JP2004210071A - 刈取収穫機の走行伝動構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】刈取収穫機の走行伝動構造において、既存の構造を有効に利用しながら、刈取部を駆動した状態で機体を停止させることができるように構成する。
【解決手段】動力を伝動及び遮断自在な右及び左のサイドクラッチをミッションケースの内部に備え、右及び左のサイドクラッチを伝動及び遮断状態に操作自在な右及び左の油圧アクチュエータ43をミッションケースの内部に備える。右及び左の油圧アクチュエータ43に作動油を供給又は排出することにより、右及び左の油圧アクチュエータ43を作動させて、右及び左のサイドクラッチの両方を遮断状態に操作する停止手段55を備える。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、刈取収穫機の走行伝動構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
刈取収穫機においては例えば特許文献1に開示されているように、エンジン(特許文献1の図2中の6)からの伝動系を、第1走行伝動系(特許文献1の図2中の11,G9,G11)、及び刈取伝動系(特許文献1の図2中の10)に分岐させ、刈取伝動系を介して刈取部(特許文献1の図2中の3)に動力を伝達するように構成し、第1走行伝動系を右及び左の第2走行伝動系(特許文献1の図2中の23R,23L,21R,21L,22R,22L)に分岐させ、右及び左の第2走行伝動系を介して、右及び左の走行装置(特許文献1の図2中の1R,1L)に動力を伝達するように構成したものがある。
【0003】
特許文献1の構造によると、動力を伝動及び遮断自在な右及び左のサイドクラッチ(特許文献1の図2及び図4中の20R,20L)を、右及び左の第2走行伝動系に備えてミッションケース(特許文献1の図2及び図4中の9)の内部に備え、右及び左のサイドクラッチを伝動及び遮断状態に操作自在な右及び左の油圧アクチュエータ(特許文献1の図4中のa,b参照)を、ミッションケースの内部に備えている。
【0004】
以上の構造により、特許文献1の構造によれば、右及び左のサイドクラッチを伝動状態に操作すると、動力が第1走行伝動系、右及び左の第2走行伝動系を介して右及び左の走行装置に伝達されて、機体は直進(前進又は後進)する。例えば右のサイドクラッチを遮断状態に操作すると、左の走行装置に動力が伝達されるが、右の走行装置への動力が遮断され、右の走行装置が自由回転する状態となって、機体は右に緩やかに向きを変える。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−193835号公報(図2及び図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
コンバイン等の刈取収穫機では、圃場の端部の作物を刈り取る場合、刈取部を駆動した状態で機体を停止させて、圃場の端部の作物を刈り取るような作業を行うことがある。
本発明は刈取収穫機の走行伝動構造において、既存の構造を有効に利用しながら、刈取部を駆動した状態で機体を停止させることができるように構成することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
[I]
請求項1の特徴によると、エンジンからの伝動系を第1走行伝動系及び刈取伝動系に分岐させ、刈取伝動系を介して刈取部に動力を伝達するように構成して、第1走行伝動系を右及び左の第2走行伝動系に分岐させ、右及び左の第2走行伝動系を介して右及び左の走行装置に動力を伝達するように構成している。動力を伝動及び遮断自在な右及び左のサイドクラッチを、右及び左の第2走行伝動系に備えてミッションケースの内部に備え、右及び左のサイドクラッチを伝動及び遮断状態に操作自在な右及び左の油圧アクチュエータを、ミッションケースの内部に備えている。
このような構成において、請求項1の特徴によると、右及び左の油圧アクチュエータに作動油を供給又は排出することにより、右及び左の油圧アクチュエータを作動させて、右及び左のサイドクラッチの両方を遮断状態に操作する停止手段を備えている。
【0008】
