JP2020145970A - 容器詰茶飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】非重合体カテキン類及びカフェインを強化しながらも、苦味が抑制された容器詰茶飲料を提供すること。【解決手段】次の成分(A)、(B)、(C)及び(D);(A)非重合体カテキン類 0.051〜0.10質量%、(B)カフェイン 0.010〜0.10質量%(C)アスコルビン酸又はその塩、及び(D)アストラガリンを含有し、成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]が0.20〜5.0であり、成分(A)と成分(D)との質量比[(D)/(A)]が0.60×10-3〜30×10-3であり、pHが5〜7である、容器詰茶飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、容器詰茶飲料に関する。
非重合体カテキン類は、Camellia属の茶葉に含まれるポリフェノール化合物の1種であり、様々な生理活性を有することから、飲食品への応用が注目されている。中でも、生活習慣として手軽に摂取できることから、非重合体カテキン類を高濃度で含有させた茶飲料が多数提案されている。例えば、非重合体カテキン類の非エピ体とエピ体との総量及び質量比を制御し、更に水溶性高分子を非エピ体及びエピ体の総量に対して一定の質量比で含有させることにより、苦味、渋味が緩和された高濃度非重合体カテキン類含有飲料(特許文献1)、非重合体カテキン類を0.8〜50重量%含有する緑茶抽出物の濃縮物水溶液に環状デキストリンを添加し、次いでこれに茶抽出液を配合することで、加熱殺菌後でも苦味、渋味が低減された容器詰飲料(特許文献2)、非重合体カテキン類中の非エピ体の含有率、非重合体カテキン類に対するカフェインと総ポリフェノールの含有比、更に濁度を一定の範囲に調整することで、苦味及びエグ味が低減され、茶本来の風味を有する容器詰茶飲料(特許文献3)が提案されている。
一方、アストラガリンは、柿の葉や桑の葉に含まれるポリフェノール化合物の1種であり、抗アレルギー作用を有することが報告されている。このようなアストラガリンの生理作用に着目し、飲食品への応用が検討されており、例えば、アストラガリンに、果糖、ガラクトース、乳糖及びブドウ糖からなる群から選ばれる糖の1種又は2種以上を配合することで、アストラガリンの吸収性が向上することが報告されている(特許文献4)。また、桑葉抽出エキス、玄米エキス及び緑茶エキスを混合したブレンド茶飲料も提案されている(特許文献5)。
また、カフェインは、脂質エネルギー代謝や運動機能の向上等の生理効果を有することが知られており、近年カフェインを強化した飲食品の需要が拡大している。
特開2002−238519号公報 特開2004−254511号公報 特開2004−129669号公報 特開2002−291441号公報 特開2007−282632号公報
本発明者らは、機能性素材としてカフェインを含有する茶飲料を開発すべく、高濃度の非重合体カテキン類を含有する茶飲料に、カフェインを一定量含有させたところ、苦味が増強することを見出した。
本発明の課題は、非重合体カテキン類及びカフェインを強化しながらも、苦味が抑制された容器詰茶飲料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、非重合体カテキン類及びカフェインを一定量含有する茶飲料に、非重合体カテキン類に対して、渋味物質として知られるアストラガリンと、アスコルビン酸又はその塩をそれぞれ一定の質量比で含有させることで、非重合体カテキン類及びカフェインを強化しながらも、苦味を抑制できることを見出した。更に、アストラガリンの含有量が特定範囲内にあると、茶の香り立ちを増強できることも見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D);
(A)非重合体カテキン類 0.051〜0.10質量%、
(B)カフェイン 0.010〜0.10質量%
(C)アスコルビン酸又はその塩、及び
(D)アストラガリン
を含有し、
成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]が0.20〜5.0であり、
成分(A)と成分(D)との質量比[(D)/(A)]が0.60×10-3〜30×10-3であり、
pHが5〜7である、
容器詰茶飲料を提供するものである。
本発明によれば、非重合体カテキン類及びカフェインを強化しながらも、苦味が抑制された容器詰茶飲料を提供することができる。
本発明の容器詰茶飲料は、成分(A)として非重合体カテキン類を含有する。ここで、本明細書において「(A)非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びエピガロカテキン等の非ガレート体と、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のガレート体を併せての総称である。本発明においては、上記8種の非重合体カテキン類のうち少なくとも1種を含有すればよい。なお、成分(A)は、飲食品の分野において通常使用されているものであれば由来は特に限定されず、例えば、化学合成品でも、非重合体カテキン類を含有する植物から抽出したものでもよい。
