JP2018199946A - メタルアンカー定規 - Google Patents

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【課題】壁部材と基礎との接合構造を構築するために、基礎と壁部材を連結する柱脚鋼板の下方側部を基礎のコンクリートに埋設固定するメタルアンカー定規を提供すること。【解決手段】一対のメタルフォーム2の上面に固定される基板3と、該基板3にメタルフォーム2の長手方向に平行に形成した柱脚鋼板4挿通用の細長いスリット状の開口部5と、該開口部5の長手方向の開口縁に沿って直立して設けた一対の支持板6と、該一対の支持板6の隙間の所定位置に前記柱脚鋼板4の上方側部4aに形成した貫通孔4bと重なり合うように形成した支持孔6aと、該支持孔6a及び前記貫通孔4bに挿通して前記柱脚鋼板4を支持板6の隙間6bに挟んだ状態で係止する係止具7と、を具備するメタルアンカー定規。【選択図】図1

Description

この発明は、壁部材を基礎に固定するために使用する柱脚鋼板の基礎へ埋設固定するメタルアンカー定規に関する。
この出願人は、この出願に先がけて特願2017−103134号の特許出願を行い、壁部材と基礎と接合構造について新規な発明を提案した。この新規な壁部材と基礎の接合構造20の発明は、図13、図14に示すように、基礎Aに下方側部4cを埋設固定され上方側部4aを基礎Aの表面から露出した柱脚鋼板4と、該柱脚鋼板4の基礎Aの表面より露出した上方側部4aを収納するために底面の開口部30aから上方に向かって形成したスリット30cを具備する壁部材30と、前記柱脚鋼板4の上方側部4aに形成した貫通孔4b及び前記壁部材30の前記スリット30cを直角方向に貫通して形成した壁ピン孔30dと、前記貫通孔4b及び壁ピン孔30dを貫通して柱脚鋼板4と壁部材30を締結する締結具40と、を具備することを特徴としている。
この壁部材と基礎の接合構造20の発明によると、基礎Aに下端側部4cを埋設固定された柱脚鋼板4の上端側部4aをCLT板材などからなる壁部材30の底面の開口部30aからスリット30cに収納することで、柱脚鋼板4の周囲は壁部材30によって囲まれることになるので、柱脚鋼板4の貫通孔4b及び壁部材30の壁ピン孔30dに貫通して固定するドリフトピンやボルト・ナットなどの締結具40は、地震時の上下方向の大きな振動による柱脚鋼板4の壁部材30からの抜けを防止すると共に直接に基礎Aに連結接合することから土台を必要としていないので地震時の土台の曲げによる割裂も生じない。更に、締結具40は壁部材30の片方の面の壁ピン孔30dから柱脚鋼板4の貫通孔4bを通って他方の面の貫通孔4bに達するように貫通させるか或いは打ち込むだけでよいので、壁部材30の両面から締結具40を貫通させるか或いは打ち込みさせる必要がないので、設置する手間が少なくてよいなどの利点がある。
しかしながら、このような上記特許出願の発明は新規な接合構造であるために、前記柱脚鋼板4の下方側部4cを基礎Aに埋設固定するメタルアンカー定規が存在しなかった。
なお、特許文献1に示すように、基礎のアンカーボルトを埋設固定する際の位置決め治具は存在するが、この位置決め治具は、アンカーボルトの頭部の両端をコンクリート型枠の上面に支持された基板の上面に設けた傾き抑制片に載せて、基板の裏面に設けた傾き抑制片と共にアンカーボルトの姿勢を真直ぐに安定して維持することができるものである。
特開2008−214988号公報
しかしながら上記の特許文献1の従来技術では、前記柱脚鋼板のようなプレートを垂直方向に所定の高さ位置で支えたり、コンクリートの打設時の衝撃に耐えて位置移動を不変とすることはできないという問題点がある。
