JP2014070265A - バレルめっき装置およびこのバレルめっき装置を用いた電子部品の製造方法 - Google Patents

バレルめっき装置およびこのバレルめっき装置を用いた電子部品の製造方法 Download PDF

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Naohiro Mikamoto
直弘 三家本
Seiji Tsuda
清二 津田
Taiichi Koyama
泰一 小山
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Abstract

【課題】本発明は、めっき効率の向上を得ることを目的とする。
【解決手段】本発明のバレルめっき装置は、正n角形の底板と、前記底板の外形を形成する前記正n角形のn本の辺のそれぞれと接するn個の側壁と、前記底板および前記側壁により構成される正n角柱の外形であり前記底板および前記側壁からは液体を通過させない容器と、前記容器を前記底板の中心を通り前記底板に垂直で鉛直方向から90度未満に傾けた回転軸で回転させる回転手段と、前記n個の側壁の前記容器の内側にそれぞれに互いに電気的に独立したn個の側壁陰極と、前記n個の側壁陰極への導通を切り替える切替手段と、前記容器の内側の空間に入り込む陽極とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品の端子などにめっきを施すバレルめっき装置、およびそのようなバレルめっき装置を用いて端子などにめっきが施された電子部品の製造方法に関する。
一般に、電子部品の端子には、半田めっきやSnめっきが施されており、チップ形の電子部品の場合には、バレルめっき工法によってめっき層を形成する技術が知られている。バレルめっき工法は、バレルと呼ばれる側壁がメッシュで形成されていたり、側壁に貫通孔を多数設けられている多角柱の容器を用いる。このバレルの内部に電子部品およびメディアとしての導電性の球体であるスチールボールを入れ、このバレルをめっき液に浸漬させる。バレル内の電子部品またはスチールボールと接するように陰極を、バレルの外側のめっき液中に陽極を配置させ、バレルを回転させながら通電することで、陰極からスチールボールを通り、電子部品の端子に負電荷が移動し、めっき液中のSn2+などの正電荷が負電荷に引き寄せられ、これにより電子部品の端子にめっき層が形成される。
このようなバレルめっき工法において、バレルの回転軸を水平から傾け、バレル内の電子部品をより効率的に攪拌してめっき層を均一に形成する方法も知られており、このようなバレルめっき装置は傾斜バレルめっき装置と呼ばれている(特許文献1参照)。
特開2006−274353号公報
スチールボールはめっき液中の陰極と電子部品の端子とを電気的に導通させるために用いているが、より多くの電子部品の端子を陰極と導通させるためには、言い換えると、電子部品の端子が陰極と導通する機会を増加させるためには、スチールボールは沢山ある方がよい。しかし、スチールボールの表面にもめっきが施されてしまうので、スチールボールの数が多いと電子部品の端子ではなくスチールボールに形成されるめっき層の割合が増加し、めっきの効率は低下する。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、めっき効率の向上を得ることを目的とする。
上記目的を達成するための、本発明は以下の手段を有している。
請求項1に記載の発明は、正n角形の底板と、前記底板の外形を形成する前記正n角形のn本の辺のそれぞれと接するn個の側壁と、前記底板および前記側壁により構成される正n角柱の外形であり前記底板および前記側壁からは液体を通過させない容器と、前記容器を前記底板の中心を通り前記底板に垂直で鉛直方向から90度未満に傾けた回転軸で回転させる回転手段と、前記n個の側壁の前記容器の内側にそれぞれに互いに電気的に独立したn個の側壁陰極と、前記n個の側壁陰極への導通を切り替える切替手段と、前記容器の内側の空間に入り込む陽極と、を備えたバレルめっき装置である。
