JP2018521055A - サクビトリルカルシウム塩 - Google Patents
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Abstract
Description
異なる結晶性または非晶質形態は、異なる固体状態物性、例えば吸湿性、圧密時の挙動、貯蔵中の安定性、および固体の流動性を呈し得る。これらの特性は、ひいては、活性医薬品としての特定の固体状態形態の商業生産への適合性に影響を及ぼす。例えば、流動性は、医薬製品への加工中に材料を取り扱う容易性に影響を及ぼす。粉末化化合物の粒子が互いに容易に流過しない場合、製剤専門家は、錠剤またはカプセル製剤を開発する際に、その事実を考慮に入れなければならず、それにより、流動促進剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素、タルク、デンプンまたは第三リン酸カルシウムの使用が必要となり得る。湿式造粒または乾式造粒条件下での圧縮性および/または安定性もまた、重要な特徴である。
本発明はまた、AHU377のカルシウム塩の結晶性形態、好ましくは本明細書に詳述された様々な変態、好ましくは変態A、B、CおよびHBから選択される結晶性形態を提供する。
(a)20から25℃の温度で、各変態について提示された7つの2θ値(±0.1°)からなる群から選択される4つ以上の2θ値(±0.1°)(CuKα;45kV、40mA;λ=1.540598Å)を含むXRPDまたはその特定の変態に関連する図に示すものに実質的に従うX線粉末回折パターン、
(b)実施例の項において各変態について提示された融点、
(c)実施例の項において各変態について提示された示差熱分析サーモグラム
の少なくとも1つを有することを特徴とする、具体的な変態の形態である、実施例に記載されたAHU377のカルシウム塩の結晶性形態のいずれかを提供する。
(a)20から25℃の温度で、4.6、6.0、12.6、15.5、16.6、18.1、19.6および22.5からなる群から選択される4つ以上の2θ値(±0.1°)(CuKα;45kV、40mA;λ=1.540598Å)を含むXRPDまたは図2に示すものに実質的に従うX線粉末回折パターン、
(b)173℃(±2.4℃)で開始する融点、
(c)173℃(±2.5℃)で開始する吸熱を有する示差熱分析サーモグラム、
(d)図7に示すものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)ダイアグラム
の少なくとも1つによって特徴付けられる、変態Bの形態である、N−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステル(AHU377)のカルシウム塩の結晶性形態が提供される。
(a)20から25℃の温度で、3.6、6.4、8.4、14.6、15.3、16.8、17.8、19.7および20.6からなる群から選択される4つ以上の2θ値(±0.1°)(CuKα;45kV、40mA;λ=1.540598Å)を含むことまたは図4に示すものに実質的に従うX線粉末回折パターン、
(b)180℃(±2.4℃)で開始する融点、
(d)180℃(±2.5℃)で開始する吸熱を有する示差熱分析サーモグラム
の少なくとも1つを有することを特徴とする、変態HBの形態である、N−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステル(AHU377)のカルシウム塩の結晶性形態が提供される。
(a)約22℃の温度で、3.6、5.1、15.1、15.8、17.3、17.8、20.7および21.7からなる群から選択される4つ以上の2θ値(±0.1°)(CuKα;45kV、40mA;λ=1.540598Å)を含むことまたは図1に示すものに実質的に従うX線粉末回折パターン、
(b)192℃(±2.4℃)で開始する融点、
(c)192℃(±2.5℃)で開始する吸熱を有する示差熱分析サーモグラム
の少なくとも1つによって特徴付けられる、変態Aの形態である、N−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステル(AHU377)のカルシウム塩の結晶性形態が提供される。
(a)20から25℃の温度で、4.6、6.2、14.5、15.4、20.4、21.7および22.1からなる群から選択される4つ以上の2θ値(±0.1°)(CuKα;45kV、40mA;λ=1.540598Å)を含むことまたは図3に示すものに実質的に従うX線粉末回折パターン、
(b)180℃(±2.4℃)で開始する融点、
(c)180℃(±2.5℃)で開始する吸熱を有する示差熱分析サーモグラム