請求項1の特徴によると、エンジンからの伝動系が第1走行伝動系及び刈取伝動系に分岐され、第1走行伝動系が右及び左の第2走行伝動系に分岐されて、右及び左の第2走行伝動系に右及び左のサイドクラッチが備えられているので、刈取伝動系が上手側に位置して、右及び左のサイドクラッチが下手側に位置している。
これにより、請求項1の特徴によると、停止手段により右及び左の油圧アクチュエータに作動油を供給又は排出し、右及び左の油圧アクチュエータを作動させて、右及び左のサイドクラッチの両方を遮断状態に操作すると、右及び左のサイドクラッチにより右及び左の走行装置への動力が遮断されて機体は停止する。この場合、刈取伝動系は右及び左のサイドクラッチの上手側に位置しているので、刈取伝動系を介して刈取部に動力が伝達されて、刈取部は駆動されている。このようにして、刈取部を駆動した状態で機体を停止させることができる。
【0009】
[II]
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項2の特徴によると、右及び左の油圧アクチュエータを、作動油が供給されることにより右及び左のサイドクラッチを遮断状態に操作するように構成し、油圧ポンプからの作動油を右又は左の油圧アクチュエータに供給し右又は左の油圧アクチュエータにより右又は左のサイドクラッチを遮断状態に操作して、機体の向きを変更する方向切換弁を備えている。これにより、方向切換弁を操作して右又は左の油圧アクチュエータにより、右又は左のサイドクラッチを遮断状態に操作することにより、機体は右又は左に緩やかに向きを変える。
【0010】
このような構成において、請求項2の特徴によると、油圧ポンプと方向切換弁との間から分岐した作動油を右及び左の油圧アクチュエータに供給し、右及び左の油圧アクチュエータを作動させて、右及び左のサイドクラッチの両方を遮断状態に操作する停止弁により、停止手段を構成している。
【0011】
これによって、請求項2の特徴によると、油圧ポンプと方向切換弁との間から分岐した作動油を、右及び左の油圧アクチュエータに供給するように構成しており、前述の分岐部分が上手側に位置して、方向切換弁が下手側に位置している。従って、請求項2の特徴によると、方向切換弁がどのような状態に操作されていても、方向切換弁の操作状態に関係なく、作動油を右及び左の油圧アクチュエータに供給し、右及び左の油圧アクチュエータを作動させて、右及び左のサイドクラッチの両方を遮断状態に操作することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
[1]
図1に示すように、クローラ式の右及び左の走行装置1によって支持された機体の前部の左部に刈取部2、機体の前部の右部に運転部3が備えられ、機体の後部の左部に脱穀装置4、機体の後部の右部にグレンタンク5が備えられて、刈取収穫機の一例である稲用のコンバインが構成されている。これにより、圃場の穀稈が刈取部2によって刈り取られ、脱穀装置4により脱穀処理されて、脱穀装置4で回収された穀粒がグレンタンク5に供給される。
【0013】
図2に示すように、走行用のミッションケース6が備えられて、前進側及び後進側に変速自在な静油圧式無段変速装置7がミッションケース6に連結されており、エンジン8の出力軸8aの動力が、ベルト式のテンションクラッチ9を介して静油圧式無段変速装置7の入力軸7aに伝達される。静油圧式無段変速装置7の出力軸7bの動力が出力軸10に伝達され、ベルト式のテンションクラッチ11を介して刈取部2に伝達される。
【0014】
[2]
次に、ミッションケース6の内部に備えられた伝動系において、直進(前進又は後進)の伝動系について説明する。
図2に示すように、ミッションケース6の内部に伝動軸12が備えられ、出力軸10に固定された伝動ギヤ13が、伝動軸12に固定された伝動ギヤ14に咬合している。伝動軸12に低速ギヤ15、中速ギヤ16及び高速ギヤ17が相対回転自在に外嵌されており、シフト部材18,19がスプライン構造により一体回転及びスライド自在に伝動軸12に外嵌されている。
【0015】
図2に示すように、ミッションケース6の内部に伝動軸20が備えられて、伝動軸20に固定された低速ギヤ21、中速ギヤ22及び高速ギヤ23が低速ギヤ15、中速ギヤ16及び高速ギヤ17に咬合している。これにより、シフト部材18,19をスライド操作して低速ギヤ15、中速ギヤ16及び高速ギヤ17に咬合させることにより、伝動軸12から伝動軸20に伝達される動力を3段に変速することができる。