この発明は上記問題点を解決すべくなされたものであって、その手段とするところは、
一対のメタルフォームの上面に固定される基板と、該基板にメタルフォームの長手方向に平行に形成した柱脚鋼板挿通用の細長いスリット状の開口部と、該開口部の長手方向の開口縁に沿って直立して設けた一対の支持板と、該一対の支持板の隙間で所定位置に前記柱脚鋼板の上方側部に形成した貫通孔と重なり合うように形成した支持孔と、該支持孔及び前記貫通孔に挿通して前記柱脚鋼板を支持板の隙間に挟んだ状態で係止する係止具と、を具備したメタルアンカー定規としたところにある。
前記開口部が基板の幅方向に複数あることにある。
前記開口部が細長いスリット状の開口部の途中に拡大開口部を有することにある。
上記のメタルアンカー定規によると、基礎を構築するための一対のメタルフォームの上面に固定された基板の上に、メタルフォームの長手方向に形成された柱脚鋼板挿通用の細長いスリット状の開口部と、該開口部の長手方向の開口縁に沿って直立して設けた一対の支持板とが設けられているので、挿入時に柱脚鋼板の両面が開口部の端縁及び支持板で当接して支持され、安定して直立方向の位置決めがなされる。そして一対の支持板の隙間と開口部から柱脚鋼板を挿入した後、柱脚鋼板の貫通孔と支持板の支持孔を合わせて係止具を挿通して係止するだけで、柱脚鋼板の下方側部を基礎の内部の所定の場所に直立状態で位置させることが出来る。これによって、一対のメタルフォームで形成される基礎の内部空間にコンクリートが打設されても位置ずれをすることがなく、設計通りの位置に埋設固定できる。又、上方側部は、基礎の上面から突出しいるので、壁部材と接合出来る。
前記開口部が基板の幅方向に複数個あれば、複数の柱脚鋼板の下方側部を同時に基礎の内部の所定位置に埋設できる。
長細いスリット状の開口部の途中に拡大開口部があれば、柱脚鋼板が部分的にスリットの開口幅を超える大きな構成を具備している時にでも、一対の支持板の間の上方隙間から柱脚鋼板から挿入することが出来る。
この発明の第1実施形態の斜視説明図 基礎へ埋設する柱脚鋼板の斜視図 柱脚鋼板をセットした第1実施形態の斜視説明図 図2のA−A線断面図 図2のB−B線断面図 柱脚鋼板の基礎への埋設固定が完了した全体斜視図 この発明の第2実施形態の斜視説明図 基礎へ埋設する他の柱脚鋼板の斜視図 他の柱脚鋼板をセットした第2実施形態の斜視説明図 図9のC−C線断面図 図9のD−D線断面図 他の柱脚鋼板の基礎への埋設固定が完了した全体斜視図 基礎に埋設固定した柱脚鋼板に壁部材のスリットを嵌め込む斜視説明図 図13の嵌め込んだ状態でのE−E線断面図
この発明のメタルアンカー定規の第1実施形態について、図1乃至図6を参照しつつ説明する。第1実施形態のメタルアンカー定規1は、一対のメタルフォーム2の上面に着脱自在に固定される基板3と、該基板3にメタルフォーム2の長手方向に平行に形成した柱脚鋼板4挿通用の細長いスリット状の開口部5と、該開口部5の長手方向の開口縁に沿って直立して設けた一対の相対向する支持板6が2組と、該一対の支持板6の所定位置に前記柱脚鋼板4の上方側部4aに形成した貫通孔4bと重なり合うように形成した支持孔6aと、該支持孔6a及び前記貫通孔4bに挿通して前記柱脚鋼板4を支持板6の隙間6bに挟んだ状態で係止する係止具7と、を具備する。
