JP2018199849A - バレルめっき装置およびめっき方法 - Google Patents

バレルめっき装置およびめっき方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微細な構造を有するプローブピン(電子部品検査装置に用いられるプローブピン)となるべき部材であるワークに対して、良好にめっき処理を行うことができるバレルめっき装置およびめっき方法を提供すること。【解決手段】本発明のバレルめっき装置は、電子部品検査装置に用いられるプローブピンを製造するバレルめっき装置であって、網状体で構成された部分を有し、一端側に開口部を有する有底筒状をなし、ワークを収納するバレルと、前記バレルを回転させる回転駆動源と、を備え、前記バレルは、めっき液の液面に対して傾斜した状態で前記めっき液に浸漬して用いられることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、バレルめっき装置およびめっき方法に関する。
各種金属部品等の被めっき物(ワーク)にめっき処理を施す際に用いられるめっき装置として、回転型のバレルめっき装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このバレルめっき装置を用いてめっき処理を行う場合には、まずバレル内に、複数の被めっき物を収容し、この収容状態で、被めっき物をバレルごとめっき槽内のめっき液に浸漬する。
そして、めっき液に陽極を浸漬するとともに、バレル内に陰極を挿入してめっき液に浸漬する。そして、バレルを回転させつつ、陰極と陽極との間に電流を流す。バレル内で、陰極が被めっき物に接触することにより、被めっき物が負に帯電して、めっきによる被膜が形成される。
しかしながら、例えば、被めっき物が、電子部品検査装置に用いられるプローブピンのような微細なものであると、各々の被めっき物と、陰極との接触が不十分となることがある。この場合、めっき処理が不十分な被めっき物が生じてしまう。このように、従来では、被めっき物が微細なものであると、良好なめっき処理を施すのが難しいという問題がある。
特開2011−032562号公報
本発明の目的は、微細な構造を有するプローブピン(電子部品検査装置に用いられるプローブピン)となるべき部材であるワークに対して、良好にめっき処理を行うことができるバレルめっき装置およびめっき方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(12)の本発明により達成される。
(1)
電子部品検査装置に用いられるプローブピンを製造するバレルめっき装置であって、
網状体で構成された部分を有し、一端側に開口部を有する有底筒状をなし、ワークを収納するバレルと、
前記バレルを回転させる回転駆動源と、を備え、
前記バレルは、めっき液の液面に対して傾斜した状態で前記めっき液に浸漬して用いられることを特徴とするバレルめっき装置。
本発明によれば、バレルがめっき液の液面に対して傾斜し、かつ、バレルが開口部を有しているため、微細なワーク(電子部品検査装置に用いられるプローブピンとなるべき部材)の各々に対して良好なめっき処理を行うことができる。
(2)
前記バレル内に挿入される長尺な陰極を有し、
前記陰極の先端部は、丸みを帯びている上記(1)に記載のバレルめっき装置。
これにより、陰極の先端部がワークと接触した際、陰極の先端部によってワークが傷付いたり破損したりするのを防止することができる。したがって、良好にめっき処理を施すことができる。
(3)
前記陰極の外径は、1mm以上、20mm以下である上記(2)に記載のバレルめっき装置。
これにより、陰極の先端部がワークと接触した際、陰極の先端部によってワークが傷付いたり破損したりするのを防止することができる。したがって、良好にめっき処理を施すことができる。
(4)
前記陰極の外径は、前記ワークの外径に対して110%以上、30000%以下である上記(3)に記載のバレルめっき装置。
これにより、陰極の先端部がワークと接触した際、陰極の先端部によってワークが傷付いたり破損したりするのを防止することができる。したがって、良好にめっき処理を施すことができる。
(5)
前記網状体の目開きの幅は、0.02mm以上、0.3mm以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のバレルめっき装置。
これにより、ワークの大きさ(最大外径や長さ)や形状等にもよるが、網状体を介して外側に流出してしまうのを効果的に防止することができるとともに、めっき液が網状体を介して十分に出入りすることができる。
(6)
前記網状体の構成材料は、25℃における水との接触角が35°以下である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のバレルめっき装置。
これにより、網状体の目開きの形状に関わらず、めっき液がメッシュの網目を介して十分に出入りすることができる。
(7)
前記回転駆動源を内蔵する装置本体を有し、
前記バレルは、前記装置本体に対して着脱可能である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のバレルめっき装置。
これにより、例えば、ワークのめっき(めっき工程)が完了し、ワークに付着しているめっき液を洗浄する洗浄工程に移行する際、バレルのみを装置本体から離脱させて、即座に洗浄工程を行うことができる。
(8)
前記バレルは、前記開口部の少なくとも一部が前記液面から露出するように前記めっき液に浸漬される上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のバレルめっき装置。
これにより、ワークがめっき液の液面に浮いてきたとしても、バレルの側壁によって、ワークがバレルの外側に移動してしまうのを防止することができる。
(9)
前記バレルに衝撃を付与する衝撃付与機構を有する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のバレルめっき装置。
これにより、バレル内のワークを揺することができ、ワーク同士が密着したままとなるのを防止することができる。よって、ワーク同士が密着したまま、該密着した部分に対してめっき処理が不十分となるのを防止することができる。
(10)
前記衝撃付与機構は、振動体である上記(9)に記載のバレルめっき装置。
これにより、バレル内のワークを揺することができ、ワーク同士が密着したままとなるのを防止することができる。よって、ワーク同士が密着したまま、該密着した部分に対してめっき処理が不十分となるのを防止することができる。
(11)
前記回転駆動源を内蔵する装置本体を有し、
前記衝撃付与機構は、前記装置本体に衝突することにより衝撃を付与する衝突部を有する上記(9)または(10)に記載のバレルめっき装置。
これにより、バレル内のワークを揺することができ、ワーク同士が密着したままとなるのを防止することができる。よって、ワーク同士が密着したまま、該密着した部分に対してめっき処理が不十分となるのを防止することができる。
(12)
網状体で構成された部分を有し、一端側に開口部を有する有底筒状をなし、ワークを収納するバレルと、前記バレルを回転させる回転駆動源と、を備えるバレルめっき装置を用いて、電子部品検査装置に用いられるプローブピンを製造するめっき方法であって、
前記ワークを収納した前記バレルを、めっき液の液面に対して傾斜した状態で前記めっき液に浸漬するとともに、前記バレルを回転させるめっき工程を有することを特徴とするめっき方法。
本発明によれば、開口部を有するバレルを、めっき液の液面に対して傾斜した状態で回転させてめっき工程を行うため、微細なワーク(電子部品検査装置に用いられるプローブピンとなるべき部材)の各々に対して良好なめっき処理を行うことができる。
本発明のバレルめっき装置では、めっき液を前記バレルに向って噴射する噴射手段をさらに有するのが好ましい。
これにより、めっき液の液面に浮いてきたワークを、めっき液中に押し戻すことができる。すなわち、ワークが液面に浮いてきたとしても、ワークが液面に浮きっぱなしになるのを防止することができる。よって、ワークの各々に対して良好なめっき処理をより確実に施すことができる。
さらに、バレル内にめっき液を供給することができ、バレル内のめっき液の金属イオン濃度を可及的に一定に保つことができ、ワークにより確実に良好なめっき処理を施すことができる。
本発明のバレルめっき装置では、前記噴射手段は、前記めっき液を噴射する噴射部と、前記噴射部にめっき液を供給する供給流路と、を有するのが好ましい。
これにより、上記効果を発揮することができる。
本発明のバレルめっき装置は、前記めっき液を貯留する貯留部の鉛直方向上方に配置されるものであり、
前記供給流路は、前記貯留部内のめっき液を前記噴射部に供給するものであるのが好ましい。
これにより、新たなめっき液を供給する構成に比べて、バレル内のめっき液の金属イオン濃度が急激に変化するのを防止することができる。よって、ワークの各々に対してさらに良好なめっき処理を施すことができる。
本発明のバレルめっき装置では、前記陰極は、その先端部が、前記バレルの中心軸に対して偏在した位置に配置されているのが好ましい。
これにより、陰極がワークの各々に対してより確実に接触することができる。
本発明のバレルめっき装置では、前記陰極は、その先端部が、前記バレルの中心軸よりも、前記回転駆動源に対して遠位側に配置されているのが好ましい。
これにより、陰極がワークの各々に対してより確実に接触することができる。
本発明のバレルめっき装置では、前記陰極は、前記バレルとは離間した状態で前記バレルに挿入されるのが好ましい。
これにより、陰極がワークの各々に対してより確実に接触することができる。
本発明のバレルめっき装置では、前記陰極は、可撓性を有しているのが好ましい。
これにより、陰極を変形させて陰極の先端部の位置の微調整を行うことができる。よって、陰極がワークの各々に対してより確実に接触することができる。
本発明のバレルめっき装置は、前記めっき液を貯留する貯留部の鉛直方向上方に配置されるものであり、
前記衝撃付与機構は、前記バレルを前記装置本体ごと前記貯留部に対して変位させ、落下させるものであるのが好ましい。