の少なくとも1つによって特徴付けられる、変態Cの形態である、N−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルのカルシウム塩の結晶性形態が提供される。
(a)20から25℃の温度で、3.7の2θ値(±0.1°)(CuKα;45kV、40mA;λ=1.540598Å)を含む粉末X線回折パターンまたは特徴的なピークを有さない図5に示すものに実質的に従うX線粉末回折パターン、
(b)204℃(±2.4℃)で開始する融点、
(c)204℃(±2.5℃)で開始する吸熱を有する示差熱分析サーモグラム
の少なくとも1つを有することを特徴とする、N−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルのカルシウム塩の非晶質形態が提供される。
さらなる態様では、本発明は、AHU377アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩から出発してAHU377のカルシウム塩変態HBを作製する方法を提供する。
(a)式(I)の化合物を溶媒、好ましくはエタノールに溶解するステップと、
(b)反応混合物を60℃から還流温度の間の温度に加熱するステップと、
(c)反応混合物を40から80℃、例えば50±5℃に冷却するステップと、
(d)任意選択で、変態Bの種結晶を添加するステップと、
(e)任意選択で(または好ましくは)、反応混合物を好ましくは少なくとも12時間撹拌するステップと、
(f)ステップ(c)、(d)または(e)の終わりに得られた混合物から固体を濾過するステップと、
(g)任意選択で、結晶を乾燥するステップと
を含む、方法を提供する。
(a)減圧下で反応混合物を加熱することによって溶媒系中のAHU377のナトリウム塩の溶液を濃縮するステップであり、前記溶媒系が水である、ステップと、
(b)反応混合物を水で希釈するステップと、
(c)反応混合物を65から95℃、例えば83±5℃に加熱するステップと、
(d)塩化カルシウム水溶液を添加するステップと、
(e)反応混合物を65から95℃、例えば83±5℃で少なくとも4.5時間撹拌するステップと、
(f)反応混合物を65±5℃に冷却するステップと、
(g)反応混合物を65から95℃、好ましくは83±5℃に加熱するステップと、
(h)これらのサイクルを少なくとも3回繰り返すステップと、
(i)反応混合物を少なくとも40から80℃、例えば50±5℃に冷却するステップと、
(j)ステップ(h)の終わりに得られた混合物を濾過するステップと、
(k)任意選択で、結晶を乾燥するステップと
を含む、方法を提供する。
(a)溶媒系中のAHU377のナトリウム塩の溶液を加熱するステップであり、前記溶媒系が水である、ステップと、
(b)酢酸イソプロピルを反応混合物に添加するステップと、
(c)反応混合物を65から95℃、例えば83±5℃に加熱するステップと、
(d)塩化カルシウム水溶液を添加するステップと、
(e)反応混合物を(例えば少なくとも15時間)撹拌して50±5℃とするステップと、
(f)ステップ(e)の終わりに得られた混合物を濾過するステップと、
(g)ステップ(f)において得られた固体を溶媒系に懸濁するステップであり、前記溶媒系が水および酢酸イソプロピルである、ステップと、
(h)反応混合物を(例えば少なくとも20分間)撹拌して40から80℃、例えば50±5℃とするステップと、
(i)ステップ(h)の終わりに得られた混合物を濾過するステップと、
(j)ステップ(i)において得られた固体を溶媒系に懸濁するステップであり、前記溶媒系が水である、ステップと、
(k)反応混合物を少なくとも20分間撹拌して40から80℃、例えば50±5℃とするステップと、
(l)ステップ(k)の終わりに得られた混合物を濾過するステップと、
(m)任意選択で、結晶を乾燥するステップと
を含む、方法を提供する。
本発明の化合物は、通常、経口的に、静脈内に、皮下に、頬側に、経直腸的に、経皮的に、経鼻的に、経気管的に、経気管支的に、任意の非経口経路によって、経口もしくは経鼻スプレーとして、または吸入を介して投与される。非経口投与方式は、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内の注射および注入を含む。本発明の化合物の送達に好適な医薬組成物およびそれらの調製のための方法は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 19th Edition, Mack Publishing Company, 1995に見出すことができる。
a)賦形剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン、
