JP5784892B2 - 建物ユニット位置決部材、および、これを用いた建物ユニットの設置方法 - Google Patents
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請求項2に記載された発明は、前記複数のユニット位置決用ピン部が、前記建物ユニッ トを互いに近接配置する場合の間隔よりも広い間隔を有して設置されたことを特徴として いる。
請求項3に記載された発明は、前記ユニット位置決用ピン部が、基礎から上方へ突出す る部分の上部に建物ユニットの下面に形成された位置決孔を導入可能な先細形状のガイド テーパ部を有すると共に、基礎から上方へ突出する部分の下部に、建物ユニットの位置決 孔の径とほぼ等しい幅の平行部を有することを特徴としている。
請求項4に記載された発明は、前記ユニットガイドを基礎へ設置した状態で、前記平行 部が、建物ユニットの位置決孔に挿入係止可能な長さに設定されたことを特徴としている 。
請求項5に記載された発明は、前記ユニット位置決用ピン部が、金属、樹脂、木材のい ずれかによって構成されたことを特徴としている。
請求項6に記載された発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の建物ユ ニット位置決部材を用いて建物ユニットを設置する建物ユニットの設置方法であって、基 礎内に、アンカーボルトから切離して、アンカーボルトとは別部品であるユニットガイド のベースプレートの部分を埋設しておき、基礎の上部にベースプレートの側板部で案内さ せつつ建物ユニットを載置すると共に、載置中に、基礎天端から突出されたユニットガイ ドのユニット位置決用ピン部に、建物ユニットの下面に形成された位置決孔を挿入するこ とにより、基礎に対する建物ユニットの水平方向の位置決めを行わせ、その後、基礎の上 部に位置決め載置された建物ユニットを、基礎に埋設されたアンカーボルトを用いて締結 固定することを特徴としている。
請求項7に記載された発明は、基礎コンクリートの打設後に、基礎コンクリートの上面 に対し水平方向の位置を合わせてユニットガイドを設置し、更に、基礎コンクリートの上 からセルフレベリング材を打設することにより、基礎に天端からユニット位置決用ピン部 を突出させた状態でユニットガイドを埋設することを特徴としている。
また、1枚のベースプレートに設けた複数のユニット位置決用ピン部によって、複数の建物ユニットを位置決めすることが可能となる。これにより、基礎に建物ユニットを設置するだけで複数の建物ユニットが揃って精度良く設置されるようになるので、基礎に設置した後に建物ユニットの位置を互いに微調整して面合せを行う必要をなくすことができる。
そして、ベースプレートのユニット位置決用ピン部とユニット位置決用ピン部との間に設けた流通孔を通って、上面側から下面側へと基礎構成材が充填されると共に、下面側から上面側へと気泡が放出されるため、ベースプレートの内側に基礎コンクリートが十分に廻り込んでベースプレートを強固に基礎に埋設させることができると共に、ベースプレートの下面側に気泡が溜まって欠陥となるのを防止することができる。
また、ベースプレートが、側面に上方へ立ち上がる側板部を有することにより、側板部 で建物ユニットを案内することができる。 請求項2の発明によれば、上記構成によって 、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、複数のユニット位置決用ピン部が、 建物ユニットを互いに近接配置する場合の間隔よりも広い間隔を有して設置されることに より、複数の建物ユニットを通常よりも大きく離して配置することができると共に、離れ た建物ユニットどうしの面倒な面合せ作業をなくすことができる。これにより、建物ユニ ット間の隙間に設置する部品の施工を容易化して、整然とした仕上状態を得ることができ る。
請求項3の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができ る。即ち、先細形状のガイドテーパ部により、建物ユニットの下面に形成された位置決孔 を、容易且つ確実にユニット位置決用ピン部へ導入すると共に、スムーズに平行部の中心 へ導くことができる。そして、建物ユニットの位置決孔の径とほぼ等しい幅の平行部によ り、建物ユニットを水平方向に対して正確に位置決めすることができる。