本発明の容器詰茶飲料は、成分(A)の含有量が0.051〜0.10質量%であるが、生理効果及香り立ちの増強の観点から、0.052質量%以上が好ましく、0.053質量%以上がより好ましく、0.054質量%以上が更に好ましく、また苦味抑制の観点から、0.095質量%以下が好ましく、0.088質量%以下がより好ましく、0.086質量%以下が更に好ましい。成分(A)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰茶飲料中に、好ましくは0.052〜0.095質量%であり、より好ましくは0.053〜0.088質量%であり、更に好ましくは0.054〜0.086質量%である。なお、成分(A)の含有量は、上記8種の非重合体カテキン類の合計量に基づいて定義される。また、成分(A)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、液体クロマトグラフィで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の容器詰茶飲料は、成分(B)としてカフェインを含有する。成分(B)は、原料に由来するものでも、新たに加えられたものでもよい。また、成分(B)は、飲食品の分野において通常使用されているものであれば由来は特に限定されず、例えば、化学合成品でも、天然由来品でもよい。
本発明の容器詰茶飲料は、成分(B)の含有量が0.010〜0.10質量%であるが、生理効果の観点から、0.011質量%以上が好ましく、0.013質量%以上がより好ましく、0.015質量%以上が更に好ましく、また苦味抑制の観点から、0.060質量%以下が好ましく、0.040質量%以下がより好ましく、0.028質量%以下が更に好ましい。成分(B)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰茶飲料中に、好ましくは0.011〜0.060質量%であり、より好ましくは0.013〜0.040質量%であり、更に好ましくは0.015〜0.028質量%である。なお、成分(B)が水和物の形態である場合、成分(B)の含有量は無水物に換算した値とする。また、成分(B)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、液体クロマトグラフィで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の容器詰茶飲料は、成分(C)としてアスコルビン酸又はその塩を含有する。成分(C)はL体でもD体でも、これらの混合物(例えば、ラセミ体)であってもよい。中でも、L体が好ましい。塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等を挙げることができる。成分(B)としては飲食品の分野において通常使用されているものであれば由来は特に限定されず、例えば、化学合成品でも、市販品でも、原料由来のものでもよい。成分(B)の市販品としては、例えば、L−アスコルビン酸(DSM Nutritional Products(UK) Ltd製)等を挙げることができる。
本発明の容器詰茶飲料中の成分(C)の含有量は、苦味抑制の観点から、0.010質量%以上が好ましく、0.015質量%以上がより好ましく、0.020質量%以上が更に好ましく、0.025質量%以上が殊更に好ましく、そして0.10質量%以下が好ましく、0.080質量%以下がより好ましく、0.060質量%以下が更に好ましい。かかる成分(C)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰茶飲料中に、好ましくは0.010〜0.10質量%であり、より好ましくは0.015〜0.080質量%であり、更に好ましくは0.020〜0.080質量%であり、より更に好ましくは0.025〜0.060質量%である。ここで、本明細書において成分(C)が塩の形態である場合、成分(C)の含有量はアスコルビン酸量に換算した値とする。なお、成分(B)の含有量は、通常知られているアスコルビン酸の分析法により測定することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。
本発明の容器詰茶飲料は、成分(D)としてとしてアストラガリンを含有する。ここで、本明細書において「アストラガリン」とは、ケンフェロールの3位にグルコースが結合した化合物である。成分(D)は、原料に由来するものでも、新たに加えられたものでもよい。また、成分(D)は、飲食品の分野において通常使用されているものであれば由来は特に限定されず、例えば、化学合成品でも、アストラガリンを含有する植物から抽出したものでもよい。成分(D)の市販品としては、例えば、Kaempferol 3-beta-D-glucopyranoside(シグマアルドリッチジャパン合同社製)等を挙げることができる