【0016】
図2及び図3に示すように、ミッションケース6の内部に支持軸24が回転自在に支持されて、支持軸24の中央に伝動ギヤ25が固定されており、中速ギヤ22と伝動ギヤ25とが咬合している。支持軸24に右及び左のサイドギヤ26が相対回転自在及びスライド自在に外嵌されており、右及び左の走行装置1に動力を伝達する右及び左の伝動ギヤ27が、右及び左のサイドギヤ26のスライド操作に関係なく右及び左のサイドギヤ26に常時咬合している。
【0017】
図2及び図3に示すように、右及び左のサイドギヤ26と支持軸24との間に右及び左の油室43が構成されており、バネ39により右及び左のサイドギヤ26が伝動ギヤ25に向けて付勢されている。これにより、バネ39の付勢力により右及び左のサイドギヤ26が伝動ギヤ25の咬合部25cに咬合しており、右及び左の油室43に作動油を供給すると、バネ39に抗して右及び左のサイドギヤ26がスライド操作されて伝動ギヤ25の咬合部25cから離れる。
【0018】
以上の構造により、図2及び図3に示すように、右及び左のサイドギヤ26を伝動ギヤ25の咬合部25cに咬合させると、伝動軸20の動力が中速ギヤ22及び伝動ギヤ25、右及び左のサイドギヤ26、右及び左の伝動ギヤ27を介して右及び左の走行装置1に伝達される。これにより、同方向及び同速度の動力が右及び左の走行装置1に伝達されて、機体は直進(前進又は後進)する。次に右(左)のサイドギヤ26をスライド操作して伝動ギヤ25の咬合部25cから離すと、伝動ギヤ25から右(左)の走行装置1への動力が遮断される。このように、伝動ギヤ25の咬合部25cと右及び左のサイドギヤ26との間で、右及び左のサイドクラッチ37が構成されている。
【0019】
[3]
次に、ミッションケース6の内部に備えられた伝動系において、旋回の伝動系について説明する。
図2及び図3に示すように、ミッションケース6の内部に伝動軸28が備えられて、第1旋回クラッチ29及び第2旋回クラッチ30が伝動軸28に備えられている。第1及び第2旋回クラッチ29,30は、伝動軸28に固定されたケース部材31、伝動軸28に相対回転自在に外嵌された小径の第1旋回ギヤ32及び大径の第2旋回ギヤ33、ケース部材31と第1及び第2旋回ギヤ32,33との間に配置された摩擦板34、摩擦板34を押圧するピストン部材35等を備えて、油圧多板型式に構成されている。伝動ギヤ25に出力ギヤ25aが一体的に備えられており、出力ギヤ25aと第1旋回ギヤ32とが咬合している。伝動軸20に逆転ギヤ53が固定されており、逆転ギヤ53と第2旋回ギヤ33とが咬合している。
【0020】
図2及び図3に示すように、伝動軸28に右及び左の伝動ギヤ36が固定されており、右及び左のサイドギヤ26と右及び左の伝動ギヤ36との間に、右及び左の伝動クラッチ38が備えられている。右及び左の伝動クラッチ38は、支持軸24に相対回転自在に外嵌されたケース部材40、ケース部材40と右及び左のサイドギヤ26との間に配置された摩擦板41、摩擦板41を押圧するピストン部材42等を備えて、油圧多板型式に構成されている。ケース部材40の外周部にギヤ歯が備えられており、右及び左の伝動ギヤ36が右及び左の伝動クラッチ38のケース部材40のギヤ歯に咬合している。
【0021】
以上の構造により、前項[2]に記載のように、右及び左のサイドギヤ26が伝動ギヤ25の咬合部25cに咬合し、伝動軸20の動力が右及び左のサイドギヤ26を介して右及び左の走行装置1に伝達されて、機体が直進(前進又は後進)している状態において、第1及び第2旋回クラッチ29,30、右及び左の伝動クラッチ38が遮断状態に操作されている。
【0022】
前述の状態において、例えば図3に示すように、左のサイドギヤ26をスライド操作して伝動ギヤ25の咬合部25cから離し(左のサイドクラッチ37の遮断状態)、第1旋回クラッチ29及び左の伝動クラッチ38を伝動状態に操作すると、伝動ギヤ25の動力が出力ギヤ25a、第1旋回クラッチ29、伝動軸28、左の伝動ギヤ36及び左の伝動クラッチ38を介して左のサイドギヤ26に伝達される。これにより、出力ギヤ25aと第1旋回ギヤ32との間で低速に減速された動力(右の走行装置1と同方向)が左の走行装置1に伝達されて、右及び左の走行装置1の速度差により、機体は前進(後進)しながら左に旋回していく。
