JP2018198592A - 粉末飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】還元した状態でpH5以上の弱酸性から中性の領域において長時間保管しても、色調変化や風味の低下が生じ難い、ポリフェノールが強化された粉末飲料又は液体飲料を提供すること。
【解決手段】次の成分(A)〜(C);
(A)タンニン
(B)クロロゲン酸類 0.1〜0.5質量%、及び
(C)たんぱく質
を含有し、
成分(A)と成分 (B)との質量比[(A)/(B)]が0.7〜3.0であり、
成分(C)と成分 (B)との質量比[(C)/(B)]が0.05〜0.23であり、かつ
pHが5.0〜7.0である、
液体飲料。
【選択図】なし

Description

本発明は、粉末飲料に関する。
ポリフェノールは、体脂肪低減作用をはじめ様々な生活習慣病予防に関連した生理機能を有することが明らかにされ、注目されている。この生理機能を効率良く発現させるためにはその摂取量が重要であり、多量のポリフェノールを摂取するために、ポリフェノールを強化した飲料、ゼリー状食品、サプリメント等が市販されている。
例えば、ポリフェノールを強化した飲料として、コーヒー生豆を、含水量7%未満3%以上の状態まで乾燥し、これをコーヒーミル等の粉砕機で粉砕して成る飲料抽出用のコーヒー生豆加工物から抽出した抽出液と、茶葉から抽出した抽出液とを混合して成る飲料(特許文献1)や、カフェイン含有量が0.2重量%以下である脱カフェインしたコーヒー豆を水又はエタノール濃度60重量%以下のエタノール水溶液で抽出し、得られた抽出物を液体烏龍茶又は液体紅茶に混合してなる飲料(特許文献2)等が提案されている。
特許第4488850号明細書 特許第5237520号明細書
近年、粉末飲料をお湯等で還元し、還元飲料を携帯用魔法瓶等の保温容器に充填して数時間かけて飲用する用途が拡大している。本発明者は、ポリフェノールを強化した粉末飲料を開発すべく検討した。その結果、ポリフェノールとしてとしてタンニン及びクロロゲン酸類を含有させ、クロロゲン酸類を高濃度化した粉末飲料について、それを還元し還元飲料として保温容器内に長時間保管すると、保管中に飲料の色調が徐々に緑色を呈するようになるばかりか、風味も低下するという課題が存在することを見出した。そして、このような問題は、クロロゲン酸類濃度が低い場合や、クロロゲン酸類を高濃度化し、かつ液性がpH5.0未満の場合には生じず、クロロゲン酸類を高濃度化し、かつ液性がpH5以上の弱酸性から中性の領域において特異的に生ずることが判明した。
本発明は、還元した状態でpH5以上の弱酸性から中性の領域において長時間保管しても、色調変化や風味の低下が生じ難い、ポリフェノールが強化された粉末飲料又は液体飲料を提供することにある。
本発明者は、ポリフェノールとしてタンニン及びクロロゲン酸類を含有させた粉末飲料又は液体飲料において、タンニンとクロロゲン酸類との量比に加え、たんぱく質とクロロゲン酸類との量比を一定に制御することで、pHが5.0〜7.0の弱酸性から中性の領域において色調変化や風味の低下が生じ難い、ポリフェノールが強化された粉末飲料又は液体飲料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(C);
(A)タンニン
(B)クロロゲン酸類、及び
(C)たんぱく質
を含有し、
成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が0.7〜3.0であり、
成分(C)と成分(B)との質量比[(C)/(B)]が0.05〜0.23であり、かつ
成分(B)の濃度が0.3質量%となるように100mLの水で還元したときのpHが5.0〜7.0となる、粉末飲料を提供するものである。
本発明はまた、次の成分(A)〜(C);
(A)タンニン
(B)クロロゲン酸類 0.1〜0.5質量%、及び
(C)たんぱく質
を含有し、
成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が0.7〜3.0であり、
成分(C)と成分(B)との質量比[(C)/(B)]が0.05〜0.23であり、かつ
pHが5.0〜7.0である、液体飲料を提供するものである。
本発明によれば、還元した状態でpH5以上の弱酸性から中性の領域において長時間保管しても、色調変化や風味の低下が生じ難い、ポリフェノールが強化された粉末飲料及び液体飲料を提供することができる。
<粉末飲料>
本明細書において「粉末飲料」とは、液体に溶解して飲用に供する粉末食品を意味する。液体は飲料に還元できれば特に限定されず、例えば、水、炭酸水、牛乳、豆乳等が挙げられ、液体の温度は問わない。
本発明の粉末飲料は常温(20℃±15℃、以下、同義である)において固体であれば特に限定されないが、防腐・防菌やハンドリングの観点から、粉末飲料中の固形分量が、好ましくは90質量%以上、より好ましくは94質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、殊更に好ましくは97質量%以上である。なお、かかる固形分量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。ここで、「粉末飲料の固形分量」とは、粉末飲料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分をいう。
本発明の粉末飲料は、成分(A)としてタンニンを、成分(B)としてクロロゲン酸類を、それぞれ含有する。ここで、本明細書において「タンニン」とは、後掲の実施例に記載の方法により測定されるものであって、非重合体カテキン類、没食子酸、そのエステル及びそれらの縮合物を包含する概念であり、「非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びエピガロカテキン等の非ガレート体と、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のガレート体を併せての総称である。また、本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸を併せての総称である。本発明においては上記6種のうち少なくとも1種を含有すればよいが、6種すべてを含有することが好ましい。
本発明の粉末飲料は、成分(A)と成分(B)とを特定の量比で含有する。具体的には、成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が0.7〜3.0であるが、健康機能担保、色調抑制、臭いの観点から、0.80以上が好ましく、0.85以上がより好ましく、0.90以上が更に好ましく、0.96以上が殊更好ましい、また茶の香り及び爽やかな青香の増強の観点から、2.80以下が好ましく、2.50以下がより好ましく、2.20以下が更に好ましく、1.30以下がより更に好ましく、1.20以下が殊更に好ましい。かかる質量比[(A)/(B)]の範囲としては、好ましくは0.80〜2.80、より好ましくは0.85〜2.50、更に好ましくは0.90〜2.20、より更に好ましくは0.90〜1.30、殊更に好ましくは0.96〜1.20である。
本発明の粉末飲料中の成分(A)の含有量は、ポリフェノール強化、爽やかな青香付与の観点から、10質量%以上が好ましく、11質量%以上がより好ましく、12質量%以上が更に好ましく、15質量%以上が殊更に好ましく、また色調変化及び風味低下の抑制の観点から、20質量%以下が好ましく、18質量%以下がより好ましく、17質量%以下が更に好ましい。かかる成分(A)の含有量の範囲としては、粉末飲料中に、好ましくは10〜20質量%、より好ましくは11〜18質量%、更に好ましくは12〜17質量%、殊更に好ましくは15〜17質量%である。なお、成分(A)の含有量は、通常知られている分析法に準拠して分析することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の粉末飲料中の成分(B)の含有量は、ポリフェノール強化、爽やかな青香付与の観点から、5質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましく、7.5質量%以上が更に好ましく、12質量%以上が殊更に好ましく、また色調変化及び風味低下の抑制の観点から、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、18質量%以下が更に好ましく、17質量%以下が殊更に好ましい。かかる成分(B)の含有量の範囲としては、粉末飲料中に、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは7〜20質量%、更に好ましくは7.5〜18質量%、殊更に好ましくは12〜17質量%である。なお、成分(B)の含有量は、通常知られている分析法に準拠して分析することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