請求項4の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができ る。即ち、平行部を建物ユニットの位置決孔に挿入係止可能な長さとすることにより、ユ ニット位置決用ピン部と建物ユニットの位置決孔との嵌め合いの確実性を向上すると共に 、より正確な位置決めを行わせることが可能となる。
請求項5の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができ る。即ち、ユニット位置決用ピン部には、金属、樹脂、木材のいずれかを用いることがで きる。特に、ユニット位置決用ピン部を金属などの硬い素材で形成した場合には、高い位 置決め精度を確保することができる。また、ユニット位置決用ピン部を、樹脂や木材など の比較的柔らかい素材で構成した場合には、基礎が完全に固化する前に物が当たるなどし てユニット位置決用ピン部の位置が僅かにズレてしまったような場合に、ユニット位置決 用ピン部を削って修正することが可能となる。
請求項6の発明によれば、上記構成によって、請求項1ないし請求項5と同じ作用効果 を得ることができる。
請求項7の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができ る。即ち、基礎コンクリートを打設後に、基礎コンクリートの上面にユニットガイドを置 いて、セルフレベリング材を打設することにより、打設時に基礎コンクリートが流動する 圧力や、バイブレータ作業による振動の影響を直接受けることがなくなるので、ユニット ガイドの位置精度を上げることが可能となる。また、ユニットガイドを固定するのに特別 な接合部材などを用いる必要がないため、基礎を構築する工程を特に変更することなくユ ニットガイドを埋設することが可能となり、ユニットガイドによる手間やコストの増大が ない。
基礎5の上部に載置される建物ユニット2を位置決可能なユニットガイド8が設けられる。このユニットガイド8が、基礎5内に埋設可能なベースプレート9と、このベースプレート9から上方へ突設されて、建物ユニット2の下面に形成された位置決孔11に挿入することにより、建物ユニット2を水平方向に位置決可能なユニット位置決用ピン部12とを有している。このユニットガイド8は、基礎5に埋設されるアンカーボルト6とは別部品として構成されて、基礎5天端(基礎5の上面)の上記したアンカーボルト6から離れた位置に、ユニット位置決用ピン部12が突出するように設置される。
そして、ベースプレート9は、上面側から下面側への基礎構成材18の充填を可能とすると共に、下面側から上面側への気泡の放出が可能な流通孔19を有している。
ベースプレート9に対して、ユニット位置決用ピン部12が、複数の建物ユニット2を位置決可能となるように、複数設けられるようにしても良い。
この際、同一のユニットガイド8のベースプレート9に対して、複数の建物ユニット2を離間配置するための複数のユニット位置決用ピン部12を、高精度に位置設定しておくようにする。即ち、ユニット位置決用ピン部12を、ユニット離間配置用のものとして構成し、このユニットガイド8を高精度部品として形成する。ユニット位置決用ピン部12の間隔、即ち、上記したユニット間隙3,4は、建物ユニット2を従来のように近接配置(或いは、ほとんど隙間なく隣接配置)する場合の間隔よりも大きく、建物ユニット2(一個分)の離間方向の長さよりも小さい間隔に設定される。
なお、図2の基礎5では、B部に(b)のユニットガイド8が用いられ、C部に(c)のユニットガイド8が用いられている。D部については、(d1)と(d2)とのどちらかのユニットガイド8を用いるようにすることも、(b)のユニットガイド8を2個用いるようにすることもできる。
ユニット位置決用ピン部12が、基礎5から上方へ突出する部分の上部に建物ユニット2の下面に形成された位置決孔11を導入可能な先細形状のガイドテーパ部21を有している。また、基礎5から上方へ突出する部分の下部に建物ユニット2の位置決孔11の径とほぼ等しい幅の平行部22を有している。
