JP2018535318A - 銀−パラジウム合金電解質用添加物 - Google Patents

銀−パラジウム合金電解質用添加物 Download PDF

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Abstract

本発明は、銀−パラジウム層の組成を調整するための好適な還元剤を含有する電解質に関する。さらに、これらの還元剤は、層の外観の改善と、析出層の輝度(L値、CIE Lab)の増加に寄与する。本発明は、銀リッチの銀−パラジウム合金の電解析出方法についてもまた開示する。合金は、幅広い電流密度範囲にまたがり導電性表面に析出することができる。

Description

本発明は、銀−パラジウム層の組成物を調整するための好適な還元剤を含有する電解質に関する。さらに、これらの還元剤は、層の外観の改善と、析出層の輝度(L値、CIE Lab)の増加に寄与する。本発明は、銀リッチの銀−パラジウム合金の電解析出方法についてもまた開示する。
今日では、実質上全ての電気器具に電気接触が用いられている。これらの用途は、自動車産業、又は航空宇宙技術用の通信部門における、単純なプラグコネクタから安全性に関係する、洗練された接触のスイッチ切り替えの範囲に及ぶ。ここで、接触面は、良好な電気伝導率、長期間安定性を備えた低接触抵抗、並びに、できる限り低い挿入力を備えた良好な耐腐食性及び耐摩耗性を有することが求められる。電気工学において、プラグ接点は多くの場合、金−コバルト、金−ニッケル、又は金−鉄からなる硬質金合金層でコーティングされる。これらの層は、良好な耐摩耗性、良好なはんだ付け性、長期間安定性を備えた低接触抵抗、及び良好な腐食耐性を有する。金の価格の上昇により、さほど高価でない代替物が求められている。
硬質金めっきの代用品として、銀リッチ銀合金(硬質銀)によるコーティングが有利であることが証明されている。銀及び銀合金は中でも、電気工学において最も重要な接触材料であるが、電気伝導率の高さ及び良好な抗酸化性の理由だけによるものではない。これらの銀−合金層は、合金に添加される金属に応じて、現在使用されている硬質金層及び層の組み合わせ(金フラッシュしたパラジウム−ニッケル等)のものに類似する層の性質を有する。さらに、銀の価格は他の貴金属、特に硬質金合金と比較して低い。
銀を使用することにおける制限の1つは、例えば、硫黄又は塩素含有雰囲気において、銀が硬質金よりも低い腐食耐性を有するという事実である。目に見える表面の変化とは別に、硫化銀は半導体性であり柔らかく、接触力が十分に強い場合には、挿入プロセス中に容易に拭き取ることができるため、硫化銀の膜を変色させることは、大部分の場合において、いかなる重大な危険をも示さない。一方、塩化銀の膜を変色させることは非導電性であり難しく、容易に置き換えられない。したがって、変色層において塩化銀の割合が比較的大きいと、接触特性の問題が導かれる(文献:Marjorie Myers:Overview of the use of silver in connector applications;Interconnect&Process Technology,Tyco Electronics,Harrisburg,February 2009)。
米国特許第3980531号は、金、銀、及び/又はパラジウムを含有する合金のガルバニック析出用の、シアン化物非含有電解質について開示している。浴はチオサルフェート、サルファイト及びボレート又はホスフェートを含有する。合金は弱酸性から強アルカリ性のpH範囲で析出する。電解質は所望により、卑金属(ヒ素又はカドミウム等)の塩を含有してよい。析出は0.1〜5A/dmの電流密度で行われる。米国特許第3,980,531号に従うと、浴の中では、析出合金の組成は、使用する金属塩の濃度、及び用いる電流密度に依存する。合金の外観は、無光沢から高光沢まで様々である。ヒ素及びカドミウムを使用するが故に、この電解質はもはや、既存の規定(REACH)のために今日では許容されない。
米国特許第6,251,249(B1)号は、固体基材上に貴金属を析出させるための電解質について開示している。これらの電解質はヨウ化物非含有であり、アルカンスルホネート、アルカンスルホンアミド、及び/又はアルカンスルホンイミドの形態で析出される貴金属を含有する。さらに、電解質は有機硫黄化合物、及び/又はカルボン酸を含有する。貴金属は20℃〜60℃の温度範囲で析出されるのが好ましい。pHの値は、0〜12であることができる。電解質は、貴金属層の無電解析出及び電解析出、並びに浸漬めっきに好適である。米国特許第6,251,249B1号は、もっぱら浸漬めっきに関係し、銀−パラジウム合金ではなく、銀又はパラジウムのいずれかが析出する。銀−パラジウム合金類の電解析出、又はこれらの組成についての情報は提供されていない。
欧州特許第0065100(A1)号では、亜硫酸パラジウム及び酸を含有するガルバニックパラジウム電解質が記載されている。電解質は硫酸及び/又はリン酸を含有し、20℃〜40℃で使用することができる。パラジウム含量の80〜95%を、硫酸パラジウムとして添加し、残りを亜硫酸パラジウムとして添加することができる。しかし、欧州特許第0065100(A1)号は、パラジウム合金の析出については言及していない。