請求項1に記載の発明は、側壁陰極へのめっき層形成を低減させながら、側壁電極の存在により陰極の総面積を増加させることが可能であるので、スチールボールを減らすことが可能となりめっき効率を向上させることができるという作用効果を有する。
請求項2に記載の発明は、特に、前記底板の前記容器の内側の面は、前記底板の中心から前記底板の外形の各点へ引いた仮想線によって分割されるn個の領域を有し、前記底板におけるn個の領域のそれぞれに互いに電気的に独立したn個の底板陰極とをさらに備え、前記底板陰極は前記底板陰極が位置する前記底板における領域の前記辺において接している前記側壁に設けられた前記側壁陰極と電気的に接続されているバレルめっき装置である。
請求項2に記載の発明は、さらに底板陰極も備えるので、さらに陰極の総面積を増加させることが可能となり、一層のスチールボールを減らすことが可能となり、さらにめっき効率を向上させることができるという作用効果を有する。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載のバレルめっき装置においてめっき液が入った前記容器に電子部品を投入する工程と、前記回転手段により前記容器を回転させ、前記陽極にプラス側の電位を印加し、前記切替手段により、前記n個の側壁陰極の中でもっとも露出が少ない側壁陰極にマイナス側の電位を印加させる工程と、前記回転手段により前記容器を停止させ、前記容器から前記電子部品を取り出す工程と、を備えた電子部品の製造方法である。
請求項3に記載の発明においても、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を有する。
請求項4に記載の発明は、請求項2記載のバレルめっき装置において前記容器にめっき液および電子部品を投入する工程と、前記回転手段により前記容器を回転させ、前記陽極にプラス側の電位を印加し、前記切替手段により、前記n個の側壁陰極の中でもっとも露出が少ない側壁陰極および前記側壁陰極と電気的に接続している前記底板陰極にマイナス側の電位を印加させる工程と、前記回転手段により前記容器を停止させ、前記容器から前記電子部品を取り出す工程と、を備えた電子部品の製造方法である。
請求項4に記載の発明においても、請求項2に記載の発明と同様の作用効果を有する。
本発明のバレルめっき装置およびこのバレルめっき装置を用いた電子部品の製造方法はめっき効率を向上させることができるという優れた効果を有するものである。
本発明の一実施の形態におけるバレルめっき装置の断面図 本発明の一実施の形態におけるバレルめっき装置の容器の展開図 本発明の一実施の形態におけるバレルめっき装置の容器の内側における底板の平面図 図1のAA断面図
以下、一実施の形態を用いて、本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態におけるバレルめっき装置の断面図、図2は同バレルめっき装置の容器の展開図、図3は同バレルめっき装置の容器の内側における底板の平面図、図4は図1のAA断面図である。
容器1は、底板2と側壁3とから構成されている。底板2は正n多角形の形状であり、本実施の形態においては正八角形にしている。側壁3は底板2を構成する正八角形の8本のそれぞれの辺に接して側壁3a、側壁3b、側壁3c、側壁3d、側壁3e、側壁3f、側壁3gおよび側壁3hの8個が存在する。本実施の形態において、側壁3と表現した際には、側壁3a〜側壁3hの8個の側壁の総称として用いている。側壁3にはメッシュは設けられておらず、液体が通過することは出来ない。底板2も液体が通過することはできないように構成されている。容器1は上記の構成により、その外形が正八角柱となり、その空間に液体を保持することができる。
陽極4は正電荷を供給する電極であり、容器1の空間に入り込んでいる。吸込ノズル5はめっき液10を容器1から吸い込み、供給ノズル6はめっき液10を容器1へ供給する。吸込ノズル5および供給ノズル6によりめっき液10は循環し、金属イオンの濃度を一定範囲内にすることができる。陽極4および吸込ノズル5の先端はめっき液10中に浸漬している必要があるが、供給ノズル6はその必要はない。陽極4は電子部品11およびスチールボール12とは接しないように配置する必要がある。