これにより、バレル内のワークをより確実に揺することができ、ワーク同士が密着したままとなるのを防止することができる。よって、ワーク同士が密着したまま、該密着した部分に対してめっき処理が不十分となるのをより確実に防止することができる。
本発明のバレルめっき装置では、前記バレルに設けられ、前記バレルの外側の前記めっき液を撹拌する撹拌部を有するのが好ましい。
これにより、バレルの外側にめっき液の液流が生じる。この液流により、網状体を介して、バレル内にめっき液が流入する。よって、バレル内のめっき液の金属イオン濃度を可及的に一定に保つことができ、ワークにより確実に良好なめっき処理を施すことができる。
本発明のバレルめっき装置では、前記撹拌部は、前記バレルの外周部に設けられた羽根で構成されているのが好ましい。
これにより、バレルの外側にめっき液の液流が生じる。この液流により、網状体を介して、バレル内にめっき液が流入する。よって、バレル内のめっき液の金属イオン濃度を可及的に一定に保つことができ、ワークにより確実に良好なめっき処理を施すことができる。
本発明のバレルめっき装置では、前記撹拌部は、前記バレルの底部の外側に設けられ、バレルとともに回転する羽根で構成されているのが好ましい。
これにより、バレルの外側にめっき液の液流が生じる。この液流により、網状体を介して、バレル内にめっき液が流入する。よって、バレル内のめっき液の金属イオン濃度を可及的に一定に保つことができ、ワークにより確実に良好なめっき処理を施すことができる。
本発明のバレルめっき装置では、前記バレルの底部は、網状体で構成された部分を有するのが好ましい。
これにより、バレルの外側のめっき液が、底部側からバレル内に流入する。よって、バレル内のめっき液の金属イオン濃度を可及的に一定に保つことができ、ワークにより確実に良好なめっき処理を施すことができる。
本発明によれば、微細な構造を有するプローブピン(電子部品検査装置に用いられるプローブピン)となるべき部材であるワークに対して、良好にめっき処理を行うことができるバレルめっき装置およびめっき方法を提供することができる。
図1は、本発明のバレルめっき装置(第1実施形態)を示す斜視図である。 図2は、図1中の矢印A方向から見た図である。 図3は、図1に示すバレルに収納される被めっき物(ワーク)の一例を示す側面図である。 図4は、図1に示すバレルを説明するための図であって、(a)が斜視図、(b)および(c)がメッシュの一例を示す拡大図である。 図5は、図1に示すバレルの斜視図である。 図6は、図5中矢印B方向から見た図である。 図7は、図5中矢印C方向から見た図であって、バレルがギアに装着される手順を説明するための図である。 図8は、図5中矢印C方向から見た図であって、図7に示す状態から矢印方向にバレルを回転させた状態を示す図である。 図9は、図1中矢印D方向から見た図である。 図10は、本発明のバレルめっき装置(第2実施形態)を示す斜視図である。 図11は、図10に示すバレルの斜視図である。 図12は、図10中矢印E方向から見た図であって、(a)が未だ衝撃を付与していない状態であり、(b)が衝撃を付与した状態である。 図13は、本発明のバレルめっき装置(第3実施形態)が備える衝撃付与機構を示す図であって、(a)が、側面図、(b)および(c)が、(a)中のE−E線断面図である。 図14は、本発明のバレルめっき装置(第4実施形態)が備える衝撃付与機構を示す図である。 図15は、本発明のバレルめっき装置(第5実施形態)が備えるバレルの底部をバレルの外側から見た図である。 図16は、図15に示すスクリューを示す斜視図である。 図17は、本発明のバレルめっき装置(第6実施形態)が備えるバレルを開口部側から見た図である。 図18は、めっき処理が行われたワーク(プローブピン)が検査装置に設置された状態を示す図である。 図19は、めっき処理が行われたワーク(プローブピン)が検査装置に設置され、電子部品の検査が行われている状態を示す図である。 図20は、本発明のバレルめっき装置が備える陽極の構成の一例を示す図である。 図21は、本発明のバレルめっき装置が備える陽極の構成の一例を示す図である。
以下、本発明のバレルめっき装置およびめっき方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のバレルめっき装置(第1実施形態)を示す斜視図である。図2は、図1中の矢印A方向から見た図である。図3は、図1に示すバレルに収納される被めっき物(ワーク)の一例を示す側面図である。図4は、図1に示すバレルを説明するための図であって、(a)が斜視図、(b)および(c)がメッシュの一例を示す拡大図である。図5は、図1に示すバレルの斜視図である。図6は、図5中矢印B方向から見た図である。図7は、図5中矢印C方向から見た図であって、バレルがギアに装着される手順を説明するための図である。図8は、図5中矢印C方向から見た図であって、図7に示す状態から矢印方向にバレルを回転させた状態を示す図である。図9は、図1中矢印D方向から見た図である。図18は、めっき処理が行われたワーク(プローブピン)が検査装置に設置された状態を示す図である。図19は、めっき処理が行われたワーク(プローブピン)が検査装置に設置され、電子部品の検査が行われている状態を示す図である。
また、図1、図2および図9に示すように、互いに直交する3軸をx軸、y軸およびz軸とし、x軸とy軸と、を含むxy平面が水平となっており、z軸が鉛直となっている。
また、各方向の矢印が向いた方向を「+」、その反対方向を「−」と言う。また、図1、図2および図9の上側、すなわち、+z側を「上」または「上方」、下側、すなわち、−z側を「下」または「下方」と言うことがある。
図1および図2に示すバレルめっき装置1は、本発明のめっき方法を実行する装置であり、めっき液100が貯留されためっき液槽10(貯留部)上に配置され、ワーク200(被めっき物)に対して、めっきによる被膜を形成する(以下、単に「めっき処理を施す」とも言う)装置である。
バレルめっき装置1を説明するのに先立って、まず、ワーク200、めっき液槽10およびめっき液100について説明する。
[ワーク]
図3に示すワーク200は、例えば、BGA(Ball Grid Array)、LSI(Large Scale Integration)、CMOS(Complementary MOS)およびCCD(Charge Coupled Device)」等の電子部品の電気的特性を検査する検査装置600において、電子部品500の端子501と接触するプローブピン200’に用いられる部品である(図18および図19参照)。
図3に示すワーク200は、両端が開口した円筒状の本体部201と、各開口に挿入された一対の接触端子202と、各接触端子202を連結し、各接触端子202を互いに離間する方向に付勢するバネ203を有する。
各接触端子202の外径(平均外径)は、本体部201の外径(平均外径)よりも小さい。このため、ワーク200全体で見たとき、その外周部には、段差部が形成されることとなる。
ワーク200にめっき処理が施されたプローブピン200’は、図18、図19に示すように、検査装置600において、電子部品500が載置される載置部601の貫通孔602に挿入され、両端部、すなわち、各接触端子202が露出した状態で設置される。
そして、一方の接触端子202が、載置部601の下方に配置された検査基板603と接触した状態から、電子部品500が接触端子202に押しつけられる。この際、プローブピン200’の各接触端子202は、バネ203の付勢力に抗して互いに接近する。すなわち、各接触端子202は、本体部201内に退避する(図19参照)。
この状態で、検査基板603がプローブピン200’を介して電子部品500に通電し、電気特性の検査が行われる。
また、ワーク200は、例えば、全長が0.1mm以上、20mm以下であり、最大外径が、0.05mm以上、5mm以下である。このように、ワーク200は、全長が比較的短く、外径が比較的小さく、さらに、外周部に段差部が形成された部品、すなわち、微細な部品である。
このような、ワーク200の構成材料としては、例えば、ベリリウム銅、リン青銅等の銅合金やタングステン、パラジウム合金(パラジウムに銀を添加したもの等)、炭素鋼、ステンレス鋼(例えば、SUS302、SUS304等)、コバルト・ニッケル・クロム合金等の各種金属材料が挙げられる。
以下では、一例として、本体部201と一対の接触端子202とバネ203とが組立てられた状態のワーク200をバレル4に挿入してめっき処理を行う場合について説明する。
なお、ワーク200が分解された分解状態(ワーク200を組立てる以前の状態)で、各部をバレルに挿入して、めっき処理を行ってもよい。この場合、分解状態の各部を、同じ種類の部品のごとにバレル4に挿入してめっき処理を行ってもよく、異なる種類の部品を一括してバレル4に挿入してめっき処理を行ってもよい。
[めっき液槽]
図1に示すように、めっき液槽10は、矩形の底板(図示せず)と、該底板の各縁部から立設する4つの側壁101、102、103、104を有し、底板と各側壁101〜側壁104とに囲まれた部分には、めっき液100が貯留されている。
側壁101と側壁102とは、底部の長辺に対応する部分に設けられており、互いに対向して配置されている。側壁101は、+y側に配置され、側壁102は、−y側に配置されている。側壁103と側壁104とは、底部の短辺に対応する部分に設けられており、互いに対向して配置されている。側壁103は、−x側に配置され、側壁104は、+x側に配置されている。
めっき液槽10の容積(最大容積)としては、特に限定されないが、例えば、0.01m以上、0.2m以下であるのが好ましく、0.03m以上、0.15m以下であるのがより好ましい。
また、めっき液槽10に貯留されためっき液100の貯留量は、めっき液槽10の容積(最大容積)に対して、50%以上、90%以下であるのが好ましく、60%以上、80%以下であるのがより好ましい。
[めっき液]
めっき液槽10に貯留されるめっき液100としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、クロム、コバルト、スズ、亜鉛、ロジウム、ルテニウム等の金属イオン等を含有するものが挙げられる。