b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルカム、ステアリン酸、そのマグネシウムもしくはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール、
c)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン、
d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、または発泡性混合物、ならびに
e)吸収剤(absorbant)、着色剤、着香剤および/または甘味剤。
上記に記載したように、本発明の化合物は、動物、特にヒトにおいてNEP阻害活性によって媒介される障害または状態を処置または予防するのに有用であり得る。
以下の実施例は、本発明をその範囲を限定することなく例示するものである。
(i)X線粉末回折(XRPD)
X線粉末回折パターンは、Bruker D8 discovery回折計機器を使用して決定した。X線回折パターンは、CuK放射線(45kV、40mA)を用いて、2°から35°(2θ)の間で記録した。測定は、以下の条件下で、約45kVおよび40mAで実施した:
走査速度:0.5°(2θ)/分
チョッパー増分:0.02°
スリット(左から右):2、3、0.3、0.2mm
示差走査熱量測定は、TA Instruments(商標)モデルQ1000(TA Instruments、New Castle、DE、米国)を使用して、各結晶性形態について実行した。各分析について、DSCセル/サンプルチャンバを100mL/分の超高純度窒素ガスでパージした。機器を高純度インジウムで較正した。加熱速度は、25から300℃の間の温度範囲において、1分当たり10℃であった。サンプル重量によって正規化した熱流量を、測定サンプル温度に対してプロットした。データは、ワット/グラム(「W/g」)の単位で報告した。プロットは、下向きの吸熱ピークで作成した。吸熱溶融ピーク(融点)は、外挿発現温度について評価した。
酢酸イソプロピル(190mL)中のAHU377遊離酸(17.7g)の混合物に、固体水酸化ナトリウム(1.9g)を添加することにより、AHU377ナトリウム塩を得、これをカルシウム塩の製造に直接使用する。混合物を25℃で70分間撹拌して、混濁混合物を得る。固体塩化カルシウム(2.4g)を添加し、続いて、AHU377変態B(例えば実施例2に記載されたように得られる)を室温でシーディングする。白色懸濁液を25℃で20時間撹拌し、次いで濾過し、酢酸イソプロピルで洗浄して、減圧下50℃で乾燥した後に固体AHU377カルシウム塩を得る。
実施例3、7または8からのAHU377カルシウム塩(2500g)を室温で無水エタノール(60L)に懸濁する。反応混合物を30分かけて78℃に(還流)加熱し、次いで、この温度で30分間さらに撹拌した後に、30分かけて50℃に冷却する。変態Bの種結晶(2g)を添加し、懸濁液を12〜18時間撹拌する。固体を50℃で濾過し、無水エタノール(9.5L)で洗浄し、減圧下60℃で乾燥して、AHU377カルシウム塩、変態Bを得る。
変態Bは、高結晶性であり、典型的な湿度レベル下で、ごくわずかに吸湿性である(75%RHまで<2%)。変態Bは、高結晶性であり、典型的な湿度レベル下で、ごくわずかに吸湿性である(75%RHまで<2%)。変態Bは、その融点まで熱的に安定である。変態Bの水取込み率は、11%まで達することができる。水による湿式造粒またはエタノール/水1:1の水中での平衡化によって、水和物形成が観察された。
水(40mL)中のAHU377ナトリウム塩(4.33g)の溶液を、25℃で、水(10mL)中の塩化カルシウム(0.74g)の溶液で処理する。得られた懸濁液を25℃で2時間さらに撹拌し、次いで濾過する。濾過ケーキを水(10mL)で洗浄し、次いで、減圧下50℃で乾燥して、非晶質AHU377カルシウム塩を得る。
非晶質AHU377カルシウム塩の湿式造粒は、急速に水和物形成をもたらす。高湿度(>75%RH)に曝露した場合、非晶質AHU377カルシウム塩は、結晶性水和物となる。
非晶質AHU377カルシウム塩を無水エタノールに25℃で溶解する。25℃で撹拌すると、固体AHU377カルシウム塩の沈殿が発生する。固体を濾過し、減圧下で乾燥して、AHU377カルシウム塩、変態Aを得る。
変態Aは、吸湿性である。
非晶質AHU377カルシウム塩をアセトニトリルに50℃で溶解する。50℃で撹拌すると、固体AHU377カルシウム塩の沈殿が発生する。固体を濾過し、減圧下で乾燥して、AHU377カルシウム塩、変態Cを得る。