独国特許第102013215476(B3)号は、銀−パラジウム合金を析出させるための、シアン化物非含有で酸性の水性電解質について開示している。銀及びパラジウム塩に加えて、電解質は、セレン又はテルル化合物、尿素、並びに/又は少なくとも1つのアミノ酸及びスルホン酸を含有する。この電解質を用いて、銀が主な内容物である銀−パラジウム合金を、幅広い電流密度範囲にまたがり析出させることができる。しかし、この電解質を用いては、半無光沢の合金コーティングのみを作製することができる。電流密度が増加すると、作製される層は、異なる茶色の色合いを示す。同時に、電解質は、適用される電流密度において、合金組成物の著しい依存を示す。合金は、合金金属の濃度の変化、又は、析出中の電解質の温度変化によってのみ影響を受けることができる。
銀−パラジウム合金の電解析出に関する、先行技術から既知の電解質では、幅広い電流密度の範囲にまたがって非常に光沢があるだけでなく、銀とパラジウムの比が一定の銀−パラジウム合金の析出は可能ではない。同様に、合金組成は、浴のパラメータを変化させることによって、非常に限定的に調整可能なだけである。既知の浴では、析出層中のパラジウム含量は、電流密度が上昇するにつれ減少する。析出層の外観は、同時に変化する。電流密度が増加するにつれ、層はますます目立った茶色の色合いとなる。層の不均質性(ヘイズ及び斑紋等)も、同時に増加する。
米国特許第3980531号 米国特許第6,251,249(B1)号 欧州特許第0065100(A1)号 独国特許第102013215476(B3)号
銀−パラジウム合金の電解析出については、多数の電解質が既知であるにも関わらず、結果として、実用面においては先行技術の電解質よりも優れた電解質に対する必要性が依然として存在する。このような電解質は産業用途において十分に安定していなければならず、可能な限り最も広範な電流密度にまたがり、安定かつ光沢のある合金組成物の析出を可能にしなければならない。合金組成物の簡単な調整も、同様に重要である。電解質は、高い電流密度の負荷の後でさえも十分に機能的な状態でなければならず、これらの電解質が析出した層は、接触材料での使用に関して、均質かつ有利でなければならない。析出合金の組成は、特に有利には銀が90±3重量%、パラジウムが10±3重量%、並びにテルル及び/又はセレンが0〜3重量%である。
最も類似する関係のある先行技術から、当業者にとって明らかに生じるこれらの問題、及び他の問題は、本発明の請求項1に記載の電解質により解決される。請求項1に従属する従属請求項において、更なる好ましい実施形態に関する保護が追求される。請求項9は、本発明に従った電解質が使用される銀−パラジウム合金の、好ましい析出方法に関する。請求項10〜12は、本発明のプロセスの好ましい実施形態に関する。
銀が主な内容物である、光沢のある銀−パラジウム合金を電解析出するための、シアン化物非含有であり酸性の水性電解質を提供する際の問題は、本発明に従い、溶解形態が以下の構成成分を含有する水性電解質により解決される。
a)銀の濃度が1〜300g/Lの、銀化合物;
b)パラジウムの濃度が0.1〜100g/Lの、パラジウム化合物;
c)電解質中のテルル及びセレンの総量に基づくテルル及び/又はセレンの濃度が0.002〜10g/Lの、テルル及び/又はセレン化合物;
d)電解質中の尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体の総量に基づく濃度が0.05〜2mol/Lの濃度の、尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体、並びにこれらの混合物からなる群から選択される化合物、並びに/又は、電解質中のアミノ酸の総量に基づく濃度が0.005〜0.5mmol/Lである、アラニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、リシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、プロリン、セリン、チロシン、及びバリンからなる群から選択される1種以上のアミノ酸;
e)スルホン酸の総量に基づく濃度が0.25〜4.75mol/Lである、少なくとも1種のスルホン酸;
f)少なくとも1種の還元剤であって、これらの還元剤の総量に基づく濃度が0.1mmol/L〜1mol/Lである、ギ酸、シュウ酸、アスコルビン酸、ヒドラジン、ヘキサメチレンテトラミン、亜硫酸塩及び/又は亜硫酸エステル、ガス状サルファイト、スルフィン酸並びにこれらの塩及び/又エステル、ホルムアルデヒド、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、ベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド誘導体、ヒドロキシベンゼン類及びこれらのエステル、ポリフェノール類これらのエステル、フェノールスルホン酸並びにこれらの塩及び/又はエステル、並びにグルタチオン、並びにこの塩及び/又はエステルからなる群から選択される少なくとも1種の還元剤。
図1は、実施形態1のパラジウム含量測定の結果を示す。 図2は、実施形態2のパラジウム含量測定の結果を示す。 図3は、実施形態3のパラジウム含量測定の結果を示す。 図4は、実施形態4のパラジウム含量測定の結果を示す。
驚くべきことに、本明細書で記載した電解質を用いると、幅広い電流密度範囲にまたがって、接触材料に使用するのに著しく好適な均質で光沢のある銀−パラジウム合金層を導電基材上に析出させることが可能であることが発見された。結果的に、本発明に従った電解質は、接触材料中の、硬質金合金の代用品として好適である。同時に、添加される還元剤の量の関数としての、層中のパラジウム含量は、添加される還元剤(光沢剤)によって簡単に調節可能である。還元剤の濃度を増加させると、析出層のパラジウム含量も増加する。ここで、本発明に従った電解質は、比較的高い安定性を示し、特に工業用途において有利となることが明らかとなる。本発明の電解質を用いると、ラック及び高速コーティングシステムにおいても、高品質の電気接触材料を有利に作製することができる。電解質は、上記の成分のみを含有するのが好ましい。