平行部22を、ユニットガイド8を基礎5へ設置した状態で、建物ユニット2の位置決孔11に挿入係止可能な長さに設定する。
ユニット位置決用ピン部12は、金属、樹脂、木材のいずれかによって構成されるようにする。
先ず、図9のユニットガイド載置工程および図10のユニットガイド埋設工程に示すように、基礎5内に、アンカーボルト6から切離して、アンカーボルト6とは別部品であるユニットガイド8のベースプレート9の部分を埋設しておくようにする。なお、図中、符号23は、基礎5を打設するための型枠である。
上記したユニットガイド埋設工程は、以下の手順で行う。
アンカーボルト6から切離して設けられたユニットガイド8により、基礎5に建物ユニット2を設置する作業を行う過程で自然に建物ユニット2の位置決めが行われるようになる。ユニットガイド8はアンカーボルト6から切離して設けられるので、打設時に基礎コンクリート18aが流動する圧力や、バイブレータ作業による振動の影響が、アンカーボルト6を介して伝えられることがない。なお、ユニットガイド8は、建物ユニット2の隅角部に設けるのが、位置決めの誤差をなくす上で最も好ましい。
また、ベースプレート9が、側面に上方へ立ち上がる側板部17を有することにより、 側板部17で建物ユニット2を案内することができる。
1枚のベースプレート9に設けた複数のユニット位置決用ピン部12によって、複数の建物ユニット2を個別に位置決めすることが可能となる。これにより、基礎5に建物ユニット2を設置するだけで複数の建物ユニット2が揃って精度良く設置されるようになるので、基礎5に設置した後に建物ユニット2の位置を互いに微調整して面合せを行う必要をなくすことができる。また、ユニット位置決用ピン部12を互いに離して設置することにより、複数の建物ユニット2を通常のように互いに近接配置する場合よりも大きく離して配置することができると共に、離れた建物ユニット2どうしの面倒な面合せ作業をなくすことができる。これにより、建物ユニット2間の隙間に設置する部品の施工を容易化して、整然とした仕上状態を得ることができる。更に、同一のユニットガイド8のベースプレート9に対して、複数の建物ユニット2を離間配置するための複数のユニット位置決用ピン部12を高精度に位置設定して設けておくようにすれば、各ユニット位置決用ピン部12に対し水糸などを使用してアンカーボルト6を位置決めするだけで、複数の建物ユニット2を通常のように互いに近接配置する場合よりも大きく離して設置する際において、施工性良く高精度な状態を確保することができる。
先細形状のガイドテーパ部21により、建物ユニット2の下面に形成された位置決孔11を、容易且つ確実にユニット位置決用ピン部12へ導入すると共に、スムーズに平行部22の中心へ導くことができる。そして、建物ユニット2の位置決孔11の径とほぼ等しい幅の平行部22により、建物ユニット2を水平方向に対して正確に位置決めすることができる。
平行部22を建物ユニット2の位置決孔11に挿入係止可能な長さとすることにより、ユニット位置決用ピン部12と建物ユニット2の位置決孔11との嵌め合いの確実性を向上すると共に、より正確な位置決めを行わせることが可能となる。
ユニット位置決用ピン部12には、金属、樹脂、木材のいずれかを用いることができる。特に、ユニット位置決用ピン部12を金属などの硬い素材で形成した場合には、高い位置決め精度を確保することができる。また、ユニット位置決用ピン部12を、樹脂や木材などの比較的柔らかい素材で構成した場合には、基礎5が完全に固化する前に物が当たるなどしてユニット位置決用ピン部12の位置が僅かにズレてしまったような場合に、ユニット位置決用ピン部12を削って修正することが可能となる。
構成7のユニットガイド8を用いて建物ユニット2を設置する設置方法によれば、上記作用効果1〜6と同じ作用効果を得ることができる。