水(120mL)中のAHU377ナトリウム塩(20.37g)の溶液(ナトリウム塩は、実施例8に示す手順に従って調製された)を減圧下50℃で濃縮して、すべての残留酢酸イソプロピルを除去する。濃縮の後、溶液を水で元の体積に希釈する。AHU377ナトリウム塩水溶液を30分かけて83℃に加熱し、次いで、水(104mL)中の塩化カルシウム(2.61g)の溶液を1時間かけて添加する。得られた懸濁液を83℃で4.5時間撹拌する。温度を90分かけて65℃に低下させ、次いで、30分かけて再度83℃に上昇させる。このサイクルをさらに3回繰り返す。次いで、反応混合物を2時間かけて50℃に冷却し、この温度で2時間さらに撹拌する。結晶を50℃で濾取し、濾過ケーキを50℃の水(2×65mL)で洗浄する。固体を減圧下60℃で乾燥して、AHU377カルシウム塩、変態HBを得る。
変態HBは、1.4〜4.1%の範囲内の水レベルで得られる。完全脱水には、97℃超の加熱が必要であり、溶融分解は、180℃超で始まる。変態HBは、良好な流動性特性を示す。
水(120mL)中のAHU377ナトリウム塩(20.37g)の溶液(前記ナトリウム塩は、実施例8に示す手順に従って調製された)を50℃に加熱し、次いで、酢酸イソプロピル(12.9mL)を添加する。水(104mL)中の塩化カルシウム(2.61g)の溶液を1時間かけて添加する。得られた懸濁液を50℃で15時間撹拌する。固体を濾過によって単離し、次いで反応フラスコに再投入し、水(240mL)および酢酸イソプロピル(8mL)に懸濁し、50℃で20分間撹拌する。固体を濾過によって単離し、次いで反応フラスコに再投入し、水(240mL)に懸濁し、50℃で20分間撹拌する。濾過し、減圧下60℃で乾燥することにより、AHU377カルシウム塩、変態HBを得る。
例えば実施例3において使用されるAHU377のナトリウム塩は、下記の一般的スキームに従って、AHU377遊離酸から、水酸化ナトリウムで処理することによって合成される。
以下は、本発明における使用に好適な医薬剤形の例である。
50.00gの活性成分、187.00gのラクトース、80.00gの加工デンプンおよび3.00gのステアリン酸マグネシウムを、それぞれ0.6mmの目開きを有する篩に通過させる。原薬を好適なミキサーに入れ、最初にステアリン酸マグネシウムと、次いでラクトースおよびデンプンと、均質になるまで混合する。2号硬ゼラチンカプセルに、カプセル充填機を使用して、それぞれ300mgの前記混合物を充填する。
50.00gの活性成分、187.00gのラクトース、80.00gの加工デンプンおよび3.00gのステアリン酸マグネシウムを、それぞれ0.6mmの目開きを有する篩に通過させる。原薬を好適なミキサーに入れ、最初にステアリン酸マグネシウムと、次いでラクトースおよびデンプンと、均質になるまで混合する。2号硬ゼラチンカプセルに、カプセル充填機を使用して、それぞれ300mgの前記混合物を充填する。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
結晶性もしくは非晶質形態のN−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルのカルシウム塩またはその溶媒和物、とりわけ水和物。
[2]
式(I)
[3]
変態A、BもしくはCまたはその水和物形態、好ましくは変態Bまたは水和物形態H B を含む結晶性形態である、[1]または[2]に記載のカルシウム塩。
[4]
非晶質形態である、[1]または[2]に記載のカルシウム塩。
[5]
20から25℃の温度で、4.6、6.0、7.1、9.3、11.1、12.0、12.6、14.0、14.4、14.7、15.5、16.6、18.1、19.6、20.7、21.1、21.6、22.5、24.6、25.3、25.5、および31.5からなる群から選択される2θ値(±0.1°)(CuKα;45kV、40mA;λ=1.540598Å)を含む粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、変態Bの形態である、[1]または[2]に記載のカルシウム塩の結晶性形態。
[6]
以下の特徴:
i)20から25℃の温度で、4.6、6.0、12.6、15.5、16.6、19.6および22.5°からなる群から選択される4つ、5つ、6つまたは7つの2θ値(±0.1°)(CuKα;45kV、40mA;λ=1.540598Å)を含むX線粉末回折パターン、
ii)図2に示すX線粉末回折スペクトルに実質的に従うX線粉末回折パターン、
iii)173±2.4℃で開始する融点、
iv)173±2.5℃で開始する吸熱を有する示差熱分析(DTA)サーモグラム、
v)図7に示すものと実質的に同じ示差熱分析(DTA)サーモグラム、
