JP2008308708A - めっき形成方法およびめっき処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のめっき形成方法は、被処理体10aの微細孔の内側にめっきを形成する方法であって、前記被処理体10aに対する表面張力が前記めっきを施すために用いられる溶液A16よりも小さい溶液B17に前記被処理体10aを浸漬する工程と、前記被処理体10aをめっき浴に浸漬させて前記微細孔の内側に溶液A16を充填する工程と、を順に有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
ところが、半導体基板の微細孔の内側には空気などの気体が充満しており、この半導体基板をめっき浴に浸漬させた場合、微細孔の内面に付着した気泡によってめっきが形成されない領域が発生するため、めっき層が不均質になってしまう虞があった(図7参照)。
そのため、電気めっきを用いて均質なめっきを形成するためには、微細孔の内側の気泡を除去することが望ましい。
一般に、半導体基板に形成された微細孔の内側の気泡を除去する手法として、半導体基板をめっき液に浸漬した後にめっき槽内部を減圧することによって微細孔の内側の気泡を膨張させ、さらに半導体基板表面にめっき浴流を発生させる方法が提案されている(例えば、特許文献1)。また、半導体基板を加熱して気泡を膨張させる方法やめっき浴を加振する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
、半導体基板の微細孔の内側の気泡を十分に取り除くことが困難であり、均質なめっきを形成するという観点で新たな手法の開発が期待されていた。
本発明の請求項1に係るめっき形成方法は、被処理体の微細孔の内側にめっきを形成する方法であって、前記被処理体に対する表面張力が前記めっきを施すために用いられる溶液Aよりも小さい溶液Bに前記被処理体を浸漬する工程と、前記被処理体をめっき浴に浸漬させて前記微細孔の内側に溶液Aを充填する工程と、を順に有することを特徴とする。
本発明の請求項3に係るめっき形成方法は、前記微細孔の開口径を深さで除してなるアスペクト比が1以上3以下であることを特徴とする。
。そのため、被処理体の微細孔の内側に充満している気泡は、微細孔の内面から離脱され易く、微細孔の外側へ容易に排出される。その後、溶液Aを含有するめっき浴に被処理体を浸漬させることによって、微細孔の内側に気泡がない状態で微細孔の内側が溶液Bから溶液Aに置換される。
そのため、被処理体の微細孔の内側に気泡がない状態でめっきを施すことができるので
、微細孔の開口径に依存せず、微細孔の内面に欠陥部の無い均質なめっき層を形成することができる。
本実施形態のめっき処理装置は、めっき液(以下、溶液Aとも呼ぶ。)に比べて表面張力の小さい液体(以下、溶液Bとも呼ぶ。)を用意し、微細孔の形成されている被処理体をめっき液の収容槽に浸漬する前に溶液Bの収容槽に浸漬することにより、溶液Bによって微細孔の内部の気泡を排出し、さらに溶液Bをめっき液で置換できるので、微細孔の内部にめっきを形成可能とするものである。
微細孔11の深さtは、被処理体10aに形成する貫通電極の長さによって適宜設定可能であるが、微細孔11の内側の気泡をより確実に排出する観点から、100〜300μmであることが好ましい。
微細孔11の開口径dは、貫通電極としての信頼性の観点から10μm以上あることが好ましい。さらに、微細孔11の内側の気泡15をより確実に排出する観点から、50μm以上であることが好ましい。
微細孔11の深さと開口径との比(アスペクト比:深さ/開口径)は2以上5以下であることが好ましい。アスペクト比が5を超えると、微細孔11の内側に気泡15が残留する虞があるので好ましくない。
また、微細孔11は、略円柱状に限定されず、多角形状など他の形状であっても良い。例えば、四角柱状や略円錐状であってもよい。さらに、微細孔11の底部14の径と開口部12の径が異なっていてもよい。開口部12の形状が多角形状の場合、開口部12の開口径dは、多角形状の中心点から最も離隔した頂点までの距離の2倍とすればよい。