本発明の容器詰茶飲料中の成分(D)の含有量は、苦味抑制、香り立ち増強の観点から、0.30質量ppm以上が好ましく、0.50質量ppm以上がより好ましく、0.60質量ppm以上が更に好ましく、0.90質量ppm以上がより更に好ましく、1.2質量ppm以上がより更に好ましく、2.2質量ppm以上がより更に好ましく、3.0質量ppm以上が殊更に好ましく、そして30質量ppm以下が好ましく、20質量ppm以下がより好ましく、10質量ppm以下が更に好ましく、7.0質量ppm以下がより更に好ましい。かかる成分(D)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰茶飲料中に、好ましくは0.30〜30質量ppmであり、より好ましくは0.50〜20質量ppmであり、更に好ましくは0.60〜20質量ppmであり、更に好ましくは0.90〜20質量ppmであり、更に好ましくは1.2〜20質量ppmであり、より更に好ましくは2.2〜20質量ppmであり、より更に好ましくは3.0〜10質量ppmであり、殊更に好ましくは3.0〜7.0質量ppmである。
本発明の容器詰茶飲料は、成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]が0.20〜5.0であるが、苦味抑制の観点から、0.22以上が好ましく、0.25以上がより好ましく、0.29以上が更に好ましく、そして3.0以下が好ましく、2.0以下がより好ましく、1.0以下が更に好ましい。かかる質量比[(C)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.22〜3.0であり、より好ましくは0.25〜2.0であり、更に好ましくは0.29〜1.0である。
本発明の容器詰茶飲料は、成分(A)と成分(D)との質量比[(D)/(A)]が0.60×10-3〜30×10-3であるが、苦味抑制の観点から、0.70×10-3以上が好ましく、1.0×10-3以上がより好ましく、1.5×10-3以上が更に好ましく、2.2×10-3以上がより更に好ましく、また渋味抑制の観点から、20×10-3以下が好ましく、10×10-3以下がより好ましく、8.0×10-3以下が更に好ましく、7.0×10-3以下がより更に好ましい。かかる質量比[(D)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.70×10-3〜20×10-3であり、より好ましくは1.0×10-3〜10×10-3であり、更に好ましくは1.5×10-3〜8.0×10-3であり、より更に好ましくは2.2×10-3〜7.0×10-3である。
本発明の容器詰茶飲料は、成分(E)として2−メチルブタナールを含有することができる。成分(E)としては飲食品の分野において通常使用されているものであれば由来は特に限定されず、例えば、天然由来品でも、化学合成品でも、市販品でも、原料由来のものでもよい。
本発明の容器詰茶飲料中の成分(E)の含有量は、香り立ちの増強の観点から、4.0質量ppb以上が好ましく、5.0質量ppb以上がより好ましく、7.0質量ppb以上が更に好ましく、8.0質量ppb以上がより更に好ましく、10質量ppb以上がより更に好ましく、12質量ppb以上が殊更に好ましく、また異臭抑制の観点から、100質量ppb以下が好ましく、80質量ppb以下がより好ましく、60質量ppb以下が更に好ましい。かかる成分(E)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰茶飲料中に、好ましくは4.0〜100質量ppbであり、より好ましくは5.0〜80質量ppbであり、更に好ましくは7.0〜80質量ppbであり、より更に好ましくは8.0〜80質量ppbであり、より更に好ましくは10〜60質量ppbであり、殊更に好ましくは12〜60質量ppbである。なお、成分(E)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、GC/MSで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の容器詰茶飲料は、所望により、甘味料、酸味料、ビタミン、ミネラル、エステル、乳化剤、保存料、調味料、果汁エキス、野菜エキス、花蜜エキス、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を含有することができる。添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。
本発明の容器詰茶飲料は、pH(20℃)が5〜7であるが、風味バランスの観点から、5.1以上が好ましく、5.3以上がより好ましく、5.5以上が更に好ましく、そして6.7以下が好ましく、6.5以下がより好ましく、6.4以下が更に好ましい。かかるpHの範囲としては、好ましくは5.1〜6.7であり、より好ましくは5.3〜6.5であり、更に好ましくは5.5〜6.4である。なお、pHは、20℃に温度調整をしてpHメータにより測定するものとする。