回転軸7は底板2の正八角形の中心を通り底板2に垂直な軸であり、回転軸7を中心として容器1は回転をする。回転軸7は鉛直方向ではなく、鉛直方向に対して傾けている。容器1内の電子部品11およびスチールボール12を適度に攪拌してめっき層の形成を均一にするにはこのように回転軸7を傾斜させる方がよい。傾きの角度を大きくするとめっき液10がこぼれてしまうので、最大でも90°未満である。本実施の形態においては45°にしている。シャフト8は円柱状の形状を有し、容器1を支え、このシャフト8の軸線は回転軸7に一致するように構成されている。基台9はシャフト8を回転可能に保持しており、その内部にはシャフト8を回転させる回転手段としてのモータ(図示せず)が内蔵されている。基台9内のモータの駆動力によってシャフト8が回転し、シャフト8の回転と共に容器1も回転する。
めっき液10はめっき層となるSn2+イオンを含んでいる溶液である。電子部品11は端子(図示せず)を有しており、その端子の表面にめっき工法にてめっき層が形成される。本実施の形態においては、Snによるめっき層が形成される。
スチールボール12は導電体からなる球であり、その大きさは、電子部品11の端子に接触する機会が多くなるように電子部品11より小さくしている。
底板2はその中心から外形を規定する8個の点に下ろした仮想線により8つの領域に区分される。具体的には、図3および図4に示すように、領域21a、領域21b、領域21c、領域21d、領域21e、領域21f、領域21gおよび領域21hの8つの領域である。なお、図2、図3および図4において一点鎖線の直線はこれらの8個の領域に区分する境界を示している。領域21a〜領域21hには、それぞれ底板陰極22a〜底板陰極22hが形成されている。これら底板陰極22a〜底板陰極22hは互いに電気的には独立している。
側壁3a〜側壁3hには、それぞれ側壁陰極20a〜側壁陰極20hが形成されている。側壁3aは領域21aと接し、側壁3bは領域21bと接し、側壁3cは領域21cと接し、側壁3dは領域21dと接し、側壁3eは領域21eと接し、側壁3fは領域21fと接し、側壁3gは領域21gと接し、側壁3hは領域21hと接している。さらに、側壁陰極20aは底板陰極22aと電気的に接続し、側壁陰極20bは底板陰極22bと電気的に接続し、側壁陰極20cは底板陰極22cと電気的に接続し、側壁陰極20dは底板陰極22dと電気的に接続し、側壁陰極20eは底板陰極22eと電気的に接続し、側壁陰極20fは底板陰極22fと電気的に接続し、側壁陰極20gは底板陰極22gと電気的に接続し、側壁陰極20hは底板陰極22hと電気的に接続している。
側壁陰極20a〜側壁陰極20hは、それぞれ側壁3a〜側壁3hにおける底板2に接する位置から、回転軸7と平行な方向に複数本の導体が容器1の上部の方向に伸びた形状を有している。陰極全体の面積を増やすためには、複数本の導体でなく、これらを含む平面形状の電極にすればよいが、平面形状の電極にした場合には、渦電流が生じるおそれがあるので本実施の形態においては平面形状の電極にはしていない。勿論、渦電流の発生の防止策や渦電流が発生してもめっきの品質や効率が許容範囲であれば平面形状の電極にしてもよい。実施の形態においては、3本の導体であるが、本数をもっと多くしてもよい。
底板2における容器1の外側の領域21a〜領域21hには、それぞれ接続電極23a〜接続電極23hが形成されている。
接続電極23aは底板陰極22aと電気的に接続し、接続電極23bは底板陰極22bと電気的に接続し、接続電極23cは底板陰極22cと電気的に接続し、接続電極23dは底板陰極22dと電気的に接続し、接続電極23eは底板陰極22eと電気的に接続し、接続電極23fは底板陰極22fと電気的に接続し、接続電極23gは底板陰極22gと電気的に接続し、接続電極23hは底板陰極22hと電気的に接続している。