また、めっき液100は、複数種の金属イオンを含有しており、合金めっき被膜の形成に用いられるものであってもよい。
めっき液は、形成すべき被膜により異なるが、例えば、金めっきを行う場合、シアン化金カリウム、シアン化ナトリウムおよび有機酸を含むめっき液や、亜硫酸金塩、亜硫酸ナトリウムおよび有機酸を含むめっき液を好適に用いることができる。
また、ニッケルめっきを行う場合には、硫酸ニッケル等のニッケル塩、無機塩、有機酸および光沢剤を含むめっき液を好適に用いることができる。
また、めっき液中には、例えば、還元剤(例えば、ジメチルアミンボラン等のホウ素化合物、アスコルビン酸、ヒドロキノン、次亜リン酸ナトリウム等)を含んでいてもよい。
めっき液の25℃における粘度は、0.5mPa・s以上、2.0mPa・s以下であるのが好ましく、0.7mPa・s以上、1.5mPa・s以下であるのがより好ましい。
これにより、メッシュ412の目開きの大きさを、ワーク200がバレルの外部に流出することが十分に防止される程度に小さいものであっても、めっき液100がメッシュ412の目開きを介して好適に出入りすることができる。その結果、バレル4内のめっき液の組成の経時的な変化をより効果的に抑制することができ、好適な被膜を安定的に形成することができる。
なお、本明細書において、粘度の値としては、振動式粘度計を用いて25℃で測定して求められる値を採用することができ、特に、JIS Z8809に準拠して25℃で測定して求められる値を採用することができる。
また、めっき時におけるめっき液100の温度は、例えば、5℃以上、100℃以下であるのが好ましく、20℃以上、95℃以下であるのがより好ましい。
なお、本明細書中では、めっき液100の液面300は、水平方向に沿ったものとする。例えば、めっき液槽10に対して衝撃が加わったりして液面300が変位して水平方向に対して一時的に傾斜したり、部分的に変位したとしても、これらは無視する。
<バレルめっき装置>
以下、バレルめっき装置1について詳細に説明する。
図1に示すように、バレルめっき装置1は、装置本体2と、装置本体2をめっき液槽10上で支持する支持体3と、バレル4と、回転駆動源5と、姿勢保持機構6と、陽極71と、陰極72と、衝撃付与機構8と、を備えている。
(装置本体)
図1および図2に示すように、装置本体2は、底板21と、天板22と、底板21および天板22の端部(図1および図2中右側の端部)同士を連結する円柱状の連結棒23と、を有している。
底板21は、長尺な板材で構成され、その上面211側にて、回転駆動源5、ギア24およびバレル4を支持する。回転駆動源5、ギア24およびバレル4は、連結棒23側からこの順で並んで配置されている。
また、底板21の下面212側で、かつ、連結棒23側に偏在した位置には、姿勢保持機構6の固定板62が設けられている。
ギア24およびギア25は、円板状をなし、その縁部の全周に亘って歯が形成された平歯車で構成されている。ギア24は、底板21に軸240を介して、軸240回りに回転可能に支持されている。ギア25は、底板21に軸250を介して、軸250回りに回転可能に支持されている。
これらギア24およびギア25は、互いに噛合しており、かつ、ギア24は、回転駆動源5のギア53(図2参照)と噛合している。これにより、回転駆動源5の回転力をバレル4に伝達することができる。
また、連結棒23は、バレルめっき装置1の持ち運びを行う際や、バレルめっき装置1をめっき液槽10上に設置する際に把持される部分である。
天板22は、底板21よりも短い板材で構成され、底板21に対向配置されている。また、天板22は、連結棒23および回転駆動源5の筐体51によって支持されている。
また、天板22は、その上面221の、連結棒23側とは反対側の端部には、姿勢保持機構6の固定板61が接続されている。
装置本体2の各部の構成材料は、めっき液100に対する十分な耐熱性および十分な耐薬品性を確保するという観点から、例えば、ステンレス鋼等の金属材料や、ポリ塩化ビニル、アクリル系樹脂等の硬質樹脂材料等が挙げられる。また、装置本体2は、これらの材料で構成された被膜で被覆された部材を備えるものであってもよい。
(支持体)
支持体3は、X方向に延在する一対の第1板材31a、31bと、第2板材32a、32bと、各第1板材31a、31bの間に設けられた支持板33と、一対の固定部材34と、を有している。
第1板材31aは、側壁101上に設けられており、第1板材31bは、側壁102上に設けられている。
第2板材32aは、第1板材31aの内側、すなわち、−y軸側の面に設けられており、−y軸側に突出する形状をなしている。
第2板材32bは、第1板材31bの内側、すなわち、+y軸側の面に設けられており、+y軸側に突出する形状をなしている。
これら第2板材32a、32bには、姿勢保持機構6の固定板61および固定板62が係合する。
支持板33は、第1板材31a、31bの間で、かつ、側壁103上に設けられており、後述する衝撃付与機構8の振動体81を支持するものである。
一対の固定部材34は、めっき液槽10の+x側の2つの角部上に設けられている。一方の固定部材34は、第1板材31aおよび第2板材32aを一括して挟持してめっき液槽10に固定し、他方の固定部材34は、第1板材31bおよび第2板材32bを一括して挟持してめっき液槽10に固定している。
これにより、支持板33は、めっき液槽10上に固定される。
なお、支持体3を構成する各部位の構成材料は、めっき液100に対する十分な耐熱性および十分な耐薬品性を確保するという観点から、例えば、ステンレス鋼等の金属材料や、ポリ塩化ビニル、アクリル系樹脂等の硬質樹脂材料等が挙げられる。また、支持体3は、これらの材料で構成された被膜で被覆された部材を備えるものであってもよい。
(バレル)
図1、図2および図4(a)に示すバレル4は、ワーク200を収納する部分であり、開口部40を有する有底筒状のバレル本体41を有している。
バレル本体41は、多角筒(本実施形態では、六角筒)をなしている。また、バレル本体41は、各側壁に窓部411を有し、該窓部411には、メッシュ412(網状体)が設けられている。
これにより、バレル本体41をめっき液100に浸漬した状態(以下、この状態を「浸漬状態」と言う)では、めっき液100がメッシュ412の目開きを介して出入りすることができる。
また、メッシュ412の目開きの大きさは、バレル4内のワーク200が、メッシュ412を介して外側に流出してしまうのを防止する程度の大きさとなっている。
メッシュ412は、図4(b)に示すような、縦糸と横糸とが交互に編み込まれた構成(平織、綾織、平畳折、綾畳折等)や、図4(c)に示すようなバレル本体41の側壁に貫通孔(小孔)を形成した構成や、成形型を用いて成形された成形体(貫通孔(小孔)を有する成形体)とすることができ、これらの形態を総称してメッシュ(網状体)と言う。
なお、図4(c)に示す構成では、貫通孔は、円形をなしているが、これに限定されず、多角形(例えば、四角形)や楕円等であってもよい。
メッシュ412の目開き(小孔)の幅(最大幅)は、0.02mm以上、0.3mm以下であるのが好ましく、0.05mm以上、0.08mm以下であるのがより好ましい。
これにより、ワーク200の大きさ(最大外径や長さ)や形状等にもよるが、メッシュ412を介して外側に流出してしまうのを効果的に防止することができるとともに、めっき液100がメッシュ412の目開きを介して十分に出入りすることができる。
メッシュ412の目開き(小孔)の面積は、0.0004mm以上、0.09mm以下であるのが好ましく、0.0025mm以上、0.0064mm以下であるのがより好ましい。
これにより、ワーク200の大きさ(最大外径や長さ)や形状等にもよるが、メッシュ412を介して外側に流出してしまうのを効果的に防止することができるとともに、めっき液100がメッシュ412の網目を介して十分に出入りすることができる。
メッシュ412の構成材料の25℃における水との接触角は、35°以下であるのが好ましい。
これにより、目開きの形状に関わらず、めっき液100がメッシュ412の網目を介して十分に出入りすることができる。
なお、メッシュ412の構成材料の水との接触角は、例えば、当該材料で構成された表面が平滑な板材(例えば、表面粗さRaが1μm以下の板材)を用意し、当該板材を用いた測定により求めることができる。
メッシュ412の構成材料は、特に限定されないが、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル等の各種樹脂材料や、ステンレス鋼等の各種金属材料等が挙げられる。
また、メッシュ412には、例えば、プラズマ処理、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系材料や、シリコーン系樹脂等による表面処理が施されたものであってもよい。
また、バレル本体41の最大内径は、30mm以上、200mm以下であるのが好ましく、50mm以上、150mm以下であるのがより好ましい。
また、バレル本体41の長さ(中心軸O方向の長さ)は、50mm以上、200mm以下であるのが好ましく、100mm以上、150mm以下であるのがより好ましい。
また、バレル本体41の容積(最大容積)は、35cm以上、5500cm以下であるのが好ましく、200cm以上、2500cm以下であるのがより好ましい。
また、バレル4に収納されるワーク200の個数は、特に限定されず、例えば、1個以上、100000個以下とされ、好ましくは、1000個以上、60000個以下とされる。
また、バレル本体41の容量に対する、各ワーク200の体積の総和は、0.01%以上、30%以下であるのが好ましく、5%以上、20%以下であるのがより好ましい。
また、バレル4の回転速度は、3rpm以上、50rpm以下であるのが好ましく、4rpm以上、20rpm以下であるのがより好ましい。
また、バレル本体41は、ギア25に対して着脱自在となっている。以下、このことについて説明する。
図5および図6に示すように、バレル4は、バレル本体41の開口部40とは反対側に設けられた円板状部42と、この円板状部42からバレル本体41とは反対側に垂設された円筒部43とを有している。
円筒部43は、その内周部に4つの突出片431を有している。