また、本発明の粉末飲料は、成分(C)としてたんぱく質を含有する。成分(C)は、主に配合成分に由来するものであるが、通常含まれる量よりも低減されている。具体的には、成分(C)の含有量は、成分(C)と成分(B)との質量比[(C)/(B)]として0.05〜0.23であるが、健康機能担保、茶の香り増強、製剤由来の臭い抑制の観点から、0.06以上が好ましく、0.07以上がより好ましく、0.08以上が更に好ましく、0.090以上がより更に好ましく、0.095以上が殊更に好ましく、またすっきり感及び口に含んだときの不快な舌残りの改善、茶の香り及び爽やかな青香の増強、色調変化の抑制の観点から、0.22以下が好ましく、0.21以下がより好ましく、0.14以下が更に好ましく、0.13以下が殊更好ましい。かかる質量比[(C)/(B)]の範囲としては、好ましくは0.06〜0.22、より好ましくは0.07〜0.22、更に好ましくは0.08〜0.21、更に好ましくは0.08〜0.14、より更に好ましくは0.090〜0.13、殊更に好ましくは0.095〜0.13である。
本発明の粉末飲料中の成分(C)の含有量は、色調変化の抑制、すっきり感及び口に含んだときの不快な舌残りの改善、茶の香り増強の観点から、3.0質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がより好ましく、2.2質量%以下が更に好ましく、1.7質量%以下が殊更に好ましい。なお、成分(C)の含有量の下限値は特に限定されないが、茶の香りの観点から、粉末飲料中に、1.0質量%以上が好ましく、1.2質量%以上がより好ましく、1.3質量%以上が更に好ましく、1.5質量%以上が殊更に好ましい。かかる成分(C)の含有量の範囲としては、粉末飲料中に、好ましくは1.0〜3.0質量%、より好ましくは1.2〜2.5質量%、更に好ましくは1.3〜2.2質量%、より更に好ましくは1.3〜1.7質量%、殊更に好ましくは1.5〜1.7質量%であるである。なお、成分(C)の含有量は、通常知られている分析法に準拠して分析することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の粉末飲料は、成分(D)としてカフェインを含有することができる。本発明の粉末飲料中の成分(D)の含有量は、成分(B)と成分(D)との質量比[(D)/(B)]として、すっきり感の改善、爽やかな青香付与の観点から、0.4以下が好ましく、0.35以下がより好ましく、0.25以下が更に好ましく、0.12以下が殊更に好ましく、0.10以下が特に好ましい。なお、かかる質量比[(D)/(B)]の下限値は0であっても構わないが、茶の香り増強の観点から、0.03以上が好ましく、0.04以上がより好ましく、0.06以上が更に好ましい。かかる質量比[(D)/(B)]の範囲としては、好ましくは0〜0.4、より好ましくは0.03〜0.35、更に好ましくは0.04〜0.35、より更に好ましくは0.06〜0.25、殊更に好ましくは0.06〜0.12、特に好ましくは0.06〜0.10である。なお、成分(D)の含有量は、通常知られている分析法に準拠して分析することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の粉末飲料には、所望により、甘味料、酸味料、酸化防止剤、香料、果汁エキス、果実片、果実粉末、ハーブ、ミネラル、ビタミン、pH調整剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、増量剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、希釈剤、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上更に含有させることができる。なお、これら添加剤の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲内で適宜設定することが可能である。
本発明の粉末飲料は、成分(B)の濃度が0.3質量%となるように100mLの水で還元したときのpHが5.0〜7.0となるが、酸味抑制の観点から、5.2以上が好ましく、5.4以上がより好ましく、5.7以上が更に好ましく、またすっきり感の改善、色調変化抑制の観点から、6.8以下が好ましく、6.4以下がより好ましく、6.2以下が更に好ましい。かかるpHの範囲としては、好ましくは5.2〜6.8、より好ましくは5.4〜6.4、更に好ましくは5.7〜6.2である。なお、pHは、20℃に温度調整しpHメータにより測定するものとする。
本発明においては、このようなpHとするために、pH調整剤を含有させることができる。pH調整剤としては、酸、アルカリが挙げられ、食品衛生法により使用が認められているものであれば特に限定されない。例えば、酸としては、クエン酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等の有機酸;リン酸、塩酸等の無機酸又はそれらの塩が挙げられ、またアルカリとしては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、生石灰、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。pH調整剤は、所望のpHとなるように、酸及びアルカリから選択される少なくとも1種を適宜選択することができる。
本発明においては、このような構成を採用することにより、還元飲料としたときの風味の低下だけでなく、色調変化を抑制することができる。例えば、粉末飲料を成分(B)の濃度が0.3質量%となるように100mLの水で還元した還元飲料について、例えば、20℃で24時間保存した場合、後掲の実施例に記載の「色調変化の評価」により求められる還元飲料の濁度の変化(ΔOD680)を、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.15以下、更に好ましくは0.10以下、更に好ましくは0.020以下、より更に好ましくは0.015以下、殊更に好ましくは0.010以下とすることができる。
本発明の粉末飲料は、例えば、水にて通常10〜200倍、好ましくは30〜150倍に希釈して飲用するものである。本発明の粉末飲料の製品形態としては、例えば、瓶等に容器詰し、飲用する際にカップ1杯分をスプーン等で計量するもの、1杯分を収容したカップタイプ、カップ1杯分毎に小分け包装したもの等とすることができる。なお、カップの容量は180〜320mLであることが好ましく、また小分け包装の内容量はカップ容量に適合するように適宜設定することが可能である。中でも、本発明の効果を享受しやすい点から、カップ1杯分毎に小分け包装したものが好ましく、例えば、スティック包装したもの、ピロー包装したものを挙げることができる。小分け包装は、一般の粉末飲料又は粉末食品と同様に、アルミ蒸着フィルム等を材質とする包装材料で包装することができる。なお、容器内及び包材内は窒素ガスを充填してもよく、また包材は酸素透過性の低いものが品質維持の点で好ましい。
本発明の粉末飲料は常法にしたがって製造することが可能であり、適宜の方法を採り得る。例えば、成分(A)〜(C)、必要により他の成分を、質量比[(A)/(B)]及び質量比[(C)/(B)]が上記範囲内となるように混合して製造することができる。成分(A)〜(C)の混合順序は特に限定されず、任意の順序で添加しても、3者を同時に添加してもよい。混合方法としては、撹拌、震盪等の適宜の方法を採用することができるが、混合装置を使用しても構わない。混合装置の混合方式は、容器回転型でも、容器固定型でもよい。容器回転型として、例えば、水平円筒型、V型、ダブルコーン型、立方体型等を採用することができる。また、容器固定型として、例えば、リボン型、スクリュー型、円錐形スクリュー型、パドル型、流動層型、フィリップスブレンダ−等を採用することができる。また、公知の造粒法により造粒物としてもよい。造粒方法としては、例えば、噴霧造粒、流動層造粒、圧縮造粒、転動造粒、撹拌造粒、押出造粒、粉末被覆造粒等が挙げられる。なお、造粒条件は、造粒方法により適宜選択することができる。
