JP7234983B2 - めっき装置及びめっき方法 - Google Patents

めっき装置及びめっき方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7234983B2
JP7234983B2 JP2020049606A JP2020049606A JP7234983B2 JP 7234983 B2 JP7234983 B2 JP 7234983B2 JP 2020049606 A JP2020049606 A JP 2020049606A JP 2020049606 A JP2020049606 A JP 2020049606A JP 7234983 B2 JP7234983 B2 JP 7234983B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating solution
plating
plated
liquid
bath
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020049606A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021147675A (ja
Inventor
泰明 海沼
光典 井上
弘樹 本間
雅章 水白
敦信 岡▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2020049606A priority Critical patent/JP7234983B2/ja
Publication of JP2021147675A publication Critical patent/JP2021147675A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7234983B2 publication Critical patent/JP7234983B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、めっき装置及びめっき方法に関する。
積層セラミックコンデンサ等のチップ型電子部品にめっき処理を行う装置として、様々なめっき装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、処理液が充填される処理液槽と、処理液槽内に回転可能に配置されるバレル容器と、バレル容器内の浮上ワークに対して上方から気体を噴射する気体噴射手段とを備えたバレル装置が開示されている。特許文献1には、処理液としてめっき液を用いることにより、バレルめっきを行うことが記載されている。
特開2009-167456号公報
めっき装置を用いてめっき処理を行う際、めっき液とともにめっき液槽に収容された被めっき物が、めっき液中に沈まずにめっき液の液面に浮いてしまうことがある。このようにめっき液の液面に浮いている被めっき物に対しては、めっき処理が充分に行われない。
これに対して、特許文献1に記載のバレル装置は、バレル容器内の浮上ワークに対して上方から気体を噴射する気体噴射手段を備えており、作業の煩雑化を伴うことなくワークの浮上状態を解消できる、とされている。しかしながら、特許文献1に記載のバレル装置では、浮上ワークが小型であると、気体が噴射されることにより弾き飛ばされやすくなるため、ワークをめっき液中に沈めにくくなる。
また、特許文献1にも記載されているように、浮上ワークに対して液体を噴射することも考えられるが、めっき液を泡立てることになるため、浮上ワークをめっき液中に沈めることができても、ワークに形成されるめっき層の品質がめっき液の泡立ちによって低下するおそれがある。
本発明の課題は、被めっき物のめっき液の液面での浮上状態を解消しつつ、高品質のめっき層を被めっき物に形成可能なめっき装置及びめっき方法を提供することである。
本発明のめっき装置は、底部と、上記底部に接合され、上記底部の上方に向かって延在した側壁部とを有し、上記底部に対向する位置に開口が設けられた筒状のめっき液槽と、上記めっき液槽の上記底部を貫通する軸を回転軸として、上記めっき液槽を回転させる駆動部と、上記めっき液槽の上記開口に挿入され、上記めっき液槽の上記回転軸上に設けられる棒状の陽極と、上記めっき液槽の上記側壁部の少なくとも内面を構成するように設けられた略環状の陰極と、上記めっき液槽の上記開口から内部に向かって液体を霧状に噴射する噴霧部と、を備える、ことを特徴とする。