各突出片431は、円筒部43の周方向に等間隔で設けられており、円筒部43の中心軸に向って突出している。
一方、図5に示すように、ギア25は、その上面から上方に向って突設された円筒部251を有している。
この円筒部251は、その外周部に設けられた複数(本実施形態では、4つ)の突出片252を有している。
各突出片252は、円筒部251の周方向に等間隔で設けられている。
図5に示すような離脱状態から、図1および図2に示す装着状態とするには、まず、図7に示すように、各突出片252の間に各突出片431が挿入されるように、円筒部43を円筒部251に挿通する。
そして、図8に示すように、バレル4を、その軸回りに回転させて(図8中矢印参照)、各突出片252と各突出片431とが、バレル4の軸方向にそれぞれ重なった状態とする。
これにより、各突出片252と各突出片431とが、係合してバレル4がギア25から抜けるのが防止された状態(装着状態)となる。よって、めっき処理中に不本意にバレル4が装置本体2から離脱するのを防止することができる。
なお、図示はしないが、装着状態から離脱状態にする際には、図8に示す矢印と反対方向にバレル4を回転させることにより各突出片252と各突出片431との係合が解除され、バレル4をギア25から離脱させることができる。
このように、バレルめっき装置1では、バレル4がギア25に対して、すなわち、バレル4が装置本体2に対して着脱自在に構成されている。
これにより、バレル4からワーク200を取り出す作業を、離脱状態で行うことができるため、取り出し作業を容易に行うことができる。
また、バレル4が装置本体2に対して着脱自在に構成されていることにより、例えば、ワーク200のめっき(めっき工程)が完了し、ワーク200に付着しているめっき液100を洗浄する洗浄工程に移行する際、バレル4のみを装置本体2から離脱させて、即座に洗浄工程を行うことができる。
すなわち、めっき工程が完了した後に、めっき液槽10から装置本体2を離脱させるという行為を省略することができる。その結果、ワーク200の洗浄を円滑かつ迅速に行うことができる。
なお、めっき工程が完了した後、浸漬状態が比較的長くなると、めっき液100の組成によっては、ワーク200に形成された被膜に不具合が生じる可能性がある。バレル4が装置本体2に対して着脱自在に構成されていることにより、バレル4に対するワーク200の出し入れを、離脱状態で行うことができるため、容易かつ迅速に行うことができ、このような不具合も防止することができる。
なお、上記では、着脱機構の一例として、各突出片252と各突出片431とを有する構成について説明したが、本発明ではこれに限定されず、各突出片252と各突出片431とを有する構成に代えて公知の着脱機構を適用してもよい。
(回転駆動源)
図1および図2に示すように、回転駆動源5は、角筒状(本実施形態では、四角筒)の筐体51と、筐体51内に内蔵されたモーター52と、モーター52に設けられたギア53と、を有している。モーター52の作動によって、ギア53は回転する。
また、図示はしないが、筐体51は、一部(ギア24およびギア25側の側壁)が欠損し、ギア53の一部が露出している。ギア53は、ギア24およびギア25と同様に、円板状をなし、その縁部の全周に亘って歯が形成された平歯車で構成されている。
ギア53は、前述したように、ギア24と噛合しており、回転駆動源5の回転力をバレル4に伝達することができる。これにより、バレル4が、その中心軸O回りに回転することができる。
なお、本実施形態では、ギア24、ギア25およびギア53は、平歯車で構成されているが、本発明ではこれに限定されず、例えば、はすば歯車、やまば歯車、かさ歯車、内歯車、冠歯車等で構成されていてもよい。
また、モーター52は、一方向のみに回転する構成であってもよく、一方向およびその反対方向に交互に回転する構成であってもよい。
(姿勢保持機構)
図1および図2に示すように、姿勢保持機構6は、バレルめっき装置1をめっき液槽10に対して所定の姿勢(傾斜した姿勢)で保持する機構である。姿勢保持機構6は、天板22の上面221に設けられた固定板61(第1固定部)と、底板21の下面212に設けられた固定板62(第2固定部)と、を有している。
これら固定板61および固定板62は、底板21および天板22の長手方向にずれて配置されている。固定板61は、固定板62よりもバレル4側に位置している。
固定板61は、天板22の長手方向と交わる方向(本実施形態では、直交する方向)に延在する長尺な板材で構成されている。また、固定板61は、その厚さ方向と天板22の厚さ方向とが一致する向きで配置されている。
また、固定板61には、楔状に切り欠かれた一対の切欠き611が設けられている。各切欠き611は、固定板61の一方側(めっき液槽10側)の縁部に形成され、かつ、所定間隔離間して形成されている。
固定板62は、底板21の長手方向と交わる方向(本実施形態では、直交する方向)に延在する長尺な板材で構成されている。また、固定板62は、その厚さ方向と底板21の厚さ方向とが一致する向きで配置されている。
また、固定板62には、楔状に切り欠かれた一対の切欠き621が設けられている。各切欠き621は、固定板62の一方側(めっき液槽10側)の縁部に形成され、かつ、所定間隔離間して形成されている。
バレルめっき装置1をめっき液槽10上に設置する際には、図1に示すように、各切欠き611が第2板材32aおよび第2板材32bにそれぞれ入り込み、かつ、各切欠き621が第2板材32aおよび第2板材32bにそれぞれ入り込むように設置する。
これにより、各切欠き611が第2板材32aおよび第2板材32bとそれぞれ係合し、各切欠き621が第2板材32aおよび第2板材32bにそれぞれ係合する。よって、バレルめっき装置1をめっき液槽10上に設置することができる。
また、前述したように、固定板61および固定板62は、天板22および底板21の長手方向にずれて配置されているため、バレルめっき装置1は、めっき液槽10上で傾斜した状態で配置されることとなる。
また、このような姿勢保持機構6では、固定板61および固定板62の、天板22および底板21の長手方向に沿った位置を変更することにより、バレルめっき装置1のめっき液槽10に対する姿勢、すなわち、傾斜角度θを調節することができる。
これにより、めっき液100の量、すなわち、液面300の位置や、めっき液槽10の形状によらず、めっき処理を行うことができる。
固定板61および固定板62の、天板22および底板21の長手方向に沿った位置を変更する手段(傾斜角度調節手段)としては、公知のスライド機構や、複数のネジ孔に対して選択的にボルトで固定する手段等が挙げられる。
なお、各切欠き611、621は、本実施形態では、楔状に切り欠かれて形成されているが、本発明ではこれに限定されず、例えば、矩形に切り欠かれて形成されていてもよい。
各切欠き611、621が楔状に切り欠かれて形成されていることにより、斜辺と第2板材32aおよび第2板材32bとが確実に接触(係合)し、バレルめっき装置1のめっき液槽10に対する姿勢をより安定的に保持することができる。
(陽極および陰極)
図1および図2に示すように、バレルめっき装置1は、陽極71と、陰極72と、を有している。陽極71は、めっき液槽10の任意の位置(バレル4の外側)に設置されている。
陽極71は、例えば、図20に示すように、側壁103と側壁104との近傍にそれぞれ配置された構成であってもよく、図21に示すように、側壁103と側壁104と底部との近傍に位置する湾曲形状をなしていてもよい。
陰極72は、可撓性を有し、固定板61から延出する長尺体で構成されている。陰極72が可撓性を有していることにより、陰極72を変形させて陰極72の先端部722の位置の微調整を行うことができる。
また、陰極72は、その長手方向の途中が、支持棒721によって支持されている。支持棒721は、一端部が固定板61によって片持ち支持されている。また、支持棒721の他端部に設けられた貫通孔723には陰極72が嵌入され、陰極72が支持されている。これにより、陰極72をバレル4内に挿入した状態を安定的に保持することができる。
また、陰極72は、バレル4の中心軸Oよりも、装置本体2の先端側(めっき液槽10の深い側)、すなわち、回転駆動源5に対して遠方側に配置される。また、陰極72は、バレル4の内周部から離間した状態で配置される。
また、貫通孔723に対する陰極72の挿入深さを調節することにより、バレル4内での陰極72の挿入深さ、すなわち、バレル4内での陰極72の先端部722の位置を調節することができる。
これにより、バレル4内のワーク200の量に応じて、陰極72がワーク200の各々に対して接触しやすい位置に調節することができる。
なお、支持棒721自体が天板22に対して上下動する昇降機構を有していてもよい。これにより、上記と同様に、バレル4内のワーク200の量に応じて、陰極72がワーク200の各々に対して接触しやすい位置に調節することができる。
この昇降機構としては、公知の機構を用いることができる。
図1および図2に示す浸漬状態で陽極71および陰極72に対して、図示しない電圧印加手段によって電圧を印加し、バレル4内では、陰極72がワーク200に接触することにより、ワーク200が負に帯電して、めっき被膜が形成され、ワーク200に対してめっき処理がなされる。
このようなバレルめっき装置1では、浸漬状態で、モーター52の回転によりバレル4を回転させつつ、ワーク200に対して、めっき処理を施すことができる。この際、バレルめっき装置1では、バレル4は、その中心軸Oがめっき液100の液面300に対して傾斜した状態で浸漬された浸漬状態(傾斜浸漬状態)となっている(図2参照)。
これにより、各ワーク200は、バレル4内において、鉛直方向下方側の隅部(めっき液槽10の深い側)に偏在することとなる。また、この各ワーク200が偏在している部分に陰極72が位置しているため、陰極72は、ワーク200に対して確実に接触することができる。
そして、バレル4が傾斜した状態で回転するため、各ワーク200がバレル4内で隅部に偏在しつつも、ワーク200の各々が互いに相対的に移動する。その結果、全てのワーク200が陰極72に接触し易くなり、ワーク200の各々に良好なめっき処理を施すことができる。
