JP2018512481A - 保護層を有する蛍光体粒子および保護層を有する蛍光体粒子の製造方法 - Google Patents

保護層を有する蛍光体粒子および保護層を有する蛍光体粒子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018512481A
JP2018512481A JP2017546941A JP2017546941A JP2018512481A JP 2018512481 A JP2018512481 A JP 2018512481A JP 2017546941 A JP2017546941 A JP 2017546941A JP 2017546941 A JP2017546941 A JP 2017546941A JP 2018512481 A JP2018512481 A JP 2018512481A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
protective layer
phosphor particles
particles
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017546941A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6985147B2 (ja
Inventor
フィードラー ティム
フィードラー ティム
トラーグル ゾーニャ
トラーグル ゾーニャ
ランゲ シュテファン
ランゲ シュテファン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osram GmbH
Ams Osram International GmbH
Original Assignee
Osram Opto Semiconductors GmbH
Osram GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osram Opto Semiconductors GmbH, Osram GmbH filed Critical Osram Opto Semiconductors GmbH
Publication of JP2018512481A publication Critical patent/JP2018512481A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6985147B2 publication Critical patent/JP6985147B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/02Use of particular materials as binders, particle coatings or suspension media therefor
    • C09K11/025Use of particular materials as binders, particle coatings or suspension media therefor non-luminescent particle coatings or suspension media
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/0883Arsenides; Nitrides; Phosphides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/77Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals
    • C09K11/7728Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals containing europium
    • C09K11/77348Silicon Aluminium Nitrides or Silicon Aluminium Oxynitrides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

本発明の主題は、保護層を有するSi含有および/またはAl含有の蛍光体の蛍光体粒子の製造方法において、以下のプロセスステップ:A)Si含有および/またはAl含有の蛍光体を酸溶液で処理するステップであって、該酸溶液のpH値を、少なくとも1時間の時間にわたってpH3.5からpH7までの範囲内に保持することで、蛍光体粒子上に、蛍光体粒子よりも高い含量のSiを表面に有するSi含有層が形成され、かつ/または蛍光体粒子上に、蛍光体粒子と比べてより低い含量のAlを表面に有するAl含有層が形成されるステップ、B)処理された蛍光体粒子を少なくとも100℃の温度で熱処理することで、保護層を生成させるステップを含む製造方法である。そのような方法によって、特に簡単に安定な保護層を蛍光体粒子上に生成させることができる。