本発明に従った電解質は、0.1〜100A/dmの電流密度範囲で使用することができる。0.5〜20A/dmの電流密度範囲が好ましい。
本発明において、「均質な」銀−パラジウム合金コーティングとは、色及び層の特徴に関して、外観が均質であるこのような層を意味する。この場合の層の特徴は光沢、輝度、硬さ、及び腐食耐性である。ここで、銀−パラジウム合金層は2つの観点から均質である。まず、特定の導電性基材上に析出した銀−パラジウム合金層は、上記定義に従い均質である。次に、析出した銀−パラジウム合金の外観は、層が、同じ電解質から異なる電流密度で、電解質の組成、温度、又は移動の変化なしで複数の同一の導電性基材に析出する場合均質であり、上記層は、同一の合金組成、及び同一の外観を有する。言い換えれば、析出層はこの場合、電流密度に関係なく均質である。
金属コーティングの色及び輝度は、CIELb(www.cielab.de)に従った、いわゆるL測定を用いて求めることができることが、当業者に既知であり、ここで、L値は輝度を表す。本発明に従った銀−パラジウム合金層の輝度(L値)は、80〜90Lである(測定機器はX−Rite SP62、光源D65/10)。
光沢は、反射率を測定することにより評価することができる。本発明に従った銀−パラジウム合金層において、還元剤を添加することにより、適用される電流密度、及び還元剤の濃度に応じて、反射率の初期値からの5〜40%の上昇が引き起こされる。反射率は、BYK−Gardner マイクロ−TRI光沢測定器を用いて測定した。EN ISO7668に従い、光線は20°の入射角、及び20°の反射角で測定を実施した。表面の光沢の測定は当業者に既知であり、これに関する情報は、例えば「Schriftenreihe Galvanotechnik und Oberflaechenbehandlung.Prufung von funktionellen metallischen Schichten[Publication series:Electroplating and surface treatment:Inspecting functional metal coatings],Section 4.3:Glanz−und Reflexionsmessung an Oberflaechen’[Gloss and reflection measurement of surfaces],Eugen G Leuze−Verlag,Saulgau,1st ed.1997,pp.117−125に見出すことができる。
ガルバニック浴は、電気化学的金属沈殿物(コーティング)が基材(対象物)上に析出可能な金属塩を含有する溶液である。この種類のガルバニック浴は多くの場合、「電解質」とも呼ばれる。したがって、本発明に従ったシアン化物非含有の水性ガルバニック浴は以下、「電解質」と呼ばれる。
銀が主な内容物である、光沢のある均質な銀−パラジウム合金の電解析出用の、本発明に従った電解質、及び、このような銀−パラジウム合金の析出方法もまた、以下で説明し、ここで、本発明は、個別に、又は互いに組み合わせたいずれかで、以下に記載する全ての実施形態を含む。
当業者は概して、電解質に添加可能な金属化合物に通暁している。
本発明に従った電解質に含有される銀化合物は、この電解質に可溶性である銀塩であることが好ましい。ここで、銀塩はメタンスルホン酸銀、炭酸銀、硫酸銀、リン酸銀、ピロリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、乳酸銀、フッ化銀、臭化銀、塩化銀、ヨウ化銀、アジ化銀、硫化銀及び硫酸銀からなる群から選択されるのが好ましい。硝酸銀、炭酸銀、メタンスルホン酸銀、塩化銀、及び酸化銀を、本発明に従った電解質で使用するのが特に好ましい。ここで、当業者は、電解質に添加する追加の物質はできる限り少なくてはならないという原則に従わなければならない。このため、当業者は、メタンスルホン酸銀、炭酸銀、又は酸化銀を、添加する銀塩として選択するのが最も好ましい。用いる銀化合物の濃度に関して、当業者は、上述の値の制限に従わなければならない。電解質中の銀化合物の濃度は、1〜300g/Lの銀が好ましく、2〜100g/Lの銀がより好ましく、4〜15g/Lの銀が最も好ましい。
用いるパラジウム化合物はまた、電解質に可溶性である塩、又は可溶性錯体であることが好ましい。本明細書で使用されるパラジウム化合物は、水酸化パラジウム、塩化パラジウム、硫酸パラジウム、ピロリン酸パラジウム、硝酸パラジウム、リン酸パラジウム、臭化パラジウム、パラジウムP塩(ジアミン二亜硝酸パラジウム(II);アンモニア性溶液)、グリシン酸パラジウム、酢酸パラジウム、塩化テトラアミンパラジウム(II)、臭化テトラアミンパラジウム(II)、メタンスルホン酸パラジウム、塩化ジアミンジニトロパラジウム(II)、臭化ジアミンジニトロパラジウム(II)、硫酸ジアミンジニトロパラジウム(II)、ジオキサラートパラジウム酸カリウム(potassium di−oxalatopalladate)、ヨウ化パラジウム、硫酸テトラアミンパラジウム(II)、臭化ビス(エチレンジアミノ)パラジウム(II)、ビス(アセチルアセトナノ)パラジウム(II)、ジアミンジクロロパラジウム(II)、酸化パラジウム水和物、炭酸水素テトラアミンパラジウム(II)、塩化ビス(エチレンジアミン)パラジウム(II)、硫酸ビス(エチレンジアミン)パラジウム(II)、及び炭酸ビス(エチレンジアミン)パラジウム(II)からなる群から選択されることが好ましい。パラジウム化合物は、有利には水酸化パラジウム、塩化パラジウム、グリシン酸パラジウム、メタンスルホン酸パラジウム、及び硫酸パラジウムから選択される。