本明細書において「茶飲料」とは、Camellia属の茶葉を茶原料として含む飲料をいう。Camellia属の茶葉としては、例えば、C.sinensis.var.sinensis(やぶきた種を含む)、C.sinensis.var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉(Camellia sinensis)が挙げられる。茶葉は、その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に分類することができる。Camellia属の茶葉は、1種又は2種以上を使用することができる。また茶葉は火入れ加工が施されていてもよい。
不発酵茶としては、例えば、煎茶、深蒸し煎茶、焙じ茶、番茶、玉露、かぶせ茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶が挙げられる。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が挙げられる。更に、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が挙げられる。中でも、本発明の効果を享受しやすい点で、茶原料として不発酵茶又は半発酵茶を使用することが好ましく、不発酵茶が更に好ましい。
また、Camellia属の茶葉以外の茶原料として、穀物やCamellia属以外の茶葉を使用してもよい。穀物としては、例えば、大麦、小麦、ハト麦、ライ麦、燕麦、裸麦等の麦;玄米等の米;大豆、黒大豆、ソラマメ、インゲン豆、小豆、エビスクサ、ササゲ、ラッカセイ、エンドウ、リョクトウ等の豆;ソバ、トウモロコシ、白ゴマ、黒ゴマ、粟、稗、黍、キヌワ等の雑穀を挙げることができる。また、Camellia属以外の茶葉としては、例えば、イチョウの葉、柿の葉、ビワの葉、桑の葉、クコの葉、杜仲の葉、小松菜、ルイボス、クマザサ、ドクダミ、アマチャヅル、スイカズラ、ツキミソウ、カキドオシ、カワラケツメイ、ギムネマ・シルベスタ、黄杞茶(クルミ科)、甜茶(バラ科)、キダチアロエ等が挙げられる。更に、カモミール、ハイビスカス、ペパーミント、レモングラス、レモンピール、レモンバーム、ローズヒップ、ローズマリー等のハーブも用いることができる。Camellia属以外の茶葉は、1種又は2種以上を使用することができる。
本発明の容器詰茶飲料は、本発明の効果を享受しやすい点から、容器詰緑茶飲料又は容器詰烏龍茶飲料であることが好ましく、容器詰緑茶飲料であることがより好ましい。茶飲料が緑茶飲料である場合、全茶原料中で緑茶葉を最も多く使用する緑茶飲料がより好ましく、茶原料として緑茶葉のみを使用する緑茶飲料が更に好ましい。なお、抽出方法としては、例えば、ニーダー抽出、攪拌抽出(バッチ抽出)、向流抽出(ドリップ抽出)、カラム抽出等の公知の方法を採用することができる。また、抽出条件は特に限定されず、抽出方法により適宜選択することができる。
容器としては通常の包装容器であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等が挙げられる。
また、本発明の容器詰茶飲料は、加熱殺菌済であってもよい。加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されない。例えば、茶飲料を容器包装に充填し、密栓若しくは密封した後殺菌するか、又は自記温度計をつけた殺菌器等で殺菌したもの若しくはろ過器等で除菌したものを自動的に容器包装に充填した後、密栓若しくは密封すればよい。より具体的には、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)等を挙げることができる。
また、加熱殺菌は、容器内の中心部の温度を85℃で30分間加熱する方法、又はこれと同等以上の効力を有する方法で行うことができる。例えば、F0値が0.005〜40、好ましくは0.006〜35、更に好ましくは0.007〜30となる条件で加熱殺菌することができる。ここで、本明細書において「F0値」とは、茶飲料を加熱殺菌した場合の加熱殺菌効果を評価する値で、基準温度(121.1℃)に規格化した場合の加熱時間(分)に相当する。F0値は、容器内温度に対する致死率(121.1℃で1)に、加熱時間(分)を乗じて算出される。致死率は致死率表(藤巻正生ら、「食品工業」、恒星社厚生閣、1985年、1049頁)から求めることができる。F0値を算出するには、一般的に用いられる面積計算法、公式法等を採用することができる(例えば谷川ら《缶詰製造学》頁220、恒星社厚生閣 参照)。本発明において、F0値を所定の値になるよう設定するには、例えば、予め得た致死率曲線から、適当な加熱温度・加熱時間を決定すればよい。