本発明のめっき方法は、第1の態様において、底部と、上記底部に接合され、上記底部の上方に向かって延在した側壁部とを有し、上記底部に対向する位置に開口が設けられた筒状のめっき液槽に、被めっき物及びめっき液を入れる、収容工程と、上記めっき液槽の上記開口に挿入され、上記めっき液槽の上記回転軸上に設けられた棒状の陽極と、上記めっき液槽の上記側壁部の少なくとも内面を構成するように設けられた略環状の陰極とを、上記めっき液に浸漬した状態で、上記めっき液槽の上記底部を貫通する軸を回転軸として上記めっき液槽を回転させつつ、上記陽極と上記陰極との間に通電することにより、上記被めっき物にめっき処理を行う、めっき処理工程と、を備え、上記収容工程及び上記めっき処理工程の少なくとも一方で、上記めっき液槽の上記開口から上記めっき液の液面に向かって液体を霧状に噴射する、噴霧処理を行う、ことを特徴とする。
本発明のめっき方法は、第2の態様において、第1主面を有する底部と、開口が設けられるように、上記底部に接合され、上記底部から上記第1主面の法線方向に突出するように延在した略環状の側壁部とを有するめっき液槽に、被めっき物及びめっき液を入れる、収容工程と、上記めっき液槽の上記開口に挿入され、上記第1主面を平面視したときに上記めっき液槽の上記底部の中央に位置する棒状の陽極と、上記めっき液槽の上記側壁部の少なくとも内面を構成するように設けられた略環状の陰極とを、上記めっき液に浸漬した状態で、上記陰極を上記陽極の周りに回転させつつ、上記陽極と上記陰極との間に存在する上記めっき液に通電することにより、上記被めっき物にめっき処理を行う、めっき処理工程と、を備え、上記収容工程及び上記めっき処理工程の少なくとも一方で、上記めっき液の液面に浮いている上記被めっき物の露出面に複数の霧粒子が付着するように、上記めっき液の液面に向かって液体を霧状に噴射する、噴霧処理を行う、ことを特徴とする。
本発明によれば、被めっき物のめっき液の液面での浮上状態を解消しつつ、高品質のめっき層を被めっき物に形成可能なめっき装置及びめっき方法を提供できる。
図1は、本発明のめっき装置の一例を示す断面模式図である。 図2は、被めっき物がめっき液の液面に浮いている様子を示す模式図である。 図3は、めっき液の液面に浮いている被めっき物に対して噴霧処理を行っている様子を示す模式図である。 図4は、めっき液の液面に浮いている被めっき物に対して噴霧処理を行うことにより、被めっき物の露出面に霧状に噴射された液体の膜が濡れ広がる様子を示す模式図である。 図5は、図3及び図4に示した噴霧処理により、被めっき物がめっき液中に沈んでいく様子を示す模式図である。
以下、本発明のめっき装置と本発明のめっき方法とについて説明する。なお、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更されてもよい。また、以下において記載する個々の好ましい構成を複数組み合わせたものもまた本発明である。
[めっき装置]
本発明のめっき装置の一例について、以下に説明する。図1は、本発明のめっき装置の一例を示す断面模式図である。
図1に示すように、めっき装置1は、めっき液槽10と、駆動部20と、陽極30と、陰極40と、噴霧部50と、を有している。なお、図1は、めっき装置1の使用状態を示しており、より具体的には、めっき液槽10に被めっき物2及びめっき液3が収容された状態を示している。
めっき液槽10は、被めっき物2及びめっき液3を収容するためのものである。めっき液槽10は、底部11と側壁部12とを有している。めっき液槽10の側面を構成する側壁部12は、底部11、ここでは、底部11の第1主面(上面)の外周端に接合され、底部11の上方に向かって突出するように延在している。なお、図1中の上下方向は、めっき液槽10の底部11の第1主面の法線方向に対応している。めっき液槽10、ここでは、めっき液槽10の上部を構成する蓋部14には、底部11に対向する位置に開口13が設けられている。また、めっき液槽10の側壁部12は、開口13が設けられるように、底部11に接合され、底部11から第1主面の法線方向に突出するように延在している、とも言える。めっき液槽10は、このような構成を有する筒状であるが、円筒状であってもよいし、楕円筒状であってもよいし、多角筒状であってもよい。なお、めっき液槽10は、後述する回転軸Rから略均一の距離を離して設けられた側壁部12を有する円筒状であることが好ましい。ここで、めっき液槽10が筒状であることから、開口13は略環状であるが、円環状であってもよいし、楕円環状であってもよいし、多角環状であってもよい。