Description

一次放射を放射変換によって変換された放射、つまり、より長い波長を有する二次放射へと変換することが可能な蛍光体は、大抵は加水分解を非常に受けやすい。したがって、その蛍光体の加水分解に基づき、蛍光体が一次放射源の放射経路に配置されている多くの発光装置は、時間の経過とともにその色度点を不所望に変えることがある。さらに、蛍光体の変換効率はしばしば、蛍光体の加水分解に基づいて大きく低下する。
本特許出願は、独国特許出願番号10 2015 103 326.7の優先権を主張するものであり、これをもってその開示内容は参照により援用されるものとする。
そのような問題を回避するために、蛍光体を二酸化ケイ素層で保護することが知られており、前記二酸化ケイ素層は、例えばテトラエトキシシラン(TEOS)の液状溶液中での加水分解によって蛍光体粒子上に施与することができる。それとは別の手法は、被覆材料の化学気相堆積(CVD)による堆積である。しかしながら、そのような方法は、気相堆積のためと、二酸化ケイ素層の堆積のために別々の化学薬品を準備せねばならないため、非常に時間と費用がかかるものである。
米国特許出願第2006/0263627号明細書(US2006/0263627A1)から、蛍光体粒子上に保護層を生成させることが知られており、その際、被覆のためには多量の酸が添加される。しかしながら、この方法では、一般的に多量の酸を添加するため、高い割合の蛍光体の溶解が容易にもたらされることがある。
本発明の課題は、上述の技術的問題点に関して改善されている、保護層を有するSi含有および/またはAl含有の蛍光体の蛍光体粒子の製造方法ならびに保護層を有するSi含有および/またはAl含有の蛍光体を提供することにある。
蛍光体粒子の製造方法の好ましい実施形態および保護層を有する新規の蛍光体粒子の好ましい実施形態は、更なる従属形式請求項の主題である。
請求項1に記載の発明の主題は、保護層を有するSi含有および/またはAl含有の蛍光体の蛍光体粒子の製造方法において、以下のプロセスステップ:
A)ケイ素含有および/またはアルミニウム含有の蛍光体を酸溶液で処理するステップであって、該酸溶液のpH値を、少なくとも1時間の時間にわたってpH3.5からpH7までの範囲内に保持することで、蛍光体粒子上に、蛍光体粒子よりも高い含量のケイ素を表面に有するケイ素含有層が形成され、かつ/または蛍光体粒子上に、蛍光体粒子と比べて変更された含量のアルミニウムを表面に有するアルミニウム含有層が形成されるステップ、
B)処理された蛍光体粒子を少なくとも100℃の温度で熱処理することで、保護層を生成させるステップ、
を含む製造方法である。
以降、「蛍光体」という呼称には、純粋な蛍光体の他に、複数の蛍光体相からなる混合物であって、主相以外に場合により二次相または副相を更に含み、一次放射を放射変換によって二次放射へと変換するために適した混合物も含まれる。
従来の酸処理法とは異なり、この本発明による方法では、酸溶液のpH値は、少なくとも1時間の所定の時間にわたって、3.5から7までの狭く限定されたpH値範囲内で保持される。驚くべきことに、そのような方法は、蛍光体粒子の加水分解に対するかなり高められた安定性をもたらすので、本発明による方法によって保護層が設けられた蛍光体は、高い空気湿度を有する周囲環境での使用のためにも適している。
その際に、有利には、pH値は、4から6.5の間で、更に有利には4.5から6までのpH値の間で、少なくとも有利には3時間の、更に有利には少なくとも4時間の時間にわたって調整される。酸処理の全時間は、2時間から7時間までの範囲で、有利には4時間から5時間までの範囲で変動し得る。
発明者らは、そのようなpH範囲では、特に制御された様式で、蛍光体の容易に分解し得る主相および/または二次相の部分的な分解を生じ、それからpH値が迅速に変化することを確認した。さらに、そのpH値は、非常に小さい値、典型的には2未満のpH値から始まってよいが、その場合には、本発明による方法に基づき、その後に、蛍光体と酸溶液との特に制御された反応を引き起こすために、より長い時間にわたってpH値が上述の範囲内で保持される。
プロセスステップA)の間に、特に、蛍光体中に存在する元素の水酸化物型化合物が形成され得、該化合物は、次いでステップB)での熱処理によって保護層へと変換され得、その際に、水を脱離しつつ該水酸化物型化合物の架橋がもたらされ得る。該熱処理は、有利には200℃から450℃の間の温度で行われ得るが、その際、特に250℃から400℃の間の、有利には300℃から350℃の間の温度が選択され得る。該熱処理は、300℃から450℃の間でも行われ得る。
プロセスステップA)で形成されるSi含有の層であって、蛍光体粒子と比べて変更された含量のアルミニウムを表面に有する層は、特に、低減された含量のAlを有し得る。
プロセスステップA)の間に、有利には、蛍光体粒子は、酸溶液、例えば酸水溶液中で容器、例えばガラス容器中に導入され、それから撹拌によって懸濁液が形成される。その場合に、プロセスステップA)において、酸として、特に鉱酸、例えば塩酸および/または有機酸、例えば酢酸が使用され得る。
更に、該懸濁液は、20℃から100℃までの、有利には50℃から90℃までの、更に有利には75℃から85℃までの温度に保持され得る。その場合に、酸処理のための時間は、1時間から10時間の間、有利には2時間から7時間の間、更に有利には4時間から5時間の間であってよい。
プロセスステップA)においては、pH制御のために、以下のプロセス:
− 酸溶液のpH値に応じた酸の添加、
− 緩衝液の添加、
− 蛍光体の量に応じた規定量の酸溶液の添加、
の少なくとも1つを用いることができる。
酸溶液のpH値に応じて酸を添加する場合には、特に、pHメーターと接続されている計量供給ポンプを使用することができ、そうして、酸溶液は測定されたpH値に応じて添加され、それによってpH値は、既に上述した範囲内で保持される。
緩衝液、例えば酢酸/酢酸塩緩衝液が使用される場合に、pH値が酸と相応の塩基の量の調整によって調整され得る規定量の緩衝液が加えられる。例えば、等モル量の酸と塩基を有する酢酸/酢酸塩緩衝剤は、4.76のpH値を有する。
緩衝液のために更に考えられることは、クエン酸を基礎とするクエン酸緩衝剤または炭酸−ケイ酸塩緩衝剤である。
蛍光体粒子の酸処理の間に意図したpH値範囲に調整するための更なる手法は、蛍光体粒子の量に応じた規定量の酸溶液を加えることにある。この変法では、pH値は反応の開始時に非常に迅速に変化し、それから所望の値に、または所望のpH値範囲内で安定化される。その場合に、各々の蛍光体および蛍光体の種々の量についての実験によって、pH値を所望の範囲で安定化させるために、酸溶液をどれほど添加せねばならないかを突き止めることが有利である。
pH値に応じて酸溶液を添加する上述の変法は、この変法によって、プロセスステップA)全体にわたるpH値を特に良好に制御することができるので有利である。
本発明による方法の好ましい一実施形態によれば、プロセスステップB)において、熱処理は、300℃から350℃の間の温度で実施することができる。そのような温度では、特に安定であり、さらに加水分解耐性である保護層を有する蛍光体粒子を特に良好に生成することができる。
さらに、プロセスステップB)においては、前記熱処理は、酸素含有雰囲気中でも実施することができるので、熱処理の間に形成される保護層中にさらなる酸素を導入することも可能である。有利には、熱処理の間の蛍光体粒子の周囲環境は、空気または空気およびその他のガス、例えば窒素、希ガス、酸素の混合物を含有してよい。熱処理の間に、加熱速度に関しては、広い範囲を使用することができる一方で、特に、熱処理の間の加熱速度は、1℃/時間から100℃/時間の間、有利には5℃/時間から50℃/時間の間、更に有利には10℃/時間から20℃/時間の間であってよい。
プロセスステップA)およびプロセスステップB)での熱処理の間に、さらに、蛍光体粒子を酸処理後に2時間〜20時間にわたって40℃〜100℃で乾燥させるプロセスステップA1)が存在していてもよい。引き続き、蛍光体粒子を篩別することも可能である。
さらに、蛍光体粒子は、酸溶液、つまり懸濁液から吸込フィルタによって濾別することができ、その後に大規模に、水で洗浄し、さらにエタノールで洗浄することができる。
本発明による方法のさらなる一実施形態においては、ケイ素および/またはアルミニウムを含有し、さらにアルカリ土類金属イオンを有する蛍光体が使用されるが、ここで、プロセスステップA)において、蛍光体粒子上に、該蛍光体粒子よりも低い含量のアルカリ土類金属イオンを有する層が形成される。
発明者らは、ケイ素含有および/またはアルミニウム含有の、さらになおもアルカリ土類金属イオンを有する蛍光体がプロセスステップA)において使用される場合に、特に有利にはアルカリ土類金属イオンが、蛍光体粒子の表面領域から除去され、引き続き、保護層の下にある蛍光体材料に対してより低い含量のアルカリ土類金属イオンを有する保護層が形成されることを確認した。
本発明による方法によって保護層が設けられた蛍光体粒子は、特に、ケイ素含有および/またはアルミニウム含有の蛍光体を包含してよく、その際、蛍光体上にある保護層は、該蛍光体に対して少なくとも40%だけ、有利には少なくとも60%だけ高められた原子%含量のケイ素を有し、かつ/または該蛍光体に対して少なくとも10原子%だけ、有利には少なくとも20原子%だけ低減された含量のアルミニウムを有する。
特に、酸処理ステップ、つまりプロセスステップA)に際して、保護層のケイ素の含量は増大し、その一方で、蛍光体の表面のアルミニウムの含量は酸処理ステップによって減少することが確認された。
酸処理のプロセスステップA)において、特に、蛍光体粒子の表面領域は酸によって浸出され、その際、蛍光体中に存在する元素は、酸溶液と様々な反応を起こし、例えばケイ素は増大されるが、アルミニウムは、保護層の下にある酸によって攻撃されない蛍光体材料と比較してむしろ減少する。
さらに、蛍光体粒子は、追加的にアルカリ土類金属イオンを含んでよく、保護層は、蛍光体材料に対して少なくとも40%だけ、有利には少なくとも60%だけ低減された含量のアルカリ土類金属イオンを有してよい。既に先で述べたように、蛍光体粒子の成分としてのアルカリ土類金属イオンは、酸処理によってむしろ洗出されるので、該イオンの保護層中での含量は、酸によって浸出されなかった蛍光体材料に対して減少する。
本発明の更なる一実施形態においては、蛍光体粒子は、追加的に窒素を含有し、その際、本発明による方法によって蛍光体材料から形成された保護層は、蛍光体に対して少なくとも40原子%だけ、有利には少なくとも60原子%だけ低減された含量の窒素を有する。特に、窒素の含量は酸処理ステップA)に際して、アルカリ土類金属イオン、特にカルシウム、ストロンチウムおよびバリウムの含量と同様に大幅に減少することが確認された。
本発明による方法によって製造される蛍光体粒子の更なる実施形態によれば、保護層のケイ素含量は、保護層の下にある蛍光体に対して約40原子%〜最大80原子%だけ高められていてよい。それに対して、保護層のアルミニウム含量は、保護層の下にある蛍光体材料に対して約10原子%〜最大50原子%だけ、または10原子%〜30原子%だけ低減されていてよい。保護層中の窒素の含量だけでなく、アルカリ土類金属イオンの合計の含量は、保護層の下にある蛍光体の材料に対して40%から100%の間で、または40%から95%の間で低減されていてよい。
また本発明の主題は、上記の方法のいずれかにより製造することができる保護層を含む蛍光体粒子である。
既に述べたように、その場合に酸処理ステップA)によって蛍光体粒子の表面領域から物質が除去されるので、引き続いての熱処理ステップB)において、この表面領域から特に安定な保護層が形成され得る。X線光電子分光測定(XPS測定)は、その際、この方法によって製造することが可能な保護層が、本来の蛍光体中に存在していた元素、例えばケイ素、アルミニウム、窒素、アルカリ土類金属イオンから選択される元素の他に、なおもさらなる元素、例えば酸素を含み得ることを示しており、酸素は、例えば処理ステップA)によって、特に酸水溶液を用いて、またはステップB)での酸素含有雰囲気中での熱処理によって、保護層中に導入することもできる。
本発明による方法の非常に様々な変法は、種々のアルミニウム含有および/またはケイ素含有の蛍光体粒子を用いて実施することができる。蛍光体に考えられる候補としては、特に、以下の蛍光体が、それらに限ったものではないが該当する。
Figure 2018512481
特に有利な実施形態によれば、蛍光体粒子は、組成に少なくとも元素D、元素A1、元素AX、元素SXおよび元素NX(ここで、Dは、Mn、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)およびYbの群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表し、A1は、Dに含まれない二価の金属の群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表し、SXは、Siを含む四価の金属の群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表し、AXは、三価の金属の群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表し、かつNXは、O、N、S、C、Cl、Fの群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表す)を含む無機物質を含み、かつSr(SraCa1-a)Si2Al26と同じ結晶構造を有する蛍光体を含む。