成分(A)は、市販の試薬を用いてもよいが、成分(A)を豊富に含む植物の抽出物の形態で含有させることもできる。植物抽出物としては、成分(A)が含まれていれば特に限定されないが、例えば、茶葉、柿葉、栗皮等の抽出物が挙げられる。中でも、タンニン含量、風味の観点から、茶抽出物が好ましい。なお、植物抽出物は、1種又は2種以上含有することができる。
茶葉としては、例えば、Camellia属、例えば、C. sinensis var.sinensis(やぶきた種を含む)、C. sinensis var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉(Camellia sinensis)が挙げられる。茶葉は、その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に分類されるが、これらは1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
不発酵茶葉としては、例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶葉が挙げられ、火入れ加工が施されていてもよい。また、半発酵茶葉としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶葉が挙げられる。更に、発酵茶葉としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶葉が挙げられる。茶葉は1種又は2種以上を使用することができる。中でも、タンニン含量、風味の点から、不発酵茶葉が好ましく、緑茶、ほうじ茶が更に好ましい。
抽出方法としては、例えば、ニーダー抽出、攪拌抽出(バッチ抽出)、向流抽出(ドリップ抽出)、カラム抽出等の公知の方法を採用することができる。また、抽出条件は特に限定されず、抽出方法により適宜選択することができる。また、三井農林社製の「ポリフェノン」、伊藤園社製の「テアフラン」、太陽化学社製の「サンフェノン」等の市販の緑茶抽出物を用いることもできる。
また、成分(B)は、市販の試薬を用いてもよいが、成分(B)を豊富に含む植物の抽出物の形態で含有させることもできる。植物抽出物としては、成分(B)が含まれていれば特に限定されないが、例えば、ヒマワリ種子、リンゴ未熟果、コーヒー豆、シモン葉、マツ科植物の球果、マツ科植物の種子殻、サトウキビ、南天の葉、ゴボウ、ナスの皮、ウメの果実、フキタンポポ、ブドウ科植物等の抽出物が挙げられる。植物抽出物は、1種又は2種以上含有することができる。中でも、クロロゲン酸類含量、風味の観点から、コーヒー抽出物が好ましい。
抽出に使用するコーヒー豆は、生コーヒー豆でも、焙煎コーヒー豆でも構わないが、クロロゲン酸類含量等の観点から、生コーヒー豆及び浅焙煎コーヒー豆から選ばれる少なくとも1種が好ましい。浅焙煎コーヒー豆のL値は、 クロロゲン酸類含量等の観点から、27以上が好ましく、35以上がより好ましく、40以上が更に好ましく、また風味の観点から、62未満が好ましく、60以下がより好ましく、55以下が更に好ましい。浅焙煎コーヒー豆のL値の範囲としては、好ましくは27以上62未満、より好ましくは35〜60、更に好ましくは40〜55である。ここで、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。
コーヒー豆の種類としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種、アラブスタ種等が挙げられる。また、コーヒー豆の産地としては、例えば、ブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウンテン、グァテマラ等を挙げることができる。本発明においては、豆種、産地の異なるコーヒー豆を1種又は2種以上を混合して使用することもできる。
抽出方法及び抽出条件は特に限定されず、公知の方法及び条件で行うことが可能であるが、コーヒー抽出物を使用する場合には、成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]を上記範囲内に制御しやすくするために、コーヒー抽出物にエタノールを添加してエタノール沈降物を除去したものを使用することが好ましく、更に活性炭処理したものを使用してもよい。コーヒー抽出物の精製操作は、例えば、特開2004−222719号公報、特開2006−174746号公報等に記載の方法を採用することができる。なお、活性炭は、一般に工業用に使用されているものであれば特に制限されない。また、活性炭の処理方法としては、バッチ式及び連続式のいずれでもよい。
また、植物抽出物は、粉末飲料の製造方法に応じて、濃縮又は乾燥することができる。濃縮方法としては、例えば、常圧にて溶媒の蒸発を行う常圧濃縮法、減圧にて溶媒の蒸発を行う減圧濃縮法、膜分離により溶媒を除去する膜濃縮法等が挙げられる。乾燥方法としては、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥等の公知の方法を採用することができる。
また、本発明の粉末飲料は、包装体に充填することができる。包装体としては、例えば、ビン、缶、瓶、箱型容器、スティック型包装体、ピロー型包装体等を挙げることができる。なお、本発明の粉末飲料を包装体に充填する際には、市販の充填機を使用してもよい。
<液体飲料>
本明細書において「液体飲料」とは、常温において液状の形態を保持した食品であって、希釈せずにそのまま飲用できる食品(Ready To Drink、RTD)を意味する。
本発明の液体飲料は、成分(A)としてタンニンを、成分(B)としてクロロゲン酸類を、それぞれ含有し、成分(A)と成分(B)とを特定の量比で含有する。具体的には、成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が0.7〜3.0であるが、健康機能担保、色調抑制、臭いの観点から、0.80以上が好ましく、0.85以上がより好ましく、0.90以上が更に好ましく、0.96以上が殊更好ましい、また茶の香り及び爽やかな青香の増強の観点から、2.80以下が好ましく、2.50以下がより好ましく、2.20以下が更に好ましく、1.30以下がより更に好ましく、1.20以下が殊更に好ましい。かかる質量比[(A)/(B)]の範囲としては、好ましくは0.80〜2.80、より好ましくは0.85〜2.50、更に好ましくは0.90〜2.20、より更に好ましくは0.90〜1.30、殊更に好ましくは0.96〜1.20である。
本発明の液体飲料中の成分(A)の含有量は、ポリフェノール強化、爽やかな青香付与の観点から、0.09質量%以上が好ましく、0.15質量%以上がより好ましく、0.18質量%以上が更に好ましく、また色調変化及び風味低下の抑制の観点から、0.70質量%以下が好ましく、0.60質量%以下がより好ましく、0.50質量%以下が更に好ましい。かかる成分(A)の含有量の範囲としては、液体飲料中に、好ましくは0.09〜0.70質量%、より好ましくは0.15〜0.60質量%、更に好ましくは0.18〜0.50質量%である。なお、成分(A)の含有量は、例えば、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の液体飲料中の成分(B)の含有量は0.1〜0.5質量%であるが、ポリフェノール強化、爽やかな青香付与の観点から、0.12質量%以上が好ましく、0.15質量%以上がより好ましく、0.20質量%以上が更に好ましく、また色調変化及び風味低下の抑制の観点から、0.47質量%以下が好ましく、0.45質量%以下がより好ましく、0.40質量%以下が更に好ましい。かかる成分(B)の含有量の範囲としては、液体飲料中に、好ましくは0.12〜0.47質量%、より好ましくは0.15〜0.45質量%、更に好ましくは0.20〜0.40質量%である。なお、成分(B)の含有量は、例えば、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