駆動部20は、めっき液槽10の底部11、ここでは、底部11の中央を貫通する軸を回転軸Rとして、めっき液槽10を回転させるように構成されている。
めっき液槽10の回転軸Rは、めっき液槽10における、底部11の第1主面に平行な断面の中心を通ることが好ましい。例えば、めっき液槽10が円筒状である場合、めっき液槽10の回転軸Rは、底部11の第1主面を平面視したとき、第1主面の中心、ここでは、円の中心を通ることが好ましい。
めっき液槽10の回転軸Rは、めっき液槽10の底部11の第1主面に直交することが好ましいが、底部11の第1主面の法線方向に対して傾斜していてもよい。
駆動部20は、めっき液槽10を様々な態様で回転させることができる。例えば、駆動部20は、めっき液槽10を、回転速度を変えながら一方向に回転させてもよい。あるいは、駆動部20は、めっき液槽10を、回転方向を変えながら回転させてもよい。すなわち、駆動部20は、めっき液槽10を、回転方向を反転させながら回転させてもよい。また、駆動部20は、めっき液槽10を、回転動作状態と回転停止状態とが繰り返されるように間欠的に回転させてもよい。このように、回転速度、回転方向、回転動作状態、回転停止状態等を制御することにより、めっき液槽10内の被めっき物2がめっき液3中で撹拌される。
陽極30は、棒状であり、めっき液槽10の開口13に挿入され、めっき液槽10の回転軸R上に設けられている。また、陽極30は、めっき液槽10の底部11の第1主面を平面視したときに底部11の中央に位置している。陽極30の下端は、めっき液3の液面よりもめっき液槽10の底部11側に位置するため、めっき処理を行う際に、陽極30の少なくとも一部がめっき液3に浸漬されることになる。一方、陽極30の上端は、陰極40の上端よりもめっき液槽10の開口13側に位置している。なお、めっき装置1では、めっき処理を行う際に、陽極30が回転していないことが好ましい。
陽極30は、めっき液槽10に抜き挿し可能となるように、駆動装置で保持されていてもよい。あるいは、陽極30は、めっき液槽10との相対回転が可能であって、相対位置が固定されていてもよい。
陰極40は、めっき液槽10の側壁部12の少なくとも内面を構成するように設けられている。ここで、めっき液槽10が筒状であることから、陰極40は略環状であるが、円環状であってもよいし、楕円環状であってもよいし、多角環状であってもよい。陰極40は、このように設けられているため、めっき処理を行う際にめっき液3に浸漬されることになる。
めっき装置1は、図示しないが、陽極30及び陰極40に電力を供給する電源を有している。この電源により、めっき処理を行う際に陽極30と陰極40との間に存在するめっき液3に通電することができる。
図1に示すように、めっき液槽10の側壁部12は、陰極40に加えて、被めっき物2を通さないがめっき液3を通す略環状の液抜き部60で構成されていてもよい。この場合、図1に示すように、めっき液槽10を内包する容器70が設けられていると、図1中の矢印で示すように、液抜き部60からめっき液槽10の外部に抜き出されためっき液3は、容器70により受けられた後、循環路80を経て、めっき液槽10の開口13からめっき液槽10内に循環される。
液抜き部60は、例えば、複数の貫通孔が設けられた部材で構成され、具体的には、メッシュ部材で構成されていてもよいし、多孔質部材で構成されていてもよい。
噴霧部50は、めっき液槽10の開口13から内部に向かって液体を霧状に噴射する。より具体的には、噴霧部50は、霧粒子51を噴射するように構成されている。一部の被めっき物2がめっき液3中に沈まずに液面に浮いている場合、噴霧部50から噴射される霧粒子51は、めっき液3の液面に浮いている被めっき物2に当たることになる。
噴霧部50から噴射された液体、ここでは、霧粒子51は、等価体積を有する球体の直径である球等価直径が0.5mm以下、好ましくは0.3mm以上、0.5mm以下の霧粒子である。