発明者らは、そのような蛍光体が、従来の蛍光体に対して、さらに以下で記載されるような一連のすべての利点を有することが確認された。
以下で、「Sr(SraCa1-a)Si2Al26と同じ結晶構造を有する」蛍光体は、空間群P21の他に、更にまた国際結晶学テーブルA(International Tables Crystallography A)による空間群1〜3の1つで、つまり以下の空間群:P1、P2、P1 ̄で記載することができる蛍光体として定義され、前記蛍光体の元素Al−NおよびSi−Nの間の化学結合の長さは、格子定数および原子座標からリートベルト解析に従って計算されて、図22に記載される値の±15%の値の範囲内にある。本発明のさらなる実施形態によれば、空間群は単斜晶系のP21である。
本発明のさらなる実施形態によれば、前記無機物質は、以下の一般式:
(DaA1b)(DcA1d)SXeAXfNXg
によって記載することができる。
前記式中、a+b≦1およびc+d≦1であり、かつパラメータa、b、c、d、e、fおよびgは、以下の条件
Figure 2018512481
を満たす。
有利には、以下の:
Figure 2018512481
が当てはまる。
更なる一実施形態によれば、該蛍光体は、一般化学式A1(A1a1-a)SX2AX2NX6:Dを有する。その場合に、A1は、少なくとも1つの二価の金属元素、例えばSrであり、Mは、その他の二価の金属元素、例えばCaであり、SXは、少なくとも1つの四価の元素、例えばSiおよび/またはCを含み、AXは、少なくとも1つの三価の元素、例えばAlおよび/またはLaを含み、かつNXは、N、O、F、Clの群から選択される少なくとも1つの元素を含む。
さらに、前記化学式における一般元素A1、M、SX、AXおよびNXは、既に前記の条件を有してよい、つまりDは、Mn、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)、特にLi、TmおよびYbの群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表し、A1は、Dに含まれない二価の金属の群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表し、SXは、四価の金属、例えばSi、C、Ge、Hf、Zr、Tiの群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表し、AXは、三価の金属、例えばAl、La、Ga、In、Bの群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表し、かつNXは、O、N、S、C、Cl、Fの群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表す。
パラメータ値aは、その場合に、0.6から1.0の間であるか、または0.8から1.0の間であってよい。さらに、a<1に相当し得る。
さらなる実施形態による本発明の主題は、さらに一般式:
Sr(Sra1-a)Si2Al2(N,X)6:D,A,B,E,G,L
の蛍光体である。
新規の蛍光体の元素A、B、E、GおよびLでのコドーピングが行われ、これらのコドーパントは、ホスト格子または格子間サイト中のいずれかの位置を占有し得る。前記一般元素Xは、例えばOまたはハロゲンのような元素を表し、前記元素は、特に占有された格子間サイトが結晶格子中に存在するか、または空孔が格子サイトに存在する場合には、電荷担体補償のためにも用いられる。
その場合に、金属Mは、Ca、Ba、Mgから単独または組み合わせて選択され、Aは、Mおよびさらなる使用されるドーパントDとは異なる二価の金属、例えばCu、Znまたはそれらの組合せから選択され、Bは、三価の金属、特に遷移金属または希土類金属、例えばLaまたはPrを表し、かつEは、一価の金属、例えばLiまたはその他のアルカリ金属、例えばCs、Rb、KまたはNaを表す。Gは、四価の元素、例えばCもしくはGe、またはHf、Zr、Tiを表す。元素Lは、その場合に、三価の元素、例えばB、GaまたはInを表す。
特に、前記蛍光体は、以下の一般式:
Sr(Sra1-a)Si2Al2(N,O)6:D,A,B,E,G
を有してよい。
以下で、一般式Sr(Sra1-a)Si2Al2(N,O)6:D,A,B,E,Gの代わりに、式Sr(Sra1-a)Si2Al2(N,O)6:DまたはSr(Sra1-a)Si2Al2(N,O)6:Eu、Sr(Sra1-a)Si2Al2(N)6:DまたはSr(Sra1-a)Si2Al2(N)6:Euが、簡潔にするために同義的に使用される。
ドーパントは、さらに、新規の蛍光体の結晶格子内部の特定の位置、例えば格子サイトまたは格子間サイトを占有することができ、蛍光体中に存在する元素を置き換えることもできるため、更なる実施形態によれば、以下の一般式:
Sr(1-x-h)(Sra1-a(1-y-i)(x+y)(h+i)/2(h+i)/2Si(2-z)zAl2-vv(N,X)6:D
の蛍光体が得られる。
特に、その一般式は、以下:
Sr(1-x-h)(Sra1-a(1-y-i)(x+y)(h+i)/2(h+i)/2Si(2-z)zAl26:D
のように構成されていてよい。
その式中、金属Mならびに元素A、BおよびEは、上記のまさにその元素を表し、ここで、0≦x+y≦0.4、有利には0≦x+y≦0.3、更に有利には0.04≦x+y≦0.3が当てはまり、x+yは、特に0.2または0.04であってよく、さらに、0≦h+i≦0.4、有利には0≦h+i≦0.3、更に有利には0.04≦h+i≦0.3が当てはまり、ここで、Bは存在しなくてもよく、こうして、x=0およびy=0である。パラメータh+iは、特に0.2または0.04であってよく、ここで、BおよびEは存在しなくてもよく、こうして、h=0およびi=0が当てはまる。その場合に、二価の金属Aおよび/または三価および一価の金属BおよびEの同モル割合からなる組合せは、Srおよび/またはCaを置き換えることができる。この場合に、パラメータx+y、h+iおよびzは、互いに独立して選択することができる。さらに、それぞれ互いに独立して、xおよびyおよびhおよびiは、0であってよい。
Gは、Siを置き換える四価の元素、例えばCまたはGeを表し、ここで、パラメータzについては、0≦z≦1、または0≦z≦0.5、または0.02≦z≦0.3が当てはまり、ここで、zは、特に0.02または0.4であってよく、または四価の元素は存在しなくてよく、こうして、z=0である。元素Lについてのパラメータvは、以下の値を取ることができる:0≦v≦1、更に0≦v≦0.5。
SrおよびMのAによる置き換え、および/またはSrおよびMのBおよびEからなる組合せによる置き換えは、CIE色空間中の色座標の変更、新規の蛍光体のドミナント波長、反射能、視感度効率Vs、熱消光挙動、放射に対する安定性、加水分解の受けやすさおよび/またはFWHMの変更をもたらすことができ、したがって、本発明による蛍光体は、特定の用途に合わせるためのさらなる可能性を開く。
SiのGによる置き換えは、さらに、蛍光体の発光波長の大きな移行をもたらすことがあり、したがって、演色評価数(color rendering index)の改善を、特に深赤色の演色に際してもたらすことがある。したがって、例えば炭素によるコドーピングは、規定の色座標に至る可能性を高める。
さらに、四価の元素G、例えばCは、部分的にまた新規の蛍光体中のN原子を置き換えることができ、こうして、Gは、G4-として存在するので、以下の一般構造式:
Sr(Sra1-a)Si23zAl2(N,X)6-4z:D、または
Sr(Sra1-a)Si23zAl26-4z:D
が得られる。
蛍光体のさらなる実施形態においては、それぞれx+y、h+iおよび/またはzは、0であってよく、ここで、以下の一般式:
Sr(Sra1-a)Si(2-z)zAl2(N,X)6:D、または
Sr(Sra1-a)Si(2-z)zAl26:D
が得られる。
x+y=0(x=0およびy=0)と、さらにh+i=0(h=0およびi=0)の場合に、または
z=0およびx+y=0(x=0およびy=0)である場合に、一般式
Sr(1-h)(Sra1-a(1-i)(h+i)/2(h+i)/2Si2Al2(N,X)6:D、または
Sr(1-h)(Sra1-a(1-i)(h+i)/2(h+i)/2Si2Al26:D
が得られる。
さらに、二価の金属AはSrおよびMをもっぱら置き換えることができ、つまりBまたはEまたはGは存在しなくてよいので、以下の式:
Sr(1-x)(Sra1-a(1-y)(x+y)Si2Al2(N,X)6:D、または
Sr(1-x)(Sra1-a(1-y)(x+y)Si2Al26:D
が得られる。
さらに、上記式中のMは、有利にはCaであってよい。
本発明による蛍光体の更なる実施形態は、以下の一般式:
Sr(1-x)(Sra1-a(1-y)(x+y)Si2-(x+y)Al2+(x+y)6:D、または
Sr(1-x)(Sra1-a(1-y)(x+y)Si2-(x+y)Al2+(x+y)6:D
を有するので、SrおよびM、ならびにSiは、三価の金属BおよびAlの組合せによって置き換えられ、ここでも、0≦x+y≦0.4、有利には0.04≦x+y≦0.3が当てはまり、x+yは、特に0.2であってよい。
上述のすべての蛍光体は、青色スペクトル領域に強い吸収を示し、赤色の二次放射を放出する。さらに、これらの蛍光体は、Sr(SraCa1-a)Si2Al26と同じ結晶構造を有し、つまり空間群P1、P2、P1 ̄で、特に単斜晶系の空間群P21で結晶化する。
また、本発明の更なる実施形態の主題は、既に前記の一般式:
Sr(1-x-h)(Sra1-a(1-y-i)(x+y)(h+i)/2(h+i)/2Si(2-z)zAl26:D、または
Sr(1-x)(Sra1-a(1-y)(x+y)Si2-(x+y)Al2+(x+y)6:D
の蛍光体である。
その式中、Dは、Mn、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、アルカリ金属、つまりLi、Na、K、Rb、Cs、有利にはLiおよびYbの群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表す。Dは、有利には、Eu、Ce、Li、Mnおよびそれらの組合せから選択される。有利には、賦活剤Dは、Eu、Ce、Mnの少なくとも1つの元素から選択され、特にEu、CeもしくはMnまたはEu、Ce、Liからなる混合物である。直前に挙げた賦活剤を使用することによって、蛍光体のCIE色空間中での色座標、そのドミナント波長λdom、視感度効率Vs、FWHMおよび450nm〜470nmでの拡散反射率(Remission)を特に良好に調整することができる。
さらに、特に本発明によるEuでドープされた蛍光体のアルカリ金属、つまりLi、Na、K、Rb、Cs、有利にはLiによるコドーピングが可能である。アルカリ金属によるコドーピングは、特にスペクトル半値幅FWHMの低下をもたらすだけでなく、熱消光に関して改善された挙動および視感度効率の改善をもたらすことができる。
本発明のさらなる実施形態によれば、賦活剤Dは、Euおよび1つまたは幾つかのアルカリ金属、有利にはLiからなる組合せである。それは、発光放射のFWHMのさらなる低下、熱消光挙動および量子効率の改善をもたらし得る。
EuおよびLiからなる組合せを有するこの蛍光体の一般式は、以下:
Sr(1-x-h)(Sra1-a(1-y-i)(x+y)(h+i)/2(h+i)/2Si(2-z)zAl26:Eu,Li、または
Sr(1-x)(Sra1-a(1-y)(x+y)Si2-(x+y)Al2+(x+y)6:Eu,Li
のように記載することができる。
その場合に、リチウム金属イオンが、ホスト格子中の位置を占め、かつ/または格子間サイトに存在することが可能である。電荷担体補償は、比率Si:Alを適合させることによって行うことができ、かつ/または部分的にNをOおよび/またはハロゲン、例えばFによって置き換えることによって行うことができる。また、統計学的に分布したカチオン格子サイト内部の空孔も可能である。この理由から、以下の一般式:
LijSr(Sra1-a)Si(2-j)Al(2+j)6:Eu
Sr(Sra1-a)LijSi(2-j)Al(2+j)6:Eu
Li2j+2k+2lSr1-j(Sra-k1-a-l)Si2Al26:Eu
LijSr1-k(Sra1-a1-lSi2+mAl2-n6:Eu
Lij[Sr(Sra1-a)]1-jSi2+jAl2-j6:Eu
は、EuおよびLiを賦活剤として有する新規の蛍光体を記載するために適しており、ここで、明瞭化のために、追加の元素A、B、EおよびGは示されていないが、それらは基本的には存在してよい。
その場合に、パラメータjに関して、0≦j≦0.2、有利には0≦j≦0.15、さらに有利には0≦j≦0.05が当てはまる。更なる一実施形態によれば、該蛍光体は、一般化学式Sr(Sra1-a)Si2Al26:Dを有する。その場合に、Mは、Caおよび/またはBaである。さらに、Mは、Ca、Ba、Zn、Mgおよび/またはLiの群から単独でまたは組み合わせて選択することもできる。この場合と前記一般式においては、aの値は、0.6〜1.0、有利には0.8〜1.0(境界値を除く)であってよい。特に、aは、0.7〜0.99、さらに有利には0.85〜0.99(境界値を含む)で選択される。