また、本発明の液体飲料は、成分(C)としてたんぱく質を含有する。成分(C)は、主に配合成分に由来するものであるが、通常含まれる量よりも低減されている。具体的には、成分(C)の含有量は、成分(C)と成分(B)との質量比[(C)/(B)]として0.05〜0.23であるが、健康機能担保、茶の香り増強、製剤由来の臭い抑制の観点から、0.06以上が好ましく、0.07以上がより好ましく、0.08以上が更に好ましく、0.090以上がより更に好ましく、0.095以上が殊更に好ましく、またすっきり感及び口に含んだときの不快な舌残りの改善、茶の香り及び爽やかな青香の増強、色調変化の抑制の観点から、0.22以下が好ましく、0.21以下がより好ましく、0.14以下が更に好ましく、0.13以下が殊更好ましい。かかる質量比[(C)/(B)]の範囲としては、好ましくは0.06〜0.22、より好ましくは0.07〜0.22、更に好ましくは0.08〜0.21、更に好ましくは0.08〜0.14、より更に好ましくは0.090〜0.13、殊更に好ましくは0.095〜0.13である。
本発明の液体飲料中の成分(C)の含有量は、茶の香りの観点から、0.009質量%以上が好ましく、0.015質量%以上がより好ましく、0.020質量%以上が更に好ましく、また色調変化の抑制、すっきり感及び口に含んだときの不快な舌残りの改善、茶の香り増強の観点から、0.070質量%以下が好ましく、0.065質量%以下がより好ましく、0.055質量%以下が更に好ましい。かかる成分(C)の含有量の範囲としては、液体飲料中に、好ましくは0.009〜0.070質量%、より好ましくは0.015〜0.065質量%、更に好ましくは0.020〜0.055質量%である。なお、成分(C)の含有量は、例えば、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の液体飲料は、成分(D)としてカフェインを含有することができる。本発明の粉末飲料中の成分(D)の含有量は、成分(B)と成分(D)との質量比[(D)/(B)]として、すっきり感の改善、爽やかな青香付与の観点から、0.4以下が好ましく、0.35以下がより好ましく、0.25以下が更に好ましく、0.12以下が殊更に好ましく、0.10以下が特に好ましい。なお、かかる質量比[(D)/(B)]の下限値は0であっても構わないが、茶の香り増強の観点から、0.03以上が好ましく、0.04以上がより好ましく、0.06以上が更に好ましい。かかる質量比[(D)/(B)]の範囲としては、好ましくは0〜0.4、より好ましくは0.03〜0.35、更に好ましくは0.04〜0.35、より更に好ましくは0.06〜0.25、殊更に好ましくは0.06〜0.12、特に好ましくは0.06〜0.10である。なお、成分(D)の含有量は、例えば、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の液体飲料のpHは5.0〜7.0であるが、酸味抑制の観点から、5.2以上が好ましく、5.4以上がより好ましく、5.7以上が更に好ましく、またすっきり感の改善、色調変化抑制の観点から、6.8以下が好ましく、6.4以下がより好ましく、6.2以下が更に好ましい。かかるpHの範囲としては、好ましくは5.2〜6.8、より好ましくは5.4〜6.4、更に好ましくは5.7〜6.2である。なお、pHは、20℃に温度調整しpHメータにより測定するものとする。
本発明の液体飲料には、所望により、前述したpH調整剤及び添加剤を1種又は2種以上更に含有させることができる。なお、pH調整剤及び添加剤の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲内で適宜設定することが可能である。
また、本発明の液体飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填して容器詰飲料として提供することができる。
本発明の液体飲料は、加熱殺菌済でもよい。加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されるものではない。例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)等を挙げることができる。また、飲料組成物の容器の種類に応じて加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、金属缶のように、飲料を容器に充填後、容器ごと加熱殺菌できる場合にあってはレトルト殺菌を採用することができる。また、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、飲料をあらかじめ上記と同等の殺菌条件で加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填するアセプティック充填や、ホットパック充填等を採用することができる。
本発明の液体飲料は、上記構成を採用することにより、例えば、成分(B)の濃度を0.1〜0.5質量%とし、20℃で24時間保存した場合、後掲の実施例に記載の「色調変化の評価」により求められる還元飲料の濁度の変化(ΔOD680)を、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.15以下、更に好ましくは0.10以下、更に好ましくは0.020以下、より更に好ましくは0.015以下、殊更に好ましくは0.010以下とすることができる。
本発明の液体飲料は適宜の方法により製造することができる。例えば、成分(A)、(B)及び(C)を配合し、成分(B)の含有量、質量比[(A)/(B)]、質量比[(C)/(B)]及びpHを所定範囲内に調整して製造することが可能である。また、前述した本発明の粉末飲料を、成分(B)の含有量が所定範囲内となるように、例えば水で還元して製造することもできる。
上記実施形態に関し、本発明は更に以下の粉末飲料、液体飲料又は方法を開示する。
<1>
次の成分(A)〜(C);
(A)タンニン
(B)クロロゲン酸類、及び
(C)たんぱく質
を含有し、
成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が0.7〜3.0であり、
成分(C)と成分(B)との質量比[(C)/(B)]が0.05〜0.23であり、かつ
成分(B)の濃度が0.3質量%となるように100mLの水で還元したときのpHが5.0〜7.0となる、粉末飲料。
<2>
次の成分(A)〜(C);
(A)タンニン
(B)クロロゲン酸類、及び
(C)たんぱく質
を含有させ、
成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]を0.7〜3.0に、
成分(C)と成分(B)との質量比[(C)/(B)]が0.05〜0.23に、
成分(B)の濃度が0.3質量%となるように100mLの水で還元したときのpHを5.0〜7.0に、
それぞれ調整する、粉末飲料を還元した状態で長時間保管したときの色調変化の抑制方法。
<3>
成分(A)が、好ましくは酒石酸鉄法により測定されるものであって、非重合体カテキン類、没食子酸、そのエステル及びそれらの縮合物を包むものである、前記<1>記載の粉末飲料、又は前記<2>記載の抑制方法(以下、「粉末飲料、又は抑制方法」を「粉末飲料等」と称する)。
<4>
成分(B)が、好ましくは3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸から選択される1種又は2種以上であり、更に好ましくは前記6種すべてである、前記<1>〜<3>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<5>
成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が、好ましくは0.80以上、より好ましくは0.85以上、更に好ましくは0.90以上、殊更に好ましくは0.96以上であって、好ましくは2.80以下、より好ましくは2.50以下、更に好ましくは2.20以下、より更に好ましくは1.30以下、殊更に好ましくは1.20以下である、前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<6>
成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が、好ましくは0.80〜2.80、より好ましくは0.85〜2.50、更に好ましくは0.90〜2.20、より更に好ましくは0.90〜1.30、殊更に好ましくは0.96〜1.20である、前記<1>〜<5>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<7>