特に、ワーク200が前述したような微細な部品であるため、バレル4の傾斜を省略すると、ワーク200がバレル4の底部全体に分散し、陰極72と接触しにくくなるが、バレルめっき装置1によれば、微細なワーク200に対して良好にめっき処理を施すことができる。
また、バレル4が開口部40を有しているため、陰極72の先端部722を所望の位置(ワーク200が偏在している位置)に容易に配置することができるとともに、陰極72の、開口部40の面方向での位置を容易に調節することができる。
なお、陰極72の、開口部40の面方向での位置を調節するとは、前述したように、陰極72を曲げて形状付けを行ったり、支持棒721の位置を調節して陰極72を移動させたりすることを言う。
さらに、前述したように、バレルめっき装置1では、陰極72のバレル4に対する挿入深さが調節可能である。この挿入深さの調節と、陰極72の開口部40の面方向の位置の調節との双方を調節可能であることとが相まって、全てのワーク200が陰極72にさらに接触し易くなり、ワーク200の各々により確実に良好なめっき処理を施すことができる。
また、ワーク200の形状、大きさ、バレル4の回転速度等に応じて、ワーク200が偏在する位置が変化することが想定されるが、ワーク200が偏在する位置に応じて、その都度、陰極72の位置を調整することができる。
さらに、バレル4が開口部40を有しているため、開口部40を介してバレル4内にめっき液100を供給することができる。よって、バレル4内のめっき液100の金属イオン濃度を可及的に一定に保つことができ、ワーク200により確実に良好なめっき処理を施すことができる。
このように、本発明によれば、バレル4がめっき液100の液面300に対して傾斜し、かつ、バレル4が開口部40を有しているため、微細なワーク200の各々に対して良好なめっき処理を行うことができる。
なお、傾斜角度θは、特に限定されず、ワーク200の形状、大きさ、数量等にもよるが、5°以上、75°以下であるのが好ましく、15°以上、20°以下であるのがより好ましい。
これにより、陰極72とワーク200と、をより確実に接触させることができる。
これに対し、傾斜角度θが小さすぎると、バレル4の側壁にワーク200が広がる傾向を示し、陰極72と接触が不十分であるワーク200が生じる可能性がある。一方、傾斜角度θが大きすぎると、バレル4の底部にワーク200が広がる傾向を示し、陰極72と接触が不十分であるワーク200が生じる可能性がある。
また、バレルめっき装置1では、バレル4は、開口部40の少なくとも一部がめっき液100の液面300から露出するように、めっき液100に浸漬される。すなわち、図示のように、バレル4は、開口部40の全部が液面300から露出していてもよく、一部が液面300から露出していてもよい。
開口部40の全部が液面300から露出している場合、ワーク200がめっき液100の液面300に浮いてきたとしても、バレル4の側壁によって、ワーク200がバレル4の外側に移動してしまうのを確実に防止することができる。
また、開口部40の一部が液面300から露出している場合、ワーク200がめっき液100の液面300に浮いてきたとしても、バレル4の側壁によって、ワーク200がバレル4の外側に移動してしまうことと、開口部40を介してバレル4内にめっき液100をより確実に供給することとを両立することができる。
なお、バレルめっき装置1では、開口部40の全部が液面300よりも下方に浸漬していてもよい。この場合、開口部40を介してバレル4内にめっき液100をより確実に供給することができ、バレル4内のめっき液100の金属イオン濃度を可及的に一定に保つことができる。
また、バレル本体41は、多角筒(本実施形態では、六角筒)をなしている。すなわち、バレル本体41の内側には、角部が形成されている。これにより、バレル4が回転する際、角部にワーク200が集まり、このワーク200の集合体ごとめっき液100内で持ち上げられ、その後落下する。
そして、この落下の際、ワーク200同士は、相対的な位置関係が変化し、入り乱れる。その結果、全てのワーク200が陰極72に接触し易くなり、ワーク200の各々に良好なめっき処理を施すことができる。
また、バレル本体41は、外周部にも角部を有している。
これにより、バレル4の回転に伴って、バレル4の外側のめっき液100が撹拌されて液流が生じる。この液流により、バレル4の外側のめっき液100の金属イオン濃度を可及的に均一に保つことができる。また、上記のような液流により、バレル4の外側のめっき液100がメッシュ412を介して内側に流入し易くなる。その結果、バレル4内のめっき液100の金属イオン濃度を可及的に一定に保つことができ、ワーク200により確実に良好なめっき処理を施すことができる。
さらに、メッシュ412の内側にワーク200が貼り付いたとしても、バレル4の内側に落としやすくすることができる。よって、メッシュ412の内側に貼り付いたワーク200を、陰極72に接触させることができる。したがって、より効果的にめっき処理を良好に行うことができる。
ここで、バレルめっき装置1では、微細なワーク200に対して、ワーク200が陰極72と接触した際に傷付いたり破損したりするのを防止することができ、良好にめっき処理を施すことができる。以下、このことについて説明する。
陰極72の先端部722は、丸みを帯びている。
これにより、陰極72の先端部722がワーク200と接触した際、陰極72の先端部722によってワーク200が傷付いたり破損したりするのを防止することができる。したがって、良好にめっき処理を施すことができる。
陰極72の外径(最大径)は、1mm以上、20mm以下であるのが好ましく、1.5mm以上、15mm以下であるのがより好ましい。
これにより、ワーク200が傷付いたり破損したりするのを防止することができる。したがって、ワーク200に良好にめっき処理を施すことができる。
陰極72の外径(最大外径)は、ワーク200の外径(最大径)に対して110%以上、30000%以下であるのが好ましく、150%以上、5000%以下であるのがより好ましい。
これにより、ワーク200が傷付いたり破損したりするのを防止することができる。したがって、ワーク200に良好にめっき処理を施すことができる。
これに対し、陰極72の外径が小さすぎると、例えば、陰極72の先端部722の曲率によっては、先端部722でワーク200を傷付けてしまう可能性がある。一方、陰極72の径が大きすぎると、ワーク200がバレル4内で動くのが阻害される可能性がある。
(衝撃付与機構)
図1および図9に示すように、衝撃付与機構8は、支持板33上に配置された振動体81と、支持板33と側壁103との間に設けられた一対の弾性体82と、を有している。なお、本明細書では、振動も衝撃に含む。
振動体81は、例えば、モーターと、モーターのシャフトに偏心して設けられた錘と、を有する構成のもの等、公知の構成のものを用いることができる。
振動体81自身が振動することにより、その振動が、支持板33、第1板材31a、第1板材31b、第2板材32a、第2板材32bおよび装置本体2を介してバレル4に伝達される。
このような振動体81を有することにより、バレル4内のワーク200を揺することができ、ワーク200同士が密着したままとなるのを防止することができる。よって、ワーク200同士が密着したまま、該密着した部分に対してめっき処理が不十分となるのを防止することができる。
さらに、メッシュ412の内側にワーク200が貼り付いたとしても、振動によってバレル4の内側に落としやすくすることができる。よって、メッシュ412の内側に貼り付いたワーク200を、陰極72に接触させることができる。したがって、均一な厚さの被膜を形成するめっき処理を施すことができる。
図9に示すように、一対の弾性体82は、弾性を有し、互いにy方向に離間して設けられている。また、弾性体82のヤング率は、例えば、0.5MPa以上、40MPa以下とされる。
このような弾性体82が支持板33と側壁103との間に設けられていることにより、振動体81の振動が弾性体82に伝達されると、振動体81の振動数とは異なる振動数および振幅で不規則に振動する。
これにより、支持板33、第1板材31a、第1板材31b、第2板材32a、第2板材32bおよび装置本体2を介して、不規則な振動がバレル4に伝達される。よって、バレル4が不規則に振動して、バレル4内の各ワーク200の配列方向や移動方向を不規則にすることができる。その結果、ワーク200の各々が、陰極72とさらに接触し易くなり、ワーク200に対して、さらに効果的に良好なめっき処理を施すことができる。
なお、振動体81は、自身の単位時間当たりの振動数が可変に構成されていてもよい。すなわち、振動体81自身が不規則に振動する構成であってもよい。この場合、弾性体82を省略することができ、装置構成を簡素にすることができる。
また、各弾性体82は、互いにヤング率が異なっていてもよい。
これにより、支持板33、第1板材31a、第1板材31b、第2板材32a、第2板材32bおよび装置本体2を介して、より確実に不規則な振動がバレル4に伝達される。
以上説明したように、バレルめっき装置1は、電子部品検査装置に用いられるプローブピンを製造するものであって、網状体で構成された部分を有し、一端側に開口部40を有する有底筒状をなし、ワーク200を収納するバレル4と、バレル4を回転させる回転駆動源5と、を備えている。
そして、バレル4は、めっき液100の液面300に対して傾斜した状態でめっき液100に浸漬して用いられる。
これにより、微細なワーク200の各々に対して良好なめっき処理を行うことができる。
また、本発明のめっき方法は、本発明のバレルめっき装置を用いて、電子部品検査装置に用いられるプローブピンを製造するめっき方法であって、ワーク200を収納したバレル4を、めっき液100の液面300に対して傾斜した状態でめっき液100に浸漬するとともに、バレル4を回転させるめっき工程を有する。
これにより、微細なワーク200の各々に対して良好なめっき処理を行うことができる。
<第2実施形態>
図10は、本発明のバレルめっき装置(第2実施形態)を示す斜視図である。図11は、図10に示すバレルの斜視図である。図12は、図10中矢印E方向から見た図であって、(a)が未だ衝撃を付与していない状態であり、(b)が衝撃を付与した状態である。