賦活剤Dは、その場合に本発明の更なる実施形態によれば、モル%の量において、0.1モル%から20モル%の間、または0.1モル%から10モル%の間、または1モル%から10モル%の間、または0.5モル%から5モル%の間、2モル%から5モル%の間、または0.8モル%から3モル%の間に存在してよい。以降、賦活剤、特にEuについての%表記は、それぞれの蛍光体中のアルカリ土類金属のモル割合に対するモル%表記として表される。
賦活剤Dは、有利には、金属Eu、Ce、MnおよびLiならびにそれらの組合せから選択することができる。さらに、賦活剤DはEu、MnまたはCeならびにEu、CeおよびLiの組合せであってよい。
ユーロピウムドーパントの濃度が高まるにつれ、その場合に新規の蛍光体の発光のドミナント波長は、より高い波長に向かって橙色の色域から赤色の色域(図11aを参照)へと移行し、その際、フォトルミネッセンスの相対強度は、0.1モル%〜約4モル%で増大し、それから、ユーロピウムの賦活剤濃度がさらに増大すると再び下降する(図11bを参照)。フォトルミネッセンスの相対強度に関しては、1モル%〜10モル%の濃度範囲のEu、または2モル%〜5モル%の濃度範囲のEuが有利である。また視感評価された相対的なフォトルミネッセンス強度も、フォトルミネッセンスの相対強度と十分に似通った挙動を取り、それは、同様にユーロピウムの賦活剤濃度が高まると高まり、約4モル%〜約20モル%以降から再び下降する(図11cを参照)。視感評価されたフォトルミネッセンス強度に関しては、0.4モル%〜10モル%の賦活剤濃度のEu、または1モル%〜5モル%の賦活剤濃度のユーロピウムが有利である。
少なくとも1つの実施形態によれば、蛍光体は、赤色光または橙色光の発光に調整されている。赤色光または橙色光とは、蛍光体が少なくとも560nmのドミナント波長、有利には585nmから640nmの間を含めたドミナント波長、特に590nmから615nmの間を含めたドミナント波長を有する放射を放出することを意味する。
ドミナント波長は、特に、CIE色度図のスペクトル軌跡と、CIE色度図中の白色点から出発して実際の放射の色座標を通る直線との交点として示される波長である。一般的に、ドミナント波長は、最大強度の波長とは異なる。特に、ドミナント波長は、最大強度の波長よりも小さい波長の場合には赤色スペクトル領域にある。
少なくとも1つの実施形態によれば、蛍光体は、一般化学式Sr(SraCa1-a)Si2Al26:Dを有する。その場合に、Dは、少なくとも1つの賦活化元素である。しばしば、Dは、元素Euおよび/またはCeから形成される。その他のまたは追加の賦活化元素またはドーピングは、Mn、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuの群から、単独または組合せのそれぞれにおいて選択され得る。蛍光体は、さらなる元素を、例えば不純物の形で有することが可能であり、ここで、これらの不純物は多くとも、全部合わせて、有利には高くても0.1プロミルまたは100ppmもしくは10ppm(parts per million)の蛍光体の質量割合を有するべきである。
新規の赤色の蛍光体の合成および更なる特性は、係属中のPCT特許出願PCT/EP2014/071544に記載されており、これをもって本明細書に全内容が援用されるものとする。
少なくとも1つの実施形態においては、該方法は、少なくとも以下のステップ:
A)固体として存在するSr、Al、SiおよびEuならびに任意にCaのための出発材料を準備するステップ、
B)それらの出発材料を混合するステップ、
C)該出発材料を不活性ガス雰囲気下で、特に窒素雰囲気下で、またはフォーミングガス雰囲気下で少なくとも1500℃に加熱して、焼成ケークを形成させるステップ、ならびに
D)焼成ケークを粉砕して蛍光体とするステップ、
を、有利には示される順序で有する。
本方法の少なくとも1つの実施形態によれば、少なくともステップC)またはすべてのステップも、ほぼ大気圧で行われる。特に、該方法は、そのときに高圧条件下では行われない。有利には、大気圧および/または全圧は、0.9barおよび1.5barを含めたその間であり、または0.95barおよび1.05barを含めたその間である。
ストロンチウム、アルミニウムおよび/またはカルシウムのための出発材料および起源として、それぞれの純粋な金属または相応の金属を有する金属合金を使用することもできる。同様に、出発材料として、これらの金属のケイ化物、水素化物、窒化物、酸窒化物、ハロゲン化物および/または酸化物を使用することができる。さらに、これらの化合物の混合物を使用することができる。
蛍光体の製造のためのケイ素のための出発材料または起源としては、ケイ素−金属化合物、窒化ケイ素、アルカリ土類金属ケイ化物、ケイ素ジイミドまたはこれらの化合物の混合物を使用することができる。有利には、窒化ケイ素および/またはケイ素金属が使用される。
Euのための出発材料または起源として、金属のユーロピウム、ユーロピウム合金、ユーロピウム酸化物、ユーロピウム窒化物、ユーロピウム水素化物またはユーロピウムハロゲン化物を用いることができる。同様に、これらの化合物の混合物を使用することができる。有利には、ユーロピウム酸化物がユーロピウムのための出発材料として使用される。
更なる四価の元素G、例えばC、三価の元素B、例えばLa、一価の元素E、例えばLi、およびDおよびMとは異なる二価の元素A、例えばCuまたはZnのための出発材料としては、例えば、相応の元素、これらの元素のケイ化物、水素化物、窒化物、酸窒化物、炭酸塩、水酸化物、ハロゲン化物および/または酸化物ならびにそれらから誘導される化合物、例えば水和物を使用することができる。例えば、Mn23、CuO、Zn32、La23、Li247およびグラファイトを使用することができる。
少なくとも1つの実施形態によれば、融剤および/またはフラックスは、結晶性の改善のために、および/または結晶成長を支持するために使用される。このためには、有利には、使用されるアルカリ土類金属の塩化物、フッ化物、ハロゲン化物および/またはホウ素含有化合物が考慮される。また、2種または幾つかの融剤またはフラックスからなる組合せを使用することもできる。特に、融剤および/またはフラックスとして、例えば以下の物質:LiF、LiCl、NaF、NaCl、SrCl2、SrF2、CaCl2、CaF2、BaCl2、BaF2、NH4Cl、NH4F、KF、KCl、MgF2、MgCl2、AlF3、H3BO3、B23、Li247、NaBO2、Na247、LiBF4の少なくとも1つが用いられる。また、NH4HF2、NaBF4、KBF4、EuF3およびそれらから誘導される化合物、例えば水和物が適している。
少なくとも1つの実施形態によれば、出発物質、特にSr、Ca、Alおよび/またはSiならびにEuのための出発物質、そして場合により更なる四価の元素G、例えばC、三価の元素B、例えばLa、一価の元素E、例えばLi、およびDおよびMとは異なる二価の元素A、例えばCuまたはZnのための出発材料も、蛍光体の一般化学式に従って秤量される。合成の間に場合により生ずる蒸発損失を補償するために、アルカリ土類金属成分Sr、Caはまた過剰に秤量することも可能である。さらに、アルカリ土類金属成分としてBaを使用することも可能である。
少なくとも1つの実施形態によれば、ステップD)の後にステップE)が続く。ステップE)においては、蛍光体のさらなる焼成が行われ、それはまた熱処理と呼ぶこともできる。該焼成は、特に少なくとも1500℃の温度で、かつ有利には窒素雰囲気下でまたはフォーミングガス雰囲気下で行われる。フォーミングガスは、N2およびH2からなる混合物を指す。ステップC)および/またはE)での少なくとも1500℃の温度は、有利には少なくとも4時間または6時間の間で必要とされる。例えば、ステップC)およびE)では、それぞれ1650℃±50℃の温度が必要とされる。
そのような蛍光体の製造のための本発明による方法の代替的な一実施形態によれば、ステップE)の代わりに、ステップC)およびD)を繰り返すことができる。
少なくとも1つの実施形態によれば、出発材料の混合は、ボールミルまたはタンブルミキサー中で行われる。混合過程において、多くのエネルギーが被混合物にもたらされ、それにより出発材料の粉砕がなされる条件を選択することが有利なことがある。混合物のそれにより高められた均質性および反応性は、得られる蛍光体の特性に良い影響を及ぼし得る。
嵩密度の狙い通りの変更または出発材料混合物の凝集の変更によって、副相の発生を減らすことができる。さらに、粒度分布、粒子形態および/または得られる蛍光体の収率に影響が及ぼされ得る。このために特に適切な技術は、適切な添加物を使用しながらの篩別および造粒である。
少なくとも1つの実施形態によれば、熱処理は、特にタングステン、モリブデンまたは窒化ホウ素製のるつぼ中で行われる。熱処理は、有利には、気密性の炉内で窒素雰囲気または窒素/水素雰囲気中で行われる。その雰囲気は、流動していても、静止していてもよい。さらに、炭素は、微細形で炉空間内に存在していてよい。また、結晶性または粒度分布を改善し、または狙い通りに影響を及ぼすために、蛍光体の繰り返しの熱処理を行うことも可能である。さらなる利点は、蛍光体の改善された光学特性および/または蛍光体のより高い安定性と関連した、より低い欠陥密度であってよい。熱処理の間に、蛍光体は、非常に様々な様式で処理することができ、または該蛍光体に融剤のような物質を添加することもできる。
蛍光体の粉砕のために、例えば、乳鉢、流動床ミルまたはボールミルを使用することができる。粉砕に際して、有利には、生じた破片粒の割合をできるだけ少なく保持することに留意すべきである。それというのも、この破片粒は、蛍光体の光学特性を低下させることがあるからである。
蛍光体は、さらに洗浄することができる。このために、蛍光体は、水中、または水性酸中で、例えば塩酸、硝酸、フッ酸、硫酸、有機酸またはこれらの混合物中で洗浄することができる。該蛍光体は、それに代えてまたはそれに加えて、アルカリ液中で、例えば苛性ソーダ液、苛性カリ液、アンモニア水溶液またはそれらからなる混合物中で洗浄することができる。その代わりにまたはそれに加えて、該洗浄は、有機溶剤、例えばアセトン、プロパノールおよび/またはフェノール中で行うことが可能である。その洗浄は、有利には粉砕後に行われる。
少なくとも1つの実施形態によれば、例えば熱処理、更なる焼成、粉砕、篩別および/または洗浄によって、副相、ガラス相またはその他の不純物の除去、そしてさらに蛍光体の光学的特性の改善が行われる。
本明細書に記載される蛍光体の一実施例は、以下のように製造することができる:
一般化学式Sr(SraCa1-a)Si2Al26:Euの蛍光体の合成のための出発材料として、構成元素の二元窒化物、つまりCa32、Sr32、AlNおよびSi34が使用される。それは、酸化および加水分解を強く受けやすい物質であるので、いわゆるグローブボックス中で、O2<1ppmおよびH2O<1ppmを有するN2雰囲気下で作業される。さらに、Eu2+によるドーピングのためにEu23が使用される。秤量は、いわば、簡素化された表記において、以下の原子比:
Sr:Ca:Si:Al:Eu=(1+a):(1−a):2:2:y
が存在するように行われ、ここで、yは、ドーピング度に相当し、つまりEuによって置換される二価の格子サイトの割合に相当する。さらに、種々のフラックスが加えられる(上記説明を参照)。出発材料混合物は、上記の原子比を保ったまま、例えば50g〜100gの全秤量にまで倍率変更される。またそれとは別の全秤量を使用することも可能である。
出発材料混合物は、例えばZrO2ボールと一緒にPET製混合容器中に入れられ、6時間にわたってグローブボックス内でローラ台(Rollenbank)上で混合される。引き続き、前記ボールを混合物から取り出し、その粉末を、閉じたモリブデンるつぼ中に移す。このるつぼを、タングステン外るつぼ(Uebertiegel)中、つまりタングステン製の半円形の開放管中に入れて、管状炉に移す。該管状炉には、所要時間の間に、92.5%のN2および7.5%のH2を有するフォーミングガスが毎分3lで通過する。管状炉中で、混合物は250K/時間の速度で1650℃に加熱され、この温度で4時間にわたって保持され、引き続き250K/時間で50℃に冷却される。生じた焼成ケークを、炉を冷ました後に取り出し、乳鉢で粉砕し、そしてメッシュ幅31μmを有する篩いを介して篩別する。31μm未満の篩い分け分画が、使用される蛍光体である。
篩別の後に、任意にさらなる焼成、熱処理および/または洗浄ならびに/または被覆過程が続くことがある。
秤量m(g)と、それぞれの蛍光体のCIE色度図における460nmの青色光で励起した場合および青色光を完全に吸収した場合の発光スペクトルの得られる色座標CIE x、CIE y(色軌跡または「色度座標」とも呼ばれる)の例は、図12aおよび図12bにおいて表に挙げている。その場合に、x≦0.8である秤量は、従来のCaAlSiN3蛍光体を指し、その一方で、x>0.8(a>0.6に相当する)である秤量は、新規の蛍光体を示している。
