JP6960601B2 - 柱脚金物及びこの柱脚金物の施工方法 - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1には、基板と起立板と柱脚支持板とを備えた柱脚金物が開示されている。この柱脚金物は、所定の設置レベルとなるように基板の下にモルタルを介在させて設置される。
上記目的を達成するために、本発明に係る柱脚金物は、基礎上に調整モルタルを介して設置され、柱を支持する柱脚金物であって、前記調整モルタル上に載置される略方形板状のベース板状部と、該ベース板状部の上方側に位置するように離間して設けられ、前記柱の下端が載置される受板状部と、これらベース板状部と受板状部とを接続する接続部と、を備えており、前記ベース板状部には、該ベース板状部の周囲を囲むように前記基礎上に設けられる型枠と前記調整モルタルとの間に充填されるモルタルの注入部を構成する複数の貫通孔または複数の切欠状凹部が設けられており、前記接続部は、縦板状部を備え、該縦板状部は、平面視して略十字状となるように第1方向に延出する縦板状部と第2方向に延出する縦板状部とを含んで前記柱の軸心直下から放射状に4方向に延出するように設けられ、かつ延出方向の各先端面が前記ベース板状部の四周の各端面と略同一平面状となるように設けられており、前記受板状部には、木製の前記柱の下端に下方側に向けて開口するように設けられた凹部に差し込まれる差込部が設けられ、該差込部は、第1方向に延出する前記縦板状部及び第2方向に延出する前記縦板状部のうちの一方向に延びる縦板状部に一体的に、かつ前記受板状部に設けられた貫通孔に挿通されて設けられていることを特徴とする。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。また、図2では、背面図は正面図と同一であるので省略し、右側面図は左側面図と同一であるので省略している。
また、以下の実施形態では、本実施形態に係る柱脚金物が設置された状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
本実施形態に係る柱脚金物1は、図1及び図3(a)に示すように、基礎2上に調整モルタル6を介して設置され、柱20を支持する構成とされている。
基礎2は、上階と下階との間や、地盤上に設けられたスラブ(コンクリートスラブ)でもよい。また、基礎2は、屋内に設けられたものでもよく、屋外に設けられたものでもよい。この基礎2には、図3(a)に示すように、アンカーボルト3,3が上方側に向けて突出するように設けられている。図例では、後記する柱脚金物1のボルト挿通孔11,11に応じた位置となるように、二本のアンカーボルト3,3を基礎2に設けた例を示している。これらアンカーボルト3,3は、下端側部位が基礎2に埋め込まれ、軸方向を上下方向に沿わせて配されている。
また、柱20の下端21には、ピン差込穴23が設けられている。このピン差込穴23は、柱20の下端21の第1方向に向く両側面のうちの少なくとも一方の側面において開口するように、かつ上記した凹部22に連通するように第1方向に沿って形成されている。本実施形態では、柱20の下端21に、第2方向に間隔を空けて2つのピン差込穴23,23を設けた構成としている。これらピン差込穴23,23は、柱20の下端21を、第1方向に貫通して設けられたものでもよい。
また、柱20及び柱脚金物1の施工態様としては、このような施工態様に限られず、例えば、柱20が壁体の下地を構成せずに、独立柱的に施工されるようなものでもよく、その他、種々の施工態様の採用が可能である。
ベース板状部10は、上下方向に厚さ方向を沿わせて配される略平板状とされている。このベース板状部10には、図3(b)、(c)に示すように、ベース板状部10の周囲を囲むように基礎2上に設けられる型枠18と調整モルタル6との間に充填されるモルタル8の注入部19を構成する複数の貫通孔または複数の切欠状凹部12が設けられている。
これら切欠状凹部12,12,12,12によって構成される注入部19,19,19,19のうちの少なくとも一つを介してモルタル8を注入すれば、調整モルタル6の周囲にモルタル8が充填される。このモルタル8が硬化すれば、ベース板状部10の下方側に、後記するように柱状モルタル9が形成される(図3(d)参照)。
柱脚金物1は、図3(c)、(d)に示すように、ベース板状部10のボルト挿通孔11,11に挿通されたアンカーボルト3,3に、ナット5をねじ合わせて柱状モルタル9(調整モルタル6)上に固定される。図例では、ベース板状部10上に座金4を介在させてアンカーボルト3,3にナット5をねじ合わせた例を示している。
