく切っても機体の進行方向は小さく変化して(旋回半径は大きくなって)条合わせが行い易くするのである。
また、作業時において、刈取クラッチレバー27を「切」側に回動するか、或いは、刈取部29を上昇させると、「旋回モード」に切り替わるようにしている。つまり、刈取クラッチの検知手段27aが「切」を検知し、或いは、刈取部29の角度が検知手段29aにより設定角度以上上昇されたことを検知すると、「旋回モード」に切り替わる。この「旋回モード」では、操向用丸型ハンドル16の回動角度の検知角は大きな値(例えば数倍)に変換されて、操向用丸型ハンドル16を小さく切ったときでも、機体の方向は大きく変化して(旋回半径は小さくなって)、大きく旋回することができ、操作性を向上できるのである。
また、図4に示したように、左モータ105L、右モータ105Rには、スリップを自動的に検出するためのトルク検出手段45R・45Lが配置されている。前記トルク検出手段45R・45Lは、制御装置30に接続されており、該トルク検出手段45R・45Lが、旋回外側のモータのトルクが急激に軽くなった(負荷が小さくなった)ことを検出した場合には、旋回外側のモータの回転速度が減速され、さらに、制御装置30を介してHST103の出力回転速度も減速されるよう構成されている。すなわち、湿田等の作業で旋回外側のクローラがスリップした場合には、負荷が減少して回転数が増加するので、圃場面を掘り起こしてしまい走行部が埋まり脱出できなくなる場合が想定されるので、スリップを検出したときには自動的に旋回外側のモータの回転数を下げて走行速度を減少して、スリップを回避するとともに、左右他側の走行速度も減速して、スリップを回避するようにしている。
本発明の一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示した側面図。 同じく平面図。 コンバインの駆動力伝達経路を示す模式図。 トランスミッションのスケルトン図。 トランスミッションの平面一部断面図。 トランスミッションの左側面図。
16 操向用丸型ハンドル
30 制御装置
31 エンジン
45L トルク検出手段
45R トルク検出手段
49 角度検知手段
57 モード切替スイッチ
103 油圧式無段変速装置(HST)
105L モータ
105R モータ
106L 車軸
106R 車軸
113a 出力軸
121L サンギヤ
121R サンギヤ
122L キャリア
122R キャリア
123L プラネタリギヤ
123R プラネタリギヤ
124L リングギヤ
124R リングギヤ
131L 出力軸
131R 出力軸

Claims (3)

  1. エンジン(31)からの動力により駆動される油圧式無段変速装置(103)と、左右一対の遊星歯車式差動機構(104L・104R)と、左右一対の電気式モータ(105L・105R)と、操向用ハンドル(16)を備えるコンバインであって、前記操向用ハンドル(16)の回動角度を検知する角度検知手段(49)を備えるとともに、前記左右一対の遊星歯車式差動機構(104L・104R)のサンギヤ(121L・121R)を、前記油圧式無段変速装置(103)の出力軸と連動連結し、左右の遊星歯車のキャリア(122L・122R)を、左右の車軸(106L・106R)と連動連結し、左右の遊星歯車のインターナルギヤ(124L・124R)を左右の電気式モータ(105L・105R)の出力軸とそれぞれ連動連結し、コンバインの直進時には左右一対の電気式モータ(105L・105R)はいずれも回転駆動せず、コンバインの旋回時には、前記操向用ハンドル(16)の中立位置から左右への回動角に比例して、左右対応する側の電気式モータ(105L・105R)を駆動増速することにより、対応するリングギヤにより構成したインターナルギヤ(124L・124R)を回転駆動し、対応するキャリア(122L・122R)の回転速度を減速させて旋回を行い、前記電気式モータ(105L・105R)にトルク検出手段(45R・45L)を配置し、旋回外側のモータトルクが急激に軽くなった場合、該旋回外側の電気式モータ(105L・105R)の回転速度を減速し、前記油圧式無段変速装置(103)の回転速度も減速するように構成し、前記エンジン(31)により発電機(32)を回転駆動して電力を発生させ、該電力をバッテリ(33)に充電し、該発電機(32)またはバッテリ(33)より、電気式モータ(105L・105R)の駆動回路に電力を供給することを特徴とするコンバイン。
  2. 請求項1記載のコンバインにおいて、前記電気式モータ(105L・105R)の駆動制御装置(30)に、直進刈取モードと回行モードとのモード切替スイッチ(57)を接続し、直進刈取モードの時には、操向用ハンドル(16)の切れ角に対して、旋回半径が大きくなり、旋回モードの時には、操向用ハンドル(16)の切れ角に対して、旋回半径が小さくなり操向用ハンドル(16)のハンドル切れ角に対して、前記モードに合わせた旋回半径としたことを特徴とするコンバイン。
  3. 請求項1記載のコンバインにおいて、前記左右の遊星歯車のインターナルギヤ(124L・124R)を、その内周面と外周面に歯車部が形成されたリング状のウォームホイールとするとともに、前記左右の電気式モータ(105L・105R)の出力軸にウォームギヤ(132L・132R)を設けて、前記ウォームホイールと噛合させたことを特徴とするコンバイン。
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