vi)図7に示すものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)ダイアグラム
の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ以上またはすべてを有することを特徴とする、変態Bの形態である、[3]に記載のカルシウム塩。
[7]
以下の特徴:
i)20から25℃の温度で、3.6、6.4、8.4、14.6、15.3、16.8、17.8、19.7および20.6°からなる群から選択される4つ、5つまたはそれ以上の2θ値(±0.1°)(CuKα;45kV、40mA;λ=1.540598Å)を含むX線粉末回折パターン、
ii)図4に示すX線粉末回折スペクトルに実質的に従うX線粉末回折パターン、
iii)180±2.4℃で開始する融点、
iv)180±2.5℃で開始する吸熱を有する示差熱分析(DTA)サーモグラム、
v)図9に示すものと実質的に同じ示差熱分析(DTA)/TGAサーモグラム
の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ以上またはすべてを有することを特徴とする、変態H B の形態である、[3]に記載のカルシウム塩。
[8]
以下の特徴:
i)20から25℃の温度で、3.6、5.1、15.1、15.8、17.3、17.8、20.7および21.7°からなる群から選択される4つ、5つまたはそれ以上の2θ値(±0.1°)(CuKα;45kV、40mA;λ=1.540598Å)を含むX線粉末回折パターン、
ii)図1に示すX線粉末回折スペクトルに実質的に従うX線粉末回折パターン、
iii)192±2.4℃で開始する融点、
iv)192±2.5℃で開始する吸熱を有する示差熱分析(DTA)サーモグラム、
v)図6に示すものと実質的に同じ示差熱分析(DTA)またはTGAサーモグラム
の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ以上またはすべてを有することを特徴とする、変態Aの形態である、[3]に記載のカルシウム塩。
[9]
以下の特徴:
i)20から25℃の温度で、4.6、6.2、14.5、15.4、20.4、21.7および22.1°からなる群から選択される4つ、5つまたはそれ以上の2θ値(±0.1°)(CuKα;45kV、40mA;λ=1.540598Å)を含むX線粉末回折パターン、
ii)図3に示すX線粉末回折スペクトルに実質的に従うX線粉末回折パターン、
iii)180±2.4℃で開始する融点、
iv)180±2.5℃で開始する吸熱を有する示差熱分析(DTA)サーモグラム、
v)図8に示すものと実質的に同じ示差熱分析(DTA)サーモグラム、
vi)図8に示すものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)ダイアグラム
の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ以上またはすべてを有することを特徴とする、変態Cの形態である、[3]に記載のカルシウム塩。
[10]
以下の特徴:
i)図5に示すX線粉末回折スペクトルに実質的に従うX線粉末回折パターン、
ii)204±2.4℃で開始する融点、
iii)204±2.5℃で開始する吸熱を有する示差熱分析(DTA)サーモグラム、
図10に示すものと実質的に同じ示差熱分析(DTA)またはTGAサーモグラム
の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ以上またはすべてを有することを特徴とする、非晶質形態である、[1]、[2]または[4]に記載のカルシウム塩。
[11]
[1]から10のいずれか一項]に記載のカルシウム塩と、1種または複数の薬学的に許容される担体または添加剤とを含む、医薬組成物。
[12]
前記結晶性形態が、変態B、変態H B およびそれらの組合せからなる群から選択され、好ましくは変態B、より好ましくは実質的に純粋な形態のものである、[11]に記載の医薬組成物。
[13]
アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)、好ましくはロサルタン、イルベサルタン、カンデサルタン、エプロサルタン、テルミサルタン、オルメサルタンおよびバルサルタンからなる群から選択されるARB、好ましくはバルサルタン、または薬学的に許容されるその塩とそれぞれ組み合わせた、[11]または[12]のいずれかに記載の医薬組成物。
[14]
