JP2019000049A - さつま芋の天ぷらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
下記の非特許文献1には、天ぷらの製造方法が写真入りで記載されており、特にさつま芋の天ぷらに関する記載を抜粋すると、以下のとおりである。
2)さつまいもは1cm厚さに斜め切りする。すぐに揚げないときは水にさらす。8)さつまいもは水気を拭き、小麦粉を軽くふる。9)ころもを作る。ボウルに卵黄を入れ、冷水を加えながら泡立器でとき混ぜる。水は冷たいほうが小麦粉の粘りが出にくくぼてっとしない。10)小麦粉を少し残して加え、泡立器でざっと混ぜる。粉が見える状態でよい。残した小麦粉は、堅さをみて加える。11)揚げ油を160〜165℃に熱し、さつまいもにもころもをつけ、盛るときに表となるほうを上にして入れる。油にいれたときに下となった面は、ころもにしわが寄り、上になった面には、小さな玉のころもがいくつもついて花が咲いたようになって見映えがよい。16)揚がったものからから引き上げて揚げもの用のバットに並べ、油をきる。17)器に懐紙を敷き、天ぷらの表が見えるように盛り付ける。
他方、さつま芋に付けた衣が薄い場合には、衣が焦げてバリバリになり、またさつま芋の水分も抜けすぎてしまうことから、皮の表面から2〜3mm程度白く硬くなってしまうという問題があった。この点、上記特許文献2に記載の製法のように仕込み工程においてあらかじめ皮むきすることで対応するという方法がある。
この点、上記特許文献2には、焼き芋の様な食感、色味や甘さを出すさつまいもの天ぷらの製法が記載されている。しかし、上記特許文献2に記載の製法においては、焼き芋の様な食感、色味や甘さを出すのはさつま芋の天ぷらの一部分(中央部分)に限られ、芋の全体に亘ってムラなく一様に、焼き芋の様なしっとり又はねっとりとした食感を有すると共に、栗きんとんの様な透明感のある琥珀の色味及び蜂蜜の様な甘さや香りを備えるさつま芋の天ぷらとすることは困難であった。また上記特許文献2に記載の製法では、油の温度を適温である170℃に保つ必要があることから、専用の天ぷら鍋を用意する必要があり、一つの天ぷら鍋を使用して数多くの天ぷらを続けて揚げる場合においても芋全体がムラなく一様に、焼き芋の様なしっとり又はねっとりとした食感を有し、さらには栗きんとんの様な透明感のある琥珀の色味及び蜂蜜の様な甘さや香りを備えたさつま芋の天ぷらとすることも困難であった。
さつま芋を複数のさつま芋片に切り分けると共に、切り分けたさつま芋片に衣を付ける第1工程と、
衣が付いたさつま芋片を所定温度の油中に投入して揚げることにより衣が固まったさつま芋の天ぷらとする第2工程と、
さつま芋の天ぷらを紙製タオルで包むと共にその上から凧糸を巻き付ける第3工程と、
第3工程を経たさつま芋の天ぷらを再度所定温度の油中に投入し、内部に火が通るまで揚げることによりさつま芋の天ぷらとする第4工程と、
さつま芋の天ぷらを新たな紙製タオルで包み直すと共にその上からアルミ箔を被せて包み込む第5工程と、
調理トレイの上に、所定温度の油を潜らせた紙製タオルを敷き、その上にアルミ箔で包んださつま芋の天ぷらを並べ、さらにその上から所定温度の油を潜らせた紙製タオルを掛けて第1の所定時間経過させる第6工程と、
さつま芋の天ぷらの上下を返すと共に、上に掛けていた紙製タオルを再度所定温度の油に潜らせ、アルミ箔で包んださつま芋の天ぷらの上に掛ける第7工程と、
第2の所定時間ごとに、第7工程の作業を複数回繰り返した後、そのまま第3の所定時間保温する第8工程と、
さつま芋の天ぷらから紙製タオル及びアルミ箔を外した後、所定温度の油中に投入して第4の所定時間揚げる工程と、
を有することを特徴とする、と云うものである。