尚、被処理体10aの被処理面には、シード層(図示略)が設けられており、この被処理体10aにめっきを施すことによって、図2(b)に示すように、被処理面にめっき部18aが形成される。
このようなめっき液の中でも、被処理体10aに対する表面張力αが、20〜100mN/mの範囲のめっき液が好ましい。
このような液体としては、各種の活性剤が含有された液体が利用できる。活性剤としては、脂肪酸塩型や硫酸エステル型、スルホン酸型、高級脂肪酸エステル型、高級脂肪酸ソルビタンエステル型、POEアルキルアミン型、高級アルコールエーテル型、第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
溶液Bとしては、微細孔11の内部に充満している気泡15を排出する観点から、被処理体10aに対する表面張力が、20〜40mN/mの範囲の液体が好ましい。
表面張力の比(α/β)が1未満の場合には、被処理体10aを溶液A中に浸漬しても
、被処理体10aの微細孔11の内面に付着している溶液Bとめっき液(溶液A)との相互拡散が不十分であるため、溶液Bを溶液Aに置換することが困難になる。
また、表面張力の比(α/β)が2を超えると、溶液Bとめっき液(溶液A)との相互拡散の速度が遅くなり、好ましくない。
そのため、被処理体10aをこのような溶液Aや溶液B内に浸漬させた場合には、図5と図6に示すような違いが生じる。すなわち、溶液Aに浸漬した場合には、図5に示すように、気体15が接触している微細孔11の内面に溶液Aが進入しにくい。一方、溶液Bに浸漬した場合には、図6(a)に示すように、気体15が接触している微細孔11の内面に溶液Bが容易に進入する。その後、進入した溶液Bが微細孔11の内面を伝って微細孔11の内面の全域に広がり、微細孔11の内側から気泡15が排出される(図6(b)
,(c)参照)。
尚、表面張力の比を上述の範囲に設定しているので、溶液Bを溶液Aに置換して微細孔11の内側を溶液Aで充填する際には、被処理体10aとよく濡れた溶液Bを良好に溶液Aに拡散置換させることができ、被処理体10aと溶液Aがよく濡れた状態を形成することができる。それによって、微細孔11の内側に溶液Bが残留することを防止できる。
めっき処理に際しては、予め、第1収容槽23に溶液Bを収容しておき、第2収容槽24に溶液Aを収容しておく。搬送手段25を用いて所定の形状の微細孔11を有する被処理体10aを第1収容槽23に浸漬する。この際、被処理体10aに形成されている微細孔11の開口部12を上方に向けておくことが、微細孔11の内側の気泡15の排出の観点から好ましい。続いて、第1処理室21あるいは第1収容槽23内を気体調整手段27によって1000Pa以下に減圧する。被処理体10aの微細孔11の内側に充満していた気泡15を、溶液Bの進入により微細孔11の外側に排出する。第1処理室21内を気体調整手段27によって、大気圧に戻す。
このように処理した被処理体10aにおいては、めっき処理を行う第2収容槽24に被処理体10aを浸漬する前に、溶液Bが収容されている第1収容槽23において微細孔11の内側の気泡を排出しているので、均質なめっき部18aを形成することができる。
図2(b)において、被処理体10aの上方と下方より機械加工を施すことによって、図3(a)に示すように、被処理体10aの厚さ方向に貫通してなるめっき部(貫通電極とも呼ぶ。)18bを設けてなる基板19が得られる。あるいは、予め底部14に電極18cを設けておくことで、被処理体10aの上方を配線形状にパターニングすれば、図3(b)に示すように貫通電極が得られる。
例えば、本実施形態においては、第1収容槽と第2収容槽をそれぞれ別体として用意したが、2つの槽を設けずに、1つの槽を共用してもよい。この場合、共通の収容槽内に液体Aおよび溶液Bを順次供給・排出するための機構を別途設けておけばよい。
また、溶液Bが収容されている収容槽において被処理体の微細孔の内側に溶液Bを充填した後、溶液Aが収容されている収容槽に被処理体を浸漬するまでに時間を要する場合には、微細孔の内面に付着している溶液Bを純水またはめっき液によって覆ってもよい。このようにすることによって、溶液Bの中に外部からの気体が進入することを防止することができる。