本発明の容器詰茶飲料は適宜の方法で製造することができるが、例えば、成分(A)、(B)、(C)及び(D)、必要により他の成分を配合し、成分(A)及び成分(B)の各含有量、並びに質量比[(C)/(A)]及び質量比[(D)/(A)]を調整して製造することができる。
1.非重合体カテキン類及びカフェインの分析
純水で溶解希釈した試料を、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムODS、4.6mmφ×250mm 粒子径5μm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定する。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は280nmの条件で行う。なお、グラジエント条件は以下の通りである。
濃度勾配条件(体積%)
時間 A液濃度 B液濃度
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
60分 97% 3%
2.アスコルビン酸の分析
試料1〜5gを5%メタリン酸溶液に加え(50mL)適宜希釈する。次いで、遠心分離後、ろ過する。次いで、ろ液1mLを小試験管にとり、5%メタリン酸溶液1mLを加えた後、0.2%ジクロロフェノールインドフェノール溶液100μLと2%チオ尿素−5%メタリン酸溶液2mLを加える。次いで、これに2%2,4-ジニトロフェニルヒドラジン−4.5mol/L硫酸0.5mLを加え、38〜42℃で16時間反応を行う。
反応後、酢酸エチル3mL(振盪60分間)で抽出して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、HPLCにより分析を行う。HPLCはLC−10AS(島津製作所製)を、UV−VIS検出器はSPD−10AV(島津製作所製)を、カラムはSenshupak Silca(4.6mm×長さ100mm,粒子径5μm,カラム温度35℃)を、それぞれ用い、移動相に酢酸エチル、ヘキサン、酢酸及び水の混合液(60:40:5:0.05)を流量1.5mL/minで波長495nmにて検出する。
3.アストラガリンの分析
試料溶液をフィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ(型式LC−20 Prominence,島津製作所製)を用い、カラム〔Cadenza CD−C18(粒子径 3μm,4.6mmφ×150mm,Imtakt)〕を装着し、カラム温度40℃にてグラジエント法により行った。移動相C液は酢酸を0.05質量%含有する緩衝溶液、D液はアセトニトリル溶液とし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は360nmの条件で行った。なお、グラジエントの条件は、以下のとおりである。
濃度勾配条件(体積%)
時間(分) C液濃度 D液濃度
0 85% 15%
20 80% 20%
35 10% 90%
50 10% 90%
50.1 85% 15%
60 85% 15%
また、アストラガリンの標準品を用いて濃度既知の溶液を調製し、高速液体クロマトグラフ分析に供することにより検量線を作成し、アストラガリンを指標として、前記試料溶液中のアストラガリンの定量を行った。
4.2−メチルブタナールの分析
試料10mLをGC用ヘッドスペースバイアル(20mL)に採取し、塩化ナトリウム3gを添加した。バイアルに攪拌子を入れて密栓し、スターラーで30分間撹拌しながら、SPMEファイバー(シグマアルドリッチ社製,膜厚50/30μm、DVB/CAR/PDMS)に含有成分を吸着させた。吸着後、SPMEファイバーを注入口で加熱脱着し、GC/MS測定を行った。分析機器は、Agilent 7890A/5975Cinert(アジレント・テクノロジー社製)を使用した。
分析条件は次のとおりである。
・カラム :VF−WAX(60m(長さ)、0.25mm(内径)、1.0μm(膜厚))
・カラム温度 :35℃(4min)→3℃/min→130℃→5℃/min→240℃(13min)
・カラム圧力 :定流量モード(49kPa)
・カラム流量 :1mL/min(He)
・注入口温度 :250℃
・注入方式 :スプリットレス
・検出器 :MS
・イオン源温度:230℃
・イオン化方法:EI(70eV)
・スキャン範囲:m/z10〜500
・定量イオン :m/z57
購入試薬をアセトンで溶解し、段階希釈して標品を調製した。所定濃度の標品を試料に添加し、試料単体と同様にSPMEファイバーに吸着させ、GC/MS測定を行った。
5.pH測定
検体30mLを50mLのビーカーに量り取り、pHメータ(HORIBA コンパクトpHメータ、堀場製作所製)を用いて、20℃に温度調整をして測定した。
製造例1
茶抽出液Iの製造
煎茶葉(宮崎県産、鹿児島県産)30gを90℃の熱水2000gに投入し、3分間抽出を行い、茶殻を除去した後、液温20℃まで冷却し、茶抽出液Iを得た。得られた茶抽出液Iは、非重合体カテキン類の含有量が80mg/100mLであり、カフェインの含有量が20mg/100mLであり、アスコルビン酸の含有量が1mg/100mLであり、2−メチルブタナールの含有量が3.2ppbであった。なお、アストラガリンは検出されなかった。