以下で、本発明の実施形態は、具体的な実施例および図面をもとにより詳細に説明されるべきである。
保護層を有する蛍光体粒子の概略図を示す。 保護層の生成のための種々の本発明による方法および従来の方法の間の、反応時間に対するpH値の過程のグラフを示す。 酸処理ステップA)の間のpH値に関する安定性試験の範囲における、保護層を有する蛍光体粒子の相対吸収を示す。 本発明による方法によって処理された、ステップB)において種々の温度にかけられた種々の蛍光体の安定性を、安定性試験の時間に対する440nm〜460nmでの相対吸収として示している。 安定性試験の時間に対する、保護層が設けられた種々の蛍光体の相対吸収、ひいては安定性を示している。 酸処理ステップA)の間のpH値に対する、保護層を有する蛍光体の相対収率を示す。 本発明による方法によって保護層が設けられた蛍光体粒子のX線光電子分光測定(XPS)によって測定された化学組成を、保護層を有さない蛍光体粒子と比較して示している。 本発明による表面処理された蛍光体粒子についての、未被覆の蛍光体と比較した、元素のアルミニウム、ケイ素、窒素およびすべてのアルカリ土類元素の合計の相対濃度の変化のグラフ図を示す。 未被覆の試料および本発明による蛍光体の被覆された試料についての、アルカリ土類金属イオン(Ca、Sr、Ba)の全体の表面濃度の、アルミニウムイオンおよびケイ素イオンの総数と比較した比率を示す。 本発明による種々の保護層を有する蛍光体粒子および未被覆の粒子の、安定性試験後の相対吸収が描かれている。 本発明による保護層が設けられ得る新規の蛍光体についての、種々のEuドーパント濃度のドミナント波長に対する作用を示している。 本発明による保護層が設けられ得る新規の蛍光体についての、種々のEuドーパント濃度のフォトルミネッセンスの相対強度に対する作用を示している。 本発明による保護層が設けられ得る新規の蛍光体についての、種々のEuドーパント濃度の視感評価された相対的なフォトルミネッセンス強度に対する作用を示している。 有利には保護層で被覆されるべき新規の蛍光体の製造のための種々の出発材料についての、秤量m(グラム)を示している。 有利には保護層で被覆されるべき新規の蛍光体の製造のための種々の出発材料についての、秤量m(グラム)を示している。
図1は、特に酸処理ステップA)に引き続き熱処理ステップB)によって、蛍光体粒子の表面領域および/または該蛍光体中にさらに含まれる副相から生成され得る、本発明による方法によって生成された保護層(5)を有する蛍光体粒子(1)を概略的に示している。その場合に、有利には、保護層(5)は、蛍光体粒子(1)のすべての表面領域上にむらなく存在するので、周囲環境の影響、例えば湿分に対する特に良好な保護が得られる。
以下で図2〜図11に示されるすべての実験データは、一般式Sr(Sra1-a)Si2Al26:D[式中、Mは、Ca、Ba、Zn、Mgの群から選択され、かつDは、EuおよびCeから選択される]の新規の赤色または橙色に発光する蛍光体に対するものである。
図2は、プロセスステップA)における酸処理の時間および酸添加の様式に応じた、一般式Sr(Sra1-a)Si2Al26:D[式中、Mは、カルシウム、バリウム、亜鉛、マグネシウムから選択され、かつDは、EuおよびCeから選択される]の赤色発光性の蛍光体の懸濁液のpH値の推移を示している。
その場合に、符号(10)が付いた曲線は、大過剰の酸が添加され、それに応じて少なくとも4時間のより長い時間にわたってpH値がpH3より低い状態にある保護層の製造のための従来の方法のpH推移を示している。
符号(15)が付いた曲線は、蛍光体に応じてpH制御のために予め決められた酸溶液の量が添加される、本発明による方法の一変法でのpH値の推移を示している。明らかにこの曲線では、冒頭の添加の後に、酸溶液および蛍光体粒子からなる懸濁液は非常に酸性であるが、pH値はゆっくりとpH2の冒頭の値から蛍光体粒子の表面の加水分解の開始に伴い約pH3.7に上昇し、その後にほぼ4時間にわたってpH3.7からpH4.2の間の範囲に動くことが明らかに認識できる。
符号(20)が付いた曲線は、緩衝剤が使用される、本発明による方法の更なる変法でのpH推移を示している。緩衝剤に基づいて、pHは、酸処理の推移全体にわたって5時間を超える時間にわたってほぼ5ぎりぎりのpH値を下回って動く。
符号(25)および(30)が付いた曲線は、酸溶液がその酸溶液の測定されたpH値に応じて添加される、本発明による方法の更なる実施形態でのpH推移を示している。その際、符号(30)が付いた曲線の場合には、酸の開始容量が添加され、更なる推移において、規定のpH値上限(ここではpH=6)を超過しない量で酸が計量供給される。符号(25)が付いた曲線においては、酸を添加せずに蛍光体を懸濁した後に、蛍光体の加水分解は、まず(弱)アルカリ性条件をもたらし、酸の計量供給後にはじめて、pH値が5付近の値に調整される。
図3は、本方法から得られる保護層を有する蛍光体粒子の加水分解安定性と比較した、酸処理ステップA)でのpH値の間の相関を示している。その場合に、その安定性は、この場合と以下の図面の実験データにおいても、ケイ素マトリックス中の蛍光体粒子が、100%の相対湿度および121℃の温度で保持される加速分解試験(「PCT」、プレッシャークッカー試験)によって評価される。その際、粒子の安定性は、分解試験を開始する前に測定された吸収値と比較した、蛍光体の相対吸収値の減少をもとに決定される。その場合に、分解試験は、1100時間にわたって実施される。
x軸上には、5時間の酸処理ステップA)の間に測定されたpH値がプロットされており、一方で、y軸上には、PCT試験後の蛍光体粒子の相対吸収がプロットされている。
5時間にわたって4から5.5の間のpH値で処理された蛍光体粒子は、非常に良好な安定性を有し、ここで、5から6の間のpH値で、例えば5.5で安定性が最高であることが明らかに認識できる。その場合に、丸で印された測定点は、5時間にわたって3.5未満の非常に低いpH値にさらされた、したがって過剰の酸が使用される保護層の生成のための従来法で処理された蛍光体粒子を示している。これらの蛍光体粒子は、4から6までのpH値の間で処理された蛍光体と比較して減少した安定性を有する。同様に、中性もしくは弱塩基性の環境にあるより高いpH値では、安定性の劇的な低下が観察され得ることが認識できる。
その場合に、相対吸収の減少は、分解試験の間の蛍光体粒子の加水分解に起因し、したがって低下された安定性に起因するものである。約4から6.5までの有利なpH範囲、更に有利には4.5から6までのpH範囲においては、蛍光体粒子の表面上で制御された加水分解が行われ、ここで、アルカリ土類金属Sr、BaおよびCaの特に易溶性の水酸化物が形成され、該水酸化物は、酸溶液中で迅速に溶解されるが、その一方で、SiおよびAlの水酸化物は、このpH値で比較的安定である。それにしたがって、蛍光体粒子の表面上での元素、特にアルカリ土類金属の選択的な排除が達成される。有利なpH範囲と比較してより高いpH値およびより低いpH値では、ケイ素およびアルミニウムの水酸化物の可溶性は増大し、その結果、保護層は形成されないか、または不十分な保護層しか形成されないこととなる。
図4は、熱処理ステップB)で種々の温度にかけられた蛍光体の相対吸収と、それぞれの蛍光体をPCT試験にかけた時間との間の依存性を示している。示される5つすべての試料は、同等の酸処理ステップA)にかけられ、洗浄および乾燥されたものである。その後に、それらの試料を、ステップB)において、その図に示される種々の熱処理温度にかけた。
その場合に、y軸上には、保護層を有する蛍光体の440nmから460nmの間の相対吸収がプロットされている。保護層が熱処理ステップB)において300℃から350℃の間の温度で生成された蛍光体が最も安定であることが明らかに認識できる。それというのも、前記蛍光体の相対吸収は、PCT試験において300時間の時間にわたり殆ど減少しないからである。それに対して、保護層が200℃または250℃の温度で形成された蛍光体は、本質的により安定性が低い。それというのも、前記蛍光体の相対吸収は、300時間の時間にわたり本質的により激しく減少するからである。また、450℃の熱処理温度に関する曲線は、この熱処理温度では、その温度が既に高すぎるため、蛍光体粒子の安定性が、またもや幾らか減少することを示している。
これらのデータは、300℃の熱処理温度より低い温度、または350℃より高い温度では、蛍光体粒子は、さらに加水分解を受けやすくなることを明らかに示している。熱処理ステップB)の間に、特に、プロセスステップA)、つまり加水分解において形成されたケイ素およびアルミニウムの水酸化物は、水を脱離しながら架橋され得る。
図5は、蛍光体がPCT試験にかけられた時間に対する相対吸収をもとに測定される、保護層を有する蛍光体および保護層を有さない蛍光体についての種々の安定性を示している。x軸上には、PCT試験の時間がプロットされており、y軸上には、440nmから460nmの間の相対吸収が種々の蛍光体についてプロットされている。
この場合に、符号(35)が付いた曲線は、保護層を有さない蛍光体についての相対吸収の推移を示しており、その際、相対吸収が素早く減少することに基づいて、該蛍光体の非常に低い安定性を観察することができる。この場合に、符号(40)が付いた曲線は、従来の方法に従って過剰の酸を用いて生成された保護層を有する蛍光体を示しており、その一方で、符号(45)が付いた曲線は、蛍光体の保護層が、本発明による方法によってpH値に応じて適合された量の酸を添加して生成された蛍光体を示している。
改めて、保護層が本発明による方法によって生成された蛍光体は、それどころか、別の従来の保護層を有する蛍光体と比較して高められた安定性を有することが明らかに認識できる。
図6は、酸処理ステップの間のpH値に対する、蛍光体粒子上に保護層を生成するための種々の方法の相対収率を示す。その場合に、x軸上には、酸処理が5時間にわたって実施された酸処理ステップの間のpH値がプロットされている。3.5から5.5の間のpH値での酸処理ステップ、つまり本発明による方法では非常に良好な相対収率が達成され、その一方で、過剰の酸が存在する方法の場合には(楕円で印されている)、減少された相対収率が得られることが明らかに認識できる。
図7は、X線光電子分光測定(XPS/オージェ)によって測定された、保護層を有するまたは未被覆である蛍光体粒子の表面の化学組成を示している。その場合、試料Aは、保護層を含まず、単に参照として測定されたものである。それに対して、試料Bは、本発明による方法によって保護層が設けられたものである。被覆された蛍光体粒子の表面上のケイ素の量(原子パーセント)は明らかに増加するのに対して、アルミニウムの割合は僅かだけしか減らないことが明らかに認識できる。それに対して、蛍光体粒子の表面上に保護層を生成させるにあたり、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムの3つのイオンのアルカリ土類金属割合は減少する。同様に明らかに、蛍光体粒子の表面上の窒素の量が減少する。さらに、表中にはアルカリ土類元素についての合計(ΣAE)ならびにアルミニウムおよびケイ素の元素の合計(ΣAE、ΣAl+Si)だけでなく、それらから形成される商も挙げられている。XPS分光測定によって、蛍光体粒子の表面上の炭素および酸素も検出され、その際、炭素と同様に酸素も、空気から吸着および/または吸収され得る。
図8は、被覆された試料と未被覆の試料との比較による、蛍光体粒子中のアルミニウム、ケイ素、窒素ならびにアルカリ土類元素のカルシウム、バリウムおよびストロンチウムの合計(AEの合計)の相対濃度の変化の対比を示している。被覆された試料中のアルミニウムの濃度は、少なくとも10%から約30%までの小さな減少しか示さないが、表面上のケイ素の濃度は、少なくとも40%〜約70%だけ大きく増加することが明らかに認識できる。同時に、窒素の濃度もアルカリ土類金属イオンの濃度も、明らかに少なくとも60%から約90%〜95%までの範囲、または60%から100%までの範囲で減少する。これらのデータは、酸処理ステップA)および引き続いての熱処理B)によって、アルカリ土類金属イオンおよび窒素が減少し、ケイ素が増大するのに対して、アルミニウムは僅かしか減少しない保護層が形成されることを明らかに裏付けている。
図9は、アルカリ土類金属イオン分全体の表面濃度の合計と、アルミニウムおよびケイ素の濃度の合計との比率として測定される、ケイ素の増大またはアルカリ土類金属イオンの減少を示している。未被覆の試料Aの場合に、アルカリ土類金属イオンは、酸処理ステップによって蛍光体粒子の表面領域から十分に除去されるので、前記比率は、本発明による方法によって被覆された試料Bの場合よりも本質的により高いことが明らかに認識できる。
以下で、保護層を有する蛍光体粒子の本発明による製造方法のさらなる種々の変法を記載する。種々の実施例の安定化された蛍光体の平均粒径は、それぞれ約10μm〜16μmであり、ここで、使用される篩いのメッシュ幅は、31μmであった。
実施例1:
一般式Sr(SraCa1-a)Si2Al26:Eu[式中、a=0.86および3%のユーロピウム割合]の蛍光体(相純度≧95%)20グラムを、200mlの脱イオン水中に加えて、撹拌し続けた。その分散液に、6mlの希塩酸(c=2Mol/l)を添加し、その混合物を75℃から85℃までの温度に加熱した。該混合物を、この温度範囲で保持し、5時間にわたって撹拌し続けた。計量供給ポンプをpHメーターと接続することによって、pH値を絶えず観察し、5未満の値で保持した。全部で0.8mlの希塩酸が添加された。酸で浸出された蛍光体粒子を、次いで濾過および吸引分離し、まずは水で、次にエタノールで徹底的に洗浄した。次いで蛍光体粒子を、60℃で2時間にわたって乾燥させ、次いで篩別した。乾燥した蛍光体粒子を、次いで350℃で5時間にわたって熱処理した。得られた蛍光体粒子を、「SP−1」と称した。
実施例2:
組成Sr(SraCa1-a)Si2Al26:Eu[式中、a=0.86および3%のユーロピウム割合]を有する蛍光体粉末(相純度≧95%)20gを、150mlの緩衝剤(等モル割合の酢酸および酢酸ナトリウムからなる)に添加して、撹拌し続けた。その混合物を、75℃から85℃までの温度に加熱した。該混合物を、この温度範囲で5時間にわたって撹拌し続けながら保持した。pH値は、その方法の間にpH値試験紙を用いて1時間毎に測定した。この時間の間、pH値は、4から5の間の値で一定に保った。次いで、酸処理された蛍光体を濾過および吸引分離し、まずは水で、次にエタノールで大規模に洗浄した。蛍光体粉末を、60℃で2時間にわたって乾燥させ、次いで篩別した。乾燥された蛍光体を、次いで350℃で5時間にわたって熱処理した。得られた安定化された蛍光体を、「SP−2」と称した。
実施例3:
組成Sr(SraCa1-a)Si2Al26:Eu[式中、a=0.86および3%のユーロピウム割合]を有する蛍光体粉末(相純度≧95%)20gを、200mlの脱イオン水中に加えて、継続的に撹拌した。その分散液に、10mlの希塩酸(c=2Mol/l)を添加し、その混合物を75℃から85℃の間の温度に加熱した。その蛍光体を、この温度で5時間にわたって撹拌し続けながら浸出させた。pH値は、その方法の間にpH値測定プローブを用いて1時間毎に測定した。この時間の間に、pH値は、最初は2.6(酸の添加後に測定)であったが、引き続き7.3に増加した。次いで浸出された蛍光体を、吸引分離によって濾過し、まずは水で、最後にエタノールで徹底的に洗浄した。蛍光体粉末を、60℃で2時間にわたって乾燥させ、次いで篩別した。最後に、乾燥された蛍光体を、350℃で5時間にわたって熱処理した。得られた安定化された蛍光体を、「SP−3」と称した。
実施例4:
組成Sr(SraCa1-a)Si2Al26:Eu[式中、a=0.86および3%のユーロピウム割合]を有する蛍光体粉末(相純度≧95%)20gを、200mlの脱イオン水中に加えて、撹拌し続けた。その分散液に、25mlの希塩酸(c=2Mol/l)を添加し、その混合物を75℃から85℃までの温度に加熱した。次いで、該混合物を、この温度範囲で5時間にわたって撹拌し続けながら保持した。pH値は、その方法の間にpH値測定プローブを用いて1時間毎に測定した。この時間の間に、pH値は、最初は1.1(酸の添加後に測定)であったが、その後に3.1まで増加した。次いで浸出された蛍光体粉末を、吸引分離しながら濾過し、まずは水で、次にエタノールで徹底的に洗浄した。次いで、蛍光体粉末を、60℃で2時間にわたって乾燥させ、次いで篩別した。引き続き、乾燥した蛍光体粉末を、350℃で5時間にわたって熱処理し、得られた安定化された蛍光体を、「SP−4」と称した。
実施例5:
組成Sr(SraCa1-a)Si2Al26:Eu[式中、a=0.86および3%のユーロピウム割合]を有する蛍光体粉末(相純度≧95%)20gを、200mlの脱イオン水中に加えて、撹拌し続けた。その分散液に、15mlの希塩酸(c=2Mol/l)を添加し、その混合物を75℃から85℃までの温度に加熱した。該混合物を、この温度範囲で撹拌し続けながら2時間にわたって保持した。pH値は、その方法の開始時と完了時にpH値測定プローブを用いて測定した。この時間の間に、pH値は、最初は1.6(酸の添加後に測定)であったが、その後に4.5のpH値に増加した。次いで浸出された蛍光体を、吸引分離しながら濾過し、まずは水で、最後にエタノールで徹底的に洗浄した。次いで、蛍光体粉末を、60℃で2時間にわたって乾燥させ、篩別した。最後に、乾燥させた蛍光体粉末を、350℃で5時間にわたって熱処理し、得られた安定化された蛍光体を、「SP−5」と称した。
実施例6:
組成Sr(SraCa1-a)Si2Al26:Eu[式中、a=0.86および3%のユーロピウム割合]を有する蛍光体粉末(相純度≧95%)20gを、200mlの脱イオン水中に加えて、撹拌し続けた。その分散液に、25mlの希塩酸(c=2Mol/l)を添加し、その混合物を75℃から85℃までの温度に加熱した。該混合物を、この温度範囲で撹拌し続けながら8時間にわたって保持した。pH値は、その方法の開始時と完了時にpH値測定プローブを用いて測定した。この時間後に、該混合物のpH値は3であった。次いで浸出された蛍光体粉末を、吸引分離しながら濾過し、まずは水で、最後にエタノールで徹底的に洗浄した。その後に、蛍光体粉末を、60℃で2時間にわたって乾燥させ、次いで篩別した。乾燥された蛍光体を、次いで350℃で5時間にわたって熱処理した。得られた安定化された蛍光体を、「SP−6」と称した。
実施例7:
組成Sr(SraCa1-a)Si2Al26:Eu[式中、a=0.86および3%のユーロピウム割合]を有する蛍光体粉末(相純度≧95%)20gを、230mlの脱イオン水中に加えて、撹拌し続けた。その分散液に、820μlの希塩酸(c=5.8Mol/l)を添加し、その混合物を室温で30分間にわたって撹拌した。pH値は、その方法の開始時と完了時にpH値測定プローブを用いて測定した。この時間後に、該混合物のpH値は5.2であった。次いで浸出された蛍光体粉末を、吸引分離しながら濾過し、まずは水で、最後にエタノールで徹底的に洗浄した。次いで、蛍光体粉末を、60℃で2時間にわたって乾燥させ、篩別した。最後に、乾燥した蛍光体粉末を、350℃で5時間にわたって熱処理し、得られた安定化された蛍光体を、「SP−7」と称した。
実施例8:
組成Sr(SraCa1-a)Si2Al26:Eu[式中、a=0.82および2%のユーロピウム割合]を有する蛍光体粉末(相純度≧95%)10gを、500mlの脱イオン水中に加えて、撹拌し続けた。その分散液に、7mlの希塩酸(c=2Mol/l)を添加し、その混合物を75℃から85℃までの温度に加熱した。該蛍光体を、この温度で撹拌し続けながら1.5時間にわたって浸出させた。次いで浸出された蛍光体を、吸引分離しながら濾過し、まずは水で、最後にエタノールで徹底的に洗浄した。引き続き、蛍光体粉末を、60℃で2時間にわたって乾燥させ、次いで篩別した。最後に、その蛍光体粉末を、350℃で5時間にわたって熱処理し、安定化された得られた蛍光体を、「SP−8」と称した。
実施例9:
組成Sr(SraCa1-a)Si2Al26:Eu[式中、a=0.82および2%のユーロピウム割合]を有する蛍光体粉末(相純度≧95%)10gを、500mlの脱イオン水中に加えて、撹拌し続けた。その分散液に、7mlの希塩酸(c=2Mol/l)を添加し、その混合物を75℃から85℃までの温度に加熱した。該蛍光体を、この温度で継続的に撹拌しながら1.5時間にわたって浸出させた。pH値は、その方法の開始時と完了時にpH値試験紙を用いて測定した。次いで浸出された蛍光体を、吸引分離しながら濾過し、まずは水で、次いでエタノールで徹底的に洗浄した。その後に、蛍光体を、60℃で2時間にわたって乾燥させ、次いで篩別した。最後に、該蛍光体を、250℃で5時間にわたって熱処理し、得られた安定化された蛍光体を、「SP−9」と称した。
実施例10:
組成Sr(SraCa1-a)Si2Al26:Eu[式中、a=0.82および2%のユーロピウム割合]を有する蛍光体粉末(相純度≧95%)10gを、500mlの脱イオン水中に加えて、撹拌し続けた。その分散液に、7mlの希塩酸(c=2Mol/l)を添加し、その混合物を75℃から85℃までの温度に加熱した。次いで、その蛍光体を、この温度で1.5時間にわたって撹拌し続けながら浸出させた。pH値は、その方法の開始時と完了時にpH値試験紙を用いて測定した。その後に、浸出された蛍光体を、吸引分離しながら濾過し、まずは水で、最後にエタノールで徹底的に洗浄した。その後に、該蛍光体を、60℃で2時間にわたって乾燥させ、次いで篩別した。最後に、該蛍光体を、350℃で5時間にわたって熱処理し、得られた安定化された蛍光体を、「SP−10」と称した。
実施例11:
組成Sr(SraCa1-a)Si2Al26:Eu[式中、a=0.86および2%のユーロピウム割合]を有する蛍光体粉末(相純度≧95%)10gを、500mlの脱イオン水中に加えて、撹拌し続けた。その分散液に、7mlの希塩酸(c=2Mol/l)を添加し、その混合物を75℃から85℃までの温度に加熱した。その後に、該蛍光体を、この温度で継続的に撹拌しながら1.5時間にわたって浸出させた。pH値は、その方法の開始時と完了時にpH値試験紙を用いて測定した。その後に、浸出された蛍光体を、吸引分離しながら濾過し、まずは水で、次いでエタノールで徹底的に洗浄した。その後に、蛍光体粉末を、60℃で2時間にわたって乾燥させ、次いで篩別した。最後に、該蛍光体粉末を、350℃で5時間にわたって熱処理し、得られた安定化された蛍光体を、「SP−11」と称した。
実施例12:
組成Sr(SraCa1-a)Si2Al26:Eu[式中、a=0.86および2%のユーロピウム割合]を有する蛍光体粉末(相純度≧95%)10gを、500mlの脱イオン水中に加えて、撹拌し続けた。その分散液に、7mlの希塩酸(c=2Mol/l)を添加し、その混合物を75℃から85℃までの温度に加熱した。該蛍光体を、この温度で撹拌し続けながら1.5時間にわたって浸出させた。pH値は、その方法の開始時と完了時にpH値試験紙を用いて測定した。その後に、浸出された蛍光体を、吸引分離しながら濾過し、まずは水で、最後にエタノールで徹底的に洗浄した。その後に、蛍光体粉末を、60℃で2時間にわたって乾燥させ、次いで篩別した。最後に、乾燥させた蛍光体を、450℃で5時間にわたって熱処理し、得られた安定化された蛍光体を、「SP−12」と称した。
浸出された試料「SP−1」〜「SP−12」の相対安定性を、PCT試験によって130時間の期間にわたって評価し、その結果を図10に示した。参照として、「UP−1」と示される保護層で覆われていない同等の蛍光体の試料の相対安定性も示されている。酸溶液で処理されたすべての試料が、未処理の試料に対して高められた安定性を有することが明らかに認識できる。
図11a〜図11cにおいて、ユーロピウムの賦活剤濃度の増大に応じた、式Sr(Sr0.86Ca0.14)Si2Al26:Euの新規の蛍光体の種々の実施形態のドミナント波長、フォトルミネッセンスの相対強度および視感評価された相対的なフォトルミネッセンス強度が示されている。ユーロピウムドーパントの濃度が高まると、その場合に新規の蛍光体の発光のドミナント波長は、より高い波長に向かって橙色の色域から赤色の色域(図11aを参照)へと移行し、その際、発光の相対強度は、0.1モル%から約4モル%で増大し、それから、ユーロピウムの賦活剤濃度がさらに増大すると再び下降する(図11bを参照)。フォトルミネッセンスの相対強度に関しては、1モル%〜10モル%の濃度範囲のEu、または2モル%〜5モル%の濃度範囲のEuが有利である。また、視感度で評価された相対的な発光のフォトルミネッセンス強度も、前記フォトルミネッセンスの相対強度と十分に似通った挙動を取り、それは、同様にユーロピウムの賦活剤濃度が高まると増大し、約4モル%〜約20モル%以降から再び下降する(図11cを参照)。その場合に、人間の眼の明所視に関する感度が考慮される。発光のフォトルミネッセンス強度に関しては、0.4モル%〜10モル%の賦活剤濃度のEu、または1モル%〜5モル%の賦活剤濃度のユーロピウムが有利である。
図12aおよび図12bは、従来のCaAlSiN3蛍光体および一般式Sr(SraCa1-a)Si2Al26:Dの新規の蛍光体の製造のための種々の出発材料のための秤量m(グラム)を示している。その場合に、xが0.8以下である秤量は、従来のCaAlSiN3蛍光体を指し、その一方で、xが0.8より大きい(a>0.6に相当する)秤量は、新規の赤色または橙色に発光する蛍光体を示している。
例えば保護層を化学気相堆積(CVD)によって生成させる、または二酸化ケイ素層をテトラエチルオルトシリケート(テトラエトキシシラン(TEOS)とも呼ばれる)の加水分解によって生成させる従来の被覆プロセスと比較して、本発明による方法は、本質的により簡単に構成され、そしてよりコスト的に好ましい。特に、複雑な装置および高価な化学薬品を必要としない。さらに、本発明による方法は、易可燃性の出発材料を用いずに実施することができ、エタノールは少量しか必要としない。さらに、生成される保護層の蛍光体粒子上での付着能は、外部化学薬品を介して施された保護層の場合よりも大きい。それというのも、該保護層は、蛍光体粒子の表面領域上に存在する蛍光体材料から直接的に「内因的に」形成されるからである。したがって、本発明による方法で被覆された蛍光体は、より加水分解されづらくもある。
本発明は、実施例に基づく記載によって制限されない。むしろ、本発明は、それぞれの新たな特徴だけでなく、あらゆる特徴の組合せ、特に特許請求の範囲における特徴のあらゆる組合せを含むが、それは、この特徴またはこの組合せ自体が、特許請求の範囲または実施例に明示的に示されていない場合でもそうである。