また、第1収容槽内で被処理体の微細孔の内側の気泡を排出するために、第1収容槽内を加温してもよいし、加振してもよい。
さらに、本実施形態においては、被処理体の基板の微細孔は一端に底部を有する閉孔状としたが、これに限定されず、両端が開放された開孔状であってもよい。めっき形状も完全充填である必要はなく、図3(c)に示すようにコンフォーマルめっきであってもよい
。
実施例1として、上述の実施形態に基づいて、被処理面にシード層を有する半導体からなる基材10aに表1に示すような条件で電気めっき処理を施した。尚、電気めっきの処理時間を600秒とした。めっき処理後、基材10aをダイシングあるいは埋め込み研磨によって、微細孔11にめっき部18bが形成されてなる基板19を作製し、めっき部18bの良否を判断した。また、めっき部18bが均質で欠陥部がない状態を○、一部に若干の欠陥部があるが略均質である状態を△、多くの欠陥部がある状態を×として、めっき部18bの状態を評価した。
次に、比較例2として、実施例1と同様に作製した基材10aを溶液Bの収容槽には浸漬せずに、溶液Aの収容槽のみに浸漬させて、めっき処理を施し、同様に評価した。
次に、比較例3,8、実施例4〜7として、実施例1と同様に作製した基材10aを用いて、表2のような溶液Aおよび溶液Bによって、めっき処理を施した。表2に示すように、実施例4〜7においては、微細孔11の内側に均質なめっき部18bが形成されていることが確認できた。
一方、比較例3においては、微細孔11の内部に均質なめっき部が形成されていなかった。これは、電気めっき処理に際して、微細孔11の内面に付着している気泡が十分に排出されていないためである。また、比較例8においても、微細孔11の内部に均質なめっき部が形成されていなかった。これは、溶液Aの表面張力が溶液Bの表面張力に比べて高すぎるため、微細孔11の内部の溶液Bが溶液Aに十分に置換されなかったためである。
次いで、実施例9〜12として、表3に示すように、微細孔11の深さおよび開口径を異ならせた基材10aを用意し、実施例1と同様に電気めっき処理を施した。
表3に示すように、実施例9〜11においては、微細孔11の内部に均質なめっき部18bが形成されていることが確認できた。一方、実施例12においては、微細孔11の内部に均質なめっき部が形成されていなかった。これは、アスペクト比が大きいため、電気めっき処理に際して、微細孔11の内部に付着している気泡が十分に排出されていないためである。
Claims (4)
- 被処理体の微細孔の内側にめっきを形成する方法であって、
前記被処理体に対する表面張力が前記めっきを施すために用いられる溶液Aよりも小さい溶液Bに前記被処理体を浸漬する工程と、
前記被処理体をめっき浴に浸漬させて前記微細孔の内側に溶液Aを充填する工程と、
を順に有することを特徴とするめっき形成方法。 - 前記溶液Aの表面張力αと前記溶液Bの表面張力βとの比(α/β)が1以上2以下であることを特徴とする請求項1に記載のめっき形成方法。
- 前記微細孔の開口径を深さで除してなるアスペクト比が1以上3以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のめっき形成方法。
- 被処理体の微細孔の内側にめっきを形成するための処理装置であって、
前記被処理体に対する表面張力が前記めっきを施すために用いられる溶液Aよりも小さい溶液Bが収容されている収容槽と、
前記被処理体をめっき浴に浸漬させて前記微細孔の内側に溶液Aを充填する収容槽と、
を備えてなることを特徴とするめっき処理装置。
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- 2007-06-12 JP JP2007155475A patent/JP2008308708A/ja active Pending
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