以下、これらの図を参照して本発明のバレルめっき装置の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図10に示すように、バレルめっき装置1Aは、装置本体2Aと、支持体3Aと、バレル4Aと、回転駆動源5Aと、衝撃付与機構8Aと、シャワー機構9A(噴射手段)と、を備えている。装置本体2Aは、筐体21Aを有している。
支持体3Aは、側壁103の縁部に固定されたベース35と、ベース35に固定され、装置本体2A(筐体21A)を支持する支持台36と、を有している。
支持台36は、液面300に対して傾斜した状態で固定されている。
これにより、装置本体2A(筐体21A)は、液面300に対して傾斜した状態の姿勢が維持される。
なお、本実施形態では、支持体3Aが、姿勢保持機構を兼ねていると言える。
図11に示すように、バレル4Aは、本実施形態では、円板状部42が省略された構成となっている。また、バレル4Aは、バレル本体41が有底の円筒状で構成されている。
回転駆動源5Aは、モーター52と、モーター52に連結されたシャフト54とを有している。
また、図10および図11に示すように、シャフト54の先端部には、リング状の固定部材55と、固定部材55とシャフト54とを連結する連結部材56とが設けられている。
固定部材55には、一対の貫通孔551が固定部材55の中心を介して設けられている。
連結部材56は、長尺な板材で構成され、その長手方向の途中が複数回(図示の構成では4回)折り曲げられており、全体として略コの字状をなす部材である。また、連結部材56の両端部は、固定部材55の、各貫通孔551が形成されている部分に対して略90°ズレた位置に固定されている。
また、バレル4Aの開口部40の縁部には、一対の貫通孔401が設けられている。バレル4Aの開口部40の縁部を固定部材55の内側に挿入(配置)した状態において、一対の貫通孔401および一対の貫通孔551は、互いに連通可能となっている。
また、この状態で、ピン57を一対の貫通孔401および一対の貫通孔551に一括して挿入することにより、バレル4Aをシャフト54に対して装着することができる。
ピン57は、貫通孔401および貫通孔551に挿入される直線状の挿入部571と、シャフト54に引っかけられるフック572と、挿入部571およびフック572を連結する連結部573とを有し、全体として鶴巻状をなしている。フック572を有していることにより、装着状態において、挿入部571が貫通孔401および貫通孔551に挿入された状態を確実に維持することができ、ピン57が一対の貫通孔401および一対の貫通孔551から不本意に離脱してしまうのを防止することができる。
なお、フック572をシャフト54から外すことにより、挿入部571を貫通孔401および貫通孔551から抜去することができる。よって、離脱状態とすることができる。
バレルめっき装置1Aでは、モーター52の作動により、シャフト54が回転し、この回転力がバレル4Aに伝達される。
衝撃付与機構8Aは、衝突部83と、シャフト54に設けられたフランジ部84と、を有している。
衝突部83は、筐体21Aのバレル4Aに臨む部分に固定されている。衝突部83は、筒状体831と、筒状体831に内蔵されたバネ832と、バネ832に連結された衝突ヘッド833と、を有している。
筒状体831は、固定部材85を介して筐体21Aに固定されている。
バネ832は、圧縮された状態で筒状体831に内蔵されており、衝突ヘッド833をシャフト54に向って付勢している。
衝突ヘッド833は、シャフト54に設けられたフランジ部84の外周部と接触しており、フランジ部84に向って付勢された状態となっている。
図12(a)および(b)に示すように、フランジ部84は、2つの半円が、その径方向にずれた形状をなしている。すなわち、2つの半円弧部840A、840Bが径方向にずれた形状をなしている。
そして、半円弧部840A、840Bの境界部にそれぞれ段差部841が形成されている。各段差部841は、フランジ部84の中心、すなわち、シャフト54を介して互いに反対側に位置している。
図12(a)および(b)に示すように、シャフト54の回転に伴って、フランジ部84は、回転する。この回転の際、衝突ヘッド833は、フランジ部84に押しつけられながら、フランジ部84の外周部を摺動する。図12(a)に示す状態では、衝突ヘッド833は、半円弧部840Bを摺動している。
そして、衝突ヘッド833が半円弧部840Bから半円弧部840Aに移行する際、段差部841にて、衝突ヘッド833は、半円弧部840Aに打ち付けられて、フランジ部84に衝撃が付与される。この衝撃がシャフト54を介してバレル4Aに伝達される。
これにより、バレル4A内のワーク200の相対な位置関係を変動させることができ、バレル4A内のワーク200同士が密着したままとなるのを防止することができる。よって、ワーク200同士が密着したまま、該密着した部分に対してめっき処理が不十分となるのを防止することができる。よって、ワーク200の各々に対して良好なめっき処理を施すことができる。
なお、図示の構成では、シャフト54が1回転する間に、2回衝撃が付与されるが、段差部841の形成個数に応じて、シャフト54が1回転する間に衝撃を付与する回数を調節することができる。
また、図示の構成では、各段差部841は、等角度間隔(180°間隔)で形成されており、衝撃を一定の間隔で付与する構成であるが、各段差部841の間隔を、不規則に形成することにより、衝撃を不規則に付与することができる。
次に、シャワー機構9Aについて説明する。
シャワー機構9Aは、シャワーノズル91(噴射部)と、シャワーノズル91に液体(本実施形態では、めっき液100)を供給する供給流路92と、供給流路92の途中に設けられたポンプ93と、を有している。
シャワーノズル91は、バレル4Aの開口部40の鉛直方向上側(+z側)に設けられている。また、シャワーノズル91は、鉛直方向下側(−z側)に向って、すなわち、バレル4Aに向ってめっき液100を放射状に噴射する。
供給流路92は、一端がシャワーノズル91と接続され、他端がめっき液槽10内のめっき液100に浸漬されている。また、ポンプ93の作動により、めっき液槽10内のめっき液100が吸引され、該めっき液100がシャワーノズル91から噴射する。
このようなシャワー機構9Aによれば、めっき液100の液面300に浮いてきたワーク200を、めっき液100中に押し戻すことができる。すなわち、ワーク200が液面300に浮いてきたとしても、ワーク200が液面300に浮きっぱなしになるのを防止することができる。よって、ワーク200の各々に対して良好なめっき処理をより確実に施すことができる。
また、シャワーノズル91にめっき液槽10内のめっき液100を供給する構成であるため、新たなめっき液100を供給する構成に比べて、バレル4A内のめっき液100の金属イオン濃度が急激に変化するのを防止することができる。よって、ワーク200の各々に対してさらに良好なめっき処理を施すことができる。
さらに、シャワーノズル91にめっき液槽10内のめっき液100を供給する構成であるため、新たにめっき液100をシャワーノズル91に供給する場合に比べ、めっき液槽10内のめっき液100の量が増大するのを防止することができる。よって、めっき液100の液面300の位置を略一定に保つことができる。
なお、シャワーノズル91は、傾斜した状態のバレル4の中心軸O方向に移動可能に構成されていてもよく、傾斜した状態のバレル4の径方向に移動可能に構成されていてもよい。
また、シャワーノズル91は、開口部40に向って、斜め(例えば、中心軸O方向)にめっき液100を噴射する構成であってもよい。この場合、めっき液100の液面300に浮いてきたワーク200を、めっき液100中により効果的に押し戻すことができる。
また、シャワーノズル91は、めっき液100の液面300に対して上下動可能であってもよく、水平方向に移動可能に構成されていてもよい。
また、本実施形態では、シャワーノズル91が、上方からめっき液100の液面300に向って、すなわち、下方に向ってめっき液100を噴射する構成であったが、本発明ではこれに限定されず、例えば、傾斜した状態のバレル4の中心軸O方向に向ってめっき液100を噴射する構成であってもよく、傾斜した状態のバレル4の径方向にめっき液100を噴射する構成であってもよい。
また、シャワーノズル91は、棒状をなしていてもよい。この場合、シャワーノズル91において、めっき液100を噴射する噴射口の形成位置は、シャワーノズル91の周方向の全域に形成されているのが好ましい。
これにより、シャワーノズル91をバレル4内に挿入してめっき液100を噴射することができ、バレル4の内側に貼り付いたワーク200に対してめっき液100を噴射することができる。よって、ワーク200がバレル4内に貼り付くのを防止することができる。
また、シャワーノズル91が、棒状をなしている場合、その軸方向に回転可能に構成されていてもよい。
また、シャワーノズル91をバレル4の周方向外側に配置して、メッシュ412を介してバレル4の内側にめっき液100を噴射する構成であってもよい。この場合にも、ワーク200がバレル4内に貼り付くのを防止することができる。
また、シャワーノズル91は、その先端部がめっき液100中に浸漬されていてもよい。この場合、シャワーノズル91は、先端部の噴射口から噴射されるめっき液100の水圧が、基端部の噴射口から噴射されるめっき液100の水圧よりも強いのが好ましい。
<第3実施形態>
図13は、本発明のバレルめっき装置(第3実施形態)が備える衝撃付与部を示す図であって、(a)が、側面図、(b)および(c)が、(a)中のE−E線断面図である。
以下、この図を参照して本発明のバレルめっき装置の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、衝撃付与機構の構成が異なること以外は、前記第2実施形態と略同様である。
図13(a)に示すように、バレルめっき装置1Bでは、衝撃付与機構8Bは、シャフト54ごと変位させてバレル4Aに(図示せず)に振動を付与するものである。
この衝撃付与機構8Bは、支持台36上に設けられた台座86を有している。
台座86は、その上面が平面で構成されており、シャフト54に設けられたフランジ部84と接触している。