成分(A)の含有量が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは11質量%以上、更に好ましくは12質量%以上、殊更に好ましくは15質量%以上であって、好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下、更に好ましくは17質量%以下である、前記<1>〜<6>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<8>
成分(A)の含有量が、好ましくは10〜20質量%、より好ましくは11〜18質量%、更に好ましくは12〜17質量%、殊更に好ましくは15〜17質量%である、前記<1>〜<7>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<9>
成分(B)の含有量が、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、更に好ましくは7.5質量%以上、殊更に好ましくは12質量%以上であって、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは18質量%以下、殊更に好ましくは17質量%以下である、前記<1>〜<8>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<10>
成分(B)の含有量が、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは7〜20質量%、更に好ましくは7.5〜18質量%、殊更に好ましくは12〜17質量%である、前記<1>〜<9>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<11>
成分(C)と成分(B)との質量比[(C)/(B)]が、好ましくは0.06以上、より好ましくは0.07以上、更に好ましくは0.08以上、より更に好ましくは0.090以上、殊更に好ましくは0.095以上であって、好ましくは0.22以下、より好ましくは0.21以下、更に好ましくは0.14以下、殊更に好ましくは0.13以下である、前記<1>〜<10>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<12>
成分(C)と成分(B)との質量比[(C)/(B)]が、好ましくは0.06〜0.22、より好ましくは0.07〜0.22、更に好ましくは0.08〜0.21、より更に好ましくは0.08〜0.14、より更に好ましくは0.090〜0.13、殊更に好ましくは0.095〜0.13である、前記<1>〜<11>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<13>
成分(C)の含有量が、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2.2質量%以下、殊更に好ましくは1.7質量%以下であって、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは1.2質量%以上、更に好ましくは1.3質量%以上、殊更に好ましくは1.5質量%以上である、前記<1>〜<12>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<14>
成分(C)の含有量が、好ましくは1.0〜3.0量%、より好ましくは1.2〜2.5質量%、更に好ましくは1.3〜2.2質量%、より更に好ましくは1.3〜1.7質量%、殊更に好ましくは1.5〜1.7質量%である、前記<1>〜<13>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<15>
好ましくは成分(D)としてカフェインを更に含有する、前記<1>〜<14>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<16>
成分(B)と成分(D)との質量比[(D)/(B)]が、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.35以下、更に好ましくは0.25以下、より更に好ましくは0.12以下、殊更に好ましくは0.10以下であって、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.04以上、更に好ましくは0.06以上であり、0であってもよい、前記<15>記載の粉末飲料等。
<17>
成分(B)と成分(D)との質量比[(D)/(B)]が、好ましくは0〜0.4、より好ましくは0.03〜0.35、更に好ましくは0.04〜0.35、より更に好ましくは0.06〜0.25、より更に好ましくは0.06〜0.12、殊更に好ましくは0.06〜0.10である、前記<15>又は<16>記載の粉末飲料等。
<18>
好ましくは甘味料、酸味料、酸化防止剤、香料、果汁エキス、果実片、果実粉末、ハーブ、ミネラル、ビタミン、pH調整剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、増量剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、希釈剤及び品質安定剤から選択される1種又は2種以上の添加剤を更に含有する、前記<1>〜<17>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<19>
pHが、好ましくは5.2以上、より好ましくは5.4以上、更に好ましくは5.7以上であって、好ましくは6.8以下、より好ましくは6.4以下、更に好ましくは6.2以下である、前記<1>〜<18>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<20>
pHが、好ましくは5.2〜6.8、より好ましくは5.4〜6.4、更に好ましくは5.7〜6.2である、前記<1>〜<19>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<21>
好ましくはpH調整剤を更に含有する、前記<1>〜<20>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<22>
pH調整剤が、好ましくは有機酸、無機酸及びそれらの塩、並びにアルカリから選択される1種又は2種以上である、前記<21>記載の粉末飲料等。
<23>
有機酸又はその塩が、好ましくはクエン酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、アスコルビン酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上であり、無機酸が、好ましくはリン酸、塩酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上であり、アルカリが、好ましくは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、生石灰、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムから選択される1種又は2種以上であり、塩が、好ましくはアルカリ金属塩(例えば、カリウム、ナトリウム)である、前記<22>記載の粉末飲料等。
<24>
粉末飲料中の固形分量が、好ましくは90質量%以上、より好ましくは94質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、殊更に好ましくは97質量%以上であり、100質量%であってもよい、前記<1>〜<23>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<25>
粉末飲料を成分(B)の濃度が0.3質量%となるように100mLの水で還元した還元飲料を、20℃で24時間保存した場合の濁度の変化(ΔOD680)が、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.15以下、更に好ましくは0.10以下、更に好ましくは0.020以下、より更に好ましくは0.015以下、殊更に好ましくは0.010以下である、前記<1>〜<24>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<26>
水にて通常10〜200倍、好ましくは30〜150倍に希釈して飲用するものである、前記<1>〜<25>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<27>