選択電極24は陰極側の電位を有し、図4において容器1が反時計回りに回転することにより、接続電極23e、接続電極23f、接続電極23g、接続電極23h、接続電極23a、接続電極23b、接続電極23cおよび接続電極23dの順に接していく。これにより、底板陰極22e、底板陰極22f、底板陰極22g、底板陰極22h、底板陰極22a、底板陰極22b、底板陰極22cおよび底板陰極22dの順に通電していく。同様に側壁陰極20e、側壁陰極20f、側壁陰極20g、側壁陰極20h、側壁陰極20a、側壁陰極20b、側壁陰極20cおよび側壁陰極20dの順に通電していく。
このように、通電する陰極を切り替える訳は、側壁陰極20a〜側壁陰極20hおよび底板陰極22a〜底板陰極22hへのめっき層の形成を低減するためである。以下、これについて説明をする。側壁陰極20a〜側壁陰極20hおよび底板陰極22a〜底板陰極22hは露出しており、ここに電子部品11やスチールボール12が接して負電荷を電子部品11の端子に送り出すことで電子部品11の端子にめっき層を形成するのがめっき装置の役割であるが、側壁陰極20a〜側壁陰極20hおよび底板陰極22a〜底板陰極22hの全ての場所が電子部品11やスチールボール12に接するのではなく、直接めっき液10に接する場所、即ち露出している場所も存在してくる。そのような場所においては、その部分にめっき層が形成されることになってしまう。よって、電子部品11やスチールボール12が存在せずめっき液10と接触する場所への通電を遮断することが、側壁陰極20a〜側壁陰極20hおよび底板陰極22a〜底板陰極22hへのめっき層の形成を低減させる方法として有意義である。言い換えると、電子部品11およびスチールボール12により、露出が最も少なくなる側壁陰極20a〜側壁陰極20hおよび底板陰極22a〜底板陰極22hへ通電することである。その為、接続電極23a〜接続電極23hの中で最も鉛直方向で下方に位置する電極が選択電極24と接触するようにしている。接続電極23a〜接続電極23hおよび選択電極24は側壁陰極20a〜側壁陰極20hおよび底板陰極22a〜底板陰極22hへの通電を切り替える切替手段を構成する。電子部品11およびスチールボール12の総体積や容器1の回転軸の傾きによっては、複数の底板陰極22a〜底板陰極22hまたは複数の接続電極23a〜接続電極23hに通電するようにしてもよく、そのような場合には、接続電極23a〜接続電極23hの中の鉛直下方にある2つの電極と接触したり、3つの電極と接触するような構成にすればよい。
なお、容器1の回転速度によっては、側壁陰極20a〜側壁陰極20hの中で最も露出が少なくなる位置が鉛直下方ではなく、そこから回転方向へオフセットする位置となる場合もある。その場合には、それに合わせて選択電極24の位置をずらして、最も露出が少なくなる位置に来る側壁陰極20a〜側壁陰極20hに通電するようにすればよい。
以上の構成による電子部品のめっき装置による電子部品のめっき方法としては、容器1
にめっき液10、電子部品11およびスチールボール12を入れて、容器1を回転軸7により回転させながら、陽極4にプラス側の電位を、側壁陰極20a〜側壁陰極20hの中で最も露出が少なくなる位置の陰極にマイナス側の電位を印加させてめっきを行なえばよい。勿論、めっき層が形成された後は、容器1から電子部品を取り出せばよい。
本実施の形態において、めっき液10の循環は、吸込ノズル5および供給ノズル6によって行なわれる。めっき液10は、めっき層となる金属イオンを含んだ水溶液であるが、めっきがなされるにしたがって、金属イオンの濃度が低下してしまう。そのため、めっき液10の金属イオンの濃度が低下しないようにする必要がある。従来のように電子部品11が入っているバレル内の濃度を一定範囲内にするためにバレルの側壁をメッシュにしてバレルごとめっき槽に浸漬させる方法は、電子部品11が小型になると困難になる。即ち、電子部品11にめっきを施す場合、バレルの側壁のメッシュから電子部品11およびスチールボール12が通過してしまうことを防止するため、メッシュの目をこれらより細かくする必要がある。