なお、ベース板状部10に、3つ以上のボルト挿通孔11を設けた構成としてもよい。この場合は、ボルト挿通孔11の個数に応じた個数のアンカーボルト3を基礎2に設けた構成としてもよい。
受板状部13は、上下方向に厚さ方向を沿わせて配される略平板状とされている。本実施形態では、受板状部13は、ベース板状部10と概ね同様、平面視して略方形状(図例では、略正方形状)とされている。本実施形態では、この受板状部13の各隅部に、上記のような切欠状凹部を設けずに、この受板状部13の各隅部を、ベース板状部10の各隅部よりも角張った形状としている(図2(b)、(d)参照)。図例では、受板状部13の各隅部に比較的に小さな面取部を設けた例を示している。
この受板状部13の一辺の寸法(第1方向に沿う寸法及び第2方向に沿う寸法)は、上記したベース板状部10の一辺の寸法と略同寸法とされている。
また、本実施形態では、この受板状部13に、柱20の下端21の凹部22に差し込まれる差込部14を設けた構成としている。
また、この差込部14には、厚さ方向となる第1方向に貫通するように、ピン挿通孔15,15が設けられている。本実施形態では、柱20の下端21に設けられたピン差込穴23,23に対応させて、差込部14に2つのピン挿通孔15,15を設けた構成としている。これらピン挿通孔15,15は、差込部14を柱20の下端21の凹部22に差し込んだ状態で、第1方向に見て柱20の下端21のピン差込穴23,23に重なり合う位置となるように設けられている。
また、これら縦板状部17,17,17,17は、延出方向の先端面が受板状部13及びベース板状部10の四周の端面と略同一平面状となるように設けられている。このような構成とすれば、型枠18の内周面を、ベース板状部10の四周の端面に加え、これら縦板状部17,17,17,17の先端面に当接または近接させることができ、柱脚金物1に対する型枠18の位置合わせ性を向上させることができる。
また、これら縦板状部17,17,17,17は、一体的に形成されたものでもよく、適宜、溶接等によって互いに固定されたものでもよい。また、これら縦板状部17,17,17,17のうちの第2方向に延びる縦板状部17,17に一体的に差込部14を設け、受板状部13に設けられた貫通孔に差込部14を挿通させた構成としてもよい。また、これら縦板状部17,17,17,17の上端部及び下端部は、受板状部13及びベース板状部10のそれぞれに溶接等によって固定されたものでもよい。
また、当該柱脚金物1は、適宜の鋼材から形成された金属製とされている。この柱脚金物1は、表面に亜鉛メッキ処理等の適宜の防錆処理が施されたものでもよい。
本実施形態に係る柱脚金物1の施工方法は、図3(a)に示すように、基礎2上に調整モルタル6を施工する工程を備えている。この調整モルタル6は、柱20(柱脚金物1)の設置高さが所定のレベルとなるように、その上面レベルを調整しながら施工するようにしてもよい。また、この調整モルタル6は、基礎2上に設けられた適宜の型枠に未硬化のモルタルを充填して形成するようにしてもよく、比較的に固めに練られた固練りモルタルを基礎2上に載置して形成するようにしてもよい。
また、同施工方法は、調整モルタル6上に柱脚金物1を設置する工程を備えている。調整モルタル6が硬化すれば、アンカーボルト3,3をベース板状部10のボルト挿通孔11,11に挿通させて柱脚金物1を設置する。
そして、モルタル8が硬化すれば、適宜、型枠18を取り外すようにしてもよい。これにより、ベース板状部10の下方側には、型枠18の内周形状に応じた略四角柱状の柱状モルタル9が形成される。この柱状モルタル9の一辺の寸法(第1方向に沿う寸法及び第2方向に沿う寸法)は、ベース板状部10の一辺の寸法と略同寸法または僅かに大きい寸法とされる。
なお、上記施工手順は、一例に過ぎず、各部材の機能を阻害しない限りにおいて別手順で行うようにしてもよく、その他、種々の変形が可能である。
つまり、柱脚金物1は、調整モルタル6上に載置されるベース板状部10と、柱20の下端21が載置される受板状部13と、これらベース板状部10と受板状部13とを接続する接続部16と、を備えている。従って、柱脚金物1を介して基礎2上に柱20を立設することができる。
また、ベース板状部10に、ベース板状部10の周囲を囲むように基礎2上に設けられる型枠18と調整モルタル6との間に充填されるモルタル8の注入部19を構成する複数の貫通孔または複数の切欠状凹部12を設けている。従って、ベース板状部10の周囲を囲む型枠18と調整モルタル6との間に、注入部19を介してモルタル8を注入して充填させることができる。これにより、ベース板状部10の下方側に形成される柱状モルタル9をベース板状部10の外郭形状(型枠18の内周形状)に応じた形状にすることができる。つまり、ベース板状部10の下方側に形成される柱状モルタル9が平面視して柱20の外側に突出したり、内側に大きく凹んだりするようなことを抑制することができる。