製品形態が、好ましくは瓶等に容器詰し、飲用する際にカップ1杯分をスプーン等で計量するもの、1杯分を収容したカップタイプ、又はカップ1杯分毎に小分け包装したものである、前記<1>〜<26>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<28>
タンニン源が、好ましくは茶葉、柿葉及び栗皮から選択される1種又は2種以上の植物の抽出物であり、より好ましくは茶抽出物であり、更に好ましくは不発酵茶葉の抽出物であり、殊更に好ましくは緑茶抽出物及びほうじ茶抽出物から選択される少なくとも1種である、前記<1>〜<27>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<29>
クロロゲン酸類源が、好ましくはヒマワリ種子、リンゴ未熟果、コーヒー豆、シモン葉、マツ科植物の球果、マツ科植物の種子殻、サトウキビ、南天の葉、ゴボウ、ナスの皮、ウメの果実、フキタンポポ、及びブドウ科植物から選択される1種又は2種以上の植物の抽出物であり、より好ましくはコーヒー豆抽出物であり、更に好ましくは生コーヒー豆及び浅焙煎コーヒー豆から選ばれる少なくとも1種のコーヒー豆の抽出物である、前記<1>〜<28>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<30>
好ましくは包装体に充填されたものであり、更に好ましくはビン、缶、瓶、箱型容器、スティック型包装体、及びピロー型包装体から選択される包装体に充填されたものである、前記<1>〜<29>のいずれか一に記載の粉末飲料等。
<31>
次の成分(A)〜(C);
(A)タンニン
(B)クロロゲン酸類 0.1〜0.5質量%、及び
(C)たんぱく質
を含有し、
成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が0.7〜3.0であり、
成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]が0.05〜0.23であり、かつ
pHが5.0〜7.0である、液体飲料。
<32>
次の成分(A)〜(C);
(A)タンニン
(B)クロロゲン酸類 0.1〜0.5質量%、及び
(C)たんぱく質
を含有させ、
成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)をが0.7〜3.0に、
成分(C)と成分(B)との質量比[(C)/(B)]を0.05〜0.23に、
pHを5.0〜7.0に、
それぞれ調整する、液体飲料を長時間保管したときの色調変化の抑制方法。
<33>
成分(A)が、好ましくは酒石酸鉄法により測定されるものであって、非重合体カテキン類、没食子酸、そのエステル及びそれらの縮合物を包むものである、前記<31>記載の液体飲料、又は前記<32>記載の抑制方法(以下、「液体飲料、又は抑制方法」を「液体飲料等」と称する)。
<34>
成分(B)が、好ましくは3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸から選択される1種又は2種以上であり、更に好ましくは前記6種すべてである、前記<31>〜<33>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<35>
成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が、好ましくは0.80以上、より好ましくは0.85以上、更に好ましくは0.90以上、殊更に好ましくは0.96以上であって、好ましくは2.80以下、より好ましくは2.50以下、更に好ましくは2.20以下、より更に好ましくは1.30以下、殊更に好ましくは1.20以下である、前記<31>〜<34>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<36>
成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が、好ましくは0.80〜2.80、より好ましくは0.85〜2.50、更に好ましくは0.90〜2.20、より更に好ましくは0.90〜1.30、殊更に好ましくは0.96〜1.20である、前記<31>〜<35>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<37>
成分(A)の含有量が、好ましくは0.09質量%以上、より好ましくは 0.15質量%以上、更に好ましくは 0.18質量%以上であって、好ましくは0.70質量%以下、より好ましくは0.60質量%以下、更に好ましくは0.50質量%以下である、前記<31>〜<36>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<38>
成分(A)の含有量が、好ましくは0.09〜0.70質量%、より好ましくは0.15〜0.60質量%、更に好ましくは0.18〜0.50質量%である、前記<31>〜<37>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<39>
成分(B)の含有量が、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、更に好ましくは0.20質量%以上であって、好ましくは0.47質量%以下、より好ましくは0.45質量%以下、更に好ましくは0.40質量%以下である、前記<31>〜<38>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<40>
成分(B)の含有量が、好ましくは0.12〜0.47質量%、より好ましくは0.15〜0.45質量%、更に好ましくは0.20〜0.40質量%である、前記<31>〜<39>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<41>
成分(C)と成分(B)との質量比[(C)/(B)]が、好ましくは0.06以上、より好ましくは0.07以上、更に好ましくは0.08以上、より更に好ましくは0.090以上、殊更に好ましくは0.095以上であって、好ましくは0.22以下、より好ましくは0.21以下、更に好ましくは0.14以下、殊更に好ましくは0.13以下である、前記<31>〜<40>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<42>
成分(C)と成分(B)との質量比[(C)/(B)]が、好ましくは0.06〜0.22、より好ましくは0.07〜0.22、更に好ましくは0.08〜0.21、更に好ましくは0.08〜0.14、より更に好ましくは0.090〜0.13、殊更に好ましくは0.095〜0.13である、前記<31>〜<41>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<43>
成分(C)の含有量が、好ましくは0.009質量%以上、より好ましくは0.015質量%以上、更に好ましくは0.020質量%以下であって、好ましくは0.070質量%以下、より好ましくは0.065質量%以下、更に好ましくは0.055質量%以下である、前記<31>〜<42>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<44>
成分(C)の含有量が、好ましくは0.009〜0.070量%、より好ましくは0.015〜0.065質量%、更に好ましくは0.020〜0.055質量%である、前記<31>〜<43>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<45>
好ましくは成分(D)としてカフェインを更に含有する、前記<31>〜<44>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<46>
成分(B)と成分(D)との質量比[(D)/(B)]が、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.35以下、更に好ましくは0.25以下、より更に好ましくは0.12以下、殊更に好ましくは0.10以下であって、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.04以上、更に好ましくは0.06以上であり、0であってもよい、前記<45>記載の液体飲料等。
<47>