高血圧、心不全(急性および慢性)、うっ血性心不全、左室機能障害、肥大型心筋症、糖尿病性心筋症、上室性および心室性不整脈、心房細動、心房粗動、有害な血管リモデリング、心筋梗塞およびその続発症、アテローム性動脈硬化症、アンギナ(不安定または安定)、腎不全(糖尿病性および非糖尿病性)、心不全、狭心症、糖尿病、続発性アルドステロン症、原発性および続発性肺高血圧、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、強皮症、糸球体硬化症、原発性腎疾患のタンパク尿、腎血管性高血圧、糖尿病性網膜症、片頭痛、末梢血管疾患、レイノー病、管腔過形成、認知機能障害、緑内障ならびに脳卒中からなる群から選択される状態または障害の処置において使用するための、[1]から[10]のいずれかに記載のカルシウム塩または[11]、[12]もしくは[13]に記載の医薬組成物。
[15]
[6]に記載の変態Bのカルシウム塩を作製するための方法であって、
i)式(I)の化合物を溶媒、好ましくはエタノールに溶解するステップと、
ii)反応混合物を60℃から還流の間の温度に加熱するステップと、
iii)反応混合物を40から80℃、好ましくは50から80℃、例えば50±5℃に冷却するステップと、
iv)任意選択で、変態Bの種結晶を添加するステップと、
v)反応混合物を好ましくは少なくとも12時間撹拌するステップと、
vi)ステップ(c)、(d)または(e)の終わりに得られた固体を濾過するステップと、
vii)任意選択で、得られた結晶を乾燥するステップと
を含む、方法。
Claims (15)
- 結晶性もしくは非晶質形態のN−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルのカルシウム塩またはその溶媒和物、とりわけ水和物。
- 式(I)
- 変態A、BもしくはCまたはその水和物形態、好ましくは変態Bまたは水和物形態HBを含む結晶性形態である、請求項1または請求項2に記載のカルシウム塩。
- 非晶質形態である、請求項1または請求項2に記載のカルシウム塩。
- 20から25℃の温度で、4.6、6.0、7.1、9.3、11.1、12.0、12.6、14.0、14.4、14.7、15.5、16.6、18.1、19.6、20.7、21.1、21.6、22.5、24.6、25.3、25.5、および31.5からなる群から選択される2θ値(±0.1°)(CuKα;45kV、40mA;λ=1.540598Å)を含む粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、変態Bの形態である、請求項1または2に記載のカルシウム塩の結晶性形態。
- 以下の特徴:
i)20から25℃の温度で、4.6、6.0、12.6、15.5、16.6、19.6および22.5°からなる群から選択される4つ、5つ、6つまたは7つの2θ値(±0.1°)(CuKα;45kV、40mA;λ=1.540598Å)を含むX線粉末回折パターン、
ii)図2に示すX線粉末回折スペクトルに実質的に従うX線粉末回折パターン、
iii)173±2.4℃で開始する融点、
iv)173±2.5℃で開始する吸熱を有する示差熱分析(DTA)サーモグラム、
v)図7に示すものと実質的に同じ示差熱分析(DTA)サーモグラム、
vi)図7に示すものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)ダイアグラム
の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ以上またはすべてを有することを特徴とする、変態Bの形態である、請求項3に記載のカルシウム塩。 - 以下の特徴:
i)20から25℃の温度で、3.6、6.4、8.4、14.6、15.3、16.8、17.8、19.7および20.6°からなる群から選択される4つ、5つまたはそれ以上の2θ値(±0.1°)(CuKα;45kV、40mA;λ=1.540598Å)を含むX線粉末回折パターン、
ii)図4に示すX線粉末回折スペクトルに実質的に従うX線粉末回折パターン、
iii)180±2.4℃で開始する融点、
iv)180±2.5℃で開始する吸熱を有する示差熱分析(DTA)サーモグラム、
v)図9に示すものと実質的に同じ示差熱分析(DTA)/TGAサーモグラム
の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ以上またはすべてを有することを特徴とする、変態HBの形態である、請求項3に記載のカルシウム塩。 - 以下の特徴:
i)20から25℃の温度で、3.6、5.1、15.1、15.8、17.3、17.8、20.7および21.7°からなる群から選択される4つ、5つまたはそれ以上の2θ値(±0.1°)(CuKα;45kV、40mA;λ=1.540598Å)を含むX線粉末回折パターン、