この場合、パラジウム化合物は上述の濃度で電解質に添加される。パラジウム化合物は電解質で、好ましくは0.1〜100g/Lのパラジウム濃度で、最も好ましくは2〜20g/Lのパラジウム濃度で使用される。
本発明に従った電解質は水性である。使用される銀及びパラジウム化合物は、電解質に可溶性の塩、又は可溶性錯体であることが好ましい。したがって、用語「可溶性塩」及び「可溶性錯体」は、作業温度にて電解質に溶解する、このような塩及び錯体を意味する。ここでは、作業温度とは、銀−パラジウム合金が析出する温度である。本発明の文脈では、少なくとも0.002g/Lの本物質が、作業温度にて電解質に溶解する場合に、物質は可溶性とみなされる。
ここで、析出合金は、銀、パラジウム、並びにセレン及び/又はテルルを含有し、銀が70〜99重量%、パラジウムが1〜30重量%、並びにセレン及び/又はテルルが0.1〜5重量%を占める組成を有する。ここで、銀、パラジウム、並びにセレン及び/又はテルルの割合を合計すると、100重量%となる。本発明に従うと、析出する金属の電解質中における濃度は、銀リッチ合金がもたらされるように、上述の枠組みの中で設定される。析出する金属の濃度が、析出合金の銀濃度及び輝度に影響を及ぼすだけでなく、電流密度の設定、使用するテルル化合物及び/又はセレン化合物の量、並びに還元剤の添加も、これらに影響を及ぼすことを記しておかなければならない。当業者は、所望する目的合金を得るために、どのように対応するパラメータを設定しなければならないかを理解している、又は、日常的な実験によりパラメータを決定することができる。銀の濃度が70〜99重量%、より好ましくは80〜95重量%、及び最も好ましくは87〜94重量%である合金を得るために努力を行うことが好ましい。本発明に従った合金のパラジウム含量は、1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、及び特に好ましくは6〜13重量%である。本発明に従った合金のセレン又はテルル含量は、0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜4重量%、及び特に好ましくは1〜3重量%である。
銀、パラジウム、またセレン及び/又はテルルを含有する本発明に従った合金は以下、「銀−パラジウム合金」と呼ばれる。
電解質に使用するセレン又はテルル化合物は、上述の濃度の枠組みの中で、当業者により適切に選択されることができる。0.002〜10g/Lのテルル及び/又はセレン濃度を、好ましい濃度範囲として、そして、0.1〜5g/Lのテルル及び/又はセレン濃度を最も好ましい範囲として、選択することができる。ここで、濃度データは、電解質中のテルル及びセレンの総量に関係する。好適なセレン及びテルル化合物は、セレン又はテルルが+4又は+6の酸化状態で存在するものである。セレン及びテルル化合物は、+4の酸化状態のセレン又はテルルが存在する電解質で有利に用いられる。セレン及びテルル化合物は、亜テルル酸塩、亜セレン酸塩、亜テルル酸、亜セレン酸、テルル酸、セレン酸、セレノシアネート、テルロシアネート、並びにセレン酸塩及びテルル酸塩から選択されるのが特に好ましい。セレン化合物よりもテルル化合物を用いるのが、ここでは概して好ましい。亜テルル酸の塩の形態、例えば、亜テルル酸カリウムの形態で電解質にテルルを添加することが、特に最も好ましい。
本発明に従った電解質は、尿素、尿素誘導体、チオ尿素、チオ尿素誘導体、及びこれらの混合物、並びに/又は、パラジウム用の錯化剤として機能し、かつ本発明の電解質の安定性を増加させるのに寄与する1種以上のα−アミノ酸からなる群から選択される化合物を含有する。
尿素誘導体は、ジメチル尿素、エチレン尿素、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、及びN−(2−ヒドロキシエチル)エチレン尿素から選択される。チオ尿素誘導体は、例えば、3−S−イソチウロニウムプロパンスルホネート、及びn−エチルチオ尿素である。
有利な一実施形態において、本発明に従った電解質の構成成分(d)、即ちパラジウム用の錯化剤は、尿素である。
ここで、1種以上のα−アミノ酸は、アラニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、リシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、プロリン、セリン、チロシン、及びバリンからなる群から選択される。ここで使用されるアミノ酸は、可変性残基にアルキル基のみを有するものであることが好ましい。有利な一実施形態において、α−アミノ酸は、アラニン、グリシン及びバリンから選択される。グリシン及び/又はアラニンを使用するのが最も好ましい。
尿素、尿素誘導体、チオ尿素、チオ尿素誘導体、及びこれらの混合物は、0.05〜2mol/L、好ましくは0.2〜1.5mol/Lの、電解質中の尿素及び尿素誘導体の総量に基づく濃度で用いられる。本発明に従った電解質中の1種以上のα−アミノ酸の濃度はここでは、0.005〜0.5mol/L、好ましくは0.01〜0.2mol/Lである。α−アミノ酸の場合において、これらの濃度データは、電解質が1種以上のα−アミノ酸を含有するか否かに関係なく、あるα−アミノ酸、又は複数のα−アミノ酸の総量を意味する。
上記の濃度についての枠組み内で、当業者は、使用するアミノ酸についての最適な濃度を自由に選択することができる。当業者は、アミノ酸の量が少なすぎると、所望の安定化効果を生み出すことはできないが、濃度が高すぎるとパラジウムの析出を阻害する可能性があるという事実に従う。