霧粒子51の球等価直径は、例えば、高速度カメラで撮影された画像での霧粒子51の直径を測定することにより定められる。あるいは、霧粒子51の球等価直径は、高速度カメラで撮影された動画から霧粒子51の落下速度を測定し、落下速度と球等価直径との関係式から算出することにより定められる。
噴霧部50は、スプレーノズルで構成されていることが好ましい。液体を微粒化する観点から、スプレーノズルは二流体ノズルであることが好ましい。
スプレーノズルのオリフィス径は、好ましくは1.0μm以下である。このような範囲のオリフィス径を有するスプレーノズルを用いると、上述した球等価直径を有する霧粒子51の噴射を実現しやすくなる。
噴霧部50は、その位置が固定されていてもよいし、移動可能であってもよい。噴霧部50が移動可能であると、めっき液3の液面に浮いている被めっき物2の近くに噴霧部50が移動することにより、被めっき物2に対して霧粒子51を確実に噴射できる。
噴霧部50は、1つのみであってもよいし、複数であってもよい。
めっき装置1は、噴霧部50から霧状に噴射される液体の温度を制御する温度制御部を更に有していてもよい。温度制御部により、噴霧部50から噴射された液体、ここでは、霧粒子51の温度を、めっき液3の温度と異なるように制御できる。なお、温度制御部により、霧粒子51の温度を、めっき液3の温度と同じになるように制御してもよい。
[めっき方法]
本発明のめっき装置による作用効果を説明するため、本発明のめっき方法の一例として、図1に示しためっき装置1を用いるめっき方法を以下に説明する。
<収容工程>
めっき液槽10に、被めっき物2及びめっき液3を入れる。より具体的には、めっき液槽10の開口13から内部に、被めっき物2及びめっき液3を入れる。ここで、陰極40は、めっき液槽10の側壁部12の少なくとも内面を構成するように設けられているため、めっき液3に浸漬されることになる。
被めっき物2としては、特に限定されないが、例えば、積層セラミックコンデンサ等のチップ型電子部品が挙げられる。被めっき物2が積層セラミックコンデンサである場合、その外部電極の表面にめっき処理を行う際にめっき装置1が用いられる。
めっき液3としては、被めっき物2に形成したいめっき層の種類に応じて、公知のめっき液を使用できる。
<めっき処理工程>
まず、陽極30を、めっき液槽10の開口13に挿入することにより、めっき液槽10の回転軸R上に設ける。その結果、陽極30は、陰極40とともにめっき液3に浸漬される。
陽極30をめっき液槽10の開口13に挿入する際、一部をめっき液3に浸漬してもよいが、図1に示すように、全体をめっき液3に浸漬することが好ましい。陽極30の全体をめっき液3に浸漬することにより、陽極30とめっき液3との接触面積、すなわち、陽極30の有効面積が最大となるため、一定以上の品質のめっき層を被めっき物2に確実に形成できる。
上記の説明では、陽極30をめっき液槽10の開口13に挿入する前に、被めっき物2及びめっき液3をめっき液槽10に入れたが、陽極30をめっき液槽10の開口13に挿入した後で、被めっき物2及びめっき液3をめっき液槽10に入れてもよい。
そして、陽極30及び陰極40をめっき液3に浸漬した状態で、駆動部20によりめっき液槽10を回転軸Rで回転させつつ、より具体的には、陰極40を陽極30の周りに回転させつつ、陽極30と陰極40との間に存在するめっき液3に通電することにより、被めっき物2にめっき処理を行う。この際、めっき液槽10の回転で生じる遠心力により、被めっき物2は、めっき液槽10の側壁部12側に移動し、結果的に、陰極40に接触する。このように被めっき物2が陰極40に接触した状態で、陽極30と陰極40との間に存在するめっき液3に通電すると、陰極40を介して被めっき物2への通電が行われるため、被めっき物2にめっき処理が行われ、めっき層が形成される。
めっき処理を行う際、めっき液槽10を様々な態様で回転させることにより、被めっき物2を撹拌することが好ましい。例えば、回転動作状態と回転停止状態とが繰り返されるようにめっき液槽10を間欠的に回転させることにより、被めっき物2の撹拌と、被めっき物2の陰極40への接触、すなわち、被めっき物2への通電とが繰り返し行われる。その結果、一部の被めっき物2に偏ることなく、すべての被めっき物2に一様にめっき処理が行われる。
上記の説明では、めっき液槽10を回転させ始める前に、陽極30をめっき液槽10の開口13に挿入したが、めっき液槽10を回転させ始めた後に、陽極30をめっき液槽10の開口13に挿入してもよい。