【0023】
前述の状態において、第2旋回クラッチ30及び左の伝動クラッチ38を伝動状態に操作すると、伝動軸20の動力が第2旋回クラッチ30、伝動軸28、左の伝動ギヤ36及び左の伝動クラッチ38を介して左のサイドギヤ26に伝達される。この場合、逆転ギヤ53と第2旋回ギヤ33との間で低速に減速され逆転された動力(右の走行装置1と逆方向)の動力が左の走行装置1に伝達されて、機体はその場で左に旋回する。
前述のように、左の伝動クラッチ38を伝動状態に操作した場合と同様に、右の伝動クラッチ38を伝動状態に操作した場合も同じ状態が生じる。
【0024】
[4]
次に、右及び左のサイドクラッチ26、右及び左の伝動クラッチ38、第1及び第2旋回クラッチ29,30の操作並びに油圧回路構造について説明する。
図3及び図4に示すように、油圧ポンプ44の作動油が、3位置切換式の方向切換弁45から油路46,47を介して右及び左の油室43、右及び左の伝動クラッチ38に供給されている。右及び左の油室43からの油路48が旋回選択弁50に接続され、旋回選択弁50の作動油が第1及び第2旋回クラッチ29,30に供給されるように構成されており、旋回選択弁50に可変リリーフ弁49が接続されている。操向レバー51が運転部3に備えられて、操向レバー51と方向切換弁45及び可変リリーフ弁49とが、連係機構52を介して連係されている。
【0025】
図4に示す状態は、旋回選択弁50を第1旋回位置50aに操作し、操向レバー51を中立位置Nに操作している状態であり、方向切換弁45が中立位置45Nに操作され、可変リリーフ弁49が開位置に操作されている。この状態で右及び左の油室43に作動油は供給されず、右及び左の伝動クラッチ38、第1及び第2旋回クラッチ29,30が遮断状態に操作されている。
【0026】
これにより、図2に示すように、右及び左のサイドギヤ26が伝動ギヤ25の咬合部25cに咬合して(右及び左のサイドクラッチ37の伝動状態)、伝動軸20の動力が中速ギヤ22及び伝動ギヤ25、右及び左のサイドギヤ26、右及び左の伝動ギヤ27を介して右及び左の走行装置1に伝達され、同方向及び同速度の動力が右及び左の走行装置1に伝達されて、機体は直進(前進又は後進)する。
【0027】
図4に示すように、操向レバー51を中立位置Nから右第1旋回位置R1(左第1旋回位置L1)に操作すると、方向切換弁45が右旋回位置45R(左旋回位置45L)に操作され、右(左)の油室43及び右(左)の伝動クラッチ38に供給されて、右(左)のサイドギヤ26がスライド操作されて伝動ギヤ25の咬合部25cから離れ(右(左)のサイドクラッチ37の遮断状態)、右(左)の伝動クラッチ38が伝動状態に操作される。この場合、第1及び第2旋回クラッチ29,30が遮断状態に操作されているので(可変リリーフ弁49が開位置に操作されているので)、右(左)の走行装置1が自由回転する状態となって、機体は右(左)に緩やかに向きを変える。
【0028】
図4に示すように、操向レバー51を右第1旋回位置R1(左第1旋回位置L1)から、右第2旋回位置R2(左第2旋回位置L2)に操作していくと、前述の状態から、可変リリーフ弁49が開位置から次第に閉位置に操作されていくので、第1旋回クラッチ29が遮断状態から次第に伝動状態に操作されていく。これにより、前項[3]に記載のように、出力ギヤ25aと第1旋回ギヤ32との間で低速に減速された動力が右(左)の走行装置1に伝達されていき、右及び左の走行装置1の速度差により、機体は前進(後進)しながら右(左)に旋回していくのであり、操向レバー51を右第2旋回位置R2(左第2旋回位置L2)に操作すると、第1旋回クラッチ29が完全な伝動状態となる。
【0029】
図4に示すように、操向レバー51を右第1旋回位置R1(左第1旋回位置L1)から、右第2旋回位置R2(左第2旋回位置L2)に操作していく際、事前に旋回選択弁50を第2旋回位置50bに操作しておくと、前述の状態から可変リリーフ弁49が開位置から次第に閉位置に操作されていけば、第2旋回クラッチ30が遮断状態から次第に伝動状態に操作されていく。これにより、前項[3]に記載のように、逆転ギヤ53と第2旋回ギヤ33との間で低速に減速され逆転された動力(左(左)の走行装置1と逆方向)の動力が右(左)の走行装置1に伝達されていき、機体はその場で右(左)に旋回していくのであり、操向レバー51を右第2旋回位置R2(左第2旋回位置L2)に操作すると、第2旋回クラッチ33が完全な伝動状態となる。