本発明に従った電解質を、酸性のpH範囲内で使用する。最適な結果は、電解質のpH値が<2で得ることができる。当業者は、電解質のpH値をどのように設定可能かを理解するであろう。当業者は、問題の合金の析出に影響を及ぼし得る追加の物質を、電解質中で可能な限り少なくするという考えに従うであろう。最も好ましい一実施形態において、pH値は、単にスルホン酸の添加によって測定される。そのため、このことにより好ましくは、pH値が1未満であり、場合によっては0.1、あるいは場合によっては0.01まで到達し得る、強酸性の析出条件がもたらされる。最適の場合において、pH値は0.3〜0.6である。
本発明に従った電解質において、少なくとも1種のスルホン酸が追加で、0.25〜4.75mol/Lの濃度で使用され、ここでは、濃度は使用するスルホン酸の総量を基準にする。濃度は好ましくは0.5〜3mol/Lであり、最も好ましくは0.8〜2.0mol/Lである。少なくとも1種のスルホン酸はまず、電解質の適切なpH値を確立させる役割を果たす。次に、少なくとも一種のスルホン酸を使用することで、本発明に従った電解質の更なる安定化がもたらされる。スルホン酸の濃度の上限は、あまりに濃度が高いと銀のみが析出する、という事実によるものである。原則として、電気めっき技術での使用に関して当業者に既知のスルホン酸を使用することができる。スルホン酸は、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、及びメタンスルホン酸からなる群から選択されるのが好ましい。ここで、スルホン酸は単独で、又は混合物として使用することができる。プロパンスルホン酸及びメタンスルホン酸が、本文脈でとりわけ好まれる。最も特別に好まれるのはメタンスルホン酸である。
少なくとも1種の還元剤は、ギ酸、シュウ酸、アスコルビン酸、ヒドラジン、ヘキサメチレンテトラミン、亜硫酸塩及び/又は亜硫酸エステル、ガス状サルファイト、スルフィン酸並びにこれらの塩及び/又エステル、ホルムアルデヒド、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、ベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド誘導体、ヒドロキシベンゼン類及びこれらのエステル、ポリフェノール類これらのエステル、フェノールスルホン酸並びにこれらの塩及び/又はエステル、並びにグルタチオン、並びにこの塩及び/又はエステルから選択される。
有利な一実施形態において、還元剤はヒドロキシベンゾレン、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、及びアスコルビン酸から選択される。
別の有利な実施形態において、還元剤は亜硫酸塩及び/又は亜硫酸エステルから選択される。
亜硫酸の塩は亜硫酸塩、又は水素亜硫酸塩であることができる。亜硫酸塩及び水素亜硫酸塩は有利には、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩である。
亜硫酸のエステルは、一般式R1−O−S(=O)−O−R2の化合物であり、式中、R1及びR2は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖非環式アルキル基、3〜10個の炭素原子を有する環状アルキル基、アリール基及びベンジル基から独立して選択される。
本発明の文脈内では、1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖非環式アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、1−ブチル、2−ブチル、tert−ブチル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、並びに、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、及びデシルの全ての異性体から選択される。環状アルキル基は少なくとも3個の炭素原子を含有しなければならないことが、当業者に既知である。本発明の文脈では、環状アルキル基は有利には、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチル環を含む。本発明の目的のための環状アルキルは、他の置換基を有しない前述の環状アルキル基、及び、一部が1つ以上の非環式アルキル基に結合した前述の環状アルキル基から選択される。後者の場合、上述の式に記載の環状アルキル基は、環状アルキル基の環状炭素原子又は非環式炭素原子を介して酸素原子に結合することができる。用語「アルキル基」の上述の定義に従うと、環状アルキル基は最大で10個の炭素原子もまた含有する。基R1及びR2の場合、アリール基が考えられ、フェニル、ナフチル、及びアントラセニルから選択される。
ガス状サルファイトの場合、電解質に導入されるガスはSOである。
スルフィン酸は一般式R3−S(=O)−OHの化合物であり、式中、R3は1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖非環式アルキル基、3〜10個の炭素原子を有する環状アルキル基、アリール基又はベンジル基であり、ここで、これらの基は上でR1及びR2に関して記載したとおりに定義される。