このような本実施形態では、シャフト54の回転に伴って、フランジ部84が回転する。この回転の際、フランジ部84の外周部が台座86に押しつけられながら摺動する。
図13(b)に示す状態では、半円弧部840Aが台座86上を摺動している。また、この摺動に伴い、図13中二点鎖線で示すように、シャフト54は、筐体21Aごと持ち上げられる、すなわち、鉛直方向上方に変位する。
そして、台座86と接触している部分が半円弧部840Aから半円弧部840Bに移行したとき、段差部841の高さ分、半円弧部840Bが台座86に打ち付けられる。これにより、フランジ部84に衝撃が付与され、この衝撃がシャフト54を介してバレル4A(図示せず)に伝達される。
これにより、バレル4A内のワーク200の相対な位置関係を変動させることができ、バレル4A内のワーク200同士が密着したままとなるのを防止することができる。よって、ワーク200同士が密着したまま、該密着した部分に対してめっき処理が不十分となるのを防止することができる。その結果、ワーク200の各々に対して良好なめっき処理を施すことができる。
このように、本実施形態では、シャフト54ごと持ち上げて(変位させて)、その後、落下させてバレル4Aに衝撃を付与する構成であるため、比較的強い振動をバレル4Aに付与することができる。
また、衝撃付与機構8Bでは、衝突部83を省略し、台座86を設けるという簡単な構成により、バレル4Aに衝撃を付与することができる。
<第4実施形態>
図14は、本発明のバレルめっき装置(第4実施形態)が備える衝撃付与部を示す図である。
以下、この図を参照して本発明のバレルめっき装置の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、衝撃付与機構の構成が異なること以外は、前記第2実施形態と略同様である。
図14(a)および(b)に示すように、バレルめっき装置1Cでは、衝撃付与機構8Cは、装置本体2Aごと変位させてバレル4A(図示せず)に振動を付与するものである。
この衝撃付与機構8Cは、回転子87と、回転子87の回転により変位する変位部88と、を有している。
回転子87は、めっき液槽10の側壁103の外側、すなわち、−x側に設けられている。また、回転子87は、図示しないモーターにより軸O’回りに回転する。
本実施形態では、回転子87は、x方向から見て時計回りに回転する。回転子87は、一対の突起871を有している。
なお、回転子87を回転させるモーターは、側壁103に内蔵されていてもよく、側壁103と回転子87との間に設けられていてもよく、回転子87よりも外側、すなわち、−x側に設けられていてもよい。
各突起871は、軸O’を介して互いに反対方向に突出形成されている。また、突起871は、回転方向前方側に向って湾曲した湾曲面872を有している。この湾曲面872は、カム面として機能する。
変位部88は、装置本体2Aを支持する支持台881と、支持台881の背面(−x側の面)に設けられた一対のスライド部材882と、支持台881の背面に設けられたフォロアー棒883と、一方のスライド部材882に設けられた衝突棒884と、を有している。
支持台881は、y方向に延在している。スライド部材882は、支持台881の背面のうち、+y側の端部と−y側の端部とに設けられている。また、各スライド部材882は、貫通孔885を有し、各貫通孔885には、地面400から立設する一対のスライド棒887がそれぞれ挿通されている。
これにより、スライド部材882は、スライド棒887に対してスライドしつつ−z方向に変位可能に構成されている。
フォロアー棒883は、支持台881の背面(−x側の面)で、かつ、各スライド部材882の間に設けられている。フォロアー棒883の下端部は、回転子87と接触可能な位置に位置している。
衝突棒884は、その下端部が、地面400上に設けられた台座888と衝突可能に構成されている。また、衝突棒884の下端部は、フォロアー棒883の下端部よりも下側に位置している。
図14(a)に示すように、回転子87が回転する際、フォロアー棒883は、湾曲面872上を摺動しつつ、上方に変位する。この変位の際、スライド部材882がスライド棒887をスライドして、変位部88および装置本体2Aごと上方に変位する。
そして、図14(a)に示す状態からさらに回転子87が回転すると、フォロアー棒883は、変位部88および装置本体2Aごと落下する。このとき、衝突棒884が台座888に打ち付けられて、変位部88および装置本体2Aに衝撃が付与される(図14(b)参照)。
これにより、衝撃が装置本体2Aを介してバレル4Aに伝達され、バレル4A内のワーク200同士が密着したままとなるのを防止することができる。よって、ワーク200同士が密着したまま、該密着した部分に対してめっき処理が不十分となるのを防止することができる。その結果、ワーク200の各々に対して良好なめっき処理を施すことができる。
このように、本実施形態では、装置本体2Aごと持ち上げて落下させてバレル4Aに衝撃を付与する構成であるため、比較的強い振動をバレル4Aに付与することができる。
<第5実施形態>
図15は、本発明のバレルめっき装置(第5実施形態)が備えるバレルの底部をバレルの外側から見た図である。図16は、図15に示すスクリューを示す斜視図である。
以下、これらの図を参照して本発明のバレルめっき装置の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、バレルの構成が異なること以外は、前記第2実施形態と略同様である。
図15に示すように、バレルめっき装置1Dのバレル4Dは、底部44に窓部441を有しており、該窓部441には、メッシュ442が設けられている。このメッシュ442は、底部44の略全域に設けられており、第1実施形態で説明したメッシュ412と同様の構成とすることができる。
また、底部44の外側には、スクリュー45(撹拌部)が設けられている。スクリュー45は、バレル4Dの外側のめっき液100を撹拌して液流を生じさせる機能を有するものである。
スクリュー45は、底部44の中央部に固定されたキャップ46と、キャップ46に設けられた複数(本実施形態では、3枚)の羽根47と、を有している。各羽根47は、当角度間隔に配置されており、羽根元から羽根先にかけて同方向に捻じれている。
スクリュー45は、バレル4Dの回転に伴ってバレル4Dとともに回転する。この回転により、めっき液槽10では、バレル4Dの外側から底部44に向うめっき液100の液流が生じる(図16参照)。
この液流により、メッシュ442を介して、バレル4D内に、底部44からめっき液100が流入する。よって、バレル4D内のめっき液100の金属イオン濃度を可及的に一定に保つことができ、ワーク200により確実に良好なめっき処理を施すことができる。
さらに、メッシュ442の内側にワーク200が貼り付いたとしても、バレル4の内側(バレル4の内側の隅部)に落としやすくすることができる。よって、メッシュ442の内側に貼り付いたワーク200を、陰極72(図示せず)に接触させることができる。したがって、より効果的にめっき処理を良好に行うことができる。
なお、バレル4D(スクリュー45)は、図示の構成と反対方向に回転する構成であってもよい。この場合、めっき液槽10では、バレル4Dの内側から外側に向うめっき液100の液流が生じる。この液流により、バレル4D内のめっき液100をバレル4Dの外側に排出することができるとともに、メッシュ442以外の部位(メッシュ412または液面300の位置によっては、開口部40)から新たなめっき液100を供給することができる。
さらに、バレル4Dの内側から外側に向うめっき液100の液流によって、各ワーク200を底部44側に引き付けることができ、ワーク200が開口部40から外側に排出してしまうのをより確実に防止することができる。
また、バレル4Dとスクリュー45とが、互いに独立して回転する構成であってもよい。この場合、バレル4Dとスクリュー45との回転方向は、同じであってもよく異なっていてもよい。また、バレル4Dとスクリュー45との回転速度は、同じであってもよく異なっていてもよい。
バレル4Dとスクリュー45とが、互いに独立して回転する構成である場合、例えば、スクリュー45に図示しない回転駆動源が内蔵さていたり、スクリュー45に、図示しないシャフトを介して回転駆動源が接続されているのが好ましい。
<第6実施形態>
図17は、本発明のバレルめっき装置(第6実施形態)が備えるバレルを開口部側から見た図である。
以下、これらの図を参照して本発明のバレルめっき装置の第6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、バレルの構成が異なること以外は、前記第1実施形態と略同様である。
図17に示すように、バレルめっき装置1Eでは、バレル4Eは、外周部に設けられた複数(本実施形態では、6枚)の羽根47(撹拌部)を有している。各羽根47は、バレル4Eの角部に設けられており、外側に向って突出形成されている。
また、羽根47は、回転方向の反対側、すなわち、回転方向後方に向って湾曲した形状をなしている。これにより、バレル4Eが回転した際、羽根47がめっき液100を撹拌し、めっき液100が外側からバレル4Eに向う液流が生じる。
この液流により、メッシュ412を介して、バレル4E内にめっき液100が流入する。よって、バレル4E内のめっき液100の金属イオン濃度を可及的に一定に保つことができ、ワーク200により確実に良好なめっき処理を施すことができる。
さらに、メッシュ412の内側にワーク200が貼り付いたとしても、バレル4の内側に落としやすくすることができる。よって、メッシュ412の内側に貼り付いたワーク200を、陰極72(図示せず)に接触させることができる。したがって、より効果的にめっき処理を良好に行うことができる。
以上、本発明のバレルめっき装置およびめっき方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、バレルめっき装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明のバレルめっき装置は、前記各実施形態のうちの、任意の2つ以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、前記第1実施形態では、振動体が、支持部の支持板に設けられていたが、本発明ではこれに限定されず、装置本体やバレル等、任意の位置に配置することができる。