収容工程及びめっき処理工程の少なくとも一方では、噴霧部50により、めっき液槽10の開口13からめっき液3の液面に向かって液体を霧状に噴射する、より具体的には、霧粒子51を噴射する、噴霧処理を行う。一部の被めっき物2がめっき液3中に沈まずに液面に浮いている場合、噴霧処理で噴射される霧粒子51は、めっき液3の液面に浮いている被めっき物2に当たることになる。その結果、めっき液3の液面に浮いている被めっき物2を、めっき液3中に沈めることができる。
噴霧処理により被めっき物2がめっき液3中に沈むメカニズムについて、図2、図3、図4、及び、図5を参照しつつ以下に説明する。図2は、被めっき物がめっき液の液面に浮いている様子を示す模式図である。図3は、めっき液の液面に浮いている被めっき物に対して噴霧処理を行っている様子を示す模式図である。図4は、めっき液の液面に浮いている被めっき物に対して噴霧処理を行うことにより、被めっき物の露出面に霧状に噴射された液体の膜が濡れ広がる様子を示す模式図である。図5は、図3及び図4に示した噴霧処理により、被めっき物がめっき液中に沈んでいく様子を示す模式図である。
図2に示すように、めっき液3の液面に浮いている被めっき物2では、その一部がめっき液3から露出している。そして、図3に示すように、めっき液3の液面に浮いている被めっき物2に対して、噴霧部50により霧粒子51を噴射する。これにより、複数の霧粒子51が、被めっき物2の露出面に継続して付着する。その一方で、新たに噴射された霧粒子51は、被めっき物2の露出面に付着した霧粒子51と結合する。このように、被めっき物2の露出面上においては、霧粒子51の付着と結合とが繰り返されることになり、複数の霧粒子51が結合した液体の膜が形成される。そして、霧粒子51の付着と結合とが更に繰り返されると、被めっき物2の露出面上で液体の膜の大きさが拡大する。その結果、図4に示すように、液体の膜52が、被めっき物2の端部に位置するめっき液3とつながる。これにより、図5に示すように、被めっき物2はめっき液3中に沈んでいく。その後、めっき液3の液面から液中に沈んでいく被めっき物2は、図1に示すような既に沈んでいた他の被めっき物2と同様に、遠心力によりめっき液槽10の側壁部12側に移動し、結果的に、陰極40に接触する。
以上のように、噴霧処理を行うことにより、被めっき物2のめっき液3の液面での浮上状態を解消できるため、被めっき物2にめっき処理を充分に行える。また、噴霧処理では、液体を霧状にした霧粒子51を噴射するが、霧粒子51の落下速度は、従来の液体の落下速度よりも遅い。そのため、霧粒子51がめっき液3の液面に突入する際の運動エネルギーは、充分に低減されている。従来技術においては、めっき液3の液面に浮いている被めっき物2に液体を噴射して当てることにより、物理的な力で被めっき物2をめっき液3中に沈める方法がある。しかしながら、噴射された液体がめっき液3の液面に突入する際の運動エネルギーが大きいため、めっき液3の泡立ちが生じる問題があった。これに対して、本発明では、霧粒子51がめっき液3の液面に突入する際の運動エネルギーが、液体を噴射する従来技術よりも低減されている。そのため、本発明によれば、従来と比較して、めっき液3が泡立ちにくくなる。なお、気泡が付着した被めっき物2はめっき液3の液面に浮上することになるが、本発明によれば、めっき液3が泡立ちにくくなるため、被めっき物2にめっき処理を充分に行える。したがって、本発明により、高品質のめっき層を被めっき物2に形成できる。
上述したように、収容工程及びめっき処理工程の少なくとも一方で噴霧処理を行うが、収容工程で噴霧処理を行うことが好ましい。収容工程では、通常、被めっき物2が乾いた状態でめっき液槽10に入れられるため、被めっき物2は、当初からめっき液3中に沈みにくく、結果的に、めっき液3の液面に浮きやすい。よって、収容工程で噴霧処理を行うことにより、被めっき物2のめっき液3の液面での浮上状態を効率的に解消できる。
噴霧処理は、めっき処理工程で行われてもよい。被めっき物2は、当初からめっき液3中に沈んでいたり、収容工程での噴霧処理によりめっき液3中に沈められたりしても、めっき処理工程中の化学反応で生じた気泡が付着することにより、めっき液3の液面に浮上することがある。このような場合であっても、めっき処理工程で噴霧処理を行うことにより、浮上状態の被めっき物2をめっき液3中に沈めることができる。