ベンズアルデヒド誘導体は、ベンズアルデヒドスルホン酸、その塩及びエステル、例えば、ベンズアルデヒド−2−スルホン酸ナトリウム塩、ジメチルアミノベンズアルデヒド、3−クロロベンズアルデヒド、4−クロロベンズアルデヒド、2−メトキシベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、2−ニトロベンズアルデヒド、3,5−ジブロモベンズアルデヒド、3−ニトロベンズアルデヒド、及び3,5−ジメトキシベンズアルデヒドから選択される。
ヒドロキシベンゼンは、フェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール、ヒドロキシキノン、及びフロログルシノールから選択される。
少なくとも1種の還元剤が有機化合物の塩である場合、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、又はアンモニウム塩が有利に選択される。複数のプロトンを含む有機酸の場合において、1つ、いくつか、又は全ての酸性水素原子が、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、又はアンモニウムイオンで置き換えられることができる。2つ以上の酸性水素原子がナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、又はアンモニウムイオンで置き換えられる場合、これらのカチオンは同一である、又は異なることができる。
少なくとも1種の還元剤の場合、還元剤は有機化合物のエステルであることもできる。エステルはアルコールとカルボン酸の縮合生成物であることが、当業者に既知である。それ故、好適な還元剤として上述した一覧におけるアルコールのエステルは、前述のアルコールの1つとカルボン酸R4−COOHの縮合生成物であり、上述の一覧におけるカルボン酸のエステルは、上述のカルボン酸の1つとアルコールR5−OHの縮合生成物である。
ここで、R4及びR5は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖非環式アルキル基、3〜10個の炭素原子を有する環状アルキル基、及びアリール基又はベンジル基から選択され、ここで、これらの基はR1及びR2に関して上記のとおりに定義されている。
特に有利には、少なくとも1種の還元剤は、亜硫酸塩又は亜硫酸エステル、及びガス状サルファイトから選択される。
少なくとも1種の還元剤は電解質中に、1〜100mmol/Lの濃度、有利には5〜30mmol/Lの濃度で含有され、ここで、濃度は電解質中の、前述の還元剤の総量を基準にする。
本発明に従った電解質は更に、少なくとも1種のスルホン酸を0.25〜4.75mol/Lの濃度で含有する。濃度は好ましくは0.5〜3mol/Lであり、最も好ましくは0.8〜2.0mol/Lである。少なくとも1種のスルホン酸はまず、電解質の適切なpH値を確立させる役割を果たす。次に、少なくとも一種のスルホン酸を使用することで、本発明に従った電解質の更なる安定化がもたらされる。スルホン酸の濃度の上限は、あまりに濃度が高いと銀のみが析出する、という事実によるものである。スルホン酸は一般的な分子式R6−S(=O)2−OHを有し、式中、R6は1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖非環式アルキル基、3〜10個の炭素原子を有する環状アルキル基、又はアリール基若しくはベンジル基を表し、ここで、これらの基はR1及びR2に関して上述したとおりである。スルホン酸は、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、及びベンゼンスルホン酸からなる群から選択されるのが好ましい。メタンスルホン酸及びプロパンスルホン酸が、本文脈でとりわけ好まれる。最も特別に好まれるのはメタンスルホン酸である。
所望により、本発明に従った電解質は更に界面活性剤を含有することができる。この界面活性剤は、アニオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤から選択される。例としては、ポリエチレングリコール付加物、脂肪族アルコールサルフェート、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート及びヘテロアリールスルホネート、ベタイン、フルオロ界面活性剤並びにこれらの塩及び誘導体が挙げられる。好適な界面活性剤は、例えばN.Kanani:Galvanotechik[Electroplating],Hanser−Verlag,Munich and Vienna,2000,pp.84 ffにあるように、当業者に既知である。界面活性剤を添加する前に、本発明に従った電解質は、70mN/m以上の表面張力を有する。界面活性剤を添加する場合、界面活性剤の濃度は、電解質の表面張力が50mN/m以下の値まで低下するように有利に選択される。表面張力を、気泡圧表面張力計を用いて測定することができる。
さらなる実施形態において、本発明は、本発明に従った電解質から、主な内容物が銀である銀−パラジウム合金を電解析出する方法に関し、ここで、導電性基材は電解質に浸漬され、電流の流れは、電解質と接触する陽極と、陰極としての基材との間で確立される。電解質にとって好ましいと言及した実施形態は、本明細書で取り扱う方法に準用して適用されることを記しておかなければならない。
銀−パラジウム合金の析出中に優位的となる温度は、当業者により所望されるように選択されることができる。当業者は、一方では、十分な析出速度及び適用可能な電流密度範囲に、そして他方では、コストの側面又は電解質の安定性に従うであろう。電解質では、25℃〜75℃の温度、特に30℃〜65℃の温度が有利に設定される。電解質を45℃〜55℃の温度で使用することが、より具体的に好ましいように思われる。