前記基板3は、一対のメタルフォーム2の上面に設けられている2つの鍔部2aにそれぞれボルト等の締付具で着脱自在に固定される一対の横桟8にその両端を固定されることにより、メタルフォーム2の上面に固定されている。この実施形態では横桟8と一体的に形成されているが、別部材として横桟8の上方からビス等で固定しても、あるいは横桟8を介さずに直接鍔部2aに固定してもよい。一対の横桟8には、基板3の他にも連結片9の両端が連結されて一対のメタルフォーム2の間隔を維持するようにすると共に適度な間隔を開けて配置することによってコンクリートBの投入用の打設穴10を形成している。この実施形態では、メタルアンカー定規1の基板3は横桟8と一体として、この横桟8をメタルフォーム2の上面の鍔部2aに着脱自在に固定するようにしたが、横桟8と基板3を一体としなくて横桟8の上方から鍔部2aに固定しても良い。あるいは、横桟8を介することなく直接に固定してもよい。
前記一対の支持板6は、前記開口部5の長手方向の開口縁に沿って直立して設けられているので、一対の支持板6の相対向する面の隙間6bの距離は開口部5の幅と同じになっている。従って、この開口部5の幅を挿入する柱脚鋼板4の厚さに若干の余裕を持った長さとしておけば、柱脚鋼板4を基板3に対して垂直方向に挟んで保持できる。支持板6の横方向の長さは、スリット状の開口部5の長さと略同じとすることで良く、その高さは、隙間6bに挿入する柱脚鋼板4の上方側部4aと同等かそれより若干長ければ挿入時に手掴み部分が得られるので好ましい。係止具7は、一対の支持板6の隙間6bに挿入した柱脚鋼板4の貫通孔4bと支持板6の支持孔6aの位置合わせをした後に差し込んで柱脚鋼板4を一対の支持板6の隙間6bで係止するものである。この実施形態では、支持孔6aは横方向に2つとしたが、数には拘らずに係止できれば良い。尚、柱脚鋼板4の下方側部4cには打設されるコンクリートの流通をよくするためとコンクリートの硬化による柱脚鋼板4の抜け防止用の通過孔4dが設けられている。
以上のこの第1実施形態によるメタルアンカー定規1を使用する場合には、敷設されている一対のメタルフォーム2の上面の鍔部2aの所定位置に基板3を固定する。この時に、基板3が横桟8に両端が固定されているならば、基板3に形成した開口部5が基礎Aの長手方向の所定の位置に納まるように横桟8を固定する。そして、一対の支持板6の隙間6bから柱脚鋼板4を挿入して貫通孔4bと支持孔6aの位置合わせを行った後、係止具7を挿入して所定高さ位置に柱脚鋼板4を支持板6に支持するだけで良い。その後、打設穴10からコンクリートBが一対のメタルフォーム2の内部に投入されるが、柱脚鋼板4は支持板6に係止具7の2点で固定されると共に両面は支持板6に挟まれていることから、打設の衝撃による柱脚鋼板4の移動は生じなく正確な位置で埋設固定できる。コンクリートBの硬化後に、逆の手順でメタルアンカー定規1をメタルフォーム2から取り外し、且つ、メタルフォーム2も取り外せば、図6の状態となる。メタルアンカー定規1は繰り返し使用できる。なお、一対のメタルフォーム2の内部にコンクリートBの打設を先にしておき、後から柱脚鋼板4をメタルアンカー定規1に係止するように順序を変えても差支えはない。
この発明の第2実施形態について、図7乃至図12を参考にしつつ説明する。 前記第1実施形態と異なるところは、柱脚鋼板4の形状が異なることに伴い、前記基板1に形成した柱脚鋼板4挿通用の細長いスリット状の開口部5、該開口部5の長手方向の開口縁に沿って直立して設けた一対の支持板6の形状が異なることである。
前記柱脚鋼板4が図2に示す第1形態の柱脚鋼板4と異なるところは、図8に示すように、1つの柱脚鋼材4の下方側部4cの下端に先端が尖った杭棒11を溶接等によって固定したことである。この杭棒11の径は柱脚鋼材4の厚さより太く、しかも尖った先端より少し上方には杭棒11の径より大きい径を有する円盤状の定着板12が設けられている。このような柱脚鋼板4を用いる場合に備えて、基板3の長細いスリット状の開口部5に前記定着板12が通過できる大きさの拡大開口部5aを対応する所定位置に形成している。そして、支持板6は開口部5の開口縁に沿って直立して設けられているので、この拡大開口部5aの上方の隙間6bにも拡大隙間6cが形成されている。