また、前記各実施形態では、バレルが六角筒の場合について説明したが、本発明ではこれに限定されず、例えば、三角筒、四角筒、五角筒または七角筒以上の多角筒であってもよい。
また、前記各実施形態では、バレルの開口部の全部がめっき液の液面よりも上側に位置し、露出している構成であったが、本発明ではこれに限定されず、開口部の一部が液面よりも下方に位置していても本発明の効果を奏することができる。
開口部の一部が液面よりも下方に位置している場合には、開口部の内側に返し(リング状のフランジ部)等が設けられていてもよい。これにより、バレル内のワークが液面に浮いてきたとしても、浮いてきたワークがバレルの外側に出るのを防止することができる。
また、返しは、網状体で構成されていてもよい。
また、前記各実施形態では、陰極は、一本の長尺体で構成されていたが、本発明ではこれに限定されず、例えば、先端部が複数に分岐した形状であってもよい。この場合、各ワークと陰極と、をさらに確実に接触し易くすることができる。
また、前記実施形態では、装置本体にギアが設けられている構成であったが、本発明ではこれに限定されず、バレルにギアが設けられている構成であってもよい。
また、前記各実施形態において、網状体の目開きの大きさが開口部側から底部側まで同じ場合について説明したが、本発明ではこれに限定されず、例えば、開口部側から底部側に向って目開きの大きさが大きくなっていてもよく、逆に小さくなっていてもよい。
また、めっき液槽内には、バレルとは別途に、めっき液を撹拌する撹拌部が設けられていてもよい。これにより、バレルの外側のめっき液が撹拌されて液流が生じる。この液流により、バレルの外側のめっき液が網状体を介して内側にさらに流入し易くなる。
また、めっき液槽内には、めっき液の温度を調節する温度調節部が設けられていてもよい。
また、前記各実施形態では、電気めっきを行う場合について中心的に説明したが、本発明は、無電解めっきに適用されるものであってもよい。
1、1A、1B、1C、1D、1E バレルめっき装置
2、2A 装置本体
21 底板
21A 筐体
211 上面
212 下面
22 天板
221 上面
23 連結棒
24 ギア
240 軸
25 ギア
250 軸
251 円筒部
252 突出片
3、3A 支持体
31a 第1板材
31b 第1板材
32a 第2板材
32b 第2板材
33 支持板
34 固定部材
35 ベース
36 支持台
4、4A、4D、4E バレル
40 開口部
401 貫通孔
41 バレル本体
411 窓部
412 メッシュ
42 円板状部
43 円筒部
431 突出片
44 底部
441 窓部
442 メッシュ
45 スクリュー
46 キャップ
47 羽根
5、5A 回転駆動源
51 筐体
52 モーター
53 ギア
54 シャフト
55 固定部材
551 貫通孔
56 連結部材
57 ピン
571 挿入部
572 フック
573 連結部
6 姿勢保持機構
61 固定板
611 切欠き
62 固定板
621 切欠き
71 陽極
72 陰極
721 支持棒
722 先端部
723 貫通孔
8、8A、8B、8C 衝撃付与機構
81 振動体
82 弾性体
83 衝突部
831 筒状体
832 バネ
833 衝突ヘッド
84 フランジ部
840A 半円弧部
840B 半円弧部
841 段差部
85 固定部材
86 台座
87 回転子
871 突起
872 湾曲面
88 変位部
881 支持台
882 スライド部材
883 フォロアー棒
884 衝突棒
885 貫通孔
887 スライド棒
888 台座
9A シャワー機構
91 シャワーノズル
92 供給流路
93 ポンプ
10 めっき液槽
100 めっき液
101 側壁
102 側壁
103 側壁
104 側壁
200 ワーク
200’ プローブピン
201 本体部
202 接触端子
203 バネ
300 液面
400 地面
500 電子部品
501 端子
600 検査装置
601 載置部
602 貫通孔
603 検査基板
O 中心軸
O' 軸
θ 傾斜角度
(1)
両端が開口した円筒状の本体部と、前記本体部の各開口に挿入された一対の接触端子とを有し、全長が0.1mm以上、20mm以下であり、最大外径が、0.05mm以上、5mm以下であるワークをめっき液に含浸してめっき処理を施し、電子部品検査装置に用いられるプローブピンを製造するバレルめっき装置であって、
前記めっき液の25℃における粘度は、0.5mPa・s以上、2.0mPa・s以下であり、
目開きの幅が0.02mm以上、0.3mm以下である網状体で構成された部分を有し、一端側に開口部を有する有底筒状をなし、前記ワークを収納するバレルと、
前記バレルを回転させる回転駆動源と、を備え、
前記バレルは、前記開口部の全部が前記液面から露出し、かつ、前記液面に対して傾斜した状態で前記めっき液に浸漬して用いられることを特徴とするバレルめっき装置。

前記網状体の構成材料は、25℃における水との接触角が35°以下である上記(1)ないし()のいずれかに記載のバレルめっき装置。

前記回転駆動源を内蔵する装置本体を有し、
前記バレルは、前記装置本体に対して着脱可能である上記(1)ないし()のいずれかに記載のバレルめっき装置。

前記バレルに衝撃を付与する衝撃付与機構を有する上記(1)ないし()のいずれかに記載のバレルめっき装置。

前記衝撃付与機構は、振動体である上記()に記載のバレルめっき装置。

前記回転駆動源を内蔵する装置本体を有し、
前記衝撃付与機構は、前記装置本体に衝突することにより衝撃を付与する衝突部を有する上記()または()に記載のバレルめっき装置。
これにより、バレル内のワークを揺することができ、ワーク同士が密着したままとなるのを防止することができる。よって、ワーク同士が密着したまま、該密着した部分に対してめっき処理が不十分となるのを防止することができる。
(10)
前記めっき液が貯留された貯留部に設置して用いられるものであり、
前記回転駆動源を内蔵する装置本体を有し、
前記衝撃付与機構は、前記装置本体を前記貯留部に対して変位させることにより前記バレルに衝撃を付与する上記(7)ないし(9)のいずれかに記載のバレルめっき装置。
(11)
前記めっき液が貯留された貯留部に設置して用いられるものであり、
前記めっき液の前記液面に対する前記バレルの傾斜角度を調節する傾斜角度調節手段を有する上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のバレルめっき装置。
(12)
目開きの幅が0.02mm以上、0.3mm以下である網状体で構成された部分を有し、一端側に開口部を有する有底筒状をなし、ワークを収納するバレルと、前記バレルを回転させる回転駆動源と、を備えるバレルめっき装置を用いて、前記ワークをめっき液に含浸してめっき処理を施し、電子部品検査装置に用いられるプローブピンを製造するめっき方法であって、
前記ワークは、両端が開口した円筒状の本体部と、前記本体部の各開口に挿入された一対の接触端子とを有し、全長が0.1mm以上、20mm以下であり、最大外径が、0.05mm以上、5mm以下であり、
前記めっき液は、25℃における粘度が0.5mPa・s以上、2.0mPa・s以下であり、
前記ワークを収納した前記バレルを、前記開口部の全部が前記めっき液の液面から露出し、かつ、前記液面に対して傾斜した状態で前記めっき液に浸漬するとともに、前記バレルを回転させるめっき工程を有することを特徴とするめっき方法。

Claims (12)

  1. 電子部品検査装置に用いられるプローブピンを製造するバレルめっき装置であって、
    網状体で構成された部分を有し、一端側に開口部を有する有底筒状をなし、ワークを収納するバレルと、
    前記バレルを回転させる回転駆動源と、を備え、
    前記バレルは、めっき液の液面に対して傾斜した状態で前記めっき液に浸漬して用いられることを特徴とするバレルめっき装置。
  2. 前記バレル内に挿入される長尺な陰極を有し、
    前記陰極の先端部は、丸みを帯びている請求項1に記載のバレルめっき装置。
  3. 前記陰極の外径は、1mm以上、20mm以下である請求項2に記載のバレルめっき装置。
  4. 前記陰極の外径は、前記ワークの外径に対して110%以上、30000%以下である請求項3に記載のバレルめっき装置。
  5. 前記網状体の目開きの幅は、0.02mm以上、0.3mm以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のバレルめっき装置。
  6. 前記網状体の構成材料は、25℃における水との接触角が35°以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のバレルめっき装置。
  7. 前記回転駆動源を内蔵する装置本体を有し、
    前記バレルは、前記装置本体に対して着脱可能である請求項1ないし6のいずれか1項に記載のバレルめっき装置。
  8. 前記バレルは、前記開口部の少なくとも一部が前記液面から露出するように前記めっき液に浸漬される請求項1ないし7のいずれか1項に記載のバレルめっき装置。
  9. 前記バレルに衝撃を付与する衝撃付与機構を有する請求項1ないし8のいずれか1項に記載のバレルめっき装置。
  10. 前記衝撃付与機構は、振動体である請求項9に記載のバレルめっき装置。
  11. 前記回転駆動源を内蔵する装置本体を有し、
    前記衝撃付与機構は、前記装置本体に衝突することにより衝撃を付与する衝突部を有する請求項9または10に記載のバレルめっき装置。
  12. 網状体で構成された部分を有し、一端側に開口部を有する有底筒状をなし、ワークを収納するバレルと、前記バレルを回転させる回転駆動源と、を備えるバレルめっき装置を用いて、電子部品検査装置に用いられるプローブピンを製造するめっき方法であって、
    前記ワークを収納した前記バレルを、めっき液の液面に対して傾斜した状態で前記めっき液に浸漬するとともに、前記バレルを回転させるめっき工程を有することを特徴とするめっき方法。
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