基礎コンクリート18aを打設してある程度固まった後に、基礎コンクリート18aの上面にユニットガイド8を置いて、セルフレベリング材18bを打設することにより、打設時に基礎コンクリート18aが流動する圧力や、バイブレータ作業による振動の影響を受けることがなくなるので、ユニットガイド8の位置精度を上げることが可能となる。また、ユニットガイド8を固定するのに特別な接合部材などを用いる必要がないため、基礎5を構築する工程を特に変更することなくユニットガイド8を埋設することが可能となり、ユニットガイド8による手間やコストの増大がない。
5 基礎
6 アンカーボルト
8 ユニットガイド
9 ベースプレート
11 位置決孔
12 ユニット位置決用ピン部
18 基礎構成材
18a 基礎コンクリート
18b セルフレベリング材
19 流通孔
21 ガイドテーパ部
22 平行部
Claims (7)
- 基礎の上部に載置される建物ユニットを位置決可能なユニットガイドが設けられ、
該ユニットガイドが、基礎内に埋設可能なベースプレートと、
該ベースプレートから上方へ一体に突設されて、前記建物ユニットの下面に形成された位置決孔に挿入することにより、建物ユニットを水平方向に位置決可能なユニット位置決用ピン部とを有し、
前記ユニットガイドが、基礎に埋設されるアンカーボルトとは別部品として構成されて、基礎天端の前記アンカーボルトから離れた位置に、前記ユニット位置決用ピン部が突出するように設置され、
前記ベースプレートに対して、前記ユニット位置決用ピン部が、複数の建物ユニットを位置決可能となるように、複数設けられ、
前記ベースプレートが、前記ユニット位置決用ピン部とユニット位置決用ピン部との間に、上面側から下面側への基礎構成材の充填を可能とすると共に、下面側から上面側への気泡の放出が可能な流通孔のみを有し、
前記ベースプレートが、側面に上方へ立ち上がる側板部を有することを特徴とする建物ユニット位置決部材。 - 前記複数のユニット位置決用ピン部が、前記建物ユニットを互いに近接配置する場合の間隔よりも広い間隔を有して設置されたことを特徴とする請求項1に記載の建物ユニット位置決部材。
- 前記ユニット位置決用ピン部が、基礎から上方へ突出する部分の上部に建物ユニットの下面に形成された位置決孔を導入可能な先細形状のガイドテーパ部を有すると共に、
基礎から上方へ突出する部分の下部に、建物ユニットの位置決孔の径とほぼ等しい幅の平行部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の建物ユニット位置決部材。 - 前記ユニットガイドを基礎へ設置した状態で、前記平行部が、建物ユニットの位置決孔に挿入係止可能な長さに設定されたことを特徴とする請求項3記載の建物ユニット位置決部材。
- 前記ユニット位置決用ピン部が、金属、樹脂、木材のいずれかによって構成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の建物ユニット位置決部材。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の建物ユニット位置決部材を用いて建物ユニットを設置する建物ユニットの設置方法であって、
基礎内に、アンカーボルトから切離して、アンカーボルトとは別部品であるユニットガイドのベースプレートの部分を埋設しておき、
基礎の上部にベースプレートの側板部で案内させつつ建物ユニットを載置すると共に、載置中に、基礎天端から突出されたユニットガイドのユニット位置決用ピン部に、建物ユニットの下面に形成された位置決孔を挿入することにより、基礎に対する建物ユニットの水平方向の位置決めを行わせ、
その後、基礎の上部に位置決め載置された建物ユニットを、基礎に埋設されたアンカーボルトを用いて締結固定することを特徴とする建物ユニットの設置方法。 - 基礎コンクリートの打設後に、基礎コンクリートの上面に対し水平方向の位置を合わせてユニットガイドを設置し、更に、基礎コンクリートの上からセルフレベリング材を打設することにより、基礎に天端からユニット位置決用ピン部を突出させた状態でユニットガイドを埋設することを特徴とする請求項6記載の建物ユニットの設置方法。
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