以上のこの第2実施形態によるメタルアンカー定規1を使用する場合には、第1実施形態と同様に、敷設されている一対のメタルフォーム2の上面の鍔部2aに、基板3に形成した開口部5が形成すべき基礎Aの所定の位置に納まるように横桟8を固定する。基板3が独立している場合には、直接に鍔部2aに固定する。そして、一対の支持板6の隙間6bから柱脚鋼板4を挿入して貫通孔4bと支持孔6aの位置合わせを行った後、係止具7を挿入して所定高さ位置に柱脚鋼板4を支持板6に支持するだけで良い。この時、定着板12の径に相当する拡大隙間6c及び拡大開口部5aが形成されているので、杭棒11はメタルフォーム2に囲まれた内部空間にまで入り込み、柱脚鋼板4の上方側部4bは一対の支持板6の隙間6bで係止具7で係止されている状態となる。
その後、打設穴10からコンクリートBが一対のメタルフォーム2の内部に投入されるが、柱脚鋼板4は支持板6に係止具7の2点で支持板6に固定されると共に両面は支持板6の隙間6bに挟まれていることから、打設の衝撃による柱脚鋼板4の移動は生じなく正確な位置で埋設固定できる。拡大開口部5a及び拡大隙間6cの個所では、図10に示すように、柱脚鋼板4が一対の支持板6と接触していないが、他の個所での接触で十分に保持できる。打設したコンクリートBの硬化後に、逆の手順でメタルアンカー定規1をメタルフォーム2から取り外せば繰り返し使用できる。なお、この第2実施形態の場合でも、一対のメタルフォーム2の内部にコンクリートBの打設を先にしておき、後から柱脚鋼板4をメタルアンカー定規1に係止するように順序を変えても差支えはない。この第2の実施形態の杭棒11及び該杭棒11に定着板12を備えた柱脚鋼板4を基礎Aに埋設固定した場合には、定着板12が引抜き方向に対して大きな抗力を有するので、柱脚鋼板4に固定する図外のCLT板材等からなる壁部材に上方向や傾き方向に応力が発生しても十分に耐え得る利点がある。
この発明は、今後ますます有効利用されるであろう構造部材を兼ねた壁部材を土台を用いることなく直接に基礎に固定する接合構造を採用する構法に広く利用できる。
1 メタルアンカー定規
2 メタルフォーム
3 基板
4 柱脚鋼板
4a 上方側部
4b 貫通孔
4c 下方側部
4d 通過孔
5 開口部
5a 拡大開口部
6 支持板
6a 支持孔
6b 隙間
6c 拡大隙間
7 係止具
8 横桟
10 打設穴
11 杭棒
12 定着板

Claims (3)

  1. 一対のメタルフォームの上面に固定される基板と、該基板にメタルフォームの長手方向に平行に形成した柱脚鋼板挿通用の細長いスリット状の開口部と、該開口部の長手方向の開口縁に沿って直立して設けた一対の支持板と、該一対の支持板の隙間の所定位置に前記柱脚鋼板の上方側部に形成した貫通孔と重なり合うように形成した支持孔と、該支持孔及び前記貫通孔に挿通して前記柱脚鋼板を支持板の隙間に挟んだ状態で係止する係止具と、を具備することを特徴とするメタルアンカー定規。
  2. 前記開口部が基板の幅方向に複数あることを特徴とする請求項1に記載のメタルアンカー定規。
  3. 前記開口部が細長いスリット状の開口部の途中に拡大開口部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のメタルアンカー定規。
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