析出方法中の、陰極と陽極との間にある電解質で確立される電流密度は、析出効率及び析出の質に従って、当業者により選択されることができる。用途、及びコーティング施設の種類に応じて、電解質中の電流密度が、有利には0.1〜100A/dmに設定される。必要であれば、システムのパラメータ、例えばコーティングセルの設計、流速、陽極又は陰極の組み立て等を調節することにより、電流密度を増加又は低下させることができる。電流密度は0.5〜20A/dmが有利であり、1〜20A/dmが好ましく、1.5〜15A/dmが最も好ましい。
既に示されているように、本発明に従った電解質は酸性型である。pH値は好ましくは<2、特に好ましくは<1でなければならない。場合によっては、電解の間に電解質のpH値の変化が生じ得る。それ故、本方法の好ましい一実施形態では、当業者は電解の間にpH値を監視するステップを設け、必要であれば、pH値を整定値に調節する。
電解質の使用時には、様々な陽極を用いることができる。可溶性又は不溶性陽極は、可溶性及び不溶性の陽極の組み合わせと同様に好適である。可溶陽極を使用する場合、銀陽極が特に好ましい。
好ましい不溶性陽極としては、白金めっきチタン、グラファイト、イリジウム−遷移金属混合酸化物、及び特種な炭素材(DLC若しくはダイヤモンドライクカーボン)からなる群から選択される材料から作製されるもの、又はこれらの陽極の組み合わせがある。本発明の実施に特に好ましいものは、イリジウム−ルテニウム混合酸化物、イリジウム−ルテニウム−チタン混合酸化物、又はイリジウム−タンタル混合酸化物で構成される混合酸化物陽極である。より具体的に好ましいのは、白金−チタン陽極である。更なる情報は、Cobley,A.J et al.(The use of insoluble anodes in acid sulphate copper electrodeposition solutions,Trans IMF,2001,79(3),pp.113 and 114)で見出すことができる。
本発明は、合金の調整のための、そして光沢剤としての、また、銀−パラジウム層の電解析出のための追加の還元剤を含む銀−パラジウム合金電解質、及び対応する方法を示す。電解質は、合金の調節、及び光沢付与のための少なくとも1種の還元剤を含有する。少なくとも1種の還元剤を添加することにより、析出する銀−パラジウム合金のパラジウム含量を調節することができる。本文で既に上述したとおり、本発明に従った析出合金は、銀を70〜99重量%、パラジウムを1〜30重量%、並びにセレン及び/又はテルルを0.1〜5重量%含む組成を有し、ここで、銀、パラジウム、並びにセレン及び/又はテルルの比率を合計すると100重量%となる。さらに、本発明に従った電解質は、従来の銀−パラジウム合金電解質と比較して、一層均質な析出物をもたらす。
従来の銀−パラジウム電解質から析出する層は、適用する電流密度に応じて、67〜78のL値を有する。本発明に従った新規の電解質システムを用いると、析出層に関して、著しく大きいL値が達成され、この層はまた、適用される電流密度範囲にまたがって均質である。使用する還元剤に応じて、これらの値は80〜90となる。
既知の先行技術の背景に反して、このことは予想されなかった。
実施形態
様々な塩基性電解質を調製し、各場合において、2つの異なる濃度の還元剤を添加した。次に、還元剤含有、及び還元剤非含有のこれらの電解質から、銀−パラジウム層を析出して同定し、互いに比較した。
実施形態1
塩基性電解質:
70%メタンスルホン酸 100mL/L
グリシン 3g/L
パラジウム 10g/L(水酸化パラジウムとして)
銀 5g/L(硝酸銀として)
テルル 0.5g/L(亜テルル酸として)
還元剤:
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0g/L
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.95g/L(8mmol)
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 7.1g/L(40mmol)
温度:30℃
陽極:PtTi
X線蛍光分析法(XRF)(Fischerscope XDV−SDD、ソフトウェア WIN−FTM バージョン6.28−S−PDM)を使用して、析出層のパラジウム含量を測定した。
図1は、パラジウム含量測定の結果を示す。
CIELbに従ったL値の形で析出層の輝度を測定した。
実施形態2
塩基性電解質:
70%メタンスルホン酸 80mL/L
尿素 5g/L
パラジウム 10g/L(塩化パラジウムとして)
銀 6g/L(メタンスルホン酸銀として)
テルル 1.0g/L(亜テルル酸カリウムとして)
還元剤:
アスコルビン酸 0g/L
アスコルビン酸 0.14g/L
アスコルビン酸 0.42g/L
温度:60℃
陽極:PtTi
X線蛍光分析法(XRF)を使用して、析出層のパラジウム含量を測定した。
図2は、パラジウム含量測定の結果を示す。
CIELbに従ったL値の形で析出層の輝度を測定した。
実施形態3
塩基性電解質:
70%メタンスルホン酸 100mL/L
バリン 5g/L
パラジウム 12g/L(水酸化パラジウムとして)
銀 25g/L(硝酸銀として)
テルル 1.5g/L(亜テルル酸)
還元剤:
ヒドロキノン 0g/L
ヒドロキノン 0.5g/L
ヒドロキノン 1g/L
温度:60℃
陽極:グラファイト
X線蛍光分析法(XRF)を使用して、析出層のパラジウム含量を測定した。
図3は、パラジウム含量測定の結果を示す。