噴霧処理は、収容工程及びめっき処理工程の両方で行われてもよい。
収容工程及びめっき処理工程の少なくとも一方では、噴霧処理を、連続的に行ってもよいし、噴霧動作状態と噴霧停止状態とが繰り返されるように間欠的に行ってもよい。
噴霧処理で霧状に噴射される液体は、めっき液3又は水であることが好ましい。この場合、噴霧処理により、霧粒子51が被めっき物2の露出面上で濡れ広がりやすくなるため、被めっき物2がめっき液3中に沈みやすくなる。
噴霧処理で霧状に噴射された液体、ここでは、霧粒子51の温度は、めっき液3の温度と異なっていてもよい。なお、霧粒子51の温度は、めっき液3の温度と同じであってもよい。これらの場合、噴霧処理で霧状に噴射される液体は、めっき液3であってもよいし、めっき液3と異なる液体、例えば、水であってもよい。
噴霧処理で霧状に噴射される液体の被めっき物2に対する濡れ性は、めっき液3の被めっき物2に対する濡れ性と異なっていてもよい。この場合、噴霧処理で霧状に噴射される液体は、めっき液3と異なる液体、例えば、水である。このような液体及びめっき液3の被めっき物2に対する濡れ性の比較は、例えば、被めっき物2に対する接触角を比較することによりなされる。つまり、噴霧処理で霧状に噴射される液体の被めっき物2に対する接触角は、めっき液3の被めっき物2に対する接触角と異なっていてもよい。なお、噴霧処理で霧状に噴射される液体がめっき液3である場合、噴霧処理で霧状に噴射される液体の被めっき物2に対する接触角は、めっき液3の被めっき物2に対する接触角と同じである。
噴霧処理で霧状に噴射される液体の粘性は、めっき液3の粘性と異なっていてもよい。この場合、噴霧処理で霧状に噴射される液体は、めっき液3と異なる液体、例えば、水である。このような液体及びめっき液3の粘性の比較は、例えば、同じ温度での粘度を比較することによりなされる。つまり、噴霧処理で霧状に噴射される液体の粘度は、めっき液3の粘度と異なっていてもよい。なお、噴霧処理で霧状に噴射される液体がめっき液3である場合、噴霧処理で霧状に噴射される液体の粘度は、めっき液3の粘度と同じである。
噴霧処理によれば、特許文献1に記載の気体噴射を用いる方法とは違い、被めっき物2が小型、例えば、長さ0.6mm、幅0.3mm、高さ0.3mmの外形寸法を有する略直方体形状の大きさ以下のチップ型電子部品であっても、めっき液3の液面に浮いているチップ型電子部品をめっき液3中に沈めることができる。更に、噴霧処理によれば、めっき液3が泡立ちにくくなるため、高品質のめっき層をチップ型電子部品に形成できる。
以上では、めっき装置1の噴霧部50により噴霧処理を行う場合について説明したが、人手により噴霧処理を行ってもよい。例えば、作業者が、スプレー等を用いて、めっき液槽10の開口13からめっき液3の液面に向かって液体を霧状に噴射してもよい。
1 めっき装置
2 被めっき物
3 めっき液
10 めっき液槽
11 底部
12 側壁部
13 開口
14 蓋部
20 駆動部
30 陽極
40 陰極
50 噴霧部
51 霧粒子
52 液体の膜
60 液抜き部
70 容器
80 循環路
R 回転軸

Claims (11)

  1. 底部と、前記底部に接合され、前記底部の上方に向かって延在した側壁部とを有し、前記底部に対向する位置に開口が設けられた筒状のめっき液槽と、
    前記めっき液槽の前記底部に接続され、前記めっき液槽を回転させる駆動部と、
    前記めっき液槽の前記開口に挿入され、前記めっき液槽の回転軸の軸線の延長線上に設けられる棒状の陽極と、
    前記めっき液槽の前記側壁部の少なくとも内面の全体を構成するように設けられた略環状の陰極と、
    前記めっき液槽の前記開口から内部に向かって液体を霧状に噴射する噴霧部と、を備える、めっき装置。
  2. 前記噴霧部から霧状に噴射される前記液体の種類を変更することにより前記液体の温度を制御する温度制御部を更に備える、請求項1に記載のめっき装置。
  3. 前記噴霧部から霧状に噴射された前記液体は、球等価直径が0.5mm以下の霧粒子である、請求項1又は2に記載のめっき装置。
  4. 底部と、前記底部に接合され、前記底部の上方に向かって延在した側壁部とを有し、前記底部に対向する位置に開口が設けられた筒状のめっき液槽に、被めっき物及びめっき液を入れる、収容工程と、