参考例1
製造例1で得られた茶抽出液Iと、茶抽出物II(Teavigo、太陽化学社製、非重合体カテキン類純度94質量%、以下、同様である。)と、イオン交換水とを表1に示す割合で配合し、次いで重曹でpHが5.8となるように調整し、次いでイオン交換水にて全量を100質量%に調整して緑茶飲料を得た。次いで、得られた緑茶飲料を容量200mLのPETボトルに充填し加熱殺菌した(ポストミックス方式)。殺菌条件は、85℃、30分で行い、F0値は0.0074であった。そして、得られた容器詰緑茶飲料について分析を行った。その結果を表2に示す。
比較例1
更に、カフェインを表2に示す割合で配合したこと以外は、参考例1と同様の操作により容器詰緑茶飲料を調製した。得られた容器詰緑茶飲料について参考例1と同様に分析を行った。その結果を表2に示す。
実施例1〜3
カフェインに加え、更にL−アスコルビン酸ナトリウム及びアストラガリン試薬(シグマアルドリッチジャパン合同社製 、Kaempferol 3-beta-D-glucopyranoside、アストラガリン純度97質量%、以下、同様である。)を表2に示す割合で配合したこと以外は、参考例1と同様の操作により容器詰緑茶飲料を調製した。得られた各容器詰緑茶飲料について参考例1と同様に分析を行った。その結果を表2に示す。
官能評価1
実施例1〜3、比較例1及び参考例1で得られた各容器詰緑茶飲料の「苦味」について専門パネル4名が官能試験を行った。官能試験は、次の手順で行った。先ず、参考例1の容器詰緑茶飲料に表1に示す量のカフェインを配合して「苦味」の強さを6段階に調整した「苦味標準容器詰緑茶飲料」を調製した、専門パネル4名が各濃度の「苦味標準容器詰緑茶飲料」について、表1に示す評点とすることを合意した。次いで、各専門パネルがカフェイン濃度の低い「苦味標準容器詰緑茶飲料」から順に摂取し、「苦味」の強さを記憶する。次いで、各専門パネルが各容器詰緑茶飲料を摂取し、「苦味」の程度を評価し、「苦味標準容器詰緑茶飲料」の中から「苦味」が最も近いものを決定する。そして、各専門パネルが決定した評点に基づいて、協議により「0.5」刻みで最終評点を決定した。その結果を表2に示す。なお、評点は、数値が小さいほど、「苦味」が強く感じられることを意味する。
Figure 2020145970
Figure 2020145970
実施例1〜3は、比較例1よりも苦味が抑制されていた。また、実施例2、3では、アストラガリンを実施例1よりも増量することで、香り立ちが向上した。
参考例2
茶抽出物の配合量を表4に示す割合に変更したこと以外は、参考例1と同様の操作により容器詰緑茶飲料を調製した。得られた容器詰緑茶飲料について参考例1と同様に分析を行った。その結果を表4に示す。
比較例2
更に、カフェインを表4に示す割合で配合したこと以外は、参考例2と同様の操作により容器詰緑茶飲料を調製した。得られた各容器詰緑茶飲料について参考例2と同様に分析を行った。その結果を表4に示す。
実施例4〜7
カフェインに加え、更にL−アスコルビン酸ナトリウム及びアストラガリン試薬を表4に示す割合で配合したこと以外は、参考例2と同様の操作により容器詰緑茶飲料を調製した。得られた各容器詰緑茶飲料について参考例2と同様に分析を行った。その結果を表4に示す。
官能評価2
実施例4〜7、比較例2及び参考例2で得られた各容器詰緑茶飲料の「苦味」について専門パネル4名が官能試験を行った。官能試験は、次の手順で行った。先ず、参考例2の容器詰緑茶飲料に表3に示す量のカフェインを配合して「苦味」の強さを6段階に調整した「苦味標準容器詰緑茶飲料」を調製した、専門パネル4名が各濃度の「苦味標準容器詰緑茶飲料」について、表3に示す評点とすることを合意した。次いで、各専門パネルがカフェイン濃度の低い「苦味標準容器詰緑茶飲料」から順に摂取し、「苦味」の強さを記憶する。次いで、各専門パネルが各容器詰緑茶飲料を摂取し、「苦味」の程度を評価し、「苦味標準容器詰緑茶飲料」の中から「苦味」が最も近いものを決定する。そして、各専門パネルが決定した評点に基づいて、協議により「0.5」刻みで最終評点を決定した。その結果を表4に示す。なお、評点は、数値が小さいほど、「苦味」が強く感じられることを意味する。
Figure 2020145970
Figure 2020145970
実施例4〜7は、比較例2よりも苦味が抑制されていた。また、実施例5〜7では、アストラガリンを実施例4よりも増量することで、香り立ちが向上した。
参考例3
茶抽出物IIの配合量を表6に示す割合に変更したこと以外は、参考例1と同様の操作により容器詰緑茶飲料を調製した。得られた容器詰緑茶飲料について参考例1と同様に分析を行った。その結果を表6に示す。
比較例3
更に、カフェインを表6に示す割合で配合したこと以外は、参考例3と同様の操作により容器詰緑茶飲料を調製した。得られた各容器詰緑茶飲料について参考例3と同様に分析を行った。その結果を表6に示す。