CIELbに従ったL値の形で析出層の輝度を測定した。
実施形態4
塩基性電解質:
70%メタンスルホン酸 200mL/L
グリシン 2g/L
パラジウム 15g/L(硫酸パラジウムとして)
銀 8g/L(炭酸銀として)
テルル 0.5g/L(亜テルル酸として)
還元剤:
亜硫酸ナトリウム 0g/L
亜硫酸ナトリウム 1g/L
亜硫酸ナトリウム 2g/L
温度:40℃
陽極:PtTi
X線蛍光分析法(XRF)を使用して、析出層のパラジウム含量を測定した。
図4は、パラジウム含量測定の結果を示す。
CIELbに従ったL値の形で析出層の輝度を測定した。

Claims (12)

  1. 銀が主な内容物である光沢のある銀−パラジウム合金を電解析出するための、シアン化物非含有であり酸性の水性電解質であって、
    前記電解質の溶解形態が、以下の構成成分:
    a)銀の濃度が1〜300g/Lの、銀化合物;
    b)パラジウムの濃度が0.1〜100g/Lの、パラジウム化合物;
    c)前記電解質中のテルル及びセレンの総量に基づくテルル及び/又はセレンの濃度が0.002〜10g/Lの、テルル及び/又はセレン化合物;
    d)前記電解質中の尿素及び尿素誘導体の総量に基づく濃度が0.05〜1.5mol/Lである、尿素及び/若しくは尿素誘導体、並びに/又は、前記電解質中のアミノ酸の総量に基づく濃度が0.005〜0.5mol/Lである、アラニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、リシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、プロリン、セリン、チロシン、及びバリンからなる群から選択される1種以上のアミノ酸;
    e)スルホン酸の総量に基づく濃度が0.25〜4.75mol/Lである、少なくとも1種のスルホン酸;
    f)少なくとも1種の還元剤であって、これらの還元剤の総量に基づく濃度が1〜100mmol/Lである、ギ酸、シュウ酸、アスコルビン酸、ヒドラジン、ヘキサメチレンテトラミン、亜硫酸塩及び/又は亜硫酸エステル、ガス状サルファイト、スルフィン酸並びにこれらの塩及び/又エステル、ホルムアルデヒド、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、ベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド誘導体、ヒドロキシベンゼン類及びこれらのエステル、ポリフェノール類これらのエステル、フェノールスルホン酸並びにこれらの塩及び/又はエステル、並びにグルタチオン、並びにこの塩及び/又はエステルからなる群から選択される少なくとも1種の還元剤
    を含む、電解質。
  2. 前記銀化合物が、硝酸銀、炭酸銀、メタンスルホン酸銀、塩化銀、及び酸化銀から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の電解質。
  3. 前記パラジウム化合物が、水酸化パラジウム、塩化パラジウム、グリシン酸パラジウム、メタンスルホン酸パラジウム、及び硫酸パラジウムから選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電解質。
  4. 前記セレン及び/又はテルル化合物が、亜テルル酸塩、亜セレン酸塩、亜テルル酸、亜セレン酸、テルル酸、セレン酸塩、及びまたテルル酸塩から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電解質。
  5. 前記α−アミノ酸が、アラニン、グリシン及びバリンから選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電解質。
  6. 構成成分(d)が、尿素であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電解質。
  7. 前記少なくとも1種のスルホン酸が、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、及びメタンスルホン酸から選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電解質。
  8. 前記少なくとも1種の還元剤が、ヒドロキシフェノール、アスコルビン酸、並びに亜硫酸塩及び/又は亜硫酸エステルから選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電解質。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の電解質から、銀を主に含む銀−パラジウム層を電解析出するための方法であって、
    導電性基材が前記電解質に浸漬され、電流の流れが、前記電解質と接触した陽極と、陰極としての前記導電性基材との間で確立されることを特徴とする、方法。
  10. 前記電解質の温度が、25〜70℃であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 電解の間の前記電流が、0.5〜20A/dmであることを特徴とする、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 電解の間のpH値が、<2の一定の数値に設定されることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
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