また、ベース板状部10にモルタル8の注入部19を構成する貫通孔または切欠状凹部12を設けた構成としているので、モルタル注入用の特殊な座金等を別途に設ける必要がなく、構造の簡略化を図ることができる。
また、本実施形態では、接続部16を、平面視して略十字状に縦板状部17,17,17,17を設けた構成とした例を示しているが、このような構成に限られない。接続部16としては、例えば、平行状等に互いに離間して設けられた複数の縦板状部17を備えたものや、柱状または筒状とされたものでもよく、その他、種々の構成とされたものでもよい。本実施形態に係る柱脚金物1の各部の具体的な構成は、上記したような構成に限られず、その他、種々の変形が可能である。
10 ベース板状部
12 切欠状凹部
13 受板状部
16 接続部
18 型枠
19 注入部
20 柱
21 下端
2 基礎
6 調整モルタル
8 モルタル
Claims (4)
- 基礎上に調整モルタルを介して設置され、柱を支持する柱脚金物であって、
前記調整モルタル上に載置される略方形板状のベース板状部と、該ベース板状部の上方側に位置するように離間して設けられ、前記柱の下端が載置される略方形板状の受板状部と、これらベース板状部と受板状部とを接続する接続部と、を備えており、
前記ベース板状部には、該ベース板状部の周囲を囲むように前記基礎上に設けられる型枠と前記調整モルタルとの間に充填されるモルタルの注入部を構成する複数の貫通孔または複数の切欠状凹部が設けられており、
前記ベース板状部及び前記受板状部のそれぞれの一辺の寸法は、横断面略方形状とされた前記柱の一辺の寸法よりも小さい寸法であり、
前記接続部は、縦板状部を備え、該縦板状部は、平面視して略十字状となるように第1方向に延出する縦板状部と第2方向に延出する縦板状部とを含んで前記柱の軸心直下から放射状に4方向に延出するように設けられており、
前記受板状部には、木製の前記柱の下端に下方側に向けて開口するように設けられた凹部に差し込まれる差込部が設けられ、該差込部は、第1方向に延出する前記縦板状部及び第2方向に延出する前記縦板状部のうちの一方向に延びる縦板状部に一体的に、かつ前記受板状部に設けられた貫通孔に挿通されて設けられていることを特徴とする柱脚金物。 - 基礎上に調整モルタルを介して設置され、柱を支持する柱脚金物であって、
前記調整モルタル上に載置される略方形板状のベース板状部と、該ベース板状部の上方側に位置するように離間して設けられ、前記柱の下端が載置される受板状部と、これらベース板状部と受板状部とを接続する接続部と、を備えており、
前記ベース板状部には、該ベース板状部の周囲を囲むように前記基礎上に設けられる型枠と前記調整モルタルとの間に充填されるモルタルの注入部を構成する複数の貫通孔または複数の切欠状凹部が設けられており、
前記接続部は、縦板状部を備え、該縦板状部は、平面視して略十字状となるように第1方向に延出する縦板状部と第2方向に延出する縦板状部とを含んで前記柱の軸心直下から放射状に4方向に延出するように設けられ、かつ延出方向の各先端面が前記ベース板状部の四周の各端面と略同一平面状となるように設けられており、
前記受板状部には、木製の前記柱の下端に下方側に向けて開口するように設けられた凹部に差し込まれる差込部が設けられ、該差込部は、第1方向に延出する前記縦板状部及び第2方向に延出する前記縦板状部のうちの一方向に延びる縦板状部に一体的に、かつ前記受板状部に設けられた貫通孔に挿通されて設けられていることを特徴とする柱脚金物。 - 請求項1または2において、
前記ベース板状部は、各隅部に前記注入部を構成する切欠状凹部を設けた構成とされていることを特徴とする柱脚金物。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の柱脚金物の施工方法であって、
基礎上に調整モルタルを施工する工程と、該調整モルタル上に前記柱脚金物を設置する工程と、該柱脚金物のベース板状部を囲むように前記基礎上に型枠を設置する工程と、該型枠と前記調整モルタルとの間に、前記注入部を介してモルタルを注入して充填する工程と、を備えていることを特徴とする柱脚金物の施工方法。
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