実施例8、9及び比較例4
カフェインに加え、更にL−アスコルビン酸ナトリウム及びアストラガリン試薬を表6に示す割合で配合したこと以外は、参考例3と同様の操作により容器詰緑茶飲料を調製した。得られた各容器詰緑茶飲料について参考例3と同様に分析を行った。その結果を表6に示す。
官能評価3
実施例8、9、比較例3、4及び参考例3で得られた各容器詰緑茶飲料の「苦味」について専門パネル4名が官能試験を行った。官能試験は、次の手順で行った。先ず、参考例3の容器詰緑茶飲料に表5に示す量のカフェインを配合して「苦味」の強さを6段階に調整した「苦味標準容器詰緑茶飲料」を調製した、専門パネル4名が各濃度の「苦味標準容器詰緑茶飲料」について、表5に示す評点とすることを合意した。次いで、各専門パネルがカフェイン濃度の低い「苦味標準容器詰緑茶飲料」から順に摂取し、「苦味」の強さを記憶する。次いで、各専門パネルが各容器詰緑茶飲料を摂取し、「苦味」の程度を評価し、「苦味標準容器詰緑茶飲料」の中から「苦味」が最も近いものを決定する。そして、各専門パネルが決定した評点に基づいて、協議により「0.5」刻みで最終評点を決定した。その結果を表6に示す。なお、評点は、数値が小さいほど、「苦味」が強く感じられることを意味する。
Figure 2020145970
Figure 2020145970
実施例8、9は、比較例3、4よりも苦味が抑制されていた。また、実施例8、9では、香り立ちも向上した。
実施例10、11
カフェインを表7に示す割合で配合したこと以外は、実施例3と同様の操作により容器詰緑茶飲料を調製した。得られた各容器詰緑茶飲料について実施例3と同様に分析を行い、官能評価1に基づいて官能試験を行った。その結果を、実施例3、比較例1及び参考例1の結果とともに表7に示す。
比較例5、6
カフェインを表7に示す割合で配合したこと以外は、比較例1と同様の操作により容器詰緑茶飲料を調製した。得られた各容器詰緑茶飲料について比較例1と同様に分析を行い、官能評価1に基づいて官能試験を行った。その結果を、実施例3、比較例1及び参考例1の結果とともに表7に示す。
Figure 2020145970
実施例10、11は、比較例5、6よりも苦味が抑制されていた。また、実施例10、11では、実施例3と同様に香り立ちも向上した。
実施例12、13
L−アスコルビン酸ナトリウムを表8に示す割合で配合したこと以外は、実施例3と同様の操作により容器詰緑茶飲料を調製した。得られた各容器詰緑茶飲料について実施例3と同様に分析を行い、官能評価1に基づいて官能試験を行った。その結果を、実施例3、比較例1及び参考例1の結果とともに表8に示す。
Figure 2020145970
実施例12、13は、比較例1よりも苦味が抑制されていた。また、実施例12、13では、実施例3と同様に香り立ちも向上した。
実施例14、15
L−アスコルビン酸ナトリウムを表9に示す割合で配合したこと以外は、実施例6と同様の操作により容器詰緑茶飲料を調製した。得られた各容器詰緑茶飲料について実施例6と同様に分析を行い、官能評価2に基づいて官能試験を行った。その結果を、実施例6、比較例2及び参考例2の結果とともに表9に示す。
Figure 2020145970
実施例14、15は、比較例2よりも苦味が抑制されていた。また、実施例14、15では、実施例6と同様に香り立ちも向上した。
実施例16〜18
更に、2−メチルブタナールを表10に示す割合で配合したこと以外は、実施例3と同様の操作により容器詰緑茶飲料を調製した。得られた各容器詰緑茶飲料について実施例3と同様に分析を行った。また、官能評価は、官能評価1に基づいて行った。分析及び官能評価の結果を、実施例3、比較例1及び参考例1の結果とともに表10に示す。
Figure 2020145970
実施例16〜18は、比較例1よりも苦味が抑制されていた。また、実施例3、16、17では、2−メチルブタナールを増量するにつれ、香り立ちがより増量されたが、実施例18では溶剤臭が感じられた。
参考例4
殺菌条件を136.1℃、0.4分(UHT法)としたこと以外は、参考例1と同様の操作により加熱殺菌済容器詰緑茶飲料を調製した。F0値は13であった。得られた加熱殺菌済容器詰緑茶飲料について参考例1と同様に分析を行った。その結果を、実施例1、比較例1及び参考例1の結果とともに表13に示す。
比較例7
更に、カフェインを表13に示す割合で配合したこと以外は、参考例4と同様の操作により加熱殺菌済容器詰緑茶飲料を調製した。得られた加熱殺菌済容器詰緑茶飲料について参考例4と同様に分析を行った。その結果を、実施例1、比較例1及び参考例1の結果とともに表13に示す。
実施例19
更に、カフェイン、アスコルビン酸ナトリウム及びアストラガリン試薬を表13に示す割合で配合したこと以外は、参考例4と同様の操作により加熱殺菌済容器詰緑茶飲料を調製した。得られた加熱殺菌済容器詰緑茶飲料について参考例4と同様に分析を行った。その結果を、実施例1、比較例1及び参考例1の結果とともに表13に示す。