    前記めっき液槽の前記開口に挿入され、前記めっき液槽の回転軸の軸線の延長線上に設けられた棒状の陽極と、前記めっき液槽の前記側壁部の少なくとも内面の全体を構成するように設けられた略環状の陰極とを、前記めっき液に浸漬した状態で、前記回転軸で前記めっき液槽を回転させつつ、前記陽極と前記陰極との間に存在する前記めっき液に通電することにより、前記被めっき物にめっき処理を行う、めっき処理工程と、を備え、
    前記収容工程及び前記めっき処理工程の少なくとも一方で、前記めっき液槽の前記開口から前記めっき液の液面に向かって液体を霧状に噴射する、噴霧処理を行う、めっき方法。
  5. 第1主面を有する底部と、開口が設けられるように、前記底部に接合され、前記底部から前記第1主面の法線方向に突出するように延在した略環状の側壁部とを有するめっき液槽に、被めっき物及びめっき液を入れる、収容工程と、
    前記めっき液槽の前記開口に挿入され、前記第1主面を平面視したときに前記めっき液槽の前記底部の中央に位置する棒状の陽極と、前記めっき液槽の前記側壁部の少なくとも内面の全体を構成するように設けられた略環状の陰極とを、前記めっき液に浸漬した状態で、前記陰極を前記陽極の周りに回転させつつ、前記陽極と前記陰極との間に存在する前記めっき液に通電することにより、前記被めっき物にめっき処理を行う、めっき処理工程と、を備え、
    前記収容工程及び前記めっき処理工程の少なくとも一方で、前記めっき液の液面に浮いている前記被めっき物の露出面に複数の霧粒子が付着するように、前記めっき液の液面に向かって液体を霧状に噴射する、噴霧処理を行う、めっき方法。
  6. 前記収容工程で前記噴霧処理を行う、請求項4又は5に記載のめっき方法。
  7. 前記噴霧処理で霧状に噴射された前記液体の温度は、前記めっき液の温度と異なる、請求項4~6のいずれかに記載のめっき方法。
  8. 前記液体の前記被めっき物に対する濡れ性は、前記めっき液の前記被めっき物に対する濡れ性と異なる、請求項4~7のいずれかに記載のめっき方法。
  9. 前記液体の粘性は、前記めっき液の粘性と異なる、請求項4~8のいずれかに記載のめっき方法。
  10. 前記液体は、前記めっき液である、請求項4~7のいずれかに記載のめっき方法。
  11. 前記液体は、水である、請求項4~9のいずれかに記載のめっき方法。
JP2020049606A 2020-03-19 2020-03-19 めっき装置及びめっき方法 Active JP7234983B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020049606A JP7234983B2 (ja) 2020-03-19 2020-03-19 めっき装置及びめっき方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020049606A JP7234983B2 (ja) 2020-03-19 2020-03-19 めっき装置及びめっき方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021147675A JP2021147675A (ja) 2021-09-27
JP7234983B2 true JP7234983B2 (ja) 2023-03-08

Family

ID=77848214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020049606A Active JP7234983B2 (ja) 2020-03-19 2020-03-19 めっき装置及びめっき方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7234983B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116005215B (zh) * 2022-12-27 2023-11-28 青岛理工大学 一种喷射电沉积喷头装置及3d打印机

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008081536A1 (ja) 2006-12-28 2008-07-10 C.Uyemura & Co., Ltd. 回転表面処理装置の運転条件決定方法