成分(B)と成分(D)との質量比[(D)/(B)]が、好ましくは0〜0.4、より好ましくは0.03〜0.35、更に好ましくは0.04〜0.35、より更に好ましくは0.06〜0.25、より更に好ましくは0.06〜0.12、殊更に好ましくは0.06〜0.10である、前記<45>又は<46>記載の液体飲料等。
<48>
好ましくは甘味料、酸味料、酸化防止剤、香料、果汁エキス、果実片、果実粉末、ハーブ、ミネラル、ビタミン、pH調整剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、増量剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、希釈剤及び品質安定剤から選択される1種又は2種以上の添加剤を更に含有する、前記<31>〜<47>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<49>
pHが、好ましくは5.2以上、より好ましくは5.4以上、更に好ましくは5.7以上であって、好ましくは6.8以下、より好ましくは6.4以下、更に好ましくは6.2以下である、前記<31>〜<48>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<50>
pHが、好ましくは5.2〜6.8、より好ましくは5.4〜6.4、更に好ましくは5.7〜6.2である、前記<31>〜<49>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<51>
好ましくはpH調整剤を更に含有する、前記<31>〜<50>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<52>
pH調整剤が、好ましくは有機酸、無機酸及びそれらの塩、並びにアルカリから選択される1種又は2種以上である、前記<51>記載の液体飲料等。
<53>
有機酸又はその塩が、好ましくはクエン酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、アスコルビン酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上であり、無機酸が、好ましくはリン酸、塩酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上であり、アルカリが、好ましくは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、生石灰、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムから選択される1種又は2種以上であり、塩が、好ましくはアルカリ金属塩(例えば、カリウム、ナトリウム)である、前記<52>記載の液体飲料等。
<54>
タンニン源が、好ましくは茶葉、柿葉及び栗皮から選択される1種又は2種以上の植物の抽出物であり、より好ましくは茶抽出物であり、更に好ましくは不発酵茶葉の抽出物であり、殊更に好ましくは緑茶抽出物及びほうじ茶抽出物から選択される少なくとも1種である、前記<31>〜<53>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<55>
クロロゲン酸類源が、好ましくはヒマワリ種子、リンゴ未熟果、コーヒー豆、シモン葉、マツ科植物の球果、マツ科植物の種子殻、サトウキビ、南天の葉、ゴボウ、ナスの皮、ウメの果実、フキタンポポ、及びブドウ科植物から選択される1種又は2種以上の植物の抽出物であり、より好ましくはコーヒー豆抽出物であり、更に好ましくは生コーヒー豆及び浅焙煎コーヒー豆から選ばれる少なくとも1種のコーヒー豆の抽出物である、前記<31>〜<54>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<56>
好ましくは容器詰液体飲料である、前記<31>〜<55>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<57>
容器が、好ましくはポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔若しくはプラスチックフィルムと複合された紙容器、又は瓶である、前記<56>記載の液体飲料。
<58>
好ましくは加熱殺菌済である、前記<31>〜<57>のいずれか一に記載の液体飲料等。
<59>
加熱殺菌が、好ましくは適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであり、更に好ましくはレトルト殺菌、高温短時間殺菌(HTST)、又は超高温殺菌(UHT法)である、前記<58>記載の液体飲料。
<60>
液体飲料を20℃で24時間保存した場合の濁度の変化(ΔOD680)が、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.15以下、更に好ましくは0.10以下、更に好ましくは0.020以下、より更に好ましくは0.015以下、殊更に好ましくは0.010以下である、前記<31>〜<59>のいずれか一に記載の液体飲料等。
1.タンニンの分析
試料中のタンニン量の測定は酒石酸鉄法により、標準液として没食子酸エチルを用い、没食子酸の換算量として求めた(参考文献:「緑茶ポリフェノール」飲食料品用機能性素材有効利用技術シリーズNo.10)。
粉末試料を適宜吸光度計測可能な濃度に水で溶解して試料とした。試料5mLを酒石酸鉄標準溶液5mLで発色させ、リン酸緩衝液で25mLに定溶し、540nmで吸光度を測定し、没食子酸エチルによる検量線からタンニン量を求めた。
酒石酸鉄標準液の調製:硫酸第一鉄・7水和物100mg、酒石酸ナトリウム・カリウム(ロッシェル塩)500mgを蒸留水で100mLとした。
リン酸緩衝液の調製:1/15mol/Lリン酸水素二ナトリウム溶液と1/15mol/Lリン酸二水素ナトリウム溶液を混合しpH7.5に調整した。
2.クロロゲン酸類及びカフェインの分析
試料2gに85℃の純水180mLを注ぎ、攪拌した後、バイアルに分注して分析した。
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
・UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ)
・カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ)
・ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ)
・オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)
・カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:10μL
・流量:1.0mL/min
・UV−VIS検出器設定波長:
クロロゲン酸類 325nm
カフェイン 270nm
・カラムオーブン設定温度:35℃
・溶離液A:アセトニトリルを水で希釈してアセトニトリル濃度を5(V/V)%とした溶液であって、0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、及び10mM 酢酸ナトリウムを含む溶液
・溶離液B:アセトニトリル
濃度勾配条件(体積%)
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
HPLCでは、試料1gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
クロロゲン酸類の保持時間
6種のクロロゲン酸類
・モノカフェオイルキナ酸:5.3分、8.8分、11.6分の計3点
・モノフェルラキナ酸 :13.0分、19.9分、21.0分の計3点
ここで求めた6種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、クロロゲン酸類の含有量(質量%)を求めた。
なお、カフェインの分析は、カフェインを標準物質とした以外はクロロゲン酸類と同様に実施した。カフェインの保持時間は18.9分である。
3.たんぱく質の分析
1)定量
Bradford法によりたんぱく質の定量を行った。具体的には、以下のとおりである。
・キット名:タンパク質定量キット−ラピット
・製造元:Dojindo Molecular Technologies, Inc.