しかし、メッシュの目を細かくした場合、めっき液の粘性や表面張力などの影響により、めっき液10がメッシュを通過する際の抵抗が大きくなり、バレル内のめっき液10とバレル外のめっき液の循環が不十分になり、めっき液中の金属イオンの濃度低下を招くおそれがある。特に、電子機器の小型化の流れの中、電子部品の一種類である抵抗器は、0603(縦0.6mm、横0.3mmのサイズ)や、0402(縦0.4mm、横0.2mmのサイズ)の外形形状のチップ型抵抗器が開発されているが、さらに小型の03015(縦0.3mm、横0.15mmのサイズ)や或いはそれ以下のチップ型抵抗器の出現も期待されている状況下、めっき液10がメッシュを通過する際の抵抗は益々大きくなり、メッシュを通じた循環はより困難になってくる。本実施の形態においては、メッシュを通過させる構成ではないので、その点で小型の電子部品への適用が有意義である。なお、吸込ノズル5の先端には電子部品11やスチールボール12の吸い込み防止のためメッシュやフィルターを取り付けてもよい。吸込ノズル5は真空或いは低圧の空気で吸い込むため、このメッシュやフィルターによる通過抵抗は問題とならない。
また、電子部品11が非常に小型になりめっき層を形成する面積が非常に小さくなる場合には、めっきを施すことによるめっき液10中の金属イオンの濃度低下が問題にならない場合も有り得る。そのような場合には、めっき液10を循環させる必要はなく、吸込ノズル5および供給ノズル6は不要となる。
本実施の形態においては、陰極として容器1の内部に側壁陰極20a〜側壁陰極20hおよび底板陰極22a〜底板陰極22hを形成しており、陰極の総面積が大きいのでスチールボール12の数を減らすことができ、スチールボール12に形成されてしまうめっき層を低減することができる。その代わり、側壁陰極20a〜側壁陰極20hおよび底板陰極22a〜底板陰極22hにめっき層が形成されてしまうが、これらの陰極は選択的に通電することにより、陰極へのめっき層の形成を低減させることができるので、総合的にめっき効率を向上させることができる。
また、側壁陰極20a〜側壁陰極20hおよび底板陰極22a〜底板陰極22hにより陰極の面積が増えるので、電子部品11がこれらの陰極と電気的に導通する際に途中に介在するスチールボール12の個数が少なくなる。スチールボール12は導体であるが僅かながらも電圧効果を引き起こす。従って、途中に介在するスチールボール12が少ない電子部品11には高い電圧が印加され、途中に介在するスチールボール12が多い電子部品11には低い電圧が印加されることになり、めっき層の膜厚に違いが出てしまう。本実施の形態は、陰極の面積が広いので、途中に介在するスチールボール12を総じて少なくすることができ、めっき層の膜厚のバラツキを低減させ、より均一な膜厚を施すことができる。
なお、図1のXは側壁3の中で最も電子部品11やスチールボール12が容器1の上方にまで存在している場所における、底板2から側壁3に沿った電子部品11やスチールボール12が位置している上限までの長さである。一方、図2のYは、側壁陰極20a〜側壁陰極20hの高さ、即ち、底板2と接する位置から回転軸7の方向に最も遠いところまでの長さである。本実施の形態においては、めっき液10中の側壁陰極20a〜側壁陰極20hにめっき層が形成されるのを減少させるために、これらの電極が露出する部分を少なくすべく、X≧Yとしている。
本実施の形態においては、側壁陰極20a〜側壁陰極20hのみならず、底板陰極22a〜底板陰極22hの電圧印加も切替えているが、容器1の形状や回転軸7の傾き角度によっては、底板2における容器1の内側の面が、常に電子部品11およびスチールボール12が存在している状態になることもある。そのような場合には、底板陰極22a〜底板陰極22hは側壁陰極20a〜側壁陰極20hとは電気的に接続しない構成にして、めっき中は常に底板陰極22a〜底板陰極22hに印加するようにしてもよい。或いは、底板陰極22a〜底板陰極22hを一つの電極にしてめっき中は常時印加するようにしてもよい。