ii)図1に示すX線粉末回折スペクトルに実質的に従うX線粉末回折パターン、
iii)192±2.4℃で開始する融点、
iv)192±2.5℃で開始する吸熱を有する示差熱分析(DTA)サーモグラム、
v)図6に示すものと実質的に同じ示差熱分析(DTA)またはTGAサーモグラム
の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ以上またはすべてを有することを特徴とする、変態Aの形態である、請求項3に記載のカルシウム塩。 - 以下の特徴:
i)20から25℃の温度で、4.6、6.2、14.5、15.4、20.4、21.7および22.1°からなる群から選択される4つ、5つまたはそれ以上の2θ値(±0.1°)(CuKα;45kV、40mA;λ=1.540598Å)を含むX線粉末回折パターン、
ii)図3に示すX線粉末回折スペクトルに実質的に従うX線粉末回折パターン、
iii)180±2.4℃で開始する融点、
iv)180±2.5℃で開始する吸熱を有する示差熱分析(DTA)サーモグラム、
v)図8に示すものと実質的に同じ示差熱分析(DTA)サーモグラム、
vi)図8に示すものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)ダイアグラム
の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ以上またはすべてを有することを特徴とする、変態Cの形態である、請求項3に記載のカルシウム塩。 - 以下の特徴:
i)図5に示すX線粉末回折スペクトルに実質的に従うX線粉末回折パターン、
ii)204±2.4℃で開始する融点、
iii)204±2.5℃で開始する吸熱を有する示差熱分析(DTA)サーモグラム、
図10に示すものと実質的に同じ示差熱分析(DTA)またはTGAサーモグラム
の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ以上またはすべてを有することを特徴とする、非晶質形態である、請求項1、2または4に記載のカルシウム塩。 - 請求項1から10のいずれか一項に記載のカルシウム塩と、1種または複数の薬学的に許容される担体または添加剤とを含む、医薬組成物。
- 前記結晶性形態が、変態B、変態HBおよびそれらの組合せからなる群から選択され、好ましくは変態B、より好ましくは実質的に純粋な形態のものである、請求項11に記載の医薬組成物。
- アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)、好ましくはロサルタン、イルベサルタン、カンデサルタン、エプロサルタン、テルミサルタン、オルメサルタンおよびバルサルタンからなる群から選択されるARB、好ましくはバルサルタン、または薬学的に許容されるその塩とそれぞれ組み合わせた、請求項11または12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 高血圧、心不全(急性および慢性)、うっ血性心不全、左室機能障害、肥大型心筋症、糖尿病性心筋症、上室性および心室性不整脈、心房細動、心房粗動、有害な血管リモデリング、心筋梗塞およびその続発症、アテローム性動脈硬化症、アンギナ(不安定または安定)、腎不全(糖尿病性および非糖尿病性)、心不全、狭心症、糖尿病、続発性アルドステロン症、原発性および続発性肺高血圧、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、強皮症、糸球体硬化症、原発性腎疾患のタンパク尿、腎血管性高血圧、糖尿病性網膜症、片頭痛、末梢血管疾患、レイノー病、管腔過形成、認知機能障害、緑内障ならびに脳卒中からなる群から選択される状態または障害の処置において使用するための、請求項1から10のいずれか一項に記載のカルシウム塩または請求項11、12もしくは13に記載の医薬組成物。
- 請求項6に記載の変態Bのカルシウム塩を作製するための方法であって、
i)式(I)の化合物を溶媒、好ましくはエタノールに溶解するステップと、
ii)反応混合物を60℃から還流の間の温度に加熱するステップと、
iii)反応混合物を40から80℃、好ましくは50から80℃、例えば50±5℃に冷却するステップと、
iv)任意選択で、変態Bの種結晶を添加するステップと、
v)反応混合物を好ましくは少なくとも12時間撹拌するステップと、
vi)ステップ(c)、(d)または(e)の終わりに得られた固体を濾過するステップと、
vii)任意選択で、得られた結晶を乾燥するステップと
を含む、方法。
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