標準直線の作成はキットの説明書に準じて行った。4000μg/mLのStandard BSA solutionを純水で順次、1/2に希釈し、2000μg/mL、1000μg/mL、500μg/mL、250μg/mL、125μg/mL、63μg/mL、31μg/mL、0μg/mLのBSA希釈液を調製する。各濃度の検量線稜線用BSA希釈液、若しくは、サンプル100μLを採取する。本液に、CBB solution液を2.5mL加え、試験管内でよく混合する。混合した後、分光光度用のセルに移し替え、600nmの吸光度を測定する。測定した吸光度から、ブランクの吸光度を差し引き、BSA濃度と、吸光度の検量線を作成し、サンプルのタンパク質濃度を求める。
4.pHの測定
粉末飲料を、クロロゲン酸類濃度が0.3質量%となるように100mLの水で溶解した後、pHメータ(HORIBA コンパクトpHメータ、堀場製作所製)を用いて20℃にて測定した。また、液体飲料については、飲料を20℃に温度調整し、前記pHメータを用いて測定した。
5.色調変化の評価
粉末飲料を、クロロゲン酸類濃度が0.3質量%となるように100mLの水で溶解して試料Sを調製した後、保存前の試料Sの濁度と、20℃にて24時間保存後の試料Sの濁度を、濁度計(U−2010 HITACHI社製)を用いて、波長680nm、90°透過散乱比較方式で20℃にて測定した。そして、色調変化として、保存前後の試料の濁度(OD680)の差分を下記式により求めた。
色調変化(ΔOD680)= (保存後の試料Sの濁度)―(保存前の試料Sの濁度)
6.官能評価
粉末飲料を、クロロゲン酸類濃度が0.3質量%となるように100mLの水で溶解した還元飲料の「すっきり感」、「酸味」、「口に含んだときの不快な舌残り」、「爽やかな青香(フレッシュな香気)」、「製剤由来の臭い(大豆のような臭い)」及び「茶の香り」について、専門パネル4名が下記の基準にしたがって飲用試験し、その後協議により評点を決定した。
すっきり感の評価基準
すっきり感の評価は、実施例6の還元飲料のすっきり感を評点「5」とし、比較例2の還元飲料のすっきり感を評点「2」として、下記の5段階により評価した。
5:すっきりしている
4:ややすっきりしている
3:少しすっきりしている
2:あまりすっきりしていない
1:すっきりしていない
酸味の評価基準
酸味の評価は、実施例6の還元飲料の酸味を評点「5」とし、比較例1の還元飲料の酸味を評点「2」として、下記の5段階により評価した。
5:全く感じない
4:あまり感じない
3:わずかに感じる
2:やや感じる
1:感じる
口に含んだときの不快な舌残りの評価基準
口に含んだときの不快な舌残りの評価は、実施例6の還元飲料の酸味を評点「5」とし、比較例3の還元飲料の口に含んだときの不快な舌残りを評点「1」として、下記の5段階により評価した
5:全く感じない
4:あまり感じない
3:わずかに感じる
2:やや感じる
1:感じる
爽やかな青香
爽やかな青香の評価は、実施例6の還元飲料の爽やかな青香を評点「5」とし、比較例3の還元飲料の爽やかな青香を評点「1」として、下記の5段階により評価した。
5:青香が強い
4:青香がやや強い
3:青香がやや弱い
2:青香が弱い
1:青香がない
製剤由来の臭い
製剤由来の臭いの評価は、実施例6の還元飲料の製剤由来の臭いを評点「5」とし、比較例3の還元飲料の製剤由来の臭いを評点「1」として、下記の5段階により評価した。
5:製剤由来の臭いがない
4:製剤由来の臭いがほとんどない
3:製剤由来の臭いがややある
2:製剤由来の臭いがやや強い
1:製剤由来の臭いが強い
茶の香りの評価基準
茶の香りの評価は、実施例6の還元飲料の茶の香りを評点「5」とし、比較例3の還元飲料の茶の香りを評点「1」として、下記の5段階により評価した。
5:ある
4:ややある
3:すこしある
2:ほとんどない
1:ない
製造例1
クロロゲン酸類製剤Aの製造
カフェイン含有生コーヒー豆抽出物( GCE−M3903:佐藤食品社製、固形分濃度20w/v%)にエタノールをゆっくりと添加し、エタノール濃度60%に調整した。その後、活性炭(白鷺WH2C、日本エンバイロケミカルズ社製)を、生コーヒー豆抽出物の固形分に対して75w/v%添加し、2時間攪拌した。その後2号濾紙で濾過し、続けて0.2μmメンブランフィルターにて再濾過を行った。濾過液を40℃にてエタノールを留去した。水分量を調整し固形分を20w/v%に調整した後、噴霧乾燥し、クロロゲン酸類製剤Aを得た。噴霧乾燥機はパルビスミニスプレーGA32型(ヤマト科学社製)を用い、入口温度150℃、出口温度70℃にて乾燥を行った。
製造例2
クロロゲン酸類製剤Bの製造
200℃で焙煎したL60のコーヒー豆粉末35gに、85℃、540mL注水し、浸漬抽出を行った。その後、本抽出液を、スプレードライヤーを用いて乾燥しクロロゲン酸類製剤Bを得た。
実施例1〜13、比較例1〜3及び参考例
表1に示す割合で各成分を混合し、粉末飲料を得た。得られた粉末飲料の分析結果を表1に示す。
Figure 2018198592
表1から、(A)タンニンと(B)クロロゲン酸類との量比[(A)/(B)]に加え、(C)たんぱく質と(B)クロロゲン酸類との量比[(C)/(B)]を一定に制御することで、pHが5.0〜7.0の弱酸性から中性の領域において色調変化や風味の低下が生じ難いポリフェノール強化粉末飲料が得られることが分かる。
実施例14〜18及び比較例4、5
実施例6で得られた粉末飲料を、クロロゲン酸類濃度が表2に示す濃度となるように水(20℃)で溶解して液体飲料100mLを調製した。次いで、20℃にて24時間保存後の色調変化(ΔOD680)を測定した。その結果を表2に併せて示す。なお、実施例14〜18及び比較例4、5の飲料はいずれもpH(20℃)が6.1であった。
Figure 2018198592
表2から、還元した状態でpH5以上の弱酸性から中性の領域において長時間保管しても、クロロゲン酸濃度が0.5質量%以下であれば、色調変化が顕著に抑制されることがわかる。

Claims (9)

  1. 次の成分(A)〜(C);
    (A)タンニン
    (B)クロロゲン酸類 0.1〜0.5質量%、及び
    (C)たんぱく質
    を含有し、
    成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が0.7〜3.0であり、
    成分(C)と成分(B)との質量比[(C)/(B)]が0.05〜0.23であり、かつ
    pHが5.0〜7.0である、
    液体飲料。
  2. 成分(A)の含有量が0.09〜0.70質量%である、請求項1記載の液体飲料。
  3. 成分(C)の含有量が0.009〜0.070質量%である、請求項1又は2記載の液体飲料。
  4. 成分(D)としてカフェインを含有し、成分(B)と成分(D)との質量比[(D)/(B)]が0.4以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体飲料。
  5. 次の成分(A)〜(C);
    (A)タンニン
    (B)クロロゲン酸類、及び
    (C)たんぱく質
    を含有し、
    成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が0.7〜3.0であり、
    成分(C)と成分(B)との質量比[(C)/(B)]が0.05〜0.23であり、かつ
    成分(B)の濃度が0.3質量%となるように100mLの水で還元したときのpHが5.0〜7.0となる、
    粉末飲料。
  6. 成分(A)の含有量が10〜20質量%である、請求項5記載の粉末飲料。
  7. 成分(B)の含有量が5〜25質量%である、請求項5又は6記載の粉末飲料。
  8. 成分(C)の含有量が1〜3質量%である、請求項5〜7のいずれか1項に記載の粉末飲料。
  9. 成分(D)としてカフェインを含有し、成分(B)と成分(D)との質量比[(D)/(B)]が0.4以下である、請求項5〜8のいずれか1項に記載の粉末飲料。
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