Claims (20)

  1. 保護層を有するSi含有および/またはAl含有の蛍光体の蛍光体粒子の製造方法において、以下のプロセスステップ:
    A)Si含有および/またはAl含有の蛍光体を酸溶液で処理するステップであって、該酸溶液のpH値を、少なくとも1時間の時間にわたってpH3.5からpH7までの範囲内に保持することで、蛍光体粒子上に、蛍光体粒子よりも高い含量のSiを表面に有するSi含有層が形成され、かつ/または蛍光体粒子上に、蛍光体粒子と比べて変更された含量のアルミニウムを表面に有するAl含有層が形成されるステップ、
    B)処理された蛍光体粒子を少なくとも100℃の温度で熱処理することで、保護層を生成させるステップ、
    を含む製造方法。
  2. プロセスステップA)において、pH制御のために、以下のプロセス:
    − 酸溶液のpH値に応じた酸の添加、
    − 緩衝剤の添加、
    − 蛍光体の量に応じた規定量の酸溶液の添加、
    の少なくとも1つが用いられる、請求項1に記載の方法。
  3. プロセスステップA)において、酸として、鉱酸、例えばHClおよび/または有機酸、例えば酢酸が使用される、請求項1または2に記載の方法。
  4. プロセスステップA)において、pH4からpH6.5までの範囲のpH値が保持される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. プロセスステップA)において、Si含有および/またはAl含有の蛍光体の酸溶液による処理は、1時間から10時間までの、有利には2時間から7時間までの、更に有利には4時間から5時間までの時間にわたって実施される、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. プロセスステップB)において、熱処理は、250℃から400℃の間の、有利には300℃から400℃の間の、特に有利には300℃から350℃の間の温度で実施される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. プロセスステップB)において、熱処理は、酸素含有雰囲気中で実施される、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. プロセスステップB)において、熱処理は、1℃/時間から100℃/時間の間の、有利には5℃/時間から50℃/時間の間の、更に有利には10℃/時間から20℃/時間の間の加熱速度で実施される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. Si含有および/またはAl含有の、さらにアルカリ土類金属イオンを有する蛍光体が使用され、プロセスステップA)において、蛍光体粒子上に、該蛍光体粒子よりも低い含量のアルカリ土類金属イオンを有する層が形成される、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. Si含有および/またはAl含有の蛍光体として、組成に少なくとも元素D、元素A1、元素AX、元素SXおよび元素NX(ここで、Dは、Mn、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)およびYbの群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表し、A1は、Dに含まれない二価の金属の群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表し、SXは、Siを含む四価の金属の群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表し、AXは、三価の金属の群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表し、かつNXは、O、N、S、C、Cl、Fの群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表す)を含む無機物質を含み、かつSr(SraCa1-a)Si2Al26と同じ結晶構造を有する蛍光体が使用される、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. Si含有の蛍光体は、一般式:
    Sr(Sra1-a)Si2Al2(N,X)6:D,A,B,E,G,L
    を有する蛍光体であり、
    − 式中、Mは、Ca、Ba、Mgから単独または組合せで選択され、Aは、MおよびDとは異なる二価の金属から選択され、Bは、三価の金属であり、Eは、一価の金属であり、Gは、四価の元素であり、かつLは、三価の元素である、請求項10に記載の方法。
  12. Si含有および/またはAl含有の蛍光体は、一般式Sr(Sra1-a)Si2Al26:Dを有する蛍光体であり、式中、Mは、Ca、Ba、Zn、Mgの群から選択され、かつDは、EuおよびCeから選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 蛍光体粒子の表面の少なくとも一部にある保護層を有する蛍光体粒子であって、
    − 該蛍光体粒子は、Si含有および/またはAl含有の蛍光体を含み、かつ
    − 該保護層は、蛍光体に対して、少なくとも40原子%だけ、有利には少なくとも60原子%だけ高められたSiの含量、および/または蛍光体に対して少なくとも10%だけ、有利には少なくとも20%だけ低減された含量のAlを有する、蛍光体粒子。
  14. − 前記蛍光体粒子は、さらにアルカリ土類金属イオンを含み、かつ
    − 前記保護層は、蛍光体に対して少なくとも40原子%だけ、有利には少なくとも60原子%だけ低減された含量のアルカリ土類金属イオンを有する、請求項13に記載の蛍光体粒子。
  15. − 前記蛍光体粒子は、さらにNを含み、かつ
    − 前記保護層は、蛍光体に対して少なくとも40原子%だけ、有利には少なくとも60原子%だけ低減された含量のNを有する、請求項13または14に記載の蛍光体粒子。
  16. 保護層のSi含量は、蛍光体に対して少なくとも40原子%だけ高められている、請求項13から15までのいずれか1項に記載の蛍光体粒子。
  17. 保護層のAl含量は、蛍光体に対して約10原子%から最大で50原子%だけ低減されている、請求項13から16までのいずれか1項に記載の蛍光体粒子。
  18. − 前記蛍光体粒子は、組成に少なくとも元素D、元素A1、元素AX、元素SXおよび元素NX(ここで、Dは、Mn、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)およびYbの群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表し、A1は、Dに含まれない二価の金属の群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表し、SXは、Siを含む四価の金属の群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表し、AXは、三価の金属の群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表し、かつNXは、O、N、S、C、Cl、Fの群からの1つ、2つまたは幾つかの元素を表す)を含む無機物質を含み、かつSr(SraCa1-a)Si2Al26と同じ結晶構造を有する蛍光体を含む、請求項13から17までのいずれか1項に記載の蛍光体粒子。
  19. − Si含有の蛍光体は、一般式:
    Sr(Sra1-a)Si2Al2(N,X)6:D,A,B,E,G,L
    を有する蛍光体であり、
    − 式中、Mは、Ca、Ba、Mgから単独または組合せで選択され、Aは、MおよびDとは異なる二価の金属から選択され、Bは、三価の金属であり、Eは、一価の金属であり、Gは、四価の元素であり、かつLは、三価の元素である、請求項13から17までのいずれか1項に記載の蛍光体粒子。
  20. − 前記保護層は、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法に従って製造することができる、請求項13から19までのいずれか1項に記載の蛍光体粒子。
JP2017546941A 2015-03-06 2016-03-01 保護層を有する蛍光体粒子および保護層を有する蛍光体粒子の製造方法 Active JP6985147B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102015103326.7 2015-03-06
DE102015103326.7A DE102015103326A1 (de) 2015-03-06 2015-03-06 Leuchtstoffpartikel mit einer Schutzschicht und Verfahren zur Herstellung der Leuchtstoffpartikel mit der Schutzschicht
PCT/EP2016/054327 WO2016142219A1 (de) 2015-03-06 2016-03-01 Leuchtstoffpartikel mit einer schutzschicht und verfahren zur herstellung der leuchtstoffpartikel mit der schutzschicht