【0030】
[5]
次に、刈取部2を駆動した状態で機体を停止させる構造について説明する。
図4及び図5に示すように、方向切換弁45と停止弁55(スプール55d)が一つのブロック59に備えられており、油圧ポンプ44からの油路54がブロック59のポンプポート59aに接続されている。ポンプポート59aと方向切換弁45とに亘って接続ポート59bが備えられ、ポンプポート59aと接続ポート59bとの間に停止弁55(スプール55d)が備えられている。接続ポート59bはポンプポート59aよりも小径に構成され、ポンプポート59aの中心に対して、接続ポート59bの中心が少しずれて配置されている(図5の紙面左方)。
【0031】
図4及び図5に示すように、停止弁55(スプール55d)は供給位置55a及び停止位置55bを備えた2位置切換式に構成されて、バネ55cにより供給位置55aに付勢されている。停止弁55(スプール55d)及びブロック59の出力ポート59cから油路56,57が延出されており、油路56,57がミッションケース6の外部を通って支持軸24の付近に接続されている。
【0032】
図4に示すように、油路46と油路56との間及び油路47と油路57との間に、パイロット操作式の切換弁58が備えられている。切換弁58は、油路46,47を連通させて油路56,57を遮断する供給位置58a、及び方向切換弁45からの作動油を遮断して油路56,57を油路46,47に接続する停止位置58bを備えた2位置切換式に構成されて、バネ58cにより供給位置58aに付勢されている
【0033】
図4及び図5に示すように、運転部3に停止ペダル60が備えられ、ブロック59に備えられた操作軸62と、停止ペダル60とがワイヤ61を介して接続されている。図4及び図5に示す状態は、停止ペダル60を踏み操作していない状態であり、停止弁55(スプール55d)が供給位置55aに操作されている状態である。この状態で、ポンプポート59aと接続ポート59bとが連通し、出力ポート59cが遮断されて、油圧ポンプ44の作動油が停止弁55(スプール55d)から方向切換弁45に供給され、油路56,57に供給されず、前項[2][3][4]に記載の状態が得られる。
【0034】
停止ペダル60を足で踏み操作すると、図4及び図5に示すように、操作軸62が回転操作され、停止弁55(スプール55d)が図5の紙面右方に押し操作されて供給位置55aから停止位置55bに操作される。これにより、接続ポート59bが遮断されて、ポンプポート59aと出力ポート59cとが連通し、油圧ポンプ44の作動油が方向切換弁45に供給されずに、油路56,57に供給される。
【0035】
図3及び図4に示すように、油圧ポンプ44の作動油が油路56,57に供給されると、油路56,57のパイロット圧により切換弁58が供給位置58aから停止位置58bに操作され、油圧ポンプ44の作動油が油路56,57及び切換弁58を介して、右及び左の油室43、右及び左の伝動クラッチ38に供給される。
【0036】
これにより前項[4]及び図2に示すように、右及び左のサイドギヤ26がスライド操作されて伝動ギヤ25の咬合部25cから離れ(右及び左のサイドクラッチ37の遮断状態)、右及び左の伝動クラッチ38が伝動状態に操作される。この場合、第1及び第2旋回クラッチ29,30が遮断状態に操作されているので、右及び左の走行装置1への動力が遮断されて機体が停止するのであり、静油圧式無段変速装置7の出力軸7bの動力が出力軸10に伝達され、ベルト式のテンションクラッチ11を介して刈取部2に伝達される。
次に停止ペダル60から足を離すと、停止ペダル60が元の位置に戻り、停止弁55(スプール55d)が停止位置55bから供給位置55aに操作されて、図4及び図5、前項[2][3][4]に記載の状態に戻る。
【0037】
[発明の実施の別形態]
前述の[発明の実施の形態]において、右及び左の油室43に作動油を供給すると、右及び左のサイドクラッチ37が伝動状態となるように右及び左のサイドギヤ26がスライド操作され、右及び左の油室43から作動油を排出すると、バネ(図示せず)により右及び左のサイドクラッチ37が遮断状態となるように、右及び左のサイドギヤ26がスライド操作されるように構成してもよい。
【0038】