本実施の形態において、容器1は正八角柱であり、底板2は正八角形であるが、これに限られず、それぞれ正n角柱および正n角形(但し、n≧3)とすることができる。nが小さくなると容器1の回転に伴う電子部品11およびスチールボール12の滑らかな移動が損なわれ、電子部品11に衝撃を与える可能性が出てくる。一方、nが大きくなると電子部品11およびスチールボール12の移動は滑らかになるが、側壁3およびこれに形成する陰極の数が多くなるので、切替手段による導通の切替が多くなり、装置が複雑になる。以上の点から、nは6〜8程度が好ましい。
本実施の形態におけるめっき装置でめっき層を形成する電子部品としては、チップ抵抗器やチップインダクタなどが挙げられるが、これ以外の電子部品への適用も可能である。
本発明に係るバレルめっき装置およびこのバレルめっき装置を用いた電子部品の製造方法は、電子機器などに使用される電子部品のめっきに使用され有用である。
1 容器
2 底板
3 側壁
3a 側壁
3b 側壁
3c 側壁
3d 側壁
3e 側壁
3f 側壁
3g 側壁
3h 側壁
4 陽極
5 吸込ノズル
6 供給ノズル
7 回転軸
8 シャフト
9 基台
10 めっき液
11 電子部品
12 スチールボール
20a 側壁陰極
20b 側壁陰極
20c 側壁陰極
20d 側壁陰極
20e 側壁陰極
20f 側壁陰極
20g 側壁陰極
20h 側壁陰極
21a 領域
21b 領域
21c 領域
21d 領域
21e 領域
21f 領域
21g 領域
21h 領域
22a 底板陰極
22b 底板陰極
22c 底板陰極
22d 底板陰極
22e 底板陰極
22f 底板陰極
22g 底板陰極
22h 底板陰極
23a 接続電極
23b 接続電極
23c 接続電極
23d 接続電極
23e 接続電極
23f 接続電極
23g 接続電極
23h 接続電極
24 選択電極

Claims (4)

  1. 正n角形の底板と、
    前記底板の外形を形成する前記正n角形のn本の辺のそれぞれと接するn個の側壁と、
    前記底板および前記側壁により構成される正n角柱の外形であり前記底板および前記側壁からは液体を通過させない容器と、
    前記容器を前記底板の中心を通り前記底板に垂直で鉛直方向から90度未満に傾けた回転軸で回転させる回転手段と、
    前記n個の側壁の前記容器の内側にそれぞれに互いに電気的に独立したn個の側壁陰極と、
    前記n個の側壁陰極への導通を切り替える切替手段と、
    前記容器の内側の空間に入り込む陽極と、
    を備えたバレルめっき装置。
  2. 前記底板の前記容器の内側の面は、前記底板の中心から前記底板の外形の各点へ引いた仮想線によって分割されるn個の領域を有し、
    前記底板におけるn個の領域のそれぞれに互いに電気的に独立したn個の底板陰極とをさらに備え、
    前記底板陰極は前記底板陰極が位置する前記底板における領域の前記辺において接している前記側壁に設けられた前記側壁陰極と電気的に接続されている、
    請求項1記載のバレルめっき装置。
  3. 請求項1記載のバレルめっき装置においてめっき液が入った前記容器に電子部品を投入する工程と、
    前記回転手段により前記容器を回転させ、前記陽極にプラス側の電位を印加し、前記切替手段により、前記n個の側壁陰極の中でもっとも露出が少ない側壁陰極にマイナス側の電位を印加させる工程と、
    前記回転手段により前記容器を停止させ、前記容器から前記電子部品を取り出す工程と、
    を備えた電子部品の製造方法。
  4. 請求項2記載のバレルめっき装置において前記容器にめっき液および電子部品を投入する工程と、
    前記回転手段により前記容器を回転させ、前記陽極にプラス側の電位を印加し、前記切替手段により、前記n個の側壁陰極の中でもっとも露出が少ない側壁陰極および前記側壁陰極と電気的に接続している前記底板陰極にマイナス側の電位を印加させる工程と、
    前記回転手段により前記容器を停止させ、前記容器から前記電子部品を取り出す工程と、を備えた電子部品の製造方法。
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