JP2018199849A (ja) 2017-05-26 2018-12-20 高島産業株式会社 バレルめっき装置およびめっき方法
JP2021095624A (ja) 2019-12-19 2021-06-24 Koa株式会社 回転型めっき装置およびこれを用いためっき方法。

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3354382B2 (ja) * 1995-04-03 2002-12-09 積水化学工業株式会社 導電性微粒子の製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008081536A1 (ja) 2006-12-28 2008-07-10 C.Uyemura & Co., Ltd. 回転表面処理装置の運転条件決定方法
JP2018199849A (ja) 2017-05-26 2018-12-20 高島産業株式会社 バレルめっき装置およびめっき方法
JP2021095624A (ja) 2019-12-19 2021-06-24 Koa株式会社 回転型めっき装置およびこれを用いためっき方法。

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021147675A (ja) 2021-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI750344B (zh) 鍍覆方法及鍍覆裝置
JP7234983B2 (ja) めっき装置及びめっき方法
KR101206776B1 (ko) 기판 코팅 장치의 프라이밍 롤러 세정 유닛 및 세정 방법과 상기 세정 유닛을 포함하는 기판 코팅 장치
TWI394727B (zh) 板輕量化裝置以及板輕量化方法
JPS60189936A (ja) 半導体製造装置
JP2011235240A (ja) 粉体塗装装置及び粉体塗装方法
TWI556877B (zh) 基板處理裝置及吐出頭待機方法
JP5665483B2 (ja) 表面処理方法及び表面処理装置
JP2005264245A (ja) 基板の湿式処理方法及び処理装置
JP2009188116A (ja) 基板の処理装置及び処理方法
JPS61296724A (ja) 高圧ジエツトスクラバ洗浄装置
JP2000064088A (ja) プリント基板のめっき装置
JPWO2022210507A5 (ja)
JP2018161595A (ja) 清掃装置および清掃方法
KR102117924B1 (ko) 마스크 세정조 불순물 제거용 순환장치 및 순환방법
JP2000100763A (ja) 基板表面の処理装置
JP4811609B2 (ja) バレル装置ならびにバレルめっき方法
KR101608594B1 (ko) 무접촉 디핑롤을 이용한 도금 처리 장치 및 그 방법
TW201920775A (zh) 表面處理裝置及表面處理方法
KR20150024483A (ko) 경량화가공부를 포함하는 대구경미러의 자동에칭장치 및 그 대구경미러의 자동에칭방법
JP2724428B2 (ja) 球体の洗浄方法
JP7234984B2 (ja) めっき装置及びめっき方法
TWI682452B (zh) 基板處理裝置以及基板處理方法
JP2008308708A (ja) めっき形成方法およびめっき処理装置
US8034186B2 (en) Method for, and apparatus for, cleaning tubes

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211014

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220913

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20221110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7234983

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150