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018512481A true JP2018512481A (ja) 2018-05-17
JP6985147B2 JP6985147B2 (ja) 2021-12-22

Family

ID=55586267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017546941A Active JP6985147B2 (ja) 2015-03-06 2016-03-01 保護層を有する蛍光体粒子および保護層を有する蛍光体粒子の製造方法

Country Status (10)

Country Link
US (2) US10738238B2 (ja)
EP (1) EP3265537B1 (ja)
JP (1) JP6985147B2 (ja)
KR (1) KR102588945B1 (ja)
CN (1) CN107406757B (ja)
BR (1) BR112017018103A2 (ja)
CA (1) CA2977448A1 (ja)
DE (2) DE102015103326A1 (ja)
RU (1) RU2017134273A (ja)
WO (1) WO2016142219A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020128498A (ja) * 2019-02-08 2020-08-27 日亜化学工業株式会社 窒化物蛍光体の製造方法及び窒化物蛍光体
JP2021011584A (ja) * 2020-10-20 2021-02-04 日亜化学工業株式会社 窒化物蛍光体の製造方法及び窒化物蛍光体
WO2022044793A1 (ja) * 2020-08-25 2022-03-03 デンカ株式会社 蛍光体粉末、及び発光装置
WO2022044792A1 (ja) * 2020-08-25 2022-03-03 デンカ株式会社 蛍光体粉末の製造方法、蛍光体粉末、及び発光装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102015103326A1 (de) * 2015-03-06 2016-09-08 Osram Gmbh Leuchtstoffpartikel mit einer Schutzschicht und Verfahren zur Herstellung der Leuchtstoffpartikel mit der Schutzschicht
DE102016104194A1 (de) 2016-03-08 2017-09-14 Osram Gmbh Verfahren zur Herstellung von Leuchtstoffpartikeln mit einer Schutzschicht und Leuchtstoffpartikel mit einer Schutzschicht

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001089759A (ja) * 1999-08-07 2001-04-03 Koninkl Philips Electronics Nv プラズマ画像スクリーン
JP2009263610A (ja) * 2007-08-01 2009-11-12 Mitsubishi Chemicals Corp 蛍光体及びその製造方法、結晶性窒化珪素及びその製造方法、蛍光体含有組成物、並びに、該蛍光体を用いた発光装置、画像表示装置及び照明装置
JP2011503266A (ja) * 2007-11-12 2011-01-27 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 適合された屈折率を有する被覆された蛍光体粒子
JP2012505266A (ja) * 2007-11-08 2012-03-01 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 被覆された発光性物質の製造方法
WO2012165290A1 (ja) * 2011-05-30 2012-12-06 住友金属鉱山株式会社 被覆膜付きアルカリ土類金属シリケート蛍光体粒子の製造方法
JP2014532798A (ja) * 2011-11-08 2014-12-08 インテマティックス・コーポレーションIntematix Corporation 光ルミネセンス材料用コーティング

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1608720A1 (de) 2003-03-28 2005-12-28 Osram Opto Semiconductors GmbH Verfahren zum herstellen einer beschichtung auf der oberfläche eines partikels oder werkstoffs und zugehöriges produkt
CN101448914B (zh) 2006-05-19 2012-10-03 三菱化学株式会社 含氮合金以及使用该含氮合金的荧光体制造方法
US8287759B2 (en) * 2009-05-15 2012-10-16 Cree, Inc. Luminescent particles, methods and light emitting devices including the same
JP2011225696A (ja) 2010-04-19 2011-11-10 Sharp Corp 赤色系発光蛍光体、その製造方法および赤色系発光蛍光体を用いた発光装置
US8593062B2 (en) * 2010-04-29 2013-11-26 General Electric Company Color stable phosphors for LED lamps and methods for preparing them
CA2925738C (en) 2013-10-08 2022-06-07 Osram Opto Semiconductors Gmbh Phosphor, method for producing a phosphor and use of a phosphor
DE102015103326A1 (de) * 2015-03-06 2016-09-08 Osram Gmbh Leuchtstoffpartikel mit einer Schutzschicht und Verfahren zur Herstellung der Leuchtstoffpartikel mit der Schutzschicht

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001089759A (ja) * 1999-08-07 2001-04-03 Koninkl Philips Electronics Nv プラズマ画像スクリーン
JP2009263610A (ja) * 2007-08-01 2009-11-12 Mitsubishi Chemicals Corp 蛍光体及びその製造方法、結晶性窒化珪素及びその製造方法、蛍光体含有組成物、並びに、該蛍光体を用いた発光装置、画像表示装置及び照明装置
JP2012505266A (ja) * 2007-11-08 2012-03-01 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 被覆された発光性物質の製造方法
JP2011503266A (ja) * 2007-11-12 2011-01-27 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 適合された屈折率を有する被覆された蛍光体粒子
WO2012165290A1 (ja) * 2011-05-30 2012-12-06 住友金属鉱山株式会社 被覆膜付きアルカリ土類金属シリケート蛍光体粒子の製造方法
JP2014532798A (ja) * 2011-11-08 2014-12-08 インテマティックス・コーポレーションIntematix Corporation 光ルミネセンス材料用コーティング

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020128498A (ja) * 2019-02-08 2020-08-27 日亜化学工業株式会社 窒化物蛍光体の製造方法及び窒化物蛍光体
US11312900B2 (en) 2019-02-08 2022-04-26 Nichia Corporation Method for producing nitride fluorescent material, and nitride fluorescent material
WO2022044793A1 (ja) * 2020-08-25 2022-03-03 デンカ株式会社 蛍光体粉末、及び発光装置
WO2022044792A1 (ja) * 2020-08-25 2022-03-03 デンカ株式会社 蛍光体粉末の製造方法、蛍光体粉末、及び発光装置
US11952520B2 (en) 2020-08-25 2024-04-09 Denka Company Limited Method for manufacturing phosphor powder, phosphor powder, and light emitting device
JP7466660B2 (ja) 2020-08-25 2024-04-12 デンカ株式会社 蛍光体粉末、及び発光装置
JP7466659B2 (ja) 2020-08-25 2024-04-12 デンカ株式会社 蛍光体粉末の製造方法、蛍光体粉末、及び発光装置
US12006459B2 (en) 2020-08-25 2024-06-11 Denka Company Limited Phosphor powder and light emitting device
JP2021011584A (ja) * 2020-10-20 2021-02-04 日亜化学工業株式会社 窒化物蛍光体の製造方法及び窒化物蛍光体
JP7244770B2 (ja) 2020-10-20 2023-03-23 日亜化学工業株式会社 窒化物蛍光体の製造方法及び窒化物蛍光体

Also Published As

Publication number Publication date
RU2017134273A (ru) 2019-04-03
CN107406757B (zh) 2020-06-12
DE112016001057A5 (de) 2018-02-08
US20200332182A1 (en) 2020-10-22
EP3265537A1 (de) 2018-01-10
DE102015103326A1 (de) 2016-09-08
WO2016142219A1 (de) 2016-09-15
KR20170125351A (ko) 2017-11-14
US20180044585A1 (en) 2018-02-15
CN107406757A (zh) 2017-11-28
KR102588945B1 (ko) 2023-10-12
JP6985147B2 (ja) 2021-12-22
WO2016142219A8 (de) 2016-11-24
CA2977448A1 (en) 2016-09-15
EP3265537B1 (de) 2019-10-09
BR112017018103A2 (pt) 2018-04-10
US11021652B2 (en) 2021-06-01
US10738238B2 (en) 2020-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6985147B2 (ja) 保護層を有する蛍光体粒子および保護層を有する蛍光体粒子の製造方法
TWI649402B (zh) 以氮化物為基礎之紅色磷光體
JP5282132B2 (ja) 窒化物蛍光体、その製造方法及びそれを用いた発光装置
JP6591054B2 (ja) 金属フッ化物赤色蛍光体及びこれを用いた発光素子
JP5578739B2 (ja) アルカリ土類金属シリケート蛍光体及びその製造方法
JP7498171B2 (ja) 表面被覆蛍光体粒子、及び発光装置
TW202223069A (zh) 螢光體、螢光體之製造方法、以及發光裝置
TW202227594A (zh) 螢光體、以及發光裝置
TW202221101A (zh) 螢光體、以及發光裝置
KR20210150475A (ko) 표면 피복 형광체 입자, 표면 피복 형광체 입자의 제조 방법 및 발광 장치
JP2010265448A (ja) 赤色蛍光体及びその製造方法
JP2013249375A (ja) 蛍光体
JP2008045080A (ja) 無機化合物の製造方法
JP2011052099A (ja) 窒化物蛍光体の製造方法
EP2871224B1 (en) Process for manufacturing silicate phosphors
JP5775742B2 (ja) 青色発光蛍光体の製造方法
JP4823649B2 (ja) 蓄光性蛍光体およびその製造方法
JP6350123B2 (ja) 硫化物蛍光体の製造方法
JP5735014B2 (ja) 蛍光体の製造方法
JPWO2016111200A1 (ja) 蛍光体及び発光装置並びに蛍光体の製造方法
JP5870655B2 (ja) 窒化物蛍光体とその製造方法
KR20160111463A (ko) 형광체 및 발광장치
KR100766585B1 (ko) 표시소자용 형광체 및 그의 제조방법
JPWO2015037715A1 (ja) ケイ酸塩蛍光体の製造方法
JP2012177031A (ja) 黄色蛍光体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190910

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200630

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200910

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201228

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210922

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20210922

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20210930

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20211004

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6985147

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150