また芋全体がムラなく一様に、焼き芋の様なしっとり又はねっとりとした食感を有し、さらには栗きんとんの様な透明感のある琥珀の色味及び蜂蜜の様な甘さや香りを備えたさつま芋の天ぷらの製造方法を提供し得る。
尚、以下の説明ではさつま芋単体を使用して油で揚げる場合を示して説明するが、その他複数種類の食材と混ぜた状態で揚げる場合も同様である。
図1に示すように。準備したさつま芋1を皮付きのまま所定の形に切って、複数のさつま芋片1Aに切り分ける(本実施例では4等分に切り分け)。
またボウル4などに天ぷら粉(小麦粉)と卵黄を入れて混ぜ合わせて衣2を作る。尚、卵黄に天ぷら粉を振るいながら何回かに分けて加えることが好ましい。
そして、切り分けたさつま芋片1Aに打ち粉した(図2参照)後、ボウル4に入れてやや薄めの衣2を付ける(図3参照)。
次に、油の温度を例えば180℃(所定温度)に設定した天ぷら鍋3内にさつま芋片1Aを投入して揚げる(図4参照)。2〜3分経過後、衣2が固まったことを確認したらさつま芋片1Aを油内から引き上げる(図5参照)。この時点では、さつま芋片1Aは衣2を纏ったさつま芋の天ぷら1Bの状態になるが、さつま芋片1Aの中まで火が通った状態にはない。
第2工程にて揚げたさつま芋の天ぷら1Bを紙製タオル(キッチンペーパー)5Aで包むと共に、紙製タオル5Aの上から凧糸6を複数回巻き付けてから結ぶ(図6参照)。
紙製タオル5Aに包まれたさつま芋の天ぷら1Bを、再度180℃(所定温度)の油が入った天ぷら鍋3に戻し、火が中まで通るまで揚げる(図7参照)。この時点ではさつま芋の天ぷら1Bは中まで火の通ったさつま芋の天ぷら1Cとなる。
このように紙製タオル5Aで包んだ状態のさつま芋の天ぷら1Bを油の中に入れて間接的に揚げることにより、衣2の厚みが薄く焦げやすい状態にあるさつま芋の天ぷら1Bであっても、厚い衣2を付けた場合同様焦げることなく油で揚げることができる。すなわち、紙製タオル5Aは天ぷら鍋3の鍋底等に触れるため、紙製タオル5A自体には焦げや天かす等が付着するが、さつま芋の天ぷら1Bは紙製タオル5A内にあって保護されるため、見た目上綺麗な状態のまま油で揚げることが可能になると共に、水分を適度に残しながら中まで確実に火を通すことができる。
さつま芋の天ぷら1Cから凧糸6を外すと共に紙製タオル5Aも剥がす(図8参照)。さらに新たな紙製タオル5Bでさつま芋の天ぷら1Cを包み直し(図9参照)、さらにその上からアルミ箔7を被せて包み込む(図10参照)。
次に、用意した調理トレイ8の上に、180℃(所定温度)の油を潜らせた紙製タオル5Cを敷き(図11参照)、その上にアルミ箔7で包んださつま芋の天ぷら1Cを並べる(図12参照)。さらにその上から180℃(所定温度)の油を潜らせた紙製タオル5Dを掛け(図13参照)、約10分程度待つ。
このように、180℃(所定温度)の油を潜らせた紙製タオル5C,5Dでさつま芋の天ぷら1Cを上下から挟んだ状態にすると、65〜75℃の温度帯で保温されてさつま芋のデンプン質を糖に変えることができる。
7〜10分(第1の所定時間)経過し、揚げ直後の温度から少し温度が下がった後にさつま芋の天ぷら1Cの上下を返すと共に、上に掛けていた紙製タオル5Dを再度180℃(所定温度)の油に潜らせ、アルミ箔7で包まれたさつま芋の天ぷら1Cの上に掛ける。
5〜7分(第2の所定時間)ごとに前記第7工程の作業を7回ほど繰り返した後、すなわち35分〜50分程度置いた後、そのまま15分(第3の所定時間)程度保温する。
上記工程のように、180℃(所定温度)の油を潜らせた紙製タオルでさつま芋の天ぷら1Cを保温することにより、さつま芋のデンプン質を糖に積極的に変えて甘さを感じる食べやすい温度まで下げることができ、芋全体がムラなく一様に、焼き芋の様なしっとり又はねっとりとした食感を有し、さらには栗きんとんの様な透明感のある琥珀の色味及び蜂蜜の様な甘さや香りを備えることが可能となる。