前述の[発明の実施の形態]において、操向レバー51に代えて、一般の乗用車のような丸型の操縦ハンドル(図示せず)を使用してもよい。
本発明はクローラ式の右及び左の走行装置1ばかりではなく、操向操作されない走行車輪を右に複数個備え左に複数個備えて、右及び左の走行装置1を構成した刈取収穫機にも適用できる。本発明は稲用のコンバインばかりではなく、麦や大豆等の刈取収穫機、藺草の刈取収穫機にも適用できる。
【0039】
【発明の効果】
請求項1の特徴によると、刈取収穫機の走行伝動構造において、既存の構造と言ってよい右及び左のサイドクラッチの両方を遮断状態に操作するように構成することによって、刈取部を駆動した状態で機体を停止させることができるようになり、例えば刈取部を駆動した状態で機体を停止させて、圃場の端部の作物を刈り取るような作業を適切に行うことができるようになり、刈取収穫機の作業性を向上させることができた。
この場合、請求項1の特徴によると、既存の構造と言ってよい右及び左のサイドクラッチの両方を遮断状態に操作することにより、刈取部を駆動した状態で機体を停止させるように構成しており、刈取部を駆動した状態で機体を停止させる為の専用の停止クラッチ等を備えていないので、構造の簡素化の面で有利なものとなった。
【0040】
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項2の特徴によると、右又は左の油圧アクチュエータにより右又は左のサイドクラッチを遮断状態に操作して、機体の向きを変更する方向切換弁を備えた場合、方向切換弁がどのような状態に操作されていても、方向切換弁の操作状態に関係なく、右及び左のサイドクラッチの両方を遮断状態に操作して、刈取部を駆動した状態で機体を停止させることができるようになり、刈取収穫機の作業性を向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】ミッションケースの内部を示す概略図
【図3】ミッションケースの第1及び第2旋回クラッチ、右及び左のサイドクラッチ(サイドギヤ)の付近の縦断正面図
【図4】右及び左のサイドクラッチ(サイドギヤ)、右及び左の伝動クラッチ、第1及び第2旋回クラッチの油圧回路図
【図5】方向切換弁及び停止弁を備えるブロックの断面図
【符号の説明】
1 走行装置
2 刈取部
6 ミッションケース
7 伝動系
8 エンジン
11 刈取伝動系
25 第1走行伝動系
26,27 第2走行伝動系
37 サイドクラッチ
43 油圧アクチュエータ
44 油圧ポンプ
45 方向切換弁
55 停止手段、停止弁

Claims (2)

  1. エンジンからの伝動系を第1走行伝動系及び刈取伝動系に分岐させ、前記刈取伝動系を介して刈取部に動力を伝達するように構成して、
    前記第1走行伝動系を右及び左の第2走行伝動系に分岐させ、前記右及び左の第2走行伝動系を介して右及び左の走行装置に動力を伝達するように構成すると共に、
    動力を伝動及び遮断自在な右及び左のサイドクラッチを、前記右及び左の第2走行伝動系に備えてミッションケースの内部に備え、前記右及び左のサイドクラッチを伝動及び遮断状態に操作自在な右及び左の油圧アクチュエータを、前記ミッションケースの内部に備えて、
    前記右及び左の油圧アクチュエータに作動油を供給又は排出することにより、前記右及び左の油圧アクチュエータを作動させて、前記右及び左のサイドクラッチの両方を遮断状態に操作する停止手段を備えてある刈取収穫機の走行伝動構造。
  2. 前記右及び左の油圧アクチュエータを、作動油が供給されることにより前記右及び左のサイドクラッチを遮断状態に操作するように構成して、
    前記油圧ポンプからの作動油を前記右又は左の油圧アクチュエータに供給し、前記右又は左の油圧アクチュエータにより前記右又は左のサイドクラッチを遮断状態に操作して、機体の向きを変更する方向切換弁を備えると共に、
    前記油圧ポンプと方向切換弁との間から分岐した作動油を前記右及び左の油圧アクチュエータに供給し、前記右及び左の油圧アクチュエータを作動させて、前記右及び左のサイドクラッチの両方を遮断状態に操作する停止弁により、前記停止手段を構成してある請求項1に記載の刈取収穫機の走行伝動構造。
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