官能評価4
実施例19、比較例7及び参考例4で得られた各容器詰緑茶飲料の「苦味」について専門パネル4名が官能試験を行った。官能試験は、次の手順で行った。先ず、参考例4の容器詰緑茶飲料に表11に示す量のカフェインを配合して「苦味」の強さを6段階に調整した「苦味標準容器詰緑茶飲料」を調製した、専門パネル4名が各濃度の「苦味標準容器詰緑茶飲料」について、表11に示す評点とすることを合意した。次いで、各専門パネルがカフェイン濃度の低い「苦味標準容器詰緑茶飲料」から順に摂取し、「苦味」の強さを記憶する。次いで、各専門パネルが各容器詰緑茶飲料を摂取し、「苦味」の程度を評価し、「苦味標準容器詰緑茶飲料」の中から「苦味」が最も近いものを決定する。そして、各専門パネルが決定した評点に基づいて、協議により「0.5」刻みで最終評点を決定した。その結果を表13に示す。なお、評点は、数値が小さいほど、「苦味」が強く感じられることを意味する。
Figure 2020145970
参考例5
殺菌条件を136.1℃、0.8分(UHT法)としたこと以外は、参考例1と同様の操作により加熱殺菌済容器詰緑茶飲料を調製した。F0値は25であった。得られた加熱殺菌済容器詰緑茶飲料について参考例1と同様に分析を行った。その結果を、実施例1、比較例1及び参考例1の結果とともに表13に示す。
比較例8
更に、カフェインを表13に示す割合で配合したこと以外は、参考例5と同様の操作により加熱殺菌済容器詰緑茶飲料を調製した。得られた加熱殺菌済容器詰緑茶飲料について参考例5と同様に分析を行った。その結果を、実施例1、比較例1及び参考例1の結果とともに表13に示す。
実施例20
更に、カフェイン、アスコルビン酸ナトリウム及びアストラガリン試薬を表13に示す割合で配合したこと以外は、参考例5と同様の操作により加熱殺菌済容器詰緑茶飲料を調製した。得られた加熱殺菌済容器詰緑茶飲料について参考例5と同様に分析を行った。その結果を、実施例1、比較例1及び参考例1の結果とともに表13に示す。
官能評価5
実施例20、比較例8及び参考例5で得られた各容器詰緑茶飲料の「苦味」について専門パネル4名が官能試験を行った。官能試験は、次の手順で行った。先ず、参考例5の容器詰緑茶飲料に表12に示す量のカフェインを配合して「苦味」の強さを6段階に調整した「苦味標準容器詰緑茶飲料」を調製した、専門パネル4名が各濃度の「苦味標準容器詰緑茶飲料」について、表12に示す評点とすることを合意した。次いで、各専門パネルがカフェイン濃度の低い「苦味標準容器詰緑茶飲料」から順に摂取し、「苦味」の強さを記憶する。次いで、各専門パネルが各容器詰緑茶飲料を摂取し、「苦味」の程度を評価し、「苦味標準容器詰緑茶飲料」の中から「苦味」が最も近いものを決定する。そして、各専門パネルが決定した評点に基づいて、協議により「0.5」刻みで最終評点を決定した。その結果を表13に示す。なお、評点は、数値が小さいほど、「苦味」が強く感じられることを意味する。
Figure 2020145970
Figure 2020145970
実施例19は比較例7よりも苦味が抑制され、そして実施例20は比較例8よりも苦味が抑制されていた。また、実施例19、20は、実施例1と同様に香り立ちも向上した。
表2、4、6〜10、13から、非重合体カテキン類及びカフェインを一定量含有する茶飲料に、非重合体カテキン類に対して、アストラガリンと、アスコルビン酸又はその塩をそれぞれ一定の量比で含有させることで、非重合体カテキン類及びカフェインを強化しながらも、苦味を抑制できることがわかる。

Claims (5)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D);
    (A)非重合体カテキン類 0.051〜0.10質量%、
    (B)カフェイン 0.010〜0.10質量%
    (C)アスコルビン酸又はその塩、及び
    (D)アストラガリン
    を含有し、
    成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]が0.20〜5.0であり、
    成分(A)と成分(D)との質量比[(D)/(A)]が0.60×10-3〜30×10-3であり、
    pHが5〜7である、容器詰茶飲料。
  2. 成分(C)の含有量が0.010〜0.10質量%である、請求項1記載の容器詰茶飲料。
  3. 成分(D)の含有量が0.30〜30質量ppmである、請求項1又は2記載の容器詰茶飲料。
  4. 更に成分(E)として2−メチルブタナールを含み、成分(E)の含有量が4.0〜100質量ppbである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器詰茶飲料。
  5. 茶飲料が緑茶飲料である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器詰茶飲料。
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