上記第6工程〜第8工程を経ると、さつま芋の内部から出る蒸気によって衣2はふやけた状態になる。そこで、紙製タオル5C,5Dと包んでいたアルミ箔7を外し、更に180℃(所定温度)の油が入った天ぷら鍋3に入れて20〜25秒(第4の所定時間)程揚げ(図14参照)、表面の衣2が固まりカリッとさせた後、余分な油を紙製タオルで除去し、さつま芋の天ぷら1Dが完成する(図15参照)。
例えば、上記実施例では、油の所定温度を好ましい温度である180℃の場合を示して説明したが、油の温度は180〜195℃の範囲にあれば良い。
1A : さつま芋片
1B〜1D : さつま芋の天ぷら
2 : 衣
3 : 天ぷら鍋
4 : ボウル
5A〜5D : 紙製タオル
6 : 凧糸
7 : アルミ箔
8 : 調理トレイ
Claims (6)
- さつま芋(1)を複数のさつま芋片(1A)に切り分けると共に、切り分けたさつま芋片(1A)に衣(2)を付ける第1工程と、
前記衣(2)が付いたさつま芋片(1A)を所定温度の油中に投入して揚げることにより前記衣(2)が固まったさつま芋の天ぷら(1B)とする第2工程と、
前記さつま芋の天ぷら(1B)を紙製タオル(5A)で包むと共にその上から凧糸(6)を巻き付ける第3工程と、
前記第3工程を経たさつま芋の天ぷら(1B)を再度所定温度の油中に投入し、内部に火が通るまで揚げることによりさつま芋の天ぷら(1C)とする第4工程と、
前記さつま芋の天ぷら(1C)を新たな紙製タオル(5B)で包み直すと共にその上からアルミ箔(7)を被せて包み込む第5工程と、
調理トレイ(8)の上に、所定温度の油を潜らせた紙製タオル(5C)を敷き、その上に前記アルミ箔(7)で包んださつま芋の天ぷら(1C)を並べ、さらにその上から所定温度の油を潜らせた紙製タオル(5D)を掛けて第1の所定時間経過させる第6工程と、
前記さつま芋の天ぷら(1C)の上下を返すと共に、上に掛けていた紙製タオル(5D)を再度所定温度の油に潜らせ、前記アルミ箔(7)で包んださつま芋の天ぷら(1C)の上に掛ける第7工程と、
第2の所定時間ごとに、前記第7工程の作業を複数回繰り返した後、そのまま第3の所定時間保温する第8工程と、
さつま芋の天ぷら(1C)から前記紙製タオル(5C,5D)及び前記アルミ箔(7)を外した後、所定温度の油中に投入して第4の所定時間揚げる第9工程と、
を有することを特徴とするさつま芋の天ぷらの製造方法。 - 所定温度が、180〜195℃の範囲である請求項1記載の天ぷら芋の製造方法。
- 第1の所定時間が、7〜10分である請求項1又は2記載の天ぷら芋の製造方法。
- 第2の所定時間が5〜7分であり、複数回が7回である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の天ぷら芋の製造方法。
- 第3の所定時間が、15分である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の天ぷら芋の製造方法。
- 第4の所定時間が、20〜25秒である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の天ぷら芋の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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"思考回廊 天ぷらは蒸し料理だ!/ガッテン流天ぷらの極意",[ONLINE], 2011年12 月10日,[令和2, JPN6020011183, ISSN: 0004238557 * |
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